特許第6075758号(P6075758)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6075758
(24)【登録日】2017年1月20日
(45)【発行日】2017年2月8日
(54)【発明の名称】集合住宅
(51)【国際特許分類】
   E04H 1/04 20060101AFI20170130BHJP
【FI】
   E04H1/04 C
【請求項の数】2
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2013-972(P2013-972)
(22)【出願日】2013年1月8日
(65)【公開番号】特開2014-133984(P2014-133984A)
(43)【公開日】2014年7月24日
【審査請求日】2015年7月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000174943
【氏名又は名称】三井住友建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083138
【弁理士】
【氏名又は名称】相田 伸二
(72)【発明者】
【氏名】松崎 真豊
(72)【発明者】
【氏名】中西 雅行
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 博之
(72)【発明者】
【氏名】眞鍋 耕次
(72)【発明者】
【氏名】川西 一至
(72)【発明者】
【氏名】小田 稔
(72)【発明者】
【氏名】前野 達弥
(72)【発明者】
【氏名】織田 直毅
【審査官】 小野 郁磨
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−081218(JP,A)
【文献】 実開平01−089524(JP,U)
【文献】 特開平08−209950(JP,A)
【文献】 特開平11−190082(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の住戸と、該複数の住戸に面するように配置された共用廊下と、を備えた集合住宅において、
前記住戸と前記共用廊下との境界部分にて該住戸と該共用廊下とを仕切るように天井側から垂下されて配置された壁部及び/又は梁部(以下、“仕切り部”とする)と、
該住戸と該共用廊下とを仕切るように該仕切り部の下方に連設されてなる窓部と、
前記共用廊下を挟んで前記窓部に対向するように配置されて該窓部の目隠しを行う目隠し部と、
を備え、
前記共用廊下に沿った方向に直交する水平方向を“奥行き方向”とした場合に、
前記仕切り部は、前記奥行き方向の幅が異なる厚肉部と薄肉部とを有し、
該薄肉部は、前記厚肉部の下方に位置し、該厚肉部と共に前記共用廊下の側及び/又は前記住戸の側に開口する凹部を形成する、
ことを特徴とする集合住宅
【請求項2】
前記共用廊下に沿った方向に直交する水平方向を“奥行き方向”とした場合に、
前記仕切り部は、前記奥行き方向の幅が異なる厚肉部と薄肉部とを有し、
該薄肉部は、前記厚肉部の下方、かつ前記出っ張り部の上方に位置し、該厚肉部及び該出っ張り部と共に前記共用廊下の側に開口する凹部を形成する、
ことを特徴とする請求項に記載の集合住宅。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の住戸と共用廊下とを備えた集合住宅に係り、詳しくは、住戸と共用廊下との境界部に配置する窓部等の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の住戸と共用廊下とを備えた集合住宅については種々の構造のものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図8は、集合住宅の従来構造の一例を示す断面図であり、符号Cは共用廊下を示し、符号101は、該共用廊下Cに沿うように配置された住戸を示し、符号102は、該共用廊下Cと該住戸101との間に配置された窓部を示し、符号103は、該窓部102に設置された面格子を示す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−16246号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、図8に示す集合住宅の場合、窓部102の窓が開けられていると前記共用廊下Cの側から住戸101の内部が見えてしまうおそれがあり、居住者のプライバシーが十分に確保されないという問題があった。
【0006】
本発明は、上述の問題を解消することのできる集合住宅を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項に係る発明は、図1乃至図4に例示するものであって、複数の住戸(A,…)と、該複数の住戸(A,…)に面するように配置された共用廊下(C)と、を備えた集合住宅(1)において、
前記住戸(A,…)と前記共用廊下(C)との境界部分にて該住戸(A,…)と該共用廊下(C)とを仕切るように天井側(3a)から垂下されて配置された壁部及び/又は梁部(符号2参照。以下、“仕切り部”とする)と、
該住戸(A,…)と該共用廊下(C)とを仕切るように該仕切り部(2)の下方に連設されてなる窓部(4)と、
