特許第6075105号(P6075105)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6075105
(24)【登録日】2017年1月20日
(45)【発行日】2017年2月8日
(54)【発明の名称】半導体装置、半導体装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
   G11C 17/14 20060101AFI20170130BHJP
【FI】
   G11C17/06 B
【請求項の数】8
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-26687(P2013-26687)
(22)【出願日】2013年2月14日
(65)【公開番号】特開2014-157642(P2014-157642A)
(43)【公開日】2014年8月28日
【審査請求日】2015年11月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】514315159
【氏名又は名称】株式会社ソシオネクスト
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】小牧 正樹
【審査官】 酒井 恭信
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−016568(JP,A)
【文献】 特開2008−227049(JP,A)
【文献】 特開2011−204300(JP,A)
【文献】 特開2008−071819(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11C 17/06 − 17/14
G11C 29/00
H01L 21/82 − 21/8246
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のノードと第2のノードとの間に直列接続された一対のヒューズ素子を含む記憶セルと、
プログラム信号と入力データに基づいて、前記第1のノードと前記第2のノードの何れか一方のノードに書込電圧を印加し、前記第1のノードと前記第2のノードの何れか他方に前記書込電圧より低い第2の電圧を印加する第1の電圧印加回路と、
前記一対のヒューズ素子の間が接続された第3のノードに対して、読出電圧をリード信号に基づいて印加する第2の電圧印加回路と、
前記リード信号に基づいて、前記第1のノードと前記第2のノードの間の電圧差に応じた出力データを出力する読出回路と、
を有することを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記第1の電圧印加回路は、
前記プログラム信号と前記入力データに基づいて制御信号を生成するデコーダ回路と、
前記制御信号が供給される複数のスイッチ素子を含み、前記複数のスイッチ素子のオンオフにより前記第1のノードと前記第2のノードに対して前記書込電圧と前記第2の電圧を印加するブリッジ回路と、
を含むこと、を特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記読出回路は、
一対の負荷素子と、
リード信号に基づいて、前記第1のノードと前記第2のノードに対して前記一対の負荷素子を接離する一対のスイッチ素子と、
前記一対のスイッチ素子と前記一対の負荷素子との間のノードの電位を比較して前記出力データを生成するセンスアンプと、
を含むこと、を特徴とする請求項1または2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記プログラム信号に基づいて前記第3のノードに前記第2の電圧を印加する第3の電圧印加回路を含むことを特徴とする請求項1〜3のうちの何れか一項に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記記憶セルは、直線状の配線部と、前記配線部の両端に接続された第1端子と第2端子と、前記配線部の中央領域に一端が接続された接続部と、前記接続部の先端に接続された第3端子を有するヒューズ素子を含み、
前記一対のヒューズ素子のうちの何れか一方は、前記第1端子と前記中央領域との間の前記配線部であり、
前記一対のヒューズ素子のうちの何れか他方は、前記第2端子と前記中央領域との間の前記配線部であること、
