(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
ボトルなどの容器の内面を電子線で滅菌するための電子線滅菌装置は、一般的に、電子線を先端部から出射するノズルと、このノズルの下方に配置されて昇降自在の容器保持具と、この容器保持具を昇降させる昇降機構とを備える。そして、このような電子線滅菌装置は、容器保持具で容器の口部が上向きになるよう容器を保持し、そして昇降機構で容器を上昇させることにより、容器の口部にノズルを挿入する。次に、
図11(a)に示すように、上記電子線滅菌装置は、容器Bの口部mに挿入されたノズルnの先端部から電子線eを出射させることにより、容器Bの内部を滅菌する。
【0003】
また、より正確な強度で照射可能な電子線滅菌装置として、昇降機構による容器Bの昇降速度を適切にしたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載のものも含め、従来の電子線滅菌装置では、
図11(a)に示すように、容器Bの胴部bに対する電子線eの照射は十分であっても、容器Bの肩部sに対する電子線eの照射は不十分である。なぜなら、ノズルnの先端部から出射された電子線eは、モンテカルロ法を用いたシミュレーションによると、
図12に示すように、ノズルnの先端部tから先に向かうものが大部分であり、ノズルnの先端部t側に戻ってくるものが殆どないからである。このような従来の電子線滅菌装置で、容器Bの肩部sに対する十分な照射をするには、照射時間を長くしなければならないが、これは容器Bの胴部bに対して過剰な照射をすることになり、その過剰な照射のされた部分が劣化することになる。
【0006】
特に、
図11(b)に示すような「いかり肩」の肩部sを有する容器Bについては、その肩部sに対する電子線eの照射が極めて不十分となるので、上述した問題が顕著となる。このため、従来の電子線滅菌装置で対応できる容器Bは、「いかり肩」やこれに近い肩部sを有するものではなく、「なで肩」の肩部sを有するものに限定されていた。したがって、容器Bは、必然的に容積が小さいものとなるという問題もあった。
【0007】
そこで、本発明は、大容積の形状を有する容器に対しても適切に滅菌可能な電子線滅菌装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明の請求項1に係る電子線滅菌装置は、容器を保持する容器保持部と、この容器保持部に保持された容器の内部に電子線を照射する電子線照射部とを備える電子線滅菌装置であって、
上記容器保持部に保持された容器の動作を制御する動作制御部と、
上記容器保持部に保持された容器の姿勢を制御する姿勢制御部とを備え、
上記動作制御部および姿勢制御部が、上記容器の内面に対して略均等に電子線が照射されるように、上記容器の動作および姿勢をそれぞれ制御するものであ
り、
上記電子線照射部が、上記容器における口部に挿入される先端部から電子線を出射するノズルを有し、
上記動作制御部に制御される上記容器の動作が、上記容器における口部に対する上記ノズルの出退であり、
上記姿勢制御部に制御される上記容器の姿勢が、上記ノズルの軸心に対して上記容器における胴部の軸心が傾斜した状態であるものである。
【0009】
また、本発明の請求項2に係る電子線滅菌装置は、請求項1に記載の電子線滅菌装置において
、動作制御部に制御され
る容器の動作が、
上記容器における口部に対するノズルの出退と、上記容器における口部を軸にした当該容器の回転
とであるものである。
【0010】
さらに、本発明の請求項3に係る電子線滅菌装置は、
容器を保持する容器保持部と、この容器保持部に保持された容器の内部に電子線を照射する電子線照射部とを備える電子線滅菌装置であって、
上記容器保持部に保持された容器の動作を制御する動作制御部と、
上記容器保持部に保持された容器の姿勢を制御する姿勢制御部とを備え、
上記動作制御部および姿勢制御部が、上記容器の内面に対して略均等に電子線が照射されるように、上記容器の動作および姿勢をそれぞれ制御するものであり、
