特許第6075676号(P6075676)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6075676
(24)【登録日】2017年1月20日
(45)【発行日】2017年2月8日
(54)【発明の名称】送液システム
(51)【国際特許分類】
   B67D 7/02 20100101AFI20170130BHJP
   B01J 4/00 20060101ALI20170130BHJP
   B01D 61/14 20060101ALI20170130BHJP
   F17D 3/14 20060101ALI20170130BHJP
【FI】
   B67D7/02 Z
   B01J4/00 103
   B01D61/14 500
   F17D3/14
【請求項の数】8
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2016-213647(P2016-213647)
(22)【出願日】2016年10月31日
【審査請求日】2016年10月31日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】315001682
【氏名又は名称】岩井ファルマテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101236
【弁理士】
【氏名又は名称】栗原 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100166914
【弁理士】
【氏名又は名称】山▲崎▼ 雄一郎
(72)【発明者】
【氏名】川北 賢
(72)【発明者】
【氏名】森田 正貴
【審査官】 加藤 一彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−23866(JP,A)
【文献】 特開2015−171899(JP,A)
【文献】 特開昭55−10522(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B67D 7/02
B01D 61/14
B01J 4/00
F17D 3/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被処理液体が一次側から供給され、フィルタで濾過した被処理液体を二次側から送液する第1フィルタ装置及び第2フィルタ装置と、
前記第1フィルタ装置の二次側と前記第2フィルタ装置の一次側とを接続する配管内を加圧するための気体を供給することが可能な加圧手段と、
前記第2フィルタ装置の一次側から排出される気体の排気管に設けられた第1バルブと、
前記加圧手段及び前記第1バルブを制御する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、
前記加圧手段に、前記第2フィルタ装置の一次側から前記配管内に気体を供給させ、
所定時間経過後に、前記第1バルブを開放する
ことを特徴とする送液システム。
【請求項2】
請求項1に記載する送液システムにおいて、
前記加圧手段は、
前記第1フィルタ装置の二次側と前記第2フィルタ装置の一次側とを接続する配管に設けられた第2バルブと、
前記第2フィルタ装置の一次側に気体を圧送する第2気体供給手段と、を備え、
前記制御装置は、
前記第2バルブを閉じ、前記第2気体供給手段に気体を供給させることで、前記第2フィルタ装置の一次側から前記配管へ気体を供給し、
所定時間経過後に、前記第1バルブを開放する
ことを特徴とする送液システム。
【請求項3】
請求項1に記載する送液システムにおいて、
前記加圧手段は、
前記第1フィルタ装置の一次側に気体を圧送する第1気体供給手段と、
前記第2フィルタ装置の一次側に気体を圧送する第2気体供給手段と、を備え、
前記制御装置は、
前記第1気体供給手段か供給される気体が、前記第2気体供給手段から供給される気体よりも高い圧力となるように、前記第1気体供給手段及び前記第2気体供給手段に気体を供給させ、
所定時間経過後に前記第1バルブを開放する
ことを特徴とする送液システム。
【請求項4】
請求項1に記載する送液システムにおいて、
前記加圧手段は、
前記第1フィルタ装置の一次側に気体を圧送する第1気体供給手段を備え、と、
前記制御装置は、
前記第1バルブを閉じた状態で、前記第1気体供給手段に気体を供給させ、
所定時間経過後に前記第1バルブを開放する
ことを特徴とする送液システム。
【請求項5】
請求項1に記載する送液システムにおいて、
前記加圧手段は、
前記第1フィルタ装置の二次側と前記第2フィルタ装置の一次側とを接続する配管に設けられた第2バルブと、
前記第2バルブよりも下流側に、当該配管に連通するタンクと、を備え、
前記制御装置は、
前記第1フィルタ装置及び前記第2フィルタ装置に被処理液体を供給する前に、前記配管を洗浄するための洗浄用気体を前記配管に供給するとともに、洗浄用気体を前記タンクに貯留させ、
前記第1フィルタ装置及び前記第2フィルタ装置への被処理液体の供給を終えたあとに、前記第1バルブを開放し、前記第2バルブを閉鎖し、前記タンクに貯留された気体を前記配管に供給させる
ことを特徴とする送液システム。
【請求項6】
