特許第6074558号(P6074558)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ウェーブ パワー リニューワブルス リミテッドの特許一覧

<>
  • 特許6074558-タービンにおける改良 図000002
  • 特許6074558-タービンにおける改良 図000003
  • 特許6074558-タービンにおける改良 図000004
  • 特許6074558-タービンにおける改良 図000005
  • 特許6074558-タービンにおける改良 図000006
  • 特許6074558-タービンにおける改良 図000007
  • 特許6074558-タービンにおける改良 図000008
  • 特許6074558-タービンにおける改良 図000009
  • 特許6074558-タービンにおける改良 図000010
  • 特許6074558-タービンにおける改良 図000011
  • 特許6074558-タービンにおける改良 図000012
  • 特許6074558-タービンにおける改良 図000013
  • 特許6074558-タービンにおける改良 図000014
  • 特許6074558-タービンにおける改良 図000015
  • 特許6074558-タービンにおける改良 図000016
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6074558
(24)【登録日】2017年1月20日
(45)【発行日】2017年2月8日
(54)【発明の名称】タービンにおける改良
(51)【国際特許分類】
   F03B 13/24 20060101AFI20170130BHJP
【FI】
   F03B13/24
【請求項の数】24
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2013-541147(P2013-541147)
(86)(22)【出願日】2010年12月3日
(65)【公表番号】特表2013-544332(P2013-544332A)
(43)【公表日】2013年12月12日
(86)【国際出願番号】AU2010001638
(87)【国際公開番号】WO2011066625
(87)【国際公開日】20110609
【審査請求日】2013年11月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】516126986
【氏名又は名称】ウェーブ パワー リニューワブルス リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】ハンター スコット
(72)【発明者】
【氏名】ナネカラン アリ モハマド バグハエイ
【審査官】 佐藤 秀之
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭56−052583(JP,A)
【文献】 特開2006−097633(JP,A)
【文献】 実開平02−031378(JP,U)
【文献】 特開平02−064270(JP,A)
【文献】 特開昭60−090990(JP,A)
【文献】 特開2003−120499(JP,A)
【文献】 特開平10−176649(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F03B 13/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
海洋波エネルギー変換抽出システムの振動する水円柱によって生成される2方向のエアフローを使用するためのタービンであって、
前記タービンは、
前記2方向のエアフローのための流路を画成するハウジングと、
複数の回転子ブレードが中心のハブの周囲に円周方向に配置され、前記ブレードが前記流路に渡って放射状に延びる、前記中心のハブを有する回転子と、
前記回転子の第1側に配置され、選択的に閉位置と開位置との間で移動可能な第1流れ制御機構と、
前記回転子の第2側に配置され、選択的に閉位置と開位置との間で移動可能な第2流れ制御機構と、
を有し、
前記第1流れ制御機構が前記閉位置にあり、かつ、前記第2流れ制御機構が前記開位置にあるとき、前記第1流れ制御機構は、前記回転子の第1側を部分的に覆い、前記流路を通るエアフローは、第1方向で、前記第1側の覆われていない部分に作用し、
前記第2流れ制御機構が前記閉位置にあり、かつ、前記第1流れ制御機構が前記開位置にあるとき、前記第2流れ制御機構は、前記回転子の第2側を部分的に覆い、前記流路を通るエアフローは、第2方向で、前記第1側の覆われていない部分に作用する、
タービン。
【請求項2】
請求項記載のタービンであって、
前記第1及び第2流れ制御機構は、夫々遮っている及び開いている位置の間でスライド可能である、タービン。
【請求項3】
請求項1又は2記載のタービンであって、
前記第1及び第2流れ制御機構は、夫々前記開位置と閉位置との間で回転可能である、タービン。
【請求項4】
請求項記載のタービンであって、
前記第1流れ制御機構は回転可能な要素を含み、前記第2流れ制御機構は回転可能な要素を含み、前記回転可能な要素は、前記流路の各部分を選択的に遮るように配置されている、タービン。
【請求項5】
請求項記載のタービンであって、
前記回転可能な要素は、前記流路の断面の少なくとも一部に対して形状で対応しているタービン。
【請求項6】
請求項記載のタービンであって、
