(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の好適な実施の形態を、遊技機としてスロットマシンを例に、図面に基づき説明する。
(スロットマシン10)
本実施の形態におけるスロットマシン10は、
図1に示すように、正面側が開口する方形箱状の筐体11と、この筐体11の正面開口を開閉自在かつロック可能な前扉3を有している。
前記筐体11の内部において、開口上部には、3個の回転リール40を有するリールユニット60が設置され、開口下部には、ホッパーユニット65と、電源装置5が設けられている。また、前記リールユニット60の上方には、スロットマシン10の全体の動作を制御するための制御装置20が配置されている。
【0016】
前記前扉3は、筐体11にヒンジ(図示せず)を介して水平方向に回動自在に取り付けられた板状の扉である。そして、前記前扉3には、
図1に示すように、遊技者側に向かって臨む正面パネル12が設けられており、正面パネル12には、3個の回転リール40の図柄を視認可能な図柄表示窓13が形成されている。そして、この図柄表示窓13の下方であってスロットマシン10の高さ方向略中央部は、スロットマシン10を作動させるための操作スイッチが設けられたカウンター状の操作部3Aとなっており、操作部3Aの右端にはメダル投入口14が設けられている。前扉3の下部には、ホッパーユニット65から払い出されたメダルを受ける下皿3Bが設けられている。また、メダル投入口14の下方であって前扉3の裏側には、投入メダルを検知しメダルを判別するためのメダルセレクター4が設けられている。
【0017】
前記リールユニット60は、筐体11の内部に収納される枠体に固定された3個のステッピングモータ(図示せず)と、各ステッピングモータの出力軸に取り付けられた3個の回転リール40から構成されている。ここで、3個の回転リール40について、個々の回転リール40を特定して説明する場合には、正面視したときに左側に位置する回転リール40を左リール41と称し、中央に位置する回転リール40を中リール42と称し、右側に位置する回転リール40を右リール43と称するものとし、個々の回転リール40を特定しない場合には、単に回転リール40というものとする。
各回転リール40は、合成樹脂からなる回転ドラムと、この回転ドラムの周囲に貼付されるテープ状のリールテープとを備えている。このリールテープの外周面には、
図3に示すように、「赤7」、「白7」、「白BAR」、「黒BAR」「リプレイa」、「リプレイb」「スイカa」、「スイカb」「ベル」、「チェリー」などの図柄が、1つの回転リール40につき21個ずつ、表示されている。なお、
図3において左端の数字は、各図柄を特定するための図柄番号を示している。
【0018】
そして、
図1に示すように、スロットマシン10を正面視したとき、図柄表示窓13からは、各回転リール40の図柄がそれぞれ3個ずつ視認できるようになっている。具体的には、図柄表示窓13の左側には、左リール41の図柄のうち、上段に位置する図柄、中段に位置する図柄、下段に位置する図柄を見ることができ、図柄表示窓13の中央には、中リール42の図柄のうち、上段に位置する図柄、中段に位置する図柄、下段に位置する図柄を見ることができ、図柄表示窓13の右側には、右リール43の図柄のうち、上段に位置する図柄、中段に位置する図柄、下段に位置する図柄を見ることができる。
また、特に図示しないが、各回転リール40には、リールユニット60に設けられたインデックスセンサ60A(
図2参照)に検知される検知部としてのスタートインデックスが設けられている。スタートインデックスは、例えば回転ドラムの内側や回転ドラムとリールモータをつなぐスポークに設けられた突片とすることができる。
【0019】
前記ホッパーユニット65は、
図1に示すように、筐体11の内部に設けられた払い出し装置であって、遊技の結果に基づいて、遊技者にメダルを払い出すためのものである。前記電源装置5は、スロットマシン10の主電源のON/OFFを行うためのものである。
ここで、前記操作スイッチとしては、
図1に示すように、ベットスイッチ16、精算スイッチ17、スタートスイッチ30、ストップスイッチ50が設けられている。なお、操作スイッチとしては、その操作によりスロットマシン10により行われる演出に関わる選択を行うことができる演出選択スイッチが設けられていてもよい。
前記ベットスイッチ16は、カウンター状の操作部3Aの上面左側に設けられたボタンスイッチであって、クレジットをメダル投入に代えるためのものである。前記精算スイッチ17は、操作部3Aの上面左端に設けられたボタンスイッチであって、クレジットを払い戻すためのものである。
【0020】
前記スタートスイッチ30は、操作部3Aの正面左側に設けられたレバー状のスイッチであって、回転リール40を回転開始させるためのものである。スタートスイッチ30の筐体内部側には、特に図示しないが、レバーの位置移動を検出する接触センサあるいは遮光センサが設けられており、センサの検出信号がスタートスイッチ30の操作信号として扱われるようになっている。
ストップスイッチ50は、操作部3Aの正面中央部に設けられた3個のボタンスイッチであって、回転中の回転リール40を停止させるためのものである。ここで、3個のストップスイッチ50について、個々のストップスイッチ50を特定して説明する場合には、正面視したときに左側に位置するストップスイッチ50を左停止スイッチ51と称し、中央に位置するストップスイッチ50を中停止スイッチ52と称し、右側に位置するストップスイッチ50を右停止スイッチ53と称するものとし、個々のストップスイッチ50を特定しない場合には、単にストップスイッチ50というものとする。3個のストップスイッチ50は、それぞれ、3個の回転リール40に対応して設けられている。具体的には、左リール41には左停止スイッチ51が対応し、中リール42には中停止スイッチ52が対応し、右リール43には右停止スイッチ53が対応している。各ストップスイッチ50の筐体内部側には、特に図示しないが、ボタンの位置移動を検出する接触センサあるいは遮光センサがそれぞれ設けられており、センサの検出信号が各ストップスイッチ50の操作信号として扱われるようになっている。そして、左停止スイッチ51の操作により左リール41を停止させることができ、中停止スイッチ52の操作により中リール42を停止させることができ、右停止スイッチ53の操作により右リール43を停止させることができる。
【0021】
(制御装置20)
上記制御装置20は、図示しないが、CPUを中心に構成され、ROM、RAM、I/O等を備えている。ここでCPUは、1個に限定されず、二個以上のCPUで制御するようにしてもよい。また、CPU、ROM、RAM及びI/O等は一体化されてワンチップを構成してもよい。そして、CPUがROMに記憶されたプログラムを読み込むことで、
図2に示すように、メイン制御装置21及びサブ制御装置22を構成する。
ここで、メイン制御装置21の制御に基づくスロットマシン10の作動状態を遊技状態といい、サブ制御装置22の制御に基づくスロットマシン10の作動状態を演出状態というものとする。なお、前記遊技状態には、役抽選の抽選態様が異なる内部抽選状態と、後述するフリーズ制御手段140の制御に基づき行われる特定フリーズの発生状態が異なるフリーズ状態とがあるが、これらの詳細は後述する。
【0022】
そして、制御装置20の入力側には、
図2に示すように、投入センサ15A、メダルセンサ15B、ベットスイッチ16、精算スイッチ17、スタートスイッチ30、ストップスイッチ50、インデックスセンサ60Aの各パーツが接続されている。ここで、投入センサ15Aは、
図1に示すように、メダルセレクター4に内蔵された検知センサであって、メダル投入口14から投入されたメダルを検知するものである。またメダルセンサ15Bは、
図1に示すように、メダルセレクター4に内蔵された検知センサであって、投入されたメダルの通過を検知するものである。インデックスセンサ60Aは、特に図示しないが、リールユニット60の枠体に設けられた検知部であって、回転リール40の回転を検知するためのものである。
【0023】
一方、制御装置20の出力側には、
図2に示すように、リールユニット60、ホッパーユニット65、ベット表示部18、クレジット表示部19、メダルキャンセル装置4A、画像表示部67、ランプ68、スピーカ69の各パーツが接続されている。ベット表示部18及びクレジット表示部19は、後述する投入制御手段70及び払出制御手段130の制御に基づいて、ベット数及びクレジット数を表示するためのものである。メダルキャンセル装置4Aは、図示しないが、メダルセレクター4に設けられた装置であって、スロットマシン10がメダル受付状態でない場合に、投入されたメダルをキャンセルするためのものである。
画像表示部67、ランプ68、スピーカ69は、演出を実行するための演出装置である。ここで、画像表示部67は、
図1に示すように、図柄表示窓13の上側に設けられた窓部であり、LED、ドットマトリックス、液晶画面等を用いて、入賞の報知その他の演出画像を表示するためのものである。なお、画像表示部67としては上記のものに限られず、例えば演出専用の回転リールを設け、リールの図柄や文字等により演出を表示するようにしてもよい。ランプ68は発光体の点灯又は点滅により入賞等を報知するためのものであり、スピーカ69は、BGMや操作音等、所定の音声を出力するためのものである。
【0024】
(メイン制御装置21)
メイン制御装置21は、スタートスイッチ30及びストップスイッチ50の操作により、回転リール40の回転及び停止を制御するためのものである。そして、メイン制御装置21は、
図2に示すように、投入制御手段70、役抽選手段80、当選フラグ設定手段90、リール制御手段100、遊技状態移行制御手段110、遊技結果判定手段120、払出制御手段130、フリーズ制御手段140、遊技操作無効手段150の各手段として機能する。
(投入制御手段70)
投入制御手段70は、メダルの投入関する制御を行う手段であって、メダルセンサ15Bの検知信号及びベットスイッチ16の操作信号に基づいて、ベット表示部18及びクレジット表示部19の表示及びメダルキャンセル装置4Aの作動を制御するものである。
【0025】
ここで、本実施の形態に係るスロットマシン10は、メダル投入口14からメダルを投入することで、1回のゲームにつき、最大3枚のメダルをベットする(掛ける)ことができるように形成されている。1回の遊技を行うためにベットすることができる最大メダル数を規定数という。本実施の形態では、通常は規定数が3に設定されており、メダルを3枚使用して行う3枚掛けゲームが行われる。一方、特定の場合には規定数が2に変更され、メダルを2枚使用して行う2枚掛けゲームが行われる。
また、スロットマシン10に投入された遊技メダルは、あらかじめ定められた枚数(例えば、50枚)まで、電子的に貯留(クレジット)しておくことができるように形成されている。この、クレジットされたメダルの枚数は、クレジット表示部19に表示されるものとなっている。そして、クレジット表示部19にクレジットメダル数が表示されている場合には、メダル投入口14にメダルを投入する代わりに、ベットスイッチ16を操作することによりメダルのベットを行い、スタートスイッチ30を操作可能状態にすることができる。
【0026】
具体的には、投入制御手段70は、規定数が3の場合において、クレジット表示部19の表示が「0」の場合にメダル投入口14からメダルが投入される(メダルセンサ15Bからの検知信号を受信する)と、最初の3枚までについてはベット表示部18にベット表示を行わせる。3枚を超えて投入した分については、クレジット表示部19の表示を加算する。ベット表示部18にベット数が表示されていない状態でかつクレジット表示部19の表示が「3」以上の場合に、ベットスイッチ16が操作された場合には、クレジット表示部19の表示を「3」減算し、ベット表示部18に3枚のベット表示を行い、メダルを3枚ベットした扱いとする。なお、クレジット表示部19の表示が「3」未満の場合にベットスイッチ16が操作された場合には、クレジット表示部19に表示されている分の遊技メダルをベットした扱いとする。また、規定数が2の場合には、ベットスイッチ16が操作された場合には、クレジット表示部19の表示を2だけ減算し、ベット表示部18に2枚のベット表示を行い、メダルを2枚ベットした扱いとする。なお、本実施の形態では、ベットスイッチ16として、1回の操作で最大ベット数がベットされるマックスベットスイッチのみが設けられているが、1回の操作で1枚のメダルがベットされるシングルベットスイッチを設けてもよい。
【0027】
また、クレジット表示部19の表示が「50」に達した場合には、メダルキャンセル装置4Aを作動させて、メダルセレクター4の内部に残留しているメダル及びそれ以降メダル投入口14から投入されるメダルを、メダルセレクター4からキャンセルさせる。また、すでにベットがされている場合(ベット表示部18の表示が規定数に応じた最大ベット数となっている場合)にも、メダルキャンセル装置4Aを作動させて、さらなるメダルの投入を禁止する。キャンセルされた遊技メダルは下皿3Bに払い戻される。
