特許第6076307号(P6076307)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6076307
(24)【登録日】2017年1月20日
(45)【発行日】2017年2月8日
(54)【発明の名称】収納装置
(51)【国際特許分類】
   A47B 55/00 20060101AFI20170130BHJP
   E05D 15/58 20060101ALI20170130BHJP
【FI】
   A47B55/00
   E05D15/58 B
【請求項の数】9
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-200849(P2014-200849)
(22)【出願日】2014年9月30日
(65)【公開番号】特開2015-198902(P2015-198902A)
(43)【公開日】2015年11月12日
【審査請求日】2016年2月10日
(31)【優先権主張番号】特願2014-71616(P2014-71616)
(32)【優先日】2014年3月31日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】593010213
【氏名又は名称】株式会社ジェイ・イー・ジェイ
(74)【代理人】
【識別番号】100091373
【弁理士】
【氏名又は名称】吉井 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100097065
【弁理士】
【氏名又は名称】吉井 雅栄
(72)【発明者】
【氏名】原 祐一
【審査官】 蔵野 いづみ
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2005/0057128(US,A1)
【文献】 実開平06−013589(JP,U)
【文献】 実開平06−078568(JP,U)
【文献】 特開2006−265871(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 55/00−55/06
E05D 15/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下位置に配する水平板と、この上下の水平板の左右に配する左右の側板とを有する収納本体に、この収納本体の正面開口部を閉塞する開閉蓋板を設けた収納装置であって、前記開閉蓋板の左右端部に枢着軸部を設け、この枢着軸部がスライド自在に枢着するもので前記収納本体の前後方向に長さを有するガイド凹条部を前記側板夫々の内面部上方位置に設けて、前記正面開口部を閉塞した状態の前記開閉蓋板を水平状態となるまで開放回動自在に構成するとともに、水平状態の前記開閉蓋板を、前記ガイド凹条部に対して前記枢着軸部をスライド移動することにより水平移動して、前記収納本体に出し入れ自在に収納し得るように構成し、水平状態の前記開閉蓋板における水平移動の際、前記開閉蓋板の内面部に当接して水平状態を保持する蓋板支承部を前記側板夫々の内面部上方前端部位置に設け、前記開閉蓋板で前記正面開口部を閉塞した際、前記開閉蓋板の下方位置に設けた係合部に係合して開放回動を抑制する被係合部を前記下の水平板に設け、前記開閉蓋板を閉塞回動して前記係合部が前記被係合部に係合する際、前記開閉蓋板の内面部上方位置に当接することで前記ガイド凹条部に対する前記枢着軸部のスライド移動を阻止するスライド阻止部を前記蓋板支承部に設けたことを特徴とする収納装置。
【請求項2】
前記蓋板支承部は、前記側板夫々の前後方向に長さを有するもので該側板に一体成形される板状体であり、この蓋板支承部の前端部に前記側板の上下方向に長さを有する板状部を一体成形して前記スライド阻止部を構成したことを特徴とする請求項1記載の収納装置。
【請求項3】
前記ガイド凹条部を、前記側板夫々の内面部上方位置にして該側板夫々の前後位置双方に設けるとともに、前記蓋板支承部を、前記側板夫々の内面部上方位置にして該側板夫々の前後端部位置双方に設けて、前記側板夫々は、該側板夫々の前後方向の中央部を中心として左右対称の形状としたことを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載の収納装置。