上記電子線照射部が、上記容器における口部に挿入される先端部から電子線を出射するノズルを有し、
上記動作制御部に制御される上記容器の動作が、上記容器における口部を軸にした当該容器の回転であり、
上記姿勢制御部に制御される上記容器の姿勢が、上記ノズルの軸心に対して上記容器における胴部の軸心が傾斜した状態であり、
上記容器保持部が、容器における口部の外周に配置されて当該口部の外径よりも大きな内径を有する保持用弾性リングと、この保持用弾性リングが固定される固定体と、この保持用弾性リングを圧縮流体により縮径することで当該保持用弾性リングに上記口部を保持させる流体供給器とを有し、
上記動作制御部が、上記固定体に掛けられた無端ベルトと、この無端ベルトを循環駆動させ得るモーターとを有し、
上記姿勢制御部が、上記固定体を傾動させ得る駆動機構を有するものである。
【0012】
また、本発明の
請求項4に係る電子線滅菌方法は、容器の内部をノズルの先端部から出射される電子線により滅菌する電子線滅菌方法であって、
上記ノズルの軸心に対して上記容器における胴部の軸心を傾斜させる傾斜工程と、
上記容器における口部に上記ノズルの先端部を挿入する挿入工程と、
上記容器における口部
に対して上記ノズルを出退させる出退工程とを備え、
上記傾斜および
出退は、上記容器の内面に対して略均等に電子線を照射させるものである。
【発明の効果】
【0013】
上記電子線滅菌装置および電子線滅菌方法によると、大容積の形状を有する容器に対しても適切に滅菌することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の実施の形態に係る電子線滅菌装置の概略構成図である。
【
図3】同電子線滅菌装置の被昇降体を示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A断面図である。
【
図4】同被昇降体の一部である容器における口部の近傍を示す拡大正面断面図である。
【
図6】同電子線滅菌装置の傾斜工程の後における正面図である。
【
図7】同電子線滅菌装置の挿入工程の後における正面図であり、容器および電子線照射部以外を省略して示す。
【
図8】同電子線滅菌装置の回転工程における拡大正面図であり、容器およびノズル以外を省略して示す。
【
図9】口部の軸心と、この軸心の垂直断面における肩部または胴部との距離が一定でない容器の滅菌について説明する図であり、
図8に対応する拡大正面図である。
【
図10】胴部が外側に大きく膨らんだ容器の滅菌について説明する図であり、
図8に対応する拡大正面図である。
【
図11】従来の電子線滅菌装置による容器の滅菌について説明する拡大正面図であり、(a)は「いかり肩」に近い容器の滅菌を示し、(b)は「いかり肩」の容器の滅菌を示す。
【
図12】ノズルの先端部から出射された電子線のシミュレーション結果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態に係る電子線滅菌装置について図面に基づき説明する。なお、以下で説明する電子線滅菌装置は、容器の内部を滅菌する所謂ITB(In the Bottle)型である。
『電子線滅菌装置の構成』
図1に示すように、この電子線滅菌装置1は、従来のものと共通する構成として、容器Bを保持する容器保持部2と、この容器保持部2に保持された容器Bの内部に電子線を照射する電子線照射部3とを備える。この電子線照射部3は、容器Bにおける口部mに挿入される先端部tから電子線を出射するノズルnを有する。また、上記電子線滅菌装置1は、本発明の要旨として、上記容器保持部2に保持された容器Bの動作を制御する動作制御部4と、上記容器保持部2に保持された容器Bの姿勢を制御する姿勢制御部5とを備える。上記動作制御部4および姿勢制御部5は、上記容器Bの内面のどの部分に対しても略均等に電子線が照射されるように、上記容器Bの動作および姿勢をそれぞれ制御するものである。ここで、上述した略均等とは、完全な均等を意味するのではなく、電子線の照射が不十分または過剰な部分を発生させない程度の不均等まで許容する意味である。すなわち、上述した略均等な電子線の照射とは、容器Bの内面において、滅菌の不十分な部分が発生せず、且つ、電子線の照射により材質の劣化する部分が発生しない程度のことを意味する。また、上記動作は、一例として、上記容器Bにおける口部m(例えばその軸心)を軸にした当該容器Bの回転である。さらに、上記姿勢は、上記ノズルn(正確には先端部t)の軸心Cnに対して上記容器Bにおける胴部bの軸心Cbが傾斜した状態である。
