(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態では、サッカーゲームを実行するゲーム用画像処理を例にして説明する。この際、サッカーゲームでは、複数のキャラクタを統一的に制御する必要があるとともに、個々のキャラクタをユーザーの要望に応じて制御する必要があることから、コンピュータによってキャラクタ全体を統一的に制御するとともに、ユーザー指定のキャラクタの動作を迅速に制御することとしている。
【0019】
図1は、本発明の一実施例を示す画像処理装置のブロック構成図である。
図1において、画像処理装置は、電子遊戯システムの一要素を構成するビデオゲーム装置として、装置全体の制御を行うCPUブロック10、ゲーム画面の表示制御を行うビデオブロック11、効果音などを生成するサウンドブロック12、CD−ROMの読み出しを行うサブシステム13などを備えて構成されている。
【0020】
CPUブロック10は、SCU(System Control Unit)100、メインCPU101、RAM102、ROM103、カートリッジI/F1a、サブCPU104、CPUバス103を備えて構成されている。メインCPU101は、装置全体の制御を行うものであって、内部にはDSP(Digital Signal Processor)と同様の演算機能を備え、アプリケーションソフトを高速に実行することができる。
【0021】
RAM102は、メインCPU101のワークエリアとして使用されるものである。ROM103には、初期化処理用のイニシャルプログラムなどが書き込まれている。SCU100は、バス105,106,107を制御することにより、メインCPU101、VDP120,130、DSP140、CPU141などの間におけるデータ入出力を円滑に行うことができる。またSCU100は、内部にDMAコントローラを備え、ゲーム中のキャラクタデータをビデオブロック11内のVRAMに転送することができる。これにより、ゲームなどのアプリケーションソフトを高速に実行することができる。カートリッジI/F1aは、ROMカートリッジの形態で供給されるアプリケーションソフトを入力するものである。
【0022】
サブCPU104は、SMPC(System Manager&Peripheral Control)と呼ばれるもので、メインCPU101からの要求に応答して、入力手段としてのタッチパネル22からキャラクタに関するデータをコネクタ2aを介して収集する機能などを備えている。メインCPU101はサブCPU104から受け取ったデータに基づいて、例えば、ゲーム画面中のキャラクタを移動させるための処理を行うことができる。コネクタ2aには、ジョイスティック、キーボードなどの任意のものが接続可能である。
【0023】
ビデオブロック11は、キャラクタなどの描画を行うVDP(Video Display Processor)120、背景画面の描画などを行うVDO130を備えている。
【0024】
VDP120には、VRAM121、複数のフレームバッファに接続されている。ビデオゲーム装置のキャラクタを表示する描画コマンドは、メインCPU101からSCU100を介してVDP120に送られ、VRAM121に書き込まれる。VDP120は、VRAM121から描画コマンドを内部のシステムレジスタに読み込み、フレームバッファに描画データを書き込む。描画されたフレームバッファ122または123のデータはVDP130に送られる。VDP120は、キャラクタなどを表示する演算機能などを備えている。
【0025】
VDP130は、VRAM131に接続され、VDP130から出力された画像データはメモリ132を介してエンコーダ160に出力される。VDP130は、VDP120の持つ機能に加えて、スクロール画面表示を制御するスクロール機能を備えている。
【0026】
エンコーダ160は、この画像データに同期信号などを付加することにより、映像信号を生成し、表示装置(表示手段)5に出力する。これにより、表示装置5の画面であるタッチパネル22上に各種ゲームが表示される。
【0027】
サウンドブロック12は、PCM方式あるいはFM方式にしたがって音声合成を行うDSP140とDSP140の制御などを行うCPU141から構成されている。DSP140により生成された音声データはD/Aコンバータ170により2チャンネルの信号に変換されたあとにスピーカ5a、5bに出力される。
