(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記回路形成部が、前記内部チャネルを含む第1の脚部と、前記内部チャネルとは異なるように形成された第2の内部チャネルを含む第2の脚部とを含む、請求項1に記載の鋳造用物品。
前記回路形成部のうちの前記少なくとも1つが、前記内部チャネルを含む第1の脚部と、前記内部チャネルとは異なるように形成された第2の内部チャネルを含む第2の脚部とを含む、請求項10に記載の方法。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の例示的態様による鋳造用物品は、とりわけ、回路形成部と、回路形成部の内部に形成された内部チャネルとを含む。内部チャネルは、回路形成部の中を少なくとも部分的に通って延びる浸出通路を画定する。
【0006】
前述の鋳造用物品のさらに非限定的な実施形態では、内部チャネルは、入口と出口とを含む。浸出通路は、入口と出口との間に延びる。
【0007】
前述の鋳造用物品のうちのいずれかのさらに非限定的な実施形態では、回路形成部は、前縁回路形成部と蛇行回路形成部と後縁回路形成部とのうちの1つである。
【0008】
前述の鋳造用物品のうちのいずれかのさらに非限定的な実施形態では、鋳造用物品は、シリカとアルミナと耐熱金属とのうちの少なくとも1つから作られる、付加製造コアである。
【0009】
前述の鋳造用物品のうちのいずれかのさらに非限定的な実施形態では、複数の回路形成部およびスタビライザ部は、複数の回路形成部のうちの少なくとも1つに接続されている。
【0010】
前述の鋳造用物品のうちのいずれかのさらに非限定的な実施形態では、内部チャネルは、回路形成部を通して形成された高対流チャネルである。
【0011】
前述の鋳造用物品のうちのいずれかのさらに非限定的な実施形態では、複数の内部チャネルが、回路形成部を通して形成される。
【0012】
前述の鋳造用物品のうちのいずれかのさらに非限定的な実施形態では、内部チャネルは、外側シェル本体によって囲まれた最大表面積内部チャネルである。
【0013】
前述の鋳造用物品のうちのいずれかのさらに非限定的な実施形態では、回路形成部は、内部チャネルを含む第1の脚部と、内部チャネルとは異なるように形成された第2の内部チャネルを含む第2の脚部とを含む。
【0014】
前述の鋳造用物品のうちのいずれかのさらに非限定的な実施形態では、回路形成部は、鋳造プロセス中に意図的に破損するように構成された、少なくとも1つの設計破損特徴部を含む。
【0015】
本開示の別の例示的態様による、ガスタービンエンジン部品を製造するための鋳造用物品を作成する方法は、とりわけ、粉末状材料を付加製造システムに供給することを含む。粉末状材料は、シリカ材料とアルミナ材料と耐熱金属材料とのうちの少なくとも1つを含む。付加製造システムは、鋳造用物品を層毎に製造するために使用される。鋳造用物品は複数の回路形成部を含み、回路形成部のうちの少なくとも1つは、回路形成部を通る中空開口部を構築する内部チャネルを含む。
【0016】
前述の方法のさらに非限定的な実施形態では、浸出通路は、内部チャネルの入口と出口との間に延びる。
【0017】
前述の方法のうちのいずれかのさらに非限定的な実施形態では、付加製造システムを使用するステップは、鋳造用物品の第1の断面層を形成するために、粉末状材料の第1の層を融解させることと、粉末状材料の第2の層を第1の断面層の上に広げることと、鋳造用物品の第2の断面層を形成するために、第2の層を融解させることと、を含む。
【0018】
前述の方法のうちのいずれかのさらに非限定的な実施形態では、浸出通路は、回路形成部のうちの少なくとも1つの中を少なくとも部分的に通って延びる。
【0019】
前述の方法のうちのいずれかのさらに非限定的な実施形態では、回路形成部のうちの少なくとも1つは、内部チャネルを含む第1の脚部と、内部チャネルとは異なるように形成された第2の内部チャネルを含む第2の脚部と、を含む。
【0020】
それらのさまざまな態様または各個別の特徴のうちのいずれかを含む、前の段落、特許請求の範囲、または以下の説明および図面の実施形態、実施例、および代替物は、個別に、または組み合わせて解釈され得る。ある実施形態に関連して説明する特徴は、そのような特徴が両立しないものでない限り、すべての実施形態に適用可能である。
