特許第6076018号(P6076018)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6076018呼制御装置、登録処理方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6076018
(24)【登録日】2017年1月20日
(45)【発行日】2017年2月8日
(54)【発明の名称】呼制御装置、登録処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04M 3/00 20060101AFI20170130BHJP
【FI】
   H04M3/00 B
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-218419(P2012-218419)
(22)【出願日】2012年9月28日
(65)【公開番号】特開2014-72795(P2014-72795A)
(43)【公開日】2014年4月21日
【審査請求日】2015年8月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000102717
【氏名又は名称】エヌ・ティ・ティ・ソフトウェア株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】399041158
【氏名又は名称】西日本電信電話株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】399040405
【氏名又は名称】東日本電信電話株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】小井沼 和哉
(72)【発明者】
【氏名】川崎 圭一郎
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 雅和
(72)【発明者】
【氏名】山田 哲靖
(72)【発明者】
【氏名】村上 典男
(72)【発明者】
【氏名】四軒家 省三
(72)【発明者】
【氏名】実松 佳奈
【審査官】 山田 倍司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−013304(JP,A)
【文献】 特開2010−119018(JP,A)
【文献】 国際公開第2005/107183(WO,A1)
【文献】 特開2011−244192(JP,A)
【文献】 特開2010−268230(JP,A)
【文献】 特開2008−131157(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24− 7/26
H04L 12/00−12/28
12/44−12/955
H04M 3/00
3/16− 3/20
3/38− 3/58
7/00− 7/16
11/00−11/10
H04Q 3/58− 3/62
H04W 4/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の通信網に接続される第1の呼制御装置に対し、第2の通信網に接続される第2の呼制御装置が接続された通信システムにおける前記第2の呼制御装置として使用される呼制御装置であって、
端末から、当該端末の電話番号である端末電話番号と当該端末のアドレス情報である端末アドレス情報とを含む第1の登録メッセージを受信する受信手段と、
前記受信手段により受信した前記第1の登録メッセージにおける前記端末電話番号と前記端末アドレス情報とを登録情報格納手段に格納する登録処理手段と、
前記受信手段により受信した前記第1の登録メッセージにおける前記端末アドレス情報を、前記呼制御装置のアドレス情報に置き換えた第2の登録メッセージを作成するメッセージ作成手段と、
前記メッセージ作成手段により作成された前記第2の登録メッセージを前記第1の呼制御装置に送信する送信手段と、を備え、
前記第1の呼制御装置において、前記第2の登録メッセージにおける前記端末電話番号と前記呼制御装置のアドレス情報とが格納される
ことを特徴とする呼制御装置。
【請求項2】
前記第1の呼制御装置はSIPサーバとして機能するIP-PBXであり、前記呼制御装置はSIPサーバであることを特徴とする請求項1に記載の呼制御装置。
【請求項3】
第1の通信網に接続される第1の呼制御装置に対し、第2の通信網に接続される第2の呼制御装置が接続された通信システムにおける前記第2の呼制御装置として使用される呼制御装置が実行する登録処理方法であって、
端末から、当該端末の電話番号である端末電話番号と当該端末のアドレス情報である端末アドレス情報とを含む第1の登録メッセージを受信する受信ステップと、
前記受信ステップにより受信した前記第1の登録メッセージにおける前記端末電話番号と前記端末アドレス情報とを登録情報格納手段に格納する登録処理ステップと、
