特許第6074631号(P6074631)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6074631電気車用の多層トランスPCB構造、及び、そのための多層トランスPCBの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6074631
(24)【登録日】2017年1月20日
(45)【発行日】2017年2月8日
(54)【発明の名称】電気車用の多層トランスPCB構造、及び、そのための多層トランスPCBの製造方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/46 20060101AFI20170130BHJP
   H05K 3/24 20060101ALI20170130BHJP
   H05K 1/02 20060101ALI20170130BHJP
   B60L 11/18 20060101ALI20170130BHJP
【FI】
   H05K3/46 G
   H05K3/24 A
   H05K1/02 N
   B60L11/18 A
【請求項の数】2
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-561295(P2015-561295)
(86)(22)【出願日】2014年9月15日
(65)【公表番号】特表2016-511943(P2016-511943A)
(43)【公表日】2016年4月21日
(86)【国際出願番号】KR2014008584
(87)【国際公開番号】WO2015119349
(87)【国際公開日】20150813
【審査請求日】2014年11月17日
(31)【優先権主張番号】10-2014-0014893
(32)【優先日】2014年2月10日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】514293318
【氏名又は名称】ドドテック チュシクェサ
(74)【代理人】
【識別番号】100081961
【弁理士】
【氏名又は名称】木内 光春
(72)【発明者】
【氏名】ジョン チャン ブン
【審査官】 遠藤 秀明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−079761(JP,A)
【文献】 特開2013−021370(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 3/46
B60L 11/18
H05K 1/02
H05K 3/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一定の材料で構成され、トランスPCBの基本基層を形成するベース基板と;
前記ベース基板の両面に、銅(Cu)材料を10oz(360μm)の厚さを有するように、多数個水平に形成された、バッテリセルに連結される内層回路をそれぞれ構成している第1及び第2のコネクティング銅タブと;
前記第1のコネクティング銅タブの上面と第2のコネクティング銅タブの上面に、銅(Cu)材料を多数個、10oz(360μm)の厚さを有するように積層された、バッテリセルに連結される外層回路を構成している第3及び第4のコネクティング銅タブと;
含み
前記第1のコネクティング銅タブと前記第3のコネクティング銅タブの間、および前記第2のコネクティング銅タブと前記第4のコネクティング銅タブの間に、プリプレグ(Prepreg)層をさらに備え
前記外層回路の上部側に1次から5次までの印刷方向を変えながら100meshの製板(印刷膜)を介してPSR(Photo solder resist)インク塗布されたPSR印刷層を備え
前記PSR印刷層を備えた第1ないし第4のコネクティング銅タブは、上にニッケル(Nickel)3〜5μmと金(Au)0.03〜0.05μmがメッキされた、部品挿入ホールの電流効率を高めることを特徴とする電気車用の多層トランスPCB構造。
【請求項2】
内層用のトランスPCBの原資材を設定された規格にカットした後、感光フィルム工程を含む半導体パターンニング工程を介して内層回路を構成させる第1の過程と;
