特許第6076260号(P6076260)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6076260タイヤ荷重を判定するための圧電ベースのシステムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6076260
(24)【登録日】2017年1月20日
(45)【発行日】2017年2月8日
(54)【発明の名称】タイヤ荷重を判定するための圧電ベースのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   B60C 23/04 20060101AFI20170130BHJP
   B60C 19/00 20060101ALI20170130BHJP
   B60C 23/02 20060101ALI20170130BHJP
   G01L 5/00 20060101ALI20170130BHJP
【FI】
   B60C23/04 N
   B60C23/04 G
   B60C19/00 B
   B60C23/02 B
   G01L5/00 Z
【請求項の数】15
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2013-547443(P2013-547443)
(86)(22)【出願日】2010年12月30日
(65)【公表番号】特表2014-503419(P2014-503419A)
(43)【公表日】2014年2月13日
(86)【国際出願番号】US2010062519
(87)【国際公開番号】WO2012091719
(87)【国際公開日】20120705
【審査請求日】2013年8月28日
【審判番号】不服2015-15648(P2015-15648/J1)
【審判請求日】2015年8月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】514326694
【氏名又は名称】コンパニー ゼネラール デ エタブリッスマン ミシュラン
(73)【特許権者】
【識別番号】508032479
【氏名又は名称】ミシュラン ルシェルシュ エ テクニーク ソシエテ アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103609
【弁理士】
【氏名又は名称】井野 砂里
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(72)【発明者】
【氏名】ウェストン ディヴィッド アラン
【合議体】
【審判長】 和田 雄二
【審判官】 島田 信一
【審判官】 尾崎 和寛
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−106324(JP,A)
【文献】 特開平9−188113(JP,A)
【文献】 特表2010−504247(JP,A)
【文献】 特表2008−545986(JP,A)
【文献】 特開2003−320827(JP,A)
【文献】 特開2009−154674(JP,A)
【文献】 特開2010−274906(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60C23/04,B60C19/00,B60C23/02,G01L5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイヤ荷重を電子的に判定する方法であって、
タイヤ内部のタイヤ空気圧を判定する工程と、
前記タイヤに提供される圧電センサーの出力を解析することによって、地面に隣接する接地面区域の範囲内での、前記タイヤの動作に関連する、1つ以上の接地面パラメーターを判定する工程と、
前記判定されたタイヤ空気圧および前記1つ以上の接地面パラメーターを、既知の値のデータベースと電子的に比較して、前記タイヤに関する、対応するタイヤ荷重値を判定する工程と、
前記タイヤに関する、前記判定された対応するタイヤ荷重値を、電子出力として提供する工程と、
を含み、
前記圧電センサーは複数の圧電素子を有し、それぞれの圧電素子は各々選択された複数のトレッドリブと一対一対応で設けられ、これにより選択された複数のリブのそれぞれが接地面に沿って受ける荷重を決定することができる、方法。
【請求項2】
前記1つ以上の接地面パラメーターが、接地面進入時間、接地面退出時間、総接地面時間、および接地面角度のうちの1つ以上を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記1つ以上の接地面パラメーターが、前記圧電センサーから取得された生の信号の一次導関数の、最大値および最小値を特定することによって判定される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記1つ以上の接地面パラメーターが、前記圧電センサーから取得された前記生の信号の二次導関数の、ゼロ交差を特定することによって判定される、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記1つ以上の接地面パラメーターが、動作中に地面と接触している、タイヤの角度方向部分を指示する、接地面角度を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記タイヤの接地面を通過して移動する、前記圧電センサーの所定の反復に関する、前記接地面角度が、前記接地面進入時間から前記接地面退出時間を減算して、第1の差異を取得する工程と、タイヤの1回転に関する時間量を測定することによって、第2の差異を取得する工程と、前記第2の差異によって前記第1の差異を除算する工程とによって、判定される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記圧電センサーとは別個の圧電素子から、前記タイヤ内部の様々な電子構成要素に、動作電力を提供する工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
タイヤ内部のタイヤ荷重を判定するための圧電システムであって、
タイヤ空気圧を測定するように構成される、センサーと、
前記タイヤが地面に沿って回転し、かつ荷重を支持している際の、前記タイヤ内部に存在する、接地面区域内への進入および接地面区域からの退出での、タイヤの変形を指示する、複数の対応する電気信号を生成するように構成される、複数の圧電素子と、