前記受信ステップにより受信した前記第1の登録メッセージにおける前記端末アドレス情報を、前記呼制御装置のアドレス情報に置き換えた第2の登録メッセージを作成するメッセージ作成ステップと、
前記メッセージ作成ステップにより作成された前記第2の登録メッセージを前記第1の呼制御装置に送信する送信ステップと、を備え、
前記第1の呼制御装置において、前記第2の登録メッセージにおける前記端末電話番号と前記呼制御装置のアドレス情報とが格納される
ことを特徴とする登録処理方法。
【請求項4】
コンピュータを、第1の通信網に接続される第1の呼制御装置に対し、第2の通信網に接続される第2の呼制御装置が接続された通信システムにおける前記第2の呼制御装置として使用される呼制御装置として機能させるプログラムであって、コンピュータを、
端末から、当該端末の電話番号である端末電話番号と当該端末のアドレス情報である端末アドレス情報とを含む第1の登録メッセージを受信する受信手段、
前記受信手段により受信した前記第1の登録メッセージにおける前記端末電話番号と前記端末アドレス情報とを登録情報格納手段に格納する登録処理手段、
前記受信手段により受信した前記第1の登録メッセージにおける前記端末アドレス情報を、前記呼制御装置のアドレス情報に置き換えた第2の登録メッセージを作成するメッセージ作成手段、
前記メッセージ作成手段により作成された前記第2の登録メッセージを前記第1の呼制御装置に送信する送信手段、として機能させるためのプログラムであり、
前記第1の呼制御装置において、前記第2の登録メッセージにおける前記端末電話番号と前記呼制御装置のアドレス情報とが格納される
ことを特徴とするプログラム
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、SIP(Session Initiation Protocol)によるIP電話通信に関わるものであり、特に呼制御装置に対して端末のアドレス情報を登録するREGISTER処理に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、SIPによるIP電話通信技術が普及している。SIPによるIP電話通信においては、IPネットワークに呼制御装置であるSIPサーバが配置され、SIPサーバを介して端末間でSIPメッセージの送受信を行うことにより、呼の確立等の呼制御を行う。
【0003】
呼の確立においては、まず、送信元端末がREGISTERメッセージをSIPサーバに送信し、端末の電話番号とアドレス情報をSIPサーバに登録する。宛先端末も同様に自身の番号とアドレス情報をSIPサーバに登録する。その後、送信元端末は宛先端末との呼接続を要求するINVITEメッセージをSIPサーバに送り、SIPサーバは、宛先端末の登録情報に基づいてINVITEメッセージを宛先端末に転送する。このような処理を含むメッセージの送受信が行われることで呼が確立され、送信元端末と宛先端末間で通話が可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−282115号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
IP電話技術が普及するとともに、従来のPBXに代えて、IP-PBXと呼ばれるSIPサーバを導入する企業が増えている。このSIPサーバによりIP電話通信による内線通話等が可能となる。
【0006】
また、図1に示すように、通信網1に接続されるIP-PBX等のSIPサーバ10に、通信網2に接続されるSIPサーバ20を接続することで、通信網1と通信網2をまたがっての内線通話や通信網2内での内線通話を可能とするサービスも検討されている。この場合、例えば、通信網1は、固定電話通信事業者により提供される通信網やLANであり、通信網2は、携帯電話事業者により提供される通信網やインターネットである。すなわち、通信網1にはビジネスホン等の端末が固定的に接続されるが、通信網2では、スマートフォン等の端末による接続及び切断が頻繁に生じる状況を想定している。
【0007】
図1に示す例では、SIPサーバ20は、SIPサーバ10から見てSIPサーバ10に接続される端末と同様の位置付けの装置であり、SIPサーバ10にREGISTERメッセージを送ることで自身をSIPサーバ10に登録する。
【0008】
SIPサーバ20からSIPサーバ10へのREGISTERメッセージには、SIPサーバ20のアドレス情報(SIPサーバ20に接続するためのIPアドレス、ポート番号等)と、SIPサーバ20配下に接続され得る複数の端末の電話番号とが含まれる。SIPサーバ20からSIPサーバ10へのREGISTERメッセージは、例えば、SIPサーバ20がSIPサーバ10に接続されるタイミングで送信される。
【0009】
また、SIPサーバ10に、SIPサーバ20のアドレス情報と、SIPサーバ20配下に接続され得る複数の端末の電話番号とを固定的に登録しておき、SIPサーバ20からSIPサーバ10へのREGISTER処理を行わない構成とすることも可能である。
