(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6075896
(24)【登録日】2017年1月20日
(45)【発行日】2017年2月8日
(54)【発明の名称】モレキュラーシーブSSZ−23の調製
(51)【国際特許分類】
C01B 39/48 20060101AFI20170130BHJP
【FI】
C01B39/48
【請求項の数】15
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-559905(P2014-559905)
(86)(22)【出願日】2013年2月8日
(65)【公表番号】特表2015-509478(P2015-509478A)
(43)【公表日】2015年3月30日
(86)【国際出願番号】US2013025324
(87)【国際公開番号】WO2013130240
(87)【国際公開日】20130906
【審査請求日】2015年10月8日
(31)【優先権主張番号】13/409,733
(32)【優先日】2012年3月1日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503148834
【氏名又は名称】シェブロン ユー.エス.エー. インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ゾーンズ、ステイシー イアン
【審査官】
森坂 英昭
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭62−216914(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2010/0254895(US,A1)
【文献】
S.I. ZONES et al.,A novel approach to borosilicate zeolite synthesis in the presence of fluoride,Microporous and Mesoporous Materials,2011年,Volume 146, Issues 1-3,Pages 48-56
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C01B 33/20 − 39/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
結晶化条件下で、(1)少なくとも1つの4価元素の酸化物の供給源、(2)少なくとも1つの3価元素の酸化物の供給源、(3)フッ化物イオン、(4)水、(5)少なくとも1つのN,N,N−トリアルキルアダマントアンモニウムカチオン、および(6)少なくとも1つのN,N’−ジアルキル−1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンジカチオンを含む反応混合物を接触させることを含む、モレキュラーシーブSSZ−23を調製する方法。
【請求項2】
前記モレキュラーシーブが、モル比に関して、以下の組成:
【表1】
を含む反応混合物から調製され、
ここでYは少なくとも1つの4価元素であり、Wは少なくとも1つの3価元素であり、Qは少なくとも1つのN,N,N−トリアルキルアダマントアンモニウムカチオンであってQ>0で、Aは少なくとも1つのN,N’−ジアルキル−1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンジカチオンであってA>0である、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
Yが、Si、Ge、およびそれらの混合物から成る群より選択される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
YがSiである、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
Wが、B、Al、およびそれらの混合物から成る群より選択される、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
YがSiであり、WがB、Al、およびそれらの混合物から成る群より選択される、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記N,N,N−トリアルキルアダマントアンモニウムカチオンの構造指向剤の前記N,N’−ジアルキル−1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンジカチオンに対するモル比が0.1から4である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記N,N,N−トリアルキルアダマントアンモニウムカチオンの構造指向剤の前記N,N’−ジアルキル−1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンジカチオンに対するモル比が0.25から1である、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記少なくとも1つのN,N,N−トリアルキルアダマントアンモニウムカチオンの構造指向剤がN,N,N−トリメチル−1−アダマントアンモニウムカチオンである、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記少なくとも1つのN,N’−ジアルキル−1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンジカチオンがN,N’−ジメチル−1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンジカチオンである、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記モレキュラーシーブが、モル比に関して、合成した状態並びに無水状態で、下記の通りの組成:
