(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態に係る中空部品としての羽根部品について、図面を参照しつつ説明する。なお、以下の実施形態は、本発明の具体例であって、本発明の技術範囲を限定するものではない。
【0017】
(1)全体構成
図1は、本発明の一実施形態に係る水平羽根10を有する空気調和装置の斜視図である。
図2は、本発明の一実施形態に係る水平羽根10の平面図である。本発明の一実施形態である羽根部品としての水平羽根10が採用される空気調和装置の室内機100は、
図1に示すように、室内の壁面に取り付けられる壁掛け型の室内機であって、冷房機能や暖房機能を有している。室内機100は、筐体としてのケーシング110を備える。ケーシング110には、室内空気をケーシング110内部に取り込むための吸込口111と、ケーシング110内部に取り込んだ空気を室内に吹き出すための吹出口112とが形成されている。また、ケーシング110の内部には熱交換器及びファン等が収納されており、ファンが駆動することによって吸込口111から吸い込まれた室内空気が熱交換器を通過して吹出口112から吹き出される。室内空気は、熱交換器を通過する際に熱交換されて、冷気又は暖気となり、室内へと戻る。
【0018】
吹出口112は、室内機100の長手方向(
図1では左右方向)に延びる開口であって、
図1に示すように、ケーシング110の前方下部、すなわち、室内機100の前方下部に形成されている。また、吹出口112には、吹出口112を覆うことのできる水平羽根10が配設されている。水平羽根10は、長方形状を呈する板状の部材である。なお、本実施形態の水平羽根10の長手方向の寸法は、500mm以上であるものとする。水平羽根10は、その長手方向に沿って延びる回動軸120を回動中心として回動可能に設けられており、回動することで所定の姿勢を採る。そして、水平羽根10は、運転停止時には吹出口112を覆うことで吹出口112を閉じ、運転時には熱交換器を通過して吹出口112から吹き出される調和空気の上下方向の風向を調整する。
【0019】
図3は、
図2のIII-IIIで切断した水平羽根10の断面図である。
図4は、
図2のIV-IVで切断した水平羽根10の断面図である。
図5は、
図2のV-Vで切断した水平羽根10の断面図である。
図6は、水平羽根10の前側端部10a断面の部分拡大図である。
【0020】
水平羽根10は、樹脂製であって、中空構造に形成されている。これにより、水平羽根10の断熱性能が向上する。水平羽根10は、主に、第1部材としての本体20と第2部材としての蓋30とから成っており、本体20と蓋30とが超音波溶着により接合されることで構成される。このため、蓋30は、本体20との間に中空部60を介在させた状態で、本体20に接合されているといえる。
【0021】
また、本実施形態の水平羽根10は、室内機100の前方下部全体が丸みを帯びた形状になるように、滑らかに湾曲している。なお、水平羽根10の形状はこれに限定されず、水平羽根10が湾曲していない平らな形状であってもよい。また、本実施形態の水平羽根10は、長方形状を呈しているが、中空構造であれば外形はこれに限定されない。
【0022】
(2)詳細構成
(2−1)本体20
本体20は、平面視において一方が開口した箱状の部材であって、開口に対向して位置する長方形状の本体側基部21と、本体側基部21の外周縁から立設する本体側外周壁22とを有する。本体側基部21において、長手方向に直交する方向である短手方向の両端部のうちの一方の端部には、回動軸120を支持する軸受け部23が複数(ここでは、3つ)設けられている。このため、水平羽根10の回動軸120は、水平羽根10の短手方向の両端部のうちの一方の端部である後側端部10bに配置されているといえる。また、本体側基部21において軸受け部23の設けられている面とは反対側の面が、運転停止時にユーザーから視認される水平羽根10の外面を構成する。なお、本実施形態の軸受け部23は、本体側基部21の長手方向の端部である左右端部よりも中央側に設けられている。
【0023】
