特許第6076204号(P6076204)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6076204
(24)【登録日】2017年1月20日
(45)【発行日】2017年2月8日
(54)【発明の名称】水切り上手容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 77/20 20060101AFI20170130BHJP
   B65D 81/22 20060101ALI20170130BHJP
【FI】
   B65D77/20 E
   B65D81/22
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-121698(P2013-121698)
(22)【出願日】2013年6月10日
(65)【公開番号】特開2014-237479(P2014-237479A)
(43)【公開日】2014年12月18日
【審査請求日】2016年4月4日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】512309325
【氏名又は名称】有限会社正好
(73)【特許権者】
【識別番号】396011510
【氏名又は名称】株式会社大和工機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100080654
【弁理士】
【氏名又は名称】土橋 博司
(72)【発明者】
【氏名】加藤 正雄
(72)【発明者】
【氏名】竹内 友一
【審査官】 吉澤 秀明
(56)【参考文献】
【文献】 実開平6−81974(JP,U)
【文献】 特開平1−139363(JP,A)
【文献】 特開2002−173179(JP,A)
【文献】 特開2003−252372(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 77/20
B65D 81/22
B65D 77/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
四角形状の周壁を構成する側壁を有し、該側壁の外縁部分に外向きフランジを設けた剛性あるいは半剛性の容器本体と、該容器本体上面の外向きフランジに張設された柔軟なシート蓋とを備え、
前記容器本体は外向きフランジの1つの隅部の対向する側壁間を面取りされ、該側壁の面取り部分と前記外向きフランジの隅部との間に、凹溝を備えたほぼ三角形をなすテーブル部を形成し、かつ面取り部分の上端には前記テーブル部の凹溝に至るガイド溝を形成するとともに、
前記テーブル部に凹溝の周囲を囲む密封シール部を形成し、かつ前記テーブル部には該凹溝を横切る位置に開口部を設けた下向き開口片を形成してあり、
前記シート蓋から前記凹溝の周囲を囲む密封シール部を剥がして前記凹溝を露出することにより、容器本体内の液が前記下向き開口片の先端から排液できるようにしたことを特徴とする水切り上手容器。
【請求項2】
前記凹溝は、さらに容器本体上部から下向きに伸びるガイド溝と連結していることを特徴とする請求項1に記載の水切り上手容器。
【請求項3】
前記テーブル部に形成した下向き開口片は、その先端側に前記シート蓋から垂直方向に突出する開口用突起を形成され、前記テーブル部の表面側から該開口用突起を押し下げることにより、前記下向き開口片を開放するようにしたことを特徴とする請求項1または2に記載の水切り上手容器。
【請求項4】
前記テーブル部は、前記下向き開口片の幅方向の両側に沿って1ないし2以上の突条を形成してあることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の水切り上手容器。
【請求項5】
前記容器本体は、その底部内側に台部が形成されており、該台部は前記面取り部分に向かって低くなるよう形成されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の水切り上手容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば朝漬け等の調味液入りの漬物類や杏仁豆腐等を収納するのに適した、調味液飛び跳ね防止機能を備えた水切り上手容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、朝漬け等の調味液入りの漬物類を収納する容器としては、例えば、容器本体周壁上端に外向きフランジを付設し、かつ該外向きフランジ上面にシート蓋の外周部を剥離可能に貼着して容器本体の上端開口面を閉塞したものが一般的である。
