(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
一分子中に少なくとも2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂(a)と一分子中に1個以上の重合可能なエチレン性不飽和基と1個以上のカルボキシル基を有する化合物(b)をトリメチルグリシン存在下で反応させる反応性エポキシカルボキシレート化合物(A)の製造方法。
一分子中に少なくとも2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂(a)と一分子中に1個以上の重合可能なエチレン性不飽和基と1個以上のカルボキシル基を有する化合物(b)、及び一分子中に少なくとも2個以上の水酸基と一個以上のカルボキシル基を有する化合物(c)をトリメチルグリシン存在下で反応させる反応性エポキシカルボキシレート化合物(A’)の製造方法。
請求項2に記載の反応性エポキシカルボキシレート化合物(A’)に多塩基酸無水物(d)を反応させて得られる反応性ポリカルボン酸化合物(B’)を含む樹脂組成物。
反応性エポキシカルボキシレート化合物(A)、反応性エポキシカルボキシレート化合物(A’)、反応性ポリカルボン酸化合物(B)、及び、反応性ポリカルボン酸化合物(B’)以外の反応性化合物(C)、及び光重合開始剤(D)を含む請求項3乃至請求項6のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0014】
本発明における一分子中に少なくとも2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂(a)の具体例としては、例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリスヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンフェノール型エポキシ樹脂、ビスフェノール−A型エポキシ樹脂、ビスフェノール−F型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂、ビスフェノール−Aノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレン骨格含有エポキシ樹脂、グリオキサール型エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂等が挙げられる。
【0015】
フェノールノボラック型エポキシ樹脂としては、例えばエピクロンN−770(大日本インキ化学工業(株)製)、D.E.N438(ダウ・ケミカル社製)、エピコート154(油化シェルエポキシ(株)製)、EPPN−201、RE−306(日本化薬(株)製)等が挙げられる。クレゾールノボラック型エポキシ樹脂としては、例えばエピクロンN−695(大日本インキ化学工業(株)製)、EOCN−102S、EOCN−103S、EOCN−104S(日本化薬(株)製)、UVR−6650(ユニオン・カーバイド社製)、ESCN−195(住友化学工業(株)製)等が挙げられる。
【0016】
トリスヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂としては、例えばEPPN−503、EPPN−502H、EPPN−501H(日本化薬(株)製)、TACTIX−742(ダウ・ケミカル社製)、エピコートE1032H60(油化シェルエポキシ(株)製)等が挙げられる。ジシクロペンタジエンフェノール型エポキシ樹脂としては、例えばXD−1000(日本化薬(株)製)、エピクロンEXA−7200(大日本インキ化学工業(株)製)、TACTIX−556(ダウ・ケミカル社製)等が挙げられる。
【0017】
ビスフェノール型エポキシ樹脂としては、例えばエピコート828、エピコート1001(油化シェルエポキシ製)、UVR−6410(ユニオン・カーバイド社製)、D.E.R−331(ダウ・ケミカル社製)、YD−8125(東都化成(株)製)、NER−1202、NER−1302(日本化薬(株)製)等のビスフェノール−A型エポキシ樹脂、UVR−6490(ユニオン・カーバイド社製)、YDF−8170(東都化成(株)製)、NER−7403、NER−7604(日本化薬(株)製)等のビスフェノール−F型エポキシ樹脂等が挙げられる。
【0018】
ビフェノール型エポキシ樹脂としては、例えば、NC−3000、NC−3000−H(日本化薬(株)性)等のビフェノール型エポキシ樹脂、YX−4000(油化シェルエポキシ(株)製)のビキシレノール型エポキシ樹脂、YL−6121(油化シェルエポキシ(株)製)等が挙げられる。ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂としては、例えばエピクロンN−880(大日本インキ化学工業(株)製)、エピコートE157S75(油化シェルエポキシ(株)製)等が挙げられる。
【0019】
ナフタレン骨格含有エポキシ樹脂としては、例えばNC−7000、NC−7300、NC−7700(日本化薬(株)製)、EXA−4750(大日本インキ化学工業(株)製)等が挙げられる。グリオキサール型エポキシ樹脂としては、例えばGTR−1800(日本化薬(株)製)等が挙げられる。脂環式エポキシ樹脂としては、例えばEHPE−3150((株)ダイセル製)等が挙げられる。複素環式エポキシ樹脂としては、例えばTEPIC(日産化学工業(株)製)等が挙げられる。
【0020】
本発明における一分子中に1個以上の重合可能なエチレン性不飽和基と1個以上のカルボキシル基を有する化合物(b)は、一分子中に少なくとも2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂(a)に活性エネルギー線への反応性を付与させるために用いられる。エチレン性不飽和基とカルボキシル基はそれぞれ分子内に1個以上あるものであれば制限はない。これらとしてはモノカルボン酸化合物、ポリカルボン酸化合物が挙げられる。
【0021】
一分子中に1個のカルボキシル基を有するモノカルボン酸化合物としては、例えば(メタ)アクリル酸類やクロトン酸、α−シアノ桂皮酸、桂皮酸、或いは飽和または不飽和二塩基酸と不飽和基含有モノグリシジル化合物との反応物が挙げられる。上記において(メタ)アクリル酸類としては、例えば(メタ)アクリル酸、β−スチリルアクリル酸、β−フルフリルアクリル酸、(メタ)アクリル酸二量体、飽和または不飽和二塩基酸無水物と一分子中に1個の水酸基を有する(メタ)アクリレート誘導体と当モル反応物である半エステル類、飽和または不飽和二塩基酸とモノグリシジル(メタ)アクリレート誘導体類との当モル反応物である半エステル類等が挙げられる。