また、本体側基部21は、傾斜部24を含む。傾斜部24は、本体側基部21の短手方向の両端部に位置しており、本体側外周壁22の立設する方向に向かって傾斜している。さらに、本体側基部21は、水平羽根10が湾曲して構成されるように一方向に湾曲している。具体的には、本体側基部21は、本体側外周壁22の立設する方向とは反対方向に向かって湾曲している。
【0024】
(2−2)蓋30
蓋30は、本体20の開口を覆うように配置されており、本実施形態では本体20の内側に嵌り込むように構成されている。また、蓋30は、運転停止時にユーザーから視認されない水平羽根10の内面を構成する。蓋30は、
図2に示すように、中央部31と、外周縁部32と、を有する。中央部31は、長方形状の蓋側基部33と、蓋側基部33の長手方向に直交する短手方向の両端部から立設する壁部34とを有する(
図3及び
図4参照)。蓋側基部33は、蓋30が本体20に嵌め込まれた状態で、本体側基部21と同一方向に湾曲している。
【0025】
外周縁部32のうちの蓋30の長手方向の両端部に位置する縁部は、左側縁部35と、右側縁部36とから成る。左側縁部35及び右側縁部36は、蓋側基部33の延びる方向に交差する方向(ここでは直交する方向)に延びている(
図5及び
図17参照)。左側縁部35及び右側縁部36の外面は、本体20の長手方向の左右端部に位置する本体側外周壁22の内面に対向するように位置している。そして、左側縁部35及び/又は右側縁部36において軸受け部23から遠い側の端部近傍には、中空部60の内部と外部とを連通させるための連通口36aが設けられている。
【0026】
外周縁部32のうちの蓋30の長手方向に直交する方向である短手方向の両端部に位置する縁部は、前側縁部38と後側縁部37とから成る。
図4に示すように、前側縁部38は、後側縁部37よりも軸受け部23から遠い側の縁部である。前側縁部38及び後側縁部37は、壁部34の先端から傾斜部24に沿うようにそれぞれ延びている。前側縁部38は、後述する超音波ホーン81が挿入される凹部50近傍に位置しており、本実施形態では、
図6に示すように、凹部50の一部を構成する。より詳しくは、前側縁部38は、超音波ホーン81の突出部183a,184aが当接する当接面38aと、当接面38aの延びる方向と同一方向に延びる対向面38bとを含む。そして、本体20の傾斜部24は、対向面38bと接触する接触面24bを含む。後側縁部37には、
図4に示すように、リブ39が設けられている。なお、本実施形態では、
図3に示すように、蓋30において軸受け部23近傍に位置する部分には後側縁部37が設けられていないものとする。
【0027】
また、本体20と蓋30との接合部における蓋30側の面には、溶融樹脂部180が形成されている。溶融樹脂部180は、超音波ホーン81による超音波振動によって溶融し、本体20の傾斜部24と蓋30の外周縁部32とを溶着するものである。溶融樹脂部180は、
図6に示すように、その断面が三角形状を呈している。
【0028】
(3)水平羽根10の製造
(3−1)超音波溶着装置80
図7は、本体20及び蓋30に超音波ホーン81が当接された状態を示す超音波溶着装置80の平面図である。
図8は、本体20及び蓋30に超音波ホーン81が当接された状態を示す超音波溶着装置80の正面図である。
図9は、受け治具82の斜視図である。
図10は、超音波ホーン81の斜視図である。
図11(a)は、第1超音波ホーン83の正面図である。
図11(b)は、第1超音波ホーン83の底面図である。
図11(c)は、第1超音波ホーン83の側面図である。
図12(a)は、第2超音波ホーン84の正面図である。
図12(b)は、第2超音波ホーン84の底面図である。
図12(c)は、第2超音波ホーン84の側面図である。
図13は、超音波溶着装置80のブロック構成図である。
図14は、
図7のXIV-XIV断面であって、本体20及び蓋30に第2超音波ホーン84が当接された状態を示す図である。
図15は、
図14の部分拡大図であって、水平羽根10の前側端部10aとなる部分を示している。
図16は、
図7のXVI-XVI断面であって、本体20及び蓋30に第1超音波ホーン83が当接された状態を示す図である。
図17(a)は、
図7のXVII(a)-XVII(a)断面であって、本体20及び蓋30に第1超音波ホーン83が当接された状態を示す図である。
図17(b)は、
