特許第6076283号(P6076283)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6076283
(24)【登録日】2017年1月20日
(45)【発行日】2017年2月8日
(54)【発明の名称】空調システム
(51)【国際特許分類】
   F24D 3/00 20060101AFI20170130BHJP
   F24D 15/00 20060101ALI20170130BHJP
   F24D 5/04 20060101ALI20170130BHJP
【FI】
   F24D3/00 W
   F24D15/00 B
   F24D5/04 Z
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-60390(P2014-60390)
(22)【出願日】2014年3月24日
(65)【公開番号】特開2015-183925(P2015-183925A)
(43)【公開日】2015年10月22日
【審査請求日】2015年7月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】特許業務法人創成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】桑原 祥
【審査官】 渡邉 聡
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−052777(JP,A)
【文献】 特開2007−278645(JP,A)
【文献】 特開2001−248878(JP,A)
【文献】 特開平10−073299(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24D 3/00
F24D 5/04
F24D 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱源機から温水が供給される温水循環路に接続された換気機能付きの暖房端末と、室内に連通した該暖房端末の吸気口及び他の吸気口と屋外に連通した排気口とに連通し、該暖房端末の吸気口又は該他の吸気口から室内の空気を吸入して該排気口から屋外に排出する換気装置とを備えた空調システムであって、
前記換気装置は、前記暖房端末からの換気要求、又は前記他の吸気口に対応した他の換気要求に応じて作動し、
前記暖房端末は、前記暖房端末が設けられた室内の温度又は前記暖房端末内の前記温水循環路内の水の温度を検出する端末温度検出部と、前記暖房端末の吸気口を開閉するダンパと、前記熱源機から供給される温水を熱源とした暖房運転、及び前記ダンパにより前記暖房端末の吸気口を開けた状態で前記換気装置を作動させることによって、前記暖房端末が設置された室内の空気を前記暖房端末の吸気口から吸入して前記排気口から排出する換気運転を行い、前記端末温度検出部の検出温度が凍結防止温度以下であるときに、前記ダンパにより前記暖房端末の吸気口の開度を所定開度以下にする暖房端末制御部とを備えている
ことを特徴とする空調システム。
【請求項2】
請求項1に記載の空調システムにおいて、
前記暖房端末は、前記暖房端末の吸気口を介して前記換気装置に吸入される空気の流量を検出する風量センサを備え、
前記暖房端末制御部は、前記端末温度検出部の検出温度が前記凍結防止温度以下であり、且つ前記風量センサの検出風量が所定風量以上であるときに、前記ダンパにより前記暖房端末の吸気口の開度を前記所定開度以下にすることを特徴とする空調システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、室内の暖房と換気を行う空調システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、熱源機から循環供給される温水と室内の空気との間で熱交換を行って、室内を暖房する空調システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載された空調システムにおいては、屋外に設置された熱源機と屋内に設置された複数の暖房端末(浴室暖房装置、床暖房機等)とが、温水循環路を介して接続され、熱源機から送出される温水により各暖房端末が設置された室内の暖房が行われる。
【0004】