【0022】
さらに一分子中に2個以上のカルボキシル基を有するポリカルボン酸化合物としては、一分子中に複数の水酸基を有する(メタ)アクリレート誘導体と当モル反応物である半エステル類、飽和または不飽和二塩基酸と複数のエポキシ基を有するグリシジル(メタ)アクリレート誘導体類との当モル反応物である半エステル類等が挙げられる。
【0023】
これらのうち最も好ましくは、樹脂組成物としたときの感度の点で(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸とε−カプロラクトンとの反応生成物または桂皮酸が挙げられる。化合物(b)としては、化合物中に水酸基を有さないものが好ましい。
【0024】
本発明において一分子中に少なくとも2個以上の水酸基と1個以上のカルボキシル基を有する化合物(c)は、カルボキシレート化合物中に水酸基を導入するために使用される。本発明においては必要に応じて使用する。
【0025】
一分子中に少なくとも2個以上の水酸基と1個以上のカルボキシル基を有する化合物(c)の具体例としては、例えば、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、ジメチロール酢酸、ジメチロール酪酸、ジメチロール吉草酸、ジメチロールカプロン酸等のポリヒドロキシ含有モノカルボン酸類等を挙げることができる。特に好ましいものは、例えばジメチロールプロピオン酸等である。
【0026】
これらのうち、前記のエポキシ樹脂(a)と化合物(b)および化合物(c)の反応の安定性を考慮すると、化合物(b)および化合物(c)はモノカルボン酸であることが好ましく、モノカルボン酸とポリカルボン酸を併用する場合でも、モノカルボン酸の総計モル量/ポリカルボン酸の総計モル量で表される値が15以上であることが好ましい。
【0027】
この反応におけるエポキシ樹脂(a)と化合物(b)および化合物(c)のカルボン酸総計の仕込み割合としては、用途に応じて適宜変更されるべきものである。即ち、全てのエポキシ基をカルボキシレート化した場合は、未反応のエポキシ基が残らないため反応性エポキシカルボキシレート化合物としての保存安定性は高い。この場合は、導入した二重結合による反応性のみを利用することになる。
【0028】
一方、カルボン酸化合物の仕込み量を減量し未反応のエポキシ基を残すことで、導入した不飽和結合による反応性と、残存するエポキシ基による反応、例えば光カチオン触媒による重合反応や熱重合反応を複合的に利用することも可能である。しかし、この場合は反応性エポキシカルボキシレート化合物(A)又は反応性エポキシカルボキシレート化合物(A’)の保存、及び製造条件の検討には注意を払うべきである。
【0029】
エポキシ基が残らない反応性エポキシカルボキシレート化合物(A)又は反応性エポキシカルボキシレート化合物(A’)を製造する場合、化合物(b)および化合物(c)の総計が、前記エポキシ樹脂(a)1当量に対し90〜120当量%であることが好ましい。この範囲であれば比較的安定な条件での製造が可能である。これよりも化合物(b)および化合物(c)の総仕込み量が多い場合には、過剰の化合物(b)および化合物(c)が残存してしまうために好ましくない。
【0030】
また、エポキシ基を残す場合には、化合物(b)および化合物(c)の総計が、前記エポキシ樹脂(a)1当量に対し20〜90当量%であることが好ましい。この範囲を逸脱する場合には、更なるエポキシ基による反応が十分に進まない。この場合は、反応中のゲル化や、反応性エポキシカルボキシレート化合物(A)又は反応性エポキシカルボキシレート化合物(A’)の経時安定性に対して十分な注意が必要である。
【0031】
化合物(b)と化合物(c)の使用比率は、カルボン酸に対するモル比において化合物(b):化合物(c)が100:0〜5:95、さらには100:0〜40:60の範囲が好ましい。化合物(c)の使用量が0の時が反応性エポキシカルボキシレート化合物(G)であり、化合物(c)の使用量が0より大きい時は反応性エポキシカルボキシレート化合物(G’)である。この範囲であれば活性エネルギー線への感度は良好であり、また反応性エポキシカルボキシレート化合物(A)又は反応性エポキシカルボキシレート化合物(A’)に多塩基酸無水物(d)を反応させるために十分な水酸基を導入することができる。
【0032】
カルボキシレート化反応は、無溶剤、若しくは溶剤で希釈して行うことも出来る。ここで用いることが出来る溶剤としては、カルボキシレート化反応に対してイナート溶剤であれば特に限定はない。
【0033】
好ましい溶剤の使用量は、得られる樹脂の粘度や使途により適宜調整されるべきものであるが、好ましくは固形分に対して90〜30質量部、より好ましくは80〜50質量部になるように使用される。
【0034】
具体的に例示すれば、例えばトルエン、キシレン、エチルベンゼン、テトラメチルベンゼン等の芳香族系炭化水素溶剤、ヘキサン、オクタン、デカン等の脂肪族系炭化水素溶剤、及びそれらの混合物である石油エーテル、ホワイトガソリン、ソルベントナフサ等、エステル系溶剤、エーテル系溶剤、ケトン系溶剤等が挙げられる。
【0035】
エステル系溶剤としては、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等のアルキルアセテート類、γ−ブチロラクトン等の環状エステル類、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルモノアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルモノアセテート、トリエチレングリコールモノエチルエーテルモノアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルモノアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ブチレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のモノ、若しくはポリアルキレングリコールモノアルキルエーテルモノアセテート類、グルタル酸ジアルキル、コハク酸ジアルキル、アジピン酸ジアルキル等のポリカルボン酸アルキルエステル類等が挙げられる。