【請求項4】
前記ガイド凹条部は、前記枢着軸部が通過し得る間隙を介して上下対向位置に配される一対の突板を前記側板に一体成形して設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の収納装置。
【請求項5】
前記側板夫々の内面部上方位置には、前記収納本体内に前方下り傾斜状態に配される仕切り板の左右側部後方位置に設けた軸部を枢着する凹状の軸受部を設けており、この上下方向に擺動する仕切り板により収納本体の内空間を上下前後に仕切るように構成したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の収納装置。
【請求項6】
前記軸受部を、前記側板夫々の内面部上方位置にして該側板夫々の前後端部位置双方に設けたことを特徴とする請求項5記載の収納装置。
【請求項7】
前記側板夫々の内面部には、この側板を互いに上下逆さま状態として内面部同士を重合した際、前記側板の内面部に設けた被係止部に位置決め係止する位置ズレ防止凸部を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の収納装置。
【請求項8】
前記位置ズレ防止凸部を、前記蓋板支承部及び前記スライド阻止部で構成したことを特徴とする請求項7記載の収納装置。
【請求項9】
前記側板を前記水平板に対して取り外し自在に設けたことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の収納装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収納装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、上下位置に配する水平板と、この上下の水平板の左右に配する左右の側板とを有する収納本体に、この収納本体の正面開口部を閉塞する開閉蓋板を設けた収納装置として、例えば特開平8−260808号に開示されるような収納装置(以下、従来例)が提案されている。
【0003】
この従来例は、正面開口部を閉塞した状態の開閉蓋板を水平状態となるまで開放回動自在に構成するとともに、水平状態の開閉蓋板を水平移動して収納本体内の上部に摺動収納し得るようにしたものであり、普段は開閉蓋板により収納本体内を隠蔽した状態とすることができ、収納本体に対して物を出し入れするときには、開閉蓋板を回動操作及び押込み操作することで、収納本体内に収納することで良好な開口状態が得られることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−260808号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明者は、前述した上下方向へ開閉回動し且つ水平移動し得る開閉蓋板を備えた収納装置に関して更なる研究・開発を進めた結果、極めて商品価値の高い画期的な収納装置を開発した。
【課題を解決するための手段】
【0006】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0007】
上下位置に配する水平板1,1と、この上下の水平板1,1の左右に配する左右の側板3,3とを有する収納本体6に、この収納本体6の正面開口部5を閉塞する開閉蓋板2を設けた収納装置であって、前記開閉蓋板2の左右端部に枢着軸部8を設け、この枢着軸部8がスライド自在に枢着するもので前記収納本体6の前後方向に長さを有するガイド凹条部3a,3aを前記側板3,3夫々の内面部上方位置に設けて、前記正面開口部5を閉塞した状態の前記開閉蓋板2を水平状態となるまで開放回動自在に構成するとともに、水平状態の前記開閉蓋板2を、前記ガイド凹条部3a,3aに対して前記枢着軸部8をスライド移動することにより水平移動して、前記収納本体6に出し入れ自在に収納し得るように構成し、水平状態の前記開閉蓋板2における水平移動の際、前記開閉蓋板2の内面部に当接して水平状態を保持する蓋板支承部10を前記側板3,3夫々の内面部上方前端部位置に設け、前記開閉蓋板2で前記正面開口部5を閉塞した際、前記開閉蓋板2の下方位置に設けた係合部11に係合して開放回動を抑制する被係合部9を前記下の水平板1に設け、前記開閉蓋板2を閉塞回動して前記係合部11が前記被係合部9に係合する際、前記開閉蓋板2の内面部上方位置に当接することで前記ガイド凹条部3a,3aに対する前記枢着軸部8のスライド移動を阻止するスライド阻止部12を前記蓋板支承部10に設けたことを特徴とする収納装置に係るものである。
