特許第6075671号(P6075671)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6075671
(24)【登録日】2017年1月20日
(45)【発行日】2017年2月8日
(54)【発明の名称】容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 17/34 20060101AFI20170130BHJP
   B65D 77/20 20060101ALI20170130BHJP
【FI】
   B65D17/34
   B65D77/20 H
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-88104(P2016-88104)
(22)【出願日】2016年4月26日
(62)【分割の表示】特願2015-191528(P2015-191528)の分割
【原出願日】2015年9月29日
【審査請求日】2016年4月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】302064762
【氏名又は名称】株式会社日本総合研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100144048
【弁理士】
【氏名又は名称】坂本 智弘
(74)【代理人】
【識別番号】100189186
【弁理士】
【氏名又は名称】大石 敏弘
(74)【代理人】
【識別番号】100186679
【弁理士】
【氏名又は名称】矢田 歩
(72)【発明者】
【氏名】劉 磊
【審査官】 二ッ谷 裕子
(56)【参考文献】
【文献】 再公表特許第2013/099262(JP,A1)
【文献】 特開平1−153468(JP,A)
【文献】 特開2001−233393(JP,A)
【文献】 特開2004−59141(JP,A)
【文献】 実開昭60−84556(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0021224(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0166515(US,A1)
【文献】 特開2009−7015(JP,A)
【文献】 特開2003−231562(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 17/34
B65D 67/00 − 79/02
B65D 85/72
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
収容物が収容されるカップ状又はケース状の本体と、
前記本体の開口縁部に一体化され、前記本体と一体的になっている状態から分離可能な蓋部と、を備え、
前記蓋部は、
前記本体の開口縁部に外縁が一体化されるシート部と、
前記シート部に形成され、前記本体と前記蓋部とが一体的になっている状態において、前記本体よりも外側に位置する摘まみ部と、
前記摘まみ部に設けられた蓋把持部と、を備え、
前記蓋把持部は、
前記シート部側に開口する略円弧形状を有する凹部及び/又は凸部と、
前記略円弧形状を有する凹部及び/又は凸部の内側に配置された開口部と、を有していることを特徴とする容器。
【請求項2】
袋状体で形成された容器であって、
前記容器は、
収容物が収容される本体と、
前記本体から切り離すように引っ張ることで分離される蓋部と、
前記蓋部が前記本体から分離されるときに摘ままれる把持部と、を備え、
前記把持部は、
前記本体に設けられた本体把持部と、
前記蓋部に設けられた蓋把持部と、を含み、
前記本体把持部及び前記蓋把持部は、
前記本体把持部及び前記蓋把持部のそれぞれに設けられ、略円弧形状を有する凹部及び/又は凸部と、
それぞれの前記略円弧形状を有する凹部及び/又は凸部の内側に配置された開口部と、を有しており、
前記本体把持部及び前記蓋把持部は、前記本体と前記蓋部とが一体的になっている状態において、前記本体と前記蓋部とが分離される分離位置を挟んで、並列して配置されていることを特徴とする容器。
【請求項3】
前記本体把持部及び前記蓋把持部のそれぞれに設けられた前記略円弧形状を有する凹部及び/又は凸部は、前記略円弧形状の開口方向が同じ方向であることを特徴とする請求項2に記載の容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、容器は、収容物が収容された本体と蓋部とが一体となっている状態で、収容物を密封する。使用者は、このような容器から内容物を出す場合、蓋部を摘まみ本体から分離することで、収容物を本体から出すことができる。