【0036】
エーテル系溶剤としては、ジエチルエーテル、エチルブチルエーテル等のアルキルエーテル類、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル等のグリコールエーテル類、テトラヒドロフラン等の環状エーテル類等が挙げられる。
【0037】
ケトン系溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン等が挙げられる。
【0038】
このほかにも、後述する反応性化合物(C)等の単独または混合有機溶媒中で行うことができる。反応性化合物(C)を溶剤として使用した場合には、そのまま本発明の樹脂組成物として利用することが出来るので好ましい。
【0039】
本発明の製造方法においては下記式(1)で表されるトリメチルグリシンを触媒として用いる。トリメチルグリシンの使用量は、反応物、即ちエポキシ樹脂(a)、カルボン酸化合物(b)、化合物(c)及び場合により溶剤その他を加えた反応物の総量に対して0.1〜10質量部である。その際の反応温度は60〜150℃であり、また反応時間は、好ましくは5〜60時間である。その他の触媒を併用してもよく、使用しうる触媒の具体例としては、例えばトリエチルアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリメチルアンモニウムブロマイド、ベンジルトリメチルアンモニウムアイオダイド、トリフェニルホスフィン、トリフェニルスチビン、メチルトリフェニルスチビン、オクタン酸クロム、オクタン酸ジルコニウム等既知一般の塩基性触媒等が挙げられる。
【0041】
触媒を用いた場合、反応性エポキシカルボキシレート化合物(A)又は反応性エポキシカルボキシレート化合物(A’)を含む本発明の樹脂組成物にも触媒が失活せずに残っているがそのような樹脂組成物も本発明に含まれる。
【0042】
また、熱重合禁止剤として、ハイドロキノンモノメチルエーテル、2−メチルハイドロキノン、ハイドロキノン、ジフェニルピクリルヒドラジン、ジフェニルアミン、3,5−ジ−t−ブチル−4ヒドロキシトルエン等を使用するのが好ましい。
【0043】
本反応は、適宜サンプリングしながら、サンプルの酸価が5mgKOH/g以下、好ましくは3mgKOH/g以下となった時点を終点とする。
【0044】
こうして得られた反応性エポキシカルボキシレート化合物(A)又は反応性エポキシカルボキシレート化合物(A’)の好ましい分子量範囲としては、GPCにおけるポリスチレン換算質量平均分子量が1,000から50,000の範囲であり、より好ましくは2,000から30,000である。
【0045】
この分子量よりも小さい場合には硬化物の強靭性が充分に発揮されず、またこれよりも大きすぎる場合には、粘度が高くなり塗工等が困難となる。
【0046】
次に、酸付加工程について詳述する。酸付加工程は、前工程において得られた反応性エポキシカルボキシレート化合物(A)又は反応性エポキシカルボキシレート化合物(A’)にカルボキシル基を導入し、反応性ポリカルボン酸化合物(B)を得ることを目的として行われる。即ち、カルボキシレート化反応により生じた水酸基に多塩基酸無水物(d)を付加反応させることで、エステル結合を介してカルボキシル基を導入する。
【0047】
多塩基酸無水物(d)の具体例としては、例えば、分子中に酸無水物構造を有する化合物であればすべて用いることができるが、アルカリ水溶液現像性、耐熱性、加水分解耐性等に優れた無水コハク酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水イタコン酸、3−メチル−テトラヒドロ無水フタル酸、4−メチル−ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水トリメリット酸または、無水マレイン酸が特に好ましい。
【0048】
多塩基酸無水物(d)を付加させる反応は、前記カルボキシレート化反応液に多塩基酸無水物(d)を加えることにより行うことができる。添加量は用途に応じて適宜変更される。
【0049】
多塩基酸無水物(d)の添加量は例えば、反応性ポリカルボン酸化合物(B)をアルカリ現像型のレジストとして用いようとする場合は、多塩基酸無水物(d)を最終的に得られる反応性ポリカルボン酸化合物(B)の固形分酸価(JISK5601−2−1:1999に準拠)が40〜120mg・KOH/g、より好ましくは60〜120mg・KOH/g、となる計算値を仕込むことが好ましい。このときの固形分酸価がこの範囲である場合、本発明の組成物のアルカリ水溶液現像性が良好な現像性を示す。即ち、良好なパターニング性と過現像に対する管理もし易く、また過剰の酸無水物が残留することもない。
【0050】
本発明の製造方法においては前記式(1)で表されるトリメチルグリシンを触媒として用いる。トリメチルグリシンの使用量は、反応性エポキシカルボキシレート化合物(A)又は反応性エポキシカルボキシレート化合物(A’)、及び多塩基酸無水物(d)、場合により溶剤その他を加えた反応物の総量に対して0.1〜10質量部である。その際の反応温度は60〜150℃であり、また反応時間は、好ましくは5〜60時間である。その他の触媒を併用してもよく、使用しうる触媒の具体例としては、例えば、トリエチルアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリメチルアンモニウムブロマイド、ベンジルトリメチルアンモニウムアイオダイド、トリフェニルホスフィン、トリフェニルスチビン、メチルトリフェニルスチビン、オクタン酸クロム、オクタン酸ジルコニウム等が挙げられる。また、反応性エポキシカルボキシレート化合物(A)又は反応性エポキシカルボキシレート化合物(A’)の製造の際にトリメチルグリシンやその他の触媒と溶剤を用いている場合、触媒が失活せずに反応性エポキシカルボキシレート化合物(A)又は反応性エポキシカルボキシレート化合物(A’)の溶液中に残る。反応性エポキシカルボキシレート化合物(A)又は反応性エポキシカルボキシレート化合物(A’)を精製せず、溶液のまま本酸付加工程に用いる場合は、さらにトリメチルグリシンやその他の触媒を添加せずともよい。
【0051】
