特許第6074870号(P6074870)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ コン ジン カンパニー,リミテッドの特許一覧

<>
  • 特許6074870-冷凍冷蔵庫用キャッチャの解放装置 図000002
  • 特許6074870-冷凍冷蔵庫用キャッチャの解放装置 図000003
  • 特許6074870-冷凍冷蔵庫用キャッチャの解放装置 図000004
  • 特許6074870-冷凍冷蔵庫用キャッチャの解放装置 図000005
  • 特許6074870-冷凍冷蔵庫用キャッチャの解放装置 図000006
  • 特許6074870-冷凍冷蔵庫用キャッチャの解放装置 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6074870
(24)【登録日】2017年1月20日
(45)【発行日】2017年2月8日
(54)【発明の名称】冷凍冷蔵庫用キャッチャの解放装置
(51)【国際特許分類】
   E05B 65/10 20060101AFI20170130BHJP
   E05B 15/02 20060101ALI20170130BHJP
   F25D 23/02 20060101ALI20170130BHJP
【FI】
   E05B65/10 K
   E05B15/02 K
   F25D23/02 306A
【請求項の数】9
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-524206(P2015-524206)
(86)(22)【出願日】2014年2月11日
(65)【公表番号】特表2015-524525(P2015-524525A)
(43)【公表日】2015年8月24日
(86)【国際出願番号】KR2014001130
(87)【国際公開番号】WO2014185621
(87)【国際公開日】20141120
【審査請求日】2015年1月7日
(31)【優先権主張番号】10-2013-0055870
(32)【優先日】2013年5月16日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】514323707
【氏名又は名称】コン ジン カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】ユン,キュ ジュン
【審査官】 小野 郁磨
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭60−129460(JP,U)
【文献】 実公平03−002610(JP,Y2)
【文献】 実公昭50−021037(JP,Y1)
【文献】 実公昭49−047359(JP,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 65/00−65/10
E05B 15/02
F25D 23/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷凍冷蔵庫用扉の側面パネルの表面にボルトで固定される底面フレーム(11)と、前記底面フレーム(11)を外部から取り外せなくするために前記ボルトを覆い隠すように、前記底面フレーム(11)に係合された筐体(15)と、および、前記筐体(15)の前面にボルトで取り付けられたストライカ(19)とを有するキャッチャ(10)であって、前記筐体(15)及び前記底面フレーム(11)はヒンジ軸(H)で係合されることにより前記筐体(15)が背面に回転可能であり、扉用施解錠装置(1)の係止金具(2)を固定するキャッチャ(10)と、
前記底面フレーム(11)の底面に固定フレーム(21)がボルトで取着されてヒンジ軸(H)の下端部を支持し、前記固定フレーム(21)と底面フレーム(11)との間に施錠部材(24)及び回転カム(22)が配設されて前記回転カム(22)の回転により前記施錠部材(24)の前面の端部が前記筐体(15)の内側に嵌め込まれると、前記筐体(15)が前記底面フレーム(11)に固定され、前記施錠部材(24)の前面の端部が前記筐体(15)の内側から取り外されると、前記筐体(15)が前記底面フレーム(11)から取り外され、前記回転カム(22)の底面には側面パネルの内側に固定された内部ハンドル(25)の回転軸(26)を係合し、前記内部ハンドル(25)及び前記回転軸(26)と前記回転カム(22)が回転すると、前記施錠部材(24)が背面に移動底面フレーム(11)に固定された筐体(15)がヒンジ軸(H)を中心として取り外されながら扉用施解錠装置(1)の係止金具(2)から筐体(15)のストライカ(19)が解放されて冷凍冷蔵庫に閉じ込められているユーザーを外部に脱出可能にする解放手段(20)と、