【0003】
このような容器として、内容物が充填密封された胴部の口端部と充填口部との間に、充填口部を引き裂いて胴部の口端部を開口するための環状凹部が形成され、胴部の口端部と充填口部に、充填口部を口端部から引き裂く際に摘まむ摘まみ片を備えた容器が提案されている(特許文献1参照)。この容器によれば、使用者は、摘まみ片を摘まみ、充填口部を口端部から引き裂くことで、充填口部と口端部とを分離することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−059141号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の容器では、使用者の握力が弱い場合、充填口部と口端部とを分離可能な力で、摘まみ片を握ることができず、指が滑ってしまい、開封できない場合がある。
【0006】
したがって、本発明では、上記のような観点から、使用者の握力が弱い場合でも、容易に開封できる容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明は、以下のような解決手段を提供する。
【0008】
(1)本発明の容器は、収容物が収容されるカップ状又はケース状の本体と、前記本体の開口縁部に一体化され、前記本体と一体的になっている状態から分離可能な蓋部と、を備え、前記蓋部は、前記本体の開口縁部に外縁が一体化されるシート部と、前記シート部に形成され、前記本体と前記蓋部とが一体的になっている状態において、前記本体よりも外側に位置する摘まみ部と、前記摘まみ部に設けられた蓋把持部と、を備え、前記蓋把持部は、前記シート部側に開口する略円弧形状を有する凹部及び/又は凸部と、前記略円弧形状を有する凹部及び/又は凸部の内側に配置された開口部と、を有している。
【0009】
(2)本発明の容器は、袋状体で形成された容器であって、前記容器は、収容物が収容される本体と、前記本体から切り離すように引っ張ることで分離される蓋部と、前記蓋部が前記本体から分離されるときに摘ままれる把持部と、を備え、前記把持部は、前記本体に設けられた本体把持部と、前記蓋部に設けられた蓋把持部と、を含み、前記本体把持部及び前記蓋把持部は、前記本体把持部及び前記蓋把持部のそれぞれに設けられ、略円弧形状を有する凹部及び/又は凸部と、それぞれの前記略円弧形状を有する凹部及び/又は凸部の内側に配置された開口部と、を有しており、前記本体把持部及び前記蓋把持部は、前記本体と前記蓋部とが一体的になっている状態において、前記本体と前記蓋部とが分離される分離位置を挟んで、並列して配置されている。
【0010】
(3)上記(2)の容器において、前記本体把持部及び前記蓋把持部のそれぞれに設けられた前記略円弧形状を有する凹部及び/又は凸部は、前記略円弧形状の開口方向が同じ方向である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、使用者の握力が弱い場合でも、容易に開封できる容器を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施形態に係る容器の斜視図である。
図2図1に示す容器のA−A’断面図である。
図3】本発明の実施形態の応用例1に係る容器の斜視図である。
図4】本発明の実施形態の応用例1に係る容器の蓋部周辺の拡大図である。
図5】本発明の実施形態の変形例1に係る容器の蓋部周辺の拡大図である。
図6】本発明の実施形態の応用例2に係る容器の斜視図である。
図7】本発明の実施形態の変形例2に係る容器の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、実施形態)について詳細に説明する。以降の図においては、実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ番号又は符号を付している。
【0014】
(全体構成)
図1は、本発明の実施形態に係る容器の斜視図である。本実施形態に係る容器1は、収容物が収容される本体10と、本体10と一体的になっている状態から、本体10から分離可能な蓋部20と、蓋部20が本体10から分離されるときに摘ままれる把持部30と、を備える。なお、本実施形態において、収容物は、その形態(固体、液体等)を問わず、飲食料、医薬品等の容器に入れることが可能な物が含まれる。
【0015】
本実施形態に係る本体10及び蓋部20は、アルミや合成樹脂で形成された袋状体(例えば、パウチ等)で形成されている。本体10及び蓋部20は、本体10と蓋部20とが分離される分離位置25に形成された破断線を介して一体的な状態となり、蓋部20を本体10から切り離すように引っ張ることで、互いに分離される。