【0016】
ところで、
図1には示さないが、上記電子線滅菌装置1は、従来のものと共通する構成として、容器Bなどの被昇降体(詳しくは後述する)を昇降させる昇降部6(
図2を参照)も備える。この昇降部6は、
図2および
図3に示すように、被昇降体を保持するとともに平面視がコの字状にされた昇降保持板61と、この昇降保持板61に取り付けられた摺動体62と、この摺動体62を上下に案内し得るリニアスライダ63と、この摺動体62を上下に移動させて上記昇降保持板61を昇降させる昇降駆動装置(図示省略)とを有する。
【0017】
[電子照射部]
上記電子線照射部3は、
図2に示すように、上述したノズルnの他に、このノズルnから出射する電子線を発生させる電子線発生器31を有する。また、上記電子線照射部3は、ノズルnの先端部tが鉛直下向きになるように配置される。
【0018】
すなわち、上記電子線照射部3は、電子線発生器31で発生させた電子線を、ノズルnの先端部tから鉛直下向きに照射する構成である。なお、当然ながら、背景技術として
図11に基づいて説明したように、鉛直下向きに出射された電子線は、側方にも広がる。
【0019】
[容器保持部2]
上記容器保持部2は、
図3に示すように、容器Bにおける口部mの外周に配置されて当該口部mの外径よりも大きな内径を有するグリップゴム21(保持用弾性リング)と、このグリップゴム21が固定される回転固定体22(固定体)と、上記グリップゴム21に圧縮空気(圧縮流体の一例)を供給する空圧機器群26とを有する。
【0020】
図4に示すように、上記グリップゴム21は、外周側に圧縮空気が供給されると縮径することで内周の上記口部mを保持し得る構成(弾性および形状)である。この形状を具体的に説明すると、上記グリップゴム21は、全周にわたって、上部および下部で回転固定体22と気密を保つとともに中間部で上記口部mに沿った薄膜状にされている。上記回転固定体22は、中央に貫通口23が形成された略円筒形状である。この貫通口23は、下から容器Bにおける口部mが挿入され得るとともに、上からノズルnが挿入され得る空間である。また、上記回転固定体22の内周には、上記グリップゴム21を固定するとともに当該グリップゴム21の外周側に圧縮空気を受け入れる円周空間部24が形成されている。さらに、上記回転固定体22には、その外周面から上記円周空間部24まで連通する内側連通路25が平面視で放射状に多数形成されている。これら内側連通路25は、ハウジング41の円周溝42(詳しくは後述する)から圧縮空気を上記円周空間部24に導くものである。上記空圧機器群26は、圧縮空気を発生させて上記グリップゴム21(正確には円周空間部24)およびエアシリンダー53(詳しくは後述する)に供給するものであり、例えば、図示しないが、圧縮空気を発生させる空圧ポンプ(流体供給器の一例)、圧縮空気を導く空圧回路、および圧縮空気の流れを制御するバルブ類、などの種々の空圧機器からなる。
【0021】
すなわち、上記容器保持部2は、空圧機器群26から供給された圧縮空気を円周空間部24に受け入れて、グリップゴム21(特に薄膜状の中間部)を縮径させることで、この上記容器Bにおける口部mをグリップゴム21に保持させる構成である。
【0022】
[動作制御部4]
上記動作制御部4は、
図3に示すように、上記回転固定体22を回転自在に支持するハウジング41と、上記回転固定体22の外周に掛けられた無端ベルト45と、この無端ベルト45を循環駆動させ得るモーター46とを有する。
【0023】