なお、回転リール40の回転中や、ホッパーユニット65がメダルを払い出ししている最中などの所定の場合においては、投入制御手段70はベットスイッチ16の操作信号を受け付けないと同時に、メダルキャンセル装置4Aを作動させて、メダルの投入によるベットを行わせない。また、後述するが、所定の場合には、メダル投入又はベットスイッチ16の操作によらず、ベット表示部18のベット表示を自動的に行うようになっている。
【0028】
(役抽選手段80)
役抽選手段80は、複数の図柄から構成される図柄組合せが対応付けられた所定の「役」について、当選したか否かを抽選により決定するものであり、役抽選テーブル(
図5(A)参照)と、判定手段(図示せず)とを備えている。そして、スタートスイッチ30の操作信号受信のタイミングで、図示しないカウント抽出手段が、図示しないループカウンタの数値を読み取り、判定手段がこの数値と役抽選テーブルとを比較して、当選の有無を判定するものである。
役抽選テーブルは、前記ループカウンタがカウントする数値(例えば0〜65535)を全領域として各当選項目の当選領域を規定したものである。なお、役抽選テーブルの詳細については後述する。判定手段は、カウント抽出手段がピックアップしたカウントデータと、前記役抽選テーブルの当選判定領域データとを照合し、カウントデータが所定の当選領域に属する場合には当該当選領域に対応する当選を決定し、カウントデータがいずれの当選領域にも属さない場合には、「ハズレ」の決定をするものである。
【0029】
ここで、スロットマシン10は、ストップスイッチ50の操作によって所定の当選役に対応する図柄組合せが有効ライン上に揃って表示される(以下、このことを入賞という)と、役に応じた利益が付与されるようになっている。前記役としては、入賞により所定枚数のメダルが払い出される小役と、入賞により次ゲームにおいて遊技メダルを新たに投入することなく再度の遊技を行える再遊技役と、入賞により次ゲームからボーナスゲームが開始されるボーナス役とを備えている。
なお、有効ラインとは、3個の回転リール40にそれぞれ表示されている図柄のうち図柄表示窓13から視認可能な図柄を各回転リール40につき1個ずつ繋いでできる、複数の回転リール40の全てを貫くライン(入賞ライン)のうち、入賞するために有効となる図柄組合せの並びを規定したラインである。入賞ラインは、規定数のメダルをベットすることにより有効ラインになる。本実施の形態においては、
図1に示すように、左リール41の中段に位置する図柄、中リール42の中段に位置する図柄、右リール43の中段に位置する図柄を繋いでできる中段ラインL1が入賞ラインとして設定されている。そして、本実施の形態では、内部抽選状態に応じて、1回の遊技につき、メダルを2枚又は3枚ベットすることが可能となっており、2枚のメダルをベットした場合も、3枚のメダルをベットした場合も、中段ラインL1が有効になるが、それぞれの場合で入賞による払い出しメダル数が異なるように設定されている。
【0030】
本実施の形態においては、
図4に示すように、ボーナス役として、「黒BAR・白7・黒BAR」の図柄組合せが対応付けられたCBB(チャレンジビッグボーナス)が設けられている。CBBが入賞すると、次ゲームからボーナスゲームであるチャレンジビッグボーナスゲーム(CBBゲーム)が開始される。ここで、CBBゲームは、チャレンジボーナス(CB)が連続して発生するゲーム期間であり、CBとは、役抽選の抽選結果に関わらず小役が当選状態になるとともに、少なくとも1個の回転リール40について、スベリコマ数が後述する最大スベリコマ数よりも少ないコマ数以下となる1ゲームの期間である。なお、CBの詳細については後述する。
【0031】
CBBゲームに移行すると、CBが無条件で、すなわちCBに移行させるための図柄(CB図柄)を揃えることなく開始され、1回のCBが終了すると、再び無条件で次のCBゲームが開始される。また、本実施の形態では、CBBゲーム中以外のゲームでは、規定数が3に設定されており、CBBゲーム中は、規定数が2に変更されるように形成されている。CBBゲーム中は、
図4に示すように、いずれの小役が入賞した場合にも、2枚以下のメダルが払い出されるものとなる。つまり、CBBゲームでは、小役が入賞しても1回のゲームで投入枚数以下のメダルしか払い出されない。CBBは、払い出しメダルの総数があらかじめ定められた一定枚数、例えば26枚を超えた場合に終了する。
【0032】
なお、CBB中に、所定のCB図柄を揃えた場合にCBが開始されるようにしてもよい。例えば、CBB中には、当選役として、「白BAR・ANY・ANY」の図柄組合せが対応付けられた特殊小役を抽選するようにして、特殊小役の当選に係るゲームで「白BAR・ANY・ANY」の図柄組合せを揃えることができた(特殊小役が入賞した)場合に、CBが開始されるようにしてもよい。また、ボーナス役が入賞した場合に、所定枚数(例えば15枚)のメダルを払い出した後に、ボーナス状態に移行するようにしてもよい。また、CBBの終了条件を、他の条件(例えばゲーム回数や特定役の入賞)としてもよい。
【0033】
また、規定数が2の場合に、全ての小役について入賞により2枚のメダルが払い出されるようにしてもよい。あるいは、規定数が2の場合に、全ての小役について入賞により1枚のメダルが払い出されるようにしてもよい。また、CBBゲーム中の規定数は2に限られない。要は、CBBゲーム中は、小役が入賞しても規定数以上のメダルが払い出されないようになっていればよい。
前記小役としては、ベル1〜ベル11までの11個のベル役と、チェリー役が設けられている。各ベル役には、ベル図柄、リプレイa図柄とリプレイb図柄(合わせてリプレイ図柄という)、黒BAR図柄、スイカa図柄とスイカb図柄(合わせてスイカ図柄という)、チェリー図柄、赤7図柄のいずれかにより構成される図柄組合せが対応付けられている。例えばベル1は「リプレイa・リプレイa・スイカa」及び「リプレイa・スイカa・スイカa」の2個の図柄組合せが対応付けられている。また、チェリー役には、「チェリー・ANY・ANY」(ANYは何の図柄でもよい意味)の図柄組合せが対応付けられている。
【0034】
また、小役の入賞により払い出されるメダル数は、規定数に応じて設定されている。すなわち、規定数が2の場合には、全ての小役は入賞により2枚以下のメダルが払い出される。一方、規定数が3の場合には、ベル9については入賞により9枚のメダルが払い出され、その他のベル役は入賞により1枚のメダルが払い出されるように形成されている。
前記再遊技役としては、リプレイ1〜リプレイ6までの6個のリプレイが設けられている。各リプレイには、回転リール40に表示されている全ての図柄のうちのいずれかにより構成される図柄組合せが対応付けられている。例えば、リプレイ1は、「リプレイa・リプレイa・リプレイa」「赤7・白7・リプレイb」などの60個の図柄組合せが対応付けられており、リプレイ3は「ベル・スイカb・赤7」「ベル・スイカb・白7」などの5個の図柄組合せが対応付けられている。いずれかの再遊技役が入賞すると、再遊技が作動し、当該ゲーム終了後の次ゲームにおいて、遊技メダルを新たに投入することなくスタートスイッチ30が操作可能となる。
【0035】
(役抽選テーブル)
本実施の形態における役抽選テーブルの概念図を
図5(A)に示す。ここで、
図5(A)は、当選役が当選しないハズレ(不当選)の領域である不当選領域を省略し、複数の役抽選テーブルに設定されている当選領域の有無を示したものであり、左欄に示した当選領域が含まれていることを丸印で表している。
役抽選テーブルとしては、
図5(A)に示すように、通常状態において用いられる通常テーブルと、ボーナス内部中において用いられる内部中テーブルと、ボーナス作動中において用いられるCBテーブルとが設けられている。
【0036】
ここで、通常状態とは、スロットマシン10の初期状態(工場出荷時又は設定変更後もしくはリセット後)の内部抽選状態をいうものである。ボーナス内部中とは、後述するボーナスフラグ(CBBフラグ)が持ち越されている内部抽選状態であり、ボーナス作動中とはボーナスゲーム(CBBゲーム)が行われる内部抽選状態である。
各役抽選テーブルには、
図5(A)に示す所定の当選の領域と、図示しないハズレの領域とが設定されている。CBテーブルには、CBB及び再遊技役の当選領域は設けられておらず、内部中テーブルにはCBBの当選領域は設けられていない。当選の領域としては、一の役に対応付けられた当選領域である単独当選領域の他に、複数種類の役に対応付けられた重複当選領域が設定されている。
図5(A)において、「CBB」、「リプレイC」「チェリー」の当選領域は、それぞれ、CBB、リプレイ1、チェリーの単独当選領域である。一方、当選領域の「リプレイA」「リプレイB」、「リプレイD」〜「リプレイH」は所定のリプレイ役の重複当選領域であり、「ベルA」〜「ベルM」までの当選領域は所定のベル役の重複当選領域となっている。
【0037】
ここで、
図5(A)に示す「ベルA」〜「ベルL」の12個の重複当選領域に対しては、3個のストップスイッチ50に基づく6通りの操作順序(押し順)のうち、左停止スイッチ51を最初に操作する押し順(左第一停止)以外の押し順が、それぞれ割り当てられている。具体的には、「ベルA」〜「ベルC」の各当選領域に対しては、ストップスイッチ50を、中停止スイッチ52、左停止スイッチ51、右停止スイッチ53の順で操作する押し順(中左右)が、「ベルD」〜「ベルF」の各当選領域に対しては、ストップスイッチ50を、中停止スイッチ52、右停止スイッチ53、左停止スイッチ51の順で操作する押し順(中右左)が、「ベルG」〜「ベルI」の各当選領域に対しては、ストップスイッチ50を、右停止スイッチ53、左停止スイッチ51、中停止スイッチ52の順で操作する押し順(右左中)が、「ベルJ」〜「ベルL」の各当選領域に対しては、ストップスイッチ50を、右停止スイッチ53、中停止スイッチ52、左停止スイッチ51の順で操作する押し順(右中左)が、それぞれ割り当てられている。割り当てられている押し順が、各当選領域の当選に対する正解の押し順(適合操作態様)となる。そして、前記重複当選領域のいずれかが当選した場合、正解の押し順で、ストップスイッチ50が操作(以下停止操作という場合がある)されたか否かによって、入賞し得るベル役が変化するようになっているが、これについては後述する。
【0038】
また、「リプレイC」〜「リプレイH」の5個の再遊技役の当選領域については、どのような押し順で停止操作がされたかにより、入賞する再遊技役又は表示される図柄組合せが変化するようになっているが、この詳細についても後述する。なお、当選領域「ベルA」〜「ベルL」を総称して「押し順ベル」といい、当選領域「リプレイC」〜「リプレイH」を総称して「押し順リプレイ」というものとする。
さて、
図5(A)では明記していないが、各役抽選テーブルにおける全ての小役の当選領域の全領域に対する割合(以下当選確率という)は、通常テーブル及び内部中テーブルにおいて、同等に設定されている。また、CBテーブル以外の役抽選テーブルにおける再遊技役の当選確率(合算値)は、通常テーブルよりも内部中テーブルの方が高くなるように設定されている。例えば、通常テーブルでは、再遊技役の当選確率が約1/7.3に設定されており、内部中テーブルでは、再遊技役の当選確率が約1/3.5に設定されている。これにより、内部抽選状態がボーナス内部中である遊技は、遊技メダルを新たに投入することなく遊技を行える再遊技の回数が増えるとともに、小役の当選確率は変化しないので、手持ちのメダルの目減りが少なくなる。さらに、内部中テーブルにおいては、ハズレの領域が極めて少なく、例えば1/65536に設定されている。
【0039】
なお、上記した役抽選テーブルの構成や当選確率は一例であって、上記した態様や数値に限られるものではない。例えば、CBテーブルに再遊技役の当選領域が設けられていてもよい。また、内部中テーブルにはハズレの領域が設けられていなくてもよい。
(当選フラグ設定手段90)
当選フラグ設定手段90は、当選に対応する当選フラグを成立させるものである。具体的には、CB中でない場合において、前記役抽選手段80による役抽選の結果、いずれかの役が当選した場合に、小役が当選した場合には小役フラグ(ベル1フラグ、チェリーフラグなど)を成立させ、ボーナス役が当選した場合にはボーナスフラグ(CBBフラグ)を成立させ、再遊技役が当選した場合には再遊技フラグ(リプレイ1フラグなど)を成立させる。小役フラグ及び再遊技フラグは1ゲーム限りでリセットされるが、ボーナスフラグは、当該ボーナス役が入賞するまでリセットされない。すなわち、ボーナス役当選の場合には、当選の権利が次ゲーム以降に持ち越されるようになっている。
【0040】
さらに、当選フラグ設定手段80は、CB中においては、役抽選の結果に関わらず、全ての小役フラグを成立させるようになっている。すなわち、CB中は、所定の小役が当選した場合であっても、抽選結果がハズレであっても、全ての小役(ベルA〜M、チェリー)の当選フラグを成立させる。これにより、CB中は全ての小役が当選している状態となり、小役の入賞が容易な状態となる。
(リール制御手段100)
リール制御手段100は、スタートスイッチ30及びストップスイッチ50の操作信号に基づいて、回転リール40の回転及び停止を制御するためのものであり、
図2に示すように、回転制御手段101と、停止制御手段102とを少なくとも備えている。