【0016】
把持部30は、本体10に設けられた本体把持部30Aと、蓋部20に設けられた蓋把持部30Bと、を含む。本体把持部30Aは、本体10において、分離位置25近傍の両端部に設けられている。蓋把持部30Bは、蓋部20において、分離位置25近傍の両端部に設けられている。本体把持部30A及び蓋把持部30Bは、本体10と蓋部20とが一体的になっている状態(図1に示す状態)において、分離位置25を挟んで、並列して配置されている。
【0017】
なお、把持部30は、本体把持部30Aを省略し、蓋把持部30Bのみ設けてもよい。また、本実施形態において、本体把持部30A及び蓋把持部30Bは、分離位置25近傍の両端部に設けられているが、これに限らず、一方の端部にのみ設けてもよい。
【0018】
容器1において、把持部30は、把持部30自身の表面に凸部31を有し、更に、把持部30の表面に形成された孔である開口部32を有する。凸部31は、本体10と蓋部20とが一体的になっている状態(図1に示す状態)において、本体10及び蓋部20の表面側から見て、円弧形状(例えば、略C字形状等)に形成されている。なお、本実施形態では、凸部を例に説明するが、凸部31の代わりに凹部を形成してもよいし、凸部31とともに凹部を形成してもよい(例えば、表面側に凸部31が形成され、裏面側に凹部が形成された態様)。また、図1に示す例では、凸部31は、本体10及び蓋部20の表面側から見て、本体10及び蓋部20の内側に円弧形状を向けて設けられているが、これに限らず、円弧形状を任意の方向(例えば、容器1の形態に応じて本体10から蓋部20を分離するときに、使用者の指が引っ掛かりやすい方向)に向けて設けてもよい。
【0019】
図2は、図1に示す容器のA−A’断面図である。凸部31は、蓋部20(又は図1に示す本体10)の表面から断面が円弧形状に突出している。なお、凸部31の断面の形状は、円弧形状に限らず、使用者の指が引っ掛かれば、四角形状、三角形状、波形状等の任意の形状とすることができる。
【0020】
また、凸部31は、蓋部20(又は図1に示す本体10)の色と、異なる色に着色してもよい。また、凸部31は、凸部31と開口部32との間の色と、異なる色に着色してもよい。なお、この場合、凸部31は、蓋部20(又は図1に示す本体10)の表面から突出させなくともよい。
【0021】
図1に戻って、開口部32は、本体10及び蓋部20の表面側から見て円形状に形成され、凸部31の内側に配置されている。
【0022】
容器1において、使用者は、一方の手の指で、本体把持部30Aの開口部32を挟み、他方の手の指で、蓋把持部30Bの開口部32を挟み、一方の手と他方の手を互いに反対方向に引っ張り、本体10から蓋部20を分離する。このとき、指が円弧形状の凸部31に引っ掛かり指が滑らないので、使用者は、凸部31が無い場合に比べ小さい力で、容器1を開封することができる。
【0023】
なお、開口部32の本体10及び蓋部20の表面側から見た形状は、円形状に限らず、使用者が視認可能であれば、四角形状、三角形状等の任意の形状とすることができる。
【0024】
(応用例1)
図3は、本発明の実施形態の応用例1に係る容器の斜視図である。応用例1に係る容器1Aは、本体10及び蓋部20の形態が実施形態に係る容器1と異なる。容器1Aにおける本体10及び蓋部20は、例えば、液体の飲食料等が収容されるボトル形状(例えば、ビン、ペットボトル等)で形成されている。容器1Aにおいて、本体10及び蓋部20は、本体10に蓋部20が螺合され分離位置25で接して一体的な状態となり、蓋部20を所定方向に回転させることで、互いに分離される。
【0025】
容器1Aの本体10は、収容物が収容されるボトル部11と、ボトル部11の注ぎ口に形成され、ボトル部11の表面から突出し、蓋部20の回転可能な方向に面する矩形の平板形状に形成された本体平板部12と、を備える。
【0026】
容器1Aの蓋部20は、本体10と螺合するキャップ部21と、キャップ部21の表面から突出し、蓋部20の回転可能な方向に面する矩形の平板形状に形成された蓋平板部22と、を備える。
【0027】
本体平板部12及び蓋平板部22は、本体10及び蓋部20が一体的な状態(図3に示す状態)において、同一平面上に配置されている。
【0028】
図4は、本発明の実施形態の応用例1に係る容器の蓋部周辺の拡大図である。容器1Aの把持部30は、本体10の本体平板部12に設けられた本体把持部30Aと、蓋部20の蓋平板部22に設けられた蓋把持部30Bと、を含む。
【0029】
