特許第6076189号(P6076189)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6076189
(24)【登録日】2017年1月20日
(45)【発行日】2017年2月8日
(54)【発明の名称】ホイールローダ
(51)【国際特許分類】
   B60K 17/10 20060101AFI20170130BHJP
   B60K 17/04 20060101ALI20170130BHJP
   E02F 9/02 20060101ALI20170130BHJP
【FI】
   B60K17/10 D
   B60K17/04 D
   E02F9/02 Z
【請求項の数】3
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2013-94217(P2013-94217)
(22)【出願日】2013年4月26日
(65)【公開番号】特開2014-213800(P2014-213800A)
(43)【公開日】2014年11月17日
【審査請求日】2016年2月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001236
【氏名又は名称】株式会社小松製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】特許業務法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】小引 康弘
【審査官】 岡本 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−130558(JP,A)
【文献】 特開2011−033192(JP,A)
【文献】 特開2011−149497(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 17/10
B60K 17/04
E02F 9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンからの動力が入力される入力軸とドライブシャフトに動力を出力する出力軸との間で変速するトランスミッションを有したホイールローダにおいて、
前記トランスミッションは、
前記エンジンの動力で駆動される複数のギア列を含んで構成された機械駆動部と、
前記入力軸にて駆動されて走行用の作動油を供給する静油圧式無段変速用の走行用油圧ポンプと、
前記走行用油圧ポンプと同軸上に設けられるか、または前記入力軸よりも上方に位置する動力取出装置を介して設けられるとともに、作業機用の作動油を供給する補機用油圧ポンプと、
前記走行用油圧ポンプからの作動油で駆動される第1油圧モータおよび第2油圧モータと、
前記第1、第2油圧モータの動力と前記機械駆動部側の動力とを合成する動力合成部とを備え、
前記機械駆動部は、前記入力軸に取り付けられた一対の第1、第2ギアと、前記第1、第2ギア間に設けられた第1クラッチと、前記入力軸の下方に設けられた中間軸と、前記中間軸に取り付けられて前記第1、第2ギアと噛み合う一対の第3、第4ギアと、前記第3、第4ギア間に設けられた第2クラッチと、前記中間軸に取り付けられた第5ギアと、前記中間軸の下方に設けられた合成軸と、前記合成軸に取り付けられて前記第5ギアと噛み合う第6ギアと、前記合成軸に取り付けられた第1合成ギアと、前記第1合成ギアに隣設された第2合成ギアと、前記第1、第2合成ギア間に設けられた第3クラッチと、前記出力軸に取り付けられて前記第1合成ギアと噛み合う第7ギアとを備えるとともに、前記入力軸から前記出力軸にかけて配置され、
前記動力合成部の前記第1油圧モータ側の部分は、前記第1油圧モータの第1モータ出力軸に取り付けられたサンギアと、前記サンギアの周囲に配置されて前記サンギアに噛み合う複数のプラネタリギアと、前記プラネタリギアが軸支された歯車状のキャリアと、前記プラネタリギアの外周を覆うように配置されて前記プラネタリギアに噛み合い、かつ前記第1モータ出力軸と同軸上で回転するリングギアと、前記リングギアとミッションケースとの間に設けられた第4クラッチと、前記キャリアと噛み合う前記第1合成ギアとを備え、
前記動力合成部の前記第2油圧モータ側の部分は、前記第2油圧モータの第2モータ出力軸に取り付けられた第8ギアと、前記第8ギアと噛み合う前記第2合成ギアと、前記第1合成ギアと、前記第3クラッチとを備え、
前記動力合成部では、前記機械駆動部からの動力と前記第1、第2油圧モータからの動力とが前記出力軸よりも上方で合成され、
合成された動力が伝達されるギア列は、上下に位置する前記走行用油圧ポンプと前記出力軸との間の空間を利用して配置される
ことを特徴とするホイールローダ。
【請求項2】
請求項1に記載のホイールローダにおいて、
前記入力軸の軸中心および前記出力軸の軸中心は、鉛直な中心線上に位置し、
最も上方に位置する前記動力取出装置の回転軸の軸中心は、前記入力軸の軸中心を中心として、前記中心線に対して所定角度傾倒した線上に位置している
