(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
平面視外形が矩形形状で3層以上に積層された複数のセラミック基板層からなり、かつ、前記複数のセラミック基板層の前記矩形の4角それぞれに上下方向に伸長するキャスタレーションが形成され、かつ、複数の内部端子パッドが形成された収納部と、外底面に4つ以上の外部端子が形成された外装部とを有する絶縁性のベースと、
前記複数の内部端子パッドの一部と電気的に接続される集積回路素子と、前記複数の内部端子パッドの他の一部と電気的に接続され、前記集積回路素子と電気的に接続される圧電振動素子と、
を有する圧電発振器であって、
前記外部端子のうち、前記4つの外部端子は、前記4角のキャスタレーションに接しない状態で近接して形成されており、
前記4つの外部端子のうちの1つが、交流出力用外部端子を構成しており、
前記複数の内部端子パッドの前記一部と前記他の一部は、異なるセラミック基板層それぞれの面(以下、異層面)に形成されており、
前記複数の内部端子パッドの前記一部と前記他の一部とを接続する外部露出配線パターンが、前記3層以上のセラミック基板層のうち、最上層のセラミック基板層と最下層のセラミック基板層との間にある中間層のセラミック基板層の前記矩形の4角のうちの一対の角の一方の第1キャスタレーションの上面と第2キャスタレーションの上面とのみに形成されており、
前記第1キャスタレーションは、該矩形の4角のうち前記交流出力用外部端子に近接する角の第3キャスタレーションに対して前記ベースの長辺方向で対向するキャスタレーションであり、
前記第2キャスタレーションは、前記第3キャスタレーションに対して前記ベースの前記平面視矩形上で対角線方向に位置する角のキャスタレーションであることを特徴とする圧電発振器。
前記ベースの収納部に搭載された圧電振動素子は、中央の矩形状の空間を囲う矩形状の枠体として構成された最上層のセラミック基板層の上面の接合領域に蓋を被せて気密封止されており、
前記最上層のセラミック基板層における前記枠体の外側の4角にのみ前記キャスタレーションが形成されており、
前記最上層のセラミック基板層における前記枠体の内側の4角に面取り部あるいは曲率部が形成されている、請求項1に記載の圧電発振器。
前記ベースは、最下層の底部と、中間層の第1堤部と、最上層の第2堤部と、から構成され、前記最下層の底部は、セラミック材料からなる平面視矩形状の一枚板で構成され、前記中間層の第1堤部は、前記最下層の底部上にセラミック材料により平面視枠形状に積層され、前記最上層の第2堤部は、前記中間層の第1堤部上にセラミック材料により平面視枠形状に積層され、
前記最下層のベースの収納部は、前記中間層の第1堤部により形成されて前記集積回路素子が収納される第1収納部と、前記最上層の第2堤部により形成されて前記圧電振動素子が収納される第2収納部とを有し、前記第1収納部の内底面に、前記複数の内部端子パッドが形成されている、請求項1に記載の圧電発振器。
前記ベースは、中間層の中板部と、上層の第3堤部と、下層の第4堤部とから構成され、前記中間層の中板部は、セラミック材料により平面視矩形状に形成された一枚板のものであり、前記上層の第3堤部は、前記中間層の中板部の上にセラミック材料により平面視枠形状に積層され、前記下層の第4堤部は、前記中間層の中板部の下にセラミック材料により平面視枠形状に積層され、前記ベースの収納部は、前記上層の第3堤部により形成されて前記圧電振動素子が収納される第3収納部と、前記下層の第4堤部により形成されて前記集積回路素子が収納される第4収納部とにより形成され、前記第4収納部の内底面に、前記第1〜第3内部端子パッドが形成されている、請求項1に記載の圧電発振器。
前記2つの対向する第1内部端子パッドを前記ベースの前記矩形4角の4つのキャスタレーションのうち、前記第1および前記第2キャスタレーションにそれぞれ延出する2つの第1配線パターンと、前記2つの対向する第2内部端子パッドを前記第1および前記第2キャスタレーションに対向する残り2つのキャスタレーションにそれぞれ延出する2つの第2配線パターンと、前記2つの対向する第3内部端子パッドそれぞれを延出する前記2つの配線パターンから前記ベースの内底面の端部にまで、前記ベースの短辺方向に延出された2つのノイズ遮断用配線パターンと、を有する、請求項3に記載の圧電発振器。
前記中間層の前記セラミック基板層のキャスタレーションが、前記最上層と前記最下層の前記セラミック基板層それぞれのうちの少なくとも一方のキャスタレーションより相対的に内奥に凹んでいる、請求項1に記載の圧電発振器。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このような圧電発振器では、小型化すると、集積回路素子の出力パッド(
図10の信号出力部P3に対応するパッド)と接続されるベースの出力用内部端子パッドから出力用配線パターン等(集積回路素子の信号出力部)を流れる交流や高周波の信号が発生する不要な輻射(以下、輻射ノイズという)により、圧電発振器の動作に悪影響を及ぼされやすい。
【0008】
特に、圧電発振器では、集積回路素子の信号出力部を流れる集積回路素子信号の周波数と、圧電振動素子の信号入出力部を接続する入力用内部端子パッドおよびこれらを接続する配線パターン等(圧電振動素子の接続部)を流れる圧電振動素子信号の周波数とが同じであっても、両信号間で、位相ずれや、信号波形の相違による電位差が生じている。このため、これらの相違点から前記集積回路素子信号と前記圧電振動素子信号との相互作用により、動作上の不具合を起こすことがあった。一般的に、圧電振動素子用の接続部では圧電振動素子信号は正弦波であるのに対して、前記集積回路素子の出力部では集積回路素子信号は矩形波となっているので、集積回路素子信号には主振動以外にも輻射ノイズとなる高周波成分が含まれている。この高周波ノイズ成分は、圧電発振器としての周波数が高くなるほど電磁波として輻射されやすい。この輻射は、発信源となる圧電振動素子信号等に悪影響を与えるおそれがある。
【0009】
そこで、本発明は、小型化しても、輻射ノイズの悪影響を受けにくい構造として、電気的特性に優れた、かつ、動作上の信頼性が高い圧電発振器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(1)上記の目的を達成するために、本発明の圧電発振器においては、
平面視外形が矩形形状で3層以上に積層された複数のセラミック基板層からなり、かつ、前記複数のセラミック基板層の前記矩形の4角それぞれに上下方向に伸長するキャスタレーションが形成され、かつ、複数の内部端子パッドが形成された収納部と、外底面に4つ以上の外部端子が形成された外装部とを有する絶縁性のベースと、
前記複数の内部端子パッドの一部と電気的に接続される集積回路素子と、前記複数の内部端子パッドの他の一部と電気的に接続され、前記集積回路素子と電気的に接続される圧電振動素子と、
を有する圧電発振器であって、
前記外部端子のうち、前記4つの外部端子は、前記4角のキャスタレーションに接しない状態で近接して形成されており、
前記4つの外部端子のうちの1つが、交流出力用外部端子を構成しており、
