(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
従来より流体を混合する方法、特に液体に気体を高溶解率で混合する方法として、ノズルを用いて混合する方法や、中空糸状のフィルタを用いる方法や、容器内に羽根車を設ける方法、高圧タンクを用いる方法、液体を霧状にする方法等が知られている。
【0003】
ノズルを用いる方法は、ノズルによって発生する高圧、高速の気体の流れを液体内に流入することで、混合するものである。混合にムラが生じやすく、これのみで十分な混合はできない。
【0004】
中空糸状のフィルタを用いる方法は、中空糸内に気体を流入し、中空糸内の微小な穴を通して液体と混合するものであり、高い混合品位を保つことができる。しかし、フィルタのつまりが発生しやすく、長時間使用する場合には部品交換が必要であり、頻繁にメンテナンスを行う必要がある。
【0005】
容器内に羽根車を設ける方法は、モータ等の動力が必要であるし、高圧タンクを用いる方法は、高圧を発生させるポンプが必要であるため、ランニングコストの増大を招いてしまう。
【0006】
液体を霧状にする方法は、構造、工程が複雑であり、作業コストや装置コストの増大となってしまう。
【0007】
以上の様に、従来の各技術手法には種々問題点があったため、他の動力を必要とせず、単純な構造で、効率的に、複数の流体を混合できる技術が求められていた。
【0008】
かかる問題に対して、従来から様々な技術が提案されている。例えば、炭酸ガスをお湯に効率的に溶解させる技術(特許文献1参照)が提案され、公知技術となっている。より詳しくは、中空部を有する器体を設け、中空部内でお湯と炭酸ガスを旋回させて、浴槽内に微細気泡を噴出させる構造である。
【0009】
この技術によって、他の動力を必要とせず、単純な構造で、複数の流体であるお湯と炭酸ガスを混合することができる。しかしながら、中空部から噴出された炭酸ガスとお湯は、部分的に混合されるものの、器体から流出直後は混合が不充分であるため、全体としては不均一であり、また、浴槽での循環を前提としているため、浴槽側に充分な水位(器体より上位置に水面がある状態)がないと、高品位に均一な状態の混合とはならない。そのため、問題の解決には未だ至っていない。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明に係る流体混合装置は、複数の流体を旋回部と混合部によって混合することで、他の動力を必要とせず、単純な構造で、効率的に混合可能としたことを最大の特徴とする。
以下、本発明に係る流体混合装置の実施形態を、図面に基づいて説明する。
【0022】
なお、本発明に係る流体混合装置の全体形状及び各部の形状は、下記に示される実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内、即ち、同一の作用効果を発揮できる形状や寸法等の範囲内で適宜変更することができるものである。
【実施例1】
【0023】
図1から
図3に従って、本発明に係る流体混合装置の第一の実施例を説明する。
図1乃至
図2は、本実施例に係る流体混合装置1を示しており、
図1(a)は全体斜視図、
図1(b)は断面図、
図2(a)は平面図、
図2(b)は正面図、
図2(c)は左側面図、
図2(d)は右側面図である。また、
図3は、本実施例に係る流体混合装置1の使用工程を示す模式図であり、(a)は第1の流体Aの流入工程、(b)は第2の流体Bの流入工程、(c)は混合流体Cの流出工程を示している。
【0024】
流体混合装置1は、複数の流体を流入させ、流体混合装置1内で混合し、混合流体を流出する装置である。流体混合装置1は、主に旋回部100と混合部300とから成り、該旋回部100と混合部300とが仕切板200により仕切られた構成となっている。
【0025】
尚、流体混合装置1において混合する流体としては、気体であれば、例えば、炭酸ガスや水素ガス、オゾンガス、窒素ガス、空気等が考えられ、液体であれば、例えば、水や溶剤、燃料等が考えられる。
【0026】
旋回部100は、第1の流体Aと第2の流体Bを流入させ、旋回部100内で旋回させ、混合の前段階の処理を行う部分である。旋回部100は、旋回軸線を軸とする略回転対称形状の容器であり、樽型や円錐型などが考え得るが、旋回効率を考慮すると、図示の様に円筒状であることが望ましい。円筒状(略回転対称形状)とするのは、流体を旋回部100内でスムーズに旋回させるためである。円筒の軸線は、後述する仕切板200に備えられた小孔210と第2流体流入口120とを結ぶ線であって、旋回の回転軸である旋回軸線と一致する。円筒の周部分には、第1の流体Aを流入するための第1流体流入口110が