そして、外気温の低下により温水循環路内の水が凍結することを防止するため、特許文献1に記載された空調システムでは、熱源機に設けられた外気温センサの検出温度が凍結指標温度以下になったときに、暖房運転を停止している暖房端末に対しても温水を供給する処理を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−61815号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
浴室暖房装置のように、暖房機能の他に換気機能も備えた暖房端末がある。そして、このような換気機能付きの暖房端末において、換気用のファンを専用に設ける構成の他に、他の部屋の換気口とも連通した共用の換気装置を作動させて、暖房端末の換気機能を実現した構成が採用されている。
【0007】
共用の換気装置は、換気機能付きの暖房端末からの要求に応じて作動すると共に、他の部屋(トイレ、脱衣室等)に設けられた換気スイッチ等が操作されたときにも作動して、室内の空気を屋外に排出する。
【0008】
本願発明者らは、このように共用の換気装置を利用して換気を行う暖房端末において、室温が低い状態になっているときに、熱源機による凍結防止の処理が開始される前に暖房端末の温水循環路内で水の凍結が生じる場合があることを知見した。
【0009】
そこで、本発明は、熱源機による凍結防止の処理が開始される前に、暖房端末の温水循環路内の水が凍結することを防止した空調システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は上記目的を達成するためになされたものであり、本発明の空調システムは、
熱源機から温水が供給される温水循環路に接続された換気機能付きの暖房端末と、室内に連通した該暖房端末の吸気口及び他の吸気口と屋外に連通した排気口とに連通し、該暖房端末の吸気口又は該他の吸気口から室内の空気を吸入して該排気口から屋外に排出する換気装置とを備えた空調システムであって、
前記換気装置は、前記暖房端末からの換気要求、又は前記他の吸気口に対応した他の換気要求に応じて作動し、
前記暖房端末は、前記暖房端末が設けられた室内の温度又は前記暖房端末内の前記温水循環路内の水の温度を検出する端末温度検出部と、前記暖房端末の吸気口を開閉するダンパと、前記熱源機から供給される温水を熱源とした暖房運転、及び前記ダンパにより前記暖房端末の吸気口を開けた状態で前記換気装置を作動させることによって、前記暖房端末が設置された室内の空気を前記暖房端末の吸気口から吸入して前記排気口から排出する換気運転を行い、前記端末温度検出部の検出温度が凍結防止温度以下であるときに、前記ダンパにより前記暖房端末の吸気口の開度を所定開度以下にする暖房端末制御部とを備えている
ことを特徴とする。
【0011】
かかる本発明によれば、前記換気装置は、前記暖房端末からの換気要求に応じて作動すると共に、他の換気要求(トイレや脱衣室に設けられた換気スイッチの操作による換気要求等)があったときにも作動する。そして、他の換気要求に応じて前記換気装置が作動したときに、前記暖房端末の吸入口が開いていると、前記暖房端末が設置された室内の空気が前記暖房端末内を経由して前記換気装置に吸入され、前記排気口から排出される。
【0012】
この場合に、前記暖房運転や所定条件下で実行される前記熱源機の凍結防止運転等によって、前記温水循環路内に湯水が循環しているときには、前記暖房端末内の前記温水循環路で凍結が生じることはない。しかしながら、前記熱源機から前記温水循環路への温水の供給が停止した状態で、前記暖房端末が設置された室内の温度が0℃付近まで低下していると、前記暖房端末内に流入する室内の低温の空気によって、前記暖房端末内の前記温水循環路に滞留している水が冷却されて凍結するおそれがある。
【0013】
そこで、前記暖房端末制御部は、前記端末温度検出部の検出温度が前記凍結防止温度以下であるときに、前記ダンパにより前記暖房端末の換気口の開度を前記所定開度以下にする。そして、これにより、上述したように、前記熱源機の凍結防止運転等が実行されていないために前記温水循環路に湯水が流通しておらず、且つ前記暖房端末が設置された室内が低温である状況下で、前記換気装置が前記暖房端末以外からの換気要求によって作動したときに、室内の低温の空気が前記暖房端末内に吸入されることを抑制して、前記熱源機の凍結防止運転が開始される前に前記暖房端末内の前記温水循環路内の水が凍結することを防止することができる。
