【実施例】
【0033】
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
【0034】
本実施例は、上下位置に所定間隔を介して配する水平板1,1と、この上下の水平板1,1の左右に配する左右の側板3,3と、背板4とを有する四角筒状の収納本体6に、この収納本体6の正面開口部5を閉塞する開閉蓋板2を設けた収納装置である。尚、本実施例では収納本体6を上下に3つ配した三段構造としているが、一段でも二段でも、四段以上の構造でも良く、この収納本体6を複数段設ける場合、上下に隣接する収納本体6の間の水平板1は、下段の収納本体6の上の水平板1及び上段の収納本体6の下の水平板1として兼用される。
【0035】
以下、本実施例に係る構成各部について詳細な説明をする。
【0036】
水平板1,1は、
図1〜3に図示したように適宜な合成樹脂製の部材を一体成形した方形板状体であり、本実施例では、最上段に配される第一の水平板1と、それ以外の下段に配される第二の水平板1とが設けられている。
【0037】
この第一の水平板1の下面部左右端部には、複数の連結凹部(図示省略)が前後方向に並設されており、この連結凹部は、後述する左右の側板3,3の連結凸部3bを抜脱自在(取り外し自在)に差し込み嵌合連結するためのものである。
【0038】
また、この第一の水平板1の左右側面部には、孔から成る被係止部1cが設けられており、この被係止部1cには、連結凹部に連結凸部3bを差し込み嵌合させた際、連結凸部3bに設けられた後述する爪状の係止部3b'が係脱自在に係止するように構成されている。
【0039】
従って、係止部3b'が被係止部1cに係止した状態においては、連結凸部3bは連結凹部に対して抜け止め状態となる。
【0040】
また、第一の水平板1の下面部前後端部夫々には、溝状の凹部(図示省略)が設けられており、この凹部は、後述する背板4の上端部及び下端部に設けられる連結凸部4aのいずれか一方を抜脱自在(取り外し自在)に差し込み嵌合連結するためのものである。尚、第一の水平板1の前後面部にも孔から成る被係止部を設け、この被係止部に係脱自在に係止する爪状の係止部を背板4の連結凸部4aに設けても良い。
【0041】
第二の水平板1の上面部及び下面部夫々の左右端部には、複数の連結凹部1aが並設されており、この連結凹部1aは、側板3,3の連結凸部3bを抜脱自在(取り外し自在)に差し込み嵌合連結するためのものである。
【0042】
また、この第二の水平板1の左右側面部には、孔から成る被係止部1cが設けられており、この被係止部1cには、連結凹部1aに連結凸部3bを差し込み嵌合させた際、連結凸部3bに設けられた後述する爪状の係止部3b'が係脱自在に係止するように構成されている(
図13,14参照)。
【0043】
従って、係止部3b'が被係止部1cに係止した状態においては、連結凸部3bは連結凹部1aに対して抜け止め状態となる。
【0044】
また、第二の水平板1の上面部後端部及び下面部後端部には、溝状の凹部1bが設けられており、この凹溝部1bは背板4の上端部及び下端部に設けられる連結凸部4aを差し込み嵌合連結するためのものである。尚、第二の水平板1の前後面部にも孔から成る被係止部を設け、この被係止部に係脱自在に係止する爪状の係止部を背板4の連結凸部4aに設けても良い。
【0045】
また、第二の水平板1の上面部前端部中央位置には、被係合部9(半円柱状の凸部)が設けられており、この被係合部9は、後述する開閉蓋板2に設けられる係合部11と凹凸係合するものである。
【0046】
左右の側板3,3は、
図1〜4に図示したように適宜な合成樹脂製の部材で一体成形した方形板状体であり、本実施例に係る側板3,3は、全て同一寸法の相似形状であり共通パーツ化されている。
【0047】
具体的には、側板3,3の上下端部夫々には、連結凸部3bが一体成形されており、この連結凸部3bは水平板1,1に設けた連結凹部1aに抜脱自在(取り外し自在)に差し込み嵌合連結するためのものである。
【0048】
この連結凸部3bの周面には、
図4に図示したように爪状の係止部3b'が設けられており、この係止部3b'はコ字状のスリット部を設けることで切り抜き形成された片状体に係止凸部を設けた構成であり、連結凸部3bを連結凹部1aに差し込み嵌合させた際、撓み変形した後、復帰動することで被係止部1cに係止するように構成されている(
図13,14参照)。この係止部3b'が被係止部1cに係止した状態において連結凸部3bは被係止部1cに対して抜け止め状態となり、係止部3b'を押圧して被係止部1cに対する係止を解除することで連結凹部1aから連結凸部3bを引き抜くことができる。
【0049】
また、側板3,3の内面部前後端部には、該側板3,3の上下方向に長さを有する凹溝部3cが設けられており、この側板3,3の凹溝部3cは、後述する背板4の左右端部に設けられる連結凸部4bを差し込み嵌合連結するためのものである。尚、側板3,3の前後面部にも孔から成る被係止部を設け、この被係止部に係脱自在に係止する爪状の係止部を背板4の連結凸部4bに設けても良い。
