特許第6075762号(P6075762)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6075762車載システム、情報処理方法、車両制御装置、車両制御システム、携帯端末、及び、プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6075762
(24)【登録日】2017年1月20日
(45)【発行日】2017年2月8日
(54)【発明の名称】車載システム、情報処理方法、車両制御装置、車両制御システム、携帯端末、及び、プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04M 1/00 20060101AFI20170130BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20170130BHJP
   E05B 49/00 20060101ALI20170130BHJP
【FI】
   H04M1/00 V
   H02J7/00 301D
   E05B49/00 J
【請求項の数】15
【全頁数】31
(21)【出願番号】特願2013-46832(P2013-46832)
(22)【出願日】2013年3月8日
(65)【公開番号】特開2014-175856(P2014-175856A)
(43)【公開日】2014年9月22日
【審査請求日】2015年10月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】510123839
【氏名又は名称】オムロンオートモーティブエレクトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082131
【弁理士】
【氏名又は名称】稲本 義雄
(74)【代理人】
【識別番号】100121131
【弁理士】
【氏名又は名称】西川 孝
(72)【発明者】
【氏名】富田 洋輔
(72)【発明者】
【氏名】滝沢 光司
【審査官】 吉村 伊佐雄
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−038870(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B1/00−85/28
G08G1/00−99/00
H02J7/00−7/12
7/34−7/36
H04B7/24−7/26
H04M1/00
1/24−1/82
99/00
H04W4/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に設けられる充電装置と、
前記車両の制御を行う車両制御装置と
を備える車載システムにおいて、
前記充電装置は、
充電可能な範囲にある携帯端末の非接触充電を行う充電部と、
前記携帯端末と近接無線通信が可能な近接無線通信部と
を備え、
前記車両制御装置は、
前記車両の操作に用いる携帯機と無線通信が可能な無線通信部と
記無線通信部の制御を行う通信制御部と、
前記携帯機の位置検出を行う位置検出部と
を備え、
前記充電装置又は前記車両制御装置の少なくとも一方が、
前記近接無線通信部と前記携帯端末との間の通信状態により前記充電可能な範囲内における前記携帯端末の有無を検出する機器検出部を
備え、
前記通信制御部は、前記機器検出部により前記携帯端末が前記充電可能な範囲内から外に出たことが検出され、かつ、前記位置検出部により前記携帯機が前記車両の室内を含む所定の範囲内に存在しないことが検出された場合、前記無線通信部から前記携帯機に所定の信号を送信するように制御する
車載システム。
【請求項2】
前記通信制御部は、前記近接無線通信部により受信した前記携帯端末からの指令に基づいて前記所定の信号の送信機能を停止する
請求項1に記載の車載システム。
【請求項3】
前記位置検出部は、前記携帯端末が前記充電可能な範囲内から外に出たことが検出されたとき、前記携帯機の位置検出を行う
請求項1又は2に記載の車載システム。
【請求項4】
前記位置検出部は、定期的に、又は、前記車両が所定の状態になったとき、前記携帯機の位置検出を行う
請求項1又は2に記載の車載システム。
【請求項5】
前記位置検出部は、前記携帯機と前記車両制御装置との間の無線通信の状態に基づいて、前記携帯機の位置検出を行う
請求項1乃至4のいずれかに記載の車載システム。
【請求項6】
前記通信制御部は、前記携帯機からの指令に基づいて前記所定の信号の送信機能を停止する
請求項1乃至5のいずれかに記載の車載システム。
【請求項7】
前記通信制御部は、前記所定の信号として、前記携帯端末の盗難のおそれを示す信号を送信するように制御する
請求項1乃至6のいずれかに記載の車載システム。
【請求項8】
車両内において携帯端末の非接触充電を行う充電装置、又は、無線通信を行う携帯機からの信号に基づいて前記車両の制御を行う車両制御装置の少なくとも一方が、前記充電装置と前記携帯端末との間の近接無線通信の状態により、前記充電装置の充電可能な範囲内における前記携帯端末の有無の検出を行い、
前記車両制御装置が、前記携帯機の位置検出を行い、
前記携帯端末が前記充電可能な範囲内から外に出たことが検出され、かつ、前記携帯機が前記車両の室内を含む所定の範囲内に存在しないことが検出された場合、前記車両制御装置が、前記携帯機に所定の信号を送信するように制御する
ステップを含む情報処理方法。
【請求項9】
車両の制御を行う車両制御装置において、
前記車両の操作に用いる携帯機と無線通信が可能な無線通信部と
記無線通信部の制御を行う通信制御部と、
前記携帯機の位置検出を行う位置検出部と
を備え、
前記通信制御部は、前記車両内において携帯端末の非接触充電を行う充電装置と前記携帯端末との間の近接無線通信の状態により前記充電装置の充電可能な範囲内から前記携帯端末が外に出たことが検出され、かつ、前記位置検出部により前記携帯機が前記車両の室内を含む所定の範囲内に存在しないことが検出された場合、前記無線通信部から前記携帯機に所定の信号を送信するように制御する
車両制御装置。
【請求項10】
車両に設けられる充電装置と、
前記車両の制御を行う車両制御装置と、
前記車両の操作に用いる携帯機と、
前記携帯機と通信が可能な携帯端末と
を備える車両制御システムにおいて、
前記携帯端末は、
前記携帯機と無線通信が可能な第1の無線通信部と、
前記充電装置と近接無線通信が可能な第1の近接無線通信部と、
前記第1の無線通信部及び前記第1の近接無線通信部の制御を行う第1の通信制御部と、
前記第1の近接無線通信部と前記充電装置との間の通信状態により前記充電装置の充電可能な範囲内に前記携帯端末が存在するか否かを検出可能な状態検出部と、
前記携帯機との間の無線通信の状態に基づいて、前記携帯機の位置検出を行う第1の位置検出部と
を備え、
前記携帯機は、
前記携帯端末と無線通信が可能な第2の無線通信部と、
前記第2の無線通信部と異なる方式により前記車両制御装置と無線通信が可能な第3の無線通信部と
を備え、
前記充電装置は、
前記充電可能な範囲にある前記携帯端末の非接触充電を行う充電部と、
前記携帯端末と近接無線通信が可能な第2の近接無線通信部と
を備え、
前記車両制御装置は、
前記携帯機と無線通信が可能な第4の無線通信部を
備え、
前記第1の位置検出部は、前記状態検出部により前記携帯端末が前記充電可能な範囲内から外に出たことが検出されたとき、前記携帯機の位置検出を行い、
前記第1の通信制御部は、前記状態検出部により前記携帯端末が前記充電可能な範囲内から外に出たことが検出され、かつ、前記第1の位置検出部により前記携帯機が前記車両の室内を含む所定の第1の範囲内に存在しないことが検出された場合、前記第1の無線通信部から前記携帯機に所定の第1の信号を送信するように制御する
車両制御システム。
【請求項11】
前記携帯機は、
前記第1の信号を受信したとき、所定の方法によりユーザへの通知を行う通知部を
さらに備える請求項10に記載の車両制御システム。
【請求項12】
前記充電装置又は前記車両制御装置の少なくとも一方が、
前記近接無線通信部と前記携帯端末との間の通信状態により前記充電可能な範囲内における前記携帯端末の有無を検出可能な機器検出部を
さらに備え、
前記車両制御装置は
記第4の無線通信部の制御を行う第2の通信制御部と、
前記携帯機の位置検出を行う第2の位置検出部と
をさらに備え、
前記第2の通信制御部は、前記機器検出部により前記携帯端末が前記充電可能な範囲内から外に出たことが検出され、かつ、前記第2の位置検出部により前記携帯機が前記車両の室内を含む所定の第2の範囲内に存在しないことが検出された場合、前記第4の無線通信部から前記携帯機に所定の第2の信号を送信するように制御する
請求項10又は11に記載の車両制御システム。
【請求項13】
車両の操作に用いる携帯機と無線通信、及び、前記車両内において非接触充電を行う充電装置との近接無線通信が可能な携帯端末において、
前記携帯機と無線通信が可能な無線通信部と、
前記充電装置と近接無線通信が可能な近接無線通信部と、
前記無線通信部及び前記近接無線通信部の制御を行う通信制御部と、
前記近接無線通信部と前記充電装置との間の通信状態により前記充電装置の充電可能な範囲内に前記携帯端末が存在するか否かを検出可能な状態検出部と、
前記携帯機との間の無線通信の状態に基づいて、前記携帯機の位置検出を行う位置検出部と
を備え、
前記位置検出部は、前記状態検出部により前記携帯端末が前記充電可能な範囲内から外に出たことが検出されたとき、前記携帯機の位置検出を行い、
前記通信制御部は、前記状態検出部により前記携帯端末が前記充電可能な範囲内から外に出たことが検出され、かつ、前記位置検出部により前記携帯機が前記車両の室内を含む所定の範囲内に存在しないことが検出された場合、前記無線通信部から前記携帯機に所定の信号を送信するように制御する
携帯端末。
【請求項14】
車両の操作に用いる携帯機との無線通信、及び、前記車両内において非接触充電を行う充電装置との近接無線通信が可能な携帯端末が、
前記充電装置との間の通信状態により前記充電装置の充電可能な範囲内に前記携帯端末が存在するか否かを検出し、
前記携帯端末が前記充電可能な範囲内から外に出たことを検出した場合、前記携帯機の位置検出を行い、前記携帯機が前記車両の室内を含む所定の範囲内に存在しないことを検出したとき、前記携帯機に所定の信号を送信するように制御する
ステップを含む情報処理方法。
【請求項15】