【0028】
サブシステム13は、CD−ROMドライバ1b、CD I/F180、CPU181、MPEG AUDIO182、MPEG VIDEO183などから構成されている。このサブシステム13は、CD−ROMの形態で供給されるアプリケーションソフトの読み込み、動画の再生などを行う機能を備えている。
【0029】
CD−ROMドライバ1bはCD−ROMからデータを読み取るものである。CPU181は、CD−RONMドライブ1bの制御、読み取られたデータの誤り訂正などの制御を行うものである。CD―ROMから読み取られたデータは、CDI/F180,バス106、SCU100を介してメインCPU101に供給され、アプリケーションソフトとして利用される。
【0030】
また、MPEG AUDIO182、MPEG VIDEO183は、MPEG規格(Motion Picture Expert Group)により圧縮されたデータを復元するデバイスである。これらのMPEG AUDIO182、MPEG VIDEO183を用いてCD−ROMに書き込まれたMPEG圧縮データの復元を行うことにより、動画の再生を行うことが可能となる。
【0031】
CPU101は、ゲームプログラムに基づいて3D画像処理として、例えば、仮想3次元空間にキャラクタを配置するとともに、その位置を適宜変更し、仮想カメラからの映像を透視変換して表示装置(モニタ)5の画面に表示するための処理を実行して、3次元仮想空間にサッカーゲームを展開するようになっている。ゲームプログラムやデータはROMカートリッジや、CD−ROM、フロッピディスクなどの情報記憶媒体によって供給され、メモリとしてのRAM102内にロードされる。また、プログラムやデータは、インターネット、パソコン通信、衛星通信などの通信網や放送などの媒体を媒介としてダウンロードすることもできる。また、このビデオゲーム装置は、ゲーム画面の一部をズームするズーム入力装置が設けられているとともに、携帯端末(携帯電話など)とI/Oやインターネットを介して情報交換が可能になっている。この場合、複数のゲーム機(ビデオゲーム装置)がサーバーを介して接続されて、複数のゲーム機毎の対戦遊戯が可能になっている。
【0032】
次に、画像処理装置をビデオゲーム装置に適用したときの機能を
図2の機能ブロック図に従って説明する。画像処理装置は、電子遊戯用の情報資源を格納するメモリ30と、キャラクタを表示装置5の画面に表示するための表示制御回路32と、ユーザーに依る、表示装置22の画面に対する接触操作に応答して、ユーザー指定キャラクタと当該キャラクタの挙動とを決定するための入力を受け付ける入力装置34と、メモリ30に格納された情報資源に基づいて、電子遊戯のための画像情報を生成する画像処理回路36とを備えて構成されている。
【0033】
メモリ30は、例えば、CD−ROM、RAM102などで構成され、入力装置34は、タッチパネル22で構成され、表示制御回路32はビデオブロック11で構成され、画像処理回路36はメインCPU101で構成されている。この場合、画像処理回路36は、電子遊戯用の複数のキャラクタからなるキャラクタ群の挙動を統一的に制御する命令を実行する第1命令実行部38と、ユーザー指定のキャラクタに対するユーザー入力に基づいて、ユーザー指定キャラクタへの個別挙動制御指令を実行する第2命令実行部40と、を備えて構成されており、第2命令実行部40は、表示装置5の画面に対するタッチ操作及びドラッグ操作に基づいて、ユーザー指定キャラクタの個別挙動を決定し、この決定に係る制御信号を表示制御回路32に出力するようになっている。表示制御回路32は、表示装置5に表示制御信号を出力して、表示装置5に、決定されたキャラクタの個別挙動を表示するように構成されている。
【0034】
第2命令実行部40は、前記ドラッグ入力を、当該キャラクタの移動方向を指定する制御命令として判断するように構成されている。この場合、ユーザーに依る、タッチ操作形態の相違により、ユーザー指定キャラクタの挙動内容が異なるように構成されている。このタッチ操作形態の相違は、タッチ回数、タッチの強さ、タッチの長さの少なくとも一つに対応するものである。第2命令実行部40は、ドラッグ操作の確定前に、ユーザー指定キャラクタの移動を開始させ、ドラッグ操作確定後には、ドラッグ操作の終端位置に向けてユーザー指定キャラクタを移動させるようになっている。