前記回転可能な要素は、半円形状のディスクおよび環形状のディスクのうち一方である、タービン。
【請求項7】
請求項4乃至6のうちいずれかのタービンであって、
前記回転可能な要素は、相互に180度オフセットしており、前記流路の断面の反対側の半分を遮る、タービン。
【請求項8】
請求項記載のタービンであって、
両方の回転可能な要素は、前記第1方向から前記第2方向への流体の流れ方向の変化に応じて、相互に相対的に180度まで同時に回転し、前記エアフローは前記回転子の覆われていない部分に夫々作用することができる、タービン。
【請求項9】
請求項記載のタービンであって、
前記第1流れ制御機構は、開位置と前記流路の第1位置を遮るための閉位置との間で移動可能な第1ゲート型機構を含み、および、
前記第2制御機構は、開位置と前記流路の第2位置を遮るための閉位置との間で移動可能な第2ゲート型機構を含む、タービン。
【請求項10】
請求項記載のタービンであって、
前記第1及び第2ゲート型機構は、区切られたゲート配列を含む、タービン。
【請求項11】
請求項1乃至10のうちのいずれか1項に記載されたタービンであって、
前記第1方向に流れるエアフローを前記回転子第1側の覆われていない部分に向けるための第1ノズルを含み、
前記エアフローが前記第1方向に流れているとき、前記第1ノズルは前記回転子の上流側に配置されてる、タービン。
【請求項12】
請求項1乃至11のうちいずれか1項に記載のタービンであって、
前記第2方向に流れるエアフローを前記回転子第2側の覆われていない部分に向けるための第2ノズルを含み、
前記エアフローが前記第2方向に流れているとき、前記第2ノズルは前記回転子の上流側に配置されてる、タービン。
【請求項13】
請求項12記載のタービンであって、
前記第1及び第2ノズルは、前記流路の断面の反対側半分に幾何学的に、かつ、前記回転子の反対側に配置されている、タービン。
【請求項14】
請求項11乃至13のうちいずれか1項に記載のタービンであって、
前記第1ノズルは、前記流路の断面周りに約180度の円周範囲を有するように配置された複数の案内静翼を含む、タービン。
【請求項15】
請求項12又は13に記載のタービンであって、
前記第2ノズルは、前記流路の断面周りに約180度の円周範囲を有するように配置された複数の案内静翼を含む、タービン。
【請求項16】
請求項1乃至15のうちいずれか1項に記載のタービンであって、
前記ハウジングは、前記流路の断面が環状となるように配置された、内側ハウジングおよび外側ハウジングを有するタービン。
【請求項17】
請求項1乃至16のうちのいずれか1項記載のタービンであって、
前記回転子は単一方向に回転するように適合させており、回転の前記方向は前記エアフローの流れ方向と独立している、タービン。
【請求項18】
請求項1乃至17のうちのいずれか1項記載のタービンであって、
前記回転子が前記ハウジングの長手軸に実質的に平行な軸周りに回転するように、前記回転子は前記エアフローの流れ方向に対して実質的に垂直となるように配置されている、タービン。
【請求項19】
請求項17又は18に記載のタービンであって、
各ブレードは、圧力側表面および吸引側表面を有する、タービン。
【請求項20】
請求項19記載のタービンであって、
前記各ブレードの圧力側表面は凹面であり、各吸引側表面は凸面である、タービン。
【請求項21】
請求項1乃至20のうちいずれか1項に記載のタービンであって、
前記回転子の前記第1及び第2側の覆われていない部分は、それぞれ前記回転子の所定の部分である、タービン。
【請求項22】
請求項21に記載のタービンであって、
前記回転子の第1及び第2側の覆われていない部分は、前記回転子の所定の円周範囲である、タービン。
【請求項23】
請求項1乃至22のうちのいずれか1項記載のタービンであって、
前記第1及び第2流れ制御機構は、それぞれ前記回転子の動作表面の約1/2を覆うように適合されている、タービン。
【請求項24】
請求項21記載のタービンであって、
前記第1及び第2流れ制御機構は、それぞれ所定の数の連続する回転子ブレードを覆うように適合されている、タービン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般にエネルギー変換装置に関し、特にタービンに関する。
本発明は、主として、振動する水円柱を使用する海洋波抽出システムでの使用のために開発されており、以降、この出願で説明される。しかしながら、本発明は使用分野が特にこれに限定されないということに認識するであろう。
【背景技術】
【0002】
これまでに、従来のエネルギーシステムが環境に与えていた、あるいは与えている影響の関心が増加しており、新しい方法及びシステムが、そのようなシステムが環境に与える影響を低減するために現在開発されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
多くのこれらシステムは、電気を生成するために電気発電機を回転させるためのタービンに依存している。時代に対して提案された多くのそのようなシステムの問題は、新しいシステムを設定するのにかなりの資本経費が要求されるということである。投資上のリターンは資本経費とシステム効率との関係によって、ある程度制限されるので、この資本経費の程度は、しばしば、投資家にとって抑止として作用し得る。
そのようなシステムで現在使用されているタービンは、、比較的低効率で稼働しており、エネルギー抽出システムは、一般に、これらタービンの効率によって制限されている。