前記第1の過程後に、内層回路が構成された内層用のトランスPCBにブラック・オキサイド(Black oxide)工程を実行する第2過程と;
前記第2過程後に、内層回路が構成された内層用のトランスPCBの上部に外層工程のための外層の原材料を含浸させて含浸工程を実行する第3過程と;
前記第3過程後に、内層用のトランスPCBの上部に含浸された外層の原材料を設定された規格にカットした後、感光フィルム工程を含む半導体パターンニング工程を介して外層回路を構成する第4の過程と、
前記第1過程から第4過程により内層回路が形成された内層用のトランスPCBの上部に外層回路を積層させた状態で、前記外層回路の上部側に1次から5次まで印刷方向を変えながらPSRインクで塗布させるPSR印刷層を形成する第5過程と;
前記第5の過程後に、PSR印刷層が形成されたトランスPCBの上部側に金メッキを実行し、マーキング、外形加工および各種部品をトランスPCBに実装させた後、ケース(CASE)を被せ、電気車用のトランスPCBを完成する第6の過程と;
を含んで構成し、
前記第1の過程には、トランスPCBのベース基板の両面の各々に、銅(Cu)材料を10oz(360μm)の厚さを有するように、多数個を第1及び第2のコネクティング銅タブをそれぞれ水平に形成し、バッテリセルに内層回路を連結させる内層回路の連結段階をさらに含み、
前記第4の過程には、内層用のトランスPCBの両側上部に含浸された外層の原材料の各々に、銅(Cu)材料を10oz(360μm)の厚さを有するように、多数個を第3及び第4のコネクティング銅タブをそれぞれ水平に形成し、バッテリセルに外層回路を連結させる外層回路連結段階をさらに含み、
前記第6の過程には、第1ないし第4のコネクティング銅タブの上に、ニッケル(Nickel)3〜5μmと金(Au)0.03〜0.05μmをメッキすることで部品挿入ホールの電流効率を高める、メッキ段階をさらに含むことを特徴とする電気車用の多層トランスPCBの製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気車用の多層トランスPCB構造、及び、そのための多層トランスPCBの製造方法に関するもので、特に電気車用のトランスPCBを、一定の厚さを有する導体材料を多層に積層させる構造にすることで、電流効率を極大化させる電気車用の多層トランスPCB構造、及び、そのための多層トランスPCBの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、電気車は、電気で動力を伝達する車として、1880年代の末に登場し乗用車・トラック・バス輸送などに利用された。このような電気車は、電気車用の電動機を駆動するインバータに電力貯蔵部を組み合わせた電気車の制御装置を車両に搭載し、車両のブレーキ時に発生する余剰回生電力を前記電力貯蔵部に貯蔵して車両の加速時や架線の電圧低下時に貯蔵した電力を使用することで、車両が持つ運動エネルギーを有効に利用できることが知られている。特に前記のような電気車には、電気自動車のバッテリ制御の好適化により、走行距離の向上および安全性の確保をもたらすBMS(Battery Management System)が採用され用いられている。また、前記のようなBMSは、トランスモジュールが備えられたPCB(印刷回路基板)上に具現されている。
【0003】
ところが、前記のような従来の電気車用のトランスPCB装置を図1を参考としてみると、電気車(図示なし)に動力を供給する多数個のバッテリセル70a〜nと;
【0004】
前記多数個のバッテリセル70a〜nが直列または並列方式の電気回路的に連結されるように載置させるトランスPCB71a〜nと;
【0005】
前記トランスPCB71a〜nに搭載され、外部から印加される供給電圧を整流し、バッテリセル70a〜nに印加する充電部72を含んで構成される。
【0006】