前記複数の圧電素子から、前記電気信号出力を受け取り、1つ以上の接地面パラメーターを判定するための、第1マイクロプロセッサと、
参照テーブル格納用のメモリであって、前記参照テーブルが、タイヤ空気圧と接地面パラメーターとの既知の組み合わせを、タイヤ荷重値と相関させることにより、メモリ内に格納された前記参照テーブルに対する、前記タイヤ空気圧および前記1つ以上の接地面パラメーターの電子的比較が行なわれ、対応するタイヤ荷重値を判定することができる、メモリと、
前記判定された対応するタイヤ荷重値を、電子出力として中継するための、出力デバイスと、
を含み、
前記複数の圧電素子は、それぞれの圧電素子が選択された複数のトレッドリブの一つと一対一対応で設けられるように配置され、これにより、選択されたそれぞれのリブが受ける荷重を接地面に沿って決定することができる、
圧電システム。
【請求項9】
前記複数の圧電素子が、共通の、実質的に平面的な表面上に提供され、かつタイヤのクラウンの真下の、タイヤの内部表面の横方向全体にわたって装着される、複数個の圧電素子を含む、請求項8に記載の圧電システム。
【請求項10】
前記圧電システム内部の選択された電子構成要素のための電力を発生させるために使用される、追加的な圧電素子を更に含むことにより、タイヤの変形を指示する、1つ以上の対応する電子信号を生成するように構成される、前記1つ以上の圧電素子のうちのいずれもが、前記タイヤ内部での発電のために使用されない、請求項8に記載の圧電システム。
【請求項11】
前記複数の圧電素子が、選択されたタイヤのトレッド機構に対して位置合わせされる、選択された圧電素子を有する、直線状の配列に構成される、請求項10に記載の圧電システム。
【請求項12】
前記システムが、タイヤ空気圧を測定するように構成される前記センサーと、前記1つ以上の圧電素子とを収容する、タイヤ内モジュールを含む、請求項8に記載の圧電システム。
【請求項13】
前記システムが、車両内部の複数個のタイヤに関する、前記タイヤ空気圧および前記1つ以上の接地面パラメーターを、無線受信するように構成される、車両搭載システムを含む、請求項12に記載の圧電システム。
【請求項14】
前記車両搭載システムが、前記参照テーブル格納用のメモリと、前記メモリに通信可能に結合され、メモリ内に格納された前記参照テーブルに対する、タイヤ空気圧および前記1つ以上の接地面パラメーターの前記電子的比較を実施して、対応するタイヤ荷重値を判定するように構成される、第2マイクロプロセッサとを含む、請求項13に記載の圧電システム。
【請求項15】
前記1つ以上の接地面パラメーターが、複数個の圧電素子の全体にわたって取得されたデータ点の補間を含む、請求項8に記載の圧電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本主題は、全般的には、タイヤセンサーおよび関連するタイヤ電子機器に関し、より詳細には、タイヤ荷重を判定するための、圧電ベースのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
空気式タイヤ構造に電子デバイスを組み込むことによって、多くの実用上の利点がもたらされる。タイヤ電子機器は、温度、圧力、タイヤの回転数、車両の速度などのような、様々な物理的パラメーターに関する情報を取得するための、センサーおよび他の構成要素を含み得る。そのような性能情報は、タイヤの監視システムおよび警告システムで有用となる場合があり、特定のタイヤ関連システムおよび/または車両関連システムを、管理もしくは制御するための、フィードバックシステムの一部分としての、潜在的用途を有し得る。タイヤ構造に統合された電子システムによって提供される、更に別の潜在的能力は、商用車両用途に関する、資産追跡および性能特性評価に対応する。
【0003】
圧電ベースの技術を使用するセンサーは、様々な目的のために、様々なタイヤの実施形態で使用されている。例えば、圧電素子は、タイヤ内部で電力を発生させるために使用されている。圧電センサーは、タイヤ内部で積算回転計として機能するように使用されている。圧電センサーは更に、撓み、加速度、および他のパラメーターを判定するためにも使用されている。
【0004】
タイヤ性能に関連する1つの重要な対象パラメーターは、タイヤ荷重、すなわち、タイヤが、動作中に車両および道路からの力を受ける際に晒される、有効重量である。タイヤ荷重は、タイヤの耐用年数に影響を及ぼし得るために、重要である。それゆえ、タイヤ荷重のレベルを監視して、タイヤが、その定格荷重または最大荷重容量を超過しないことを確認することが望ましい場合がある。更には、タイヤ荷重のレベルを監視することにより、タイヤの損耗などに関連する、他の特徴を判定することができる。
【0005】
多くの圧電ベースのタイヤセンサーが採用されているが、タイヤ荷重を判定するための、堅牢かつ信頼性が高い圧電ベースのシステムおよび方法に対する必要性が、依然として残されている。本主題の技術に従って以降で提示されるような、所望の特性の全てを、概ね包含する設計は、未だ現れてはいない。
【発明の概要】
【0006】
従来技術で直面し、本主題によって対処される、認識された特徴を考慮して、測定されたタイヤ空気圧、および1つ以上の測定もしくは算出された接地面パラメーターから、タイヤ荷重を判定するための、改善された技術が開発されている。一部の実施形態では、接地面パラメーターは、圧電ベースのセンサー内部に提供される1つ以上の圧電素子の、信号出力から判定される。一部の実施形態では、タイヤ荷重の判定は、判定されたタイヤ空気圧および接地面パラメーターを、タイヤに関する既知の値の参照テーブルと、電子的に比較することによって行われる。
【0007】
本主題の例示的一実施形態は、タイヤ荷重を電子的に判定する方法に関する。そのような方法は、タイヤ内部のタイヤ空気圧を判定する、第1の工程を含む。1つ以上の接地面パラメーターが、タイヤに提供される圧電センサーの出力を解析することによって、地面に隣接する接地面区域の範囲内での、タイヤの動作に関連する、信号の測定または算出から判定される。接地面パラメーターは、圧電センサー内部に提供される1つ以上の個別の圧電素子に関して、取得することができる。接地面パラメーターの非限定的な例としては、接地面進入時間、接地面退出時間、総接地面時間、接地面角度などが挙げられる。判定されたタイヤ空気圧および1つ以上の接地面パラメーターを、既知の値のデータベースと電子的に比較して、そのタイヤに関する、対応するタイヤ荷重値を判定する。そのタイヤに関して判定された対応するタイヤ荷重値は、次いで、電子出力(例えば、聴覚的指示子および/または視覚的指示子)として、車両オペレーターに提供される。