ことを特徴とするホイールローダ。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のホイールローダにおいて、
前記入力軸の軸中心および前記出力軸の軸中心は、鉛直な中心線上に位置し
記第1油圧モータおよび前記第2油圧モータは、前記中心線を挟んで左右に配置されている
ことを特徴とするホイールローダ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホイールローダに係り、油圧駆動と機械駆動とを切替可能に構成されたトランスミッションを有するホイールローダに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のホイールローダの動力伝達系は一般的に、後部車体フレームにマウントされるエンジンと、エンジンの回転動力を変速するトランスミッションと、トランスミッションの後方において後部車体フレームに取り付けられ、ディファレンシャルを内蔵するリアアクスルと、トランスミッションの出力軸とディファレンシャルの入力軸とを連結するプロペラシャフトと、リアアクスルから左右に突出する一対のアクスルシャフトと、これらのアクスルシャフトの外端に支持されるリアタイヤとを備える(例えば、特許文献1)。
【0003】
その中でも、トランスミッションとしては、小型のホイールローダでは、HST(Hydraulic Static Transmission:静油圧式無段変速機)を用いることが多く、中型のホイールローダでは、トルクコンバータと遊星機構を組み合わせた所謂オートマチックトランスミッションを用いることが主流である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012−132289号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、走行負荷が大きく牽引力が必要とされる低速時や作業時には、速度段の切替が発生せず、かつ十分な動力を発揮するHSTにて走行し、所定速度以上では、駆動力の伝達効率が良好な機械式トランスミッションによって走行し、よって操縦性および燃費を改善することが望まれている。
【0006】
しかしながら、HSTと機械式トランスミッションとを組み合わせる場合、最適な変速段数および変速比を確保しようとすると、構成が複雑になり、トランスミッション全体が大型化するという問題がある。しかも、後部車体フレームの上部には、オペレータが乗り込むキャブが設けられていることから、後部車体フレームの配置スペースは限られており、後部車体フレーム内にそのような大型のトランスミッションを配置することは困難である。
【0007】
本発明の目的は、油圧駆動部分と機械駆動部分とが機能上支障なく存在し、かつ後部車体フレーム内に良好に配置できるトランスミッションを有したホイールローダ提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1発明に係るホイールローダは、エンジンからの動力が入力される入力軸とドライブシャフトに動力を出力する出力軸との間で変速するトランスミッションを有したホイールローダにおいて、前記トランスミッションは、前記エンジンの動力で駆動される複数のギア列を含んで構成された機械駆動部と、前記入力軸にて駆動されて走行用の作動油を供給する静油圧式無段変速用の走行用油圧ポンプと、前記走行用油圧ポンプと同軸上に設けられるか、または前記入力軸よりも上方に位置する動力取出装置を介して設けられるとともに、作業機用の作動油を供給する補機用油圧ポンプと、前記走行用油圧ポンプからの作動油で駆動される油圧モータと、前記油圧モータの動力と前記機械駆動部側の動力とを合成する動力合成部とを備え、前記機械駆動部は、前記入力軸から前記出力軸にかけて配置され、前記動力合成部では、前記機械駆動部からの動力と前記油圧モータからの動力とが前記出力軸よりも上方で合成され、合成された動力が伝達されるギア列は、上下に位置する前記走行用油圧ポンプと前記出力軸との間の空間を利用して配置されることを特徴とする。
【0009】
第2発明に係るホイールローダでは、前記入力軸の軸中心および前記出力軸の軸中心は、鉛直な中心線上に位置し、最も上方に位置する前記動力取出装置の回転軸の軸中心は、前記入力軸の軸中心を中心として、前記中心線に対して所定角度傾倒した線上に位置していることを特徴とする。
【0010】
第3発明に係るホイールローダでは、前記入力軸の軸中心および前記出力軸の軸中心は、鉛直な中心線上に位置し、前記油圧モータとしては、第1油圧モータおよび第2油圧モータの一対が設けられ、前記第1油圧モータおよび第2油圧モータは、前記中心線を挟んで左右に配置されていることを特徴とする。
なお、ここで第1油圧モータおよび第2油圧モータは、左右の両側に分かれて配置されればよく、第1油圧モータが左側、第2油圧モータが右側であっても、第1油圧モータが右側、第2油圧モータが左側であっても構わない。