図4に示すように、上記ハウジング41は、その内周側に軸受43が配置されて、上記回転固定体22が上記容器Bにおける口部mの軸心周りに回転し得るようにされている。また、上記ハウジング41の内周には、内側連通路25に対応する位置に円周溝42が形成されている。さらに、上記ハウジング41には、図示しないが、その外周面から上記円周溝42まで連通する外側連通路が形成されている。この外側連通路は、上記空圧機器群26から圧縮空気を上記円周溝42に導くものである。
図3に示すように、上記モーター46は、その軸47が回転固定体22の回転軸心と平行となるように、固定板49を介してハウジング41に取り付けられる。また、上記モーター46の軸47には、同心のプーリー48が取り付けられる。上記無端ベルト45は、上記プーリー48および回転固定体22のそれぞれ外周に掛けられて、上記モーター46の軸47の回転を回転固定体22に伝達するものである。
【0024】
すなわち、上記動作制御部4は、モーター46の軸47の回転により、プーリー48および無端ベルト45を介して回転固定体22を回転させ、この回転固定体22とともにグリップゴム21に保持された容器Bも回転させる構成である。
【0025】
[姿勢制御部5]
上記姿勢制御部5は、
図2および
図3(a)に示すように、上記ハウジング41から水平に突出して上記昇降部6の昇降保持板61に回転自在に支持されたシャフト51と、このシャフト51を回転させ得るレバー板52と、このレバー板52に連結されたエアシリンダー(駆動機構の一例である)53とを有する。
【0026】
上記シャフト51の少なくとも1つは、
図5に示すように、一端部が上記ハウジング41に固定されるとともに、他端部が上記レバー板52に固定される。また、上記シャフト51は、上記昇降保持板61を貫通する孔の内側に配置された軸受55により、当該昇降保持板61に回転自在に支持される。上記レバー板52は、
図2に示すように、一端部が上記シャフト51に垂直に固定されるとともに、他端部が上記エアシリンダー53のピストンロッド54に連結されている。上記エアシリンダー53は、そのキャップ側が上記昇降保持板61に連結される。また、上記エアシリンダー53は、
図3(a)に示すように、上記空圧機器群26に接続されて、この空圧機器群26からの圧縮空気により上記ピストンロッド54を出退させるものである。
【0027】
すなわち、上記姿勢制御部5は、ピストンロッド54の出退により、レバー板52を介してシャフト51を回転させ、この回転に伴ってハウジング41を傾斜させ、このハウジング41とともにグリップゴム21に保持された容器Bも傾斜させる構成である。
【0028】
[被昇降体など]
上述した構成から明らかなように、上記被昇降体(上記昇降部6により昇降するもの)は、容器B、容器保持部2(空圧機器群26を除く)、動作制御部4、および姿勢制御部5である。また、上記姿勢制御部5により傾斜するものは、容器B、容器保持部2(空圧機器群26を除く)、および動作制御部4である。
『電子線滅菌装置1の使用方法』
以下、上記電子線滅菌装置1の使用方法(電子線滅菌方法)について図面に基づき説明する。
【0029】
まず、
図2に示すように、容器保持部2により、容器Bにおける口部mを保持させる。そして、
図6に示すように、姿勢制御部5により、ノズルnの軸心Cnに対して容器Bにおける胴部bの軸心Cbが所定角度θとなるまで、容器Bを傾斜させる(傾斜工程である)。次に、
図7に示すように(
図7では容器Bおよび電子線照射部3以外の構成を省略して示す)、昇降部6により、ノズルnの先端部tが容器Bにおける口部mに挿入されるまで、被昇降体を上昇させる(挿入工程である)。その後、
図8に示すように(
図8〜
図10では容器Bおよびノズルn以外の構成を省略して示す)、電子線照射部3により、ノズルnの先端部tから電子線eを出射する。これと同時に、動作制御部4により、容器Bをその口部mの軸心周りに回転させる(回転工程である)。ここで、上記所定角度θおよび上記回転の速度は、容器Bの内面に対して略均等に電子線eが照射される程度のものである。このため、