本発明の目的は、従来技術の1又はそれ以上の不利益点を克服または改善し、あるいは、少なくとも有益な代替えを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第1局面に従って、
振動する動作流体からエネルギーを抽出するタービンであって、
前記動作流体のための流路を画成するハウジングと、
前記ハウジングに配置されたエネルギー変換部と、
流れ制御手段と、を備え、
前記流れ制御手段は、前記動作流体が導かれ前記エネルギー変換部のある部分に作用するように、前記流路の所定部分を遮るために選択的に移動可能である、タービンが提供される。
好ましくは、前記流れ制御手段は、前記流れ制御手段が前記流路の第1位置を遮り、前記動作流体が前記エネルギー変換部の第1動作部に作用できる第1構成と、前記流れ制御手段が前記流路の第2位置を遮り、前記動作流体が前記エネルギー変換部の第2動作部に作用できる第2構成と、の間で前記流路の構成を変化させるように移動可能である。
本発明のタービンは、特に海洋波エネルギー抽出システムで使用するために適合されており、前記動作流体は前記海洋波エネルギー抽出システムの振動する水円柱によって生成される振動するエアフローであり、前記振動する水円柱(およびそのようなエアフロー)は、通過する海洋波の落下の上昇に応じて振動する。
好ましくは、前記エネルギー変換部は前記流路内で回転する。前記回転子は、単一で回転するように適合され、前記流体の流れ方向と独立しているのが好ましい。好ましくは、前記回転子は前記流体の流れ方向に対して実質的に垂直となるように配置されている。
前記回転子は中心のハブと、前記ハブまわりに配置され前記ハブの周囲から延びる複数のブレードを有し、前記複数のブレードは前記流路内に配置されているのが好ましい。各ブレードは圧力側表面および吸引側表面を有しているのが好ましい。好ましくは、各圧力側表面は凹面である。各吸引側表面は凸面であるのが好ましい。
前記エネルギー変換部の前記第1動作部は、前記回転子の所定の部分であるのが好ましい。ある実施の形態において、前記第1動作部は、所定の数の連続するブレードである。他の実施の形態において、前記第1動作部は、前記回転子の所定の円周範囲である。
前記流路は、環形での断面を有しているのが好ましい。第1構成において、前記流れ制御機構は、前記入口端で前記環形の一部を遮り、前記第1方向に流入する動作流体が前記回転子の第1動作部に作用するために通過する入口開口を画成するのが好ましい。
好ましくは、第1固定子又はノズルは前記回転子の第1側に配置され、前記第1方向に流れる動作流体を前記回転子のブレードの圧力面に向ける。好ましい一実施の形態において、前記第1固定子又はノズルは、前記流路の環形まわりに約180度の円周範囲を有するように配置された複数の案内静翼を含む。
前記流れ制御機構は、前記動作流体が前記第1動作部に作用可能なように第1入口開口を画成する第1構成と、前記動作流体が前記第1動作部に作用可能なように第2入口開口を画成する第2構成と、の間で前記流路の入口開口の構成を変化させる手段を含むのが好ましい。前記入口及び出口開口は前記回転子の反対側に配置されているのが好ましい。
ある実施の形態において、前記流れ制御機構は前記流路の円周範囲に関連し、前記第1固定子に覆われていない第1ゲート又はバルブ型機構を含み、前記第1ゲート型機構は、開位置と、前記動作流体が前記回転子に対して開いたノズル部を通過することのみを認めた閉位置と、の間で移動可能であるのが好ましい。
好ましくは、第2固定子又はノズルは、前記回転子の反対の第2側に配置され、前記第2方向に流れる動作流体を前記回転子のブレードの圧力面に向ける。好ましい一実施の形態において、前記第2固定子又はノズルは、前記流路の環形周りに約180度の円周範囲を有するように配置された複数の案内静翼を含む。
ある実施の形態において、前記流れ制御機構は前記流路の円周範囲に関連し、前記第2固定子に覆われていない第2ゲート又はバルブ型機構を含み、前記第2ゲート型機構は、開位置と、前記動作流体が前記回転子に対して開いたノズル部を通過することのみを認めた閉位置と、の間で移動可能であるのが好ましい。
他の好ましい実施の形態において、前記流れ制御機構は、前記流路の入口開口の一部を遮るための回転可能なディスクを含む。好ましくは、回転可能なディスクは、前記エネルギー変換部の各側面に設けられ、前記流路の各入口開口の一部を遮る。前記回転可能なディスクは、半円形であるのが好ましい。好ましくは、前記ディスクは、相互に相対して180度オフセットしている。両ディスクは前記第1流れ方向から前記第2流れ方向へ流れる流体の方向の変化に応じて、相互に180度まで同時に回転し、前記動作流体が夫々第1及び第2動作部に作用できるのが好ましい。
本発明の第2局面に従って、振動する動作流体からエネルギーを抽出するタービンであって、
前記動作流体のための流路を画成するハウジングと、
前記ハウジングに配置され、第1動作部および第2動作部を有するエネルギー変換部と、
前記動作流体が第1の所定方向で流れるとき前記動作流体が前記第1動作部に作用することができる第1構成と、前記動作流体が第2の所定方向で流れるとき前記動作流体が前記第2動作部に作用することができる第2構成と、の間で前記流路の構成を変化させる流れ制御手段と、を含む、タービンを提供する。
本発明の第3の局面に従って、振動する動作流体からエネルギーを抽出するタービンであって、
前記動作流体のための流路を画成するハウジングと、
前記ハウジングに配置されたエネルギー変換部と、
