特許第6076316号(P6076316)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6076316コフェロンならびにその作製および使用方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6076316
(24)【登録日】2017年1月20日
(45)【発行日】2017年2月8日
(54)【発明の名称】コフェロンならびにその作製および使用方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 45/00 20060101AFI20170130BHJP
   C07C 49/185 20060101ALI20170130BHJP
   C07C 235/74 20060101ALI20170130BHJP
   A61K 47/50 20170101ALI20170130BHJP
   A61P 31/12 20060101ALI20170130BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20170130BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20170130BHJP
   C12N 15/09 20060101ALN20170130BHJP
【FI】
   A61K45/00
   C07C49/185
   C07C235/74
   A61K47/48
   A61P31/12
   A61P35/00
   A61P43/00 111
   !C12N15/00 A
【請求項の数】13
【全頁数】320
(21)【出願番号】特願2014-226002(P2014-226002)
(22)【出願日】2014年11月6日
(62)【分割の表示】特願2011-503998(P2011-503998)の分割
【原出願日】2009年4月9日
(65)【公開番号】特開2015-63532(P2015-63532A)
(43)【公開日】2015年4月9日
【審査請求日】2014年12月8日
(31)【優先権主張番号】61/043,537
(32)【優先日】2008年4月9日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】510243539
【氏名又は名称】コーネル ユニバーシティー
(73)【特許権者】
【識別番号】598063203
【氏名又は名称】パーデュー・リサーチ・ファウンデーション
【氏名又は名称原語表記】PURDUE RESEARCH FOUNDATION
(74)【代理人】
【識別番号】100102978
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 初志
(74)【代理人】
【識別番号】100102118
【弁理士】
【氏名又は名称】春名 雅夫
(74)【代理人】
【識別番号】100160923
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 裕孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119507
【弁理士】
【氏名又は名称】刑部 俊
(74)【代理人】
【識別番号】100142929
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100148699
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 利光
(74)【代理人】
【識別番号】100128048
【弁理士】
【氏名又は名称】新見 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100129506
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100114340
【弁理士】
【氏名又は名称】大関 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100114889
【弁理士】
【氏名又は名称】五十嵐 義弘
(74)【代理人】
【識別番号】100121072
【弁理士】
【氏名又は名称】川本 和弥
(72)【発明者】
【氏名】バラニー フランシス
(72)【発明者】
【氏名】ピングル マネーシュ
(72)【発明者】
【氏名】バーグストロム ドナルド
(72)【発明者】
【氏名】ガーディナ サラ フィリッパ
【審査官】 六笠 紀子
(56)【参考文献】
【文献】 特表2004−532203(JP,A)
【文献】 国際公開第2006/094813(WO,A1)
【文献】 国際公開第2006/050959(WO,A1)
【文献】 Chem.Eur.J.,2005年,11,p.2836-2841
【文献】 Tetrahedron Letters,1999年,40,p.7979-7983
【文献】 Tetrahedron,2000年,56,p.10023-10030
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 45/00
C07C 49/185
C07C 235/74
C40B 50/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の共有結合的または非共有結合的に結合した単量体であって、同一または異なっていてもよい単量体を含む、多量体であって、
それぞれの単量体が、
300μM未満の解離定数で標的分子に結合する多様性要素であって、単環式骨格、二環式骨格、三環式骨格、四環式骨格、スピロ骨格、若しくは、マルチコア骨格を形成する共有結合により連結されたそれらの組合せのうちの一つまたはそれ以上に基づく構造を有する分子である多様性要素、ここで、前記標的分子が(1)Gタンパク質共役型受容体、(2)核内受容体、(3)電位開口型イオンチャネル、(4)リガンド開口型イオンチャネル、(5)受容体型チロシンキナーゼ、(6)増殖因子、(7)プロテアーゼ、(8)配列特異的プロテアーゼ、(9)ホスファターゼ、(10)タンパク質キナーゼ、(11)生理活性脂質、(12)サイトカイン、(13)ケモカイン、(14)ユビキチンリガーゼ、(15)ウイルス制御因子、(16)細胞分裂タンパク質、(17)骨格タンパク質、(18)DNA修復タンパク質、(19)細菌リボソーム、(20)ヒストン脱アセチル化酵素、(21)アポトーシス制御因子、(22)シャペロンタンパク質、(23)セリン/スレオニンタンパク質キナーゼ、(24)サイクリン依存性キナーゼ、(25)増殖因子受容体、(26)プロテアソーム、(27)シグナル伝達タンパク質複合体、(28)タンパク質/核酸輸送体、または(29)ウイルスカプシドである、多様性要素;および
500ダルトン未満の分子量を有し、かつ、生理的条件下で、補因子とともに、または補因子なしで、300μM未満の解離定数で、別の単量体上の結合パートナーリンカー要素と、可逆的な共有結合または非共有結合性の強固な相互作用を形成することができるリンカー要素、
を含み、それぞれの単量体について、前記多様性要素および前記リンカー要素が、直接的にまたは接続部を介して間接的に互いに連結し、前記複数の単量体がそれらのリンカー要素を介して可逆的に共有結合的または非共有結合的に互いに結合しており、前記多量体の前記多様性要素は前記標的分子の近接した位置に結合し、前記多量体が10μM未満の解離定数で前記標的分子に結合し、
前記多量体の少なくとも1つの単量体のための前記リンカー要素が、以下からなる群より選択され:
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式中、
Rは、脂肪族基または脂環式基であり、
Qは、芳香族環、複素環または非複素環であり、
n=0〜3、m=1〜3およびp=1〜2であり、
破線と交差する線は、前記1つ以上の多様性要素が直接的にまたは接続部を介して前記リンカー要素に連結することにより形成される1つ以上の結合を示し、かつ、
前記多量体の別の単量体のための前記リンカー要素が、1,2-ジオールまたは1,3-ジオールである前記結合パートナーリンカー要素であり、それによって前記リンカー要素およびその結合パートナーリンカー要素が、結合すると5または6員のボロン酸エステル環を形成する、多量体。
【請求項2】
前記多様性要素が、100nM〜100μMの解離定数で前記標的分子に結合する、請求項1に記載の多量体。
【請求項3】
前記多様性要素が、前記標的分子と可逆的な共有結合を形成することができる、請求項1に記載の多量体。
【請求項4】
前記可逆的な共有結合が、前記多様性要素上のカルボニルと前記標的分子上のアミンの間、前記多様性要素上のアミンと前記標的分子上のカルボニルの間、前記多様性要素上のボロナートと前記標的分子上のヒドロキシル基の間、または前記多様性要素上のスルフヒドリルと前記標的分子上のスルフヒドリルの間にある、請求項3に記載の多量体。
【請求項5】
同一または異なっていてもよい複数の単量体であって、それぞれの単量体が
300μM未満の解離定数で標的分子に結合する多様性要素であって、単環式骨格、二環式骨格、三環式骨格、四環式骨格、スピロ骨格、若しくは、マルチコア骨格を形成する共有結合により連結されたそれらの組合せのうちの一つまたはそれ以上に基づく構造を有する分子である多様性要素、ここで、前記標的分子が(1)Gタンパク質共役型受容体、(2)核内受容体、(3)電位開口型イオンチャネル、(4)リガンド開口型イオンチャネル、(5)受容体型チロシンキナーゼ、(6)増殖因子、(7)プロテアーゼ、(8)配列特異的プロテアーゼ、(9)ホスファターゼ、(10)タンパク質キナーゼ、(11)生理活性脂質、(12)サイトカイン、(13)ケモカイン、(14)ユビキチンリガーゼ、(15)ウイルス制御因子、(16)細胞分裂タンパク質、(17)骨格タンパク質、(18)DNA修復タンパク質、(19)細菌リボソーム、(20)ヒストン脱アセチル化酵素、(21)アポトーシス制御因子、(22)シャペロンタンパク質、(23)セリン/スレオニンタンパク質キナーゼ、(24)サイクリン依存性キナーゼ、(25)増殖因子受容体、(26)プロテアソーム、(27)シグナル伝達タンパク質複合体、(28)タンパク質/核酸輸送体、または(29)ウイルスカプシドである、多様性要素、および
500ダルトン未満の分子量を有し、かつ、生理的条件下で、補因子とともに、または補因子なしで、300μM未満の解離定数で、別の単量体上の結合パートナーリンカー要素と共有結合または非共有結合性の強固な相互作用を形成することができるリンカー要素、
を含み、それぞれの単量体について、前記多様性要素および前記リンカー要素が、直接的にまたは接続部を介して間接的に互いに接続しており、前記複数の単量体が多量体を形成することができ、かつ前記複数の単量体の前記多様性要素が、前記標的分子の近接した位置に結合し、前記複数の単量体の少なくとも1つの単量体のための前記リンカー要素が、以下の式(B1)、(B2)、(B3)、および(B4)からなる群より選択される、芳香族、非複素環化合物または脂肪族化合物であり:
[この文献は図面を表示できません]

式中、
Rは、脂肪族基または脂環式基であり、
Qは、芳香族、非複素環であり、
n=0〜3、m=1〜3、およびp=1〜2であり、
破線と交差する線は、前記1つ以上の多様性要素が直接的にまたは接続部を介して式(B1)、(B2)、(B3)、および(B4)の分子に連結することにより形成される1つ以上の結合を示し、かつ、
前記複数の単量体の別の単量体のための前記リンカー要素が、1,2-ジオールまたは1,3-ジオールである前記結合パートナーリンカー要素であり、それによって前記リンカー要素およびその結合パートナーリンカー要素が、5または6員のボロン酸エステル環を形成する、複数の単量体。
【請求項6】
前記多様性要素のうちの1つ以上が、100nM〜100μMの解離定数で前記標的分子に結合する、請求項5に記載の複数の単量体。
【請求項7】
前記多様性要素のうちの1つ以上が、前記標的分子と可逆的な共有結合を形成することができる、請求項5に記載の複数の単量体。
【請求項8】
前記可逆的な共有結合が、前記多様性要素上のカルボニルと前記標的分子上のアミンの間、前記多様性要素上のアミンと前記標的分子上のカルボニルの間、前記多様性要素上のボロナートと前記標的分子上のヒドロキシル基の間、または前記多様性要素上のスルフヒドリルと前記標的分子上のスルフヒドリルの間にある、請求項7に記載の複数の単量体。
【請求項9】
以下を有する、二量体:
フェニルボロン酸リンカー要素およびシス1,2−ジオール結合パートナーから形成されたボロン酸エステル部分;
接続部を介して前記フェニルボロン酸リンカー要素に連結した多様性要素;ならびに
別の接続部を介して、前記シス1,2−ジオール結合パートナーに連結した多様性要素であって、前記シス1,2−ジオール結合パートナーに連結した前記多様性要素および前記フェニルボロン酸リンカーに連結した前記多様性要素が、それぞれ、標的分子の近接した位置に結合し、前記多様性要素は、単環式骨格、二環式骨格、三環式骨格、四環式骨格、スピロ骨格、若しくは、マルチコア骨格を形成する共有結合により連結されたそれらの組合せのうちの一つまたはそれ以上に基づく構造を有する分子であり、且つ、前記標的分子は(1)Gタンパク質共役型受容体、(2)核内受容体、(3)電位開口型イオンチャネル、(4)リガンド開口型イオンチャネル、(5)受容体型チロシンキナーゼ、(6)増殖因子、(7)プロテアーゼ、(8)配列特異的プロテアーゼ、(9)ホスファターゼ、(10)タンパク質キナーゼ、(11)生理活性脂質、(12)サイトカイン、(13)ケモカイン、(14)ユビキチンリガーゼ、(15)ウイルス制御因子、(16)細胞分裂タンパク質、(17)骨格タンパク質、(18)DNA修復タンパク質、(19)細菌リボソーム、(20)ヒストン脱アセチル化酵素、(21)アポトーシス制御因子、(22)シャペロンタンパク質、(23)セリン/スレオニンタンパク質キナーゼ、(24)サイクリン依存性キナーゼ、(25)増殖因子受容体、(26)プロテアソーム、(27)シグナル伝達タンパク質複合体、(28)タンパク質/核酸輸送体、または(29)ウイルスカプシドである、二量体。
【請求項10】
前記シス1,2−ジオール結合パートナーがカテコールである、請求項9に記載の二量体。
【請求項11】
多様性要素、および、ボロン酸基含有芳香族非複素環を有する第一のリンカー要素を有する単量体であって、前記リンカー要素が接続部を介して前記多様性要素に連結している、単量体;並びに
リンカー要素として1,2または1,3ジオールを有する結合パートナー有し、かつ、別の接続部を介して別の多様性要素に連結した別の単量体
を含む多量体であって、前記第一のリンカー要素および前記結合パートナーリンカー要素が可逆的に共有結合的に結合した5または6員のボロン酸ジエステル環を形成し、かつ、
各多様性要素は、それぞれの存在について独立して、300μM未満の解離定数で標的分子に結合し、各多様性要素は、単環式骨格、二環式骨格、三環式骨格、四環式骨格、スピロ骨格、若しくは、マルチコア骨格を形成する共有結合により連結されたそれらの組合せのうちの一つまたはそれ以上に基づく構造を有する分子であり、且つ、前記標的分子は(1)Gタンパク質共役型受容体、(2)核内受容体、(3)電位開口型イオンチャネル、(4)リガンド開口型イオンチャネル、(5)受容体型チロシンキナーゼ、(6)増殖因子、(7)プロテアーゼ、(8)配列特異的プロテアーゼ、(9)ホスファターゼ、(10)タンパク質キナーゼ、(11)生理活性脂質、(12)サイトカイン、(13)ケモカイン、(14)ユビキチンリガーゼ、(15)ウイルス制御因子、(16)細胞分裂タンパク質、(17)骨格タンパク質、(18)DNA修復タンパク質、(19)細菌リボソーム、(20)ヒストン脱アセチル化酵素、(21)アポトーシス制御因子、(22)シャペロンタンパク質、(23)セリン/スレオニンタンパク質キナーゼ、(24)サイクリン依存性キナーゼ、(25)増殖因子受容体、(26)プロテアソーム、(27)シグナル伝達タンパク質複合体、(28)タンパク質/核酸輸送体、または(29)ウイルスカプシドであり;かつ、
前記多量体の前記多様性要素が前記標的分子の近接した位置に結合し、前記多量体が10μM未満の解離定数で前記標的分子に結合する、多量体。
【請求項12】
前記多様性要素の1つ以上が、前記標的分子と可逆的な共有結合を形成することができる、請求項11に記載の多量体。
【請求項13】
前記リンカー要素および前記結合パートナーリンカー要素が、それぞれ500ダルトン未満の分子量を有する、請求項11に記載の多量体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2008年4月9日出願の米国仮特許出願第61/043,537号の利益を主張し、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、国立アレルギー感染病研究所(National Institute of Allergy and Infectious Diseases)からの公衆衛生局(Public Health Service)助成金AI062579−03、および国立癌研究所(National Cancer Institute)からの助成金番号CA65930−08の下、政府の支援を得て行われた。政府は、本発明における一定の権利を有する。
【0003】
本発明は、コフェロン(coferon)ならびにその作製および使用方法を対象とする。
【背景技術】
【0004】
癌は、DNA複製および修復、細胞周期の調節、骨格非依存性増殖、血管新生、アポトーシス、組織浸潤、および転移に関与する、遺伝子の突然変異または調節不全から生じる(Hanahan,D.et al.,Cell 100(1):57−70(2000))。これらのプロセスは、p53、細胞周期、アポトーシス、Wntシグナル伝達、RPTKシグナル伝達、およびTGF−βシグナル伝達経路における遺伝子のネットワークによって調節される。かかる遺伝子およびそれらのタンパク質産物は、現在、および開発中の多くの療法の標的である。
【0005】
細胞は、シグナル伝達経路を使用して、外的もしくは内的な刺激に対する生物学的応答を生成する。数千の遺伝子産物が、高等生物の個体発生/発育、およびそれらの多くの異なる細胞型の高度な挙動の両方を調節する。これらの遺伝子産物は、異なる組み合わせで作用して、それらの目的を達成し、これをタンパク質間相互作用を介して行う。かかるタンパク質の進化構造は、特定のモチーフを認識および/または修正する調節タンパク質ドメインを介する。例えば、種々のチロシンキナーゼ(Abl等)は、特定のペプチド配列に埋め込まれた特定のチロシンにリン酸基を追加し、一方他の酵素(PTEN等)は、ホスファターゼとして作用して、特定のシグナルを除去する。また、タンパク質および他の巨大分子は、メチル化、アセチル化、SUMO化、ユビキチン化を通じて修飾することができ、これらのシグナルは、次に、その経路内の次のステップを活性化する特定のドメインによって認識される。かかる経路は、通常、表面上の受容体へのシグナルによって開始され、細胞内タンパク質相互作用へと移行し、しばしば遺伝子の転写を制御する転写因子相互作用を介するシグナル伝達に至る。例えば、Wnt経路では、Wntは、Frizzled受容体と相互作用し、Disheveledを介してシグナル伝達し、Axin−APC−GSK3複合体を阻害し、βカテニンと結合してβカテニンとTCF4との結合、この複合体の核への転位、ならびにMyc、サイクリンD、および他の発癌タンパク質の転写の活性化を阻害する(Polakis,P.et al.,Genes Dev 14(15):1837−1851(2000)、Nelson,W.J.et al.,Science 303(5663):1483−1487(2004))。また、シグナル伝達は、核からケモカインおよびサイトカイン等の分泌因子へと進む(Charo,I.F.et al.,N Engl J Med 354(6):610−621(2006))。タンパク質間およびタンパク質と核酸との間の認識は、しばしば、SH2、SH3、およびPDZドメイン等のタンパク質相互作用ドメインを通じて機能する。現在、75を超えるそのようなモチーフが文献で報告されている(Hunter,et.al.,Cell 100:113−127(2000)、Pawson et.al.,Genes & Development 14:1027−1047(2000))。これらのタンパク質相互作用ドメインには、標的療法を発展させる可能性が豊富にある。
【0006】
癌療法は、(i)小さなポケットの中に結合するグリーベック等の小分子薬、および(ii)上皮増殖因子受容体(EGFR)ファミリーのHER−2/neuメンバーに結合して阻害する、ハーセプチン等の抗体治療薬の、従来の2つの群に分けることができる。抗体およびタンパク質治療薬は、広範囲にわたって標的タンパク質に結合することによって作用する。抗体は、アポトーシスを誘発するか、リガンドと受容体との間の相互作用を妨害するか、または腫瘍増殖に必要とされるタンパク質の発現を阻止することによって、抗癌作用を示す(Mehren et al.,Ann Rev.Med.54:343−69(2003))。成功を収めているさらなる癌抗体治療薬には、抗CD20抗体であるリツキシマブ、EGFRを標的とするエルビタックス(セツキシマブ)、および血管内皮増殖因子(VEGF)が受容体に結合するのを干渉するアバスチン(ベバシズマブ)が含まれる(Mehren et al.,Ann Rev.Med.54:343−69(2003))。EGFR受容体抗体に伴う皮疹(皮肉にも有効性と相関する)を除いて、抗体療法は、概して良好な耐容性を示し、従来の化学療法に伴うような副作用を有しない。
【0007】
抗体は、その相補性決定領域(「CDR」)で生成される多様性を通じて、その並外れた特異性を達成する。IgG抗体結合表面は、可変軽鎖ドメインからの3つのCDRと対形成した可変重鎖からの3つのCDRから構成される。それぞれのCDRは、約12個のアミノ酸残基のループから構成され、その構造が、ナノモルの親和性で標的表面に結合する(Laune,et.al.,J.Biol.Chem 272:30937−30944(1997)、Monnet,et al.,J.Biol.Chem 274:3789−3796(1999))。よって、抗体は、約1200〜3000Åの略平面にわたる複数の弱い相互作用を組み合わせることにより、その特異性を達成する。モノクローナル抗体は、ほとんどのタンパク質に対して容易に生成することができ、人工抗体は、生体外ファージまたは細菌系を使用してスクリーニングすることができる(Mehren et al.,Ann Rev.Med.54:343−69(2003))。マウスモノクローナル抗体を「ヒト化」して、望ましくないヒト抗マウス抗体の発生を減少させることができる。モノクローナル抗体の使用の制約には、抗イディオタイプ抗体の産生、無秩序な腫瘍脈管構造、腫瘍内の静水圧の上昇、および腫瘍内の表面抗原の異種性が含まれる。これらの障害のために、IgG抗体が腫瘍内に1mm移動するために2日、1cm移動するために7〜8ヶ月を要する(Mehren et al.,Ann Rev.Med.54:343−69(2003))。scFvおよびAffibodyを含む、IgGモチーフのより小型の変形物が設計されており(Eliasson,M.et al.,J Immunol 142(2):575−581(1989)、Gunneriusson,E.et al.,J Bacteriol 178(5):1341−1346(1996)、Nord,K.et al.,Nat Biotechnol 15(8):772−777(1997))、これらは、浸透時間を約半分に短縮することによって、腫瘍浸透を改善している。
【0008】
抗体は、いずれの人工的に合成された療法よりも、密接な結合および高度の特異性を達成することができる。それにもかかわらず、抗体療法は、腫瘍の表面上、または循環する標的上にある、タンパク質間相互作用またはタンパク質受容体活性の妨害に限定され、経口摂取ができず、細胞内タンパク質シグナル伝達を阻害するその並外れた特異性を使用することができない。
【0009】
その対極にあるのが、小分子薬である。これらは、経口的に活性であり、細胞膜を横断して拡散するために十分に小さく(通常分子量<750を有する)、あらゆる酵素がそれらの基質に結合するために使用する小さな結合ポケットの中に密接に結合する(あるいは、細胞プロセスにおいて使用される巨大分子機構を妨害する)、利点を有する(Landry,Y.,et al.,Fundam Clin Pharmacol 22(1):1−18(2008)、Duarte,C.D.,et al.,Mini Rev Med Chem 7(11):1108−1119(2007)、Amyes,T.L.,et al.,ACS Chem Biol 2(11):711−714(2007))。近年、コンビナトリアルケミストリーの分野では、特定のタンパク質標的に結合して阻害するリード分子を同定する化学者の能力が大きく向上している(Dolle,et al.,J.Combinatorial Chem.6(5):597−635(2005))。
【0010】