【0035】
また、画像処理回路36としては、
図3に示すように、ユーザー指定のキャラクタに対するユーザー入力に基づいて、当該ユーザー指定キャラクタへの個別挙動制御命令を実行する命令実行部42を備えて構成することができる。この場合、命令実行部42は、表示装置5の画面に対するドラッグ操作に基づいて、前記ユーザー指定キャラクタの移動方向を決定し、この決定に係る制御信号を表示制御回路32に出力するようになっており、表示制御回路32は、表示装置5に表示制御信号を出力して、表示装置5に、決定されたキャラクタの挙動を表示するように構成され、かつ、ドラッグ操作の確定前にユーザー指定キャラクタの移動が開始されるように構成されている。
【0036】
また、命令実行部42は、表示装置5の画面上に表示された、命令入力補助アイコン44に対するユーザーのタッチ操作に基づいて、命令入力補助アイコン44に対して設定された制御命令を実行するように構成されている。命令入力補助用アイコン44として、ユーザー指定キャラクタを表示装置5の画面外に移動させるアイコン46を備えている。これらアイコン44、46に対する命令はメモリ30の所定エリアに格納されている。また、メモリ30の所定エリアには各キャラクタクの挙動に関する複数形態が格納されており、命令実行部42は、ユーザー指定キャラクタに対して決定された個別挙動情報に基づいて、ユーザー指定キャラクタの挙動形態を決定するように構成されている。さらに、命令実行部42は、ドラッグ操作の軌跡に対応するドラッグ線を表示装置5の画面に表示させる命令を実行するようになっているとともに、ドラッグ操作の確定時に、ドラッグ線の色を変更する命令を実行するようになっている。この命令実行部42は、ドラッグ操作の開始を表示装置5へのタッチ時と判定し、ドラッグ操作の確定を表示装置5へのタッチの開放時と判定するようになっている。
【0037】
CPU101による全体制御は主にプログラムによって決まり、個別制御はタッチパネル22への入力によって決まるようになっており、個別制御あるいは全体制御は、その時々に応じて他方に優先するようになっている。
【0038】
全体制御にはフォーメーション、例えば、2トップ又は3トップなど、左サイドアタック、中央突破、右サイドアタックなどキャラクタ群を統一的に保護するモードがある。
【0039】
また、CPU101による全体制御は、プログラムとユーザーからの入力、キャラクタ群の位置などから決定される。個別制御には、ユーザーによって指定されたキャラクタの動作(パス、キック、ドリブルなど)があり、キャラクタの個別制御はタッチパネル22へのユーザーの入力によってプログラムに基づいて決定される。
【0040】
タッチパネル22は、例えば、特許文献2に記載されているものを用いて構成され、ユーザーのタッチパネル(画面)22に対する操作に応答して、その位置情報などをCPU101に出力するようになっている。タッチパネル22への入力にはタッチとドラッグがある。タッチとはタッチパネル22との接触であり、タッチ位置の移動を伴わない操作である。このタッチには、タッチ回数、タッチ圧、タッチ時間の長短などの形態があり、タッチの形態の相違によってユーザー指定キャラクタの動作が制御されるようになっている。タッチ圧は、閾値以上のときには強と、閾値未満のときに弱とに分けられており、CPU101は、タッチ圧の強弱を判定し、この判定結果に従って「パスの軌道(フライやゴロ)」や「シュートの強弱」を決定することができる。ドラッグとは、タッチパネル22へのタッチ後、画面に接触した状態を保ってタッチ位置を移動する操作である。このタッチによるタッチ操作とドラッグによるドラッグ操作の区別は、CPU101で行われる。
【0041】
CPU101は、ユーザーがタッチパネル22をタッチした位置の座標から所定数以上、例えば、32ピクセル以上の移動を持ってドラッグと判定するようになっている。また、ドラッグの開始点は、ユーザーがタッチパネル22にタッチしたタッチ位置であり、ドラッグ操作の確定は、ユーザーがタッチパネル22からタッチを開放した時点であって、ドラッグの終端はタッチの開放位置である。このドラッグの位置(ドラッグ操作位置)は常時メモリ30に更新記憶されており、CPU101は、メモリ30の記憶内容に基づいてドラッグ確定前からユーザー指定キャラクタを移動させるようになっている。CPU101がこのような制御を実行し、ドラッグ確定前にキャラクタを動かすことによって、キャラクタを迅速に移動させることができる。