図7のXVII(b)-XVII(b)断面であって、本体20及び蓋30に第2超音波ホーン84が当接された状態を示す図である。なお、
図7及び
図8では、超音波溶着装置80の超音波ホーン81よりも上部の部分を省略している。
【0029】
超音波溶着装置80は、接合部に超音波振動と荷重とを与えることにより、境界面に発生する熱を利用して溶着する装置であって、複数(ここでは、2つ)の超音波ホーン81と、受け治具82と、を有する。なお、本実施形態の超音波溶着装置80は、2つの超音波ホーン81を有しているが、超音波ホーンの個数は、超音波溶着により接合されるワークの寸法や形状等に応じて最適な個数に決定されればよい。すなわち、超音波溶着装置80が、2つ以上(例えば、3つ、4つ、5つ等の複数)の超音波ホーンを有していれば、その個数は限定されない。
【0030】
受け治具82は、台座85に固定されており、超音波ホーン81と対向するように配置されている。受け治具82は、ワークとしての本体20及び蓋30を組み合わせた状態で設置できるように設計されている。なお、本実施形態では、受け治具82の正面側に本体20の軸受け部23が位置するように本体20及び蓋30が設置される。
【0031】
超音波ホーン81は、
図10〜
図12に示すように、第1超音波ホーン83と、第2超音波ホーン84と、を有する。第1超音波ホーン83及び第2超音波ホーン84は、例えばエアシリンダ等の加重装置86,86によって、受け治具82に対して上下方向(鉛直方向)にそれぞれ往復動される。また、第1超音波ホーン83と第2超音波ホーン84とは、
図8に示すように、水平方向(
図8における左右方向)に並んで配設されている。そして、超音波溶着装置80は、第1超音波ホーン83及び第2超音波ホーン84の少なくとも一方を、水平方向(荷重方向に直交する方向)に所定距離だけ移動させることができるように構成されている。すなわち、一方の超音波ホーンを、他方の超音波ホーンに対して近づく方向及び離れる方向に進退移動させることができる。
【0032】
第1超音波ホーン83、第2超音波ホーン84及び受け治具82は、本体20及び蓋30それぞれの外周縁部に位置する接合部の全体を一度に接合できる形状に設計されている。特に、第1超音波ホーン83及び第2超音波ホーン84におけるワークとの接触面である下面183,184の後部には、
図10〜
図12に示すように、凹部50に挿入可能なように突出部183a,184aが設けられている。突出部183a,184aの外形形状は、凹部50と相似形状となるように形成されている。また、下面183,184の前部は、
図10〜
図12に示すように、軸受け部23を避けるように内側(
図10に示す上方側)窪んだ形状になっている。さらに、下面183,184は、蓋30において接合部以外の部分が接触しないように、内側(
図10に示す上方側)に窪んだ形状になっている。
【0033】
第1超音波ホーン83及び第2超音波ホーン84には、超音波振動子87,87がそれぞれ連結されている。超音波振動子87,87には、図示しない制御装置からの指示で、所定時間、発振器から高周波電圧が印加される。この結果、超音波振動子87,87が超音波を発振する。そして、超音波振動子87,87により発振された超音波は、ブースタ88,88により最適な振幅に機械的に増幅され、共鳴体である第1超音波ホーン83及び第2超音波ホーン84それぞれを振動させる。
【0034】
(3−2)水平羽根10の製造方法
まず、射出成形や押出成形等の既存の成形方法によって、樹脂製の本体20及び蓋30をそれぞれ成形する。次に、
図3及び
図4に示すように、本体20の本体側基部21の内面21aと蓋30の蓋側基部33の内面33aとが対向し、かつ蓋30の外周縁部32が本体側外周壁22の内側に嵌り込むように本体20と蓋30とを重ね合わせた状態で、本体20と蓋30とが受け治具82に設置される。なお、このとき、水平羽根10の前側端部10aとなる部分では、
図6に示すように、蓋30の前側縁部38の対向面38bと本体20の傾斜部24の接触面24bとが対向して位置しており、本体20の本体側外周壁22と、蓋30の壁部34及び前側縁部38とによって、内側(本体20側)に向かって窪んだ凹部50が構成されている。
【0035】