【0041】
(回転制御手段101)
回転制御手段101は、スタートスイッチ30の有効な操作信号を受信した場合に、リールユニット60のステッピングモータを駆動させて回転リール40を回転させるためのものである。具体的には、規定数のベットがされている状態でスタートスイッチ30の操作信号を入力した場合には、前ゲームにおける回転リール40の回転開始から一定時間(4.1秒、いわゆるウエイト時間)が経過していることを条件に、各ステッピングモータに駆動信号を出力することにより、全ての回転リール40の回転を一斉に、あるいは所定の順番で開始させる。そして、全ての回転リール40の回転速度が、停止操作が可能となるあらかじめ設定された定常回転速度(例えば80rpm)に達すると、この定常回転速度を維持する定常回転を行わせるものとなっている。
【0042】
ここで、回転制御手段101は、回転リール40を回転させるステッピングの駆動速度を制御するための制御データ(加速度データ)に基づいて、回転リール40の回転を制御する。加速度データは、ステッピングモータを励磁させるための信号(駆動信号)の出力態様をテーブル上に規定したものであり、加速度データに基づいて所定の駆動信号が出力されることにより、回転リール40を回転開始させ、回転速度を加速又は減速させ、あるいは一定速度(定常回転速度)を保って回転させることができるようになっている。
本実施の形態では、加速度データとして、回転リール40の作動態様による演出である回胴演出が行われない場合(すなわち通常の回転時)の回転リール40の挙動を制御するための通常回転データと、前記回胴演出を実行する際の回転リール40の挙動を制御するための回胴演出回転データとを備えている。通常回転データは、当該データを参照して駆動信号の出力処理を行う通常回転制御により、停止している回転リール40が回転開始し、所定の加速度で加速し、一定時間後に定常回転速度に達するように設定されたものである。回胴演出回転データは、当該データを参照して駆動信号の出力又は出力停止処理を行う回胴演出制御により、回転リール40が種々の態様で作動するように設定されたものである。すなわち、回胴演出回転データには、回転リール40を所定の態様で回転させるデータの他、回転リール40を回転開始させないためのデータも含まれる。そして、通常回転制御により、ストップスイッチ50の操作(停止操作)が有効となるまでの間、回転リール40はあらかじめ定められた通常の態様で回転し、回胴演出制御により、停止操作が有効となるまでの間、所定の回胴演出が行われることとなる。
【0043】
本実施の形態においては、回胴演出回転データとして、回転リール40の種々の個別作動パターンを規定した複数種類の個別作動パターンデータと、個別作動パターンを所定の順序で実行させるための実行パターンデータとが設けられている。個別作動パターンデータとしては、
図6(A)に示すように、パターン1〜4が設けられている。作動パターン1は、全ての回転リール40を通常の回転時と
同一の加速度で加速しγステップ分だけ定常回転させる制御を行わせるためのデータであり、作動パターン2は、全ての回転リール40を所定の加速度で加速しαステップ分だけ逆回転させる制御を行わせるためのデータであり、作動パターン3は、全ての回転リール40をβ秒間停止させる制御を行わせるためのデータであり、作動パターン4は、全ての回転リール40又は特定の回転リール40について、ステッピングモータの正転逆転を小刻みに所定回数繰り返して回転リール40を振動させる制御を行わせるためのデータである。
【0044】
なお、個別作動パターン1は、あらかじめ定められた回転リール40の通常の回転態様と
見た目上同一な作動をさせる作動パターン(第2パターン)である。通常の回転態様とは、前記通常回転データを用いた回転リール40の回転態様であって、所定の加速度で回転リールを回転開始させ、定常回転速度に移行させる回転態様である。個別作動パターン1は、通常の回転態様で回転リール40を回転させる場合と全く同一の制御であ
る。一方、個別作動パターン2〜4は、あらかじめ定められた回転リール40の通常の回転態様とは異なる作動をさせる作動パターン(第1パターン)である。
【0045】
また、実行パターンデータとしては、作動パターン2、3の順に実行させる継続パターンAと、作動パターン4、3、1、3の順に実行させる逆転パターンBと、作動パターン4、3の順に実行させる終了パターンCとが設けられている。そして、回転制御手段101が、実行パターンに沿って個別作動パターンに基づく処理を実行することにより、回転リール40が所定の挙動となる回胴演出が行われるものとなる。すなわち、継続パターンAでは、回転リール40が所定時間逆回転した後停止し、逆転パターンBでは、回転リール40が一瞬振動して停止した後に通常の回転時と
見た目上同一に回転開始しその後に停止し、終了パターンCでは、回転リール40が一瞬振動して停止するものとなる。
【0046】
なお、図示した個別作動パターン及び実行パターンは一例であって、このような態様に限定されるものではない。また、回胴演出は、後述するフリーズ制御手段140の制御に基づく特定フリーズの実行時に、所定の契機で行われるようになっているが、この詳細については後述する。
(停止制御手段102)
停止制御手段102は、リールユニット60に設けられた回転リール40の回転を検知するためのインデックスセンサ60A(
図2参照)の検知信号に基づき、現時点における回転リール40の回転角度を把握し、ストップスイッチ50が操作された時点での回転リール40の回転角度から、有効ライン(中段ライン)上に位置している図柄を特定することができるようになっている。ここで、回転リール40に表示されている1図柄分の領域を1コマと称し、1つの回転リール40は21コマを有している。そして、停止制御手段102は、回転リール40の回転角度をもとに特定された図柄を基準図柄として、この基準図柄から回転方向にあらかじめ定められたコマ数分だけ(最大スベリコマ数、例えば4コマ)移動したときの図柄までの範囲(5コマの範囲)で、対応する回転リール40を停止させるように形成されている。換言すれば、停止制御手段102は、ストップスイッチ50が操作された時点から対応する回転リール40が停止するまでに、この回転リール40が回転する回転量があらかじめ定められたコマ数の範囲内となるように、ステッピングモータの駆動停止を制御するものである。具体的には、前記基準図柄をその位置に停止させてもよい場合にはそのまま回転リール40を停止させ、その位置に停止させてはいけない場合には、回転リール40が停止するまでの時間を遅らせて、有効ライン上からその図柄を蹴飛ばして停止させる。また、最大スベリコマ数の範囲内に、当選図柄が含まれている場合には、回転リール40が停止するまでの時間を遅らせて、有効ライン上にその当選図柄を引き込んで停止させる。
【0047】
停止制御手段102は、これらの制御を、所定の停止データに基づいて行うようになっている。停止データには、優先度に基づいて停止位置候補を特定するための優先度判定データと、基準図柄から何コマ回転させて回転リール40を停止させるかを、役抽選の結果及びストップスイッチ50の操作タイミングに応じて各当選図柄ごとにテーブル上に規定した停止テーブルとが含まれる。本実施の形態においては、基準図柄から最大スベリコマ数の範囲内に位置する図柄の優先度に基づいて停止位置を決定する優先度判定停止制御と、停止テーブルに基づいて停止位置を決定するテーブル停止制御とが併用されている。
前記優先度判定データの優先度は、単一の役が当選している場合には、基準図柄から最大スベリコマ数の範囲内にある当該当選役を構成する当選図柄の優先度が最も高くなるように設定されており、複数の役が同時に当選状態となっている場合には、ボーナス役、小役、再遊技役の順に優先度が高くなるように設定されている。つまり、ボーナス役と小役が同時に当選している場合(ボーナス内部中に小役が当選した場合)には小役に対応付けられた小役図柄の停止位置が優先的に停止位置として決定され、ボーナス役と再遊技役が同時に当選している場合(ボーナス内部中に再遊技役が当選した場合)には再遊技役に対応付けられたリプレイ図柄の停止位置が優先的に停止位置として決定される。すなわち、ボーナス内部中において、ボーナス図柄の停止位置が優先的に停止位置として決定されるのは、役抽選の結果がハズレの場合のみとなる。なお、CB中において小役が同時当選している場合は、停止テーブルにあらかじめ設定された停止位置が停止位置として決定される。
【0048】
また、当選役に対応する図柄組合せが有効ライン上に複数成立する可能性がある場合に前記回転リール40を停止させる際の制御方法として、回転リールが全て停止したときに払い出され得る遊技媒体数が最大となるように当選図柄を引き込んで回転リール40を停止させる払い出し数優先引込制御(以下枚数優先引込制御という)と、表示され得る図柄組合せ数が最大となるように当選図柄を引き込んで回転リール40を停止させる図柄組合せ個数優先引込制御(以下個数優先引込制御という)とが設けられており、停止制御手段102は、これらの制御に関するデータを優先度判定データとして記憶している。
前記停止テーブルとしては、当選図柄引き込みテーブルと、ハズレテーブルとが設けられている。当選図柄引き込みテーブルは、当選図柄の配列が有効ライン上に停止し、かつ、当選図柄以外の図柄が有効ライン上に停止しないように、操作されたストップスイッチ50に対応する回転リール40の停止位置をあらかじめ定められたスベリコマ数の範囲内で規定してあるものである。ハズレテーブルは、いずれの役を構成する図柄組合せも有効ライン上に停止しないように、対応する回転リール40の停止位置をあらかじめ定められたスベリコマ数の範囲内で規定してあるものである。停止テーブルは、3個の回転リール40にそれぞれ対応して設けられており、先に停止した回転リール40の停止図柄に応じて、未停止の回転リール40の停止テーブルが選択されるようになっている。
【0049】
ここで、CB中に用いられる停止テーブルは、全ての小役フラグが成立している状態に対応した停止テーブルとなっている。すなわち、ストップスイッチ50の操作タイミングによって、いずれの小役図柄でも、有効ライン上に引き込み可能となっている。また、CB中に用いられる停止テーブルは、あらかじめ設定された少なくとも1個の回転リール40(例えば左リール41)に対応するものについて、「あらかじめ定められたスベリコマ数」が、1コマ以下(1コマ又は0コマ)となるように設定されている。これにより、CB中においては、少なくとも1個の回転リール40については、当選図柄の引き込みコマ数が最大1コマとなり、当選図柄を有効ライン上に停止させることが可能なストップスイッチ50の操作タイミングに正確さが要求されることとなる。
【0050】
次に、押し順が設定された当選領域が当選した場合の引き込み制御について詳述する。
まず、「押し順ベル」のいずれか、すなわち
図5(A)に示す「ベルA」〜「ベルL」のいずれかの当選領域が当選した場合の停止制御について説明する。
本実施の形態においては、「押し順ベル」の領域に共通して含まれるベル9の図柄組合せを構成する図柄(ベル図柄)は、全ての回転リール40において最大スベリコマ数の範囲内に配置されている。また、「ベルA」〜「ベルF」の領域に共通して含まれるベル7の図柄組合せを構成する図柄(スイカ図柄、ベル図柄、リプレイ図柄)のうち、スイカ図柄とリプレイ図柄は、個々の図柄についてみると、対応する回転リール40において全てが最大スベリコマ数の範囲内に配置されているわけではないが、対応する回転リール40においていずれかの図柄を有効ライン上に引き込んでベル7に対応付けられたいずれかの図柄組合せを表示可能となっている。「ベルG」〜「ベルL」の領域に共通して含まれるベル8の図柄組合せを構成する図柄も同様に、個々の図柄についてみると、対応する回転リール40において全てが最大スベリコマ数の範囲内に配置されているわけではないが、対応する回転リール40においていずれかの図柄を有効ライン上に引き込んでベル8に対応付けられたいずれかの図柄組合せを表示可能となっている(
図3、
図4参照)。つまり、ベル7〜9は、最大スベリコマ数が4コマに設定されている制御中(CB以外)においては、ストップスイッチ50の操作のタイミングにかかわらず入賞可能な設定となっている。一方、各「押し順ベル」に含まれる、ベル1〜6のベル役の図柄組合せを構成する図柄には、中リール42及び右リール43において最大スベリコマ数の範囲内に配置されていない図柄が含まれており、ベル1〜6が単独で当選したとしても目押しをしないと入賞できない設定となっている。そして、停止制御手段102は、ボーナス(CBB)作動中以外の状態(規定数が3枚のゲーム)において、役抽選により、いずれかの「押し順ベル」が当選した場合には、ストップスイッチ50の操作態様に応じて、当該領域に含まれるベル7〜9のいずれかのベル役に対応する図柄組合せを有効ライン上に停止表示させるように停止制御を行う。
【0051】