前記共用廊下(C)を挟んで前記窓部(4)に対向するように配置されて該窓部(4)の目隠しを行う目隠し部(5)と、を備え、
図7(a) 〜(c) に例示するように、前記共用廊下(C)に沿った方向(y)に直交する水平方向(x)を“奥行き方向”とした場合に、
前記仕切り部(2)は、前記奥行き方向(x)の幅が異なる厚肉部(2a)と薄肉部(2b)とを有し、
該薄肉部(2b)は、前記厚肉部(2a)の下方に位置し、該厚肉部(2a)と共に前記共用廊下(C)の側及び/又は前記住戸(A)の側に開口する凹部(E1,E2)を形成することを特徴とする。
【0013】
請求項に係る発明は、請求項に記載の発明において、前記共用廊下(C)に沿った方向(y)に直交する水平方向(x)を“奥行き方向”とした場合に、
前記仕切り部(2)は、前記奥行き方向(x)の幅が異なる厚肉部(2a)と薄肉部(2b)とを有し、
該薄肉部(2b)は、前記厚肉部(2a)の下方、かつ前記出っ張り部(2c)の上方に位置し、該厚肉部(2a)及び該出っ張り部(2c)と共に前記共用廊下(C)の側に開口する凹部(D)を形成することを特徴とする。
【0014】
なお、括弧内の番号などは、図面における対応する要素を示す便宜的なものであり、従って、本記述は図面上の記載に限定拘束されるものではない。
【発明の効果】
【0015】
請求項に係る発明によれば、前記共用廊下に立っている人の視線は前記仕切り部により遮られ、前記集合住宅の外部からの視線は前記目隠し部によって遮られることとなり、前記住戸内が覗かれにくくなり、居住者のプライバシーを保護することができる。
【0018】
請求項に係る発明によれば、エアコンの室外機等を収納したりプランターを飾ったりするスペースとして前記凹部を利用でき、該室外機やプランター等が前記共用廊下を通行する人の邪魔になることも無い。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、本発明に係る集合住宅の主要部の構造の一例を示す断面図である。
図2図2は、本発明に係る集合住宅において採光及び通風の状態の一例を示す断面図である。
図3図3(a) は、本発明に係る集合住宅の構造の一例を示す平面図であり、同図(b) はその断面図である。
図4図4は、本発明に係る集合住宅の構造の一例を示す平面図である。
図5図5は、本発明に係る集合住宅の構造の一例を示す断面図である。
図6図6は、図4のP−P断面図である。
図7図7(a) 〜(c) は、本発明に係る集合住宅の主要部の構造の他の例を示す断面図である。
図8図8は、集合住宅の従来構造の一例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図1乃至図6に沿って、本発明の実施の形態について説明する。
【0021】
本発明に係る集合住宅は、図3乃至図5に符号1で例示するものであって、
・ 複数の住戸A,…と、
・ 該複数の住戸A,…に面するように該複数の住戸A,…に沿って配置された共用廊下Cと、
を備えている。そして、図1に詳示するように、前記複数の住戸A,…の内の少なくとも一つの住戸Aと前記共用廊下Cとの境界部分には、該境界部分にて該住戸Aと該共用廊下Cとを仕切るように壁部及び/又は梁部(以下、“仕切り部”とする)2が天井側(つまり、コンクリートスラブ3の下面3a)から垂下されて配置されている。この仕切り部2は、大人の腰の高さ程度にまで垂下されていると良い。また、該住戸Aと該共用廊下Cとを仕切るように、窓部4が前記仕切り部2の下方に連設されている。さらに、前記共用廊下Cを挟んで前記窓部4に対向するように目隠し部5が配置されていて、該目隠し部5によって前記窓部4の目隠しを行うように構成されており、前記集合住宅1の外部からの視線(図1の矢印L1参照)を遮って前記窓部越しに住戸内部を覗き込みにくいようになっている。なお、図中の符号Vはベランダを示す。なお、図1等に示す仕切り部2は、厚みの異なる厚肉部2aと薄肉部2b(詳細は後述する)とによって形成されているが、奥行き方向xの厚みが略均一となるように形成されていても良い。
【0022】
本発明によれば、前記共用廊下Cに立っている人の視線L2は前記仕切り部2により遮られ、前記集合住宅1の外部からの視線L1は前記目隠し部5によって遮られることとなり、前記住戸A内が覗かれにくくなり、居住者のプライバシーを保護することができる。また、前記窓部4においては、外部からの視線L1,L2を遮るための磨りガラスを使用する必要がなく透明ガラスを使用できるため、室内から前記共用廊下C側を眺めることができ、磨りガラスで視界が遮断された場合のように圧迫感を受けず、開放感を得ることができる。さらに、外部からの視線L1,L2を遮るためにカーテンやブラインドを常に降ろしたり垂らしたりしておく必要が無くなるので、採光性を向上することができる。またさらに、外部の視線をほとんど気にせずに前記窓部4を開け放っておくことができるので、通風を確保することができる。また、前記目隠し部5は前記窓部4に近接しておらず前記共用廊下Cを挟むように離間した位置に配置されているため、採光や通風が阻害されにくくなる。
【0023】