請求項3又は請求項4に記載する送液システムにおいて、
前記第1気体供給手段が供給する気体の圧力は、前記被処理液体によって前記第1フィルタ装置の前記フィルタが受ける圧力以下とする
ことを特徴とする送液システム。
【請求項7】
請求項2又は請求項3に記載する送液システムにおいて、
前記第2気体供給手段が供給する気体の圧力は、前記被処理液体によって前記第2フィルタ装置の前記フィルタが受ける圧力以下とする
ことを特徴とする送液システム。
【請求項8】
請求項1から請求項7の何れか一項に記載する送液システムにおいて、
前記気体は、加熱殺菌された無菌空気であり、
前記被処理液体は、薬液である
ことを特徴とする送液システム。



【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルタ装置間の配管に残留した被処理液体を送液することができる送液システムに関する。
【背景技術】
【0002】
飲料水や、例えば、注射剤、点眼剤等の液状の医薬品等の液体製品を処理するプラントにおいては、タンクに液状の原料や、調製された液体製品などの被処理液体が貯留されており、配管を介して他のタンクや充填機等に圧縮空気で圧送される。圧縮空気を供給して圧送する場合、製造終了後に配管内に被処理液体が残留する場合がある。このような場合、通常、上流から下流に向けて圧縮空気を配管に送り込むことで、配管に残留した被処理液体を下流のタンクなどに送液している(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このような圧縮空気により残留した被処理液体を排出する方法は、配管にフィルタ装置が設置されている場合に問題がある。具体的には、フィルタ装置に使用されるフィルタに被処理液体を濾過させると、フィルタに水分が含浸する。この水により、圧縮空気がフィルタを透過しにくくなるので、フィルタよりも上流側から圧縮空気を圧送することが困難となる。
【0004】
そこで、フィルタ装置よりも上流に設けられたバルブの開度を調整することで圧縮空気の流速を制御することで、配管内に残留する被処理液体を送液する送液方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
しかしながら、従来の送液方法では、フィルタ装置が複数設けられた配管において、フィルタ装置間に残留した被処理液体を送液することは困難である。例えば、二つのフィルタ装置が複数設けられた配管において、上流側のフィルタ装置に向けて圧縮空気を送る場合、残留した被処理液体に、二つのフィルタ装置を透過させるためには、相当の圧力を掛けなければならない。この場合、圧力によってフィルタが破損する虞がある。
【0006】
特に、被処理液体として液状の医薬品を扱う場合、医薬品の製造前と、残液の送液処理後とで、フィルタに変化がないことが求められる。残液の送液処理でフィルタが破損してしまうと、それまでに製造した医薬品を破棄せねばならず、多大な損失を被る。
【0007】
また、二つのフィルタ装置の間に、圧縮空気を送り込むこむ方法では、二つのフィルタ装置間の配管に圧縮空気を送り込むための別途の配管が必要となる。つまり、被処理液体が流通する配管以外の送気用配管を設ける必要が生じる。特に、被処理液体として液状の医薬品を扱う場合、送気用配管が無菌であることを担保する必要があるから、送気用配管を洗浄殺菌するための装置構成が複雑化してしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平9−40092号公報
【特許文献2】特許第5205158号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、このような事情に鑑み、フィルタ装置間の配管に残留した被処理液体を送液することができる送液システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するための第1の態様は、被処理液体が一次側から供給され、フィルタで濾過した被処理液体を二次側から送液する第1フィルタ装置及び第2フィルタ装置と、前記第1フィルタ装置の二次側と前記第2フィルタ装置の一次側とを接続する配管内を加圧するための気体を供給することが可能な加圧手段と、前記第2フィルタ装置の一次側から排出される気体の排気管に設けられた第1バルブと、前記加圧手段及び前記第1バルブを制御する制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記加圧手段に、前記第2フィルタ装置の一次側から前記配管内に気体を供給させ、所定時間経過後に、前記第1バルブを開放することを特徴とする送液システムにある。
【0011】
第1の態様では、2台の第1フィルタ装置及び第2フィルタ装置の間の配管を加圧するための気体を供給する。そして、当該気体を第1バルブから外部に排出することで、当該気体の流れにより、残留した被処理液体を配管から第2フィルタ装置へ送液することができる。このような送液システムによれば、2台の第1フィルタ装置及び第2フィルタ装置間に被処理液体を損なうことなく、効率的に回収することができる。
【0012】