本酸付加反応は、無溶剤で反応するか、若しくは溶剤で希釈して反応させることも出来る。ここで用いることが出来る溶剤としては、酸付加反応に対してイナート溶剤であれば特に限定はない。また、前工程であるカルボキシレート化反応で溶剤を用いて製造した場合には、その両反応にイナートであることを条件に、溶剤を除くことなく直接次工程である酸付加反応に供することもできる。用い得る溶剤はカルボキシレート化反応で用い得るものと同一のものでよい。
【0052】
本酸付加反応において触媒が存在する場合、反応性ポリカルボン酸化合物(B)又は反応性ポリカルボン酸化合物(B’)を含む本発明の樹脂組成物にも触媒が失活せずに残っているが、そのような樹脂組成物も本発明に含まれる。カルボキシレート化反応において触媒を使用し、反応液をそのまま本酸付加反応に用いた樹脂組成物も本発明に含まれる。
【0053】
好ましい溶剤の使用量は、得られる樹脂の粘度や使途により適宜調整されるべきものであるが、好ましくは固形分に対して90〜30質量部、より好ましくは80〜50質量部になるように用いられる。
【0054】
このほかにも、反応性化合物(C)等の単独または混合有機溶媒中で行うことができる。この場合、硬化性組成物として使用した場合には、直接に組成物として利用することが出来るので好ましい。
【0055】
また、熱重合禁止剤等は、前記カルボキシレート化反応における例示と同様のものを使用することが好ましい。
【0056】
本反応は、適宜サンプリングしながら、反応物の酸価が、設定した酸価のプラスマイナス10%の範囲になった点をもって終点とする。
【0057】
反応性ポリカルボン酸化合物(B)の好ましい分子量範囲としては、GPCにおけるポリスチレン換算質量平均分子量が1,000から50,000の範囲であり、より好ましくは2,000から30,000である。
【0058】
本発明において使用しうる反応性化合物(C)の具体例としては、ラジカル反応型のアクリレート類、カチオン反応型のその他エポキシ化合物類、その双方に感応するビニル化合物類等のいわゆる反応性オリゴマー類が挙げられる。
【0059】
使用しうるアクリレート類としては、単官能(メタ)アクリレート類、多官能(メタ)アクリレート、その他エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート等が挙げられる。
【0060】
単官能(メタ)アクリレート類としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレートモノメチルエーテル、フェニルエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0061】
多官能(メタ)アクリレート類としては、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、グリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレンジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリス(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアヌレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、アジピン酸エポキシジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールエチレンオキサイドジ(メタ)アクリレート、水素化ビスフェノールエチレンオキサイド(メタ)アクリレート、ビスフェノールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシビバリン酸ネオペングリコールのε−カプロラクトン付加物のジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールとε−カプロラクトンの反応物のポリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリエチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、及びそのエチレンオキサイド付加物、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、及びそのエチレンオキサイド付加物、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、およびそのエチレンオキサイド付加物等が挙げられる。
【0062】
使用できるビニル化合物類としてはビニルエーテル類、スチレン類、その他ビニル化合物が挙げられる。ビニルエーテル類としては、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル等が挙げられる。スチレン類としては、スチレン、メチルスチレン、エチルスチレン等が挙げられる。その他ビニル化合物としてはトリアリルイソイシアヌレート、トリメタアリルイソシアヌレート等が挙げられる。
【0063】
さらに、いわゆる反応性オリゴマー類としては、活性エネルギー線に官能可能な官能基とウレタン結合を同一分子内に併せ持つウレタンアクリレート、同様に活性エネルギー線に官能可能な官能基とエステル結合を同一分子内に併せ持つポリエステルアクリレート、その他エポキシ樹脂から誘導され、活性エネルギー線に官能可能な官能基を同一分子内に併せ持つエポキシアクリレート、これらの結合が複合的に用いられている反応性オリゴマー等が挙げられる。
【0064】
また、カチオン反応型単量体としては、一般的にエポキシ基を有する化合物であれば特に限定はない。例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリジジルエーテル、エチルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリジジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4,−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(ユニオン・カーバイド社製「サイラキュアUVR−6110」等)、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビニルシクロヘキセンジオキシド(ユニオン・カーバイド社製「ELR−4206」等)、リモネンジオキシド((株)ダイセル製「セロキサイド3000」等)、アリルシクロヘキセンジオキシド、3,4,−エポキシ−4−メチルシクロヘキシル−2−プロピレンオキシド、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−m−ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート(ユニオン・カーバイド社製「サイラキュアUVR−6128」等)、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)エーテル、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)ジエチルシロキサン等が挙げられる。