【0042】
キャラクタの移動方法は、ドラッグ開始位置とドラッグの終端位置とを結ぶベクトルからCPU101によって決定される。キャラクタの移動速度は、全体制御の下でCPU101が決定するとともに、補助アイコン44への入力、タッチ・ドラッグ操作形態で決定する。また、CPU101は、ドラッグ線(直線・曲線)に沿ってキャラクタを移動させることもできる。
【0043】
補助アイコン44には画面外へのキャラクタへのパス、ドラッグによる画面内へのキャラクタの移動など、画面外のキャラクタへの入力用のものがある。補助アイコン44に対応する命令はメモリ30に予め格納されており、CPU101は、メモリ30に格納された命令(コマンド)にしたがってキャラクタを制御することができる。
【0044】
各キャラクタ毎に全体制御情報及び個別制御状態を規定するテーブルがメモリ30に格納されており、CPU101は、メモリ30に格納されたテーブルを参照してキャラクタの制御状態を決定し、プログラムやタッチパネル22、補助アイコン44などのユーザー入力に基づいてテーブルを書き換えるようになっている。CPU101は、テーブルを参照することで、タッチ回数、タッチ圧、タッチ時間などのタッチの形態を区別することができる。このテーブルの情報は、各ゲーム装置或いは各ゲーム装置を連結するサーバーのメモリに保存されるようになっており、CPU101は、制御状態に応じて各キャラクタのパラメータやモーションを決定することができる。
【0045】
キャラクタのモーションは予め、その複数の形態がメモリ30に格納されており、CPU101は、メモリ30に格納された複数の形態の中から特定のモーションを選択して再現することができる。このモーションは、全体制御状態と個別制御状態並びにボールの位置、他のキャラクタの配置状態によって適宜選択あるいは修正される。
【0046】
補助アイコン44には全体制御用の補助アイコン(既述の左サイドアタックなどの制定アイコン)、個別制御用のアイコン(シュートなど)があり、これらアイコンに対する制御命令はメモリ30の所定領域に記憶されている。CPU101は、アイコンの指定があったときには対応するメモリ30の領域の制御命令を読出し、読出した制御命令を実行する。全体制御用の補助アイコンに対する制御内容は、要約文として画面上にアイコンとともに表示されるが、全体制御の状態によって異なり、例えば、攻撃時或いは防御時で表示されるアイコンの内容も異なる。
【0047】
次に、選手(キャラクタ)を移動させるための操作としては、シングルタッチ操作、複数タッチ操作(ダブルタッチ操作)、ドラッグ操作がある。ユーザーがパスしたい場所やキャラクタを指でタッチすると、タッチ位置をCPU101が判定し、この判定結果に従った処理が実行される。例えば、CPU101は、タッチ位置がキャラクタの無い位置のときには、パス先として認識し、タッチ位置がキャラクタの位置のときには、当該キャラクタの動作を変更(パス)するようになっている。また、パスにはゴロのパスとフライのパスがあり、CPU101は、両者の区別もできるようになっている。さらに、CPU101は、タッチ回数、タッチ圧(強さ)なども認識できるようになっている。
【0048】
ここで、
図4(a)に示すように、ユーザーがパスしたい場所やキャラクタを指でタッチパネルに対してダブルタッチ操作をすると、CPU101がタッチ位置を判定するとともに、ダブルタッチ操作があったことを判定し、選手50にグラウンダーパスを行わせることができる。
【0049】
また、
図4(b)に示すように、ユーザーが動かしたい選手(キャラクタ)50を目的地までドラッグ操作すると、CPU101がタッチ位置を判定するとともに、ドラッグ操作が実行されたことを判定し、この判定結果に従って選手50をドリブルで移動させることができる。すなわち、CPU101は、ボールを持っているキャラクタ50はドリブルを行っていると判定し、ボールを持っていないキャラクタ52は移動していると判定するようになっている。また、CPU101は、パスを指定した場所と実際にパスが届く場所とを区別して表示するようになっている。これは、パスの指定先が全体制御によって変化するため、両者を区別して表示するようになっている。さらに、ドラッグ先やタッチ先(パス先)が全体制御によって変更されることがある。すなわち、CPU101は、個別制御と全体制御の制御内容を相互に関連づけて調整するようになっている。