よって、現在の薬物設計および薬物療法のアプローチは、細胞内タンパク質間相互作用、またはタンパク質シグナル伝達を妨害する薬物を見出す、差し迫った必要性に対処していない。抗体は、密接に関連するタンパク質表面を識別するために必要な特異性を有するが、それでもなお経口摂取、または細胞に進入するには大きすぎる。経口的に活性な調合薬は、小さすぎて(すなわち、750未満の分子量を有する)、タンパク質間の表面相互作用(略平面で、1200〜3000Åを超える)を中断させることができない。
【0011】
広範囲にわたって結合する小分子薬を同定する試みは、少なくとも1つの小さな結合部位を有する従来の標的にほとんど限定されている。1つのアプローチは、(i)それぞれの分子が共通の化学結合基を有する一連の潜在的結合要素の調製、(ii)標的酵素を弱くであっても阻害する全ての結合要素の同定、(iii)共通の化学結合基および一連の可動性リンカーによって接続される、全ての有力な結合要素のコンビナトリアルライブラリーの調製、(iv)最も密接に結合する化合物薬剤を同定するためのコンビナトリアルライブラリーのスクリーニングに基づく。本アプローチを使用して、c−Srcチロシンキナーゼの小分子阻害剤(Maly,et.al.,Proc.Nat’l Acad.Sci.USA 97:2419−2424(2000))、ならびにチロシルタンパク質スルホトランスフェラーゼ(Kehoe,et al.,BioOrg & Medicinal Chem Lett.12:329−332(2002))が同定されている。本アプローチの欠陥の1つは、初期スクリーニングでは主に初期ポケット内に結合する分子が見つけられるが、最終産物は、両方の要素を高い親和性で結合させる必要があることである。よって、上記アプローチの成功は、初期スクリーニングで同定された要素のうちの1つの代替の偶発的な結合の結果としてであった。第2の不利点は、潜在的なコンビナトリアルライブラリー要素のそれぞれを個別にスクリーニングする必要性である。
【0012】
リガンドと接続部との種々の組み合わせを個別に試験する制約を克服するために、Lehnおよび共働者は、創薬のための新たな手段として、動的コンビナトリアルケミストリー(「DCC」)を開発した(Lehn,et.al.,Science 291:2331−2332(2001)、Ramstrom,et.al.,Nat.Rev.Drug Discovery 1:26−36(2002))。このアプローチでは、潜在的リガンド分子が、異なる二官能性の接続部分子への可逆的付加体を形成し、これらの相互接続が連続的に相互に交換される。酵素標的が付加されると、最も良好に結合したライブラリー構成物があらゆる組み合わせの中から選択され、活性種の同定を可能にする。16個のヒドラジド、2個のモノアルデヒド、および3個のジアルデヒドを使用して、二官能性枯草菌HPrキナーゼ/ホスファターゼに対して、440の異なる組み合わせが形成され、選択された(Bunyapaiboonsri,et.al.,J.Med.Chem.46:5803−5811(2003))。特定のライブラリーメンバーの合成および空間的同定における改善は、樹脂結合DCCアプローチを使用して達成される(McNaughton,et.al.,Organic Letters 8:1803−1806(2006))。
【0013】
自己集合化学物質(ESAC)ライブラリーをコードするためにDNAを使用することによって、動的コンビナトリアルケミストリーでの創薬の可能性が拡大された(Melkko et al.,Nature Biotech,22:568−574(2004))。それらのDNA鎖は、標準的インキュベーション条件下で相互の可逆的結合を可能にするために部分的に相補的であり、リガンド要素を同定するためのバーコードも含有する。DCCを用いて最も密接に結合する組み合わせを選択し、DNAコードに基づいてリガンドを同定した後、そのリガンドを種々のスペーサーを用いて再合成し、最も密接に結合する連結の組み合わせを同定する。このアプローチは、ナノモルの親和性で血清アルブミン、炭酸脱水酵素、ストレプトアビジン、およびトリプシンにそれぞれ結合する分子を見出すために使用された(Melkko et al.,Nature Biotech,22:568−574(2004)、Dumelin et al.,Bioconjugate Chem.17:366−370(2006)、Melkko et al.,Angew.Chem.46:4671−4674(2007))。このアプローチの1つの不利点は、動的コンビナトリアルケミストリーの要素として二本鎖DNAを使用することによって導入される、約15.4オングストロームの広いフットプリントであり、相当な距離でリガンドを隔て、密接な結合親和性を再確立するためにより高分子量の連結を必要とする。
【0014】
標的酵素内の小さな結合ポケット内での標準的小分子薬の結合の逆転で、大環状バンコマイシンは、トリペプチドを囲む二量体を形成することによってそのL−Lys−D−Ala−D−Alaトリペプチド標的に結合する。バンコマイシンおよびバンコマイシン類自体二量体のコンビナトリアル合成を加速させるために実際の標的を使用することによって、より密接な親和性および一部のバンコマイシン耐性菌種に対抗する生体外活性を有する連結された二量体が単離された(Nicolaou et al.,Angew.Chem.39:3823−3828(2000))。これらの誘導体が、それらが高分子量であること、およびジスルフィド二量体が血流内で単量体に還元される可能性から、経口的に活性である可能性は低い。
【0015】
多くの受容体(例えば、エリスロポエチン受容体)は、リガンド誘発性ホモ二量体形成によって活性化され、これが内部細胞シグナルをもたらす。二官能性または多官能性接続部を使用してリガンド分子を結合し、二量体、三量体、および四量体ライブラリーを形成することによって、受容体ホモ二量体形成を補助した多数の小分子アゴニストを単離することができる(Goldberg et.al.,J.Am.Chem.Sec.124:544−555(2002))。これらの分子は、サイトカインおよびケモカインの天然の活性を模倣する様式で、タンパク質間相互作用に影響を及ぼす多重リガンド薬の能力を示す。
【0016】
Sharplessおよび共働者は、構成物である化学結合基が相互に密接に接近させられた時に容易に生じる反応を同定し、「クリックケミストリー」と称した(Kolb,et.al.,Drug Discovery Today 8:1128−1137(2003))。これらの反応基に接続される種々のリガンドを付加し(1つのセットのリガンド上のアジドおよび他のリガンド上のアセチレン等)、酵素標的の存在下でこれらのライブラリー化合物を溶液中で結合させることにより、例えば、アセチルコリンエステラーゼまたはHIVプロテアーゼに対する高度に強力な阻害剤が形成される(Kolb et.al.,Drug Discovery Today,8:1128−1137(2003)、Brik et.al.,Chem.BioChem 4:1246−1248(2003)、Whiting,et.al.,Angew.Chem.Int.Ed.45:1435−1439(2006)、Lewis et.al.,Angew Chem 41:1053−1057(1002)、Bourne et.al.,Proc.Nat’l Acad.Sci.USA 101:1449−1454(2004))。要するに、標的酵素は、それ自身の阻害剤の近位連結に対する触媒として作用する。このアプローチの利点は、単一ステップで最も良好に結合する化合物を濃縮することである。
【0017】
タンパク質上の標的部位に弱く結合する低分子量のリガンドを見出すための簡明なアプローチが、Wellsおよび共働者によって開発された(Erlanson et.al.,Proc.Nat’l Acad.Sci.USA 97:9367−9372(2000)、Thanos,et.al.,J.Am.Chem.Sco.125:15280−15281(2003)、Erlanson et.al.,Nature Biotechnology 21:308−314(2003)、Buck et.al.,Proc.Nat’l Acad.Sci.USA 102:2719−2724(2005))。タンパク質中の未変性または操作されたシステインを、ジスルフィド含有分子の小ライブラリーと可逆的に反応させる。動的コンビナトリアルケミストリーのプロセスが生じ、最も安定した分子がタンパク質標的の表面上で濃縮される。ついで、これらの分子を質量分光分析によって容易に分析することができ、さらなる修飾のためのリード化合物としての役割を果たす。
【0018】
動的コンビナトリアルケミストリーまたは「クリック」ケミストリーは、適切な結合リガンドの組み合わせの収率を増加させるが、依然として酵素アッセイを必要とする。これらのアプローチの不利点は、それらが1つ以上の深い結合ポケットを有する酵素に限定され、これには、少なくとも1つの潜在的リガンドの知識がしばしば必要とされることである。さらに、開始ブロックが容易に入手可能ではなく、試験される各多様性要素(diversity element)またはリガンドについて独立した合成が必要とされる。クリックケミストリーに使用される化学結合基は、細胞内の構成成分と容易にかつ不可逆的に反応するため、生体内での使用に好適ではない。反応は、酵素によって選択された阻害剤が、正確な産物の精製および同定を可能にするために、十分な量で合成されるように、十分効率的かつ十分に大きな規模で生じる必要がある。この最後の制約が、単一アッセイでのスクリーニングが可能であるリガンドの数を制限し、これらのアプローチの処理量を制限している。
【0019】
いくつかのグループは、大環状分子が、標的内の広範な結合モチーフを認識する機会を提供することに気付いた。これらのうちのいくつかは、従来の750のカットオフを超える分子量を有するにもかかわらず、経口的に活性である。これらには、シクロスポリン(分子量1202.64)、ラパマイシン(分子量914.2)、タクロリムス(分子量822.03)、エリスロマイシン(分子量733.94)、アジスロマイシン(分子量748.88)、およびクラリスロマイシン(分子量747.9)が含まれる。バンコマイシン(分子量1485.74)は、胃腸感染症の治療に経口使用されるが、体内には吸収されないことに留意されたい。上に列記した群の中で最も大きなものがシクロスポリンであり、これらの薬物に共通するいくつかの特徴を示す。それらの周期性によって結合時のエントロピー損失が減少し、その拡張構造によって、結合の促進が可能になる。シクロスポリンはドーナツ状の可動性を有し、それがその極性側鎖を内部に持ち込むことを可能にするため、外側は無極性であり、これにより、膜を横断する移動が可能になる。さらに、この薬物は、その極性のある配座異性体と構造的均衡にあり、その標的への結合が可能になる。
【0020】
大環状分子および合成ペプチド模倣薬がリード薬物候補に対していかに有望であっても、合成化学を使用して、標的タンパク質の拡張した結合部位に高い親和性で結合するために必要とされる十分な多様性を生成することは、たやすいことではない。2つのグループが、進化的選択とともにDNAによるコード化アプローチを使用して、この課題への対処を模索している。最初のアプローチでは、複数のジップコードを含む長いDNAバーコード配列に官能基を付着する(Halpin,D.R.et al.,PLoS Biol 2(7):E173(2004)、Halpin,D.R.et al.,PLoS Biol 2(7):E174(2004)、Halpin,D.R.et al.,PLoS Biol 2(7):E175(2004))。その分子を、相補的なジップコード配列を有するビーズを含有する、一連のカラム(例えば、10個のカラム)と平衡させる。DNAハイブリッド形成により、自身のDNAタグ上に相補的なジップコード配列を含有するライブラリーメンバーを捕獲する。このライブラリーメンバーを別個の新しいチャンバに溶出し、所与のジップコードに対応する二官能性部分(例えば、保護されたアミノ酸残基)と反応させる。次いで、ライブラリーメンバーを再度プールし、その後、次の一連のカラムに送る。このプロセスを数ラウンド繰り返して、10のペンタペプチドを生成した。わずか2ラウンドの翻訳、ペンタペプチドであるエンケファリンに対する抗体を用いた選択、および増幅後、ライブラリーは、エンケファリンおよびわずかな変異体に収束した。このアプローチの可能性のある不利点は、200以上の塩基のDNA暗号化鎖が必要であることである。2つ目のアプローチでは、隣接するジップコード配列を含有するDNAテンプレート配列に、二官能性基を付着させる(Calderone,C.T.et al.,Angew Chem Int Ed Engl 44(45):7383−7386(2005)、Sakurai,K.et al.,J Am Chem Soc 127(6):1660−1661(2005))。そのDNA配列は、DNAタグ上の二官能性基の一端に二官能性部分を付加するためのテンプレートとして機能する。それぞれの二官能性部分(例えば、保護されたアミノ酸残基)を相補的なジップコードDNA分子に付着させ、これが、元の二官能性基を含有するDNAテンプレート上でハイブリッド形成する。このハイブリッド形成によって、反応物の局所濃度が、合成を非常に高収率に推進し得る程度まで上昇する。この方法は、スプリット−プール法を必要としない。10個ずつ4セットの二官能性部分が付加される場合、これによって、ライブラリーに10,000個の多様性要素がもたらされる。合成の最後に、最後のアミノ酸残基を元の二官能性基のもう一方の末端と反応させて、環状の多様性要素を生じさせることができる。このバージョンでは、多様性要素が何であるかは、DNAテンプレートのジップコード配列によって定義される。これは、PCR増幅および配列決定によって同定することができる。さらに、PCRアンプリコンは、新しいラウンドの翻訳、選択、および増幅のための開始テンプレートとしての役割を果たすことができ、高親和性の結合要素を合成するための進化的原理の適用を可能にする。しかしながら、上記2つのアプローチによって合成される多様性要素の程度は、依然として、抗体分子からの単一CDRループのみによって達成される多様性および親和性よりも数桁低い。
【0021】
いくつかのグループは、互いに相互作用するか、または他の小分子標的を取り囲む小分子の能力について調べ、これらは「ゲストー宿主」相互作用または人工受容体として知られている。しかしながら、これらの化合物は、その分子量が十分に低くはないか、非生理的条件下で相互作用するか、または他の細胞内分子と反応しすぎるため、好適ではない。
【0022】
人工受容体を設計する一般的なアプローチは、2本のアームが同一方向(ピンセットと類似の)を指すように、配座固定されたリンカーによって連結される2本のアームから構成される「分子ピンセット」を構築することである。これらの「宿主」構造は、しばしば色素を用いて、またはビーズ上に設計され、次いで、やはり色素を用いて、またはビーズ上のいずれかで、最も頻繁にはトリペプチドである「ゲスト」の結合についてスクリーニングする。(Shao et.al.,J Org.Chem 61:6086−6087(1996)、Still et.al.,Acc.Chem.Res.29:155−163(1996)、Cheng,et.al.,J.Am.Chem.Soc.118:1813−1814(1996)、Jensen et.al.,Chem.Eur.J.8:1300−1309(2002))。この主題の変形例では、このペプチドの結合が、宿主のポケットから消光された蛍光基を変位させ、これによって結合時に蛍光シグナルが生じる(Chen,et.al.,Science 279:851−853(1998)、Iorio et.al.,Bioorganic & Medicinal Chem Lett.11:1635:1638(2001))。トリペプチドアームを有する強固なジケトピペラジン主鎖受容体は、密接な結合、ならびに主鎖における小さな構造的変化がその結合をいかに顕著に低減するか、の両方を示している(Wennemers et al.,Chem.Eur.J.7:3342−3347(2001)、Conza et.al.,J.Org.Chem.67:2696−2698(2002)、Wennemers et al.,Chem.Eur.J.9:442−448(2003))。L−Lys−D−Ala−D−Alaトリペプチドゲストのバンコマイシン結合を模倣するために、非対称のピンセットおよび1本のアームの受容体宿主が設計されている(Shepard et al.,Chem.Eur.J.12:713−720(2006)、Schmuck et al.,Chem.Eur.J.12:1339−1348(2006))。他の宿主−ゲスト系には、ナフタレンで間隙を置いたピンセットおよびシアノベンゼン誘導体が含まれる(Schaller et al.,J.Am.Chem.Soc.129:1293−1303(2007))。上記の例の一部では、選択は有機溶媒中で行われ、全ての場合において、構成要素のうちの少なくとも1つは、400を超える、およびしばしば800を超える分子量を有する。よって、これらの例は、リード分子として好適ではないだろう。
【0023】
低分子量の親和性結合剤を設計する別のアプローチは、ファージディスプレイ法の使用である。このアプローチは、蛍光色素に結合する9〜13merのペプチドを見出すために使用されたが、ファージタンパク質の状況外で再合成された時には、これらのうち1つのみが、色素に結合するのに十分な親和性を保持した(Rozinov et.al.,Chemistry & Biology 5:713−728(1998)、Marks,et.al.,Chemistry & Biology 11:347−356(2004))。他のグループは、ファージディスプレイ法を使用して、ビオチン(Saggio et.al.,Biochem.J.293:613−616(1993))、カンプトテシン(Takakusagi et al.,Bioorganic & Medicinal Chem Lett.15:4850−4853(2005))、ならびにドキソルビシンおよび他の疎水性抗癌剤(Popkov et al,Eur.J.Biochem.251:155−163(1998))に結合する8〜12merの合成ペプチドを設計した。これらの全ての場合において、蛍光色素または同様に疎水性のゲスト部分は、疎水性アミノ酸から成るポケットによって適所に維持され、次いで、さらなる残基がさらなる安定性を提供し得る。該ペプチドは、約900〜約1500の範囲の分子量を有するため大きすぎ、リード分子として好適ではない。
【0024】
よって、生理的条件下で相互に良好な親和性で会合する新規小分子を設計する必要がある。本発明は、当該技術分野におけるこの欠落の克服を対象とする。
【発明の概要】
【0025】
本発明の一態様は、治療的化合物の調製に有用な単量体を対象とする。この単量体は、300μM未満の解離定数で標的分子に結合し得る多様性要素と、直接的にまたは接続部を介して間接的に多様性要素に接続されるリンカー要素とを含む。リンカー要素は、500ダルトン未満の分子量を有し、生理的条件下で、補因子とともに、又は補因子なしで、300μM未満の解離定数で、前記リンカー要素の結合パートナーと可逆的な共有結合または非共有結合性の相互作用を形成することができる。
【0026】
本発明の別の態様は、治療的多量体前駆体に関連する。治療的多量体前駆体は、共有結合的または非共有結合的に結合した複数の単量体を含む。各単量体は、300μM未満の解離定数で標的分子に結合し得る多様性要素と、リンカー要素と、コード要素(encoding element)とを含む。リンカー要素は、500ダルトン未満の分子量を有し、生理的条件下で、補因子とともに、又は補因子なしで、300μM未満の解離定数で、前記リンカー要素の結合パートナーと可逆的な共有結合または非共有結合性の密接な相互作用を形成することができる。各単量体の多様性要素およびリンカー要素は、直接的にまたは接続部を介して間接的に接続され、複数の単量体は、それらのリンカー要素を介して共有結合するかまたは非共有結合的に結合する。複数の単量体の多様性要素は、標的分子の近接した位置に結合する。
【0027】
本発明のまたさらなる実施形態は、ある条件に関連する標的分子に結合する、治療的化合物前駆体をスクリーニングする方法を対象とする。本方法は、複数の単量体を提供することを含む。各単量体は、300μM未満の解離定数で標的分子に結合し得る多様性要素と、生理的条件下で、補因子とともに、又は補因子なしで、リンカー要素の結合パートナーと可逆的な共有結合または非共有結合性の相互作用を形成することができる、リンカー要素とを含む。リンカーは、500ダルトン未満の分子量を有する。各単量体の多様性要素および前記リンカー要素は、直接的にまたは接続部を介して間接的に連結される。複数の単量体は、標的分子に結合することができる多様性要素が、かかる結合を生じるのに有効な条件下で、標的分子に接触する。次いで、単量体は、接触させるステップの前、後、または最中のいずれかに、異なる単量体のリンカー要素が、共有結合または非共有結合性の相互作用を生じて、治療的多量体前駆体を形成するのに有効な反応条件に供される。次いで、それぞれの治療的多量体前駆体を形成する単量体が同定される。
【0028】
本発明の別の実施形態は、相互に結合することができるリンカー要素のスクリーニング方法に関与する。本方法は、第1および第2のセットの単量体を提供することを含む。第1のセットの単量体のそれぞれが、500ダルトン未満の分子量を有し、生理的条件下で、補因子とともに、又は補因子なしで、前記リンカー要素の結合パートナーと可逆的な共有結合または非共有結合性の相互作用を形成することができる、リンカー要素と、スルフヒドリル基とを含む。第1のセットの単量体の各単量体の、リンカー要素(補因子を伴い、または伴わず)およびスルフヒドリル基は、共に連結される。第2のセットの単量体のそれぞれは、生理的条件下で、リンカー要素の結合パートナーと可逆的な共有結合または可逆的な非共有結合を形成することができるリンカー要素と、コード化ビーズ(encoded bead)と、スルフヒドリル基とを含む。第2のセットの単量体の各単量体のリンカー要素、コード化ビーズ、およびスルフヒドリル基は、共に連結される。第1および第2のセットの単量体は、生理的条件下で、相互に接触し、その結果、第1のセットの単量体からの単量体と第2のセット単量体からの単量体とが結合して、それらのスルフヒドリル基から形成されたジスルフィド結合、および可能性として、それらのリンカー要素間の共有結合または非共有結合性の相互作用によって結合される、多量体を形成する。次いで、第1および第2のセットの単量体の単量体からのリンカー要素が、共有結合するかまたは非共有結合的に結合している二量体を、候補多量体として同定する。次いで、共有結合するかまたは非共有結合的に連結される第1および第2の単量体からのリンカー要素を、候補多量体として同定する。
【0029】
本発明のさらなる実施形態は、共有結合的または非共有結合的に結合した複数の単量体を含む、治療的多量体に関連する。各単量体は、300μM未満の解離定数で標的分子に結合する多様性要素と、500ダルトン未満の分子量を有し、生理的条件下で、補因子とともに、又は補因子なしで、300μM未満の解離定数で、リンカー要素の結合パートナーと可逆的な共有結合または非共有結合性の密接な相互作用を形成することができる、リンカー要素とを含む。多様性要素およびリンカー要素は、各単量体について、直接的にまたは接続部を介して間接的に連結される。複数の単量体は、それらのリンカー要素を介して共有結合するかまたは非共有結合的に結合し、複数の単量体の多様性要素が、標的分子の近接した位置に結合する。
【0030】
本発明の別の実施形態は、結合して治療的多量体を形成することができる、複数の治療的単量体に関する。各単量体は、標的分子に結合する多様性要素と、500ダルトン未満の分子量を有し、生理的条件下で、補因子とともに、又は補因子なしで、300μM未満の解離定数で、リンカー要素の結合パートナーと共有結合または非共有結合性の密接な相互作用を形成することができる、リンカー要素とを含む。300μM未満の解離定数を有する多様性要素と、リンカー要素とは、各単量体について、直接的にまたは接続部を介して間接的に接続される。複数の単量体は、それらのリンカー要素を介して共有結合するかまたは非共有結合的に結合することができ、複数の単量体の多様性要素が、標的分子の近接した位置に結合する。
【0031】
本発明のリンカー要素は、生体内において、相互とのみ会合し、細胞内の構成成分とは反応しない小分子である。各リンカー要素は、種々のリガンドおよび個々のDNA暗号化要素を導入するための付着点を有する。それらは「クリックケミストリー」およびDNAテンプレート合成に適合する。リンカー要素間の会合は可逆的であり、動的コンビナトリアルケミストリーによる最良のリガンドの選択を可能にする。リンカー要素は、複数の小リガンドの生体内集合を可能にし、最高約4800までの分子量を有する構造を産生し、タンパク質間相互作用を中断させ得る。
【0032】
本発明のリンカー要素は、タンパク質間シグナル伝達を調整または阻害する可能性を有する。リンカー要素−リガンド二量体および多量体の結合サイズは、増加した選択性および減少した毒性を伴って、タンパク質表面と相互作用するのに十分な表面積を提供する。定向進化によって、親和性をナノモル以下の範囲に推進する可能性を持つ、最も密接に結合するリード化合物が選択される。