【0021】
本開示のさまざまな特徴および利点は、以下の詳細な説明から、当業者に明白になる。詳細な説明に添付する図面を以下に簡単に説明する。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本開示は、コアなどの付加製造鋳造用物品について説明する。付加製造システムを使用して、鋳造用物品を層毎に作ることができる。鋳造用物品は、複数の回路形成部を含む。回路形成部を、内部チャネルと共に形成することができる。いくつかの実施形態では、鋳造用物品は、浸出流体を受けるための浸出通路を構築する。浸出通路は、鋳造後のガスタービンエンジン部品からコアを融解するのに必要な時間の量を減少させる。別の実施形態では、鋳造用物品は、設計破損領域を備える。設計破損領域は、部品凝固中に、回路形成部が非重要位置でたわみ、つぶれ、または崩れることを可能にして、鋳造部品に損傷を与えることを防ぐ。本発明を実施するための形態の以下の段落で、これらおよび他の特徴をより詳細に説明する。
【0024】
図1は、ガスタービンエンジン20を概略的に示している。非限定的な一実施形態では、例示的ガスタービンエンジン20は、一般に、ファン部分22と圧縮器部分24と燃焼器部分26とタービン部分28とを組み込んだ、2軸式ターボファンエンジンである。代替的なエンジンは、他のシステムの特徴部の中で(図示しない)オーグメンタ部分を含む。ファン部分22は、空気をバイパスフロー流路Bに沿って送り、一方、圧縮器部分24は、圧縮と燃焼器部分26への供給とのために、空気をコアフロー流路Cに沿って送る。燃焼器部分26で生成された高温燃焼ガスは、タービン部分28を通って膨脹する。開示した非限定的な実施形態ではターボファンガスタービンエンジンとして描かれているが、本明細書で説明する概念がターボファンエンジンに限定されず、これらの教示が、3軸式エンジン構造体を含むが、それに限定されない他の種類のエンジンにおよび得る、ということが理解されるべきである。
【0025】
ガスタービンエンジン20は、一般に、エンジン中心線長手方向軸Aの周りでの回転のために取り付けられた、低速スプール30と高速スプール32とを含む。低速スプール30と高速スプール32とを、エンジン静的構造33に対して、いくつかのベアリングシステム31を介して取り付けることができる。他のベアリングシステム31を、代替的にまたは追加的に提供することができる、ということを理解すべきである。
【0026】
低速スプール30は、一般に、ファン36と低圧圧縮器38と低圧タービン39とを相互接続する内側シャフト34を含む。内側シャフト34をファン36に、ギア付き構造体45を通して接続して、ファン36を低速スプール30よりも遅い速度で動かすことができる。高速スプール32は、高圧圧縮器37と高圧タービン40とを相互接続する外側シャフト35を含む。本実施形態では、内側シャフト34および外側シャフト35は、さまざまな軸位置において、エンジン静的構造33内に置かれたベアリングシステム31によって支えられている。
【0027】
燃焼器42は、高圧圧縮器37と高圧タービン40との間に配置されている。中間タービンフレーム44は、一般に、高圧タービン40と低圧タービン39との間に配置され得る。中間タービンフレーム44は、タービン部分28の1つまたは複数のベアリングシステム31を支えることができる。中間タービンフレーム44は、コアフロー流路C内に延びる1つまた複数のエアフォイル46を含むことができる。
【0028】
内側シャフト34および外側シャフト35は、同心であり、それらの長手方向軸と同一直線上にあるエンジン中心線長手方向軸Aの周りを、ベアリングシステム31を介して回転する。コア気流は、低圧圧縮器38と高圧圧縮器37とによって圧縮され、燃焼器42で燃料と混合され、燃焼され、その後、高圧タービン40と低圧タービン39とを通して膨脹する。高圧タービン40および低圧タービン39は、膨脹に応じて、それぞれの高速スプール32と低速スプール30とを回転的に動かす。
【0029】
