(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6076232
(24)【登録日】2017年1月20日
(45)【発行日】2017年2月8日
(54)【発明の名称】アシストグリップ
(51)【国際特許分類】
B60N 3/02 20060101AFI20170130BHJP
【FI】
B60N3/02 A
【請求項の数】6
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2013-223721(P2013-223721)
(22)【出願日】2013年10月28日
(65)【公開番号】特開2015-85727(P2015-85727A)
(43)【公開日】2015年5月7日
【審査請求日】2016年3月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】000135209
【氏名又は名称】株式会社ニフコ
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100109830
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 淑弘
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140176
【弁理士】
【氏名又は名称】砂川 克
(74)【代理人】
【識別番号】100158805
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 守三
(74)【代理人】
【識別番号】100172580
【弁理士】
【氏名又は名称】赤穂 隆雄
(74)【代理人】
【識別番号】100124394
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 立志
(74)【代理人】
【識別番号】100112807
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 貴志
(74)【代理人】
【識別番号】100111073
【弁理士】
【氏名又は名称】堀内 美保子
(72)【発明者】
【氏名】永山 智著
【審査官】
永安 真
(56)【参考文献】
【文献】
特開2005−138823(JP,A)
【文献】
特開2013−23073(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2012/0222360(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 3/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車の車室内に取り付けられるアシストグリップにおいて、
長手方向の両端に形成された一対の凹部、及び、これら凹部のそれぞれの周壁における前記長手方向で対向する部分に形成された一対の溝部を有するグリップ本体と、
前記凹部に収容され、所定の間隔を隔てた一対の立設部と、これら立設部の両外側に突出し、前記一対の溝部にそれぞれ挿通可能に形成された一対の回動軸を有するヒンジと、
前記一対の溝部の一方に設けられ、この一方の溝部の終端部に前記一対の回動軸の一端が挿入される軸受凹部と、
前記軸受凹部に前記回動軸の一端が挿入された回転軸挿入状態から抜けるのを防止するストッパ部材とを備えていることを特徴とするアシストグリップ。
【請求項2】
前記一対の溝部の、前記軸受凹部が設けてある側の一方側の溝部深さが浅く、他方側の溝部深さが深くなっており、前記回転軸挿入状態で前記回転軸の他端側が他方の溝部内にあることを特徴とする請求項1に記載のアシストグリップ。
【請求項3】
前記ストッパ部材は、前記凹部の周壁と前記立設部の間に挿入される突設部がストッパ部となり、前記ヒンジに対するカバー部と一体に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のアシストグリップ。
【請求項4】
前記ストッパ部材は、略U字形状で、前記回動軸の外周面に係合することを特徴とする請求項3に記載のアシストグリップ。
【請求項5】
前記回動軸は前記立設部から突出させた丸ボス形状であることを特徴とする請求項1〜
4のいずれか記載のアシストグリップ。
【請求項6】
前記一対の溝部のうち、溝部深さが深い溝部は、前記長手方向における前記一対の凹部の同じ側に設けられていることを特徴とする請求項2に記載のアシストグリップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車の車室内に設けられ、乗員が乗り降りの際や揺れた際等に掴まるためのアシストグリップに関し、特に着脱が容易で、かつ、確実に固定することができる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
アシストグリップは、乗員を容易に自動車の車室から出入りさせるために、自動車の車室内に設けられている。アシストグリップを掴むことにより、車室に出入りする間または座席に腰掛ける間自身を支援することが可能である。アシストグリップは、収容位置からオープンな位置に、同様にオープンな位置から収容位置に回動する部品である。収容位置においてアシストグリップは乗員の側の位置から脱着可能である(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