【0033】
本発明は、生体内で集合する新規クラスの薬物分子(本明細書においてコフェロンと称される)を対象とする。コフェロン単量体は、標的に結合する多様性要素またはリガンドと、本明細書においてリンカー要素と称される動的コンビナトリアルケミストリー要素とから成る。1つのコフェロン単量体のリンカー要素は、別のコフェロン単量体のリンカー要素と生体内で可逆的に結合して、コフェロン二量体を形成することができる。場合によっては、相互に結合するリンカー要素は、本質的に不可逆的であり得る。さらなる場合には、リンカー要素は、補因子の補助により相互に結合する。他の場合には、リンカー要素は前駆体型であり、身体または細胞に進入した際に活性化される。リンカー要素は、疎水性、極性、イオン、水素結合、および/または可逆的な共有結合性の相互作用を介して相互に結合する。標的の存在下、1つのコフェロン単量体の多様性要素と標的タンパク質との間、第2のコフェロン単量体の多様性要素と標的タンパク質との間、ならびにその2つのコフェロンの互いの間の、複数の(弱い)相互作用の組み合わせは、組み合わさって、標的に高度に特異的に結合するコフェロン二量体の密接な結合を産生する。この概念を拡大して、多量体コフェロンおよび多量体標的を含めることができる。
【0034】
コフェロン単量体は、可逆的様式で集合するため、動的コンビナトリアルケミストリーによる選択の原理を使用して、それぞれの標的に対して最良のリガンドを生体外で同定することができる。例えば10の多様性要素を有する2つのコフェロンライブラリーを組み合わせることにより、同時に10の組み合わせをスクリーニングする機会が提供される。合成、選択、および増幅戦略の反復使用により、ナノモル、およびさらにはナノモル以下の結合親和性を有するコフェロン二量体の進化的選択が可能になる。リンカー要素二量体の結合サイズは、広範に結合するタンパク質表面との相互作用に十分な表面積を提供する。それにもかかわらず、標的上のコフェロンの集合は、複数の相加的相互作用に依存するため、誤ったタンパク質への偽結合はまれであり(そしてそれに反して選択することができ)、そのため、かかる薬物は、オフターゲットの毒性が最小限であるか、または全く有しないはずである。また、多様性要素を含有する環状ペプチドおよびペプチド類似体の使用によって、極性のある配座異性体と無極性の配座異性体との間での切り替えが可能になり、膜を横断する輸送が容易になる。コフェロン単量体は、1000未満の分子量を有するように設計することができ、同等の特異性を提供しながら、それらが経口的に活性であり、腫瘍内深部に浸透し、膜障壁を横断して、細胞内に進入することを可能にし、これは抗体を超える重要な利点である。
【0035】
リンカー要素の鍵は、生体内で良好な親和性で相互に会合し、好ましくは生体内で相互にのみ会合する小分子(好ましくは45〜450ダルトンの範囲内の分子量を有する)の同定である。それらは細胞内の構成成分とは反応するべきではない。以下に記載するより高度なリンカー要素は、生理的条件下で相互に結合する際に、可逆的な共有結合の形成の触媒を助ける。種々のコフェロン設計は、薬物内で使用される最終的なコフェロンの構造から、多様性要素であるリガンドのスクリーニングプロセスを切り離すことによって拡大することができる。これによって、結合が本質的に不可逆的である、最終薬物中のリンカー要素の使用が可能になる。本質的に不可逆的なリンカー要素は、概して、標的の存在下または不在下のいずれかで、ゆっくりと、またはさらには非常にゆっくりと会合することができるリンカー要素であるが、これに限定されない。しかしながら、かかるリンカー要素は、一旦形成されると、本質的に解離しない。
【0036】
2つのリンカー要素間のそれぞれ個々の結合は可逆的であり得るが、双方の結合が確立されると、1つの結合の逆転は、依然として2つの反応物をそのような極めて近接に維持するため、それらは事実上再び結合を再形成する。特定のリンカー要素は、ある条件下(スクリーニング中に使用された)では可逆的であるが、他の条件下、例えば、最終的な薬物中で製剤化された時には、なお本質的に不可逆的であり得る。製剤化中、あるいは体内で標的細胞に進入する前に不可逆的に結合する可能性を有するこれらのリンカー要素については、反応基を保護して、非反応性にすることができる。標的細胞への進入時に、細胞内グルタチオンによるチオールへのジスルフィド還元、酵素的切断(すなわち、エステラーゼ)、またはpHの変更(進入がエンドソームを介してであるか、またはリンカー要素がリソソームコンパートメントに進入する場合)等の細胞プロセスによって、あるいは単に血流中への希釈時の可逆的な解離(すなわち、反応性ボロナート基の可逆的アルコール保護)によって、保護基を除去することができる。動的コンビナトリアルケミストリー(DCC)によるスクリーニング条件下で本質的に不可逆的であるリンカー要素は、本明細書に記載され、「循環式コンビナトリアルケミストリー」(C3)スクリーニングと称される、アプローチを使用して、可逆的にすることができる。
【0037】
コフェロンのサブカテゴリーは、二量体としてそれらの標的に結合するものと、多量体として作用するものとに分割される。一部のコフェロンは、2つの二量体をヘッドトゥヘッドの様式でまとめて、四量体またはさらに高次のコフェロン多量体を形成するように、容易に修飾することができる。
[本発明1001]
以下を含む、治療的化合物の調製において有用な単量体:
300μM未満の解離定数で標的分子に結合し得る多様性要素(diversity element)、および
500ダルトン未満の分子量を有するリンカー要素であって、前記リンカー要素が、直接的にまたは接続部を介して間接的に前記多様性要素に接続し、かつ生理的条件下で、補因子とともに、または補因子なしで、300μM未満の解離定数で、自身の結合パートナーと可逆的な共有結合または非共有結合性の相互作用を形成することができる、リンカー要素。
[本発明1002]
前記多様性要素が、100nM〜100μMの解離定数で前記標的分子に結合する、本発明1001の単量体。
[本発明1003]
前記リンカー要素が、補因子とともに、または補因子なしで、100nM〜100μMの解離定数を有する、本発明1001の単量体。
[本発明1004]
前記リンカー要素が、45ダルトン〜450ダルトンの分子量を有する、本発明1001の単量体。
[本発明1005]
コード要素(encoding element)をさらに含む単量体であって、前記多様性要素、前記リンカー要素、および前記コード要素が連結している、本発明1001の単量体。
[本発明1006]
前記コード要素が、オリゴヌクレオチドである、本発明1005の単量体。
[本発明1007]
前記コード要素が、標識されたビーズまたは固体支持体である、本発明1005の単量体。
[本発明1008]
前記コード要素が、1つまたは複数のオリゴヌクレオチドである、本発明1007の単量体。
[本発明1009]
前記オリゴヌクレオチドが、約20塩基の共通配列Cに隣接する約20塩基の固有配列に隣接する約15塩基の共通配列Bに隣接する約20塩基の固有配列に隣接する約20塩基の共通配列Aを含む、本発明1008の単量体。
[本発明1010]
前記ビーズまたは固体支持体の有効表面の一部分上が官能化されている、本発明1009の単量体。
[本発明1011]
前記リンカー要素が、カルボニル基に対するα‐、β‐、またはγ‐ヒドロキシ基を有する脂肪族化合物であり、それによって前記リンカー要素およびその結合パートナーが、結合すると6または8員のジヘミアセタール環またはジヘミケタール環を形成する、単量体であって、前記リンカー要素が以下から構成される群より選択される、本発明1001の単量体:
[この文献は図面を表示できません]
式中、
破線と交差する線は、1つ以上の前記多様性要素が直接的にまたは接続部を介して式(I)の分子に連結することにより形成される1つ以上の結合を示し、前記位置に多様性要素が存在しない場合、−H、−OH、または−CH3基がその位置に存在し得る;
[この文献は図面を表示できません]
式中、
1=H、‐OH、−CH3、−F、−CF3、または別の電子求引性官能基であり、かつ
破線と交差する線は、前記多様性要素が直接的にまたは接続部を介して式(II)および式(III)の分子に連結することにより形成される結合を示す;
[この文献は図面を表示できません]
式中、
1=R3=−H、
[この文献は図面を表示できません]
であり、
2=R4=H、−OH、または−CH2OHであり、
破線と交差する線は、前記多様性要素が直接的にまたは接続部を介して式(IV)の分子に連結することにより形成される結合を示す;および
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式中、
1=R2=−H、−OH、−CH3、−F、または−CF3であり、
3=−H、−CH2NH、
[この文献は図面を表示できません]
であり、
破線と交差する線は、前記多様性要素が直接的にまたは接続部を介して式(V)または式(VI)の分子に連結することにより形成される結合を示す。
[本発明1012]
前記リンカー要素が、(i)ボロナート基、(ii)シス1,2−ジオール、または(iii)シス1,3ジオールのうちの1つ以上を有する、芳香族複素環もしくは芳香族非複素環化合物または脂肪族化合物であり、それによって前記リンカー要素およびその結合パートナーが、結合すると以下の式(B1)、(B2)、(B3)、または(B4)の5または6員のボロン酸エステル環を形成する、本発明1001の単量体:
[この文献は図面を表示できません]
式中、
Rは、‐H、‐CH3、または‐CF3を含む脂肪族基または脂環式基であり、
Qは、芳香族複素環または非複素環であり、
n=0〜3、m=1〜3およびp=1〜2であり、
破線と交差する線は、1つ以上の前記多様性要素が直接的にまたは接続部を介して式(B1)、(B2)、(B3)、および(B4)の分子に連結することにより形成される1つ以上の結合を示し、かつ前記位置に多様性要素が存在しない場合は、前記基は‐H、−OHまたは−CH3より選択されてもよい。
[本発明1013]
前記リンカー要素が、少なくとも1個のN原子をその環内に含有し、カルボキシレート基またはカルボニル基を前記N原子に対してオルト位に有する、芳香族複素環化合物であり、それによって前記リンカー要素およびその結合パートナーが、金属補因子の補助により結合し得、以下の式の、追加のヘミアセタール、ヘミケタール、またはボロナート結合を形成してもよい、本発明1001の単量体:
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式中、
R=H、B(OH)2
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(CH2OH、かつn=1〜3であり、
R=−CH(OH)−(CH2OH、かつm=1〜2であり、
破線と交差する線は、1つ以上の前記多様性要素が直接的にまたは接続部を介して式(Z1)の分子に連結することにより形成される1つ以上の結合を示す。
[本発明1014]
前記リンカー要素が、芳香族複素環化合物または非複素環化合物であり、それにより前記リンカー要素およびその多様性要素が結合すると、結合パートナーまたは前記リンカー要素の1つ以上の芳香環がスタッキングして、前記リンカー要素とその結合パートナーとの間に1つ以上の共有結合の形成を誘導する、単量体であって、前記リンカー要素が以下から構成される群より選択される、本発明1001の単量体:
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式中、
1=−H、−(CH2OH、−(CH2SH、B(OH)2であり、
n=0〜3であり、
2=R3
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であり、
m=0〜3であり、かつ
破線と交差する線は、前記多様性要素が直接的にまたは接続部を介して式(VII)および式(VIII)の分子に連結することにより形成される結合を示す;
[この文献は図面を表示できません]
式中、
1=−(CH2OH、−(CH2SH、
[この文献は図面を表示できません]
であり、
n=0〜3であり、かつ
破線と交差する線は、前記多様性要素が直接的にまたは接続部を介して式(X)、式(IX)、式(XI)、および式(XII)の分子に連結することにより形成される結合を示す。
[本発明1015]
前記リンカー要素が、インターカレーションまたは水素結合により、前記リンカー要素と自身の結合パートナーとの間に0個、1個、またはそれ以上の共有結合の形成が誘導されるように、前記結合パートナーのうちの1つ以上にインターカレートするかまたは水素結合する芳香族化合物である、単量体であって、前記リンカー要素が以下から構成される群より選択される、本発明1001の単量体:
[この文献は図面を表示できません]
式中、
Qは芳香族複素環または非複素環であり、前記環は、非限定的に、ベンゼン、ナフタレン、プリン、ピリミジン、トリアジンを含む、単独であるかまたは縮合しているかのいずれかである5または6員環を含み、
Pは、前記分子の極性を調整するために使用される芳香族基または脂肪族基であり、
[この文献は図面を表示できません]
n=1〜3であり、
破線と交差する線は、式(XIII)または(XIV)の分子の1つ以上の前記多様性要素が連結することにより形成される結合を示す。
[本発明1016]
前記リンカー要素が、一旦体内、細胞内、または細胞内コンパートメント内に入ると脱保護されるのに好適である、保護状態にある1つ以上の活性部分を有する、単量体であって、前記保護状態が、反応性チオール基のジスルフィド保護、反応性アルコール基のエステル保護、反応性アルデヒド基のヘミアセタール保護、反応性ケトン基のヘミケタール保護、および反応性ボロナート基のアルコール保護から構成される群より選択される、本発明1001の単量体。
[本発明1017]
共有結合的または非共有結合的に結合した複数の単量体を含む、治療的多量体前駆体であって、それぞれの単量体が以下を含む、治療的多量体前駆体:
300μM未満の解離定数で標的分子に結合し得る多様性要素、
500ダルトン未満の分子量を有し、かつ生理的条件下で、補因子とともに、または補因子なしで、300μM未満の解離定数で、自身の結合パートナーと可逆的な共有結合または非共有結合性の強固な相互作用を形成することができる、リンカー要素であって、それぞれの単量体の前記多様性要素および前記リンカー要素が、直接的にまたは接続部を介して間接的に接続し、かつ複数の前記単量体が、それらのリンカー要素を介して共有結合するかまたは非共有結合的に結合し、かつ前記複数の単量体の前記多様性要素が、前記標的分子中の近接した位置に結合する、リンカー要素、ならびに
コード要素であって、1つ以上の単量体について、前記多様性要素、前記リンカー要素、および前記コード要素が連結している、コード要素。
[本発明1018]
前記多量体が二量体である、本発明1017の治療的多量体前駆体。
[本発明1019]
前記結合した単量体のうちの1つ以上における前記コード要素が、オリゴヌクレオチドである、本発明1017の治療的多量体前駆体。
[本発明1020]
1つの単量体における前記コード要素が、標識されたビーズまたは固体支持体である、本発明1017の治療的多量体前駆体。
[本発明1021]
前記コード要素が、1つまたは複数のオリゴヌクレオチドである、本発明1020の治療的多量体前駆体。
[本発明1022]
前記オリゴヌクレオチドが、約20塩基の共通配列Cに隣接する約20塩基の固有配列に隣接する約15塩基の共通配列Bに隣接する約20塩基の固有配列に隣接する約20塩基の共通配列Aを含む、本発明1021の治療的多量体前駆体。
[本発明1023]
前記ビーズまたは固体支持体の有効表面の一部分上が官能化されている、本発明1022の治療的多量体前駆体。
[本発明1024]
前記リンカー要素が、カルボニル基に対するα‐、β‐、またはγ‐ヒドロキシ基を有する脂肪族化合物であり、それによって前記リンカー要素およびその結合パートナーが、結合すると6または8員のジヘミアセタール環またはジヘミケタール環を形成する、治療的多量体前駆体であって、前記単量体のうちの1つ以上について前記リンカー要素が、以下から構成される群より選択される、本発明1017の治療的多量体前駆体:
[この文献は図面を表示できません]
式中、
破線と交差する線は、1つ以上の前記多様性要素が直接的にまたは接続部を介して式(I)の分子に連結することにより形成される1つ以上の結合を示し、前記位置に多様性要素が存在しない場合、−H、−OH、または−CH3基がその位置に存在し得る;
[この文献は図面を表示できません]
式中、
1=H、−OH、−CH3、−F、−CF3、または他の電子求引性官能基であり、
破線と交差する線は、前記多様性要素が直接的にまたは接続部を介して式(II)および式(III)の分子に連結することにより形成される結合を示す;
[この文献は図面を表示できません]
式中、
[この文献は図面を表示できません]
2=R4=H、−OH、または−CH2OHであり、
破線と交差する線は、前記多様性要素が直接的にまたは接続部を介して式(IV)の分子に連結することにより形成される結合を示す;
[この文献は図面を表示できません]
式中、
1=R2=−H、−OH、−CH3、−F、または−CF3であり、
3=−H、−CH2NH2
[この文献は図面を表示できません]
であり、
破線と交差する線は、前記多様性要素が式(V)または式(VI)の分子に連結することにより形成される結合を示す。
[本発明1025]
前記複数の単量体のうちの1つ以上について前記リンカー要素が、(i)ボロナート基、(ii)シス1,2−ジオール、または(iii)シス1,3ジオールのうちの1つ以上を有する、芳香族複素環もしくは芳香族非複素環化合物または脂肪族化合物であり、それにより前記リンカー要素およびその結合パートナーが、結合すると以下の式(B1)、(B2)、(B3)、または(B4)の5または6員のボロン酸エステル環を形成する、本発明1017の治療的多量体前駆体:
[この文献は図面を表示できません]
式中、
Rは、−H、−CH3、または−CF3を含む脂肪族基または脂環式基であり、
Qは、芳香族複素環または非複素環であり、
n=0〜3、m=1〜3およびp=1〜2であり、
破線と交差する線は、1つ以上の前記多様性要素が直接的にまたは接続部を介して式(B1)、(B2)、(B3)、および(B4)の分子に連結することにより形成される1つ以上の結合を示し、かつ前記位置に多様性要素が存在しない場合は、前記基は、−H、−OHまたは−CH3から選択されてもよい。
[本発明1026]
前記複数の単量体のうちの1つ以上について前記リンカー要素が、少なくとも1個のN原子をその環内に含有し、カルボキシレート基またはカルボニル基を前記N原子に対してオルト位に有する、芳香族複素環化合物であり、それにより前記リンカー要素およびその結合パートナーが、金属補因子の補助により結合し得、以下の式の、追加のヘミアセタール、ヘミケタール、またはボロナート結合を形成してもよい、本発明1017の治療的多量体前駆体:
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式中、R=H、B(OH)2
[この文献は図面を表示できません]
(CH2OH、かつn=1〜3であり、
R=−CH(OH)−(CH2OH、かつm=1〜2であり、
破線と交差する線は、前記1つ以上の多様性要素が直接的にまたは接続部を介して式(Z1)の分子に連結することにより形成される1つ以上の結合を示す。
[本発明1027]
前記複数の単量体のうちの1つ以上について前記リンカー要素が、芳香族化合物であり、それにより前記リンカー要素およびその多様性要素が結合すると、結合パートナーまたは前記リンカー要素の1つ以上の芳香環がスタッキングして、前記リンカー要素と前記結合パートナーとの間に1つ以上の共有結合の形成を誘導する、治療的多量体前駆体であって、前記リンカー要素が以下から構成される群より選択される、本発明1017の治療的多量体前駆体:
[この文献は図面を表示できません]
式中、
1=−H、−(CH2OH、または−(CH2SHであり、
n=0〜3であり、
2=R3
[この文献は図面を表示できません]
であり、
m=0〜3であり、かつ
破線と交差する線は、前記多様性要素が直接的にまたは接続部を介して式(VII)または式(VIII)の分子に連結することにより形成される結合を示す;
[この文献は図面を表示できません]
式中、
1=−(CH2OH、−(CH2SH、または
[この文献は図面を表示できません]
であり、
n=0〜3であり、かつ
破線と交差する線は、前記多様性要素が直接的にまたは接続部を介して式(IX)、式(X)、式(XI)、および式(XIII)の分子に連結することにより形成される結合を示す。
[本発明1028]
前記リンカー要素が、インターカレーションまたは水素結合により、前記リンカー要素と前記結合パートナーとの間に0個、1個、またはそれ以上の共有結合の形成が誘導されるように、自身の結合パートナーのうちの1つ以上にインターカレートするかまたは水素結合する芳香族化合物である、治療的多量体前駆体であって、前記複数の単量体のうちの1つ以上について前記リンカー要素が、以下から構成される群より選択される、本発明1017の治療的多量体前駆体:
[この文献は図面を表示できません]
式中、
Qは芳香族複素環または非複素環であり、前記環は、非限定的に、ベンゼン、ナフタレン、プリン、ピリミジン、トリアジンを含む、単独であるかまたは縮合しているかのいずれかである5または6員環を含み、
Pは、前記分子の極性を調整するために使用される芳香族基または脂肪族基であり、
[この文献は図面を表示できません]
n=1〜3であり、
破線と交差する線は、式(XIII)および(XIV)の分子の1つ以上の前記多様性要素が連結することにより形成される結合を示す。
[本発明1029]
前記複数の単量体のうちの1つ以上について前記リンカー要素が、一旦体内、細胞内、または細胞内コンパートメント内に入ると脱保護されるのに好適である、保護状態にある1つ以上の活性部分を有する、治療的多量体前駆体であって、前記保護状態が、反応性チオール基のジスルフィド保護、反応性アルコール基のエステル保護、反応性アルデヒド基のヘミアセタール保護、反応性ケトン基のヘミケタール保護、および反応性ボロナート基のアルコール保護から構成される群より選択される、本発明1017の治療的多量体前駆体。
[本発明1030]
以下の工程を含む、症状に関連する標的分子に結合する治療的化合物前駆体をスクリーニングする方法:
複数の単量体を提供する工程であって、それぞれの単量体が、
300μM未満の解離定数で標的分子に結合し得る多様性要素、および
500ダルトン未満の分子量を有し、かつ、生理的条件下で、補因子とともに、または補因子なしで、自身の結合パートナーと可逆的な共有結合または非共有結合性の相互作用を形成することができる、リンカー要素
を含み、それぞれの単量体の前記多様性要素と前記リンカー要素とが、直接的にまたは接続部を介して間接的に連結する、工程;
前記標的分子に結合することができる多様性要素が、前記結合を行うのに有効な条件下で、前記複数の単量体を前記標的分子に接触させる工程;
異なる単量体の前記リンカー要素が、共有結合または非共有結合性の相互作用を行って、治療的多量体前駆体を形成するのに有効な反応条件に単量体を供する工程であって、前記供する工程が、前記接触させる工程の前、後、または最中に実行され得る、工程;ならびに
それぞれの治療的多量体前駆体を形成している前記単量体を同定する工程。
[本発明1031]
前記接触させる工程が、前記リンカー要素間に高い解離定数をもたらし、異なる多様性要素に接続されたリンカー要素の再会合を可能にする条件と、前記リンカー要素間に低い解離定数をもたらし、最も高い親和性を示す多様性要素を有する単量体が、前記標的に優先的に結合することを可能にする条件とを繰り返すことにより実行される、本発明1030の方法。
[本発明1032]
前記条件の繰り返しが、カチオンおよび水に対して透過性の膜を用いてpHまたは亜鉛濃度を増減させることにより達成される、本発明1031の方法。
[本発明1033]
前記単量体を同定する工程が、どの治療的多量体前駆体が前記標的分子に強固に結合しているかを決定することにより実行される、本発明1030の方法。
[本発明1034]
それぞれの単量体が、それぞれの単量体の前記多様性要素および前記リンカー要素に連結されたコード要素をさらに含み、前記同定する工程が、前記治療的多量体前駆体における前記コード要素を検出することにより実行される、本発明1030の方法。
[本発明1035]
前記コード要素が、オリゴヌクレオチドである、本発明1034の方法。
[本発明1036]
前記暗号化要素(encryption element)が、末端普遍的プライマー結合部位を含み、前記同定する工程が以下を含む、本発明1035の方法:
前記治療的多量体前駆体を普遍的プライマーに接触させて増幅混合物を形成すること;
前記増幅混合物をポリメラーゼ連鎖反応に供して増幅産物を形成すること;
前記増幅産物を同定すること;および
前記増幅産物と、前記治療的多量体前駆体を形成している前記単量体の前記オリゴヌクレオチドとを関連付けること。
[本発明1037]
前記複数の単量体を提供する工程と、前記複数の単量体を接触させる工程と、前記単量体を反応条件に供する工程と、前記単量体を同定する工程とを繰り返して、前記治療的多量体前駆体のうちのどれが前記標的分子に対して好適な結合親和性を有するかを決定する工程をさらに含む、本発明1036の方法。
