特許第6074275号(P6074275)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6074275
(24)【登録日】2017年1月13日
(45)【発行日】2017年2月1日
(54)【発明の名称】カメラヘッド用カバー
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/225 20060101AFI20170123BHJP
【FI】
   H04N5/225 D
   H04N5/225 C
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-13507(P2013-13507)
(22)【出願日】2013年1月28日
(65)【公開番号】特開2014-146927(P2014-146927A)
(43)【公開日】2014年8月14日
【審査請求日】2016年1月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】503436085
【氏名又は名称】山本 政和
(74)【代理人】
【識別番号】100085316
【弁理士】
【氏名又は名称】福島 三雄
(72)【発明者】
【氏名】山本 政和
【審査官】 鹿野 博嗣
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−017554(JP,A)
【文献】 特開2003−210394(JP,A)
【文献】 特開2008−028722(JP,A)
【文献】 特開2008−011221(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/225
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラヘッドに取り付けられるカメラヘッド用カバーであって、
下部が上部より重く形成されている
ことを特徴とするカメラヘッド用カバー。
【請求項2】
前記カメラヘッドに取り付けられて水平面に載置された際、前記カメラヘッドを斜め上方へ向けるよう構成された
ことを特徴とする請求項1に記載のカメラヘッド用カバー。
【請求項3】
前記カメラヘッドが収容される穴が形成されており、
この穴は、その軸線が、カバーの軸線に対して傾斜して形成されている
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のカメラヘッド用カバー。
【請求項4】
軸線が水平に配置された状態において、下端部が後方へ行くにしたがって上方へ傾斜する傾斜面に形成されている
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のカメラヘッド用カバー。
【請求項5】
前側下端部は、前方へ行くにしたがって上方へ傾斜する傾斜面に形成されている
ことを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかに記載のカメラヘッド用カバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種管内へ送り込まれるカメラのヘッドに取り付けられるカバーに関するものであり、典型的には、水道管内へ送り込まれるカメラのヘッドに取り付けられるカバーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
配水管内を調査するために、配水管内にカメラを挿入することがある。
このカメラのヘッドには、LEDなどの照明が設けられており、管内を照らしつつ撮影することが可能とされている。
そして、従来、配水管内に沿ってカメラを進行させる場合、そのヘッドを正面に向けた状態で進行させていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、管内において、カメラが周方向に回転して上下が逆になり、うまく撮影できない場合があった。
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、周方向に回転しても元に戻るカメラヘッド用カバーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、前記課題を解決するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、カメラヘッドに取り付けられるカメラヘッド用カバーであって、下部が上部より重く形成されていることを特徴とするカメラヘッド用カバーである。
【0006】
請求項2に記載の発明は、前記カメラヘッドに取り付けられて水平面に載置された際、前記カメラヘッドを斜め上方へ向けるよう構成されたことを特徴とする請求項1に記載のカメラヘッド用カバーである。
【0007】
請求項3に記載の発明は、前記カメラヘッドが収容される穴が形成されており、この穴は、その軸線が、カバーの軸線に対して傾斜して形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のカメラヘッド用カバーである。