本発明の第2の態様は、第1の態様に記載する送液システムにおいて、前記加圧手段は、前記第1フィルタ装置の二次側と前記第2フィルタ装置の一次側とを接続する配管に設けられた第2バルブと、前記第2フィルタ装置の一次側に気体を圧送する第2気体供給手段と、を備え、前記制御装置は、前記第2バルブを閉じ、前記第2気体供給手段に気体を供給させることで、前記第2フィルタ装置の一次側から前記配管へ気体を供給し、所定時間経過後に、前記第1バルブを開放することを特徴とする送液システムにある。
【0013】
第2の態様では、2台の第1フィルタ装置及び第2フィルタ装置の間の配管に残留した被処理液体を圧送するための空気を、第2フィルタ装置の一次側から配管に送り込む。そして、空気を第1バルブから外部に排出することで、空気の排気の流れにより、残留した被処理液体を配管から第2フィルタ装置へ送液することができる。このように、送液システムによれば、2台の第1フィルタ装置及び第2フィルタ装置間に被処理液体を残留させることなく回収することができる。
【0014】
本発明の第3の態様は、第1の態様に記載する送液システムにおいて、前記加圧手段は、前記第1フィルタ装置の一次側に気体を圧送する第1気体供給手段と、前記第2フィルタ装置の一次側に気体を圧送する第2気体供給手段と、を備え、前記制御装置は、前記第1気体供給手段か供給される気体が、前記第2気体供給手段から供給される気体よりも高い圧力となるように、前記第1気体供給手段及び前記第2気体供給手段に気体を供給させ、所定時間経過後に前記第1バルブを開放することを特徴とする送液システムにある。
【0015】
第3の態様では、2台の第1フィルタ装置及び第2フィルタ装置の間の配管を加圧するための気体を供給する加圧手段として第1気体供給手段及び第2気体供給手段を用いる。これらの気圧差で配管を加圧し、残留した被処理液体を配管から第2フィルタ装置へ送液することができる。
【0016】
本発明の第4の態様は、第1の態様に記載する送液システムにおいて、前記加圧手段は、前記第1フィルタ装置の一次側に気体を圧送する第1気体供給手段を備え、前記制御装置は、前記第1バルブを閉じた状態で、前記第1気体供給手段に気体を供給させ、所定時間経過後に前記第1バルブを開放することを特徴とする送液システムにある。
【0017】
第4の態様では、配管を流通する気体を、第1バルブの開閉動作によって緩急を付けて下流側へ供給することができる。これにより、配管に残留していた被処理液体をより効果的に第2フィルタ装置の一次側に押し出すことができる。
【0018】
本発明の第5の態様は、第1の態様に記載する送液システムにおいて、前記加圧手段は、前記第1フィルタ装置の二次側と前記第2フィルタ装置の一次側とを接続する配管に設けられた第2バルブと、前記第2バルブよりも下流側に、当該配管に連通するタンクと、を備え、前記制御装置は、前記第1フィルタ装置及び前記第2フィルタ装置に被処理液体を供給する前に、前記配管を洗浄するための洗浄用気体を前記配管に供給するとともに、洗浄用気体を前記タンクに貯留させ、前記第1フィルタ装置及び前記第2フィルタ装置への被処理液体の供給を終えたあとに、前記第1バルブを開放し、前記第2バルブを閉鎖し、前記タンクに貯留された気体を前記配管に供給させることを特徴とする送液システムにある。
【0019】
第5の態様では、SIPなどで用いる洗浄用気体をタンクに溜めておき、送液後に、タンクから洗浄用流体を配管に供給することで、配管に残留した被処理液体を第2フィルタ装置の一次側に押し出すことができる。また、SIPなどの洗浄用気体を有効利用することができる。
【0020】
本発明の第6の態様は、第3又は第4の態様に記載する送液システムにおいて、前記第1気体供給手段が供給する気体の圧力は、前記被処理液体によって前記第1フィルタ装置の前記フィルタが受ける圧力以下とすることを特徴とする送液システムにある。
【0021】
第6の態様では、気体の圧力でフィルタが破損することを回避できる。
【0022】
本発明の第7の態様は、第2又は第3の態様に記載する送液システムにおいて、前記第2気体供給手段が供給する気体の圧力は、前記被処理液体によって前記第2フィルタ装置の前記フィルタが受ける圧力以下とすることを特徴とする送液システムにある。
【0023】
第7の態様では、気体の圧力でフィルタが破損することを回避できる。
【0024】
本発明の第8の態様は、第1から第7の何れか一つの態様に記載する送液システムにおいて、前記気体は、加熱殺菌された無菌空気であり、前記被処理液体は、薬液であることを特徴とする送液システムにある。
【0025】
第8の態様では、特に薬液は高価であることから、配管に薬液が残留することによる経済的な効果は顕著である。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、フィルタ装置間の配管に残留した被処理液体を送液することができる送液システムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】送液システムの概略構成図である。
図2】第1フィルタ装置及び第2フィルタ装置の概略構成図である。
図3】送液時における送液システムの概略図である。
図4】薬液が残留している状態における送液システムの概略図である。
図5】残留した薬液を排出させる動作を示す送液システムの概略図である。