【0010】
しかしながら、上記の技術では、SIPサーバ20に対して実際に端末のアドレス情報が登録されているか否かに関わらずに、SIPサーバ10に複数の端末が一括で登録されるため、例えば図2に示すような問題がある。
【0011】
図2に示すように、SIPサーバ10が、SIPサーバ10配下の端末100から、SIPサーバ20配下の端末200に対する呼接続を要求するINVITEメッセージを受信したとする(ステップ101)。ここで、SIPサーバ10には、端末200を含む複数端末の情報が登録されているが、SIPサーバ20には端末200のアドレス情報が登録されていないものとする。これは、例えば、通信網2が携帯電話網であって、端末200が通話可能圏外にいる場合等に相当する。
【0012】
このような場合、ステップ101でINVITEメッセージを受信したSIPサーバ10は、登録情報に従って、端末200へのINVITEメッセージをSIPサーバ20に転送する(ステップ102)。しかし、SIPサーバ20には、端末200のアドレス情報は登録されていないから、SIPサーバ20は、INVITEメッセージを端末200に転送することができず、エラー応答を返す(ステップ103、104)。
【0013】
上記の技術では、SIPサーバ10が、端末200がSIPサーバ20において未登録であることを認識せずに、INVITEメッセージを無駄にSIPサーバ20に送ることになるため、エラー応答を端末100へ送信するまでに時間がかかるとともに、余計なパケットを送信することになり、通信リソースを余計に消費することになってしまう。
【0014】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、第1の呼制御装置に第2の呼制御装置が接続されて構成される通信ネットワークにおいて、第2の呼制御装置の配下の個々の端末の状態を第1の呼制御装置にリアルタイムに反映させ、第1の呼制御装置が第2の呼制御装置の配下の端末の状態に応じて迅速に呼制御を行うことを可能とする技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記の課題を解決するために、本発明は、第1の通信網に接続される第1の呼制御装置に対し、第2の通信網に接続される第2の呼制御装置が接続された通信システムにおける前記第2の呼制御装置として使用される呼制御装置であって、
端末から、当該端末の電話番号である端末電話番号と当該端末のアドレス情報である端末アドレス情報とを含む第1の登録メッセージを受信する受信手段と、
前記受信手段により受信した前記第1の登録メッセージにおける前記端末電話番号と前記端末アドレス情報とを登録情報格納手段に格納する登録処理手段と、
前記受信手段により受信した前記第1の登録メッセージにおける前記端末アドレス情報を、前記呼制御装置のアドレス情報に置き換えた第2の登録メッセージを作成するメッセージ作成手段と、
前記メッセージ作成手段により作成された前記第2の登録メッセージを前記第1の呼制御装置に送信する送信手段と、を備え、
前記第1の呼制御装置において、前記第2の登録メッセージにおける前記端末電話番号と前記呼制御装置のアドレス情報とが格納される
ことを特徴とする呼制御装置として構成される。
【0016】
例えば、前記第1の呼制御装置はSIPサーバとして機能するIP-PBXであり、前記呼制御装置はSIPサーバである。
【0017】
また、本発明は、前記呼制御装置が実行する登録処理方法、及び、コンピュータを前記呼制御装置における各手段として機能させるためのプログラムとして構成することもできる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、第1の呼制御装置に第2の呼制御装置が接続されて構成される通信ネットワークにおいて、第2の呼制御装置の配下の個々の端末の状態を第1の呼制御装置にリアルタイムに反映させ、第1の呼制御装置が第2の呼制御装置の配下の端末の状態に応じて迅速に呼制御を行うことを可能とする技術を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明が解決しようとする課題を説明するための図である。
図2】本発明が解決しようとする課題を説明するための図である。
図3】本発明の実施の形態に係る通信システムの構成図である。
図4】本発明の実施の形態に係る呼制御装置Bの機能構成図である。
図5】本発明の実施の形態に係る通信システムの動作を説明するための図である。
図6】本発明の実施の形態に係る通信システムの動作を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。なお、以下で説明する実施の形態は一例に過ぎず、本発明が適用される実施の形態は、以下の実施の形態に限られるわけではない。
【0021】