このとき、前記トランスPCB71a〜nは、材料に通常のプラスチックを用い、前記トランスPCB71a〜nの内部には、バッテリセル70a〜nの直列または並列連結に必要なワイヤ(Wire)を内在する。そして、前記トランスPCB71a〜nと各バッテリセル70a〜nの間の電気的な回路連結は、トランスPCB71a〜nに銅タブ(Tab)73a〜nを、図2に示すように、パターンニングして実行する。例えば、前記のような従来のトランスPCB71a〜nに形成される銅タブ73a〜nは、トランスPCB71a〜nのベース基板74の両面に、Cuの厚さが2oz(70)から4oz(140)の厚さを維持するように形成される。
【0007】
一方、前記のような従来の電気車用のトランスPCB装置の動作は、まず、供給電圧が充電部72に印加される場合、充電部72は、印加された供給電圧、例えば、交流電圧を設定された充電電圧に変換した後、整流して、トランスPCB71a〜n上に銅タブ73a〜nで形成された電気回路を介して、各バッテリセル70a〜nに充電させる。すると、前記のような充電電圧は、トランスPCB71a〜nの銅タブ73a〜n、すなわち、2oz(70)あるいは4oz(140)の厚さを有する銅タブ73a〜nを経由し、各バッテリセル70a〜nに印加されるが、このとき、前記供給電圧の電流は、トランスPCB71a〜nの銅タブ73a〜n、すなわち、2oz(70)あるいは4oz(140)の厚さを有する銅タブ73a〜nにより電流作用し、各バッテリセル70a〜nに供給されて通常の充電過程を経ることとなる。
【0008】
しかし、前記のような従来の電気車用のトランスPCB装置は、トランスPCBの構造が2oz(70)あるいは4oz(140)の厚さを有する銅タブがトランスPCBの両面に形成される構造であるので、供給電圧をバッテリセルに安定的かつ効率的に充填する場合、複数個のPCBを結合して使用しなければならないため、部品挿入空間およびサイズが大きくなり、それに応じて重量による車両の燃費にとても悪い影響を及ぼすのみならず、銅タブの厚さが相異なる場合、生産過程での不良率もまた高くなり、歩留まりを低下させる問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで本発明は、前記のような従来技術の問題を解決するために発明されたものであって、電気車用のトランスPCBの内層と外層に同一の厚さを有するようにコネクティング導体材料を多層に積層させることで多層に形成されたコネクティング導体材料により、処理される電荷増加量が非常に高く分布するようになるので、それにより電流効率を極大化させる電気車用の多層トランスPCB構造、及び、そのための多層トランスPCBの製造方法を提供することにその目的がある。
【0010】
本発明のもう一つの目的は、トランスPCBの内層に外層を多層に形成した後、PSR(Photo Solder Resist)インク印刷で印刷方向を変えながら塗布させる工程を繰り返し実行するため、部品のホールまたは部品の実装位置を隔離させることができるようになる。それにより、トランス駆動時の部品のノイズを大幅に抑制できる電気車用の多層トランスPCB構造、及び、そのための多層トランスPCBの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記のような目的を達成するため本発明は、一定の材料で構成され、トランスPCBの基本基層を形成するベース基板と;
【0012】
前記ベース基板の両面に、銅(Cu)材料を半導体パターンニングして一定の厚さを有するように多数個を形成してバッテリセルに連結される内層回路をそれぞれ 水平に形成する第1及び第2のコネクティング銅タブと;
【0013】
前記第1のコネクティング銅タブの上面と第2のコネクティング銅タブの上面に、銅(Cu)材料を多数個を半導体パターンニングして一定の厚さを有するように積層させることで、バッテリセルに連結される外層回路を形成する第3及び第4のコネクティング銅タブと;を含む電気車用の多層トランスPCB構造を提供する。
【0014】
本発明のもう一つの特徴は、内層用のトランスPCBの原資材を設定された規格にカットした後、感光フィルム工程を介して内層回路を構成する第1の過程と;
【0015】
前記第1の過程後に、内層回路が構成された内層用のトランスPCBにブラック・オキサイド(Black oxide)工程を実行する第2過程と;