一つ設けられており、円筒の一方の端面には、第2の流体Bを流入するための第2流体流入口120が
一つ設けられている。
【0027】
旋回部100と混合部300との間は、仕切板200によって仕切られており、該仕切板200の中央には、小孔210が備えられている。第1流体流入口110は、旋回部100の周部分であり、且つ、周の接線方向に第1の流体Aの流入の流れを導くよう、管の軸方向が円筒の軸線からずれるように設置されている(
図2(c)及び(d))。かかる形態とすることで、第1の流体Aは、旋回部100内で旋回する。そうすると、旋回部100内の円筒の軸線付近の圧力が下がり、第2の流体Bを円筒の軸線付近にスムーズに送ることができる。
【0028】
また、第1流体流入口110の管の軸方向は、円筒の軸方向に対して概ね垂直となっている(
図2(b))。旋回部100内での流体の旋回方向に合わせるためである。また、旋回部100における第1流体流入口110の位置は、
第2流体流入口120よりも仕切板200に近い位置に設置されている。小孔210付近での旋回の速度を高めるためである。第2流体流入口120の管の軸線は、円筒の軸線及び旋回軸線と一致しており、第2流体流入口120の管形状は、その先端部が旋回部100の内部まで突出した形状となっている(
図1(b))。その理由は、旋回動作において、旋回の軸付近に、より効率的に第2の流体Bを送り込むためである。
【0029】
仕切板200は、旋回部100と混合部300を仕切る仕切板であり、中央に小孔210が備えられ、該小孔210の中心は、旋回部100の旋回軸線上にある。小孔210は、旋回部100で旋回している第1の流体A、第2の流体Bを混合部300内に一気に送りこむ孔である。小孔210の効果は、旋回部100の流体が小さな孔を抜ける際に旋回速度が最大になり、混合部300に送られ、第1の流体Aと第2の流体Bの混合を促進させるためのものである。そのため、その効果が発揮されるのであれば、小孔210の径について特に限定はなく、また、形状についても単なる丸孔や円錐状、テーパー状など、特に限定するものではない。
尚、この小孔210は、通称「オリフィス」ともいう。
【0030】
混合部300は、第1の流体Aと第2の流体Bを十分混合させるためのものである。混合部300は、流体をスムーズに旋回させるべく、前記旋回部100と同様に円筒状(略回転対称形状)である。
混合部300の円筒の一方の端面には、混合流体Cを流出させるための流出口310が一つ配置されている。また、混合部300の円筒の他方の端面には、仕切板200が配置され、旋回部100と仕切られている。
【0031】
流出口310は、円筒の軸線に対して異なる位置に配置させている(
図2(c))。第1の流体Aと第2の流体Bは、仕切板200の小孔210から混合部300内に混合しながら入るが、流出口310を円筒の軸線上に配置すると充分に混合されていない流体がそのまま流出口310から流出してしまう可能性がある。流出口310を円筒の軸線上からずらすことで、混合部300内で旋回しながら充分に混合された流体が流出口310から流出できるようになる。
【0032】
尚、図示されてはいないが、混合部300内に更に仕切板200を追加配置して、該混合部300を複数に分割構成させる態様も可能である。かかる態様は、構造的に内部の抵抗が少なく、圧力損失が生じにくいことから可能な構成となる。かかる態様を採用することで、前段の混合部300で流体同士が混合不充分な状態であったとしても、後段の混合部300にて再度混合が為されるため、充分に混合された流体を流出することが可能となる。
【0033】
次に、
図3に沿って、流体の混合過程を説明する。
図3(a)にあるように、まず、第1の流体Aを第1流体流入口110から旋回部100内に流入させる。第1流体流入口110は、旋回部100の周の接線方向に第1の流体Aが流入するように配置されているので、第1の流体Aは、旋回部100内で矢印で示すように旋回流を発生させる。混合部300内は、小孔210を介して流入する第1の流体Aによって満たされる。
【0034】
次に、
