(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6076306
(24)【登録日】2017年1月20日
(45)【発行日】2017年2月8日
(54)【発明の名称】リードスイッチを使用した押しボタンスイッチ
(51)【国際特許分類】
H01H 13/20 20060101AFI20170130BHJP
B61D 19/02 20060101ALI20170130BHJP
【FI】
H01H13/20 B
B61D19/02 L
【請求項の数】6
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-200531(P2014-200531)
(22)【出願日】2014年9月30日
(65)【公開番号】特開2016-72095(P2016-72095A)
(43)【公開日】2016年5月9日
【審査請求日】2016年6月8日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】594124281
【氏名又は名称】大光電気株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】593185050
【氏名又は名称】入江 寿一
(74)【代理人】
【識別番号】100086737
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 和秀
(72)【発明者】
【氏名】入江 寿一
【審査官】
安井 寿儀
(56)【参考文献】
【文献】
特公昭48−010982(JP,B1)
【文献】
実開昭59−173946(JP,U)
【文献】
実公昭47−029415(JP,Y1)
【文献】
特開2011−081956(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 13/00−13/88
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケースの上部の開口部に出没自在に設けられた押しボタンを備えた押しボタンスイッチであって、
前記ケース内に、
リードスイッチと、
前記リードスイッチを磁力によりオンに駆動する磁石と、
前記磁石の磁力を吸収する磁気遮蔽板と、
前記押しボタンの押し込み操作で被押圧箇所が押されると撓み、前記押し込み操作が解除されると自身の復元力で前記押しボタンをその戻し位置に戻すように作用する板バネと、
を少なくとも備え、
前記リードスイッチは、前記ケース内の一方の側面側の上部及び下部のうちのいずれか一方の側に固定配置され、
前記磁気遮蔽板は、前記ケース内の前記一方の側面側の上部及び下部のうちのいずれか他方の側で前記一方の側面側に対しては前記リードスイッチに離隔近接して固定配置され、
前記板バネは、一端側が前記ケース内の他方の側面側に固定され、他端側が前記ケース内の前記一方の側面側に延び、かつ、前記被押圧箇所が押されると下方に移動する自由端となると共に、当該他端側に前記磁石が設けられており、前記被押圧箇所より前記一端側に近い途中箇所を支点にして押されるようになっており、
前記磁石は、前記押しボタンの押し込み操作による前記板バネの前記他端側の挙動により、前記リードスイッチに近接して当該リードスイッチをオンに駆動し、または、前記リードスイッチから離脱すると共に、前記リードスイッチから離脱した位置で前記リードスイッチとの間にある前記磁気遮蔽板により前記リードスイッチに到達する磁束を吸収減少させる、ことを特徴とする押しボタンスイッチ。
【請求項2】
前記ケース内部に、
前記押しボタンの押し込み操作量を規制する鍔と、
前記鍔の下面に取り付けられて前記板バネの前記被押圧箇所を前記押しボタンの押し込み操作の方向に押さえるバネ押さえバーと、を設けている、
ことを特徴とする請求項1に記載の押しボタンスイッチ。
【請求項3】
前記バネ押さえバーの一部にピンが設けられ、
前記板バネの一部に前記ピンが差し込まれる穴が形成されており、
前記ピンが前記板バネの前記穴に差し込まれてなり、
前記バネ押さえバーにより前記板バネが押されても、前記バネ押さえバーと前記板バネとの相対位置がずれないようにしている、