低圧タービン39の圧力比は、低圧タービン39の出口におけるガスタービンエンジン20の排気ノズルの前の圧力に対する、低圧タービン39の入口の前で測定された圧力であることができる。非限定的な一実施形態では、ガスタービンエンジン20のバイパス比は、約10よりも大きく(10:1)、ファン径は、低圧圧縮器38のそれよりも著しく大きく、低圧タービン39は、約5よりも大きい圧力比(5:1)を有する。しかしながら、上記のパラメータが、ギア付き構造体エンジンの一実施形態の単に例であり、本開示が、直接駆動ターボファンを含む他のガスタービンエンジンに適用可能である、ということを理解すべきである。
【0030】
例示的ガスタービンエンジン20の本実施形態では、高バイパス比のために、大量の推力がバイパスフロー流路Bによって提供される。ガスタービンエンジン20のファン部分22は、特定の飛行条件、通常、約0.8マッハおよび約35,000フィートでの巡航のために設計されている。ガスタービンエンジン20がその最良の燃費状態にあるこの飛行条件は、また、バケット巡航推力燃料消費率(TSFC)としても知られている。TSFCは、推力の単位当たりの燃料消費の業界標準パラメータである。
【0031】
ファン圧力比は、ファン出口ガイドベーンシステムを使用しない、ファン部分22のブレードにわたる圧力比である。例示的なガスタービンエンジン20の非限定的な一実施形態による低ファン圧力比は、1.45よりも小さい。低補正ファン先端速度は、実際のファン先端速度を、[(Tram°R)/518.7°R]0.5の業界標準温度補正値で割ったものである。例示的ガスタービンエンジン20の非限定的な一実施形態による低補正ファン先端速度は、約1150fps(351m/s)よりも小さい。
【0032】
圧縮器部分24とタービン部分28との各々は、コアフロー流路Cの中に延びるエアフォイルを支える、(概略的に示された)ローターアセンブリとベーンアセンブリとの交互になった列を含むことができる。たとえば、ローターアセンブリは、複数の回転ブレード25を支えることができ、一方、各ベーンアセンブリは、コアフロー流路Cの中に延びる複数のベーン27を支えることができる。ブレード25は、ガスタービンエンジン20を通ってコアフロー流路Cに沿って供給されたコア気流から、(圧力の形態の)エネルギーを作り出す、または抽出する。ベーン27は、コア気流をブレード25に導いて、エネルギーを追加する、または抽出する。
【0033】
ブレード25のエアフォイルと圧縮器部分24とタービン部分28とのベーン27を含むがこれらに限定されない、ガスタービンエンジン20のさまざまな構成要素は、広範囲の温度と圧力との下で、反復的な温度サイクルにさらされ得る。タービン部分28のハードウェアは、特に、比較的極端な動作条件にさらされる。したがって、いくつかの構成要素は、エンジン動作中に部品を冷却するための内部冷却特徴部を必要とし得る。そのような内部冷却特徴部を有するガスタービンエンジン部品を鋳造するための付加製造鋳造用物品を、以下でより詳細に説明する。
【0034】
図2は、インベストメント鋳造プロセスなどの鋳造プロセスで製造され得る部品50を示している。他の製造技法も、本開示の範囲内で考えられる。例示の実施形態では、部品50は、ガスタービンエンジン20のタービン部分28のブレード52である。部品50をタービンブレード52として示すが、本開示のさまざまな特徴は、ガスタービンエンジンの任意の製造部品に適用可能であり、それらには、ベーン、ブレード、ブレード外側エアシール(BOAS)、または他の鋳造部品が含まれるが、これらに限定されない。たとえば、第2の非限定的な実施形態では、部品50は、内側プラットフォーム59と外側プラットフォーム61との間に延びるエアフォイル57を含むベーン55であり得る(たとえば、
図4を参照)。
【0035】
部品50は、プラットフォーム54と、ルート56と、ルート56とは反対方向にプラットフォーム54から延びるエアフォイル58とを含む。エアフォイル58は、前縁60と、後縁62と、正圧面64と、負圧面66とを含む。
【0036】