【0008】
また、前記蓋板支承部10は、前記側板3,3夫々の前後方向に長さを有するもので該側板3,3に一体成形される板状体であり、この蓋板支承部10の前端部に前記側板3,3の上下方向に長さを有する板状部を一体成形して前記スライド阻止部12を構成したことを特徴とする請求項1記載の収納装置に係るものである。
【0009】
また、前記ガイド凹条部3a,3aを、前記側板3,3夫々の内面部上方位置にして該側板3,3夫々の前後位置双方に設けるとともに、前記蓋板支承部10を、前記側板3,3夫々の内面部上方位置にして該側板3,3夫々の前後端部位置双方に設けて、前記側板3,3夫々は、該側板3,3夫々の前後方向の中央部を中心として左右対称の形状としたことを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載の収納装置に係るものである。
【0010】
また、前記ガイド凹条部3a,3aは、前記枢着軸部8が通過し得る間隙を介して上下対向位置に配される一対の突板3a'を前記側板3,3に一体成形して設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の収納装置に係るものである。
【0011】
また、前記側板3,3夫々の内面部上方位置には、前記収納本体6内に前方下り傾斜状態に配される仕切り板13の左右側部後方位置に設けた軸部13aを枢着する凹状の軸受部14を設けており、この上下方向に擺動する仕切り板13により収納本体6の内空間を上下前後に仕切るように構成したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の収納装置に係るものである。
【0012】
また、前記軸受部14を、前記側板3,3夫々の内面部上方位置にして該側板3,3夫々の前後端部位置双方に設けたことを特徴とする請求項5記載の収納装置に係るものである。
【0013】
また、前記側板3,3夫々の内面部には、この側板3,3を互いに上下逆さま状態として内面部同士を重合した際、前記側板3,3の内面部に設けた被係止部15,16に位置決め係止する位置ズレ防止凸部を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の収納装置に係るものである。
【0014】
また、前記位置ズレ防止凸部を、前記蓋板支承部10及び前記スライド阻止部12で構成したことを特徴とする請求項7記載の収納装置に係るものである。
【0015】
また、前記側板3,3を前記水平板1,1に対して取り外し自在に設けたことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の収納装置に係るものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明は上述のように構成したから、非常に操作性が良くて使い勝手が良いなど、極めて商品価値の高い画期的な収納装置となる。
【0017】
また、請求項2記載の発明においては、開閉蓋板における円滑な回動及び水平移動が達成されることになるなど、極めて商品価値の高い画期的な収納装置となる。
【0018】
また、請求項3記載の発明においては、左右の側板を、例えば左専用の側板、右専用の側板といった取付位置や方向が決められた場合に生じ得る、組み立てミスや組み立ての煩わしさを確実に防止することができ、しかも、左右の側板を共通化することによる量産性の向上とコスト削減が望めるなど、極めて商品価値の高い画期的な収納装置となる。
【0019】
また、請求項4記載の発明においては、枢着軸部における安定的なスライド移動が得られることになり、しかも、ガイド凹条部が側板の補強構造としても寄与することになるなど、極めて商品価値の高い画期的な収納装置となる。