ことを特徴とする請求項2に記載の押しボタンスイッチ。
【請求項4】
前記板バネは、その一端側が板バネ取り付け部に固定され、かつ、その支点部が板バネ支持台に支持されている、
ことを特徴とする請求項2または3に記載の押しボタンスイッチ。
【請求項5】
前記板バネの前記他端側の一部は筒状体になっており、
前記磁石は前記筒状体内に保持されている、
ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の押しボタンスイッチ。
【請求項6】
前記板バネ取り付け部は、その板バネ取り付け面に位置決めピンが突設され、
前記板バネの前記一端側には、前記板バネが前記板バネ取り付け部に取り付けられた状態で前記位置決めピンの挿入が可能な位置に位置決め穴が設けられており、
前記板バネは、前記位置決めピンが前記位置決め穴に挿入されて、前記板バネ取り付け部に固定されている、
ことを特徴とする請求項4に記載の押しボタンスイッチ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、押しボタンスイッチに係わり、より詳細には、例えば乗客自らが車両ドアを開閉操作できる半自動式の車両ドアを備えた車両において、車両ドアの開閉操作に好適に使用される押しボタンスイッチに関するものである。
【背景技術】
【0002】
乗客が少ない路線の電車や気動車等の車両には、駅に停車中、不必要に長く車両ドアが開放されたままになって、冬場では暖房による暖気が車外に流出して車内温度が低下したり、夏場では冷房中の車内温度が上昇したりする。これを防止するために、乗客自らが車両ドアを開閉操作できる半自動式の車両ドアを備えた車両がある。
【0003】
上記のような半自動式の車両ドアを備えた車両では、一般に、車外と車内それぞれに車両ドア開閉用のスイッチとして押しボタンスイッチが設置されている。
【0004】
図4を参照して、従来のこの種の押しボタンスイッチを説明する。この押しボタンスイッチは、ケース101と、押しボタン102と、押しボタン102の押し込み量規制用の鍔103と、押しボタン102を押し込み方向とは反対方向に常時付勢する戻しバネ104と、押しボタン102の押し込みをガイドする筒状ガイド105と、車両ドア開閉機構に通電するための接点を内部に備えたリードスイッチ106と、リードスイッチ106の接点駆動用の磁石107と、磁石107が圧入された円筒状シリンダ108と、を備える。
【0005】
鍔103は、押しボタン102と円筒状シリンダ108とで挟まれ、筒状ガイド105の下面とケース101の凹部101a底面との間の空間内を押しボタン102と共に一体移動する。円筒状シリンダ108は、その下面が戻しバネ104で押しボタン102の方向に付勢されており、押しボタン102の移動に伴い、ケース101の筒状部101bの内面に沿って、移動する。
【0006】
押しボタン102は、筒状ガイド105の内面でガイドされつつ押し込み自在であるが、鍔103でその押し込み量が規制される一方、その押し込みが解除されると、戻しバネ104で元の位置に戻される。押しボタン102が押し込まれ、シリンダ108が移動すると、磁石107もその押し込み方向に移動してリードスイッチ106と対面させられる。
【0007】
リードスイッチ106は、磁石107の磁力の作用およびその作用の解除で内部の接点が開閉する。リードスイッチ106の接点が開閉すると、それに応じて車両のドア開閉機構への通電および通電の解除等により、半自動式の車両ドアが開閉する。
【0008】
こうした押しボタンスイッチにおいては、磁石107の磁極軸の方向は、リードスイッチ6の電極軸の方向と直交する方向に設定されていて、S磁極もしくはN磁極がリードスイッチ6の側に向いている。
【0009】