【0008】
請求項4に記載の発明は、軸線が水平に配置された状態において、下端部が後方へ行くにしたがって上方へ傾斜する傾斜面に形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のカメラヘッド用カバーである。
【0009】
さらに、請求項5に記載の発明は、前側下端部は、前方へ行くにしたがって上方へ傾斜する傾斜面に形成されていることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかに記載のカメラヘッド用カバーである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、周方向に回転しても元に戻ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明のカメラヘッド用カバーの一実施例を示す正面図である。
図2図1のカメラヘッド用カバーの側面図である。
図3図1のカメラヘッド用カバーの平面図である。
図4図1のカメラヘッド用カバーの斜視図である。
図5図2の縦断面図である。
図6図1のカメラヘッド用カバーの分解斜視図である。
図7図1のカメラヘッド用カバーにカメラヘッドを収容した状態を示す図である。
図8図1のカメラヘッド用カバーが装着されたカメラを、挿入具により管内へ送り込む状態を示す概略図である。
図9】水道管に縦管部が設けられた状態を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明のカメラヘッド用カバーの一実施例について図面に基づいて具体的に説明する。
【0013】
図1図4は、本発明のカメラヘッド用カバーの一実施例を示す図であり、図1は正面図、図2は側面図、図3は平面図、図4は斜視図である。また、図5は、図2の縦断面図である。図6は、図1のカメラヘッド用カバーの分解斜視図である。
【0014】
本実施例のカメラヘッド用カバー1は、略円柱形状とされ、その前端部3は傾斜面に形成されている。具体的には、カバー1の前端部3は、上方へ行くにしたがって後方へ傾斜する傾斜面に形成されている。
【0015】
カバー1には、前端部と後端部とを連通する貫通穴5が形成されている。
この貫通穴5は、カバー1を水平に配置した状態において、傾斜するよう形成されている。具体的には、貫通穴5は、カバー1が水平面に載置された状態において、前方へ行くに従って上方へ傾斜して形成されている。
【0016】
カバー1が水平面に載置された状態において、水平面Gに対する貫通穴5の傾斜角度αは、3〜15度となるのが好ましく、さらに好ましくは、6〜10度とされ、本実施例では、傾斜角度αは8度とされている。
【0017】
貫通穴5は、前部7が後部9より大径に形成されている。また、前部7と後部9との境界部11は、後方へ行くにしたがって縮径する円錐台状に形成されている。
また、貫通穴5の前部7の先端下端部13、つまりカバー1の前端側開口部の下端部は、前方へ行くにしたがって上方へせり上がるように形成されている。
【0018】
カバー1の下端部中央には、上方へ凹んで矩形状の溝17が軸方向に沿って形成されている。
【0019】
カバー1の下側前端部19は、前方へ行くにしたがって上方へ傾斜する傾斜面に形成されている。
【0020】
本実施例では、カバー1は、上下に分割可能な構成とされ、下側部材21に上側部材23が重ね合わされて構成される。
カバー1は、前方へ行くにしたがって上方へ傾斜する面で上下に分離可能とされており、本実施例では、貫通穴5の軸線Lを通る面で、上下に分離可能とされる。
【0021】
カバー1の下側部材21は、断面略半円形状とされる。
下側部材21の上面には、カバー1の貫通穴5(7,11,9)の下部を構成する断面半円形状の溝7a,11a,9aが形成されている。
【0022】
カバー1の上側部材23は、断面略半円形状とされる。
上側部材23の下面には、カバー1の貫通穴5の上部を構成する断面半円形状の溝7b,11b,9bが形成されている。
【0023】
上側部材23を、下側部材21に重ね合わせた状態で、上側部材23の幅方向両端部から下側部材21にネジ25がねじ込まれることで両部材21,23が固定されて、カバー1が構成される。
【0024】
本実施例では、下側部材21はステンレスなどの金属で形成されており、上側部材23はポリプロピレンなどの合成樹脂で形成されており、上側部材23より下側部材21のほうが重く構成されている。
これにより、カバー1は、周方向に回転したとしても、上下が元の位置に自動的に戻る。
【0025】
図7は、本実施例のカメラヘッド用カバーにカメラヘッドを収容した状態を示す図である。
【0026】
本実施例のカメラヘッド用カバー1が適用されるカメラCは、カメラヘッドCHと、このカメラヘッドCHに接続されるカメラケーブルCCとを有する。
【0027】
