特許第6076118号(P6076118)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社谷沢製作所の特許一覧

<>
  • 特許6076118-ヘルメット及びヘルメットの収納方法 図000002
  • 特許6076118-ヘルメット及びヘルメットの収納方法 図000003
  • 特許6076118-ヘルメット及びヘルメットの収納方法 図000004
  • 特許6076118-ヘルメット及びヘルメットの収納方法 図000005
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6076118
(24)【登録日】2017年1月20日
(45)【発行日】2017年2月8日
(54)【発明の名称】ヘルメット及びヘルメットの収納方法
(51)【国際特許分類】
   A42B 3/08 20060101AFI20170130BHJP
【FI】
   A42B3/08
【請求項の数】7
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-26510(P2013-26510)
(22)【出願日】2013年2月14日
(65)【公開番号】特開2014-156661(P2014-156661A)
(43)【公開日】2014年8月28日
【審査請求日】2016年2月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000149930
【氏名又は名称】株式会社谷沢製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100098545
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 伸一
(74)【代理人】
【識別番号】100087745
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 善廣
(74)【代理人】
【識別番号】100106611
【弁理士】
【氏名又は名称】辻田 幸史
(72)【発明者】
【氏名】礒部 悦嗣
【審査官】 ▲高▼辻 将人
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭60−158451(JP,U)
【文献】 実公昭40−005431(JP,Y1)
【文献】 特開2007−154351(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A42B 1/00− 3/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属やプラスチック材などの硬質材で形成される帽体と、前記帽体の内周面に接続する一対の耳紐と、一方の前記耳紐に接続する一方の顎紐と、他方の前記耳紐に接続する他方の顎紐とを備え、
一方の前記顎紐の外面には、多数の硬質フック状突起からなる顎紐側フック面を有し、
他方の前記顎紐の外面及び内面には、多数の軟質ループ状突起からなる顎紐側ループ面を有し、前記顎紐側フック面と前記内面の前記顎紐側ループ面とを結合することで頭部への装着を行うヘルメットであって、
多数の軟質ループ状突起からなり、前記顎紐側フック面と結合可能なベルト側ループ面と、多数の硬質フック状突起からなり、前記外面の前記顎紐側ループ面と結合可能なベルト側フック面とを有する収納ベルトを備え、
前記収納ベルトを板材の上面に配置し、前記顎紐側フック面と前記ベルト側ループ面とを結合し、前記外面の前記顎紐側ループ面と前記ベルト側フック面とを結合して前記板材の下方に垂下させて収納することを特徴とするヘルメット。
【請求項2】
前記板材を椅子の座部としたことを特徴とする請求項1に記載のヘルメット。
【請求項3】
前記ベルト側ループ面と前記ベルト側フック面とを前記収納ベルトの一方の面に形成し、前記収納ベルトの他方の面を上にして、前記収納ベルトを前記板材の前記上面に配置することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のヘルメット。
【請求項4】
前記ベルト側ループ面の幅と前記ベルト側フック面の幅とが前記収納ベルトの幅よりも狭くしたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のヘルメット。
【請求項5】
前記ベルト側ループ面が前記ベルト側フック面よりも長くしたことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のヘルメット。
【請求項6】
金属やプラスチック材などの硬質材で形成される帽体と、前記帽体の内周面に接続する一対の耳紐と、一方の前記耳紐に接続する一方の顎紐と、他方の前記耳紐に接続する他方の顎紐とを備え、