を特徴とする請求項1〜4のうちの何れか一項に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記配線部は、ポリシリコン膜と金属元素を含む金属シリサイド膜を有することを特徴とする請求項5に記載の半導体装置。
【請求項7】
記憶セルを有する半導体装置の制御方法であって、
前記記憶セルは、第1のノードと第2のノードとの間に直列接続された一対のヒューズ素子を含み、
プログラム信号と入力データに基づいて、前記第1のノードと前記第2のノードの何れか一方のノードに書込電圧を印加し、前記第1のノードと前記第2のノードの何れか他方に前記書込電圧より低い第2の電圧を印加し、
リード信号に基づいて、前記一対のヒューズ素子の間が接続された第3のノードに対して読出電圧を印加し、前記第1のノードと前記第2のノードの間の電圧差に応じた出力データを出力すること、
を特徴とする半導体装置の制御方法。
【請求項8】
前記プログラム信号に基づいて前記第3のノードに前記第2の電圧を印加することを特徴とする請求項に記載の半導体装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
半導体装置、半導体装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体装置は、データの記憶、冗長回路などの設定、抵抗値などの調整のために、ヒューズ素子電気ヒューズを有している(例えば、特許文献1参照)。電気ヒューズは、供給される過電流によって溶断する。従って、1つの電気ヒューズに1つの情報を記憶する。ヒューズ回路は、電気ヒューズと直列に接続されたトランジスタを有し、トランジスタのオン抵抗値と電気ヒューズの状態(非切断又は抵抗値が低い導通状態,断線又は抵抗値が高い非導通状態)に応じたレベルの出力信号を生成する。この出力信号のレベルに基づいて、電気ヒューズに記憶した情報(「0」または「1」)を判定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−073576号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記したヒューズ回路の出力信号は、トランジスタのオン抵抗値と電気ヒューズの抵抗値に応じたレベルとなる。トランジスタのオン抵抗値は、プロセスのばらつき等に応じて変化する。電気ヒューズの抵抗値は、電気ヒューズの形状のばらつきや切断時の状態等に応じて変化する。これらのばらつきは、ヒューズ回路の出力信号のレベルに影響する。そして、ヒューズ回路に含まれる素子のばらつきは、ヒューズ回路に対する書き込み動作におけるライトマージン、ヒューズ回路の出力信号の判定におけるリードマージンに影響し、誤動作を招く。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一観点によれば、第1のノードと第2のノードとの間に直列接続された一対のヒューズ素子を含む記憶セルと、プログラム信号と入力データに基づいて、前記第1のノードと前記第2のノードの何れか一方のノードに書込電圧を印加し、前記第1のノードと前記第2のノードの何れか他方に前記書込電圧より低い第2の電圧を印加する第1の電圧印加回路と、前記一対のヒューズ素子の間が接続された第3のノードに対して、読出電圧をリード信号に基づいて印加する第2の電圧印加回路と、前記リード信号に基づいて、前記第1のノードと前記第2のノードの間の電圧差に応じた出力データを出力する読出回路とを有する。
【発明の効果】
【0006】
本発明の一観点によれば、誤動作を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第一実施形態の半導体記憶装置の一部回路図である。
図2】ヒューズ素子の概略平面図である。
図3】ヒューズ素子の概略断面図である。
図4】ヒューズ素子の概略断面図である。
図5】第二実施形態の半導体記憶装置の一部回路図である。
図6】ヒューズ素子の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(第一実施形態)
以下、第一実施形態を添付図面に従って説明する。
図1は、メモリセルMC00に対する書き込みと読み出しに係る回路の一例を示している。
【0009】
図1に示すように、ロウデコーダ11はトランジスタT11を有している。トランジスタT11は、例えばPチャネルMOSトランジスタである。トランジスタT11のソース端子は電源配線VDDに接続され、ドレイン端子はワード線WL0に接続されている。ロウデコーダ11は、トランジスタT11のゲート端子にワード線制御信号WC0を供給する。