[本発明1038]
前記コード要素が、標識されたビーズまたは固体支持体である、本発明1034の方法。
[本発明1039]
前記コード要素が、1つまたは複数のオリゴヌクレオチドである、本発明1038の方法。
[本発明1040]
前記オリゴヌクレオチドが、約20塩基の共通配列Cに隣接する約20塩基の固有配列に隣接する約15塩基の共通配列Bに隣接する約20塩基の固有配列に隣接する約20塩基の共通配列Aを含む、本発明1039の方法。
[本発明1041]
前記ビーズまたは固体支持体の有効表面の一部分上が官能化されている、本発明1040の方法。
[本発明1042]
前記複数の単量体を提供する工程と、前記単量体を接触させる工程と、前記単量体を供する工程と、前記単量体を同定する工程とを繰り返して、前記治療的多量体前駆体のうちのどれが前記標的分子に対して好適な結合親和性を有するかを決定する工程をさらに含む、本発明1030の方法。
[本発明1043]
前記同定する工程からもたらされる前記単量体を連結させることにより、治療的多量体を提供する工程;
前記症状を有する対象を選択する工程;および
前記症状を治療するのに有効な条件下で、前記選択された対象に前記治療的多量体を投与する工程
をさらに含む、本発明1030の方法。
[本発明1044]
前記同定する工程からもたらされる前記単量体を、治療的単量体として提供する工程;
前記症状を有する対象を選択する工程;および
前記症状を治療するのに有効な条件下で、前記選択された対象に前記治療的単量体を投与する工程
をさらに含む、本発明1030の方法。
[本発明1045]
以下の工程を含む、相互に結合することができるリンカー要素をスクリーニングする方法:
第1の単量体のセットを提供する工程であって、前記第1のセット中の前記単量体のそれぞれが、
500ダルトン未満の分子量を有し、かつ、生理的条件下で、補因子とともに、または補因子なしで、自身の結合パートナーと可逆的な共有結合または非共有結合性の相互作用を形成することができる、リンカー要素、および
スルフヒドリル基であって、前記第1の単量体のセットのそれぞれの単量体について前記リンカー要素と前記スルフヒドリル基とが連結している、スルフヒドリル基
を含む、工程;
第2の単量体のセットを提供する工程であって、前記第2のセット中の前記単量体のそれぞれが、
生理的条件下で、自身の結合パートナーと可逆的な共有結合または可逆的な非共有結合を形成することができる、リンカー要素、
コード化ビーズ(encoded bead)、および
スルフヒドリル基であって、前記第2の単量体のセットのそれぞれの単量体について前記リンカー要素、前記コード化ビーズ、および前記スルフヒドリル基が連結している、スルフヒドリル基
を含む、工程;
生理的条件下で、前記第1および第2のセットの単量体を相互に接触させる工程であって、それにより前記第1の単量体のセットからの単量体と前記第2の単量体のセットからの単量体が、結合して、それらのスルフヒドリル基から形成されたジスルフィド結合、および可能性として、それらのリンカー要素間の共有結合または非共有結合性の相互作用によって結合される多量体を形成する、工程;
前記第1および第2の単量体のセットの前記単量体からの前記リンカー要素が共有結合するかまたは非共有結合的に結合している二量体を、候補多量体として同定する工程;ならびに
前記候補多量体において、共有結合するかまたは非共有結合的に連結している前記第1および第2の単量体からの前記リンカー要素を同定する工程。
[本発明1046]
前記多量体を同定する工程が、どの多量体が、強固に結合する第1および第2の多量体を有するかを決定することにより実行される、本発明1045の方法。
[本発明1047]
前記同定されたリンカー要素を有する前記単量体に対して、前記第1のセットの単量体を提供する工程と、前記第2のセットの単量体を提供する工程と、前記接触させる工程と、前記二量体を同定する工程と、前記候補二量体において前記リンカー要素を同定する工程とを1回以上繰り返して、前記第1および第2のセットの単量体からのどの前記リンカー要素が好適な結合親和性を有するかを決定する工程
をさらに含む、本発明1045の方法。
[本発明1048]
前記第1および第2のセットの単量体が、コード要素をさらに含み、前記多様性要素、前記リンカー要素、および前記コード要素が連結している、本発明1045の方法。
[本発明1049]
前記コード要素が、オリゴヌクレオチドである、本発明1048の方法。
[本発明1050]
前記コード要素が、標識されたビーズである、本発明1048の方法。
[本発明1051]
以下を含む、治療的多量体:
複数の共有結合的または非共有結合的に結合した単量体であって、それぞれの単量体が、
300μM未満の解離定数で標的分子に結合する多様性要素、
500ダルトン未満の分子量を有し、かつ、生理的条件下で、補因子とともに、または補因子なしで、300μM未満の解離定数で、自身の結合パートナーと可逆的な共有結合または非共有結合性の強固な相互作用を形成することができるリンカー要素であって、それぞれの単量体について、前記多様性要素および前記リンカー要素が、直接的にまたは接続部を介して間接的に連結する、リンカー要素
を含み、前記複数の単量体が、それらのリンカー要素を介して共有結合するかまたは非共有結合的に結合し、かつ前記複数の単量体の前記多様性要素が、前記標的分子中の近接した位置に結合する、単量体。
[本発明1052]
前記多様性要素が、100nM〜100μMの解離定数で前記標的分子に結合し得る、本発明1051の治療的多量体。
[本発明1053]
前記多様性要素が、前記標的分子と可逆的な共有結合を形成することができる、本発明1052の治療的多量体。
[本発明1054]
前記可逆的な共有結合が、前記多様性要素上のカルボニルと前記標的分子上のアミンの間、前記多様性要素上のアミンと前記標的分子上のカルボニルの間、前記多様性要素上のボロナートと前記標的分子上のヒドロキシル基の間、または前記多様性要素上のスルフヒドリルと前記標的分子上のスルフヒドリルの間にある、本発明1053の治療的多量体。
[本発明1055]
前記リンカー要素が、補因子とともに、または補因子なしで、100nM〜100μMの解離定数を有する、本発明1051の治療的多量体。
[本発明1056]
前記リンカー要素が、解離定数または極性を調整するように化学的に修飾されて、細胞への取り込みを向上させる、本発明1055の治療的多量体。
[本発明1057]
前記リンカー要素が、45ダルトン〜450ダルトンの分子量を有する、本発明1051の治療的多量体。
[本発明1058]
前記リンカー要素が、カルボニル基に対するα‐、β‐、またはγ‐ヒドロキシ基を有する脂肪族化合物であり、それにより前記リンカー要素およびその結合パートナーが、結合すると6または8員のジヘミアセタール環またはジヘミケタール環を形成する、治療的多量体であって、前記複数の単量体のうちの1つ以上について前記リンカー要素が、以下から構成される群より選択される、本発明1051の治療的多量体:
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式中、
破線と交差する線は、1つ以上の前記多様性要素が直接的にまたは接続部を介して式(I)の分子に連結することにより形成される1つ以上の結合を示し、前記位置に多様性要素が存在しない場合、−H、−OH、または−CH3基がその位置に存在し得る;
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式中、
1=H、−OH、−CH3、−F、−CF3、または他の電子求引性官能基であり、かつ
破線と交差する線は、前記多様性要素が直接的にまたは接続部を介して式(II)および式(III)の分子に連結することにより形成される結合を示す;
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式中、
1=R3=−H、
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であり、
2=R4=H、−OH、または−CH2OHであり、
破線と交差する線は、前記多様性要素が直接的にまたは接続部を介して式(IV)の分子に連結することにより形成される結合を示す;および
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式中、
1=R2=−H、−OH、−CH3、−F、または−CF3であり、
3=−H、−CH2NH2
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であり、
破線と交差する線は、前記多様性要素が直接的にまたは接続部を介して式(V)または式(VI)の分子に連結することにより形成される結合を示す。
[本発明1059]
前記複数の単量体のうちの1つ以上について前記リンカー要素が、(i)ボロナート基、(ii)シス1,2−ジオール、または(iii)シス1,3ジオールのうちの1つ以上を有する、芳香族複素環もしくは芳香族非複素環化合物または脂肪族化合物であり、それによって前記リンカー要素およびその結合パートナーが、結合すると式(B1)、(B2)、(B3)、または(B4)の5または6員のボロン酸エステル環を形成する、本発明1051の治療的多量体:
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式中、
Rは、−H、−CH3、または−CF3を含む脂肪族基または脂環式基であり、
Qは、芳香族複素環または非複素環であり、
n=0〜3、m=1〜3およびp=1〜2であり、
破線と交差する線は、前記1つ以上の多様性要素が直接的にまたは接続部を介して式(B1)、(B2)、(B3)、および(B4)の分子に連結することにより形成される1つ以上の結合を示し、かつ前記位置に多様性要素が存在しない場合は、前記基は−H、−OHまたは−CH3より選択されてもよい。
[本発明1060]
前記複数の単量体のうちの1つ以上について前記リンカー要素が、少なくとも1個のN原子をその環内に含有し、カルボキシレート基またはカルボニル基を前記N原子に対してオルト位に有する、芳香族複素環化合物であり、それにより前記リンカー要素およびその結合パートナーが、金属補因子の補助により結合し得、以下の式の、追加のヘミアセタール、ヘミケタール、またはボロナート結合を形成してもよい、本発明1051の治療的多量体:
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式中、
R=H、B(OH)2
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、(CH2OH、かつn=1〜3であり、
R=−CH(OH)−(CH2OH、かつm=1〜2であり、
破線と交差する線は、前記1つ以上の多様性要素が直接的にまたは接続部を介して式(Z1)の分子に連結することにより形成される1つ以上の結合を示す。
[本発明1061]
前記リンカー要素が、芳香族化合物であり、それにより前記リンカー要素およびその多様性要素が結合すると、結合パートナーまたは前記リンカー要素の1つ以上の芳香環がスタッキングして、前記リンカー要素と前記結合パートナーとの間の1つ以上の共有結合の形成を誘導する、治療的多量体であって、前記複数の単量体のうちの1つ以上について前記リンカー要素が、以下から構成される群より選択される、本発明1051の治療的多量体:
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式中、
1=−H、−(CH2OH、または−(CH2SH、B(OH)2であり、
n=0〜3であり、
2=R3
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であり、
m=0〜3であり、かつ
破線と交差する線は、前記多様性要素が直接的にまたは接続部を介して式(VII)または式(VIII)の分子に連結することにより形成される結合を示す;
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式中、
1=−(CH2OH、−(CH2SH、または
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であり、
n=0〜3であり、
破線と交差する線は、前記多様性要素が直接的にまたは接続部を介して式(IX)、式(X)、式(XI)、および式(XIII)の分子に連結することにより形成される結合を示す。
[本発明1062]
前記リンカー要素が、インターカレーションまたは水素結合により、前記リンカー要素と自身の結合パートナーとの間に0個、1個、またはそれ以上の共有結合の形成が誘導されるように、前記結合パートナーのうちの1つ以上にインターカレートするかまたは水素結合する芳香族化合物である、治療的多量体であって、前記複数の単量体のうちの1つ以上について前記リンカー要素が、以下から構成される群より選択される、本発明1051の治療的多量体:
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式中、
Qは芳香族複素環または非複素環であり、前記環は、非限定的に、ベンゼン、ナフタレン、プリン、ピリミジン、トリアジンを含む、単独であるかまたは縮合しているかのいずれかである5または6員環を含み、
Pは、前記分子の極性を調整するために使用される芳香族基または脂肪族基であり、
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n=1〜3であり、
破線と交差する線は、式(XIII)および(XIV)の分子の1つ以上の多様性要素が連結することにより形成される結合を示す。
[本発明1063]
前記複数の単量体のうちの1つ以上について前記リンカー要素が、一旦体内、細胞内、または細胞内コンパートメント内に入ると脱保護されるのに好適である、保護状態にある1つ以上の活性部分を有する、治療的多量体であって、前記保護状態が、反応性チオール基のジスルフィド保護、反応性アルコール基のエステル保護、反応性アルデヒド基のヘミアセタール保護、反応性ケトン基のヘミケタール保護、および反応性ボロナート基のアルコール保護から構成される群より選択される、本発明1051の治療的多量体。
[本発明1064]
以下の工程を含む、前記標的分子に関連する症状について対象を治療する方法:
本発明1051の前記治療的多量体を提供する工程;
前記症状を有する対象を選択する工程;および
前記症状を治療するのに有効な条件下で、選択された前記対象に前記治療的多量体を投与する工程。
[本発明1065]
前記標的分子が、以下から構成される群より選択される、本発明1064の方法:
(1)Gタンパク質共役型受容体、(2)核内受容体、(3)電位開口型イオンチャネル、(4)リガンド開口型イオンチャネル、(5)受容体型チロシンキナーゼ、(6)増殖因子、(7)プロテアーゼ、(8)配列特異的プロテアーゼ、(9)ホスファターゼ、(10)タンパク質キナーゼ、(11)生理活性脂質、(12)サイトカイン、(13)ケモカイン、(14)ユビキチンリガーゼ、(15)ウイルス制御因子、(16)細胞分裂タンパク質、(17)骨格タンパク質、(18)DNA修復タンパク質、(19)細菌リボソーム、(20)ヒストン脱アセチル化酵素、(21)アポトーシス制御因子、(22)シャペロンタンパク質、(23)セリン/スレオニンタンパク質キナーゼ、(24)サイクリン依存性キナーゼ、(25)増殖因子受容体、(26)プロテアソーム、(27)シグナル伝達タンパク質複合体、(28)タンパク質/核酸輸送体、および(29)ウイルスカプシド。
[本発明1066]
前記治療的多量体が、1つ以上の公知のリガンドを多様性要素として含有し、かつ前記標的分子の野生型および突然変異体の両方に対して、単一リガンドを用いて達成されるよりも高い有効性を達成する、本発明1065の方法。
[本発明1067]
前記治療的多量体が、SH2、FHA、14−3−3、WW、WD40、MH2、BROMO、UBA、PTB、SH3、EVH1、GYF、VHS、PDZ、PUF、TUBBY、SAM、DD、CARD、PyD、PB1、BRCT、PH、FYVE、C1、FERM、C2、PX、およびENTHから構成される群より選択される1つ以上のドメインに結合するかまたは前記ドメインの1つ以上を模倣する、本発明1065の方法。
[本発明1068]
前記治療的多量体が、
(1)前記標的からの基質の解離定数以下の解離定数で標的に結合することにより、基質の標的切断、
(2)結合タンパク質の解離定数以下の解離定数で標的に結合することにより、前記結合タンパク質の標的への結合、
(3)標的に結合して結合パートナーを模倣することにより、前記結合パートナーによる標的の不活性化、
(4)不活性化結合パートナー−標的複合体または不活性化結合パートナー−突然変異標的複合体に結合することにより、結合パートナーによる標的または突然変異標的の不活性化、
(5)標的に結合して、前記標的および多量体に結合するように第2の結合パートナーを動員し、解離定数が前記第1の結合タンパク質の解離定数以下である多量体−標的−第2の結合タンパク質複合体を形成することにより、第1の結合パートナーの標的への結合、
(6)受容体標的に結合して、受容体の二量体形成を妨害することにより、前記受容体標的への結合、
(7)受容体標的に対する結合パートナーの動員を低減すること、前記受容体標的にリガンド結合部位で結合してアンタゴニストとして作用すること、または前記受容体標的に前記結合パートナー結合部位で結合してアンタゴニストとして作用することにより、結合パートナーへの結合、
(8)単量体または二量体の標的に結合することにより、標的のフィラメントへの重合、および
(9)単量体または二量体の標的に結合することにより、標的の凝集
について、妨害するか、結合を阻害するか、または活性化を阻害するかのいずれかである、本発明1065の方法。
[本発明1069]
前記治療的多量体が、
(1)標的に結合して結合パートナーを模倣することにより、前記結合パートナーによる前記標的の活性化、
(2)活性化結合パートナー−標的複合体または活性化結合パートナー−突然変異標的複合体に結合することにより、結合パートナーによる標的または突然変異標的の活性化、
(3)標的に結合して、前記標的、多量体、および第1の結合パートナーに結合するように第2の結合パートナーを動員し、多量体−標的−第2の結合タンパク質複合体を形成するか、または多量体−標的−第1の結合タンパク質−第2の結合タンパク質複合体を形成することにより、標的への第1の弱い結合パートナー、
(4)リガンド結合部位で受容体標的に結合し、受容体の二量体形成を促進することにより、前記受容体標的、
(5)受容体標的上のアロステリック部位に結合して、活性化リガンドの存在下において受容体の二量体形成を促進することにより、前記受容体標的、および
(6)受容体標的にリガンド結合部位で結合し、結合パートナーを動員および活性化させるアゴニストとして作用することにより、または前記受容体標的と前記リガンド、もしくは前記受容体標的と前記結合パートナーに結合し、前記結合パートナーの動員および活性化を加速させることにより、前記受容体標的にリガンド結合することによって受容体標的に動員される結合パートナー
について、活性化を促進するか、結合を促進するか、または活性化するかのいずれかである、本発明1064の方法。
[本発明1070]
前記治療的多量体が、以下によりタンパク質の代謝を変化させる、本発明1064の方法:
(1)標的または突然変異標的のフォールディングを安定させること、(2)共有結合的なシグナル伝達事象を促進させるかもしくは妨害すること、(3)共有結合的なシグナル伝達事象を模倣すること、(4)マルチサブユニットの集合を阻害すること、(5)マルチサブユニットの脱集合を阻害すること、または(6)標的または標的結合パートナーに結合することにより分解を阻害すること。
[本発明1071]
前記治療的多量体が、前記標的または前記標的−修飾酵素複合体に結合して、さらなるタンパク質相互作用を介して、タンパク質のシグナル伝達、輸送、または分解を阻害、活性化、促進、または調整することによって、リン酸化、脱リン酸化、アセチル化、メチル化、SUMO化、ユビキチン化、プレニル化、ならびに糖および糖鎖の付加による、前記標的の共有結合的修飾を、妨害、活性化、促進、または模倣する、本発明1064の方法。
[本発明1072]
前記治療的多量体が、
(1)第1の部位で結合することができる複数の単量体、および隣接する第2の部位で結合することができる複数の単量体であって、ウイルス標的および突然変異ウイルス標的の広範な阻害を提供する治療的多量体のカクテルを作製する、複数の単量体を提供することにより、逆転写酵素、プロテアーゼ、またはウイルス組込みタンパク質を含む一連の標的からの本質的なウイルス標的、
(2)ウイルス侵入の補助に関与する細胞受容体に結合することおよびそれを阻害することにより、ウイルスの細胞内侵入、
(3)ウイルスの機能を補助する細胞タンパク質、または
(4)宿主防御タンパク質をそれ以上阻害しないように、ウイルスタンパク質
のいずれかを阻害する、本発明1064の方法。
[本発明1073]
前記治療的多量体の標的分子からの解離定数以上の解離定数を有する別のタンパク質、タンパク質ドメイン、巨大分子、または基質を、前記標的タンパク質との結合から取り外すために、前記治療的多量体の前記標的分子への結合が十分となるように、または、所望の治療効果達成のため、前記標的細胞内の前記標的分子の約70%から100%が治療的多量体に結合し、前記標的分子またはその結合パートナーの生物学的活性を活性化、促進、または阻害するために、前記治療的多量体の前記標的分子への結合が十分に強固な結合となるように、前記治療的多量体が、約47pM以下の10倍の範囲内から48nMの10倍の範囲内での前記標的分子からの解離定数を有する、方法であって、
ここで、方法が以下の工程を含む、本発明1065の方法:
第1の単量体を提供する工程であって、前記標的分子からの前記多様性要素の前記解離定数が、100nMの3倍の範囲内から10μMの3倍の範囲内である、工程;および
第2の単量体を提供する工程であって、前記標的分子からの前記多様性要素の前記解離定数が、1μMの3倍の範囲内から10μMの3倍の範囲内である、工程であって、ここで、前記第1の単量体の前記リンカー要素と前記第2の単量体の結合パートナーとの間の解離定数が、10μMの3倍の範囲内から100μMの3倍の範囲内であり、前記リンカー要素をそれぞれの単量体の前記多様性要素に連結する接続部が、約2個以下の回転可能な結合から約5個の回転可能な結合の範囲内であり、前記治療的多量体を提供する工程において、定常状態での血中単量体濃度が約0.1μM〜約5.0μM以上の範囲である、工程。
[本発明1074]
結合して治療的多量体を形成することができる複数の治療的単量体であって、それぞれの単量体が以下を含む、複数の治療的単量体:
300μM未満の解離定数で標的分子に結合する多様性要素、および
500ダルトン未満の分子量を有し、かつ、生理的条件下で、補因子とともに、または補因子なしで、300μM未満の解離定数で、自身の結合パートナーと共有結合または非共有結合性の強固な相互作用を形成することができるリンカー要素であって、それぞれの単量体について、前記多様性要素および前記リンカー要素が、直接的にまたは接続部を介して間接的に接続し、かつ複数の単量体が、それらのリンカー要素を介して共有結合するかまたは非共有結合的に結合することができ、かつ前記複数の単量体の前記多様性要素が、前記標的分子中の近接した位置に結合する、リンカー要素。
[本発明1075]
前記多様性要素のうちの1つ以上が、100nM〜100μMの解離定数で前記標的分子に結合し得る、本発明1074の複数の治療的単量体。
[本発明1076]
前記多様性要素のうちの1つ以上が、前記標的分子と可逆的な共有結合を形成することができる、本発明1074の複数の治療的単量体。
[本発明1077]
前記可逆的な共有結合が、前記多様性要素上のカルボニルと前記標的分子上のアミンの間、前記多様性要素上のアミンと前記標的分子上のカルボニルの間、前記多様性要素上のボロナートと前記標的分子上のヒドロキシル基の間、または前記多様性要素上のスルフヒドリルと前記標的分子上のスルフヒドリルの間にある、本発明1076の複数の治療的単量体。
[本発明1078]
前記複数の単量体のうちの1つ以上について前記リンカー要素が、補因子とともに、または補因子なしで、100nM〜100μMの解離定数を有する、本発明1074の複数の治療的単量体。
[本発明1079]
前記リンカー要素が、化学的に修飾されて解離定数または極性を調整し、細胞への取り込みを向上させる、本発明1078の複数の治療的単量体。
[本発明1080]
前記複数の単量体のうちの1つ以上について前記リンカー要素が、45ダルトン〜450ダルトンの分子量を有する、本発明1074の複数の治療的単量体。
[本発明1081]
前記多様性要素が、標的核酸配列に結合する約9〜12塩基の核酸またはヌクレオチド類似体配列を含む、本発明1074の複数の治療的単量体。
[本発明1082]
前記多様性要素が、核酸またはヌクレオチド類似体配列の細胞内への輸送を促進するように、前記配列に対する親和性を有するアミノグリコシドまたは親油性分子を含む、本発明1074の複数の治療的単量体。
[本発明1083]