【0050】
具体的には、CPU101は、ユーザーがドラッグによる移動先指定(キャラクタの移動先指定)を行ったとしても、プログラムに基づいてキャラクタがボールを確保する命令(全体制御命令)を優先して実行し、ユーザー制御(個別制御)を予約状態として処理し、キャラクタがボールを確保した時点で全体制御を解除し、タッチパネル22に対するユーザーの操作に基づいてユーザー制御に移行するようになっている。この場合、タッチパネル22上のキャラクタ52をユーザーがタッチしたときには、キャラクタ52がユーザー指定キャラクタになる。一方、ユーザーがパス先を指定した(タッチ)場合には、ボールを持っているキャラクタ50がユーザー指定キャラクタになる。
【0051】
ドラッグが確定したときには、その位置の座標(画面上)にはフラッグを立てることもでき、タッチやドラッグの操作の開始や確定の際に効果音を発生させることもできる。また、ドラッグとタッチとの組合せによって、キャラクタ50、52への動作制御命令の形態をより多彩なものにすることができる。さらに、補助アイコン44の利用によって、キャラクタ50、52への動作制御命令の形態をより多彩なものにすることができる。
【0052】
また、
図4(c)に示すように、ユーザーがパスしたい場所やキャラクタ50をシングルタッチ操作すると、CPU101がタッチ位置を判定するとともに、シングル操作が実行されたことを判定し、この判定結果に従ってキャラクタ50にフライパスを行わせることができる。
【0053】
さらに、
図4(d)に示すように、ユーザーがキャラクタ個別制御用のアイコンであるシュートボタン54をタッチ操作すると、CPU101がタッチ位置を判定するとともに、シュートボタン54がタッチ操作されたことを判定し、この判定結果に従ってキャラクタ50にシュートを行わせることができる。
【0054】
次に、タッチパネル22に対する複数の入力操作の組合せによって、キャラクタに特殊な動作命令を与えるときの動作を
図5に従って説明する。まず、ワンツーパスを行うときには、一方のキャラクタ(選手)50から他方の味方のキャラクタ(選手)52にパスをするときには、ユーザーが味方のキャラクタ(選手)52にシングルまたはダブルタッチ操作を行い、そのあとキャラクタ50をドラッグ操作すると、キャラクタ50が移動したあと他方のキャラクタ52からパスが自動的に戻ってくるようになっている。
【0055】
この場合、ドラッグ操作でキャラクタ50の移動先が指定されたときには、ドラッグ操作の軌跡を示すドラッグ線が画面上に表示されるようになっている。また、ドラッグ操作が確定したときには、ドラッグ操作に関連する表示対象、例えば、キャラクタ50、ドラッグ線56の色が変更されるようになっている。
【0056】
また、ドラッグ操作の開始は画面に対するタッチ操作がされたときであって、ドラッグ操作の確定は、タッチ操作後にキャラクタ50が一定距離移動した後に、タッチ操作が解除されたときである。そして、ドラッグ操作でキャラクタ50を移動させる場合、ドラッグ操作が確定する前に、キャラクタ50をドラッグ操作の開始点と終端点との間の位置まで移動させ、ドラッグ操作が確定したときには、キャラクタ50をドラッグ操作の終端まで移動させるようになっている。これらの処理は、ゲームプログラムに基づいてCPU101で実行される。
【0057】
また、
図6に示すように、キャラクタ50は、敵のキャラクタ58から、例えば、半径50センチ以上離れ、敵からのプレッシャーが無く、能力を十分発揮できるフリー状態となっている。一方、キャラクタ52は、敵のキャラクタ58に接近しすぎているため、テクニックが落ち、パスミスが増えるようになっている。一方、キャラクタ52は、敵のキャラクタ58からのプレッシャーを受けて体力などのパラメータやボールに対するコントロール力など(ゲーム上の所定のパラメータ値)が下がるようになっている。
【0058】