具体的には、役抽選により「押し順ベル」が当選した場合に、当選した当選領域に対して割り当てられている正解の押し順で各ストップスイッチ50が操作された場合には、枚数優先引込制御を適用して、ストップスイッチ50の操作のタイミングにかかわらず、ベル9の図柄組合せを構成する図柄を、他のベル役の図柄組合せを構成する図柄に優先して、有効ライン上に引き込んで、ベル9を入賞させる。ベル9が入賞した場合には、9枚のメダルが払い出される。一方、その正解の押し順以外の押し順(不正解の押し順・不適合操作態様)で各ストップスイッチ50が操作された場合には、個数優先引込制御を適用して、ストップスイッチ50の操作のタイミングにかかわらず、ベル7又はベル8の図柄組合せを構成する図柄を、ベル9の図柄組合せを構成する図柄に優先して、有効ライン上に引き込む制御を行う。ベル7又はベル8が入賞した場合には、1枚(CBB中はベル7は2枚)のメダルが払い出される。
【0052】
このように、「押し順ベル」が当選した場合には、必ずベル役が入賞するが、当該当選領域に設定された正解の押し順で停止操作された場合には、必ずベル9が入賞して9枚のメダルが払い出され、正解の押し順で停止操作されなかった場合には、ベル7又はベル8が入賞して1枚又は2枚のメダルが払い出されるようになっている。すなわち、ベル9は正解の押し順で停止操作したときに入賞する正解役であり、それ以外のベル役は不正解の押し順で停止操作したときに入賞する不正解役として位置づけられている。
なお、本実施の形態では、不正解の押し順で操作すると払い出しの少ない不正解役が必ず入賞する設定となっているが、不正解の押し順で操作するとストップスイッチ50の操作タイミングに応じて不正解役が入賞する場合があるが、ストップスイッチ50の操作タイミングによっては何の役も入賞しない場合もあるように設定してもよい。また、この場合には、正解役と不正解役の配当が同じ設定としてもよい。また、有効ラインを複数設けた場合には、同時当選している役の配当は同じだが、正解の押し順だと複数役が重複して入賞し、不正解の押し順だと単独の役しか入賞しないかいずれの役も入賞しないように形成してもよい。あるいは、正解の押し順だと同一の役が複数の有効ラインに表示されて重複入賞し、不正解の押し順だと所定の役が単独の有効ラインに表示されるように形成してもよい。なお、これらの制御を可能とするように、回転リール40の図柄配列や役抽選テーブルや停止テーブルを設定する必要があることは言うまでもない。
【0053】
次に、「押し順リプレイ」のいずれか、すなわち、
図5(A)に示す「リプレイC」〜「リプレイH」のいずれかの当選領域が当選した場合の停止制御について説明する。なお、
図5(A)に示すように、「リプレイC」はリプレイ1の単独当選領域であり、「リプレイD」はリプレイ1とリプレイ2の重複当選領域であり、「リプレイE」はリプレイ1とリプレイ3の重複当選領域であり、「リプレイF」はリプレイ1とリプレイ4の重複当選領域であり、「リプレイG」はリプレイ1〜リプレイ3の重複当選領域である。そして、「リプレイH」は、リプレイ1、リプレイ2、リプレイ4及びリプレイ5の重複当選領域となっている。また、押し順により、メイン制御装置21の遊技状態(内部抽選状態及びフリーズ状態)が変化する場合があるようになっているが、これについては後述する。
【0054】
ここで、「押し順リプレイ」の領域には、
図5(A)に示すように、リプレイ1が必ず含まれている。リプレイ1に対応する図柄組合せを構成する図柄のうち、リプレイa図柄、リプレイb図柄のそれぞれは、中リール42及び右リール43において、最大スベリコマ数の範囲内に配置されていない箇所もあるが、リプレイa図柄、リプレイb図柄をあわせたリプレイ図柄としては最大スベリコマ数の範囲内に配置されているので、停止操作のタイミングにかかわらず、リプレイ1が入賞可能な設定となっている。そして、停止制御手段102は、役抽選により上記した「押し順リプレイ」のいずれかが当選した場合には、ストップスイッチ50の操作態様に応じて、有効ライン上に停止表示させる再遊技役に対応する図柄組合せを異なるものとなるように停止制御を行う。これらの制御は、ストップスイッチ50の操作順に応じて設けられている停止テーブルを用いて行われる。この具体例を、
図5(B)を参照しつつ説明する。
【0055】
具体的には、停止制御手段102は、「リプレイC」〜「リプレイH」の当選時に、左第一停止で停止操作された場合には、リプレイ1に対応する図柄組合せのうち「リプレイa・リプレイa/リプレイb・リプレイa/リプレイb」の図柄組合せを有効ライン上に停止させる制御を行う。
また、「リプレイC」の当選時に、左第一停止以外の押し順で停止操作された場合、及び「リプレイD」〜「リプレイF」の当選時に、中停止スイッチ52を最初に停止操作する押し順である中第一停止で停止操作された場合において、当該停止操作のタイミングが白7図柄を有効ライン上に引き込み可能なタイミングである場合には、他の引き込み可能な図柄に優先して、白7図柄を有効ライン上に引き込んで停止させる制御を行う。これにより、3個のストップスイッチ50の停止操作のタイミングによって、リプレイ1に対応する「白7・白7・白7」の図柄組合せ(白7揃い)を有効ライン上に表示させることができる。なお、当該停止操作のタイミングが白7図柄を有効ライン上に引き込み可能なタイミングでない場合には、リプレイ図柄を有効ライン上に引き込んで停止させる制御を行う。これにより、リプレイ1に対応付けられたいずれかの図柄組合せ(例えば「リプレイa・白7・リプレイb」など)が有効ライン上に表示される。なお、「リプレイD」の当選時にはリプレイ2が、「リプレイE」の当選時にはリプレイ3が、「リプレイF」の当選時にはリプレイ4に対応付けられた図柄組合せが有効ライン上に表示される場合がある(以下同様)。
【0056】
また、「リプレイD」及び「リプレイG」の当選時に、右停止スイッチ52を最初に停止操作する押し順である右第一停止で停止操作された場合において、当該停止操作のタイミングが赤7図柄を有効ライン上に引き込み可能なタイミングである場合には、他の引き込み可能な図柄に優先して、赤7図柄を有効ライン上に引き込んで停止させる制御を行う。この際、全ての回転リール40が停止したときに、赤7図柄が有効ラインのみに揃う停止形である赤7シングル揃い(
図7(A)参照)が表示されるように停止させる。停止操作のタイミングが赤7図柄を有効ライン上に引き込み可能なタイミングでない場合には、リプレイ1に対応する図柄組合せ(白7揃いを除く)を構成する他のいずれかの図柄、又はリプレイ2に対応する図柄組合せを構成するいずれかの図柄を有効ライン上に引き込んで停止させる制御を行う。なお、赤7図柄を有効ライン上に引き込んで停止させると、無効ラインに、以下に述べる赤7ダブル揃いが表示されることとなる場合には、かかる表示を回避するために、赤7図柄を有効ライン上に引き込まない場合がある。
【0057】
また、「リプレイE」の当選時に右第一停止で停止操作された場合において、当該停止操作のタイミングが赤7図柄を有効ライン上に引き込み可能なタイミングである場合には、上記と同様に、赤7図柄を有効ライン上に引き込んで停止させる制御を行う。この際、全ての回転リール40が停止したときに、赤7図柄が有効ライン上に揃うとともに、無効ラインである右上がりライン(左リール41の下段に位置する図柄、中リール42の中段に位置する図柄、右リール43の上段に位置する図柄を結ぶライン)上にも揃う停止形である赤7ダブル揃い(
図7(B)参照)が表示されるように停止させる。停止操作のタイミングで赤7ダブル揃いを有効ライン上に引き込めない場合には、赤7シングル揃いが表示されるように制御し、赤7図柄を有効ライン上に引き込み可能なタイミングでない場合には、リプレイ1に対応する図柄組合せ(白7揃いは除く)を構成する他のいずれかの図柄、又はリプレイ3に対応する図柄組合せを構成するいずれかの図柄を有効ライン上に引き込んで停止させる制御を行う。
【0058】
また、「リプレイF」当選時に右第一停止で停止操作された場合には、停止操作のタイミングによって、赤7揃いが表示される期待感を持たせるような表示が行われる。例えば右リール43、中リール72において赤7図柄を有効ライン上に停止させ、左リール41において赤7図柄以外の図柄を有効ライン上に停止させて、リプレイ1を入賞させる。また、「リプレイH」の当選時に右第一停止で停止操作された場合には、停止操作のタイミングによって、白7揃いが表示される期待感を持たせるような表示が行われる。例えば右リール43、中リール72において白7図柄を有効ライン上に停止させ、左リール41において白7図柄以外の図柄を有効ライン上に停止させて、リプレイ1を入賞させる。
【0059】
なお、上記した「左第一停止で停止操作された場合」は、ストップスイッチ50を「左、中、右」の順で操作する、いわゆる「順押し」がされた場合としてもよい。また、上記した「右第一停止で停止操作された場合」は、ストップスイッチ50を「右、中、左」の順で操作する、いわゆる「逆押し」がされた場合としてもよい。
さて、押し順リプレイ以外の再遊技役の当選領域のうち、リプレイ2〜4の重複当選領域である「リプレイA」、リプレイ1及びリプレイ5の重複当選領域である「リプレイB」は、ストップスイッチ50の操作タイミングに応じて(操作順は問わず)、所定の図柄組合せを表示可能となっている。具体的には、「リプレイA」の当選時に、所定の操作タイミングで停止操作すると、リプレイ4に対応付けられた図柄組合せのうちの「リプレイa・スイカa/スイカb・リプレイa/リプレイb(12番又は20番)」が表示されるとともに、スイカ図柄が右上がりラインに表示される(図示せず)。このスイカ斜め揃いは、「リプレイA」の当選時以外には表示されない設定となっており、「リプレイA」の当選時には、演出状態に関する抽選(後述するAT抽選)が行われるようなっている。
【0060】
また、「リプレイB」の当選時に、所定の操作タイミングで停止操作すると、リプレイ1に対応付けられた白7揃いが表示される。左第一停止で停止操作して白7揃いが表示可能となるのは、「リプレイC」が当選した場合に限られる。停止操作のタイミングで白7揃いを表示できない場合には、リプレイ1に対応付けられた他のいずれかの図柄組合せ(赤7揃いを除く)が表示される。
なお、「リプレイB」の各当選確率は、極めて低く設定されている。「リプレイD」「リプレイF」「リプレイG」「リプレイH」の各当選確率は、「リプレイC」「リプレイE」の各当選確率に比べて高くなるように設定されており、「リプレイD」「リプレイF」「リプレイG」は比較的頻繁に当選するようになっている。
【0061】
そして、本実施の形態では、演出状態が特定の状態である場合には、上記した「押し順ベル」の当選時や、「押し順リプレイ」を含む所定の再遊技役の当選時に、所定の報知が行われるようになっている。また、白7揃いが表示された場合には、所定の回胴演出が行われる特定フリーズが発生するようになっているが、この詳細は後述する。
(遊技状態移行制御手段110)
遊技状態移行制御手段110は、遊技状態を特定し、遊技状態の移行を制御するためのものであり、図示しないが、移行条件判定手段、状態記憶手段、遊技カウンタの各手段を備えている。
【0062】
移行条件判定手段は、役抽選手段80の抽選結果、後述する遊技結果判定手段120の判定結果、及び以下に述べる遊技カウンタの計測値に基づいて、遊技状況が、遊技状態を移行させるための所定条件に該当するか否かを判定するためのものである。また、状態記憶手段は、前記移行条件判定手段の判定結果及び役抽選手段80の抽選結果に基づいて、現在の遊技状態を記憶するためのものである。遊技カウンタは、遊技に関する数値を計測するものである。具体的には、CBB中の払出枚数のカウントなどを行うものである。
移行条件判定手段は、役抽選手段80の抽選結果に基づいてボーナス内部中への移行を決定し、遊技結果判定手段120の判定結果に基づいて、ボーナス内部中の終了、ボーナス作動中への移行を決定し、遊技カウンタの計測値に基づいて、ボーナス作動中の終了及び通常状態への移行を決定する。そして、状態記憶手段が記憶している記憶内容に応じて、役抽選手段80が対応する役抽選テーブルを選択し役抽選を行うことにより、通常状態、ボーナス内部中、ボーナス作動中などの所定の内部抽選状態が発動するようになっている。また、移行条件判定手段は、遊技結果判定手段120の判定結果に基づいて、再遊技の作動を決定する。「再遊技の作動」とは、再遊技役の入賞を契機に、次ゲームをメダル投入なしで行える状態とするために、自動的にベットが行われた状態とすることである。
【0063】
本実施の形態においては、通常状態中に、ボーナス(CBB)が当選すると、ボーナス内部中に移行し、ボーナス内部中においてボーナスが入賞すると、ボーナス作動中に移行する。そして、所定のボーナス終了条件(26枚を超える払い出し)に該当してボーナスが終了した場合には、通常状態に移行する(
図8(A)参照)。