前記多様性要素が、二本鎖核酸またはヌクレオチド類似体配列であって、それぞれの鎖が約10〜約15塩基であり、かつ前記二本鎖が、少なくとも一つの端に一本鎖のオーバーハングをともなって、互いにハイブリッド形成し、かつ一本鎖が標的核酸配列に相補的である、二本鎖核酸またはヌクレオチド類似体配列を含む、本発明1074の複数の治療的単量体。
[本発明1084]
前記リンカー要素が、カルボニル基に対するα‐、β‐、またはγ‐ヒドロキシ基を有する脂肪族化合物であり、それにより前記リンカー要素およびその結合パートナーが、結合すると6または8員のジヘミアセタール環またはジヘミケタール環を形成する、複数の治療的単量体であって、前記複数の単量体のうちの1つ以上について前記リンカー要素が、以下から構成される群より選択される、本発明1074の複数の治療的単量体:
[この文献は図面を表示できません]
式中、
破線と交差する線は、1つ以上の前記多様性要素が直接的にまたは接続部を介して式(I)の分子に連結することにより形成される1つ以上の結合を示し、前記位置に多様性要素が存在しない場合、−H、−OH、または−CH3基がその位置に存在し得る;
[この文献は図面を表示できません]
式中、
1=H、‐OH、‐CH3、‐F、‐CF3、または他の電子求引性官能基であり、かつ
破線と交差する線は、前記多様性要素が直接的にまたは接続部を介して式(II)および式(III)の分子に連結することにより形成される結合を示す;
[この文献は図面を表示できません]
式中、
1=R3=−H、
[この文献は図面を表示できません]
であり、
2=R4=H、−OH、または−CH2OHであり、
破線と交差する線は、前記多様性要素が直接的にまたは接続部を介して式(IV)の分子に連結することにより形成される結合を示す;
[この文献は図面を表示できません]
式中、
1=R2=−H、−OH、−CH3、−F、または−CF3であり、
[この文献は図面を表示できません]
であり、
破線と交差する線は、前記多様性要素が直接的にまたは接続部を介して式(V)または式(VI)の分子に連結することにより形成される結合を示す。
[本発明1085]
前記リンカー要素が、芳香族化合物であり、それにより前記リンカー要素およびその多様性要素が結合すると、結合パートナーまたは前記リンカー要素の1つ以上の芳香環がスタッキングして、前記リンカー要素と前記結合パートナーとの間に1つ以上の共有結合の形成を誘導する、複数の治療的単量体であって、前記複数の単量体のうちの1つ以上について前記リンカー要素が、以下から構成される群より選択される、本発明1074の複数の治療的単量体:
[この文献は図面を表示できません]
式中、
1=−H、−(CH2OH、または、−(CH2SH、B(OH)2であり、
n=0〜3であり、
2=R3
[この文献は図面を表示できません]
であり、
m=0〜3であり、かつ
破線と交差する線は、前記多様性要素が直接的にまたは接続部を介して式(VII)または式(VIII)の分子に連結することにより形成される結合を示す;
[この文献は図面を表示できません]
式中、
1=−(CH2OH、−(CH2SH、または
[この文献は図面を表示できません]
であり、
n=0〜3であり、かつ、
破線と交差する線は、前記多様性要素が直接的にまたは接続部を介して式(IX)、式(X)、式(XI)、および式(XII)の分子に連結することにより形成される結合を示す。
[本発明1086]
前記複数の単量体のうちの1つ以上について前記リンカー要素が、(i)ボロナート基、(ii)シス1,2−ジオール、または(iii)シス1,3ジオールのうちの1つ以上を有する、芳香族複素環もしくは芳香族非複素環化合物または脂肪族化合物であり、それにより前記リンカー要素およびその結合パートナーが、結合すると式(B1)、(B2)、(B3)、または(B4)の5または6員のボロン酸エステル環を形成する、本発明1074の複数の治療的単量体:
[この文献は図面を表示できません]
式中、
Rは、−H、−CH3、または−CF3を含む脂肪族基または脂環式基であり、
Qは、芳香族複素環または非複素環であり、
n=0〜3、m=1〜3、およびp=1〜2であり、
破線と交差する線は、前記1つ以上の多様性要素が直接的にまたは接続部を介して式(B1)、(B2)、(B3)、および(B4)の分子に連結することにより形成される1つ以上の結合を示し、かつ前記位置に多様性要素が存在しない場合は、前記基は−H、−OHまたは−CH3より選択されてもよい。
[本発明1087]
前記複数の単量体のうちの1つ以上について前記リンカー要素が、少なくとも1個のN原子をその環内に含有し、カルボキシレート基またはカルボニル基を前記N原子に対してオルト位に有する、芳香族複素環化合物であり、それにより前記リンカー要素およびその結合パートナーが、金属補因子の補助により結合し得、以下の式の、追加のヘミアセタール、ヘミケタール、またはボロナート結合を形成してもよい、本発明1074の複数の治療的単量体:
[この文献は図面を表示できません]
式中、
R=H、B(OH)2
[この文献は図面を表示できません]
(CH2OH、かつn=1〜3であり、
R=−CH(OH)−(CH2OH、かつm=1〜2であり、
破線と交差する線は、前記1つ以上の多様性要素が直接的にまたは接続部を介して式(Z1)の分子に連結することにより形成される1つ以上の結合を示す。
[本発明1088]
前記リンカー要素が、インターカレーションまたは水素結合により、前記リンカー要素と前記結合パートナーとの間に0個、1個、またはそれ以上の共有結合の形成が誘導されるように、自身の結合パートナーのうちの1つ以上にインターカレートするかまたは水素結合する芳香族化合物である、複数の治療的単量体であって、前記複数の単量体のうちの1つ以上について前記リンカー要素が、以下から構成される群より選択される、本発明1074の複数の治療的単量体:
[この文献は図面を表示できません]
式中、
Qは芳香族複素環または非複素環であり、前記環は、非限定的に、ベンゼン、ナフタレン、プリン、ピリミジン、トリアジンを含む、単独であるかまたは縮合しているかのいずれかである5または6員環を含み、
Pは、前記分子の極性を調整するために使用される芳香族基または脂肪族基であり、
[この文献は図面を表示できません]
n=1〜3であり、
破線と交差する線は、式(XIII)および(XIV)の分子の1つ以上の多様性要素が連結することにより形成される結合を示す。
[本発明1089]
前記複数の単量体のうちの1つ以上について前記リンカー要素が、一旦体内、細胞内、または細胞内コンパートメント内に入ると脱保護されるのに好適である、保護状態にある1つ以上の活性部分を有する、複数の治療的単量体であって、前記保護状態が、反応性チオール基のジスルフィド保護、反応性アルコール基のエステル保護、反応性アルデヒド基のヘミアセタール保護、反応性ケトン基のヘミケタール保護、および反応性ボロナートのアルコール保護から構成される群より選択される、本発明1074の複数の治療的単量体。
[本発明1090]
結合して治療的多量体を形成する、本発明1074の複数の治療的単量体。
[本発明1091]
以下の工程を含む、前記標的分子に関連する症状について対象を治療する方法:
本発明1074の前記複数の治療的単量体を提供する工程;
前記症状を有する対象を選択する工程;および
前記症状を治療するのに有効な条件下で、選択された前記対象に前記複数の治療単量体を投与する工程。
[本発明1092]
前記標的分子が、以下から構成される群より選択される、本発明1091の方法:
(1)Gタンパク質共役型受容体、(2)核内受容体、(3)電位開口型イオンチャネル、(4)リガンド開口型イオンチャネル、(5)受容体型チロシンキナーゼ、(6)増殖因子、(7)プロテアーゼ、(8)配列特異的プロテアーゼ、(9)ホスファターゼ、(10)タンパク質キナーゼ、(11)生理活性脂質、(12)サイトカイン、(13)ケモカイン、(14)ユビキチンリガーゼ、(15)ウイルス制御因子、(16)細胞分裂タンパク質、(17)骨格タンパク質、(18)DNA修復タンパク質、(19)細菌リボソーム、(20)ヒストン脱アセチル化酵素、(21)アポトーシス制御因子、(22)シャペロンタンパク質、(23)セリン/スレオニンタンパク質キナーゼ、(24)サイクリン依存性キナーゼ、(25)増殖因子受容体、(26)プロテアソーム、(27)シグナル伝達タンパク質複合体、(28)タンパク質/核酸輸送体、および(29)ウイルスカプシド。
[本発明1093]
前記治療的単量体が、1つ以上の公知のリガンドを多様性要素として含有し、かつ前記標的分子の野生型および突然変異体の両方に対して、単一リガンドを用いて達成されるよりも高い有効性を達成する、本発明1091の方法。
[本発明1094]
前記治療的単量体が、SH2、FHA、14‐3‐3、WW、WD40、MH2、BROMO、UBA、PTB、SH3、EVH1、GYF、VHS、PDZ、PUF、TUBBY、SAM、DD、CARD、PyD、PB1、BRCT、PH、FYVE、C1、FERM、C2、PX、およびENTHから構成される群より選択されるドメインのうちの1つ以上に結合するかまたは前記ドメインの1つ以上を模倣する、本発明1091の方法。
[本発明1095]
前記治療的単量体が、
(1)標的からの基質の解離定数以下の解離定数で標的に結合することにより、基質の標的切断、
(2)結合タンパク質の解離定数以下の解離定数で標的に結合することにより、前記結合タンパク質の標的への結合、
(3)標的に結合して結合パートナーを模倣することにより、前記結合パートナーによる前記標的の不活性化、
(4)不活性化結合パートナー−標的複合体または不活性化結合パートナー−突然変異標的複合体に結合することにより、結合パートナーによる標的または突然変異標的の不活性化、
(5)標的に結合して、前記標的および多量体に結合する第2の結合パートナーを動員し、解離定数が前記第1の結合タンパク質の解離定数以下である多量体−標的−第2の結合タンパク質複合体を形成することにより、第1の結合パートナーの標的への結合、
(6)受容体標的に結合して、受容体の二量体形成を妨害することにより、前記受容体標的への結合、
(7)受容体標的に対する結合パートナーの動員を低減すること、前記受容体標的にリガンド結合部位で結合してアンタゴニストとして作用すること、または前記受容体標的に前記結合パートナー結合部位で結合してアンタゴニストとして作用することにより、結合パートナーへの結合、
(8)単量体または二量体の標的に結合することにより、標的のフィラメントへの重合、および
(13)単量体または二量体の標的に結合することにより、標的の凝集
について、妨害するか、結合を阻害するか、または活性化を阻害するかのいずれかである、本発明1091の方法。
[本発明1096]
前記治療的単量体が、
(1)標的に結合して結合パートナーを模倣することにより、前記結合パートナーによる前記標的の活性化、
(2)活性化結合パートナー−標的複合体または活性化結合パートナー−突然変異標的複合体に結合することにより、結合パートナーによる標的または突然変異標的の活性化、
(3)標的に結合して、前記標的、多量体、および第1の結合パートナーに結合する第2の結合パートナーを動員し、多量体−標的−第2の結合タンパク質複合体を形成するか、または多量体−標的−第1の結合タンパク質−第2の結合タンパク質複合体を形成することにより、標的への第1の弱い結合パートナー、
(4)リガンド結合部位で受容体標的に結合し、受容体の二量体形成を促進することにより、前記受容体標的、
(5)受容体標的上のアロステリック部位に結合して、活性化リガンドの存在下において受容体の二量体形成を促進することにより、前記受容体標的、および
(6)受容体標的にリガンド結合することにより、前記受容体標的にリガンド結合部位で結合し、結合パートナーを動員および活性化させるアゴニストとして作用することにより、または前記受容体標的と前記リガンド、もしくは前記受容体標的と前記結合パートナーに結合し、前記結合パートナーの動員および活性化を加速させることにより、受容体標的に動員される結合パートナー
について、活性化を促進するか、結合を促進するか、または活性化するかのいずれかである、本発明1091の方法。
[本発明1097]
治療的単量体が、以下により、タンパク質の代謝を変化させる、本発明1091の方法:
(1)標的または突然変異標的のフォールディングを安定させること、(2)共有結合的なシグナル伝達事象を促進させるかもしくは妨害すること、(3)共有結合的なシグナル伝達事象を模倣すること、(4)マルチサブユニットの集合を阻害すること、(5)マルチサブユニットの脱集合を阻害すること、または(6)標的または標的結合パートナーに結合することにより分解を阻害すること。
[本発明1098]
前記治療的単量体が、前記標的または前記標的−修飾酵素複合体に結合して、さらなるタンパク質相互作用を介して、タンパク質のシグナル伝達、輸送、または分解を阻害、活性化、促進、または調整することによって、リン酸化、脱リン酸化、アセチル化、メチル化、SUMO化、ユビキチン化、プレニル化、ならびに糖および糖鎖の付加による、前記標的の共有結合的修飾を、妨害、活性化、促進、または模倣する、本発明1091の方法。
[本発明1099]
前記治療的多量体が、
(1)第1の部位で結合することができる複数の単量体、および隣接する第2の部位で結合することができる複数の単量体であって、ウイルス標的および突然変異ウイルス標的の広範な阻害を提供する治療的多量体のカクテルを作製する、複数の単量体を提供することにより、逆転写酵素、プロテアーゼ、またはウイルス組込みタンパク質を含む一連の標的からの本質的なウイルス標的、
(2)ウイルス侵入の補助に関与する細胞受容体に結合することおよびそれを阻害することにより、ウイルスの細胞内侵入、
(3)ウイルスの機能を補助する細胞タンパク質、または
(4)宿主防御タンパク質をそれ以上阻害しないように、ウイルスタンパク質
のいずれかを阻害する、本発明1091の方法。
[本発明1100]
前記治療的単量体が、前記標的に結合して細胞位置に直接的に影響を与えることにより、または細胞位置に影響を与える第2の実体に前記標的分子を結合させることにより、細胞膜、細胞質、ミトコンドリア、リソソーム、プロテアソーム、ゴルジ、小胞体、細胞外空間、核、細胞フィラメントもしくは骨格、または他の細胞内区画もしくは細胞外区画、細胞構造、または空間への標的の動きを妨害するかまたは加速することによって、タンパク質の輸送または細胞局在を変化させる、本発明1091の方法。
[本発明1101]
前記治療的単量体が、
(1)同じ癌細胞内で癌を標的とする2つの多様性要素であって、それによって、癌細胞死滅の選択性を増加させる、2つの多様性要素、
(2)正常細胞にはないが癌細胞には豊富である標的に結合して、前記同じ細胞内で重要な標的を不活性化させる追加の単量体を濃縮することにより、癌細胞内の致死性癌を標的とする多様性要素、または
(3)輸送体を使用して取り込みを促進することにより、癌細胞内の致死性癌を標的とする多様性要素
の濃度を増加させるために使用される、方法であって、前記輸送体が、グルコース輸送体、タウリン輸送体、カチオン性アミノ酸輸送体、有機アニオン輸送体、プロリン輸送体、モノアミン輸送体、アニオン交換輸送体、葉酸輸送体、モノカルボン酸輸送体、亜鉛輸送体、アミノ酸輸送体、ナトリウム依存性ビタミン輸送体、脂肪酸輸送体、ヌクレオシド輸送体、およびプロトン共役型二価金属イオン輸送体から構成される群より選択される一連の輸送体から、癌細胞内で好ましくはより豊富に発現される、本発明1091の方法。
[本発明1102]
前記複数の治療的単量体が、排出ポンプに結合して排出チャネルを塞ぐことにより、癌細胞内の薬物排出ポンプタンパク質を妨害し、それにより他の治療に対するこれらの癌細胞の感受性をより高くする、本発明1091の方法。
[本発明1103]
前記治療的単量体が、輸送体に結合して適切な機能を阻害することにより、癌細胞の代謝を妨害する、方法であって、前記輸送体が、癌細胞内でより豊富に発現され、かつグルコース輸送体、タウリン輸送体、カチオン性アミノ酸輸送体、有機アニオン輸送体、プロリン輸送体、モノアミン輸送体、アニオン交換輸送体、葉酸輸送体、モノカルボン酸輸送体、亜鉛輸送体、アミノ酸輸送体、ナトリウム依存性ビタミン輸送体、脂肪酸輸送体、ヌクレオシド輸送体、およびプロトン共役型二価金属イオン輸送体から構成される一連の群より選択される、本発明1091の方法。
[本発明1104]
前記治療的多量体の標的分子からの解離定数以上の解離定数を有する別のタンパク質、タンパク質ドメイン、巨大分子、または基質を、前記標的タンパク質との結合から取り外すために、前記治療的単量体の前記標的分子への結合が十分となるように、または、所望の治療効果達成のため、前記標的細胞内の前記標的タンパク質の約70%から100%が前記治療的単量体に結合し、前記標的タンパク質またはその結合パートナーの生物学的活性を活性化、促進、または阻害するために、前記治療的多量体の前記標的分子への結合が十分に強固な結合となるように、前記治療的単量体が、約47pM以下の10倍の範囲内から48nMの10倍の範囲内での前記標的分子からの解離定数を有する、方法であって、
ここで、該方法が以下の工程を含む、本発明1091の方法:
第1の単量体を提供する工程であって、前記標的分子からの前記多様性要素の前記解離定数が、1μMの3倍の範囲内から10μMの3倍の範囲内である、工程;
第2の単量体を提供する工程であって、前記標的分子からの前記多様性要素の前記解離定数が、1μMの3倍の範囲内から100μMの3倍の範囲内である、工程であって、ここで、前記第1の単量体の前記リンカー要素と前記第2の単量体の結合パートナーとの間の解離定数が、0から10μMの3倍の範囲内であり、前記リンカー要素をそれぞれの単量体の前記多様性要素に連結する接続部が、約2個以下の回転可能な結合から約5個の回転可能な結合の範囲内であり、前記治療的多量体を提供する工程において、定常状態での血中単量体濃度が約0.1μM〜約5.0μM以上の範囲である、工程。
[本発明1105]
前記治療的多量体の標的分子からの解離定数以上の解離定数を有する別のタンパク質、タンパク質ドメイン、巨大分子、または基質を、前記治療的多量体の前記標的分子への結合から取り外すのに十分となるように、または、所望の治療効果達成のため、前記標的細胞内の前記標的分子の約70%から100%が治療的多量体に結合し、前記標的分子またはその結合パートナーの生物学的活性を活性化、促進、または阻害するのに前記治療的多量体の前記標的分子への結合が十分に強固な結合であるように、前記治療的多量体が、約47pM以下の10倍の範囲内から48nMの10倍の範囲内での前記標的分子からの解離定数を有する、方法であって、
ここで、方法が以下の工程を含む、本発明1091の方法:
第1の単量体を提供する工程であって、前記標的分子からの前記多様性要素の前記解離定数が、100nMの3倍の範囲内から10μMの3倍の範囲内である、工程;
第2の単量体を提供する工程であって、前記標的分子からの前記多様性要素の前記解離定数が、1μMの3倍の範囲内から10μMの3倍の範囲内である、工程であって、ここで、前記第1の単量体の前記リンカー要素と前記第2の単量体の結合パートナーとの間の解離定数が、10μMの3倍の範囲内から100μMの3倍の範囲内であり、前記リンカー要素をそれぞれの単量体の前記多様性要素に連結する接続部が、約2個以下の回転可能な結合から約5個の回転可能な結合の範囲内であり、前記治療的多量体を提供する工程において、定常状態での血中単量体濃度が約0.1μM〜約5.0μM以上の範囲である、工程。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】コフェロン単量体で使用される構成成分の模式図である。
【0039】
図2.1】図2.1A〜2.1Kは、コフェロン薬設計の構成成分の変形例を示す。図2.1Aは、接続部を介してコード化ビーズに付着させた、本発明に従うコフェロン単量体の模式図である。図2.1Bは、DNAバーコードを接続部を介して付着させた、本発明に従うコフェロン単量体の模式図である。図2.1Cは、一方の単量体への接続部を介してコード化ビーズに付着させ、DNAバーコードを他方の単量体に付着させた、コフェロン二量体の模式図である。図2.1Dは、DNAバーコードを接続部を介して各単量体に付着させた、コフェロン二量体の模式図である。図2.1Eは、本発明に従う接続部を有するコフェロン二量体の模式図である。図2.1Fは、リンカー要素を介してコード化ビーズに付着させた、本発明に従うコフェロン単量体の模式図である。図2.1Gは、DNAバーコードをリンカー要素に付着させた、本発明に従うコフェロン単量体の模式図である。図2.1Hは、一方の単量体へのリンカー要素を介してコード化ビーズに付着させ、DNAバーコードを他方の単量体に付着させた、コフェロン二量体の模式図である。図2.1Iは、リンカー要素を介してコード化ビーズを1つの単量体に付着させた、コフェロン二量体の模式図である。図2.1Jは、リンカー要素を介してDNAバーコードを各単量体に付着させた、コフェロン二量体の模式図である。図2.1Kは、本発明に従うコフェロン二量体の模式図である。
【0040】
図2.2】図2.2L〜2.2Sは、コフェロン薬設計の構成成分のさらなる変形例を示す。図2.2Lは、一方の単量体への接続部を介してコード化ビーズに付着させ、DNAバーコードを他方の単量体に付着させた、コフェロン二量体の模式図である。リンカー要素は、金属イオン(青い点)等の補因子を介して相互に結合している。図2.2Mは、接続部を介してDNAバーコードを各単量体に付着させた、コフェロン二量体の模式図である。リンカー要素は、金属イオン等の補因子を介して相互に結合している。図2.2Nは、本発明に従う、補因子を介して相互に結合するコフェロン二量体の模式図である。図2.2Oは、1つの単量体への接続部を介してコード化ビーズに付着させた、コフェロン二量体の模式図である。リンカー要素は、金属イオン等の補因子を介して相互に結合している。図2.2Pは、1つの単量体のリンカー要素を介してコード化ビーズに付着させた、コフェロン二量体の模式図である。リンカー要素は、金属イオン等の補因子を介して相互に結合している。図2.2Qは、一方の単量体へのリンカー要素を介してコード化ビーズに付着させ、DNAバーコードを他方の単量体に付着させた、コフェロン二量体の模式図である。リンカー要素は、金属イオン等の補因子を介して相互に結合している。図2.2Rは、金属イオン等の補因子を介して相互に結合するリンカー要素を介して、DNAバーコードを各単量体に付着させた、コフェロン二量体の模式図である。図2.2Jは、本発明に従う、補因子を介して相互に結合するコフェロン二量体の模式図である。
【0041】
図2.3】図2.3A2〜J2は、コフェロン薬設計の構成成分の変形例を示す。図2.3A2は、別個の接続部を介してコード化ビーズに付着させた、本発明に従う2つのコフェロン単量体の模式図である。図2.3B2は、接続部を介してDNAバーコードを付着させた、本発明に従う連結されたコフェロン二量体の模式図である。図2.3Cは、リンカー要素への接続部を介してコード化ビーズに付着させた、連結されたコフェロン二量体の模式図である。図2.3D2は、本発明に従う連結されたコフェロン二量体の模式図である。図2.3E2は、接続部を介してコード化ビーズに付着させた2つのコフェロン単量体と、接続部を介してDNAバーコードを付着させた1つのコフェロン単量体とから構成される、コフェロン三量体の模式図である。後者の単量体および前者の単量体のうちの1つのリンカー要素が連結している。図2.3F2は、接続部を介してDNAバーコードを付着させた2つの連結されたコフェロン単量体と、接続部を介してDNAバーコードを付着させた1つのコフェロン単量体とを含む、コフェロン三量体の模式図である。後者の単量体および前者の単量体のうちの1つのリンカー要素が連結している。図2.3G2は、本発明に従う、同一のリガンドを有する2つのコフェロンと、異なるリガンドを有する1つのコフェロンとを含む、コフェロン三量体の模式図である。後者の単量体および前者の単量体のうちの1つのリンカー要素が連結している。図4H2は、リンカー要素を介してコード化ビーズに付着させた、本発明に従う2つのコフェロン単量体と、別の1つのコフェロン単量体とを含む、コフェロン三量体の模式図である。後者の単量体および前者の単量体のうちの1つのリンカー要素が連結している。図2.3I2は、接続部を介してコード化ビーズに付着させた1つのコフェロン単量体と、それぞれ接続部を介してDNAバーコードを付着させた、もう2つのコフェロン単量体とを含む、コフェロン三量体の模式図である。前者の単量体および後者の単量体のうちの1つのリンカー要素が連結している。図2.3J2は、本発明に従う、異なるリガンドを有する3つの単量体のコフェロンを含む、コフェロン三量体の模式図である。
【0042】
