【実施例1】
【0018】
次に本発明の一実施例である時間ダイバーシティの動作について、
図1〜
図6を用いて説明する。
本実施例では、管理装置103と、BSC111と、BS113と、MS122と、ATP/ATO123に限定して動作説明を行う。なお、MS121は本実施例の動作に関与しないもととする。また、MS122のアンテナRX1系207も本実施例の動作には関与しないもととする。
図4は本発明の実施例であるCBTC無線サブシステム110の制御を説明するための図である。
図4において、管理装置103は列車制御情報である電文をBSC111を介してBS113に送信する。
本発明の一実施例では、管理装置103が所定周期である500mec毎に列車制御情報を送信する。
【0019】
BS113は、MS122に対して同じ内容を含む電文をシステムパラメータで指定した所定期間の間隔で少なくとも2回送信する。なお、システムパラメータは可変可能なパラメータであり、本実施例ではシステムパラメータで指定した所定期間を、一例として160msec間隔としているがこれに限るものではない。
MS122は、ATP/ATO123から列車位置情報等を所得する。
MS122は、BS113から送信された1回目の電文を受信し、BS113に対して列車の位置情報等を含む応答電文を送信する。
さらにMS122は、BS113から送信された2回目の電文を受信し、BS113に対して列車の位置情報等を含む応答電文を送信する。なお、ATP/ATO123に対して受信状態の良い方の電文を送信しても良い。
【0020】
BS113は、MS122から送信された2回の列車位置情報等を含む応答電文の中で受信状態の良い方を選択して、BSC111を介して管理装置103に送信する。
【0021】
図5は本発明の一実施例である車上無線端末のRAM部202に記憶する電文の電波状態を説明するためのメモリテーブルである。
BS113は500ms時間内に少なくとも同じ内容を含む電文を2回送信する。
MS122はアンテナRX0系206でBS113から送信された電文を受信する。
メモリテーブルは、時間ダイバーシティ1回目と時間ダイバーシティ2回目で受信した電文からBLER(BLock Error Rate)とRSSI(Received Signal Strength Indication)を取得し、取得したデータを記憶する。
BLER=XXの“XX”は、エラーの有無を示すものであり、エラーなしが“0”であり、エラーありが“1”である。
RSSI=YYの“YY”は、受信感度の値を示すものであり、値が高いほど受信感度が良い。
【0022】
図6は本発明の一実施例である車上無線端末が行う時間ダイバーシティ処理を説明するためのフローチャートである。
MS122のCPU部201は、ステップS601でRAM部202に記憶しているメモリテーブルから1回目と2回目のBLER情報を読出して取得する。取得後、ステップS602の処理に進む。
ステップS602では、RAM部202に記憶しているメモリテーブルから1回目と2回目のRSSI情報を読出して取得する。取得後、ステップS603の処理に進む。
ステップS603では、BLERが1回目と2回目共にエラーなし“0”を判定し、両方共にエラーなし“0”の場合(YES)はステップS604の処理に進み、エラーが片方または両方共にあり“1”の場合(NO)はステップS606の処理に進む。
ステップS606では、BLERの1回目にエラーがないかを判定し、エラーなし“0”の場合(YES)はステップS607の処理に進み、エラーがあり“1”場合(NO)はステップS604の処理に進む。
ステップS604では、1回目と2回目のRSSI情報で受信感度の高い方のデータ(電文)を選択し、ステップS605の処理に進む。
ステップS607では、1回目と2回目のBLERでエラーなし“0”の方のデータ(電文)を選択し、ステップS605の処理に進む。
ステップS605では、BS113に選択したデータ(電文)を通知および列車位置情報を送信し、時間ダイバーシティ処理を終了する。
本処理により、MS122は、BS113から送信されたデータ(電文)の中で無線品質の良いデータ(電文)を選択することができる。
【実施例2】
【0023】
次に本発明の他の一実施例である時間ダイバーシチィとアンテナダイバーシティを組み合わせた動作について
図1〜
図4および
図7〜
図10を用いて説明する。
本実施例では、管理装置103と、BSC111と、BS113と、MS122と、ATP/ATO123に限定して動作説明を行う。なお、MS121は本実施例の動作に関与しないもととする。
【0024】
次に、本発明の他の一実施例であるCBTC無線サブシステム110の制御について
図4を用いて説明する。
図4は本発明の実施例であるCBTC無線サブシステム110の制御を説明するための図である。
図4において、管理装置103は列車制御情報である電文をBSC111を介してBS113に送信する。
本発明の他の一実施例では、管理装置103が所定周期である500mec毎に列車制御情報を送信する。
【0025】
BS113は、MS122に対して同じ内容を含む電文をシステムパラメータで指定した所定期間の間隔で少なくとも2回送信する。なお、システムパラメータは可変可能なパラメータであり、本実施例ではシステムパラメータで指定した所定期間を、一例として160msec間隔としているがこれに限るものではない。
MS122は、ATP/ATO123から列車位置情報等を所得する。
MS122は、BS113から送信された1回目の電文を受信し、BS113に対して列車の位置情報等を含む応答電文を送信する。
さらにMS122は、BS113から送信された2回目の電文を受信し、BS113に対して列車の位置情報等を含む応答電文を送信する。なお、ATP/ATO123に対して受信状態の良い方の電文を送信しても良い。
【0026】
