(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第2電極と前記透光性導電層とはオーミック接触(ohmic contact)で連結され、前記第2電極と前記第2導電型半導体層とはショットキー接触(schottky contact)で連結される、請求項1に記載の発光素子。
前記第1電極は、前記第1導電型半導体層と電気的に接触する貫通電極を少なくとも一つ含み、前記貫通電極は、前記透光性絶縁層と前記透光性導電層と前記第2導電型半導体層及び前記活性層を貫通して形成される、請求項13又は14に記載の発光素子。
【背景技術】
【0002】
半導体の3-5族または2-6族化合物半導体物質を用いた発光ダイオード(Light Emitting Diode)やレーザーダイオードのような発光素子は、薄膜成長技術及び素子材料の開発によって赤色、緑色、青色及び紫外線などの様々な色を具現することができ、蛍光物質を用いたり、色を組み合わせることで効率の良い白色光線も具現可能であり、蛍光灯、白熱灯などの既存の光源に比べて低消費電力、半永久的な寿命、速い応答速度、安全性、環境親和性の長所を有する。
【0003】
したがって、これらの発光素子は、光通信手段の送信モジュール、LCD(Liquid Crystal Display)表示装置のバックライトを構成する冷陰極管(CCFL:Cold Cathode Fluorescence Lamp)を代替する発光ダイオードバックライト、蛍光灯や白熱電球を代替することができる白色発光ダイオード照明装置、自動車のヘッドライト及び信号灯にまで応用が拡大されている。
【0004】
発光素子は、第1導電型半導体層を通じて注入される電子と、第2導電型半導体層を通じて注入される正孔とが互いに結合して、活性層(発光層)をなす物質固有のエネルギーバンドによって決定されるエネルギーを有する光を放出する。発光素子パッケージにおいては、発光素子から放出された光によって蛍光体が励起されて、活性層から放出された光よりも長波長領域の光を放出することができる。
【0005】
図1は、従来の発光素子を示す図で、
図2は、
図1の発光素子の電極構造を示す図である。
【0006】
発光素子100は、基板110上に、バッファ層115を挟んで第1導電型半導体層122、活性層124及び第2導電型半導体層126を含む発光構造物120を配置する。
【0007】
基板110が非導電性物質からなる場合、第1導電型半導体層122の一部を露出させて、露出された面に第1電極150を配置する。そして、第2導電型半導体層126に正孔を均一に注入するために、第2導電型半導体層126上に透光性導電層を配置することができ、透光性導電層130上に第2電極160を配置することができる。
【0008】
図2は、第1電極と第2電極の構造を示している。それぞれの導電型半導体層に電子と正孔を均一に注入し、電子と正孔が結合する個数を増やすために、図示のように、第1電極150は、第1電極パッド152から第1枝電極154が分岐し、第2電極160は、第2電極パッド162から第2枝電極164が分岐している。
【0009】
しかし、従来の発光素子は、次のような問題点を有する。
【0010】
第2導電型半導体層126に、上述した第2枝電極164を配置するとしても、第2枝電極164と対応する第2導電型半導体層126の領域の周囲にのみ正孔などが集中し得るため、活性層124の全面積において電子と正孔の結合を期待するのが難しい。
【0011】
このような問題点を解決するために、正孔の分散効果が大きい透光性導電層130を第2導電型半導体層126上に配置することができるが、透光性導電層130は、電極材料との接触特性が悪いため、第2電極160と第2枝電極165の安定した配置に問題点がある。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、各実施形態を添付の図面を参照して説明する。
【0019】
本発明の実施形態の説明において、各構成要素の「上」または「下」に形成されると記載される場合において、「上」または「下」は、二つの構成要素が互いに直接接触したり、一つ以上の他の構成要素が前記二つの構成要素の間に配置されて形成されることを全て含む。また、「上」または「下」と表現される場合、一つの構成要素を基準に上側方向のみならず、下側方向の意味も含むことができる。