アシストグリップは、グリップ本体の長手方向両端に凹部を設け、この凹部に車室の壁面に取り付けられるヒンジ部材を挿入することで、組み立てられていた。ヒンジ部材には一対の立設部が設けられ、立設部の外側に設けられた回動軸が、グリップの凹部内のさそい溝によりグリップ軸受凹部に挿入され、立設部の内側にダンパを設けて抜け止めとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−138823号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したアシストグリップでは、次のような問題があった。すなわち、さそい溝からグリップ軸受凹部にヒンジ部材の回動軸を挿入するために、立設部を撓ませる必要があり、挿入作業が難しかった。また、撓ませるために立設部を薄く作る等、剛性が不足する虞もあった。さらに、ダンパを設けない場合には、抜け止めのために別部品が必要になる場合があった。
【0006】
そこで本発明は、グリップ本体へのヒンジ部材の挿入作業が容易であり、かつ、確実に固定することができるアシストグリップを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決し目的を達成するために、本発明のアシストグリップは次のように構成されている。
【0008】
自動車の車室内に取り付けられるアシストグリップにおいて、長手方向の両端に形成された一対の凹部、及び、これら凹部のそれぞれの周壁における前記長手方向で対向する部分に形成された一対の溝部を有するグリップ本体と、前記凹部に収容され、所定の間隔を隔てた一対の立設部と、これら立設部の両外側に突出し、前記一対の溝部にそれぞれ挿通可能に形成された一対の回動軸を有するヒンジと、前記一対の溝部の一方に設けられ、この一方の溝部の終端部に前記一対の回動軸の一端が挿入される軸受凹部と、前記軸受凹部に前記回動軸の一端が挿入された回転軸挿入状態から抜けるのを防止するストッパ部材とを備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、グリップ本体へのヒンジ部材の挿入作業が容易であり、かつ、確実に固定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施の形態に係るアシストグリップを示す斜視図。
【
図4】同アシストグリップを
図3におけるA−A線で切断して矢印方向に見た断面図。
【
図5】同アシストグリップを
図3におけるB−B線で切断して矢印方向に見た断面図。
【
図6】同アシストグリップを
図3におけるC−C線で切断して矢印方向に見た断面図。
【
図7】同アシストグリップの凹部における一方の溝部を示す正面図。
【
図8】同アシストグリップの凹部における他方の溝部を示す正面図。
【
図9】同アシストグリップの組立方法を概略的に示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は本発明の一実施の形態に係るアシストグリップ10を示す斜視図、
図2は、同アシストグリップ10を示す平面図は、
図3は、アシストグリップ10を示す側面図、
図4は、アシストグリップ10を
図3におけるA−A線で切断して矢印方向に見た断面図、
図5は、アシストグリップ10を
図3におけるB−B線で切断して矢印方向に見た断面図、
図6は、アシストグリップ10を
図3におけるC−C線で切断して矢印方向に見た断面図、
図7は、アシストグリップ10の凹部における一方の溝部を示す正面図、
図8は、アシストグリップ10の凹部における他方の溝部を示す正面図である。また、
図1中Pは車室、Wは長手方向を示している。
【0012】
アシストグリップ10は、乗員を容易に自動車の車室Pから出入りさせるために、自動車の車室P内に設けられている。アシストグリップ10を掴むことにより、車室10に出入りする間または座席に腰掛ける間自身を支援することが可能である。アシストグリップ10は、
図1中矢印Qに示すように、収容位置からオープンな位置に、同様にオープンな位置から収容位置に回動することが可能である。収容位置においてアシストグリップ10は乗員の側の位置から脱着可能である
アシストグリップ10は、乗員が掴み易い棒状のハンドル本体11を有している。ハンドル本体11は、その長手方向Wの両端に一対の取付部20を備えている。一方の取付部20には、凹部21が形成され(
図5,6参照)、凹部21の内壁(周壁)には長手方向Wにおいて対向する位置に一対の溝部30,40が設けられている(
図7,8参照)。これら一対の溝部30,40は後述するように異なる構造であり、他方の取付部20においても長手方向Wにおける同じ側に同じ構造の一対の溝部30,40が配置されている。凹部21にはヒンジ50が着脱可能に設けられている。
【0013】
図7に示すように、溝部30は、挿入方向に延びる第1溝31と、この第1溝31の終端から直角に曲がる第2溝32と、この第2溝32の終端に設けられた軸受凹部33とを備えている。第1溝31,第2溝32は比較的浅く形成され、丸ボス部52aを案内する。軸受凹部33は第1溝31,第2溝32に比べて深く形成されている。軸受凹部33は後述する丸ボス部52aを軸支する。