ここにおいて、本実施の形態においては、前述したように、ボーナス内部中に小役又は再遊技役が当選した場合には、停止制御において、小役図柄又はリプレイ図柄が優先的に引き込まれる。一方、ボーナス内部中に用いられる役抽選テーブルである内部中テーブルは、ハズレの領域が極めて少ない構成となっている。また、「チェリー」の当選時には、停止操作のタイミングによっては、CBBに対応付けられた図柄組合せであるCBB図柄を表示可能な場合もあるが、「チェリー」の当選領域も、極めて少ない設定となっている。さらに、CBBが当選しても、当選報知などを行わない。このため、CBBが当選し、当該ゲームでCBBを入賞させられなかった場合には、ボーナス内部中に抽選結果がハズレとなるか、「チェリー」が当選するかの極めて希な契機に該当しないと、CBBを入賞させることができない仕様となっている。したがって、本実施の形態における内部抽選状態は、いったんCBBが当選し当該ゲームでCBBが入賞しなかった場合には、ほぼ常に、ボーナス内部中に滞在することとなる。なお、通常状態(例えば遊技店の開店時)から早期にボーナス内部中に移行させるために、CBBの当選確率を、例えば1/4程度と、一般的なボーナス当選確率よりも高く設定することができる。CBBでは規定数以上のメダル払い出しがなく、通常状態と比して決して有利な状態とはいえないので、このように当選確率を高くしても、いたずらに射幸心を煽ることにはならない。
【0064】
なお、「チェリー」が当選した場合にはCBB図柄が表示できないように、回転リール40の図柄配列や役構成を設定するようにしてもよい。あるいは、ボーナス内部中には抽選結果がハズレとなる場合がないように形成してもよい。この場合には、例えば、ボーナス内部中の特定役(極めて当選確率が低い役)の当選時に、特定の操作態様(例えば逆押し)でストップスイッチ50を操作した場合に、CBB図柄が表示される場合があるような設定としてもよい。この場合にも、CBBの当選報知や押し順の報知などは行わないことで、CBBを入賞させないようにする。
(フリーズ状態)
さて、本実施の形態では、スロットマシン10の遊技状態として、
図8(A)に示した、役抽選の態様が異なる内部抽選状態とは別カテゴリーのフリーズ状態として、
図8(B)に示すように、フリーズ高確率状態と、フリーズ低確率状態とが設けられている。フリーズ高確率状態とは、後述するフリーズ制御手段140の制御に基づくフリーズのうち、特定フリーズの実行が許可される特定フリーズ許可状態であり、フリーズ低確率状態とは、特定フリーズの実行が許可されない特定フリーズ停止状態である。前述したように、特定フリーズ中には、所定の回胴演出が行われるものである。そして、遊技状態移行制御手段110は、特定の再遊技役の当選時に特定の操作態様でストップスイッチ50が操作されることを契機に、フリーズ高確率状態及びフリーズ低確率状態を切り替える。
【0065】
具体的には、スロットマシン10のフリーズ状態は、初期状態では、フリーズ低確率状態となっている。そして、フリーズ低確率状態中に、「リプレイC」の当選時に左第一停止以外で停止操作された場合、「リプレイF」の当選時に右第一停止で停止操作された場合、及び「リプレイG」又は「リプレイH」の当選時に中第一停止で停止操作された場合には、フリーズ高確率状態に移行する。また、フリーズ高確率状態中に、「リプレイC」〜「リプレイH」のいずれかの当選時に左第一停止で停止操作された場合には、フリーズ低確率状態に移行する。なお、フリーズ高確率状態中に、フリーズ高確率状態に移行する抽選結果及び操作態様が発生した場合には、フリーズ高確率状態が維持され、フリーズ低確率状態中に、フリーズ低確率状態中に移行する抽選結果及び操作態様が発生した場合には、フリーズ低確率状態が維持される。また、「リプレイD」「リプレイE」の当選時に中第一停止又は右第一停止で停止操作された、「リプレイF」の当選時中第一停止出停止操作された場合、「リプレイG」「リプレイH」の当選時に右第一停止で停止操作された場合には、当該時点でのフリーズ状態が維持される。
【0066】
このように、フリーズ低確率状態において、役抽選の結果が「リプレイC」「リプレイF」「リプレイG」「リプレイH」のいずれか(第1の抽選結果)である場合に、ストップスイッチ50が中第一停止又は右第一停止(第1の操作態様)で操作された場合には、フリーズ高確率状態に移行し、フリーズ高確率状態において、役抽選の結果が「リプレイC」〜「リプレイH」のいずれか(第2の抽選結果)である場合に、ストップスイッチ50が左第一停止(第2の操作態様)で操作された場合には、フリーズ低確率状態に移行するように形成されている。
そして、本実施の形態では、演出状態が特定の状態である場合には、上記した第1の抽選結果が発生した場合に第1の操作態様が報知され、演出状態が前記特定の状態とは異なる状態である場合には、上記した第2の抽選結果が発生した場合に第2の操作態様が報知されるようになっているが、この詳細は後述する。
【0067】
(遊技結果判定手段120)
遊技結果判定手段120は、ストップスイッチ50の操作によって回転リール40が全て停止したときに、当該遊技の結果を判定するためのものである。
具体的には、回転リール40が停止したときに所定の記憶部に記憶される停止図柄の情報に基づき、有効ライン上に揃った図柄の組合せが、所定の役に対応付けられたものか否か、あるいは遊技状態の移行契機となっているものか否かを判断する。そして、所定の役に対応付けられた図柄組合せが有効ライン上に表示されたと判断した場合には入賞と判定し、その判定結果情報を、払出制御手段130及び遊技状態移行制御手段110に送信する。前述したように、入賞によるメダルの払い出し枚数は、規定数によって異なっており、内部抽選状態がボーナス作動中である場合には、規定数が2の場合に対応する払い出しを決定し、ボーナス作動中でない場合には、規定数が3の場合に対応する払い出しを決定する(
図4参照)。判定結果情報を受信した払出制御手段130は、ホッパーユニット65を作動させて入賞メダルの払い出し処理を行い、遊技状態移行制御手段110は、ボーナス作動中への移行準備処理、あるいは再遊技の作動の処理を行う。さらに、サブ制御装置22に所定の信号出力を行うことにより、画像表示部67やランプ68やスピーカ69により、入賞やボーナスゲームの開始に際して所定の演出が行われるようにすることもできる。
【0068】
(払出制御手段130)
払出制御手段130は、遊技結果判定手段120の判定結果及び精算スイッチ17の操作に基づいて、ホッパーユニット65を作動させメダルを払い出させるものである。すなわち、遊技結果判定手段120が払い出し小役の入賞を判定した場合には、当該小役の入賞に応じたメダルを払い出させ、クレジットが1以上ある場合に精算スイッチ17が操作されたときには、クレジットとして貯留されているメダルを払い出させるようになっている。
なお、入賞により払い出されるメダルを、クレジットに電子的に貯留し、クレジットを超過する払い出し分をホッパーユニット65から払い出させるようにしてもよい。
【0069】
(フリーズ制御手段140)
フリーズ制御手段140は、メイン制御装置21の制御に基づく遊技の進行を遅延させる演出としてのフリーズを制御するためのものである。そして、フリーズ制御手段140は、
図2に示すように、フリーズタイマー141、フリーズ決定手段142、継続抽選手段143を備えている。
フリーズタイマー141は、フリーズ決定手段142によってフリーズの実行が決定されている場合に、所定のフリーズ開始条件該当を契機に、あらかじめ設定されたフリーズ時間を計測するための計時手段である。フリーズ決定手段142は、遊技状況が所定のフリーズ実行条件を満たしている場合に、フリーズの実行を決定するものである。継続抽選手段143は、フリーズ中の所定時に、フリーズの継続の有無及び継続態様を抽選により決定するものである。
【0070】
本実施の形態においては、フリーズ決定手段142は、役抽選の結果及びストップスイッチ50の操作態様に基づいて次ゲームの特定フリーズの実行を決定し、フリーズタイマー141は、スタートスイッチ30の操作信号の受信を契機にタイムカウントを開始するようになっている。
具体的には、フリーズ決定手段142は、役抽選の結果が白7揃いを表示可能な抽選結果(
図5(B)参照。ただし「リプレイB」「リプレイC」の当選時は除く)となった場合において、当該ゲームで白7揃いを表示可能とする押し順で停止操作され、かつフリーズ状態がフリーズ高確率状態である場合又はフリーズ高確率状態になった場合に、次ゲームにおける特定フリーズ(回胴演出を伴う演出)の実行を決定する。また、「リプレイB」が当選した場合、及び「リプレイC」の当選時において左第一停止以外で停止操作された場合には、フリーズ状態の如何にかかわらず、次ゲームにおける特定フリーズの実行を決定する。
【0071】
特定フリーズの実行が決定されると、フリーズ決定フラグがセット(ON)される。フリーズ決定フラグがセットされると、次ゲームにおいて、スタートスイッチ30の操作を契機に、後述する遊技操作無効手段150がスタートスイッチ30の操作に基づく回転リール40の回転開始を留保してゲームの進行を停止させるとともに、フリーズタイマー141がタイムカウントを開始する。なお、フリーズ決定フラグがセットされている間は、フリーズタイマー141がタイムカウントを終了又は中止しても、ゲームの進行が停止した状態となる。
フリーズタイマー141がタイムカウントを終了(タイムアップ)した場合には、リール制御手段100が回胴演出回転データに基づき回転リール40の作動を制御する回胴演出が実行される。また、フリーズタイマー141がタイムカウント中に、ベットスイッチ16が操作された場合には、フリーズタイマー141はタイムカウントを中止し、上記と同様に回胴演出が実行される。この回胴演出の態様は、継続抽選手段143の抽選結果に応じた態様のものとなる。なお、回胴演出の実行中は、ストップスイッチ50の操作が無効とされる。さらに、上記した回胴演出の終了後(回胴演出回転データに基づく処理の終了後)、継続抽選の結果によっては、再びフリーズタイマー141がタイムカウントを開始する。このようにして、特定フリーズは、1回のスタート操作を契機として、複数回の回胴演出を実行させることができるものである。また、回胴演出が行われるごとに、後述するATのゲーム数が上乗せされていくようになっている。
【0072】
継続抽選手段143は、前記フリーズタイマー141のタイムアップ時又はフリーズタイマー141のタイムカウント中におけるベットスイッチ16の操作信号の受信時に、継続抽選を行う。継続抽選の抽選結果としては、「通常継続」「逆転継続」「非継続(ハズレ)」の3つが、例えば8:1:1の割合で設けられている。そして、抽選により、「通常継続」が決定された場合には、
図6(B)に示す回胴演出の実行パターンのうち、継続パターンAが選択され、「逆転継続」が決定された場合には、逆転パターンBが選択され、「非継続」が決定された場合には、終了パターンCが選択されるようになっている。「通常継続」「逆転継続」が決定された場合には、回胴演出が実行された後、再びフリーズタイマー141がタイムカウントを開始する。「非継続」が決定された場合には、回胴演出が実行された後、フリーズ決定フラグがリセット(OFF)されて、フリーズが終了する。フリーズの終了により、スタートスイッチ30の操作に基づく回転リール40の回転開始の留保が解除されて、回転リール40はスタート操作なしに回転開始する。
【0073】
なお、フリーズ決定手段142は、上記した特定フリーズ以外にも、回転リール40の定常回転移行後のフリーズ(停止操作が不能となるフリーズ)や、ゲーム終了後のフリーズを決定可能であってもよい。
(遊技操作無効手段150)
遊技操作無効手段150は、ゲーム中の所定時に、ゲームの進行に関する操作を無効にする処理を行わせるものである。
具体的には、回転リール40の回転中や入賞によるメダルの払い出し中、あるいは再遊技の作動中には、ベット操作を無効にする。すなわち、メダルセレクター4をメダルキャンセル状態にし、ベットスイッチ16の操作を無効(操作信号を受け付けない、あるいは受け付けても無視する。以下同様)にする。ベットがされていない状態では、スタートスイッチ30の操作を無効にする。また、図示しないウエイトタイマーのタイムカウント中は、スタートスイッチ30の操作に基づく回転リール40の回転開始を留保する。すなわち、ウエイト時間の経過前にスタートスイッチ30の操作信号を受信しても、ウエイト時間が経過するまでは、ステッピングモータに駆動信号を出力させないようにする。なお、スタートスイッチ30の操作信号は受け付けるので役抽選処理は行われる。また、回転リール40の回転開始後、回転速度が定常回転速度に達し、かつ全ての回転リール40についてスタートインデックスが検知されて図柄参照が可能な状態となるまで、ストップスイッチ50の操作を無効にする。
【0074】
さらに、遊技操作無効手段150は、上記したフリーズ決定フラグがセットされている場合(フリーズ中)には、スタートスイッチ30の操作に基づく回転リール40の回転開始を留保するとともに、停止操作を無効にする。なお、フリーズ中のベットスイッチ16の操作信号は受け付けるが、ベットスイッチ16の操作信号によってベットが行われることはない。フリーズ決定フラグがリセットされた場合には、スタートスイッチ30の操作に基づく回転リール40の回転開始の留保を解除する。
(サブ制御装置22)
サブ制御装置22は、メイン制御装置21から出力される信号(遊技制御情報)に基づいて、画像表示部67やランプ68やスピーカ69等を制御するためのものである。メイン制御装置21がサブ制御装置22に出力する遊技制御情報としては、ベットスイッチ16、スタートスイッチ30、ストップスイッチ40などの操作スイッチの操作情報や、役抽選の抽選結果に関する情報や、回転リール40の回転及び停止に関するリールユニット60の作動情報や、停止図柄の表示態様などの遊技結果に関する情報がある。そして、サブ制御装置22は、