前記動作流体が前記エネルギー変換部に作用する能動的構成と、前記動作流体が前記エネルギーを迂回するバイパス構成と、の間で前記流路の構成を選択的に変化させる流れ制御機構と、を含む、タービンを提供する。
ある実施の形態において、前記エネルギー変換部は、第1エネルギー変換モジュールと第2エネルギー変換モジュールとを含む。第1エネルギー変換モジュールは、所定の第1方向に流れる動作流体に応じて動作するように適合されているのが好ましい。前記第2エネルギー変換モジュールは、所定の第2方向に流れる前記動作流体に応じて、動作するように適合されているのが好ましい。
好ましくは、前記流れ制御機構により、前記流路の能動的構成を、前記動作流体が前記第1エネルギー変換モジュール作用し、前記第2エネルギー変換モジュールを迂回する第1能動的構成と、前記動作流体が前記第2エネルギー変換モジュールに作用し第1エネルギー変換モジュールを迂回する第2能動的構成と、の間で選択的に変化させる。
前記ハウジングは、縦であり、縦の軸に沿って延びているのが好ましい。ある実施の形態において、前記ハウジングは、その縦軸が前記振動する動作流体の流れの方向に対して実質的に平行に配置されるように、配置される。他の実施の形態において、前記ハウジングは、その縦軸が前記振動する動作流体の流れの方向に対して実質的に垂直に配置されるように配置されている。
例えば、ある実施の形態において、前記ハウジングは、前記縦軸が実質的に垂直となるように、配置され得る。他の好ましい形式において、前記ハウジングは前記縦軸が実質的に水平となるように配置され得る。その技術の熟練した者により、前記ハウジングは上述した方向に限定されず、特別な応用に適合するように、前記動作流体の流れの方向に関して、他の適切な方向に配置され得ることが認められるであろう。
好ましくは、前記第1エネルギー変換モジュールおよび第2エネルギー変換モジュールは、相互に離れた空間を空けて軸方向に配置されている。前記第1及び第2エネルギー変換モジュールは、前記ハウジングの長手軸に沿って実質的に同軸状に配置されるのが好ましい。
好ましい一実施の形態において、前記ハウジングは、一般に円筒形体を有している。前記ハウジングは、内側及び外側フレームを含むのが好ましい。好ましくは、前記内側及び外側フレームは、相互に関連して配置されており、その間の空所又は空間が前記流路の少なくとも一部を形成している。前記内側及び外側フレーム間の空所又は空間は前記流路の中心路を形成するのが好ましい。
好ましくは、前記ハウジングの内側及び外側フレームは、前記長手軸周りに実質的に同心に配置され、前記流路の断面、より詳細には、前記中心又は主要の路の断面が環形の形態となっている。
好ましくは、前記ハウジングは、前記第1エネルギー変換モジュールと関連する第1バイパス部と、前記第2エネルギー変換モジュールと関連する第2バイパス部と、を有している。前記第1バイパス部は、前記第1エネルギー変換モジュールに接しており、前記第1エネルギー変換モジュール周りに流れる(又はそうでなければ作用しない)前記動作流体のための第1バイパス路を画成するのが好ましい。前記第2バイパス部は、前記第2エネルギー変換モジュールに接しており、前記第2エネルギー変換モジュール周りに流れる(又はそうでなければ作用しない)前記動作流体のための第2バイパス路を画成するのが好ましい。
好ましくは、前記流れ制御手段は、前記第1バイパス路を開閉するために、前記ハウジング内に移動可能に設けられた第1ゲート型機構を有している。前記流れ制御手段は、前記第2バイパス路を開閉するために、前記ハウジング内に移動可能に設けられた第2ゲート型機構を有している。いくつかの好ましい実施の形態において、前記第1及び第2ゲート型機構は、前記ハウジングの外側フレームにヒンジ式で接続された複数のゲート部材を含み、各ゲート部材は、前記関連するバイパス路を閉じるための前記外側フレームと実質的に同一平面の第1位置から、前記バイパス路を開くための前記流路の環形を横切って延びる第2位置まで、移動可能であるのが好ましい。好ましくは、前記複数のゲート部材は、極列で配置されている。
ある好ましい実施の形態において、前記第1ゲート型機構は、前記第1エネルギー変換モジュールの夫々上流及び下流に配置されたゲート部材の上流セットとゲート部材の下流セットを含む。
前記第2ゲート機構は、前記第2エネルギー変換モジュールの夫々上流及び下流に配置されたゲート部材の上流セットとゲート部材の下流セットを含むのが好ましい。用語"上流"及び"下流"は、比較上の意味で用いられており、前記振動する動作流体の流れの方向によるものであることを認めるであろう。
前記流れ制御機構は、上述したヒンジ式のゲート型機構に限定されず、例えば、前記流路の構成を変えることができる流れ制御バルブの配置のような、1又はそれ以上の前記流路の部分を遮るための適した遮り手段である、ということも、その技術に熟練した者によって認められるであろう。
好ましくは、各エネルギー変換モジュールは、前記ハウジングの長手軸周りの回転のために支持された回転子を有している。前記第1及び第2エネルギー変換モジュールの回転子は、同軸状に位置調整されているのが好ましい。
好ましくは、各回転子は、中心のハブと、前記ハブ周りに配置され、前記ハブの周囲から延びる複数のブレードと、を有している。各回転子は、前記複数のブレードが前記流路内、より詳細には、前記ハウジングの内側及び外側フレーム間の中心路内に、配置されるように、配置されるのが好ましい。