車両の操作に用いる携帯機との無線通信、及び、前記車両内において非接触充電を行う充電装置との近接無線通信が可能な携帯端末のコンピュータに、
前記充電装置との間の通信状態により前記充電装置の充電可能な範囲内に前記携帯端末が存在するか否かを検出し、
前記携帯端末が前記充電可能な範囲内から外に出たことを検出した場合、前記携帯機の位置検出を行い、前記携帯機が前記車両の室内を含む所定の範囲内に存在しないことを検出したとき、前記携帯機に所定の信号を送信するように制御する
ステップを含む処理を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載システム、情報処理方法、車両制御装置、車両制御システム、携帯端末、及び、プログラムに関し、特に、車内にある携帯端末の盗難を防止するようにした車載システム、情報処理方法、車両制御装置、車両制御システム、携帯端末、及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年の携帯電話機やスマートフォン等の携帯端末の普及に伴い、携帯端末と車両を連携させる技術の開発が進んでいる。
【0003】
例えば、従来、車両用の携帯機(例えば、キーフォブ等)を中継器として用い、携帯端末と車両の間で情報の送受信を行ったり、携帯端末を用いて車両の操作を行ったりすることが提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
【0004】
また、Bluetooth(登録商標)等の無線通信を用いて、車両用の携帯機、車載用の通信装置、及び、携帯端末の三者間で相互に通信を行い、情報の送受信を行うことが提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【0005】
さらに、携帯電話機と車両の間で近距離無線通信を行い、携帯端末を用いて車両のエンジンの始動制御を行うことが提案されている(例えば、特許文献4参照)。
【0006】
また、携帯端末用の非接触式の充電装置を車内に設けることが提案されている(例えば、特許文献5参照)。さらに、充電装置を介して携帯端末と車両間の通信を可能にすることが提案されている(例えば、特許文献6参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第7821382号明細書
【特許文献2】特開2010−165067号公報
【特許文献3】特開2001−288941号公報
【特許文献4】特開2007−30613号公報
【特許文献5】特開2007−104868号公報
【特許文献6】特表2008−503196号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述した特許文献5又は6のように、車内に充電装置を設けた場合、携帯端末を充電したまま車内に置き忘れてしまい、不在中に携帯端末が盗難されてしまう場合が想定される。
【0009】
そこで、本発明は、車内にある携帯端末の盗難を防止できるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の側面の車載システムは、車両に設けられる充電装置と、車両の制御を行う車両制御装置とを備える車載システムにおいて、充電装置は、充電可能な範囲にある携帯端末の非接触充電を行う充電部と、携帯端末と近接無線通信が可能な近接無線通信部とを備え、車両制御装置は、車両の操作に用いる携帯機と無線通信が可能な無線通信部と、無線通信部の制御を行う通信制御部と、携帯機の位置検出を行う位置検出部とを備え、充電装置又は車両制御装置の少なくとも一方が、近接無線通信部と携帯端末との間の通信状態により充電可能な範囲内における携帯端末の有無を検出する機器検出部を備え、通信制御部は、機器検出部により携帯端末が充電可能な範囲内から外に出たことが検出され、かつ、位置検出部により携帯機が車両の室内を含む所定の範囲内に存在しないことが検出された場合、無線通信部から携帯機に所定の信号を送信するように制御する。
【0011】
本発明の第1の側面においては、携帯端末が充電可能な範囲内から外に出たことが検出され、かつ、携帯機が車両の室内を含む所定の範囲内に存在しないことが検出された場合、携帯機に所定の信号が送信される。
【0012】
従って、車内にある携帯端末が盗難されるおそれがあることを迅速に検出し、ユーザに通知することができ、その結果、車内にある携帯端末の盗難を防止することができる。
【0013】
この充電装置は、例えば、非接触式の充電器により構成される。この車両制御装置は、例えば、ECUにより構成される。この充電部は、例えば、電力源を備える電力供給装置、又は、外部からの電力の供給を制御する制御装置により構成される。この近接無線通信部は、例えば、NFC等の近接無線通信を行う通信機器により構成される。この機器検出部は、例えば、CPU等のプロセッサ、又は、各種のセンサ等により構成される。この無線通信部は、例えば、LF帯や、UHF帯の315MHz帯又は900MHz帯の無線通信を行う通信機器により構成される。この通信制御部、位置検出部は、例えば、CPU等のプロセッサにより構成される。この携帯機は、例えば、車両用のキーフォブにより構成される。この携帯端末は、例えば、携帯電話機、スマートフォン、タブレット型コンピュータ、ノート型コンピュータ、PDA、携帯動画プレーヤ、携帯音楽プレーヤ、デジタルカメラ、ICカード等により構成される。
【0014】
この充電装置には、携帯端末と近接無線通信が可能な近接無線通信部をさらに設け、この機器検出部には、近接無線通信部と携帯端末との間の通信状態により充電可能な範囲内における携帯端末の有無を検出させることができる。
【0015】
これにより、携帯端末が盗難されるおそれがあることを確実に検出することができる。
【0016】
この通信制御部には、近接無線通信部により受信した携帯端末からの指令に基づいて所定の信号の送信機能を停止させることができる。
【0017】
これにより、ユーザに不必要な通知がなされることを防止することができる。
【0018】
この位置検出部には、携帯端末が充電可能な範囲内から外に出たことが検出されたとき、携帯機の位置検出を行わせることができる。
【0019】
これにより、適切なタイミングで携帯機の位置を検出することができ、その結果、車内にある携帯端末が盗難されるおそれがあることを確実に検出することができる。
【0020】
この位置検出部には、定期的に、又は、車両が所定の状態になったとき、携帯機の位置検出を行わせることができる。
【0021】
これにより、適切なタイミングで携帯機の位置を検出することができ、その結果、車内にある携帯端末が盗難されるおそれがあることを確実に検出することができる。
【0022】
この位置検出部には、携帯機と車両制御装置との間の無線通信の状態に基づいて、携帯機の位置検出を行わせることができる。
【0023】
これにより、携帯機の位置を正確に検出することができ、その結果、車内にある携帯端末が盗難されるおそれがあることを確実に検出することができる。
【0024】
この通信制御部には、携帯機からの指令に基づいて所定の信号の送信機能を停止させることができる。
【0025】
これにより、ユーザに不必要な通知がなされることを防止することができる。
【0026】
この通信制御部には、所定の信号として、携帯端末の盗難のおそれを示す信号を送信するように制御させることができる。
【0027】
これにより、車内にある携帯端末が盗難されるおそれがあることをユーザに確実に通知することができ、その結果、車内にある携帯端末の盗難を防止することができる。
【0028】
本発明の第2の側面の情報処理方法は、車両内において携帯端末の非接触充電を行う充電装置、又は、無線通信を行う携帯機からの信号に基づいて車両の制御を行う車両制御装置の少なくとも一方が、充電装置と携帯端末との間の近接無線通信の状態により、充電装置の充電可能な範囲内における携帯端末の有無の検出を行い、車両制御装置が、携帯機の位置検出を行い、携帯端末が充電可能な範囲内から外に出たことが検出され、かつ、携帯機が車両の室内を含む所定の範囲内に存在しないことが検出された場合、車両制御装置が、携帯機に所定の信号を送信するように制御するステップを含む。
【0029】
本発明の第2の側面においては、携帯端末が充電可能な範囲内から外に出たことが検出され、かつ、携帯機が車両の室内を含む所定の範囲内に存在しないことが検出された場合、携帯機に所定の信号が送信される。
【0030】
従って、車内にある携帯端末が盗難されるおそれがあることを迅速に検出し、ユーザに通知することができ、その結果、車内にある携帯端末の盗難を防止することができる。
【0031】
この充電装置は、例えば、非接触式の充電器により構成される。この車両制御装置は、例えば、ECUにより構成される。この携帯機は、例えば、車両用のキーフォブにより構成される。この携帯端末は、例えば、携帯電話機、スマートフォン、タブレット型コンピュータ、ノート型コンピュータ、PDA、携帯動画プレーヤ、携帯音楽プレーヤ、デジタルカメラ、ICカード等により構成される。
【0032】
本発明の第3の側面の車両制御装置は、車両の制御を行う車両制御装置において、車両の操作に用いる携帯機と無線通信が可能な無線通信部と、無線通信部の制御を行う通信制御部と、携帯機の位置検出を行う位置検出部とを備え、通信制御部は、車両内において携帯端末の非接触充電を行う充電装置と携帯端末との間の近接無線通信の状態により充電装置の充電可能な範囲内から携帯端末が外に出たことが検出され、かつ、位置検出部により携帯機が車両の室内を含む所定の範囲内に存在しないことが検出された場合、無線通信部から携帯機に所定の信号を送信するように制御する。
【0033】
本発明の第3の側面においては、携帯端末が充電可能な範囲内から外に出たことが検出され、かつ、携帯機が車両の室内を含む所定の範囲内に存在しないことが検出された場合、携帯機に所定の信号が送信される。
【0034】
従って、車内にある携帯端末が盗難されるおそれがあることを迅速に検出し、ユーザに通知することができ、その結果、車内にある携帯端末の盗難を防止することができる。
【0035】
この車両制御装置は、例えば、ECUにより構成される。この無線通信部は、例えば、LF帯や、UHF帯の315MHz帯又は900MHz帯の無線通信を行う通信機器により構成される。この通信制御部、位置検出部は、例えば、CPU等のプロセッサにより構成される。この充電装置は、例えば、非接触式の充電器により構成される。この携帯機は、例えば、車両用のキーフォブにより構成される。この携帯端末は、例えば、携帯電話機、スマートフォン、タブレット型コンピュータ、ノート型コンピュータ、PDA、携帯動画プレーヤ、携帯音楽プレーヤ、デジタルカメラ、ICカード等により構成される。