【0011】
第4発明に係るホイールローダは、エンジンからの動力が入力される入力軸とドライブシャフトに動力を出力する出力軸との間で変速するトランスミッションを有したホイールローダであって、前記トランスミッションは、前記エンジンの動力で駆動される複数のギア列を含んで構成された機械駆動部と、前記入力軸にて駆動されて走行用の作動油を供給する静油圧式無段変速用の走行用油圧ポンプと、前記走行用油圧ポンプと同軸上に設けられるか、または前記入力軸よりも上方に位置する動力取出装置を介して設けられるとともに、作業機用の作動油を供給する補機用油圧ポンプと、前記走行用油圧ポンプからの作動油で駆動される第1油圧モータおよび第2油圧モータと、前記第1、第2油圧モータの動力と前記機械駆動部側の動力とを合成する動力合成部とを備え、前記機械駆動部は、入力軸に取り付けられた一対の第1、第2ギアと、前記第1、第2ギア間に設けられた第1クラッチと、前記入力軸の下方に設けられた中間軸と、前記中間軸に取り付けられて前記第1、第2ギアと噛み合う一対の第3、第4ギアと、前記第3、第4ギア間に設けられた第2クラッチと、前記中間軸に取り付けられた第5ギアと、中間軸の下方に設けられた合成軸と、前記合成軸に取り付けられて前記第5ギアと噛み合う第6ギアと、前記合成軸に取り付けられた第1合成ギアと、前記第1合成ギアに隣設された第2合成ギアと、前記第1、第2合成ギア間に設けられた第3クラッチと、前記出力軸に取り付けられて前記第1合成ギアと噛み合う第7ギアとを備えるとともに、前記入力軸から前記出力軸にかけて配置され、前記動力合成部の前記第1油圧モータ側の部分は、前記第1油圧モータの第1モータ出力軸に取り付けられたサンギアと、前記サンギアの周囲に配置されて前記サンギアに噛み合う複数のプラネタリギアと、前記プラネタリギアが軸支された歯車状のキャリアと、前記プラネタリギアの外周を覆うように配置されて前記プラネタリギアに噛み合い、かつ前記第1モータ出力軸と同軸上で回転するリングギアと、前記リングギアとミッションケースとの間に設けられた第4クラッチと、前記キャリアと噛み合う前記第1合成ギアとを備え、前記動力合成部の前記第2油圧モータ側の部分は、前記第2油圧モータの第2モータ出力軸に取り付けられた第8ギアと、前記第8ギアと噛み合う前記第2合成ギアと、前記第1合成ギアと、前記第3クラッチとを備え、前記動力合成部では、前記機械駆動部からの動力と前記第1、第2油圧モータからの動力とが前記出力軸よりも上方で合成され、合成された動力が伝達されるギア列は、上下に位置する前記走行用油圧ポンプと前記出力軸との間の空間を利用して配置されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
第1発明によれば、入力軸および出力軸の上下間に機械駆動部を納めるのであるが、機械駆動部の上部側では、走行用油圧ポンプが必然的に、エンジンが配置される側とは反対側に向けて突設されることになり、この走行用油圧ポンプの下方に空きスペースが生じる。そこで、油圧モータからの動力と機械駆動部側からの動力とを出力軸の上方で合成する構成とし、これによって走行用油圧ポンプの下方の空間を油圧モータの配置に利用したり、動力合成後のギア列の配置に有効に利用したりでき、動力合成部を機械駆動部の上下にはみ出すことなく納めることができる。従って、従来の機械式トランスミッションと比較しても、追加となる走行用油圧ポンプや油圧モータ、あるいは動力合成部の構成部品が機械駆動部を越えて上下にはみ出すことがなく、油圧による駆動部分と機械式による駆動部分とが共存したトランスミッションを限られた配置スペース内に良好に配置できる。
【0013】
第2発明によれば、動力取出装置は機械駆動部の上方に位置することで最も高く突設されるが、このような動力取出装置の軸中心が中心線に対して傾倒配置されるので、動力取出装置が僅かに横側に寝ることになり、動力取出装置の上方への突出量を低減できる。従って、トランスミッションの上下寸法を抑制でき、限られた配置スペースにより確実に配置できる。特に、動力取出装置とその上方に配置される構造体等との干渉を避けることができ、転倒時運転者保護構造用の部材などを支障なく設けることができる。
【0014】
第3発明によれば、第1油圧モータおよび第2油圧モータは、互いに上下に重なる位置に配置される訳ではなく、中心線を挟むように左右に離間して配置されるので、トランスミッションの上下寸法が拡大するのをより確実に抑制できる。
【0015】
第4発明によれば、本発明の目的を達成できるうえ、トランスミッションとしては、第1〜第4クラッチを切り替えることで、油圧駆動による1速および2速の速度段、機械駆動部による3速および4速の速度段を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の第1実施形態に係るホイールローダおよびその動力伝達系を示す模式図。
図2】前記実施形態のトランスミッションを示す正面図。
図3】トランスミッションの動力の伝達経路を模式的に示す正面図。