(システム構成)
図3に本発明の実施の形態に係る通信システムの構成例を示す。図3に示すように、本実施の形態に係る通信システムは、通信網NAに接続されるIP-PBX等の呼制御装置Aに、通信網NBに接続される呼制御装置Bを接続した構成を有し、通信網NAと通信網NB間をまたがっての内線通話や通信網B内での内線通話を可能とする通信システムである。この通信システムにおいて、例えば、通信網NAは固定電話通信事業者により提供される網やLANであり、通信網NBは、携帯電話事業者により提供される携帯電話網やインターネット等である。図1の場合と同様に、通信網NAにはビジネスホン等の端末が固定的に接続されるが、通信網NBでは、スマートフォン等の端末による接続及び切断が頻繁に生じる状況が想定される。
【0022】
本実施の形態では、図3に示す呼制御装置Aと呼制御装置BはいずれもSIPにより呼制御を行うSIPサーバであるが、本発明を適用可能な呼制御プロトコルはSIPに限定されるわけではなく、呼制御装置Aと呼制御装置BはSIPサーバ以外の装置であってもよい。
【0023】
呼制御装置Bは、呼制御装置Aに接続される端末と同様の位置付けで呼制御装置Aに接続される装置であり、呼制御装置AにREGISTERメッセージを送ることで自身を呼制御装置Aに登録する。
【0024】
図4に、本実施の形態に係る呼制御装置Bの機能構成図を示す。なお、図4は、呼制御装置Bにおいて、特に本発明に関わる登録処理の部分を主に示すものであり、種々のSIPメッセージの送受信を適切に行うSIPサーバとして機能するための図示しない既存機能も含む。
【0025】
図4に示すように、本実施の形態に係る呼制御装置Bは、受信部31、端末確認部32、登録処理部33、メッセージ作成部34、送信部35、端末情報格納部36、登録情報格納部37を有する。
【0026】
受信部31は、端末から登録メッセージ(具体的にはSIPのREGISTERメッセージ)を受信する機能部である。端末情報格納部36には、呼制御装置Bへの接続を許可した端末の識別情報(本実施の形態では端末の内線番号等の電話番号)が予め格納されており、端末確認部32は、受信した登録メッセージに含まれる端末の電話番号と端末情報格納部36に格納された情報とを照合することで、登録メッセージの送信元端末が正当な端末かどうかを確認する機能を有する。なお、登録メッセージにパスワードを含め、パスワードも照合の対象として端末の正当性を確認してもよい。
【0027】
登録処理部33は、受信した登録メッセージに含まれる端末の電話番号と端末のアドレス情報(IPアドレスとポート番号等)とを対応付けて登録情報格納部37に格納する機能部である。例えば、呼制御装置Aを介して、着信のINVITEメッセージを呼制御装置Bが受信したときに、登録情報格納部37に格納された登録情報が参照され、登録情報に従った宛先にINVITEメッセージが転送される。メッセージ作成部34は、端末から受信した登録メッセージに含まれる電話番号と、呼制御装置Bのアドレス情報(IPアドレスとポート番号等)とを有する登録メッセージを作成する機能部である。なお、メッセージ作成部34は、端末から受信した登録メッセージにおいて、端末のアドレス情報を呼制御装置Bのアドレス情報に置き換えることで、送信する登録メッセージを作成してもよい。送信部35は、メッセージ作成部34により作成された登録メッセージを呼制御装置Aに送信する機能部である。
【0028】
本実施の形態に係る呼制御装置Bは、メモリ及びCPUを含むコンピュータ、もしくはコンピュータの構成を含む通信装置において、本実施の形態で説明する処理に対応するプログラムを実行させることにより実現可能である。当該プログラムは、可搬メモリ等の記憶媒体に格納して配布し、上記コンピュータにインストールして用いてもよいし、ネットワーク上のサーバからダウンロードして上記通信装置にインストールしてもよい。また、本実施の形態で説明する処理をハードウェア回路として実現し、当該ハードウェア回路により呼制御装置Bを実現してもよい。
【0029】
(システムの動作)
次に、図5のシーケンス図を参照して、本実施の形態に係る通信システムの動作例を説明する。以下の説明では、図4に示した機能部も適宜参照する。以下の動作は、呼制御装置Bに接続される端末Cが呼制御装置Bに登録メッセージを送信することにより登録を行い、その後、呼制御装置Aに接続される端末Dから端末Cに対して呼接続要求メッセージ(具体的にはINVITEメッセージ)が送信され、呼接続が行われる場合の例を示している。以下では端末Cの電話番号を電話番号C、端末Cのアドレス情報をアドレス情報C、呼制御装置Bのアドレス情報をアドレス情報Bと標記する。なお、図5には、登録メッセージに対する応答メッセージは図示していない。
【0030】