前記複数の内部端子パッドの前記一部と前記他の一部は、異なるセラミック基板層それぞれの面(以下、異層面)に形成されており、
前記複数の内部端子パッドの前記一部と前記他の一部とを接続する外部露出配線パターンが、前記3層以上のセラミック基板層のうち、最上層のセラミック基板層と最下層のセラミック基板層との間にある中間層のセラミック基板層の前記矩形の4角のうちの一対の角の一方の第1キャスタレーションの上面と第2キャスタレーションの上面とのみに形成されており、
前記第1キャスタレーションは、該矩形の4角のうち前記交流出力用外部端子に近接する角の第3キャスタレーションに対して前記ベースの長辺方向で対向するキャスタレーションであり、
前記第2キャスタレーションは、前記第3キャスタレーションに対して前記ベースの前記平面視矩形上で対角線方向に位置する角のキャスタレーションであることを特徴とする。
【0011】
本発明によれば、前記集積回路素子用の第1パッドと前記圧電振動素子用の第2パッドとを接続する配線パターンの一部について、中間層のセラミック基板層の一対の角のキャスタレーションの上面に形成された外部露出配線パターンのみで前記2つの異層面を接続することで、集積回路素子用の第1パッドと圧電振動素子用の第2パッドとを接続する導電路(配線パターン)のうち、前記2つの異層面間を接続する導電路を前記交流出力用外部端子から遠い位置に配置することができる。
【0012】
セラミック基板層の異層面間を接続する導電路である前記外部露出配線パターンは、前記交流出力用外部端子を流れる交流や高周波信号による輻射ノイズが発生した場合、この輻射ノイズの発生源に対向する面積が他の配線パターンより大きいため、その悪影響を強く受けやすい部分となる。しかし本発明では前記輻射ノイズを発生しても、この交流出力用外部端子から遠い位置に前記外部露出配線パターンを配置しているので、前記輻射ノイズによる悪影響を極力抑えることが可能となる。
【0013】
特に、圧電発振器が小型化されると、外部端子や配線パターン、内部端子パッド等の形成位置がますます制限される中で、前記交流出力用外部端子と前記外部露出配線パターンとの距離も短くなり、その悪影響もより一層受けやすくなるが、本発明では表面実装型圧電発振器の小型化を妨げることなく、輻射ノイズの悪影響を抑えることができる。
【0014】
また、前記外部露出配線パターンを、圧電振動素子の特性を計測する外部測定端子としても活用することができるので、外部測定端子を設けるためにベースの長辺や短辺に別途キャスタレーションを形成する必要がない。特に、圧電発振器が小型化されると、キャスタレーションをベースの長辺や短辺に形成することで、ベースの収納部を狭めたり、ベースの強度を低下させたり、蓋との封止領域が確保しにくくなるという問題がより顕著なものとなるが、これらの不具合が生じることがない。また、最終製品の状態で計測が行えるので、より正確な計測が行える。
【0015】
また、4つの外部端子がベース外底面の4角のキャスタレーションに接しない状態で近接して形成され、外部露出配線パターンが中間層のセラミック基板層の一対の角のキャスタレーションの上面のみに形成されているので、回路基板に圧電発振器を半田接合しても、半田がベースのキャスタレーションを伝って這い上がることがなく、ベースの封止領域に蓋を金属系の封止材料で接合したとしても、当該封止材料がベースのキャスタレーションを伝って垂れ下がることもない。このため外部端子と前記外部測定端子とが短絡したり、蓋の封止材料と外部測定端子が短絡したりすることがない。
【0016】
(2)本発明において、好ましい態様は、本発明の請求項2に示すように、上述の構成に加え、前記ベースの収納部に搭載された圧電振動素子は、中央の矩形状の空間を囲う矩形状の枠体として構成された最上層のセラミック基板層の上面の接合領域に蓋を被せて気密封止されており、前記最上層のセラミック基板層は、前記枠体の外側の4角にのみ前記キャスタレーションが形成されており、前記枠体の内側の4角に面取り部あるいは曲率部が形成されてもよい。
【0017】
上記構成により、上述の作用効果に加えて、最上層のセラミック基板層のキャスタレーションが前記枠体の外側の4角のみであり、このキャスタレーションに近接する前記枠体の内側の4角に面取り部あるいは曲率部が形成されているので、ベースの強度を向上させながら、蓋との接合領域を狭めることもなく、圧電発振器のさらなる小型化に対応することができる。
【0018】
(3)本発明において、好ましい実施態様は、本発明の請求項3に示すように、上述の構成に加え、前記集積回路素子は矩形状で一主面に前記複数の内部端子パッドの前記一部とバンプを介してフリップチップボンディングされるパッドを有しており、
前記集積回路素子の前記パッドは、前記集積回路素子の第1辺に近接して形成された2つの対向する第1パッドと、前記集積回路素子の前記第1辺に対向する第2辺に近接して形成された2つの対向する第2パッドと、前記第1パッドと前記第2パッドとの間に各々形成された2つの対向する第3パッドとを有し、前記2つの第2パッドのうちの一方が交流出力となり、
前記ベースの前記複数の内部端子パッドは、
前記圧電振動素子と電気的に接続されるとともに前記集積回路素子の前記2つの対向する第1パッドと接合される2つの対向する第1内部端子パッドと、前記2つの対向する第2パッドと接合される2つの対向する第2内部端子パッドと、前記2つの対向する第3パッドそれぞれと接合されるもので前記第1内部端子パッドと前記第2内部端子パッドとの間に介在する2つの対向する第3内部端子パッドとを有し、
前記2つの対向する第1内部端子パッドそれぞれの周囲の一部に沿って、前記2つの対向する第3内部端子パッドそれぞれと当該2つの対向する第3内部端子パッドそれぞれを延出する2つの配線パターンとが同一面に形成されて輻射ノイズ遮断用導電路が構成され、
前記第1内部端子パッドと前記第2内部端子パッドとが前記輻射ノイズ遮断用導電路を間にして隔てられている。
【0019】
上記構成により、上述の作用効果に加えて、前記第1内部端子パッドの周囲の一部に沿って、前記第3内部端子パッドと当該第3内部端子パッドを延出する配線パターンとを同一面に形成することで、前記圧電振動素子と電気的に接続された第1内部端子パッドと前記交流出力が一方に含まれる第2内部端子パッドとを同一面の前記第3内部端子パッドとその配線パターンを介して隔てて形成することができる。このため、前記第2内部端子パッドの一方を流れる交流や高周波信号が不要な輻射ノイズが発生しても、前記第3内部端子パッドと当該第3内部端子パッドを延出する配線パターンによる導電路で遮断され、同一面上でより悪影響の受けやすい前記圧電振動素子と接続された第1内部端子パッドへ届きにくくなる。つまり前記第2内部端子パッドの交流出力から発生する不要輻射(輻射ノイズ)の影響が、前記第1内部電極パッドに電気的に接続する圧電振動素子に及ぶのを抑制することが可能となる。
【0020】
