(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
流体入口と、前記流体入口に接続する第一流路と、前記第一流路に接続する螺旋流路と、前記螺旋流路から分岐する複数の分岐流路と、前記複数の分岐流路が各々接続する第二流路と、前記第一流路と前記第二流路とを連通し、前記第一流路と前記第二流路の各々の内径よりも小さな内径を有する連通流路と、前記第二流路に接続する流体出口と、を有し、
前記第一流路、前記第二流路および前記連通流路は、互いに同軸上に配置される直線形流路であり、
前記複数の分岐流路は、前記螺旋流路の流れ方向における互いに異なる位置から各々分岐し、前記螺旋流路から分岐した前記複数の分岐流路は、前記第二流路の流れ方向における互いに異なる位置において前記第二流路と各々接続することを特徴とする、
流体混合器。
前記第一流路、前記第二流路、前記連通流路および前記分岐流路がそれぞれ内部に設けられるとともに、外周面に前記第一流路と前記分岐流路と連通する螺旋溝が形成された本体部と、
前記本体部の外周面と嵌合して、前記螺旋溝とともに前記螺旋流路を形成する内周面を有する筐体と、
を備えることを特徴とする、
請求項1に記載の流体混合器。
前記第二流路、前記連通流路および前記分岐流路がそれぞれ内部に設けられるとともに、前記分岐流路に連通し、外周面に前記連通流路側の端面を起点とした螺旋溝が形成された本体部と、
一端部に前記第一流路が設けられるとともに、前記本体部の外周面と嵌合して、前記螺旋溝とともに前記螺旋流路を形成する内周面を有する筐体と、
を備えることを特徴とする、
請求項1に記載の流体混合器。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記従来のスタティックミキサーを用いた流体の混合方法は、流れてくる流体を流れに沿って撹拌する構成であるため
図14(a)に示すように配管の径方向Ddの濃度分布をムラなく均一化することはできるが、
図14(b)に示すように軸方向(流れ方向)Fdの濃度分布をムラなく均一化することはできない。そのため、例えば、スタティックミキサーの上流側で水と薬液を混合させて流す時、薬液の混合比が一時的に増加した場合には流路内で部分的に薬液の濃度が濃い状態でスタティックミキサーを通過する。このとき、径方向Ddで均一化されるように水と薬液は撹拌されても、軸方向(流れ方向)Fdにおいては流路内で部分的に濃度が濃くなった箇所はほとんど希釈されることなく濃い状態のまま下流側へ流れてしまう(
図14(b)参照)。これにより、半導体洗浄装置、特に半導体ウエハの表面に直接薬液を塗布して各種の処理を行うような装置に接続された場合、濃度の異なる薬液が半導体ウエハの表面に塗布されて不良品の原因となる問題があった。
【0005】
この軸方向(流れ方向)の濃度分布のムラを回避する方法としては、流路の途中でタンクを設置してタンク内に流体を一旦貯めてタンク内の濃度を均一化させた後で流体を流す方法(図示せず)などが挙げられる。しかしながら、タンクを設置するには広いスペースが必要となり装置が大きくなる問題や、タンクから再び流体を輸送するにはポンプ、配管などが必要となるため、使用する部材の点数が多くなるという問題や、配管ラインを施工するためのコストが発生するという問題があった。また、この方法ではタンク内で流体が滞留する。流体が滞留するとバクテリアの発生原因となり、タンク内で発生したバクテリアが配管ラインに流れ込み、半導体製造ラインにおいては半導体ウエハに付着して不良品の原因となる問題があった。
【0006】
本発明の目的は、以上のような従来技術の問題点に鑑みなされたものであり、流体の流れ方向の濃度分布や温度分布をムラなく均一化して混合すると共に撹拌できる、コンパクトな構成の流体混合器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明によれば、流体入口と、前記流体入口に接続する第一流路と、前記第一流路に接続する螺旋流路と、前記螺旋流路から分岐する複数の分岐流路と、前記複数の分岐流路が各々接続する第二流路と、前記第一流路と前記第二流路とを連通
し、前記第一流路と前記第二流路の各々の内径よりも小さな内径を有する連通流路と、前記第二流路に接続する流体出口と、を有し、
前記第一流路、前記第二流路および前記連通流路は、互いに同軸上に配置される直線形流路であり、前記複数の分岐流路は、前記螺旋流路の流れ方向における互いに異なる位置から各々分岐し、前記螺旋流路から分岐した前記複数の分岐流路は、前記第二流路の流れ方向における互いに異なる位置において前記第二流路と各々接続することを特徴とする流体混合器が提供される。
【0008】
すなわち、請求項1の発明では、流体混合器より上流側を流れる流路内で、薬液の濃度が一時的に濃くなったり薄くなったりした状態でも、流体の流れ方向の濃度分布をムラなく均一化して混合でき、濃度の安定した流体の供給が可能であり、各種分野における薬液濃度の変化による不良の発生を防止できる。
また、請求項1の発明では、第一流路と第二流路と連通流路が同軸上に配置されているので、流体の圧力損失を抑えることができ、流体が第一流路から連通流路を経て第二流路に円滑に流入することができる。
【0009】
請求項2の発明によれば、前記第一流路、前記第二流路、前記連通流路および前記分岐流路がそれぞれ内部に設けられるとともに、外周面に前記第一流路と前記分岐流路と連通する螺旋溝が形成された本体部と、前記本体部の外周面と嵌合し、前記螺旋溝とともに前記螺旋流路を形成する内周面を有する筐体とを備
えることを特徴とする請求項1に記載の流体混合器が提供される。
【0010】
すなわち、請求項2の発明では
、流体が第一流路から連通流路を経て第二流路に円滑に流入することができるので、連通流路を経て第二流路に流入した流体を、螺旋流路から分岐流路を経て第二流路に流入した流体よりも早く、流体出口から排出することができる。それによって、連通流路を経て第二流路に流入する流体が流体混合器から排出される時間と、螺旋流路から分岐流路を経て第二流路に流入する流体が流体混合器から排出される時間との時間差を大きくすることができ、より効果的に流れ方向の濃度分布をムラなく均一化することができる。また、流体混合器を少ない部品点数でコンパクトに形成することができる。
【0011】
請求項3の発明によれば、前記第二流路、前記連通流路および前記分岐流路がそれぞれ内部に設けられるとともに、前記分岐流路に連通し外周面に前記連通流路側の端面を起点とした螺旋溝が形成された本体部と、一端部に前記第一流路が設けられるとともに、前記本体部の外周面と嵌合して、前記螺旋溝とともに前記螺旋流路を形成する内周面を有する筐体とを備
えることを特徴とする請求項1に記載の流体混合器が提供される。
【0012】
すなわち、請求項3の発明では、第一流路を流れる流体の流れ方向を大きく変化させることなく、流体を螺旋流路に導くことができるので、流体が螺旋流路に流入するときの圧力損失を抑えることができ、流体を第一流路から螺旋流路に円滑に流入させることができる。それによって、第一流路を流れる流体が第一流路と同軸上に配置された連通流路に偏って流入するのを防ぐことができるので、第一流路を流れる流体を連通流路に流入する流体と分岐流路に流入する流体にバランスよく分けることができる。