【0036】
本発明の第4の側面の車両制御システムは、車両に設けられる充電装置と、車両の制御を行う車両制御装置と、車両の操作に用いる携帯機と、携帯機と通信が可能な携帯端末とを備える車両制御システムにおいて、携帯端末は、携帯機と無線通信が可能な第1の無線通信部と、充電装置と近接無線通信が可能な第1の近接無線通信部と、第1の無線通信部及び第1の近接無線通信部の制御を行う第1の通信制御部と、第1の近接無線通信部と充電装置との間の通信状態により充電装置の充電可能な範囲内に携帯端末が存在するか否かを検出可能な状態検出部と、携帯機との間の無線通信の状態に基づいて、携帯機の位置検出を行う第1の位置検出部とを備え、携帯機は、携帯端末と無線通信が可能な第2の無線通信部と、第2の無線通信部と異なる方式により車両制御装置と無線通信が可能な第3の無線通信部とを備え、充電装置は、充電可能な範囲にある携帯端末の非接触充電を行う充電部と、携帯端末と近接無線通信が可能な第2の近接無線通信部とを備え、車両制御装置は、携帯機と無線通信が可能な第4の無線通信部を備え、第1の位置検出部は、状態検出部により携帯端末が充電可能な範囲内から外に出たことが検出されたとき、携帯機の位置検出を行い、第1の通信制御部は、状態検出部により携帯端末が充電可能な範囲内から外に出たことが検出され、かつ、第1の位置検出部により携帯機が車両の室内を含む所定の第1の範囲内に存在しないことが検出された場合、第1の無線通信部から携帯機に所定の第1の信号を送信するように制御する。
【0037】
本発明の第4の側面においては、携帯端末が充電可能な範囲内から外に出たことが検出され、かつ、携帯機が車両の室内を含む所定の範囲内に存在しないことが検出された場合、携帯機に所定の第1の信号が送信される。
【0038】
従って、車内にある携帯端末が盗難されるおそれがあることを迅速に検出し、ユーザに通知することができ、その結果、車内にある携帯端末の盗難を防止することができる。
【0039】
この充電装置は、例えば、非接触式の充電器により構成される。この車両制御装置は、例えば、ECUにより構成される。この携帯機は、例えば、車両用のキーフォブにより構成される。この携帯端末は、例えば、携帯電話機、スマートフォン、タブレット型コンピュータ、ノート型コンピュータ、PDA、携帯動画プレーヤ、携帯音楽プレーヤ、デジタルカメラ、ICカード等により構成される。この第1の無線通信部、第2の無線通信部は、例えば、BLE等の近距離無線通信を行う通信機器により構成される。この第1の近接無線通信部、第2の近接無線通信部は、例えば、NFC等の近接無線通信を行う通信機器により構成される。この第1の通信制御部、第1の位置検出部は、例えば、CPU等のプロセッサにより構成される。この状態検出部は、例えば、CPU等のプロセッサ、又は、各種のセンサ等により構成される。この第3の無線通信部、第4の無線通信部は、例えば、LF帯や、UHF帯の315MHz帯又は900MHz帯の無線通信を行う通信機器により構成される。この充電部は、例えば、電力源を備える電力供給装置、又は、外部からの電力の供給を制御する制御装置により構成される。
【0040】
この携帯機には、第1の信号を受信したとき、所定の方法によりユーザへの通知を行う通知部をさらに設けることができる。
【0041】
これにより、車内にある携帯端末が盗難されるおそれがあることを確実にユーザに通知することができる。
【0042】
この通知部は、例えば、表示装置、ブザー等の音声出力装置、LED等のランプ、又は、バイブレータ等により構成される。
【0043】
この充電装置又は車両制御装置の少なくとも一方には、近接無線通信部と携帯端末との間の通信状態により充電可能な範囲内における携帯端末の有無を検出可能な機器検出部をさらに設け、この車両制御装置には、第4の無線通信部の制御を行う第2の通信制御部と、携帯機の位置検出を行う第2の位置検出部とをさらに設け、この第2の通信制御部には、機器検出部により携帯端末が充電可能な範囲内から外に出たことが検出され、かつ、第2の位置検出部により携帯機が車両の室内を含む所定の第2の範囲内に存在しないことが検出された場合、第4の無線通信部から携帯機に所定の第2の信号を送信するように制御させることができる。
【0044】
これにより、より確実に車内にある携帯端末が盗難されるおそれがあることを検出し、ユーザに通知することができる。
【0045】
この機器検出部は、例えば、CPU等のプロセッサ、又は、各種のセンサ等により構成される。この第2の通信制御部、第2の位置検出部は、例えば、CPU等のプロセッサにより構成される。
【0046】
本発明の第5の側面の携帯端末においては、車両の操作に用いる携帯機と無線通信、及び、車両内において非接触充電を行う充電装置との近接無線通信が可能な携帯端末において、携帯機と無線通信が可能な無線通信部と、充電装置と近接無線通信が可能な近接無線通信部と、無線通信部及び近接無線通信部の制御を行う通信制御部と、近接無線通信部と充電装置との間の通信状態により充電装置の充電可能な範囲内に携帯端末が存在するか否かを検出可能な状態検出部と、携帯機との間の無線通信の状態に基づいて、携帯機の位置検出を行う位置検出部とを備え、位置検出部は、状態検出部により携帯端末が充電可能な範囲内から外に出たことが検出されたとき、携帯機の位置検出を行い、通信制御部は、状態検出部により携帯端末が充電可能な範囲内から外に出たことが検出され、かつ、位置検出部により携帯機が車両の室内を含む所定の範囲内に存在しないことが検出された場合、無線通信部から携帯機に所定の信号を送信するように制御する。
【0047】
本発明の第5の側面においては、携帯端末が充電可能な範囲内から外に出たことが検出され、かつ、携帯機が車両の室内を含む所定の範囲内に存在しないことが検出された場合、携帯機に所定の信号が送信される。
【0048】
従って、車内にある携帯端末が盗難されるおそれがあることを迅速に検出し、ユーザに通知することができ、その結果、車内にある携帯端末の盗難を防止することができる。
【0049】
この携帯機は、例えば、車両用のキーフォブにより構成される。この携帯端末は、例えば、携帯電話機、スマートフォン、タブレット型コンピュータ、ノート型コンピュータ、PDA、携帯動画プレーヤ、携帯音楽プレーヤ、デジタルカメラ、ICカード等により構成される。この無線通信部は、例えば、LF帯や、UHF帯の315MHz帯又は900MHz帯の無線通信を行う通信機器により構成される。この近接無線通信部は、例えば、NFC等の近接無線通信を行う通信機器により構成される。この充電装置は、例えば、非接触式の充電器により構成される。この通信制御部、位置検出部は、例えば、CPU等のプロセッサにより構成される。この状態検出部は、例えば、CPU等のプロセッサ、又は、各種のセンサ等により構成される。
【0050】
本発明の第6の側面の情報処理方法は、車両の操作に用いる携帯機との無線通信、及び、車両内において非接触充電を行う充電装置との近接無線通信が可能な携帯端末が、充電装置との間の通信状態により充電装置の充電可能な範囲内に携帯端末が存在するか否かを検出し、携帯端末が充電可能な範囲内から外に出たことを検出した場合、携帯機の位置検出を行い、携帯機が車両の室内を含む所定の範囲内に存在しないことを検出したとき、携帯機に所定の信号を送信するように制御するステップを含む。
【0051】
本発明の第6の側面のプログラムは、車両の操作に用いる携帯機との無線通信、及び、車両内において非接触充電を行う充電装置との近接無線通信が可能な携帯端末のコンピュータに、充電装置との間の通信状態により充電装置の充電可能な範囲内に携帯端末が存在するか否かを検出し、携帯端末が充電可能な範囲内から外に出たことを検出した場合、携帯機の位置検出を行い、携帯機が車両の室内を含む所定の範囲内に存在しないことを検出したとき、携帯機に所定の信号を送信するように制御するステップを含む処理を実行させる。
【0052】
本発明の第6の側面においては、車両内において携帯端末の非接触充電を行う充電装置の充電可能な範囲内に携帯端末が存在するか否かが検出され、携帯端末が充電可能な範囲内から外に出たことが検出され場合、携帯機の位置検出が行われ、携帯機が車両の室内を含む所定の範囲内に存在しないことを検出したとき、携帯機に所定の信号が送信される。
【0053】
従って、車内にある携帯端末が盗難されるおそれがあることを迅速に検出し、ユーザに通知することができ、その結果、車内にある携帯端末の盗難を防止することができる。
【0054】
この携帯機は、例えば、車両用のキーフォブにより構成される。この携帯端末は、例えば、携帯電話機、スマートフォン、タブレット型コンピュータ、ノート型コンピュータ、PDA、携帯動画プレーヤ、携帯音楽プレーヤ、デジタルカメラ、ICカード等により構成される。この充電装置は、例えば、非接触式の充電器により構成される。
【発明の効果】
【0055】
本発明の第1の側面乃至第6の側面によれば、車内にある携帯端末が盗難されるおそれがあることを迅速に検出し、ユーザに通知することができる。その結果、車内にある携帯端末の盗難を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
図1】本発明を適用した車両制御システムの一実施の形態を示す図である。
図2】車載システムの機能の構成例を示すブロック図である。
図3】携帯機の機能の構成例を示すブロック図である。
図4】携帯端末の機能の構成例を示すブロック図である。
図5】通信制御処理を説明するためのフローチャートである。
図6】無線通信切替え処理1の詳細を説明するためのフローチャートである。
図7】無線通信切替え処理2の詳細を説明するためのフローチャートである。
図8】携帯端末による盗難検出処理の第1の実施の形態を説明するためのフローチャートである。
図9】携帯端末による盗難検出処理の第2の実施の形態を説明するためのフローチャートである。
図10】車載システムによる盗難検出処理の第1の実施の形態を説明するためのフローチャートである。
図11】車載システムによる盗難検出処理の第2の実施の形態を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0057】
以下、本発明を実施するための形態(以下、実施の形態という)について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.実施の形態