図3(b)に示すように、第2流体流入口120から第2の流体Bを流入させる。旋回部100内は、第1の流体Aで満たされ、第1の流体Aによって旋回流が発生している。そのため、旋回軸線付近には圧力の低い部分が形成させる。気圧の低い部分は、旋回流の軸に沿って発生することから、細長い渦巻状であり、所謂トルネード(第2の流体の通り道T)となる。第2流体流入口120から流入する第2の流体Bは、トルネードに沿って、旋回部100内に入っていく。そのため、旋回流の軸付近に広く第2の流体Bを流入することができる。また、第2の流体Bの管部分が旋回部100の内部に入っていることから、第2の流体の通り道T内に第2の流体Bをスムーズに流入させることができる。
旋回流が発生していない状態であれば、第2の流体Bは、旋回部100内にスムーズに入ることができず、第2流体流入口120付近に滞留してしまうことになる。
【0035】
次に、
図3(c)に示すように、混合部300で流体の混合が行われる。旋回部100内で旋回流を発生させている第1の流体Aと、旋回流の軸付近(第2の流体の通り道T)である低圧部分に分布する第2の流体Bが、小孔210を介して混合部300内に入る。小孔210は径が小さく狭いことから、第1の流体Aと第2の流体Bは旋回速度を増しながら小孔210を通過する。そのため、第2の流体Bが混合部300に入ると、第2の流体がせん断され、細分化される。これにより、細分化された第2の流体Bは、第1の流体Aに容易に溶け込むことができる。第2の流体Bが気体であれば、1mm以下のマイクロバブルとなり、気体を水等に溶け込ませることができる。尚、混合部300では、旋回部100における旋回流の余力を受け、旋回部100と同様に旋回流が発生する。これが、第1の流体Aと第2の流体Bの更なる混合に効果を発揮する。
【0036】
混合流体Cを流出させる流出口310の位置は、旋回流の軸方向とはずれていることから、混合流体Cは、混合部300内を旋回しつつ更に混合される。その後、流出口310から流出される。
【0037】
このように、本実施例に係る流体混合装置1によれば、低圧から高圧まで対応でき、気体を簡単に流入することが可能で、しかも詰まりにくい構造を有し、複数の流体を高効率で混合することが可能な装置である。したがって、複数の流体を混合する作業において、他の動力を必要とせず、単純な構造で、効率的に、作業することが可能であり、作業コスト、装置コストを低減させるという優れた効果を発揮するものである。
【0038】
また、構造的に内部の抵抗が少ないことから、圧力損失が生じにくいため、流入させる流体の圧力を無用に高める必要がなく、設備コストを低減させることができるものである。
【0039】
さらに、第1流体流入口110の管の軸と流出口310の管の軸を直交させることによって、脈動を抑え、混合部300への停留を長くすることができる。
【0040】
またさらに、第2の流体Bとして炭酸ガスを用いれば容易に高効率な溶解が可能であり、第1の流体Aとして水を用いれば、高濃度の炭酸水又はお湯であれば炭酸泉を生成することが可能である。純度の高い水と水素ガスを用いれば水素が溶解した水素水を容易に生成できる。また、オゾンや塩素、次亜塩素を用いればそれらの殺菌作用を有した殺菌水、空気であれば、旋回流のせん断により、マイクロバブル水の生成が可能であることから、河川や湖沼等の水質改善装置として応用することも可能である。さらに、液体に燃料を用いれば、空気や水と混合してエマルジョン化させるといった展開も期待できる。このように、液体に気体を溶け込ませ、その気体の性質を付加した液体を生成することが可能である。
【0041】
さらにまた、容器を金属等で耐圧性および耐久性を持たせ、高出力なポンプで液体を流入させれば、気液の接触を高めることが可能で、より高効率な溶解混合を期待できる。そしてまた、例えば、浴槽にお湯を張り、低圧なポンプを用いて炭酸ガスを流入させながら循環させれば、徐々に濃度を上げることが可能で、最終的には溶解度限度付近までの高濃度の炭酸泉を生成することが可能である。
【実施例2】
【0042】
本発明に係る流体混合装置の第二の実施例について、
図4を用いて説明する。上記実施例1と同様の部分は省略する。
図4は、本実施例に係る流体混合装置1を示しており、(a)は全体斜視図、(b)は断面図である。
【0043】
実施例1では、第1流体流入口110について、旋回軸線に対して略垂直であって、流入方向が旋回軸線と交差しない位置に備えられている例を説明した。
本実施例では、かかる第1流体流入口110について、旋回軸線に対して略水平であって、第2流体流入口120の外側(外周位置)に備えられている。
【0044】
第1流体流入口110について、旋回軸線に対して略垂直ではなく略水平とすることで、そのままでは旋回部100内で第1の流体Aによる旋回流が発生しないこととなる。したがって、旋回部100内には、螺旋状の旋回経路130が備えられる。該旋回経路130は、突出した第2流体流入口120の周囲を周回する様に螺旋状に備えられる。
