(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6074501
(24)【登録日】2017年1月13日
(45)【発行日】2017年2月1日
(54)【発明の名称】トランスポート帯域幅の縮小のためにデジタル・データ・フレームおよびトランスポート・フレームを処理するための方法およびデバイス
(51)【国際特許分類】
H03M 7/30 20060101AFI20170123BHJP
H03M 7/14 20060101ALI20170123BHJP
H04B 10/2575 20130101ALI20170123BHJP
【FI】
H03M7/30 Z
H03M7/14 B
H04B10/2575 120
【請求項の数】14
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-520866(P2015-520866)
(86)(22)【出願日】2013年6月7日
(65)【公表番号】特表2015-528240(P2015-528240A)
(43)【公表日】2015年9月24日
(86)【国際出願番号】EP2013061815
(87)【国際公開番号】WO2014009072
(87)【国際公開日】20140116
【審査請求日】2015年3月2日
(31)【優先権主張番号】12175600.1
(32)【優先日】2012年7月9日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】391030332
【氏名又は名称】アルカテル−ルーセント
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(74)【代理人】
【識別番号】100170601
【弁理士】
【氏名又は名称】川崎 孝
(74)【代理人】
【識別番号】100187964
【弁理士】
【氏名又は名称】新井 剛
(72)【発明者】
【氏名】ハモンド,ジーン−フランソワ
(72)【発明者】
【氏名】フロガー,エマニュエル
(72)【発明者】
【氏名】クライン,オリヴィエ
(72)【発明者】
【氏名】トマン,オリヴィエ
【審査官】
北村 智彦
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2007/0116046(US,A1)
【文献】
特開2003−188843(JP,A)
【文献】
特表2008−506321(JP,A)
【文献】
特開2007−124608(JP,A)
【文献】
Common Public Radio Interface(CPRI);Interface Specification,CPRI Specification V5.0,2011年 9月21日,pp.1-119,URL,http://www.cpri.info/downloads/CPRI_v_5_0_2011-09-21.pdf
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03M 3/00−11/00
H04B 10/2575
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トランスポート・ネットワーク(TN)によって送信されることになるデジタル・データ・フレームを処理するための方法であって、縮小されたデジタル・データ・フレームを生成するために、デジタル・データ・フレームが、ライン・コードを除去することによりダウンサイズされ、前記デジタル・データ・フレームに含まれるIQサンプルを圧縮することにより圧縮され、次いで前記デジタル・データ・フレームから使用されていないデータ・バイトをクリアすることによりコンパクト化されるステップ(i)と、フレーム・グループを生成するために、前記縮小されたデジタル・データ・フレームのうちの少なくともいくつかが、アグリゲーション情報に従ってともに集約されるステップ(ii)と、前記トランスポート・ネットワーク(TN)によって送信されることになるトランスポート・フレームを生成するために、前記フレーム・グループどうしが、グループ化情報に従って、前記デジタル・データ・フレームの最初の配置を定義しているグループ記述子を伴ってともにグループ化されるステップ(iii)とを含む方法。
【請求項2】
前記ダウンサイズするステップが、それぞれのデジタル・データ・フレームのライン・コーディング・オーバーヘッドを低減する一方で受信した前記デジタル・データ・フレームの送信のエラーを保持するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記圧縮することが、スケーリング係数によってサンプルのブロックをスケーリングするステップと、サンプルの前記スケーリングされたブロックを量子化して、圧縮されたサンプルを生成するステップとを含む、請求項1乃至2のいずれか1項に記載の方法。
【請求項4】
ステップ(i)において、前記デジタル・データ・フレームが8B/10Bライン・コーディングに従って符号化されているケースにおいては、前記デジタル・データ・フレームのうちのそれぞれのデジタル・データ・フレームを、8つのデータ・ビットと、2つのコントロール・ビットとの対へと変形する、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