特に、圧電発振器では、前記第2内部端子パッドの一方の交流出力を流れる信号の周波数と、圧電振動素子を接続する前記第1内部端子パッドに流れる信号の周波数とが同じ場合であっても、位相がズレてしまい、さらに信号波形が違うために電位差が生じているので、これらの相違点から前記第2内部端子パッドの交流出力側と前記第1内部端子パッドとの相互作用による不具合を起こす原因となることがあった。これに対して、本発明によれば、前記圧電振動素子と電気的に接続された第1内部端子パッドと前記交流出力が一方に含まれる第2内部端子パッドとを同一面の前記第3内部端子パッドと当該第3内部端子パッドを延出する配線パターンとによる導電路で遮断されているので、前記相互作用による不具合を抑えることが可能となる。
【0021】
(4)本発明において、好ましい実施態様は、本発明の請求項4に示すように、上述の構成に加え、前記圧電振動素子は、ATカットされた水晶振動板である。
【0022】
(5)本発明において、好ましい実施態様は、本発明の請求項5に示すように、上述の構成に加え、前記ベースは、最下層の底部と、中間層の第1堤部と、最上層の第2堤部と、から構成され、前記最下層の底部は、セラミック材料からなる平面視矩形状の一枚板で構成され、前記中間層の第1堤部は、前記最下層の底部上にセラミック材料により平面視枠形状に積層され、前記最上層の第2堤部は、前記中間層の第1堤部上にセラミック材料により平面視枠形状に積層され、
前記最下層のベースの収納部は、前記中間層の第1堤部により形成されて前記集積回路素子が収納される第1収納部と、前記最上層の第2堤部により形成されて前記圧電振動素子が収納される第2収納部とを有し、前記第1収納部の内底面に、前記複数の内部端子パッドが形成されている。
【0023】
(6)本発明において、好ましい実施態様は、本発明の請求項6に示すように、上述の構成に加え、前記ベースは、中間層の中板部と、上層の第3堤部と、下層の第4堤部とから構成され、前記中間層の中板部は、セラミック材料により平面視矩形状に形成された一枚板のものであり、前記上層の第3堤部は、前記中間層の中板部の上にセラミック材料により平面視枠形状に積層され、前記下層の第4堤部は、前記中間層の中板部の下にセラミック材料により平面視枠形状に積層され、前記ベースの収納部は、前記上層の第3堤部により形成されて前記圧電振動素子が収納される第3収納部と、前記下層の第4堤部により形成されて前記集積回路素子が収納される第4収納部とにより形成され、前記第4収納部の内底面に、前記第1〜第3内部端子パッドが形成されている。
【0024】
(7)本発明において、好ましい実施態様は、本発明の請求項7に示すように、上述の構成に加え、前記2つの対向する第1内部端子パッドを前記ベースの前記矩形4角の4つのキャスタレーションのうち、前記第1および前記第2キャスタレーションにそれぞれ延出する2つの第1配線パターンと、前記2つの対向する第2内部端子パッドを前記第1および前記第2キャスタレーションに対向する残り2つのキャスタレーションにそれぞれ延出する2つの第2配線パターンと、前記2つの対向する第3内部端子パッドそれぞれを延出する前記2つの配線パターンから前記ベースの内底面の端部にまで、前記ベースの短辺方向に延出された2つのノイズ遮断用配線パターンと、を有する。
【0025】
(8)本発明において、好ましい実施態様は、本発明の請求項8に示すように、上述の構成に加え、前記中間層の前記セラミック基板層のキャスタレーションが、前記最上層と前記最下層の前記セラミック基板層それぞれのうちの少なくとも一方キャスタレーションより内奥に凹んでいる。
【発明の効果】
【0026】
以上のように、本発明は、小型化に対応させながら、輻射ノイズの悪影響を受けにくい電気的特性の優れたより信頼性の高い圧電発振器を提供することを目的とする。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照して、本発明の実施例にかかる圧電発振器を説明する。
図1〜
図3は、本発明の第1の実施例を示し、
図4は本発明に適用される集積回路素子の底面図である。
図5および
図6は本発明の第2の実施例、
図7は、本発明の第3の実施例、
図8は本発明の第4の実施例、
図9は本発明の第5の実施例を示している。各実施例において共通ないし対応する部分には同じ符号を付している。各実施例では圧電発振器として水晶発振器に適用している。
【0029】
第1の実施例を
図1〜
図4を参照して説明する。
【0030】
水晶発振器6は、凹部を備えたベース1と、ベース1の凹部下方に収納される集積回路素子2と、ベース1の凹部上方に収納される圧電振動素子3と、ベース1の開口部に接合される蓋4と、を備える。ベース1と、蓋4とにより、水晶発振器6のパッケージが構成される。ベース1と蓋4とは、封止材5を用いて接合される。圧電振動素子3は、例えば、ATカットされた水晶振動板により構成される。ベース1の内部は、封止材5の接合により気密封止される。
【0031】
水晶発振器6において、ベース1は上部のみが開口している。ベース1の内底面10a1に集積回路素子2が収納される。ベース
1の上部に圧電振動素子3が収納される。水晶発振器6は、集積回路素子2と圧電振動素子3とが積層された積層型配置のものである。
【0032】
ベース1は、セラミック基板層が3層に積層されてなり、全体として直方体になっている。ベース1は、最下層の底部11と、中間層の堤部12と、最上層の堤部13と、から構成される。底部11は、アルミナ等の絶縁性のセラミック材料からなる平面視矩形状の一枚板からなる。堤部12,13は、アルミナ等の絶縁性のセラミック材料により平面視枠形状に形成される。
【0033】
この構成により、ベース1は、断面でみて凹形の収納部10を有する箱状体に形成されている。堤部13の上面は平坦に形成されている。堤部12,13は、ベース1の側壁部を構成する。堤部13の上面は、ベース1の上端面となる。収納部10は、平面視矩形状であり、下部側の第1の収納部10aと上部側の第2の収納部10bとからなる。第1の収納部10aには集積回路素子2が収納される。第2の収納部10bには圧電振動素子3が収納される。堤部13の枠体内側の4角には、曲率部R1,R2,R3,R4が形成されている。ベース1は、底部11と、堤部12,13との3層構造であるが、ベース1の収納部10の構造に応じて単層や2層の構成でもよく、4層以上でもよい。
【0034】
ベース1の堤部13の上面は、蓋4との接合領域13aとなる。この接合領域13aは、金属膜からなる。接合領域13aは、具体的には、タングステンあるいはモリブデン等のメタライズ材料からなるメタライズ層と、このメタライズ層に積層されたニッケル層と、このニッケル層に積層された金層との3層の金属膜により構成される。タングステンあるいはモリブデンは厚膜印刷技術を活用してメタライズ技術によりセラミック焼成時に一体的に形成される。このメタライズ層上にニッケル層と、金層とが、この順でメッキにより形成される。
【0035】
平面視矩形形状のベース1の外周壁において、該矩形の四角には、上下方向に伸長する複数のキャスタレーション(凹み)C1,C2,C3,C4が形成されている。これらキャスタレーションは、ベース1の外周壁に対して円弧状の切り欠きが上下方向に形成されたものである。接合領域13aは、ベース1の堤部12,13を上下に貫通接続する導電ビアV2や、キャスタレーションC2上部に形成された図示しない配線パターンのうちのいずれか少なくとも一方により、ベース1の外底面1a2に形成された外部端子パッドGT2に電気的に導出されている。外部端子パッドGT2がアース接続されることにより、金属製の蓋4は、接合領域13a、および導電ビアやキャスタレーション上部の配線パターン等を介して接地される。この接地により水晶発振器6の電磁気シールド効果が得られる。