【0020】
また、請求項5記載の発明においては、収納本体の内空間を上下前後に仕切って種々の使用状態が得られて非常に使い勝手が良いなど、極めて商品価値の高い画期的な収納装置となる。
【0021】
また、請求項6記載の発明においては、非常に使い勝手が良く、しかも、量産性の向上とコスト削減が望めるなど、極めて商品価値の高い画期的な収納装置となる。
【0022】
また、請求項7記載の発明においては、位置ズレ防止構造を具備することで、例えば梱包する際など、側板同士の良好な重合状態が得られることになり、しかも、側板同士を重合した際の位置ズレすることによるパーツの破損等も防止することができるなど、極めて商品価値の高い画期的な収納装置となる。
【0023】
また、請求項8記載の発明においては、位置ズレ防止構造が前述した秀れた機能を有する部位を利用するという非常に効率の良い構成であるなど、極めて商品価値の高い画期的な収納装置となる。
【0024】
また、請求項9記載の発明においては、例えば水平板から側板を取り外してコンパクトな状態にできたり、部品を足したり取り替えて使い易い状態にできるなど、極めて商品価値の高い画期的な収納装置となる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本実施例を示す斜視図である。
図2】本実施例の使用状態を示す斜視図である。
図3】本実施例を示す分解斜視図である。
図4】本実施例の要部を示す側面図である。
図5】本実施例の要部の動作説明図である。
図6】本実施例の要部の動作説明図である。
図7】本実施例の要部の動作説明図である。
図8】本実施例の要部の動作説明図である。
図9】本実施例の使用状態を示す側断面図である。
図10】本実施例の要部の説明図である。
図11】本実施例の要部の説明図である。
図12】本実施例の要部の説明図である。
図13】本実施例の要部の説明断面図である。
図14】本実施例の要部の説明断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
好適と考える本発明の実施形態(発明をどのように実施するか)を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
【0027】
例えば、正面開口部5を閉塞した状態の開閉蓋板2の下端部を持ち、この開閉蓋板2の左右端部に設けた枢着軸部8をガイド凹条部3a,3aを支点に回動させることで、開閉蓋板2を水平状態となるまで開放回動する。この際、正面開口部5は開放された状態となる。
【0028】
この水平状態とした開閉蓋板2を水平方向へ押し、ガイド凹条部3a,3aに対して枢着軸部8をスライド移動させることで、開閉蓋板2は水平移動して収納本体6に収納される。この際、水平移動する開閉蓋板2は、枢着軸部8がガイド凹条部3a,3aで支承されるとともに、側板3,3夫々の内面部上方前端位置に設けた蓋板支承部10で支承されており、よって、開閉蓋板2の水平状態は確実に保持された状態で円滑な水平移動が行われる。
【0029】
また、開放状態の正面開口部5を開閉蓋板2で閉塞する場合、収納本体6に収納された開閉蓋板2を引き出して水平移動させた後、この引き出された開閉蓋板2を閉塞回動させて正面開口部5を閉塞する(この閉塞蓋板2により閉塞する場合においても、開放する場合と同様に、枢着軸部8,ガイド凹条部3a,3a及び蓋板支承部10が良好に機能する。)。この開閉蓋板2の閉塞回動の際、開閉蓋板2の下方位置に設けた係合部11が下の水平板1に設けた被係合部9に係合して正面開口部5は開放回動を抑制された状態で閉塞状態となる。
【0030】