部品50は、部品50を冷却するための内部回路74を追加的に含むことができる。内部回路74は、内部冷却通路68A、68B、68Cと、さまざまな超小型回路と、スキンコアと、冷却孔と、後縁出口または他の内部冷却特徴部とを含むことができる。内部冷却通路68A、68B、68C、およびさまざまな他の内部冷却特徴部は、内部回路74を画定する。部品50の内部回路74は、多くの潜在的冷却回路のうちのほんの一例を表し、図示の実施例は、本開示を限定することを全く意図しない。別の言い方をすれば、さまざまな代替的な冷却通路と内部回路構成とを部品50の中に、代替的にまたは追加的に鋳造することが可能である。内部回路74の実設計は、他の基準の中でも特に、部品50の冷却要件に依存し得る。
【0037】
動作中、圧縮器部分24(
図1参照)からの抽気などの冷却気流は、内部冷却通路68A、68B、68Cを通って連通し、内部冷却特徴部を通って循環され得る。冷却気流は、内部回路74を通って循環されて、部品50を冷却する。
【0038】
図3は、コア76を取り除く前の、
図2の部品50を示している。コア76は、製造プロセス中に鋳造システムの一部として使用されて、部品50の内部回路74(
図2参照)を画定することができる。コア76は、
図2に示す部品50を作るために、浸出操作などで除去され得る。
【0039】
コア76は、内部回路74のさまざまな特徴部(内部冷却通路68A、68B、68Cと他の内部冷却特徴部との両方)を形成するのに適したコア形状を含む。一実施形態では、コア76は、モリブデン、タングステン、ニオブ、タンタル、レニウム、または他の耐熱金属材料などの耐熱金属から作られた、耐熱金属コアである。耐熱金属の使用は、コア76に比較的高温の鋳造温度に耐える能力を与え、ある程度の延性と破壊靭性とを提供する。別の実施形態では、セラミック材料、シリカ材料、またはアルミナ材料を使用して、コア76を形成することができる。さらに別の実施形態では、耐熱金属とセラミックスとシリカとアルミナとを含むがこれらに限定されない材料の組み合わせを使用して、コア76を作成することができる。
【0040】
コア76は、付加製造プロセスを使用して作成され得る。コアを作成するための例示的な付加製造システムと方法とを以下に説明する。
【0041】
図5は、
図3のコア76、またはコア、シェル、ゲートなどを含む、鋳造システムの他の鋳造用物品などの鋳造用物品を製造するために使用され得る、付加製造システム78を示している(例示的な鋳造システムについては
図12を参照)。一実施形態では、付加製造システム78は、デリバリプラットフォーム80と、ビルドプラットフォーム82と、スプレッダ84と、融解デバイス86(または焼結デバイス)とを含む。デリバリプラットフォーム80は、耐熱金属粉末、シリカ粉末、アルミナ粉末、またはそのような粉末のうちの少なくとも2つを含む組み合わせなどの粉末状材料88を支える。ビルドプラットフォーム82は、その上でコア76が付加的に作られる基板である。融解デバイス86は、レーザーまたは電子ビーム融解デバイスを含むことができるが、他の融解および/または焼結デバイスも考えられる。
【0042】
付加製造システム78の非限定的な使用では、デリバリプラットフォーム80は、第1の方向D1に移動可能であり、粉末状材料88をビルドプラットフォーム82に対して位置付ける。スプレッダ84は、第2の方向D2(つまり、第1の方向D1に垂直)に移動して、粉末状材料88の薄層をビルドプラットフォーム82の上に広げることができる。次いで、融解デバイス86を作動させて、粉末状材料88の層をコア76の形状が存在することになる位置で融解させ、コア76の第1の層L1を作成する。粉末状材料88の一部は、融解ステップの後にコア76内に残っていてよい。この粉末状材料88を除去することができ、または支えを提供するためにコア76内に残すことができる。
【0043】
第1の層L1が完成すると、ビルドプラットフォーム82を方向D3(方向D1の反対)に動かすことができる。一実施形態では、ビルドプラットフォーム82は、方向D3に、約1層と等しい距離動かされる。次に、粉末状材料88の別の層を、ビルドプラットフォーム82の上にスプレッダ84を介して堆積させることができる。たとえば、粉末状材料88の層を、先に形成された第1の層L1の上に広げることができる。融解デバイス86は、粉末状材料88の第2の層を融解させて、コア76の第2の層L2を作成する。第2の層L2は、融解プロセス中に、第1の層L1に接着される。この層毎のプロセスを、所望のコア形状を有するコア76全体が付加的に作られるまで、全部でLn層に渡って繰り返すことができる。