容器1Aにおいて、使用者は、一方の手の指で、本体把持部30Aの開口部32を挟み、他方の手の指で、蓋把持部30Bの開口部32を挟み、蓋部20を所定方向(例えば、図4中の矢印方向)へ回転させて、本体10から蓋部20を分離する。このとき、指が凸部31に引っ掛かり指が滑らないので、使用者は、凸部31が無い場合に比べ小さい力で、容器1Aを開封することができる。
【0030】
(変形例1)
図5は、本発明の実施形態の変形例1に係る容器の蓋部周辺の拡大図である。変形例1に係る容器1A’は、本体平板部12’及び蓋平板部22’の形状が、応用例1に係る容器1Aと異なる。
【0031】
本体平板部12’は、ボトル部11の注ぎ口に形成され、ボトル部11の表面から突出し、蓋部20の回転可能な方向に面する平板形状に形成され、その外縁の形状が凸部31に沿って円弧形状に形成されている。
【0032】
蓋平板部22’は、キャップ部21の表面から突出し、蓋部20の回転可能な方向に面する平板形状に形成され、その外縁の形状が凸部31に沿って円弧形状に形成されている。
【0033】
このように、本体10の本体平板部や蓋部20の蓋平板部の形状は、把持部30を形成できれば、任意の形状とすることができる。
【0034】
(応用例2)
図6は、本発明の実施形態の応用例2に係る容器の斜視図である。応用例2に係る容器1Bは、本体10及び蓋部20の形態が実施形態に係る容器1と異なる。また、応用例2に係る容器1Bは、蓋部20にのみ把持部30(蓋把持部30B)が設けられている。容器1Bにおける本体10及び蓋部20は、例えば、プリン等の個体の食品等が収容される上面視円形のカップ形状(例えば、プラスチック(合成樹脂)製の包装用容器等)で形成されている。容器1Bにおいて、本体10及び蓋部20は、上方が開放されたカップ形状の本体10の上端に、上面視円形のシート形状に形成された蓋部20の外縁近傍が接着されて一体的な状態となり、蓋部20を所定方向に引っ張ることで、互いに分離される。
【0035】
容器1Bの蓋部20は、本体10にその外縁が接着されたシート部26と、シート部26の本体10に接着された部分の外側に形成され、平面視で円弧形状に形成された摘まみ部27と、を備える。
【0036】
容器1Bの把持部30は、蓋部20の摘まみ部27に設けられた蓋把持部30Bである。このように、把持部30は、本体10又は蓋部20のいずれか一方のみに設けてもよい。
【0037】
容器1Bにおいて、使用者は、一方の手の指で、本体10を掴み、他方の手の指で、摘まみ部27に設けられた蓋把持部30Bの開口部32を挟み、蓋部20を、本体10から剥がす方向に引っ張る。このとき、指が円弧形状に形成された凸部31に引っ掛かり指が滑らないので、使用者は、凸部31が無い場合に比べ小さい力で、容器1Bを開封することができる。
【0038】
(変形例2)
図7は、本発明の実施形態の変形例2に係る容器の斜視図である。変形例2に係る容器1B’は、本体10及び蓋部20の形状が、応用例2に係る容器1Bと異なる。容器1B’における本体10及び蓋部20は、例えば、豆腐等の個体の食品等が収容される上面視矩形のケース形状(例えば、プラスチック(合成樹脂)製の包装用容器等)で形成されている。容器1B’において、本体10及び蓋部20は、上方が開放されたケース形状の本体10の上端に、上面視矩形のシート形状に形成された蓋部20の外縁近傍が接着されて一体的な状態となり、蓋部20を所定方向に引っ張ることで、互いに分離される。
【0039】
このように、本体10や蓋部20の形状は、本体10と蓋部20とを一体的な状態から分離するものであれば、任意の形状とすることができる。
【0040】
(実施形態の効果)
本実施形態、応用例1,2及び変形例1,2によれば以下の作用効果を奏する。本容器1は、収容物が収容される本体10と、本体10と一体的になっている状態から、本体10から分離可能な蓋部20と、蓋部20が本体10から分離されるときに摘ままれる把持部30と、を備え、把持部30は、本体10及び/又は蓋部20の表面から突出する凸部31と、を有し、凸部31は、本体10と蓋部20とが一体的になっている状態において、本体10及び/又は蓋部20の表面側から見て、円弧形状に形成されている。
【0041】
これにより、使用者は、把持部30を摘まみ、蓋部20を引っ張り、本体10から蓋部20を分離する。このとき、指が円弧形状の凸部31に引っ掛かり指が滑らないので、使用者は、凸部31が無い場合に比べ小さい力で、容器1を開封することができる。また、凸部31を円弧形状に形成したので、把持部30を摘まむ角度が異なっても、確実に使用者の指が引っ掛かる。よって、例えば、高齢になり指先の力が弱まってきた者でも、容易に容器の開封が可能となる。したがって、使用者の握力が弱い場合でも、容易に開封できる容器を提供することが可能となる。