ところで、開閉蓋板2を閉塞回動して係合部11を被係合部9に係合させる際、仮に枢着軸部8がこの閉塞回動における軸回動時にガイド凹条部3a,3aに対してスライド移動してしまうと、例えばこの開閉蓋板2の閉塞回動に伴う係合部11の回動軌道がずれて該係合部11は被係合部9に対して係合しなかったり、良好に係合せずに半端な係合状態となり十分な係合作用が得られないなどの問題が生じ得るが、この点、本発明は、開閉蓋板2の内面部上方位置にスライド阻止部12が当接することで、ガイド凹条部3a,3aに対する枢着軸部8のスライド移動が阻止されることになる為、開閉蓋板2の閉塞回動に伴う係合部11の回動軌道がずれることなく、よって、被係合部9に対する係合部11の良好な係合状態が得られ、ひいては、十分な係合作用が発揮されて良好な閉塞状態が得られることになる。そして、被係合部9に対する係合部11を解除する開放回動の際においても、開閉蓋板2の内面部上方位置にスライド阻止部12が当接しており、ガイド凹条部3a,3aに対する枢着軸部8のスライド移動が阻止されることになる為、良好な開放回動が行われることになる。
【0031】
また、本発明は、前述したスライド阻止部12を蓋板支承部10に設けた構造の為、スライド阻止部12を蓋板支承部10とば別に設ける場合(分離した構造)に比し、強度上非常に秀れた構造となる。
【0032】
また、蓋板支承部10は、側板3,3夫々の前後方向に長さを有するもので該側板3,3に一体成形される板状体であり、この蓋板支承部10の前端部に側板3,3の上下方向に長さを有する板状部12を一体成形してスライド阻止部12を構成した場合には、蓋板支承部10とスライド阻止部12とが互いに支え合って強度上非常に秀れることになり、しかも、例えば、開閉蓋板2が開閉回動している際や、開閉蓋板2が水平移動している際など、常に開閉蓋体2は蓋板支承部10若しくはスライド阻止部12に当接して支持された状態が得られることになり、つまり、この開閉蓋板2の開閉回動や水平移動が良好に行われ、且つ、この開閉回動と水平移動との間の切り替わりも円滑に行われることになる。この円滑な操作感から、ユーザーはストレスを感じず、良好な使用感が得られることになる。
【実施例】
【0033】
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
【0034】
本実施例は、上下位置に所定間隔を介して配する水平板1,1と、この上下の水平板1,1の左右に配する左右の側板3,3と、背板4とを有する四角筒状の収納本体6に、この収納本体6の正面開口部5を閉塞する開閉蓋板2を設けた収納装置である。尚、本実施例では収納本体6を上下に3つ配した三段構造としているが、一段でも二段でも、四段以上の構造でも良く、この収納本体6を複数段設ける場合、上下に隣接する収納本体6の間の水平板1は、下段の収納本体6の上の水平板1及び上段の収納本体6の下の水平板1として兼用される。
【0035】
以下、本実施例に係る構成各部について詳細な説明をする。
【0036】
水平板1,1は、図1〜3に図示したように適宜な合成樹脂製の部材を一体成形した方形板状体であり、本実施例では、最上段に配される第一の水平板1と、それ以外の下段に配される第二の水平板1とが設けられている。
【0037】
この第一の水平板1の下面部左右端部には、複数の連結凹部(図示省略)が前後方向に並設されており、この連結凹部は、後述する左右の側板3,3の連結凸部3bを抜脱自在(取り外し自在)に差し込み嵌合連結するためのものである。
【0038】
また、この第一の水平板1の左右側面部には、孔から成る被係止部1cが設けられており、この被係止部1cには、連結凹部に連結凸部3bを差し込み嵌合させた際、連結凸部3bに設けられた後述する爪状の係止部3b'が係脱自在に係止するように構成されている。
【0039】
従って、係止部3b'が被係止部1cに係止した状態においては、連結凸部3bは連結凹部に対して抜け止め状態となる。
【0040】
また、第一の水平板1の下面部前後端部夫々には、溝状の凹部(図示省略)が設けられており、この凹部は、後述する背板4の上端部及び下端部に設けられる連結凸部4aのいずれか一方を抜脱自在(取り外し自在)に差し込み嵌合連結するためのものである。尚、第一の水平板1の前後面部にも孔から成る被係止部を設け、この被係止部に係脱自在に係止する爪状の係止部を背板4の連結凸部4aに設けても良い。
【0041】
第二の水平板1の上面部及び下面部夫々の左右端部には、複数の連結凹部1aが並設されており、この連結凹部1aは、側板3,3の連結凸部3bを抜脱自在(取り外し自在)に差し込み嵌合連結するためのものである。
【0042】