を備えることを特徴とする冷凍冷蔵庫用キャッチャの解放装置。
【請求項2】
前記底面フレーム(11)の上部の両側面に固定孔(11a)が形成されて側面パネルボルトで固定され、前記底面フレーム(11)の下端部に摺動溝(12)が形成されて施錠部材(24)が出没動作し、前記摺動溝(12)の背面の両側にバネ載置溝(12a)が形成されて施錠部材(24)の背面をバネ(S)が弾力的に支持し、前記摺動溝(12)の内側に嵌合溝(12b)が形成されて回転カム(22)の上部が係合され、前記底面フレーム(11)の背面の内側にはヒンジ軸(H)の上端部が支持されるようにヒンジ上部載置部(13)が形成され、前記底面フレーム(11)の前面には筐体(15)の一方の端が密着されるように載置部(14)が形成されることを特徴とする請求項1に記載の冷凍冷蔵庫用キャッチャの解放装置。
【請求項3】
前記筐体(15)は、底面フレーム(11)とヒンジ軸(H)で係合するように内側の背面に回転フレーム(16)が突出され、前記筐体(15)の前面には施錠フランジ(17)が下側に突出されて固定フレーム(21)の載置部(14)に密着され、前記施錠フランジ(17)の背面の内側に施錠溝(17a)が形成されて施錠部材(24)の一方の端が嵌め込まれ、前記筐体(15)の前面の内側に収容部(18)が形成されてストライカ(19)が配設されるが、前記ストライカ(19)は上下に位置を調節するように筐体(15)の収容部(18)の内側に第1の位置調節孔(18a)及び複数のボルト孔(18b)が形成され、前記ストライカ(19)の内側に第2の位置調節孔(19a)及び複数のボルト孔(19b)が形成されて互いにボルトで固定され、前記ストライカ(19)の前面にローラー(19c)が取着されることを特徴とする請求項1に記載の冷凍冷蔵庫用キャッチャの解放装置。
【請求項4】
前記固定フレーム(21)は底面フレーム(11)の摺動溝(12)が密閉されるように複数のボルトで固定され、前記固定フレーム(21)の背面にヒンジ軸(H)の下端部が支持されるようにヒンジ下部載置部(21a)が形成され、前記固定フレーム(21)の内側に回転カム(22)の下端部が突出されるようにカム孔(21b)が形成されることを特徴とする請求項1に記載の冷凍冷蔵庫用キャッチャの解放装置。
【請求項5】
前記回転カム(22)は上部に半円形の回転突起(23)が突出されて固定フレーム(21)の上端部に密着され、前記回転突起(23)の上部に嵌合突起(23a)が突出されて底面フレーム(11)の嵌合溝(12b)に係合されて回転し、前記回転カム(22)の回転突起(23)が内部に嵌め込まれるように施錠部材(24)の内側に押付誘導溝(24a)を形成し、前記施錠部材(24)の前面に施錠突起(24b)が突出されて底面フレーム(11)の摺動溝(12)の前面に突出されて筐体(15)の施錠溝(17a)に嵌め込まれることを特徴とする請求項1に記載の冷凍冷蔵庫用キャッチャの解放装置。
【請求項6】
前記内部ハンドル(25)の回転軸(26)及び回転カム(22)の内部は、矩形状を呈することを特徴とする請求項1に記載の冷凍冷蔵庫用キャッチャの解放装置。
【請求項7】
前記筐体(15)の内部に押付柱(31)を形成し、前記押付柱(31)の下端部は底面フレーム(11)の上端部と密着されるように突出され、前記押付柱(31)と底面フレーム(11)との間に弾性部材(30)がさらに配設されることを特徴とする請求項1に記載の冷凍冷蔵庫用キャッチャの解放装置。
【請求項8】
前記弾性部材(30)は押付柱(31)の底面に押付突起(32)を形成し、前記押付突起(32)と対応する底面フレーム(11)の上端部に弾性ゴム(33)を取着して、施錠部材(24)が筐体(15)から取り外されると、弾性ゴム(33)の弾性力により筐体(15)がヒンジ軸(H)を中心として弾力的に回転できるようにしたことを特徴とする請求項7に記載の冷凍冷蔵庫用キャッチャの解放装置。
【請求項9】