【0008】
本主題の別の例示的実施形態は、圧力センサー、1つ以上の圧電素子、第1マイクロプロセッサ、参照テーブル格納用のメモリ、および出力デバイスなどの、例示的構成要素を含み得る、タイヤ荷重を判定するための圧電システムに関する。1つ以上の圧電素子は、タイヤが地面に沿って回転し、かつ荷重によって支持されている際の、タイヤ内部に存在する、接地面区域内への進入および接地面区域からの退出での、タイヤの変形を指示する、1つ以上の対応する電気信号を生成するように、構成することができる。第1マイクロプロセッサは、1つ以上の圧電素子から、その電気信号を受け取り、その信号から、1つ以上の接地面パラメーターを判定する。参照テーブル格納用のメモリは、タイヤ空気圧と接地面パラメーターとの既知の組み合わせを、タイヤ荷重値と相関させることにより、メモリ内に格納された参照テーブルに対する、タイヤ空気圧および1つ以上の接地面パラメーターの電子的比較が行なわれ、対応するタイヤ荷重値を判定することができる。出力デバイスは、判定された対応するタイヤ荷重値を、電子出力(例えば、聴覚的出力および/または視覚的出力、あるいは制御信号出力)として中継する。
【0009】
上述のシステムの、より具体的な例示的実施形態では、第1マイクロプロセッサによって判定される1つ以上の接地面パラメーターは、接地面進入時間、接地面退出時間、総接地面時間、および/または接地面角度のうちの1つ以上に対応し得る。一実施例では、そのようなパラメーターの判定は、生の圧電信号を直接解析することによって行なうことができる。別の実施例では、そのようなパラメーターの判定は、圧電信号の一次導関数を取得して、そのような一次導関数を解析し、極大値および極小値を判定することによって行なうことができる。別の実施例では、そのようなパラメーターの判定は、圧電信号の二次導関数を取得して、そのような二次導関数を解析し、その二次導関数の範囲内でのゼロ交差を判定することによって行なうことができる。
【0010】
上述のシステムの、より具体的な他の例示的実施形態では、様々な電子構成要素は、タイヤ内モジュール(ITM)または車両搭載システム(VOS)のいずれかの一部である。ITMは、例えば、圧力センサーおよび任意選択の温度センサー、1つ以上の圧電素子、第1マイクロプロセッサ、ならびに無線送受信機を含み得る。関連する車両搭載システムは、車両内部の一部もしくは全てのタイヤ内に、それぞれ配置されるITMからの、センサー出力および/または接地面パラメーター情報を受信するための、無線受信機を含み得る。車両搭載システムは、第2マイクロプロセッサを更に含み得、この第2マイクロプロセッサは、対象のパラメーターのうちの一部を判定するために使用することが可能であり、または参照テーブルを格納し、判定されたパラメーターの、既知の値に対する比較を実施して、対応するタイヤ荷重値を特定するために、使用することも可能である。
【0011】
本主題の更なる実施形態は、この概要セクションでは必ずしも表現されるものではないが、上記の概要の実施形態で参照される機構、構成要素、もしくは工程、および/または本出願で他の方法で論じられるような、他の機構、構成要素、もしくは工程の、様々な組み合わせの態様を含み、かつ組み込むことができる。当業者は、本明細書の残部を概観することで、そのような実施形態および他の実施形態の、機構ならびに態様を、より良好に理解するであろう。
【0012】
当業者を対象とする、本発明の完全かつ実施可能な開示は、その最良の形態を含み、以下の添付の図を参照する本明細書に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】1つ以上の測定および/または算出されたタイヤパラメーターから、タイヤ荷重を判定する方法での、例示的工程の流れ図を提供する。
図2】本明細書で開示される技術による、そのハードウェア構成要素およびソフトウェア構成要素の双方を含む、例示的なタイヤ荷重判定システムを示す。
図3A】本技術のタイヤ荷重判定システム内で使用するための、例示的なタイヤ内モジュール(ITM)の斜視図を示す。
図3B】本明細書で開示される技術による、タイヤ内モジュール(ITM)内で使用するための、例示的な複数素子圧電センサーを示す。
図4】開示されるシステムおよび方法による、様々な接地面パラメーターを指示するために使用することができる、接地面の諸態様を含む、例示的なタイヤ部分の側面像を示す。
図5】開示される技術の諸態様による、接地面パラメーターを取得するための、タイヤ内モジュール(ITM)内で使用される圧電センサーからの、例示的な出力信号および対応する導関数信号の、例示的なグラフ表示を提供する。
図6】開示される技術の諸態様による、接地面パラメーターを取得するための、タイヤ内モジュール内で使用される複数素子圧電センサーからの、例示的な出力信号の、例示的なグラフ表示を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本明細書および添付図面の全体にわたる、参照符号の反復使用は、本発明の、同じまたは類似の機構、要素、もしくは工程を表すことを意図するものである。
【0015】
「発明の概要」のセクションで論じられるように、本主題は、全般的には、測定および/または算出されたタイヤパラメーターから、タイヤ荷重を判定するための、機構ならびに工程に関する。より具体的な実施形態では、タイヤ荷重は、1つ以上の圧電素子から測定される少なくとも1つの接地面パラメーターと、タイヤ空気圧とを含む、タイヤパラメーターから判定される。このタイヤパラメーターは、タイヤ内に組み込まれる、圧電ベースのセンサーおよび/または他のセンサーから、測定ならびに/あるいは算出することができ、次いで、遠隔の場所に中継することができる。
【0016】
開示される技術の態様の、選択された組み合わせが、本発明の複数個の異なる実施形態に対応する。本明細書で提示され、かつ論じられる、例示的実施形態のそれぞれは、本主題の限定を暗示するべきものではないことに、留意するべきである。一実施形態の一部として図示もしくは説明される、機構または工程を、別の実施形態の諸態様と組み合わせて使用することにより、また更なる実施形態をもたらすことができる。更には、特定の機構は、同じ機能もしくは同様の機能を実行する、明示的に言及されない同様のデバイスまたは機構と、交換することができる。
【0017】