また、この第二の水平板1の左右側面部には、孔から成る被係止部1cが設けられており、この被係止部1cには、連結凹部1aに連結凸部3bを差し込み嵌合させた際、連結凸部3bに設けられた後述する爪状の係止部3b'が係脱自在に係止するように構成されている(図13,14参照)。
【0043】
従って、係止部3b'が被係止部1cに係止した状態においては、連結凸部3bは連結凹部1aに対して抜け止め状態となる。
【0044】
また、第二の水平板1の上面部後端部及び下面部後端部には、溝状の凹部1bが設けられており、この凹溝部1bは背板4の上端部及び下端部に設けられる連結凸部4aを差し込み嵌合連結するためのものである。尚、第二の水平板1の前後面部にも孔から成る被係止部を設け、この被係止部に係脱自在に係止する爪状の係止部を背板4の連結凸部4aに設けても良い。
【0045】
また、第二の水平板1の上面部前端部中央位置には、被係合部9(半円柱状の凸部)が設けられており、この被係合部9は、後述する開閉蓋板2に設けられる係合部11と凹凸係合するものである。
【0046】
左右の側板3,3は、図1〜4に図示したように適宜な合成樹脂製の部材で一体成形した方形板状体であり、本実施例に係る側板3,3は、全て同一寸法の相似形状であり共通パーツ化されている。
【0047】
具体的には、側板3,3の上下端部夫々には、連結凸部3bが一体成形されており、この連結凸部3bは水平板1,1に設けた連結凹部1aに抜脱自在(取り外し自在)に差し込み嵌合連結するためのものである。
【0048】
この連結凸部3bの周面には、図4に図示したように爪状の係止部3b'が設けられており、この係止部3b'はコ字状のスリット部を設けることで切り抜き形成された片状体に係止凸部を設けた構成であり、連結凸部3bを連結凹部1aに差し込み嵌合させた際、撓み変形した後、復帰動することで被係止部1cに係止するように構成されている(図13,14参照)。この係止部3b'が被係止部1cに係止した状態において連結凸部3bは被係止部1cに対して抜け止め状態となり、係止部3b'を押圧して被係止部1cに対する係止を解除することで連結凹部1aから連結凸部3bを引き抜くことができる。
【0049】
また、側板3,3の内面部前後端部には、該側板3,3の上下方向に長さを有する凹溝部3cが設けられており、この側板3,3の凹溝部3cは、後述する背板4の左右端部に設けられる連結凸部4bを差し込み嵌合連結するためのものである。尚、側板3,3の前後面部にも孔から成る被係止部を設け、この被係止部に係脱自在に係止する爪状の係止部を背板4の連結凸部4bに設けても良い。
【0050】
また、側板3,3の内面部上方位置には、該側板3,3(収納本体6)の前後方向に長さを有するガイド凹条部3a,3aが設けられており、このガイド凹条部3a,3aは、後述する開閉蓋板2の枢着軸部8が通過し得る間隙を介して上下対向位置に配される一対の突板3a',3a'を側板3,3に一体成形して設けた構成であり、このガイド凹条部3a,3aには、後述する開閉蓋板2の枢着軸部8がスライド自在にして回動自在に枢着するように構成されている。
【0051】
従って、正面開口部5を閉塞した状態の開閉蓋板2を水平状態となるまで開放回動自在に構成するとともに、水平状態の開閉蓋板2を、ガイド凹条部3a,3aに対して枢着軸部8をスライド移動することにより水平移動して、収納本体6内に出し入れ自在に収納(上の水平板1の下面に添設状態に収納)し得るように構成している。
【0052】
また、このガイド凹条部3a,3aは、側板3,3の内面部上方位置の前端から後端まで設けられることで、側板3,3の補強リブとしても機能することになる。
【0053】
また、本実施例は、水平状態の開閉蓋板2における水平移動の際、開閉蓋板2の内面部に当接して水平状態を保持する蓋板支承部10を側板3,3の内面部上方位置に設けている。
【0054】
具体的には、蓋板支承部10は、側板3,3の前後方向に長さを有するもので該側板3,3に一体成形される板状体であり、この蓋板支承部10の前端部に側板3,3の上下方向に長さを有する板状部を一体成形してスライド阻止部12を設けており、つまり、この蓋板支承部10及びスライド阻止部12は、側板3,3の合成樹脂成型時にL字状板体を一体成形することで設けられている。
