(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6074953
(24)【登録日】2017年1月20日
(45)【発行日】2017年2月8日
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
G09F 9/30 20060101AFI20170130BHJP
G09G 3/04 20060101ALI20170130BHJP
G09F 9/33 20060101ALI20170130BHJP
G09F 9/302 20060101ALI20170130BHJP
【FI】
G09F9/30 342
G09G3/04 S
G09G3/04 K
G09G3/04 U
G09F9/33
G09F9/302 Z
【請求項の数】3
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2012-190802(P2012-190802)
(22)【出願日】2012年8月31日
(65)【公開番号】特開2014-48437(P2014-48437A)
(43)【公開日】2014年3月17日
【審査請求日】2015年8月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004709
【氏名又は名称】株式会社ノーリツ
(74)【代理人】
【識別番号】100099977
【弁理士】
【氏名又は名称】佐野 章吾
(74)【代理人】
【識別番号】100104259
【弁理士】
【氏名又は名称】寒川 潔
(72)【発明者】
【氏名】小野 秀
【審査官】
田辺 正樹
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭57−008592(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2009/0109802(US,A1)
【文献】
特開2005−046546(JP,A)
【文献】
特開平09−097031(JP,A)
【文献】
実開昭60−021773(JP,U)
【文献】
特開昭49−120599(JP,A)
【文献】
実開平03−060393(JP,U)
【文献】
国際公開第00/054015(WO,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2008/0048933(US,A1)
【文献】
特開2001−022299(JP,A)
【文献】
特開2008−228952(JP,A)
【文献】
特開平04−152385(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2001/0002637(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F9/00−9/46
G09G3/00−3/38
H01L27/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1桁の数字を7セグメントの発光部を用いて表示する表示部を備えた表示装置において、
複数桁の数字を表示させるにあたり、隣接する桁の上位桁表示用の右辺を構成する発光部と下位桁表示用の左辺を構成する発光部とを共用することによって発光部を田の字状に配置してなる表示部と、
数字情報を認識できるように前記発光部の発光を制御する制御部と、
前記表示部の表示方向を設定する表示設定部とを備えてなり、
前記制御部は、前記表示設定部により設定された表示方向に応じて、前記表示部に表示する数字の向きを変更する制御構成を備えた
ことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記表示部において複数桁の数字を表示するにあたり、上位桁および下位桁の数字を交互に発光させて複数桁の数字を表示する制御構成を備えていることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記表示部において複数桁の数字を表示するにあたり、上位桁から下位桁にかけての数字を発光部の発光によってスクロール表示させる制御構成を備えていることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は表示装置に関し、より詳細には、給湯装置のリモコンなどにおいて給湯設定温度などの表示に用いられる表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、給湯装置のリモコンなどにおいては、給湯設定温度などの数値情報を表示するための表示装置が備えられている。このような表示装置としては、たとえば、文字や図形の表示が可能な液晶ディスプレイを用いることも可能であるが、主として給湯設定温度のような数値情報のみを表示する簡易な構成の表示装置においては、7セグメントLED・ディスプレイが好適に採用されている。