端末Cが、電話番号Cとアドレス情報Cを含む登録メッセージを呼制御装置Bに送信する(ステップ1)。呼制御装置Bにおいて、端末確認部32が端末情報格納部36を参照することにより、受信した登録メッセージに含まれる電話番号Cが端末情報格納部36に格納されているかどうかをチェックすることにより、端末Cが、呼制御装置Bに接続することを許された正当な端末であるかどうかを判定する(ステップ2)。本例では正当な端末であるとする。なお、もし、正当な端末でない場合は、例えば、エラーを返し、その後の処理を行わない。
【0031】
次に、呼制御装置Bの登録処理部33が、受信した登録メッセージに含まれる電話番号Cとアドレス情報Cを登録情報格納部37にこれらを対応付けて格納する(ステップ3)。そして、メッセージ作成部34が、電話番号Cとアドレス情報Bを有する登録メッセージを作成し、当該登録メッセージを送信部35により呼制御装置Aに送信する(ステップ4)。呼制御装置Aでは、通常のSIPの機能に基づいて、電話番号Cとアドレス情報Bとを対応付けて登録する。
【0032】
端末Cからの登録メッセージに起因して、呼制御装置Aと呼制御装置Bで登録が行われた後、端末Cから登録メッセージが定期的に送信され、上記と同様にして、呼制御装置Bは、端末Cから登録メッセージを受信したことに応じて、登録情報を更新し、呼制御装置Aに登録メッセージを送信し、呼制御装置Aは登録情報を更新する。呼制御装置Bと呼制御装置Aはそれぞれ、登録メッセージに設定された所定の期間、登録メッセージを受信しない場合に、登録メッセージで登録した登録情報を削除する。例えば、端末Cが携帯電話網に接続していた状態から、圏外に移動した場合、端末Cから登録メッセージを送信できなくなり、呼制御装置Bは端末Cからの登録メッセージを受信しなくなるとともに、呼制御装置Aも、端末Cの登録メッセージに起因する呼制御装置Bからの登録メッセージを受信しなくなる。これにより、呼制御装置Bと呼制御装置Aにおいてほぼ同時に、端末Cに関する登録情報が削除される。
【0033】
また、端末Cにおいて通話アプリを終了する等の操作が行われた場合に、登録情報を削除する要求を含むメッセージ(Unregister)が端末Cから送信される。上記の登録メッセージの場合と同様にして、このメッセージを受信した呼制御装置Bは、端末確認を行って、正当な端末であると判定したら、端末Cの登録情報を削除し、当該メッセージを呼制御装置Aに転送し、呼制御装置Aも端末Cの登録情報を削除する。
【0034】
図5のステップ5の後、端末Cの登録情報が登録された状態が継続している場合において、端末Dが宛先の電話番号を端末Cの電話番号である電話番号Cに設定した呼接続要求メッセージを呼制御装置Aに送信する(ステップ6)。呼制御装置Aは、登録情報に基づいて、電話番号Cに対応するアドレス情報Bを宛先として、呼接続要求メッセージを転送し、呼接続要求メッセージはアドレス情報Bを持つ呼制御装置Bに届く(ステップ7)。
【0035】
呼制御装置Bでは、登録情報に基づいて、電話番号Cに対応するアドレス情報Cを宛先として、呼接続要求メッセージを転送し、呼接続要求メッセージはアドレス情報Cを持つ端末に届く(ステップ8)。その後、応答メッセージが返される(ステップ9〜11)。これにより、端末Cと端末Dとの間に呼が確立し、通話が行われる(ステップ12)。
【0036】
図6は、図5に示すステップ5の後、例えば端末Cが圏外に移動したり、端末Cの電源を落としたりしたために、REGISTERメッセージの送信が中断して、呼制御装置Bと呼制御装置Aのそれぞれにおいて、端末Cに関する登録情報が削除された場合を示す。
【0037】
端末Cに関する登録情報が削除された後に、呼制御装置Aが、端末Dから宛先の電話番号を端末Cの電話番号である電話番号Cに設定した呼接続要求メッセージを受信したものとする(ステップ21)。この場合、呼制御装置Aは自分自身で、電話番号Cに対応するアドレス情報が登録されていないことを検知し、迅速にエラー応答を返すことができる(ステップ22)。
【0038】
以上、説明したように、本実施の形態によれば、IP-PBX等の呼制御装置Aにおける登録情報と、呼制御装置B配下の各端末の実際の状態とを同期させることができる。これにより、呼制御装置B配下の端末Cが通話圏外にいるような場合において、通信網Aから端末Cへの呼接続要求を受信した呼制御装置Aは、短時間で端末Cが未登録であることを把握でき、例えば、エラー応答送信や、予め設定された別の端末への転送等の呼制御を迅速に行うことが可能となる。また、余計なメッセージを送信することがないので、通信のリソースを無駄に使用することがなくなる。
【0039】
本発明は、上記の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲内において、種々変更・応用が可能である。
【符号の説明】
【0040】
1、2 通信網
10、20 SIPサーバ
NA、NB 通信網
A、B 呼制御装置
31 受信部
32 端末確認部
33 登録処理部
34 メッセージ作成部
35 送信部
36 端末情報格納部
37 登録情報格納部
図1
図2
図3
図4
図5
図6