(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態に係る無線中継監視システムを説明する。この中継監視システムは、監視端末毎に携帯電話回線の広域ネットワークを経由する通信方式ではなく、監視端末に省電力無線などを使用して通信を行うための通信方式を採用する。ここでは本発明の下水道水位監視システムへの適用例を説明する。
【0017】
≪下水道水位監視システム≫
図1〜
図3に基づき本発明が適用される下水道監視システムを説明する。この下水道水位監視システム1は、
図1に示すように、マンホール蓋7の底面に取り付けられた計測通信端末4と、同じくマンホール蓋7の底面に取り付けられて計測通信端末4に駆動用の電源を供給する電池(バッテリー)5と、マンホールM内の水位Pを計測する水位センサ8と、マンホール蓋7の表面に実装されたアンテナ6とを備えている。
【0018】
計測通信端末4の構成を
図2に示す。
図2に示すように、計測通信端末4は、水位Pの計測通信を実行するCPUおよび周辺回路(以下、CPU等とする)9と、メイン電源スイッチ13のオンによりCPU等9に電源供給する主電源回路11と、メイン電源スイッチ13をオン/オフさせるCPU電源起動回路12と、GPS受信ユニット(以下、GPSと略記する。)16と、GPS16用のアンテナ17と、バックアップ電源スイッチ15のオンにより前記起動回路12とRTC回路(Real Time Clock:以下、RTCと略記する。)18と通信回路10とに電源供給するバックアップ電源回路14と、を備え、GPS16およびアンテナ17は任意の構成とし、また各回路10,12,14,18がバックアップ電源動作部Bとして機能している。
【0019】
すなわち、バックアップ電源スイッチ15が保守、修理時を除いてオン状態なため、各回路10,12,14,18には常時電源が供給され、計測通信端末4が省電力動作する。ここでは省電力動作は、バックアップ電源動作部Bのみに電池5の電源が供給されている省電力モードの状態を意味する。
【0020】
したがって、通信回路10は省電力モードの待機中に電源供給され、上位ネットワーク(ローカルネットワーク/広域ネットワーク)経由で発呼起動命令を受信し、該命令に応じてメイン電源スイッチ13をオンにして主電源回路11を起動することができる。この回路方式によれば、任意に上位指令により水位計測が可能となる。
【0021】
また、RTC18は、コンピュータ時計の機能を持つ集積回路により構成され、現在時刻が計測通信端末4の起動のためにセットされた起動時刻と一致すれば前記起動回路12にオン信号を出力する。ここではCPU等9は、前記起動回路12の状態を確認することでCPU等の起動指令(CPU起動トリガ)が(A)RTC18による起動時刻、(B)上位ネットワーク経由による発呼起動命令のいずれかを感知し、通信回路10を通じて水位センサ8の水位計測値を上位ネットワークに送信させる責務を実行する。これを計測通信モードと呼ぶ。
【0022】
また、CPU等9は、水位計測値の計測通信の完了後に自ら前記起動回路12に電源オフ命令を出力し、メイン電源スイッチ13をオフにさせる。したがって、下水道水位監視システム1によれば、起動条件(A)(B)によりCPU等9の電源が入って動作し、計測通信後に電源オフ命令を出力することで主電源回路11がオフとなり、電池5の電源消費が抑制される。
【0023】
図3に基づき計測通信端末4の通信に携帯電話回線を利用する場合のシステム構成を説明する。ここではマンホールMの配置状況や分岐状況により予め測定対象と定めたマンホールMに対し、計測通信端末4をマンホール蓋7に設置して監視を行う。このとき計測通信端末4は、携帯電話回線の上位ネットワーク(広域ネットワーク/ローカルネットワーク)Wに直接アクセスする。
【0024】
図3中、マンホールM1〜Mnは監視対象のマンホールMを示し、4−1〜4−nはマンホールM1〜Mnのマンホール蓋7に設置された計測通信端末4を示している。ここでは計測通信端末4−1〜4−nで計測された水位Pの計測値は、携帯電話回線の上位ネットワークWを経由して該ネットワークW内の情報収集サーバSに蓄積される。この蓄積情報を元に自治体などで監視,分析,警報,サービス提供などが行われる。
