特許第6075193号(P6075193)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6075193
(24)【登録日】2017年1月20日
(45)【発行日】2017年2月8日
(54)【発明の名称】携帯端末装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0346 20130101AFI20170130BHJP
   G06F 3/0487 20130101ALI20170130BHJP
   H04M 1/00 20060101ALI20170130BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20170130BHJP
【FI】
   G06F3/0346 426
   G06F3/0487
   H04M1/00 R
   H04Q9/00 301B
【請求項の数】5
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-97788(P2013-97788)
(22)【出願日】2013年5月7日
(65)【公開番号】特開2014-219800(P2014-219800A)
(43)【公開日】2014年11月20日
【審査請求日】2016年4月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000132471
【氏名又は名称】株式会社セガゲームス
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】近藤 文仁
【審査官】 ▲高▼瀬 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】 特表2008−527572(JP,A)
【文献】 特開2008−198112(JP,A)
【文献】 特開2012−064199(JP,A)
【文献】 特開2013−110514(JP,A)
【文献】 特開平10−051711(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/0346
G06F 3/0487
H04M 1/00
H04Q 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体の前面に設けられた表示部および当該表示部と一体化されたタッチパネルと、
前記筐体の背面に設けられ、前記表示部の背面および法線の方向に視野を有するカメラと、
前記カメラの撮像画像をリアルタイムに前記表示部に表示する表示手段と、
前記カメラの撮像画像に含まれる所定のマーカを検出し、該マーカから得られる情報に基づいて仮想3次元空間を構築し、前記撮像画像に前記マーカに対応付けられた対象物が含まれていることを検出して前記仮想3次元空間内での前記対象物の位置情報を算出する位置情報算出手段と、
前記タッチパネルにタッチ入力があった際、前記タッチパネル上のタッチ入力位置を通る法線ベクトルと前記仮想3次元空間に前記位置情報に基づいて位置付けられた前記対象物に予め設定されている認識領域との交点を検出する交点検出手段と、
検出した交点の位置に基づき、前記対象物の制御装置に操作メッセージを送信する操作メッセージ送信手段と
を備えたことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項2】
請求項1に記載の携帯端末装置において、
前記対象物は、認識領域となる画面を有する画像表示装置であり、
前記操作メッセージ送信手段は、前記交点が検出された場合に、認識領域における交点の位置情報を生成して前記制御装置に送信する
ことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項3】
請求項1または2のいずれか一項に記載の携帯端末装置において、
前記タッチパネルの操作について設定された判定条件に基づいて、特定の操作がタッチパネルに対して行われたことを判定する判定手段
を備え、
前記操作メッセージ送信手段は、前記判定手段の判定結果を前記対象物の位置情報に付加して前記制御装置に送信する
ことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項4】
請求項3に記載の携帯端末装置において、
前記判定手段は、前記タッチパネル上のスライド距離が所定距離以上であり、かつ、スライドにかかった時間が所定時間以内であることを条件に、フリック入力が前記タッチパネルに対して行われたと判定する
ことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項5】