上記構成の押しボタンスイッチでは、接点としてリードスイッチ106を使用することで、ドア駆動開閉機構を作動させる作動電圧を比較的高電圧として使用することが可能となり、電車等の車両への設置が容易になるほか、リードスイッチ106が押しボタン102の変位経路の脇に位置するので、全体の厚みが、押しボタン102の奥行き長さにその変位ストロークを加えた程度の厚みに収まり、比較的薄型である等の利点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2001−184973号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、上記押しボタンスイッチには、以下のような課題がある。すなわち、上記押しボタンスイッチは、押しボタン102の下にリードスイッチ106およびリードスイッチ106の駆動用磁石107が一体となって配置されているので、押しボタン102の押し込み方向にそれらの合計厚さが必要である。
【0012】
また、押しボタン102の移動ストロークは、リードスイッチ106の駆動に必要な磁石107の移動距離に等しいので、小さくすることができない。
【0013】
さらには、押しボタン102の操作を容易にするため、押しボタン102の直径を大きくして操作面積が確保されてある場合、押しボタン102の操作面が不均等な力で押されると、押しボタン102が傾きやすい。このような傾きは、押しボタン102の移動ストロークが大きいことと相俟って、押しボタン102の操作性を低下させることになる。
【0014】
そこで、かかる押しボタン102の操作時における傾きを防ぐためには、従来の押しボタンスイッチでは、筒状シリンダ部101b,108の長さとしては、押しボタン102の直径に見合った長さが必要である。
【0015】
こうした理由により、従来の上記押しボタンスイッチでは、押しボタン102の操作時の傾きを防止してその操作性を向上させ、同時に、その薄型化を図ることには限度があった。
【0016】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、押しボタンの操作性の向上と同時に、全体の薄型化をより図れるようにした押しボタンスイッチを提供することを主たる目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0017】
(1)本発明に係る押しボタンスイッチは、ケースの
上部の開口部に出没自在に設けられた押しボタンを備えた押しボタンスイッチであって、上記課題を解決するため、以下の構成を備える。
【0018】
すなわち、本発明の押しボタンスイッチにおいては、ケース内に、リードスイッチと、リードスイッチを磁力によりオンに駆動する磁石と、
磁石の磁力を吸収する磁気遮蔽板と、押しボタンの押し込み操作で被押圧箇所が押されると撓み、押し込み操作が解除されると自身の復元力で押しボタンをその戻し位置に戻すように作用する板バネと、を少なくとも備え、
リードスイッチは、ケース内の一方の側面側の上部及び下部のうちのいずれか一方の側に固定配置され、磁気遮蔽板は、ケース内の一方の側面側の上部及び下部のうちのいずれか他方の側で一方の側面側に対してはリードスイッチに離隔近接して固定配置され、板バネは、一端側が
ケース内の他方の側面側に固定され、
他端側がケース内の一方の側面側に延び、かつ、被押圧箇所が押されると下方に移動する自由端となると共に、当該他端側に前記磁石が設けられており、被押圧箇所より前記一端側に近い途中箇所を支点にして押されるようになっており、磁石は、押しボタンの押し込み操作による板バネの
他端側の挙動により、リードスイッチに近接して当該リードスイッチをオンに駆動し、または、リードスイッチから離脱する
と共に、リードスイッチから離脱した位置でリードスイッチとの間にある磁気遮蔽板によりリードスイッチに到達する磁束を吸収減少させることを特徴とする。
【0019】
本発明の押しボタンスイッチでは、従来のシリンダが不要となると共に、板バネは一端側が固定されて被押圧箇所より一端側に近い箇所を撓み起点として押される構造となっていることで、他端側の動きは押しボタンの押し込み操作量よりも大きくなり、これにより押しボタンの操作ストロークが小さくなる結果、その薄型化を図ることが可能となる。
【0020】
そのうえ、本発明ではその薄型化に加えて、押しボタンはどの部位を押されても傾きにくく、また傾いてもその傾きは操作者に感知されない程度に済む。その結果、薄型化と同時にその操作性の向上を達成することができるものとなる。
【0022】
また、押しボタンの操作で、磁石がリードスイッチから離脱した位置にあるときは、磁石からの磁力は磁気遮蔽板で吸収されるので、リードスイッチのオフをより確実にすることができる。