【0020】
図3は、発光素子の一実施形態を示す図で、
図4は、
図3の電極構造を示す図である。
【0021】
実施形態に係る発光素子200は、基板210上に、バッファ層215を挟んで第1導電型半導体層222、活性層224及び第2導電型半導体層226を含む発光構造物220が配置され、発光構造物220の上部に透光性導電層230と透光性絶縁層240が配置されている。
【0022】
透光性導電層230と透光性絶縁層240の一部がパターニングされて第2導電型半導体層226が露出され、露出された第2導電型半導体層226の表面に第2電極260が配置される。第2電極260の高さは、透光性絶縁層240の高さよりも高く配置される場合、ワイヤボンディング工程に有利である。
【0023】
第2電極260と対応する位置において、透光性導電層230と第2導電型半導体層226と活性層224を貫通して第1導電型半導体層222に貫通電極256が配置されている。貫通電極256の周縁には透光性絶縁層240が延びて配置されることで、貫通電極256が、透光性導電層230、第2導電型半導体層226または活性層224と電気的に接続されることを防止できる。
【0024】
貫通電極256は、透光性絶縁層240よりも深く第1導電型半導体層222内に挿入することができる。
【0025】
基板210は、半導体物質の成長に適した物質、キャリアウエハで形成することができる。熱伝導性に優れた物質で形成することができ、伝導性基板または絶縁性基板を含むことができる。例えば、サファイア(Al
20
3)、SiC、Si、GaAs、GaN、ZnO、Si、GaP、InP、Ge、Ga
20
3のうち少なくとも一つを使用することができる。本実施形態では、貫通電極256が配置されるので、基板210は絶縁性基板であればよい。基板210の表面にはパターンを形成して、活性層224から伝達される光の反射効率を高めることができる。
【0026】
バッファ層215は、基板210と導電型半導体層との間の材料の格子不整合及び熱膨張係数の差を緩和するためのものである。前記バッファ層215の材料は、3族-5族化合物半導体、例えば、GaN、InN、AlN、InGaN、AlGaN、InAlGaN、AlInNのうち少なくとも一つで形成することができる。
【0027】
第1導電型半導体層222は、半導体化合物で形成することができる。3族−5族、2族−6族などの化合物半導体で具現することができ、第1導電型ドーパントがドーピングされることができる。前記第1導電型半導体層222がn型半導体層である場合、前記第1導電型ドーパントは、n型ドーパントとして、Si、Ge、Sn、Se、Teを含むことができるが、これに限定されない。
【0028】
第1導電型半導体層222は、In
xAl
yGa
(1−x−y)N(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1)の組成式を有する半導体物質を含むことができる。第1導電型半導体層222は、GaN、InN、AlN、InGaN、AlGaN、InAlGaN、AlInN、AlGaAs、InGaAs、AlInGaAs、GaP、AlGaP、InGaP、AlInGaP、InPのいずれか一つ以上で形成することができる。
【0029】
活性層224は、第1導電型半導体層222を通じて注入される電子と、第2導電型半導体層226を通じて注入される正孔とが互いに結合して、活性層224をなす物質固有のエネルギーバンドによって決定されるエネルギーを有する光を放出する層である。
【0030】
活性層224は、二重接合構造(Double Hetero Junction Structure)、単一量子井戸構造、多重量子井戸構造(MQW:Multi Quantum Well)、量子細線(Quantum−Wire)構造、または量子ドット(Quantum Dot)構造のうち、少なくともいずれか一つで形成することができる。例えば、前記活性層224は、トリメチルガリウムガス(TMGa)、アンモニアガス(NH
3)、窒素ガス(N
2)、及びトリメチルインジウムガス(TMIn)が注入されて、多重量子井戸構造が形成されることができるが、これに限定されない。
【0031】