【0036】
ベース1内においては、堤部12により、集積回路素子2を収納する平面視略矩形状の第1の収納部10aが形成される。堤部12の図中左右両側の内側面は、堤部13よりも内方に突出し、図中、堤部12の左側の突出部分は、圧電振動素子3の一端部を保持する保持台10cとなり、図中右側の突出部分は第1の収納部10aを介して保持台10cと対向位置する枕部10dとなる。第1の収納部10aの上方には、堤部13により構成された第2の収納部10bが形成されている。なお、第1の収納部10aの内底面10a1(ベース1の内底面)には、それぞれ図中上下2つ一対で、第1内部端子パッドNT1,NT2と、第2内部端子パッドNT3,NT4と、第3内部端子パッドNT5,NT6と、が図中左右方向に並設されている。第1の収納部10aは、前記並設方向と平行な2つの特定辺101a,102aを有する平面視略矩形状に形成されている。
【0037】
ベース1の最下層である底部11の上面つまり第1の収納部10aの内底面10a1には、集積回路素子2の各パッドと接続される複数の矩形状の内部端子パッドNT(NT1〜NT6の総称)と、これらを延出する配線パターンH(後述するH1〜H6の総称)とが並んで形成されている。具体的には
図2に示すように、内部端子パッドNTにおいて、2つ一対の第1内部端子パッドNT1,NT2は、一方が交流入力用、他方が交流出力用として、圧電振動素子3の図示略の信号入力パッドと信号出力パッドとに電気的に接続されかつ集積回路素子2の2つ一対の第1パッド21,22と接続される。集積回路素子2の第1パッド21,22のうち、一方は、第1内部端子パッドNT1,NT2の一方を介して圧電振動素子3の信号入力パッドに接続され、他方は第1内部端子パッドNT1,NT2の他方を介して圧電振動素子3の信号出力パッドに接続される。2つ一対の第2内部端子パッドNT3,NT4は、一方が集積回路素子2の交流信号出力用、他方が集積回路素子2の接地用として、集積回路素子2の2つ一対の第2パッド23,24と接続される。この場合、第1の実施例では、集積回路素子2の第2パッド23は、集積回路素子2から交流信号が出力されるパッドとなり、出力された交流信号は第2内部端子パッドNT3に出力される。2つ一対の第3内部端子パッドNT5,NT6は、共に直流電位が印加されるパッドであり、集積回路素子2の2つ一対の第3パッド25,26と接続される。前記直流電位または接地電位は、集積回路素子2から印加される。配線パターンHにおいて、第1配線パターンH1,H2は、第1内部端子パッドNT1,NT2をそれぞれ延出する。第2配線パターンH3,H4は、第2内部端子パッドNT3,NT4をそれぞれ延出する。第3配線パターンH5,H6は、第3内部端子パッドNT5,NT6をそれぞれ延出する。なお、2つ一対の第3内部端子パッドNT5,NT6は、共に直流電位が印加されるとしたが、接地電位と組合せてもよい。
【0038】
また、
図2に示すように、第1内部端子パッドNT1の2辺の周囲(一部周囲)に沿って第3内部端子パッドNT5と、第3配線パターンH5とを形成するとともに、第1内部端子パッドNT2の2辺の周囲(一部周囲)に沿って第3内部端子パッドNT6と、第3配線パターンH6とを形成する。第3内部端子パッドNT5および第3配線パターンH5と、第3内部端子パッドNT6および第3配線パターンH6は、共に、集積回路素子2の第2パッド23からの輻射ノイズが第1内部端子パッドNT1,NT2側に届かないように遮断する輻射ノイズ遮断用導電路を形成する。第1内部端子パッドNT1,NT2と第2内部端子パッドNT3,NT4は、前記輻射ノイズ遮断用導電路を間にして相互に隔てられる。これにより、集積回路素子2の第2パッド23から発生した輻射ノイズは第1内部端子パッドNT1,NT2側に届くのが抑制される。輻射ノイズ遮断用導電路が輻射ノイズを遮断する作用を有するために、第3内部端子パッドNT5,NT6には、直流電位が印加される。この電位は、集積回路素子2から印加される。もちろん、前記と同様に、接地電位と組合せてもよい。
【0039】
さらに、第1内部端子パッドNT1,NT2と第2内部端子パッドNT3,NT4とは、その間に位置する第3内部端子パッドNT5,NT6よりも、第1の収納部10aの特定辺101a,102aと平行な方向に幅広に形成している。また、第1の収納部10aの中心点Oを通る特定辺101a,102aと平行な仮想線L1に対して、第1内部端子パッドNT1,NT2と、第2内部端子パッドNT3,NT4と、第3内部端子パッドNT5,NT6とが略対称に対向配置されている。第3内部端子パッドNT5,NT6は、第1の収納部10aの中心点Oを通る特定辺101a,102aと直交する仮想線L2に沿って、略対向配置されている。
【0040】
なお、第1の実施例では、矩形状に形成された第1内部端子パッドNT1,NT2のうち、第2内部端子パッドNT3,NT4に最も近接する1辺であるNT11,NT21と、外部環境に面した堤部12に最も近接する1辺であるNT12,NT22との2辺の周囲に沿って、略L字形状に、かつ仮想線L1に対して略対称に、第3内部端子パッドNT5,NT6と第3配線パターンH5,H6とを形成している。すなわち、第3内部端子パッドNT5と第3配線パターンH5は、略L字形状になって第1内部端子パッドNT1を囲む第1輻射ノイズ遮断用導電路を形成し、また、第3内部端子パッドNT6と第3配線パターンH6は、略L字形状になって第1内部端子パッドNT2を囲む第2輻射ノイズ遮断用導電路を形成している。このように第3内部端子パッドNT5,NT6と第3配線パターンH5,H6とを略L字形状として前記輻射ノイズ遮断用導電路を形成することにより、これら各導電路の形成にともなって第1の収納部10aの面積を不要に拡大することなく、かつ第1内部端子パッドNT1,NT2は各導電路で確実に囲われ、また、各導電路を間にして、第2内部端子パッドNT3,NT4と隔てることができる。
【0041】
ベース1の最下層である底部11の下面(外装部の一部を構成)には、外部部品や外部機器と接続される複数の外部端子パッドGTが形成されている。具体的には
図3に示すように、外部端子パッドGT1,GT2,GT3,GT4は、ベース1の底面の4角のキャスタレーションC1,C2,C3,C4に接しない状態で近接して形成される。また外部端子パッドGT1,GT2,GT3,GT4は、ベース1の底部11を上下に貫通接続する導電ビアV1,V2,V3,V4を介し、かつ第2配線パターンH3,H4と第3配線パターンH5,H6を経由して、第2内部端子パッドNT3,NT4と第3内部端子パッドNT5,NT6のいずれかに電気的に導出されている。なお、本発明では、第2内部端子パッドNT3と第2配線パターンH3とが後述する集積回路素子2の交流出力となる第2パッド23と接続され、ベースの底部11を上下に貫通接続する導電ビアV1により、ベース底面側に形成された外部端子パッドGT1に電気的に導出されることで、最終的に交流出力用外部端子として構成している。