各回転子の複数のブレードは、各回転子が所定方向に回転するように構成されているのが好ましい。好ましくは、各回転子は、前記動作流体の流れ方向に対して実質的に垂直となるように配置され、各回転子が前記ハウジングの長手軸周りに回転する。他の好ましい形式において、各回転子は、前記流体の流れ方向に対して実質的に平行な方向で回転するように配置されている。好ましい一実施の形態において、前記第1エネルギー変換モジュールの回転子および前記第2エネルギー変換モジュールの回転子は、同一方向に回転するように配置されている。
好ましくは、各回転子ブレードは、一般に、三日月形、または弓形の断面輪郭を有している。各三日月形のブレードは、収束する凹凸形態を有し、凹状表面および凸状表面を含むのが好ましい。
好ましくは、各ブレードが実質的に平行な外側先端を有するように、各三日月形のブレードの断面輪郭が収束する。各ブレードの外側先端は、平滑な傾斜なる輪郭、または、そうでなければ、円形の輪郭、鋭利又は尖った端でないもの、を有しているのが好ましい。ある実施の形態において、各外側先端は、所定の曲率半径を有している。
ある実施の形態において、各エネルギー変換モジュールは、関連する回転子に隣接して配置された入口固定子を含んでおり、前記動作流体を前記回転子に向ける。前記入口固定子は、前記動作流体の進行又は流路をそらすように適合されており、所定方向で関連する回転子の回転を容易にしていることを認めるであろう。
好ましくは、各固定子は、前記回転子ブレードの凹状表面に作用するように、前記動作流体を案内する複数の案内静翼を有しており、使用中、前記関連する回転子が回転するとき、前記凸状表面が前記凹状表面をリードする。
前記複数の案内静翼が前記流路内、より詳細には、前記ハウジングの内側及び外側フレーム間の前記中心路内に配置されるように、各固定子が配置されるのが好ましい。前記案内静翼は前記流体の流れ方向に対して実質的に垂直となるように配置されるのが好ましい。各固定子の複数の案内静翼は、極列で、好ましくは、前記ハウジングの長手軸周りに配置されるのが良い。
好ましくは、前記第1エネルギー変換モジュールに関連する前記固定子は、前記ハウジングの入口端に向かって配置され、この固定子は、前記動作流体が前記第1方向に流れるとき、前記第1回転子の下流側にある。好ましくは、前記第2エネルギー変換モジュールに関連する前記固定子は、前記ハウジングの排出端に向かって配置され、この固定子は、前記動作流体が前記第2方向に流れているとき、前記第2回転子の下流側にある。好ましい一実施の形態において、前記第1及び第2エネルギー変換部は、相互に同軸状に位置調整され、前記第1及び第2エネルギー変換部の前記回転子は、前記関連する固定子に介在している。
いくつかの好ましい実施の形態において、各案内静翼は、反った断面の輪郭を有している。好ましくは、各案内静翼の反った断面の輪郭は、非対称形である。各案内静翼は、凹状表面及び凸状表面を有する、非対称の収束する凹凸の形態を有しているのが好ましい。好ましくは、使用中、前記流路が関連する能動的構成であるとき、前記凹状表面が前記動作流体に付帯するように、各案内静翼は配置されている。
各案内は、前縁端、中間部、及び後縁端を有しているのが好ましい。各静翼の前記中間部は、前記後縁端よりも前記前縁端に近いのが好ましい。各前縁端は平滑な傾斜、又は、そうでなければ、円形の輪郭を有しているのが好ましい。好ましくは、各後縁端は、平滑な傾斜、又はそうでなければ、円形の輪郭を有している。各案内静翼の前記前縁及び後縁端は、鋭利又は尖った先端でないのが好ましい。ある好ましい実施の形態において、前記案内静翼の各前縁及び後縁端は、所定の曲率半径を有している。好ましくは、前記前縁端の曲率半径は、前記後縁端の曲率半径よりも大きい。
前記案内静翼は、上述した好ましい形態に限定されず、前記流体の流れ方向を前記回転子ブレードの凹状表面へそらすために、平面形状を含む適切な形状であり得ることは当然に認められるであろう。
しかしながら、平滑な表面及び円形の端を有する前記回転子ブレード及び案内静翼の好ましい形態は、前記エネルギー変換モジュール、及び、前記回転子を回転させるために増量した動作流体が捉えら使用させるので、全体として、タービン、の向上した効率及び動作に関して利益をもたらす。
好ましくは、各回転子は、前記中心のハブに、その近接した端で連結された駆動軸を有し、前記回転子の回転により前記駆動軸の対応する回転が生じ、それにより、その末端が電気発電機に係合し駆動するために使用され得る。いくつかの好ましい実施の形態において、前記第1及び第2エネルギー変換モジュールと関連する駆動軸は、同一の電気発電機を駆動する。ある好ましい形態において、前記電気発電機は、両端を有する発電機である。前記電気発電機は、前記ハウジングの内側フレームに設けられているのが好ましい。
振動する動作流体は、振動するエアフローであるのが好ましい。本発明のある好ましい形態において、前記エアフローは、海洋波エネルギー抽出システムの振動する水円柱、通過する海洋波の下降の上昇に従って振動する振動水円柱(及びそのようなエアフロー)、によって生成される。
しかしながら、前記振動する動作流体は、振動するエアフローに限定されず、特に、振動する水円柱から生成される振動するエアフローに限定されない、ことはその技術の熟練した者によって認められるであろう。例えば、他の好ましい形態において、振動する動作流体は、気体、例えば、蒸気のような適切な圧縮性の流体であり得る。他の実施の形態において、振動する動作流体は、液体、例えば、水のような非圧縮性の流体であり得る。
本発明の第4の局面に従って、振動する動作流体からエネルギーを抽出するタービンであって、
前記動作流体のための流路を画成するハウジングと、
前記ハウジング内に配置された第1エネルギー変換モジュールと、