【0065】
これらのうち、反応性化合物(C)としては、ラジカル硬化型であるアクリレート類が最も好ましい。カチオン型の場合、カルボン酸とエポキシが反応してしまうため2液混合型にする必要が生じる。
【0066】
反応性エポキシカルボキシレート化合物(A)、反応性エポキシカルボキシレート化合物(A’)、反応性ポリカルボン酸化合物(B)、反応性ポリカルボン酸化合物(B’)のいずれか1以上と、そのほかの反応性化合物(C)とを混合して本発明の樹脂組成物を得ることができる。このとき、用途に応じて適宜その他の成分を加えてもよい。
【0067】
本発明の樹脂組成物は、組成物中に反応性エポキシカルボキシレート化合物(A)、反応性エポキシカルボキシレート化合物(A’)及び/又は反応性ポリカルボン酸化合物(B)、反応性ポリカルボン酸化合物(B’)97〜5質量部、好ましくは87〜10質量部、その他反応性化合物(C)3〜95質量部、さらに好ましくは3〜90質量部を含む。必要に応じてその他の成分を0〜80質量部含んでいてよい。
【0068】
本発明の樹脂組成物における、カルボキシレート化合物(A)、カルボキシレート化合物(A’)、反応性ポリカルボン酸化合物(B)、及び反応性ポリカルボン酸化合物(B’)は、その用途に応じて適宜使い分けられるものである。例えば、同じソルダーレジスト用途でも現像せず、印刷法によりパターンを成形する場合や溶剤等により未反応部位を流去させる、所謂溶剤現像型の場合には反応性エポキシカルボキシレート化合物(A)を用い、アルカリ水により現像させる場合には反応性ポリカルボン酸化合物(B)を用いる。一般的にアルカリ水現像型の方が微細なパターンを作りやすいという観点から、この用途には反応性ポリカルボン酸化合物(B)を用いる場合が多い。もちろん(A)、(A’)、(B)と(B’)を併用してもなんら問題はない。
【0069】
本発明の樹脂組成物は活性エネルギー線によって容易に硬化する。ここで活性エネルギー線の具体例としては、紫外線、可視光線、赤外線、X線、ガンマー線、レーザー光線等の電磁波、アルファー線、ベータ線、電子線等の粒子線等が挙げられる。本発明の好適な用途を考慮すれば、これらのうち、紫外線、レーザー光線、可視光線、または電子線が好ましい。
【0070】
本発明において成形用材料とは、未硬化の組成物を型にいれ、もしくは型を押し付け、物体を成形したのち、活性エネルギー線により硬化反応を起こして成形させるもの、もしくは未硬化の組成物にレーザー等の焦点光等を照射し、硬化反応を起こして成形させる用途に用いられる材料を指す。
【0071】
具体的な用途としては、平面状に成形したシート、素子を保護するための封止材、未硬化の組成物に微細加工された「型」を押し当て微細な成形を行う、所謂ナノインプリント材料、さらには特に熱的な要求の厳しい発光ダイオード、光電変換素子等の周辺封止材料等が好適な用途として挙げられる。
【0072】
本発明において皮膜形成用材料とは、基材表面を被覆することを目的として利用されるものである。具体的な用途としては、グラビアインキ、フレキソインキ、シルクスクリーンインキ、オフセットインキ等のインキ材料、ハードコート、トップコート、オーバープリントニス、クリヤコート等の塗工材料、ラミネート用、光ディスク用他各種接着剤、粘着剤等の接着材料、ソルダーレジスト、エッチングレジスト、マイクロマシン用レジスト等のレジスト材料等がこれに該当する。さらには、皮膜形成用材料を一時的に剥離性基材に塗工しフィルム化した後、本来目的とする基材に貼合し皮膜を形成させる、いわゆるドライフィルムも皮膜形成用材料に該当する。
【0073】
本発明には本発明の樹脂組成物に活性エネルギー線を照射して得られる硬化物も含まれ、また、該硬化物の層を有する多層材料も含まれる。
【0074】
これらのうち、反応性ポリカルボン酸化合物(B)又は(B’)のカルボキシル基の導入によって、基材への密着性が高まるため、プラスチック基材、若しくは金属基材を被覆するための用途として用いることが好ましい。
【0075】
さらには、未反応の反応性ポリカルボン酸化合物(B)又は(B’)が、アルカリ水溶液に可溶性となる特徴を生かして、アルカリ水現像型レジスト材料組成物として用いることも好ましい。
【0076】
本発明においてレジスト材料用樹脂組成物とは、基材上に該組成物の皮膜層を形成させ、その後、紫外線等の活性エネルギー線を部分的に照射し、照射部、未照射部の物性的な差異を利用して描画しようとする活性エネルギー線感応型の組成物を指す。具体的には、照射部、または未照射部を何らかの方法、例えば溶剤等やアルカリ溶液等で溶解させる等して除去し、描画を行うことを目的として用いられる組成物である。
【0077】
本発明のレジスト材料用樹脂組成物は、パターニングが可能な種々の材料に適応でき、例えば特に、ソルダーレジスト材料、ビルドアップ工法用の層間絶縁材に有用であり、さらには光導波路としてプリント配線板、光電子基板や光基板のような電気・電子・光基材等にも利用される。
【0078】
特に好適な用途としては、強靭な硬化物を得ることができる特性を生かして、ソルダーレジスト等の永久レジスト用途が挙げられる。
【0079】
本発明の樹脂組成物を使用してのパターニングは、例えば次のようにして行うことができる。基板上にスクリーン印刷法、スプレー法、ロールコート法、静電塗装法、カーテンコート法、スピンコート法などの方法で0.1〜200μmの膜厚で本発明の組成物を塗布し、塗膜を通常50〜110℃、好ましくは60〜100℃の温度で乾燥させることにより、塗膜が形成できる。その後、露光パターンを形成したフォトマスクを通じて塗膜に直接または間接に紫外線などの高エネルギー線を通常10〜2000mJ/cm