ステップ(ii)において、前記フレーム・グループへと収容されるデータ・コンテナに、それらを前記トランスポート・フレームへと集約する前に、64B/65B符号化を適用する、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記デジタル・データ・フレームが、コモン・パブリック・ラジオ・インターフェース・データ・フレームである、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記トランスポート・フレームが、光トランスポート・ネットワークによるトランスポート用に構成されている光データ・ユニットである、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
トランスポート・ネットワーク(TN)によって送信されたトランスポート・フレームを処理するための方法であって、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の方法によって生成されたトランスポート・フレームを受信した後に、そのトランスポート・フレームが含むフレーム・グループをグループ化解除するステップ(a)と、前記フレーム・グループが含む縮小されたデジタル・データ・フレームを得るために、前記フレーム・グループのうちのそれぞれを分離するステップ(b)と、デジタル・データ・フレームを得るために、前記トランスポート・フレームのグループ記述子へと収容された情報に従って、前記縮小されたデジタル・データ・フレームのうちのそれぞれのデジタル・データ・フレームをコンパクト化解除し、そして圧縮されている場合には圧縮解除し、次いでアップサイズするステップ(c)とを含む方法。
【請求項9】
ステップ(b)において、前記グループ化解除されたフレーム・グループが、64B/65B符号化を用いて符号化されたデータ・コンテナを含んでいるケースにおいては、前記データ・コンテナに64B/65B復号を適用する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
ステップ(c)において、前記デジタル・データ・フレームが8+2Bデジタル・データ・フレームであるケースにおいては、それらのデジタル・データ・フレームを圧縮解除した後に、それらのデジタル・データ・フレームを8B/10Bデジタル・データ・フレームへと変形する、請求項8乃至9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記トランスポート・フレームが、光トランスポート・ネットワークによってトランスポートされる光データ・ユニットである、請求項8乃至10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記デジタル・データ・フレームが、コモン・パブリック・ラジオ・インターフェース・データ・フレームである、請求項8乃至11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
トランスポート・ネットワーク(TN)によって送信されることになるデジタル・データ・フレームを処理するためのデバイス(Di)であって、i)デジタル・データ・フレームを受信するためのポートを含む第1の処理手段(PM1)であり、縮小されたデジタル・データ・フレームを生成するために、前記受信されたデジタル・データ・フレームを、ライン・コードを除去することによりダウンサイズし、前記デジタル・データ・フレームに含まれるIQサンプルを圧縮することにより圧縮し、次いで前記デジタル・データ・フレームから使用されていないデータ・バイトをクリアすることによりコンパクト化するように構成されている第1の処理手段(PM1)と、ii)フレーム・グループを生成するために、前記縮小されたデジタル・データ・フレームのうちの少なくともいくつかを、アグリゲーション情報に従ってともに集約するように構成されている第2の処理手段(PM2)と、iii)前記トランスポート・ネットワーク(TN)によって送信されることになるトランスポート・フレームを生成するために、前記フレーム・グループどうしを、グループ化情報に従って、前記デジタル・データ・フレームの最初の配置を定義しているグループ記述子を伴ってともにグループ化するように構成されている第3の処理手段(PM3)とを含む処理デバイス(Di)。
【請求項14】
前記第3の処理手段(PM3)が、トランスポート・フレームを受信した後に、そのトランスポート・フレームが含む前記フレーム・グループをグループ化解除するように構成されており、前記第2の処理手段(PM2)が、前記フレーム・グループが含む縮小されたデジタル・データ・フレームを得るために、前記フレーム・グループのうちのそれぞれを分離するように構成されており、前記第1の処理手段(PM1)が、デジタル・データ・フレームを得るために、前記トランスポート・フレームの前記グループ記述子へと収容された情報に従って、前記縮小されたデジタル・データ・フレームのうちのそれぞれのデジタル・データ・フレームをコンパクト化解除し、そして圧縮解除し、次いでダウンサイジング解除するように構成されている、請求項13に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テレコミュニケーションに関し、より正確には、トランスポート・ネットワークによって送信されることになるデジタル・データ・フレームの、およびトランスポート・ネットワークによって送信されたトランスポート・フレームの処理に関する。