CPU101は、キャラクタ50、52などに対する命令を実行するときには、チーム全体への命令か個々のキャラクタへの命令かを区別するようになっている。すなわち、CPU101は、タッチパネル22へのタッチ入力は個々のキャラクタへの命令であると認識するようになっており、チームへの命令は同時に一つのみ有効であって、個々のキャラクタへの命令は同時に複数有効として各命令を実行するようになっている。例えば、タッチとドラッグの操作に基づいて既述のワンツーパスの命令を実行するときに、同一のキャラクタに対して別の命令が指定された場合、前の個人命令はキャンセルされるようになっている。
【0059】
また、チームへの命令は、既述の全体命令に相当するものであり、命令条件を満たしたキャラクタがCPU101の制御の下で命令を実行するようになっている。例えば、全体制御命令を基にボールを追いかけるキャラクタに対して、アイコンへの入力に伴う個別制御命令でシュート命令を実行させることが可能である。この場合、シュート命令が有効なままボール確保命令が実行され、キャラクタがボールを確保した時点でシュート命令が実行されることになる。
【0060】
キャラクタの移動形態としては、以下のものがある。
(1)ボールを持っているキャラクタをユーザーが指で押し、押したまま、一定の距離を移動する。
(2)(1)による移動中に「ダッシュボタン」をタッチすること。
(3)(1)による移動中に「フェイントボタン」をタッチすること。
(4)ボールを持っていないキャラクタをユーザーが指で押し、押したまま、一定の距離を移動する。
(5)(4)による移動中に「ダッシュボタン」をタッチすること。
(6)ボールを持っていないキャラクタをユーザーが指で押し、押したまま、ボールを持ったキャラクタまでドラッグしてから指を離すこと。
(7)ボールを持っていないキャラクタをユーザーが指で押し、押したまま、ボールを持っていないキャラクタまでドラッグしてから指を離すこと。
【0061】
なお、(5)に属する他の形態であって、サッカーゲームにおけるワンツーパスを実施するときの移動形態として、一方のキャラクタが味方の他方のキャラクタにパスを行い、味方の他方のキャラクタにボールが渡る前にドラッグを実施することがある。この場合、一方のキャラクタはドラッグ線上をダッシュし、味方の他方のキャラクタは一方のキャラクタをドラッグした指が離れた地点にパスを出すことになる。
【0062】
上記構成によるビデオゲーム装置は、
図7に示すように、本体20内に収納されるようになっており、本体20の上部にはタッチパネルが前面に設けられた表示装置22が備わっているとともに、コイン投入口24、ユーザー用カード差し込み口26が設けられている。
【0063】
以上のように構成されたビデオゲーム装置においては、CPU101がCD−ROMなどの外部記憶媒体から読み込んだプログラムを実行することによりサッカーゲームが展開するようになっている。この場合、CPU101は、ゲームプログラムのスタート後、画像処理手段として、電子遊戯用の情報資源を格納するメモリ30に格納された情報資源に基づいて電子遊戯のための画像情報(画像データ)を処理し、この処理結果に基づいて電子遊戯のキャラクタを表示装置(表示手段)5の画面に表示するようになっている。
【0064】
このゲームを行うに先立って、ビデオゲーム装置においては、コインがコイン投入口24から投入され、その後、ユーザー用カード差し込み口26からユーザー用カード(ユーザーだけのオリジナルクラブを作ったり、新しい選手を入手してクラブをパワーアップしたりすることが可能なカード)が挿入されたときには、初回のみユーザーネームを入力するための処理とクラブを作成するための処理が実行され、さらに、操作説明が表示装置5の画面上に表示される。その後は、ゲームモードを選択するための処理が実行され、ゲームモードでトーナメントが選択されたときには、例えば、初級トーナメント、中級トーナメント、上級トーナメントのいずれかを選択するための処理が実行される。そして、いずれかのトーナメントが選択されたときには、対戦相手を選択するためのモードを選択する処理が実行される。この後、対戦相手を検索するモードを選択したときには、画面上に対戦相手、例えば、店内のプレイヤーが対戦相手のときにはそのプレイヤーの名前が表示され、任意の対戦相手に対戦を申し込み、相手が承諾したときには、対戦相手が決定する。
【0065】