前記筐体(15)の押付柱(31)の内側にバネ溝(35)を形成し、前記バネ溝(35)に弾性バネ(36)が一方の端が密着され、他方の端は底面フレーム(11)と弾力的に密着されるように第2の弾性部材(34)をさらに備えることを特徴とする請求項7に記載の冷凍冷蔵庫用キャッチャの解放装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷凍冷蔵庫用キャッチャの解放装置に係り、さらに詳しくは、キャッチャが配設される側面パネルの内側にキャッチャと連結される解放装置を配設してユーザーが冷凍冷蔵庫に閉じ込められる場合に扉用施解錠装置とは別途にキャッチャの解放装置の内部ハンドルを回転させる動作だけでキャッチャが扉用施解錠装置から取り外されて扉が速やかに開かれるようにした冷凍冷蔵庫用キャッチャの解放装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、冷凍冷蔵庫は、冷蔵及び冷凍が求められる物品などを一時的にまたは長期的に安全に保管して腐敗を防ぐために用いられており、扉パネルにはケースの内部にハンドル及び係止金具が配設された扉用施解錠装置が固定され、反対側の側面パネルにはキャッチャが取着されてキャッチャの前面に配設されるストライカに係止金具が固定されて扉が施錠状態を維持する。
【0003】
従来の扉用施解錠装置のハンドルは、扉パネルにケースを取り付け、このケースにピン軸で連結されるハンドルに作動レバーが取着されて前記作動レバーの一方の端がラッチと連結され、前記ラッチは弾性バネにより支持されて往復動可能であり、前記ケースの両側には扉パネルにボルトやリベットで固定するための固定孔がフレームに形成されており、ケースの底面には底板が複数のボルトで組み付けられるような構造を有する。
【0004】
例えば、下記の特許文献1に記載の従来の冷凍冷蔵庫の扉用施解錠装置について述べると、同装置は、冷凍及び冷蔵チャンバに配設されたストライカに対応するロックがハンドルの調整により調整される扉用施解錠装置において、所定の領域の収容空間に内蔵され、前記ストライカを配設する支持板を隠蔽する折曲部により収容部からなるキャッチャと、前記ストライカに対応して冷凍及び冷蔵チャンバの内外側において所定の範囲を旋回するフィンガの運動量を調節する外部ハンドルトが外部ハンドルと向かい合う個所において内側ハンドルと連結されたトリガの回転動作により作動プレートの直線往復動を誘導する開閉手段と、前記外部ハンドルが施錠された状態に影響を受けることなく冷凍及び冷蔵チャンバの内側に配置され、トリガを連結する回転軸が嵌め込まれた内部ハンドルと、前記トリガに対応する前記作動プレートを底板に密着させて配置した解放手段と、前記開閉手段を収容するロックボックスに前記外部ハンドルを固定する施錠手段と、を備えることを特徴としているが、従来の冷凍冷蔵庫の扉用施解錠装置は、冷凍冷蔵庫にユーザーが閉じ込められる場合に作業者が内部ハンドルを回転させると、回転軸及びトリガの回転運動により作動プレート及びラッチが直線往復動をしながらラッチと連結されたフィンガがストライカから離脱して扉を開く解放手段の結合構造が複雑であり、取付け及び取り外し作業を行うことが困難であるため生産性が低下するという欠点がある。
【0005】
従来のキャッチャは、側面パネルに強固に固定された状態を維持しているため、内部ハンドル及び回転軸の回転作業が行われないため扉を全く開くことができないという問題点がある。
【0006】
従来の解放手段は、内部ハンドル及び回転軸の作動により、トリガと、作動プレートと、ラッチ及びフィンガの有機的な係合により連増して作動される構成が複雑であり、従来の扉用施解錠装置と連結される解放手段のコストが高いため解放手段を取り外して用いる場合があるが、このように解放手段の内部ハンドルの配設を省略する場合、冷凍冷蔵庫にユーザーが閉じ込められてしまうという問題があり、しかも、従来の扉用施解錠装置及びキャッチャは、全体的な組立て難さ及びメンテナンスのし難さにより製品のコスト及びメンテナンスコストが高騰するという問題がある。
【0007】
従来の扉用施解錠装置及びキャッチャの最大の問題は、他人が外部ハンドルが施錠されていることを知らずに強制的に外部ハンドルを引っ張る過程で外部ハンドルのヒンジ軸が破損されるとともにラッチの作動も行い難くなるため、内部ハンドルを回転させることができなければ、冷凍冷蔵庫にユーザーが閉じ込められる場合に外部に脱出することができなくなるということである。