また、前記シート蓋に代えて、容器本体の周壁上端にはめ込まれるように成形した嵌合可能な成形蓋を用いることもあった。
【0003】
しかしながら、前者のシート蓋や後者の成形蓋においては以下のような不具合のあることが知られている。
シート蓋の場合
1)容器本体のどの位置に水切りのための開封箇所があるが見分けが付きにくい。
2)開封の際、中身の「調味液」が飛び散りやすく、使用者自身と身の回りを汚してしまう。
成形蓋の場合
1)容器本体のどの位置に水切りのための開封箇所があるが見分けが付きにくい。
2)嵌合機能付き容器のため、開封に力が必要で難しい。
3)開封の際、中身の「調味液」が飛び散りやすく、使用者自身と身の回りを汚してしまう。
4)容器本体と成形蓋の「接着シール強度」が若干不足しがちである。
【0004】
ちなみに、特開2001−55286号公報(特許文献1参照)に正方形の容器本体にシート蓋を取り付けた例を示す。この先行技術には、豆腐と水が収納された容器本体の外向きフランジに排水用の凹溝を設けることにより容器本体内からの排水を容易にした水切り構造が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−55286号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の朝漬け等の調味液入りの漬物類を収納する容器にあっては、食する際にシート蓋または成形蓋の一部または全部を剥がして容器本体から水を排出させるようになっている。
この場合に排水経路を形成するのはシート蓋または成形蓋が剥がされた平坦な開口部であるため、排水するために容器本体を大きく傾ける必要があるが、傾斜角度および開口部が大きい場合には食品そのものが容器本体外へ出てしまう。このため食品を他方の手で押さえなければならず、しかも水の流出幅も大きいことから周囲を濡らすおそれがあった。
また特許文献1の、容器本体の外向きフランジに排水用の凹溝を設けることにより容器本体内からの排水を容易にした水切り構造においては、水の流出幅を小さくすることはできるものの、逆に勢いよく水が流出してやはり周囲を濡らすという課題は十分解決されるには至っていなかった。
【0007】
そこでこの発明は、容器本体とシート蓋との間の開封しやすさが特段に改善され、また開封時に周囲を濡らすという課題が十分に解消された好適な水切り機能を付与されるとともに、朝漬け等の調味液入りの漬物商品のイメージが向上し、購入希望の年配あるいは女性等にも取り扱いやすく、したがって売り上げ増に寄与する水切り上手容器の提供をその目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわちこの発明の水切り上手容器は、四角形状の周壁を構成する側壁を有し、該側壁の外縁部分に外向きフランジを設けた剛性あるいは半剛性の容器本体と、該容器本体上面の外向きフランジに張設された柔軟なシート蓋とを備え、
前記容器本体は外向きフランジの1つの隅部の対向する側壁間を面取りされ、該側壁の面取り部分と前記外向きフランジの隅部との間に、凹溝を備えたほぼ三角形をなすテーブル部を形成し、かつ面取り部分の上端には前記テーブル部の凹溝に至るガイド溝を形成するとともに、
前記テーブル部に凹溝の周囲を囲む密封シール部を形成し、かつ前記テーブル部には該凹溝を横切る位置に開口部を設けた下向き開口片を形成してあり、
前記シート蓋から前記凹溝の周囲を囲む密封シール部を剥がして前記凹溝を露出することにより、容器本体内の液が前記下向き開口片の先端から排液できるようにしたことを特徴とするものである。
ものである。
【0009】
この発明の水切り上手容器において、前記凹溝は、さらに容器本体上部から下向きに伸びるガイド溝と連結していることをも特徴とするものである。
【0010】
この発明の水切り上手容器において、前記テーブル部に形成した下向き開口片は、その先端側に前記シート蓋から垂直方向に突出する開口用突起を形成され、前記テーブル部の表面側から該開口用突起を押し下げることにより、前記下向き開口片を開放するようにしたことをも特徴とするものである。
【0011】