【0010】
ロウデコーダ11は、アドレス信号ADRとリード信号RDに基づいて、ワード線制御信号WC0を生成する。例えば、ロウデコーダ11は、リード動作のときに、アドレス信号ADRに基づいてワード線WL0を選択し、そのワード線WL0に応じてHレベルのワード線制御信号WC0を生成する。
【0011】
トランジスタT11は、Lレベルのワード線制御信号WC0に応答してオンし、Hレベルのワード線制御信号WC0に応答してオフする。ワード線WL0は、オンしたトランジスタT11を介して電源配線VDDに接続される。従って、オンしたトランジスタT11は、ワード線WL0に高電位電圧VDDを供給する。そして、トランジスタT11がオフしたとき、ワード線WL0はハイインピーダンス状態となる。
【0012】
プログラム信号PRGはバッファ回路51に供給され、そのバッファ回路51はプログラム信号PRGと同じレベルのプログラム信号SPGを出力する。
電圧印加回路21は、デコーダ回路60とブリッジ回路70を含む。
【0013】
デコーダ回路60は、入力データDI0とプログラム信号PRGに基づいて、ブリッジ回路70を制御するための制御信号SC1〜SC4を生成する。
ブリッジ回路70は、書込電圧VBLが供給される配線と低電位電圧VSSが供給される配線(以下、単に電源配線VSSという)に接続されている。また、ブリッジ回路70は、ビット線対BL0,xBL0に接続されている。
【0014】
ブリッジ回路70は、制御信号SC1〜SC4に基づいて、ビット線対BL0,xBL0のうちの何れか一方のビット線に書込電圧VBLを供給するとともに、何れか他方のビット線を電源配線VSSに接続する。
【0015】
デコーダ回路60は、インバータ回路61,62、ノア回路63,64、ナンド回路65,66を含む。
インバータ回路61は、入力データDI0を論理反転した信号xD0を出力する。インバータ回路62は、信号xD0を論理反転した信号zD0を出力する。
【0016】
ノア回路63は、プログラム信号SPGの反転レベルと信号xD0とを否定論理和演算した結果に応じたレベルの制御信号SC3を出力する。ノア回路64は、プログラム信号SPGの反転レベルと信号zD0とを否定論理和演算した結果に応じたレベルの制御信号SC4を出力する。
【0017】
ナンド回路65は、プログラム信号SPGと信号xD0とを否定論理積演算した結果に応じたレベルの制御信号SC1を出力する。ナンド回路66は、プログラム信号SPGと信号zD0とを否定論理積演算した結果に応じたレベルの制御信号SC2を出力する。
【0018】
ブリッジ回路70はトランジスタT21〜T24を含む。
トランジスタT21,T22は例えばPチャネルMOSトランジスタである。トランジスタT23,T24は例えばNチャネルMOSトランジスタである。
【0019】
トランジスタT21のソース端子は書込電圧VBLが供給される配線に接続され、トランジスタT21のドレイン端子はトランジスタT23のドレイン端子に接続され、トランジスタT21のゲート端子には制御信号SC1が供給される。トランジスタT23のソース端子は低電位電圧VSS(例えば0V(ゼロボルト))が供給される配線(以下、単に電源配線VSSという)に接続されている。トランジスタT23のゲート端子には制御信号SC3が供給される。
【0020】
トランジスタT22のソース端子は書込電圧VBLが供給される配線に接続され、トランジスタT22のドレイン端子はトランジスタT24のドレイン端子に接続され、トランジスタT22のゲート端子には制御信号SC2が供給される。トランジスタT24のソース端子は電源配線VSSに接続されている。トランジスタT24のゲート端子には制御信号SC4が供給される。
【0021】
トランジスタT21のドレイン端子とトランジスタT23のドレイン端子の間のノードN01はビット線BL0に接続されている。トランジスタT22のドレイン端子とトランジスタT24のドレイン端子の間のノードN02は反転ビット線xBL0に接続されている。
【0022】