図6】残留した薬液を排出させる動作を示す送液システムの概略図である。
図7】残留した薬液を排出させる動作を示す送液システムの概略図である。
図8】実施形態2に係る送液システムの概略構成図である。
図9】実施形態2に係る残留した薬液を排出させる動作を示す送液システムの概略図である。
図10】実施形態2に係る残留した薬液を排出させる動作を示す送液システムの概略図である。
図11】実施形態3に係る送液システムの概略構成図である。
図12】実施形態3に係る残留した薬液を排出させる動作を示す送液システムの概略図である。
図13】実施形態3に係る残留した薬液を排出させる動作を示す送液システムの概略図である。
図14】実施形態4に係る送液システムの概略構成図である。
図15】実施形態4に係る残留した薬液を排出させる動作を示す送液システムの概略図である。
図16】実施形態4に係る残留した薬液を排出させる動作を示す送液システムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
〈実施形態1〉
図1は本実施形態に係る送液システムの概略構成図である。本実施形態の送液システム1は、被処理液体の一例として液状の医薬品(以下、薬液)を製造するプラントの一部である。送液システム1は、調製タンク2と、貯留タンク3とを備え、調製タンク2において調製された薬液を、貯留タンク3に圧送する。
【0029】
具体的には、送液システム1は、第1フィルタ装置10及び第2フィルタ装置20と、加圧手段と、第1バルブ51と、各装置を制御する制御装置を備え、さらに調製タンク2と貯留タンク3とを接続する送液用配管30を備えている。送液用配管30は、調製タンク2と第1フィルタ装置10とを接続する第1配管31、第1フィルタ装置10と第2フィルタ装置20とを接続する第2配管32、第2フィルタ装置20と貯留タンク3とを接続する第3配管33とから構成されている。この第2配管32は、請求項に記載する第1フィルタ装置と第2フィルタ装置とを接続する配管に該当する。
【0030】
第1フィルタ装置10及び第2フィルタ装置20は、何れも、一般的な液体を濾過するフィルタを備えたフィルタ装置である。図2は、第1フィルタ装置及び第2フィルタ装置の概略構成図である。
【0031】
図2(a)に示すように、第1フィルタ装置10は、箱状の筐体部11と、筐体部11の内部空間に設けられたフィルタ12とを備えている。筐体部11の側面には第1配管31が接続され、筐体部11の底面には第2配管32が接続されている。また、第1フィルタ装置10の上部には、第1排気管41が接続されている。第1排気管41は、第1フィルタ装置10の内部の空気抜きのために用いられる。
【0032】
フィルタ12は、円筒状に形成され、筐体部11の内部を二つに区分けしている。フィルタ12の外部、すなわち筐体部11の内部であり、かつフィルタ12の外側を一次側13とする。フィルタ12の内部を二次側14とする。フィルタ12の一次側13には、第1配管31が連通し、フィルタ12の二次側14には、第2配管32が連通している。
【0033】
このような構成により、第1配管31から第1フィルタ装置10の一次側13に薬液が送液され、フィルタ12を透過し、第2配管32へ送液される。
【0034】
図2(b)に示すように、第2フィルタ装置20は、箱状の筐体部21と、筐体部21の内部空間に設けられたフィルタ22とを備えている。筐体部21の側面には第2配管32が接続され、筐体部21の底面には第3配管33が接続されている。また、第2フィルタ装置20の上部には、第2排気管42が接続されている。第2排気管42は、第2フィルタ装置20の内部の空気抜きのために用いられる。
【0035】
フィルタ22は、円筒状に形成され、筐体部21の内部を二つに区分けしている。フィルタ22の外部、すなわち筐体部21の内部であり、かつフィルタ22の外側を一次側23とする。フィルタ22の内部を二次側24とする。フィルタ22の一次側23には、第2配管32が連通し、フィルタ22の二次側24には、第3配管33が連通している。
【0036】
このような構成により、第2配管32から第2フィルタ装置20の一次側23に薬液が送液され、フィルタ22を透過し、第3配管33へ送液される。
【0037】
加圧手段は、第1フィルタ装置10の二次側14と第2フィルタ装置20の一次側23とを接続する配管32内を加圧するための気体を供給することが可能なものである。本実施形態では、加圧手段は、気体供給手段60(請求項の第2気体供給手段に該当する)と、第2バルブ52とから構成されている。
【0038】
気体供給手段60は、第2排気管42から分岐した配管に接続され、第2フィルタ装置20の一次側23に気体を圧送する。気体供給手段60は、加圧した気体を供給できるものであれば、特に限定はない。本実施形態では、気体供給手段60は、気体として、加熱殺菌された無菌空気を供給する。具体的には、外部から取り込んだ空気を加熱殺菌して無菌空気とする殺菌機、無菌空気を所定圧力まで加圧するポンプやその圧力を調整する圧力弁などから気体供給手段60は構成されている。
【0039】
第2フィルタ装置20の一次側23は第2配管32に連通しているので、気体供給手段60は、一次側23から第2配管32まで無菌空気を供給することが可能となっている。