【0016】
前記第2の過程後に、内層回路が構成された内層用のトランスPCBの上部に外層工程のための外層の原材料を含浸させて含浸工程を実行する第3過程と;
【0017】
前記第3過程後に、内層用のトランスPCBの上部に含浸された外層の原材料を設定された規格にカットした後、感光フィルム工程を介して外層回路を構成する第4の過程と;
【0018】
前記第4過程の後に、内層回路が形成された内層用のトランスPCBの上部に外層回路を積層させた後、PSRインクで塗布する第5の過程と;
【0019】
前記第5の過程後に、PSRインクで塗布された内外層が形成されたトランスPCBの上面に金メッキを実行してマーキング、外形加工および各種部品をトランスPCBに実装させた後、ケース(CASE)を被せ、電気車用のトランスPCBを完成する第6過程と;を含む電気車用の多層トランスPCBの製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0020】
前記のような本発明によれば、電気車用のトランスPCBを同一の厚さを有するコネクティング導体材料を多層に積層させる構造で形成することで、内層と外層に同一の厚さのコネクティング導体材料が多層に積層されることによって、その多層の積層構造により、処理される電荷の増加量が非常に高く分布するようになる。それにより、電流効率が最大化され、バッテリセルの充電効率もかなり向上する効果がある。
【0021】
また、前記のような本発明は、トランスPCBの内層に外層を多層に形成した後、PSRインク印刷で印刷方向を変えながら塗布させる工程を繰り返し実行するため、部品のホールまたは部品の実装位置を隔離させることができ、それにより、トランス駆動時の部品のノイズを大幅に抑制できる効果もある。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】従来の電気車用のトランスPCB装置を簡略的に説明する説明図である。
図2】従来の電気車用のトランスPCB装置の構造を概略的に説明する説明図である。
図3】電気車用の多層トランスPCB構造を概略的に説明する説明図である。
図4】本発明の電気車用の多層トランスPCBの製造方法を説明するフローチャートである。
図5】本発明のフローチャートである。
図6】本発明による製造工程中のPSR工程を説明する説明図である。
図7】本発明のPSR工程の一実施例を説明する説明図である。
図8】本発明のPSR工程のもう一つの実施例を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明に係る電気車用の多層トランスPCB構造の好ましい実施形態を添付の図面に基づき説明する。
【0024】
但し、本発明は、ここで説明される本発明に係る電気車用の多層トランスPCB構造の実施例に限定されず、他の形態で具体化することもできる。むしろ、ここで紹介される実施例は、開示された内容が徹底して完全なものとなるよう、また当業者に本発明の思想が十分に伝達できるようにするために提供されるものである。本明細書全般にわたる同一の参照番号は同一の構成要素を示す。一方、本明細書で使用した用語は、実施形態を説明するためのものであり、本発明を制限しようとするものではない。本明細書では、単数形は文言で特に言及しない限り、複数形も含まれる。本明細書で使用する「含む(comprises)」及び/または「含む(comprising)」は、言及した構成要素、段階、動作、及び/または、素子が一つ以上の他の構成要素、段階、動作、及び/または、素子の存在または追加を排除しない。
【0025】
[実施例]
図2は、従来の電気車用のトランスPCB装置の構造を概略的に説明する説明図であり、図3は、電気車用の多層トランスPCB構造を概略的に説明する説明図であるし、図4は、本発明の電気車用の多層トランスPCBの製造方法を説明するフローチャートであって、図5は、本発明のフローチャートで、図6は、本発明による製造工程中のPSR工程を説明する説明図であり、図7は、本発明のPSR工程の一実施例を説明する説明図であって、図8は、本発明のPSR工程のもう一つの実施例を説明する説明図である。
【0026】