【0013】
請求項4の発明によれば、前記螺旋溝が、前記本体部の外周面に複数設けられ、各々の螺旋溝が周方向に互いに位相をずらして形成され、複数の螺旋溝のうち少なくともひとつの螺旋溝の長さが他の螺旋溝の長さよりも短く形成されるとともに、前記長さの短い螺旋溝がその終端において他の螺旋溝に合流していることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の流体混合器が提供される。
【0014】
すなわち、請求項4の発明では、螺旋溝の数が増えることによって、螺旋溝の側壁の数が増えるので、本体部外周面と筺体内周面とが当接する部分を増加させることができ、螺旋溝の側壁の破損の防止や本体部を筺体に安定して配置することができる。特に、筺体に本体部を嵌合させるときに、本体部の先端部分を筺体に突き当てて位置決めするような場合は効果的である。また、螺旋流路の数が増えることによって、螺旋流路ごとに流路断面積や流路断面形状、接続する分岐流路の数などの設計をすることができるので、流体混合器としての設計の自由度が向上する。また、複数の螺旋流路を合流させることによって、異なる螺旋流路を流れていた流体同士を衝突させることができ、流体の混合を促進することができる。
【0015】
請求項5の発明によれば、前記螺旋溝の幅が、前記流体入口側から前記流体出口側に向かって徐々に広くなるように形成されていることを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれか1項に記載の流体混合器が提供される。
【0016】
すなわち、請求項5の発明では、螺旋流路の下流側の流路断面積が小さくなりすぎないようにすることができる。螺旋流路を流れる流体は下流に近づくにつれて流量が減少することから、螺旋流路の下流側の流路断面積が小さくなりすぎないようにすることで、螺旋流路を流れる流体の流速を下流に近づくにつれて抑えることができる。それによって、螺旋流路を流れる流体が分岐流路に到達するまでの時間を下流に近づくにつれて遅くするように制御することができるので、それぞれの分岐流路を経て第二流路に流入した流体が流体混合器から排出されるまでの時間の時間差を大きくすることができ、より効果的に流れ方向の濃度分布をムラなく均一化することができる。
【0017】
請求項6の発明によれば、前記第二流路の流路断面積が、前記流体入口側から前記流体出口側に向かって徐々に大きくなるように形成されるとともに、複数の前記分岐流路が前記第二流路に合流するそれぞれの合流部における前記第二流路の流路断面積が、それぞれの前記合流部に至るまでに前記第二流路に合流した前記分岐流路の前記合流部における流路断面積と前記連通流路の流路断面積との和の面積以下であることを特徴とする請求項2乃至請求項5のいずれか1項に記載の流体混合器。
【0018】
すなわち、請求項6の発明では、連通流路および分岐流路から第二流路に流入した流体の流速を増加させることができるので、流体を速やかに流体混合器から排出することができる。従って、連通流路を経て第二流路に流入した流体と、それぞれの分岐流路を経て第二流路に流入したそれぞれの流体とが、流体混合器から排出されるまでの時間差を大きくすることができ、より効果的に流れ方向の濃度分布をムラなく均一化することができる。
【0019】
請求項7の発明によれば、請求項1〜6のいずれか1項に記載の流体混合器と、前記流体混合器に複数の異種流体を合流して導く流路を形成する流路形成手段とを備えることを特徴とする流体混合器を用いた装置。
【0020】
すなわち、請求項7の発明では、上述の流体混合器と前記流路形成手段とを備えることにより、多用な異種流体を混合する装置を形成することができる。
【発明の効果】
【0021】
請求項1乃至請求項6に記載の発明によれば、流体混合器より上流側を流れる流路内で、薬液の濃度が一時的に濃かったり薄かったりした場合でも、流体の流れ方向の濃度分布をムラなく均一化して混合でき、濃度の安定した流体の供給が可能であり、各種分野における薬液濃度の変化による不良の発生を防止できる流体混合器を提供することができる。
【0022】
請求項7に記載の発明によれば、さらに、多様な異種流体を混合する装置を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態について図面に示す実施例を参照して説明するが、本発明が本実施形態に限定されないことは言うまでもない。
【0025】
−第一の実施形態−
以下、
図1〜4を参照して、本発明の第一の実施形態である流体混合器について説明する。
図1は、第一の実施形態に係る流体混合器の概略構成を示す斜視図である。この流体混合器は、異種流体を混合するための混合流路10を有する。混合流路10は、例えばPFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合樹脂)製のチューブにより形成される。なお、金属配管等、他の材質により混合流路10を形成することもできる。
【0026】
混合流路10は、流体の流入する流体入口5と、流体入口5が一端部に設けられた第一流路1と、流体の流出する流体出口6と、流体入口5の反対側端部に流体出口6が設けられた第二流路3と、第一流路1と第二流路3とを最短距離で連通しかつこれらよりも内径が小さくされている連通流路7と、第一流路1と第二流路3と連通流路7とを螺旋の中心軸にしてこれらの周囲に同心状に配設される螺旋流路2と、第二流路3と螺旋流路2とを複数個所で連通する複数の分岐流路4a〜4eとを有する。
【0027】
第一流路1と第二流路3と連通流路7は、同軸上に配設された直線形流路である。螺旋流路2の一端部には第一流路1が接続している。螺旋流路2の途中には第二流路3に各々接続する、略直線状、すなわち直線状もしくはほぼ直線状の、5つの分岐流路4a〜4eが設けられている。各分岐流路4a〜4eは、第二流路3からその流れ方向に対して略垂直、すなわち垂直もしくはほぼ垂直に分岐されかつ延設され、流体出口6側から最も近い場所に位置する分岐流路4eは螺旋流路2の他端部に接続して設けられている。すなわち、複数の分岐流路4a〜4eは、螺旋流路2の流れ方向における互いに異なる位置から各々分岐し、第二流路3の流れ方向における互いに異なる位置において第二流路3と各々接続している。
【0028】
次に、本発明の第一の実施形態である流体混合器の作用について説明する。
【0029】
流体混合器の上流側で水と薬液を混合させ、一時的に薬液の濃度が濃い状態で流した時、流路内で部分的に濃度が濃い状態で流れる薬液は、流体入口5から第一流路1に流入して下流側に流れていく。流体の薬液の濃度が濃い部分が第一流路1の連通流路7の接続した箇所を流れた時点で、その一部が連通流路7を流れて第二流路3を通って流体出口6へと流れる。ここで、連通流路7の内径が第一流路1の内径よりも小さくなるように形成すると、第一流路1から流れてきた流体を連通流路7と螺旋流路2にバランスよく分けることができる。
【0030】