【背景技術】
【0002】
多くのテレコミュニケーション・システムは、(デジタル)トランスポート・ネットワークを介してリモート・ラジオヘッド(すなわちRRH)(CPRI(コモン・パブリック・ラジオ・インターフェース)用語においては、リモート機器(すなわちRE)とも名付けられている)に結合されているベース・バンド・ユニット(すなわちBBU)(CPRI用語においては、リモート機器コントローラ(すなわちREC)とも名付けられている)を含む。データを定義するデジタル化されたベース・バンド複素同相(I)および直角位相(Q)サンプルは、このトランスポート・ネットワークを介してトランスポートされる。
【0003】
より正確には、これらのIQサンプルは、たとえばCPRIタイプの、かつリモート機器コントローラおよびリモート機器によって生成されたデジタル・データ・フレームの(AxC)コンテナへ入る。これらのデジタル・データ・フレームは、トランスポート・ネットワークがトランスポートすることができるトランスポート・フレームへと統合される前に処理される。このプロセスは通常、帯域幅要件の最適化、およびIQサンプリング・レートと、トランスポート・ネットワーク・レートとの間におけるレート適合の中に存在する。たとえば、トランスポート・ネットワークが光トランスポート・ネットワーク(すなわちOTN)であるケースにおいては、CPRIデジタル・データ・フレームは、光トランスポート・ユニット(すなわちOTU)と名付けられているトランスポート・フレーム内に封入される。
【0004】
OTNは、たとえば、パッシブ光ネットワーク(PON)、たとえば10ギガビット・パッシブ光ネットワーク(10GPON)、波長分割多重パッシブ光ネットワーク(WDM PON)、10GPONへのWDMオーバーレイ、CDWM光リング、またはDWDM光リングであることが可能である。
【0005】
光トランスポート・ネットワークにおいては、光ファイバは、リモート・ラジオヘッドとベース・バンド・ユニットとの間におけるポイントツーポイント・リンクとして使用されることが可能である。典型的には、ベース・バンド・ユニットがN個のリモート・ラジオヘッドをコントロールする場合には、このベース・バンド・ユニットをこれらのリモート・ラジオヘッドに結合するN個の光ファイバが存在することが可能である。
【0006】
リモート・ラジオヘッドどうしを結び付けること、および使用される物理リンクを共有することが常に可能であるとは限らないため、ますます多くの専用リンクが必要とされており、利用可能な帯域幅は、効率よく使用されていない。
【0007】
その上、CPRIビット・ストリームは、固定ビットレート・ストリームとして搬送され、CPRIデジタル・データ・フレームのペイロードを搬送するのに必要とされるライン・コーディングおよび/または帯域幅を最適化する、ならびにCPRIリンクどうしのアグリゲーションおよび多重化を可能にする解決策はない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明の目的は、この状況を改善すること、とりわけ、効率的かつトランスペアレントに(たとえば、小さなオーバーヘッドで、および/またはその最大容量にではなく実際のリンク使用に帯域幅要件を適合して)リンク・アグリゲーションおよび多重化を可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
より正確には、本発明は、トランスポート・ネットワークによって送信されることになるデジタル・データ・フレームを処理するように意図されている第1の方法であって、
− 縮小されたデジタル・データ・フレームを生成するために、これらのデジタル・データ・フレームが、ダウンサイズされ、そして必要な場合には圧縮され、次いでコンパクト化されるステップ(i)と、
− フレーム・グループを生成するために、これらの縮小されたデジタル・データ・フレームのうちの少なくともいくつかが、アグリゲーション情報に従ってともに集約されるステップ(ii)と、
− トランスポート・ネットワークによって送信されることになるトランスポート・フレームを生成するために、これらのフレーム・グループが、グループ化情報に従って、デジタル・データ・フレームの最初の配置を定義しているグループ記述子を伴ってともにグループ化されるステップ(iii)とを含む方法を提供する。
【0010】
本発明による第1の方法は、単独でまたは組み合わせて考えられる、とりわけ下記のような、さらなる特徴を含むことができる。
− ダウンサイズするステップは、それぞれのデジタル・データ・フレームのライン・コーディング・オーバーヘッドを低減する一方で送信のエラーを保持するステップを含むことができる。