一方の前記顎紐の外面には、顎紐側第1連結具を有し、
他方の前記顎紐の外面及び内面には、顎紐側第2連結具を有し、前記顎紐側第1連結具と前記内面の前記顎紐側第2連結具とを結合することで頭部への装着を行うヘルメットであって、
前記顎紐側第1連結具と結合可能なベルト側第2連結具と、前記外面の前記顎紐側第2連結具と結合可能なベルト側第1連結具とを有する収納ベルトを備え、
前記収納ベルトを板材の上面に配置し、前記顎紐側第1連結具と前記ベルト側第2連結具とを結合し、前記外面の前記顎紐側第2連結具と前記ベルト側第1連結具とを結合して前記板材の下方に垂下させて収納することを特徴とするヘルメット。
【請求項7】
ヘルメットと収納ベルトとを備えたヘルメットの収納方法であって、
前記ヘルメットは、
金属やプラスチック材などの硬質材で形成される帽体と、前記帽体の内周面に接続する一対の耳紐と、一方の前記耳紐に接続する一方の顎紐と、他方の前記耳紐に接続する他方の顎紐とを備え、
一方の前記顎紐には、多数の硬質フック状突起からなる顎紐側フック面を有し、
他方の前記顎紐には、多数の軟質ループ状突起からなる顎紐側ループ面を有し、
前記収納ベルトは、
多数の軟質ループ状突起からなり、前記顎紐側フック面と結合可能なベルト側ループ面と、多数の硬質フック状突起からなり、前記顎紐側ループ面と結合可能なベルト側フック面とを有し、
前記顎紐側フック面と前記顎紐側ループ面とを結合することで頭部への前記ヘルメットの装着を行い、
前記収納ベルトを板材の上面に配置し、前記顎紐側フック面と前記ベルト側ループ面とを結合し、前記顎紐側ループ面と前記ベルト側フック面とを結合して前記板材の下方に前記ヘルメットを垂下させて収納することを特徴とするヘルメットの収納方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属やプラスチック材などの硬質材で形成される帽体を備えたヘルメットに関する。
【背景技術】
【0002】
金属やプラスチック材などの硬質材で形成される帽体を備えたヘルメットは、帽体がかさばるため収納性に劣り、緊急災害時に用いるヘルメットとしては適していない。
例えば、多数者が存在する学校の教室では、この種のヘルメットを常備することは極めて少ない。仮にこの種のヘルメットを常備しても、机から離れた位置に設けた収納専用スペースに収納するため、緊急時に多数者が取り出すには適さず、返って混乱を引き起こしかねない。
なお、この種のヘルメットにおいて、装着者の顎に係止する一対のベルトに面ファスナーを設けることは既に知られている(特許文献1)。
また、特許文献2では、顎紐の両端に面ファスナーを用いている。
また、顎紐のずれを防止するために帯状のベルトを用いることを提案する特許文献3では、この帯状のベルトの両端に面ファスナーを用いている。
特許文献4では、ズボン裾止めバンドを、顎紐のない帽子に取り付けて使用することを提案している。
特許文献5では、帽子に脱着可能な肩掛け部片を備え、この肩掛け部片を用いることで帽子を肩掛けバッグやウエストポーチとして利用できることを提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実願昭62−19453号(実開昭63−127940号)の願書に添付した明細書及び図面の内容を撮影したマイクロフィルム(昭和63年8月22日特許庁発行)
【特許文献2】特開2004−162213号公報
【特許文献3】実願昭62−101998号(実開昭64−7231号)の願書に添付した明細書及び図面の内容を撮影したマイクロフィルム(昭和64年1月17日特許庁発行)
【特許文献4】実願昭56−95405号(実開昭58−4615号)の願書に添付した明細書及び図面の内容を撮影したマイクロフィルム(昭和58年1月11日特許庁発行)
【特許文献5】登録実用新案第3095726号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、生活空間の中で身近な場所に常備できるヘルメットを提案するものではない。
【0005】
本発明は、生活空間の中で身近な場所にヘルメットを常備でき、緊急災害時での着用率を高めることができるヘルメット、及びヘルメットの収納方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の本発明のヘルメットは、金属やプラスチック材などの硬質材で形成される帽体と、前記帽体の内周面に接続する一対の耳紐と、一方の前記耳紐に接続する一方の顎紐と、他方の前記耳紐に接続する他方の顎紐とを備え、一方の前記顎紐の外面には、多数の硬質フック状突起からなる顎紐側フック面を有し、他方の前記顎紐の外面及び内面には、多数の軟質ループ状突起からなる顎紐側ループ面を有し、前記顎紐側フック面と前記内面の前記顎紐側ループ面とを結合することで頭部への装着を行うヘルメットであって、多数の軟質ループ状突起からなり、前記顎紐側フック面と結合可能なベルト側ループ面と、多数の硬質フック状突起からなり、前記外面の前記顎紐側ループ面と結合可能なベルト側フック面とを有する収納ベルトを備え、前記収納ベルトを板材の上面に配置し、前記顎紐側フック面と前記ベルト側ループ面とを結合し、前記外面の前記顎紐側ループ面と前記ベルト側フック面とを結合して前記板材の下方に垂下させて収納することを特徴とする。