【0008】
例えば、下記の特許文献2に記載の冷凍冷蔵庫の扉用キャッチャは、扉用施解錠装置1の一方の端部が収容されるように嵌入溝12が形成され、嵌入溝12の内部には側面に第1の係合孔14aが形成されたストライカ配設部14が一体に突設され、底面16に第2の係合孔16aが形成される胴体10と、前記ストライカ配設部14の第1の係合孔14aにボルトBで係合されるように第3の係合孔22が形成され、先端部に扉用施解錠装置1と係脱される係止爪24が形成されるストライカ20と、を備えることを特徴としているが、従来のほとんどのキャッチャは、側面パネルに固定された状態を維持しているだけであり、別途の解錠装置が存在しないため使用の幅が広くないという欠点があり、しかも、外部ハンドルの作動によりラッチが直線運動しながらフィンガを回転させる構造や、外部ハンドルの作動によりラッチの係止金具が直線運動しながらストライカから離脱される様々な従来の扉用施解錠装置に制限なしに適用することができないという欠点があるため、扉用施解錠装置の構造に応じて従来のキャッチャの構造及び係合方式を異ならせて製作せねばならないという煩雑さがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】大韓民国登録特許第10−0321873号
【特許文献2】大韓民国実用新案公開第20−2010−0012567号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は上述した従来の問題を解消するために案出されたものであり、その目的は、冷凍冷蔵庫用扉の側面パネルにボルトで固定される底面フレームを外部から強制的に取り外せないように筐体を係合して外観の見栄えを高め、前記底面フレーム及び筐体をヒンジ軸で係合しながら底面フレームと連結されるように側面パネルの内側に解放装置を配設して、冷凍冷蔵庫にユーザーが閉じ込められる場合に、扉用施解錠装置とは別途に解放装置を作動させると、筐体がヒンジ軸を中心として背面に回転しながら扉用施解錠装置の係止金具からキャッチャが取り外されて扉を速やかに開くようにした冷凍冷蔵庫用キャッチャの解放装置を提供することである。
【0011】
本発明の他の目的は、キャッチャの全体的な構造を改善して種々の扉用施解錠装置に適用可能であることから使用範囲を拡大することができ、冷凍冷蔵庫にユーザーが閉じ込められる場合に扉用施解錠装置に連結された解放手段の配設作業を省略した従来の扉用施解錠装置に本発明のキャッチャを適用して冷凍冷蔵庫にユーザーが閉じ込められるという問題を速やかに解消することのできる冷凍冷蔵庫用キャッチャの解放装置を提供することである。
【0012】
本発明のさらに他の目的は、扉用施解錠装置に別途の解放手段を取着するための複雑な組立て構成と有機的な係合関係を省略することができることから、製品のコスト及びメンテナンスコストを節減することのできる冷凍冷蔵庫用キャッチャの解放装置を提供することである。
【0013】
本発明のさらに他の目的は、側面パネルの内側に取着される内部ハンドル及び回転軸の回転につれて底面フレームと固定フレームとの間に配設された回転カムが回転しながら施錠部材を背面に移動させて底面フレームに固定された筐体がヒンジ軸を中心として背面に回転しながら扉を開くことができ、特に、筐体の内部及び底面フレームの上部に弾性部材をさらに形成して扉を開くときに筐体がヒンジ軸を中心として速やかに回転されるようにした冷凍冷蔵庫用キャッチャの解放装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の本発明の目的を達成するために、本発明に係る冷凍冷蔵庫用キャッチャの解放装置は、冷凍冷蔵庫用扉の側面パネルにボルトで固定される底面フレームを外部から取り外せないように筐体が係合され、前記筐体及び底面フレームはヒンジ軸で係合して筐体が背面に回転可能であり、前記筐体の前面にはストライカがボルトで取着されて扉用施解錠装置の係止金具を固定するキャッチャと、前記底面フレームの底面に固定フレームがボルトで取着されてヒンジ軸の下端部を支持し、前記固定フレームと底面フレームとの間に施錠部材及び回転カムが配設されて回転カムの回転により施錠部材の一方の端が筐体の内側において出没動作をしながら底面フレームに筐体を固定し、前記回転カムの底面には側面パネルの内側に固定された内部ハンドルの回転軸を係合し、前記内部ハンドル及び回転軸の回転により回転カムが回転しながら施錠部材を背面に移動させて底面フレームに固定された筐体が回転軸を中心として取り外されながら扉用施解錠装置の係止金具から筐体のストライカが解放されて冷凍冷蔵庫に閉じ込められているユーザーを外部に脱出可能にする解放手段と、を備えることを特徴とする。