【0023】
また
、磁気遮蔽板は板バネとは別体であるので、磁気遮蔽板は強磁性体例えば任意の厚さの鉄板で構成する一方、板バネは、燐青銅などのバネ材料を使用することができ、設計上の自由度が向上する。
【0024】
(2)本発明の別の好ましい実施態様では、ケース内部には、押しボタンの押し込み操作量を規制する鍔と、鍔の下面に取り付けられて板バネの被押圧箇所を押しボタンの押し込み操作の方向に押さえるバネ押さえバーと、を設けている。
【0025】
この実施態様では、板バネの被押圧箇所を均一に押さえることができるので、押しボタンの押し込み操作に際して板バネは傾くことなく,その他端側の下方への移動距離を常にほぼ一定にでき、磁石によるリードスイッチのオンオフをより適確にすることができる。
【0026】
(3)本発明の別の好ましい実施態様として、バネ押さえバーの一部に設けたピンあるいは別途に設けたピンを板バネに開けた穴に差し込むことによって、バネ押さえバーと板バネとの相対位置がずれないようにする。
【0027】
この実施態様では、押しボタンの傾きを低減ないし防止でき、その操作性が向上する。
【0028】
(4)本発明の別の好ましい実施態様として、板バネは、その一端側が板バネ取り付け部に固定され、かつ、その支点部が板バネ支持台に支持されている。
【0029】
この実施態様では、板バネは、板バネ支持台で被押圧箇所より一端側に近い支点部が支持されているので、バネ押さえバーにより被押圧箇所が押されると、他端側が下方へ撓む。この場合、被押圧箇所の下方への移動距離に対して、他端側の下方への移動距離が拡大されて、磁石は下方へ移動させられる。
【0030】
そのため、磁石の磁力によりリードスイッチをオンさせるのに必要とする押しボタンの操作ストロークは、磁石の移動距離よりも小さくて済み、これにより、押しボタンスイッチは押しボタンの操作方向における厚みを薄くすることができる。
【0031】
(5)本発明の別の好ましい実施態様として、板バネの他端側の一部は筒状体になっており、磁石は前記筒状体内に保持されている。
【0032】
この実施態様では、磁石の取り付けが簡単で、かつ、板バネの他端側が上下動しても磁石が脱落する虞がなくその取り付け状態が安定化する。
【0033】
(6)本発明の別の好ましい実施態様として、板バネ取り付け部は、その板バネ取り付け面に位置決めピンが突設され、板バネの一端側には、板バネが板バネ取り付け部に取り付けられた状態で位置決めピンの挿入が可能な位置に位置決め穴が設けられており、板バネは、位置決めピンが、位置決め穴に挿入されて板バネ取り付け部に固定されている。
【0034】
この実施態様では、板バネはその一端側が上記のように板バネ取り付け部に固定されるので、押しボタンの操作で、板バネが多数回、撓みが繰り返されても、板バネの強度が長期にわたり維持され、押しボタンスイッチの使用上の信頼性が向上する。
【発明の効果】
【0035】
本発明の押しボタンスイッチによれば、押しボタンの移動ストロークよりも板バネの先端部に取り付けた磁石の移動距離が大きく拡大され、また、押しボタンと、リードスイッチと、磁石とを並べて配置することができるので、押しボタンスイッチ全体の薄型化を図れる。
【0036】
さらに、本発明では、押しボタンに設けたピンを板バネの穴に挿入することで押しボタンと板バネとの相対位置が決まるので、リードスイッチをオンオフするための押しボタンの操作に際して、押しボタンの傾きは殆どなく、また押しボタンへの操作部位によっては押しボタンに傾きがあったとしても、その傾きは微小に済むから、その薄型化と共に、その操作性が向上したものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】本発明の実施形態1に係る押しボタンスイッチの原理的な概略側面構造図であり、(a)は押しボタン戻り状態、(b)は押しボタン押し込み状態を示す。
【
図3】本発明の実施形態2に係る押しボタンスイッチの原理的な概略側面構造図であり、リードスイッチの内部接点が、b接点を構成する。
【
図4】従来例の押しボタンスイッチの概略的な側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、添付の図面を参照して、本発明の実施形態に係る押しボタンスイッチを詳細に説明する。