− 任意選択の圧縮は、スケーリング係数によってサンプルのブロックをスケーリングするステップと、サンプルのこれらのスケーリングされたブロックを量子化して、圧縮されたサンプルを生成するステップとを含むことができる。
− コンパクト化するステップは、使用されていないデータ・バイトからデジタル・データ・フレームのうちのそれぞれのデジタル・データ・フレームをクリアするステップを含むことができる。
− ステップ(i)において、デジタル・データ・フレームが8B/10Bライン・コーディングに従って符号化されているケースにおいては、これらのデジタル・データ・フレームのうちのそれぞれのデジタル・データ・フレームを、8つのデータ・ビットと、2つのコントロール・ビットとの対(8+2B)へと変形することができる。
− ステップ(ii)において、フレーム・グループへと収容されるデータ・コンテナに、それらをトランスポート・フレームへと集約する前に、64B/65B符号化を適用することができる。
− デジタル・データ・フレームは、コモン・パブリック・ラジオ・インターフェース(CPRI)データ・フレームであることが可能である。
− トランスポート・フレームは、光トランスポート・ネットワーク(OTN)によるトランスポート用に構成されている光データ・ユニットであることが可能である。
【0011】
本発明はまた、トランスポート・ネットワークによって送信されたトランスポート・フレームを処理するように意図されている第2の方法であって、
− 上記で紹介した第1の方法によって生成されたトランスポート・フレームを受信した後に、そのトランスポート・フレームが含むフレーム・グループをグループ化解除するステップ(a)と、
− これらのフレーム・グループが含む縮小されたデジタル・データ・フレームを得るために、これらのフレーム・グループのうちのそれぞれをデ集約するステップ(b)と、
− デジタル・データ・フレームを得るために、トランスポート・フレームのグループ記述子へと収容された情報に従って、これらの縮小されたデジタル・データ・フレームのうちのそれぞれのデジタル・データ・フレームをコンパクト化解除し、そして(圧縮されている場合には)圧縮解除し、次いでアップサイズするステップ(c)とを含む方法を提供する。
【0012】
本発明による第2の方法は、単独でまたは組み合わせて考えられる、とりわけ下記のような、さらなる特徴を含むことができる。
− ステップ(b)において、グループ化解除されたフレーム・グループが、64B/65B符号化を用いて符号化されたデータ・コンテナを含んでいるケースにおいては、これらのデータ・コンテナに64B/65B復号を適用することができる。
− ステップ(c)において、デジタル・データ・フレームが8+2Bデジタル・データ・フレームであるケースにおいては、それらのデジタル・データ・フレームを8B/10Bデジタル・データ・フレームへと変形することができる。
− トランスポート・フレームは、光トランスポート・ネットワーク(OTN)によってトランスポートされる光データ・ユニットであることが可能である。
− デジタル・データ・フレームは、コモン・パブリック・ラジオ・インターフェース・データ・フレームであることが可能である。
【0013】
本発明はまた、トランスポート・ネットワークによって送信されることになるデジタル・データ・フレームを処理するように意図されているデバイスであって、
− デジタル・データ・フレームを受信するためのポートを含む第1の処理手段であり、縮小されたデジタル・データ・フレームを生成するために、これらの受信されたデジタル・データ・フレームのうちのそれぞれのデジタル・データ・フレームをダウンサイズし、そして(必要とされる場合には)圧縮し、次いでコンパクト化するように構成されている第1の処理手段と、
− フレーム・グループを生成するために、これらの縮小されたデジタル・データ・フレームのうちの少なくともいくつかを、アグリゲーション情報に従ってともに集約するように構成されている第2の処理手段と、
− トランスポート・ネットワークによって送信されることになるトランスポート・フレームを生成するために、これらのフレーム・グループを、グループ化情報に従って、デジタル・データ・フレームの最初の配置を定義しているグループ記述子を伴ってともにグループ化するように構成されている第3の処理手段とを含むデバイスを提供する。
【0014】
この第3の処理手段は、トランスポート・フレームを受信した後に、そのトランスポート・フレームが含むフレーム・グループをグループ化解除するように構成されることが可能であり、この第2の処理手段は、これらのフレーム・グループが含む縮小されたデジタル・データ・フレームを得るために、これらのフレーム・グループのうちのそれぞれをデ集約するように構成されることが可能である。その上、第1の処理手段は、デジタル・データ・フレームを得るために、トランスポート・フレームのグループ記述子へと収容された情報に従って、縮小されたデジタル・データ・フレームのうちのそれぞれのデジタル・データ・フレームをコンパクト化解除し、そして圧縮解除し、次いでダウンサイジング解除するように構成されることが可能である。
【0015】