ここで図面を参照すると、図1は、測定および/または算出されたタイヤパラメーターに基づいて、タイヤ荷重を判定する方法100の、例示的工程の流れ図を提供する。方法100の、第1の例示的工程102は、1つ以上の接地面パラメーター、ならびにタイヤ空気圧を含む、タイヤパラメーターを判定する工程を伴う。全般的には、本明細書で参照されるような接地面パラメーターは、タイヤの接地面、すなわち、動作中に路面と接触しているタイヤの区域に関連する、定量可能なパラメーター(例えば、タイミング、サイズ、持続時間、振動数、角度など)に関する、任意の測定可能な特性を含むものとする。例えば、本明細書で論じられる例示的なタイヤパラメーターとしては、接地面進入時間、接地面退出時間、総接地面時間、接地面角度などが挙げられるが、これらに限定されない。一部の実施形態では、複数の圧電素子を使用して、接地面パラメーターを測定する。以降でより詳細に論じられるように、複数の圧電素子を使用する場合、複数個のそのような接地面パラメーターの測定値を結果的に得ることができ、様々な組み合わせで使用して、タイヤ荷重を判定することができる。タイヤの動作、および周期的な場所での地面との反復接触に関連する、他の特定のパラメーターもまた、工程102で測定し、タイヤ性能の諸態様を特定するための開示される方法で使用することができる点を、理解するべきである。工程102でのタイヤ空気圧の判定は、当業者によって理解されるような、多種多様な方法で実施することができる。一部の実施例では、タイヤ環境の内部に提供される絶対圧力計を使用して、絶対圧力が直接測定される。他の実施例では、異なる非絶対圧力測定装置が使用される場合には、圧力の読み取り値を適切に調節して、より正確な圧力判定を提供することができるように、圧力に加えて、温度もまた測定することができる。
【0018】
工程102で測定または判定される様々なパラメーターは、様々な1つ以上のデバイスから取得することができ、それらのデバイスは、別個に、またはタイヤ内部に提供される統合モジュールとして、含めることができる。工程102で特定されるタイヤパラメーターを測定するために使用される、ハードウェアデバイスの一実施例を、タイヤ内モジュール(ITM)202として、図2に表す。ITM202は、全般的には、圧力を測定するための圧力センサー212と、圧力センサー212が絶対圧力計ではない場合に、必要に応じて温度も測定するための任意選択の温度センサーとを含めた、1つ以上のセンサーを含む。圧電センサー214もまた、1つ以上の接地面パラメーターを測定するために使用され、1つ以上の個別の圧電素子を収容し得る。種々のセンサーの組み合わせを使用することができる点を理解するべきである。例えば、単一のセンサーを使用して、温度および圧力の双方の読み取り値を、双方が必要とされる場合に取得することが可能である。様々なタイヤパラメーターを測定するために使用される、例示的な装置の更なる態様は、図3Aおよび図3Bを参照して、以降で論じられる。
【0019】
再び図1を参照すると、方法100の第2工程104は、1つ以上の測定された接地面パラメーターから、1つ以上の追加的な接地面パラメーターを、任意選択的に算出する工程を伴う。この工程が任意選択として説明される理由は、測定された接地面パラメーターを直接使用して、タイヤ荷重値を判定するために役立てることが可能であるためである。しかしながら、開示される技術の他の実施形態は、測定された接地面パラメーターを使用して、他の関連する接地面パラメーターを算出する。工程104で判定される算出は、ITM202内部で(例えば、マイクロプロセッサ220内部で)実施することができ、または車両搭載システム204もしくは別の遠隔の場所の、処理構成要素内部で、ITM202から中継された後に判定することができる。
【0020】
特定の一実施形態では、接地面進入時間および接地面退出時間(tcpEntryおよびtcpExit)が、工程102で測定され、そのように測定された接地面パラメーターから、接地面角度(θ=cpAngle)が、工程104で判定される。これらのパラメーターの一実施例は、図4から理解することができる。図4では、タイヤ400が、矢印402によって指示されるような時計回り方向で、地面403に沿って回転していると見なされたい。タイヤ400内部に配置される圧電センサーは、場所404の接地面進入位置(cpEntry)に対応する、センサーが接地面に進入するときを、有効に判定することができる。同様に、圧電センサーはまた、場所406の接地面退出位置(cpExit)に対応する、センサーが接地面から退出するときも、有効に判定することができる。範囲408によって表されるような、センサーが接地面の範囲内で動作する間の時間(cpTime)は、それゆえ、接地面進入時間と接地面退出時間との差異、すなわち、tcpTime=tcpEntry−tcpExitとして判定することができる。接地面時間の別の有意味な表現は、図4の量410として表される、接地面角度(cpAngle=θ)に対応する。
【0021】
工程104の電子的算出を更に参照すると、cpAngleは、以下の等式から判定することができる:
【数1】
式中、trev=tcpExit(n)−tcpExit(n-1)またはtrev=tcpEntry(n)−tcpEntry(n-1)であり、それぞれn回目の回転に関する。タイヤの回転は、選択された反復事象(例えば、接地面進入または接地面退出のいずれか)が発生するときを認識して、その選択事象の反復が発生する際に、ITM202内の計数器を適切に指数付けすることによって、計数することができる。パラメーターtrevは、基本的には、タイヤの速度測定値、すなわち、所定の接地面進入から次の接地面進入までの、または所定の接地面退出から次の接地面退出までの、タイヤの1回転の測定値である。接地面角度(cpAngle=θ)はまた、タイヤの単一の360度の回転の間の、センサーが接地面の範囲内にある時間の百分率に対応する、時間ベースの測定値でもある。この接地面角度は、等式(1)で説明されるcpAngleの値を360度で積算する場合には、時間ベースの測定値ではなく、角度ベースの測定値として表すことが可能である。
【0022】