活性層224の井戸層/障壁層は、例えば、InGaN/GaN、InGaN/InGaN、GaN/AlGaN、InAlGaN/GaN、InAlGaN/InAlGaN、GaAs(InGaAs)/AlGaAs、GaP(InGaP)/AlGaPのいずれか一つ以上のペア構造で形成することができるが、これに限定されない。前記井戸層は、前記障壁層のバンドギャップよりも低いバンドギャップを有する物質で形成することができる。
【0032】
活性層224の上または/及び下には、導電型クラッド層(図示せず)を形成することができる。導電型クラッド層は、活性層224の障壁層のバンドギャップよりも広いバンドギャップを有する半導体で形成することができる。例えば、導電型クラッド層は、GaN、AlGaN、InAlGaNまたは超格子構造などを含むことができる。また、導電型クラッド層は、n型またはp型ドーパントでドーピングすることができる。
【0033】
活性層224上には第2導電型半導体層226が配置される。第2導電型半導体層226は半導体化合物で形成することができる。3族−5族、2族−6族などの化合物半導体で具現することができ、第2導電型ドーパントをドーピングすることができる。例えば、In
xAl
yGa
1−x−yN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1)の組成式を有する半導体物質を含むことができる。第2導電型半導体層226がp型半導体層である場合、前記第2導電型ドーパントは、p型ドーパントとして、Mg、Zn、Ca、Sr、Baなどを含むことができる。
【0034】
透光性導電層230はITOなどからなることができ、透光性絶縁層240はSiO
2またはSi
3N
4からなることができる。
【0035】
本実施形態では、絶縁性の基板210を使用するが、第1導電型半導体層222に電子を供給するために貫通電極256が配置されるので、第1導電型半導体層222の一部を露出させなくてもよい。
【0036】
第1電極250は、第1電極パッド252と第1枝電極254及び貫通電極256を含んでなり、第2電極260は、第2電極パッド262と第2枝電極264を含んでなることができる。第1電極250と第2電極260は、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、金(Au)のうち少なくとも一つを含み、単層または多層構造で形成することができる。
【0037】
第1電極250は、第1導電型半導体層222に電流を供給して、第1導電型半導体層222がn型半導体層である場合に電子を供給する。第1電極パッド252は、発光構造物220の縁領域に配置されて、発光構造物220から放出される光の光特性を低下させることがない。
【0038】
本実施形態において第1電極パッド252は、従来のように活性層224をエッチングして第1導電型半導体層222上に配置されるものではなく、透光性絶縁層240上に配置されるので、従来における活性層224のエッチングによる発光領域の損失の問題点を解決できる。
【0039】
第1電極パッド252は、透光性絶縁層240上に配置されるので、透光性導電層230や第2導電型半導体層226と電気的に遮断されることができる。
【0040】
第1枝電極254は、第1電極パッド252から分岐して透光性絶縁層240に配置されることができ、第1枝電極254から所定領域において貫通電極256が形成される。貫通電極256の大きさd
1は5〜10μmであればよい。ここで、‘大きさ’は、貫通電極256の断面が円形であれば直径を意味し、多角形であれば一辺の長さを意味する。第1枝電極254の幅d
2は、貫通電極256の大きさd
1の50%であればよい。
【0041】
本実施形態において、透光性導電層230と透光性絶縁層240がエッチングされて第2導電型半導体層226上に形成されたオープン領域に第2電極260が配置され、第2電極260が配置されるように透光性導電層230がオープンされる領域で透光性絶縁層240もオープンされて配置されることができる。第2電極260は、オープン領域を少なくとも一つ以上通りながら第2導電型半導体層226と電気的に接触し、オープン領域以外において透光性導電層230と接触することができる。
【0042】