【0042】
ベース1の中間層である堤部12の上面(第2の収納部10bの内底面)には、圧電振動素子3を搭載する保持台10cが形成されている。保持台10cの上面には、圧電振動素子3の励振電極と接続される第4内部端子パッドNT7,NT8と、第4内部端子パッドNT7,NT8をそれぞれ延出する第4配線パターンH7,H8とが形成されている。より具体的には、圧電振動素子3の一方の励振電極31と接続される第4内部端子パッドNT7は、第4配線パターンH7により堤部12の角のキャスタレーションC3まで延出される。このキャスタレーションC3まで延出された第4配線パターンH7は、前記第1内部端子パッドNT1から第1配線パターンH1により底部11の角のキャスタレーションC3まで延出された部分と、堤部13と底部11を除く堤部12のキャスタレーションC3の上面に形成された外部露出配線パターンH9のみで2つの異層面(最下層である底部11の上面と中間層である堤部12の上面)を接続している。また、圧電振動素子3の他方の励振電極32と接続される第4内部端子パッドNT8は、第4配線パターンH8により堤部12の角のキャスタレーションC4まで延出される。このキャスタレーションC4まで延出された第4配線パターンH8は、第1内部端子パッドNT2から第1配線パターンH2により底部11の角のキャスタレーションC4まで延出され部分と、最上層の堤部13と最下層の底部11を除く中間層の堤部12のキャスタレーションC4の上面に形成された外部露出配線パターンH10のみで2つの異層面(最下層である底部11の上面と中間層である堤部12の上面)を接続している。
【0043】
以上のような構成のベース1は周知のセラミック積層技術やメタライズ技術を用いて形成され、前記各内部端子パッド、外部端子パッド、および配線パターンは接合領域13aの形成と同様にタングステンあるいはモリブデン等によるメタライズ層の上面にニッケルメッキ層、金メッキ層の各層が形成された構成である。
【0044】
また、外部露出配線パターンH9,H10は、交流出力用外部端子GT1から遠い位置にあるキャスタレーションC3,C4に形成されている。つまり、外部露出配線パターンH9がキャスタレーションC1とは、ベース1の長辺方向の対向位置にあるキャスタレーションC3に形成され、外部露出配線パターンH10が、キャスタレーションC1とは、ベース1の対角位置にあるキャスタレーションC4に形成されている。
【0045】
集積回路素子2は、C−MOS等のインバータ増幅器(発振用増幅器)を内蔵したワンチップの集積回路素子であり、圧電振動素子3とともに発振回路を構成する。
図4に示すように、集積回路素子2のパッドは、例えば矩形状で形成されており、集積回路素子の第1辺2Aに近接した2つの対向する第1パッド21,22と、第1辺2Aに対向する第2辺2Bに近接した2つの対向する第2パッド23,24と、第1パッドと第2パッドとの間に形成された2つ対向する第3パッド25,26とが形成されている。2つの第1パッド21,22は圧電振動素子3の励振電極31,32と電気的に接続され、2つの第2パッド23,24のうちの一方は交流出力となるように構成されている。集積回路素子2は、例えば金等の金属バンプCを介して、集積回路素子2の複数のパッド21〜26と、ベース1に形成された集積回路素子用内部端子パッドNT1〜NT6とを例えば超音波熱圧着によるフリップチップボンディング法により電気機械的に接合されている。
【0046】
集積回路素子2の上方には所定の間隔を持って圧電振動素子3が搭載される。圧電振動素子3は例えば矩形状のATカット水晶振動板であり、その表裏面に対向して一対の矩形状の励振電極31,32とこれらの引出電極とが形成されている。これらの電極は、例えば、クロムまたはニッケルの下地電極層と、銀または金の中間電極層と、クロムまたはニッケルの上部電極層とから構成された積層薄膜、クロムやニッケルの下地電極層と、銀または金の上部電極層とから構成された積層薄膜である。これら各電極は真空蒸着法やスパッタリング法等の薄膜形成手段により形成することができる。
【0047】
圧電振動素子3とベース1との接合は、例えばペースト状であり銀フィラー等の金属微小片を含有するシリコーン系の導電樹脂接着剤(導電性接合材)Sを用いている。
図1に示すように、導電性樹脂接着剤Sは、第1内部端子パッドNT7、および第2内部端子パッドNT8の上面に塗布される。導電性樹脂接着剤Sは、前記圧電振動素子3と保持台10cとの間に介在されて硬化することで、互いを電気的機械的に接合する。以上により、圧電振動素子3の一端部をベース1の第1の収納部10aの内底面から隙間を設けながら、圧電振動素子3の対向する他端部を保持台10cに接合して、片持ち保持される。
【0048】
ベース1を気密封止する蓋4は、例えば、コバール等からなるコア材に金属ろう材(封止材)が形成された構成であり、この金属ろう材からなる封止材5がベース1の接合領域(金属膜)13aと接合される構成となる。金属製の蓋4の平面視外形はセラミックベースの当該外形とほぼ同じであるか、若干小さい構成となっている。
【0049】
収納部10に集積回路素子2と圧電振動素子3とが格納されたベース1の接合領域13aに対して蓋4にて被覆し、蓋4の封止材5とベースの接合領域13aを溶融硬化させ、気密封止を行うことで水晶発振器6の完成となる。
【0050】
図5および
図6に示す第2の実施例の水晶発振器8は、上部と下部とが開口した凹部を有するベース7の下部凹部の内底面に集積回路素子2を収納し、上部凹部の内底面に圧電振動素子3を収納したH型配置のものである。第1の実施例と同様の部分については説明の一部を省略している。
【0051】
ベース7は中板部71と、堤部72と、堤部73とから全体として直方体に構成されている。中板部71は、中間層であるアルミナ等の絶縁性のセラミック材料からなる平面視矩形状の一枚板からなる。堤部72は、中板部71の上に積層した最上層のセラミック材料の平面視枠形状(中央の矩形状の空間を囲う矩形状の枠体として構成された)になっている。堤部73は、中板部71の下に積層した最下層のセラミック材料の平面視枠形状(中央の矩形状の空間を囲う矩形状の枠体として構成された)になっている。ベース7は、上下に平面視矩形状2つの収納部70a,70bを有し、断面が略H形状の箱状体に形成されている。収納部70aの周囲には堤部(側壁部)72が形成されている。堤部72の上面(端面)は平坦に形成されている。前記収納部70bの周囲には堤部(側壁部)73が形成されている。堤部73の下面(端面)は平坦に形成されている。収納部70aには圧電振動素子3が収納されている。下部収納部70bには集積回路素子2が収納されている。堤部72と堤部73の枠体内側の4角には面取り部M1,M2,M3,M4が形成されている(堤部73のみ
図6で図示)。なお、セラミック多層基板として本形態のように3層構造のベースに限定されるものではなく、ベースの収納部の構造に応じて4層以上で構成してもよい。
【0052】