【0044】
一実施形態では、コア76の所望の形状の断面を画定するCADデータ90を参照して、コア76の層L1からLnを互いに接合することができる。CADデータ90は、付加製造システム78に伝えられ、コア76を製造するための必要な数値データを提供する。
【0045】
上記で説明した付加製造システム78および使用方法は、コア、シェル、または他の品目などの鋳造用ツール品を付加製造するための、ほんの1つの例示的な構成にすぎない。付加製造システム78が、
図5の高度な概略図を参照して説明しなかった追加的な機能を含むことができる、ということを理解すべきである。
【0046】
断面毎に、層が互いの上に作られ、互いに接合されると、所望のコア形状を有するコア76が形成され得る。たとえば、内部チャネルを提供するコア形状を有する付加製造コアを作ることができる。一実施形態では、内部チャネルは、コア76を鋳造部品からより効果的かつ効率的に浸出させるための浸出通路を構築する。別の実施形態では、内部チャネルは、鋳造プロセス中のコア圧縮率を強化するための設計破損特徴部を含む。
図6〜9は、上記で説明したものに類似の付加製造システムとプロセスとを使用して作成され得る、複数のコア形状を示している。本開示は、図示したまさにそのコア形状に限定されず、鋳造用物品は、
図6〜9に示す特徴部の組み合わせを含むように付加製造され得る、ということを理解すべきである。
【0047】
図6および
図7は、本開示の第1の実施形態による例示的な鋳造コア76を示している。コア76は、鋳造ガスタービンエンジン部品の所望の内部回路とは反対の凹凸を画定するコア形状92を含むように付加製造され得る。コア形状92は、1つまたは複数の回路形成部、ここでは、回路形成部98Aと98Bと98Cとを含むことができる。別の実施形態では、コア形状92は、回路形成部98Aと98Bと98Cとのうちの1つまたは複数の位置を安定させるためのスタビライザ部96(
図6参照)を含む。鋳造プロセス中、回路形成部98A、98Bおよび98Cは、鋳造ガスタービンエンジン部品のさまざまな通路と特徴部(たとえば、
図2の内部回路74を参照)とを形成する。いくつかの実施形態では、スタビライザ部96は、また、非限定的な一例として先端プレナムなどの、鋳造部品の内部回路の一部を構築することができる。
【0048】
別の非限定的な実施形態では、コア形状92は、前縁回路形成部98Aと、蛇行回路形成部98Bと、後縁回路形成部98Cとを含む。前縁回路形成部98Aは、鋳造部品内で前縁冷却回路を形成するように構成され、蛇行回路形成部98Bは、鋳造部品内で蛇行冷却回路を形成するように構成され、後縁回路形成部98Cは、鋳造部品内で後縁冷却回路を形成するように構成されている。例示的コア形状92は、1つの可能なコア形状設計のほんの非限定的な実施例である。他の構成もまた、本開示の範囲の中で考えられる。
【0049】
(
図7を参照、91Aまたは91Bのいずれかが付された)内部チャネルを含むように、コア76の回路形成部98Aと98Bと98Cとのうちの1つまたは複数を付加製造することができる。内部チャネル91Aまたは91Bは、コア76を鋳造後の部品から浸出させるための、回路形成部98Aと98Bと98Cとを貫通する中空開口部を構築する。上記で説明したものなどの付加製造技法を利用することによって、以前から知られている浸出方法よりもより速い速度で、コア76を鋳造部品から溶解させることを可能にする、内部チャネル91Aおよび/または91Bを含むように、コア76を形成することができる。いくつかの実施形態では、内部チャネル91A、91Bは、従来の固体コアと比較して、コア76と浸出媒体との間のより高い拡散面を可能にする。
【0050】