本体20及び蓋30は、受け治具82に設置された状態で受け治具82の長手方向(左右方向)の両端部のうちの一方の端部に寄せられることで、本体20及び蓋30の左右端部の基準位置が決定される。そして、調整工程として、第1超音波ホーン83及び第2超音波ホーン84の相対位置の調整が行われる。具体的には、本体20及び蓋30の左右端部の基準位置に合うように、第1超音波ホーン83及び第2超音波ホーン84の水平方向の位置が調整される。例えば、第1超音波ホーン83及び第2超音波ホーン84のそれぞれが水平方向に移動できる構成の場合には、本体20及び蓋30の左右方向の寸法に合うように、第1超音波ホーン83及び第2超音波ホーン84のそれぞれが左右方向に水平移動される。このように、第1超音波ホーン83及び第2超音波ホーン84の位置決めが行われる。
【0036】
その後、加重装置86,86によって、第1超音波ホーン83及び第2超音波ホーン84それぞれが受け治具82に向かって移動される。この結果、第1超音波ホーン83及び第2超音波ホーン84は、受け治具82との間に本体20と蓋30との重なり部分を挟んだ状態で、受け治具82に対して所定の圧力で押しつけられる。このとき、第1超音波ホーン83及び第2超音波ホーン84の下面183,184の突出部183a,184aが、凹部50を構成する面22a,34a,38aに当接する(
図6及び
図15参照)。また、第1超音波ホーン83及び第2超音波ホーン84の下面183,184の平坦な前部が、後側縁部37のリブ39の先端面39aに当接する(
図14参照)。なお、
図3に示すような後側縁部37のない部分では、第1超音波ホーン83及び第2超音波ホーン84の下面183,184の平坦な前部が、蓋側基部33の後部の面33fに当接する(
図16参照)。さらに、
図17に示すように、第1超音波ホーン83の下面183の平坦な左端部が右側縁部36の先端面36fに当接し、第2超音波ホーン84の下面184の平坦な右端部が左側縁部35の先端面35fに当接する。このように、凹部50を構成する面22a,34a,38a、リブ39の先端面39a、蓋側基部33の後部の面33f、及び先端面35f,36f等に第1超音波ホーン83及び第2超音波ホーン84の下面183,184が当接されて第1超音波ホーン83及び第2超音波ホーン84がそれぞれ加振されることにより、第1超音波ホーン83及び第2超音波ホーン84と受け治具82とによって挟まれた本体20と蓋30との重なり部分が接合されることになる。これにより、本体20と蓋30との間に中空部60を有しており、外周縁のほぼ全体が超音波溶着により接合された水平羽根10が完成する。
【0037】
ここで、本実施形態では、本体20と蓋30との接合時には、第1超音波ホーン83と第2超音波ホーン84とがそれぞれ別の部分に当接する。このため、本体20と蓋30との接合部には、第1超音波ホーン83が当接することで接合される部分(以下、第1部分という)と、第2超音波ホーン84が当接することで接合される第1部分とは別の部分(以下、第2部分という)があるといえる。本実施形態では、第1部分は、接合部において水平羽根10の右側端部10dと、前側端部10a及び後側端部10bの右側部分とを含む部分である。また、第2部分は、接合部において水平羽根10の左側端部10cと、前側端部10a及び後側端部10bの左側部分とを含む部分である。そして、第1超音波ホーン83と第2超音波ホーン84とが同じタイミングで第1部分及び第2部分を加振することで、第1部分及び第2部分が同時に接合される。
【0038】
(4)特徴
(4−1)
ここで、樹脂により成形された部材は、成形バラツキや収縮バラツキにより部材の寸法に誤差が生じることがある。このため、樹脂成形された部材を重ね合わせて超音波溶着により接合して1つの製品を製造しようとした場合、超音波ホーンの位置が所望の接合位置からずれてしまい、各部材を所望の接合位置で接合できなかったり、超音波ホーンを当接させることができず各部材を接合できなかったりすることがある。
【0039】
本実施形態では、接合部の第1部分には第1超音波ホーン83が当接されて接合され、接合部の第2部分には第1超音波ホーン83とは別の第2超音波ホーン84が当接されて接合される。このため、本体20と蓋30とを接合する際に、第1超音波ホーン83の位置を第1部分に合わせて調整し、第2超音波ホーン84の位置を第2部分に合わせて調整することができる。