本発明のその他の特徴および利点は、以降の詳しい明細および添付の図面を考察すれば、明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明による2つの処理デバイスを含むテレコミュニケーション・システムの一例を概略的にかつ機能的に示す図である。
【
図2】本発明による処理デバイスの実施形態の一例を概略的にかつ機能的に示す図である。
【
図3】あらゆる処理の前のCPRIデジタル・データ・フレームの第1の例を概略的に示す図である。
【
図4】ダウンサイジングおよび圧縮の後の
図3のCPRIデジタル・データ・フレームを概略的に示す図である。
【
図5】(縮小されたCPRIデジタル・データ・フレームを形成する)コンパクト化の後の
図4のCPRIデジタル・データ・フレームを概略的に示す図である。
【
図6】縮小された(すなわち、処理(ダウンサイジング、圧縮、およびコンパクト化)の後の)CPRIデジタル・データ・フレームの第2の例を概略的に示す図である。
【
図7】縮小されたCPRIデジタル・データ・フレームの第3の例を概略的に示す図である。
【
図8】
図5および
図6の縮小されたCPRIデジタル・データ・フレームを含むフレーム・グループの一例を概略的に示す図である。
【
図9】
図8のフレーム・グループおよびその他のフレーム・グループを含むトランスポート・フレームの一例を概略的に示す図である。
【
図10】8+2Bフレームへの補助的な変形の後の
図4のCPRIデジタル・データ・フレームを概略的に示す図である。
【
図11】8+2B符号化済みデータ・フレームの発行された対応する64B/65B符号化の一例を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
添付の図面は、本発明を完全なものにするようにのみならず、必要な場合には、その理解に寄与するようにも機能することができる。
【0018】
本発明は、とりわけ、トランスポート・ネットワークTNによって送信されることになるデジタル・データ・フレームFm、およびトランスポート・ネットワークTNによって送信されたトランスポート・フレームTFを処理するように意図されている第1および第2の処理方法ならびに関連付けられている処理デバイスDi(i=1または2)を提供することを目的としている。
【0019】
以降の説明においては、トランスポート・ネットワークTNは、光トランスポート・ネットワーク(OTN)であるとみなされる。たとえば、OTNは、パッシブ光ネットワーク(すなわちPON、たとえば10ギガビット・パッシブ光ネットワーク(10GPON))、波長分割多重パッシブ光ネットワーク(WDM PON)、10GPONへのWDMオーバーレイ、CDWM光リング、またはDWDM光リングであることが可能である。しかし本発明は、このタイプのトランスポート・ネットワーク(ポイント・ツー・ポイント・ワイヤレス接続)には限定されない。
【0020】
本発明を実施することができるテレコミュニケーション・システムの一例が、
図1において示されている。この(テレコミュニケーション)システムは、本発明による第1のD1および第2のD2の処理デバイスが結合されているトランスポート・ネットワークTN(ここでは、OTNタイプの)を含む。第1の処理デバイスD1は、M個のリンクLmを通じてM個のリモート・ラジオヘッド(すなわちRRH)REm(m=1〜M)に結合されている。たとえば、示されているように、これらのリモート・ラジオヘッドREmのうちの少なくとも1つ(ここではRE1)は、別のリモート・ラジオヘッドRE’に結合されることが可能である。第2の処理デバイスD2は、少なくともM個のリンクLmを通じて1つまたは複数のベース・バンド・ユニット(すなわちBBU)ECに結合されている。これらの処理デバイスDi(i=1または2)は、通信インターフェースまたはリンク・アグリゲータとみなされることが可能である。
【0021】
ベース・バンド・ユニットECおよびリモート・ラジオヘッドREmは、(圧縮された、または圧縮されていない)IQサンプルから作成された(AxC)コンテナCnを含むデジタル・データ・フレームFmを生成することおよび使用することが可能である。したがって、それらは、第1の方法による処理の後にトランスポート・ネットワークTNによってトランスポート・フレームTF内にトランスポートされなければならないデジタル・データ・フレームFmを(リンクLmに接続されている)各自のポート上で配信し、また、トランスポート・ネットワークTNによってトランスポートされたトランスポート・フレームTFの第2の方法による処理から生じるデジタル・データ・フレームFmを各自のポート上で受信する。
【0022】
以降の説明においては、デジタル・データ・フレームFmは、CPRIデジタル・データ・フレームであるとみなされる。しかし本発明は、このタイプのデジタル・データ・フレームには限定されない。実際には、それはまた、たとえばイーサネット・フレームおよびHDLCフレームに関する(それは、事実上、ODUフレームなどの交換リンク内に封入されたパケット・リンクであることが可能である)。したがってベース・バンド・ユニットECは、リモート機器コントローラであり、リモート・ラジオヘッドREmは、リモート機器である。
【0023】
本発明による第1の処理方法は、3つのステップ(i)、(ii)、および(iii)を含み、それらは、処理デバイスDi(i=1または2)によって実施されることが可能である。