筐体の前面に設けられた表示部および当該表示部と一体化されたタッチパネルと、前記筐体の背面に設けられ、前記表示部の背面および法線の方向に視野を有するカメラとを備えた携帯端末装置を構成するコンピュータを、
前記カメラの撮像画像をリアルタイムに前記表示部に表示する表示手段、
前記カメラの撮像画像に含まれる所定のマーカを検出し、該マーカから得られる情報に基づいて仮想3次元空間を構築し、前記撮像画像に前記マーカに対応付けられた対象物が含まれていることを検出して前記仮想3次元空間内での前記対象物の位置情報を算出する位置情報算出手段、
前記タッチパネルにタッチ入力があった際、前記タッチパネル上のタッチ入力位置を通る法線ベクトルと前記仮想3次元空間に前記位置情報に基づいて位置付けられた前記対象物に予め設定されている認識領域との交点を検出する交点検出手段、
検出した交点の位置に基づき、前記対象物の制御装置に操作メッセージを送信する操作メッセージ送信手段
として機能させる携帯端末装置制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は携帯端末装置により他の機器を制御する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、テレビ等のモニタ画面は拡大傾向にあり、それに伴って視聴位置もモニタ画面から遠ざかるようになっている。
【0003】
また、スマートフォン等の携帯端末装置に対する入力操作は、携帯端末装置に設けられたタッチパネルへのタッチ入力が一般的となっており、携帯端末装置の画面に表示されているオブジェクトに直接触れるかのような、直観的な操作が受け入れられている。
【0004】
モニタ画面の表示を制御するには遠隔操作とならざるを得ないが、手元の携帯端末装置にビデオカメラを設け、取り込んだ画像からモニタ画面の輪郭を抽出し、タッチパネルに表示することで、モニタ画面上の座標を直接指示し得るポインティング装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平7−104928号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示されたポインティング装置は、画像からモニタ画面の輪郭を抽出しているため、モニタ画面の3次元情報(空間中の位置情報)を取得しておらず、モニタ画面がビデオカメラに対して正対していない場合にはタッチパネルへの入力が正確にモニタ画面上の座標に変換されないことが考えられる。
【0007】
例えば、抽出した輪郭が台形だった場合、モニタ画面が台形でビデオカメラに正対しているのか、モニタ画面が矩形でビデオカメラに傾斜しているのか区別することができない。
【0008】
また、特許文献1に開示されたポインティング装置は、モニタ画面についてしか適用することができず、その他の種々の機器の制御に用いることはできない。
【0009】
本発明は上記の従来の問題点に鑑み提案されたものであり、その目的とするところは、広範な機器に対して3次元的な配置を考慮して直観的に操作できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するため、本発明にあっては、筐体の前面に設けられた表示部および当該表示部と一体化されたタッチパネルと、前記筐体の背面に設けられ、前記表示部の背面および法線の方向に視野を有するカメラと、前記カメラの撮像画像をリアルタイムに前記表示部に表示する表示手段と、前記カメラの撮像画像に含まれる所定のマーカを検出し、該マーカから得られる情報に基づいて仮想3次元空間を構築し、前記撮像画像に前記マーカに対応付けられた対象物が含まれていることを検出して前記仮想3次元空間内での前記対象物の位置情報を算出する位置情報算出手段と、前記タッチパネルにタッチ入力があった際、前記タッチパネル上のタッチ入力位置を通る法線ベクトルと前記仮想3次元空間に前記位置情報に基づいて位置付けられた前記対象物に予め設定されている認識領域との交点を検出する交点検出手段と、検出した交点の位置に基づき、前記対象物の制御装置に操作メッセージを送信する操作メッセージ送信手段とを備えるようにしている。
【発明の効果】
【0011】
本発明にあっては、広範な機器に対して3次元的な配置を考慮して直観的に操作することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態にかかるシステムの構成例を示す図である。
図2】操作対象物として大画面モニタを用いた例を示す図である。
図3】操作対象物の認識領域を設定するマーカの例を示す図である。
図4】操作対象物として照明器具を用いた例を示す図である。
図5】携帯端末装置の構成例を示す図である。
図6】操作対象物制御装置の構成例を示す図である。
図7】実施形態の処理例を示すフローチャートである。
