特許第6074811号(P6074811)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ナカ電子株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6074811-録音アダプタ 図000002
  • 特許6074811-録音アダプタ 図000003
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6074811
(24)【登録日】2017年1月20日
(45)【発行日】2017年2月8日
(54)【発明の名称】録音アダプタ
(51)【国際特許分類】
   H04M 1/656 20060101AFI20170130BHJP
   H04M 1/00 20060101ALI20170130BHJP
【FI】
   H04M1/656
   H04M1/00 H
   H04M1/00 U
【請求項の数】1
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2013-238285(P2013-238285)
(22)【出願日】2013年10月31日
(65)【公開番号】特開2015-89094(P2015-89094A)
(43)【公開日】2015年5月7日
【審査請求日】2016年2月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】592026211
【氏名又は名称】ナカ電子株式会社
(72)【発明者】
【氏名】中嶋 眞兒
【審査官】 山岸 登
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−352639(JP,A)
【文献】 特開2002−094653(JP,A)
【文献】 特開2006−191436(JP,A)
【文献】 特開2000−232510(JP,A)
【文献】 米国特許第04446335(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M 1/00
1/24− 1/82
99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定電話機と録音機能を有する機器のマイク入力ジャック端子との間に接続して通話内容の録音に使用する録音アダプタであって、
前記固定電話機におけるハンドセットの受話スピーカ信号線から取り出した受話信号のレベル調整を行う受話レベル調整回路と、
送話信号を出力するエレクトレットマイクと、
前記マイク入力ジャック端子から電力供給され且つ前記送話信号を増幅する増幅回路と、
前記マイク入力ジャック端子から前記増幅回路に供給される電圧を平滑する第1のデカップリング回路と、
増幅された送話信号のレベル調整を行う送話レベル調整回路と、
前記マイク入力ジャック端子から電力供給され且つレベル調整された受話信号にレベル調整された送話信号を重畳して前記マイク入力ジャック端子に出力するミキシング回路と、
前記マイク入力ジャック端子から前記ミキシング回路に供給される電圧を平滑する第2のデカップリング回路と、
を備えることを特徴とする録音アダプタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固定電話機の通話内容をパソコン、ICレコーダ等の録音機能を有する機器で録音するために使用する録音アダプタに関するものであり、特に、側音の入らない固定電話機に対応したものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電話機には、パソコンのUSB端子に接続することで通話内容をパソコンで録音するインターフェイスを備えたものが提案されていた(例えば、特許文献1参照)。しかし、このような電話機では、電話機が高価になるだけでなく、電話機ごと交換しなければ、通話音声の録音ができないという問題があった。
【0003】
そこで、図2に示すように、既存の固定電話機の本体側のモジュラージャックMJ1とハンドセットが接続されるモジュラージャックMJ2との間に接続して分岐することで、録音機器等で通話内容を録音する録音アダプタが商品化されていた。この録音アダプタは、電話機のハンドセットの受話スピーカ信号線に接続する接続線の選択が可能なスイッチSWと、直流カット用のコンデンサC1,C2と、一定帯域の周波数信号のみ通過させるバンドパスフィルタBPFとを備えている。この録音アダプタでは、固定電話機の通話信号、録音に適した帯域のみ通過させることで、ピンプラグPから出力し、これに接続した録音機器等で録音するものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】 特開2003−8731号公報(図1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、携帯電話機で既に構築されている側音の入らない固定電話機が普及してきており、このような側音の入らない固定電話機の場合、上記従来の録音アダプタでは、相手側の音声(受話)のみしか録音できず、送話を録音することができなかった。仮に、相手側の電話機が側音の入る電話機であったとしても、送話のレベルが低く、通話の録音として十分なものではなかった。
【0006】
また、電話局線から電話機に入る前で通話信号を取り出して録音に供することで送受話を録音することも可能であるが、送話と受話の通信レベル差が大きいため、良質な録音に適さないという問題があった。
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、上記従来技術の問題点を解決し、側音のない固定電話機に対応し、送受話共に適正なレベルの録音信号を得ることができる録音アダプタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の録音アダプタは、固定電話機と録音機能を有する機器の外部マイク入力ジャック端子との間に接続して通話内容の録音に使用する録音アダプタであって、前記固定電話機におけるハンドセットの受話スピーカ信号線から取り出した受話信号のレベル調整を行う受話レベル調整回路と、送話信号を出力するエレクトレットマイク(以下「ECM」と略称する)と、前記マイク入力ジャック端子から電力供給外れ且つ前記送話信号を増幅する増幅回路と、前記マイク入力ジャック端子から前記増幅回路に供給される電圧を平滑する第1のデカップリング回路と、増幅された送話信号のレベル調整を行う送話レベル調整回路と、前記マイク入力ジャック端子から電力供給され且つレベル調整された受話信号にレベル調整された送話信号を重畳して前記マイク入力ジャック端子に出力するミキシング回路と、前記マイク入力ジャック端子から前記ミキシング回路に供給される電圧を平滑する第2のデカップリング回路と、を備えている。