本発明の一実施形態に係る電気車用の多層トランスPCB構造は、図3に示したように、一定の材料、例えば、エポキシ材料(EPOXY MATERIAL)で構成されており、トランスPCB1の基本基層を形成するベース基板2と;前記ベース基板2の両面に、銅(Cu)材料を半導体パターニング工程によって一定の厚さを有するよう多数個を水平に形成してバッテリセル3a〜nに連結される内層回路をそれぞれ形成する第1及び第2のコネクティング銅タブ4、5と;前記第1のコネクティング銅タブ4の上面と第2のコネクティング銅タブ5の上面に、銅(Cu)材料を多数個を半導体パターンニングして一定の厚さを有するように積層させることで、バッテリセル3a〜nに連結される外層回路を形成する第3及び第4のコネクティング銅タブ6、7を含んで構成される。
【0027】
ここで、前記第1のコネクティング銅タブ4と第2のコネクティング銅タブ5の各上面には、第3のコネクティング銅タブ6と第4のコネクティング銅タブ7を積層させる前に、1次でプリプレグ(Prepreg)積層(またはプリプレグ層を形成する)過程を実行するが、プリプレグ積層材料としては、エポキシ樹脂とコア(core)を用いることができる。すなわち、前記第1のコネクティング銅タブと前記第3のコネクティング銅タブの間、および前記第2のコネクティング銅タブと前記第4のコネクティング銅タブの間に、プリプレグ(Prepreg)層をさらに形成する。
【0028】
また、前記第1ないし第4のコネクティング銅タブ4〜7の各々は、10oz(360)の厚さを同一に有するように形成される。
【0029】
さらに、前記内層の上部に外層を積層させた後には、外層の上部にPSRインク印刷で印刷方向を変えながら繰り返し塗布させるPSR印刷(またはPSR印刷層を形成する過程)を実行する。つまり、前記外層の上部にPSRインク印刷で印刷方向を変えながら繰り返し塗布させるPSR印刷層をさらに含む。
【0030】
そして、前記のような本発明の多層トランスPCBが装着される電気車には、図4に示したように、多層トランスPCB1と導体材料である第1ないし第4のコネクティング銅タブ4〜7を媒介として電気回路的に連結され、インバータ11を介して電気車の電動機8に電力を供給する多数個のバッテリセル3a〜nと;前記多層トランスPCB1の第1ないし第4のコネクティング銅タブ4〜7の電気回路的連結通路をスイッチング制御して第1ないし第4のコネクティング銅タブ4〜7を経由して移動する電流量を制御し、多数個のバッテリセル3a〜nに供給される充放電電圧を制御する貯蔵制御部9と;前記貯蔵制御部9の機能制御信号に応じて、外部から印加される供給電圧を整流してバッテリセル3a〜nに印加させる充電部10をさらに含んで構成される。
【0031】
したがって、前記のような本発明に係る多層トランスPCB1は、貯蔵制御部9を介して通常のBMS機能を持つこととなるが、このようなBMS機能には、多層トランスPCB1の電圧、電流、及び温度をモニタリングして好適な状態に維持管理し、多層トランスPCB1の安全運用のための警報および事前の安全予防措置を行う。また、前記多層トランスPCB1は、貯蔵制御部9はバッテリセル3a〜nの充放電時の過充電および過放電を防止して、セル(cell)間の電圧を均一にすることでエネルギー効率を高め、バッテリの寿命を長持ちさせつつ、データの保全および多層トランスPCB1を診断し、警報関連の履歴状態の保存および外部診断システムあるいはモニタリングPCを介した診断を実行することができる。
【0032】
下記では、前記のような構成からなる本発明の製造方法を説明する。
【0033】