【0039】
(実施形態1)
図1および
図2を参照して、実施形態1に係る押しボタンスイッチを説明する。
図1は実施形態1の押しボタンスイッチの原理的な概略側面構造図であり、(a)は押しボタンの戻り状態、(b)は押しボタンの押し込み状態を示す。
図2は
図1の原理的な動作機構平面図である。実施形態1の押しボタンスイッチは、乗客自らが車両ドアを開閉操作できる半自動式の車両ドアを備えた車両に配備されるものである。
【0040】
なお、実施形態1の押しボタンスイッチは、車両ドア近傍の車両内外に配置されて、乗客により操作されるものであるから、図中の上下方向は車両に配置されるときは水平方向、左右方向は垂直方向となるが、以下の上下方向および左右方向に本発明は限定されない。
【0041】
本発明の押しボタンスイッチは、半自動式の車両ドアを装備した車両に適用することに限定されるものではなく、その用途に応じて適宜に実施することができることは勿論である。
【0042】
実施形態1の押しボタンスイッチは、ケース1を備える。
【0043】
ケース1は、共に同サイズの平面視矩形形状をなす上部1aおよび下部1bと、4つの側部1cとで箱形状に構成されている。なお、本発明において、ケース1の形状はこの箱形状に限定されるものではなく、円筒形状やその他の形状であってもよいことは勿論である。
【0044】
ケース1の上部1aの右側寄りに開口部1dが平面視矩形形状に形成されている。その開口部1dには、押しボタン2が出没自在に設けられている。
【0045】
押しボタン2は、ケース1の開口部1dの平面視形状とほぼ合致する平面視形状を有し、その上面が操作面となる。
【0046】
押しボタン2は、ケース1の上部1aの肉厚よりも厚肉であり、押しボタン2の操作面は、
図1(a)の戻り状態では、開口部1dより外方に、若干、突出している。
【0047】
なお、
図2では図解の都合で押しボタン2および後述する鍔3はその平面視の外形形状が仮想線で示されている。
図2では押しボタン2および鍔3は平面視矩形形状に描かれているが、その形状に限定されるものではなく、平面視円形形状やその他の平面視形状であってもよい。
【0048】
ケース1の内部の構成を、以下、説明すると、鍔3は、押しボタン2の下面に直結されている。鍔3は、ケース1の開口部1dより平面視サイズが大きい平面視矩形形状をなしている。鍔3は、その平面視矩形形状の四隅を含む外周部分がケース1の開口部1d周囲の下面に位置するように当該下面側に設けられている。
【0049】
押しボタン2は、鍔3と共に板バネ4で上方の戻し位置方向に付勢されている。鍔3は、押しボタン2が押されていないときは、板バネ4の復元力で上方に付勢されて、ケース1の上部1aを戻しストッパ14として
図1(a)に示すようにその内面に当接している。
【0050】
鍔3の下面には、その下面における
図1および
図2で左右方向の中央箇所より若干右側寄りで、
図1では紙面を垂直に貫通する方向、
図2では下方向に延びるバネ押さえバー31が形成されている。
【0051】
バネ押さえバー31は、上下方向一様なバー高さで下方へ突出して板バネ4に接している。このバネ押さえバー31には、
図2で示す2箇所で位置決めピン32a,32bが突設されている。
【0052】
押しボタン2は、
図1(a)の戻り位置から
図1(b)で示す矢印方向に押し込まれ、バネ押さえバー31の位置決めピン32a,32bが押しストッパ13に突き当たると、押しボタン2はそれ以上押し込まれない。これにより、押しボタン2の押し込み方向における移動範囲が規制されるようになっている。
【0053】
板バネ4は、燐青銅等のバネ材料からなり、
図2の平面視において長方形板状に形成されている。板バネ4は、
図2に示す左右両端部のほぼ中央箇所がバネ押さえバー31により押される被押圧箇所42dとなり、この被押圧箇所42dより図中右側の途中部位が支点部42cとなっており、板バネ4は、この支点部42cで板バネ支持台12に支持されている。板バネ支持台12は板バネ4のケース1の下部1b内面に設けられている。
【0054】