2程度の強さで照射し、後述する現像液を用いて、例えばスプレー、振動浸漬、パドル、ブラッシング等により所望のパターンを得ることができる。
【0080】
上記現像に使用されるアルカリ水溶液としては水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム等の無機アルカリ水溶液やテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、テトラエチルアンモニウムハイドロオキサイド、テトラブチルアンモニウムハイドロオキサイド、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の有機アルカリ水溶液が使用できる。この水溶液には、さらに有機溶剤、緩衝剤、錯化剤、染料または顔料を含ませることができる。
【0081】
この他、活性エネルギー線による硬化反応前の機械的強度が求められるドライフィルム用途として特に好適に用いられる。即ち、本発明で用いられるエポキシ樹脂(a)の水酸基、エポキシ基のバランスが特定の範囲にあるがゆえに、本発明で用いられる反応性カルボキシレート化合物が比較的高い分子量であるにも関わらず、良好な現像性を発揮させることが出来る。
【0082】
皮膜形成させる方法としては特に制限はないが、グラビア等の凹版印刷方式、フレキソ等の凸版印刷方式、シルクスクリーン等の孔版印刷方式、オフセット等の平版印刷方式、ロールコーター、ナイフコーター、ダイコーター、カーテンコーター、スピンコーター等の各種塗工方式が任意に採用できる。
【0083】
本発明の硬化物でオーバーコートされた物品とは、本発明の樹脂組成物を基材上に皮膜形成してから硬化させて得られる、少なくとも二層以上の層をもってなる材料を示す。
【0084】
この他、本発明の樹脂組成物を各種用途に適合させる目的で、組成物中に70質量部を上限にその他の成分を加えることもできる。その他の成分としては光重合開始剤、その他の添加剤、着色材料、また塗工適性付与等を目的に粘度調整のため添加される揮発性溶剤等が挙げられる。下記に使用しうるその他の成分を例示する。
【0085】
光重合開始剤(D)としては、活性エネルギー線に感応して、反応性エポキシカルボキシレート化合物(A)、反応性ポリカルボン酸化合物(B)と反応性化合物(C)の重合を開始しうる活性種を生じる成分である。このような光重合開始剤(D)としては、ラジカル型光重合開始剤、カチオン系光重合開始剤、ルイス酸のオニウム塩、塩化合物等が挙げられる。
【0086】
ラジカル型光重合開始剤としては、例えばベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン類;アセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−フェニルプロパン−1−オン、ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシンクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−オン等のアセトフェノン類;2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、2−クロロアントラキノン、2−アミルアントラキノン等のアントラキノン類;2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン等のチオキサントン類;アセトフエノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール等のケタール類;ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、4,4’−ビスメチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン類;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド等のホスフィンオキサイド類等の公知一般のラジカル型光反応開始剤が挙げられる。
【0087】
また、カチオン系光重合開始剤としては、ルイス酸のジアゾニウム塩、ルイス酸のヨードニウム塩、ルイス酸のスルホニウム塩、ルイス酸のホスホニウム塩、その他のハロゲン化物、トリアジン系開始剤、ボレート系開始剤、及びその他の光酸発生剤等が挙げられる。
【0088】
ルイス酸のジアゾニウム塩としては、p−メトキシフェニルジアゾニウムフロロホスホネート、N,N−ジエチルアミノフェニルジアゾニウムヘキサフロロホスホネート(三新化学工業社(株)製サンエイドSI−60L/SI−80L/SI−100L等)等が挙げられ、ルイス酸のヨードニウム塩としては、ジフェニルヨードニウムヘキサフロロホスホネート、ジフェニルヨードニウムヘキサフロロアンチモネート等が挙げられ、ルイス酸のスルホニウム塩としては、トリフェニルスルホニウムヘキサフロロホスホネート(UnionCarbide社製CyracureUVI−6990等)、トリフェニルスルホニウムヘキサフロロアンチモネート(UnionCarbide社製CyracureUVI−6974等)等が挙げられ、ルイス酸のホスホニウム塩としては、トリフェニルホスホニウムヘキサフロロアンチモネート等が挙げられる。
【0089】
その他のハロゲン化物としては、2,2,2−トリクロロ−[1−4’−(ジメチルエチル)フェニル]エタノン(AKZO社製TrigonalPI等)、2.2−ジクロロ−1−4−(フェノキシフェニル)エタノン(Sandoz社製Sandray1000等)、α,α,α−トリブロモメチルフェニルスルホン(住友精化(株)製BMPS等)等が挙げられる。トリアジン系開始剤としては、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(4’−メトキシフェニル)−6−トリアジン(Panchim社製TriazineA等)、2,4−トリクロロメチル−(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジン(Panchim社製TriazinePMS等)、2,4−トリクロロメチル−(ピプロニル)−6−トリアジン(Panchim社製TriazinePP等)、2,4−トリクロロメチル−(4’−メトキシナフチル)−6−トリアジン(Panchim社製TriazineB等)、2[2’(5−メチルフリル)エチリデン]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン((株)三和ケミカル製等)、2(2’−フリルエチリデン)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン((株)三和ケミカル製)等が挙げられる。