2.変形例
【0058】
<1.実施の形態>
[車両制御システム101の構成例]
図1は、本発明を適用した車両制御システムの一実施の形態を示す図である。
【0059】
車両制御システム101は、車両102の始動の可不可を制御するイモビライザやドアの施開錠等の制御を行うシステムである。車両制御システム101は、車載システム111、操作部112、携帯機113、及び、携帯端末114を含むように構成される。
【0060】
車載システム111は、車両102に設けられるシステムである。車載システム111は、ECU(Electronic Control Unit)121、アンテナ122−1乃至122−n、アンテナ123、アンテナ124、及び、充電パッド125を含むように構成される。
【0061】
ECU121は、車両102のイモビライザやドアの施開錠等の制御を行う。また、ECU121は、アンテナ122−1乃至122−n、アンテナ123、及び、アンテナ124を介して、携帯機113と無線通信を行う。さらに、ECU121は、充電パッド125と専用線により接続され、充電パッド125の充電処理及び近接無線通信の制御を行う。
【0062】
アンテナ122−1乃至122−nは、LF帯の信号の送信に用いられる。アンテナ122−1乃至122−nは、例えば、運転席と助手席の間、後部座席の中央、ドアハンドル、サイドミラー、ピラー、荷物室等の車両102の異なる位置にそれぞれ設けられ、通信エリアがそれぞれ異なる。そして、ECU121は、例えば、アンテナ122−1乃至122−nのうちどのアンテナからの信号を携帯機113が受信できたかを検出することにより、携帯機113の位置検出を行う。より具体的には、例えば、ECU121は、車内検出のアンテナから送信した信号を携帯機113が受信し、受信信号を返してきた場合には携帯機113が存在するエリアの検出、アンテナ122−1乃至122−nからの距離、携帯機113の内外判定等を行う。ここで、携帯機113の内外判定とは、携帯機113が車両102の内部又は外部のいずれにあるかを判定することである。
【0063】
なお、アンテナ122−1乃至122−nの数は、1以上の任意の数に設定することができる。また、以下、アンテナ122−1乃至122−nを個々に区別する必要がない場合、単にアンテナ122と称する。
【0064】
アンテナ123は、UHF帯の315Hz帯の信号の受信に用いられ、車両102の所定の位置に設けられる。なお、アンテナ123の数は1つに限定されるものではなく、2つ以上設けることも可能である。
【0065】
アンテナ124は、UHF帯の900MHz帯の信号の送受信(双方向通信)に用いられ、車両102の所定の位置に設けられる。アンテナ124は、例えば、携帯機113がアンテナ122又はアンテナ123の通信エリアの外にある場合に、携帯機113と通信を行うときに用いられる。なお、アンテナ124の数は1つに限定されるものではなく、2つ以上設けることも可能である。
【0066】
操作部112は、車両102の各種の操作を行う操作部材により構成される。例えば、操作部112は、車両102のドアハンドル又はドア付近に設けられているボタンや、車両102の始動に用いる始動スイッチ等を含む。操作部112は、操作内容を示す操作情報をECU121に供給する。
【0067】
充電パッド125は、車両102の室内の所定の位置、例えば、運転席と助手席の間のアームレスト又はドリンクホルダ等に設置される。また、充電パッド125は、例えば、電磁誘導等を用いたワイヤレス給電を行う非接触式の充電器により構成され、例えば、携帯端末114を置くだけで、携帯端末114のバッテリを非接触で充電することができる。さらに、充電パッド125は、ECU121の制御の下に、携帯端末114等の他の機器とNFC(Near Field Communication)による近接無線通信を行う。
【0068】
携帯機113は、例えば、車両102に搭載された機器の操作に用いる専用のキーフォブ等により構成される。携帯機113は、上述したように、直接ECU121と無線通信を行う。また、携帯機113は、携帯端末114等の他の機器と、従来のBluetooth(登録商標)より消費電力の少ないBLE(Bluetooth Low Energy)による近距離無線通信を行うことができる。そして、携帯機113は、例えば、携帯端末114及び充電パッド125を介して、ECU121と通信を行うこともできる。
【0069】
そして、携帯機113は、直接、又は、携帯端末114及び充電パッド125を介して、ECU121と通信することにより、キーレスエントリ、パッシブエントリ、プッシュスタート等の車両102の所定の機能を実行させる。
【0070】
ここで、キーレスエントリとは、物理的な鍵を用いたり、ドアの操作を行うことなく、携帯機113を操作することにより、車両102のドアの施錠又は開錠の遠隔操作を行う機能である。また、パッシブエントリとは、車両102のドアハンドル又はドア付近のボタン等を操作した場合にドア付近に携帯機113が検出されたとき、ドアの施錠又は開錠を行う機能である。さらに、プッシュスタートとは、車内の始動スイッチ等を押下した場合に車内に携帯機113が検出されたとき、イモビライザによる車両102の始動制限を解除し、車両102の始動を可能にする機能である。
【0071】
また、携帯機113は、ECU121と携帯端末114との間の通信の中継を行うことができる。例えば、携帯機113は、車両102に関する車両情報をECU121から受信し、携帯端末114に転送することが可能である。これにより、携帯端末114を用いて車両情報を確認することが可能になる。なお、車両情報には、例えば、車両102の故障診断情報や燃費情報等が含まれる。
【0072】
また、例えば、携帯機113は、ユーザが携帯端末114に入力した車両102の操作情報を携帯端末114から受信し、ECU121に転送することが可能である。これにより、携帯端末114を用いて車両102の所定の操作(例えば、キーレスエントリ等)を行うことが可能になる。さらに、例えば、携帯機113は、車両102で使用する情報(例えば、音楽情報やカーナビゲーションシステムの更新用の地図情報等)を携帯端末114から受信し、ECU121に転送することが可能である。
【0073】
なお、以下、携帯機113とECU121との間の無線通信を、単に無線通信と称する。また、以下、携帯機113と携帯端末114の間の無線通信(近距離無線通信)を、携帯機113とECU121の間の無線通信と区別するために、BLE通信と称する。さらに、以下、携帯端末114と充電パッド125の間の無線通信(近接無線通信)を、携帯機113とECU121の間の無線通信と区別するために、NFC通信と称する。
【0074】
携帯端末114は、NFC通信及びBLE通信が可能であり、充電パッド125により非接触充電が可能な汎用の携帯端末により構成される。例えば、携帯端末114は、携帯電話機、スマートフォン、タブレット型コンピュータ、ノート型コンピュータ、PDA(携帯情報端末)、携帯動画プレーヤ、携帯音楽プレーヤ、デジタルカメラ、ICカード等により構成される。
【0075】
[車載システム111の構成例]
図2は、車載システム111のECU121及び充電パッド125の機能の構成例を示すブロック図である。
【0076】
ECU121は、制御部201、無線通信部202及び記憶部203を含むように構成される。
【0077】
制御部201は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ等により構成される。そして、制御部201が所定の制御プログラムを実行することにより、通信制御部211、充電制御部212、位置検出部213、及び、車両制御部214を含む機能が実現される。
【0078】
通信制御部211は、無線通信部202、及び、充電パッド125のNFC通信部251の制御を行う。また、通信制御部211は、無線通信部202又はNFC通信部251が受信した信号を取得し、信号に含まれる情報等を、必要に応じて、車載システム111の各部又は車両102の各部に供給する。さらに、通信制御部211は、携帯機113に送信する情報等を、制御部201又は車両102の各部から取得し、無線通信部202又はNFC通信部251に供給する。さらに、通信制御部211は、携帯端末114に送信する情報等を、制御部201又は車両102の各部から取得し、NFC通信部251に供給する。
【0079】
充電制御部212は、充電パッド125の充電部252の制御を行う。
【0080】
位置検出部213は、携帯機113と無線通信部202の間の通信状態、又は、携帯機113と携帯端末114との間の通信状態に基づいて、携帯機113の位置検出を行う。また、位置検出部213は、必要に応じて、検出結果を車載システム111の各部又は車両102の各部に通知する。
【0081】
車両制御部214は、携帯機113や携帯端末114からの通信内容や操作部112の操作内容に応じて、車両102の各部の制御を行ったり、他のECU等に各種の指令を送信したりする。これにより、例えば、キーレスエントリ、パッシブエントリ、プッシュスタート、イモビライザ等の機能の実行が制御される。
【0082】
無線通信部202は、通信制御部211の制御の下に、アンテナ122、アンテナ123及びアンテナ124を介して、携帯機113と所定の方式の無線通信を行う。上述したように、無線通信部202から携帯機113への方向の通信には、アンテナ122を介したLF帯の無線通信、又は、アンテナ124を介したUHF帯の900MHz帯の無線通信が用いられる。また、携帯機113から無線通信部202への方向の通信には、アンテナ123を介したUHF帯の315Hz帯の無線通信、又は、アンテナ124を介したUHF帯の900MHz帯の無線通信が用いられる。
【0083】
記憶部203は、例えば、制御部201の処理に必要な情報や制御部201が処理を実行するための制御プログラム等を記憶する。また、例えば、記憶部203は、携帯機113や携帯端末114との間の認証処理に用いる認証情報等を記憶する。
【0084】
充電パッド125は、NFC通信部251、充電部252及び機器検出部253を含むように構成される。
【0085】
NFC通信部251は、通信制御部211の制御の下に、携帯端末114等の他の機器とNFC通信を行う。
【0086】
充電部252は、充電制御部212の制御の下に、携帯端末114等の他の機器に非接触で充電電力を供給する。
【0087】