ケース1の右側側面1cの内面に板バネ取り付け部11が設けられている。板バネ取り付け部11は、その下面が板バネ取り付け面となり、この板バネ取り付け面に板バネ4の一端側を位置決めするための位置決めピン11a,11bが形成されている。板バネ取り付け部11の下面は傾斜した板バネ取り付け面となっている。板バネ取り付け部の下面が傾斜していることで、押しボタン2を戻し方向に押し上げる際に、板バネ4の弾力を利用することができるようになっている。
【0055】
板バネ4は一端側が基端部42aとされ、この基端部42aには位置決め穴41a,41bが形成されている。位置決め穴41a,41bには、板バネ取り付け部11の位置決めピン11a,11bが嵌め込まれている。これにより板バネ4は、板バネ取り付け部11の傾斜した板バネ取り付け面に取り付けられている。
【0056】
板バネ4は、被押圧箇所42dがバネ押さえバー31で押されると、被押圧箇所42dより一端側に近い支点部42cを撓み起点として下方へ撓むことができる。押しボタン2により被押圧箇所が下方へ押されることにより、板バネ4の被押圧箇所42dが下方へ移動する距離は、押しボタン2が下方へ移動する距離(押しボタン2の操作ストローク)に対応する。
【0057】
板バネ4は、被押圧箇所42dが下方へ移動すると、他端側は自由端となって下方へ移動する。板バネ4の他端側はその中央の突出部分が丸められて円筒形状となった先端部42bを有している。
【0058】
この先端部42bに、円柱形状の磁石5が保持されている。なお、磁石5は円柱形状に限定されず、平板形状であってもよく、先端部42bは、磁石5の形状に合う筒状体であればよい。
【0059】
押しボタン2が押されて板バネ4が下方へ撓むと、磁石5は下方へ移動してリードスイッチ6に
図1(b)に示すように接近する。磁石5がリードスイッチ6に近接すると、磁石5の磁力がリードスイッチ6に達してリードスイッチ6はオンに駆動される。
【0060】
押しボタン2の押し込み操作が解除されると押しボタン2は板バネ4により上方に付勢されて
図1(a)の戻し位置に戻ると共に、磁石5はリードスイッチ6から離脱するので、磁石5の磁力がリードスイッチ6に達しなくなり、リードスイッチ6はオフになる。
【0061】
実施形態1では磁石5の磁力によるリードスイッチ6のオンオフを確実にするために、ケース1の上部1aの内面側に、磁石5の磁力を吸収する磁気遮蔽板7が設けられている。
【0062】
磁気遮蔽板7は、鉄板等の強磁性体からなり、
図1では紙面を垂直に延び、
図2では上下に延びる矩形板状をなし、上下方向長さはリードスイッチ6の長さと同等以上である。磁石5はリードスイッチ6から上方位置に離脱した位置で磁気遮蔽板7と対向する。この対向で磁石5の磁力は磁気遮蔽板7に吸収され、リードスイッチ6を確実にオフできる。
【0063】
また、磁気遮蔽板7は、磁石5に近い位置で固定され、磁力の吸収作用が大きい部材、例えば厚さが大きい鉄板等を使用でき、実用性が高まる。
【0064】
板バネ4は、板バネ支持台12で基端側42aに近い支点部42cが支持されているので、バネ押さえバー31により被押圧箇所42dが押されると、支点部42cを撓み起点として図中左側の先端部42bが下方へ撓む。この場合、被押圧箇所42dの下方移動距離に対して、磁石5の下方移動距離が拡大する。
【0065】
そのため、リードスイッチ6をオンさせるのに必要とする押しボタン2の操作ストロークは、磁石5の移動距離よりも小さくて済み、これにより、押しボタンスイッチは押しボタン2の操作方向における厚みを薄くすることができる。
【0066】
押しボタン2を押し込み操作すると、
図1(b)に示すように板バネ4の先端部42bの磁石5は下方へ移動しリードスイッチ6に接近して対向する。押しボタン2の押し込み操作を解除すると、
図1(a)に示すように板バネ4の復元力で、押しボタン2が戻ると共に、磁石5がリードスイッチ6から離脱し、磁気遮蔽板7に接近する。この場合、板バネ4が
図1(b)の撓み状態からその復元力で
図1(a)に示す位置に復元する際、磁気遮蔽板7から磁石5に働く吸引力が板バネ4の復元力に加算されるので、板バネ4の復元が容易となる。
【0067】