上述した‘オープン領域'は、第2導電型半導体層226の表面が露出される露出部であり得る。そして、‘オープン領域'は、第1電極250に沿って一定の間隔で配置されると、発光構造物220の全面積に電流を供給することができ、特に、第1電極250の一部、すなわち、第1枝電極254及び/または貫通電極256を挟んでその両側に、上述した‘オープン領域’が配置されることができる。
【0043】
第2電極パッド262は、第1電極パッド252と対向して、発光構造物220の縁部と対応する位置に配置されて、発光構造物220の広い面積に電流を供給し、光効率を低下させることがない。
【0044】
第1枝電極254は、第1電極パッド252から第2電極パッド262に向かって配置されることができる。第2枝電極264は、第2電極パッド262から2方向に分岐して配置されることができ、本実施形態において、第1枝電極254の両側面にそれぞれ一つずつの第2枝電極264が第1電極、特に第1枝電極254を挟んで対向して配置されることができる。
【0045】
図5A乃至
図5Cは、
図4の‘A’領域を詳細に示す図で、
図6は、
図4の‘B'領域を詳細に示す図で、
図7Aは、
図3の第1電極と第2電極の位置関係を示す図で、
図7Bは、透光性導電層の構造を示す図で、
図7Cは、透光性絶縁層の構造を示す図である。
【0046】
上述したオープン領域において、第2枝電極264と第2導電型半導体層226とは直接接触して、電気的なコンタクト特性が向上することができるが、第2導電型半導体層226上に第2枝電極264が2個の曲線形状に配置されて、第2枝電極264と接触する第2導電型半導体層226にのみ正孔などの注入が集中することができる。
【0047】
本実施形態では、上述したオープン領域以外の領域において透光性導電層230が一部配置されている。すなわち、透光性導電層230は、上述したオープン領域において除去されるが、一部が、
図4及び
図5Aに示すようにライン形状に配置されることができる。
【0048】
上述したオープン領域において透光性導電層230が配置されると、透光性導電層230は、第2導電型半導体層226と第2枝電極264との間に配置されることができる。そして、オープン領域において透光性導電層230が連結される領域は、それぞれの第2枝電極264と第2導電型半導体層226との間で少なくとも一つ配置されることができる。図示された実施形態では、それぞれの第2枝電極264と第2導電型半導体層226との間で、透光性導電層230が連結される領域が3つずつ配置されている。
【0049】
図5Aに示すように、第2枝電極264は、第2導電型半導体層226と接触してコンタクト特性に優れ、一部の領域で透光性導電層230と接触して、点線で示したように正孔などが透光性導電層230を介して第2導電型半導体層226の全面積に供給されることができる。ここで、上述したコンタクト特性によって第2電極260と透光性導電層230とはオーミック接触(ohmic contact)で連結し、第2電極260とオープン領域とはショットキー接触(schottky contact)で連結することができる。第2電極のうち第2枝電極264が、透光性導電層230にポイントコンタクトしている。ここで、ポイントコンタクトするというのは、第2枝電極264が透光性導電層230と連続する領域で接触せずに、互いに離隔した一部の領域で接触することを意味し、
図5Aにおいて中央部分に示されたような幅を有する透光性導電層230と接触している。
【0050】
図5Aで、オープン領域の幅d
3は3μm〜5μmであればよい。幅d
3が狭すぎると第2電極260の配置が容易でなく、幅d
3が広すぎると透光性導電層230の面積が狭くなるため、第2導電型半導体層226への正孔供給効率が低下することがある。
【0051】
第2枝電極264の幅d
4は、2μm〜4μmであればよい。幅d
4が広すぎると活性層224から放出される光を遮断ないし吸収する面積が増加し、幅d
4が狭すぎると第2枝電極264の形成が容易でない。
【0052】
図5Bは、
図5AのH−H’方向での断面図であり、透光性導電層230が第2導電型半導体層226上の一部の領域で配置されるので、透光性導電層230が配置される領域では、第2枝電極264の高さがさらに高く配置されている。
【0053】