機器検出部253は、携帯端末114等の他の機器の充電パッド125への設置の有無を検出し、検出結果をECU121の制御部201に通知する。
【0088】
なお、機器検出部253の検出方法には、任意の方法を採用することができる。例えば、機器検出部253は、NFC通信部251と他の機器との間の通信状態や、各種のセンサ(不図示)の検出結果を用いて、他の機器の設置の有無を検出することが可能である。
【0089】
また、充電パッド122への他の機器の設置の有無は、例えば、充電パッド122の充電可能な範囲内における他の機器の有無に基づいて検出される。この場合、他の機器が物理的に充電パッド122に置かれたり、装着されたりしていなくても、充電可能な範囲内にあれば、充電パッド122に設置されていると判定される。一方、他の機器が充電パッド122の充電可能な範囲内から外に出た場合、その機器が充電パッド122から外れたと判定される。
【0090】
或いは、例えば、充電パッド122への他の機器の設置の有無を、他の機器が物理的に充電パッド122に置かれたり、装着されているか否かに基づいて検出するようにしてもよい。なお、以下、前者の条件に基づいて、充電パッド122への他の機器の設置の有無を検出する場合の例について説明する。
【0091】
[携帯機113の構成例]
図3は、携帯機113の機能の構成例を示している。携帯機113は、操作部301、制御部302、記憶部303、表示部304、無線通信部305、BLE通信部306、及び、バッテリ307を含むように構成される。
【0092】
操作部301は、例えば、スイッチやボタン等の操作部材により構成される。操作部301は、操作内容を示す操作情報を制御部302に供給する。
【0093】
制御部302は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ等により構成される。そして、制御部302が所定の制御プログラムを実行することにより、通信制御部311、車両制御部312、及び、表示制御部313を含む機能が実現される。
【0094】
通信制御部311は、無線通信部305及びBLE通信部306の制御を行う。また、通信制御部311は、無線通信部305又はBLE通信部306等が受信した信号を取得し、信号に含まれる情報等を、必要に応じて、携帯機113の各部に供給する。さらに、通信制御部311は、ECU121に送信する情報等を、携帯機113の各部から取得し、無線通信部305又はBLE通信部306に供給する。また、通信制御部311は、携帯端末114に送信する情報等を、携帯機113の各部から取得し、BLE通信部306に供給する。
【0095】
車両制御部312は、通信制御部311及び無線通信部305を介して、或いは、通信制御部311、BLE通信部306、携帯端末114及び充電パッド125を介して、例えば、キーレスエントリ、パッシブエントリ、プッシュスタート等の機能の実行に必要な情報等を含む信号の送受信をECU121との間で行う。
【0096】
表示制御部313は、表示部304による画面表示を制御する。
【0097】
記憶部303は、例えば、制御部302の処理に必要な情報や制御部302が処理を実行するための制御プログラム等を記憶する。また、例えば、記憶部303は、ECU121や携帯端末114との間の認証処理に用いる認証情報や、車両102の操作に用いる操作情報等を記憶する。
【0098】
表示部304は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、有機ELディスプレイ等の各種の表示装置により構成される。
【0099】
無線通信部305は、通信制御部311の制御の下に、ECU121と無線通信を行う。
【0100】
BLE通信部306は、通信制御部211の制御の下に、携帯端末114とBLE通信を行う。
【0101】
バッテリ307は、携帯機113の各部に電力を供給する。
【0102】
[携帯端末114の構成例]
図4は、携帯端末114の機能の構成例を示している。携帯端末114は、操作部351、制御部352、記憶部353、表示部354、BLE通信部355、NFC通信部356、充電制御部357、及び、バッテリ358を含むように構成される。
【0103】
操作部351は、例えば、タッチパネル、スイッチ、ボタン、キーボード等の操作部材や、音声認識による音声コマンドを入力可能な入力手段等により構成される。操作部351は、操作内容を示す操作情報を制御部352に供給する。
【0104】
制御部352は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ等により構成される。そして、制御部352が所定の制御プログラムを実行することにより、通信制御部361、車両制御部362、状態検出部363、位置検出部364、及び、表示制御部365を含む機能が実現される。
【0105】
通信制御部361は、BLE通信部355及びNFC通信部356の制御を行う。また、通信制御部361は、BLE通信部355又はNFC通信部356が受信した信号を取得し、信号に含まれる情報等を、必要に応じて、携帯端末114の各部に供給する。さらに、通信制御部361は、携帯機113又はECU121に送信する情報等を、携帯端末114の各部から取得し、BLE通信部355に供給する。また、通信制御部361は、ECU121に送信する情報等を、携帯端末114の各部から取得し、NFC通信部356に供給する。
【0106】
車両制御部362は、通信制御部361、BLE通信部355及び携帯機113を介して、或いは、通信制御部361、NFC通信部356及び充電パッド125を介して、例えば、キーレスエントリ等の機能の実行に必要な情報等を含む信号の送受信をECU121との間で行う。
【0107】
状態検出部363は、携帯端末114の充電パッド125への設置状態を検出し、必要に応じて、検出結果を携帯端末113の各部に通知する。
【0108】
なお、状態検出部363の携帯端末114の設置状態の検出方法には、任意の方法を採用することができる。例えば、状態検出部363は、NFC通信部356と充電パッド125との間の通信状態や、各種のセンサ(不図示)の検出結果を用いて、携帯端末114が充電パッド125に設置されているか否かを検出することが可能である。
【0109】
また、携帯端末113の充電パッド122への設置状態は、例えば、充電パッド122の充電可能な範囲内に携帯端末113が設置されているか否かに基づいて検出される。この場合、携帯端末113が物理的に充電パッド122に置かれたり、装着されたりしていなくても、充電可能な範囲内にあれば、充電パッド122に設置されていると判定される。一方、他の機器が充電パッド122の充電可能な範囲内から外に出た場合、その機器が充電パッド122から外れたと判定される。
【0110】
或いは、例えば、携帯端末113の充電パッド122への設置状態を、携帯端末113が物理的に充電パッド122に置かれたり、装着されているか否かに基づいて検出するようにしてもよい。なお、以下、前者の条件に基づいて、携帯端末113の充電パッド122への設置状態を検出する場合の例について説明する。
【0111】
また、状態検出部363は、充電制御部357からの情報に基づいて、バッテリ358の状態(例えば、バッテリ358の残量や充電状態等)を検出する。そして、状態検出部363は、必要に応じて、検出結果を携帯端末114の各部に通知する。
【0112】
位置検出部364は、携帯機113とBLE通信部355との間の通信状態に基づいて、携帯機113の位置検出を行う。また、位置検出部364は、必要に応じて、検出結果を携帯端末114の各部に通知する。
【0113】
表示制御部365は、表示部354による画面表示を制御する。
【0114】
記憶部353は、例えば、制御部352の処理に必要な情報や制御部352が処理を実行するための制御プログラム等を記憶する。また、例えば、記憶部303は、ECU121や携帯機113との間の認証処理に用いる認証情報を記憶する。
【0115】
表示部354は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、有機ELディスプレイ等の各種の表示装置により構成される。
【0116】
BLE通信部355は、通信制御部361の制御の下に、携帯機113等の他の機器とBLE通信を行う。また、BLE通信部355は、他の機器からの信号の受信強度を測定し、測定結果を制御部352に通知する。
【0117】
NFC通信部356は、通信制御部361の制御の下に、充電パッド125等の他の機器とNFC通信を行う。
【0118】
充電制御部357は、例えば、充電回路等により構成される。充電制御部357は、充電パッド125の充電部252から電磁誘導等により供給される電力の受信、及び、受信した電力によるバッテリ358の充電の制御を行う。また、充電制御部357は、バッテリ358の状態や充電状態を示す情報を制御部352に供給する。
【0119】
バッテリ358は、携帯端末114の各部に電力を供給する。
【0120】
[車両制御システム101の処理]
次に、図5乃至図11を参照して、車両制御システム101の処理について説明する。
【0121】
(通信制御処理)
まず、図5のフローチャートを参照して、車両制御システム101により実行される通信制御処理について説明する。なお、この処理は、例えば、携帯端末114が充電パッド125の充電可能な範囲内に置かれ、充電パッド125の機器検出部253が、携帯端末114が充電パッド125に設置されたことを検出し、検出結果をECU121の制御部201に通知したとき開始される。
【0122】
ステップS1において、車載システム111は、携帯端末114の充電制御を開始する。具体的には、ECU121の充電制御部212は、充電パッド125の充電部252を制御し、携帯端末114への充電電力の供給を開始させる。これにより、携帯端末114のバッテリ358の充電が開始される。
【0123】
ステップS2において、ECU121の通信制御部211は、携帯端末114と充電パッド125との間の通信が可能であるか否かを判定する。具体的には、充電パッド125のNFC通信部251は、通信制御部211の制御の下に、携帯端末114との間でNFC通信の確立を試みる。通信制御部211は、携帯端末114との間のNFC通信が正常に確立した場合、携帯端末114と充電パッド125との間の通信が可能であると判定し、処理はステップS3に進む。
【0124】