【0014】
また、前記暖房端末は、前記暖房端末の吸気口を介して前記換気装置に吸入される空気の流量を検出する風量センサを備え、
前記暖房端末制御部は、前記端末温度検出部の検出温度が前記凍結防止温度以下であり、且つ前記風量センサの検出風量が所定風量以上であるときに、前記ダンパにより前記暖房端末の吸気口の開度を前記所定開度以下にすることを特徴とする。
【0015】
この構成によれば、前記風量が前記所定風量よりも少なく、前記暖房端末内の前記温水循環路の水が凍結する可能性が低い場合には、前記暖房端末の換気口の開度を前記所定開度よりも大きくして、前記暖房端末が設置された室内の換気が可能な状態を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の空調システムの構成図。
図2図1に示した浴室暖房装置の給湯器の制御系の説明図。
図3】浴室の温度に応じたダンパの開閉制御のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施形態について、図1図3を参照して説明する。
【0018】
図1を参照して、本実施形態の空調システム1は、屋外に設置された熱源機8と、浴室BRに設置された浴室暖房装置2(本発明の換気機能付の暖房端末に相当する)と、浴室BRの天井に設置された換気装置3とを備えている。
【0019】
熱源機8と浴室暖房装置2とは温水循環路12によって接続され、熱源機8で加熱された温水が浴室暖房装置2に循環供給される。換気装置3は、脱衣室DRの換気口に連通したダクト22、トイレTRの換気口に連通したダクト24、浴室暖房装置2の吸気口17(図2参照)、及び排気口(図示しない)に連通したダクト20に接続され、浴室BR,脱衣室DR,及びトイレTR内の空気を吸入して排気口から屋外に排出することによって、浴室BR,脱衣室DR,及びトイレTRの換気を行う。
【0020】
脱衣室DRには、浴室暖房装置2及び換気装置3を操作するためのリモコン34が設けられ、トイレTRには、換気装置3の作動と停止を指示するトイレスイッチ35が設けられている。
【0021】
次に、図2を参照して、熱源機8と浴室暖房装置2は通信ケーブル41で接続されて相互に通信可能に構成され、浴室暖房装置2と換気装置3は通信ケーブル46で接続されて相互に通信可能に構成されている。また、リモコン34は浴室暖房装置2及び換気装置3と通信可能に接続されている。
【0022】
浴室暖房装置2は、浴室BRに連通した吸込み口と吹き出し口(図示しない)とを有する筐体5内に、モータ6により駆動される循環ファン7と、温水循環路12の途中に設けられて熱源機8から供給される温水が流通する熱交換器9と、浴室暖房装置2の作動を制御する暖房コントローラ40(本発明の暖房端末制御部に相当する)とを収容している。
【0023】
吹き出し口には、ステッピングモータ10で駆動される可変ルーバ11が設けられ、浴室暖房装置2から浴室BRへの送風方向を可変ルーバ11により変更できるようになっている。また、熱源機8と熱交換器9との間の温水循環路12には、温水循環路12を開閉して熱交換器9への温水の供給と停止を切替える熱動弁13が設けられている。
【0024】
浴室BRを換気装置3に連通する浴室用吸気口17(本発明の暖房端末の吸気口に相当する)には、ステッピングモータ26により駆動される浴室ダンパ27(本発明のダンパに相当する)が設けられ、浴室ダンパ27の位置により浴室用吸気口17の開度が調整可能とされている。
【0025】
また、浴室暖房装置2は、浴室BR内の温度を検出する浴室温度センサ42(本発明の端末温度検出部に相当する)と、温水循環路12内の温水の温度を検出する浴室水温度センサ43とを備えている。
【0026】
暖房コントローラ40は、図示しないCPU,メモリ,インターフェース回路等を備えて構成された制御ユニットであり、メモリに保持された浴室暖房装置2の制御用プログラムをCPUで実行することにより、浴室暖房装置2の作動を制御する機能を果たす。
【0027】
暖房コントローラ40には、浴室温度センサ42からの温度検出信号と、浴室水温度センサ43からの温度検出信号と、リモコン34からの操作信号とが入力される。また、暖房コントローラ40から出力される制御信号によって、循環ファン7、可変ルーバ11、熱動弁13、及び、浴室ダンパ27の作動が制御される。
【0028】