【表2】
を有し、ここでYは少なくとも4価元素であり;Wは少なくとも1つの3価元素であり、Qは少なくとも1つのN,N,N−トリアルキルアダマントアンモニウムカチオンであってQ>0で、Aは少なくとも1つのN,N’−ジアルキル−1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンジカチオンであってA>0である、
請求項1に記載の方法。
【請求項12】
YがSi、Ge、およびそれらの混合物から成る群より選択される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
YがSiである、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
WがB、Al、およびそれらの混合物から成る群より選択される、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
YがSiであり、WがB、Al、およびそれらの混合物から成る群より選択される、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は概して、N,N,N−トリアルキルアダマントアンモニウムカチオンおよびN,N’−ジアルキル−1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンジカチオンを使用して、モレキュラーシーブSSZ−23を調製する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
モレキュラーシーブは、商業的に重要なクラスの結晶性材料である。モレキュラーシーブは、固有のX線回折(XRD)パターンによって示される規則性のある細孔構造を備えた固有の結晶構造を有する。結晶構造は、異なる種の特徴を示す空洞や細孔を決める。
【0003】
SSZ−23は、交差する9および7員環の細孔で構成された独自の2次元チャネルシステムを有するモレキュラーシーブ材料である。SSZ−23は、国際ゼオライト協会構造委員会(Structure Commission of the International Zeolite Association)によってSTT構造型に指定されている。
【0004】
SSZ−23の組成および特徴的なXRDパターンは、N,N,N−トリアルキルアダマントアンモニウムカチオンの構造指向剤の存在下でのモレキュラーシーブの合成についても記載している、米国特許第4,859,442号明細書に開示されている。
【0005】
SSZ−23は、多様な触媒反応を包含する多くの工程で有用である。たとえば米国特許第4,902,844号明細書は、キシレン異性化反応における触媒としてのSSZ−23の使用を例示している;米国特許第4,952,744号明細書は、SSZ−23がガソリン沸点範囲の炭化水素を形成するための低級アルカノール、たとえばメタノールの変換における触媒として有用であることを開示している;米国特許第5,609,751号明細書および米国特許出願公開第2010/0160700号明細書は、SSZ−23がナフサを芳香族化合物に改質するための触媒として有用であり得ることを開示している;米国特許第7,641,787号明細書は、流動触媒クラッキング(FCC)再生器から出る煙道ガス流中のNO
xの還元における触媒としてのSSZ−23の使用を開示している;ならびに米国特許第7,858,059号明細書は、SSZ−23がエンジン排気の処理のための炭化水素トラップ内の吸着材として有用であることを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第4,859,442号明細書
【特許文献2】米国特許第4,902,844号明細書
【特許文献3】米国特許第4,952,744号明細書
【特許文献4】米国特許第5,609,751号明細書
【特許文献5】米国特許出願公開第2010/0160700号明細書
【特許文献6】米国特許第7,641,787号明細書
【特許文献7】米国特許第7,858,059号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら現在に至るまで、SSZ−23の商業的開発は、SSZ−23の合成に必要な構造指向剤が高コストであることによって妨げられてきたため、SSZ−23合成のための代替的な、より安価な手段を見出すことに大いに関心が寄せられている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一態様において、モレキュラーシーブSSZ−23を調製する方法であって、結晶化条件下で、(1)少なくとも1つの4価元素の酸化物の供給源;(2)少なくとも1つの3価元素の酸化物の供給源;(3)フッ化物イオン;(4)水、(5)少なくとも1つのN,N,N−トリアルキルアダマントアンモニウムカチオン;および(6)少なくとも1つのN,N’−ジアルキル−1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンジカチオンを含む反応混合物を接触させることを含む方法が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の用語は、明細書を通して使用され、別途指摘しない限り以下の意味を有する。