ビット線BL0と反転ビット線xBL0の間にはメモリセルMC00が接続されている。メモリセルMC00は、ヒューズ素子EFを含む。ヒューズ素子EFの第1端子はビット線対BL0のノードN11に接続され、ヒューズ素子EFの第2端子は反転ビット線xBL0のノードN12に接続されている。また、ヒューズ素子EFにおいて、第1端子と第2端子の間の中間領域に応じた第3の端子はワード線WL0のノードN13に接続されている。従って、このヒューズ素子EFは、電気的に、ビット線BL0とワード線WL0の間に接続された第1のヒューズ素子F1と、反転ビット線xBL0とワード線WL0の間に接続された第2のヒューズ素子F2を含む。
【0023】
初期状態(プログラム前)において、第1のヒューズ素子F1と第2のヒューズ素子F2それぞれの抵抗値は互いにほぼ同じ値である。プログラム動作においてビット線対BL0,xBL0に供給される電圧に応じてヒューズ素子F1,F2に流れる電流は、両ヒューズ素子F1,F2の抵抗値を互いに異なる値とする。つまり、一対のヒューズ素子F1,F2の抵抗値を不均衡とする。これらヒューズ素子F1,F2の抵抗値の不均衡性は、ビット線対BL0,xBL0に供給される電圧、つまり入力データDI0の状態(レベル)に対応する。つまり、メモリセルMC00は、ヒューズ素子EFにおいて、中間領域よりビット線BL0側の部分(第1のヒューズ素子F1)の抵抗値と、中間領域より反転ビット線xBL0側の部分(第2のヒューズ素子F2)の抵抗値を、互いに異なる値とすることにより、入力データDI0に応じて、「0」又は「1」の情報を記憶する。
【0024】
リード信号RDはインバータ回路52に供給される。インバータ回路52は、リード信号RDを論理反転したレベルの反転リード信号xRDを出力する。
読出回路41は、センスアンプ81、トランジスタT41〜T44を有している。トランジスタT41,T42は、例えばPチャネルMOSトランジスタである。トランジスタT43,T44は、例えばNチャネルMOSトランジスタである。
【0025】
上記の反転リード信号は、トランジスタT41,T42のゲート端子に供給される。トランジスタT41のソース端子はビット線BL0に接続され、トランジスタT41のドレイン端子は、センスアンプ81の反転入力端子とトランジスタT43のドレイン端子に接続されている。トランジスタT41のドレイン端子はトランジスタT43のドレイン端子とトランジスタT43のゲート端子に接続され、トランジスタT43のソース端子は電源配線VSSに接続されている。
【0026】
トランジスタT42のソース端子は反転ビット線xBL0に接続され、トランジスタT42のドレイン端子はセンスアンプ81の非反転入力端子とトランジスタT44のドレイン端子に接続されている。トランジスタT42のドレイン端子はトランジスタT44のドレイン端子とトランジスタT44のゲート端子に接続され、トランジスタT44のソース端子は電源配線VSSに接続されている。
【0027】
トランジスタT41は、リード信号RD(反転リード信号xRD)に基づいてオンオフする。オンしたトランジスタT41は、ビット線BL0とセンスアンプ81及びトランジスタT43を互いに接続する。同様に、トランジスタT42は、リード信号RD(反転リード信号xRD)に基づいてオンオフする。オンしたトランジスタT42は、反転ビット線xBL0とセンスアンプ81及びトランジスタT44を互いに接続する。トランジスタT41,T42はスイッチ素子の一例である。トランジスタT43,T44は負荷素子の一例である。センスアンプ81は、反転入力端子の電位と非反転入力端子の電位、つまりビット線BL0と反転ビット線xBL0の電位差を検出し、検出した電位差に応じたレベルの出力データDO0を出力する。
【0028】
次に、メモリセルの概略を図2及び図3に従って説明する。
なお、図2図3は、構造の概略を説明するためのものであり、実際の大きさを表していない。平面図では、部材を区別しやすくするために、一部にハッチングを付している。また、断面図では、各部材の断面構造を分かりやすくするために、一部のハッチングを省略している。なお、これ以後に参照する図面についても同様である。
【0029】
図2に示すように、ヒューズ素子EFは、半導体記憶装置の絶縁体101上に形成されている。この絶縁体101は、例えばSTI(shallow trench isolation)等の素子分離のための絶縁体である。
【0030】