本発明の製造方法は、図5に示したように、初期状態S1で内層用のトランスPCBの原資材を設定された規格にカットした後、感光フィルム工程を含む半導体パターンニング工程を介して内層回路を構成させる第1過程S2と;前記第1の過程S2の後に、内層回路が構成された内層用のトランスPCBにブラック・オキサイド工程を実行する第2過程S3と;前記第2過程S3の後に、内層回路が構成された内層用のトランスPCBの上部に外層工程のための外層の原材料を含浸させて含浸工程を実行する第3過程S4と;前記第3過程S4の後に、内層用のトランスPCBの上部に含浸された外層の原材料を設定された規格にカットした後、感光フィルム工程を含む半導体パターンニング工程を介して外層回路を構成させる第4の過程S5と;前記第1の過程S2ないし第4過程S5により内層回路が形成された内層用のトランスPCBの上部に外層回路を積層させた状態でPSRインク印刷で印刷方向を変えながら繰り返し塗布させる第5過程S6と;第5過程S6の後に、PSRインクが塗布された内外層が形成されたトランスPCBの上面に金メッキを実行し、マーキング、外形加工および各種部品をトランスPCBに実装させた後、ケースを被せ、電気車用のトランスPCBを完成する第6過程S7を含んで構成される。
【0034】
そして、前記第1の過程S2には、トランスPCBのベース基板の両面の各々に、銅(Cu)材料を10oz(360μm)の厚さを有するように、多数個を第1及び第2のコネクティング銅タブをそれぞれ水平に形成し、前記のように形成された第1及び第2のコネクティング銅タブを経由してバッテリセルに内層回路を連結させる内層回路の連結段階をさらに含む。
【0035】
そして、前記第4過程S5には、内層用のトランスPCBの両側上部に含浸された外層の原材料の各々に、銅(Cu)材料を10oz(360μm)の厚さを有するように、多数個を第3及び第4のコネクティング銅タブをそれぞれ水平に形成し、前記のように形成された第3及び第4のコネクティング銅タブを経由してバッテリセルに外層回路を連結させる外層回路の連結段階をさらに含む。
【0036】
さらに、前記第1の過程S2には、設定された規格にカットされた内層用のトランスPCBの原資材上に、SPECに準じた回路図を形成するため感光用フィルムを密着させ、現象(回路図の構成)後、残りのドライフィルム(Dry Film)を除去する工程をさらに実行する。
【0037】
また、前記第2過程S3には、内層回路が構成された内層用のトランスPCBに対する短絡の有無をチェックする第1短絡チェック段階(AOI)をさらに含む。
【0038】
ここで、前記第2過程S3で内層回路が構成された内層用のトランスPCBにブラック・オキサイド工程を実行する理由は、内層回路と外層を積層する前に、接着力を増大させるため化学反応により酸化させて表面を粗くするためである。
【0039】
前記に加え、前記第3過程S4の後には、SPECに準じたホール(Hole)を加工することで、1層、2層、3層、4層との電流を通させるドリル工程と;前記ドリル工程中にホールの内壁およびCu面の間に、エポキシ樹脂(Epoxy Resin)がドリル工程中にドリルビット(Drill Bit)との摩擦力の発生によりエポキシ樹脂がついているのを、過マンガン酸カリウム(薬品名)でホール内壁またはCu面間のエポキシ樹脂を除去するデスミア(DESMEAR)工程と;前記ドリル工程後に、加工されたホールが非伝導体ホールとして構成されているので、これを伝導体ホールに転換させる目的として化学メッキと電気メッキ、パネルメッキをし、パネルメッキ工程時の原資材の厚さが2.0〜2.4m/mであるので、銅メッキの厚さを約25を維持するためには、低電流のメッキを実行するメッキ工程((電流密度は1.8〜1.9am/dm);約100分間の電気メッキ)をさらに含んで実行する。
【0040】
一方、前記第4の過程S5には、内層工程と同様の方法で回路とホールが加工されたホールを保護するためのCuの厚さが10oz(360μm)であり、このとき、前記加工されたホールにメッキが施されていて非伝導体から伝導体に転換されている状態であるため、回路を形成する感光用のドライフィルムを40μmではなく50μm用いる。この過程で、万一前記のように40μmのドライフィルムを使用して加工されたホールが破損すると、ホールの内壁にエッチング(Etching)液が浸透してホール内壁のCuメッキされた部分を腐食させ得るため、該工程を徹底に管理しなければならず、感光用のドライフィルム(50μmのドライフィルム)密着後の現象(回路形成)後、エッチング(回路形成完了)工程を3回繰り返した後、感光用フィルム(50μmのドライフィルム)を除去する工程を実行しなければならない。また、前記第4の過程S5には、内層に積層された外層用のトランスPCBの外層回路に対する短絡の有無をチェックする第2短絡チェック段階(AOI)をさらに含む。