【0010】
「活性供給源」という用語は、反応することができ、モレキュラーシーブ構造に組み入れることができる形態の少なくとも1つの元素を供給できる試薬または前駆体物質を意味する。「供給源」および「活性供給源」は、本明細書において互換的に使用される。
【0011】
「周期表」は、2007年6月22日付けのIUPAC元素周期表の版を意味し、周期表の族のナンバリング方式は、Chemical and Engineering News、63(5),26−27(1985)に記載されている通りである。
【0012】
反応混合物
一般に、SSZ−23は、(a)(1)少なくとも1つの4価元素の酸化物の供給源;(2)少なくとも1つの3価元素の酸化物の供給源;(3)フッ化物イオン;(4)水;(5)少なくとも1つのN,N,N−トリアルキルアダマントアンモニウムカチオン;および(6)少なくとも1つのN,N’−ジアルキル−1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンジカチオンを含有する反応混合物を調製するステップ;ならびに(b)反応混合物を、モレキュラーシーブの結晶を形成するのに十分な条件下で維持するステップ;によって調製される。
【0013】
モレキュラーシーブが形成される反応混合物の組成は、モル比に関して、下記の表1に示される:
【表1】
ここでYは少なくとも1つの4価元素であり;Wは少なくとも1つの3価元素であり;Qは少なくとも1つのN,N,N−トリアルキルアダマントアンモニウムカチオンであってQ>0;ならびにAは少なくとも1つのN,N’−ジアルキル−1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンジカチオン(「ジアルキルDABCOジカチオン」)であってA>0である。N,N,N−トリアルキルアダマントアンモニウムカチオンおよびジアルキルDABCOジカチオンは、モレキュラーシーブの形成に有害でないいずれのアニオンでもあり得るアニオンと通例結合される。代表的なアニオンとしては、クロリド、ブロミド、ヨージド、ヒドロキシド、アセテート、サルフェート、テトラフルオロボレート、カルボキシレートなどが挙げられる。
【0014】
一実施形態において、4価元素Yは、ケイ素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、およびそれらの混合物から成る群より選択される。一下位実施形態において、Yはケイ素である。
【0015】
本明細書で有用な酸化ケイ素の供給源としては、フュームドシリカ、沈降性シリケート、シリカヒドロゲル、ケイ酸、コロイド状シリカ、テトラアルキルオルトシリケート(たとえばテトラエチルオルトシリケート)およびシリカヒドロキシドを挙げることができる。ゲルマニウムの有用な供給源としては、酸化ゲルマニウムおよびゲルマニウムエトキシドが挙げられる。
【0016】
一実施形態において、3価元素のWは、ホウ素(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、鉄(Fe)、およびそれらの混合物から成る群より選択される。一下位実施形態において、Wはホウ素、アルミニウム、およびそれらの混合物から成る群より選択される。別の下位実施形態において、Wはホウ素である。また別の下位実施形態において、Wはアルミニウムである。
【0017】
有用であり得る酸化ホウ素の供給源としては、ボロシリケートガラス、アルカリボレート、ボロン酸、ボレートエステルおよび特定のモレキュラーシーブが挙げられる。酸化ホウ素の供給源の非限定的な例としては、カリウムテトラボレート10水和物およびホウ素ベータモレキュラーシーブ(B−ベータモレキュラーシーブ)が挙げられる。
【0018】
本明細書で有用な酸化アルミニウムの供給源としては、アルミネート、アルミナおよびアルミニウム化合物、たとえばAlCl
3、Al
2SO
4、Al(OH)
3、カオリン粘土および他のゼオライトが挙げられる。ゲルマニウムおよび鉄は、これらのアルミニウムのカウンターパートに該当する形態で添加することができる。
【0019】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つのN,N,N−トリアルキルアダマントアンモニウムカチオン(Q)の、少なくとも1つのN,N’−ジアルキル−1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンジカチオン(A)に対するモル比は、少なくとも0.05(たとえば0.1から4、0.25から4または0.25から1)である。反応混合物中でのN,N’−ジアルキル−1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンジカチオンの使用により、モレキュラーシーブを生成するのに使用されるN,N,N−トリアルキルアダマントアンモニウムカチオンの量を低減することが可能となり、これにより大幅にコストが低減される。実際に、反応混合物中にN,N’−ジアルキル−1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンジカチオンを使用することによって、N,N,N−トリアルキルアダマントアンモニウムカチオンの量を、N,N’−ジアルキル−1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンジカチオンの不存在下でモレキュラーシーブの微孔容積を充填するのに必要とされるよりも低いレベルに、すなわちモレキュラーシーブを結晶化するのに必要とされるよりも少ない量に低減できることが見出された。