【0040】
第2バルブ52は、第2配管32に設けられている。第2バルブ52は、第2配管32の鉛直方向に沿った部分に設けられている。また、第1バルブ51は第2排気管42に設けられている。第2排気管42は、第2フィルタ装置20の空気抜きのための流路であるが、本実施形態では、気体供給手段60により第2フィルタ装置20に供給された無菌空気を排出するための流路としても兼用される。
【0041】
特に図示しないが、送液システム1は、送液システム1の送液処理を制御するプログラマブルロジックコントローラ(PLC)などの制御装置(図示せず)を備えている。制御装置は、第1バルブ51及び第2バルブ52の開閉や、気体供給手段60に気体を供給させ、又は停止させる制御が可能である。
【0042】
調製タンク2は、薬液を調整するタンクである。特に図示しないが、調製タンク2は、製造する薬液の原料が投入される投入口、製造された薬液を排出する排出口が設けられており、制御装置からの制御信号により開閉可能となっている。また、調製タンク2には、その内部に圧縮空気を供給する圧縮空気供給装置(図示せず)が接続されている。圧縮空気供給装置は、制御装置からの制御により指定された圧力で空気を調製タンク2に供給する。これにより、調製タンク2から薬液を送液用配管30へ送液させることができる。
【0043】
貯留タンク3は、調製タンク2から送液用配管30を通って圧送された薬液を貯留するタンクである。特に図示しないが、貯留タンク3は、圧送された薬液が投入される投入口、薬液を排出する排出口が設けられており、制御装置からの制御により開閉可能となっている。また、貯留タンク3は、薬液を容器に詰める充填機に接続されており、当該充填機の排出口から薬液を排出し、充填機に供給することが可能となっている。
【0044】
上述した構成の送液システムの動作について説明する。図3は、調製タンク2から貯留タンク3に薬液を送液している状態における送液システム1の概略図である。なお、図3の網目状のハッチは薬液を表している。また、第1バルブ51及び第2バルブ52が開放された状態を白塗りで表し、閉鎖された状態を黒塗りで表している。以降の図でも同様である。
【0045】
送液時においては、制御装置は、第2バルブ52を開放し、調製タンク2に圧縮空気を供給させる。また、第1フィルタ装置10と第1排気管41との間は閉鎖され、第2フィルタ装置20と第2排気管42との間は閉鎖されている。
【0046】
このような制御により、調製タンク2から送液用配管30を介して貯留タンク3へ薬液が圧送される。薬液は、第1フィルタ装置10及び第2フィルタ装置20を通り濾過されるので、無菌状態となって貯留タンク3に貯留される。
【0047】
図4は、調製タンク2が空となり、送液用配管30に薬液が残留している状態における送液システム1の概略図である。調製タンク2から薬液を送液するための圧縮空気により、調製タンク2は空となっている。第1配管31においても、その圧縮空気によって送液されているので、薬液が残留していない。
【0048】
第1フィルタ装置10と第1排気管41との間は開放されており、圧縮空気は、第1フィルタ装置10の一次側13から第1排気管41を介して外部に排出される。第1フィルタ装置10の下流側、すなわち、第2配管32の水平部分には圧縮空気による圧力が及ばないので、薬液が残留している。
【0049】
図5から図7は、第2配管32に残留した薬液を排出させる動作を示す送液システムの概略図である。図5から図7の矢印は無菌空気の流れを表している。図5に示すように、制御装置は、調製タンク2が空になったことを検出した後、第2バルブ52を閉鎖する。そして、気体供給手段60に無菌空気を第2フィルタ装置20の一次側23に供給させる。
【0050】
第2フィルタ装置20の一次側23に供給された無菌空気は、一次側23に連通した第2配管32に充填される。この無菌空気の圧力としては、陽圧とし、送液時においてフィルタ22が被処理液から受ける圧力以下とすることが好ましい。このような無菌圧力とすることで、フィルタ22が損傷することを回避することができる。
【0051】
そして、図6に示すように、制御装置は、所定時間後に第1バルブ51を開放する。第1バルブ51が開放されると、第2配管32、及び第2フィルタ装置20の一次側23内は外部に連通するので、それらの内部の無菌空気は外部に排出される。
【0052】
気体供給手段60から無菌空気の供給を始めてから、第1バルブ51を開くまでの所定時間としては、無菌空気が第2配管32に充填されるのに十分な時間とする。
【0053】
このように第2配管32に加圧された無菌空気が導入され(図5)、その後、無菌空気が排出される(図6)。本実施形態の送液システム1は、このような無菌空気が第2配管32を往復するような流れを形成することで、第2配管32に残留していた薬液を第2フィルタ装置20の一次側23に押し出すことができる。
【0054】
次に、図7に示すように、制御装置は、第1バルブ51を閉じる。これにより、再び、陽圧の無菌空気が第2フィルタ装置20の一次側23に供給される。この無菌空気の圧力により、薬液はフィルタ22を透過し、第3配管33を経由して貯留タンク3に圧送される。
【0055】