【0025】
なお、下水道水位監視システムを一例として本発明を説明するが、水位以外にも濁度,硫化水素,pHなど監視地点の情報から複数選択することでもよく、さらに本発明の無線中継監視システムによれば、伝送可能な情報であれば下水道管渠の維持管理情報に限定されるものではなく画像情報などでもよく、監視地点の情報を収集可能である。
【0026】
≪第1実施形態≫
図4に基づき本発明の第1実施形態を説明する。ここでは本発明の無線中継監視システムは下水道水位監視システム1に適用されている。
図3の構成では、各計測通信端末4−1〜4−nが上位ネットワークWに直接アクセスするため、計測通信端末4を増設する度に通信費が増加する。すなわち、マンホールM単位で携帯電話網などの回線使用料がその都度発生し、通信の利用料金が高騰するおそれがある。
【0027】
これに対して
図4の構成では、計測通信端末4−1〜4−nのそれぞれの近傍に中継用受信端末20が取り付けられている。
図4において中継用受信端末20−1〜20−nは、計測通信端末4−1〜4−nのそれぞれの近傍に設置される。
【0028】
このとき各計測通信端末4−1〜4−nは、利用料金を不要とするために携帯電話網や有線通信ではなく、無免許で使用可能な近距離無線通信Lを利用する。この近距離無線通信Lは、一般に特定省電力無線などと呼ばれる400MHz帯,950MHz帯,920MHz帯,2.4GHz帯などの電波を利用した無線免許不要な無線通信であり、例えば「Bluetooth(登録商標)」なども利用できる。
【0029】
具体的には各計測通信端末4−1〜4−nの通信回路10は、近距離無線通信Lに対応する構成からなる。例えば通信回路10として、Bluetooth用に0.5平方インチの小型トランシーバを実装してもよい。
【0030】
この場合に各計測通信端末4−1〜4−nが省電力モードから計測通信モードに移行すれば、近距離無線通信Lを経由して近傍の中継用受信端末20−1〜20−nと通信可能とする。なお、計測通信端末4−1〜4−nは、それぞれマンホール蓋7に実装され、商用電源を必要しない電池5で動作する。
【0031】
また、中継用受信端末20−1〜20−nは、商標電源により常時通信が可能な状態で動作可能な構成からなる。したがって、中継用受信端末20−1〜20−nの同時起動,各計測通信端末4−1〜4−nとの同時起動などの時間管理は必要ない。ここではマンホールM1〜Mnは道路Gの地下に埋設され、中継用受信端末20−1〜20−nのそれぞれは路側帯の電柱などに取り付けられているものとする(マンホール蓋7から距離10m以内とする。)。なお、中継用受信端末20−nは近距離無線通信L/広域無線通信Iの双方に対応しているものとする。
【0032】
さらに計測通信端末4−1〜4−n,中継用受信端末20−1〜20−nは、それぞれがZigbee(登録商標)のようなメッシュ型のネットワークを構成でき、あるいはスター型,ツリー型,リング型,リンク型の各種ネットワーク形態を構成することも可能である。
【0033】
そして、計測通信端末4が下水道水位Pの水位計測を行ってイベント情報として近傍の中継用受信端末20に近距離無線通信Lで情報伝達する。この中継用受信端末20は、マルチホップで無線伝送することができ、個々の中継用受信端末20間の伝送距離を比較的短くすることができ、各中継用受信端末20間も近距離無線通信Lでの情報伝達が可能となる。その結果として計測通信端末4の無線送信電力を下げて計測通信端末4の消費電力の節約と電池5の長寿命化が可能となる。
【0034】
この構成によれば、消費電力の節約と電池5の長寿命化の効果のみならず、従来のマンホール蓋7を使用したまま通信が可能となる。すなわち、中継用受信端末20はマンホール蓋7から距離10m以内の電柱などに設置されるため、マンホール蓋7の下面に設置した計測通信端末4はごく近距離に位置する中継用受信端末と通信すればよく、図示省略の内蔵アンテナ(アンテナ6で兼用してもよい。)を通じて近距離無線通信LでマンホールMの外へ計測値を伝送することができる。