【0050】
また、側板3,3の内面部上方位置には、該側板3,3(収納本体6)の前後方向に長さを有するガイド凹条部3a,3aが設けられており、このガイド凹条部3a,3aは、後述する開閉蓋板2の枢着軸部8が通過し得る間隙を介して上下対向位置に配される一対の突板3a',3a'を側板3,3に一体成形して設けた構成であり、このガイド凹条部3a,3aには、後述する開閉蓋板2の枢着軸部8がスライド自在にして回動自在に枢着するように構成されている。
【0051】
従って、正面開口部5を閉塞した状態の開閉蓋板2を水平状態となるまで開放回動自在に構成するとともに、水平状態の開閉蓋板2を、ガイド凹条部3a,3aに対して枢着軸部8をスライド移動することにより水平移動して、収納本体6内に出し入れ自在に収納(上の水平板1の下面に添設状態に収納)し得るように構成している。
【0052】
また、このガイド凹条部3a,3aは、側板3,3の内面部上方位置の前端から後端まで設けられることで、側板3,3の補強リブとしても機能することになる。
【0053】
また、本実施例は、水平状態の開閉蓋板2における水平移動の際、開閉蓋板2の内面部に当接して水平状態を保持する蓋板支承部10を側板3,3の内面部上方位置に設けている。
【0054】
具体的には、蓋板支承部10は、側板3,3の前後方向に長さを有するもので該側板3,3に一体成形される板状体であり、この蓋板支承部10の前端部に側板3,3の上下方向に長さを有する板状部を一体成形してスライド阻止部12を設けており、つまり、この蓋板支承部10及びスライド阻止部12は、側板3,3の合成樹脂成型時にL字状板体を一体成形することで設けられている。
【0055】
スライド阻止部12は、後述する開閉蓋板2を閉塞回動して係合部11が被係合部9に係合する際、並びに、被係合部9に係合する係合部11を解除すべく開閉蓋板2を開放回動する際、開閉蓋板2の内面部上方位置に当接することでガイド凹条部3a,3aに対する枢着軸部8のスライド移動を阻止するものである。
【0056】
また、側板3,3夫々の内面部上方位置には、収納本体6内に前方下り傾斜状態に配される仕切り板13の左右側部後方位置に設けた軸部13aを枢着する凹状の軸受部14を設けており、この上下方向に擺動する仕切り板13により収納本体6の内空間を上下前後に仕切るように構成している。この収納本体6の内空間を上下前後に仕切ることで、主にシューズラックとして利用できる。
【0057】
本実施例では、ガイド凹条部3a,3aを、側板3,3夫々の内面部上方位置にして該側板3,3夫々の前後位置双方に一対設け、スライド阻止部12が一体に設けられる蓋板支承部10を、側板3,3夫々の内面部上方位置にして該側板3,3夫々の前後端部位置双方に一対設け、軸受部14を、側板3,3夫々の内面部上方位置にして該側板3,3夫々の前後端部位置双方に一対設けて、側板3,3夫々は、該側板3,3夫々の前後方向の中央部を中心(境界)として左右対称の形状としている。
【0058】
また、側板3,3夫々の内面部には、
図10〜12に図示したようにこの側板3,3を互いに上下逆さま状態として内面部同士を重合した際、側板3,3の内面部に設けた被係止部15,16に位置決め係止する位置ズレ防止凸部を有し、この位置ズレ防止凸部を蓋板支承部10及びスライド阻止部12で構成している。
【0059】
具体的には、本実施例は、側板3,3の内面部に、該側板3,3の前後端部の縁部に沿って板状体16(リブ)が立設されており、この板状体16は前述した凹溝部3cの一部を構成するものであり、且つ、スライド阻止部12が係止する被係止部16として構成されている。
【0060】
また、板状体16の所定位置には突板15が一体成形されており、この突板15は蓋板支承部10が係止する被係止部15として構成されている。
【0061】
従って、側板3,3を互いに上下逆さま状態として内面部同士を重合した際、側板3,3夫々の蓋板支承部10及びスライド阻止部12と被係止部15,16とが4カ所で係止して、この側板3,3を正面方向から見て上下方向(
図10中の矢印a方向)及び左右方向(
図10中の矢印b方向)の位置ズレが防止されることになる。
【0062】
尚、蓋体支承部10及びスライド阻止部12は板状体16の内側に設けられており、重ねた際、一の側板3の蓋体支承部10及びスライド阻止部12が他の側板3の板状体16に干渉しないように構成されている。
【0063】
また、側板3,3夫々の内面部中央位置には、該側板3,3の前後方向に長さを有する板状体18(リブ)が設けられており、この板状体18には、収納本体6の内空間を上下に仕切る中央仕切り板17が架設状態に配設される(
図9参照)。
【0064】