なお、図5に示した無菌空気の導入、図6に示した無菌空気の排出、図7に示した薬液の第3配管33への圧送を複数回繰り返してもよい。これにより、より確実に第2配管32に残留した薬液を第2フィルタ装置20に送液することができる。
【0056】
以上に説明した送液システム1では、2台の第1フィルタ装置10及び第2フィルタ装置20間の第2配管32に残留した薬液を圧送するための無菌空気を、第2フィルタ装置20の一次側23から第2配管32に送り込む(図5参照)。そして、無菌空気を第1バルブ51から外部に排出することで、無菌空気の排気の流れにより、残留した薬液を第2配管32から第2フィルタ装置20へ送液することができる(図6参照)。
【0057】
このように、送液システム1によれば、2台の第1フィルタ装置10及び第2フィルタ装置20間に薬液を残留させることなく、貯留タンク3へ回収することができるので、薬液を損なうことがなく、効率的に薬液を製造することができる。
【0058】
さらに、本実施形態の送液システム1によれば、無菌空気を第1フィルタ装置10の上流側から送り込まないので、無菌空気がフィルタ12を透過できるほどの高い圧力を掛ける必要がない。これにより、無菌空気の圧力によってフィルタ12の破損を回避することができる。当然、第2フィルタ装置20のフィルタ22についても破損を回避することができる。
【0059】
特に、本実施形態では、被処理液体として液状の薬液用のフィルタ12及びフィルタ22(まとめてフィルタ22等という)を用いる。このフィルタ22等の破損を回避することができるので、薬液の製造前と、残液の送液処理後とで、フィルタ22等に変化がないことを担保できる。これにより、残液の送液処理でフィルタ22等が破損することによって、それまでに製造した医薬品を破棄せねばならない事態を回避できる。
【0060】
また、第2配管32に、無菌空気を直接送り込むのではなく、第2フィルタ装置20の一次側23を介して送り込んでいる。これにより、送液時には、無菌空気を送り込むための第2排気管42は、薬液が通る第2配管32や第2フィルタ装置20の内部とは、切り離されている。したがって、第2排気管42が無菌であることを担保するための装置構成は不要となり、コスト削減が可能となる。
【0061】
なお、第2配管32に直接的に無菌空気を送り込む場合、別途に送気用配管を設けなければならない。この場合、送気用配管が無菌であることを担保するために、送気用配管を洗浄殺菌するための装置構成が必要となり、送液システム1の構成が複雑化し、コストが増大してしまう。
【0062】
〈実施形態2〉
実施形態1では、第2バルブ52を閉じ、気体供給手段60から無菌空気(気体)を供給することで、第2配管32を加圧し、その後第1バルブ51を開放することで、無菌空気の排気の流れを発生させたが、このような態様に限定されない。
【0063】
図8は、本実施形態に係る送液システムの概略構成図である。なお、実施形態1と同一のものには同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0064】
同図に示すように、本実施形態の送液システム1は、第2配管32には、第2バルブ52は設けられていない。また、第1フィルタ装置10の一次側に気体を供給する第1気体供給手段70が設けられている。本実施形態の加圧手段は、第1気体供給手段70及び第2気体供給手段60である。
【0065】
第2気体供給手段60は、実施形態1の気体供給手段60と同じであるので、重複する説明は省略する。第1気体供給手段70は、第2気体供給手段と同様である。すなわち、第1気体供給手段70は、第1フィルタ装置10の一次側13に気体を圧送する。第1気体供給手段70は、加圧した気体を供給できるものであれば、特に限定はない。本実施形態では、第1気体供給手段70は、気体として、加熱殺菌された無菌空気を供給する。例えば、外部から取り込んだ空気を加熱殺菌して無菌空気とする殺菌機、無菌空気を所定圧力まで加圧するポンプやその圧力を調整する圧力弁などから第1気体供給手段70は構成されている。
【0066】
なお、第1気体供給手段70は、第1排気管41から気体を第1フィルタ装置10に供給するものであるが、これに限定されない。例えば、薬液を送液するための圧縮空気を調製タンク2に供給する装置を第1気体供給手段70としてもよい。つまり、第1気体供給手段70は、調製タンク2から第1フィルタ装置10の一次側13に空気を供給する構成としてもよい。
【0067】
図9及び図10は、第2配管32に残留した薬液を排出させる動作を示す送液システムの概略図である。図9及び図10の矢印は無菌空気の流れを表している。また、これらの図では第1フィルタ装置10の図示を省略している。
【0068】
図9に示すように、制御装置は、調製タンク2が空になったことを検出した後、第2気体供給手段60に無菌空気を第2フィルタ装置20の一次側23に供給させる。一方、第1気体供給手段70に無菌空気を第1フィルタ装置10の一次側13に供給させる。このとき、第1気体供給手段70からの無菌空気の圧力が、第2気体供給手段60からの無菌空気の圧力よりも高くなるようにする。
【0069】