カメラヘッドCHは、略円柱形状とされ、その直径は、たとえば、3cmとされる。カメラヘッドCHは、その中央部にレンズが配置され、その周囲に複数の照明用のLEDが設けられて構成されている。また、カメラケーブルCCは、可撓性を有すると共に、比較的剛性を有したものとされ、外周面が滑らかとされている。
【0028】
カメラヘッド用カバー1をカメラヘッドCHに取り付ける場合、カバー1の貫通穴5にカメラヘッドCHを収容するようにして、上側部材23を下側部材21に固定すればよい。カバー1が取り付けられたカメラヘッドCHは、先端下端部13と境界部11とにより、カバー1に対する前後方向の移動が規制される。
カバー1が取り付けられたカメラヘッドCHは、カバー1を水平面に載置した際、斜め上方へ向けられて配置される。
【0029】
カメラケーブルCCには、カメラヘッドCHからの映像を映し出すモニターや、映像を記録する録画機器等が接続される。カメラヘッドCHは、カバー1の前方開口部から外部を見た映像を撮影し、モニターに映像が映し出される。
【0030】
図8は、カバーが装着されたカメラを、挿入具により管内へ送り込む状態を示す概略図である。また、図9は、水道管に縦管部が設けられた状態を示す縦断面図である。
【0031】
本実施例のカバー1が装着されたカメラCは、たとえば、挿入具30により上水道配水管内に水密状態で送り込まれて、管路に沿って進行する。図示例では、挿入具30は、補修弁に39取り付けられている。
【0032】
具体的には、多数の管が接続されて構成される水道管31には、図9に示すように、適宜、上方へ分岐して縦管部Tが設けられている。つまり、水道管31には、図9に示すように、上方へ延出する縦管35を有する略T字形の管37が、適宜接続されている。この管37の縦管35に補修弁39などを介して消火栓Hが接続されて縦管部Tが構成されている。なお、図示例では、縦管部Tを構成する消火栓Hや補修弁39などは、地下に形成されたボックスB内に収容されている。
本実施例では、補修弁39から消火栓Hを取り外した状態で、補修弁39に挿入具30が取り付けられている。なお、図示例では、補修弁39はボール式補修弁とされている。
【0033】
補修弁39に取り付けられた挿入具30には、パッキン43が設けられており、カメラケーブルCCは、パッキン43を介して外部へ導出されており、水密性を維持した状態で、水道管31に対して進退可能とされる。
カメラケーブルCCは、挿入具30の外部においてドラムに巻かれており、その端部には、カメラヘッドCHからの映像を映し出すモニターや録画機器が設けられている。
【0034】
カバー1が取り付けられたカメラCは、管内を照明で照らしながら進行する。
本実施例では、カバー1が水平面に載置された状態において、カメラCが斜め上方へ向けて設けられていることで、照明により斜め上方が照らされる。
これにより、カメラCの近傍において、管の底部に照明が当たることがなく、これによりハレーションがおこらず、管内をきれいに撮影することができる。
また、カメラCが上方へ向けられていることで、管の上部も撮影することができ、管の内周面全体をきれいに撮影することが可能とされる。
【0035】
また、本実施例では、カバー1は、下側部材21が上側部材23より重く形成されている。これにより、カバー1が管内で周方向に回転してしまったとしても、上下方向が自動的に元に戻り、正確に管内調査を行うことができる。つまり、上下を維持した状態で、管内を撮影することができる。
【0036】
さらに、本実施例では、カバー1の下側前端部19が傾斜面に形成されていることで、カバー1が水平面Gに載せ置かれた際、カバー1の下側前端部19は、水平面との間に隙間が形成される。これにより、管底に錆こぶなどが存在しても、カバー1は、乗り越えて進行することができる。
【0037】
本発明のカメラヘッド用カバーは、上記実施例の構成に限らず、適宜変更可能である。
たとえば、上記実施例では、上側部材23と下側部材21の材質を変えて、カバー1の上部と下部の重さを変えたが、同じ材質として、厚みなどにより上下で重さを異なるものとするようにしてもよい。
【0038】
また、上記実施例では、カバー1に形成される貫通穴5を、カバー1の軸線に対して傾斜して形成したが、カバー1の軸線と同軸上に貫通穴を形成し、カバー1の下端部を傾斜面に形成して、カメラCが上方へ向くようにしてもよい。
具体的には、カバー1を水平面に載置した際に、尻下がりになるように、換言すれば、その軸線Lが前方へ行くに従ってやや上方へ傾斜するように、下端部を傾斜面に形成すればよい。つまり、カバー1をその軸線Lが水平となるように配置した状態において、その下端部を後方へ行くに従って上方へ傾斜する傾斜面に形成すればよい。
【0039】
さらに、上記実施例では、水道管のうち、上水道配水管で使用する場合について説明したが、導水管や送水管などの水道管でも同様に使用可能である。さらに、ガスなどが流れる管でも使用可能である。
【符号の説明】
【0040】
1 カメラヘッド用カバー
5 貫通穴
21 下側部材
23 上側部材
C カメラ
CH カメラヘッド
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9