【0045】
かかる態様を採用することにより、第1流体流入口110から流入した第1の流体Aは、螺旋状の旋回経路130を通過することで強制的に旋回させられ、その状態で旋回部100内に放出されることで、旋回部100内での旋回流が発生することとなる。
【実施例3】
【0046】
本発明に係る流体混合装置の第三の実施例について、
図5を用いて説明する。上記実施例1と同様の部分は省略する。
図5は、本実施例に係る流体混合装置1の第2流体流入口の形状を示す模式図と断面図であり、(a)は実施例1における第2流体流入口120の形状の模式図と断面図、(b)及び(c)は夫々円錐型及び円柱型の第2流体流入口120の模式図と断面図である。
【0047】
実施例1において、
図5(a)に示すように、第2流体流入口120の管部を旋回部100の内部に突出させる構造によって、第1の流体Aの旋回流の流れを阻害すること無く、第2流体流入口120から第2の流体Bを流入させることができる。しかしながら、第2流体流入口120の出口付近の圧力は、旋回部100の内部に突出した第2流体流入口120の管部付近の圧力の変動の影響を受けてしまう。そのため、圧力の変動によって、第2の流体Bの流入量が不安定となる場合があった。
【0048】
そこで、旋回部100の内部に突出した第2流体流入口120の管部付近の圧力の影響を軽減するために、該第2流体流入口120の形状を
図5(b)に示すように円錐型としたり、
図5(c)に示すように円筒状とすることが考え得る。このような構造とすることによって、内部圧力の変動は、第2流体流入口120の出口に集中しない。そのため、第2の流体Bを流入させる際の旋回部100の内部圧力の影響を抑え、第2の流体Bの流入をよりスムーズにすることができる。
【0049】
このように、第2流体流入口120の形状を変えることで、より高効率に混合を行うことができる。
【実施例4】
【0050】
本発明に係る流体混合装置の第四の実施例について、
図6を用いて説明する。上記実施例1と同様の部分は省略する。
図6は、本実施例に係る流体混合装置1の小孔210の形状を示す模式図と断面図であり、(a)は小孔210がテーパー状、(b)は小孔210が階段状のテーパー状、(c)は小孔210がベンチュリー管形状である。
実施例1において、小孔210は、単なる孔の例を説明したが、形状を変えることでより、混合の効果を高めることができる。
【0051】
図6(a)及び(b)のような小孔210の流入側で広く、流出側で狭い形状とすることで、旋回部100から混合部300に移動する第1の流体A、第2の流体Bが、テーパー構造によって小孔210の狭い孔で旋回速度が高まり、その後、せん断、細分化をより効果的に進めることができる。
【0052】
図6(c)のように、ベンチュリー管形状である場合は、小孔210の流入側で広く、中央が狭く、流出側で広い形状であるので、小孔210への流入がスムーズとなり、且つ、中央部で流速が上がり、流出側で、せん断、細分化をより効果的に進めることができる。
【0053】
このように、小孔210の形状を変えることで、より高効率に混合を行うことができる。
【実施例5】
【0054】
本発明に係る流体混合装置の第五の実施例について、
図7を用いて説明する。上記実施例1と同様の部分は省略する。
図7は、
第五の実施例に係る流体混合装置1の全体斜視図であり、(a)は流体混合装置1を直列的に接続した例を示し
、(b)は流体混合装置1を直列的に接続し、第2の流体Bを複数とした例を示し、(c)は流体混合装置1を並列的に接続した例を示し、(d)は流体混合装置1を並列的に接続し、第2の流体Bを複数とした例を示している。
実施例1において、流体混合装置1を単独で使用する例を説明したが、流体混合装置1を複数用いることで、さらに効果的に流体の混合を行うことができる。
【0055】
流体混合装置1を直列に接続する例を、
図7(a)に示す。流体混合装置1aの流出口310を、接続管400aを介して流体混合装置1bの第1流体流入口110に接続する。さらに、流体混合装置1bの流出口310を、接続管400bを介して流体混合装置1cの第1流体流入口110に接続する。流体混合装置1b、流体混合装置1cの第2流体流入口120は、閉じておく。
【0056】