ステップS3において、ECU121は、無線通信切替え処理1を実行する。ここで、図6のフローチャートを参照して、無線通信切替え処理1の詳細について説明する。
【0125】
ステップS31において、ECU121は、携帯機113とECU121との間の無線通信を停止する。具体的には、ECU121の無線通信部202は、通信制御部211の制御の下に、無線通信の停止の指令を示す信号を、アンテナ122又はアンテナ124を介して携帯機113に送信する。
【0126】
携帯機113の通信制御部311は、無線通信部305を介してECU121からの信号を受信する。そして、通信制御部311は、以降、携帯機113から信号を送信する場合、無線通信部305ではなく、BLE通信部306から送信するように制御する。
【0127】
また、ECU121の通信制御部211は、無線通信部202の動作を停止させる。このとき、携帯機113からの無線通信による信号の送信は停止されており、携帯機113から信号を受信することはないので、無線通信部202の受信機能の一部又は全部を停止させずに、送信機能だけを停止させるようにしてもよい。
【0128】
ステップS32において、ECU121は、充電パッド125及び携帯端末114を介した携帯機113とECU121との間の通信を開始する。具体的には、ECU121の通信制御部211は、携帯機113と充電パッド125の間の通信の中継の実行の指令を示す信号を、充電パッド125のNFC通信部251を介して携帯端末114に送信する。
【0129】
携帯端末114の通信制御部361は、ECU121からの信号を、NFC通信部356を介して受信する。そして、通信制御部361は、以降、NFC通信部356を介して充電パッド125から受信した信号を、BLE通信部355を介して携帯機113に送信し、BLE通信部355を介して携帯機113から受信した信号を、NFC通信部356を介して充電パッド125に送信するように制御する。
【0130】
これにより、携帯機113とECU121との間の通信が、通常のダイレクトに行われる無線通信ではなく、携帯端末114及び充電パッド125を介して行われるようになる。
【0131】
ステップS33において、ECU121は、携帯機113の位置検出方法を、携帯機113と携帯端末114との間の通信状態に基づく方法に変更する。具体的には、ECU121の位置検出部213は、携帯機113の位置検出を行う場合、通信制御部211及び充電パッド125のNFC通信部251を介して、携帯機113からの信号の受信強度の測定結果の送信の指令を示す信号を携帯端末114に送信する。
【0132】
携帯端末114の通信制御部361は、NFC通信部356を介して、ECU121からの信号を受信する。そして、通信制御部361は、携帯機113からの信号の受信強度の測定結果をBLE通信部355から取得し、測定結果を示す信号を、NFC通信部356を介して充電パッド125に送信する。
【0133】
充電パッド125のNFC通信部251は、携帯端末114から受信した信号を、ECU121の通信制御部211を介して、位置検出部213に供給する。位置検出部213は、携帯端末114による受信強度の測定結果に基づいて、携帯機113と携帯端末114との間の距離を算出する。なお、この距離の算出は、携帯端末114で行うようにすることも可能である。
【0134】
ここで、携帯端末114は充電パッド125に設置されており、位置が固定されている。従って、位置検出部213は、算出した距離に基づいて、携帯端末114の位置(充電パッド125の位置)を基準にして、携帯機113が存在するエリアを検出したり、携帯機113の内外判定を行ったりすることができる。そして、位置検出部213は、携帯機113の位置検出の結果を、必要に応じて、車載システム111の各部又は車両102の各部に通知する。
【0135】
その後、無線通信切替え処理1は終了する。
【0136】
図5に戻り、ステップS4において、充電パッド125の機器検出部253は、携帯端末114が充電パッド125から外れたか否かを判定する。この処理は、携帯端末114が充電パッド125から外れたと判定されるまで定期的に繰り返される。そして、機器検出部253は、携帯端末113が充電パッド122の充電可能な範囲内に存在しない場合、すなわち、携帯端末113が充電パッド122の充電可能な範囲内から外に出た場合、携帯端末114が充電パッド125から外れたと判定し、処理はステップS5に進む。
【0137】
ステップS5において、ECU121は、無線通信切替え処理2を実行し、通信制御処理は終了する。ここで、図7のフローチャートを参照して、無線通信切替え処理2の詳細について説明する。
【0138】
ステップS61において、ECU121は、携帯機113とECU121との間の無線通信を開始する。具体的には、ECU121の通信制御部211は、無線通信部202の動作を開始させる。また、無線通信部202は、通信制御部211の制御の下に、無線通信の開始の指令を示す信号を、アンテナ122又はアンテナ124を介して携帯機113に送信する。
【0139】
携帯機113の通信制御部311は、無線通信部305を介してECU121からの信号を受信する。そして、通信制御部311は、以降、携帯機113から信号を送信する場合、BLE通信部306からではなく、無線通信部305から送信するように制御する。
【0140】
これにより、携帯機113とECU121の間の無線通信が再開する。
【0141】
ステップS62において、ECU121の通信制御部211は、充電パッド125及び携帯端末114を介した携帯機113とECU121との間の通信を停止する。
【0142】
ステップS63において、ECU121は、携帯機113の位置検出方法を、携帯機113との間の無線通信の状態に基づく方法に変更する。すなわち、ECU121の位置検出部213は、携帯機113の位置検出を行う場合、例えば、携帯機113がどのアンテナ122からの信号を受信できたかを検出することにより、携帯機113の位置検出を行う。そして、位置検出部213は、携帯機113の位置検出の結果を、必要に応じて、車載システム111の各部又は車両102の各部に通知する。
【0143】
その後、無線通信切替え処理2は終了する。
【0144】
図5に戻り、一方、ステップS2において、携帯端末114と充電パッド125との間の通信が不可能であると判定された場合、携帯機113とECU121との間の通信方法は変更されずに、通信制御処理は終了する。
【0145】
以上のようにして、携帯端末114を充電パッド125に設置したり、充電パッド125から外したりするだけで、携帯機113とECU121との間の通信方法を切り替えることができる。
【0146】
また、複数のアンテナ122を介したECU121と携帯機113との間の無線通信は、充電パッド125と携帯端末114との間のNFC通信と比較して消費電力が大きい。従って、携帯端末114が充電パッド125に設置されている間、車載システム111の消費電力を低減することができる。
【0147】
さらに、複数のアンテナ122を介したECU121と携帯機113との間の無線通信は、携帯機113と携帯端末114との間のBLE通信と比較して消費電力が大きい。例えば、前者の場合、携帯機113の位置検出を行うとき、携帯機113は、複数のアンテナ122からの信号に応答する必要があり、通信回数が増大する。一方、後者の場合、携帯機113の位置検出を行うとき、携帯機113は、携帯端末114とBLE通信を1回行うだけでよい。従って、携帯端末114が充電パッド125に設置されている間、携帯機113の消費電力も低減することができる。
【0148】
次に、図8乃至図11を参照して、車両102内にある携帯端末114の盗難を検出するための処理について説明する。
【0149】
(携帯端末114による盗難検出処理の第1の実施の形態)
まず、図8のフローチャートを参照して、携帯端末114により携帯端末114の盗難を検出する場合の処理の第1の実施の形態について説明する。なお、この処理は、例えば、携帯端末114が充電パッド125に設置されたとき、換言すれば、携帯端末114が充電パッド125の充電可能な範囲内に置かれたとき、開始される。
【0150】
ステップS101において、状態検出部363は、携帯端末114が充電パッド125から外れたか否かを判定する。この判定処理は、例えば、携帯端末114が充電パッド125から外れたと判定されるまで定期的に繰り返し行われる。そして、状態検出部363は、携帯端末113が充電パッド122の充電可能な範囲内に存在しない場合、すなわち、携帯端末113が充電パッド122の充電可能な範囲内から外に出た場合、携帯端末114が充電パッド125から外れたと判定し、処理はステップS102に進む。
【0151】
ステップS102において、携帯端末114は、携帯機113の位置検出を行う。具体的には、BLE通信部355は、通信制御部361の制御の下に、携帯機113との間でBLE通信を試みる。BLE通信部355は、携帯機113との通信が成功した場合、携帯機113からの信号の受信強度を測定し、通信制御部361を介して、測定結果を位置検出部364に供給する。位置検出部364は、携帯機113からの信号の受信強度に基づいて、携帯機113までの距離を算出する。これにより、携帯端末114の現在位置、すなわち充電パッド125付近を基準にして、携帯機113が存在する範囲が検出される。
【0152】
ステップS103において、通信制御部361は、ステップS102の処理の結果に基づいて、携帯機113と通信可能であるか否かを判定する。携帯機113と通信可能であると判定された場合、処理はステップS104に進む。
【0153】
ステップS104において、位置検出部364は、ステップS102の処理の結果に基づいて、携帯機113が所定の範囲内に存在するか否かを判定する。携帯機113が所定の範囲内に存在しないと判定された場合、処理はステップS105に進む。
【0154】
ステップS105において、携帯端末114は、携帯機113への通知を行い、盗難検出処理は終了する。
【0155】
例えば、ステップS104の判定処理に用いた所定の範囲を車両102の室内とほぼ同じ範囲に設定した場合、現在の状況は、携帯機113が車外にある状態で、携帯端末114が充電パッド125から外れた状況である。これは、例えば、携帯機113を所持するユーザ(例えば、車両102のオーナ)が、携帯端末114を充電したまま車内に置き忘れて車外に出てしまい、車内にいないにも関わらず、携帯機113が充電パッド125から外れた状況が想定される。従って、携帯機113を所持しない第三者が車内に侵入し、携帯端末114が盗難されようとしているおそれがある。