残りの薬液は螺旋流路2に流れて行き、螺旋流路2の分岐流路4aが接続されている箇所を流れた時点で、その一部が分岐流路4aを流れて第二流路3を通って流体出口6へと流れる。残りの薬液は螺旋流路2の下流側へ流れて行き、さらに部分的に濃度が濃い状態で流れる残りの薬液が分岐流路4bの接続した箇所を流れた時点で、その一部が分岐流路4bを流れて第二流路3を通って流体出口6へと流れる。残りの薬液は螺旋流路2の下流側へ流れて行き、さらに部分的に濃度が濃い状態で流れる残りの薬液は、分岐流路4bを流れた薬液と同様に分岐流路4cの接続した箇所を流れた時点で、その一部が分岐流路4cを流れて第二流路3を通って流体出口6へと流れる。以下、分岐流路4a、4b、4cと同様に残りの部分的に濃度が濃い状態で流れる残りの薬液は分岐流路4d、4eを流れて第二流路3を通って流体出口6へと流れて行く。
【0031】
このとき、連通流路7を流れる部分的に濃度が濃い状態の薬液の一部は、流体入口5から流体出口6までの流路の長さが最も短いことから、分岐流路4を流れる部分的に濃度が濃い状態の薬液よりも早く流体出口6から流出する。また、分岐流路4aを流れる部分的に濃度が濃い状態の薬液の一部は、流体入口5から流体出口6までの流路の長さが分岐流路4を含む流路の中で最も短いことから、他の分岐流路4を含む流路を流れる部分的に濃度が濃い状態の薬液よりも早く流体出口6から流出し、時間差をもって分岐流路4b、分岐流路4c、分岐流路4d、分岐流路4eの順で濃度が濃い状態の薬液の一部のそれぞれが流体出口6から流出していく。つまり、流路内で部分的に濃度が濃い状態の流れている薬液は流体混合器によって時間差をもって6つに分割されて流れることとなり、濃度を濃くされていない薬液と各々混ざり合うことで流体の流れ方向の濃度分布をムラなく均一化して混合することができる。
【0032】
なお、
図1に示すように、本実施形態では、分岐流路4a〜4eは第二流路3の軸線に沿って等間隔の位置になるように設けられているが、各々の分岐流路4a〜4eを流れる流体に付与する時間差を調節するため、接続される位置を自由に設定することができる。また、本実施形態では分岐流路4a〜4eの内径が同一になるように形成されているが、分岐流路4a〜4eを流れる流体の流量を調節するため、分岐流路4ごとに内径を自由に設定することができる。同様に、分岐流路4の数や長さ、分岐流路4と第二流路3との角度などについても自由に設定することができる。
【0033】
ここで、部分的に濃度が濃い状態で流れる薬液を流体混合器で流体を分割して、流体の流れ方向の濃度分布がムラなく均一化される作用について説明する。
図2に示すように、2つの物質である純水と薬液が各々流れるラインの合流部の下流側に
図1の流体混合器を配置させたラインにおいて、
図1の流体混合器の上流側と下流側に濃度計8、9を各々設置して、上流側から水と薬液を混合して流す装置を作成し、水と薬液を一定の比率で流している途中で一時的に薬液の濃度を濃くした状態(水に対して薬液の比率を大きくする)にした後で、元の一定の比率で流して濃度分布のムラを生じさせる。この時の上流側と下流側の濃度を測定すると
図3及び
図4のようになる。
【0034】
図3は流体混合器の上流側に設置した濃度計8により得られる特性を示す。ここで横軸は経過時間、縦軸は濃度である。ある一定時間に濃度が濃くなるような場合では、
図3に示されているようなピーク(h1)が現れることとなる。
図4は流体混合器の下流側に設置した濃度計9により得られる特性を示す。
図4を参照すると、濃度のピークが6つに分散されて、ピーク(h2)の高さはピーク(h1)の約6分の1になっている。濃度のピーク間の間隔t1は流体が第一流路1内において連通流路7の位置を通過してから第二流路3内の分岐流路4aの位置に至るまでの時間に対応している。濃度のピーク間の間隔t2は、流体が螺旋流路2内において分岐流路4aの位置を通過してから分岐流路4bに至るまでの時間から第二流路3内において分岐流路4aの位置を通過してから分岐流路4bに至るまでの時間を差し引いた時間に対応しており、t2と同様にt3は、流体が螺旋流路2内において分岐流路4bの位置を通過してから分岐流路4cに至るまでの時間から第二流路3内において分岐流路4bの位置を通過してから分岐流路4cに至るまでの時間を差し引いた時間、t4は、流体が螺旋流路2内において分岐流路4cの位置を通過してから分岐流路4dに至るまでの時間から第二流路3内において分岐流路4cの位置を通過してから分岐流路4dに至るまでの時間を差し引いた時間、t5は、流体が螺旋流路2内において分岐流路4dの位置を通過してから分岐流路4eに至るまでの時間から第二流路3内において分岐流路4dの位置を通過してから分岐流路4eに至るまでの時間を差し引いた時間、に対応している。
【0035】
このとき、連通流路7に至るまでの時間の長さと螺旋流路2の各々の分岐流路4a〜4eに至るまでの時間の長さを変えることでピーク(h2)の出る間隔t1〜t5を変化させることができる。また、分岐流路4a〜4eの数を増やすとピーク(h2)の高さは上流側のピーク(h1)に対して連通流路7と分岐流路4とを合わせた数で分割した程度の高さまで抑えることができる。ここで、間隔t1〜t5が短いと複数のピーク(h2)が重なり、重なったピーク(h2)は合成され大きなピークとなるので、ピーク(h2)を小さくするには間隔t1〜t5を広げる必要がある。間隔t1〜t5を広くし、ピーク(h2)が重ならないようにするためには、連通流路7と分岐流路4a〜4eによって分けられた薬液が流体混合器から排出される時間の時間差を大きくする必要がある。時間差を大きくするためには、連通流路7と分岐流路4aとの間の距離や分岐流路4a〜4e間の距離を広くする方法や、第一流路1、螺旋流路2、第二流路3、分岐流路4の各種流路の流路形状や流路断面積などを変化させて各種流路を流れる流速を変化させる方法(特に、螺旋流路2を流れる薬液の流速は遅くし第二流路3を流れる薬液の流速は早くする方法)がある。なお、仮に流体混合器を設置しない場合、
図3に示される濃度のピークは流体の流れによって若干低下することはあるがピーク(h1)はほぼ変わらずに流れることになる。
【0036】
第一の実施形態においては、流体入口5を流体が流入する入口、流体出口6を流体が流出する出口として流体入口5から流体出口6へと流体を流すようにしたが、流体を逆方向に流しても同様の効果を得ることができる。この場合には、流体出口6は流体が流入する入口となり、流体入口5は流体が流出する出口となる。
【0037】
なお、本実施形態では濃度分布のムラについて説明しているが、熱湯と冷水を混合した時の温度分布の流れ方向の均一化についても同様の効果を得ることができる。温度分布の均一化を目的として、給湯器などへの利用も可能となり、流路内で部分的に高温となった流体の温度の流れ方向の均一化を行うことでより温度を安定させ、熱湯が流れることによる火傷の防止を行うことができる。
【0038】
−第二の実施形態−
次に、
図5を参照して、本発明の第二の実施形態である流体混合器について説明する。
図5は、第二の実施形態に係る流体混合器の概略構成を示す縦断面図である。第二の実施形態では、略円柱状、すなわち円柱状もしくはほぼ円柱状の本体部20と、本体部20の外周面に嵌合する円筒体21とにより、混合流路を有する流体混合器が形成される。