再び図1を参照すると、タイヤ荷重値を判定する方法の、次の工程106は、選択されたタイヤパラメーターを、既知の値のデータベースと電子的に比較して、対応するタイヤ荷重値を判定する工程に対応する。工程106は、タイヤ内部で、あるいは判定されたタイヤ空気圧および/または接地面パラメーターを、タイヤに対して遠隔の場所に送信した後に、実施することができる。この比較工程106で使用される、選択されたタイヤパラメーターは、測定または算出された少なくとも1つの接地面パラメーター(例えば、限定するものではないが、tcpEntryおよびtcpExitなどの、測定パラメーター、ならびに/あるいは限定するものではないが、tcpTime、cpAngleなどのような、算出値)、ならびにタイヤ空気圧(必要に応じて、温度レベルに基づいて任意選択的に調整される)を含む。特定の一実施形態では、接地面角度(cpAngle)および空気圧が、比較のために選択されたタイヤパラメーターとして含まれる。
【0023】
工程106を更に参照すると、選択されたタイヤパラメーターを比較して、対応するタイヤ荷重を判定するために使用される、既知の値のデータベースは、当業者によって理解されるような様々な形式で構築することができる点を、理解するべきである。非限定的な一実施例では、既知の値のデータベースは、車両搭載システム204内に格納される(例えば、メモリ222内に格納される)参照テーブルに対応する。この参照テーブルは、種々のタイヤ荷重値に対応する、タイヤのcpAngleの値(または他の接地面パラメーター)とタイヤ空気圧の値との、種々の組み合わせを収容し得る。接地面パラメーターが、センサー内部の複数の圧電素子に関して、それぞれに取得される場合、この参照テーブルは、複数の圧電素子のそれぞれに関するcpAngleの値(または他の接地面パラメーター)、または各圧電素子からの接地面パラメーターのある程度の既定の組み合わせを収容し得ることを、理解するべきである。この参照テーブルは、比較用の特定のデータ点、または特定のデータ点間の補間によって生成される曲線を含み得ることにより、ITM202から受信される入力パラメーターを、その既知の値と有効に比較して、最も近似的または最も代表的なタイヤ荷重の推定値を判定することができる。参照テーブル内のデータ点間の補間が実施される場合、限定するものではないが、線形補間、二次、三次、もしくは他の形態の多項式補間、スプライン補間、または他の好適な補間法などの、任意数の好適な補間技術を使用することができる点を、理解するべきである。
【0024】
一部の実施形態では、タイヤ荷重参照テーブルは、ホイール上に試験タイヤを装着して、そのタイヤを様々な速度で回転させ、タイヤ空気圧の値と接地面パラメーターの値との種々の組み合わせで、実際の対応する荷重値を測定することによって生成される。一部の実施形態では、タイヤ荷重参照テーブルは、様々な可能な荷重、または接地面パラメーターと空気圧のパラメーターとの様々な可能な組み合わせに関して生成される。例えば、タイヤ荷重値は、ある程度の最小荷重値から開始してある程度の最大荷重値に至る範囲(例えば、約1000kg〜2500kgの荷重範囲)に限定することができる。比較目的に関する最小値を確立することが有益であり得るのは、タイヤ荷重の精度判定が、ある程度の最小撓み量未満で影響を受ける場合があるためである。測定または算出される入力パラメーターが最小レベルを超えることを必要とすることによって、タイヤ荷重の出力判定の精度を維持することができる。
【0025】
荷重判定の精度を更に確実なものにするために、タイヤ荷重参照テーブルは、タイヤを実質的に直線方向で確実に回転させている間に、決定することができる。換言すれば、参照テーブルに関する値を決定するために、試験タイヤは、通常の幹線道路での動作と一致する方式で走行され、激しい車両の方向転換または他の複雑な車両の操作と一致する方式では走行されない。一部の実施形態ではまた、使用時の実際のタイヤが、同様の実質的な対称条件下で動作している場合にのみ、タイヤ荷重判定工程106を実行することが好ましい場合もある。
【0026】
図1を更に参照すると、工程106で、そのような推定タイヤ荷重値が判定された後、後続の工程108は、車両内の1つ以上のタイヤに関する、その推定された対応するタイヤ荷重値を、電子出力としてユーザーに提供する工程を伴う。工程108で提供される出力は、様々な形態のうちの1つ以上の形態を呈し得る。例えば、タイヤ荷重の出力は、車両搭載システム内部に、またはタイヤから遠隔の別の中央データ所在地に(例えば商用車量に関する車隊追跡センターまたは他の大型装置に)提供される、モニターあるいは他のディスプレー上に、一部または全てのタイヤに関して提供することができる。別の実施例では、タイヤ荷重の出力は、車両内部または遠隔の場所での、警報の形態で提供することができ、それらの警報としては、可聴警報、および/またはアクティブ化LEDなどのような視覚警報が挙げられるが、これらに限定されない。また更なる実施例では、出力データは、警告メッセージの起動、緊急車両停止、および他の動作などの動作をトリガーするために使用される、制御信号の形態とすることができる。タイヤ荷重値が、開示される技術に従って正確に算出された後には、多数の任意選択肢が可能である。
【0027】
ここで図2を参照すると、タイヤの接地面パラメーターおよびタイヤ空気圧のパラメーターに基づく、タイヤ荷重の判定に関連する、上述の機構ならびに工程を実施するための、例示的システムに関する更なる詳細が、ここで提示される。全般的には、そのようなシステム200は、3つのタイプの構成要素、すなわち、タイヤ内モジュール(ITM)202、車両搭載システム(VOS)204、および出力デバイス206を含み得る。1つのITM202のみが図2に示されるが、複数個のITM(例えば、車両内の1つのタイヤにつき1つのITM202)を使用することにより、複数のタイヤについての情報を、車両搭載システム204または何らかの他の中央場所に転送することができる点を、理解するべきである。同様に、1つの出力デバイス206のみが示されるが、複数の出力デバイス(例えば、車両内の各タイヤに対して1つのタイヤ荷重表示灯、またはディスプレー、警報、制御信号などのような、複数のタイプの出力デバイス)を採用することができる。
【0028】