【0035】
例えば
図4中の計測通信端末4−1は、計測通信モード時に水位Pの計測値を近距離無線通信Lにより中継用受信端末20−1に伝送する。また、中継用受信端末20−1〜20−n間はアドホック型の通信ネットワークが構築され、中継用受信端末20−1〜20−n間を近距離無線通信Lにより順次に伝送される。
【0036】
なお、中継用受信端末20−nは、前記計測値を近距離無線通信L/広域無線通信I(携帯電話回線を含む。)により上位ネットワークW(広域ネットワーク/ローカルエリアネットワーク)経由で情報収集サーバSに伝送する。
【0037】
このとき計測通信端末4・中継用受信端末20間と、各中継用受信端末20間とを近距離無線通信Lで情報伝達するため、広域無線通信Iとして携帯電話回線を使用する場合には、回線契約数が最小限に抑えられ、通信費の削減に貢献できる。また、中継用受信端末20は常時電源オンで待機しているので、時間管理が不要なメリットも有する。
【0038】
≪第2実施形態≫
図5に基づき本発明の第2実施形態を説明する。
図4の第1実施形態では、マンホールM単位で計測通信端末4と中継用受信端末20とを配置しているため、「計測通信端末4:中継用受信端末20=1:1」の構成であった。これに対して
図5の第2実施形態では「計測通信端末4:中継用受信端末20=n(n≧2):1」の構成からなる。
【0039】
この構成によれば、計測通信端末4が第1実施形態よりも長距離(数km程度)通信を可能とする近距離無線通信Lとした場合、複数のマンホール蓋7に実装された計測通信端末4−1〜4−nをまとめて中継用受信端末20に接続でき、中継用受信端末20の個数が削減でき、この点で設置コストの抑制に貢献する。
【0040】
したがって、両端末4,20間の近距離無線通信Lで使用される特定省電力無線技術は数百m〜数kmの範囲(エリア)をカバーするものとし、また各端末4,20には特定省電力無線モジュールを内蔵する。
【0041】
このように
図4の第1実施形態はマンホール単位で中継用受信装置を必要とする構成例であったが、
図5の第2実施形態では「計測通信端末4:中継用受信端末20=n(n≧):1」に構成されるため、中継用受信端末20は複数の計測通信端末4の計測値を取得するように動作する。なお、中継用受信端末20は、前記計測値を広域無線通信Iにより上位ネットワークWの経由で情報収集サーバSに伝送する。ただし、中継用受信端末20と上位ネットワークW間の通信は、前記近距離無線通信Lでも対応可能であり、広域無線通信Iの場合と同様に中継用受信端末20の個数が削減できる。
【0042】
≪第3実施形態≫
図6に基づき本発明の第3実施形態を説明する。この構成は
図4とほぼ同じであるが、各マンホール蓋7の近傍に設置する中継用受信端末20を廃止し、計測通信端末4同士で近距離無線通信Lを行う。これにより中継用受信端末20の設置費用が削減でき、さらにコストが抑制できる。
【0043】
このとき計測通信端末4同士が通信するための電波は地上を水平に通過することとなり、伝播空間が半分なため、計測通信端末4間の距離は短く配置する必要がある。この各計測通信端末4間で使用する近距離無線通信Lは、前述のように一般に特定省電力無線等と呼ばれる400MHz帯,950MHz帯,920MHz帯,2.4GHz帯などの電波を利用した無線免許不要の無線通信である。
【0044】
ここでは従来のマンホール蓋7を使用したまま通信ができるように、マンホール蓋7の下面に設置した計測通信端末4は近距離無線通信Lを行うため、マンホール蓋7の表面に実装されたアンテナ6の経由で電波を発信する。これにより通信線の配線工事費や電源工事が削減できる。
【0045】
図6に基づき説明すれば、マンホールM1の計測通信端末4−1による近距離無線通信Lの相手は近くのマンホールM2の計測通信端末4−2となる。ここでは計測通信端末4−1〜4−n同士はアドホック型の通信ネットワークを構築し、計測通信端末4−1の計測した水位Pの計測値が計測通信端末4−2,4−nの順に伝送され、近距離無線通信L/広域無線通信Iにより上位ネットワークWの経由で情報収集サーバSに伝送される。
【0046】