図4】トランスミッションの動力伝達経路を模式的に示す側面図。
図5】トランスミッションの動力駆動部を示す断面図。
図6】トランスミッションの動力合成部の第1油圧モータ側を示す断面図。
図7】トランスミッションの動力合成部の第2油圧モータ側を示す断面図。
図8】本発明の第2実施形態に係るトランスミッションの動力の伝達経路を模式的に示す正面図。
図9】本発明の第3実施形態に係るトランスミッションの動力の伝達経路を模式的に示す正面図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
〔第1実施形態〕
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
図1には、本実施形態のホイールローダ1およびその走行用の動力伝達系統が透視図により模式的に示されている。なお、以下の説明において、前後左右の各方向としては、図1に示すキャブ6内で着座したオペレータから見た場合の前後左右と同じである。
【0018】
[ホイールローダの概略構成]
図1において、ホイールローダ1は、後述するトランスミッション20の構造および外観上の形状等を除き、周知のホイールローダと略同じである。すなわち、ホイールローダ1は、前部車体と後部車体とで構成される車体2を備え、前部車体の前方には、掘削・積込用の作業機としてのバケット3がブーム、ベルクランク、連結リンク、バケットシリンダ、ブームシリンダ等で構成される油圧式の作業機駆動機構4を介して取り付けられている。
【0019】
後部車体は、厚板の金属板等で構成された後部車体フレーム5(図1中に2点鎖線で図示)を備える。後部車体フレーム5の前側上部には、オペレータが乗り込む箱状のキャブ6が設けられ、後部車体フレーム5の前側下部には、トランスミッション20が設けられ、後部車体フレーム5の後側には、エンジンルーム7が設けられている。
【0020】
[動力伝達系の概略構成]
エンジンルーム7内には、動力源であるディーゼルエンジン(以下、エンジンと略す)8がマウントされている。ホイールローダ1では、エンジン8のクランクシャフトの軸方向と車体の前後方向とは平行であり、エンジン8の動力は、エンジン8の前側に設けられたフライホイール8A(図5,6参照)から出力される。
【0021】
フライホイール8Aから出力される動力は、トランスミッション20に入力される。トランスミッション20から出力される動力の一部は、リアドライブシャフト9を介してリアアクスル11に伝達され、後輪に伝達される。また、トランスミッション20から出力される動力の他の一部は、フロントドライブシャフト12を介してフロントアクスル13に伝達され、前輪に伝達される。
【0022】
[トランスミッションの構成]
本実施形態のトランスミッション20は、入力したエンジン8からの動力を機械駆動によって各ドライブシャフト9,12に伝達する場合と、油圧駆動によって伝達する場合とに切替可能に構成されている。このためトランスミッション20は、動力をギア列にて伝達する機械駆動部21と、油圧駆動のための作動油を供給する走行用油圧ポンプとしてのHST(Hydraulic Static Transmission:静油圧式無段変速機)ポンプ22と、HSTポンプ22からの作動油で駆動される第1油圧モータ23および第2油圧モータ24と、第1油圧モータ23および第2油圧モータ24からの動力と機械駆動部21側からの動力とを合成させる動力合成部25とを備えて構成される。
【0023】
また、トランスミッション20には、動力の入力側に近い位置、つまり、エンジン8に近い側にPTO(Power Take Off:動力取出装置)26が設けられている。PTO26には、これによって駆動される一対の油圧ポンプ27,27が接続されている。さらに、トランスミッション20には、作業機駆動機構4を駆動せるための作動油を供給する補機用油圧ポンプ28が設けられている。
【0024】
トランスミッション20は、後部車体フレーム5に支持されるミッションケース30を備える。ミッションケース30は、PTO26および機械駆動部21の一部を収容する第1ケース31と、機械駆動部21の他の部分および動力合成部25を収容する第2ケース32とで構成された半割構造とされている。第1ケース31には、油圧ポンプ27,27がそれぞれ同軸上に取り付けられている。第2ケース32には、HSTポンプ22および補機用油圧ポンプ28がそれぞれ同軸上に取り付けられているとともに、第1油圧モータ23および第2油圧モータ24が取り付けられている。
【0025】
[トランスミッションの各部の配置およびフレームとの関係]
図2には、トランスミッション20の正面図が示されている。
図1図2において、ミッションケース30を構成する第2ケース32の左右下部側には、L字形状の取付片14がボルト止めされている。一方、後部車体フレーム5を構成する左右のサイドフレーム5Aの内面には、支持ブラケット15が設けられている。支持ブラケット15の上部にはゴムマウント16が設けられている。このゴムマウント16に取付片14が取り付けられることで、トランスミッション20全体がサイドフレーム5Aに支持される。