【0039】
本体部20は例えばPTFE(ポリテトラフルオトエチレン)製である。第二の実施形態では、本体部20は円柱状に形成され、本体部20の一端側に流体入口15と流体入口15に接続された第一流路11が設けられ、他端側に流体出口16と流体出口16に接続された第二流路13が設けられ、第一流路11と第二流路13は連通流路17によって最短距離で連通されている。第一流路11、第二流路13及び連通流路17は本体部20の中心軸の位置に直線状に配置されている。本体部20の外周面には螺旋溝18が設けられており、螺旋溝18の一端部には第一流路11が接続されており、第二流路13の内周面と螺旋溝18の底面とを各々連通する複数の分岐流路14となる連通孔19が設けられている。また、流体出口16側から最も近い場所に位置する連通孔19は螺旋溝18の他端部に連通している。
【0040】
第二の実施形態では、円筒体21はPFAチューブ製であり、流体混合器の筐体となる。円筒体21は略円筒形に形成され、円筒体21の内径は本体部20の外径と略同径に形成されており、本体部20とチューブである円筒体21を焼き嵌めすることによって本体部20の外周面にシールされた状態で嵌合されている。本体部20に円筒体21を嵌合させたことにより、本体部20の螺旋溝18と円筒体21の内周面とで螺旋流路12が形成される。
【0041】
なお、筐体である円筒体21はチューブのような軟質の部材以外でも硬質の部材で形成しても良い。筐体の形状は円筒体以外にも直方体など形状の筒状体であっても良い。また、円筒体21と本体部20はシールした状態で嵌合されているのであればどのような方法で嵌合させても良く、焼き嵌め以外にも溶接や接着でも良い。
【0042】
次に、本発明の第二の実施形態である流体混合器の作用について説明する。
【0043】
流体混合器の上流側で水と薬液を混合させ、一時的に薬液の濃度が濃い状態で流した時、流路内で部分的に濃度が濃い状態で流れる薬液は、流体入口15から第一流路11に流入して下流側に流れていく。流体の薬液の濃度が濃い部分が第一流路11の連通流路17と接続した箇所を流れた時点で、流体の薬液の濃度が濃い部分の一部が連通流路17を流れて第二流路13に流れていく。このとき、連通流路17が第一流路11と第二流路13と同軸上に形成されているので、圧力損失を抑えることができ、薬液が第一流路11から連通流路17を経て第二流路13に円滑に流入することができる。連通流路17に流入した薬液は螺旋流路12に流入した薬液よりも早く第二流路13に流入し、流体出口16を通って流体混合器から排出される。従って、連通流路17を経て第二流路13に流入する流体が流体混合器から排出される時間と、螺旋流路12から分岐流路14を経て第二流路13に流入する流体が流体混合器から排出される時間との時間差を生じさせることができ、効果的に流れ方向の濃度分布をムラなく均一化することができる。また、連通流路17の内径が第一流路11の内径よりも小さいことから、連通流路17に流入する薬液と螺旋流路12に流入する薬液とをバランスよく分けることができる。
【0044】
第一流路11を流れる薬液の一部は連通流路17に流れ、残りの薬液は螺旋流路12に流れていく。螺旋流路12を流れる部分的に濃度が濃い薬液は、各々の分岐流路14によって分けられて、各々の分岐流路14を通って第二流路13に流れて行く。部分的に濃度が濃い状態の薬液は、連通流路17と各々の分岐流路14を通り時間差を伴って第二流路13に流れて行き、濃度の濃くされていない薬液と各々混ざり合うことで流体の流れ方向の濃度分布をムラなく均一化することができる。第二の実施形態の流体の流れ方向の濃度分布がムラなく均一化される作用は第一の実施形態と同様なので説明を省略する。
【0045】
本実施形態の流体混合器は流路の複雑さのわりに加工が比較的容易であり、部品点数も少ないことから、容易に製造することができる。また、流路構造が小さくまとめられているため流体混合器を小型化することができ、配管スペースを取らずに設置することができる。また、流体混合器を配管ラインに接続する際も流体入口15と流体出口16に各々継手等で接続するだけで施工が完了するため、配管施工が容易に短時間で行うことができる。
【0046】
−第三の実施形態−
以下、
図6〜7を参照して、本発明の第三の実施形態である流体混合器について説明する。
図6は、第三の実施形態に係る流体混合器の概略構成を示す縦断面図である。
図7は、第三の実施形態における本体部を示す斜視図である。第三の実施形態が第二の実施形態と異なる点は、主に螺旋溝38の形状である。すなわち、第三の実施形態では、本体部40の外周面に、本体部40の一端面を起点とし他端部に向かって螺旋溝38が形成されている。なお、以下では第二の実施形態との相違点を主に説明する。
【0047】
本体部40は例えばPVC(ポリ塩化ビニル)製である。第三の実施形態では、本体部40は円柱状に形成され、本体部40の一端面に開口37oと、当該開口37oに接続された連通流路37とが形成されている。また、本体部40の他端面には開口40oと、一端から他端にかけて流路断面積が漸次大きくなっている、当該開口40oに接続された第二流路33とが形成されている。分岐流路34a〜34eが第二流路33に合流する第二流路33の合流部44a〜44eにおけるそれぞれの流路断面積は、それぞれの合流部44a〜eに至るまでに第二流路33に合流した合流部44における分岐流路34a〜eの流路断面積の総和と連通流路37の流路断面積との和とほぼ同じになるように形成されている。例えば、第二流路33の合流部44eにおける流路断面積は合流部44a〜44dにおける分岐流路34a〜34dの流路断面積の総和と連通流路37の流路断面積との和とほぼ同じになるように形成されている。本体部40の外周面には、一端面を起点として他端部に向かって螺旋溝38が形成されている。螺旋溝38は他端面には到達しないように形成され、螺旋溝38の終端は本体部40の長手方向と直交する方向に形成されており、螺旋溝38の最下流側の溝幅は終端に向かって狭くなっている。螺旋溝38の深さは一端から他端に向かって徐々に浅くなるように形成され、螺旋溝38の幅は一端から他端に向かって徐々に広くなるように形成されている。螺旋溝38の底面には、螺旋溝38と第二流路33とを各々連通する複数の分岐流路34となる連通孔39が設けられている。
【0048】
円筒体41は例えばPVC製である。第三の実施形態では、円筒体41は円筒形に形成されており、円筒体41の内径は本体部40の外径と略同径に形成され、円筒体41の中心軸と本体部40の中心軸は同一である。円筒体41の両端部には、流体混合器と外部の配管とを接続するための円筒形に形成された継手42a、42bが止水部材を介して当接し、キャップナット43によってシールされた状態で固定されている。流体混合器の筺体は円筒体41と継手42a、42bとキャップナット43から構成されている。円筒体41の一端面に接続された継手42aの開口が流体入口35となり、継手42aの開口から円筒体41の一端部にかけての流路が第一流路31となる。また、円筒体41の他端面に接続された継手42bの開口が流体出口36となり、継手42bに形成された流路は第二流路33の一部となる。第三の実施形態において、本体部40の他の構成は第二の実施形態と同様なので説明を省略する。