【0090】
ボレート系光重合開始剤としては、日本感光色素製NK−3876及びNK−3881等が挙げられ、その他の光酸発生剤等としては、9−フェニルアクリジン、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2−ビイミダゾール(黒金化成(株)製ビイミダゾール等)、2,2−アゾビス(2−アミノ−プロパン)ジヒドロクロリド(和光純薬(株)製V50等)、2,2−アゾビス[2−(イミダソリン−2イル)プロパン]ジヒドロクロリド(和光純薬(株)製VA044等)、[イータ−5−2−4−(シクロペンタデシル)(1,2,3,4,5,6,イータ)−(メチルエチル)−ベンゼン]鉄(II)ヘキサフロロホスホネート(CibaGeigy社製Irgacure261等)、ビス(y5−シクロペンタジエニル)ビス[2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピリ−1−イル)フェニル]チタニウム(CibaGeigy社製CGI−784等)等が挙げられる。
【0091】
この他、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系開始剤、過酸化ベンゾイル等の熱に感応する過酸化物系ラジカル型開始剤等を併せて用いても良い。また、ラジカル系とカチオン系の双方の開始剤を併せて用いても良い。開始剤は、1種類を単独で用いることもできるし、2種類以上を併せて用いることもできる。
【0092】
本発明の樹脂組成物において、光重合開始剤(D)の使用量は、本発明の組成物の固形分を100質量%とした場合、1質量%以上20質量%以下であり、好ましくは1質量%以上15質量%以下である。
【0093】
その他の添加剤としては、例えばメラミン等の熱硬化触媒、アエロジル等のチキソトロピー付与剤、シリコーン系、フッ素系のレベリング剤や消泡剤、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル等の重合禁止剤、安定剤、酸化防止剤等を使用することが出来る。
【0094】
また、その他の顔料材料としては例えば、着色を目的としないもの、いわゆる体質顔料を用いることも出来る。例えば、タルク、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、チタン酸バリウム、水酸化アルミニウム、シリカ、クレー等が挙げられる。
【0095】
この他に活性エネルギー線に反応性を示さない樹脂類(いわゆるイナートポリマー)として、たとえばその他のエポキシ樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ケトンホルムアルデヒド樹脂、クレゾール樹脂、キシレン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、スチレン樹脂、グアナミン樹脂、天然及び合成ゴム、アクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂、及びこれらの変性物を用いることもできる。これらは樹脂組成物中に40質量部までの範囲において用いることが好ましい。
【0096】
特に、ソルダーレジスト用途に反応性ポリカルボン酸化合物(B)又は(B’)を用いようとする場合には、活性エネルギー線に反応性を示さない樹脂類として公知一般のエポキシ樹脂を用いることが好ましい。これは活性エネルギー線によって反応、硬化させた後も(B)又は(B’)に由来するカルボキシル基が残留してしまい、結果としてその硬化物は耐水性や加水分解性に劣ってしまう。したがって、エポキシ樹脂を用いることで残留するカルボキシル基をさらにカルボキシレート化し、さらに強固な架橋構造を形成させる。該公知一般のエポキシ樹脂は、前記カチオン反応型単量体を用いることができる。
【0097】
また使用目的に応じて、粘度を調整する目的で、樹脂組成物中に50質量部、さらに好ましくは35質量部までの範囲において揮発性溶剤を添加することも出来る。
【実施例】
【0098】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。また、実施例中、特に断りがない限り、部は質量部を示す。
【0099】
酸価は以下の条件で測定した。
1)酸価:JISK0070:1992に準じた方法で測定した
【0100】
実施例1−1〜1−4:反応性エポキシカルボキシレート化合物(A)の製造
エポキシ樹脂(a)としてNC−3000H(日本化薬(株)製、エポキシ当量288g/eq)、XD−1000(日本化薬(株)製、エポキシ当量254g/eq)を表1中記載量、化合物(b)としてアクリル酸(略称AA、Mw=72)を表1中記載量、化合物(c)としてジメチロールプロピオン酸(略称DMPA、Mw=134)を表1中記載量加えた。触媒としてトリメチルグリシン(TMG)3g、溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルモノアセテートを固形分が反応液の80質量%となるように加え、100℃で24時間反応させ、反応性エポキシカルボキシレート化合物(A)又は反応性エポキシカルボキシレート化合物(A’)溶液を得た。固形分酸価(AV:mgKOH/g)5以下を反応終点とし、次反応に進んだ。酸価測定は、反応溶液にて測定し固形分としての酸価に換算した。
【0101】
比較例1−1〜1−3:比較用反応性エポキシカルボキシレート化合物の製造
NC−3000H(日本化薬製、エポキシ当量288g/eq)を表1中記載量、化合物(b)としてアクリル酸を表1中記載量、触媒としてテトラメチルアンモニウムクロライド(略称TMAC)、トリフェニルホスフィン(略称TPP)、ベンジルトリフェニルホスホニウムブロミド(略称TZP)を3g、溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルモノアセテートを固形分が反応液の80質量%となるように加え、100℃で24時間反応させ、カルボキシレート化合物溶液を得た。固形分酸価(AV:mgKOH/g)5mgKOH/g以下を反応終点とした。