【0024】
第1のステップ(i)は、デバイスDiが、M個のリンクLmにそれぞれ接続されている自分のポート上でデジタル・データ・フレームFmを受信したときに開始する。
【0025】
第1のデジタル・データ・フレームBF1の非限定的な例が、
図3において示されている。この例においては、第1のデジタル・データ・フレームF1は、とりわけ、および従来は、コントロール・ワードCWと、別々のサイズのAxCコンテナ(ここでは、C1、C2、およびC3、n=1〜3)へと収容されるIQデータを含むペイロードDBとを含む。
【0026】
この第1のステップ(i)においては、IQサンプルのダウンサイジング(すなわち、ライン・コードを除去すること)および圧縮が、必要とされる場合には、それぞれのデジタル・データ・フレームFmに関して実行され(
図4)、次いで、縮小されたデジタル・データ・フレームRFmを生成するために、それぞれのフレームFmがコンパクト化される(
図5)。縮小されたデジタル・データ・フレームのその他の2つの例F2およびF3が、それぞれ
図6および
図7において示されている。
【0027】
この第1のステップ(i)は、(処理)デバイスDiの第1の処理手段PM1によって実行されることが可能である。この趣旨で、この第1の処理手段PM1は、M個のリンクLmにそれぞれ接続されているデバイスDiのM個のポートにそれぞれ接続されているM個のサブ処理手段SM1mを含むことができる。
【0028】
示されているように、それぞれのサブ処理手段SM1mは、少なくとも、自分が受信するそれぞれのデジタル・データ・フレームFmをダウンサイズする(ライン・コードの除去を行う)ように構成されている前処理手段PPMを含むことができる。たとえば、このダウンサイズすることは、それぞれのデジタル・データ・フレームFmのオーバーヘッドを除去する一方で、8B/10Bなどのライン・コーディングに従ってデジタル・データ・フレームFmが符号化されている場合にそのデジタル・データ・フレームFmを復号することによって送信のエラーを保持することを含むことができる。このケースにおいては、それぞれの復号されたバイトに関して、コントロール・ビットが、前処理手段PPMによってその他の処理手段(PM2およびPM3)へ転送される。これらのコントロール・ビットは、実際の復号されたバイトを、有効なデータ・バイト、無効なデータ・バイト、または特殊文字として特徴付ける。これらのコントロール・ビットは、64B/65Bエンコーダによって使用される。
【0029】
それぞれのサブ処理手段SM1mは、少なくとも、圧縮されたデジタル・データ・フレームCFmを生成するために(
図4を参照されたい。C1、C2が圧縮されており、C3は変化がない)、自分が受信するそれぞれのダウンサイズされたデジタル・サンプル・コンテナ(またはサンプルのブロック)のコンテンツを圧縮するように構成されているサイズ縮小手段SRMを含むこともできる。たとえば、この圧縮は、周波数ダウンサンプリングを行うこと、スケーリング係数によってサンプルのブロックをスケーリングすること、およびサンプルのこれらのスケーリングされたブロックを量子化して、圧縮されたサンプルを生成し、したがって、圧縮されたデジタル・データ・フレームCFmを生成することを含むことができる。
【0030】
それぞれのサブ処理手段SM1mはさらに、縮小されたデジタル・データ・フレームRFmを生成するために(
図5、6、または7を参照されたい)、自分が受信するそれぞれの圧縮されたデジタル・データ・フレームCFmをコンパクト化する(またはパックする)ように構成されているパック/アンパック手段UPMを含むことができる。たとえば、このコンパクト化することは、(整数のバイトに丸められる)あらゆるデータ・フレームCFm内の使用されていないデータ・バイトからのクリアを行うことを含み、したがって、縮小されたデジタル・データ・フレームRFmを生成する。
【0031】
デジタル・データ・フレームFmは、8B/10B(または8ビット/10ビット)の符号化に従って符号化されている場合には、ダウンサイジングの後に、かつ圧縮の前に8+2Bデジタル・データ・フレームへと有利に変形されることが可能であるということに留意することが重要である。ここでは、「8+2B」という表現は、データの8ビットと、実際の復号されたバイトを、有効なデータ・バイト、送信エラーに起因する無効なデータ・バイト(EI:エラー・インジケータ)、または特殊文字(たとえば、CPRI同期バイト/K28.5、インジケータKCI)として特徴付ける2つのコントロール・ビットとの対を意味している。これらのコントロール・ビットは、前処理手段PPMによってその他の処理手段(PM2およびPM3)へ転送され、64B/65Bエンコーダによって使用される。
【0032】
CPRI仕様は、8B/10Bライン・コーディングを使用する。なぜなら、8B/10Bライン・コーディングは、データ・クロック・リカバリのためにビット・ストリーム内の十分な遷移密度を提供し、良好なDC(直流)バランスを確実にする(すなわち、ライン上の「0」と「1」の比率が同じである)ためである。実際に8B/10B符号化は、特殊文字を搬送すること、および送信エラーの検知を提供することを可能にする。これは、CPRIレイヤ1同期化手順(すなわち、ライン・レート・オート・ネゴシエーション、ならびにLOS(信号の損失)およびLOF(フレームの損失)の検知)を妨げないために必要とされる。