【0049】
次に、本発明の第三の実施形態である流体混合器の作用について説明する。
【0050】
流路内で流れ方向に部分的に濃度が濃い状態で流れる薬液は、流体入口35から第一流路31に流入して下流側に流れていく。薬液が下流側に流れると、第一流路31を流れる薬液は連通流路37に流入する薬液と、螺旋流路32に流入する薬液とに分けられ、分けられた薬液は各々の流路に流れていく。連通流路37を流れる薬液は第二流路33に流入し、螺旋流路32に流入した薬液よりも早く、流体出口36から排出される。このとき、連通流路37から第二流路33を経て流体出口36に続く流路は、同軸上に配置されることによって圧力損失が抑えられ、流体入口35から流体出口36までを最短距離で接続している。そのため、連通流路37から第二流路33を経て流体出口36に続く流路を流れる薬液は流体混合器から速やかに排出される。
【0051】
連通流路37に流入した薬液以外の薬液は螺旋流路32に流入する。このとき、螺旋溝38が本体部40の一端面を起点として形成されており、第一流路31を流れる薬液の流れ方向を大きく変化させることなく、薬液を螺旋流路32に導くことができるので、薬液が螺旋流路32に流入するときの圧力損失を抑えることができ、薬液を円滑に第一流路31から螺旋流路32に流入させることができる。
【0052】
螺旋流路32に流入した薬液は、分岐流路34となる連通孔39に到達するたびに薬液が螺旋流路32と分岐流路34とに分けられながら、下流側に流れていく。このとき、螺旋流路32の溝幅は下流側に向かって徐々に広くなるように形成されているので、螺旋溝38の流路断面積の低下を抑えることができ、螺旋流路32を流れる薬液の流速を抑えることができる。また、螺旋流路32を流れる薬液は分岐流路34が接続された箇所を通過するたびに少しずつ分岐流路34に流入するので、螺旋流路32を流れる薬液の流量は下流側に近づくにつれて減少する。すなわち、下流側に近づくにつれて流量が減少する薬液が下流側に近づくにつれて溝幅が広くなる螺旋溝38を通ることによって、螺旋流路32を流れる薬液の流速は分岐流路34が接続された箇所を通過するたびに減少する。従って、螺旋流路32を通る薬液が各々の分岐流路34を経て第二流路33に流入する時間と、各々の連通流路37から第二流路33に流入する時間とに時間差が生じる。
【0053】
連通流路37および各分岐流路34から第二流路33に流入した薬液はさらに下流側に流れ流体出口36へと流れる。このとき、第二流路33の流路断面積は流体入口35側から流体出口36側に向かって流路断面積が大きくなっているので、第二流路33への薬液の流入量が増加しても圧力損失を抑えることができ、第二流路33を流れる薬液は流体出口36に向かって円滑に流れていく。第二流路33の流路断面積は複数の分岐流路34が第二流路33に合流するそれぞれの合流部44における第二流路33の流路断面積が、それぞれの合流部44に至るまでに第二流路33に合流した分岐流路34の合流部44における流路断面積の総和と連通流路37の流路断面積との和とほぼ同じになるように形成されている。従って、連通流路37および分岐流路34から第二流路33に流入した薬液は流速を増加させることができ、第二流路33を流れる薬液は流体出口36に向かって円滑に流れていく。第三の実施形態において、流体の流れ方向の濃度分布がムラなく均一化される作用は第一の実施形態および第二の実施形態と同様なので説明を省略する。
【0054】
第三の実施形態では、第二流路33に流入する前の薬液(特に、螺旋流路32を流れる薬液)の流速を抑え、薬液が各々の分岐流路34に到達する時間を遅くしている。その一方で、第二流路33に流入した後の薬液の流速を増加させることによって、連通流路37および分岐流路34を経て第二流路33に流入した薬液が流体出口36から排出される時間を早めている。これによって、連通流路37および分岐流路34によって分けられた薬液が流体混合器から排出されるまでの時間の時間差をより大きくすることができ、より効果的に流れ方向の濃度分布をムラなく均一化することができる。
【0055】
−第四の実施形態−
以下、
図8〜9を参照して、本発明の第四の実施形態である流体混合器について説明する。
図8は、第四の実施形態に係る流体混合器の概略構成を示す縦断面図である。
図9は、第四の実施形態における本体部を示す斜視図である。第四の実施形態が第三の実施形態と異なる点は、主に螺旋溝38の形状である。すなわち、第四の実施形態では、本体部40の外周面に複数の螺旋溝38が形成されている。なお、
図6〜7と同一の作用を示す箇所には同一の符号を付し、以下では第三の実施形態との相違点を主に説明する。
【0056】
本体部40は例えばPVC製である。本体部40の外周面には、一端面を起点として他端部に向かう螺旋溝38が複数形成されている。複数の、具体的には第四の実施形態では2つの螺旋溝38は互いに周方向に位相をずらして、すなわち本体部40の長手方向に一定間隔を空けてこれらの位置を互いにずらすことによって、互い違いに配置されるように形成されている。複数の螺旋溝38のうち、一方の螺旋溝38aは本体部40の他端部まで形成され、他方の螺旋溝38bは螺旋溝38bの長さが一方の螺旋溝38aの長さよりも短くなるように形成されている。螺旋溝38bは本体部40の外周面の半周程度にわたって形成され、螺旋溝38bは螺旋溝38bの終端において螺旋溝38aと合流している。螺旋溝38bの長さは螺旋溝38aの長さよりも短くなるように形成されていればよく、
図10において図示されている第四の実施形態の変形例における本体部のように、螺旋溝38bを他端部に近い位置まで延在させるように形成してもよく、特に限定されない。螺旋溝38を複数形成することによって、円筒体41と本体部40の当接面を増加させることができ、螺旋溝38の側壁の破損を防止することができる。特に、本体部40の一端部を円筒体41に当接させて本体部40を円筒体41に嵌合させ組み立てるときに効果的である。第四の実施形態では、複数の螺旋溝38が同じ形状をしているが、溝幅や深さ、底面の形状、連通孔39の数などを互いに異なるようにしてもよく特に限定されない。複数の螺旋溝38の形状を互いに異なる形状にすることで、各々の螺旋溝38を流れる薬液の流速などを調整してもよい。第四の実施形態において、本体部40の他の構成及び円筒体41などの本体部40以外の構成要素は、第三の実施形態と同様なので説明を省略する。
【0057】
次に、本発明の第四の実施形態である流体混合器の作用について説明する。
【0058】
流路内で部分的に濃度が濃い状態で流れる薬液は、流体入口35から第一流路31に流入して下流側に流れていく。薬液が下流側に流れると、薬液の一部は連通流路37に流れ、残りの薬液は螺旋流路32に流れていく。このとき、螺旋流路32が複数形成されており、複数の螺旋流路32が途中で合流することによって、各々の螺旋流路32を流れていた薬液が衝突するので、薬液の径方向の濃度分布についても混合を促進することができる。第四の実施形態において、薬液の流れ方向の濃度分布がムラなく均一化される作用や、連通流路37や分岐流路34によって分けられた薬液が流体出口36から排出される時間差を大きくする作用は上述の実施形態と同様なので説明を省略する。