もっとも、計測通信端末4−1の計測した水位Pの計測値が計測通信端末4−2,4−nに順に伝送されるため、通信を行う計測通信端末4−2,4−nが同時に起動する必要がある。このとき計測通信端末4−1〜4−nは、GPS16の搭載/非搭載にかかわらず、それぞれのRTC18によりほぼ同時にメイン電源スイッチ13がオンとなり、前記計測値の伝送を完了した計測通信端末4−1〜4−nは順にメイン電源スイッチ13がオフとなる。以下、計測通信端末4−1〜4−nの同時起動の動作例を説明する。
【0047】
(1)各計測通信端末の同時起動の動作例1
図7に基づきGPS16の絶対時間を利用した計測通信端末4−1〜4−nの同時起動を説明する。なお、バックアップ電源スイッチ15がオン動作し、バックアップ電源回路14が電源投入されていることが同時起動の前提である。
【0048】
S01〜S05:ここでは計測通信端末4−1〜4−nは計測通信モード時に絶対時間情報を入手する。絶対時間情報は計測通信端末4−1〜4−nのGPS16により取得する。この絶対時間の取得は全計測通信端末4−1〜4−nで同一時間を取得できるので、省電力モードの通信待機時に装置を起動させる時間管理に有効である。
【0049】
具体的には計測通信端末4−1〜4−nは、メイン電源スイッチ13のオン動作時に主電源回路11が電源投入され、計測通信モードに移行する(S01)。このときGPS16から絶対時刻情報を入手する(S02)。
【0050】
ここで入手した絶対時刻情報に基づきRTC18に絶対時刻を現在時刻として設定し、続いて全計測通信端末4−1〜4−nがマルチホップで無線伝送できるように次に起動するための時刻(各端末4−1〜4−nで同一時刻とする。)を起動時刻としてセットする(S03)。このセット後にメイン電源スイッチ13がオフにされ、主電源回路11の電源供給が切断され(S04)、省電力モードへ移行する(S05)。
【0051】
S06〜S09:計測通信端末4−1〜4−nにおいて、RTC18による起動のオン/オフを確認する(S06)。すなわち、RTC18はS03でセットされた起動時刻と現在時刻とが一致すれば前記起動回路12にオン信号を出力する一方、両時刻が一致しなければオン信号を出力しなく、S05の省電力モードを維持させる。
【0052】
そして、前記起動回路12は、RTC18からのオン信号を受信するとメイン電源スイッチ13をオンにし、主電源回路11に電源投入する(S07)。これによりCPU等9および水位センサ8が動作可能となり、計測通信モードに移行し(S08)、計測通信処理の完了後にメイン電源スイッチ13がオフとされ、主電源回路11の電源供給が切断され(S09)、S05の省電力モードに復帰する。
【0053】
この動作例1によれば、GPS16の絶対時刻情報に基づき設定された起動時刻でオン/オフを定めているため、正確な同時起動が可能となる。また、全計測通信端末4−1〜4−nの同時起動が可能なため、電池5の長寿命化にも貢献できる。
【0054】
(2)各計測通信端末の同時起動の動作例2
前記動作例1は正確な同時起動が可能なものの、全計測通信端末4−1〜4−nにGPS16が必要になってしまう。ここでは
図8に基づきGPS16の受信機能を必要としない各計測通信端末の同時起動を説明する。
【0055】
この場合、GPS16の時刻情報を利用することなく、任意の計測通信端末4あるいはサーバ(情報収集サーバSでもよい。)の時刻情報を共有することで全計測通信端末4−1〜4−nの同時起動を実現させている。ここでは主に任意の計測通信端末4の時刻情報を基準に時刻情報を共有する事例を説明する。
【0056】
なお、前記動作例1と同様に事前にバックアップ電源スイッチ15がオン動作し、計測通信端末4−1〜4−nのバックアップ電源回路14が電源投入されていることが同時起動の前提となる。
【0057】
S11〜S16:計測通信端末4−1〜4−nのメイン電源スイッチ13をオンにし、それぞれの主電源回路11に電源投入して計測通信モードに移行させる(S11)。
【0058】