【0156】
そこで、携帯端末114は、携帯端末114の盗難のおそれがあることを携帯機113に通知する。具体的には、BLE通信部355は、通信制御部361の制御の下に、携帯端末114の盗難のおそれがあることを通知するための所定の信号(以下、盗難通知信号Aと称する)を、BLE通信により携帯機113に送信する。
【0157】
携帯機113の通信制御部311は、BLE通信部306を介して、携帯端末114から盗難通知信号Aを受信する。そして、例えば、表示部304は、表示制御部313の制御の下に、車両102内にある携帯端末114の盗難のおそれがあることを通知するための画面を表示する。
【0158】
これにより、携帯機113を所持するユーザは、車内にある携帯端末114の盗難のおそれを迅速に察知することができ、速やかに対応することができる。その結果、携帯端末114の盗難を防止することができる。また、車内にある携帯端末114の盗難のおそれがある場合、車内に第三者が侵入している可能性が高い。従って、携帯機113を所持するユーザは、この通知により、間接的に車内に第三者が侵入し、車両102が盗難されるおそれがあることを迅速に察知することができ、速やかに対応することができる。
【0159】
なお、表示以外の方法により、携帯端末114の盗難のおそれを通知するようにしてもよい。例えば、ブザーなどによる音声、LED等による光の点灯又は点滅、バイブレーションによる携帯機113の振動等による方法で通知を行うようにしてもよい。また、複数の方法を組み合わせて通知を行うようにしてもよい。
【0160】
一方、ステップS104において、携帯機113が所定の範囲内に存在すると判定された場合、ステップS105の処理はスキップされ、盗難検出処理は終了する。すなわち、携帯機113が所定の範囲内に存在するのは、例えば、携帯機113を所持するユーザが車内にいる場合であり、携帯端末114の盗難のおそれがないとして、携帯機113への通知は行われない。
【0161】
また、ステップS103において、携帯機113と通信ができないと判定された場合、携帯機113への通知を実施できないため、ステップS104及びS105の処理はスキップされ、盗難検出処理は終了する。
【0162】
なお、ステップS103の判定処理を省略して、携帯機113との通信が可能であるか否かに関わらず、ステップS105において、携帯機113への通知を試みるようにしてもよい。
【0163】
また、ステップS104の判定に用いる所定の範囲は、車両102の室内を含んでいれば、必ずしも車両102の室内と一致している必要はない。すなわち、当該所定の範囲は、車両102の室内と一致するか、車両102の周辺の車両102の室内より広い範囲であればよい。また、完全に車両102の室内を含む必要はなく、車両102の室内であっても、携帯機113が存在する可能性が低い場所を除外するようにしてもよい。
【0164】
例えば、携帯機113を所持するユーザが車両102のすぐ側にいる場合、車内にある携帯端末114の盗難を察知することは容易であると考えられる。そこで、当該所定の範囲を車両102の室内より少し大きな範囲に設定することが考えられる。これにより、例えば、携帯機113を所持するユーザの後に同乗者が下車する場合に、その同乗者が携帯端末114を充電パッド125から取り外したときに、携帯端末114の盗難のおそれがあることを誤って通知されることを防止することができる。
【0165】
(携帯端末114による盗難検出処理の第2の実施の形態)
次に、図9のフローチャートを参照して、携携帯端末114により携帯端末114の盗難を検出する場合の処理の第2の実施の形態について説明する。この処理は、例えば、携帯端末114が充電パッド125に設置されたとき、換言すれば、携帯端末114が充電パッド125の充電可能な範囲内に置かれたとき、開始される。
【0166】
なお、この第2の実施の形態では、第1の実施の形態と比較して、携帯端末114が、携帯機113の位置検出を行わずに、ECU121による携帯機113の位置検出の結果を利用する点が異なる。
【0167】
具体的には、ステップS151において、通信制御部361は、携帯機113の位置検出の結果が通知されたか否かを判定する。
【0168】
具体的には、ECU121の位置検出部213は、所定のタイミングで、上述した方法により携帯機113の位置検出を行う。ここで、例えば、車両102のドアの施錠時又は解錠時、車両102のドアが開いた後に閉じた時、車両102の窓が開いた後に閉じた時など、携帯機113(を所持するユーザ)が車外に出たり、車内に入ったりする可能性がある条件が検出されたタイミングで、携帯機113の位置検出を行うことが考えられる。或いは、定期的に携帯機113の位置検出を行うようにしてもよい。
【0169】
ECU121の通信制御部211は、位置検出部213により位置検出が行われた場合、検出結果を示す信号(以下、位置検出信号と称する)を、充電パッド125のNFC通信部251を介して、携帯端末114に送信する。そして、携帯端末114の通信制御部352は、NFC通信部356を介して、充電パッド125から位置検出信号を受信した場合、携帯機113の位置検出の結果が通知されたと判定し、処理はステップS152に進む。
【0170】
ステップS152において、通信制御部361は、携帯機113の位置検出の結果を更新する。すなわち、通信制御部361は、記憶部353に記憶されている携帯機113の位置検出の結果を、ステップS151の処理で通知された最新の検出結果に更新する。
【0171】
その後、処理はステップS153に進む。
【0172】
一方、ステップS151において、携帯機113の位置検出の結果が通知されていないと判定された場合、ステップS152の処理はスキップされ、処理はステップS153に進む。
【0173】
ステップS153において、図8のステップS101の処理と同様に、携帯端末114が充電パッド125から外れたか否かが判定される。携帯端末114が充電パッド125から外れてないと判定された場合、処理はステップS151に戻る。
【0174】
その後、ステップS153において、携帯端末114が充電パッド125から外れたと判定されるまで、ステップS151乃至S153の処理が繰り返し実行される。
【0175】
一方、ステップS153において、携帯端末114が充電パッド125から外れたと判定された場合、処理はステップS154に進む。
【0176】
ステップS154において、位置検出部364は、記憶部353に記憶されている携帯機113の位置検出の最新結果に基づいて、携帯機113が所定の範囲内に存在するか否かを判定する。携帯機113が所定の範囲内に存在しないと判定された場合、処理はステップS155に進む。
【0177】
なお、ここで、例えば、ECU121が、携帯機113が所定の範囲内に存在するか否かまで検出するようにし、位置検出部364が、その検出結果に基づいて、当該判定を行うようにしてもよい。或いは、例えば、位置検出部364が、ECU121の位置検出の結果(例えば、携帯端末114までの距離や携帯端末114の存在するエリア等)に基づいて、当該判定を行うようにしてもよい。
【0178】
ステップS155において、図8のステップS105の処理と同様に、携帯機113への通知が行われ、盗難検出処理は終了する。
【0179】
一方、ステップS154において、携帯機113が所定の範囲内に存在すると判定された場合、ステップS155の処理はスキップされ、盗難検出処理は終了する。
【0180】
これにより、例えば、携帯端末114が、携帯機113の位置検出機能を有していない場合でも、携帯端末114の盗難のおそれを検出し、携帯機113に通知することが可能になる。
【0181】
(車載システム111による盗難検出処理の第1の実施の形態)
次に、図10のフローチャートを参照して、車載システム111により携帯端末114の盗難を検出する場合の処理の第1の実施の形態について説明する。なお、この処理は、例えば、携帯端末114が充電パッド125に設置されたとき、換言すれば、携帯端末114が充電パッド125の充電可能な範囲内に置かれたとき、開始される。
【0182】
ステップS201において、図5のステップS4の処理と同様に、携帯端末114が充電パッド125から外れたか否かが判定される。この判定処理は、例えば、携帯端末114が充電パッド125から外れたと判定されるまで定期的に繰り返し行われる。そして、携帯端末114が充電パッド125から外れたと判定された場合、処理はステップS152に進む。
【0183】
ステップS202において、ECU121は、携帯機113の位置検出を行う。具体的には、充電パッド125の機器検出部253は、携帯端末114が充電パッド125から外れたことをECU121に通知する。ECU121の位置検出部213は、上述した方法により、携帯機113の位置検出を行う。
【0184】
ステップS203において、ECU121の位置検出部213は、携帯機113が所定の範囲内に存在するか否かを判定する。携帯機113が所定の範囲内に存在しないと判定された場合、処理はステップS204に進む。
【0185】
なお、この所定の範囲は、例えば、図8のステップS104の処理における範囲と同様の範囲に設定される。
【0186】
ステップS204において、ECU121は、携帯機113への通知を行い、盗難検出処理は終了する。具体的には、ECU121の無線通信部202は、通信制御部211の制御の下に、携帯端末114の盗難のおそれがあることを通知するための所定の信号(以下、盗難通知信号Bと称する)を携帯機113に送信する。
【0187】
なお、このとき、アンテナ124を介した900MHz帯の無線通信を用いることにより、より遠くまで盗難通知信号Bを送信することができる。
【0188】
携帯機113の通信制御部311は、無線通信部305を介して、ECU121から盗難通知信号Bを受信する。そして、上述したように、携帯機113は、所定の方法により、車両102内にある携帯端末114の盗難のおそれがあることを通知する。
【0189】
一方、ステップS203において、携帯機113が所定の範囲内に存在すると判定された場合、ステップS204の処理はスキップされ、車載システム111による盗難検出処理は終了する。
【0190】
このように、ECU121を用いて携帯機113に通知することにより、携帯端末114を用いて通知する場合と比較して、携帯端末114の盗難のおそれを通知することが可能な範囲を広げることができる。
【0191】