ベース1の最上層である堤部72の上面(端面)は平坦であり、蓋4との接合領域(金属膜)72aである。接合領域72aは、タングステンあるいはモリブデン等のメタライズ材料からなるメタライズ層と、このメタライズ層に積層されたニッケル層と、このニッケル層に積層された金層とから構成される。タングステンあるいはモリブデンは厚膜印刷技術を活用してメタライズ技術によりセラミック焼成時に一体的に形成され、メタライズ層上にニッケル層、金層の順でメッキ形成される。
【0053】
ベース7の外周壁の4角には上下方向に伸長する複数のキャスタレーションC1,C2,C3,C4が形成されている。当該キャスタレーションはベース7の外周壁に対して円弧状の切り欠きが上下方向に形成されている。接合領域72aは、ベースの堤部72と中板部71とを上下に貫通接続する図示しない導電ビアやキャスタレーションC2上部に形成された図示しない配線パターンのいずれか少なくとも一方により、ベース底面側に形成された外部端子パッドGT2の一部に電気的に導出されている。外部端子パッドGT2をアース接続することにより、金属製の蓋が接合領域72a、導電ビアやキャスタレーション上部の配線パターン等を介して接地され、表面実装型水晶発振器の電磁気的なシールド効果を得ることができる。
【0054】
ベース7内部において、下方面には堤部(側壁部)73により構成され、集積回路素子2を収納する平面視略矩形状の第2の収納部70bが形成され、上方面には堤部(側壁部)72により構成され、圧電振動素子3を収納する平面視略矩形状の第1の収納部70aが形成されている。第2の収納部70bは、第1内部端子パッドNT1,NT2と、第2内部端子パッドNT3,NT4と、第3内部端子パッドNT5,NT6とが並設された方向と平行な2つの特定辺71b,72bを有する略矩形状に形成されている。
【0055】
ベース7の中間層である中板部71の下面(前記第2の収納部70bの内底面)には、集積回路素子2と接続される複数の矩形状の内部端子パッドNTとこれらを延出する配線パターンHが並んで形成されている。具体的には
図6に示すように、ベース7の中間層である中板部71の下面(前記第2の収納部70bの内底面)の内部端子パッドNTとして、圧電振動素子3と電気的に接続されかつ集積回路素子2の第1パッド21,22と接続される2つの対向する第1内部端子パッドNT1,NT2と、集積回路素子2の第2パッド23,24と接続される2つの対向する第2内部端子パッドNT3,NT4と、集積回路素子2の第3パッド25,26と接続される2つの対向する第3内部端子パッドNT5,NT6とが形成されている。ベース7の中間層である中板部71の下面(前記第2の収納部70bの内底面)の配線パターンHとして、第1内部端子パッドNT1,NT2をそれぞれ延出する第1配線パターンH1,H2と、第2内部端子パッドNT3,NT4をそれぞれ延出する第2配線パターンH3,H4と、第3内部端子パッドNT5,NT6をそれぞれ延出する第3配線パターンH5,H6とが形成されている。
【0056】
また、
図6に示すように、第1内部端子パッドNT1の2辺の周囲(一部周囲)に沿って第3内部端子パッドNT5と、第3内部端子パッドNT5を延出する第3配線パターンH5とを形成するとともに、第1内部端子パッドNT2の2辺の周囲(一部周囲)に沿って第3内部端子パッドNT6と、第3内部端子パッドNT6を延出する第3配線パターンH6とを形成することで、第1内部端子パッドNT1,NT2と第2内部端子パッドNT3,NT4とを隔てて形成している。
【0057】
さらに、第1内部端子パッドNT1,NT2と第2内部端子パッドNT3,NT4とは、その間に位置する第3内部端子パッドNT5,NT6より、第2の収納部70bの特定辺71b,72bと平行な方向に幅広に形成している。また第2の収納部70b(集積回路素子用の収納部)の中心点Oを通る特定辺71b,72bと平行な仮想線L1に対して、2つの第1内部端子パッドNT1,NT2と、2つの第2内部端子パッドNT3,NT4と、2つの第3内部端子パッドNT5,NT6とが略対称に対向配置されているとともに、2つの第3内部端子パッドNT5,NT6が第2の収納部70b中心点Oを通る特定辺71b,72bと直交する仮想線L2に沿って略対向配置されている。
【0058】
矩形状に形成された第1内部端子パッドNT1,NT2のうち、第2内部端子パッドNT3,NT4に最も近接する1辺であるNT11,NT21と、外部環境に面した堤部73に最も近接する1辺であるNT12,NT22との2辺の周囲に沿って略L字形状に、かつ仮想線L1に対して略対称に第3内部端子パッドNT5,NT6と、第3内部端子パッドNT5,NT6を延出する第3配線パターンH5,H6とを形成している。第3内部端子パッドと第3配線パターンとの組み合わせにより、第3配線パターンH5,H6の形成にともなって第2の収納部70bの面積を不要に拡大することなく、かつ2つの第1内部端子パッドNT1,NT2を確実に囲うことができ、第2内部端子パッドNT3,NT4と隔てることができる。
【0059】
堤部73の下面は平坦であり、外部部品や外部機器と接続される複数の搭載用外部端子パッドGTが形成されている。具体的には
図6に示すように、外部端子パッドGT1,GT2,GT3,GT4はベース7の底面の4角のキャスタレーションC1,C2,C3,C4に接しない状態で近接して形成され、ベースの長辺方向で外部端子パッドGT1と外部端子パッドGT3との間に外部端子パッドGT5が形成され、外部端子パッドGT2と外部端子パッドGT4との間に外部端子パッドGT6が形成される。外部端子パッドGT1〜GT4は、上部に貫通接続する導電ビア(図示せず)を介しながら、かつ第2配線パターンH3,H4と第3配線パターンH5,H6を経由して、第2内部端子パッドNT3,NT4と第3内部端子パッドNT5,NT6のいずれかに電気的に導出されている。なお、本発明では、第2内部端子パッドNT3と第2配線パターンH3とが、集積回路素子2の交流出力となる第2パッド23と接続され、ベースの堤部73を上下に貫通接続する導電ビア(図示せず)により、ベース底面側に形成された搭載用外部端子パッドGT1に電気的に導出されることで、最終的に交流出力用外部端子として構成している。
【0060】
ベース7の中間層である中板部71の上面(前記第1の収納部70aの内底面)には、圧電振動素子3の励振電極と接続される第4内部端子パッドNT7,NT8(一部のみ図示)と、第4内部端子パッドNT7,NT8をそれぞれ延出する第4配線パターンH7,H8とが形成されている。より具体的には、圧電振動素子3の励振電極31と接続される第4内部端子パッドNT7は、第4配線パターンH7により中板部71の角のキャスタレーションC3まで延出される。このキャスタレーションC3まで延出された第4配線パターンH7は、第1内部端子パッドNT1から第1配線パターンH1により中板部71の角のキャスタレーションC3まで延出された部分と、最上層の堤部72と最下層の堤部73とを除く中間層の中板部71のキャスタレーションC3の上面に形成された外部露出配線パターンH9のみで2つの異層面(中間層である中板部71の上面と下面)を接続している。また、圧電振動素子3の励振電極32と接続される第4内部端子パッドNT8は、第4配線パターンH8によりセラミック基板の中間層である中板部72の角のキャスタレーションC4まで延出される。このキャスタレーションC4まで延出された第4配線パターンH8は、第1内部端子パッドNT2から第1配線パターンH2により中板部71の角のキャスタレーションC4まで延出された部分と、最上層の堤部72と最下層の堤部73とを除く中間層の中板部71のキャスタレーションC4の上面に形成された外部露出配線パターンH10のみで2つの異層面(中間層である中板部71の上面と下面)を接続している。