ヒューズ素子EFは、配線部111と、配線部111の両端に接続された第1端子部112及び第2端子部113を有している。配線部111は、所定の方向(図2において左右方向)に沿って延びる平面視長方形状に形成されている。第1端子部112と第2端子部113は、平面視矩形状に形成されている。また、ヒューズ素子EFは、配線部111の中央部に一端が接続された接続部114と、接続部114の先端に接続された第3端子部115を有している。接続部114は、配線部111と直交する方向に沿って延びる平面視長方形状に形成されている。第3端子部115は、第1端子部112,第2端子部113と同様に、平面視矩形状に形成されている。
【0031】
図3に示すように、ヒューズ素子EFは、ポリシリコン膜121と金属シリサイド膜122を有している。金属シリサイド膜122に含まれる金属元素は、例えばコバルト(Co)である。金属シリサイド膜122は、例えばサリサイドプロセスにより形成される。
【0032】
なお、ポリシリコン膜121へは、不純物を添加しないことが望ましい。不純物が添加されていないポリシリコンは、不純物が添加されたポリシリコンより抵抗値が大きい。このように、不純物が添加されていないポリシリコン膜121は、回路マージンを拡大する要因となる。
【0033】
図2に示すように、第1端子部112は、コンタクトプラグ131を介して第1端子部112の上方に形成されたビット線BL0に接続されている。第2端子部113は、コンタクトプラグ132を介して第2端子部113の上方に形成された反転ビット線xBL0に接続されている。第3端子部115は、コンタクトプラグ133を介して、ビット線対BL0,xBL0と同じ配線層(金属層)に形成された配線134に接続されている。配線134は、コンタクトプラグ135を介して、配線134の上方に形成されたワード線WL0に接続されている。ビット線対BL0,xBL0,ワード線WL0,配線134の材料は例えば銅(Cu)である。コンタクトプラグ131,132,133,135の材料は例えばタングステン(W)である。
【0034】
第1端子部112と接続部114との間の配線部111aは、電気的に図1に示す第1のヒューズ素子F1である。第2端子部113と接続部114との間の配線部111bは、電気的に図1に示す第2のヒューズ素子F2である。
【0035】
次に、半導体記憶装置の作用を説明する。
[プログラム動作]
例えば、図1において、「1」の入力データDI0が供給される。そして、Hレベルのプログラム信号PRGが供給される。デコーダ回路60は、入力データDI0とプログラム信号PRGに基づいて、Hレベルの制御信号SC1,SC3とLレベルの制御信号SC2,SC4を生成する。
【0036】
トランジスタT21はHレベルの制御信号SC1に応答してオフし、トランジスタT23はHレベルの制御信号SC3に応答してオンする。また、トランジスタT22はLレベルの制御信号SC2に応答してオンし、トランジスタT24はLレベルの制御信号SC4に応答してオフする。これにより、ブリッジ回路70は、反転ビット線xBL0に書込電圧VBLを供給し、ビット線BL0に低電位電圧VSSを供給する。
【0037】
ビット線BL0と反転ビット線xBL0との間の電位差は、ビット線BL0のノードN11からヒューズ素子EFを介して反転ビット線xBL0のノードN12に向う電子流を生成する。つまり、図3において、第1端子部112を陰極、第2端子部113を陽極とし、第1端子部112から配線部111を介して第2端子部113に向う電子流を生成する。このように生成された電子流により、金属シリサイド膜122の金属材料は、陽極側、つまり第2端子部113に向って移動する。その結果、図4に示すように、配線部111において、金属元素122aが第2端子部113側に偏在する。これにより、中央領域と第1端子部112の間の配線部111aは、金属元素を含まないポリシリコンを有する高抵抗部となり、抵抗値がプログラム前よりも高くなる。一方、中央領域111cと第2端子部113の間の配線部111bは、プログラム前よりも多くの金属元素を含み、抵抗値がプログラム前よりも低くなる。このような書き込み処理により第1のヒューズ素子F1の抵抗値と第2のヒューズ素子F2の抵抗値に不均衡が生じる。
【0038】
これらヒューズ素子F1,F2の抵抗値の不均衡は、入力データDI0の「0」と「1」に対応する。つまり、メモリセルMC00は、ヒューズ素子EFに含まれる第1のヒューズ素子F1と第2のヒューズ素子F2の抵抗値の不均衡により、入力データDI0の状態を記憶する。
【0039】
1つのヒューズ素子をメモリセルに用いた半導体記憶装置は、そのヒューズ素子の切断又は未切断により入力データDI0の状態を記憶する。1つのヒューズ素子の切断状態は、ヒューズ素子に供給する書込電圧、ヒューズ素子の形状、ヒューズ素子に書込電圧を供給するトランジスタのばらつき、等によりばらつきが生じる。この1つのヒューズ素子の切断状態のばらつきは、ライトマージンに影響する。