【0059】
次に、
図11、
図12を参照して上述の流体混合器を用いた装置について説明する。
【0060】
本発明の実施形態に係る流体混合器は、例えば流体の温度または濃度が時間の流れに伴って変化するライン内に適用される。すなわち、本発明の実施形態に係る流体混合器は、例えばライン内にヒーターを設置してこのヒーターで加熱される液体であって、時間軸に対する流体の温度にバラツキが生じることで流体の温度が時間の流れに伴って変化する流体や、槽内に浸した固形物を流体内へ溶出させて流すラインで溶出した、濃度が時間の流れに伴って変化する流体などに適用され、流体混合器を用いることでラインの流体の温度または濃度を均一化することができる。なお、流体混合器に流体として流す物質は気体または流体であれば特に限定されない。
【0061】
図11は、本発明に係る流体混合器を用いた装置の一例を示す図である。図では、2つの物質が各々流れるライン71、72の合流部73の下流側に本発明に係る流体混合器76が配置されている。各物質はそれぞれポンプ74、75により供給される。このため、ポンプ74、75の脈動などにより、流体が合流したときの混合比率が時間の流れに伴って変化することがあるが、流体混合器76により物質の混合比率が均一化されることで、時間軸に対して温度や濃度を一定にすることができる。なお、各ライン71、72に高温流体および低温流体をそれぞれ流した状態で、例えば高温流体が不均一に流れて時間軸に対する流体の温度にバラツキが生じる場合や、既定濃度の流体を他の流体と混合させたときに混合流体の濃度が時間の流れに伴って変化する場合などにも有効である。このときの流体は気体、液体、固体、粉体等のいずれでもよく、固体、粉体については、あらかじめ気体または液体と混合しておいてもよい。なお、3つ以上の物質が流れるラインを合流させるように装置を構成し、3つ以上の物質が流体混合器によって混合されるようにしてもよい。
【0062】
図12は、
図11の装置の変形例を示す図である。
図12では、2つの物質が各々流れるライン77、78の合流部79の下流側に本発明に係る流体混合器80を配置するとともに、流体混合器80の下流側に他の物質が流れるライン81が合流する合流部82を設け、合流部82の下流側にも本発明に係る流体混合器83を配置している。これにより、3つ以上の物質を同時に混合すると混合ムラが生じる場合に、最初に混合した2つの物質を均一に混合した後に他の物質を混合して均一に混合させることにより、効率よく混合ムラのない均一な混合を行うことができる。例えば水と油と界面活性剤とを混合する場合において、一度にこれら全部を混ぜるとうまく混ざらずに混合ムラが生じるので、予め水と界面活性剤とを混合した後に、その混合物と油とを混合することによりムラなく均一に混合することができる。水と硫酸とを混合して希釈した後にその混合物にアンモニアガスを混合してアンモニアガスを吸収させたり、水と硫酸とを混合して希釈した後にその混合物に珪酸ソーダを混合してpH調整させたりする場合にも、好適に用いることができる。なお、最初に3つ以上の物質を合流させてもよく、途中で2つ以上の物質を合流させてもよい。また、流体混合器を3つ以上直列に配置し、段階的に他の物質を混合するようにしてもよい。
【0063】
本装置によって混合される異種流体の組み合わせについてさらに説明する。
図11の装置において、一方の物質が流れるライン71には水を、他方の物質の流れるライン72にはpH調整剤、液体肥料、漂白剤、殺菌剤、界面活性剤または液体薬品のいずれかを流すようにしてもよい。
【0064】
この場合、水は、純水、蒸留水、水道水、工業用水など、混合させる物質の条件に合う水であれば特に限定されない。また水の温度も特に限定されず、温水または冷水であってもよい。pH調整剤は、混合する液体のpH調整に用いられる酸またはアルカリであればよく、塩酸、硫酸、硝酸、フッ酸、カルボン酸、クエン酸、グルコン酸、コハク酸、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム水溶液などが挙げられる。液体肥料は、農業用の液状の肥料であればよく、糞尿や化学肥料などが挙げられる。
【0065】
漂白剤は、化学物質の酸化または還元反応を利用して色素を分解するものであればよく、次亜塩素酸ナトリウム、過炭酸ナトリウム、過酸化水素、オゾン水、二酸化チオ尿素、亜二チオン酸ナトリウムなどが挙げられる。殺菌剤は、病原性または有害性を有する微生物を殺すための薬剤であり、ヨードチンキ、ポビドンヨード、次亜塩素酸ナトリウム、クロル石灰、マーキュロクロム液、グルコン酸クロルヘキシジン、アクリノール、エタノール、イソプロパノール、過酸化水素水、塩化ベンザルコニウム、塩化セチルピリジニウム、クレゾール石鹸液、亜塩素酸ナトリウム、過酸化水素、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸水、オゾン水などが挙げられる。
【0066】
界面活性剤は、分子内に水になじみやすい部分(親水基)と、油になじみやすい部分(親油基・疎水基)とを持つ物質であり、脂肪酸ナトリウム、脂肪酸カリウム、モノアルキル硫酸塩、アルキルポリオキシエチレン硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、モノアルキルリン酸塩、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルベンジルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルアミンオキシド、アルキルカルボキシベタイン、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、脂肪酸ソルビタンエステル、アルキルポリグルコシド、脂肪酸ジエタノールアミド、アルキルモノグリセリルエーテル、アルファスルホ脂肪酸エステルナトリウム、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキル硫酸エステルナトリウム、アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム、アルファオレフィンスルホン酸ナトリウム、アルキルスルホン酸ナトリウム、しょ糖脂肪酸エステルソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、アルキルアミノ脂肪酸ナトリウム、アルキルベタイン、アルキルアミンオキシド、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩などが挙げられる。
【0067】