【発明の効果】
【0009】
本発明の録音アダプタでは、録音機能を有する機器からの電力供給を受けることでECMによる送話信号を増幅すると共に送話信号と受話信号のミキシングを行うことで、録音信号レベルの過不足を解消して広範囲の録音信号レベルの調整を可能にし、更に、受話信号と送話信号のレベル調整をそれぞれ調整する受話レベル調整回路と送話レベル調整回路を設けているので、通話録音に適したレベルの信号を出力することができる。
【0010】
また、送話者の音場を集音するECMを備えて、このECMから送話信号を得ているので、側音のない固定電話機でも送話者の音場を適正なレベルで録音することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】 本発明の一実施例に係る録音アダプタの回路構成を示す回路図である。
図2】 従来の録音アダプタの回路構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図1に示す録音アダプタは、固定電話機の本体にハンドセットを取り付けるモジュラージャック等に接続される固定電話機本体側のモジュラージャックMJ1と、ハンドセットのプラグが差し込まれるハンドセット側のモジュラージャックMJ2との間の受話スピーカ信号線に、接続状態を製造メーカの仕様に合わせて選択可能にするように接続されたスイッチSWと、このスイッチSWによって取り出した受話信号の直流成分をカットするコンデンサC1,C2を備えている。
【0013】
また、この録音アダプタは、コンデンサC1,C2を介して得られる受話信号のレベルを調整する受話レベル調整回路2を備えている。この受話レベル調整回路2は、本実施例では可変抵抗4と入出力側の負荷抵抗6,8により構成されている。
【0014】
また、この録音アダプタには、本機使用者側の送話の音場をハンドセットのマイクを使用せず別個に集音するECM1が設けられている。このECM1は、ピンジャックJ2、ピンプラグP2を介して接続されている。
【0015】
符号10は増幅回路であり、ECM1からの送話信号を増幅するものである。本実施例における増幅回路10は、送話信号をコンデンサ12及び抵抗14を介して入力するオペアンプ16により構成されている。このオペアンプ16は、微小電力で動作するものであり、本実施例では録音信号を出力するピンプラグP1が接続される録音機能を有する機器のマイク入力ジャック端子等のピンジャックJ1から供給される電力によって電力供給されている。
【0016】
符号18は第1のデカップリング回路である。このデカップリング回路18は、ピンプラグP1とオペアンプ16との間に接続された抵抗19及びコンデンサ20からなるものであり、オペアンプ16に供給される電力を平滑化するものである。
【0017】
符号22は増幅された送話信号のレベルを調整する送話レベル調整回路である。本実施例における送話レベル調整回路22は、可変抵抗24と入出力調整用の負荷抵抗26,28により構成されている。
【0018】
符号30は受話レベル調整回路2からのレベル調整された受話信号に送話レベル調整回路22からの送話信号を重畳するミキシング回路である。本実施例におけるミキシング回路30は、受話レベル調整回路2と送話レベル調整回路22からの受話信号と送話信号を、それぞれコンデンサ34,36を介してベースに入力するトランジスタ32を備えている。このトランジスタ32は、ピンプラグP1とコレクタとの間、コレクタとベースとの間及びエミッタとアースとの間にそれぞれ抵抗39,38,40が接続されており、抵抗40に並列にコンデンサ42が接続されている。
【0019】
符号44はピンプラグP1が接続されるピンジャックJ1からミキシング回路30に供給される電圧を平滑する第2のデカップリング回路である。本実施例における第2のデカップリング回路44は、ピンプラグP1の出力信号を平滑し直流化するための抵抗46及びコンデンサ48からなるものである。尚、本実施例においては、ECM1が負荷抵抗50を介して第2のデカップリング回路44に接続されており、更にECM1からの送話信号がコンデンサ52を介して増幅回路10に印加されるように構成されている。
【0020】
上記構成からなる本実施例の録音アダプタでは、取り出した受話信号のレベルを受話レベル調整回路2にて調整し、ミキシング回路30の入力側に出力する。このときに、ECM1からの送話信号は増幅回路10に送られ、第1のデカップリング回路18にて平滑化された電圧で駆動されるオペアンプ16によって増幅される。このように増幅された送話信号は、送話レベル調整回路22にてレベル調整され、ミキシング回路30に送られる。
【0021】
このようにそれぞれレベル調整された受話信号と送話信号は、コンデンサ34,36で直流成分がカットされてトランジスタ32のベースに印加される。これにより、トランジスタ32はベースバイアス抵抗38、補助負荷抵抗39、エミッター抵抗40及びバイパスコンデンサ42によってミキシング回路を構成し、受話信号と送話信号を重畳した信号が形成され、録音信号としてピンプラグP1から出力される。
【0022】
この録音アダプタでは、高レベルの受話信号のレベルを調整すると共にECM1で集音した送話信号をデカップリングした直流電源によりオペアンプ16で増幅した後そのレベルを調整して受話信号とのバランスを取ってからミキシングしている。このため、レベル調整する範囲を広くとることができると共に十分且つ適当な録音信号レベルに設定して出力することができる。
【0023】
また、この録音アダプタが出力する録音信号は、受話信号と送話信号の両方を混合しているので、固定電話機電子回路内で送受話信号を分けて処理しエコーキャンセラ等により側音のない固定電話機であっても相手側の音声だけでなく送話者の音声も本アダプタの回路内で送話信号として作成して明瞭に録音することができる。
【符号の説明】
【0024】
1 エレクトレットマイク
2 受話レベル調整回路
10 増幅回路
18 第1のデカップリング回路
22 送話レベル調整回路
30 ミキシング回路
44 第2のデカップリング回路
J1,J2 ピンジャック
MJ1,MJ2 モジュラージャック
P1,P2 ピンプラグ
SW スイッチ
図1
図2