【0003】
図6は、このような7セグメントLED・ディスプレイを用いた表示装置を示しており、この
図6に示すように、この種の表示装置においては、10の位および1の位のそれぞれに7セグメントの発光部a(LEDを光源とする発光部)を用いて、これら発光部aを適宜発光させることによって給湯設定温度などの数値情報を表示するように構成されている(たとえば、特許文献1の
図2参照)。なお、
図6では、数値情報として「45」を発光表示させた場合を示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−51474号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このように各桁の数字をそれぞれ7セグメントLED・ディスプレイで表示する構成には以下のような問題があった。
【0006】
すなわち、このような構成の表示装置においては、各桁の数字を表示する7セグメントLED・ディスプレイはリモコンなどの筐体内に収容される電装基板にはんだ付けによって固定されることから、電装基板への7セグメントLED・ディスプレイの実装にあたっては、電装基板をリモコンなどの筐体内に収容した状態で7セグメントLED・ディスプレイに表示される数字が正しい向きとなるように(つまり、リモコンなどの取付方向に対応した向きで数字が表示されるように)、7セグメントLED・ディスプレイを電装基板に装着しなければならない。
【0007】
その一方で、この種の表示装置が備えられるリモコンなどにおいては、当該リモコンなどの取付位置等との関係から、縦横いずれの向きにも取付け可能な構造が望まれている。たとえば、給湯装置の台所リモコン(主として台所の壁面に設置されるリモコン)においては、ユーザの利き手やリモコンの設置場所の状況(たとえば、冷蔵庫などリモコン操作の邪魔になるものの有無)等に応じて、台所リモコンの取付方向をユーザが任意に選択できるようにしておくことが望まれている。すなわち、たとえば、
図7(a)〜(d)に示すように、ユーザの希望に応じてその取付方向を90°単位で変更可能なリモコンbの提供が望まれている。
【0008】
しかし、従来のように7セグメントLED・ディスプレイを電装基板に固定する構成では、リモコンの取付方向を任意に変更しようとしても、表示装置に表示される数字の向きが横向きになったり上下が逆転してしまうことから、取付方向の変更に対応することができないかった。なお、この点については、リモコンの取付方向ごとに異なる向きに7セグメントLED・ディスプレイを装着した電装基板を用意しておくことも考えられるが、それでは電装基板の種類が増えて製品コストの上昇を招くとともに、施工現場で電装基板の交換が必要となるため施工作業が煩雑となるといった問題がある。また、このほか各桁ごとに7セグメントLEDを用いるのは経済性の点で改善の余地があった。
【0009】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、電装基板の交換を要することなく縦横いずれの向きでも適正に数値情報を表示することができる表示装置を提供することにある。そして、このような表示装置を提供することにより、取付方向を任意に変更可能なリモコンを提供可能にする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明の請求項1に記載の表示装置は、1桁の数字を7セグメントの発光部を用いて表示する表示部を備えた表示装置において
、複数桁の数字を表示させるにあたり、隣接する桁の上位桁
表示用の右辺を構成する発光部と下位桁
表示用の左辺を構成する発光部とを
共用する
ことによって発光部を田の字状に配置してなる表示部と、
数字情報を認識できるように上記発光部の発光を制御する制御部と、上記表示部の表示方向を設定する表示設定部とを備えてなり、上記制御部は、上記表示設定部により設定された表示方向に応じて、上記表示部に表示する数字の向きを変更する制御構成を備えたことを特徴とする。