この発明の水切り上手容器において、前記テーブル部は、前記下向き開口片の幅方向の両側に沿って1ないし2以上の突条を形成してあることをも特徴とするものである。
【0012】
この発明の水切り上手容器において、前記容器本体は、その底部内側に台部が形成されており、該台部は前記面取り部分に向かって低くなるよう形成されていることをも特徴とするものである。
【発明の効果】
【0013】
この発明の水切り上手容器は以上のように構成したので、以下のような作用効果を発揮することができる。
請求項1の発明においては、前記容器本体の側壁の1つの隅部を面取りし、上面の外向きフランジの外縁と面取り部分とで構成されるテーブル部を形成し、かつ面取り部分の上端には前記テーブル部に至る凹溝を形成するとともに、前記テーブル部には該凹溝の周囲を囲む密封シール部を前記シート蓋に形成し、かつ該凹溝を横切る位置に開口部を設けた下向き開口片を形成してあるので、前記シート蓋に形成した前記凹溝の周囲を囲む密封シール部を剥がして前記凹溝を露出することにより、漬物類の調味液は凹溝から一定の量が勢いを削がれた状態で前記シート蓋の下側に排出される。
もちろん、前記調味液は前記テーブル部に形成された下向き開口片とシート蓋との間、望ましくはテーブル部と下向き開口片との隙間を広がることなく排出されるので、開封の際に中身の調味液が飛び散って、使用者自身と身の回りを汚す心配がない。
【0014】
請求項2の発明においては、前記凹溝はさらに容器本体下向きに伸びるガイド溝と連結させてある。
したがって、漬物類の調味液が容器本体から凹溝へ無理なく導かれ、開封の際に中身の調味液が飛び散って、使用者自身と身の回りを汚す心配がない。
【0015】
請求項3の発明においては、前記テーブル部に形成した下向き開口片は、その先端側に前記シート蓋から垂直方向に突出する開口用突起を形成され、前記テーブル部の表面側から該開口用突起を押し下げることにより、前記下向き開口片を開放するようにしたことをも特徴とするものである。
したがって、前記テーブル部の表面側から該開口用突起を押し下げるだけで前記下向き開口片を開放することが可能であり、前記下向き開口片とシート蓋との間の開封操作をきわめて簡単に行うことができる。
【0016】
請求項4の発明においては、前記テーブル部は、前記下向き開口片の幅方向の両側に沿って1ないし2以上の突条を形成されていることをも特徴とするものである。
したがって、前記テーブル部の表面側から該開口用突起を押し下げる操作に際しては、前記テーブル部の変形を防止することができ、前記下向き開口片とシート蓋との間の開封操作を確実に行うことができる。
【0017】
請求項5の発明においては、前記容器本体は、その底部内側に台部が形成されており、該台部は前記面取り部分に向かって低くなるよう形成されている。
したがって、容器本体の底部は前記テーブル部に対して奥から手前側に向かって所定の角度で低くなっており、水切り機能を発揮させるための前記ガイド溝側に調味液が溜まり易くなっているので、調味液を効率よく容器本体から排出させることができる。
【0018】
その他の効果としては次のような事項を列挙することができる。
1)蓋材にイージーピールフィルムを採用することができ、開封性を容易にすることが可能となった。
2)効果的な水切り機能が付与されるので、調味液の飛び跳ねが解消できた。
3)前記水切り位置と連動して、開封箇所が明確で消費者が非常に取扱いやすくなった。
4)蓋材にラミネートフィルムを採用することにより、容器本体とのシール強度を上げやすくなった。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】この発明に係る水切り上手容器の1実施例を示す透視平面図である。
図2】シート蓋のシール位置を示す平面図である。
図3図1のA−A’断面図である。
図4図1のB−B’断面図である。
図5】下向き開口片を指で押し下げた状態を示す断面図である。
図6】容器本体を傾けて水切り操作をする状態を示す断面図である。
図7】テーブル部全面のシート蓋を剥がした状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、この発明に係る水切り上手容器10の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