【0041】
ここで、前記PSR塗布工程とは、内層回路の上部に積層された外層回路にPSRインクを塗布することであり、部品とのノイズを抑制し、部品のホールまたは部品の実装位置と分離させることができる。前記のPSR塗布工程をより具体的に説明すると、例えば、図6に示したように、印刷機(図示なし)に1次から5次まで印刷角度を変化させて(往復印刷)、回路と回路の間にPSRインクを塗り込み、作業条件として 温度(Temp):120℃−5回繰り返し、1回〜5回−40分プレキュアリング(pre Curing)、5回−120℃/110分ポストキュアリング(post Curing)、製板(印刷膜):100meshを用いて印刷する。
【0042】
ちなみに、前記第6過程S7には、部品が挿入されるホールに電流効率が最も高い金メッキを実行するとき、第1ないし第4のコネクティング銅タブ4〜7上にニッケル(Nickel)3〜5μmと金(Au)0.03〜0.05μmをメッキすることで、部品を挿入した後、最も理想的な電流効率が維持できる。そして、前記第6過程S7には、マーキング(植字)印刷、外形加工などを実行し、製品の信頼性の検証を目的として、自動信頼性BBT検査を実行した後、最終的に目視検査および包装出荷工程(自動検査LINE)を実行することもできる。
【0043】
つまり、本発明による電気車用高効率トランスPCBを製造するには、まず、PCB製造用の原資材(素材)、ベースコッパ(Base copper)原材料(Cu=10oz)、プリプレグ(Preprege)原資材を購入(特殊SPECによる注文製作)し、内層用の原資材を項目作業に必要な規格に切断した後、その設定された規格にカットされた内層用のトランスPCBの原資材上に、SPECに準じた回路図を形成するため、感光用フィルムを密着させ、現象(回路図の構成)後、残りのドライフィルムを除去する工程を実行する。このとき、前記トランスPCB1のベース基板2の両面の各々に、銅(Cu)材料を10oz(360μm)の厚さを有するよう、多数個を第1及び第2のコネクティング銅タブ4、 5をそれぞれ 水平に形成してバッテリセル3a〜nに内層回路を連結させる。そして、前記のように、内層回路が構成された内層用のトランスPCBにブラック・オキサイド工程を実行する。このようにブラック・オキサイド工程を実行するのは、内層回路と外層を積層する前に接着力を増大させるため、化学反応で酸化させて表面を粗く(Rough)するためである。また、前記のように形成された内層回路が構成された内層用のトランスPCBに対する短絡の有無をチェックするAOI工程を実行する。
【0044】
一方、前記のような工程の後に、内層回路が構成された内層用のトランスPCB1の上部に外層工程のための外層の原材料を含浸させる含浸工程を実行する。さらに、前記含浸工程後にSPECの準じたホールをドリル工程を介して加工することで、1層、2層、3層、4層との電流を通させ、前記ドリル工程中にホールの内壁およびCu面の間に、エポキシ樹脂間にドリルビットとの摩擦力の発生によりエポキシ樹脂がついているのを、デスミア工程を実行して、過マンガン酸カリウムの薬品でホールの内壁またはCu面の間のエポキシ樹脂を除去し、前記ドリル工程後に、加工されたホールが非伝導体ホールとして構成されているので、これを伝導体ホールに転換させる目的として、化学メッキと電気メッキ、パネルメッキすることになるが、このようなパネルメッキ工程時の原資材の厚さが2.0〜2.4m/mであるので、銅メッキの厚さ約25を維持するためには、低電流のメッキを実行するメッキ工程((電流密度は1.8〜1.9am/dm)約100分間の電気メッキ)をさらに含んで実行する。
【0045】
延いては、前記のように内層用のトランスPCBの上部に外層の原材料を含浸した後には、外層の原材料を設定された規格にカットした後、感光フィルム工程を介して外層回路を構成させる。そして、前記のような含浸工程により内層回路が形成された内層用のトランスPCBの上部に外層回路を積層させた後、PSRインク印刷で印刷方向を変えながら繰り返し塗布させる(図7及び図8参照)。つまり、前記のように形成された内層用のトランスPCB1の両側上部に含浸された外層の原材料の各々に、銅(Cu)材料を10oz(360μm)の厚さを有するよう、多数個を第3及び第4のコネクティング銅タブ6、7をそれぞれ水平に形成してバッテリセル3a〜nに外層回路を連結させる。