図8に示すように、傾斜により下側となった肩部sは、電子線eが十分に照射される。一方、傾斜により上側となった肩部sは、電子線eが十分に照射されないように見えるが、上記回転により下側となるので、結果として電子線eが十分に照射される。
【0030】
また、上記電子線滅菌装置1は、
図9に示すように、口部mの軸心と、この軸心の垂直断面における肩部sまたは胴部bとの距離が一定でない容器B1についても、その内部を滅菌するのに適している。このような容器B1は、従来の電子線滅菌装置1だと、容器B1における肩部sおよび胴部bにおいて、ノズルnから離れた部分(電子線eが十分に照射されない部分)が生じる。しかし、本実施の形態に係る電子線滅菌装置1だと、上記傾斜により、肩部sおよび胴部bがノズルnに近づくので、容器B1の内面に対して略均等に電子線eが照射される。この場合、動作制御部による動作は、
図8のような容器Bにおける口部mを軸にした当該容器Bの回転ではなく、口部mに対するノズルnの出退となる。したがって、この場合の動作制御部は、上述した動作制御部4ではなく、上記被昇降体を昇降させる昇降部6となる。なお、上記傾斜および出退は、容器B1の内面に対して略均等に電子線eが照射されるのであれば、同時であっても別々であってもよい。
【0031】
さらに、上記電子線滅菌装置1は、
図10に示すように、胴部bが外側に大きく膨らんだ容器B2についても、その内部を滅菌するのに適している。このような容器B2は、従来の電子線滅菌装置1だと、容器B2における胴部bにおいて、ノズルnから離れた部分(電子線eが十分に照射されない部分)が生じる。しかし、本実施の形態に係る電子線滅菌装置1だと、上記傾斜により、胴部bがノズルnに近づくので、容器B2の内面に対して略均等に電子線eが照射される。この場合、動作制御部による動作は、
図8のような容器Bにおける口部mを軸にした当該容器Bの回転と、
図9のような口部mに対するノズルnの出退とを加えたものになる。したがって、この場合の動作制御部は、上述した動作制御部4および昇降部6となる。なお、上記傾斜、回転および出退は、容器B2の内面に対して略均等に電子線eが照射されるのであれば、同時であっても別々であってもよい。
【0032】
このように、上記電子線滅菌装置1およびその使用方法(電子線滅菌方法)によると、大容量の形状を有する容器に対しても、その内面に対して略均等に電子線eが照射されるので、適切に滅菌することができる。
【0033】
また、上記電子線滅菌装置1によると容器保持部2および姿勢制御部5がいずれも空圧機器群26により制御されるので、装置構成を簡素にすることができる。
また、上記実施の形態では、ノズルnの先端部tを容器Bにおける口部mに挿入するために、容器Bを上昇させるとして説明したが、これに限定されるものではなく、ノズルnを下降させてもよい。
【0034】
さらに、上記実施の形態では、傾斜工程の後に挿入工程があるとして説明したが、挿入工程の後に傾斜工程があってもよい。
加えて、上記実施の形態では、動作制御部4による容器Bの回転について詳しく説明しなかったが、連続的な回転の他に、断続的な回転など、回転の全てを含む意味である。特に、肩部sと胴部bとの境がアール状の容器(つまり丸型の容器)に対しては、回転の速度を一定にすることが、適切な滅菌の観点から好ましい。一方、肩部sと胴部bとの境が角状の容器(つまり角型の容器)に対しては、回転の速度をノズルnと胴部bとの距離に応じて変化させることが、適切な滅菌の観点から好ましい。
【0035】
また、上記実施の形態では、姿勢制御部6がエアシリンダー53を有するとして説明したが、エアシリンダー53の代わりに電動アクチュエータなどであってもよい。
また、上記実施の形態では、一例として、1つの容器Bの内面を滅菌する装置として説明したが、上記電子線滅菌装置1を複数設けて、複数の容器Bの内面を同時にまたは順次に滅菌するように構成してもよい。
【0036】
また、上記実施の形態では、圧縮空気を供給する空圧機器群26について説明したが、これに限定されるものではなく、圧縮流体を供給する流体圧機器群であればよい。