【0011】
すなわち、この請求項1に係る表示装置では、複数桁の数字を表示させるにあたり、隣接する桁の上位桁
表示用の右辺を構成する発光部と下位桁
表示用の左辺を構成する発光部とを
共用する
ことによって発光部を田の字状に配置しているので、各桁の表示に7セグメント・ディスプレイを用いる場合に比して発光部の数を少なくすることができる。たとえば、2桁の数字を表示させる場合、本発明では発光部が「田」の字状に配置される。そのため、各桁ごとに7セグメント・ディスプレイを配置する場合に14個必要とされていた発光部を12個で済ますことができ、経済性に優れた表示装置を提供することができる。
【0012】
また、上位桁の右辺を構成する発光部と下位桁の左辺を構成する発光部とを共有することによって発光部を「田」の字状に配置することにより、数字を左右に90°回転させて横向きに表示させたり、180°回転させて天地逆に表示させるなどの様々な表示を行うことができるようになる。
【0014】
また、発光部の発光を制御する制御
部が、表示部の表示方向を設定する表示設定
部の設定に応じて、表示部に表示される数字の向きを変更するようになっているので、たとえば、表示設定
部において表示方向を左(または右)に90°回転させる設定が行われた場合には、制御部はこの設定に応じて数字を左(または右)に90°回転させて横向きに表示する。また、表示設定
部において表示方向を180°回転させる設定が行われた場合には、制御部はこの設定に応じて数字を180°回転させて天地逆に表示する。そのため、
本発明に係る表示装置では、当該表示装置が搭載された機器が横向きや天地逆に配置されても、表示設定
部の設定変更によって機器の配置された向きに応じた表示を行うことができる。
【0015】
本発明の請求項
2に記載の表示装置は、請求項
1に記載の表示装置において、上記制御部は、上記表示部において複数桁の数字を表示するにあたり、上位桁および下位桁の数字を交互に発光させて複数桁の数字を表示する制御構成を備えていることを特徴とする。
【0016】
すなわち、この請求項
2に係る表示装置では、たとえば、2桁の数字を表示させる場合、10の位の数字を表示する7セグメントの発光部のうちの右辺の2セグメントと1の位の数字を表示する7セグメントの発光部のうちの左辺の2セグメントとが共用されるので、10の位と1の位の数字を同時に発光させると2つの数字の一部が重なって表示されて判読困難になるおそれがある。そのため、この請求項
2に係る表示装置では、上位桁および下位桁の数字を交互に発光させることによって、10の位の数字と1の位の数字とが重なって表示されるのを回避し、両桁の数字が判読できるようにしている。
【0017】
本発明の請求項
3に記載の表示装置は、請求項
1に記載の表示装置において、上記制御部は、上記表示部において複数桁の数字を表示するにあたり、上位桁から下位桁にかけての数字を発光部の発光によってスクロール表示させる制御構成を備えていることを特徴とする。
【0018】
すなわち、この請求項
3に係る表示装置では、複数桁の数字を表示させるにあたり、上位桁の数字から下位桁の数字を順次左右にスライドさせながらスクロール表示するので、桁数の多い数字であっても表示することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、1桁の数字を7セグメントの発光部を用いて表示する表示部を備えた表示装置において、上記表示部は、複数桁の数字を表示させるにあたり、隣接する桁の上位桁
表示用の右辺を構成する発光部と下位桁
表示用の左辺を構成する発光部とを
共用する
ことによって発光部を田の字状に配置する構成を備えていることから、各桁の表示に7セグメント・ディスプレイを用いる場合に比して、発光部の数を少なくし、経済性に優れた表示装置を提供することができる。
【0020】
また、上位桁の右辺を構成する発光部と下位桁の左辺を構成する発光部とを共有することにより、数字を左右に90°回転させて横向きに表示させたり、180°回転させて上下を反転させて表示させることができる。そのため、取付方向を任意に変更可能なリモコンなどを電装基板の交換を伴わずに安価に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明に係る表示装置を備えたリモコンの概略構成を示すブロック図である。
【
図2】本発明に係る表示装置の表示部の一例を示す説明図であり、