内部チャネル91A、91Bは、さまざまな大きさと形状とを具体化することができる。たとえば、一実施形態では、回路形成部98Aと98Bと98Cとのうちの1つまたは複数は、比較的薄い境界層を支持し、したがって、内部チャネル91Aを通して押入れられる浸出流体へのコア76材料の拡散の増加とを維持する高対流チャネルとして構成された、複数の内部チャネル91Aを含む。例示の実施形態では、前縁回路形成部98Aおよび蛇行回路形成部98Bの第1の脚部93Aは、「高対流」型内部チャネル91Aを含む。内部チャネル91Aのうちのいくつかは、前縁回路形成部98Aによって示されるように、互いに接続することができる。
【0051】
別の実施形態では、回路形成部98Aと98Bと98Cとのうちの1つまたは複数は、内部チャネル91Bが存在する回路の内部の輪郭を描く、1つの内部チャネル91Bを含む。輪郭を描く内部チャネル91Bは、浸出流体に接する回路の表面積を最大化する。内部チャネル91Bを含む実施形態では、回路形成部98Aと98Bと98Cとの表面積のほとんどは、内部チャネル91Bによって構築される空間によって取り囲まれている。別の言い方をすれば、内部チャネル91Bを含む、回路形成部98Aと98Bと98Cとのうちの固体部分は、内部チャネル91Bを囲む外側シェル本体95のみである。内部チャネル91Bは、例えば、浸水タンクを使用する浸出操作中に発生し得る低からゼロのフロー浸出状態にとって有用であり得る。例示の実施形態では、蛇行回路形成部98Bの第2の脚部93Bおよび第3の脚部93Cは、「最大表面積」型内部チャネル91Bを含む。
【0052】
さらに別の実施形態では、コア形状92は、内部チャネル91Aのみ、内部チャネル91Bのみ、または内部チャネル91Aと91Bとの組み合わせを含むように設計され得る。図示されていないが、内部チャネル91A、91Bは、トリップストリップまたはペデスタルアレイなどの境界層破壊デバイスを含んで、浸出流体へのコア76材料の拡散を促進することができる。
【0053】
内部チャネル91A、91Bは、各回路形成部98Aと98Bと98Cとを貫通する、浸出通路P(
図6参照)を構築する。各回路形成部98A、98B、および98Cは、入口97と少なくとも1つの出口99とを含むことができる。浸出流体Fを、入口97の中に入れ、浸出通路Pに沿って循環させ、その後、出口99を通して排出して、コア76を鋳造部品から浸出させ得る。
【0054】
別の浸出実施形態では、研磨性の懸濁液を浸出流体と組み合わせて使用して、コア76を取り除くことができる。研磨性の懸濁液は、アルミナ粒子、シリカ粒子、耐熱金属粒子、などを含むことができる。一実施形態では、研磨性の懸濁液は、コア76が付加製造される材料と同じ材料から作られた粒子を含むことができる。
【0055】
図8および
図9は、本開示の別の実施形態によるコア176を示している。本開示では、適切な場合には、同一の参照番号は同一の要素を指し、100またはその倍数を加えられた参照番号は、対応する最初の要素の同一の特徴と利点とを包含すると理解される、変更された要素を指す。
【0056】
本実施形態では、コア176は、1つまたは複数の回路形成部198を有するコア形状192を含むように、付加製造プロセスを使用して形成される。回路形成部198のうちの1つまたは複数は、内部チャネル191を含むことができる。各内部チャネル191は、外側シェル本体195によって囲まれ得る。
【0057】
外側シェル本体195のうちのいくつかを、設計破損特徴部175を含むように設計することができる。設計破損特徴部175は、コア176が部品凝固中に破損する(つまり、たわむ、つぶれる、崩れる、など)ことを可能にして、鋳造の重要な表面に損傷を与えることを防ぐように設計されている。(成形面の必要性がない)形状が重要でない位置、または最初に凝固する位置に、より小さな負荷能力の位置を設計することによって、コア176を、凝固収縮、他のより公差が厳しい位置、または後で凝固する位置に対して、より一致させることができる。一実施形態では、
図9に示す通り、設計破損特徴部175は、外側シェル本体195の他の部分の第2の厚さT2と比べて小さい厚さである第1の壁厚T1を有する、外側シェル本体195の薄肉部分177を含む。コア176は、凝固中に、薄肉部分177で崩れまたはたわんで、周りの鋳造材料の凝固と一致することによって、鋳造物に損傷を与えることを防ぐことができる。一実施形態では、コア176は、回路形成部198の内部に向かって崩れまたはたわむ。薄肉部分177は、外側シェル本体195の任意の位置に、その位置の剛性を減少させるために提供され得る。一実施形態では、薄肉部分177は、リブ形成壁179内などの、外側シェル本体195の重要でない位置に提供される。