ここで図2のタイヤ内モジュール(ITM)構成要素202を参照すると、そのようなデバイスは、全般的には、複数個の異なるセンサー(例えば、温度センサー210、圧力センサー212、および/または圧電センサー214)と、そのようなセンサーから受け取ったデータを調整するためのマイクロプロセッサ220と、ITM202から遠隔の場所へと情報を無線送信するための、送受信機216および関連するアンテナ217と、ITM202内部の様々な電子構成要素に動作エネルギーを提供するための電源218とを含み得る。温度センサー210および圧力センサー212は、周期的に、例えば、無線送受信機216がITM202からVOS204に情報を送信する直前に、使用されるかまたは読み取られる、トランスデューサーなどのような、単一センサーもしくは集積化センサーとすることができる。圧電センサー214は、好ましくは、1つ以上の圧線素子を含み、この圧電素子は、そのような圧電素子が統合されるタイヤの一部分が機械的変形を受ける場合に、電荷を発生するように構成される。圧電センサー214の電気出力は、圧電素子の電荷出力の連続信号に対応することにより、増大した荷重レベルをタイヤが受ける場合を、指示することができる。例えば、本明細書で論じられるように、tcpEntryおよびtcpExitなどのような、接地面パラメーターを測定するために、圧電センサー214の連続的な生の出力信号を捕捉して解析することが可能である。
【0029】
一実施例では、センサー210、212、およびセンサー214によって取得される信号は、マイクロプロセッサ210によって処理されることにより、選択された情報のセットが、無線送受信機216を介して、VOS204などの遠隔の場所に送られる。例えば、この中継される情報は、cpAngle(または別の接地面パラメーター)、温度、および圧力などの値を含み得る。cpAngleの変数は、複数回の継続的なタイヤの回転(例えば、20回、50回、または100回のタイヤの回転)にわたって取得される、平均値に対応し得る。送信される空気圧の値ならびに任意選択の温度の値もまた、一定時間にわたって平均化することができ、またはデータ送信の直前の特定のインスタンスで取得して、より効率的なセンサー動作に適合させることができる。一部の実施形態では、圧電センサー214からの生の圧電信号の諸部分、またはcpAngleもしくは他の接地面パラメーターを算出するために必要な、そのような信号からのタイミング情報のみが、送受信機216を介して送られる。次いで、ITM202から離れた場所で、例えばVOS204内部のプロセッサで、算出が行われる。圧電センサー214の出力から判定されるような、追加的情報もまた、送受信機216によって中継することができ、それらの追加的情報としては、タイヤに関する累積回転計数、および/またはタイヤに関する平均速度測定値が挙げられるが、これらに限定されない。送受信機216によって中継される追加的情報は、各タイヤに関する固有の識別子(例えば、タイヤRFID)を含み得る。前述のように、VOS204内部とは対照的に、ITM202内部で、判定された値と参照テーブルとの比較を実施することもまた可能である。
【0030】
ここで車両搭載システム204を参照すると、そのようなシステムは、好ましくは、車両内の1つ以上のITMと無線通信する、無線受信機もしくは送受信機226、および関連するアンテナ227を含む。一部の実施形態では、1つのITM202が、各車両用タイヤ内に提供されることにより、VOS204は、各タイヤから情報を受信する。異なる識別タグで異なるタイヤを符号化し、かつ/または種々のITM間の通信を調整するための既知の通信アルゴリズムを使用することによって、タイヤ固有のデータを識別することができ、複数のITM間の潜在的な信号干渉に対処することができる。VOS204とITM202以外の場所との間の、更なる無線通信は、無線通信インターフェース228によって達成することができる。無線通信インターフェース228は、VOS204を、車両追跡に関する中央コンピュータと、またはセルラーデバイス、エアカードなどを使用する緊急プロバイダーもしくは他の実体に、リンクさせることが可能であり得る。アンテナ217とアンテナ227との無線リンク、および/または無線通信インターフェース228と別の遠隔の場所との無線リンクは、様々な異なる通信プロトコルを使用することができ、それらの通信プロトコルとしては、セルラー方式またはRFベースの送信、ならびに/あるいはBluetooth(登録商標)、Zigbee(登録商標)、およびWiFiプロトコルなどの特定の標準規格などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0031】
VOS204はまた、本明細書で説明される、ソフトウェアベースの電子的算出および判定のうちの多くを実施するための、マイクロプロセッサ224ならびに関連メモリ222も含み得る。マイクロプロセッサ220およびマイクロプロセッサ224の双方とも、ある程度の量の関連メモリを含むが、マイクロプロセッサ224に関連するメモリ222は、図2では、VOS204に関連するメモリ222が、具体的には、ITM202から受信されるタイヤ入力パラメーター;受信されたタイヤパラメーターからタイヤ荷重を判定するために使用される、既知のデータ値の参照テーブル;通信調整、パラメーター解析、およびタイヤ荷重判定などのタスクを処理するための、ソフトウェア命令;ならびにそのようなタスクから生成される出力データなどの項目を含み得ることを、明確化するように示される点を、理解するべきである。コンピューティング/プロセッサデバイス224は、メモリ/メディア要素222内に格納される、コンピュータ読み取り可能形態にされたソフトウェア命令を実行することによって、特殊目的機械として動作するように、適合させることができる。ソフトウェアが使用される場合、任意の好適なプログラミング、スクリプティング、または他のタイプの言語、もしくは言語の組み合わせを使用して、本明細書に含まれる教示を実装することができる。他の実施形態では、本明細書で開示される方法は、あるいは、限定するものではないが、特定用途向け回路を含めた、配線論理回路または他の回路によって、実装することができる。
【0032】
1つのメモリ要素222のみが図2に示されるが、ソフトウェア命令、データ変数などを格納するために、任意数のメモリ要素またはメディア要素を含めることができる点を、理解するべきである。様々なメモリ/メディア要素は、限定するものではないが、揮発性メモリ(例えば、ランダムアクセスメモリ(DRAM、SRAMなどの、RAM))と不揮発性メモリ(例えば、ROM、フラッシュ、ハードドライブ、磁気テープ、CD−ROM、DVD−ROMなど)との任意の組み合わせ、またはフロッピー(登録商標)ディスク、ドライブ、他の磁気ベースの記憶メディア、光学記憶メディアなどを含めた、任意の他のメモリデバイスなどの、1つ以上の種類の有形コンピュータ読み取り可能メディアの、単一部分もしくは複数部分として、提供することができる。
【0033】