【0020】
一実施形態において、N,N,N−トリアルキルアダマントアンモニウムカチオンの構造指向剤は、以下の構造(1)によって表されるN,N,N−トリアルキル−1−アダマントアンモニウムカチオンである:
【化1】
式中、R
1、R
2およびR
3は、C
1−C
4アルキル基から成る群より独立して選択される。一下位実施形態において、R
1、R
2およびR
3はそれぞれメチル基である。
【0021】
別の実施形態において、N,N,N−トリアルキルアダマントアンモニウムカチオンの構造指向剤は、以下の構造(2)によって表されるN,N,N−トリアルキル−2−アダマントアンモニウムカチオンである:
【化2】
式中、R
4、R
5およびR
6は、C
1−C
4アルキル基から成る群より独立して選択される。一下位実施形態において、R
4、R
5およびR
6はそれぞれメチル基である。N,N,N−トリアルキルアダマントアンモニウムカチオンの構造指向剤は、構造(1)および(2)によって表される化合物の混合物であることが可能である。
【0022】
N,N’−ジアルキル−1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンジカチオンは、以下の構造(3)によって表される:
【化3】
式中、R
7およびR
8は、C
1−C
4アルキル基から成る群より独立して選択される。一実施形態において、R
7およびR
8はそれぞれメチル基である。
【0023】
フッ化物イオンの供給源は、合成混合物中でフッ化物イオンを放出できるいずれの化合物でもよい。このようなフッ化物イオンの供給源の非限定的な例としては、フッ化水素、フッ化アンモニウムおよびフッ化テトラアルキルアンモニウムアンモニウム(たとえばフッ化テトラメチルアンモニウム、フッ化テトラエチルアンモニウム)が挙げられる。
【0024】
反応混合物は、周期表の第1族および第2族の元素を実質的に含まないことが可能である。本明細書で使用する場合、「周期表の第1族および第2族の元素を実質的に含まない」および「周期表の第1族および第2族の元素の実質的に不存在下で」という用語は同義であり、第1族および第2族の元素が反応混合物には全く存在しないこと、または本明細書に記載するモレキュラーシーブの合成に対して、測定できる程度に満たない効果を有する、もしくは重要でない利点を付与する量で存在すること(たとえばNa
+は、反応物質の1つ以上の不純物として存在する)を意味する。周期表の第1族および第2族の元素を実質的に含まない反応混合物は通例、たとえば0から0.02未満の間(たとえば0≦M/T<0.01)のM/Tモル比を含有し、ここでMは周期表の第1族および第2族の元素を表し、T=Y+Wであり、ここで組成変数YおよびWは本明細書で上述した通りである(たとえばボロシリケートSSZ−23ではT=Si+B)。周期表の第1族および第2族の元素の実質的に不存在下で合成を行うことは、か焼のみを使用して合成生成物から触媒を生成できる、すなわち(アルカリまたはアルカリ土類カチオンを除去するための)イオン交換ステップが不要であるというという利点を有する。
【0025】
本明細書に記載する各実施形態では、1を超える供給源からモレキュラーシーブ反応混合物を供給することができる。また2つ以上の反応成分を1つの供給源から提供することができる。一例として、ボロシリケートモレキュラーシーブは、米国特許第5,972,204号明細書で教示されているように、ホウ素含有ベータモレキュラーシーブから合成することができる。
【0026】
反応混合物は、バッチ式または連続式のどちらかで調製することができる。モレキュラーシーブの結晶サイズ、結晶組織および結晶時間は、反応混合物の性質および結晶化条件によって変動することがある。
【0027】
結晶化および合成後処理
実際にモレキュラーシーブは、(a)本明細書で上述したように反応混合物を調製するステップ;および(b)モレキュラーシーブの結晶を形成するのに十分な結晶化条件で反応混合物を維持するステップ;によって生成される。
【0028】
反応混合物は、モレキュラーシーブの結晶が形成されるまで高温にて維持される。熱水結晶化は、反応混合物が125℃から200℃の間の温度にて自生圧力を受けるように、通常、圧力下にて、通常、オートクレーブ内で行う。
【0029】
結晶化ステップの間、反応混合物にマイルドなかき混ぜまたは撹拌を行うことができる。本明細書に記載するモレキュラーシーブが不純物、たとえばアモルファス物質、モレキュラーシーブに適合しない骨格トポロジーを有する単位格子および/または他の不純物(たとえば有機炭化水素)を含有し得ることは、当業者によって理解される。
【0030】
熱水結晶化ステップの間、モレキュラーシーブの結晶を反応混合物から自発的に核形成させることができる。モレキュラーシーブの結晶を核材料として使用することは、完全な結晶化が起こるために必要な時間を短縮するのに有利であり得る。核として使用する場合、核結晶は通例、反応混合物で使用される組成変数Yについて、供給源の重量の1%から10%の間の量で添加される。
【0031】
モレキュラーシーブ結晶がいったん形成されると、標準的な機械分離技法、たとえば濾過によって、固体生成物を反応混合物から分離することができる。結晶を水洗して、次に乾燥させて、合成したままのモレキュラーシーブ結晶を得る。乾燥ステップは大気圧にてまたは真空下で行うことができる。
【0032】