図4の制御は、MS122のアンテナRX0系206で受信した電文と、アンテナRX1系207で受信した電文の両方で行う。
【0027】
BS113は、MS122から送信された4回の列車位置情報等を含む応答電文の中で受信状態の一番良い応答電文を選択して、BSC111を介して管理装置103に送信する。
【0028】
図7は、本発明の他の一実施例である車上無線端末のRAM部に記憶する電文の電波状態を説明するためのメモリテーブルである。
BS113は500ms時間内に同じ内容を含む電文を少なくとも2回送信する。
MS122はアンテナRX0系206でBS113から送信された少なくとも2回の電文を受信する。
メモリテーブルは、アンテナRX0系206で受信した時間ダイバーシティ1回目と時間ダイバーシティ2回目の電文からBLERとRSSIを取得し、取得したデータを記憶する。
次に、MS122はアンテナRX1系207でBS113から送信された少なくとも2回の電文を受信する。
メモリテーブルは、アンテナRX1系207で受信した時間ダイバーシティ1回目と時間ダイバーシティ2回目の電文からBLERとRSSIを取得し、取得したデータを記憶する。
BLER=XXの“XX”は、エラーの有無を示すものであり、エラーなしが“0”であり、エラーありが“1”である。
RSSI=YYの“YY”は、受信感度の値を示すものであり、値が高いほど受信感度が良い。
【0029】
図8は、本発明の他の一実施例である車上無線端末が行う1回目の時間ダイバーシティ処理を説明するためのフローチャートである。
MS122のCPU部201は、ステップS801でRAM部202に記憶しているメモリテーブルからアンテナRX0系206とアンテナRX1系207のBLER情報を読出して取得する。取得後、ステップS802の処理に進む。
ステップS802では、RAM部202に記憶しているメモリテーブルからアンテナRX0系206とアンテナRX1系207のRSSI情報を読出して取得する。取得後、ステップS803の処理に進む。
ステップS803では、BLERがアンテナRX0系206とアンテナRX1系207で同じかを判定し、同じ場合(YES)はステップS804の処理に進み、異なる場合(NO)はステップS805の処理に進む。
ステップS804では、RSSI情報で受信感度の高い方のデータ(電文)を選択し、ステップS806の処理に進む。
ステップS805では、アンテナRX0系206とアンテナRX1系207でBLER=0側のデータ(電文)を選択し、ステップS806の処理に進む。
ステップS806では、BS113に選択したデータ(電文)を通知および列車位置情報を送信し、1回目の時間ダイバーシティ処理を終了する。
【0030】
図9は、本発明の他の一実施例である車上無線端末が行う2回目の時間ダイバーシティ処理を説明するためのフローチャートである。
MS122のCPU部201は、ステップS901でRAM部202に記憶しているメモリテーブルからアンテナRX0系206とアンテナRX1系207のBLER情報を読出して取得する。取得後、ステップS902の処理に進む。
ステップS902では、RAM部202に記憶しているメモリテーブルからアンテナRX0系206とアンテナRX1系207のRSSI情報を読出して取得する。取得後、ステップS903の処理に進む。
ステップS903では、BLERがアンテナRX0系206とアンテナRX1系207で同じかを判定し、同じ場合(YES)はステップS904の処理に進み、異なる場合(NO)はステップS905の処理に進む。
ステップS904では、RSSI情報で受信感度の高い方のデータ(電文)を選択し、ステップS906の処理に進む。
ステップS905では、アンテナRX0系206とアンテナRX1系207でBLER=0側のデータ(電文)を選択し、ステップS906の処理に進む。
ステップS906では、BS113に選択したデータ(電文)を通知および列車位置情報を送信し、2回目の時間ダイバーシティ処理を終了する。
【0031】
図10は、本発明の他の一実施例である無線基地局が行う最終判定処理を説明するためのフローチャートである。
BS113は、ステップS1001でMS122から送信された1回目と2回目の時間ダイバーシティ処理のデータを取得し、ステップS1002の処理に進む。
ステップS1002では、BLERが1回目と2回目共に同じデータ即ち共にエラーなし“0”又は共にエラーあり“1”を判定し、両方共に同じデータの場合(YES)はステップS1003の処理に進み、データが異なる場合(NO)はステップS1004の処理に進む。
ステップS1003では、1回目と2回目のRSSI情報で受信感度の高い方のデータ(電文)を選択し、最終判定処理を終了する。
ステップS1004では、BLER=0側のデータ(電文)を選択し、最終判定処理を終了する。
本判定処理により、BS113は、MS112から送信されたデータの中で無線品質の良いデータを選択することができる。
【0032】
上述の実施例では、MSとATP/ATOを別々の装置として記載しているが、MSはATP/ATOの機能を含んでも良い。
【0033】
上述の実施例では、MSに2つのアンテナを有して、この2つのアンテナで受信した信号を用いたアンテナダイバーシティとしたが、列車の前方端末と後方端末の各1つのアンテナを用いてアンテナダイバーシティとしても良い。この場合、データの選択はATP/ATOで行う。
【0034】
本発明によれば、複数の無線基地局が複数回同じ電文を送信して、車上無線端末が受信した電文の中で一番受信状態の良いものを選択することができる。
また、本発明の時間ダイバーシティにより、フェージング等の電波障害の影響を低減して電文を受信することができる。
【0035】
以上本発明について詳細に説明したが、本発明は、ここに記載された列車無線通信システムに限定されるものではなく、上記以外の無線通信システムに広く適用することができることは言うまでもない。