図8】実空間における操作対象位置算出の概念を示す図である。
図9】携帯端末装置の画面/タッチパネルへの画像の重畳の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の好適な実施形態につき説明する。
【0014】
<構成>
図1は本発明の一実施形態にかかるシステムの構成例を示す図である。
【0015】
図1において、携帯端末装置1はタブレット、スマートフォン等の情報処理装置であり、前面に画面/タッチパネル12が設けられ、背面にカメラ11が設けられている。カメラ11は、画面/タッチパネル12の背面方向の法線方向に視野を持つように配置されている。
【0016】
また、携帯端末装置1により操作の対象となる単数もしくは複数の操作対象物2が設けられ、操作対象物2には操作対象物2を制御する操作対象物制御装置3が設けられている。携帯端末装置1と操作対象物制御装置3は、WiFi、Bluetooth(登録商標)、赤外線等により通信を行うようになっている。なお、操作対象物2と操作対象物制御装置3を別体として示したが、操作対象物2と操作対象物制御装置3を一体に構成してもよい。
【0017】
携帯端末装置1のカメラ11により操作対象物2を撮像し、撮像した内容がリアルタイムに表示される画面/タッチパネル12の上をユーザがタッチして操作(タップ、ドラッグアンドドロップ、フリック等)することにより、操作対象物制御装置3を介して操作対象物2を操作することができる。
【0018】
図2は操作対象物2として大画面モニタ(画像表示装置)を用いた例を示す図である。この場合、大画面モニタに表示されたボタンやキャラクタを、携帯端末装置1の画面にタッチすることで操作することができる。
【0019】
図3は操作対象物2の認識領域を設定するマーカ21の例を示す図である。図3(a)は、カードもしくはステッカー等によりマーカ21を画面の四隅に貼り付けることにより、4個のマーカ21により形成される矩形領域を認識領域として設定したものである。マーカ21には、所定の形式で図形や記号等が記載されており、これを携帯端末装置1のカメラ11により撮像した画像から解析することで、個々のマーカ21の3次元的な位置やマーカ21の面する角度(方向)を認識することができる。
【0020】
図3(b)は、マーカ21を画面表示により代用することで、カードやステッカー等を貼り付けるのを不要にしたものである。マーカ21は常時表示する必要はなく、初回認識の際に表示されていればよい。また、可視光を用いない表示とすることで、違和感をなくすこともできる。
【0021】
なお、図3では複数のマーカ21により認識領域を設定する場合について示したが、マーカ21は1個でも認識領域を設定することができる場合がある。例えば、操作対象物2の形状が複雑でなく、マーカ21と同じ程度の大きさであり、制御も大まかでよい場合は、マーカ21を1個とし、その周辺の所定範囲を認識領域とすることができる。また、マーカ21から読み取ることのできる情報に、認識領域の大きさや形状に関する情報を付加することにより、1個のマーカ21を基準として、読み取った情報の示す大きさや形状の範囲を認識領域とすることができる。
【0022】
図4は操作対象物2として照明器具を用いた例を示す図である。この場合、照明器具のON/OFFや光量や発光色等を携帯端末装置1の画面をタッチすることで操作することができる。例えば、操作対象物2の画像をタップすることでON/OFFを切り替えたり、画像上で上下にドラッグすることで光量を増減したり、左右にドラッグすることで発光色を変えたりすることができる。操作対象物2の外面には、図3と同様に、認識領域を設定するためにマーカ(21)が設けられる。
【0023】
図5は携帯端末装置1の構成例を示す図である。
【0024】
図5において、携帯端末装置1は、電源システム101と、プロセッサ103、メモリコントローラ104、周辺インタフェース105を含むメインシステム102と、記憶部106と、外部ポート107と、高周波回路108と、アンテナ109と、オーディオ回路110と、スピーカ111と、マイク112と、近接センサ113と、GPS(Global Positioning System)回路114と、ディスプレイコントローラ116、光学センサコントローラ117、入力コントローラ118を含むI/O(Input/Output)サブシステム115と、タッチ反応型ディスプレイシステム119と、光学センサ120と、入力部121とを備えている。光学センサ120はカメラ11に対応し、タッチ反応型ディスプレイシステム119は画面/タッチパネル12に対応する。
【0025】
図6は操作対象物制御装置3の構成例を示す図である。
【0026】