図2に示すように、少なくとも、演出状態移行制御手段200、演出表示制御手段210、AT制御手段220を備えている。
【0075】
(演出状態移行制御手段200)
演出状態移行制御手段200は、現在の演出状態を記憶するとともに、所定条件に応じて、演出状態の移行を制御するためのものである。
演出状態には、
図9に示すように、ATが実行される状態であるAT状態と、それ以外の状態である非AT状態があり、非AT状態には、サブ通常状態と、ボーナス状態とが設けられている。また、AT状態には、通常AT状態と、特別AT状態と、回胴演出準備状態と、回胴演出可能状態とが設けられている。
前記ボーナス状態は、遊技状態のうちの内部抽選状態がCBBゲームの行われるボーナス作動中である場合の演出状態である。通常AT状態は、通常のATが行われる演出状態であり、特別AT状態は、回胴演出可能状態を保証するための所定期間の演出状態である。回胴演出可能状態は、遊技状態のうちのフリーズ状態がフリーズ高確率状態(回胴演出が行われる状態)であって、特定フリーズに対応するフリーズ対応演出が行われるとともにATゲーム数の上乗せが行われ得る演出状態(第1の特定状態)である。回胴演出準備状態は、特別AT状態終了後、回胴演出可能状態(フリーズ状態がフリーズ高確率状態)に移行するまでの間の演出状態(特定状態)である。サブ通常状態は、上記したいずれの状態にも該当しない演出状態(第2の特定状態)である。
【0076】
そして、演出状態移行制御手段200は、遊技状態が上記した各演出状態の条件に該当するか否かを判断して、それぞれの演出状態を記憶する。演出状態移行制御手段200の記憶に応じて、AT制御手段220の制御に基づく報知内容が変化する。
(演出状態の移行)
ここで、演出状態の移行の具体例を、
図9に基づき説明する。
前述したように、スロットマシン10は、初期状態(工場出荷時等)においては、内部抽選状態は通常状態であり、演出状態もサブ通常状態となっている。そして、サブ通常状態中において、所定のゲーム数を消化すると、通常AT状態に移行する。所定のゲーム数は、あらかじめ設定されたゲーム数(例えば1000ゲーム)、又は所定契機(例えば前回のAT終了時)に行われるゲーム数抽選より決定されたゲーム数である。AT状態へは、内部抽選状態が通常状態の場合にも、ボーナス内部中の場合にも移行し得る。また、サブ通常状態中において、所定契機、例えばチェリー役やCBBなどの当選時に行われるAT移行抽選に当選した場合にも、通常AT状態に移行する。
【0077】
通常AT状態においては、1セット40ゲームが保証されており、後述する上乗せ抽選で当選した場合や回胴演出可能状態中にはさらに所定回数のゲームが上乗せされる。そして、設定された回数のセット数及びゲームが終了すると、通常AT状態は終了してサブ通常状態に移行する。なお、設定された回数のセット数及びゲームが終了した場合でも、後述する引き戻し抽選に当選した場合には、通常AT状態に戻る。通常AT中においては、「押し順ベル」の当選時に、ベル9を入賞させるための正解の押し順が報知されるベルナビが行われる。
また、通常AT中において、例えばチェリー役などの特定当選役の当選時に行われる特別AT状態への移行抽選に当選した場合には、特別AT状態への移行が確定する。特別AT状態への移行が確定している場合に、赤7揃いを表示可能な抽選結果となったとき(「リプレイD」又は「リプレイE」又は「リプレイG」が当選した場合)には、赤7揃いを表示可能とする押し順(右第一停止)がナビされるとともに、赤7図柄を狙って停止操作をするように促す表示(例えば赤7図柄が表示される)が行われる。赤7揃いが有効ライン上に表示された場合には、特別AT状態に移行する。赤7揃いが有効ライン上に表示されない場合については、無為条件で特別AT状態に移行する設定としてもよいし、ナビに従って停止操作されていた場合には特別AT状態に移行するものの、ナビに従わなかった場合には特別AT状態に移行可能な状態を維持するようにしてもよい。あるいは、ナビに従って停止操作されていても赤7揃いが表示されない場合には特別AT状態に移行せず、特別AT状態に移行可能な状態を維持するようにしてもよい。なお、ナビが行われていない場合(特別AT状態への移行が確定していない場合)には、赤7図柄を揃えても、特別AT状態へは移行しない。
【0078】
特別AT状態は、回胴演出可能状態への移行を保証するための特殊区間であり、あらかじめ設定されたゲーム数(30ゲーム)の消化で終了する。特別AT状態中においては、通常AT中と同様に、ベルナビが行われるとともに、特定の再遊技役の当選領域(「リプレイD」又は「リプレイE」又は「リプレイG」)の当選時に特定の図柄組合せ(赤7揃い)が表示された回数をカウントして記憶する。特別AT状態が終了すると、回胴演出準備状態に移行する。
回胴演出準備状態に移行すると、ベルナビが行われるとともに、フリーズ状態がフリーズ高確率状態に移行可能な再遊技役の当選領域(「リプレイC」又は「リプレイG」又は「リプレイH」)の当選時に、フリーズ高確率状態に移行させるための押し順(中第一停止。「リプレイC」の場合は右第一停止でもよい)がナビされるとともに、白7図柄を狙って停止操作をするように促す表示(例えば白7図柄が表示される)が行われる(以下同様)。ナビに従って停止操作された場合には、フリーズ状態がフリーズ高確率状態に移行して、演出状態が回胴演出可能状態に移行する。ナビに従わない場合には回胴演出可能状態には移行しない。なお、「リプレイC」の当選時に、ナビに従って停止操作された場合には、白7揃いの表示の有無にかかわらず、演出状態が回胴演出可能状態に移行するとともに、次ゲームにおいてメイン制御装置21の制御に基づく特定フリーズが発生して、特定フリーズの態様に応じたフリーズ対応演出が行われる。フリーズ対応演出が行われた場合すなわち回胴演出が行われた場合には、必ず、所定数のATゲームが上乗せされるようになっている。上乗せされるゲーム数は、特定フリーズの態様(フリーズ対応演出の態様)に応じてあらかじめ設定されていてもよいし、特定フリーズの態様に応じた抽選により決定するのであってもよい。なお、フリーズ対応演出の詳細は後述する。
【0079】
回胴演出可能状態では、ベルナビが行われるとともに、白7揃いを表示可能とする再遊技役の当選領域(「リプレイC」〜「リプレイF」)の当選時に、白7揃いを表示させるための押し順(中第一停止)がナビされる。ナビに従って停止操作された場合には、白7揃いの表示の有無にかかわらず、フリーズ対応演出が実行される。ナビに従わない場合には、フリーズ状態がフリーズ低確率状態に移行するが、演出状態は回胴演出可能状態が維持される。この場合には、回胴演出可能状態中においても、フリーズ高確率状態に移行させるためのナビが行われる。
ここで、特別AT状態中に表示された赤7揃いの回数により、白7揃いを可能とする押し順のナビ(白7ナビ)の回数、換言すればフリーズ対応演出が実行され得るゲーム数が変化するようになっている。例えば、特別AT状態中に赤7揃いを表示させることができなかった場合には、白7ナビの実行が1回だけ保証され、赤7シングル揃い(
図7(A)参照)を表示させることができた場合には、表示された回数に応じて白7ナビの実行回数が加算される。また、赤7ダブル揃い(
図7(B)参照)を表示させることができた場合には、赤7シングル揃いの場合よりも多くの実行回数が加算される。保証されている白7ナビの実行回数は、ナビの実行ごとに減算される。なお、特別AT状態中に赤7揃いを表示できなかった場合には、特別AT状態に移行可能な状態を維持したまま、演出状態を通常AT状態に移行させるようにしてもよい。
【0080】
さらに、回胴演出準備状態でない場合であっても、通常AT状態中に「リプレイC」が当選した場合には、所定の確率で、白7ナビが行われる。ナビに従って停止操作された場合には、白7揃いの表示の有無にかかわらず、当該ゲームの次ゲームで、フリーズ対応演出が行われる。また、通常AT状態中に「リプレイB」が当選した場合には、白7図柄を狙って停止操作するように促す報知が行われ、白7揃いの表示の有無にかかわらず、次ゲームでフリーズ対応演出が行われる。
回胴演出可能状態において、保証された回数のフリーズ対応演出が実行された場合には、演出状態は通常AT状態に戻り、フリーズ状態がフリーズ低確率状態に移行する再遊技役の当選領域(「リプレイC」〜「リプレイH」)の当選時に、フリーズ低確率状態に移行させるための押し順(左第一停止)がナビされる。ナビに従って停止操作されることにより、フリーズ状態はフリーズ低確率状態に移行する。なお、ナビに従わずに、白7揃いが表示された場合、回胴演出が実行されてもフリーズ対応演出は実行されず、ATゲーム数の上乗せもされない。
【0081】
前記サブ通常状態、通常AT状態、特別AT状態、回胴演出準備状態、回胴演出可能状態の各状態中にボーナスが入賞した場合(CBBの当選時、又はCBB内部中で抽選結果がハズレとなった時にCBBに対応付けられた図柄組合せを表示させた場合)には、演出状態がボーナス状態に移行する。ボーナス状態は、CBBが終了(所定枚数を超える払い出しの終了)することにより終了する。ボーナス入賞時にATのゲーム数が残っている場合にはそれは保持されたまま、ボーナス状態の終了後にサブ通常状態に移行する。なお、ボーナス終了時に、次回のAT状態移行までのゲーム数短縮抽選を行ってもよい。
(演出実行制御手段210)
演出実行制御手段210は、画像表示部67やランプ68やスピーカ69等の演出装置の作動を制御するためのものであり、以下に述べるAT制御手段230や、図示しない演出決定手段の決定に基づき、ROMに記憶されている演出データをもとに、所定のナビ表示や、上記したフリーズ対応演出や、その他の演出を行わせる。
【0082】
ここで、演出データとしては、少なくとも、フリーズ対応演出を行わせるためのフリーズ対応演出データと、フリーズ対応演出が行われない場合にスタートスイッチ30の操作を契機に実行され得る一般演出を行わせるための一般演出データとが設けられている。一般演出データは、演出状態及び遊技状態に応じて一般的に行われる演出のデータであり、例えば、サブ通常状態において所定の演出ステージに滞在している場合に行われる演出のデータや、複数ゲームにわたり連続して行われる演出の所定回数目の演出データが含まれ、それらの演出のうち、抽選結果がハズレの場合の演出データも、所定の役が当選した場合の演出データも含まれる。また、通常AT状態中において行われるナビ表示も、一般演出データに含まれる。
【0083】
フリーズ対応演出データとしては、特定フリーズの態様に対応する複数種類の個別演出パターンが設けられている。個別演出パターンには、
図10に示すように、「ベット操作待機」「逆回転」「上乗せ表示」「終了画面」及び「フェイク通常」の6つのパターンが設けられている。なお、図面において各パターンに対応して表示されている画は一例であって、それぞれのパターンに対応した画面が表示されることを意味している。
具体的に説明すると、「ベット操作待機」は、特定フリーズの開始時に表示されるものであり、フリーズタイマー141の作動中にベットスイッチ16の操作を促すためのものである。「逆回転」は、回胴演出の継続パターンA(
図6(B)参照)に基づいて回転リール40が逆回転(個別作動パターン2。
図6(A)参照)している間に表示されるものである。「上乗せ表示」は、継続パターンA又は逆転パターンBに基づいて回転リール40が停止(個別作動パターン3)した場合に表示されるものである。なお、この表示がされる場合には、後述するATカウンタに表示された数のゲーム数が加算される。「終了画面」は、逆転パターンB又は終了パターンCに基づいて回転リール40が振動(個別作動パターン4)して停止した場合に表示されるものである。終了画面では、上乗せされたゲーム数の合計が表示される。個別演出パターンのうちの「逆回転」「上乗せ表示」「終了画面」は、回胴演出において、回転リール40をあらかじめ定められた通常の回転態様と異なる態様で作動させる作動パターンが実行されている場合に行われる特定演出として位置づけられる。
【0084】
一方、「フェイク通常」は、逆転パターンBに基づいて回転リール40が振動して停止した後、
見た目上前記通常回転態様と同一の態様で回転(個別作動パターン1)している間に表示されるものである。「フェイク通常」に係る表示は、一般演出データに含まれる「AT通常画面」と同
一データを使用したものである。なお、「AT通常画面」は、通常AT状態中のデフォルト画面であって、残りゲーム数の表示領域や、ナビ用の表示領域や、その他の演出表示用の領域が設けられており、内部抽選状態に応じて、ナビ用の表示領域や演出表示用の領域に表示がされるものである。例えば、ナビ用の表示領域には、「押し順ベル」が当選している場合には押し順が表示され、「リプレイD」など白7揃いを可能とする再遊技当選領域が当選している場合には、押し順とともに白7を狙って停止操作することを促す表示がされる。押し順が設定された当選領域の当選時でないときは何の表示もされない。また、演出表示用の領域は、スタートスイッチ30の操作を契機に行われる演出抽選で所定の演出が決定された場合には対応する演出表示が行われ、演出を行わない決定がされた場合は何も表示されない場合がある。個別演出パターンのうちの「フェイク通常」は、回胴演出において、回転リール40をあらかじめ定められた