このように圧力を調整して、第1気体供給手段70及び第2気体供給手段60に無菌空気を供給させる。これにより、第2気体供給手段60から供給した気体は、第1フィルタ装置10へ達し、そこからさらに上流へ抜けてしまうことがない。したがって、第2気体供給手段60から供給された無菌空気は、第2配管32に残留した薬液を上流に押し戻してしまうことが抑制される。
【0070】
そして、図10に示すように、制御装置は、所定時間後に第1バルブ51を開放する。第1バルブ51が開放されると、第2配管32、及び第2フィルタ装置20の一次側23内は外部に連通するので、それらの内部の無菌空気は外部に排出される。
【0071】
第1気体供給手段70及び第2気体供給手段60から無菌空気の供給を始めてから、第1バルブ51を開くまでの所定時間としては、無菌空気が第2配管32に充填されるのに十分な時間とする。
【0072】
このように第2配管32に加圧された無菌空気が導入され(図9)、その後、無菌空気が排出される(図10)。本実施形態の送液システム1は、このような無菌空気の流れを形成することで、第2配管32に残留していた薬液を第2フィルタ装置20の一次側23に押し出すことができる。
【0073】
あとは、特に図示しないが、制御装置は、第1バルブ51を閉じる。これにより、再び、陽圧の無菌空気が第2フィルタ装置20の一次側23に供給される。この無菌空気の圧力により、薬液はフィルタ22を透過し、第3配管33を経由して貯留タンク3に圧送される。
【0074】
〈実施形態3〉
実施形態1では、第2気体供給手段60から無菌空気(気体)を供給したが、第1気体供給手段70からのみ無菌空気を供給するようにしてもよい。
【0075】
図11は、本実施形態に係る送液システムの概略構成図である。なお、実施形態1、2と同一のものには同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0076】
同図に示すように、本実施形態の送液システム1は、第2配管32には、第2バルブ52は設けられていない。また、第2排気管42には、第2気体供給手段60は設けられていない。また、第1フィルタ装置10の一次側に気体を供給する第1気体供給手段70が設けられている。本実施形態の加圧手段は、第1気体供給手段70から構成されている。
【0077】
図12及び図13は、第2配管32に残留した薬液を排出させる動作を示す送液システムの概略図である。図12及び図13の矢印は無菌空気の流れを表している。また、これらの図では第1フィルタ装置10の図示を省略している。
【0078】
図12に示すように、制御装置は、調製タンク2が空になったことを検出した後、第1気体供給手段70に無菌空気を第1フィルタ装置10の一次側13に供給させる。また、制御装置は、第1バルブ51を閉鎖しておく。
【0079】
このように第1バルブ51を閉鎖した状態で第1気体供給手段70から無菌空気を供給しても、第2配管32や第2フィルタ装置20の一次側23は閉空間であるので、無菌空気の流れはそれほど大きくはない。
【0080】
次に、図13に示すように、制御装置は、所定時間後に第1バルブ51を開放する。第1バルブ51が開放されると、第2配管32、及び第2フィルタ装置20の一次側23内は外部に連通するので、図12の状態に比べて高速に、それらの内部の無菌空気は外部に排出される。
【0081】
第1気体供給手段70から無菌空気の供給を始めてから、第1バルブ51を開くまでの所定時間としては、無菌空気が第2配管32に充填されるのに十分な時間とする。また、第1気体供給手段70から供給する無菌空気の圧力は、第1フィルタ装置10のフィルタ12に支障がない圧力とすることがこのましい。例えば、送液時においてフィルタ12が薬液から受ける圧力以下の圧力で無菌空気を供給することが好ましい。
【0082】
このように第2配管32に加圧された無菌空気が比較的低速で導入され(図12)、その後、より高速で無菌空気が排出される(図13)。このような動作を任意の回数繰り返してもよい。本実施形態の送液システム1は、第2配管32を流通する無菌空気を、第1バルブ51の開閉動作によって緩急を付けて下流側へ供給することができる。これにより、第2配管32に残留していた薬液をより効果的に第2フィルタ装置20の一次側23に押し出すことができる。
【0083】
本実施形態の送液システム1は、第1バルブ51の開閉で無菌空気の流れに緩急をつけて薬液を押し出すことができるので、第1フィルタ装置10の一次側13から供給する無菌空気としては、過度の圧力である必要はない。従来では、フィルタ12を透過するために強い圧力を掛けなければならないが、本発明では、フィルタ12を破損させないような圧力で無菌空気を一次側13から供給しても、第2配管32の薬液を十分に第2フィルタ装置20へ押し出すことができる。
【0084】
特に図示しないが、制御装置が第1バルブ51を閉じたとき、無菌空気の圧力により、第2フィルタ装置20の一次側に圧送された薬液はフィルタ22を透過し、第3配管33を経由して貯留タンク3に圧送される。
【0085】
〈実施形態4〉
実施形態1〜実施形態3では、第1気体供給手段70又は第2気体供給手段60から無菌空気(気体)を供給したが、このような態様に限定されず、送液システム1の洗浄に用いられる洗浄用流体によって、第2配管32の残液の圧送に用いてもよい。
【0086】