ここで出力デバイス206を参照すると、判定された出力パラメーター、具体的には、本技術に従って判定されたタイヤ荷重値は、車両乗員、中央制御局、または他の実体との有意味な電子通信のために、出力デバイス206に中継することができる点を、理解するべきである。一部の実施例では、出力デバイス206は、車両内部のモニターもしくは他の視覚ディスプレー、センサーもしくは警報、あるいは特定のタイヤ荷重値、もしくはある程度の閾値レベルに対するタイヤ荷重の比較の、可聴表現および/または可視表現を生成することが可能な、他のデバイスに対応する。他の実施例では、プリンターまたはコントローラなどの出力デバイスもまた、採用することができる。
【0034】
ここで図3Aを参照すると、例示的なITMの、より具体的な構造的詳細が、ここで提示される。例示的一実施形態では、ITM202は、支持パッチ302、圧電パッチ304、第1スペーサーバー306および第2スペーサーバー308、電子基板310、ならびに複数個の電気機械接続部材312などの、構造要素を含む。
【0035】
支持パッチ302は、ゴムまたは他の弾性材料の、実質的に平面的な部分に対応し得る。支持パッチ302は、ITM202に関するモジュラー構造を提供し、また、タイヤの内部表面との好適な一体化のための基部も提供する。例えば、支持パッチ302は、接着剤、硬化技術、または他の好適な手段を使用して、タイヤの内側表面もしくは内側ライナーに、取り付けるか、一体化させるか、あるいは埋め込むことができる。ITM202は、圧電素子が様々なタイヤ応力のレベルを受けることとなる、タイヤ内部の様々な場所に配置することができるが、一部の実施例は、タイヤのクラウンの中心の、すなわち、タイヤ幅の横方向中心線に沿った、ITM202の装着場所を使用する。圧電パック304と共に、支持パッチ302は、最小限に抑えられた曲率を有する表面で形成されることにより、ITM202内部での局所疲労の回避に役立てることができる。
【0036】
支持パッチ302は、ITM202の他のハードウェア機構を受容するための、支持パッチの上側表面に沿った、図3に示すような埋め込み部分303を含む場合もあり、または含まない場合もある。一実施例では、支持パッチ302内部に形成される陥凹部分303は、第1スペーサーバー306ならびに圧電パック304を受容するように構成される。次いで、第2スペーサーバー308を、圧電パック304の上方の、圧電パック304と電子基板310との間に提供することができる。支持パッチ302、圧電パック304、および第1スペーサーバー306の間などの、選択された構成要素間の更なる接続は、限定するものではないが、Chemlock(登録商標)などのポリマーベースのコーティング材料などの、追加的な接着材料で形成することができる。
【0037】
スペーサーバー306およびスペーサーバー308は、ITM202内部の様々な電子モジュール間の絶縁を提供するが、それぞれはまた、複数個の開口部も内部に含み、この開口部は、そのような構成要素間に、直交する接続ラインを形成する。そのような接続ラインは、選択された開口部内部に、導電性のライニングまたは挿入部材を提供することによって増強することができる。次いで、電気機械接続部材312を、スペーサーバー306およびスペーサーバー308内部、ならびに電子基板310および圧電パック304内部に形成された開口部に通して供給することにより、電子構成要素との選択的な電気接続、および組み立てられたモジュールに関する全体的な構造的接続を形成することができる。例えば、内側のねじ付き支柱312aは、接地面パラメーター、または圧電センサー214によって生成される他の情報を測定するために使用される、第1圧電素子314に接続するように、構成することができる。外側のねじ付き支柱312bは、ITM202内部の様々な電子構成要素の動作に役立てるための発電用に使用される、第2圧電素子318に接続するように、構成することができる。
【0038】
圧電パック304は、1つ以上の圧電素子が上に形成される、基材表面に対応し得る。一実施例では、圧電パック304の基材表面上に形成される第1圧電素子314は、圧電センサー214として機能するように提供されるが、その一方で、第2圧電素子318は、電源218として機能するように、圧電パック304の基材表面上に形成される。そのような第2圧電素子318によって発生する電流を調節して、充電式電池、コンデンサー、または他のエネルギー供給源内部に蓄えることができ、次いで、それらを、温度センサー210、圧力センサー212、マイクロプロセッサ220、および/または送受信機216などの電子構成要素に結合して、それらに動作電力を供給することができる。
【0039】
第1圧電素子および第2圧電素子は、様々な圧電構造に対応し得るものであり、それらの圧電構造としては、圧電性結晶、複合繊維構造、圧電セラミックモジュール、または圧電材料から作製される他のデバイスが挙げられるが、これらに限定されない。そのような素子内で使用される圧電材料としては、ベルリナイト、石英、トパーズ、トルマリン族の鉱物、象牙質、オルトリン酸ガリウム、ランガサイト、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、ニオブ酸カリウム、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム、タングステン酸ナトリウム、ニオブ酸ナトリウムカリウム、ビスマスフェライト、ニオブ酸ナトリウム、およびポリフッ化ビニリデン(PVDF)のうちの1つ以上を挙げることができる。一部の特定の実施形態では、各圧電素子は、対向する電極材料(例えば、銅、ニッケル、金、銀、アルミニウムなどのような、導電材料)の層の間に挟み込まれる、単一層の圧電セラミック材料から形成される。複数の圧電素子は、その圧電素子の頂部および底部上の薄いガラス繊維のケーシングなどの、追加的な保護材料内に、全て包み込むことができる。
【0040】
一部の実施形態では、発電用に使用される第2圧電素子318は、センサーとして使用される第1圧電素子314よりも大きい。一部の実施形態では、第1圧電材料のサイズおよび使用される材料は、タイヤの動作中に、少なくとも100μJ/サイクルの電気エネルギーを提供することが可能な、独立した電力素子をもたらすように選択される。全般的には、2つの別個の圧電素子を含むことにより、接地面パラメーター測定値および他のセンサーベースの情報のために使用される圧電素子を独立させて、同じ圧電素子上での同時のエネルギー採取によって引き起こされる干渉を回避することができる点が、特に有利である。そのような干渉は、この圧電エネルギー採取構成要素に関連する、エネルギー蓄積デバイスの、予測不可能な荷電状態に基づいて、特に予測不可能である恐れがある。それゆえ、圧電素子の分離は、信号品質の向上およびセンサー結果の改善を、結果的にもたらしている。