見た目上前記通常回転態様と同一の態様で作動させる作動パターンが実行されている場合に行われる擬似一般演出として位置づけられる。
【0085】
そして、特定フリーズ中のメイン制御装置21からの出力信号に基づいて上記した個別演出データに基づく表示を行わせることにより、特定フリーズの態様に対応したフリーズ対応演出が行われるものであるが、この具体例については、ゲーム開始時のサブ処理の流れとあわせて説明する。
(AT制御手段220)
AT制御手段220は、補助演出状態であるATを制御する手段である。本実施の形態におけるATは、具体的には、押し順が設定された当選領域の当選時に押し順を報知する、いわゆる押し順ナビである。押し順ナビは、画像表示部67に、停止操作順を矢印で示したり、停止操作すべきストップスイッチ50の位置を左、中、右などの文字で表示させたり、それらをスピーカ69から音声により指示したり、ストップスイッチ50のボタンの内部に設けた発光体の発光色を変化させて、最初に操作すべきストップスイッチ50を示すことなどにより行われる。
【0086】
AT制御手段220は、図示しないが、AT抽選手段、報知実行手段を備え、メイン制御装置21から出力される遊技制御情報や演出状態等に基づき、ATの開始及び終了を制御する。
AT抽選手段は、ATに関する抽選を行うものである。本実施の形態においては、AT抽選手段は、ゲーム数抽選、AT移行抽選、ゲーム数短縮抽選、特別AT状態移行抽選、上乗せ抽選及び引き戻し抽選を行う。
ゲーム数抽選は、AT終了時に、次のAT開始までのゲーム数を決定するものである。ゲーム数が決定されると当該数値は所定の残りゲーム数記憶部に記憶され、1ゲームごとに減算されていく。なお、残りゲーム数が少なくなると、AT状態への移行を示唆する演出が行われる。そして、残りゲーム数が0になると、AT状態に移行する。
【0087】
AT移行抽選は、サブ通常状態中において、役抽選の結果が特定の抽選結果となった場合、例えば「チェリー」「CBB」「リプレイA」などの当選時に、AT状態に移行するか否かの抽選を行うものである。AT移行抽選に当選すると、AT開始までの残りゲーム数がある場合でも、AT状態に移行する。
ゲーム数短縮抽選は、サブ通常状態中の所定時に、決定されたAT開始までのゲーム数を短縮するか否かを決定するものである。ゲーム数短縮抽選に当選すると、残りゲーム数記憶部の数値が所定数減算される。
特別AT状態移行抽選は、AT状態中の所定の契機役の当選時に、特別AT状態に移行するか否かを抽選より決定するものである。特別AT状態移行抽選に当選すると、特定の再遊技役の当選領域(「リプレイD」「リプレイE」「リプレイG」)が当選した場合に、赤7揃いを表示可能とするストップスイッチ50の操作順が報知される。
【0088】
上乗せ抽選は、AT状態中の所定時(例えば「リプレイA」の当選時)に、ATゲーム数の上乗せの有無及び上乗せゲーム数を、抽選により決定するものである。上乗せ抽選に当選すると、後述するATカウンタのカウント値が抽選より決定された数値だけ加算されて、ATのゲーム数が上乗せされる。
引き戻し抽選は、AT終了後、一定期間、例えば、「押し順ベル」の当選時にベル9を取りこぼした回数が連続して2回となるまでの間、ゲームごとに、ATを再開させるか否かを決定するものである。引き戻し抽選に当選すると、所定のATゲーム数が付与され、ATが再開される。
【0089】
報知実行手段は、押し順ナビを実行させるためのものであり、図示しないATカウンタを備えている。ATカウンタは、ATのゲーム数をカウントするものである。具体的には、AT状態への移行が確定すると、ATのゲーム数を1セット分(40ゲーム)に係る数だけ加算して記憶するとともに、AT状態への移行後は、1ゲーム終了ごとに、記憶値を1だけ減算する。また、上乗せ抽選に当選した場合や、回胴演出可能状態中における上乗せが決定された場合には、決定されたゲーム数を加算する。ATカウンタがゲーム数を有している間は、AT状態が継続する。また、ATカウンタは、特別AT状態に移行した場合にはATゲーム数のカウントを行わないが、特別AT状態で行われたゲーム数のカウントを行う。
【0090】
報知実行手段による押し順ナビには、既に述べたが、役抽選の結果が「押し順ベル」である場合に行われるベルナビと、役抽選の結果が押し順リプレイである場合に行われるリプレイナビとが設けられている。ベルナビは、「押し順ベル」が当選した場合に正解の押し順を報知するものである。前述したように、正解の押し順で停止操作された場合には、正解役であるベル役(9枚払い出し役のベル9)が必ず入賞し、不正解の押し順で停止操作された場合には、不正解役であるベル役(1枚払い出し役のベル7又はベル8)が必ず入賞する。リプレイナビは、「押し順リプレイ」、具体的には、
図5に示す「リプレイC」〜「リプレイH」が当選した場合に、有効ライン上に特定の図柄組合せを表示させるための押し順や、フリーズ状態を移行させるための押し順を報知するものである。これらについては既に述べたので、ここでは説明を省略する。ナビに従って停止操作された場合には、特定の図柄組合せが表示され、あるいはフリーズ状態が移行する。
【0091】
ところで、本実施の形態においては、AT状態でないとき(ナビが行われない状態)に、ストップスイッチ50を左第一停止以外の押し順で操作(いわゆる変則押し)すると、所定のペナルティが課せられるようになっており、AT制御手段220は、このペナルティに関する制御をも行うものである。具体的には、AT制御手段220は、図示しないペナルティカウンタを備えており、ペナルティの発生条件に該当すると、ペナルティカウンタに所定のゲーム数がセットされる。ペナルティゲーム数は、ゲーム消化ごとに減算されるが、ペナルティカウンタがゲーム数を有している間は、次回のAT開始までのゲーム数を減算しない、ゲーム数短縮抽選を行わない等のペナルティが実行される。また、ペナルティに該当する行為(変則押し)が行われた場合には、所定の警告表示がなされ、遊技者に適正な操作を促すようになっている。
【0092】
(スロットマシン10の作動)
次に、上記構成を有するスロットマシン10の、メイン制御装置21の制御に基づく遊技制御処理の概略を、
図11のフローに基づき説明する。
まず、
図11に示すステップ100において、規定数のメダルがベットされたか否かが判断される。規定数のメダルがベットされない場合にはステップ100に戻り、規定数のメダルがベットされた場合には、次のステップ101に進む。
ステップ101において、スタートスイッチ30がONになったか否かが判断される。スタートスイッチ30がONにならないと判断された場合には、ステップ101に戻り、スタートスイッチ30がONになったと判断された場合には、次のステップ102に進む。
【0093】
ステップ102において、役抽選手段70により役抽選処理が行われる。なお、抽選の結果、「リプレイB」〜「リプレイF」が当選した場合には、当該領域が当選したことを所定の記憶部に記憶しておく。そして、次のステップ103に進む。
ステップ103において、回転リール40の回転開始処理が行われる。そして、次のステップ104に進む。
ステップ104において、いずれかのストップスイッチ50がONになったか否かが判断される。ストップスイッチ50がONにならないと判断された場合には、ステップ104に戻り、いずれかのストップスイッチ50がONになったと判断された場合には、次のステップ105に進む。なお、ストップスイッチ50の操作順序は所定の記憶部に記憶される。
【0094】
ステップ105において、回転リール40の回転停止処理が行われる。そして、次のステップ106に進む。
ステップ106において、全ての回転リール40が停止したか、すなわち3個の回転リール40に対応するストップスイッチ50の操作が行われたか否かが判定される。全ての回転リール40が停止していないと判断された場合にはステップ104に戻り、全ての回転リール40が停止したと判断された場合には、次のステップ107に進む。
ステップ107において、遊技結果判定処理が行われる。遊技結果判定の結果、小役が入賞した場合にはメダルが払い出され、ボーナスが入賞した場合にはボーナス作動中に移行するための準備が行われる。また、再遊技役が入賞した場合には、再遊技の作動の処理を行うとともに、フリーズ状態の移行契機に該当している場合には、フリーズ状態を変更する処理を行う。そして、次のステップ108に進む。
【0095】
ステップ108において、フリーズ実行判定処理が行われる。そして、1回のゲームを終了する。
上記したステップ108のフリーズ実行判定処理について、
図12のフローに基づき説明する。フリーズ実行判定処理は、記憶されている役抽選の結果及びストップスイッチ50の操作順序に基づき行われる。
まず、
図12のステップ200において、「リプレイB」が当選していたか否かが判断される。「リプレイB」が当選していたのでない場合には、次のステップ201に進み、「リプレイC」が当選していたか否かが判断される。「リプレイC」が当選していたのではない場合には、ステップ203に進む。
【0096】
ステップ203において、「リプレイD」「リプレイE」「リプレイF」のいずれかが当選していたか否かが判断される。「リプレイD」「リプレイE」「リプレイF」のいずれもが当選していない場合にはそのままフリーズ実行判定処理を終了する。一方、それらのうちいずれかが当選していた場合には、次のステップ204に進む。
ステップ204において、中第一停止で停止操作されていたか否かが判断される。中第一停止で停止操作されていなかった場合には、そのままフリーズ実行判定処理を終了し、中第一停止で停止操作されていた場合には、次のステップ205に進む。
ステップ205において、フリーズ状態がフリーズ高確率状態か否かが判断される。フリーズ高確率状態でない場合には、そのままフリーズ実行判定処理を終了し、フリーズ高確率状態である場合には、次のステップ206に進む。
【0097】
前記ステップ201において、「リプレイC」が当選していたと判断された場合には、次のステップ202に進む。
ステップ202において、左第一停止で停止操作が行われていたか否かが判断される。左第一停止で停止操作が行われていた場合には、そのままフリーズ実行判定処理を終了する。一方、左第一停止で停止操作が行われていない場合、すなわち、中第一停止又は右第一停止で停止操作が行われていた場合には、ステップ206に進む。
前記ステップ200において、「リプレイB」が当選していたと判断された場合にも、ステップ206に進む。
【0098】
ステップ206において、フリーズ決定手段142により次ゲームでの特定フリーズの実行が決定され、フリーズ決定フラグがONとされる。そして、フリーズ実行判定処理を終了する。
次に、
図11のステップ103における回転リールの回転開始処理について、
図13のフローに基づき説明する。
まず、
図13のステップ300において、フリーズ決定フラグがONとなっているか否かが判断される。つまり、前ゲームでフリーズの実行が決定されているか否かが判断される。フリーズ決定フラグがONである場合には、次のステップ301において、特定フリーズ実行処理が行われる。そして、次のステップ302に進む。
【0099】
前記ステップ300において、フリーズ決定フラグがONでないと判断された場合には、ステップ31を飛び越してステップ302に進む。
ステップ302において、ウエイト時間が経過したか否かが判断される。ウエイト時間が経過していない場合にはステップ302に戻り。ウエイト時間が経過した場合には、次のステップ303に進む。
ステップ303において、通常回転データに基づき、回転リール40の回転開始処理が行われる。そして、次のステップ304に進む。
ステップ304において、所定の停止可能条件がクリアされたか、具体的には、回転リール40の加速処理が終了し、図柄判定が可能な状態となったか否かが判断される。停止可能条件がクリアされていない場合にはステップ304に戻り、停止可能条件がクリアされた場合には、次のステップ305において、停止操作無効を解除する。すなわち、ストップスイッチ50の操作信号を受付可能な状態とする。そして、回転リールの回転開始処理を終了する。
【0100】
なお、上記フローでは、ウエイト時間が経過していないと回転リール40が回転開始しないようになっているが、ウエイト時間の有無に関係なく回転リール40を回転開始させ、ウエイト時間が経過していないと停止操作無効が解除されないようにしてもよい。
続いて、
図13のステップ301における特定フリーズ実行処理について、
図6及び
図10を参照しつつ、
図14のフローに基づき説明する。
まず、
図14のステップ400において、遊技操作無効手段150により、回転リール40の回転開始が留保される。そして、次のステップ401に進む。
ステップ401において、フリーズタイマー141がタイムカウントを開始し、ステップ402において、サブ制御装置22にフリーズ開始コマンドが出力される。そして、次のステップ403に進む。
【0101】
ステップ403において、ベットスイッチ16がONとなったか否かが判断される。ベットスイッチ16がONとならない場合には、次のステップ404に進み、フリーズタイマー141がタイムアップしたか否かが判断される。フリーズタイマー141がタイムアップしない場合にはステップ403に戻り、フリーズタイマー141がタイムアップした場合には、次のステップ406に進む。