【0042】
また、本容器1は、把持部30が、本体10及び/又は蓋部20の表面に形成された孔であり、凸部31の内側に配置されている開口部32を、更に有する。
【0043】
これにより、使用者は、開口部32を目印として、この開口部32を指で挟み、一方の手と他方の手を互いに反対方向に引っ張ることで、自然に指が円弧形状の凸部31及び開口部32に引っ掛かり指が滑らずに、容易に容器の開封が可能となる。よって、開口部32を設けることで、容易に開封できるポジションを示すことができるとともに、容易に容器の開封が可能となる。したがって、使用者の握力が弱い場合でも、より容易に開封できる容器を提供することが可能となる。
【0044】
また、本実施形態、応用例1及び変形例1によれば以下の作用効果を奏する。本容器1は、把持部30が、本体10に設けられた本体把持部30Aと、蓋部20に設けられた蓋把持部30Bと、を含み、本体把持部30A及び蓋把持部30Bが、本体10と蓋部20とが一体的になっている状態において、本体10と蓋部20とが分離される分離位置25を挟んで、並列して配置されている。
【0045】
これにより、使用者は、一方の手の指で、本体把持部30Aの開口部32を挟み、他方の手の指で、蓋把持部30Bの開口部32を挟み、一方の手と他方の手を互いに反対方向に引っ張り、本体10から蓋部20を分離する。このとき、両手の指が円弧形状の凸部31に引っ掛かり指が滑らない。よって、使用者は、両手を使い、かつ滑らずに容器1を開封できる。したがって、使用者の握力が弱い場合でも、より容易に開封できる容器を提供することが可能となる。
【0046】
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲に限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。またその様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0047】
以下に、出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
<請求項1>
収容物が収容される本体と、前記本体と一体的になっている状態から、前記本体から分離可能な蓋部と、前記蓋部が前記本体から分離されるときに摘ままれる把持部と、を備える容器であって、
前記把持部は、該把持部自身の表面に凹部及び/又は凸部を有し、
前記凹部及び/又は前記凸部は、前記本体と前記蓋部とが一体的になっている状態において、前記表面側から見て、円弧形状に形成されていることを特徴とする容器。
<請求項2>
前記把持部は、前記表面に形成された孔である開口部を、更に有し、
前記開口部は、前記凹部及び/又は前記凸部の内側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の容器。
<請求項3>
前記把持部は、前記本体に設けられた本体把持部と、前記蓋部に設けられた蓋把持部と、を含み、
前記本体把持部及び前記蓋把持部は、前記本体と前記蓋部とが一体的になっている状態において、前記本体と前記蓋部とが分離される分離位置を挟んで、並列して配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の容器。
【符号の説明】
【0048】
1,1A,1A’,1B,1B’ 容器
10 本体
11 ボトル部
12 本体平板部
20 蓋部
21 キャップ部
22 蓋平板部
25 分離位置
26 シート部
27 摘まみ部
30 把持部
30A 本体把持部
30B 蓋把持部
31 凸部
32 開口部
【要約】      (修正有)
【課題】使用者の握力が弱い場合でも、容易に開封できる容器を提供する。
【解決手段】本容器1Bは、収容物が収容されるカップ状又はケース状の本体10と、本体10の開口縁部に一体化され、本体10と一体的になっている状態から分離可能な蓋部20と、を備え、蓋部20は、本体10の開口縁部に外縁が一体化されるシート部26と、シート部26に形成され、本体10と蓋部20とが一体的になっている状態において、本体10よりも外側に位置する摘まみ部30と、摘まみ部30に設けられた蓋把持部30Bと、を備え、蓋把持部30Bは、シート部26側に開口する略円弧形状を有する凸部31と、略円弧形状を有する凸部31の内側に配置された開口部32と、を有している。
【選択図】図6
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7