【0040】
また、本実施形態では、本体20と蓋30との接合時には、第1超音波ホーン83及び第2超音波ホーン84の相対位置の調整が行われた後に、本体20と蓋30とが接合される。このため、本体20と蓋30とを接合する前に、第1超音波ホーン83の位置を第1部分に合わせて調整し、第2超音波ホーン84の位置を第2部分に合わせて調整することができる。
【0041】
これによって、樹脂成形された2つの部材を接合して中空構造の製品を形成する場合であっても、超音波溶着により各部材を所望の接合位置で接合することができている。
【0042】
(4−2)
本実施形態では、第1超音波ホーン83及び第2超音波ホーン84が、同じタイミングで第1部分及び第2部分を加振する。このため、第1超音波ホーン83及び第2超音波ホーン84が別々のタイミングで第1部分及び第2部分それぞれを加振する場合と比較して、製造時間を短縮することができている。
【0043】
(4−3)
本実施形態では、第1超音波ホーン83及び第2超音波ホーン84が加振することで、水平羽根10の外周縁全体が接合される。すなわち、2つの超音波ホーン81により、中空構造の水平羽根10の外周縁全体を接合することができている。
【0044】
(4−4)
本実施形態の水平羽根10は、長手方向の寸法が500mm以上ある。すなわち、本実施形態の製造方法により、寸法が500mm以上の長尺の水平羽根10を超音波溶着により製造することができている。
【0045】
(4−5)
本実施形態の第1超音波ホーン83及び第2超音波ホーン84には、各超音波ホーン83,84の後部にのみ、各超音波ホーン83,84の長手方向に沿った突出部183a,184aが設けられている。
【0046】
ここで、本実施形態の本体20及び蓋30の構成では、本体20の本体側外周壁22と蓋30の壁部34及び後側縁部37とによって、内側(本体20側)に向かって窪む窪みが構成されるが、
図14に示すように、この窪みの内面には第1超音波ホーン83及び第2超音波ホーン84が当接しないようになっている。すなわち、本実施形態では、第1超音波ホーン83及び第2超音波ホーン84の突出部183a,184aが挿入される凹部50は、水平羽根10において回動軸120の配置される後側端部10bとは反対側の前側端部10aにのみ形成される。このため、接合時には、水平羽根10の後側端部10bに位置する接合部で超音波ホーン81の当接位置を調整することができる。すなわち、本体20及び蓋30の前後方向に寸法バラツキがあっても、前側に位置する凹部50に各超音波ホーン83,84の突出部183a,184aを挿入し、凹部50を構成する面22a,34a,38aに各超音波ホーン83,84の突出部183a,184aを当接させやすくすることができる。これにより、本体20と蓋30とが接合できないおそれを低減することができている。
【0047】
また、凹部50は、水平羽根10において、回動軸120の配置される後側端部10bとは反対の前側端部10aに位置している。このため、運転時にユーザーに視認されやすい前側端部10aにおける接合箇所の位置決め精度を向上させることがでるとともに、超音波溶着時に溶融した樹脂がはみ出してもこれを目立ちにくくすることができる。
【0048】
これによって、外観上の品位の低下を抑制することができている。
【0049】
(5)変形例
(5−1)変形例A
上記実施形態では、壁掛け型の室内機100に用いられる水平羽根10について説明しているが、本発明の羽根部品は、これに限定されない。すなわち、空気調和装置の有する中空構造の羽根部品であればよく、例えば、天井設置型の室内機に用いられる水平羽根10や室外機に用いられるプロペラファンであってもよい。
【0050】
また、本発明は、羽根部品に限られず、中空構造の製品すなわち中空部品を製造する際の製造方法として使用することができる。特に、本発明の製造方法を用いることにより、超音波溶着を用いて中空構造の長尺部品を製造することができる。
【0051】
(5−2)変形例B
上記実施形態では、第1超音波ホーン83及び第2超音波ホーン84が、同じタイミングで第1部分及び第2部分を加振しているが、これに限定されず、第1超音波ホーン83及び第2超音波ホーン84が別々のタイミングで第1部分及び第2部分それぞれを加振するように設計されていてもよい。