【0026】
トランスミッション20が後部車体フレーム5に支持された状態では、トランスミッション20の入力軸であるエンジン軸20A(図3ないし図5参照)の軸中心C1(ここでは、HSTポンプ22および補機用油圧ポンプ28の軸中心と同じ)、および出力側の出力軸20Bの軸中心C2は、後部車体フレーム5の左右方向の中心を通る鉛直な中心線CL上に位置する。これら軸中心C1を有するエンジン軸20Aおよび軸中心C2を有する出力軸20Bにかけて、トランスミッション20の機械駆動部21が上下に配置される。
【0027】
第1油圧モータ23および第2油圧モータ24は、中心線CLを挟んで左右に配置さている。詳しくは、第1油圧モータ23の軸中心C3は、中心線CLに対して右側に位置し、第2油圧モータ24の軸中心C4は、中心線CLに対して左側に位置している。また、軸中心C3および軸中心C4は、出力軸20Bの軸中心C2よりも上方に位置している。従って、第1油圧モータ23および第2油圧モータ24の動力と機械駆動部21の動力とを合成させる動力合成部25では、軸中心C2よりも上方において、第1油圧モータ23および第2油圧モータ24の動力が機械駆動部21の左右両側から入力されている。
【0028】
また、動力合成部25は、機械駆動部21の中でも後段側に配置される第1合成ギア52および第2合成ギア53(図5ないし図7参照)を介して、HST駆動側の動力と機械駆動部21側の動力とを合成する。また、第1油圧モータ23および第2油圧モータ24を備えた本実施形態では、動力合成部25は、各モータ23,24の動力を第1合成ギア52および第2合成ギア53(図5ないし図7参照)を介して互いに合成する。従って、そのような第1合成ギア52および第2合成ギア53は、機械駆動部21を構成する部品ではあるが、動力合成部25の構成部品でもある。この結果、機械駆動部21の後段側は、合成された動力が伝達される第1合成ギア52、第2合成ギア53、およびギア55で構成されたギア列になっており、このギア列は軸中心C2を有する出力軸20Bと、HSTポンプ22および補機用油圧ポンプ28からなる油圧機器との間の空間を利用して配置されることとなる。
【0029】
PTO26の最も上方にあるPTO軸26A(図5)の軸中心C5(ここでは、油圧ポンプ27の軸中心と同じ)は、エンジン軸20Aの軸中心C1を中心として、中心線CLに対し略30°の傾倒角θにて左側に傾いた線上に位置している。この軸中心C5は、サイドフレーム5Aよりも上方に位置している。この際、左右のサイドフレーム5Aの上部間には、PTO26を跨ぐようにしてクロスメンバ5B(図5)がブリッジ状に架け渡される。
【0030】
そのようなクロスメンバ5Bには、ROPS(Roll-Over Protective Structures:転倒時運転者保護構造)用のフレームが立設される。このため、PTO26は上方に突出していることでクロスメンバ5Bと近づくことになるが、PTO26を左側に傾倒配置することにより、PTO26の高さを低くし、互いに干渉しないようにしている。単純にPTO26の上方への突出量を押さえ込むと、PTO26に接続された油圧ポンプ27の位置が下がり、ミッションケース30の第2ケース32の上部と干渉する。また、PTO26部分で最も高い位置に張り出すギアの位置をクロスメンバ5Bに対して前後方向にずらすことで、両者間相互のより大きなクリアランスが確保されている。
【0031】
[機械駆動部の詳細]
図3図4には、トランスミッション20での動力の伝達経路が模式的に示されている。図5には、トランスミッション20の機械駆動部21部分の断面図が示されている。
図3ないし図5において、エンジン8のフライホイール8Aには、トランスミッション20のエンジン軸20Aが連結されている。
【0032】
機械駆動部21は、エンジン軸20Aに取り付けられた一対のギア41,42と、ギア41,42間に設けられたクラッチ43と、エンジン軸20Aの下方に設けられて中心線CLから左側に外れて位置する中間軸44と、中間軸44に取り付けられてギア41,42と噛み合う一対のギア45,46と、ギア45,46間に設けられたクラッチ47と、同じく中間軸44に取り付けられたギア48と、中間軸44の下方に設けられて中心線CL上に位置する合成軸49と、合成軸49に取り付けられてギア48と噛み合うギア51と、同じく合成軸49に取り付けられた第1合成ギア52と、第1合成ギア52に隣設された第2合成ギア53と、第1合成ギア52および第2合成ギア53間に設けられたクラッチ54と、出力軸20Bに取り付けられて第1合成ギア52と噛み合うギア55とを備える。
ここで、ギア41,42,45,46,48,51,55がそれぞれ、本発明に係る第1〜第7ギアである。また、クラッチ43,47,54がそれぞれ、本発明に係る第1〜第3クラッチである。
【0033】