図2(a)は同表示部における発光部の配置例を示しており、また、
図2(b)は同表示部で2桁の数字を同時に発光表示させた場合の一例を示している。
【
図3】同表示装置において2桁の数値情報を表示する方法の一例を示す説明図であり、
図3(a)は同表示装置を用いて数値情報の10の位を、また、
図3(b)は同表示装置を用いて数値情報の1の位をそれぞれ表示した状態を示している。
【
図4】同表示装置において2桁の数値情報を表示する方法の他の一例を示す説明図であり、
図4(a)は同表示装置を用いて数値情報の10の位を、また、
図4(b)は同表示装置を用いて数値情報の1の位をそれぞれ表示した状態を示している。
【
図5】同表示装置において2桁の数値情報を表示する方法の他の一例を示す説明図である。
【
図6】従来の表示装置(7セグメントLED・ディスプレイ)の一例を示す説明図である。
【
図7】給湯装置の台所リモコンの取付方向の変更例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
実施形態1
図1は本発明に係る表示装置を備えたリモコンの概略構成を示している。この
図1に示すリモコン1は、図示しない給湯装置を遠隔操作するための操作装置であって、給湯設定温度などの数値情報を表示するための表示手段として本発明に係る表示装置を備えている。
【0023】
具体的には、このリモコン1は、
図1に示すように、操作部2と、制御部3と、通信部4と、表示部5と、表示方向設定部(表示設定手段)6とを主要部として構成されている。
【0024】
操作部2は、給湯装置に対する遠隔操作やリモコン1に対する各種設定操作などを入力するための入力手段であって、図示しない複数の操作スイッチで構成されており、これら操作スイッチに対する操作が上記制御部3に入力されるようになっている。なお、この操作部2としてリモコン1に備えられる操作スイッチとしては、たとえば、
図7に示すように、給湯装置を給湯待機状態(所定流量以上の通水検知を条件に給湯動作が開始され得る状態)にするための「運転スイッチ」や、給湯装置の給湯設定温度を設定・変更する「温度設定スイッチ」(
図7で三角形の図形を付したスイッチ)などが備えられている。
【0025】
制御部3は、リモコン1の各部を制御するための制御手段であって、制御中枢として図示しないマイコンを備えており、このマイコンに備えられた制御プログラムに基づいてリモコン1の制御を行うようになっている。具体的には、この制御部3は、たとえば、給湯装置の遠隔操作に関連して、上記操作部2での入力操作に応じて給湯装置に対する制御信号(給湯装置を遠隔操作するための制御信号)を生成し、上記通信部4を介して当該制御信号を給湯装置の制御部に対して送信するとともに、給湯装置の作動中などに該給湯装置の制御部から送信される制御信号(給湯装置の動作状況を示す制御信号)を通信部4を介して受信し、当該受信した制御信号を解析して表示部5に表示させるなどの処理を行うように構成されている。
【0026】
そして、本実施形態では、制御部3は、上記給湯装置の遠隔操作に関連して、上記操作部2において給湯設定温度が設定・変更された場合などに、給湯設定温度を表示部5に表示させる制御を行うように構成されている(詳細は後述する)。
【0027】
通信部4は、リモコン1と給湯装置の制御部(図示せず)との間で制御信号などの送受信を行う通信手段であって、この通信部4としては、たとえば、2芯の通信ケーブル7を介して給湯装置の制御部と通信する通信装置が用いられる。
【0028】
表示部5は、給湯設定温度などの数値情報を表示するための表示手段であって、本実施形態では、この表示部5は、上記給湯設定温度として2桁の数字(数値情報)を表示可能な表示器8を備えている。
【0029】
図2(a)は、この表示器8の概略構成の一例を示している。表示器8は、1桁の数字を7セグメントの発光部9,9…の点灯によって表示する表示器であって、本実施形態では、2桁の数字を表示可能とするにあたり、12セグメントの発光部9,9…を備えた表示器8が用いられている。具体的には、この表示器8は、
図2(a)に示すように、縦横2セグメントずつ発光部9を井桁状に配置して、発光部9が「田」の字状に配列されるように構成されいる。
【0030】
すなわち、7セグメントの発光部を用いて2桁の数字を表示する場合、通常は各桁ごとに「日」の字状に発光部を配列させた7セグメントの表示器を1組用いるが、本実施形態では、10の位(上位桁)の数字を表示する発光部の右側2セグメント(上位桁の右辺を構成する発光部)と、1の位(下位桁)の数字を表示する発光部の左側2セグメント(下位桁の左辺を構成する発光部)を共用するように表示器8を構成している。