【0040】
本実施形態のメモリセルMC00は、第1のヒューズ素子F1と第2のヒューズ素子F2の抵抗値の不均衡により、入力データDI0の状態を記憶する。従って、書込電圧VBLやヒューズ素子EFの形状等にばらつきが生じていても、入力データDI0の状態を確実に記憶する。このことは、プログラム動作に対してプロセスにより変動するパラメータを減少させ、ライトマージンに対する影響を低減する。
【0041】
また、1つのヒューズ素子を含む複数のメモリセルに対して同時に情報を記憶させる場合、書込電圧の変動が情報に応じて変動する。例えば、ヒューズ素子が未切断のメモリセルが「1」の情報を記憶する場合、「0」の情報を記憶させるためにメモリセルのヒューズ素子を切断する。従って、複数のメモリセルに情報を記憶させる場合、切断するヒューズ素子の数に応じて電圧降下が生じ、書込電圧が変動する。書込電圧の変動は、ヒューズ素子における切断不足などの不良を招く場合があり、ライトマージンに影響する。
【0042】
本実施形態の電圧印加回路21は、入力データDI0に応じて、ビット線対BL0,xBL0に対して書込電圧VBLと低電位電圧VSSを供給する。つまり、電圧印加回路21は、入力データDI0に応じて、ヒューズ素子EFに生じる電子流の方向を変更する。従って、複数のメモリセルに対して同時に情報の書き込みを行う場合、入力データDI0〜DI3の状態に係わらず、書込電圧VBLの変動が一定となる。従って、同時に複数のメモリセルに書き込む情報に依存しない。このことは、ライトマージンに対する影響を低減し、複数のメモリセルに対する情報の書き込みを安定にする。
【0043】
[リード動作]
例えば、図1において、ブリッジ回路70のトランジスタT21〜T24は、Lレベルのプログラム信号PRGに基づいて生成される制御信号SC1〜SC4に応答してオフする。
【0044】
ロウデコーダ11のトランジスタT11は、Lレベルのワード線制御信号WC0に応答してオンし、ワード線WL0に高電位電圧VDDを供給する。このときの高電位電圧VDDは読出電圧の一例である。そして、読出回路41のトランジスタT41,T42は、Hレベルのリード信号RDに基づいてオンし、センスアンプ81及びトランジスタT43,T44をビット線対BL0,xBL0に接続する。
【0045】
これにより、ビット線BL0の電位は、ワード線WL0の電位(高電位電圧VDD)と低電位電圧VSSの電位差を、第1のヒューズ素子F1とトランジスタT41とトランジスタT43により分圧した値となる。同様に、反転ビット線xBL0の電位は、ワード線WL0の電位(高電位電圧VDD)と低電位電圧VSSの電位差を、第2のヒューズ素子F2とトランジスタT42とトランジスタT44により分圧した値となる。従って、ビット線対BL0,xBL0の間の電位差は、第1のヒューズ素子F1の抵抗値と第2のヒューズ素子F2の抵抗値に応じた値となる。センスアンプ81は、ビット線対BL0,xBL0の電位差を増幅したレベルの出力データDO0を出力する。
【0046】
1つのヒューズ素子をメモリセルに用いた半導体記憶装置は、そのヒューズ素子の状態(切断又は未切断)に応じた抵抗値と、ヒューズ素子に直列に接続されたトランジスタの抵抗値とにより電源電圧を分圧した分圧電圧を生成する。この分圧電圧を、例えばしきい値と比較することにより、記憶した状態に応じた出力データを出力する。分圧電圧は、ヒューズ素子の切断状態、ヒューズ素子に供給する書込電圧、ヒューズ素子の形状、ヒューズ素子に書込電圧を供給するトランジスタのばらつき、等と、トランジスタの抵抗値のばらつきの影響を受ける。これらのばらつきは、分圧電圧としきい値との差、つまりリードマージンに影響する。
【0047】
本実施形態の読出回路41は、メモリセルMC00に含まれる第1のヒューズ素子F1と第2のヒューズ素子F2の抵抗値の不均衡によりビット線対BL0,xBL0に生じる電位差に応じた出力データDO0を出力する。従って、ヒューズ素子EFの形状やトランジスタのオン抵抗値にばらつきが生じていても、メモリセルMC00の状態に応じた出力データDO0を確実に生成することができる。このことは、リード動作に対してプロセスにおり変動するパラメータを減少させ、リードマージンに対する影響を低減する。
【0048】