図1ないし図7に示す実施例において、11は剛性あるいは半剛性を備えた容器本体で、四角形状の周壁を構成する側壁12上端の外縁部分に外向きフランジ13を付設してあり、該外向きフランジ13の端縁はさらに下向きのL字状断面として補強効果を高めている。
そして、該外向きフランジ13の1つの隅部14の対向する側壁間を面取りし、外向きフランジ13と該側壁12の面取り部分16との間に、ほぼ三角形のテーブル部15を形成してある。
そして、前記容器本体11上面の外向きフランジ13には、三角形のテーブル部15を含めて柔軟なシート蓋41が剥離可能に貼着されている。
【0021】
前記容器本体11についてより詳しく説明すると、容器本体11は底部内側に台部21が形成されており、該台部21は前記面取り部分16に向かって低くなるよう傾斜させてある。
この傾斜する台部21により、漬物類の調味液は台部21の外周の周溝22部分に集積されやすくなる。また前記台部21の外縁から底部を経て各側壁12の所定の位置まで、上方に向かって内向きのリブ23が複数本設けてあり、このリブ23も台部21と同様に調味液を台部21の外周の周溝22部分に集積させる機能を持つ。
図において、24は側壁12の上部に形成した棚部で、調味液の充填量を示したり、あるいは側壁12を補強したり、また積み重ねた容器本体11の分離しやすさ等のために形成されている。
【0022】
前記面取り部分16の上端には前記テーブル部15の凹溝25に至るガイド溝34が形成されており、前記テーブル部15上面のシート蓋41から前記凹溝25を露出させることにより、容器本体11内の調味液が排液できるようになっている。
前記凹溝25は、面取り部分16側の端面は前記棚部24に達しない深さに、またテーブル部15側の先端は徐々に浅くなっていてテーブル部15の先端側との間に適宜の間隔が空く位置で終わるV字状の側辺26を有するよう形成されている。
【0023】
図において27は1ないし2以上の突条からなるシール部で、前記側壁12上の外向きフランジ13において、前記テーブル部15の凹溝25の側辺26の外側を取り巻くように形成されている。もちろん、前記突条からなるシール部27に代えて1ないし2以上の線シールを用いてもよい。
また28は、前記ほぼ三角形のテーブル部15の外周を取り巻くように形成された突条からなるシール部で、前記シート蓋41はこれらの突条からなるシール部(あるいは線シール)27やシール部28に熱融着されて密封される。
図2に前記シート蓋41のシール位置を示す。
【0024】
そして前記テーブル部15には、前記凹溝25を横切る位置に仮想の開口部32を設けた下向き開口片31が形成されており、該下向き開口片31はその両側から先端につながる切込み部分で下向きに押し下げることができるようになっている。したがって、前記下向き開口片31を押し下げて切込み部分をずらすと前記テーブル部15の凹溝25の先端側をも下方に移動させるので、前記仮想の開口部32の近傍で前記テーブル部15の凹溝25は前記シート蓋41から剥がされることとなる。
【0025】
すなわち、前記下向き開口片31の先端を指で押し下げて前記下向き開口片31を前記シート蓋41から剥がせば、前記凹溝25は前記開口部32位置まで自動的に露出することになり、そのまま水切り上手容器10を傾ければ容器本体11内の液は難なく排液することができるようになった。
図1ないし図7において、33は前記テーブル部15の凹溝25の先端から所定の間隔をおいて前記下向き開口片31に設けた横長の突起であり、前記テーブル部15の板面から上向きに突出するよう形成してある。したがってこの突起33を押し下げることにより前記下向き開口片31は前記テーブル部15の板面から容易に押し下げることができる。もちろん、前記下向き開口片31の先端を指で下に引っ張ってもよい。
したがって、漬物類の調味液は前記テーブル部15の凹溝25に導かれ、前記テーブル部15からまとまった状態で放出される。また前記下向き開口片31の先端をめくるように折返せば、前記突起33に調味液がぶつかることもなく、開封の際に中身の調味液が飛び散って、使用者自身と身の回りを汚す心配がない。
【0026】
この実施例において、前記凹溝25は、さらに容器本体11の底部近傍まで伸びるガイド溝34と連結している。
したがって、漬物類の調味液が容器本体11から凹溝25へ無理なく導かれ、開封の際に中身の調味液が飛び散って、使用者自身と身の回りを汚す心配がない。
【0027】