後述する第1枝電極254との配置関係のために、それぞれの第2枝電極264毎に透光性導電層230と連結される領域を少なくとも二つ配置することができる。第2枝電極264と第2導電型半導体層226の接触特性を考慮すると、第2導電型半導体層226と接触する第2枝電極264の面積は、透光性導電層230と連結される前記第2枝電極264の面積よりも広ければよい。
【0054】
そして、
図4に示すように、上述したオープン領域において、第2枝電極264と第2導電型半導体層226との間に透光性導電層230が連結される領域は、2個の枝電極264において互いに同一の位置に対応して配置されており、貫通電極256の配置について後述する。
【0055】
図5Cは、
図5AのG−G’方向での断面図であり、第2導電型半導体層226上に透光性導電層230が配置され、透光性導電層230上で中央領域には第2枝電極264が配置され、縁領域には透光性絶縁層240が配置されており、ここで、透光性導電層230は橋梁部であり得る。第2枝電極264の最高点の高さは、透光性絶縁層240の最高点の高さと同一に示しているが、さらに高くてもよい。
【0056】
図6で、第1枝電極254と貫通電極256の配置を詳細に示している。透光性絶縁層240上の一部領域で貫通ホールが形成され、貫通ホールは、透光性導電層230と第2導電型半導体層226と活性層224を貫通して第1導電型半導体層222に連結されている。
【0057】
上述した貫通ホール内に電極材料が挿入されて貫通電極をなすことができ、透光性絶縁層240上に配置された第1枝電極254と連結されている。貫通電極256は、透光性絶縁層240よりも深く第1導電型半導体層222内に挿入されて、電子が第1導電型半導体層222内に均一に注入されることができる。そして、透光性絶縁層240が、透光性導電層230から第2導電型半導体層226及び活性層224において貫通電極256の周縁に配置されることで、電子が第2導電型半導体層226などに注入されることを防止できる。すなわち、第1電極のうち貫通電極256は、第1導電型半導体層222にポイントコンタクトしている。
【0058】
上述した‘オープン領域'は、第2導電型半導体層226の表面が露出される露出部であり得る。そして、‘オープン領域'は、第1電極250に沿って一定の間隔で配置されると、発光構造物220の全面積に電流を供給することができる。
【0059】
図4において、透光性絶縁層240で透光性導電層230がオープンされる領域を第1パターンと呼ぶことができ、前記第1パターンは、上述した‘オープン領域'に該当する第1オープン部と、前記第1オープン部の間に配置された透光性導電層230である橋梁部とを含むことができる。このとき、上述した第1パターン内に第2電極260が橋梁部と接触して配置されることができる。
【0060】
透光性絶縁層240で第1電極250が配置される領域を第2パターンと呼ぶことができ、前記第2パターンは、透光性絶縁層240から透光性導電層230と第2導電型半導体層226と活性層224と第1導電型半導体層222に貫通ホールが形成される領域である第2オープン部を含むことができる。このとき、第1電極250は、前記第2オープン部を通じて透光性絶縁層240から第1導電型半導体層222と電気的に接続されることができる。
【0061】
図7Aには、第1枝電極254と貫通電極256と第2枝電極264などの位置関係が示されている。第1電極パッド252から第1枝電極254が一つのライン形状に配置され、第1枝電極254において三つの位置に貫通電極256が配置されており、貫通電極256の個数は2個以上であってもよい。
【0062】
第1電極パッド252に対向して第2電極パッド262が配置され、第2枝電極264が第2電極パッド262から分岐して、第1枝電極254の両側に配置されている。
【0063】
第2枝電極264において、‘I'と表示した領域は、透光性導電層230と電気的に接触する領域である。‘I'と表示した領域、すなわち、第2枝電極264と第2導電型半導体層226との間に透光性導電層230が連結される領域は、貫通電極256と重畳しないように配置される。
【0064】
このような配置によって、第1導電型半導体層222に注入された電子と第2導電型半導体層226に注入された正孔が互いに交差する領域に注入されて、活性層で電子と正孔の結合が全領域において均一に発生することができる。