バネ押さえバー31下面の2つの位置決めピン32a,32bはそれぞれ板バネの位置決め穴43a,43bに入り込んでいる。これにより、押しボタン2が押し込み操作されるとき、位置決めピン32a,32bは前後左右に動かないので、押しボタン2は傾かない。
【0068】
位置決めピン32a,32bが入り込む板バネ4の穴は,位置決めピン32a,32bの断面形状と同じ形状の穴が適し押しボタン2の押し込み操作の際の当該押しボタン2の傾きをより有効に防止できる。実施形態1では位置決め穴は43a,43bの2つになっているが、必要に応じて数を増やすことが出来る。
【0069】
ケース1内部の左側下方にリードスイッチ6が固定されている。磁石5の磁極軸(N磁極とS磁極を結ぶ軸)の方向は、リードスイッチ6の電極軸の方向と平行としている。この場合、磁石5の磁極はどちらでも良い。
【0070】
実施形態1では、押しボタン2の操作面は平坦であり、押しボタンスイッチの薄型化にはよいが、必ずしも平坦である必要はなく、押しボタン2の操作面中央部位を若干膨らませた形状としてもよい。こうすると、押しボタン2は乗客の手指によりその中央が押されやすくなり、押しボタン2が傾かず、押しボタン2の操作性がより向上する。
【0071】
以上のように、実施形態1においては、押しボタン2、リードスイッチ6、磁石5が並べられて配置され、また、板バネ4の先端部4bにある磁石5の移動距離は、押しボタン2の操作ストロークが拡大されたものとなり、押しボタン2の操作ストロークを小さくすることができる。その結果、実施形態1の押しボタンスイッチは、その薄型化を容易に実現することができる。
【0072】
なお、実施形態1では、バネ押さえバー31により板バネ4を下方に押し込んで、板バネ4の先端部
42bを下方に移動させるようになっているが、バネ押さえバー31ではなく、鍔3の一部あるいは押しボタン2の一部を用いて板バネ4を下方に移動させるようにしてもよい。
【0073】
(実施形態2)
図3は、本発明の実施形態2に係る押しボタンスイッチの原理的な概略側面構造図である。
図3では、板バネ4を押しボタン
2が戻し位置にあるときは実線で、押しボタン
2が押し込み位置にあるとき点線でその形状を示している。
【0074】
実施形態1の押しボタンスイッチにおいては、リードスイッチ6は、押しボタン2の押し込み操作によりオンするので、その内部接点はa接点である。
【0075】
これに対して、実施形態2では、実施形態1のリードスイッチ6と磁気遮蔽板7との上下位置関係を交換し、磁石5との位置関係が押しボタンの押し、および、戻りに対して、実施形態1とは逆になっている。リードスイッチ6は、押しボタン2の戻しでオン、押しボタン2の押し操作でオフとなる。すなわち、実施形態2の押しボタンスイッチでは、リードスイッチ6の内部接点をb接点としたことを特徴とする。
【0076】
このように、本発明では、リードスイッチを用いたことによりドア開閉機構を作動させる電圧・電流定格を大きくすることができると共に、従来あったシリンダが不要であるので、従来の押しボタンスイッチよりも薄型化した押しボタンスイッチを実現することができる。
【0077】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その精神または主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形態で実施できる。したがって、前述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、本発明の範囲は特許請求の範囲に示すものであって、明細書本文には何ら拘束されない。さらに、特許請求の範囲に属する変形や変更は全て本発明の範囲内のものである。
【符号の説明】
【0078】
1 ケース
1d ケース1の開口部
11 板バネ取り付け部
11a,11b 板バネの位置決めピン
12 板バネ支持台
13 押しストッパ
14 戻しストッパ
2 押しボタン
3 鍔
31 バネ押さえバー
32a,32b 位置決めピン
4 板バネ
41a,41b 板バネの位置決め穴
42a 板バネの一端側(基端部)
42b 板バネの他端側(先端部)
42c 板バネの途中部(支点部)
42d 板バネの被押圧箇所
43a,43b バネ押さえバー31の位置決め穴
5 磁石
6 リードスイッチ
7 磁気遮蔽板