クラッチ43,47,54は、油圧式の湿式多板クラッチである。後述するクラッチ65も同様である。エンジン軸20Aでは、ギア42がエンジン軸20Aに固定され、クラッチ43を繋ぐことでギア42の回転がギア41に伝達される。中間軸44では、ギア45が中間軸44に固定され、クラッチ47を繋ぐことでギア46の回転がギア45に伝達される。合成軸49では、第1合成ギア52が合成軸49に固定され、クラッチ54を繋ぐことで第2合成ギア53の回転が第1合成ギア52に伝達される。また、本実施形態では、出力軸20Bに多板式のパーキングブレーキ56が設けられている。
【0034】
なお、図4では、作図上の理由からギア48とギア51とが離間して描かれ、第2合成ギア53と後述するギア66とが離間して描かれているが、実際には図5図7に示すように、互いに噛み合っている。
【0035】
[機械駆動部による動力伝達]
本実施形態のトランスミッション20では、低速側から高速側へ前進1速から前進4速の前進速度段と、同じく後進1速および後進2速の後進速度段を有している。このうち、機械駆動部21では、クラッチ43,47の操作により、速度段が前進3速と前進4速との間で切り替わる。機械駆動部21による動力伝達時には、クラッチ54は常に開放されている。
【0036】
先ず、機械駆動部21による前進3速の速度段では、クラッチ43が開放され、クラッチ47が繋げられる。この状態では、ギア41は回転しないことから、エンジン軸20Aに入力した動力は、ギア42からギア46へと伝達され、ギア46からギア45にクラッチ47を介して伝達され、中間軸44を介してギア48に伝達される。動力はさらに、ギア48からギア51および合成軸49を介して第1合成ギア52に伝達され、第1合成ギア52からギア55に伝達され、出力軸20Bに伝達される。ギア45と噛み合うギア41は、クラッチ43の開放によりエンジン軸20A回りを空転する。
【0037】
次いで、機械駆動部21による前進4速の速度段では、クラッチ43が繋がれ、クラッチ47が開放される。この状態では、エンジン軸20Aに入力した動力は、ギア42からクラッチ43を介してギア41に伝達され、ギア41からギア45に伝達され、中間軸44を介してギア48に伝達される。以下は、前進3速と同じである。ギア42と噛み合うギア46は、クラッチ47の開放により中間軸44回りを空転する。
【0038】
前進3速の速度段では、ギア42とギア46との噛み合いによる動力伝達によって減速するが、伝達トルクは大きい。これに対して、前進4速の速度段では、ギア41とギア45との噛み合いによる動力伝達によって増速するが、伝達トルクは小さい。
また、機械駆動部21での動力伝達時でも、HSTポンプ22は駆動されるが、この際には、斜板式であるHSTポンプ22の斜板角を0°にしておくことで、作動油が吐出されないようになっている。このため、HSTポンプ22は略無負荷の状態で駆動されることとなり、HSTポンプ22で費やされる動力は無視できる程度に小さい。
【0039】
[HSTポンプの詳細]
図4図5に示すように、HSTポンプ22は、補機用油圧ポンプ28と共にエンジン軸20Aに連結されている。HSTポンプ22は、斜板式の可変容量型であり、斜板角を0°を境にしてプラス角度およびマイナス角度の両側に変更可能である。斜板角を0°を超えて動作させることにより、HSTポンプ22からの作動油の吐出方向を変え、第1油圧モータ23および第2油圧モータ24の回転方向を変更する。このようなHSTポンプ22は、吐出側の圧力よりも吸込側の圧力が高くなった場合に、油圧モータとして動作し、エンジン8を連れ回してエンジンブレーキを生じさせる。
【0040】
[油圧モータの詳細]
第1油圧モータ23および第2油圧モータ24は、図4に示すように、斜軸式の可変容量型であり、HSTポンプ22を含む油圧回路A内に並列に配置されている。また、第1油圧モータ23および第2油圧モータ24は、HSTポンプ22からの作動油の吐出方向を換えることで回転方向が切り替わる。つまり、第1油圧モータ23および第2油圧モータ24を正転させることでホイールローダ1を前進させ、逆転させることで後進させるのである。
【0041】
[動力合成部の詳細]
図4および図6に基づき、動力合成部25の中の第1油圧モータ23側の部分について説明する。第1油圧モータ23側において、動力合成部25は、遊星機構にて構成されている。具体的に動力合成部25は、第1油圧モータ23の第1モータ出力軸23Aに取り付けられたサンギア61と、サンギア61の周囲に配置されてこのサンギア61に噛み合う複数のプラネタリギア62と、プラネタリギア62が軸支された歯車状のキャリア63と、プラネタリギア62の外周を覆うように配置されてそれらのプラネタリギア62に噛み合い、かつ第1モータ出力軸23Aと同軸上で回転するリングギア64と、リングギア64とミッションケース30との間に設けられた第4クラッチとしてのクラッチ65と、キャリア63と噛み合う第1合成ギア52とを備える。
【0042】