図6において、操作対象物制御装置3は、コンピュータ装置(ゲーム装置を含む)31と、必要に応じてインタフェース装置32とが含まれている。操作対象物2が図2に示した大画面モニタである場合には、インタフェース装置32を設けることなく、コンピュータ装置31から映像・音声信号を操作対象物2に直接に供給することで足りる。操作対象物2が図4に示した照明器具である場合には、操作対象物2とコンピュータ装置31の間で状態信号や制御信号のやり取りを仲介するインタフェース装置32が設けられる。
【0027】
<動作>
図7は上記の実施形態の処理例を示すフローチャートであり、携帯端末装置1の処理内容を示したものである。
【0028】
図7において、携帯端末装置1は、カメラ11の映像信号をデータとして取り込み、プログラムから操作可能な状態にする(ステップS101)。例えば、このデータは、カメラ映像をRGB(Red, Green, Blue)の点(ピクセル)の集合体に変換したものである。このようなデータをプログラムからアクセス可能なメモリ上に展開することで、プログラムから操作可能な状態になる。
【0029】
次いで、携帯端末装置1は、マーカ21(図3)に基づいて複数の対象物(操作対象物2の認識領域に相当)を認識し、操作等に必要な基礎データを得る(ステップS102)。基礎データは、認識した対象物についてのマトリクス情報であり、対象物が3次元空間内で、どの位置に、どの角度で、どの大きさで存在しているかを示す。実装としては、例えば、QUALCOM社のARライブラリを用いて処理を行うことができる。
【0030】
次いで、携帯端末装置1は、基礎データを累積し、高速に繰り返す中での相互関係データを得る(ステップS103)。相互関係データは、認識する対象物同士や、認識する対象物とカメラ11の相対的な位置データである。
【0031】
次いで、携帯端末装置1は、相互関係データをもとに、対象物の移動等のリアルタイムな変化に追従し、また手ぶれ等の補正を行う(ステップS104)。補正としては、
・対象物を認識するためのマトリクス情報が複数ある場合、不正確らしきものを除外
・高速に繰り返す中で、ある瞬間だけ特異な値がある場合、それを除外
といった処理を行う。
【0032】
映像の解析と相互の位置の認識を高速に再演算し続けることで(ステップS101〜S104)、手元の携帯端末装置1や操作対象物2の移動等の変化に追従することができる。
【0033】
次いで、携帯端末装置1は、画面/タッチパネル12がユーザによりタッチされている場合、以下の処理を行う。
【0034】
先ず、タッチ位置と、累積した補正後の相互関係データとに基づき、携帯端末装置1の背面へタッチ位置から仮想的に法線(法線ベクトル)をのばし、その法線上に対象物が存在するかどうか判定し、存在する場合、操作対象物2の3次元的な表面との交点を求めることにより、対応する操作対象位置を求める(ステップS105)。図8はその処理の概念を示している。操作対象物オブジェクト2OBJは操作対象物2の認識領域に対応するものである。複数の対象物と法線が交差する場合、この段階での操作対象位置は複数となる。
【0035】
図7に戻り、携帯端末装置1は、操作対象位置と対象物の有効範囲から、操作対象となるべき操作対象物2を特定する(ステップS106)。すなわち、複数の対象物がそれぞれに有効範囲(画面なら矩形)がある場合、どれが優先的に操作されるべきかを判定することで、操作対象物2を特定する。判定の基準は、標準として、近傍(携帯端末装置1により近いこと)を優先にしている。
【0036】
次いで、携帯端末装置1は、操作対象位置を特定した操作対象物2の座標へ変換する(ステップS107)。すなわち、操作用の法線が、対象物が持つ固有の形状のどこの部分に交差するのかを求め、形状が複数の面を有する立体である場合は、閉じた面のそれぞれに対して交差の評価を行い、座標を変換する。立体形状では、複数の面に対して交差が成立する場合があるが近傍を優先にする。複数の交差する点から、どれを優先的に操作するか(原則近傍を優先)を決め、対象機器のローカルなマトリクス情報を生成する。
【0037】
次いで、携帯端末装置1は、変換した座標に基づき、操作対象物2を制御するためのローカルデータを算出する(ステップS108)。
【0038】
次に、タップ、ドラッグアンドドロップ、フリック等のイベントが成立した場合の処理を説明する。なお、イベントの成立は次のように判断する。
【0039】
タップは、携帯端末装置1の画面/タッチパネル12へのタッチおよび離間によって判断する。
【0040】
ドラッグアンドドロップは、
・対象物と手元端末を固定したまま、指を動かしてドラッグ
・対象物と指を固定したまま、手元端末を動かしてドラッグ
・手元端末と指を固定したまま、対象物を動かしてドラッグ
の3つのパターンの発生によりドラッグとなり、それぞれ、指を離すとドロップの判定となる。
【0041】
2つめのパターンによれば、タップ中の指先を動かすことがなくても、手元装置や対象装置の移動によってドラッグアンドドロップ等が実現できることを意味している。