本明細書に記載する工程によって作製したモレキュラーシーブは、モル比に関して、合成した状態並びに無水状態で、下の表2に示すような組成を有し、ここで組成変数Y、W、QおよびAは本明細書において上述した通りである。
【表2】
【0033】
一下位実施形態において、本明細書に記載する工程によって作製したモレキュラーシーブは、モル比に関して、合成した状態並びに無水状態で、下の表3に示すような組成を有し、ここでQおよびAは本明細書で上述した通りである。
【表3】
【0034】
別の下位実施形態において、合成した状態のSSZ−23は20から1500(たとえば20から150)のSiO
2/Al
2O
3モル比を有する。
【0035】
SSZ−23は合成した状態で使用できるが、通例、モレキュラーシーブは熱処理(か焼)される。「合成した状態」という用語は、有機カチオン(QおよびA)の除去前の、結晶化後のモレキュラーシーブの形態にある、モレキュラーシーブを指す。有機カチオンは、(当業者がただちに決定できる)モレキュラーシーブから有機カチオンを除去するのに十分な温度にて、好ましくは酸化性雰囲気中で(たとえば空気、0kPaを超える酸素分圧を有するガス)中にて熱処理(たとえばか焼)によって除去することができる。有機カチオンは、米国特許第6,960,327号明細書に記載されているように、光分解技法(たとえばモレキュラーシーブから有機化合物を選択的に除去するのに十分な条件下で、可視光より短い波長を有する光または電磁放射にモレキュラーシーブ生成物を暴露すること)によって除去することもできる。
【0036】
続いて、モレキュラーシーブを蒸気、空気または不活性ガス中で、200℃から800℃の範囲に及ぶ温度にて、1から48時間の範囲に及ぶまたはそれ以上の期間にわたってか焼することができる。
【実施例】
【0037】
以下の例証的な実施例は、非限定的であることが意図される。
【実施例1】
【0038】
23mLテフロン(登録商標)カップ内でテトラエチルオルトシリケート2.9g(TEOS、14mmol SiO
2)をN,N,N−トリメチル−1−アダマントアンモニウムヒドロキシド(1.5mmol)の水溶液(1.27g)と合せ、続いてN,N’−ジメチルDABCOジヒドロキシド(3mmol)溶液(2.36g)を添加した。次にホウ酸(2mmol)およびNH
4F(4.5mmol)を添加した。最後にN,N,N−トリメチル−1−アダマントアンモニウムヒドロキシドが単独でSDAとして使用された先の合成による、ホウ素SSZ−23核結晶を添加した。カップを2日間密閉してTEOSを加水分解させ、水および生じたエタノールを蒸発させた。次にH
2O/SiO
2モル比を20に調整した。テフロン(登録商標)ライナーをかぶせて、Parrステンレス鋼オートクレーブ反応装置内に配置した。次にオートクレーブを乾燥器内の回転棒(43rpm)に固定して、160℃にて6日間加熱した。低温となった反応装置から真空濾過によって固体生成物を回収して、水洗いして真空乾燥器で120℃にて一晩乾燥させた。生成物は、粉末XRDによって決定された通り、SSZ−23であった。
【実施例2】
【0039】
ホウ素の半分をアルミニウム(試薬供給源としてのReheis F−2000アルミニウムヒドロキシド)に代えたことを除いて、実施例1の手順を反復した。生成物は、粉末XRDによって決定された通り、SSZ−23であった。
【実施例3】
【0040】
実施例2からの固体生成物をマッフル炉内で595℃まで1℃/分の速度にてか焼し、595℃にて5時間保持した。元素分析により、か焼生成物が42重量%のSi、1重量%のAlおよび0.5重量%のBを含有していることが示された。
【0041】
本明細書および添付された特許請求の範囲の目的のために、別途指摘しない限り、明細書および特許請求の範囲で使用した量、パーセンテージまたは割合および他のすべての数値は、すべての例において「約」という用語によって修飾されると理解すべきである。したがって、反対に指摘されていない限り、以下の明細書および添付された特許請求の範囲で述べる数値パラメータは、達成することが求められる所望の特性に応じて変化することがある概数である。本明細書および添付された特許請求の範囲で使用する場合、単数形「a」、「an」および「the」は、明示的および明確に1個の指示対象に限定されていない限り、複数の指示対象を包含することに留意されたい。本明細書で使用する場合、「包含する(include)」およびその文法的変形は、非限定的であることが意図され、したがって、リストの形で項目を列挙することは、リストされた項目に置き換えまたは加え得るようなその他の類似の項目を排除するためではない。本明細書で使用する場合、「含む(comprising)」という用語は、その用語に続いて示された要素またはステップを包含することであるが、このような要素またはステップのいずれも網羅的ではなく、一実施形態が他の要素またはステップを包含できることを意味する。
【0042】
別途規定しない限り、個々の成分または成分の混合物が選択され得る要素、物質または他の成分の属を列挙することは、リストされた成分およびそれらの混合物の考えられるあらゆる下位属の組合せを包含することが意図される。
【0043】
特許可能な範囲は請求項によって定義され、当業者が着想する他の実施例を包含することができる。このような他の実施例は、これらが特許請求の範囲の文言から異ならない構造要素を有するならば、またはこれらが特許請求の範囲の文言に対して本質的でない差を有する等価な構造要素を含有するならば、特許請求の範囲内であることを意図している。本明細書において参照した引用はすべて、本明細書と矛盾しない程度まで、参照により本明細書に組み入れられている。