暖房コントローラ40は、リモコン34により浴室暖房の開始操作がなされたときに、熱動弁13を開弁して熱源機8に対して温水の供給を要求する信号を送信することによって、熱源機8から熱交換器9への温水の供給を開始させると共に、浴室ダンパ27により浴室用吸気口17を閉じて循環ファン7を作動させることにより、浴室暖房運転を実行する。
【0029】
また、暖房コントローラ40は、リモコン34により浴室換気の開始操作がなされたときに、浴室ダンパ27により浴室用吸気口17を空けて、換気装置3に対して換気動作を指示する信号を送信(本発明の暖房端末からの換気要求に相当する)し、換気装置3を作動させることによって、浴室乾燥運転を実行する。
【0030】
換気装置3は、浴室暖房装置2の筐体5に隣接した筐体14内に、モータ15により駆動される換気ファン16と、換気コントローラ45とを収容して構成されている。筐体14には、浴室暖房装置2を介して浴室BRに連通する浴室用吸気口17と、脱衣室DRに連通した脱衣室用吸気口18と、トイレTRに連通したトイレ用吸気口19と、ダクト20を介して屋外に連通した排気口21とが形成されている。
【0031】
換気ファン16の作動により、浴室用吸気口17と脱衣室用吸気口18とトイレ用吸気口19から空気が吸引され、排気口21を介して外部に排出される。脱衣室用吸気口18には、脱衣室DRに連通したダクト22(図1参照)が管継手23を介して接続されている。同様に、トイレ用吸気口19には、トイレTRに連通したダクト24(図1参照)が管継手25を介して接続されている。
【0032】
また、脱衣室用吸気口18には、ステッピングモータ28により駆動される脱衣室ダンパ29が設けられており、脱衣室ダンパ29により脱衣室用吸気口18の開閉と開度調節が可能とされている。同様に、トイレ用吸気口19には、ステッピングモータ30により駆動されるトイレダンパ31が設けられており、トイレダンパ31によりトイレ用吸気口19の開閉と開度調節が可能とされている。
【0033】
換気コントローラ45は、図示しないCPU,メモリ,インターフェース回路等を備えて構成された制御ユニットであり、メモリに保持された換気装置3の制御用プログラムをCPUで実行することにより、換気装置3の作動を制御する機能を果たす。
【0034】
換気コントローラ45には、リモコン34からの操作信号と、トイレスイッチ35からの操作信号が入力される。また、換気コントローラ45から出力される制御信号によって、換気ファン16と脱衣室ダンパ29とトイレダンパ31の作動が制御される。
【0035】
換気コントローラ45は、リモコン34から脱衣室DRの換気を指示する信号(本発明の他の吸気口に対応した他の換気要求に相当する)を受信したときに、脱衣室ダンパ29により脱衣室用吸気口18を開けて、換気ファン16を作動させることによって、脱衣室DRの換気運転を実行する。
【0036】
また、換気コントローラ45は、トイレスイッチ35からトイレTRの換気を指示する信号(本発明の他の換気要求に相当する)を受信したときに、トイレダンパ31によりトイレ用吸気口19を開けて、換気ファン16を作動させることによって、トイレTRの換気運転を実行する。
【0037】
さらに、換気コントローラ45は、暖房コントローラ40から浴室BRの換気を指示する信号(本発明の暖房端末からの換気要求に相当する)を受信したときに、換気ファン16を作動させる。この場合、暖房コントローラ40は、浴室ダンパ27により浴室用吸気口17の開度を調節して、浴室BRの換気量を変更する。
【0038】
熱源機8は、熱源機8の作動を制御する熱源コントローラ50(本発明の熱源機制御部に相当する)と、熱源機8の周囲温度(外気温度)を検出する周囲温度センサ51(本発明の熱源温度検出部に相当する)と、温水循環路12内の水の温度を検出する熱源水温度センサ52(本発明の熱源温度検出部に相当する)を備えている。
【0039】
熱源コントローラ50は、浴室暖房装置2から温水の供給を要求する信号を受信したときに、図示しない加熱部(図示しない温水循環路12の途中に設けられた熱交換器と、この熱交換器を加熱するバーナ等により構成される)と循環ポンプを作動させて、温水循環路12を介して浴室暖房装置2に温水を供給する。
【0040】
また、熱源コントローラ50は、周囲温度センサ51の検出温度が凍結防止外気温度(例えば5℃)以下になり、且つ、熱源水温度センサ52の検出温度が凍結防止熱源水温度(例えば20℃)以下になったときに、温水循環路12を介して浴室暖房装置2に温水を供給する処理(凍結防止運転)を行って、温水循環路12内の水が凍結することを防止する。