【0015】
本発明に係る冷凍冷蔵庫用キャッチャの解放装置は、底面フレーム及び筐体の内部に弾性部材をさらに形成して、筐体がヒンジ軸を中心として回転するときに弾性部材の弾性力により背面に速やかに開かれるようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、冷凍冷蔵庫にユーザーが閉じ込められる場合に扉用施解錠装置に連結された解放手段を用いることなくキャッチャの解放装置を作動させて速やかに扉を開くことができるという効果がある。
【0017】
本発明によれば、キャッチャの構造を改善して冷凍冷蔵庫の扉用施解錠装置に別途の解放手段が取着される構造や、解放手段の配設作業を省略した従来の扉用施解錠装置に制限なしに適用可能であることから、製品のコストを節減することができ、しかも、キャッチャの使用範囲を拡大して生産性を向上させることができるという効果がある。
【0018】
本発明によれば、冷凍冷蔵庫の側面パネルにボルトで固定される底面フレームを外部から強制的に取り外せないように筐体を係合して外観の見栄えを高めることができ、底面フレーム及び筐体がヒンジ軸で係合される構造が外部から視認されないためヒンジ軸を強制的に取り外すことができず、特に、底面フレームと連結されるように側面パネルの内側に形成される解放装置の内部ハンドル及び回転軸を回転させると、底面フレームと固定フレームとの間に配設された回転カムが回転しながら施錠部材を背面に移動させて底面フレームに固定された筐体がヒンジ軸を中心として背面に回転しながら扉用施解錠装置の係止金具からストライカが取り外されて扉が速やかに開かれるという効果がある。
【0019】
本発明によれば、筐体がヒンジ軸を中心として回転するときに底面フレームに固定された筐体が速やかに回転されるように筐体の内部及び底面フレームの上部に弾性部材をさらに配設して弾性部材の弾性力により筐体が速やかに回転することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明に係るキャッチャの係合状態の斜視図である。
図2】本発明に係るキャッチャの分解状態の斜視図である。
図3】本発明に係るキャッチャの底面状態を示す斜視図である。
図4】本発明に係るキャッチャの係合状態の断面図である。
図5】本発明に係るキャッチャの作動状態の断面図である。
図6】本発明に係る第2の弾性部材の係合状態の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付図面に基づき、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0022】
図1から図6を参照すると、本発明に係る冷凍冷蔵庫用キャッチャの解放装置は、冷凍冷蔵庫の側面パネルに固定される底面フレーム11の上部に筐体15がヒンジ軸Hで係合され、前記筐体15の前面にストライカ19がボルトで固定されるキャッチャ10と、前記底面フレーム11と連結されるように側面パネルの内側に内部ハンドル25及び回転軸26からなる解放手段20を配設するが、前記解放手段20は底面フレーム11と固定フレーム21との間に回転軸26につれ回転する回転カム22が配設され、前記回転カム22の回転により施錠部材24が出没動作をしながら筐体15がヒンジ軸Hを中心として背面に移動して筐体15のストライカ19が扉用施解錠装置10の係止金具2から取り外されて扉が開かれるように構成される。
【0023】
前記冷凍冷蔵庫の扉パネルに固定される扉用施解錠装置1に対応するように配設されるキャッチャ10は、冷蔵庫及び冷蔵庫の側面パネルに底面フレーム11の底面が密着されて底面フレーム11の上部の両側面に形成された固定孔11aにボルトが係合されて固定され、前記底面フレーム11の下端部には摺動溝12が形成されて後述する施錠部材24が嵌め込まれて前面及び背面に出没動作し、前記施錠部材24の出没動作に際して元の位置に戻るように摺動溝12の背面の両側にはバネSが組み込まれるようにバネ載置溝12aが形成されて後述する施錠部材24の背面を弾力的に支持する。
【0024】