以上記述したように、本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1−1)メモリセルMC00は、ビット線対BL0のノードN11と反転ビット線xBL0のノードN12の間に接続されたヒューズ素子EFを有している。ヒューズ素子EFの中間領域はワード線WL0のノードN13に接続されている。従って、このヒューズ素子EFは、電気的に、ビット線BL0とワード線WL0の間に接続された第1のヒューズ素子F1と、反転ビット線xBL0とワード線WL0の間に接続された第2のヒューズ素子F2を含む。
【0049】
ヒューズ素子EFは、ポリシリコン膜121と金属シリサイド膜122を含む。ビット線対BL0,xBL0に接続された電圧印加回路21は、第1のヒューズ素子F1と第2のヒューズ素子F2の抵抗値に不均衡を生じさせる。メモリセルMC00は、ヒューズ素子EFに含まれる第1のヒューズ素子F1と第2のヒューズ素子F2の抵抗値の不均衡により、入力データDI0の状態を記憶する。従って、書込電圧VBLやヒューズ素子EFの形状にばらつきが生じていても、ライトマージンに対する影響を低減し、入力データDI0の状態を確実に記憶することができる。つまり、プログラム動作における誤動作を低減することができる。
【0050】
(1−2)ロウデコーダ11のトランジスタT11は、Lレベルのワード線制御信号WC0に応答してオンし、ワード線WL0に高電位電圧VDDを供給する。そして、読出回路41のトランジスタT41,T42は、Hレベルのリード信号RDに基づいてオンし、センスアンプ81及びトランジスタT43,T44をビット線対BL0,xBL0に接続する。従って、ビット線BL0の電位は、ワード線WL0の電位(高電位電圧VDD)と低電位電圧VSSの電位差を、第1のヒューズ素子F1とトランジスタT41とトランジスタT43により分圧した値となる。また、反転ビット線xBL0の電位は、ワード線WL0の電位(高電位電圧VDD)と低電位電圧VSSの電位差を、第2のヒューズ素子F2とトランジスタT42とトランジスタT44により分圧した値となる。ビット線対BL0,xBL0の間の電位差は、第1のヒューズ素子F1の抵抗値と第2のヒューズ素子F2の抵抗値に応じた値となり、センスアンプ81は、ビット線対BL0,xBL0の電位差を増幅したレベルの出力データDO0を出力する。従って、読出回路41は、ビット線対BL0,xBL0の電位差を検出し、その電位差に応じた出力データDO0を出力する。これにより、プロセスのばらつきが生じていても、リードマージンに対する影響を低減し、メモリセルMC00に記憶した状態に応じた出力データDO0を確実に生成することができる。つまり、リード動作における誤動作を低減することができる。
【0051】
(1−3)電圧印加回路21は、入力データDI0に応じて、ヒューズ素子EFに生じる電子流の方向を変更する。従って、複数のメモリセルに対して同時に情報の書き込みを行う場合、入力データDI0〜DI3の状態に係わらず、書込電圧VBLの変動が一定となる。従って、同時に複数のメモリセルに書き込む情報に依存しないため、ライトマージンに対する影響を低減することができる。
【0052】
(第二実施形態)
以下、第二実施形態を添付図面に従って説明する。
なお、この実施形態において、上記実施形態と同じ構成部材については同じ符号を付してその説明を省略する。
【0053】
図5に示すように、本実施形態の半導体記憶装置に含まれるロウデコーダ11aは、ワード線WL0に接続されたトランジスタT12を有している。トランジスタT12は、例えばNチャネルMOSトランジスタである。トランジスタT12のソース端子は電源配線VSSに接続され、トランジスタT12のドレイン端子はワード線WL0に接続されている。ロウデコーダ11aは、トランジスタT12のゲート端子に、ワード線制御信号WA0を供給する。
【0054】
ロウデコーダ11aは、アドレス信号ADRとプログラム信号PRGに基づいて、ワード線制御信号WA0を生成する。例えば、ロウデコーダ11aは、プログラム動作のときに、アドレス信号ADRに基づいてワード線WL0を選択し、そのワード線WL0に応じてHレベルのワード線制御信号WA0を生成する。
【0055】
トランジスタT12は、Hレベルのワード線制御信号WA0に応答してオンし、Lレベルのワード線制御信号WA0に応答してオフする。ワード線WL0は、オンしたトランジスタT12を介して電源配線VSSに接続される。従って、メモリセルMC00に含まれるヒューズ素子EFの第3端子が接続されたワード線WL0のノードN13は、プログラム動作のときに低電位電圧VSSレベルとなる。