(車載システム111による盗難検出処理の第2の実施の形態)
次に、図11のフローチャートを参照して、車載システム111により実行される盗難検出処理の第2の実施の形態について説明する。この処理は、例えば、携帯端末114が充電パッド125に設置されたとき、換言すれば、携帯端末114が充電パッド125の充電可能な範囲内に置かれたとき、開始される。
【0192】
なお、この第2の実施の形態では、第1の実施の形態と比較して、携帯機113の位置検出を行うタイミングが異なる。
【0193】
具体的には、ステップS251において、ECU121の位置検出部213は、携帯機113の位置検出を行うタイミングであるか否かを判定する。携帯機113の位置検出を行うタイミングであると判定された場合、処理はステップS252に進む。
【0194】
なお、携帯機113の位置検出を行うタイミングの例は、図9のステップS151の処理のところで上述したとおりである。
【0195】
ステップS252において、図10のステップS202の処理と同様に、携帯機113の位置検出が行われる。
【0196】
ステップS253において、ECU121の位置検出部213は、携帯機113の位置検出の結果を更新する。すなわち、位置検出部213は、記憶部203に記憶されている携帯機113の位置検出の結果を、ステップS252の処理で検出した最新の検出結果に更新する。
【0197】
その後、処理はステップS254に進む。
【0198】
一方、ステップS251において、携帯機113の位置検出を行うタイミングでないと判定された場合、ステップS252及びS253の処理はスキップされ、処理はステップS254に進む。
【0199】
ステップS254において、図5のステップS4の処理と同様に、携帯端末114が充電パッド125から外れたか否かが判定される。携帯端末114が充電パッド125から外れていないと判定された場合、処理はステップS251に戻る。
【0200】
その後、ステップS254において、携帯端末114が充電パッド125から外れたと判定されるまで、ステップS251乃至S254の処理が繰り返し実行される。
【0201】
一方、ステップS254において、携帯端末114が充電パッド125から外れたと判定された場合、処理はステップS255に進む。
【0202】
ステップS255において、位置検出部213は、記憶部203に記憶されている携帯機113の位置検出の最新結果に基づいて、携帯機113が所定の範囲内に存在するか否かを判定する。携帯機113が所定の範囲内に存在しないと判定された場合、処理はステップS256に進む。
【0203】
ステップS256において、図10のステップS204の処理と同様に、携帯機113への通知が行われ、盗難検出処理は終了する。
【0204】
一方、ステップS255において、携帯機113が所定の範囲内に存在すると判定された場合、ステップS256の処理はスキップされ、携帯端末114による盗難検出処理は終了する。
【0205】
<2.変形例>
以下、上述した本発明の実施の形態の変形例について説明する。
【0206】
[変形例1:盗難検出処理に関する変形例]
例えば、図8又は図9の携帯端末114による盗難検出処理と、図10又は図11の車載システム111による盗難検出処理を並行して実行するようにしてもよい。すなわち、携帯端末114と車載システム111(ECU121)の両方で、携帯端末114の盗難のおそれを検出し、携帯機113に通知するようにしてもよい。
【0207】
また、例えば、携帯端末114の盗難検出及び通知が必要ない場合を想定して、ユーザが携帯端末114を操作することにより、携帯端末114の盗難検出機能(例えば、盗難通知信号Aの送信機能等)のオン(開始)又はオフ(停止)を設定できるようにしてもよい。
【0208】
同様に、ユーザがECU121の盗難検出機能(例えば、盗難通知信号Bの送信機能等)のオン(開始)又はオフ(停止)を設定できるようにしてもよい。この場合、例えば、ユーザが、携帯機113を用いて携帯機113からECU121に指令を送信することにより、遠隔操作により当該設定を行えるようにしてもよい。また、例えば、ユーザが携帯端末114の充電中に携帯端末114を用いて携帯端末114からECU121に指令を送信することにより、遠隔操作により当該設定を行えるようにしてもよい。また、ユーザが車両102の操作部112を操作して、当該設定を行えるようにしてもよい。
【0209】
[変形例2:充電制御に関する変形例]
例えば、車両102の状態に基づいて、充電パッド125による携帯端末114の充電の可不可を制御するようにしてもよい。
【0210】
例えば、車両102のエンジン(エンジン車又はハイブリッドカー等の場合)、又は、モータ(電気自動車等の場合)の起動中にのみ、携帯端末114の充電を行うようにしてもよい。また、例えば、車両102の電源の状態(例えば、アクセサリ電源やイグニッション電源のオン又はオフの状態)に基づいて、携帯端末114の充電の可不可を制御するようにしてもよい。さらに、車両102のバッテリ(不図示)の残量が所定の閾値以上の場合のみ携帯端末114の充電を行うようにしてもよい。
【0211】
[変形例3:充電パッド125に関する変形例]
例えば、充電パッド125に電力源を設けて、充電パッド125から携帯端末114等に直接充電電力を供給するようにしてもよいし、充電パッド125が、外部電源から携帯端末114等への充電電力の供給を制御するようにしてもよい。
【0212】
また、例えば、充電パッド125にCPU等のプロセッサを設け、ECU121の制御によらずに、自律的に動作するようにしてもよい。この場合、例えば、充電パッド125とECU121の間の通信には、CAN(Controller Area Network)等の車内のネットワーク通信を採用することができる。
【0213】
さらに、例えば、充電パッド125の機器検出部253と同様の機能をECU121に設けるようにしてもよい。この場合、充電パッド125の機器検出部253を省略するようにしてもよい。
【0214】
また、例えば、非接触式の充電パッド125の代わりに、接触式の充電器を用いることも可能である。この場合、例えば、充電器の通信方式として、近接無線通信の代わりに、有線による通信方式を採用することも可能である。
【0215】
[変形例4:通信方式に関する変形例]
以上の説明で示した各装置間の通信方式の例は、その一例であり、通信方式の種類や数は、上述した例に限定されるものではない。
【0216】
例えば、携帯機113と携帯端末114の間の通信方式に、Bluetooth(登録商標)等の他の方式の近距離無線通信を採用したり、近距離無線通信より通信距離の長い通信方式を採用したりすることが可能である。
【0217】
また、例えば、携帯端末114と充電パッド125の間の通信方式に、NFC以外の方式の近接無線通信を採用することも可能である。さらに、例えば、必要に応じて、携帯端末114と充電パッド125の間の通信機能を省略することも可能である。
【0218】
[変形例5:その他の変形例]
ECU121による携帯機113とECU121との間の通信状態に基づく携帯機113の位置検出の方法は、上述した方法に限定されるものではなく、他の方法を採用することができる。また、ECU121による携帯機113と携帯端末114との間の通信状態に基づく携帯機113の位置検出の方法も、上述した方法に限定されるものではなく、他の方法を採用することができる。
【0219】
さらに、本発明を適用する車両の種類は、携帯端末114を充電可能な充電装置を設置できるものであれば、特に限定されるものではない。
【0220】
[コンピュータの構成例]
上述した一連の処理は、ハードウエアにより実行することもできるし、ソフトウエアにより実行することもできる。一連の処理をソフトウエアにより実行する場合には、そのソフトウエアを構成するプログラムが、コンピュータにインストールされる。ここで、コンピュータには、専用のハードウエアに組み込まれているコンピュータや、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどが含まれる。
【0221】
また、コンピュータが実行するプログラムは、例えば、パッケージメディア等としてのリムーバブルメディアに記録して提供することができる。また、プログラムは、ローカルエリアネットワーク、CAN、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線又は無線の伝送媒体を介して提供することができる。
【0222】
その他、プログラムは、例えば、ROMや記憶部に、あらかじめインストールしておくことができる。
【0223】
なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。
【0224】
また、本明細書において、システムとは、複数の構成要素(装置、モジュール(部品)等)の集合を意味し、すべての構成要素が同一筐体中にあるか否かは問わない。したがって、別個の筐体に収納され、ネットワークを介して接続されている複数の装置、及び、1つの筐体の中に複数のモジュールが収納されている1つの装置は、いずれも、システムである。
【0225】
さらに、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【0226】
また、上述のフローチャートで説明した各ステップは、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。
【0227】
さらに、1つのステップに複数の処理が含まれる場合には、その1つのステップに含まれる複数の処理は、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。
【符号の説明】
【0228】
101 車両制御システム
102 車両
111 車載システム
113 携帯機
114 携帯端末
121 ECU
125 充電パッド
201 制御部
202 無線通信部
211 通信制御部
212 充電制御部
213 位置検出部
214 車両制御部
251 NFC通信部
252 充電部
253 機器検出部
302 制御部
304 通信部
305 無線通信部
306 BLE通信部
311 通信制御部
312 表示制御部
352 制御部
355 BLE通信部
356 NFC通信部
361 通信制御部
363 状態検出部
364 位置検出部
図1
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