【0065】
図7Bにおいて、透光性導電層230に形成された第1オープン部、橋梁部及び第3オープン部を第1パターンと呼ぶことができ、第1オープン部と橋梁部は第2電極と対応して配置され、第3オープン部は貫通電極と対応することができる。
【0066】
図7Cにおいて、透光性絶縁層240に形成された第2オープン部と第4オープン部を第2パターンと呼ぶことができ、第2オープン部は貫通電極に対応し、第4オープン部は第2電極と対応することができる。
【0067】
図8A乃至
図8Fは、発光素子の製造方法の一実施形態を示す図である。
【0068】
図8Aに示すように、基板210上にバッファ層215、発光構造物220及び透光性導電層230を成長させる。基板210上には凹凸構造を形成することができるが、これに限定しない。基板210に対して湿式洗浄を行い、表面の不純物を除去することができる。基板210とバッファ層215の組成は、上述した通りである。
【0069】
発光構造物内の各層の組成は、上述した通りであり、例えば、有機金属化学蒸着法(MOCVD;Metal Organic Chemical Vapor Deposition)、化学蒸着法(CVD;Chemical Vapor Deposition)、プラズマ化学蒸着法(PECVD;Plasma−Enhanced Chemical Vapor Deposition)、分子線成長法(MBE;Molecular Beam Epitaxy)、水素化物気相成長法(HVPE;Hydride Vapor Phase Epitaxy)などの方法を用いて形成することができるが、これに限定しない。
【0070】
透光性導電層230は、スパッタリングなどの方法で蒸着することができる。
【0071】
透光性導電層230の蒸着は、マスク280を第2導電型半導体層226上に配置した状態でなされることができ、マスク280が配置された領域において、第2導電型半導体層226上にオープン領域が形成される。該オープン領域は第2電極260が配置される領域である。
【0072】
そして、
図8Bに示すように貫通ホールを形成する。マスク280が配置されていない開口部から透光性絶縁層230と第2導電型半導体層226と活性層224を貫通して第1導電型半導体層222の一部の領域にまで貫通ホールが形成される。
図8Bでは、1個の貫通ホールをエッチングしているが、形成しようとする貫通ホールの数だけマスク280に開口部を形成できる。
【0073】
そして、
図8Cに示すように、透光性導電層230上に透光性絶縁層240を配置するが、スパッタリングなどの方法で蒸着することができる。このとき、蒸着材料が、上述した貫通ホールの内部にまで蒸着されることができる。そして、第2導電型半導体層226上で透光性導電層230が配置されていないオープン領域にはマスク280が配置されて、透光性絶縁層240が蒸着されずに第2導電型半導体層226が露出されるようにすることができる。
【0074】
そして、
図8Dに示すように、貫通ホールの底面において透光性絶縁層240をさらにエッチングして、第1導電型半導体層222の一部が露出されるようにする。
【0075】
そして、
図8Eに示すように、透光性絶縁層240の表面と貫通ホールに電極材料を注入して、第1枝電極254と貫通電極256を形成することができる。第1枝電極254と接触するように第1電極パッド252を形成することができる。
【0076】
そして、第2導電型半導体層226が露出された領域に、第2電極パッド262と第2枝電極264を形成することができる。
【0077】
図9は、発光素子が配置された発光素子パッケージの一実施形態を示す図である。
【0078】
実施形態に係る発光素子パッケージ300は、パッケージボディー310と、前記パッケージボディー310に設置された第1リードフレーム321及び第2リードフレーム322と、前記パッケージボディー310に設置されて、前記第1リードフレーム321及び第2リードフレーム322と電気的に接続される上述した発光素子200と、前記発光素子200の表面または側面を覆うモールディング部350とを含む。
【0079】