【0056】
プログラム動作において、電圧印加回路21は、例えば「1」の入力データDI0に基づいて、ビット線BL0が電源配線VSSに接続し、反転ビット線xBL0に書込電圧VBLを供給する。そして、ワード線WL0は電源配線VSSに接続されている。従って、反転ビット線xBL0とワード線WL0の間の電位差により、ワード線WL0から第2のヒューズ素子F2を介して反転ビット線xBL0に向う電子流が生成される。このように生成された電子流により、図6に示すように、中央領域111cと第2端子部113の間の金属シリサイド膜122の金属材料が陽極側、つまり第2端子部113に向って移動する。その結果、中央領域111cと第2端子部113の間に、金属シリサイドを含まない高抵抗部123が形成され、配線部111bの抵抗値がプログラム前よりも高くなる。このような書き込み処理により第1のヒューズ素子F1の抵抗値と第2のヒューズ素子F2の抵抗値に不均衡が生じる。
【0057】
ポリシリコン膜と金属シリサイド膜を有するヒューズ素子における電子流は、凝集(アグロメレーション)を発生させる場合がある。アグロメレーションの発生は、ヒューズ素子の抵抗値を高くする。
【0058】
本実施形態の場合、プログラム動作において、第1端子部112と中央領域111cの間の金属シリサイド膜122には、電子流が流れない。従って、プログラム動作のとき、配線部111a(第1のヒューズ素子F1)の抵抗値は変化しない。つまり、本実施形態は、ビット線対BL0,xBL0間に接続された一対のヒューズ素子F1,F2において、一方のヒューズ素子F1の抵抗値を変化させることなく、他方のヒューズ素子F2の抵抗値を変更することができる。
【0059】
以上記述したように、本実施形態によれば、第一実施形態の効果に加え、以下の効果を奏する。
(2−1)ロウデコーダ11aは、アドレス信号ADRとプログラム信号PRGに基づいて、プログラム動作のとき、ワード線WL0に低電位電圧VSSを供給する。電圧印加回路21は、入力データDI0に応じて、ビット線対BL0,xBL0に対して書込電圧VBLと低電位電圧VSSを供給する。従って、書込電圧VBLが供給されるビット線とワード線WL0の間のヒューズ素子に電子流が生じ、その電子流により抵抗値が変化する。一方、低電位電圧VSSが供給されるビット線とワード線WL0の間のヒューズ素子には電子流が流れないので、抵抗値は変化しない。従って、ビット線対BL0,xBL0間に接続された一対のヒューズ素子F1,F2において、一方のヒューズ素子F1の抵抗値を変化させることなく、他方のヒューズ素子F2の抵抗値を変更し、効率良く抵抗値を不均衡とすることができる。
【0060】
尚、上記各実施形態は、以下の態様で実施してもよい。
・メモリセルの数を適宜変更してもよい。例えば、メモリセルの数を1つとしてもよい。
【0061】
・金属シリサイド膜122の金属材料を、例えばニッケル(Ni)、チタン(Ti)、タングステンとしてもよい。
・ワード線WL0〜WL3の材料をアルミニウムとしてもよい。同様に、ビット線対BL0,xBL0〜BL3,xBL3の材料をアルミニウムとしてもよい。
【0062】
・コンタクトプラグ131〜133,135にバリアメタルを設けるようにしてもよい。バリアメタルは例えば、チタン(Ti)、窒化チタン(TiN)、窒化タングステン(WN)、タンタル(Ta)、窒化タンタル(TaN)である。
【0063】
・絶縁体101を、配線層間に形成された層間絶縁膜、LOCOS(local oxidation of silicon)としてもよい。
・読出回路41において、トランジスタT43,T44を抵抗素子としてもよい。
【0064】
・リード動作においてワード線WL0に供給する電圧を適宜変更してもよい。
・各トランジスタの導電型を適宜変更してもよい。なお、導電型の変更に応じて各信号の論理を変更することはいうまでもない。
【符号の説明】
【0065】
11 ロウデコーダ
21 電圧印加回路
41 読出回路
EF ヒューズ素子
F1,F2 ヒューズ素子
MC00 メモリセル(記憶セル)
WL0 ワード線
BL0,xBL0 ビット線対
N11〜N13 ノード
DI0 入力データ
DO0 出力データ
PRG プログラム信号
RD リード信号
VBL 書込電圧
VSS 低電位電圧
VDD 高電位電圧
図1
図2
図3
図4
図5
図6