【0014】
図8に示すように、溝部40は、挿入方向に延びる第1溝41と、この第1溝41の終端から直角に曲がる第2溝42とを備えている。第1溝41,第2溝42は第1溝31,第2溝32に比べて深く形成され、丸ボス部53aを案内する。第2溝32は後述する丸ボス部53aを軸支する。
【0015】
ヒンジ50は、回動により凹部21から突没するヒンジ本体51と、このヒンジ本体51の長手方向Wにおける両端に設けられた板状の立設部52,53と、この立設部52,53から長手方向Wに突設された丸ボス部(回動軸)52a,53aと、車室Pに取り付けられる係合部54とを備えている。また、立設部52,53の相互間には、丸ボス部52a,53aと同軸的に円筒状のダンパ60が配置されている。ダンパ60は立設部52,53に固定される内筒部61と、この内筒部61の外周に配置され粘性的に回動する外筒部62とを備えている。ダンパ60は、アシストグリップ10の回動方向Qにおける反発速度と反発力をコントロールするために望ましい制動効果を有している。
【0016】
なお、他方の凹部21にはコイルバネ70が配置されている。コイルバネ70は、アシストグリップ10を収納位置に戻す方向に付勢している。
【0017】
ヒンジ50には、カバー部80が着脱自在に設けられている。カバー部80は、ヒンジ本体51に取り付けられるカバー本体81を備えている。カバー本体81の長手方向Wには、壁体82,83が設けられ、一方の壁体82からは丸ボス部53a側に延びるストッパ部材84が設けられている。ストッパ部材84の先端は丸ボス部52a,53aの外周に沿った半円環状(略U字形状)の係合部84aが設けられている。係合部84aは丸ボス部53aの外周に係合することで固定され、立設部53と凹部21の内壁面との間に挟まれ、ヒンジ本体51の長手方向Wへの移動を規制する。したがって、丸ボス部52a,53aが溝部30,40から抜け出すことを防止できる。
【0018】
このように構成されたアシストグリップ10は、次のようにして組み立てられる。なお、
図9は、アシストグリップ10の組立方法を概略的に示す斜視図である。最初に、立設部52,53の間にダンパ60を配置する。そして、ヒンジ50の丸ボス部52a,53aをそれぞれ溝部30の第1溝31、溝部40の第1溝41に挿入する。溝部40は十分な深さを有しているため、立設部52,53を撓ませることなく、容易に挿入できる。
【0019】
次に、ヒンジ50の丸ボス部52a,53aを第2溝32、第2溝42に沿って移動し、それぞれの終端部まで移動させる。そして、ヒンジ50の丸ボス部52aを軸受凹部33に落とし込むように長手方向Wに移動させる。これにより、ヒンジ50の丸ボス部53aの外周部が露出する。
【0020】
また、ダンパ60の外筒部62の外周に設けられたリブ62aを凹部21の内壁面に係合する。
【0021】
次に、ストッパ部材84の係合部84aを丸ボス部53aの外周部に係合させ、そのままカバー本体81を取り付けて金属クリップ等を用いて固定する。
【0022】
同様にして、他方の凹部21にもヒンジ50を取り付ける。なお、コイルバネ70は、一端を立設部52,53のいずれか、他端を凹部21の内壁面に取り付ける。
【0023】
このように本実施の形態に係るアシストグリップ10においては、立設部52,53を撓ませることなく、容易に挿入作業を行うことができ、しかも、ストッパ部材84により確実に固定ができるため、組立作業が容易である。また、立設部52,53の剛性を低下さえることもなく、耐久性も維持できる。
【0024】
また、軸受凹部33が設けられた溝部30の溝部深さが浅く、溝部40の溝部深さが深くなっており、回転軸挿入状態で丸ボス部53aが溝部40内にあるため、両側の溝部30,40で軸支することで、高い保持強度が得られる。
【0025】
ストッパ部材84は、ヒンジに対するカバー部80と一体に形成されているため、部品点数を少なくすることができ、作業工程及び製品コストを低減できる。
【0026】
立設部52,53から突出させた丸ボス部52a,53aを回動軸としたため、部品点数を少なくすることができ、製品コストを低減できる。
【0027】
さらに、溝部深さが深い溝部40を長手方向Wにおける一対の凹部21の同じ側に設けることで、ヒンジ50やカバー部材80を同一形状とすることができ、製品コストを低減できる。
【0028】
なお、丸ボス部52a,53aを立設部52,53と同一材料で一体に形成するのではなく、金属軸のように立設部52,53を貫通する部品を回動軸として用いてもよい。また、コイルバネ70の代わりに板バネのように異なる種類の弾性体を用いてアシストグリップ10を付勢するようにしてもよい。
【0029】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能であるのは勿論である。
【符号の説明】
【0030】
10…アシストグリップ、20…取付部、21…凹部、30,40…溝部、33…軸受凹部、50…ヒンジ、52,53…立設部、52a,53a…丸ボス部(回動軸)、60…ダンパ、70…コイルバネ、80…カバー部、84…ストッパ部材、P…車室。