前記パッケージボディー310は、シリコン材質、合成樹脂材質、または金属材質を含んで形成されることができ、前記発光素子200の周囲に傾斜面を形成して光抽出効率を高めることができる。
【0080】
前記第1リードフレーム321及び第2リードフレーム322は互いに電気的に分離され、前記発光素子200に電源を提供する。また、前記第1リードフレーム321及び第2リードフレーム322は、前記発光素子200から発生した光を反射させて、光効率を増加させることができ、前記発光素子200から発生した熱を外部に排出させる役割を果たすこともできる。
【0081】
前記発光素子200は、上述した実施形態に係る発光素子であって、前記パッケージボディー310上に設置することができる。前記発光素子200は、前記第1リードフレーム321及び第2リードフレーム322とワイヤ340によりボンディングされているが、フリップチップ方式で電気的に接続されてもよい。本実施形態において発光素子200は、パッケージボディー310に接着層330により固定されている。
【0082】
モールディング部350は、前記発光素子200を取り囲んで保護することができる。また、モールディング部350には蛍光体360が含まれて、前記発光素子200から放出された光の波長を変化させることができる。
【0083】
実施形態に係る発光素子パッケージ300の内部に配置された発光素子200は、第2電極が第2導電型半導体層と接触してコンタクト特性に優れ、一部の領域で透光性導電層と第2電極が接触して、透光性導電層を介して第2導電型半導体層の全面積に正孔が供給され、第1電極が、上述した透光性導電層と重畳せずに貫通ホールの形状に配置されて、活性層の全領域において電子と正孔が結合して発光効率が上昇することができる。
【0084】
発光素子パッケージ300は、上述した実施形態に係る発光素子のうち、一つまたは複数搭載することができ、これに限定しない。
【0085】
実施形態に係る発光素子パッケージは、複数個が基板上にアレイされ、前記発光素子パッケージの光経路上に光学部材である導光板、プリズムシート、拡散シートなどを配置することができる。このような発光素子パッケージ、基板、光学部材は、ライトユニットとして機能することができる。更に他の実施形態は、上述した実施形態に記載された半導体発光素子または発光素子パッケージを含む表示装置、指示装置、照明システムで具現することができ、例えば、照明システムは、ランプ、街灯を含むことができる。以下では、上述した発光素子パッケージが配置された照明システムの一実施形態として、ヘッドランプとバックライトユニットを説明する。
【0086】
図10は、発光素子パッケージを含むヘッドランプの一実施形態を示す図である。
【0087】
実施形態に係るヘッドランプ400は、発光素子パッケージが配置された発光素子モジュール401から放出された光が、リフレクタ402とシェード403で反射された後、レンズ404を透過して車体の前方に向かうことができる。
【0088】
上述した通り、前記発光素子モジュール401に使用される発光素子は、第2電極が第2導電型半導体層と接触してコンタクト特性に優れ、一部の領域で透光性導電層と第2電極が接触して、透光性導電層を介して第2導電型半導体層の全面積に正孔が供給され、第1電極が、上述した透光性導電層と重畳せずに貫通ホールの形状に配置されて、活性層の全領域において電子と正孔が結合して発光効率が上昇することができる。
【0089】
図11は、発光素子パッケージを含む映像表示装置の一実施形態を示す図である。
【0090】
図示のように、本実施形態に係る映像表示装置500は、光源モジュールと、ボトムカバー510上の反射板520と、前記反射板520の前方に配置され、前記光源モジュールから放出される光を映像表示装置の前方にガイドする導光板540と、前記導光板540の前方に配置される第1プリズムシート550及び第2プリズムシート560と、前記第2プリズムシート560の前方に配置されるパネル570と、前記パネル570の前方に配置されるカラーフィルタ580とを含んでなる。
【0091】
光源モジュールは、回路基板530上の発光素子パッケージ535を含んでなる。ここで、回路基板530は、PCBなどを使用することができ、発光素子パッケージ535は、
図1で説明した通りである。
【0092】