【0058】
別の実施形態では、
図10に示す通り、設計破損特徴部175は、内部チャネル191内で、外側シェル本体195の負圧面形成壁183と正圧面形成壁185との間に延びる内部支持部181を含む。内部支持部181は、凝固中に、コアのたわみを、リブ形成壁179などの重要でない位置に変える。内部支持部181は、任意の半径方向の長さを含むことができる。
【0059】
さらに別の実施形態では、
図11に示す通り、設計破損特徴部175は、外側シェル本体195の中に形成された1つまたは複数の多孔領域187を含む。一実施形態では、多孔領域187は、リブ形成壁179内に形成される。他の位置も可能である。多孔領域187は、外側シェル本体195の他の部分よりも密度が低く、したがって、凝固中に、望ましい位置でたわむ、つぶれる、崩れる、などするように構成されている。一実施形態では、多孔領域187は、凝固中に発生する圧力に応答して、内部チャネル191に向かって崩れる。
【0060】
図12A、12B、および12Cは、鋳造プロセス中の、コア176の設計破損特徴部175の動作を概略的に示している。設計破損特徴部175は、溶融金属Mの凝固中に、内部チャネル191の中心C(
図12C参照)に向かってたわんで、内部チャネル191の周りのコアのコンプライアンスを可能にすることができる。鋳造プロセスの時間T0では、
図12Aに示す通り、回路形成部198を含むコア176は、溶融金属Mの中に入れられている。
【0061】
図12Bは、時間T1における鋳造プロセスを示し、時間T1では、溶融金属Mの一部が凝固して、固体金属部SMを形成している。最初の凝固は設計破損特徴部175の近くで発生し、それは、厚さ、密度、などが減少しているために、これらの領域が局所的に低い熱質量を有するからである。
【0062】
図12Cは、時間T2における鋳造プロセスを示し、そこでは、凝固面は、回路形成部198の角の周りで、回路形成部198のより厚い部分に向かって進んでいる。
図12Cから明らかなように、溶融金属Mの凝固は、鋳造物の長手方向に沿って、コア176の著しい境界づけられた収縮を引き起こしている。したがって、設計破損特徴部175は、さらなる凝固に対応するのに十分な剛性を保ちながら、すでに凝固した固体金属部SMから離れる矢印ARの方向に収縮することができる。
【0063】
図13は、ガスタービンエンジン部品を鋳造するために使用され得る鋳造システム200を示している。鋳造システム200は、1つまたは複数の鋳造用物品を含む。一実施形態では、鋳造システム200は、鋳造ガスタービンエンジン部品の内部機能を形成するコア276と、鋳造ガスタービンエンジン部品の外部機能を形成するためのシェル204とを含む。コア276は、上記で説明したコア形状のいずれか、または他の形状を含むことができる。鋳造システム200は、ゲート、スプルーカップ、ライザー、などを追加的に含むことができる。鋳造システム200の全体、またはその一部のみを、上記で説明したシステムまたは方法を使用して付加製造することができる。
【0064】
異なる非限定的な実施形態を、特定の構成要素を有しているものとして示したが、本開示の実施形態は、それらの特定の組み合わせに限定されない。非限定的な実施形態のうちのいずれかからの構成要素と特徴部とのうちのいくつかを、他の非限定的な実施形態のうちのいずれかからの特徴部または構成要素と組み合わせて使用することが可能である。
【0065】
同一の参照番号が、いくつかの図面を通して、対応する要素または類似の要素を特定する、ということを理解すべきである。特定の構成要素構成を、これらの例示的実施形態で開示し、説明したが、他の構成も本開示の教示から利益を得ることができる、ということを理解すべきである。
【0066】
前述の説明は、限定的な意味ではなく、説明として解釈されるべきものである。当業者は、特定の変更が本開示の範囲内になり得る、ということを理解するであろう。これらの理由から、本開示の真の範囲と内容とを判断するために、以下の特許請求の範囲を検討すべきである。