【0031】
このように、本実施形態に示すリモコン1では、表示器8が上位桁の右辺を構成する発光部9と下位桁の左辺を構成する発光部9を共有し、発光部9が「田」の字状に配置されていることから、数字を左右に90°回転させて横向きに表示させたり、180°回転させて天地逆に表示させたりすることが可能となっている。
【0032】
なお、各発光部9は、
図2(a)に示すように,細長い略矩形状を呈するように構成されるが、これら各発光部9の下にはそれぞれ光源となるLED(発光ダイオード)が配置されており、このLEDの発光(点灯/消灯)が上記制御部3によって制御されるように構成されている。そして、このような発光部9を備えた表示器8は、リモコン1の筐体(図示せず)に収容される電装基板(図示せず)にはんだ付けによって固定的に取り付けられている。
【0033】
表示方向設定部6は、表示部5の表示方向を設定する表示設定手段であって、リモコン1の取付方向(たとえば、
図7(a)〜(d)に示す4方向)に応じて表示器8に表示させる数字の向きを制御部3に指示するように構成されている。具体的には、たとえば、この表示方向設定部6としては、ディップスイッチなどの手動スイッチ(手動スイッチの操作によって表示部5の表示方向を手動で設定する構成)や、リモコン1の取付方向を検出するセンサ(センサで検出されたリモコン1の取付方向から制御部3が表示部5の表示方向を自動で設定する構成)などが採用される。
【0034】
次に、このように構成されたリモコン1における表示部5の表示方法について説明する。
本実施形態に示すリモコン1では、表示器8に数字を表示させる場合、制御部3は、上記表示方向設定手段6の設定に応じて表示器8に表示させる数字の向きを設定する。すなわち、たとえば、リモコン1を左に90°回転させた状態で壁面に取り付ける場合、制御部3は、上記表示方向設定手段6の設定などに応じて、表示器8に表示される数字を右に90°回転させた状態、つまり、リモコン1を壁面に取り付けた状態で表示部5に表示される数字がユーザから見て正しい向き(表示される数字の天地が正常な向き)となるように表示器8における発光部9の点灯制御を行う。
【0035】
そして、この表示器8への数字の表示にあたっては、本実施形態に示すリモコン1は、上述したように、給湯設定温度などの数値情報を表示する表示器8の発光部9が、10の位の数字を表示する発光部9の右側の2セグメントと1の位の数字を表示する発光部9の左側の2セグメントとを共用するように構成しているので、このまま2桁の数字(たとえば、「45」)を表示させると、
図1(b)に示すように、数字の一部が重なって判読困難になってしまうことから、制御部3は、
図3に示すように、10の位(上位桁)の数字および1の位(下位桁)の数字を交互に発光させて2桁の数字を表示するように構成されている。
【0036】
たとえば、表示器8に「45」を表示させる場合、制御部3は、はじめに表示器8の左側の7セグメントの発光部9を用いて10の位の数字である「4」を表示させる。つまり、制御部3は、表示器8の左側の7セグメントにおいて数字の「4」に対応する発光部9を点灯させる(
図3(a)参照)。
【0037】
そして、10の位の数字の表示を一定時間(たとえば、0.1秒〜1秒程度)継続させると、当該表示を解除して(数字の「4」を表示する発光部9を消灯させて)、右側の7セグメントの発光部9を用いて1の位の数字である「5」を表示させる。つまり、今度は表示器8の右側の7セグメントにおいて数字の「5」に対応する発光部9を点灯させる(
図3(b)参照)。なお、このときの1の位の数字の表示も上述した10の位の数字の表示と同様に一定時間表示を行った後に解除する。
【0038】
そして、制御部3は、このように10の位の数字と1の位の数字をそれぞれ一定時間ずつ交互に繰り返し表示することで、表示器8を視認したユーザに数字の「45」を認識させる。つまり、10の位を左側に、1の位を右側に表示しながらこれらを交互に点灯させることにより、ユーザに2桁の数値情報を認識させる。なお、このとき10の位の数字と1の位の数字を表示させる期間(繰返し周期)が短くなりすぎるとユーザには数字の「4」と「5」が同時に表示されているように見えてしまう(
図2(b)参照)ので、このようなことが起きないように、10の位の数字と1の位の数字を表示する周期は数Hz以下程度に設定される。