次に、図4および図7に基づき、動力合成部25の中の第2油圧モータ24側の部分について説明する。第2油圧モータ24側において、動力合成部25は、第2油圧モータ24の第2モータ出力軸24Aに取り付けられた第8ギアとしてのギア66と、ギア66と噛み合う第2合成ギア53と、第1合成ギア52と、クラッチ54とを備える。なお、図7においては、作図上の理由からギア48とギア51とが離間して描かれているが、上述した通り、実際には互いに噛み合っている。
【0043】
ところで、このような動力合成部25によれば、機械駆動部21での動力伝達時には、クラッチ54,65が開放されるとともに、第1油圧モータ23および第2油圧モータ24の斜軸角が0°にされる。クラッチ65を開放しない場合には、第1合成ギア52の回転が遊星機構によって想定以上に増速され、第1油圧モータ23が過度に高速で連れ回される可能性がある。このため、第1油圧モータ23の耐久性の点からも、斜軸角を0°にするのに加え、クラッチ65を開放することが望ましい。
【0044】
[HSTによる動力伝達]
HSTポンプ22、第1油圧モータ23、および第2油圧モータ24を用いたHSTによる動力伝達では、前進1速と前進2速、および後進1速と後進2速とを担っている。図4図6、および図7において、前進1速および後進1速の速度段では、機械駆動部21側のクラッチ43,47が開放され、機械駆動部21を通して動力が伝達されることはない。また、クラッチ54,65は繋がっている。この状態では、第1油圧モータ23の動力および第2油圧モータ24の動力が、動力合成部25をも構成している第1合成ギア52および第2合成ギア53に入力され、合成される。
【0045】
すなわち、HSTポンプ22からの作動油にて駆動される第1油圧モータ23の動力は、サンギア61からプラネタリギア62に伝達される。このとき、リングギア64はクラッチ65によって固定され、回転しないことから、プラネタリギア62は自転しながらサンギア61の回りを公転し、同時にキャリア63が減速されて回転する。従って、第1油圧モータ23の動力は、キャリア63から第1合成ギア52に伝達される。また、第2油圧モータ24の動力は、ギア66から第2合成ギア53に伝達され、クラッチ54を介して第1合成ギア52に伝達され、この第1合成ギア52にて第1油圧モータ23からの動力と合成される。合成された動力は、第1合成ギア52からギア55を介して出力軸20Bに伝達される。
【0046】
これに対して前進2速および後進2速の速度段では、クラッチ54を繋げるが、第1油圧モータ23側のクラッチ65は開放し、また、第1油圧モータ23の斜軸角を0°にする。こうすることで、第1油圧モータ23からの出力をなくしつつ、第1合成ギア52側から第1油圧モータ23側への動力伝達を防止する。すなわち、第2油圧モータ24の動力が確実に出力軸20Bに伝達される。
【0047】
一方、速度段を前進2速または前進1速での走行中において、エンジン8の回転数を急速に落とした場合や、急勾配な降坂走行などには、エンジンブレーキが働く。つまり、このような状態では、タイヤ側から伝達される動力の方が動力合成部25から出力される動力よりも大きくなるため、クラッチ54,65で繋がった状態の第1油圧モータ23および第2油圧モータ24は、増速されて連れ回され、油圧ポンプとして動作する。このため、HSTポンプ22の吸込側には、吐出側よりも高い圧力の作動油が流れ込み、HSTポンプ22が油圧モータとして動作する。この結果、エンジン8がHSTポンプ22によって連れ回され、エンジンブレーキが生じることとなる。
【0048】
[動力伝達の切替]
例えば、Vシェープ動作のように、バケット3にて掘削しながら前進する場合や、積荷がある状態で短い距離を前後進する場合には、走行負荷が大きいことから、選択される速度段としては、HST駆動での前進1速および後進1速が主である。また、積荷がある状態で中距離を走行する場合や、除雪作業のように走行負荷が高負荷で車速が要求される場合では、HST駆動での前進2速および後進2速が選択される。積荷のない走行において、登坂走行など軽負荷程度の走行負荷の場合には、機械駆動での前進3速が選択され、平地走行などでは、走行負荷が僅かであるため、機械駆動での前進4速が選択される。本実施形態では、機械駆動による後進は想定していないが、リバースギアを組み込むことで、機械駆動での後進を可能にしてもよい。
【0049】
速度段の切替は、オペレータのシフト操作により、各速度段の位置にシフトレバーを合わせることで行われる。選択された速度段に応じてクラッチ43,47,54,65が動作し、適正な動力伝達が行われる。また、所謂ドライブレンジの位置にシフトレバーを合わせておくことにより、自動判定された走行負荷に基づいてクラッチ43,47,54,65が動作し、速度段が自動的に切り替わるようにすることも可能である。
【0050】
そして、前進2速から前進3速への速度段の切替においては、HST駆動側からの動力で回転している例えば第1合成ギア52を、一時的ではあるが機械駆動部21側の動力でも回転させることになる。それらの両方の動力で第1合成ギア52以下を回転させることから、動力合成部25にて動力合成が行われていることになる。前進3速から前進2速への速度段の切替時においても同様である。