ボトムカバー510は、映像表示装置500内の構成要素を収納することができる。反射板520は、本図面のように、別途の構成要素として設けてもよく、導光板540の後面や、前記ボトムカバー510の前面に反射度の高い物質でコーティングする形態で設けることも可能である。
【0093】
反射板520は、反射率が高く、超薄型で使用可能な素材を使用することができ、ポリエチレンテレフタレート(PolyEthylene Terephtalate;PET)を使用することができる。
【0094】
導光板540は、発光素子パッケージモジュールから放出される光を散乱させて、その光が液晶表示装置の画面の全領域にわたって均一に分布されるようにする。したがって、導光板530は、屈折率と透過率の良い材料からなり、ポリメチルメタクリレート(PolyMethylMethAcrylate;PMMA)、ポリカーボネート(PolyCarbonate;PC)、またはポリエチレン(PolyEthylene;PE)などで形成することができる。また、導光板540を省略すると、エアーガイド方式の表示装置を具現することができる。
【0095】
前記第1プリズムシート550は、支持フィルムの一面に、透光性且つ弾性を有する重合体材料で形成され、前記重合体は、複数の立体構造が反復して形成されたプリズム層を有することができる。ここで、複数のパターンは、図示のように、山と谷が反復形成されたストライプ状に備えることができる。
【0096】
前記第2プリズムシート560において、支持フィルムの一面の山と谷の方向は、前記第1プリズムシート550内の支持フィルムの一面の山と谷の方向と垂直をなすことができる。これは、光源モジュールと反射シートから伝達された光を前記パネル570の全方向に均一に分散させるためである。
【0097】
本実施形態において、前記第1プリズムシート550と第2プリズムシート560とが光学シートをなすが、前記光学シートは、他の組み合わせ、例えば、マイクロレンズアレイからなったり、または、拡散シートとマイクロレンズアレイとの組み合わせ、または、一つのプリズムシートとマイクロレンズアレイの組み合わせなど、からなることができる。
【0098】
前記パネル570は、液晶表示パネル(Liquid crystal display)が配置されることができるが、液晶表示パネル560の他に、光源を必要とする他の種類のディスプレー装置を備えることができる。
【0099】
前記パネル570は、ガラスボディーの間に液晶が位置し、光の偏光性を用いるために偏光板を両ガラスボディーに載せた状態となっている。ここで、液晶は、液体と固体の中間的な特性を有するが、液体のように流動性を有する有機分子である液晶が結晶のように規則的に配列された状態を有するものであって、前記分子配列が外部電界によって変化する性質を用いて画像を表示する。
【0100】
表示装置に使用される液晶表示パネルは、アクティブマトリックス(Active Matrix)方式であって、各画素に供給される電圧を調節するスイッチとしてトランジスタを使用する。
【0101】
前記パネル570の前面にはカラーフィルタ580が備えられ、前記パネル570から投射された光を、それぞれの画素毎に赤色と緑色及び青色の光のみを透過するので、画像を表現することができる。
【0102】
本実施形態に係る映像表示装置に配置された発光素子は、第2電極が第2導電型半導体層と接触してコンタクト特性に優れ、一部の領域で透光性導電層と第2電極が接触して、透光性導電層を介して第2導電型半導体層の全面積に正孔が供給され、第1電極が、上述した透光性導電層と重畳せずに貫通ホールの形状に配置されて、活性層の全領域において電子と正孔が結合して発光効率が上昇することができる。
【0103】
以上では、本発明の実施形態を中心に説明したが、これは単なる例示で、本発明を限定するものではなく、本発明の属する分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の実施形態の本質的な特性を逸脱しない範囲で、以上に例示していない様々な変形及び応用が可能であるということが理解できるだろう。例えば、実施形態に具体的に示された各構成要素を変形して実施することができる。そして、このような変形及び応用に関する差異点は、添付の特許請求の範囲で規定する本発明の技術的範囲に含まれるものとして解釈すべきである。