【0042】
また、関係する3種類の情報(対象物座標、手元端末座標、指の位置)が2つ以上同時に動く場合も成立する。
【0043】
フリックは、手元装置のタッチパネル上でフリックに相当する操作が成立した場合を有効とする。これは、対象装置相当では距離や角度に影響を受け入力が困難であること、手元装置に触れる感覚で成立することが自然に受け入れられるためである。手元装置でフリックが成立したかどうかの判定そのものは、手元装置のOSやドライバの判定に任せる。これは、普段利用している条件と同じにすることで、違和感が生まれないようにするためである。
【0044】
フリックの判定は、タッチパネル上のスライド距離が所定距離以上であり、かつ、スライドにかかった時間が所定時間以内であることを条件に、フリック入力(接触→接触位置を素早く所定距離スライド→離す、を所定時間内に行う入力操作)がタッチパネルに対して行われたと判定する。
【0045】
図7において、イベントが成立した場合、携帯端末装置1は、ローカルデータに自己の機器IDを付加したメッセージを生成する(ステップS109)。
【0046】
次いで、携帯端末装置1は、操作対象物2を制御する操作対象物制御装置3にメッセージを送信する(ステップS110)。メッセージとしては、マウス相当のデータとしてもよいが、手元端末で入力できるジェスチャパターンは増加すると見込まれるため、拡張可能な未定義領域を残す、汎用的なメッセージシステムとしている。
【0047】
メッセージを受信した操作対象物制御装置3は、メッセージに対応した処理を行い、結果を操作対象物2に反映させる。操作対象物2が大画面モニタである場合(図2)、大画面モニタに表示されたボタンやアイコンやキャラクタに対するタップ、ドラッグアンドドロップ、フリック等の操作を適用し、操作過程および結果の画像を大画面モニタに表示する。操作対象物2が照明器具である場合(図4)、操作内容に応じて電源のON/OFFや光量や発光色等を制御する。
【0048】
また、メッセージ送信(ステップS110)の後に操作対象物制御装置3から応答のメッセージを受信し、その受信メッセージに応じた処理を行うようにしてもよい。
【0049】
なお、上記の実施形態ではタッチパネルへの入力操作について主に説明したが、タッチパネルに、認識した操作対象物や操作に連動した画像を重畳して表示することもできる。
【0050】
本実施形態では、仮想3次元空間中の対象物の位置情報を利用できるので、例えば、タッチパネルへの操作に基づいて検出された認識領域との交点(対象機器の座標位置)に、タッチパネルから飛んでいくオブジェクト(矢やボール等)の画像を合成表示することで、ユーザが操作しようとしている対象機器の座標位置を示す場合に、あたかもオブジェクトが対象物の含まれる空間中を移動していくように表示することができる。これにより、ユーザは、より直観的に操作を行うことができる。
【0051】
また、例えば、タッチパネルへの操作に基づいて対象物の周囲に入力結果を示すオブジェクト(当たりや外れ等を示すフキダシ等)の画像を合成表示する場合に、対象物の位置に合わせて表示することができる。図9は携帯端末装置1の画面における操作対象物2の画像201の上端に沿ってタイトル等の画像202を表示し、左側にキャラクタの画像203を表示した例を示している。
【0052】
<総括>
以上説明したように、本実施形態によれば、広範な機器に対して3次元的な配置を考慮して直観的に操作することができる。
【0053】
以上、本発明の好適な実施の形態により本発明を説明した。ここでは特定の具体例を示して本発明を説明したが、特許請求の範囲に定義された本発明の広範な趣旨および範囲から逸脱することなく、これら具体例に様々な修正および変更を加えることができることは明らかである。すなわち、具体例の詳細および添付の図面により本発明が限定されるものと解釈してはならない。
【符号の説明】
【0054】
1 携帯端末装置
11 カメラ
12 画面/タッチパネル
101 電源システム
102 メインシステム
103 プロセッサ
104 メモリコントローラ
105 周辺インタフェース
106 記憶部
107 外部ポート
108 高周波回路
109 アンテナ
110 オーディオ回路
111 スピーカ
112 マイク
113 近接センサ
114 GPS回路
115 I/Oサブシステム
116 ディスプレイコントローラ
117 光学センサコントローラ
118 入力コントローラ
119 タッチ反応型ディスプレイシステム
120 光学センサ
121 入力部
2 操作対象物
21 マーカ
2OBJ 操作対象物オブジェクト
3 操作対象物制御装置
31 コンピュータ装置
32 インタフェース装置
図1
図2
図3
図5
図6
図7
図8
図9
図4