なお、CPU101の処理によって任意の対戦相手を選択することもできる。この場合、ゲーム装置がネットワークを介してサーバーに接続されているときは、他のユーザーを対戦相手に選択することができる。また、ユーザーネームやクラブ名などを入力したり、エンブレムを決定したり、あるいはユニホームを作成したりすることもできるようになっている。
【0066】
また、試合に出場する選手を選択するモードを選択したときには、
図8に示すように、プレイヤーが所有可能な全48選手の中から出場可能な16選手を選び出すことができるようになっている。この場合、フィールドにいる選手(キャラクタ)がスタメンとなり、この選手を、例えばドラッグ及びドロップ(ドラッグを解消すること)することで選手の入れ替えができるようになっている。またサブエリアにいる選手はハーフタイムに交代で出場可能になっている。例えば、交代したい選手(画面上)にユーザーがタッチして、そのまま交代される選手までドラッグ及びドロップすると、CPU101は、選手の画面上の重なりを判断して選手の交代を行うようなっている。
【0067】
また、出場選手のキャラクタ(メインキャラクタ)を表示している部分はメインエリア60であり、交代予備選手(サブキャラクタ)を表示している部分はサブエリア62である。CPU101は、プログラムに基づいてメインキャラクタとサブキャラクタの交代を実行するようになっている。メインキャラクタとサブキャラクタの表示領域を隣接させることにより、ユーザー(遊戯者)に対してキャラクタ間の交換や交代などの操作をやり易くすることができる。
【0068】
また、出場選手のうちクラブのキャプテンを指名したり、フリーキック時のキッカー(FKキッカー)を指名したり、あるいはコーナーキック時のキッカー(CKキッカー)を指名することもできる。さらにPK時のキッカー(PKキッカー)を指名することもできる。
【0069】
さらに、ユーザーは、左サイドアタックなど全体制御を決定する補助アイコンを選択することで、複数の戦術パネルの中から試合に使用できるものを3つ選択できるようになっている。この補助アイコンへの操作による戦術パネルを使用したときには、CPU101は、戦術パネルにしたがって選手(キャラクタ)を動かすことができるようになっている。また所有しているアイテムから使いたいものがあるときには、1つ選択し、このアイテムを使うと消費され、その試合に限りクラブ全体の能力がアップするようになっている。
【0070】
ゲーム装置を構成するに際しては、ゲーム装置をクライアントとし、複数のクライアントを通信回線を介してサーバーに接続し、サーバーにおいて画像処理を行い、処理結果を通信回線を介してクライアントに転送する構成を採用することができる。この場合、得点をサーバーで計算し、計算結果を各クライアントに転送して記憶させる構成を採用することもできる。また、選手が選択されたときには、選択された選手の情報をサーバーからクライアントに送ることもできる。なお、サーバー側の画像処理や得点の計算をクライアント装置側で行っても良い。この場合は、サーバーは、クライアント側から送られた各プレイヤーの成績を保存しプレイヤーの現在の順位のデータをクライアント側に返すように構成されている。クライアント装置としては、ビデオゲーム機のほか、パソコン、携帯電話、携帯ゲーム装置などの携帯端末を例示できる。また、プレイヤーは携帯電話、携帯ゲーム機、携帯パソコンなどを使用しwebを介してキャラクタの成績情報を見る事が可能である。
【0071】
ゲームが行われるときには、
図9に示すような画面がタッチパネルに表示され、画面上には複数のキャラクタ(選手)900が表示されるとともに、タッチパネル22の下部側にはダッシュ、フェイント、スライディングキーパーなどのアイコン902が表示されるとともに、オフェンス、ノーマル、ディフェンスの状態を表示するためのアイコンが表示されるようになっている。
【0072】
次に、サッカーゲームが開始されたときのCPU101の具体的な処理内容を
図10から
図12のフローチャートにしたがって説明する。
【0073】
まず、サッカーゲームの展開に伴ってタッチパネル22上に各選手の状態が表示される。このとき、