前記ハウジング内に配置された第2エネルギー変換モジュールと、
前記第1エネルギー変換部が動作可能で前記第2エネルギー変換部が非活動状態である第1構成と、前記第2エネルギー変換部が動作可能で前記第1エネルギー変換部が非活動状態である第2構成と、の間で前記流路の構成を変化させる流れ制御手段と、
を含むタービンを提供する。
本発明の第5の局面に従って、
中心のハブを有する回転子と、
前記ハブまわりに配置され、各ブレードが一般に三日月形又は弓形の断面輪郭を有する複数のブレードと、
を含むタービンを提供する。
各三日月形のブレードは、凹状表面及び凸状表面を含む、収束する凹凸の形態を有しているのが好ましい。好ましくは、前記ブレードは、前記ハブまわりに配置され、凹状表面が前記ブレードの圧力面として構成され、前記凸状表面が前記ブレードの吸引面として構成されるのが好ましい。
好ましくは、各三日月形のブレードの断面輪郭は、各ブレードが実質的に平行な外側先端を有するように、収束している。各ブレードの前記外側先端は、平滑な傾斜の輪郭、又は、そうでなければ、円形の輪郭、鋭利又は尖った端でないもの、を有しているのが好ましい。ある実施の形態において、各外側先端は所定の曲率半径を有している。
各回転子ブレードは、対称であるのが好ましい。
ある実施の形態において、前記タービンは、前記動作流体を前記回転子ブレードの圧力面に向けるために、前記回転子に隣接して配置された複数の案内静翼を有する入口固定子を含んでいる。前記入口案内静翼は、所定又は所望の流れ角度で、前記動作流体を前記回転子ブレードに向けるのが好ましい。前記入口固定子は、前記動作流体の進行又は流路をそらすように適合され、所定方向で関連する回転子の回転を容易にする、ということが認められるであろう。
いくつかの好ましい実施の形態において、前記タービンは、前記回転子から離れるように排出流れを案内するために、前記回転子に隣接して配置された出口固定子を含んでいる。
それらの機能が可逆性を有し、両方向または振動する流体流れで動作し易くなるように、前記入口及び出口固定子は構成されていることが認められるであろう。
いくつかの好ましい実施の形態において、各入口及び出口案内静翼は、反った断面輪郭を有している。好ましくは、各案内静翼の前記反った断面輪郭は、非対称である。各案内静翼は、凹状表面及び凸状表面を有する、非対称の収束する凹凸の形態を有しているのが好ましい。好ましくは、使用中、前記流路が関連する能動的構成であるとき、前記凹状表面が前記動作流体に付帯するように、各案内静翼は配置されている。
各案内は、前縁端、中間部、及び後縁端を有しているのが好ましい。各静翼の前記中間部は、前記後縁端よりも前記前縁端に近いのが好ましい。各前縁端は、平滑な傾斜、または、そうでなければ、円形の輪郭を有しているのが好ましい。好ましくは、各後縁端は、平滑な傾斜、または、そうでなければ、円形の輪郭を有している。各案内静翼の前記前縁及び後縁端は、鋭利又は尖った先端がないのが好ましい。ある好ましい実施の形態において、前記案内静翼の各前縁及び後縁端は、所定の曲率半径を有している。好ましくは、前記前縁端の曲率半径は、前記後縁端の曲率半径よりも大きい。
ある実施の形態において、前記回転子ブレードは、異なる輪郭のブレードと交換可能であり、前記タービンの異なる動作特性を達成してもよい。同様に、前記第1及び第2回転子の案内静翼は、ある実施の形態において、交換可能であり得る。
いくつかの好ましい形態において、前記回転子ブレード及び/又は案内静翼は、各ハブに移動可能に取り付けられている。例えば、ブレード及び/又は案内静翼は、各ハブにヒンジ式又は回転可能に取り付けられ、流体の流れ方向に関して前記ブレードのピッチが変化する。
例のみを用いて、付随する図面を参照して、本発明の好ましい実施形態はここで説明されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】本発明に従ったタービンの一実施形態の透視図である。
図2】流路が第1能動的構成になっている図1のタービンの破断図である。
図3】一対の端を有する電気発電機に連結された第1固定子−回転子エネルギー変換モジュールおよび第2固定子−回転子エネルギー変換モジュールの遠近図である。
図4】流路が第1能動的構成であり流体が第1方向に流動しているときの動作流体の流路を示す概略線図である。
図5】流路が第2能動的構成であり流体が第2方向に流動しているときの動作流体の流路を示す概略線図である。
図6】本発明に従ったタービンの第2実施形態の側面の概略線図である。
図7】流路の一部が流れ制御機構によって遮られている、図6のタービンの端面図である。
図8】固定子−回転子−固定子の配列を有する、本発明に従ったタービンの第3実施形態の遠近図である。
図9図8のタービンの側面図である。
図10図8のタービンのブレード/案内静翼の配列の軸上の表現を示す概略図である。
図11図8のタービンの入口固定子の遠近図である。
図12図8のタービンの回転子の遠近図である。
図13図8のタービンの排出固定子の遠近図である。
図14図11の入口固定子の端面図である。
図15図13の排出固定子の端面図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
図面を参照して、この発明は、振動するエアフローの状態で振動しつつ作用する流体からエネルギーを抽出するためのタービン1を提供する。タービン1は、特に、振動する水円柱を有するタイプの海洋波エネルギー抽出システム(不図示)で使用するために特別に開発されている。そのようなシステムでは、振動する水円柱またはOWCは、通過する海洋波の上下に応じて振動するエアフローを生成するように構成されている。
