特許第6075757号(P6075757)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6075757
(24)【登録日】2017年1月20日
(45)【発行日】2017年2月8日
(54)【発明の名称】留め具
(51)【国際特許分類】
   A44B 99/00 20100101AFI20170130BHJP
【FI】
   A44B99/00 611A
   A44B99/00 611D
   A44B99/00 601A
【請求項の数】1
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2012-518475(P2012-518475)
(86)(22)【出願日】2011年5月30日
(86)【国際出願番号】JP2011062862
(87)【国際公開番号】WO2011152545
(87)【国際公開日】20111208
【審査請求日】2014年4月26日
【審判番号】不服2016-2498(P2016-2498/J1)
【審判請求日】2016年2月19日
(31)【優先権主張番号】特願2010-138717(P2010-138717)
(32)【優先日】2010年5月31日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】306038075
【氏名又は名称】クリップウェア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103126
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 修
(72)【発明者】
【氏名】小田島 潔
【合議体】
【審判長】 渡邊 豊英
【審判官】 井上 茂夫
【審判官】 千葉 成就
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2008/139783(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A44B99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基部と嵌入部とからなる挟持部を備え、前記基部の両側外壁の間に前記嵌入部を嵌め込み、嵌入部両側のスライド部の係止部を基部側に係合させて基部と嵌入部を係止するようにした留め具であって、前記嵌入部を前記基部から開放する際は、前記基部の両側外壁を押し込むことによって、前記スライド部を撓ませ、その撓みの復元力によって前記外壁に沿ってスライド部がスライドして開放されるよう構成するとともに、前記外壁の内側に突起を形成し、前記外壁を押し込んだ際、前記外壁の突起とスライド部の外側傾斜面とが点接触するようにし、前記外壁とスライド部との間に隙間が形成されるようにしたことを特徴とする留め具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に布などのシート状のものに係止するための留め具であって、そのシート状物に穴を開けずに、またはシート状物に縫い付けたボタンなどを利用して留めることができる留め具に関する。
【背景技術】
【0002】
服の生地などのシート状物に名札などを係止するためには、安全ピンや虫ピンなどといった針を刺して留める方法と、クリップ状のものでポケットなどの端部を挟んで留める方法とがある。針を刺す方法では、きじを傷める結果となり、端部を挟む方法では、止める位置が限られるだけでなく、引っ張れば外れてしまう。
このような問題を解決し、針を刺すことなく洋服に名札などを取り付け、しかも簡単に外れないものとして、本発明者は、先の出願(特願2009−514035)で「留め具」を提案している。これは「外れにくく、着脱が容易」という性能を実現せしめた実用的なものであった。また、この提案の留め具では生地を強くはさまない構造であることから、生地を痛めないという利点も有している。
この発明においては、伸縮する挟持部をその挟持幅以上に広がらないように係止する手段を設け、挟持部に挟持されるストッパーとで留める物で、特に、挟持部を開放する方向へはじき出そうとする弾性手段を設けたことが特徴的である。これにより外す際の操作性が格段に良くなった。
その主な構成は先の出願の図11から図14において示され、その明細書中において、その詳細を説明しているので、その内容を参照するものとし、概略な動作説明としては本出願の第5図に示すように、挟持部を開放するためにリリースボタン52を両側から押し込むと、スライド部61上部を撓ませる。そのまま押し込んで、係止爪63の底面が上部爪受け53の上端面から外れた時点で、スライド部61外側面とボタンアーム51内側面がハの字状となっていることから、自身の復元力も手伝ってスライド部61はボタンアーム51内側面に沿って滑り降りようとし、嵌入部6全体を押し下げようとする力が働く。これにより一気に挟持部は開放される。