計測通信モードへの移行後に時刻共有の基準となる計測通信端末4の時刻情報の送受信を実行する(S12)。ここでは一例として計測通信端末4−1を基準端末とする。この計測通信端末4−1は時刻情報の送信のみを実行する。
【0059】
一方、計測通信端末4−1以外の端末は、
図9に示すように、受信した時刻情報をそのままRTC18にセットすると、計測通信端末4−1から遠くなるに従って時刻差Δtが大きくなってしまう。
【0060】
そこで、CPU等9は、あらかじめ計測しておいた通信処理時間tをもとにΔt時間分を補正する(S13)。ここで補正された時刻情報と次に起動する時刻とをRTC18にセットする(S14)。このセット後にメイン電源スイッチ13をオフにし、主電源回路11の電源供給を切断して(S15)、省電力モードへ移行する(S16)。
【0061】
ここで計測通信端末4−1〜4−nがGPS16を搭載していない場合にサーバから絶対時間情報が配信される例も併せて説明する。このとき通信処理にかかる時間をtmとした場合、絶対時間情報の配信後にその絶対時間taを通信処理時間tmを経て取得すればその計測通信端末4での絶対時間「t set」は式(1)で示される。
【0062】
式(1):「t set」(絶対時間の設定時間)=ta(配信された絶対時間)−tm(通信処理時間)
この式(1)より表1の算出結果が得られる。
【0064】
ここで中継通信処理時間をtとすると、中継段数(計測通信端末4の個数)nの中継処理時間Δt=ntとなる。
【0065】
このような通信時間の遅れを考慮した時刻をRTC18に設定すれば、計測通信端末4−1〜4−nのRTC18は、ほぼ同じ時間を刻むことができる。現在のRTC18の分解能が100ms程度であるので、通信時間の補正が短時間ある場合、計測通信端末4−1〜4−nでほとんど同一時間のセットが可能であるが中継段数が多い場合での時間設定では時間遅れの補正が重要である。
【0066】
通信処理時間は、あらかじめ処理が一定であることから、計測通信装置4のCPUと通信性能により、あらかじめ固定できるものである。また、製作した時点、現場(マンホールM)に据え付ける時点であれば、容易に多段中継せずとも、サーバと1:1で接続させてRTC18の時間をあわせることは容易である。
【0067】
S17〜S20:ここでは前記動作例1のS06〜S09と同様な動作処理を実行する。すなわち、計測通信端末4−1〜4−nにおいて、RTC18による起動のオン/オフを確認する(S17)。このときRTC18はS14でセットされた起動時刻と現在時刻とが一致すれば前記起動回路12にオン信号を出力する一方、両時刻が一致しなければオン信号を出力しなく、S16の省電力モードを維持させる。
【0068】
前記起動回路12は、RTC18からのオン信号を受信するとメイン電源スイッチ13をオンにし、主電源回路11に電源投入する(S18)。これによりCPU等9および水位センサ8が動作可能となり、計測通信モードに移行し(S19)、計測通信処理の完了後にメイン電源スイッチ13がオフとされ、主電源回路11の電源供給が切断され(S20)、S16の省電力モードに復帰する。
【0069】
ここではGPS16を用いることなく、RTC18に設定した時刻に全計測通信端末4−1〜4−nが同時起動でき、計測通信端末4のコスト抑制や装置の小型化に貢献できる。また、全計測通信端末4−1〜4−nの同時起動が可能なため、電池5の長寿命化にも貢献できる。
【0070】
≪プログラム等≫
本発明は、コンピュータを前記動作例1,2の計測通信端末4として同時起動させるプログラムとしても構成することができる。このプログラムによれば、計測通信端末4がS01〜S09,S11〜S20の一部あるいは全部を実行させることが可能となる。
【0071】
前記プログラムは、Webサイトや電子メールなどネットワークを通じて提供することができる。また、前記プログラムは、CD−ROM,DVD−ROM,CD−R,CD−RW,DVD−R,DVD−RW,MO,HDD,BD−ROM,BD−R,BD−REなどの記録媒体に記録して、保存・配布することも可能である。この記録媒体は、記録媒体駆動装置を利用して読み出され、そのプログラムコード自体が前記実施形態の処理を実現するので、該記録媒体も本発明を構成する。