タービン1は、内側フレーム3及び外側フレーム4を有する、縦の、一般的に円柱状のハウジング2を有している。内側及び外側フレーム(3、4)は、ハウジング2の長手軸周りに同心上に配置されており、その間の隙間や空間は動作流体のための中心流路5を形成する。内側及び外側フレーム(3、4)を同心状に配置することで、中心流路5の断面は環形状となっている。
第1エネルギー変換モジュール6及び第2エネルギー変換モジュール7を有するエネルギー変換部は動作流体からエネルギーを抽出するためのハウジング2内に設けられている。第1及び第2回転子−固定子モジュール(6、7)は、ハウジング2内で軸方向に相互に離れており、実質的にハウジング2の長手軸に沿って同軸状である。
第1エネルギー変換モジュール6は、固定子−回転子モジュールの形式であるのが好ましい。第1固定子−回転子モジュール6は、所定の第1方向のエアフローに応じて動作するように適合させている。例えば、第1固定子−回転子モジュール6は、海洋波の上昇から生じるエアフローに応じて動作するように構成されているのが好ましい。
第2エネルギー変換モジュール7は、固定子−回転子モジュールの形式であるのが好ましい。第2固定子−回転子モジュール7は、所定の第2方向に流れるエアフローに応じて動作するように適合されている。例えば、第2固定子−回転子モジュール7は、海洋波の下降から生じるエアフローに応じて動作するように構成されているのが好ましい。
ハウジング2は、第1固定子−回転子モジュール6周りに流れる(又は別に作用しない)動作流体のための第1バイパス路9を画定する第1固定子−回転子モジュール6に接する第1バイパス部8を有している。
第2バイパス部10は、第2固定子−回転子モジュール7に接しており、第2固定子−回転子モジュール7周りに流れる(又は別に作用しない)動作流体のための第2バイパス路11を画成する。
ゲート又はバルブ型機構12形式における流れ制御手段がハウジング2に配置されており、動作流体が第1固定子−回転子モジュール6又は第2固定子−回転子モジュール7に作用するという能動的構成と、動作流体がエネルギー変換部を迂回するバイパス構成との間で流路5の構成を選択的に変化させる。
【0007】
ゲート型機構12は、固定子−回転子モジュール両方(6、7)の上流及び下流側に配置されている。各ゲート型機構12は、ハウジング2の外側フレーム4にヒンジ式で接続された一極列のゲート部材13を含んでいる。各ゲート部材13は、関連するバイパス路(9、11)を閉じるための外側フレーム4と実質的に同一平面の第1位置、および、関連するバイパス路を開くための流路の環形を横切って延びる第2位置、から移動可能である。
ゲート型機構12により、流路の能動的構成は、図2及び図4に示す第1能動的構成と図5に示す第2能動的構成との間で選択的に変化することができる。
第1能動的構成において、第1固定子−回転子モジュール6と結合するゲート部材13の上流及び下流の配列は、第1バイパス路9を閉じるための外側フレーム4と実質的に同一平面となる各第1位置まで移動する。この第1能動的構成において、動作流体は第1固定子を通過して流動し、第1回転子に作用し回転させることができる。第2固定子−回転子モジュール7の上流及び下流のゲート部材13は、第2バイパス路11を開くための流路を横切って延びる第2位置にあり、動作流体は第2固定子−回転子7を迂回する。図2及び4に示す整列においてエアフローが左から右に流れているとき、第1能動的構成が採用されることが認められるであろう。
図5をここで参照すると、その図に示す整列に対してそのエアフローが右から左へ空気流を変化させたとき、第2能動的構成が採用される。この構成において、第2固定子−回転子モジュール7と結合するゲート部材13の上流及び下流の配列は、第2バイパス路9を閉じるための外側フレーム4と実質的に同一平面の各第1位置に移動する。この第2能動的構成において、動作流体は第2固定子を通過して流動し、第2固定子に作用し回転させる。第1固定子−回転子モジュール6の上流及び下流ゲート部材13は、第1バイパス路9を開くための流路を横切って延びる各第2位置にあり、動作流体は第1固定子−回転子モジュール6を迂回する。
上記説明から、その振動から生じる動作流体の方向の変化によって、各エネルギー変換モジュール(6、7)の固定子が動作流体の関連する流方向に対して各回転子の下流にあることが認められるであろう。
【0008】
固定子は動作流体の進路又は流路をそらすように適合されており、所定方向で関連する回転子の回転を容易にする。特に、第1及び第2固定子−回転子モジュール(6、7)は、両方の回転子が同一方向に回転するように構成されている。
一対の端末を有する電気発電機は、内側フレーム3に配置されており、各駆動軸15を介して第1及び第2回転子の両方に連結されている。したがって、流れ制御手段が流路を第1能動的構成に構成し、エアフローが第1方向にあるとき、第1回転子が電気発電機を駆動する。流れ制御手段が流路を第2能動的構成に構成し、エアフローが第2方向にあるとき、第2回転子が電気発電機を駆動する。この回転子の単一方向の回転およびこのような電気発電機は、振動する水円柱から電気を発電する際の効率において、有利な改良をもたらすことを認めるであろう。特に、このタービンのある好適な実施形態で約20から25%の範囲の効率の改善を達成できることが見出されている。