【0041】
なお、周囲温度センサ51と熱源水温度センサ52のいすれか一方の検出温度により、温水循環路12を介して浴室暖房装置2に温水を供給する処理を行うか否を決定するようにしてもよい。
【0042】
次に、図3を参照して、浴室暖房装置2内の温水循環路12で水が凍結することを防止するための処理について説明する。
【0043】
暖房コントローラ40は、STEP1で凍結防止条件が成立しているか否かを判断する。凍結防止条件としては、浴室温度センサ42の検出温度が凍結防止室温(例えば8℃)以下であり、且つ、浴室水温度センサ43の検出温度が凍結防止端末温度(例えば15℃)以下であることが設定されている。
【0044】
STEP1で凍結防止条件が成立したときにSTEP2に進み、暖房コントローラ40は、熱動弁13を開弁する。熱動弁13の開弁により、熱源機8が凍結防止の処理を開始したときに、温水循環路12を介して浴室暖房装置2に温水が供給され、これにより温水循環路12内の水の凍結が防止される状態となる。
【0045】
続くSTEP3で、暖房コントローラ40は、浴室温度センサ42の検出温度が−5℃(本発明の凍結防止温度に相当する)以下であるか否かを判断する。そして、浴室温度センサ42の検出温度が−5℃以下であるときはSTEP4に進み、暖房コントローラ40は浴室ダンパ27により浴室用吸気口17を閉じる。そして、続くSTEP5で浴室温度センサ42の検出温度が−3℃以上となるまで、暖房コントローラ40は、浴室用吸気口17を閉じた状態に維持する。
【0046】
STEP5で浴室温度センサ42の検出温度が−3℃よりも高くなったときにSTEP6に進み、暖房コントローラ40は、浴室ダンパ27を作動させて浴室用吸気口17を開ける。これにより、浴室BRの換気が可能な状態となる。
【0047】
続くSTEP7で、暖房コントローラ40は、凍結防止条件が成立しているか否かを判断する。そして、凍結防止条件が成立しているときはSTEP3に戻り、凍結防止条件が成立していないときにはSTEP8に進む。
【0048】
STEP8で、暖房コントローラ40は、熱動弁13を閉弁してSTEP9に進み、処理を終了する。
【0049】
なお、STEP4において、暖房コントローラ40は、浴室用吸気口17を全閉(開度0%)としたが、必ずしも全閉にする必要はなく、浴室用吸気口17を温水循環路12内の水の凍結を防止できる程度の開度(本発明の所定開度に相当する)にすることによって、本発明の効果を得ることができる。
【0050】
また、集合住宅等の気密性の高い住宅においては、換気装置3により、浴室用吸気口17、脱衣室用吸気口18、及びトイレ用吸気口19を全て開けて換気ファン16を作動させる状態を維持する常時換気(24時間換気)が行われるが、この場合にも、図3に示したフローチャートによる処理を行って、浴室用吸気口17については、凍結防止を優先して閉じるようにすることが好ましい。
【0051】
[他の実施形態]
浴室暖房装置2に、浴室用吸気口17から吸入される空気の流量を検出する風量センサ44を備え、図3のSTEP3において、浴室用吸気口17を閉じるか否かを判断するための条件として、浴室温度センサ42の検出温度が−5℃以下であり、且つ風量センサ44の検出風量が所定風量以上であることを用いてもよい。この条件によれば、換気装置3による浴室BRからの空気の吸入量が多く、浴室暖房装置2内の温水循環路12内で水が凍結する可能性が高い場合に限定して、浴室用吸気口17を閉じることができる。
【0052】
また、図3のSTEP3及びSTEP5で、浴室温度センサ42の検出温度に応じて浴室用吸気口17を開閉したが、浴室水温度センサ43の検出温度に応じて浴室吸気口を開閉するようにしてもよい。この場合、浴室水温度センサ43は、本発明の端末温度検出部に相当する。
【符号の説明】
【0053】
1…空調システム、2…浴室暖房装置(暖房端末)、3…換気装置、8…熱源機、12…温水循環路、13…熱動弁、16…換気ファン、27…浴室ダンパ、34…リモコン、40…暖房コントローラ、42…浴室温度センサ(第1温度検出部)、43…浴室水温度センサ、44…風量センサ、45…換気コントローラ、50…熱源コントローラ、51…周囲温度センサ(第2温度検出部)、52…熱源水温度センサ。
図1
図2
図3