流体混合装置1aの第1流体流入口110に第1の流体Aを流入し、第2流体流入口120に第2の流体Bを流入する。流体混合装置1の効果によって、流体混合装置1aの流出口310から混合流体Cが流出する。混合流体Cを接続管400aを介して流体混合装置1bの第1流体流入口110に流入させることで、流体混合装置1b内で、さらに混合がなされて、第1の流体Aと第2の流体Bの混合率が高まる。さらに、流体混合装置1cについて同等の動作を行うことによって、さらに、第1の流体Aと第2の流体Bの混合率を高めることができる。
本発明に係る流体混合装置1の構造は、圧力損失が小さいため、このような直列的構成を容易に行うことができる。
【0057】
このように、流体混合装置1を直列に接続して使用することによって、混合しにくい流体についても、より混合率を高めることができる。また、混合率を限界まで高めることができる。
【0058】
図7(b)に示すように、流体混合装置1を直列に接続することによって、他の効果を高めることもできる。
図7(b)の流体混合装置1の構成、接続方法は
図7(a)と同じである。違いは、流体混合装置1b、流体混合装置1cの第2流体流入口120から第2の流体B2、第2の流体B3を流入することである。
【0059】
流体混合装置1aで、第1の流体Aと第2の流体B1を混合し、流体混合装置1bにて、さらに第2の流体B2を混合し、流体混合装置1cにおいて、さらに第2の流体B3を混合する。この構成を用いることによって、第1の流体Aに対して、複数の流体を混合することができる。
本発明に係る流体混合装置1の構造は圧力損失が小さいため、このような直列的構成を容易に行うことができる。
【0060】
図7(c)のように、流体混合装置1を並列に接続することによって、他の効果を高めることもできる。流体混合装置1a、流体混合装置1b、流体混合装置1cに対して、それぞれの第1流体流入口110に対して接続管420を経由して、第1の流体Aが流入される。それぞれの第2流体流入口120に対して接続管430を経由して第2の流体Bが流入される。それぞれの流出口310は、接続管410を経由して合流する。この構成を用いることによって、大量の混合を行うことができる。
【0061】
図7(d)のように、流体混合装置1を並列に接続することによって、他の効果を高めることもできる。流体混合装置1a、流体混合装置1bに対して、それぞれの第1流体流入口110に対して接続管420を経由して、第1の流体Aが流入される。それぞれの流出口310は、接続管410を経由して合流する。この構成は、
図7(c)と同様である。流体混合装置1aの第2流体流入口120には第2の流体B1を流入させ、流体混合装置1bには第2の流体B2を流入させる。この構成を用いることによって、第1の流体Aに対して複数の流体の混合を行うことができる。
【実施例6】
【0062】
本発明に係る流体混合装置の第六の実施例について、
図8を用いて説明する。上記実施例1と同様の部分は省略する。
図8は、本発明に係る流体混合装置1の使用例を示す説明図である。
実施例1において、複数の流体の混合の方法を説明したが、その中で有効な使用方法の1つとして、炭酸泉製造装置の例を説明する。
【0063】
炭酸泉製造装置500は、浴槽600に取り付けられ、浴槽600のお湯の炭酸濃度を上げ、お湯を炭酸泉とする装置である。
炭酸泉製造装置500は、流体混合装置1、循環ポンプ530、バルブ510、逆止弁520、ボンベ540と浴槽600内の循環口610からなる。浴槽600内のお湯は、循環口610から取り込まれ、循環ポンプ530によって加圧され、流体混合装置1の第1流体流入口110から流体混合装置1の旋回部100に流入する。混合される炭酸ガスは、ボンベ540からバルブ510、逆止弁520を経由して、流体混合装置1の第2流体流入口120に流入する。流体混合装置1内で、お湯と炭酸ガスが混合され、混合された炭酸泉が流体混合装置1の流出口310から混合流体Cとして流出する。混合流体Cである炭酸泉は、循環口610から、浴槽600内に流出される。
【0064】
以上、このように循環させることによって、徐々に炭酸の濃度を上げることができ、最終的に溶解度の限界まで高濃度の炭酸泉を生成することができる。
この構造によって、他の動力等を用いることなく、効率的に、浴槽600のお湯を炭酸泉に変えることができる。
【解決手段】流体を旋回させる旋回部と、複数の流体を混合する混合部を備え、該旋回部と混合部は小孔を備えた仕切板で連通され、該旋回部は、第1の流体を流入する第1流体流入口と、該第1の流体に混合する第2の流体を流入する第2流体流入口を備え、該混合部は、該第1の流体と該第2の流体を混合した混合物を流出する流出口を備えて成る。