図2.4】図2.4K2〜T2は、コフェロン薬設計の構成成分の変形例を示す。図2.4K2は、リンカー要素を介してコード化ビーズに付着させた、本発明に従う2つのコフェロン単量体の模式図である。図2.4L2は、リンカー要素を介してDNAバーコードを付着させた、本発明に従う連結されたコフェロン二量体の模式図である。図2.4M2は、リンカー要素への連結部を介してコード化ビーズに付着させた、連結されたコフェロン二量体の模式図である。図2.4N2は、本発明に従う連結されたコフェロン二量体の模式図である。図2.4O2は、コフェロン単量体のリンカー要素を介してコード化ビーズに付着させた2つのコフェロン単量体と、リンカー要素を介してDNAバーコードを付着させた1つのコフェロン単量体とを含む、コフェロン三量体の模式図である。図2.4P2は、リンカー要素を介してDNAバーコードを付着させた2つの連結されたコフェロン単量体と、リンカー要素を介してDNAバーコードを付着させた1つのコフェロン単量体とを含む、コフェロン三量体の模式図である。図2.4Q2は、本発明に従う、同一のリガンドを有する2つのコフェロンと、異なるリガンドを有する1つのコフェロンとを含む、コフェロン三量体の模式図である。図5R2は、コフェロン単量体の連結されたリンカー要素を介してコード化ビーズに付着させた、本発明に従う2つの連結されたコフェロン単量体と、コフェロン単量体のリンカー要素によって連結された単量体のうちの1つに連結する、別の1つのコフェロン単量体とを含む、コフェロン三量体の模式図である。図5S2は、リンカー要素を介してコード化ビーズに付着させた1つのコフェロン単量体と、それぞれ接続部を介してDNAバーコードを付着させた、もう2つのコフェロン単量体とを含む、コフェロン三量体の模式図である。図2.4T2は、本発明に従う、異なるリガンドを有する3つの単量体のコフェロンを含む、コフェロン三量体の模式図である。
【0043】
図2.5】図2.5A3〜L3は、コフェロン薬設計の構成成分の変形例を示す。図2.5A3は、接続部を介してコード化ビーズへ、およびコフェロン単量体のリンカー要素を介してそれら自体へ付着させた、本発明に従う2つのコフェロン単量体と、接続部を介してDNAバーコードを付着させた、本発明に従う1つの連結されたコフェロン二量体とから成る、コフェロン四量体の模式図である。図2.5B3は、接続部を介してDNAバーコードを付着させた、本発明に従う1つの連結されたコフェロン二量体と、接続部を介してDNAバーコードを付着させた、本発明に従う別の1つの連結されたコフェロン二量体とから成る、コフェロン四量体の模式図である。図2.5C3は、本発明に従う、1つのリガンドを有する2つの単量体のコフェロンと、別の1つのリガンドを有する2つの単量体のコフェロンとを含む、コフェロン四量体の模式図である。図2.5D3は、連結部を介してコード化ビーズに付着させた、本発明に従う1つの連結されたコフェロン二量体と、接続部を介してDNAバーコードを付着させた、本発明に従う1つの連結されたコフェロン二量体とから成る、コフェロン四量体の模式図である。図2.5E3は、連結部を介してコード化ビーズに付着させた、本発明に従う1つの連結されたコフェロン二量体と、本発明に従う1つの連結されたコフェロン二量体とから成る、コフェロン四量体の模式図である。図2.5F3は、接続部を介してコード化ビーズに付着させた、本発明に従う2つのコフェロン単量体と、本発明に従う1つの連結されたコフェロン二量体とから成る、コフェロン四量体の模式図である。図2.5G3は、接続部を介してコード化ビーズに付着させた、本発明に従う2つのコフェロン単量体と、接続部を介してDNAバーコードを付着させた、本発明に従う異なるリガンドを有する2つのコフェロン単量体とから成る、コフェロン四量体の模式図である。図2.5H3は、接続部を介してDNAバーコードを付着させた、本発明に従う1つの連結されたコフェロン二量体と、接続部を介してDNAバーコードを付着させた、本発明に従う異なるリガンドを有する2つの連結されたコフェロン単量体とから成る、コフェロン四量体の模式図である。図2.5I3は、本発明に従う、1つのリガンドを有する2つの単量体のコフェロンと、2つの異なるリガンドを有する2つの単量体のコフェロンとから構成される、コフェロン四量体の模式図である。図2.5J3は、連結部を介してコード化ビーズに付着させた、本発明に従う1つのコフェロン二量体と、接続部を介してDNAバーコードを付着させた、本発明に従う異なるリガンドを有する2つのコフェロン単量体とから成る、コフェロン四量体の模式図である。図2.5K3は、連結部を介してコード化ビーズに付着させた、本発明に従う1つの連結されたコフェロン二量体と、本発明に従う異なるリガンドを有する2つのコフェロン単量体とから成る、コフェロン四量体の模式図である。図2.5L3は、接続部を介してコード化ビーズに付着させた、本発明に従う2つのコフェロン単量体と、本発明に従う異なるリガンドを有する2つのコフェロン単量体とから成る、コフェロン四量体の模式図である。
【0044】
図2.6】図2.6M3〜X3は、コフェロン薬設計の構成成分の変形例を示す。図2.6M3は、リンカー要素を介してコード化ビーズに付着させた、本発明に従う2つのコフェロン単量体と、リンカー要素を介してDNAバーコードに付着させた、本発明に従う1つの連結されたコフェロン二量体とから成る、コフェロン四量体の模式図である。図2.6N3は、リンカー要素を介してDNAバーコードを付着させた、本発明に従う1つの連結されたコフェロン二量体と、リンカー要素を介してDNAバーコードを付着させた、本発明に従う別の1つの連結されたコフェロン二量体とから成る、コフェロン四量体の模式図である。図2.6O3は、本発明に従う、1つのリガンドを有する2つの単量体のコフェロンと、別の1つのリガンドを有する2つの単量体のコフェロンとを含む、コフェロン四量体の模式図である。図2.6P3は、連結部を介してコード化ビーズに付着させた、本発明に従う1つの連結されたコフェロン二量体と、リンカー要素を介してDNAバーコードを付着させた、本発明に従う1つの連結されたコフェロン二量体とから成る、コフェロン四量体の模式図である。図2.6Q3は、連結部を介してコード化ビーズに付着させた、本発明に従う1つの連結されたコフェロン二量体と、本発明に従う1つの連結されたコフェロン二量体とから成る、コフェロン四量体の模式図である。図2.6R3は、本発明に従うリンカー要素を介してコード化ビーズに付着させた、本発明に従う2つの連結されたコフェロン二量体から成る、コフェロン四量体の模式図である。図2.6S3は、リンカー要素を介してコード化ビーズに付着させた、本発明に従う2つのコフェロン単量体と、リンカー要素を介してDNAバーコードを付着させた、本発明に従う異なるリガンドを有する2つのコフェロン単量体とから成る、コフェロン四量体の模式図である。図2.6T3は、リンカー要素を介してDNAバーコードを付着させた、本発明に従う1つの連結されたコフェロン二量体と、リンカー要素を介してDNAバーコードを付着させた、本発明に従う異なるリガンドを有する2つのコフェロン単量体とから成る、コフェロン四量体の模式図である。図2.6U3は、本発明に従う、1つのリガンドを有する2つのコフェロン単量体と、2つの異なるリガンドを有する2つのコフェロン単量体とから構成される、コフェロン四量体の模式図である。図2.6V3は、連結部を介してコード化ビーズに付着させた、本発明に従う1つの連結されたコフェロン二量体と、リンカー要素を介してDNAバーコードを付着させた、本発明に従う異なるリガンドを有する2つのコフェロン単量体とから成る、コフェロン四量体の模式図である。図2.6W3は、連結部を介してコード化ビーズに付着させた、本発明に従う1つの連結されたコフェロン二量体と、本発明に従う異なるリガンドを有する2つのコフェロン単量体とから成る、コフェロン四量体の模式図である。図2.6X3は、リンカー要素を介してコード化ビーズに付着させた、本発明に従う2つのコフェロン単量体と、本発明に従う異なるリガンドを有する2つのコフェロン単量体とから成る、コフェロン四量体の模式図である。
【0045】
図2.7】図2.7A4〜F4は、コフェロン薬設計の構成成分の変形例を示す。図2.7A4は、連結部を介してコード化ビーズに付着させた、本発明に従う、同一のリンカー要素、接続部、および同一のリガンドを有する4つの連結されたコフェロン単量体から成る、コフェロン四量体の模式図である。図2.7B4は、連結部を介してDNAバーコードを付着させた、本発明に従う、同一のリンカー要素、接続部、および同一のリガンドを有する4つの連結されたコフェロン単量体から成る、コフェロン四量体の模式図である。図2.7C4は、連結部を介してコード化ビーズに付着させた、本発明に従う、2つの異なるリンカー要素、接続部、および同一のリガンドを有する4つの連結されたコフェロン単量体から成る、コフェロン四量体の模式図である。図2.7D4は、連結部を介してDNAバーコードを付着させた、本発明に従う、2つの異なるリンカー要素、接続部、および同一のリガンドを有する4つの連結されたコフェロン単量体から成る、コフェロン四量体の模式図である。図2.7E4は、連結部を介してコード化ビーズに付着させた、本発明に従う、2つの異なるリンカー要素、接続部、および2つの異なるリガンドを有する、4つの連結されたコフェロン単量体から成る、コフェロン四量体の模式図である。図2.7F4は、連結部を介してDNAバーコードに付着させた、本発明に従う、2つの異なるリンカー要素、接続部、および2つの異なるリガンドを有する4つの連結されたコフェロン単量体から成る、コフェロン四量体の模式図である。
【0046】
図2.8】図2.8G4〜N4は、コフェロン薬設計の構成成分の変形例を示す。図2.8G4は、連結部を介してコード化ビーズに付着させた、本発明に従う、同一のリンカー要素、接続部、および同一のリガンドを有する2つの連結されたコフェロン単量体から成る、コフェロン二量体の模式図である。図2.8H4は、連結部を介してDNAバーコードを付着させた、本発明に従う、同一のリンカー要素、接続部、および同一のリガンドを有する2つの連結されたコフェロン単量体から成る、コフェロン二量体の模式図である。図2.8I4は、連結部を介してコード化ビーズに付着させた、本発明に従う同一のリガンドを有する2つの連結されたコフェロン単量体と、連結部を介してDNAバーコードを付着させた、本発明に従う同一のリガンドを有する2つの連結されたコフェロン単量体から成るコフェロン単量体とから成る、コフェロン四量体の模式図である。図2.8J4は、連結部を介してコード化ビーズに付着させた、本発明に従う同一のリガンドを有する2つの連結されたコフェロン単量体と、本発明に従う同一のリガンドを有する2つの連結されたコフェロン単量体から成るコフェロン二量体とから成る、コフェロン四量体の模式図である。図2.8K4は、1つのリガンドを有する2つのコフェロン単量体と、本発明に従う別の1つのリガンドを有する2つのコフェロン単量体とから構成される、コフェロン四量体の模式図である。図2.8L4は、連結部を介してコード化ビーズに付着させた、本発明に従う同一のリガンドを有する2つの連結されたコフェロン単量体と、リンカー要素を介してDNAバーコードを付着させた、本発明に従う2つの異なるリガンドを有する、2つのコフェロン単量体とから成る、コフェロン四量体の模式図である。図2.8M4は、連結部を介してコード化ビーズに付着させた、本発明に従う同一のリガンドを有する2つの連結されたコフェロン単量体と、本発明に従う2つの異なるリガンドを有する2つのコフェロン単量体とから成る、コフェロン四量体の模式図である。図2.8N4は、本発明に従う、1つのリガンドを有する2つのコフェロン単量体と、2つの異なるリガンドを有する2つのコフェロン単量体とから構成される、コフェロン四量体の模式図である。
【0047】
図2.9】図2.9O4〜T4は、コフェロン薬設計の構成成分の変形例を示す。図2.9O4は、本発明に従う同一のリガンドを有する4つの単量体のコフェロンを含む、コフェロン四量体の模式図である。図2.9P4は、本発明に従う、2つの異なるリンカー要素を有するが、同一のリガンドを有する、4つの単量体のコフェロンを含む、コフェロン四量体の模式図である。図12.9Q4は、本発明に従う、1つのリガンドを有する2つのコフェロン単量体と、別の1つのリガンドを有する2つのコフェロン単量体とを含む、コフェロン四量体の模式図である。図2.9R4は、本発明に従う同一のリガンドを有する2つの単量体のコフェロンを含む、コフェロン二量体の模式図である。図2.9S4は、本発明に従う、2つの異なるリンカー要素を有するが、同一のリガンドを有する、2つのコフェロン単量体から構成される、コフェロン二量体の模式図である。図2.9T4は、本発明に従う、1つのリガンドを有する1つのコフェロン単量体と、別の1つのリガンドを有する1つのコフェロン単量体とから構成される、コフェロン二量体の模式図である。
【0048】
図2.10】図2.10A5〜F5は、コフェロン薬設計の構成成分の変形例を示す。図2.10A5は、連結部を介してコード化ビーズに付着させた、本発明に従う同一のリンカー要素および同一のリガンドを有する、4つの連結されたコフェロン単量体から成る、コフェロン四量体の模式図である。図2.10B5は、連結部を介してDNAバーコードを付着させた、本発明に従う同一のリンカー要素および同一のリガンドを有する、4つの連結されたコフェロン単量体から成る、コフェロン四量体の模式図である。図2.10C5は、連結部を介してコード化ビーズに付着させた、本発明に従う2つの異なるリンカー要素および同一のリガンドを有する、4つの連結されたコフェロン単量体から成る、コフェロン四量体の模式図である。図2.10B5は、連結部を介してDNAバーコードを付着させた、本発明に従う2つの異なるリンカー要素および同一のリガンドを有する、4つの連結されたコフェロン単量体から成る、コフェロン四量体の模式図である。図2.10E5は、連結部を介してコード化ビーズに付着させた、本発明に従う2つの異なるリンカー要素および2つの異なるリガンドを有する、4つの連結されたコフェロン単量体から成る、コフェロン四量体の模式図である。図2.10F5は、連結部を介してDNAバーコードを付着させた、本発明に従う2つの異なるリンカー要素および2つの異なるリガンドを有する、4つの連結されたコフェロン単量体から成る、コフェロン四量体の模式図である。
【0049】
図2.11】図2.11G5〜N5は、コフェロン薬設計の構成成分の変形例を示す。図2.11G5は、連結部を介してコード化ビーズに付着させた、本発明に従う同一のリンカー要素および同一のリガンドを有する、2つの連結されたコフェロン単量体から成る、コフェロン二量体の模式図である。図2.11H5は、連結部を介してDNAバーコードを付着させた、本発明に従う同一のリンカー要素および同一のリガンドを有する、2つの連結されたコフェロン単量体から成る、コフェロン二量体の模式図である。図2.11I5は、連結部を介してコード化ビーズに付着させた、本発明に従う同一のリガンドを有する2つの連結されたコフェロン単量体と、連結部を介してDNAバーコードを付着させた、本発明に従う同一のリガンドを有する2つの連結されたコフェロン単量体から成るコフェロン二量体とから成る、コフェロン四量体の模式図である。図2.11J5は、連結部を介してコード化ビーズに付着させた、本発明に従う同一のリガンドを有する2つの連結されたコフェロン単量体と、本発明に従う同一のリガンドを有する2つの連結されたコフェロン単量体から成る1つのコフェロン二量体とから成る、コフェロン四量体の模式図である。図2.11K5は、本発明に従う、1つのリガンドを有する2つのコフェロン単量体と、別の1つのリガンドを有する2つのコフェロン単量体とから構成される、コフェロン四量体の模式図である。図2.11L5は、連結部を介してコード化ビーズに付着させた、本発明に従う同一のリガンドを有する2つの連結されたコフェロン単量体と、リンカー要素を介してDNAバーコードを付着させた、本発明に従う2つの異なるリガンドを有する2つのコフェロン単量体とから成る、コフェロン四量体の模式図である。図2.11M5は、連結部を介してコード化ビーズに付着させた、本発明に従う同一のリガンドを有する2つの連結されたコフェロン単量体と、本発明に従う2つの異なるリガンドを有する2つのコフェロン単量体とから成る、コフェロン四量体の模式図である。図2.11N5は、本発明に従う、1つのリガンドを有する2つの単量体のコフェロンと、2つの異なるリガンドを有する2つの単量体のコフェロンとから構成される、コフェロン四量体の模式図である。
【0050】
図2.12】図2.12O5〜T5は、コフェロン薬設計の構成成分の変形例を示す。図2.12O5は、本発明に従う同一のリガンドを有する4つの単量体のコフェロンを含む、コフェロン四量体の模式図である。図2.12P5は、本発明に従う、2つの異なるリンカー要素を有するが、同一のリガンドを有する、4つの単量体のコフェロンを含む、コフェロン四量体の模式図である。図2.12Q5は、本発明に従う、1つのリガンドを有する2つの単量体のコフェロンと、別の1つのリガンドを有する2つの単量体のコフェロンとを含む、コフェロン四量体の模式図である。図2.12R5は、本発明に従う同一のリガンドを有する2つのコフェロン単量体を含む、コフェロン二量体の模式図である。図2.12S5は、本発明に従う、2つの異なるリンカー要素を有するが、同一のリガンドを有する、2つのコフェロン単量体を含む、コフェロン二量体の模式図である。図2.12T5は、本発明に従う、1つのリガンドを有する1つのコフェロン単量体と、別の1つのリガンドを有する1つのコフェロン単量体とを含む、コフェロン二量体の模式図である。
【0051】
図2.13】図2.13A6〜F6は、コフェロン薬設計の構成成分の変形例を示す。図2.13A6は、連結部を介してコード化ビーズに付着させた、本発明に従う同一のリンカー要素、接続部、および同一のリガンドを有する6つの連結されたコフェロン単量体から成る、コフェロン六量体の模式図である。図2.13B6は、連結部を介してDNAバーコードを付着させた、本発明に従う同一のリンカー要素、接続部、および同一のリガンドを有する6つの連結されたコフェロン単量体から成る、コフェロン六量体の模式図である。図2.13C6は、連結部を介してコード化ビーズに付着させた、本発明に従う2つの異なるリンカー要素、接続部、および同一のリガンドを有する6つの連結されたコフェロン単量体から成る、コフェロン六量体の模式図である。図2.13D6は、連結部を介してDNAバーコードを付着させた、本発明に従う2つの異なるリンカー要素、接続部、および同一のリガンドを有する6つの連結されたコフェロン単量体から成る、コフェロン六量体の模式図である。図2.13E6は、連結部を介してコード化ビーズに付着させた、本発明に従う2つの異なるリンカー要素、接続部、および2つの異なるリガンドを有する6つの連結されたコフェロン単量体から成る、コフェロン六量体の模式図である。図2.13F6は、連結部を介してDNAバーコードを付着させた、本発明に従う2つの異なるリンカー要素、接続部、および2つの異なるリガンドを有する6つの連結されたコフェロン単量体から成る、コフェロン六量体の模式図である。
【0052】
図2.14】図2.14G6〜N6は、コフェロン薬設計の構成成分の変形例を示す。図2.14G6は、連結部を介してコード化ビーズに付着させた、本発明に従う同一のリンカー要素、接続部、および同一のリガンドを有する3つの連結されたコフェロン単量体から成る、コフェロン三量体の模式図である。図2.14H6は、連結部を介してDNAバーコードを付着させた、本発明に従う同一のリンカー要素、接続部、および同一のリガンドを有する3つの連結されたコフェロン単量体から成る、コフェロン三量体の模式図である。図2.14I6は、連結部を介してコード化ビーズに付着させた、本発明に従う同一のリガンドを有する3つの連結されたコフェロン単量体と、連結部を介してDNAバーコードを付着させた、本発明に従う同一のリガンドを有する3つの連結されたコフェロン単量体から成る1つのコフェロン三量体とから成る、コフェロン六量体の模式図である。図2.14J6は、連結部を介してコード化ビーズに付着させた、本発明に従う同一のリガンドを有する3つの連結されたコフェロン単量体と、本発明に従う同一のリガンドを有する3つの連結されたコフェロン単量体から成る1つのコフェロン三量体とから成る、コフェロン六量体の模式図である。図2.14K6は、本発明に従う、1つのリガンドを有する3つのコフェロン単量体と、別の1つのリガンドを有する3つのコフェロン単量体とを含む、コフェロン六量体の模式図である。図2.14L6は、本発明に従う同一のリガンドを有する6つのコフェロン単量体を含む、コフェロン六量体の模式図である。図2.14M6は、本発明に従う、2つの異なるリンカー要素を有するが、同一のリガンドを有する、6つのコフェロン単量体を含むコフェロン六量体の模式図である。図2.14N6は、本発明に従う、1つのリンカー要素および同一のリガンドを有する2つのコフェロン単量体と、別の1つのリンカー要素および別の1つのリガンドを有する1つのコフェロン単量体とを含む、コフェロン三量体の模式図である。
【0053】
図2.15】図2.15A7〜F7は、コフェロン薬設計の構成成分の変形例を示す。図2.15A7は、連結部を介してコード化ビーズに付着させた、本発明に従う同一のリンカー要素および同一のリガンドを有する6つの連結されたコフェロン単量体から成る、コフェロン六量体の模式図である。図2.15B7は、連結部を介してDNAバーコードを付着させた、本発明に従う同一のリンカー要素および同一のリガンドを有する6つの連結されたコフェロン単量体から成る、コフェロン六量体の模式図である。図2.15C7は、連結部を介してコード化ビーズに付着させた、本発明に従う2つの異なるリンカー要素および同一のリガンドを有する6つの連結されたコフェロン単量体から成る、コフェロン六量体の模式図である。図2.15B7は、連結部を介してDNAバーコードを付着させた、本発明に従う2つの異なるリンカー要素および同一のリガンドを有する6つの連結されたコフェロン単量体から成る、コフェロン六量体の模式図である。図2.15E7は、連結部を介してコード化ビーズに付着させた、本発明に従う2つの異なるリンカー要素および2つの異なるリガンドを有する6つの連結されたコフェロン単量体から成る、コフェロン六量体の模式図である。図2.15F7は、連結部を介してDNAバーコードを付着させた、本発明に従う2つの異なるリンカー要素および2つの異なるリガンドを有する、6つの連結されたコフェロン単量体から成る、コフェロン六量体の模式図である。
【0054】
図2.16】図2.16G7〜N7は、コフェロン薬設計の構成成分の変形例を示す。図2.16G7は、連結部を介してコード化ビーズに付着させた、本発明に従う同一のリンカー要素および同一のリガンドを有する、3つの連結されたコフェロン単量体から成る、コフェロン三量体の模式図である。図2.16H7は、連結部を介してDNAバーコードを付着させた、本発明に従う同一のリンカー要素および同一のリガンドを有する3つの連結されたコフェロン単量体から成る、コフェロン三量体の模式図である。図2.16I7は、連結部を介してコード化ビーズに付着させた、本発明に従う同一のリガンドを有する3つの連結されたコフェロン単量体と、連結部を介してDNAバーコードを付着させた、本発明に従う同一のリガンドを有する3つの連結されたコフェロン単量体から成る1つのコフェロン三量体とから成る、コフェロン六量体の模式図である。図2.16J7は、連結部を介してコード化ビーズに付着させた、本発明に従う同一のリガンドを有する3つの連結されたコフェロン単量体と、本発明に従う同一のリガンドを有する3つの連結されたコフェロン単量体から成る1つのコフェロン三量体とから成る、コフェロン六量体の模式図である。図2.16K7は、本発明に従う、1つのリガンドを有する3つのコフェロン単量体と、別の1つのリガンドを有する3つのコフェロン単量体とを含む、コフェロン六量体の模式図である。図2.16L7は、本発明に従う同一のリガンドを有する6つのコフェロン単量体を含む、コフェロン六量体の模式図である。図2.16M7は、本発明に従う、2つの異なるリンカー要素を有するが、同一のリガンドを有する6つのコフェロン単量体を含む、コフェロン六量体の模式図である。図2.16N7は、本発明に従う、1つのリンカー要素および同一のリガンドを有する2つのコフェロン単量体と、別の1つのリンカー要素および別の1つのリガンドを有する1つのコフェロン単量体とを含む、コフェロン三量体の模式図である。
【0055】
図2.17】図2.17A〜Cは、標的とのコフェロン薬相互作用の変形例を示す。コフェロン1は、黄色の六角形のリガンドに連結された紫色の「L」のリンカー要素として、コフェロン2は緑色の楕円形のリガンドに連結された橙色の「逆さL」のリンカー要素として、そして標的タンパク質は薄青色の形状として示される。基質は、濃橙色のダンベル型の物体として、切断産物は二等分として示される。標的の結合パートナーは、暗青色の形状として示される。図2.17Aは、標的に結合し、その標的によって切断される基質の模式図である。図2.17Bは、解離定数が基質の解離定数以下である標的に結合し、その標的上でコフェロン二量体を形成し、それによって基質が標的に結合し、その標的によって切断されるのを阻害する、2つのコフェロン単量体の模式図である。図2.17Cは、解離定数が結合タンパク質の解離定数以下である標的に結合し、その標的上でコフェロン二量体を形成し、それによって結合タンパク質の標的への結合をとりのける、2つのコフェロン単量体の模式図である。
【0056】
図2.18】図2.18D〜Gは、標的とのコフェロン薬相互作用の変形例を示す。コフェロン1、コフェロン2、および標的タンパク質は、上述される。例えば、キナーゼ活性を活性化することによる、標的タンパク質の活性化は、赤線の円弧で示される。標的の活性化結合パートナーは、紫色の形状として示される。標的の阻害結合パートナーは、緑色の形状として示される。図2.18Dは、標的に結合し、その標的を活性化する、活性化結合パートナーの模式図である。図2.18Eは、標的に結合し、その標的上でコフェロン二量体を形成し、標的を活性化することによって活性化結合パートナーを模倣する、2つのコフェロン単量体の模式図である。図2.18Fは、標的に結合し、その標的を不活性化する不活性化結合パートナーの模式図である。図2.18Gは、標的に結合し、その標的上でコフェロン二量体を形成し、標的を不活性化することによって不活性化結合パートナーを模倣する、2つのコフェロン単量体の模式図である。