【0046】
前記PSR印刷工程においては、内層工程と同様の方法で回路とホールが加工されたホールを保護するためのCuの厚さが10oz(360μm)であり、このとき、前記加工されたホールにメッキが施されて非伝導体から伝導体に転換されている状態であるため、回路を形成する感光用のドライフィルムを40μmではなく50μm使用する。この過程で、万一前記のように40μmのドライフィルムを使用して加工されたホールが破損すれば、ホールの内壁にエッチング液が浸透しなければならず、ホール内壁のCuメッキされた部分を腐食させ得るために該工程を徹底的に管理し、感光用のドライフィルム(50μmのドライフィルム)密着後の現象(回路形成)後、エッチング(回路形成完了)工程を3回繰り返した後、感光用フィルム(50μmのドライフィルム)を除去する工程を実行しなければならない。言い換えれば、前記PSR塗布工程は、内層回路の上部に積層された外層回路にPSRインクを塗布することで、部品とのノイズを抑制し、部品のホールまたは部品の実装位置と隔離させることができる。つまり、前記PSR塗布工程をより具体的に説明すると、例えば、図6に示したように、印刷機(図示なし)に1次から5次まで印刷角度を変化させて(往復印刷)回路と回路の間にPSRインクを埋め、作業条件として温度:120℃ −5回繰り返し、1回〜5回−40分プレキュアリング、5回−120℃/110分ポストキュアリング、製板(印刷膜):100meshを用いて印刷する。また、前記PSR過程の後に、内層に積層された外層用のトランスPCBの外層回路に対する短絡の有無をチェックする。一方、前記のように外層回路を積層した後に、PSRインクが塗布された内外層が形成されたトランスPCBの上面に金メッキを実行し、マーキング、外形加工および各種部品をトランスPCBに実装させた後、ケースを被せ、電気車用のトランスPCBを完成させる。
【0047】
一方、前記のような本発明の製造方法により製造された電気車用のトランスPCBは、まず、供給電圧が充電部10に印加される場合、充電部10は、印加された供給電圧、例えば、交流電圧を設定された充電電圧に変換した後、整流して、トランスPCB1上に第1ないし第4のコネクティング銅タブ4〜7で形成された内層と外層の電気回路を介し、各バッテリセル3a〜nを充電させる。つまり、前記のような充電電圧は、トランスPCB1の第1ないし第4のコネクティング銅タブ4〜7、すなわち、10oz(360μm)の厚さを有する内外層の銅タブを経由して各バッテリセル3a〜nに印加されるが、このとき、前記供給電圧の電流は、トランスPCB1の第1ないし第4のコネクティング銅タブ4〜7が10oz(360μm)の厚さを有する内外層で形成されているため、電流が大容量で流れるようになり、急速に各バッテリセル3a〜nに供給される。このとき、前記多層トランスPCB1の第1ないし第4のコネクティング銅タブ4〜7の電気回路的な連結通路を貯蔵制御部9がスイッチング制御し、第1ないし第4のコネクティング銅タブ4〜7を経由して移動する電流量を制御する。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明は、電気車用のトランスPCBを、一定の厚さを有する導体材料を多層に積層させる構造を採用することで、電流効率を極大化させる電気車用の多層トランスPCB構造、及び、そのための多層トランスPCBの製造方法に適用できる。
【符号の説明】
【0049】
1:トランスPCB
2:ベース基板
3a〜n:バッテリセル
4:第1のコネクティング銅タブ
5:第2のコネクティング銅タブ
6:第3のコネクティング銅タブ
7:第4のコネクティング銅タブ
8:電動機
9:貯蔵制御部
10:充電部
11:インバータ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8