【0061】
以上のような構成のベース7は周知のセラミック積層技術やメタライズ技術を用いて形成され、前記各内部端子パッド、搭載用外部端子パッド、および配線パターンは前述の接合領域72a形成と同様にタングステンあるいはモリブデン等によるメタライズ層の上面にニッケルメッキ層、金メッキ層の各層が形成された構成である。
【0062】
また、外部露出配線パターンH9,H10は交流出力用外部端子GT1から遠い位置にある一対の角のキャスタレーションC3,C4に形成されている。つまり、外部露出配線パターンH9が交流出力用外部端子GT1の近傍に位置する角のキャスタレーションC1とは、ベース1の長辺方向の対向位置のキャスタレーションC3に形成され、外部露出配線パターンH10が交流出力用外部端子GT1の近傍に位置する角のキャスタレーションC1とは、ベース1の対角位置のキャスタレーションC4に形成されている。
【0063】
集積回路素子2は、
図5に示すように、例えば金等の金属バンプCを介して、集積回路素子2の複数のパッド21〜26とベース7に形成された内部端子パッドNT1〜NT6とを例えば超音波熱圧着によるフリップチップボンディング法により電気機械的に接合されている。
【0064】
圧電振動素子3とベース7との接合は、例えばペースト状であり銀フィラー等の金属微小片を含有するシリコーン系の導電樹脂接着剤(導電性接合材)Sを用いている。
図5に示すように、接着剤Sは、第1内部端子パッドNT7、および第2内部端子パッドNT8の上面に塗布されるとともに、接着剤Sを前記圧電振動素子3とベース7の第1の収納部70aの内底面の間に介在させ硬化させることで、お互いを電気的機械的に接合している。以上により、圧電振動素子3の一端部をベース7の第1の収納部70aの内底面から隙間を設けながら、圧電振動素子3の対向する他端部をベース7の第1の収納部70aの内底面に接合して、片持ち保持される。
【0065】
蓋4は、例えば、コバール等からなるコア材に金属ろう材(封止材)が形成された構成であり、この金属ろう材からなる封止材5がベース1の接合領域(金属膜)72aと接合される構成となる。金属製の蓋の平面視外形はセラミックベースの当該外形とほぼ同じであるか、若干小さい構成となっている。
【0066】
ベース7の第2の収納部70bに集積回路素子2と格納し、第1の収納部70aに圧電振動素子3が格納された状態でベース7の接合領域72aに対して蓋4にて被覆し、蓋4の封止材5とベースの接合領域72aを溶融硬化させ、圧電振動素子3の気密封止を行うことで水晶発振器8の完成となる。
【0067】
上記により、集積回路素子用の内部端子パッドNT1,NT2と圧電振動素子用の内部端子パッドNT7,NT8とを接続する配線パターンH1,H2,H7,H8について、堤部12、あるいは中板部71の一対の角のキャスタレーションC3,C4の上面に形成された外部露出配線パターンH9,H10のみで異層面を接続している。このため内部端子パッドNT1,NT2と内部端子パッドNT7,NT8とを接続する導電路(配線パターンH1,H2,H7,H8、および外部露出配線パターンH9,H10)のうち、2つの異層面間を接続する導電路(外部露出配線パターンH9,H10)を交流出力用外部端子GT1から遠い位置に配置することができるので、輻射ノイズによる悪影響を極力抑えることが可能となる。
【0068】
上記実施例では、圧電発振器6あるいは8の小型化を妨げることなく、輻射ノイズの悪影響を抑えることができる。またキャスタレーションC3,C4の上面に形成された外部露出配線パターンH9,H10を、圧電振動素子3のみの特性を計測する外部測定端子として活用することができるので、外部測定端子を設けるためにベースの長辺や短辺に別途キャスタレーションを形成する必要がなく、ベース1あるいは7の強度を低下させたり、蓋4との封止領域が確保しにくくなることがない。
【0069】
また、ベース底面の4角のキャスタレーションC1,C2,C3,C4に近接して形成される4つの外部端子パッドGT1,GT2,GT3,GT4が4角のキャスタレーションC1,C2,C3,C4に接しない状態で近接して形成され、かつ外部露出配線パターンH9,H10が堤部12、あるいは中板部71の一対の角のキャスタレーションC3,C4の上面のみに形成されているので、回路基板に圧電発振器6あるいは8を半田接合しても、半田がベースのキャスタレーションC3,C4を伝って這い上がることがなく、ベースの封止領域に蓋4を金属ろう材からなる封止材5で接合したとしても、封止材5がベースのキャスタレーションC3,C4を伝って垂れ下がることもない。このため外部端子と外部測定端子とが短絡したり、蓋の封止材料と外部測定端子が短絡することがない。
【0070】
また、堤部13、あるいは堤部72のキャスタレーションC1,C2,C3,C4が枠体外側の4角のみであり、キャスタレーションC1,C2,C3,C4に近接する枠体内側の4角に面取り部M1,M2,M3,M4あるいは曲率部R1,R2,R3,R4が形成されているので、ベースの強度を向上させながら、蓋4との接合領域13aあるいは72aを狭めることなく圧電発振器6あるいは8のさらなる小型化に対応することができる。
【0071】
また、第1内部端子パッドNT1,NT2の2辺の周囲(一部周囲)に沿って第3内部端子パッドNT5,NT6と第3配線パターンH5,H6を形成することで、圧電振動素子3と電気的に接続された第1内部端子パッドNT1,NT2と交流出力の第2内部端子パッドNT3とを第3内部端子パッドNT5,NT6と第3配線パターンH5,H6を介して隔てて形成することができる。このため、第2内部端子パッドNT3を流れる交流や高周波信号が輻射ノイズを発生しても、第3内部端子パッドNT5,NT6と第3配線パターンH5,H6とによる導電路で遮断され、より悪影響の受けやすい圧電振動素子3と接続された第1内部端子パッドNT1,NT2へ届きにくくなる。つまり第2内部端子パッドNT3の交流出力から発生する輻射ノイズの影響が、第1内部電極パッドNT1,NT2に電気的に接続する圧電振動素子3に及ぶのを抑制することが可能となる。特に、圧電振動素子3と電気的に接続された第1内部端子パッドNT1,NT2と交流出力の第2内部端子パッドNT3とを第3内部端子パッドNT5,NT6と第3配線パターンH5,H6による導電路で遮断されているので、第1内部電極パッドNT1,NT2と第2内部端子パッドNT3との相互作用による不具合を抑えることが可能となる。
【0072】