【0057】
図2.19】図2.19H〜Iは、標的とのコフェロン薬相互作用の変形例を示す。コフェロン1、コフェロン2、および標的タンパク質は、上述される。例えば、キナーゼ活性を活性化することによる標的タンパク質の活性化は、赤線の円弧で示され、活性化の強度は、円弧の赤線の数によって示唆される。標的の活性化結合パートナーは、緑色の形状として示される。標的の阻害結合パートナーは、紫色の形状として示される。図2.19Hは、標的に結合し、その標的を軽度に活性化する、活性化結合パートナーの模式図である(上の経路)。2つのコフェロン単量体の付加によって、活性化結合パートナー−標的複合体に結合し、その上でコフェロン二量体を形成することが可能になり、それによって標的の活性化を促進する(下の経路)。図2.19Iは、標的に結合し、その標的を軽度に不活性化する、不活性化結合パートナーの模式図である(上の経路)。2つのコフェロン単量体の付加によって、活性化結合パートナー−標的複合体に結合し、その上でコフェロン二量体を形成することが可能になり、それによって標的の不活性化を促進する(下の経路)。
【0058】
図2.20】図2.20J〜Kは、標的とのコフェロン薬相互作用の変形例を示す。コフェロン1、コフェロン2、および標的タンパク質は、上述される。突然変異標的タンパク質は、赤色の「M」を付した薄青色の形状として示される。例えば、キナーゼ活性を活性化することによる標的タンパク質の活性化は、赤線の円弧で示され、活性化の強度は、円弧の赤線の数によって示唆される。標的の活性化結合パートナーは、緑色の形状として示される。図2.20Jは、野生型標的に結合し、それを活性化する、活性化結合パートナーの模式図である。図2.20Jは、突然変異標的に結合し、それを軽度に活性化する、活性化結合パートナーの模式図である(上の経路)。2つのコフェロン単量体の付加によって、突然変異標的に結合し、その上でコフェロン二量体を形成することが可能になり、それによって突然変異標的の活性化を促進する(下の経路)。
【0059】
図2.21】図2.21L〜Mは、標的とのコフェロン薬相互作用の変形例を示す。コフェロン1、コフェロン2、および標的タンパク質は、上述される。突然変異標的タンパク質は、赤色の「M」を付した薄青色の形状として示される。標的タンパク質の不活性化は、赤線の円弧(の喪失)によって示され、活性化の強度は、円弧の赤線の数によって示唆される。標的の不活性化結合パートナーは、紫色の形状として示される。図2.21Lは、野生型標的に結合し、それを不活性化する、不活性化結合パートナーの模式図である。図2.21Mは、(過剰に活性化した)突然変異標的に結合し、それを軽度に不活性化する、不活性化結合パートナーの模式図である(上の経路)。2つのコフェロン単量体の付加によって、突然変異標的に結合し、その上でコフェロン二量体を形成することが可能になり、それによって突然変異標的の不活性化を促進する(下の経路)。
【0060】
図2.22】図2.22N〜Oは、標的とのコフェロン薬相互作用の変形例を示す。コフェロン1、コフェロン2、および標的タンパク質は、上述される。標的に対して弱い親和性を有する第1の結合パートナーは、緑色の形状として示される。標的、コフェロン、および第1の結合パートナーに親和性を有する第2の結合パートナーは、濃橙色の形状として示される。図2.22Nは、標的に弱く結合する第1の結合パートナーの模式図である。図2.22Oは、標的に弱く結合する第1の結合パートナーの模式図である(上の経路)。2つのコフェロン単量体の付加によって、標的に結合し、その標的上でコフェロン二量体を形成し、標的、コフェロン、および第1の結合パートナーに結合するように第2の結合パートナーを動員し、コフェロン二量体−標的−第2の結合タンパク質複合体を形成することが可能になり、それによって第1の結合パートナーの標的への結合を促進する(下の経路)。
【0061】
図2.23】図2.23P〜Qは、標的とのコフェロン薬相互作用の変形例を示す。コフェロン1、コフェロン2、および標的タンパク質は、上述される。標的に対して強い親和性を有する第1の結合パートナーは、暗青色の形状として示される。標的およびコフェロンに対して親和性を有する第2の結合パートナーは、濃橙色の形状として示される。図2.23Pは、標的に強く結合する第1の結合パートナーの模式図である。図2.23Qは、標的に強く結合する第1の結合パートナーの模式図である(上の経路)。2つのコフェロン単量体の付加によって、標的に結合し、その標的上でコフェロン二量体を形成し、標的およびコフェロンに結合するように第2の結合パートナーを動員し、コフェロン二量体−標的−第2の結合タンパク質複合体(その解離定数は第1の結合タンパク質の解離定数以下である)を形成することが可能になり、それによって第1の結合タンパク質の標的への結合をとりのける(下の経路)。
【0062】
図2.24】図2.24R〜Tは、標的とのコフェロン薬相互作用の変形例を示す。コフェロン1、コフェロン2、および標的タンパク質は、上述される。標的に対する親和性が弱いか、または全くない第1の結合パートナーは、緑色の形状として示される。標的、コフェロン、および/または第1の結合パートナーに親和性を有する第2の結合パートナーは、濃橙色の形状として示される。図2.24Rは、標的に結合し、その標的上でコフェロン二量体を形成し、標的、コフェロン、および第1の結合パートナーに結合するように第2の結合パートナーを動員し、コフェロン二量体−標的−第2の結合タンパク質複合体を形成し、それによって第1の結合パートナーを標的に動員する、2つのコフェロン単量体の模式図である。図2.24Sは、標的に結合し、その標的上でコフェロン二量体を形成し、標的、コフェロン、および第1の結合パートナーに結合するように第2の結合パートナーを動員し、コフェロン二量体−標的−第2の結合タンパク質複合体を形成し、それによって第1の結合パートナーを標的に動員する、2つのコフェロン単量体の模式図である。図2.24Tは、標的および第1の結合タンパク質に結合し、その上でコフェロン二量体を形成し、標的および第1の結合パートナーに結合するように第2の結合パートナーを動員し、コフェロン二量体−標的−第1の結合タンパク質−第2の結合タンパク質複合体を形成し、それによって第1の結合パートナーを標的に動員する、2つのコフェロン単量体の模式図である。
【0063】
図2.25】図2.25A2〜B2は、標的とのコフェロン薬相互作用の変形例を示す。コフェロン1、コフェロン2、および標的タンパク質は、上述される。受容体二量体の天然リガンドは濃橙色の楕円であり、膜は半透明の黄色の線である。例えば、キナーゼ活性を活性化することによる標的タンパク質の活性化は、赤線の円弧で示され、活性化の強度は、円弧の赤線の数によって示唆される。図2.25A2は、受容体標的に結合し、受容体の二量体形成を促進し、受容体標的を活性化する、活性化リガンドの模式図である。図2.25B2は、標的に結合し、その標的上でコフェロン二量体を形成し、活性化リガンドを模倣し、受容体の二量体形成を促進し、受容体標的を活性化する、2つのコフェロン単量体の模式図である。
【0064】
図2.26】図2.26C2〜D2は、標的とのコフェロン薬相互作用の変形例を示す。コフェロン1、コフェロン2、および標的タンパク質は、上述される。受容体二量体の天然リガンドは濃橙色の楕円であり、膜は半透明の黄色の線である。図2.26C2は、標的に結合し、その標的上でコフェロン二量体を形成し、適切な受容体の二量体形成を妨害し、受容体標的の活性化を阻害する、2つのコフェロン単量体の模式図である。図2.26D2は、各標的に結合し、その上でコフェロン二量体を形成し、受容体の二量体形成を促進する活性化リガンドの存在下であっても、アロステリック部位での活性化を阻害する、2つのコフェロン単量体の模式図である。
【0065】
図2.27】図2.27E2は、標的とのコフェロン薬相互作用の変形例を示す。コフェロン1、コフェロン2、および標的タンパク質は、上述される。受容体二量体の天然リガンドは濃橙色の楕円であり、膜は半透明の黄色の線である。例えば、キナーゼ活性を活性化することによる標的タンパク質の活性化は、赤線の円弧で示され、活性化の強度は、円弧の赤線の数によって示唆される。図2.27E2は、各標的に結合し、その上でコフェロン二量体を形成し、受容体の二量体形成を促進する活性化リガンドの存在下で促進される、アロステリック部位での活性化を促進する、2つのコフェロン単量体の模式図である。
【0066】
図2.28】図2.28F2〜H2は、標的とのコフェロン薬相互作用の変形例を示す。コフェロン1、コフェロン2、および標的タンパク質は、上述される。受容体二量体の天然リガンドは、濃橙色の不完全な楕円であり、膜は半透明の黄色の線である。標的のリガンドに結合時にその標的に対する親和性を有する結合パートナーは、緑色の形状として示される。標的タンパク質に結合すると、結合パートナーは、例えば、キナーゼ活性を活性化することによって活性化され得、赤線の円弧で示され、活性化の強度は円弧の赤線の数によって示唆される。図2.28F2は、受容体標的に結合し、結合パートナーを動員して活性化する、天然リガンドの模式図である。図2.28G2は、リガンド結合部位で受容体標的に結合し、その上でコフェロン二量体を形成し、アゴニストとして作用し、結合パートナーを動員して活性化する天然リガンドを模倣する、2つのコフェロン単量体の模式図である。図2.28H2は、リガンド結合部位で受容体標的に結合し、その上でコフェロン二量体を形成して、アンタゴニストとして作用し、それによって結合パートナーの動員および活性化を阻害する、2つのコフェロン単量体の模式図である。
【0067】
図2.29】図2.29I2〜K2は、標的とのコフェロン薬相互作用の変形例を示す。コフェロン1、コフェロン2、および標的タンパク質は、上述される。受容体二量体の天然リガンドは濃橙色の不完全な楕円であり、膜は半透明の黄色の線である。標的のリガンドに結合時にその標的に対する親和性を有する結合パートナーは、緑色の形状として示される。標的タンパク質に結合すると、結合パートナーは、例えば、キナーゼ活性を活性化することによって活性化され得、赤線の円弧で示され、活性化の強度は円弧の赤線の数によって示唆される。図2.29I2は、結合パートナーの結合部位で受容体標的に結合し、その上でコフェロン二量体を形成して、アンタゴニストとして作用し、それによって結合パートナーの動員および活性化を阻害する、2つのコフェロン単量体の模式図である。図2.29J2は、受容体標的および結合パートナーに結合し、その上でコフェロン二量体を形成して、結合パートナーの活性化を促進する、2つのコフェロン単量体を伴う、結合パートナーを動員して活性化する受容体標的に結合する、天然リガンドの模式図である。図2.29K2は、受容体標的および天然リガンドに結合し、コフェロン二量体を形成して、結合パートナーの活性化を促進する、2つのコフェロン単量体を伴う、結合パートナーを動員して活性化する受容体標的に結合する、天然リガンドの模式図である。
【0068】
図2.30】図2.30A3〜C3は、標的とのコフェロン薬相互作用の変形例を示す。コフェロン1は、黄色の六量体のリガンドに連結される紫色の円筒状のリンカー要素として示され、コフェロン2は、緑色の楕円形のリガンドに連結される橙色の円筒状のリンカー要素として示され、二量体標的タンパク質は、暗青色の形状と二量体を形成する薄青色の形状として示される。図2.30A3は、結合して二量体標的上でコフェロンホモ二量体を形成する、2つのコフェロン単量体の模式図である。図2.30B3は、結合して二量体標的上でコフェロンホモ四量体を形成する4つのコフェロン単量体から成る、コフェロン四量体の模式図である。図2.30B3は、結合して二量体標的上でコフェロンヘテロ四量体を形成する、1つのリガンドを有する2つのコフェロン単量体と、第2のリガンドを有する2つのコフェロン単量体とから成る、コフェロン四量体の模式図である。
【0069】
図2.31】図2.31D3〜F3は、標的とのコフェロン薬相互作用の変形例を示す。コフェロン1は、黄色の六量体のリガンドに連結される紫色の円筒状のリンカー要素として示され、コフェロン2は、緑色の楕円形のリガンドに連結される橙色の円筒状のリンカー要素として示され、コフェロン3は、ピンク色の星状のリガンドに連結される薄いピンク色の円筒状のリンカー要素として示され、多量体標的タンパク質は、異なる濃淡の青色および橙色のより大きな円筒形から成る。細胞膜は、半透明の黄色の線として示される。図2.31D3は、結合して多量体標的上でコフェロンヘテロ四量体を形成する、1つのリガンドを有する2つのコフェロン単量体と、第2のリガンドを有する2つのコフェロン単量体とから成る、コフェロン四量体の模式図である。図2.31E3は、結合して多量体標的上でコフェロンヘテロ四量体を形成する、1つのリガンドを有する2つのコフェロン単量体と、第2および第3のリガンドを有する2つの異なるコフェロン単量体とから成る、コフェロン四量体の模式図である。図2.31F3は、結合して多量体標的上でコフェロンヘテロ六量体を形成する、1つのリガンドを有する3つのコフェロン単量体と、第2のリガンドを有する3つのコフェロン単量体とから成る、コフェロン六量体の模式図である。
【0070】
図2.32】図2.32A4〜B4は、標的とのコフェロン薬相互作用の変形例を示す。コフェロン1は、黄色の六量体のリガンドに連結される紫色の「L」のリンカー要素として示され、コフェロン2は、緑色の楕円形のリガンドに連結される橙色の「L」のリンカー要素として示され、標的のチューブリンヘテロ二量体は、青色および紫色の円として示される。図2.32A4は、結合して重合化したチューブリンフィラメントを形成する、αおよびβチューブリンヘテロ二量体の模式図である。図2.32B4は、結合してチューブリン二量体標的上でコフェロン二量体を形成し、それによってフィラメント形成を不安定化させる、2つのコフェロン単量体の模式図である。
【0071】
図2.33】図2.33D4〜E4は、標的とのコフェロン薬相互作用の変形例を示す。コフェロン1は、黄色の六量体のリガンドに連結される紫色の「L」のリンカー要素として示され、コフェロン2は、緑色の楕円形のリガンドに連結される橙色の「L」のリンカー要素として示され、標的のアミロイドβペプチドは、青色の六量体、円、および丸みを帯びた正方形として示される。図2.33D4は、凝集して、アルツハイマー病を生じさせる小さなオリゴマー、大きなオリゴマー、プロト原線維、およびアミロイド原線維を形成する、アミロイドβペプチド単量体の模式図である。図2.33E4は、結合して、アミロイドβペプチド単量体上でコフェロン二量体を形成し、それによって凝集および疾病を阻害する、2つのコフェロン単量体の模式図である。
【0072】
図2.34】図2.34A〜Bは、RNA標的とのコフェロン薬相互作用の変形例を示す。コフェロン1は、所望の標的に相補的であるRNAまたはオリゴマーヌクレオチド類似体を示す濃青色の線に連結される、紫色の「L」のリンカー要素として示され、コフェロン2は、所望の標的に相補的であるRNAまたはオリゴマーヌクレオチド類似体を示す濃緑色の線に連結される、橙色の「L」のリンカー要素として示され、所望のRNA標的は、薄青色および薄緑色の線として示される相補的配列を伴う濃橙色の線として示され、誤ったRNA標的は、薄青色および薄緑色の線として示される相補的またはほぼ相補的な配列を伴う薄橙色の線として示され、膜は太い曲線として示される。図2.34Aは、膜を横断して輸送され、所望のRNA標的に結合し、所望の生物学的効果、ならびに一部の望ましくないオフターゲット効果を得る、アンチセンスオリゴヌクレオチドの模式図である。図2.34Bは、膜を横断して輸送されるコフェロンオリゴヌクレオチドの模式図であり、それらは所望のRNA標的上で相互に隣接して結合し、リンカー要素を接近させ、可逆的または不可逆的のいずれかの結合の形成を可能にすることができ、引いては解離定数を大きく低下させる。コフェロンオリゴヌクレオチド単量体がオフターゲット部位上に結合する場合、それらは解離する。よって、コフェロン設計によって、アンチセンスオリゴヌクレオチド治療薬が、望ましくないオフターゲット効果を最小限に抑えつつ、特定のRNA標的を阻害する所望の生物学的効果を得ることが可能になる。
【0073】
図2.35】図2.35Cは、RNA標的とのコフェロン薬相互作用の変形例を示す。コフェロン1は、所望の標的に相補的であるRNAまたはオリゴマーヌクレオチド類似体を示す濃青色の線に連結される、紫色の「L」のリンカー要素として示され、コフェロン2は、所望の標的に相補的であるRNAまたはオリゴマーヌクレオチド類似体を示す濃緑色の線に連結される、橙色の「L」のリンカー要素として示され、リポコフェロンまたはアミノグリコフェロンは、ジスルフィド結合等の可逆的リンカーによって連結される短い薄紫色のバーとして示され、所望のRNA標的は、薄青色および薄緑色の線として示される相補的配列を伴う濃橙色の線として示され、誤ったRNA標的は、薄青色および薄緑色の線として示される相補的またはほぼ相補的な配列を伴う薄橙色の線として示され、膜は太い曲線として示される。図22.35Cは、リポコフェロンまたはアミノグリコフェロンに結合して、親油性複合体を形成し、膜を横断して輸送される、コフェロンオリゴヌクレオチドの模式図である。一旦中に入ると、細胞内グルタチオンがリポコフェロンまたはアミノグリコフェロン内のジスルフィド結合を還元し、それらはコフェロンオリゴヌクレオチドから解離する。次いで、コフェロンオリゴヌクレオチドは、所望のRNA標的上で相互に隣接して結合し、リンカー要素を接近させ、可逆的または不可逆的のいずれかの結合の形成を可能にすることができ、引いては解離定数を大きく低下させる。コフェロンオリゴヌクレオチド単量体がオフターゲット部位上に結合する場合、それらは解離する。よって、コフェロン設計によって、アンチセンスオリゴヌクレオチド治療薬が、望ましくないオフターゲット効果を最小限に抑えつつ、特定のRNA標的を阻害する所望の生物学的効果を得ることが可能になる。
【0074】
図2.36】図2.36Dは、RNA標的とのコフェロン薬相互作用の変形例を示す。コフェロン1は、所望の標的に相補的である二本鎖RNAまたはオリゴマーヌクレオチド類似体を示す、薄青色の太いオフセット線上の濃青色の線に連結される、紫色の「L」のリンカー要素として示され、コフェロン2は、所望の標的に相補的である二本鎖RNAまたはオリゴマーヌクレオチド類似体を示す、薄緑色の太いオフセット線上の濃緑色の線に連結される、橙色の「L」のリンカー要素として示され、リポコフェロンまたはアミノグリコフェロンは、ジスルフィド結合等の可逆的リンカーによって連結される短い薄紫色のバーとして示される。RISC複合体は、薄灰色の丸みを帯びた長方形として示され、所望のRNA標的は、薄青色および薄緑色の線として示される相補的配列を伴う濃橙色の線として示され、誤ったRNA標的は、薄青色および薄緑色の線として示される相補的またはほぼ相補的な配列を伴う薄橙色の線として示され、膜は太い曲線として示される。図2.36Dは、リポコフェロンまたはアミノグリコフェロンに結合し、親油性複合体を形成し、膜を横断して輸送される、コフェロンオリゴヌクレオチドの模式図である。一旦中に入ると、細胞内グルタチオンがリポコフェロンまたはアミノグリコフェロン内のジスルフィド結合を還元し、それらはコフェロンオリゴヌクレオチドから解離する。次いで、コフェロンオリゴヌクレオチドは、RISC複合体内で相互に隣接して結合し、リンカー要素を接近させ、可逆的または不可逆的のいずれかの結合の形成を可能にすることができ、引いては相補鎖の破壊を可能にする。RISC複合体内のコフェロン二量体は、これで、所望のRNA標的の複数のコピーを酵素的に分解することができる。
【0075】
図3】コフェロンリガンドの多様性合成のための固有の識別子配列を有するコード化ビーズの変形例を示す。一般配列を有するDNAは黒色の線として示され、一方固有配列を有するDNAは色付きの線として示される。ビーズは円弧として示される。コフェロン1は、黄色の六角形のリガンドに連結される橙色の「L」のリンカー要素として示され、コフェロン2は、ピンク色の星状のリガンドに連結される橙色の「L」のリンカー要素として示され、コフェロン3は、緑色の楕円形のリガンドに連結される橙色の「L」のリンカー要素として示される。両端に一般配列、および中間に固有配列を含有する2セットのオリゴヌクレオチドプライマーを使用して、UniAは一般配列Aであり、UniBは一般配列Bであり、UniCは一般配列Cであり、Randは約20塩基長の無作為(固有)配列を指定する、UniA(20)-Rand(20)-UniB(15)-Rand(20)-UniC(20)の形態のPCR産物を生成する。次いで、一般プライマーのうちの1つがビーズ上に存在するエマルジョンPCRを用いて、固有ビーズ上でこれらを増幅する。コフェロンは、ビーズ表面の直ぐ上の活性化された基の上で合成することができ、あるいは変形例では、官能基を含有するプライマーを増幅産物の末端にライゲートする。よって、コフェロンは、DNA鎖の末端に合成される。これは、(a)DNAの末端にコフェロンを有することで、それらはタンパク質標的に到達し易い、(b)本設計は、コフェロンをビーズの末端から切断するか、またはDNAをビーズから切断するかのいずれかの選択肢を提供し、その後もそれは依然としてコフェロンに付着している、の2つの機会を提示する。
【0076】
図4】コフェロンリガンドの多様性合成のための固有の識別子配列を有するコード化ビーズの変形例を示す。一般配列を有するDNAは黒色の線として示され、一方固有配列を有するDNAは色付きの線として示される。ビーズは丸みを帯びた正方形として示される。コフェロン1は、黄色の六角形のリガンドに連結される橙色の「L」のリンカー要素として示され、コフェロン2は、ピンク色の星状のリガンドに連結される橙色の「L」のリンカー要素として示され、コフェロン3は、緑色の楕円形のリガンドに連結される橙色の「L」のリンカー要素として示される。両端に一般配列、および中間に固有配列を含有する2セットのオリゴヌクレオチドプライマーを使用して、UniAは一般配列Aであり、UniBは一般配列Bであり、UniCは一般配列Cであり、Randは約20塩基長の無作為(固有)配列を指定する、UniA(20)-Rand(20)-UniB(15)-Rand(20)-UniC(20)の形態のPCR産物を生成する。次いで、ビーズを片側のみで活性化する。液体の表面にビーズを浮かせて、曝露された表面のみに活性化物質を噴霧することができる。別のアプローチは、シリコンまたはガラスウエハの表面に活性化基をプリントし、水平および垂直のセクションをエッチング除去して、一方の側のみにエッチングされた何百万もの粒子を残すことである。次いで、一般プライマーのうちの1つがビーズ上に存在するエマルジョンPCRを用いて、無作為プライマーを固有ビーズの片側のみの上に増幅する。コフェロンは、ビーズのもう一方の表面の直ぐ上の活性化された基の上で合成することができる。PCR産物をビーズの片面のみに限定する利点は、その後コフェロン合成または蛍光標識された標的(タンパク質)のビーズへの結合を妨害し得る、あまりにも多くのDNA分子が突出するのを回避することである。
【0077】
図5】コフェロンリガンドの多様性合成のための固有の識別子配列を有するコード化ビーズの変形例を示す。一般配列を有するDNAは黒色の線として示され、UniD配列は青線で示され、固有配列を有するDNAは色付きの線として示される。ビーズは丸みを帯びた正方形として示される。コフェロン1は、黄色の六角形のリガンドに連結される橙色の「L」のリンカー要素として示され、コフェロン2は、ピンク色の星状のリガンドに連結される橙色の「L」のリンカー要素として示され、コフェロン3は、緑色の楕円形のリガンドに連結される橙色の「L」のリンカー要素として示される。両端に一般配列、および中間に固有配列を含有する2セットのオリゴヌクレオチドプライマーを使用して、UniAは一般配列Aであり、UniBは一般配列Bであり、UniCは一般配列Cであり、UniDは一般配列Dであり、Randは約20塩基長の無作為(固有)配列を指定する、UniA(20)-Rand(20)-UniB(15)-Rand(20)-UniC(20)-UniD(20)の形態のローリングサークル産物を生成する。次いで、ビーズを片側のみで活性化する。液体の表面にビーズを浮かせて、曝露された表面のみに活性化物質を噴霧することができる。別のアプローチは、シリコンまたはガラスウエハの表面に活性化基をプリントし、水平および垂直のセクションをエッチング除去して、一方の側のみにエッチングされた何百万もの粒子を残すことである。次いで、ローリングサークルアンプリコンを、ビーズ上のUniDプライマーの相補的配列を使用して、固有ビーズの片側のみの上に捕獲する。コフェロンは、ビーズのもう一方の表面の直ぐ上の活性化された基の上で合成することができる。ローリングサークル産物をビーズの片面のみに限定する利点は、その後コフェロン合成または蛍光標識された標的(タンパク質)のビーズへの結合を妨害し得る、あまりにも多くのDNA分子が突出するのを回避することである。
【0078】