本発明では、この先に提案した発明をさらに発展させ、挟持部の開放がより確実にされるようにし、開放時の操作性を向上させた留め具を提供することを目的とする。
【発明の開示】
【0003】
上記目的を達成するため本発明は、基部と嵌入部とからなる挟持部を備え、前記基部の両側外壁の間に前記嵌入部を嵌め込み、嵌入部両側のスライド部の係止部を基部側に係合させて基部と嵌入部を係止するようにした留め具において、前記嵌入部を前記基部から開放する際は、前記基部の両側外壁を押し込むことによって、前記スライド部を撓ませ、その撓みの復元力によって前記外壁に沿ってスライド部がスライドして開放されるよう構成するとともに、前記外壁の内側に突起を形成し、前記外壁を押し込んだ際、前記外壁の突起とスライド部の外側傾斜面とが点接触するようにし、前記外壁とスライド部との間に隙間が形成されるようにした。
これにより、開放開始時においてはスライド部と基部との摩擦を最小にすることができ、スライド部の復元力が最大限に開放方向へ移動するために使われ、その分勢いよく挟持部が開放されることになる。
本発明の留め具は、その基本構成が上述した先の提案の留め具とほぼ同様であって、挟持部が基部とスライド部からなり、基部内に沿ってスライド部がスライドしながら弾き出されて挟持部を開放する構造である。以下、先の提案の留め具との差異について、本発明の実施の形態について添付した図面の基づき説明する。ここで、第1図は挟持部の全体構造を示す断面図、第2図は、挟持部を開放した状態を説明する模式的な一部切り欠き斜視図、第3図は挟持部の動作を説明するための部分拡大図、第4図は第1図のA−A方向に見た部分の断面図、第5図は先の提案を簡単に説明するための断面図である。
上述したように留め具としての基本構成は先の提案を参照とするものとし、本実施形態としての挟持部は、第1から第3図の各図に示すように、基部1とこれに嵌入して係止される嵌入部2とからなり、基部1両側部にはリリースボタン12が形成されており、その下部は可撓性のあるボタンアーム11となっている。基部1の内部上方の両側付近には嵌入部2を係止するための上部爪受け13がそれぞれ形成されている。尚、第2図のCは、内部構造を見るために便宜上設けた仮想の切り欠き線である。
嵌入部2の両側面には可撓性のあるスライド部21が形成され、その先端には係止部22が形成され、その下端が両側に張り出した部分が係止爪23となり、基部1の上部爪受け13に係止される。
ボタンアーム11の上端内側には突起15が形成され、その先端が係止部22の外側傾斜面25に接触するように設けられている。この突起15の上端部は円弧状に形成されており、後述する係止部22を押し下げる際には、外側傾斜面25との接触面は、ほぼ点接触となるように設けられている。
次に、挟持部の開放動作について説明する。
第3図(a)に示す係止爪23が上部爪受け13に係止された状態から、第3図(b)に示すように、係止爪23が上部爪受け13から外れるようにリリースボタン12を両側から押し込む。この際、突起15が外側傾斜面25に点接触で内側に押し込まれて、それによりスライド部21は徐々に撓むが、押し込まれるにしたがって、ボタンアーム11とスライド部21との間に空間5が一時的に形成される。そのまま撓んで、第3図(b)に示すように、係止爪23の底面が上部爪受け13の上端面から外れた時点で、空間5は最大となり、スライド部21は、自身の復元力により外側傾斜面25の傾斜角度に沿って下方に移動しようとするため、その力は空間5の存在により抵抗が最小になり、スライド部21の初動速度が大きくなる。さらに、突起15の先端と外側傾斜面25とは点接触であることから、互いの摩擦抵抗は最小限になることから、下方へ移動しようとする力は開放するために最大に使われる。
その後、スライド部21の移動により、突起15が外側傾斜面25から離れることにより、スライド部21はボタンアーム11に当接するが、先の提案では面当接していたが、本実施例では第4図に示すように、スライド部21は断面が円弧状となっているため、ボタンアーム11とは線当接となるため、摩擦抵抗がその分低減され、スライドダウンがよりスムーズになる。
尚、本発明は以上のような実施形態に限定されるものではない。本発明の特許請求の範囲に記載した事項と実質的に同一の構成を有し、同一の作用効果を奏するものは本発明の技術的範囲に属する。
【産業上の利用可能性】
【0004】
本発明の留め具の構造は、既存する安全ピンやクリップタイプの留め具に替る物として、広範多岐な分野での製品に摘要できる留め具とすることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1
図2
図3
図4
図5