前記摺動溝12の内側には嵌合溝12bが形成されて後述する回転カム22の嵌合突起23aが嵌め込まれて回転し、前記底面フレーム11の背面の内側にはヒンジ軸Hの上端部が支持されるように半円形を呈するヒンジ上部載置部13が両側面に一体に形成されるが、前記ヒンジ上部載置部13は途中部が貫通されるように折り曲げられて後述する回転フレーム16が嵌め込まれてヒンジ軸Hで係合し、前記底面フレーム11の前面には内側に溝が凹設された載置部14が形成されて後述する筐体15の施錠フランジ17が密着され、前記底面フレーム11の上部には筐体15を係合するが、前記筐体15は底面フレーム11の上部に露出されたボルトが外部から視認されないように係合し、特に、外部から底面フレーム11を強制的に取り外せないように底面フレーム11の内部を取り囲むように筐体15が配設されて底面フレーム11及び筐体15はヒンジ軸Hにより嵌合する。
【0025】
前記筐体15の内側の背面には回転フレーム16が下端部に突出されて底面フレーム11のヒンジ上部載置部13の途中部に嵌め込まれてヒンジ軸Hで互いに固定され、前記ヒンジ軸Hは、後述する固定フレーム21の係合により外部に露出されることが遮断され、前記筐体15の前面には施錠フランジ17が下端部に突出されて底面フレーム11の載置部14に密着され、前記施錠フランジ17の背面の内側には施錠溝17aが形成されて後述する施錠部材24の一方の端が嵌め込まれて底面フレーム11に筐体15が固定された状態を維持し、前記筐体15の前面の内側には収容部18が形成されて内側にストライカ19がボルトで取着される。
【0026】
ここで、前記筐体15の収容部18に取着されるストライカ19が上下に昇降作動しながら位置を調節するように収容部18の内側には第1の位置調節孔18a及び複数のボルト孔18bが形成され、これに対応するストライカ19の内側には第2の位置調節孔19a及び複数のボルト孔19bが形成されてストライカ19の高さを調節した後にボルトで固定され、前記ストライカ19の前面の上部にはローラー19cが軸で係合して扉パネルに固定された扉用施解錠装置1の係止金具2がローラー19cの内側に固定されて扉の施錠状態を維持する。
【0027】
前記筐体15のストライカ19が扉用施解錠装置1の係止金具2から取り外されるように冷凍冷蔵庫の側面パネルの内側に配設される解放手段20は、前記底面フレーム11の摺動溝12が密閉されるように複数のボルトで固定フレーム21が取着され、前記固定フレーム21の背面にはヒンジ軸Hの下端部が支持されるようにヒンジ下部載置部21aが形成されてヒンジ軸Hを強固に支持しながらヒンジ軸Hが外部に露出されることを防ぎ、前記固定フレーム21の内側にカム孔21bが形成されて回転カム22の下端部が貫通され、前記回転カム22の上端部には半円形を呈する回転突起23が突出されて固定フレーム21の上部と密着された状態を維持し、前記回転突起23の上部の中央に形成された嵌合突起23aは底面フレーム11の嵌合溝12bに係合して回転カム22を回転可能にし、前記回転突起23の周面には施錠部材24の内側に形成された押付誘導溝24aが配設されており、前記施錠部材24は摺動溝12に載置された状態で半円形を呈する回転突起23に押付誘導溝24aが密着されて施錠部材24の固定状態を維持し、このとき、回転突起23が回転すると、回転突起23の先端部が押付誘導溝24aの背面を押し付ける動作により施錠部材24を直線往復動させ、前記施錠部材24の前面には施錠突起24bが突出されて施錠フランジ17の施錠溝17aに嵌め込まれて底面フレーム11及び筐体15が強固に固定された状態を維持する。
【0028】
一方、前記キャッチャ10が固定される側面パネルの内側には内部ハンドル25及び回転軸26が配設されて回転軸26の先端が回転カム22の内部に嵌合して冷凍冷蔵庫の内部にユーザーが閉じ込められる場合に内部ハンドル25を回転させると、回転軸26及び回転カム22が回転しながら回転突起23が押付誘導溝24aを背面に移動させて施錠部材24の施錠突起24bが施錠溝17aから引き抜かれながら筐体15がヒンジ軸Hを中心として回転することが可能になり、このとき、筐体15に取着されたストライカ19のローラー19cが扉用施解錠装置1の係止金具2から取り外されて扉が開かれる。
【0029】