【0039】
なお、上述した実施形態では、1の位(または10の位)の数字を表示するときには10の位(または1の位)の数字を消灯させる構成を示したが、たとえば、
図4に示すように、1の位(または10の位)の数字を表示するときには10の位(または1の位)の数字を明るさを押えた状態で点灯(中間点灯)させるように構成することもできる。このように、上位桁または下位桁の数字を表示するときに他方の桁の表示を中間点灯状態とすることで、発光部9の点滅に伴うちらつきを抑制することができる。
【0040】
このように、本実施形態に示すリモコン1では、表示部5の表示器8が、複数桁の数字を表示させるにあたり、隣接する桁の上位桁の右辺を構成する発光部9と下位桁の左辺を構成する発光部9とを共有する構成を備えていることから、各桁ごとに7セグメント・ディスプレイを配置する場合に比して発光部9の数を少なくすることができ、経済性に優れた構成を提供することができる。
【0041】
しかも、表示器8の発光部9が「田」の字状に配列されていることから、制御部3による制御によってこの表示器8に表示する数字を左右に90°回転させたり、180°回転させたりすることができる。そのため、表示器8が実装された電装基板を交換することなく、リモコン1の取付方向に合わせて適正な向きで数値情報を表示器8に表示させることができる。
【0042】
実施形態2
次に、本発明の第2の実施形態について
図5に基づいて説明する。
本実施形態に示すリモコン1は、表示部5における表示器8の表示方法を改変したものであって、その他の構成は上述した実施形態1に示すリモコン1と同様である。したがって、構成が共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
【0043】
本実施形態に示すリモコン1では、制御部3は、表示器8において複数桁の数字を表示させるにあたり、上位桁から下位桁にかけての数字を発光部9の発光によってスクロール表示させるように構成している。
【0044】
たとえば、表示器8に「45」を表示させる場合、
図5に示すように、制御部3は、「45」の数字が時間を追って右側の7セグメントから左側の7セグメントにかけて流れるように表示されるように発光部9の点灯制御を行う。これにより、ユーザは表示器8のスクロール表示を視認することによって「45」の数字を認識できるようになる。
【0045】
なお、このスクロール表示にあたっては、
図5では1の位の数字である「5」を表示した後に続けて10の位の数字を表示さえる構成を示しているが、10の位および1の位の数字を表示した後に、一定間隔のブランク(無表示)が介在するようにスクロール表示する構成としてもよい。
【0046】
なお、上述した実施形態は本発明の好適な実施態様を示すものであって、本発明はこれらに限定されることなく発明の範囲内で種々の設計変更が可能である。
【0047】
たとえば、上述した実施形態では、表示部5において数値情報を表示する表示器8の発光部9を12セグメントで構成して「田」の字状に配列した場合を示したが、発光部9の数を縦横に増やして12セグメント以上(たとえば、24セグメント)で構成することも可能である。なお、このように表示器8を構成する発光部9の数を増やすことで、リモコン1の取付方向が変更された場合でも2桁以上の数字(24セグメントの場合、3桁の数字)を取付方向に合わせて表示することができる。
【0048】
また、上述した実施形態では、発明に係る表示装置を給湯装置のリモコンに適用した場合を示したが、本発明は複数桁の数値情報を表示する表示装置であれば、リモコン以外の機器の表示装置にももちろん適用可能である。たとえば、操作部が給湯装置の本体に据え付けられる本体操作型の給湯装置において、当該給湯装置の本体に設けられる表示装置(表示器)にも適用することができる。これにより、本体操作型の給湯装置においても電装基板を交換することなく、表示装置における表示方向の変更を伴うデザイン変更を容易に行うことができる。
【0049】
また、上述した実施形態では、表示器8に数字を表示させた場合について説明したが、本発明は数字以外の文字(たとえば、A,b,c,d,E,F,Hなどの欧文字等)を複数桁で表示する場合にももちろん適用可能である。
【符号の説明】
【0050】
1 リモコン
2 操作部
3 制御部(制御手段)
4 通信部
5 表示部
6 表示方向設定部(表示設定手段)
7 通信ケーブル
8 表示器
9 発光部