【0102】
【表1】
【0103】
実施例2−1〜2−4:反応性ポリカルボン酸化合物(B)の調製
実施例1−1〜1−4において得られた反応性エポキシカルボキシレート化合物(A)溶液に多塩基酸無水物(d)として、テトラヒドロ無水フタル酸(略称THPA)を表1記載量、及び溶剤として固形分が65質量部となるようプロピレングリコールモノメチルエーテルモノアセテートを添加、100℃に加熱した後、酸付加反応させ反応性ポリカルボン酸化合物(B)又は反応性ポリカルボン酸化合物(B’)溶液を得た。固形分酸価(AV:mgKOH/g)を表1中に記載した。
【0104】
比較例2−1〜2−3:反応性ポリカルボン酸化合物の調製
比較例1−1〜1−3において得られた反応性エポキシカルボキシレート化合物溶液に多塩基酸無水物として、THPAを表2記載量、及び溶剤として固形分が65質量部となるようプロピレングリコールモノメチルエーテルモノアセテートを添加、100℃に加熱した後、酸付加反応させ比較用反応性ポリカルボン酸化合物溶液を得た。固形分酸価(AV:mgKOH/g)を表2中に記載した。
【0105】
【表2】
【0106】
実施例3及び比較例3:ドライフィルム型レジスト組成物の調製
実施例2で得られた反応性ポリカルボン酸化合物(B)又は比較例2で得られた反応性ポリカルボン酸化合物を54.44g、その他反応性化合物(C)としてHX−220(商品名:日本化薬(株)製ジアクリレート単量体)3.54g、光重合開始剤(D)としてイルガキュアー907(チバスペシャリティーケミカルズ製)を4.72g及びカヤキュアーDETX−S(日本化薬(株)製)を0.47g、硬化成分としてGTR−1800(日本化薬(株)製)を14.83g、熱硬化触媒としてメラミンを1.05g及び濃度調整溶媒としてメチルエチルケトンを20.95g加え、ビーズミルにて混練し均一に分散させレジスト樹脂組成物を得た。
得られた組成物をロールコート法により、支持フィルムとなるポリエチレンテレフタレートフィルムに均一に塗布し、温度70℃の熱風乾燥炉を通過させ、厚さ30μmの樹脂層を形成した後、この樹脂層上に保護フィルムとなるポリエチレンフィルムを貼り付け、ドライフィルムを得た。得られたドライフィルムをポリイミドプリント基板(銅回路厚:12μm、ポリイミドフィルム厚:25μm)に、温度80℃の加熱ロールを用いて、保護フィルムを剥離しながら樹脂層を基板全面に貼り付けた。
【0107】
次いで、紫外線露光装置((株)オーク製作所、型式HMW−680GW)を用い回路パターンの描画されたマスク、および感度を見積もるために、コダック製ステップタブレットNo.2を通して紫外線を照射した。その後、ドライフィルム上のフィルムを剥離し剥離状態を確認した。その後1%炭酸ナトリウム水溶液でスプレー現像を行い、紫外線未照射部の樹脂を除去した。水洗乾燥した後、プリント基板を150℃の熱風乾燥器で60分加熱硬化反応させ硬化膜を得た。各評価結果を表3に記載する。
【0108】
耐冷熱衝撃性評価
レジストの硬化膜を形成したポリイミドプリント基板を−65〜120℃の範囲で冷熱衝撃試験を実施した。試験方法はJISC5012−9.1:1993に準拠した。試験終了後、セロハンテープ(登録商標)による剥離試験を実施した。
○:剥がれ無し
△:僅かな剥がれが観察される。
×:剥離
【0109】
高温耐湿性評価
レジストの硬化膜を形成したポリイミドプリント基板を120℃のオートクレーブ中に1時間入れた。基板を取り出し、室温で風乾させた後、セロハンテープ(登録商標)による剥離試験を実施した。
○:剥がれ無し
△:僅かな剥がれが観察される。
×:剥離
【0110】
感度評価
感度は、ステップタブレットを透過した露光部に、何段目の濃度部分までが現像時に残存したかで判定した。段数(値)が大きいほうがタブレットの濃部で高感度と判定される(単位:段)。
【0111】
現像性評価
現像性は、パターンマスクを透過した露光部を現像する際に、パターン形状部が完全に現像されきるまでの時間、いわゆるブレイクタイムをもって現像性の評価とした(単位:秒)。
【0112】
信頼性評価(マイグレーション評価)
各組成物を、スクリーン印刷法により25μmの厚さになるようにL/S=25μm/25μmのくし型パターンが形成されたエスパネックスMシリーズ(新日鐵住金化学(株)製:ベースイミド厚25μm Cu厚18μm)上に塗布し、塗膜を80℃の熱風乾燥器で60分乾燥させた。次いで、紫外線露光装置(USHIO製:500Wマルチライト)を用いて紫外線を照射し塗膜全面を硬化させた。次に、現像液として1%炭酸ナトリウム水溶液(温度:30℃)を用いて120秒間スプレー(スプレー圧:0.2MPa)現像を行った。水洗後、200℃の熱風乾燥器で60分間熱処理を行い、HAST評価用の試験基板を得た。得られた基板の電極部分をはんだによる配線接続を行い、120℃/85%RHの環境下に置き、100Vの電圧をかけ、抵抗値が10
7Ω以下となるまでの時間を測定した。
○‥250時間以上
△‥30〜250時間
×‥30時間以下
【0113】
硬化性評価
硬化性評価は、150℃加熱終了後の硬化膜の鉛筆硬度をもって示した。評価方法は、JISK5600−5−4:1999に準拠した。
【0114】
【表3】
【0115】
上記の結果から明らかなように、本発明におけるレジスト組成物は高い電気信頼性を有している。また、レジストとして良好な現像性と感度を有している。
【0116】
実施例4及び比較例4:保存安定性
実施例2及び比較例2で得た樹脂溶液について保存安定性を評価し、結果を表3に示した。保存安定性は、各樹脂溶液を30mlスクリュー管に入れ、60℃の温風乾燥機にて保管した。保管期間は、60℃×1週間、60℃×2週間、60℃×4週間にて試験した。E型粘度計を用いて粘度を継時的に測定し、初期粘度(=1.0)に対する増粘率(倍率)を評価した。結果を表4に記載する。
【0117】
【表4】
【0118】
上記の結果から明らかなように、本発明の樹脂組成物は、60℃で2週間保存しても粘度が変化せず、4週間保存して初めてわずかに変化する程度であった。一方、反応性エポキシカルボキシレート化合物及び反応性ポリカルボン酸化合物の製造の際にトリメチルグリシンも用いなかった比較例の樹脂組成物は保存1週間で粘度が上がり、その後も継時的に上昇した。したがって、トリメチルグリシンを触媒として使用した本発明の製造法により得られた樹脂組成物は保存安定性に優れている。