前記ステップ403において、ベットスイッチ16がONとなった場合には、ステップ405においてフリーズタイマー141をリセット(タイムカウントを中止)して、ステップ406に進む。
【0102】
ステップ406において、継続抽選手段143による継続抽選処理が行われる。そして、次のステップ407に進む。
ステップ407において、継続抽選の抽選結果が「通常継続」か否かが判断される。抽選結果が「通常継続」でない場合には、次のステップ408に進み、抽選結果が「逆転継続」か否かが判断される。抽選結果が「逆転継続」の場合には、次のステップ409において、サブ制御装置22に逆転コマンドが出力される。そして、次のステップ410に進む。
ステップ410において、逆転パターンBに基づく処理が行われる。すなわち、回胴演出の実行パターンのうちの逆転パターンBが選択され、この逆転パターンBに基づいて、リール制御手段100が回転リール40の作動を制御する。また、フローでは省略しているが、実行パターンの処理中、実行パターンに含まれる個別作動パターンが終了する都度、サブ制御装置22にコマンドが出力される(以下同様)。そして、逆転パターンBに基づく処理が終了した場合には、ステップ401に戻る。
【0103】
前記ステップ407において、継続抽選の抽選結果が「通常継続」であると判断された場合には、ステップ411において、サブ制御装置22に継続コマンドが出力される。そして、次のステップ412において、継続パターンAに基づく処理が行われ、その後ステップ401に戻る。
前記ステップ408において、抽選結果が「逆転継続」でないと判断された場合、すなわち抽選結果が「非継続(ハズレ)」の場合には、ステップ413に進み、サブ制御装置22に非継続コマンドが出力される。そして、次のステップ414において、終了パターンCに基づく処理が行われる。そして、次のステップ415に進む。
【0104】
ステップ415において、フリーズ決定フラグがOFFとされる。そして、特定フリーズ実行処理を終了する。
次に、サブ制御装置22の制御に基づくゲーム開始時のサブ処理について、
図6及び
図10を参照しつつ、
図15のフローに基づき説明する。なお、役抽選の結果や遊技状態などは、メイン制御装置21から遊技の進行に応じて出力される情報信号の入力に基づき判断される。
まず、
図15のステップ500において、スタートスイッチ30がONとなったか否かが判断される。スタートスイッチ30がONとならない場合にはステップ500に戻り、スタートスイッチ30がONとなった場合には、次のステップ501に進む。
【0105】
ステップ501において、スタート時の演出内容の決定を行う。具体的には、当該ゲームにおいて、スタートスイッチ30の操作時に表示させる画像データなどを、役抽選の結果等に基づき決定する。この演出は、
図10(C)に示す「AT通常画面」が該当するものである。そして、次のステップ502に進む。
ステップ502において、回転リール40が回転開始したか否かが判断される。回転リール40が回転開始していない場合には、次のステップ503に進み、フリーズコマンドを入力したか否か、すなわち特定フリーズが開始されたか否かが判断される。フリーズコマンドが入力されない場合には、ステップ502に戻り、フリーズコマンドが入力された場合には、次のステップ504に進む。
【0106】
ステップ504において、「ベット操作待機」を表示させる(
図10(A)〜(C)参照)。このとき、回転リール40は停止している状態である。「ベット操作待機」を見た遊技者がベットスイッチ16を操作した場合には、メイン制御装置21では継続抽選処理が行われる。ベットスイッチ16が操作されなくても、一定時間経過後に継続抽選処理が行われる。そして、次のステップ504に進む。
ステップ504において、継続コマンドを入力したか否かが判断される。継続コマンドを入力した場合には、次のステップ506に進む。なお、継続コマンド、逆転コマンド、非継続コマンドを入力した場合には、いずれの場合も、抽選により決定された、あるいはあらかじめ定められたATゲーム数の上乗せが決定される。
【0107】
ステップ506において、「逆回転」を表示させる(
図10(A)参照)。このとき、回転リール40は、継続パターンAに基づく逆回転を開始している(
図6の個別作動パターン2)。そして、次のステップ507に進む。
ステップ507において、回転リール40が継続パターンAに基づき停止(
図6の個別作動パターン3)したときに、「上乗せ表示」を表示させる。「上乗せ表示」では、継続コマンドを入力した際に決定されたゲーム数が、例えば「+30G」のように表示される。そして、ステップ503に戻る。
前記ステップ505において、継続コマンドを入力していない場合、すなわち、逆転コマンド又は非継続コマンドを入力している場合には、ステップ508に進む。
【0108】
ステップ508において、「終了画面」を表示させる(
図10(B)(C)参照)。「終了画面」では、上乗せされたゲーム数の合計が「TOTAL+30G」のように表示される。このとき、回転リール40は、逆転パターンB又は終了パターンCに基づき、振動した後で停止(
図6の個別作動パターン4,3)している。そして、次のステップ509に進む。
ステップ509において、逆転コマンドを入力済みか、つまり逆転コマンドをすでに入力していたか否かが判断される。逆転コマンドを入力済みである場合には、次のステップ510に進む。
【0109】
ステップ510において、前記ステップ501において決定したスタート時の演出(
図10における「AT通常画面」)を表示させる(
図10(B)(C)参照)。ここで、本制御例では、逆転コマンドを入力している場合も、非継続コマンドを入力している場合も、どちらの場合も、同一の「AT通常画面」を表示させる。すなわち、
図10(B)の「フェイク通常」は、
図10(C)の「AT通常画面」と全く同じ画像データである。また、このとき、回転リール40は、逆転コマンドを入力している場合も、非継続コマンドを入力している場合も、見た目上は通常の態様で回転開始している。そして、次のステップ511に進む。
【0110】
ステップ511において、逆転パターンBに基づき回転リール40が停止した時に、「上乗せ表示」が表示される(
図10(B)参照)。そして、ステップ503に戻る。
前記ステップ510において、逆転コマンドを入力済みでない場合、すなわち、非継続コマンドを入力していた場合、及びフリーズコマンドを入力していない場合には、ステップ512に進む。
前記ステップ502において、回転リール40が回転開始した場合、すなわち、特定フリーズが行われない場合にも、ステップ512に進む。
ステップ512において、前記ステップ501において決定したスタート時の演出を表示させる。そして、ゲーム開始時のサブ処理を終了する。
【0111】
以上のようにして、ベットスイッチ16の操作又は所定時間経過により行われる継続抽選において、通常継続が当選した場合には、回転リール40が逆回転する回胴演出が行われ、上乗せ表示によって上乗せされたゲーム数が告知されるとともに、さらに継続抽選の機会が与えられる。一方、非継続が当選(継続抽選にハズレ)の場合には、通常継続が当選した場合とは異なる態様で回転リール40が作動して、終了画面によって上乗せされたゲーム数が告知され、特定フリーズが終了する。特定フリーズの終了後には、スタートスイッチ30の操作時に決定されていた演出が行われる。そして、逆転継続が当選した場合には、回転リール40の挙動もフリーズ対応演出も途中までは非継続が当選した場合と全く同じに進行するものの、その後回転リール40が停止して上乗せ表示によって上乗せされたゲーム数が告知されるとともに、さらに継続抽選の機会が与えられる。
【0112】
なお、継続抽選にハズレの場合には上乗せがされないようにしてもよい。このように形成した場合には、初回の継続抽選にハズレの場合には、終了画面に、ハズレであることを告知する残念表示が表示されて、そのまま特定フリーズ及びフリーズ対応演出が終了する。また、初回の継続抽選で逆転継続が当選した場合には、残念表示が表示されて回転リール40が通常の態様の回転を開始し、「AT通常画面」が表示された後に、回転リール40が停止して「上乗せ表示」が行われる。
また、上記した例では、「フェイク通常」は、「AT通常画面」と全く同じ画像データである設定で説明し
た。
【0113】
(まとめ)
以上のように、本実施の形態においては、メイン制御装置21の状態であるフリーズ状態は、特定当選役の当選時にストップスイッチ50をどのような態様で操作したかに応じて、特定フリーズの実行を許可するフリーズ高確率状態となるか、特定フリーズの実行を停止するフリーズ低確率状態となるかが異なるようになっている。そして、サブ制御装置22は、演出状態に応じて、フリーズ高確率状態に移行するための停止操作態様、フリーズ低確率状態に移行するための停止操作態様のいずれかを報知する。このように形成することにより、役抽選の抽選確率の違いによる内部抽選状態の如何にかかわらず、サブ制御装置22の状態に応じて、特定フリーズ(回胴演出)の実行の有無をコントロールでき、内部抽選状態がほぼ常にボーナス内部中であるような仕様であっても、遊技が単調になることを防止することができる。また、停止操作の態様により、フリーズ状態を変化させることができるので、フリーズ状態の変化が役抽選の結果のみに依存している場合に比べて、遊技者が状態変化に関与しているという実感を持つことができる。
【0114】
また、本実施の形態では、特定フリーズ中の遊技者の操作(ベットスイッチ16の操作)により継続抽選を行い、継続抽選の結果によって、一区切りの特定フリーズが複数回発生し得るように形成してあるので、遊技者が自らの手で、特定フリーズに付随するATゲーム数の上乗せを勝ち取っているように見せることができる。
さらに、継続抽選で逆転継続が当選した場合には、回胴演出の作動パターンを
見た目上前記通常回転態様と同一にするとともに、回胴演出の終了後に表示させる予定の演出画面を液晶画面に表示させるようにしてある。これにより、遊技者に、本当に回胴演出が終了したものと思わせることができ、その後の逆転演出(上乗せ表示)が表示されたときのインパクトがより大きくなり、遊技者を驚かせ、遊技の興趣を高めることができる。ここで、逆転継続が当選した場合において、回胴演出の終了後に表示させる予定の演出画面が、例えば白7揃いを可能とする押し順及び白7図柄を狙っての停止操作を促すものであった場合、その後に「上乗せ表示」が行われたときには、現在実行中の特定フリーズがまだ継続することに加え、当該ゲームの次ゲームにおいても特定フリーズが発生(特定フリーズが連荘)することが期待できる。このように、擬似一般演出(フェイク通常)を先見せすることによって、当該ゲームの期待度を擬似一般演出から前もって察知できるという効果もある。
【0115】
なお、回胴演出の実行により遊技者に付与される特典は、ATゲーム数の上乗せに限られない。例えば、次回ATが開始されるまでのゲーム数の短縮や、ATゲーム数の上乗せが高確率で行われる状態への移行権の獲得などとしてもよい。
(他の実施の形態)
スタートスイッチ30の操作を契機とするフリーズは、上記した特定フリーズには限られない。例えば、回胴演出の実行パターンとして、
図6(A)の個別作動パターン1(通常の回転態様)のみを実行可能な実行パターンDを設け、特定役の当選時などにスタートスイッチ30の操作を契機としてフリーズを発生させ、フリーズ中はこの実行パターンDのみが行われるようにするとともに、実行パターンDが行われる場合には、
図10に示す「フェイク通常」のみが行われるようにする。この場合には、個別作動パターン1の回胴演出回転データは、通常回転データに基づく通常の回転態様と同一ではなく酷似したものに設定し、「フェイク通常」に係る画像データは、「AT通常画面」と同一ではなく酷似したものに形成するのが好ましい。このように形成した場合には、通常のゲーム開始時のリールの挙動と見分けが付かない報知によって、遊技者の注意をひき、興趣を高めることができる。また、回胴演出の実行パターンとして、個別作動パターンを1、3、2の順に行うパターンを設ければ、通常のゲーム開始時と変わらない回転リール40の挙動の後に、通常とは異なる回転態様で回転リール40が作動するので、よりインパクトの強い報知を行うことができる。
【0116】
また、本発明は、内部抽選状態がほぼ常にボーナス内部中であるような仕様ではない遊技機にも利用可能である。例えば、特定役の当選や特定図柄組合せの表示を契機に、通常状態よりも再遊技の当選確率が高く設定されたリプレイタイム(RT)に移行し、内部抽選状態がRT状態であることを条件としてAT(ART)に移行可能な仕様であってもよい。
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲における変形および改良なども含むものである。また、本発明は、矛盾を生じない範囲で、上述した実施の形態に記載されている事項を適宜組み合わせ、あるいは組み替えてもよいものである。
【0117】
さらに本発明は、スロットマシン以外の遊技機にも応用できる。例えば、遊技媒体として遊技球(パチンコ球)を用いてスロットマシンと同様の遊技を行わせるパロット遊技機などにも応用できるものである。