請求項2記載の本発明は、請求項1に記載のヘルメットにおいて、前記板材を椅子の座部としたことを特徴とする。
請求項3記載の本発明は、請求項1又は請求項2に記載のヘルメットにおいて、前記ベルト側ループ面と前記ベルト側フック面とを前記収納ベルトの一方の面に形成し、前記収納ベルトの他方の面を上にして、前記収納ベルトを前記板材の前記上面に配置することを特徴とする。
請求項4記載の本発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載のヘルメットにおいて、前記ベルト側ループ面の幅と前記ベルト側フック面の幅とが前記収納ベルトの幅よりも狭くしたことを特徴とする。
請求項5記載の本発明は、請求項1から請求項4のいずれか記載のヘルメットにおいて、前記ベルト側ループ面が前記ベルト側フック面よりも長くしたことを特徴とする。
請求項6記載の本発明のヘルメットは、金属やプラスチック材などの硬質材で形成される帽体と、前記帽体の内周面に接続する一対の耳紐と、一方の前記耳紐に接続する一方の顎紐と、他方の前記耳紐に接続する他方の顎紐とを備え、一方の前記顎紐の外面には、顎紐側第1連結具を有し、他方の前記顎紐の外面及び内面には、顎紐側第2連結具を有し、前記顎紐側第1連結具と前記内面の前記顎紐側第2連結具とを結合することで頭部への装着を行うヘルメットであって、前記顎紐側第1連結具と結合可能なベルト側第2連結具と、前記外面の前記顎紐側第2連結具と結合可能なベルト側第1連結具とを有する収納ベルトを備え、前記収納ベルトを板材の上面に配置し、前記顎紐側第1連結具と前記ベルト側第2連結具とを結合し、前記外面の前記顎紐側第2連結具と前記ベルト側第1連結具とを結合して前記板材の下方に垂下させて収納することを特徴とする。
請求項7記載の本発明のヘルメットの収納方法は、ヘルメットと収納ベルトとを備えたヘルメットの収納方法であって、前記ヘルメットは、金属やプラスチック材などの硬質材で形成される帽体と、前記帽体の内周面に接続する一対の耳紐と、一方の前記耳紐に接続する一方の顎紐と、他方の前記耳紐に接続する他方の顎紐とを備え、一方の前記顎紐には、多数の硬質フック状突起からなる顎紐側フック面を有し、他方の前記顎紐には、多数の軟質ループ状突起からなる顎紐側ループ面を有し、前記収納ベルトは、多数の軟質ループ状突起からなり、前記顎紐側フック面と結合可能なベルト側ループ面と、多数の硬質フック状突起からなり、前記顎紐側ループ面と結合可能なベルト側フック面とを有し、前記顎紐側フック面と前記顎紐側ループ面とを結合することで頭部への前記ヘルメットの装着を行い、前記収納ベルトを板材の上面に配置し、前記顎紐側フック面と前記ベルト側ループ面とを結合し、前記顎紐側ループ面と前記ベルト側フック面とを結合して前記板材の下方に前記ヘルメットを垂下させて収納することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、生活空間の中で身近な場所にヘルメットを常備でき、緊急災害時での着用率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施例によるヘルメットを一側方から見た斜視図
図2】同ヘルメットを他側方から見た斜視図
図3】同ヘルメットに用いる収納ベルトの一方の面と他方の面を示す平面図
図4】同ヘルメットの収納状態を示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の第1の実施の形態によるヘルメットは、多数の軟質ループ状突起からなり、顎紐側フック面と結合可能なベルト側ループ面と、多数の硬質フック状突起からなり、外面の顎紐側ループ面と結合可能なベルト側フック面とを有する収納ベルトを備え、収納ベルトを板材の上面に配置し、顎紐側フック面とベルト側ループ面とを結合し、外面の顎紐側ループ面とベルト側フック面とを結合して板材の下方に垂下させて収納するものである。本実施の形態によれば、頭部への装着を行うときに用いる顎紐側フック面を利用し、収納ベルトを用いて板材の下方に収納できる。従って、生活空間の中で身近な場所にヘルメットを常備でき、また装着も容易であるために緊急災害時でのヘルメットの着用率が高まる。
【0010】