【0033】
第1の方法の第2のステップ(ii)においては、フレーム・グループFGk(k=1〜KまたはK+1であり、Kは、出力ビットレートに依存し、KまたはK+1の選択は、入力ビットレートが出力ビットレートの整数倍であるか否かに依存するを生成するために、縮小されたデジタル・データ・フレームRFmのうちの少なくともいくつかが、アグリゲーション情報に従ってともに集約される。
【0034】
フレーム・グループFG1の第1の例が、
図8において示されている。示されているように、この第1の例においては、フレーム・グループFG1は、
図5および
図6において示されている第1のRF1および第2のRF2の縮小されたデジタル・データ・フレームを含む。フレーム・グループFGkは、1つまたは複数の集約された縮小されたデジタル・データ・フレームRFmを含むことができるということに留意することが重要である。それぞれのフレーム・グループFGkは、集約された縮小されたデジタル・データ・フレームRFmの同じセットを含む。KまたはK+1のフレーム・グループFGkからなるシーケンスは、トランスポート・ネットワーク上で同じ物理リンクを通じて共通の宛先デバイスDiへ送信される基本的なフレームである。
【0035】
この第2のステップ(ii)は、(処理)デバイスDiの第2の処理手段PM2によって実行されることが可能である。この趣旨で、および
図2において示されているように、この第2の処理手段PM2は、自分が含んでいる、または自分がアクセスを有しているグループ化情報に従ってフレーム・グループFGkを生成するために、自分が受信する縮小されたデジタル・データ・フレームRFmどうしをともに集約するように構成されているアグリゲーション手段AMを含むことができる(
図8を参照されたい)。
【0036】
好ましくは、第2のステップ(ii)中に、フレーム・グループFGkへと収容されるAxCデータ・コンテナに、それらがトランスポート・フレームTFへと集約される前に、64B/65B符号化が適用される。
【0037】
図11において示されているように、8つの所与のバイト(6つの有効なデータ・バイト、1つのコントロール文字、および1つの無効なデータ・バイト)の8B/10B符号化されたシーケンスは、8B/10Bを使用すると80ビットを必要とするが、64B/65Bコーディングを使用すると65ビットだけで記述されることが可能である。先頭のビットLは、後続のバイト内に記述されている少なくとも1つの特殊文字があるということを示している。第1のバイトの第1のビット値(1)は、この特殊文字の後に記述されている少なくとももう1つの特殊文字があるということを示している。第1のバイトの後続の3ビットは、最初のバイト・シーケンス内のこの特殊文字のオフセット(001)を示している。最後の4ビットは、8B/10B特殊文字の符号化された値である。第2のバイトに関して、第1のビット値(0)は、この特殊文字の後に記述されている特殊文字はそれ以上ないということを示している。第2のバイトの後続の3ビットは、最初のバイト・シーケンス内のこの特殊文字のオフセット(100)を示している。最後の4ビットは、8B/10B特殊文字の符号化された値である。第2のバイトは、この8バイト・シーケンス内には特殊文字はそれ以上ないということを示したため、後続の6バイトは、時系列で与えられたオリジナル・シーケンスの残りの6バイトである。
【0038】
図2において示されているように、この補助的な64B/65B符号化は、第2の処理手段PM2の符号化/復号手段EDMj(j=1〜J)によって実行されることが可能である。
【0039】
第1の方法の第3のステップ(iii)においては、トランスポート・ネットワークTNによって送信されなければならないトランスポート・フレームTFを生成するために、KまたはK+1のフレーム・グループFGkどうしが、グループ化情報に従ってグループ記述子GDを伴ってともにグループ化される。このグループ記述子GDは、フレーム・グループFGkが、縮小されたフォーマット内に含む最初のデジタル・データ・フレームFmの最初の配置を定義している。言い換えれば、グループ記述子GDは、トランスポート・フレームTFからグループ化解除されたフレーム・グループFGkからの最初のデジタル・データ・フレームFmを復元する上でデバイスDiにとって有用な任意の情報を含む。トランスポート・フレームTFは、光データ・ユニット(ODU)である。
【0040】
トランスポート・フレームTFの一例が、
図9において示されている。その例は、グループ記述子GDを含み、その後には第1のフレーム・グループFG1(ここでは、RF1+RF2)が続き、その後にはスタッフィング・ビットSBが続き、その後には第2のフレーム・グループFG2が続き、その後にはスタッフィング・ビットSBが続く、といった具合に最後のフレーム・グループFGKに至る(ただし、その最後のフレーム・グループは、FGK+1であることも可能である)。しかし、同じリンク上に複数のタイプのフレーム・グループFGkを(ちなみに、1つはCPRI用に、そしてもう1つはイーサネット用に)、それら自身のK値およびそれら自身のグループ記述子GDを伴って有することが可能である。