【0055】
スライド阻止部12は、後述する開閉蓋板2を閉塞回動して係合部11が被係合部9に係合する際、並びに、被係合部9に係合する係合部11を解除すべく開閉蓋板2を開放回動する際、開閉蓋板2の内面部上方位置に当接することでガイド凹条部3a,3aに対する枢着軸部8のスライド移動を阻止するものである。
【0056】
また、側板3,3夫々の内面部上方位置には、収納本体6内に前方下り傾斜状態に配される仕切り板13の左右側部後方位置に設けた軸部13aを枢着する凹状の軸受部14を設けており、この上下方向に擺動する仕切り板13により収納本体6の内空間を上下前後に仕切るように構成している。この収納本体6の内空間を上下前後に仕切ることで、主にシューズラックとして利用できる。
【0057】
本実施例では、ガイド凹条部3a,3aを、側板3,3夫々の内面部上方位置にして該側板3,3夫々の前後位置双方に一対設け、スライド阻止部12が一体に設けられる蓋板支承部10を、側板3,3夫々の内面部上方位置にして該側板3,3夫々の前後端部位置双方に一対設け、軸受部14を、側板3,3夫々の内面部上方位置にして該側板3,3夫々の前後端部位置双方に一対設けて、側板3,3夫々は、該側板3,3夫々の前後方向の中央部を中心(境界)として左右対称の形状としている。
【0058】
また、側板3,3夫々の内面部には、図10〜12に図示したようにこの側板3,3を互いに上下逆さま状態として内面部同士を重合した際、側板3,3の内面部に設けた被係止部15,16に位置決め係止する位置ズレ防止凸部を有し、この位置ズレ防止凸部を蓋板支承部10及びスライド阻止部12で構成している。
【0059】
具体的には、本実施例は、側板3,3の内面部に、該側板3,3の前後端部の縁部に沿って板状体16(リブ)が立設されており、この板状体16は前述した凹溝部3cの一部を構成するものであり、且つ、スライド阻止部12が係止する被係止部16として構成されている。
【0060】
また、板状体16の所定位置には突板15が一体成形されており、この突板15は蓋板支承部10が係止する被係止部15として構成されている。
【0061】
従って、側板3,3を互いに上下逆さま状態として内面部同士を重合した際、側板3,3夫々の蓋板支承部10及びスライド阻止部12と被係止部15,16とが4カ所で係止して、この側板3,3を正面方向から見て上下方向(図10中の矢印a方向)及び左右方向(図10中の矢印b方向)の位置ズレが防止されることになる。
【0062】
尚、蓋体支承部10及びスライド阻止部12は板状体16の内側に設けられており、重ねた際、一の側板3の蓋体支承部10及びスライド阻止部12が他の側板3の板状体16に干渉しないように構成されている。
【0063】
また、側板3,3夫々の内面部中央位置には、該側板3,3の前後方向に長さを有する板状体18(リブ)が設けられており、この板状体18には、収納本体6の内空間を上下に仕切る中央仕切り板17が架設状態に配設される(図9参照)。
【0064】
開閉蓋板2は、図1〜3に図示したように適宜な合成樹脂製の部材で一体成形した方形板状体であり、左右端部には枢着軸部8が設けられ、この枢着軸部8は側板3,3夫々に設けたガイド凹条部3a,3aにスライド自在に枢着するように構成されている。
【0065】
また、開閉蓋板2の下方位置(下端中央位置)には、水平板1に設けた被係合部9に凹凸係合する凹状の係合部11が設けられている。
【0066】
この係合部11は、開閉蓋板2の下端部の所定位置に一対のスリットを設けて撓み変形自在に設けられた可動板部2aに設けられており、開閉蓋板2を閉塞回動させた際、可動板部2aが変形した後、係合部11が被係合部9に乗り上がり係合するように構成されている。
【0067】
符号2bは指掛け部である。
【0068】
背板4は、図3に図示したように適宜な合成樹脂製の部材で一体成形した方形板状体であり、上下端部には、水平板1,1の凹溝部1bに抜脱自在(取り外し自在)に差し込み嵌合連結する連結凸部4aが一体成形され、左右端部には、側板1,1の凹溝部3cに抜脱自在(取り外し自在)に差し込み嵌合連結する連結凸部4bが一体成形されている。