【0051】
[PTOの詳細]
図5に戻ってPTO26は、エンジン軸20Aに取り付けられたギア71と、ギア71と噛み合うギア72と、ギア72が取り付けられる回転軸としてのPTO軸26Aとを備える。本実施形態では、PTO軸26Aに一対の油圧ポンプ27が接続されている。このようなPTO26は、エンジン8の運転中には常に駆動されることとなる。ただし、油圧ポンプ27は必要に応じて設けられればよく、省略可能である。この場合、PTO軸26Aが略無負荷の状態で空転する。また、油圧ポンプ27に代えて、他の装置をPTO軸26Aに接続してもよい。
【0052】
〔第2実施形態〕
図8には、本発明の第2実施形態が示されている。
図8では、第1油圧モータ23の動力がアイドラー軸81Aに取り付けられたアイドルギア81を介して最下段のギア55に入力する構成である。この場合でも、アイドルギア81によるギア55への動力入力位置、すなわち合成位置は出力軸20Bよりも上方になっている。
【0053】
HST駆動に要求される牽引力等が大きくなり、走行用の第1油圧モータ23や上方のHSTポンプ22が大型化し、互いに干渉する可能性がでてくる。そこで、アイドルギア81を介して第1油圧モータ23の動力をギア55も伝達することとし、よって第1油圧モータ23をHSTポンプ22から遠ざけることができ、互いの干渉を防止できる。
【0054】
〔第3実施形態〕
図9には、本発明の第3実施形態が示されている。
図9では、中心線CLを挟んだ左右両側にPTO軸26Aが設けられ、これらの一方のPTO軸26Aに油圧ポンプ27とHSTポンプ22とが接続され、他方のPTO軸26Aに油圧ポンプ27と補機用油圧ポンプ28とが接続されている。
【0055】
HSTポンプ22の大型化に伴って補機用油圧ポンプ28も大型化することが考えられる。この場合、HSTポンプ22および補機用油圧ポンプ28と、ミッションケース30の動力合成部25を収容する辺りと干渉したり、前方に大きく突出して後部車体フレーム5内に収まりきれなかったりするおそれがある。そこで、一対のPTO軸26Aを設け、HSTポンプ22および補機用油圧ポンプ28をそれぞれのPTO軸26Aに分けて配置し、これによって前方への突出量を抑えることができ、他との干渉を確実に防止することが可能である。
【0056】
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、前記各実施形態では、第1油圧モータ23および第2油圧モータ24が設けられていたが、本発明の走行用の油圧モータとしては1つであってよく、例えば第1油圧モータ23のみであってよい。
また逆に、走行用の油圧モータが3つ以上の場合でも、本発明に含まれる。
【0057】
前記第1実施形態では、第1油圧モータ23および第2油圧モータ24が左右に配置され、それらの動力が第1合成ギア52および第2合成ギア53に入力する構成であったが、第1油圧モータ23の動力をギア55に入力し、ギア55にクラッチを介して隣設される別のギアに第2油圧モータ24の動力を入力する構成であってもよい。
【0058】
前記実施形態では、中間軸44が中心線CLに対して左側にずれて位置しており、このことでギア列の高さが抑えられていたが、加えて合成軸49を中心線CLに対して右側にずらし、さらに高さを抑えてもよい。ただし、ギア列と第1、第2油圧モータ23,24とが近づくため、それらの干渉を考慮する必要がある。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明は、ホイールローダに好適に利用できる。
【符号の説明】
【0060】
1…ホイールローダ、3…作業機であるバケット、8…エンジン、9…ドライブシャフであるリアドライブシャフト、12…ドライブシャフトであるフロントドライブシャフト、20…トランスミッション、20A…入力軸であるエンジン軸、20B…出力軸、21…機械駆動部、22…走行用油圧ポンプであるHSTポンプ、23…第1油圧モータ、23A…第1モータ出力軸、24…第2油圧モータ、24A…第2モータ出力軸、25…動力合成部、26…動力取出装置(PTO)、26A…回転軸であるPTO軸、28…補機用油圧ポンプ、30…ミッションケース、41…第1ギアであるギア、42…第2ギアであるギア、43…第1クラッチであるクラッチ、44…中間軸、45…第3ギアであるギア、46…第4ギアであるギア、47…第2クラッチであるクラッチ、48…第5ギアであるギア、49…合成軸、51…第6ギアであるギア、52…第1合成ギア、53…第2合成ギア、54…第3クラッチであるクラッチ、55…第7ギアであるギア、61…サンギア、62…プラネタリギア、63…キャリア、64…リングギア、65…第4クラッチであるクラッチ、66…第8ギアであるギア、C1〜C5…軸中心、CL…中心線、θ…傾倒角。
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図1