なお、前記目隠し部5としては、前記集合住宅1の外部(該集合住宅1の側方)からの視線L1を遮るように構成されたものであれば良く、板状や棒状やシート状の部材にて形成されたものを挙げることができる。具体的には、該目隠し部5は、ルーバーや格子や板状部材や手摺壁や耐候性に優れたシート等の公知の部品で構成すると良い。この目隠し部5の高さH2は、前記窓部4の高さH1とほぼ等しくなるように設定すれば良い。また、該目隠し部5の高さH2及び前記窓部4の高さH1を大人の腰の高さ程度とし、該目隠し部5の上端部分に手摺(横木)を設けておくと良い。
【0024】
一方、該目隠し部5の上方には、図2に示すように、前記集合住宅1の外部から風や光を前記共用廊下C内に取り込むことができる開口部6を形成しておくと良い。そのようにした場合には、前記集合住宅1の外部から風や光が該開口部6を介して前記共用廊下C内に取り込まれるので、前記住戸Aにおける通風性や採光性を良好にすることができる。
【0025】
また一方、前記共用廊下Cに沿った方向(つまり、前記共用廊下Cの通行方向)yに直交する水平方向xを“奥行き方向”とした場合に、図7(a) 〜(c) に例示するように、前記仕切り部2が、前記奥行き方向xの幅が異なる厚肉部2aと薄肉部2bとを有するようにし、該薄肉部2bは、前記厚肉部2aの下方に位置するようにし、
・ 同図(a) に例示するように、該薄肉部2bは、該厚肉部2aと共に前記共用廊下Cの側に開口する凹部E1を形成し、
・ 同図(b) に例示するように、該薄肉部2bは、該厚肉部2aと共に前記共用廊下Cの側に開口する凹部E1と前記住戸Aの側に開口する凹部E2とを形成し、或いは、
・ 同図(c) に例示するように、該薄肉部2bは、該厚肉部2aと共に前記住戸Aの側に開口する凹部E2を形成する、
ようにすると良い。つまり、前記薄肉部2bは、前記厚肉部2aと共に前記共用廊下Cの側に開口する凹部E1及び/又は前記住戸Aの側に開口する凹部E2を形成するようにすると良い。
【0026】
ところで、図1及び図2に例示するように、前記仕切り部2の下端部(奥行き方向xの厚みが略均一である仕切り部の場合は該仕切り部の下端部を意味し、前記厚肉部2aと前記薄肉部2bとで形成された仕切り部2の場合は該薄肉部2bの下端部を意味する)には、前記住戸Aの側から前記共用廊下Cの側に庇状に出っ張る(つまり、前記下端部の直上の部分2bに比較して出っ張るという意味である)出っ張り部2cを形成しておくと良い。なお、このような出っ張り部は、図7(b) 及び(c) に示す薄肉部2bの下方に形成するようにしても良く、或いは、前記厚肉部2aや前記薄肉部2bを有さない均一厚さの仕切り部(不図示)の下端部に形成するようにしても良い。このような出っ張り部2cを設けた場合には、前記共用廊下Cに立っている人からの視線L2が該出っ張り部2cによって遮られることとなり、居住者のプライバシーがより一層確実に保護され得る。
【0027】
また一方、前記共用廊下Cに沿った方向(つまり、前記共用廊下Cの通行方向)yに直交する水平方向xを“奥行き方向”とした場合に、前記仕切り部2が、前記奥行き方向xの幅が異なる厚肉部2aと薄肉部2bとを有するようにし、該薄肉部2bは、前記厚肉部2aの下方であって前記出っ張り部2cの上方に位置するようにし、該厚肉部2a及び該出っ張り部2cと共に前記共用廊下Cの側に開口する凹部Dを形成するようにすると良い。そのようにした場合には、エアコン8の室外機9(図5参照)等を収納したりプランターを飾ったりするスペースとして該凹部Dを利用でき、該室外機9やプランター等が前記共用廊下Cを通行する人の邪魔になることも無い。この場合、上述の厚肉部2aは、図6に示すように、前記共用廊下Cに沿った方向yに延設する梁(順梁)とすると良い。また、上述の薄肉部2bは、前記窓部4の直上の部分だけに配置してドア7の部分には設けないようにすると良い。さらに、該厚肉部2aから該薄肉部2bに掛けて鉄筋を埋設しておくと、該厚肉部2a(つまり、順梁)だけでなく該薄肉部2bも躯体として機能することとなるので、該薄肉部2bによる集合住宅1の強度アップも期待でき、該厚肉部2aの高さ寸法を小さく偏平にすることができ、前記凹部Dのスペースを大きく取ることができる。さらに、エアコン8の室外機9を該凹部Dに収納する場合には、エアーダクト用の貫通孔を前記薄肉部2bに穿設することができ、該薄肉部2b及び前記出っ張り部2cによって、
・ エアーダクト用の貫通孔の確保、及び
・ 室外機9の収納スペースの確保
の両方を実現することができる。本発明においては、前記窓部4は低い位置に設けているので、エアコン8の室外機9を(前記凹部Dに収納せずに)前記共用廊下Cの床面に設置しておくと、前記窓部4を塞いだりして採光性や通風性を悪くしてしまうおそれがあるが、該室外機9を前記凹部Dに収納した場合には、そのような問題も解消することができる。その場合、前記出っ張り部2cの上面に適宜排水溝を形成すれば、室外機9からの水の排水経路を適切に確保することができる。ここで、該出っ張り部2cは鉄筋コンクリート製にすると良いが、その他の材料を使用しても良い。
【符号の説明】
【0028】
1 集合住宅
2 仕切り部
2a 厚肉部
2b 薄肉部
2c 出っ張り部
4 窓部
5 目隠し部
6 開口部
A,… 住戸
C 共用廊下
D 凹部
E1,E2 凹部
H1 窓部の高さ
H2 目隠し部の高さ
L1,L2 視線
x 奥行き方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8