【0041】
この第3のステップ(iii)は、(処理)デバイスDiの第3の処理手段PM3によって実行されることが可能である。この趣旨で、および
図2において示されているように、この第3の処理手段PM3は、少なくとも1つのグループ化手段GMj(j=1〜J)を含むことができる。グループ化手段GMj(j=1〜J)のうちのそれぞれのグループ化手段は、トランスポート・ネットワークTNの一部へのアクセスを提供する(物理リンクごとに1つのグループ化手段GMj)。
【0042】
本発明による第2の方法は、第1の方法の逆の方法、すなわち、受信されたトランスポート・フレームTFから最初のデジタル・データ・フレームFmを復元することを可能にする方法とみなされることが可能である。
【0043】
より正確には、この第2の方法は、3つのステップ(a)、(b)、および(c)を含む。
【0044】
第1のステップ(a)は、デバイスDiが、トランスポート・ネットワークTNに接続されているポート上でトランスポート・フレームTFを受信したときに開始する。
【0045】
この第1のステップ(a)においては、(第1の方法によって生成された)受信されたトランスポート・フレームTFは、自分が含むフレーム・グループFGkをグループ化解除するように処理される。
【0046】
このグループ化解除は、フレーム・グループのグループ化の逆の機能であり、(処理)デバイスDiの第3の処理手段PM3によって、より正確には、そのグループ化手段GMj(j=1〜J)によって実行されることが可能である。
【0047】
第2の方法の第2のステップ(b)においては、それぞれのグループ化解除されたフレーム・グループFGkは、自分が含む縮小されたデジタル・データ・フレームRFmを得るためにデ集約される。
【0048】
このデアグリゲーションは、縮小されたデジタル・データ・フレームのアグリゲーションの逆の機能であり、(処理)デバイスDiの第2の処理手段PM2によって、より正確には、そのアグリゲーション手段AMによって実行されることが可能である。
【0049】
グループ化解除されたフレーム・グループFGkが、64B/65B符号化を用いて符号化されたAxCコンテナを含んでいるケースにおいては、(処理)デバイスDiの第2の処理手段PM2によって、より正確には、その符号化/復号手段EDMjによって、デアグリゲーションの前に、これらのAxCコンテナに64B/65B復号が適用される。
【0050】
第2の方法の第3のステップ(c)においては、それぞれのデ集約された縮小されたデジタル・データ・フレームRFmは、最初のデジタル・データ・フレームFmを得る(または復元する)ために、受信されたトランスポート・フレームTFへとはじめに収容されていたグループ記述子GDへと収容された情報に従って、コンパクト化解除され、そして必要とされる場合には圧縮解除され、次いでアップサイズされる。
【0051】
このコンパクト化解除は、圧縮されたデジタル・データ・フレームのコンパクト化の逆の機能であり、(処理)デバイスDiの第1の処理手段PM1によって、より正確には、そのパック/アンパック手段PUMによって実行されることが可能である。その上、圧縮解除は、ダウンサイズされたデジタル・データ・フレームの圧縮の逆の機能であり、(処理)デバイスDiの第1の処理手段PM1によって、より正確には、そのサイズ縮小手段SRMによって実行されることが可能である。さらに、ダウンサイジング解除は、デジタル・データ・フレームのダウンサイジングの逆の機能であり、(処理)デバイスDiの第1の処理手段PM1によって、より正確には、その前処理手段PPMによって実行されることが可能である。
【0052】
圧縮解除されたデジタル・データ・フレームF’mが8+2Bデジタル・データ・フレームであるケースにおいては、(処理)デバイスDiの第1の処理手段PM1によって、より正確には、その前処理手段PPMによって、ダウンサイジング解除の前に、それらのデジタル・データ・フレームF’mに8B/10B復号が適用される。
【0053】
デバイスDiの第1のPM1、第2のPM2、および第3のPM3の処理手段は、ソフトウェア・モジュールから、またはハードウェア・モジュールとソフトウェア・モジュールとの組合せから作成されることが可能である。したがって、デバイスDiは、通信インターフェース(または機器)へと格納または使用されることが可能であるコンピュータ・プログラム製品であることが可能である。
【0054】
本発明は、トランスポート・ネットワークの展開において、いくらかの接続(主として光ファイバ)を節減すること、およびトランスポート帯域幅を低減することを可能にする。その上、本発明は、新たな光ファイバを展開する代わりに、既存の光トランスポート・ネットワークの再利用を可能にする。
【0055】
本発明は、単なる例としての、上述の処理方法および処理デバイスの実施形態に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲の範疇内で当業者によって考えられることが可能であるすべての代替実施形態を包含する。