また前記テーブル部15には、前記下向き開口片31の幅方向の両側に沿って1ないし2以上の突条からなるシール部35が形成してある。該シール部35は、前記突条からなるシール部27,28と組み合わされて前記下向き開口片31の両側においてほぼ直角三角形をなしており、前記テーブル部15の剛性を高めるのに貢献している。
なお、前記シート蓋41は前記シール部35にも熱融着されて密封される。
前記突条からなるシール部35により、前記下向き開口片31を押し下げた際に前記テーブル部15がつられて変形することがなく、前記テーブル部15から前記下向き開口片31が確実に分離されて、前記凹溝25が前記開口部32位置まで無理なく露出することとなる。
【0028】
なお、前記容器本体11の周壁の断面形状は四角形状に限られず、三角形でも、あるいは多角形状でもよい。これらの場合も上記同様に外向きフランジ13の隅部の内縁部にテーブル部15と凹溝25を形成することにより同様の作用効果が得られる。
さらに、周壁の断面形状としては円形でもよく、この場合にはその一部の側壁を面取りし、その外向きフランジと側壁の前記面取り部分との間に、ほぼ三角形のテーブル部を形成すればよい。
【0029】
次に前記実施形態の作用について説明する。
1)内部に充填した食品等を取り出すに先立って容器本体11内の例えば調味液を排出するには、図4に示す向きに、前記突起33を下向きに押して前記下向き開口片31を押し下げる。もちろんその際、前記下向き開口片31はその両側から先端につながる切込み部分において首振り自在となっている。
2)実際に、図5に示すように、前記下向き開口片31の先端を指で下向きに押し下げ、必要に応じて前記下向き開口片31の先端を指で下に引き下げておく。その際、前記シート蓋41の凹溝25の周囲のシール部27が前記開口部32位置まで剥がされて、前記凹溝25が所定位置まで露出する。
もちろん、図7に示すように、あらかじめほぼ三角形のテーブル部15全面のシート蓋41を剥がしておいてもよい。
3)このように、前記凹溝25を前記シート蓋41から剥がして開口させた後、図6に示すように容器本体11を傾ければ、容器本体11内の調味液が排出する。その際、当初調味液は前記凹溝25から前記シート蓋41に沿って流れ出すため、前記調味液が飛び跳ねる事態は何ら生じない。その際、前記下向き開口片31が押し下げているので、調味液は前記凹溝25から前記テーブル部15と下向き開口片31の隙間の先端から流れ出す。
そして、前記調味液が前記シート蓋41から離れて流れ出した場合には、前記調味液の流速がすでに遅くなっており、前記調味液が飛び跳ねることがない。
【0030】
この発明の水切り上手容器10におけるその他の効果としては、次のような項目を挙げることができる。
1)蓋材にイージーピールフィルムを採用することができ、開封性を容易にすることが可能となった。
2)効果的な水切り機能が付与されるので、調味液の飛び跳ねが解消できた。
3)前記水切り位置と連動して、開封箇所が明確で説明書を読まなくても直感的に使うことができ、消費者が非常に取扱いやすくなった。
4)蓋材にラミネートフィルムを採用することによって、容器本体とのシール強度を上げやすくなり、運搬時等にシート蓋が剥がれたり破損しにくくなって不良の発生率を大幅に低減することができる。
【産業上の利用可能性】
【0031】
この発明の水切り上手容器は、前記朝漬けや古漬け等の調味液入りの漬物類のみならず、焼きそば等の湯切りを伴うインスタント食品やペットフード商品、ところてんやシラタキその他の水に浸した商品、みつ豆等のシロップ入り商品、牡蛎やシジミ等の水に浸した水産食品等を収納する水切り上手容器に適用することができる。
もちろん前記の例示した商品以外でも、水切り等の機能を要求される商品であれば好適に適用することができることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0032】
10 水切り上手容器
11 容器本体
12 側壁
13 外向きフランジ
14 隅部
15 テーブル部
16 面取り部分
21 台部
22 周溝
23 リブ
24 棚部
25 凹溝
26 側辺
27 シール部
28 シール部
31 開口片
32 開口部
33 突起
34 ガイド溝
35 突条
41 シート蓋
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7