また、ベース1,7の内部端子パッドNT1乃至NT6と集積回路素子2のパッド21乃至26とをバンプCを介してフリップチップボンディングする際に、バンプCの前記パッドに対する位置ずれ、あるいは前記パッドと内部端子パッドとの位置ずれを幅広の第1内部端子パッドNT1,NT2と第2内部端子パッドNT3,NT4で吸収することができ、バンプCが内部端子パッドNT1乃至NT6からはみ出して接合されることもなくなる。また第1内部端子パッドNT1,NT2と第2内部端子パッドNT3,NT4は、第3内部端子パッドNT5,NT6より幅広に形成されているので、平面積が多少異なったり、パッドの位置が多少異なる別種類の集積回路素子2であっても、同じベース1,7に搭載することができるので、製品の多様化やコスト削減等が行いやすい。さらに幅の細い第3内部端子パッドによる上述の遮断効果を維持しながら、第1内部端子パッドNT1,NT2と第2内部端子パッドNT3,NT4との距離を近接させて圧電発振器6,8の小型化に対応することができる。つまり本発明は、圧電発振器6,8の小型化に対応させながら、集積回路素子2のフリップチップボンディングする際の搭載性と接合の信頼性と汎用性を同時に高めることができる。
【0073】
また、第1内部端子パッドNT1,NT2と、第2内部端子パッドNT3,NT4と、第3内部端子パッドNT5,NT6とが、集積回路素子用の収納部の中心点Oを通る特定辺と平行な仮想線L1に対して略対称に対向配置させている。
【0074】
このため、集積回路素子用の収納部の特定辺と直交する方向の反りに対して、前記ペアとなる2つの第1パッド21,22と2つの第1内部端子NT1,NT2、2つの第2パッド23,24と2つの第2内部端子NT3,NT4、および2つの第3パッド25,26と2つの第3内部端子NT5,NT6との各々の反りによる高さのばらつきを均一化することができる。結果として、ベース1,7の内部端子パッドと集積回路素子のパッドとをバンプを介して超音波熱圧着によるフリップチップボンディングする際に、ペアとなる第1パッド21,22と、第1内部端子NT1,NT2、第2パッド23,24、第2内部端子NT3,NT4、および第3パッド25,26と、第3内部端子NT5,NT6とでの一対のバンプCに対する押圧力が均一に分散して加圧されるため、強度のばらつきが生じることがなくなる。さらに、上記実施形態では、前記2つの第3内部端子パッドNT5,NT6が集積回路素子用の収納部の中心点Oを通る前記特定辺と直交する仮想線L2に沿って略対向配置している。このため、ベース1,7の内部端子パッドNT1乃至NT6と集積回路素子2のパッド21乃至26とをバンプCを介して超音波熱圧着によるフリップチップボンディングする際に、集積回路素子用の収納部の特定辺方向とこれに直交する方向の両方の反りの頂点付近(本実施形態では中心点O付近)に近接して、集積回路素子2の中心点の位置を配置することができる。結果として、前記ペアとなる第1パッド21,22と、第1内部端子NT1,NT2、第2パッド23,24と、第2内部端子NT3,NT4と、の第3パッド25,26と、第3内部端子NT5,NT6とにおける合計6箇所でのバンプCに対する押圧力とその加圧強度も均一化され、接合強度も、より安定した信頼性の高いものとすることができる。つまり本発明は、圧電発振器6,8の小型化に対応させながら、集積回路素子2のフリップチップボンディングする際のバンプCの接合強度も安定化され、より確実に電気的機械的な接合が行える。
【0075】
なお、圧電振動素子としてATカット水晶振動板を用いているが、これに限定されるものでなく、音叉型水晶振動板であってもよい。また、圧電振動素子として水晶を材料としているが、これに限定されるものではなく、圧電セラミックスやLiNbO3等の圧電単結晶材料を用いてもよい。すなわち、任意の圧電振動素子が適用可能である。また、圧電振動素子を片持ち保持するものを例にしているが、圧電振動素子の両端を保持する構成であってもよい。また導電性接合材として、シリコーン系の導電樹脂接着剤を例にしているが、他の導電性樹脂接着剤でもよく、金属バンプや金属メッキバンプのバンプ材、ろう材等を用いてもよい。
【0076】
また、圧電振動素子3と集積回路素子2とを用いているが、これに限定されるものではなく、圧電振動素子3の個数は任意に設定可能であり、さらに集積回路素子2に加えて他の回路部品を搭載してもよい。また、集積回路素子とベースとの電気的接続は、超音波熱圧着によるフリップチップボンディング法に限らず、ワイヤボンディング等の他の接続法を採用してもよい。発振用増幅器としてC−MOSのインバータ増幅器を内蔵したワンチップの集積回路素子を用いた発振回路構成を例にしているが、他の発振用増幅器を含む発振回路構成でもよい。
【0077】
また、金属ろう材による封止を例にしたが、これに限定されるものではなく、シーム封止、ビーム封止(例えば、レーザビーム、電子ビーム)やガラス封止等でも適用することができる。
図7は、本発明の第3の実施例に係り、図解の都合で集積回路素子2と圧電振動素子
3とを搭載する前のベース1の堤部12,13を透視した状態の平面図である。第3の実施例では、第5および第6の配線パターンH5,H6からベース1の内底面10a1の端部1a3,1a4まで、ベース1の短辺方向にノイズ遮断用配線パターンH11,H12が延出されている。ノイズ遮断用配線パターンH11,H12は、ベース1の長辺方向両側の第1配線パターンH1,H2と、第2配線パターンH3,H4との長辺方向中間に配置されている。ノイズ遮断用配線パターンH11,H12により、キャスタレーションC3,C4まで延出された第1配線パターンH1,H2と、キャスタレーションC1,C2まで延出された第2配線パターンH3,H4とのそれぞれを流れる信号の相互干渉を防止できる。
【0078】
図8は、本発明の第4の実施例に係り、この第4の実施例では、キャスタレーションC3,C4において、中間層の堤部12に対応する上面C31,C41(中間層上面)および最下層のベース11に対応する上面C33,C43(最上層上面)を、最上層の堤部13に対応する上面C32、C42(最上層上面)に対して相対的に内奥に凹ませて形成し、中間層上面C31,C41に形成した外部露出配線パターンH9,H10が水晶発振器の運搬時等に手指や運搬治具等に接触しにくいようにして、外部露出配線パターンH9,H10を保護している。なお、図示しないが、中間層の堤部12のキャスタレーションC3,C4の中間層上面C31,C41を、最上層の堤部13に対応する最上層上面C32、C42および最下層のベース11に対応する最上層上面C33,C43に対して相対的に内奥に凹ませてもよい。
【0079】
図9は、本発明の第5の実施例に係り、この第5の実施例に示すように、ベース1の底部11を上下に貫通接続する導電ビアV1,V2の形成位置は、実線で示す枕部10dの中間位置に限定されず、強度的に許容できる限り、矢印で示すように、枕部10dの中間位置と、枕部10dの内側面下部の点線で示す位置との間であればよい。同様に、ベース1の底部11を上下に貫通接続する導電ビアV3,V4の形成位置は、実線で示す保持台10cの中間位置に限定されず、強度的に許容できる限り、矢印で示すように、保持台10cの中間位置と、保持台10cの内側面下部の点線で示す位置との間であればよい
なお、本発明は、その思想または主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、上述の実施例はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。