本発明の第2の実施の形態は、第1の実施の形態によるヘルメットにおいて、板材を椅子の座部としたものである。本実施の形態によれば、例えば教室などの多数者が集まる場所において、各人の身近な場所にヘルメットを常備でき、ヘルメットを着用した緊急避難を可能にする。なお、本実施の形態によれば、硬質フック状突起からなる顎紐側フック面を顎紐の外面に設けているので、ヘルメットの装着時に硬質フック状突起が顎に触れることによる不快感を防止できる。
【0011】
本発明の第3の実施の形態は、第1又は第2の実施の形態によるヘルメットにおいて、ベルト側ループ面とベルト側フック面とを収納ベルトの一方の面に形成し、収納ベルトの他方の面を上にして、収納ベルトを板材の上面に配置するものである。本実施の形態によれば、収納ベルトの上面にはベルト側ループ面やベルト側フック面が形成されていないため、例えば、椅子の座部に垂下させて収納する場合には、ズボンやスカートに引っかかってヘルメットが落下することを防止できる。
【0012】
本発明の第4の実施の形態は、第1から第3の実施の形態によるヘルメットにおいて、ベルト側ループ面の幅とベルト側フック面の幅とが収納ベルトの幅よりも狭くしたものである。本実施の形態によれば、ベルト側ループ面とベルト側フック面との幅を狭くすることでコスト削減を図れるとともにベルト側ループ面やベルト側フック面に塵などの付着を少なくすることができる。
【0013】
本発明の第5の実施の形態は、第1から第4の実施の形態によるヘルメットにおいて、ベルト側ループ面がベルト側フック面よりも長くしたものである。本実施の形態によれば、ベルト側フック面を短くすることで、硬質フック状突起に触れることによる不快感を防止でき、ベルト側ループ面を長くすることで、異なる板材の幅に対応することができる。
【0014】
本発明の第6の実施の形態によるヘルメットは、顎紐側第1連結具と結合可能なベルト側第2連結具と、外面の顎紐側第2連結具と結合可能なベルト側第1連結具とを有する収納ベルトを備え、収納ベルトを板材の上面に配置し、顎紐側第1連結具とベルト側第2連結具とを結合し、外面の顎紐側第2連結具とベルト側第1連結具とを結合して板材の下方に垂下させて収納するものである。本実施の形態によれば、頭部への装着を行うときに用いる顎紐側第1連結具を利用し、収納ベルトを用いて板材の下方に収納できる。従って、生活空間の中で身近な場所にヘルメットを常備でき、また装着も容易であるために緊急災害時でのヘルメットの着用率が高まる。
【0015】
本発明の第7の実施の形態によるヘルメットの収納方法は、顎紐側フック面と顎紐側ループ面とを結合することで頭部へのヘルメットの装着を行い、収納ベルトを板材の上面に配置し、顎紐側フック面とベルト側ループ面とを結合し、顎紐側ループ面とベルト側フック面とを結合して板材の下方にヘルメットを垂下させて収納するものである。本実施の形態によれば、生活空間の中で身近な場所にヘルメットを常備でき、また装着も容易であるために緊急災害時でのヘルメットの着用率が高まる。
【実施例】
【0016】
以下本発明の実施例について図面とともに詳細に説明する。
図1は本発明の一実施例によるヘルメットを一側方から見た斜視図、図2は同ヘルメットを他側方から見た斜視図である。
【0017】
図1及び図2に示すように、ヘルメット10は、金属やプラスチック材などの硬質材で形成される帽体11と、装着者の頭部周囲を囲繞するヘッドバンド12と、帽体11の前頭部側に鍔部13とを備えている。帽体11の内部には、衝撃吸収用のライナー14と、このライナー14よりも頭部側にハンモック15とを備えている。また、ヘッドバンド12には、装着者の頭部に合わせてサイズを変更できるサイズ調整部材16を備え、このサイズ調整部材16は頭部側に配置される。
帽体11の両側部には、帽体11の内周面に両端を接続する一対の耳紐21、22を備えている。一方の耳紐21には一方の顎紐31の一端が接続され、他方の耳紐22には他方の顎紐32の一端が接続されている。
【0018】
なお、一方の顎紐31の一端、及び他方の顎紐32の一端は、それぞれループ部が形成され、このループ部によって一方の顎紐31は一方の耳紐21に、他方の顎紐32は他方の耳紐22に接続されている。従って、一方の顎紐31は一方の耳紐21に対して摺動でき、他方の顎紐32は他方の耳紐22に対して摺動できる。
耳紐21、22及び顎紐31、32は所定幅を有する帯状の紐である。
一方の耳紐21は、帽体11の側頭部前方に一端を連結し、帽体11の側頭部後方に他端を連結している。他方の耳紐22は、帽体11の側頭部前方に一端を連結し、帽体11の側頭部後方に他端を連結している。
【0019】
一方の顎紐31の外面には、多数の硬質フック状突起からなる顎紐側フック面(顎紐側第1連結具)41を有している。
他方の顎紐32の外面には、多数の軟質ループ状突起からなる顎紐側ループ面(顎紐側第2連結具)42aを有し、他方の顎紐32の内面には、多数の軟質ループ状突起からなる顎紐側ループ面(顎紐側第2連結具)42bを有している。