また、液体薬品の範疇に入るのであれば上記のカテゴリに入らない液体薬品を用いてもよく、塩酸、硫酸、酢酸、硝酸、蟻酸、フッ酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化アンモニウム、珪酸ソーダ、油などが挙げられる。なお、ここに挙げた液体薬品は上記のカテゴリに該当するものとして使用されることもある。また、一方の物質が流れるライン71に水を、他方の物質の流れるライン72にお湯を流してもよく、水とお湯とを混ぜて均一で一定の温度に混合させるようにしてもよい。
【0068】
また、一方の物質が流れるライン71に第一の液体薬品を、他方の物質の流れるライン72に第二の液体薬品または金属を流し、これらを流体混合器76で混合させるようにしてもよい。ここで、第一および第二液体薬品は混ぜることが可能である液体薬品であればよく、上記の液体薬品またはそれ以外の液体薬品でもよい。液体薬品には、例えばフォトレジスト、シンナーなどが挙げられる。また、液体薬品は化粧品であってもよい。化粧品は、洗顔料、クレンジング、化粧水、美容液、乳液、クリームおよびジェルといった肌質自体を整えることを目的とする基礎化粧品や、口臭、体臭、あせも、ただれ、脱毛などの防止、育毛または除毛、ねずみや害虫駆除などの医薬部外品に当たる薬用化粧品などが挙げられる。
【0069】
金属は主に有機金属化合物であり、微小な粒状体または粉体を有機溶剤等に溶解させた液体が使用される。有機金属化合物は、クロロ(エトキシカルボニルメチル)亜鉛のような有機亜鉛化合物、ジメチル銅リチウムのような有機銅化合物、グリニャール試薬、ヨウ化メチルマグネシウム、ジエチルマグネシウムのような有機マグネシウム化合物、n-ブチルリチウムのような有機リチウム化合物、金属カルボニル、カルベン錯体、フェロセンをはじめとするメタロセンなどの有機金属化合物、パラフィンオイルに溶解させた単元素や多元素混合標準液などが挙げられる。また、ケイ素、ヒ素、ホウ素などの半金属の化合物やアルミニウムのような卑金属も含まれる。有機金属化合物は、石油化学製品の製造や有機重合体の製造などにおいて触媒として好適に使用される。
【0070】
また、一方の物質が流れるライン71に廃液を、他方の物質の流れるライン72にpH調整剤または凝集剤を流し、これらを流体混合器76で混合させるようにしてもよい。pH調整剤には例えば上記のpH調整剤が用いられ、凝集剤は、廃液の凝集を行うことができるものであれば特に限定されず、硫酸アルミニウム、ポリ硫酸第二鉄、ポリ塩化アルミニウム、ポリシリカ鉄、硫酸カルシウム、塩化第二鉄、消石灰などが挙げられる。微生物は、廃液の発酵や分解を促すものであればよく、カビおよび酵母などの菌類や、バクテリアなどの細菌類などが挙げられる。
【0071】
また、一方の物質が流れるライン71に第一の石油類を、他方の物質の流れるライン72に第二の石油類、添加剤または水を流し、これらを流体混合器76で混合させるようにしてもよい。ここで第一および第二の石油類とは、炭化水素を主成分として他に少量の硫黄、酸素、窒素などのさまざまな物質を含む液状の油のことであり、ナフサ(ガソリン)、灯油、軽油、重油、潤滑油、アスファルトなどが挙げられる。ここでいう添加剤は石油類の品質向上や保持のために添加されるものを指し、潤滑油添加剤として洗浄分散剤、酸化防止剤、粘度指数向上剤・流動点降下剤、油性向上剤・極圧添加剤、摩耗防止剤、防錆・防食剤など、グリース添加剤として構造安定剤、充填剤など、燃料油添加剤などが挙げられる。ここでいう水は、純水、蒸留水、水道水、工業用水など、混合させる物質の条件に合う水であれば特に限定されない。また水の温度も特に限定されず、温水または冷水であってもよい。
【0072】
また、一方の物質が流れるライン71に第一の樹脂を、他方の物質の流れるライン72に第二の樹脂、溶剤、硬化剤または着色剤を流し、これらを流体混合器76で混合させるようにしてもよい。ここでいう樹脂とは、溶融樹脂、液体樹脂などの接着剤の主成分または塗料の塗膜形成成分のことである。溶融樹脂は、射出成形または押し出しが成形可能な樹脂であれば特に限定されず、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、ABS樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド、ナイロン、ポリアセタール、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトンなどが挙げられる。
【0073】
液体樹脂などの接着剤の主成分としては、アクリル樹脂系接着剤、α-オレフィン系接着剤、ウレタン樹脂系接着剤、エーテル系セルロース、エチレン-酢酸ビニル樹脂接着剤、エポキシ樹脂系接着剤、塩化ビニル樹脂溶剤系接着剤、クロロプレンゴム系接着剤、酢酸ビニル樹脂系接着剤、シアノアクリレート系接着剤、シリコーン系接着剤、水性高分子-イソシアネート系接着剤、スチレン-ブタジエンゴム溶液系接着剤、スチレン-ブタジエンゴム系ラテックス接着剤、ニトリルゴム系接着剤、ニトロセルロース接着剤、反応性ホットメルト接着剤、フェノール樹脂系接着剤、変成シリコーン系接着剤、ポリアミド樹脂ホットメルト接着剤、ポリイミド系接着剤、ポリウレタン樹脂ホットメルト接着剤、ポリオレフィン樹脂ホットメルト接着剤、ポリ酢酸ビニル樹脂溶液系接着剤、ポリスチレン樹脂溶剤系接着剤、ポリビニルアルコール系接着剤、ポリビニルピロリドン樹脂系接着剤、ポリビニルブチラール樹脂系接着剤、ポリベンズイミダソール接着剤、ポリメタクリレート樹脂溶液系接着剤、メラミン樹脂系接着剤、ユリア樹脂系接着剤、レゾルシノール系接着剤などが挙げられる。塗料の塗膜形成成分としては、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂などが挙げられる。
【0074】
溶剤としてはヘキサン、ベンゼン、トルエン、ジエチルエーテル、クロロホルム、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、塩化メチレン、アセトン、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、エタノール、メタノールなどが挙げられる。硬化剤としてはポリアミン、酸無水物、アミン類、過酸化物、サッカリンなどが挙げられる。着色剤としては、亜鉛華、鉛白、リトポン、二酸化チタン、沈降性硫酸バリウム、バライト粉、鉛丹、酸化鉄赤、黄鉛、亜鉛黄、ウルトラマリン青、フェロシアン化鉄カリ、カーボンブラックなどの顔料が挙げられる。
【0075】
ここで上記樹脂が溶融樹脂の場合、成形機または押出機から流体混合器76に溶融樹脂を流す装置を形成してもよい。例えば成形機の場合は、成形機のノズルと金型との間に流体混合器76を配置して射出成形を行えばよく、押出機の場合は、押出機とダイとの間に流体混合器76を配置して押出成形を行えばよい。この場合、樹脂内の温度を均一化させ樹脂の粘度を安定させて厚みムラや内部応力等の発生を抑えることができ、さらには色ムラをなくすことができる。
【0076】
また、一方の物質が流れるライン71に第一の食品原料を、他方の物質の流れるライン72に第二の食品原料、食品添加剤、調味料、不燃性ガス等を流し、これらを流体混合器76で混合させるようにしてもよい。
【0077】