【0041】
ここで図3Bを参照すると、圧電センサー214の一部の実施形態は、複数個の圧電素子332を含み得ることを、理解するべきである。説明を容易にするために、図3Bは、ITM202の圧電センサー部分214のみを、タイヤ400の内部表面に対する、その最終的な場所で、また隔離された拡大図の双方で示す。そのような実施例では、複数個の圧電素子332は、基材334上に、実質的な直線状の配列で配置構成される。タイヤ400内部での圧電センサー214の装着場所は、この圧電素子の直線状配置構成が、タイヤのクラウンの内部表面に沿って、タイヤ400の第1側壁部342に向かう場所から、第2側壁部344に向かう場所へと、横方向に、すなわち横断方向に広がるようにすることができる。一部の実施形態では、圧電センサーは、タイヤのクラウンに沿って中央に配置される。6つの圧電素子332が図3Bに示されるが、任意数の圧電素子、例えば、2〜10の範囲内の、幾つかの圧電素子を提供することができる点を、理解するべきである。
【0042】
一部の実施形態では、1つ以上の圧電素子332は、選択されたトレッドリブ340または他のトレッド機構と合致するように提供されることにより、接地面区域全体に沿った、各トレッドリブまたはトレッド機構によって経験される荷重を、判定することができる。一部の実施形態では、圧電センサー214は、1つの圧電素子332が、タイヤ外面の一部分に沿って提供される、それぞれの対応するトレッドリブまたは機構(例えば、タイヤの側壁部分ではなく、タイヤのクラウン部分の範囲内の、トレッドリブまたは機構のみ)の真下の、タイヤの内部表面上に配置されるように、構成される。他の実施形態では、圧電素子332は、1つおきのトレッドリブ/機構に、または他の選択された組み合わせのトレッドリブ/機構に提供される。また更なる実施形態では、圧電素子332は、隣り合う圧電素子から、ある程度の既定の距離を有する、離間した間隔で提供される。他の実施形態では、圧電素子は、非直線状の配列、または行列構成(例えば、2×2、2×3、2×6、3×9など)で構成することができる。
【0043】
複数の圧電素子を提供することによって、タイヤの横方向の範囲全体にわたる複数の場所での、接地面の長さを判定することができるため、より多くの接地面区域についての情報、および究極的な荷重判定を特定することができる。この複数の接地面の長さの組み合わせにより、タイヤの横方向全体にわたって変化し得る接地面区域を表すための、十分な情報が提供される。それゆえ、その複数の接地面の長さの組み合わせは、タイヤに関する荷重レベルをより有効に判定するための、より詳細かつ正確な接地面区域の表現を、提供することができる場合がある。
【0044】
開示される技術で使用される各圧電素子、具体的には、関心対象の接地面パラメーターを判定するためのセンサーとして使用される圧電素子の、出力に関連する更なる詳細が、ここで図5および図6に関して提示される。開示される技術でセンサーとして使用される圧電素子は、その圧電素子が取り付けられたタイヤの時変形状に比例する、電圧を発生させる。タイヤが回転しているとき、圧電応力の変化率は、タイヤの曲率変化が最大となる場合に、すなわち、接地面の前縁および後縁で、最大となる。この時変応力に対応する電圧信号は、その圧電材料の具体的な分極に応じて、正または負である。極性とは関わりなく、生の圧電出力信号は、その圧電素子に及ぼされる時変付加応力の反転に相関する、電圧変化量の反転を呈することとなる。例えば、圧電素子内部の引張応力が、正の電圧を発生させる場合には、その引張応力の解放、または同じ軸に沿った圧縮応力の適用は、負の電圧を発生させる。
【0045】
関心対象の接地面パラメーター(例えば、接地面進入時間、接地面退出時間、総接地面時間、および/または接地面角度のうちの1つ以上であり、それらの全ては、接地面退出および/または進入時間に対応するか、もしくは従属する)を判定するために、様々な方式で圧電センサーの出力を解析することが可能である。例えば、そのような値は、図5の実線502として示される生の圧電信号から、直接判定することが可能である。例えば、そのような信号は、出力電圧レベルが、ある程度の既定の閾値を超えるか、または下回る場合に、接地面の範囲内にあると判定することが可能である。この総接地面時間(cpTime)は、図5の信号部分512、すなわち、地点508での接地面進入時間(tcpEntry)と地点510での接地面退出時間(tcpExit)との間の持続時間として表される。圧電センサー内部に複数の圧電素子が提供される場合に、それぞれの圧電素子から同時に取得される生の圧電信号は、図6に提供される例示的グラフと同様なものとなり得る。
【0046】
他の実施例では、接地面パラメーター、具体的には、接地面進入時間508および接地面退出時間510に対応するアジマスを、生の圧電信号の一次導関数または二次導関数から判定することができる。図5の点線504は、生の圧電信号502の一次導関数を表す。このグラフ表示から明白であるように、一次導関数信号504の極大値および極小値は、それぞれ接地面進入時間および接地面退出時間に対応する。そのような時間はまた、破線506として図5に示される、生の圧電信号の二次導関数から判定することもできる。このグラフ表示から明白であるように、二次導関数信号506のゼロ交差の時間が、それぞれ接地面進入時間および接地面退出時間に対応する。
【0047】
開示される技術の一部の実施形態は、所望の接地面パラメーターを判定するために、上記の信号解析技術のうちの1つのみを使用し得るが、複数の形態の解析(例えば、一次導関数および二次導関数の双方の解析、あるいは生の信号に、一次導関数または二次導関数を加えた解析など)を使用して、圧電信号の解析および接地面パラメーターの判定でのエラーを、最小限に抑えるために役立てることができる。
【0048】
本主題は、その特定の実施形態に関して、詳細に説明されているが、当業者は、前述の説明を理解した上で、そのような実施形態に対する代替案、変形形態、および等価物を容易に作り出すことができる点が、理解されるであろう。したがって、本開示の範囲は、限定によるものではなく、例示によるものであり、本主題の開示は、当業者には容易に理解されるように、本主題に対する、そのような修正、変形形態、および/または追加が包含されることを排除するものではない。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6