開閉蓋板2は、
図1〜3に図示したように適宜な合成樹脂製の部材で一体成形した方形板状体であり、左右端部には枢着軸部8が設けられ、この枢着軸部8は側板3,3夫々に設けたガイド凹条部3a,3aにスライド自在に枢着するように構成されている。
【0065】
また、開閉蓋板2の下方位置(下端中央位置)には、水平板1に設けた被係合部9に凹凸係合する凹状の係合部11が設けられている。
【0066】
この係合部11は、開閉蓋板2の下端部の所定位置に一対のスリットを設けて撓み変形自在に設けられた可動板部2aに設けられており、開閉蓋板2を閉塞回動させた際、可動板部2aが変形した後、係合部11が被係合部9に乗り上がり係合するように構成されている。
【0067】
符号2bは指掛け部である。
【0068】
背板4は、
図3に図示したように適宜な合成樹脂製の部材で一体成形した方形板状体であり、上下端部には、水平板1,1の凹溝部1bに抜脱自在(取り外し自在)に差し込み嵌合連結する連結凸部4aが一体成形され、左右端部には、側板1,1の凹溝部3cに抜脱自在(取り外し自在)に差し込み嵌合連結する連結凸部4bが一体成形されている。
【0069】
符号19は、水平板1,1の連結凹部1aに抜脱自在(取り外し自在)に差し込み嵌合連結する脚部材であり、この脚部材19にも水平板1,1の左右側面部に設けられる孔から成る被係止部1cに係脱自在に係止する爪状の係止部19aが設けられている。
【0070】
本実施例は上述のように構成したから、正面開口部5を閉塞した状態の開閉蓋板2の下端部を持ち(指掛け部2bに指を掛け)、この開閉蓋板2の左右端部に設けた枢着軸部8をガイド凹条部3a,3aを支点に回動させることで、開閉蓋板2を水平状態となるまで開放回動する。この際、正面開口部5は開放された状態となる。
【0071】
この水平状態とした開閉蓋板2を水平方向へ押し、ガイド凹条部3a,3aに対して枢着軸部8をスライド移動させることで、開閉蓋板2は水平移動して収納本体6に収納される。この際、水平移動する開閉蓋板2は、枢着軸部8がガイド凹条部3a,3aで支承されるとともに、側板3,3夫々の内面部上方前端位置に設けた蓋板支承部10で支承されており、よって、開閉蓋板2の水平状態は確実に保持された状態で円滑な水平移動が行われる。
【0072】
また、開放状態の正面開口部5を開閉蓋板2で閉塞する場合、収納本体6に収納された開閉蓋板2を引き出して水平移動させた後、この引き出された開閉蓋板2を閉塞回動させて正面開口部5を閉塞する(この閉塞蓋板2により閉塞する場合においても、開放する場合と同様に、枢着軸部8,ガイド凹条部3a,3a及び蓋板支承部10が良好に機能する。)。この開閉蓋板2の閉塞回動の際、開閉蓋板2の下方位置に設けた係合部11が下の水平板1に設けた被係合部9に係合して正面開口部5は開放回動を抑制された状態で閉塞状態となる(
図5〜8参照)。
【0073】
また、本実施例は、開閉蓋板2の内面部上方位置にスライド阻止部12が当接することで、ガイド凹条部3a,3aに対する枢着軸部8のスライド移動が阻止されることになる為、開閉蓋板2の閉塞回動に伴う係合部11の回動軌道がずれることなく、よって、被係合部9に対する係合部11の良好な係合状態が得られ、ひいては、十分な係合作用が発揮されて良好な閉塞状態が得られることになる。そして、被係合部9に対する係合部11を解除する開放回動の際においても、開閉蓋板2の内面部上方位置にスライド阻止部12が当接しており、ガイド凹条部3a,3aに対する枢着軸部8のスライド移動が阻止されることになる為、良好な開放回動が行われることになる。
【0074】
よって、本実施例によれば、非常に操作性が良くて使い勝手が良いことになる。
【0075】
また、本実施例は、スライド阻止部12を蓋板支承部10に設けた構造の為、スライド阻止部12を蓋板支承部10とば別に設ける場合(分離した構造)に比し、強度上非常に秀れた構造となる。
【0076】
また、本実施例は、蓋板支承部10は、側板3,3夫々の前後方向に長さを有するもので該側板3,3に一体成形される板状体であり、この蓋板支承部10の前端部に側板3,3の上下方向に長さを有する板状部12を一体成形してスライド阻止部12を構成しから、蓋板支承部10とスライド阻止部12とが互いに支え合って強度上非常に秀れることになり、しかも、例えば、開閉蓋板2が開閉回動している際や、開閉蓋板2が水平移動している際など、常に開閉蓋体2は蓋板支承部10若しくはスライド阻止部12に当接して支持された状態が得られることになり、つまり、この開閉蓋板2の開閉回動や水平移動が良好に行われ、且つ、この開閉回動と水平移動との間の切り替わりも円滑に行われることになる。この円滑な操作感から、ユーザーはストレスを感じず、良好な使用感が得られることになる。
【0077】
尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。