【0069】
符号19は、水平板1,1の連結凹部1aに抜脱自在(取り外し自在)に差し込み嵌合連結する脚部材であり、この脚部材19にも水平板1,1の左右側面部に設けられる孔から成る被係止部1cに係脱自在に係止する爪状の係止部19aが設けられている。
【0070】
本実施例は上述のように構成したから、正面開口部5を閉塞した状態の開閉蓋板2の下端部を持ち(指掛け部2bに指を掛け)、この開閉蓋板2の左右端部に設けた枢着軸部8をガイド凹条部3a,3aを支点に回動させることで、開閉蓋板2を水平状態となるまで開放回動する。この際、正面開口部5は開放された状態となる。
【0071】
この水平状態とした開閉蓋板2を水平方向へ押し、ガイド凹条部3a,3aに対して枢着軸部8をスライド移動させることで、開閉蓋板2は水平移動して収納本体6に収納される。この際、水平移動する開閉蓋板2は、枢着軸部8がガイド凹条部3a,3aで支承されるとともに、側板3,3夫々の内面部上方前端位置に設けた蓋板支承部10で支承されており、よって、開閉蓋板2の水平状態は確実に保持された状態で円滑な水平移動が行われる。
【0072】
また、開放状態の正面開口部5を開閉蓋板2で閉塞する場合、収納本体6に収納された開閉蓋板2を引き出して水平移動させた後、この引き出された開閉蓋板2を閉塞回動させて正面開口部5を閉塞する(この閉塞蓋板2により閉塞する場合においても、開放する場合と同様に、枢着軸部8,ガイド凹条部3a,3a及び蓋板支承部10が良好に機能する。)。この開閉蓋板2の閉塞回動の際、開閉蓋板2の下方位置に設けた係合部11が下の水平板1に設けた被係合部9に係合して正面開口部5は開放回動を抑制された状態で閉塞状態となる(図5〜8参照)。
【0073】
また、本実施例は、開閉蓋板2の内面部上方位置にスライド阻止部12が当接することで、ガイド凹条部3a,3aに対する枢着軸部8のスライド移動が阻止されることになる為、開閉蓋板2の閉塞回動に伴う係合部11の回動軌道がずれることなく、よって、被係合部9に対する係合部11の良好な係合状態が得られ、ひいては、十分な係合作用が発揮されて良好な閉塞状態が得られることになる。そして、被係合部9に対する係合部11を解除する開放回動の際においても、開閉蓋板2の内面部上方位置にスライド阻止部12が当接しており、ガイド凹条部3a,3aに対する枢着軸部8のスライド移動が阻止されることになる為、良好な開放回動が行われることになる。
【0074】
よって、本実施例によれば、非常に操作性が良くて使い勝手が良いことになる。
【0075】
また、本実施例は、スライド阻止部12を蓋板支承部10に設けた構造の為、スライド阻止部12を蓋板支承部10とば別に設ける場合(分離した構造)に比し、強度上非常に秀れた構造となる。
【0076】
また、本実施例は、蓋板支承部10は、側板3,3夫々の前後方向に長さを有するもので該側板3,3に一体成形される板状体であり、この蓋板支承部10の前端部に側板3,3の上下方向に長さを有する板状部12を一体成形してスライド阻止部12を構成しから、蓋板支承部10とスライド阻止部12とが互いに支え合って強度上非常に秀れることになり、しかも、例えば、開閉蓋板2が開閉回動している際や、開閉蓋板2が水平移動している際など、常に開閉蓋体2は蓋板支承部10若しくはスライド阻止部12に当接して支持された状態が得られることになり、つまり、この開閉蓋板2の開閉回動や水平移動が良好に行われ、且つ、この開閉回動と水平移動との間の切り替わりも円滑に行われることになる。この円滑な操作感から、ユーザーはストレスを感じず、良好な使用感が得られることになる。
【0077】
尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
【符号の説明】
【0078】
1 水平板
2 開閉蓋板
3 側板
3a ガイド凹条部
3a' 突板
5 正面開口部
6 収納本体
8 枢着軸部
9 被係合部
10 蓋板支承部
11 係合部
12 スライド阻止部
13 仕切り板
14 軸受部
15 被係止部
16 被係止部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14