図6および7をここで参照すると、本発明は、海洋波エネルギー抽出システムの振動する水円柱によって生成される振動するエアフローのような、振動する動作流体からエネルギーを抽出するためのタービン20を提供する。
タービン20は、その間の動作流体の流路を画成するための内側フレーム22および外側フレーム23を有するハウジング21を含んでいる。内側及び外側フレームは、一般に、円筒形であり、流路の断面は環状となっている。
エネルギー変換部は、第1固定子又はノズル24を有しており、回転子25は複数のブレードを有しており、および、第2固定子又はノズル26はハウジング21内に配置されている。
第1固定子24は、回転子25の第1側に配置されており、半円形アーチ構成に配置された複数の案内静翼を含んでおり、空気の流れを、第1固定子24に向け、回転子を回転させるため回転子ブレードの圧力面に向ける。
第2固定子24は、回転子25の反対の第2側に配置されており、半円形アーチ構成に配置された複数の案内静翼を含んでおり、空気の流れを、回転子を回転させるため回転子ブレードの圧力面に向ける。第2固定子の半円形のノズルのアーチ構成は、第1固定子24のアーチ構成に対して約180度オフセットさせるのが好ましい。
ゲート型機構の形式の流れ制御手段は、流路の構成を変化させるために提供されている。ゲート型機構は、第1固定子24として、回転子25の同一側に配置された第1セットのゲート部材27と、回転子25の反対の第2側に配置された第2セットのゲート部材28と、含んでいる。
ゲート部材(27、28)の各セットは、半円形アーチ構成に配列されており、関連する固定子に対して180度オフセットしている。動作流体がタービンのその端に向けて流れるとき、流路に向けて開いている部分(この場合、半分)を閉じるための閉位置に動くことができるように、ゲート部材はヒンジ式で接続されている。流路の部分を閉じることにより、動作流体が固定子を介して流路の開部分のみを通り、所定方向で回転子に作用し回転させることが認められる。エアフローの方向が変化すると、回転子の第1側のゲート部材のセットは開き、回転子の反対の第2側のゲート部材のセットは閉じる、又は、逆も同様。すなわち、エアフローの方向によって、上流のゲート部材は開き、下流のゲート部材は閉じる。
回転子は、エアーフローの方向に関係なく、同一方向に回転するように構成されている。
図8及び15の実施形態をここで参照して、本発明に従ったタービンの第3実施形態が描かれている。この実施形態において、タービン30には、入口固定子31、回転子32、及び出口固定子33が設けられている。
回転子32は、回転子の回転軸を決める中心のハブ34を有している。複数の対称のブレード35がハブ34の周囲に配置され、そのハブ34の周囲から延びている。各ブレード35は、凹状表面36及び凸状表面37を有する三日月形状あるいは弓形断面の輪郭を一般に有している。ブレード35はハブ34まわりに配置されており、凹状表面36がブレードの圧力面として構成され、凸状表面37がブレードの吸引面として構成されている。
【0009】
各ブレードは実質的に平行な外側先端38を有するように、各三日月形状のブレード35の断面の輪郭が収束している。各ブレードの外側先端38は、平滑な傾斜のある輪郭、又は、そうでなければ丸い輪郭、鋭利あるいは尖った端でないもの、を有しているのが好ましい。ある実施形態において、各外側先端38は、所定の曲率半径を有している。
入口固定子31は、複数の案内静翼39を有しており、回転子32に隣接して設けられ、動作流体を回転子ブレード34の圧力面35に向ける。入口案内静翼39は、動作流体を所定あるいは所望の流れ角度で回転子ブレード34に向ける。
出口固定子33は、複数の出口案内静翼40を有しており、回転子32に隣接して設けられ、回転子から離れるように排出流れを向ける。
両方向または振動する流体流れで動作し易くするために入口及び出口固定子の役割が可逆性を有するように入口及び出口固定子が構成されていることを認めるであろう。すなわち、入口端からのエアフローに対して、入口案内静翼はそのエアフローを回転子ブレードの圧力面に向け、出口端からのエアフローに対して、出口案内静翼はそのエアフローを回転子ブレードの圧力面に向け、回転子は常時同一方向で回転する。
各入口及び出口案内静翼(39、40)は、凹状表面41及び凸状表面42を有する対称の反った断面輪郭を有している。
各案内(39、40)は、前縁43、中間部44、および後縁45を有している。各静翼の中間部44は、静翼が入口静翼として機能しているとき、後縁45よりも前縁43に近いのが好ましい。
前縁及び後縁は実質的に平滑な輪郭、そうでなければ、丸い輪郭を有しており、各静翼は鋭利あるいは尖った端でなく、前縁の曲率半径は後縁の曲率半径よりも大きい。
したがって、本発明は、少なくとも、その好ましい実施形態において、効率を向上させたロバストなタービンを提供する。このタービンは、好都合に、振動するあるいは両方向の動作流体から増加した量のエネルギーを抽出することができる。特に、このタービンのある好ましい態様において、海洋波エネルギー抽出システムで現在使用されているタービンと比較して約20%までの範囲で効率の増加を、好都合に達成することができる。これら及び他の点で、その好ましい実施形態における本発明は従来技術を超えて、実用上及び商業上で重要な改善を表している。
本発明は、特定の例を参照して説明を行っているが、本発明を多くの他の形式で具現化するかもしれない技術において、熟練した者によって理解されるであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15