顎紐側フック面41と顎紐側ループ面42bとで面ファスナーを構成し、顎紐側フック面41と顎紐側ループ面42bとを結合することで頭部への装着を行うことができる。
【0020】
図3は本発明の一実施例によるヘルメットに用いる収納ベルトの一方の面と他方の面を示す平面図である。
収納ベルト50は、多数の軟質ループ状突起からなり、顎紐側フック面41と結合可能なベルト側ループ面(ベルト側第2連結具)51と、多数の硬質フック状突起からなり、外面の顎紐側ループ面42aと結合可能なベルト側フック面(ベルト側第1連結具)52とを有する。顎紐側フック面41とベルト側ループ面51とで面ファスナーを構成し、顎紐側ループ面42aとベルト側フック面52とで面ファスナーを構成する。
ベルト側ループ面51とベルト側フック面52とは収納ベルト50の一方の面50aに形成し、他方の面50bには形成しない。
【0021】
ベルト側ループ面51の幅とベルト側フック面52の幅とは収納ベルト50の幅よりも狭く、ベルト側ループ面51はベルト側フック面52よりも長くしている。
ベルト側ループ面51とベルト側フック面52との幅を狭くすることでコスト削減を図れるとともにベルト側ループ面51やベルト側フック面52に塵などの付着を少なくすることができる。
また、ベルト側フック面52を短くすることで、硬質フック状突起に触れることによる不快感を防止でき、ベルト側ループ面51を長くすることで、異なる板材の幅に対応することができる。
【0022】
図4は本発明の一実施例によるヘルメットの収納状態を示す斜視図である。
本実施例では、板材を椅子の座部60としている。
本実施例によるヘルメット10は、収納ベルト50を板材である座部60の上面に配置し、顎紐側フック面41とベルト側ループ面51とを結合し、外面の顎紐側ループ面42aとベルト側フック面52とを結合して座部60の下方に垂下させて収納する。収納ベルト50は、他方の面50bを上にして、収納ベルト50を座部60の上面に配置する。
収納ベルト50の他方の面50bにはベルト側ループ面51やベルト側フック面52が形成されていないため、例えば、椅子の座部60に垂下させて収納する場合には、ズボンやスカートに引っかかってヘルメット10が落下することを防止できる。
【0023】
以上のように本実施例によれば、顎紐側フック面41と顎紐側ループ面42bとを結合することで頭部へのヘルメット10の装着を行い、収納ベルト50を座部60の上面に配置し、顎紐側フック面41とベルト側ループ面51とを結合し、顎紐側ループ面42aとベルト側フック面52とを結合して座部60の下方にヘルメット10を垂下させて収納することができる。従って、生活空間の中で身近な場所にヘルメット10を常備でき、また装着も容易であるために緊急災害時でのヘルメット10の着用率が高まる。
また本実施例によれば、頭部への装着を行うときに用いる顎紐側フック面41を利用し、収納ベルト50を用いて座部60の下方に収納できる。
【0024】
以上のように、例えば教室などの多数者が集まる場所において、各人の身近な場所にヘルメット10を常備でき、ヘルメット10を着用した緊急避難を可能にする。なお、本実施例によれば、硬質フック状突起からなる顎紐側フック面41を顎紐31の外面に設けているのでヘルメット10の装着時に硬質フック状突起が顎に触れることによる不快感を防止できる。
【0025】
なお、本実施例では、顎紐側第1連結具を顎紐側フック面41、顎紐側第2連結具を顎紐側ループ面42a、42b、ベルト側第1連結具をベルト側フック面52、ベルト側第2連結具をベルト側ループ面51として説明したが、例えば、顎紐側第1連結具を顎紐側フック面41に代えて顎紐側オスカン金具(雄側ホック)、顎紐側第2連結具を顎紐側ループ面42a、42bに代えて顎紐側メスカン金具(雌側ホック)、ベルト側第1連結具をベルト側フック面52に代えてベルト側オスカン金具(雄側ホック)、ベルト側第2連結具をベルト側ループ面51に代えてベルト側メスカン金具(雌側ホック)とすることもできる。このように、雄側ホックと雌側ホックとを用いる場合には、雌側ホックを所定間隔で複数段設けることが好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本発明のヘルメットは、建築作業や土木作業などの工事現場における頭部保護用のヘルメット、オートバイなどの車両用のヘルメットにも適用できるが、特に火災や地震などの震災時における頭部防護用のヘルメットとして適している。
【符号の説明】
【0027】
10 ヘルメット
11 帽体
21、22 耳紐
31、32 顎紐
41 顎紐側フック面(顎紐側第1連結具)
42a 顎紐側ループ面(顎紐側第2連結具)
42b 顎紐側ループ面(顎紐側第2連結具)
50 収納ベルト
50a 一方の面
50b 他方の面
51 ベルト側ループ面(ベルト側第2連結具)
52 ベルト側フック面(ベルト側第1連結具)
60 座部
図1
図2
図3
図4