図10に示すように、CPU101は、ユーザーが任意の選手にドリブルやパスなど行わせるための操作が行われたか否かを判定するために、画面(タッチパネル22)が指で押されたか否かの判定を行い(ステップS1)、タッチパネル22の画面が押されたときには、押されたのが自分のチームの選手(キャラクタ)であるか否かの判定を行う(ステップS2)。このとき押されたのは自分のチームの選手でないときには、押されたのは相手ゴール枠であって、オフェンス時であるか否かの判定を行う(ステップS3)。このときYESと判定されたときには、指が離れたか否かを判定し(ステップS4)、指が離れたときにはシュート命令を発行し(ステップS5)、このルーチンでの処理を終了する。一方、ステップS3でNOと判定されたときには、地面座標が押されたと認識し(ステップS6)、そのあと指が離れたか否かを判定し(ステップS7)、指が離れたときには地面座標にパスをする命令を発行し(ステップS8)、このルーチンでの処理を終了する。
【0074】
一方、ステップS2でYESと判定されたときには、CPU101は、入力判定を行うために、
図11に示すように、画面が押されたまま画面が最初に押された座標から一定距離以上移動したか否かの判定を行う(ステップS9)。このときNOと判定されたときには指が離れたか否かの判定を行い(ステップS10)、指が離れるまで同様の処理を行い、指が離れたときには、タッチ(タッチ操作)と認識し(ステップS11)、ボールを保持していない選手なら、その選手にパスをする命令を発行し(ステップS12)、このルーチンでの処理を終了する。
【0075】
一方、ステップS9でYESと判定されたときには、CPU101は、ドラッグ(ドラッグ操作)と認識し(ステップS13)、ドラッグ元の選手がボールを保持しているか否かの判定を行う(ステップS14)。このあとは、攻撃時の処理として、例えば、ステップS14でYESと判定されたときには、ドラッグ先を移動座標と認識し、ドリブル命令を発行する(ステップS15)。このあと指が離れか否かの判定を行い(ステップS16)、指が離れるまで同様の処理を行い、指が離れたときには、ドラッグ(ドラッグ操作)が確定し(ステップS17)、このルーチンでの処理を終了する。
【0076】
一方、ステップS14でNOと判定されたときには、オフェンス時であるか否かの判定を行い(ステップS18)、オフェンス時には、ドラッグ先がボールであるか否かの判定を行う(ステップS19)。このときYESと判定されたときにはボールを確保する命令を発行し(ステップS20)、ステップS19でNOと判定されたときにはドラッグ先を地面座標と認識し(ステップS21)、続いて、移動命令を発行し(ステップS22)、そのあと指が離れたか否かの判定を行い(ステップS23)、指が離れるまでステップS19〜S22の処理を繰り返し、指が離れたときには、ドラッグ(ドラッグ操作)が確定し(ステップS24)、このルーチンでの処理を終了する。
【0077】
次に、ステップS18でNOと判定されたときには、
図12に示すように、CPU101は、守備時の処理として、ディフェンス時と認識し(ステップS25)、ドラッグ先がボール保持選手であるか否かの判定を行う(ステップS26)、このときYESと判定されたときにはボールを奪う命令を発行する(ステップS27)。一方、ステップS26でNOと判定されたときには、ドラッグ先がボールであるか否かの判定を行い(ステップS28)、YESと判定されたときにはボールを確保する命令を発行する(ステップS29)。また、ステップS28でNOと判定されたときにはドラッグ先を地面座標と認識し(ステップS30)、続いて移動命令を発行し(ステップS31)、ステップS32の処理に移行し、指が離れたか否かの判定を行う。
【0078】
ステップS28においては、指が離れるまでステップS26〜S31までの処理を継続し、指が離れたときには、ドラッグが確定したとする処理を行い(ステップS33)、このルーチンでの処理を終了する。
【0079】
本実施例においては、複数のキャラクタを纏めてドラッグすることも可能であり、たとえば、
図13のように複数のキャラクタを円600で囲んで纏めてドラッグすることができる。この時、ゲーム装置のコントローラ(CPU)は、各キャラクタに対して既述のドラッグの処理を行う。
【0080】
また、本実施例においては、サッカーゲームについて述べたが、本発明は、サッカーゲーム以外のものでも、キャラクタ群を統一的に制御するゲームプログラムにも適用することができる。また、制御用補助アイコンへの入力を介して、画面外の選手(キャラクタ)を画面内に移動させたり、画面外にパスさせたりすることなど、画面外との連携を持たせた入力も可能である。