前記筐体15がヒンジ軸Hを中心として底面フレーム11の背面に回転する条件下で筐体15が速やかに回転するように前記筐体15の内部に押付柱31を突出させ、前記押付柱31の底面には押付突起32を突設し、前記押付突起32が配設される底面フレーム11の上端部に弾性ゴム33製の弾性部材30をさらに配設して施錠部材24の施錠突起24bが施錠溝17aから引き抜かれるとともに、弾性ゴム33を押し込んでいた押付突起32が弾性力によりはじかれながら筐体15が一層速やかに回転して扉を開く。
【0030】
さらに、前記弾性部材30の弾性力を一層強化させるために押付柱31の両側の内側にバネ溝35を形成し、前記バネ溝35には弾性バネ36製の第2の弾性部材34を選択的に適用して弾性バネ36の弾性力により筐体15が一層速やかに回転して扉を開くようにする。
【0031】
上記の構成を有する本発明に係る冷凍冷蔵庫用キャッチャの解放装置は、下記のようにして作動される。
【0032】
冷凍冷蔵庫は、冷蔵及び冷凍が求められる物品などを一時的にまたは長期的に安全に保管して腐敗を防ぐために用いられるが、一般に、作業者が扉を開くためには、扉用施解錠装置1に形成されたハンドル(図示せず)を引っ張ると、ハンドルとともにラッチの係止金具2が背面に移動しながらキャッチャ10のストライカ19から係止金具2が取り外されて扉が開かれるが、本発明のキャッチャ10に適用される扉用施解錠装置10は、冷凍冷蔵庫にユーザーが閉じ込められる場合にこれを解放するための別途の解放手段が配設されている扉用施解錠装置や、別途の解放装置が配設されていない従来の通常の扉用施解錠装置1に適用可能であるという特徴があり、冷凍冷蔵庫にユーザーが閉じ込められる場合に作業者は側面パネルに配設された内部ハンドル25を回転させる動作だけで回転軸26及び回転カム22が一緒に回転され、前記回転カム22の回転突起23が回転しながら押付誘導溝24aが同時に背面に移動され、このとき、施錠部材24の施錠突起24bが筐体15の施錠溝17aから引き抜かれながら筐体15がヒンジ軸Hを中心として背面に回転してストライカ19のローラー19cが施錠装置1の係止金具2から取り外されて扉を速やかに且つ手軽に開くことができるという特徴がある。
【0033】
一方、筐体15がヒンジ軸Hを中心として回転する過程で弾性部材30の弾性力により筐体15が一層速やかに回転することができ、作業条件や作業現場に応じて第2の弾性部材34を付設して一層速やかに扉を開くことができる。
【0034】
前記筐体15は、底面フレーム11から取り外されて扉の開扉作業が完了すると、内部ハンドル25は、施錠部材24の背面に弾力的に支持しているバネSの弾性力により元の位置に戻って施錠部材24の施錠突起24bが前面に突出された状態を維持し、再び扉を施錠状態に維持するためには内部ハンドル25を回転させて施錠部材24の施錠突起24bが背面に移動した状態を維持した後、筐体15を元の位置に回転させておき、内部ハンドル25から手を離すと、施錠部材24はバネSの弾性力により前面に移動しながら施錠突起24bが施錠フランジ17の施錠溝17aに嵌め込まれて扉が施錠状態を維持する。
【0035】
上述した本発明に係る冷凍冷蔵庫用キャッチャの解放装置は、上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、以下の特許請求の範囲において請求する本発明の要旨から逸脱することなく本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者であれば誰でも種々に変更して実施できる範囲までその技術的精神がある。
【符号の説明】
【0036】
1:扉用施解錠装置
2:係止金具
10:キャッチャ
11:底面フレーム
11a:固定孔
12:摺動溝
12a:バネ載置溝
12b:嵌合溝
13:ヒンジ上部載置部
14:載置部
15:筐体
16:回転フレーム
17:施錠フランジ
17a:施錠溝
18:収容部
18a:第1の位置調節孔
18b:ボルト孔
19:ストライカ
19a:第2の位置調節孔
19b:ボルト孔
19c:ローラー
20:解放手段
21:固定フレーム
21a:ヒンジ下部載置部
21b:カム孔
22:回転カム
23:回転突起
23a:嵌合突起
24:施錠部材
24a:押付誘導溝
24b:施錠突起
25:内部ハンドル
26:回転軸
30:弾性部材
31:押付柱
32:押付突起
33:弾性ゴム
34:第2の弾性部材
35:バネ溝
36:弾性バネ
H:ヒンジ軸
S:バネ
図1
図2
図3
図5
図6
図4