図14は、本実施形態に係る送液システムの概略構成図である。図15及び図16は、第2配管32に残留した薬液を排出させる動作を示す送液システムの概略図である。なお、実施形態1〜3と同一のものには同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0087】
図14に示すように、本実施形態の送液システム1は、第2配管32には、洗浄用流体を貯留するためのタンク4が接続されている。このタンク4と第2配管32との間には第3バルブ53が設けられている。この第3バルブ53は制御装置により開閉制御が可能となっている。本実施形態の加圧手段は、第2バルブ52と、配管32に連通するタンク4とから構成されている。
【0088】
また、特に図示しないが、送液システム1は、洗浄用流体を供給する洗浄手段が設けられている。洗浄手段としては、定置洗浄(Cleaning In Place;CIP)や、定置滅菌(Sterilizing In Place;SIP)を実行するための洗浄用の流体を、送液システム1を構成する調製タンク2、第1フィルタ装置10、第2フィルタ装置20、配管30、貯留タンク3などの各種装置に供給することができる装置からなる。このような洗浄手段により、CIPで各種装置は洗浄液によって洗浄され、SIPで各種装置は滅菌及び乾燥される。
【0089】
このようなSIPにおいて、制御装置は第3バルブ53を開放し、タンク4に高温高圧の蒸気を送り込む。そして、タンク4が上記で満たされるのに十分な時間が経過したら、第3バルブ53を閉鎖する。これによりタンク4内に無菌空気が貯留される。そして、SIPの終了後、特に図示しないが、制御装置は調製タンク2から貯留タンク3へ薬液の圧送を行う。
【0090】
図15に示すように、制御装置は、調製タンク2が空になったことを検出した後、第1バルブ51及び第2バルブ52を閉鎖しておく。
【0091】
次に、図16に示すように、制御装置は、第1バルブ51及び第3バルブ53を開放する。第3バルブ53が開放されると、タンク4に貯留されていた蒸気は、第2配管32へ送出される。この蒸気の流れによって、本実施形態の送液システム1は、第2配管32に残留していた薬液を第2フィルタ装置20の一次側23に押し出すことができる。
【0092】
このように本実施形態の送液システム1は、SIPに用いた洗浄用気体を有効利用し、第2配管32に残留した薬液を第2フィルタ装置20へ押し出すことができる。従来では、SIPに用いた洗浄用気体をこのような残留した薬液の圧送には用いていなかったが、本発明では、このような洗浄用気体を有効利用することができる。
【0093】
なお、図15図16では、スペースの都合上、タンク4は、第2配管32の中央付近に接続されているが、第2配管32の上流に接続されていることが好ましい。
【0094】
〈他の実施形態〉
以上、本発明の一実施形態について説明したが、勿論、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。
【0095】
実施形態1〜実施形態4に係る送液システム1は、調製タンク2から貯留タンク3へ薬液を送液した。しかし、第1フィルタ装置10の上流側、第2フィルタ装置20の下流側に設置される装置は、調製タンク2及び貯留タンク3に限定されず、被処理液体を送液用配管30を介して送液するための装置であれば任意のものを適用できる。
【0096】
実施形態1〜実施形態4に係る送液システム1は、被処理液体として薬液を送液したが、これに限定されず、任意の被処理液体を送液する場合に適用できる。また、実施形態1に係る送液システム1は、気体供給手段60は無菌空気を供給したが、これに限定されない。残留した被処理液体を圧送できる気体であればよい。
【0097】
実施形態1〜実施形態4に係る送液システム1は、第2配管32はほぼ水平としたが、これに限定されない。例えば、第2配管32は、第2フィルタ装置20に向けて降下するように傾斜していてもよい。このような第2配管32とすることで、残留した薬液をより確実に第2フィルタ装置20へ送液することができる。
【符号の説明】
【0098】
1…送液システム、10…第1フィルタ装置、12、22…フィルタ、13、23…一次側、14、24…二次側、20…第2フィルタ装置、30…送液用配管、31…第1配管、32…第2配管、33…第3配管、41…第1排気管、42…第2排気管、51…第1バルブ、52…第2バルブ、60…気体供給手段(第2気体供給手段)、70…第1気体供給手段



【要約】
【課題】フィルタ装置間の配管に残留した被処理液体を送液することができる送液システムを提供する。
【解決手段】第1フィルタ装置10の二次側14と第2フィルタ装置20の一次側23とを接続する第2配管32に設けられた第1バルブ51と、第2フィルタ装置20の一次側23から排出される気体の第2排気管42に設けられた第2バルブ52と、第2フィルタ装置20の一次側23に無菌空気を圧送する気体供給手段60と、制御装置と、を備え、制御装置は、第1バルブ51を閉じ、気体供給手段60に気体を供給させることで、第2フィルタの一次側23から第2配管32へ無菌空気を供給し、所定時間経過後に、第2バルブ52を開ける。
【選択図】 図6
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16