第一および第二の食品原料は配管内を流動可能である飲料または食品であればよく、日本酒、焼酎、ビール、ウイスキー、ワイン、ウォッカなどのアルコール飲料、牛乳、ヨーグルト、バター、クリーム、チーズ、練乳、乳脂などの乳製品、ジュース、お茶、コーヒー、豆乳、水などの飲料、出汁、味噌汁、コンソメスープ、コーンスープ、豚骨スープなどの飲料食品、その他にもゼリー、こんにゃく、プリン、チョコレート、アイスクリーム、キャンディ、豆腐、練り製品、解き卵、ゼラチンなどの各種食品原料などが挙げられる。また流動可能であれば個体や粉体などでもよく、小麦粉、片栗粉、強力粉、薄力粉、そば粉、粉ミルク、コーヒー、ココアなどの粉原料や、果肉、ワカメ、ゴマ、青海苔、削り節、パン粉、細かく刻んだ又はすりおろした食品などの小さい固形食品などが挙げられる。
【0078】
食品添加剤は、黒糖、三温糖、果糖、麦芽糖、蜂蜜、糖蜜、メープルシロップ、水飴、エリスリトール、トレハロース、マルチトール、パラチノース、キシリトール、ソルビトール、ソーマチン、サッカリンナトリウム、サイクラミン酸、ズルチン、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、スクラロース、ネオテームなどの甘味料、カラメル色素、クチナシ色素、アントシアニン色素、アナトー色素、パプリカ色素、紅花色素、紅麹色素、フラボノイド色素、コチニール色素、アマランス、エリスロシン、アルラレッドAC、ニューコクシン、フロキシン、ローズベンガル、アシッドレッド、タートラジン、サンセットイエローFCF、ファストグリーンFCF、ブリリアントブルーFCF、インジゴカルミンなどの着色料、安息香酸ナトリウム、ε-ポリリジン、しらこたん白抽出物(プロタミン)、ソルビン酸カリウム、ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、ツヤプリシン(ヒノキチオール)などの保存料、アスコルビン酸、トコフェロール、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、エリソルビン酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、二酸化硫黄、クロロゲン酸、カテキンなどの酸化防止剤や、香料などが挙げられる。
【0079】
調味料は、醤油、ソース、酢、油、ラー油、味噌、ケチャップ、マヨネーズ、ドレッシング、みりんなどの液体のものや、砂糖、塩、胡椒、山椒、粉唐辛子などの粉体のものなどが挙げられる。微生物は、食品の発酵や分解を促すものであり、キノコ、カビ、酵母など菌類や、バクテリアなどの細菌類である。菌類としては各種キノコや麹カビ菌などが挙げられ、細菌類として例えばビフィズス菌、乳酸菌、納豆菌などが挙げられる。不燃性ガスとしては炭酸ガスなどが挙げられ、例えば麦汁と炭酸ガスとを混合させてビールを生成することなどに用いられる。
【0080】
また、一方の物質が流れるライン71に空気を、他方の物質の流れるライン72に可燃性ガスを流し、これらを流体混合器76で混合させるようにしてもよい。可燃性ガスとしては、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、アセチレン、水素、一酸化炭素、アンモニア、ジメチルエーテルなどが挙げられる。
【0081】
また、一方の物質が流れるライン71に第一の不燃性ガスを、他方の物質の流れるライン72に第二の不燃性ガスまたは蒸気を流し、これらを流体混合器76で混合させるようにしてもよい。不燃性ガスとしては、窒素、酸素、二酸化炭素、アルゴンガス、ヘリウムガス、硫化水素ガス、亜硫酸ガス、硫黄酸化物ガスなどが挙げられる。また、上記の他の組み合わせとして、一方の物質が流れるライン71に水、液体薬品または食品原料を、他方の物質の流れるライン72に空気、不燃性ガスまたは蒸気を流し、これらを流体混合器76で混合させるようにしてもよい。
【0082】
また、一方の物質が流れるライン71に第一の合成中間体を、他方の物質が流れるライン72に第二の合成中間体、添加剤、液体薬品または金属等を流し、これらを流体混合器76で混合させるようにしてもよい。第一および第二の合成中間体とは、目標化合物までの多段階の合成経路の中で現れる、合成が途中の段階の化合物のことをいう。第一および第二の合成中間体には、複数の薬品を混合させた合成途中のもの、樹脂の精製途中のもの、または医薬中間体などが挙げられる。
【0083】
なお、上述の異種流体を
図12の装置を用いて混合させるようにしてもよい。また、
図11または
図12の、流体混合器を用いた装置において、流体が合流する前の物質の流れる各々のラインにヒーターまたは気化器を設けてもよく、流体混合器の下流側に熱交換器を設けてもよい。さらに、流体が合流する前の一方の物質が流れるラインに計測器を配置し、その計測器で計測されたパラメーターに応じて他方の物質が流れるラインのポンプの出力を調整する制御部を設けてもよく、他方の物質の流れるラインに制御弁を配置し、計測器のパラメーターに応じて制御弁の開度を調整する制御弁を設けてもよい。このとき、計測器は、必要な流体のパラメーターを計測できるものであれば、流量計、流速計、濃度計またはpH測定器でもよい。また、ラインの合流部の下流側の流路にスタティックミキサーを設置してもよい。この場合、流体混合器で流路の軸方向の混合の均一化を行い、その後に例えば本明細書の冒頭で示したようなスタティックミキサーで流路の径方向の混合の均一化を行うので、より均一な流体の混合を行うことができる。
【0084】
本発明に係る流体混合器の本体部20、40、円筒体21、41などの各部品の材質は、樹脂製であればPVC、ポリプロピレン、ポリエチレンなどいずれでもよい。特に流体に腐食性流体を用いる場合は、PTFE、PFA、ポリビニリデンフルオロライドなどのフッ素樹脂であることが好ましく、フッ素樹脂製であれば腐食性流体に用いることができ、また腐食性ガスが透過しても配管部材の腐食の心配がなくなるため好適である。本体部または筐体を形成する部材または部材の一部を透明または半透明な材質で形成してもよく、この場合には流体の混合の状態を目視で確認できるため好適である。また、流体混合器に流す物質によっては、各部品の材質は、鉄、銅、銅合金、真鍮、アルミニウム、ステンレス、チタンなどの金属または合金であってもよい。
【0085】
上記実施形態では、螺旋流路2、12、32を環状としたが、主流路の周囲を覆うように設けられるのであれば、他の形状(例えば矩形状)でもよい。また、上記実施形態では、本体部20、40の外周面に螺旋溝18、38を設けるようにしたが、本体部20、40と円筒体21、41との間に螺旋流路12、32を形成するのであれば、他の部材(例えば円筒体21、41の内周面)に螺旋溝18、38を設けてもよい。あるいは、本体部20、40と円筒体21、41との間に、孔が開口された筒状の螺旋形状部材を介装するようにしてもよい。
【0086】
なお、上記第一の実施形態〜第四の実施形態を任意に組み合わせて流体混合器を構成してもよい。すなわち、本発明の特徴および機能を実現できる限り、本発明は実施形態の流体混合器に限定されない。