図6】2−ヒドロキシシクロヘキサノンに由来するリンカー要素の、3次元の空間充填表示を示す。
【0079】
図7】2−ヒドロキシシクロヘキサノンに由来するリンカー要素によって形成される二量体の、3次元の空間充填表示を示す。
【0080】
図8】1−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチルシクロペンタンカルバルデヒドに由来するリンカー要素によって形成される二量体の、3次元の空間充填表示を示す。
【0081】
図9】トリアゾールに結合した芳香族リンカー要素の、3次元の空間充填表示を示す。
【0082】
図10】インターカレーションを通じて二量体を形成した、トリアゾール結合要素の3次元表示を示す。半透明の表面は、溶媒接触可能面積を表す。
【0083】
図11】芳香族インターカレーターに基づくリンカー要素単量体の3次元表示を示す。
【0084】
図12】分子表面を伴った、リンカー要素二量体の3次元表示の側面図を示す。
【0085】
図13】分子表面を伴った、リンカー要素二量体の3次元表示の上面図である。
【0086】
図14】本発明に従うリンカー要素のスクリーニングの模式図である。
【0087】
図15】本発明に従うリンカー要素のスクリーニングの模式図である。
【0088】
図16】DNAコード化ライブラリーのための、多様性要素ライブラリーの合成に使用される構成成分の模式図である。図16Aは、DNAテンプレート合成を示す。図16Bは、DNA選別合成を示す。図16Cは、ジップコード捕獲合成を示す。
【0089】
図17】ビーズコード化ライブラリーのための、多様性要素ライブラリーの合成に使用される構成成分の模式図である。図17Aは、小分子阻害剤および類似体を示す。図17B〜17Cは、共通のプラットフォーム上でのコンビナトリアルケミストリーを示す。
【0090】
図18A】コフェロンの定向進化の模式図である。
図18B】コフェロンの定向進化の模式図である。
図18C】コフェロンの定向進化の模式図である。
【0091】
図19】動的コンビナトリアルケミストリーの原理を生かす、最も密接に結合するコフェロンタンパク質相互作用二量体の選択の概要を示す略図である。ステップ1に示すように、各コフェロンモノマーは、コード化するDNA鎖(結合リガンドの段階的な合成および同定を可能にする)に共有結合する低分子量の結合リガンド(多様性要素)、ならびに低分子量のリンカー要素(動的コンビナトリアルケミストリー要素)を含む。ステップ2に示すように、生理的条件下で、異なるリガンドの組み合わせが形成され、相互に再会合する。ステップ3に示すように、多様性要素が表面上でタンパク質標的と接触させられると、一部の組み合わせは他のものよりも密接に結合する。これによって、組み合わせの進化が好ましい対へと誘導される。非結合リガンドを除去後、一般プライマー(黒色の線)を使用してDNAコード化領域(色付きの線、「ジップコード」)を増幅し、リード分子として機能する個々のリガンドを同定することができる。
【0092】
図20】本発明に従う標的スクリーニングの第1の実施形態である。ステップ1で、リガンドのライブラリーがビーズ上で合成され、これは、バーコードによって個別に同定することができる。各単量体要素は、低分子量(約300未満)のリンカー要素(動的コンビナトリアルケミストリー要素)に共有結合する、低分子量(約600〜800)の結合リガンド(多様性要素)から構成される。蛍光標識された標的タンパク質を用いてビーズをインキュベートし、標的に最も密接に結合するリガンドを同定する。ステップ2で、これらのリガンドの上位のセットを、リンカー要素とリガンド多様性要素との間の接続部に任意選択的にさらなる多様性を付加して、再合成する。各単量体要素が、DNAバーコード(結合リガンドの段階的な合成および同定を可能にする)に共有結合する低分子量の結合リガンド(多様性要素)、ならびに第1のライブラリーのリンカー要素との可逆的結合に好適な、低分子量のリンカー要素から構成される、リガンドの第2のライブラリーを合成する。生理的条件下で、異なるリガンドの組み合わせが形成され、相互に再会合する。表面結合および溶液の多様性要素ライブラリーを、蛍光標識された標的タンパク質を用いてパニングする。タンパク質標的は、一部の組み合わせと他のものよりも密接に結合し、それによって組み合わせの進化が好ましい対へと誘導される。ステップ3に示すように、一般プライマー(黒色の線)を使用してDNAバーコード(色付きの線)を増幅し、リード分子として機能する個々のリガンドを同定することができる。
【0093】
図21】本発明に従う標的スクリーニングの第2の実施形態である。ステップ1に示すように、2つのライブラリーのリガンドを、1つはバーコードによって個別に同定することができるビーズ上に、もう1つはDNAバーコード(結合リガンドの段階的な合成および同定を可能にする)に共有結合させて合成する。各単量体要素は、低分子量(約300未満)のリンカー要素(動的コンビナトリアルケミストリー要素)に共有結合する、低分子量(約600〜800)の結合リガンド(多様性要素)から構成される。生理的条件下で、異なるリガンドの組み合わせが形成され、リンカー要素を介して相互に再会合する。2つのライブラリーを、蛍光標識された標的タンパク質を用いてパニングする。タンパク質標的は、一部の組み合わせと他のものよりも密接に結合し、それによって組み合わせの進化が好ましい対へと誘導される。ステップ2で、一般プライマー(黒色の線)を使用してDNAバーコード(色付きの線)を増幅し、個々のリガンドを同定することができる。ステップ3に示すように、これらのリガンドの上位のセットを、リンカー要素とリガンド多様性要素との間の接続部に任意選択的にさらなる多様性を付加して、ビーズおよび溶液の両方の形式で再合成する。表面結合および溶液の多様性要素ライブラリーを、蛍光標識された標的タンパク質を用いてパニングする。タンパク質標的は、一部の組み合わせと他のものよりも密接に結合し、それによって組み合わせの進化が好ましい対へと誘導される。ステップ4では、一般プライマー(黒色の線)を使用してDNAバーコード(色付きの線)を増幅し、リード分子として機能する個々のリガンドを同定することができる。
【0094】
図22】本発明に従う標的スクリーニングの第3の実施形態である。ステップ1で、各単量体要素が、DNAバーコード(結合リガンドの段階的な合成および同定を可能にする)に共有結合する、低分子量(約600〜800)の結合リガンド(多様性要素)、ならびに低分子量(約300未満)のリンカー要素(動的コンビナトリアルケミストリー要素)を含む、リガンドのライブラリーを合成する。それらのリガンドを、固体支持体に共有結合した標的タンパク質に結合させる。ステップ2で、一般プライマー(黒色の線)を使用してDNAバーコード(色付きの線)を増幅し、リガンドを同定することができる。ステップ3に示すように、これらのリガンドの上位のセットを、リンカー要素とリガンド多様性要素との間の接続部に任意選択的にさらなる多様性を付加して再合成する。各単量体要素が、DNAバーコードに共有結合した低分子量の結合リガンド(多様性要素)、ならびに第1のライブラリーのリンカー要素との可逆的結合に好適な、低分子量のリンカー要素から構成される、リガンドの第2のライブラリーを合成する。生理的条件下で、異なるリガンドの組み合わせが形成され、相互に再会合する。2つの多様性要素ライブラリーを、ビーズ上の標的タンパク質を用いてパニングする。タンパク質標的は、一部の組み合わせと他のものよりも密接に結合し、それによって組み合わせの進化が好ましい対へと誘導される。この濃縮−増幅−再合成の選択プロセスを繰り返して、より高い親和性のリガンド対を同定することができる。ステップ4では、一般プライマー(黒色の線)を使用してDNAバーコード(色付きの線)を増幅し、リード分子として機能する個々のリガンドを同定することができる。
【0095】
図23】本発明に従う標的スクリーニングの第4の実施形態である。ステップ1に示すように、チロシンキナーゼ等のタンパク質標的に対する既知のリガンドのライブラリーを合成する。これらのリガンドは、多様な数の接続部を介して、DNAバーコード(結合リガンドの同定を可能にする)、ならびに低分子量(約300未満)のリンカー要素(動的コンビナトリアルケミストリー要素)に共有結合する。それらのリガンドは、全て固体支持体に共有結合した標的タンパク質に結合することができる。ステップ2で、各単量体要素が、DNAバーコードに共有結合した低分子量の結合リガンド(多様性要素)、ならびに第1のライブラリーのリンカー要素との可逆的結合に好適な、低分子量のリンカー要素から構成される、リガンドの第2のライブラリーを合成する。生理的条件下で、異なるリガンドの組み合わせが形成され、相互に再会合する。2つの多様性要素ライブラリーを、ビーズ上の標的タンパク質を用いてパニングする。タンパク質標的は、一部の組み合わせと他のものよりも密接に結合し、それによって組み合わせの進化が好ましい対へと誘導される。(この濃縮−増幅−再合成の選択プロセスを繰り返して、より高い親和性のリガンド対を同定することができる)。ステップ3で、一般プライマー(黒色の線)を使用してDNAバーコード(色付きの線)を増幅し、リード分子として機能する個々のリガンドを同定することができる。
【0096】
図24】本発明に従う標的スクリーニングの第5の実施形態である。各単量体要素が、DNAバーコード(結合リガンドの段階的な合成および同定を可能にする)に共有結合した、低分子量(約600〜800)の結合リガンド(多様性要素)、ならびに低分子量(約300未満)のリンカー要素(動的コンビナトリアルケミストリー要素)から構成される、リガンドの2つのライブラリーをステップ1で合成する。第1のライブラリーからのリンカー要素は、異なるリガンドの組み合わせが形成され、相互に再会合するように、第2のライブラリーからのリンカー要素と可逆的に結合する。2つの多様性要素ライブラリーを、ビーズ上の標的タンパク質を用いてパニングする。タンパク質標的は、一部の組み合わせと他のものよりも密接に結合し、それによって組み合わせの進化が好ましい対へと誘導される。ステップ2で、一般プライマー(黒色の線)を使用してDNAバーコード(色付きの線)を増幅し、個々のリガンドを同定することができる。これらのリガンドの上位のセットを、リンカー要素とリガンド多様性要素との間の接続部に任意選択的にさらなる多様性を付加して、ステップ3で再合成する。合成の第1のラウンドでリガンドの多様性を生成するために使用されない領域で、DNAバーコードに追加の多様性をコード化してもよい。2つの洗練された多様性要素ライブラリーを、ビーズ上の標的タンパク質を用いて再びパニングする。タンパク質標的は、一部の組み合わせと他のものよりも密接に結合し、それによって組み合わせの進化が好ましい対へと誘導される。この濃縮−増幅−再合成−選択プロセスは、2倍体生物に対するダーウィン的選択に類似し、繰り返してより高い親和性のリガンド対を同定することができる。一般プライマー(黒色の線)を使用してDNAバーコード(色付きの線)を増幅し、リード分子として機能する個々のリガンドを同定することができる。
【0097】
図25】循環式コンビナトリアルケミストリーを用いてコフェロンを選択するために、pHを循環させるためのシステムの略図である。Nafion−117膜が、上のコンパートメントAと下のコンパートメントBとを分離している。コンパートメントAは、ビーズ、コフェロン、緩衝液(PIPS、TEEN、またはPIPPS等)、および標的タンパク質を含有する。緩衝液は、緩衝液のpKa値に基づき所望のpH範囲を提供するように選択される。コンパートメントAとBとの間のカチオンおよび水の交換には、ピストンポンプAおよびBが介在する。カチオンは、HとNa、または他の同等のカチオンとの間を循環する。コンパートメントBは、容器C〜Eで異なる緩衝液に出し入れして洗浄するために使用される。容器Cは、水性の洗浄液を含有する。容器Dは、Hまたは低pHの緩衝液を含有する。容器Eは、NaOH(もしくは同等の塩基)、または高pHの緩衝液を含有する。循環の間、緩衝液のイオン強度および量は、コンパートメントA内では変化しない。
【0098】
図26】循環式コンビナトリアルケミストリーを用いて金属補因子コフェロンを選択するために、金属イオンを循環させるためのシステムの略図である。Nafion−117膜が、上のコンパートメントAと下のコンパートメントBとを分離している。コンパートメントAは、ビーズ、コフェロン、緩衝液(PIPS、TEEN、またはPIPPS等)、および標的タンパク質を含有する。緩衝液は、緩衝液のpKa値に基づき所望のpH範囲を提供するように選択される。コンパートメントAとBとの間のカチオンおよび水の交換には、ピストンポンプAおよびBが介在する。カチオンは、Zn2+とNaとの間を循環する。コンパートメントBは、容器C〜Eで異なる緩衝液に出し入れして洗浄するために使用される。容器Cは、水性の洗浄液を含有する。容器Dは、Hまたは低pHの緩衝液を含有する。容器Eは、NaOH(もしくは同等の塩基)、または高pHの緩衝液を含有する。循環の間、緩衝液のイオン強度および量は、コンパートメントA内では変化しない。
【0099】
図27】多量体内で集合することができるコフェロン単量体によって阻害される多量体タンパク質の略図である。防御抗原(PA)は、炭疽菌毒素受容体(ANTXR)に結合する。防御抗原はプロテアーゼによって切断され、一方20kDaフラグメント(PA20)は脱離し、63kDaフラグメント(PA63)は受容体に結合したままである。PA63は自己会合して七量体である[PA63を形成し、そこに浮腫因子(EF)および致死因子(LF)が結合する。多量体構造中で自己集合可能なコフェロン単量体(自己認識コフェロン)は、細胞内でEF/LFに結合して、その転位を阻害することができる。
【0100】
図28】四量体に集合することができるコフェロンによって結合される、四量体タンパク質の略図である。コフェロン二量体は、コフェロンの単量体形態と可逆的平衡状態にある。その単量体は、それ自体でタンパク質単量体に結合して、それを阻害することができる。タンパク質単量体が集合して、四量体のタンパク質標的を形成する場合、コフェロン単量体が個々のタンパク質単量体に結合し、それによって四量体コフェロンを形成することができる。
【0101】
図29】母子リンカー要素を有するコフェロン薬の模式図である。
【0102】
図30】リンカー要素のライブラリーの合成を描写する。
【0103】
図31】リンカー要素のライブラリーの合成を描写する。
【0104】
図32】ビーズに結合させた、または結合しないリンカー要素を調製するための合成スキームを示す。
【0105】
図33】ビーズに結合させたリンカー要素のビーズに結合しないリンカー要素とのインターカレーションを示す。
【0106】
図34】リンカー要素−アミノ酸塩化物のビーズ結合ライブラリーの合成を示す。
【0107】
図35】アミド基が保護されるシクロペンタノールアミドの合成を示す。
【0108】
図36】シクロペンタノールアミドのヒドロキシル基とエステル結合を形成するアミノ酸を有する、リンカー要素のライブラリーの合成を示す。
【0109】
図37】多様性要素に連結されたリンカー要素を有するコフェロン単量体の合成を示す。
【0110】
図38図37のコフェロン単量体における構造的多様性の、3つのはっきりと異なる領域を示す。
【0111】
図39】コフェロン単量体からのコフェロン二量体の合成を示す。
【0112】
図40】リンカー要素間の非共有結合性の会合を介して、タンパク質標的(T)上の直交部位、および相互に結合する、2つのコフェロン(C1、およびC2)の系の略図である。コフェロン1は緑色の形状として示され、コフェロン2は青色の形状として、標的タンパク質は白色の形状として示される。標的に結合するコフェロン1(C1)の平衡は、解離定数Kd1によって得られる。標的に結合するコフェロン2(C2)の平衡は、解離定数Kd2によって得られる。次に、コフェロンC2は、C1Tの複合体に結合することができ(Kd3の解離定数で)、一方コフェロンC1は、C2Tの複合体に結合することができる(Kd4の解離定数で)。C1−C2コフェロン二量体自体は、Kd6の解離定数で、標的と平衡状態にある。最後に、該コフェロン二量体が解離して、Kd5の解離定数で2つの単量体を形成する。
【0113】
図41】リンカー要素間の共有結合性会合を介して、タンパク質標的(T)上の直交部位、および相互に結合する、2つのコフェロン(C1、およびC2)の系の略図である。コフェロン1(C1)は緑色の形状として示され、コフェロン2(C2)は青色の形状として、2つのコフェロン間の共有結合は赤い点として、標的タンパク質は白色の形状として示される。その共有結合性会合は、可逆的または本質的に不可逆的のいずれかである。不可逆的である場合、Kd5の解離値は0となる。
【0114】
図42】タンパク質標的(T)上の直交部位および相互に結合する、2つのコフェロン(C1、およびC2)の系の略図である。コフェロン1(C1)は、青い六角形のリガンドに連結される緑色の五角形のリンカー要素として示され、コフェロン2(C2)は、青い六角形のリガンドに連結される橙色の五角形のリンカー要素として、標的タンパク質は白色の形状として示される。連結は、標的タンパク質に結合する、リンカー要素とリガンドとの間の1つ以上の回転可能な結合を表す。コフェロン単量体が標的に結合する時、回転可能な結合は制限されないままである。2つのコフェロン単量体が相互に結合する時、回転可能な結合は、やはり制限されないままである。標的上でコフェロン二量体が形成される時のみ、自由回転の損失があり、これがエントロピーコストを有する。
【0115】
図43】タンパク質標的(T)上の直交部位に結合し、相互に共有結合する、2つのコフェロン(C1、およびC2)の系の略図である。コフェロン1(C1)は、青い六角形のリガンドに連結される緑色の五角形のリンカー要素として示され、コフェロン2(C2)は、青い六角形のリガンドに連結される橙色の五角形のリンカー要素として、2つのリンカー要素間の共有結合は赤い点として、標的タンパク質は白色の形状として示される。その共有結合性会合は、可逆的または本質的に不可逆的のいずれかである。不可逆的である場合、Kd5の解離値は0となる。
【0116】
図44】単量体として細胞に進入することができ、内部のタンパク質標的(T)上の直交部位に結合し、その活性を阻害する、2つのコフェロン(C1、およびC2)の略図である。コフェロン1(C1)は緑色の形状として示され、コフェロン2(C2)は青色の形状として、標的タンパク質は白色の形状として示される。この例では、2つのコフェロンのリンカー要素間の解離定数は、約半分のコフェロンが二量体状態になるように調節されている。細胞膜を横切るのは単量体のみであるが、一旦内部に入ると、それらは二量体を形成し、標的タンパク質に結合する。
【0117】
図45】単量体として細胞に進入することができ、内部のタンパク質標的(T)上の直交部位に結合し、その活性を阻害する、2つのコフェロン(C1、およびC2)の略図である。コフェロン1(C1)は緑色の形状として示され、コフェロン2(C2)は青色の形状として、2つのコフェロン間の共有結合は赤い点として、標的タンパク質は白色の形状として示される。この例では、2つのコフェロンのリンカー要素間の解離定数は、約半分のコフェロンが二量体状態になるように調節されている。細胞膜を横切るのは単量体のみであるが、一旦内部に入ると、それらは二量体を形成し、標的タンパク質に結合する。
【0118】
図46】単量体として細胞に進入することができ、内部のタンパク質標的(T)上の直交部位に結合し、その活性を阻害する、2つのコフェロン(C1、およびC2)の略図である。コフェロン1(C1)は緑色の形状として示され、コフェロン2(C2)は青色の形状として、標的タンパク質は白色の形状として示される。この例では、2つのコフェロンのリンカー要素間の解離定数は、約2%のコフェロンが二量体状態になるように調節されている。細胞膜を横切るのは単量体のみであるが、一旦中に入ると、それらは標的タンパク質に結合し、これが二量体の形成を加速する。二量体はタンパク質標的と密接に結合するため、容易には解離せず、タンパク質標的の大半と結合する。
【0119】
図47】単量体として細胞に進入することができ、内部のタンパク質標的(T)上の直交部位に結合し、その活性を阻害する、2つのコフェロン(C1、およびC2)の略図である。コフェロン1(C1)は緑色の形状として示され、コフェロン2(C2)は青色の形状として、2つのコフェロン間の共有結合は赤い点として、標的タンパク質は白色の形状として示される。この例では、2つのコフェロンのリンカー要素は容易に集合せず、その結果、ほんのわずかの割合のコフェロンのみが二量体状態にある。細胞膜を横切るのは単量体のみであるが、一旦中に入ると、それらは標的タンパク質に結合し、これが、それ自体の阻害剤の形成を促進する。リンカー要素の会合は不可逆的な共有結合を介し、その結果、一旦二量体が標的タンパク質上で形成されると、標的からのその解離は非常に稀である。
【0120】
図48】単量体として細胞に進入することができ、内部のタンパク質標的(T)上の直交部位に結合し、その活性を阻害する、2つのコフェロン(C1、およびC2)の略図である。コフェロン1(C1)は緑色の形状として示され、コフェロン2(C2)は青色の形状として、標的タンパク質は白色の形状として示される。C1およびC2の総濃度は0.25μMであり、細胞内の総タンパク質濃度は0.1μMであり、細胞当たり約100,000個の標的である。コフェロンC1と標的Tとの間、ならびにコフェロンC2と標的Tとの間の解離定数Kd1およびKd2は、1μMとする。2つのコフェロン間の解離定数、Kd5は、10μMとする。
【0121】
図49】コフェロンC1濃度に対する、コフェロン二量体C1C2によって結合される標的Tの割合(%)を示すグラフである。総標的[ST]は0.1μMに設定し、Kd1=Kd2は1μMに設定し、Kd5は10μMに設定し、総コフェロンC1濃度[C1]=総コフェロンC2濃度[C2]は、0.1μM〜最高5μMの濃度で変化する。
【0122】
図50】単量体として細胞に進入することができ、内部のタンパク質標的(T)上の直交部位に結合し、その活性を阻害する、2つのコフェロン(C1、およびC2)の略図である。コフェロン1(C1)は緑色の形状として示され、コフェロン2(C2)は青色の形状として、標的タンパク質は白色の形状として示される。C1およびC2の総濃度は2.5μMであり、細胞内の総タンパク質濃度は1μMであり、細胞当たり約1,000,000個の標的である。コフェロンC1と標的Tとの間、ならびにコフェロンC2と標的Tとの間の解離定数Kd1およびKd2は、1μMとする。2つのコフェロン間の解離定数、Kd5は、10μMとする。
【0123】
図51】コフェロンC1濃度に対する、コフェロン二量体C1C2によって結合される標的Tの割合(%)を示すグラフである。総標的[ST]は1μMに設定し、Kd1=Kd2は1μMに設定し、Kd5は10μMに設定し、総コフェロンC1濃度[C1]=総コフェロンC2濃度[C2]は、1μM〜最高50μMの濃度で変化する。
【0124】
図52】単量体として細胞に進入することができ、内部のタンパク質標的(T)上の直交部位に結合し、その活性を阻害する、2つのコフェロン(C1、およびC2)の略図である。コフェロン1(C1)は緑色の形状として示され、コフェロン2(C2)は青色の形状として、標的タンパク質は白色の形状として示される。C1およびC2の総濃度は2.5μMであり、細胞内の総タンパク質濃度は0.1μMであり、細胞当たり約100,000個の標的である。コフェロンC1と標的Tとの間、ならびにコフェロンC2と標的Tとの間の解離定数Kd1およびKd2は、10μMとする。2つのコフェロン間の解離定数、Kd5は、100μMとする。
【0125】
図53】コフェロンC1濃度に対する、コフェロン二量体C1C2によって結合される標的Tの割合(%)を示すグラフである。総標的[ST]は0.1μMに設定し、Kd1=Kd2は10μMに設定し、Kd5は100μMに設定し、総コフェロンC1濃度[C1]=総コフェロンC2濃度[C2]は、0.1μM〜最高5μMの濃度で変化する。
【0126】
図54】単量体として細胞に進入することができ、内部のタンパク質標的(T)上の直交部位に結合し、その活性を阻害する、2つのコフェロン(C1、およびC2)の略図である。コフェロン1(C1)は緑色の形状として示され、コフェロン2(C2)は青色の形状として、標的タンパク質は白色の形状として示される。C1およびC2の総濃度は2.5μMであり、細胞内の総タンパク質濃度は1μMであり、細胞当たり約1,000,000個の標的である。コフェロンC1と標的Tとの間、ならびにコフェロンC2と標的Tとの間の解離定数Kd1およびKd2は、10μMとする。2つのコフェロン間の解離定数、Kd5は、100μMとする。
【0127】
図55】コフェロンC1濃度に対する、コフェロン二量体C1C2によって結合される標的Tの割合(%)を示すグラフである。総標的[ST]は1μMに設定し、Kd1=Kd2は10μMに設定し、Kd5は100μMに設定し、総コフェロンC1濃度[C1]=総コフェロンC2濃度[C2]は、1μM〜最高10μMの濃度で変化する。
【0128】
図56】単量体として細胞に進入することができ、内部のタンパク質標的(T)上の直交部位に結合し、その活性を阻害する、2つのコフェロン(C1、およびC2)の略図である。コフェロン1(C1)は緑色の形状として示され、コフェロン2(C2)は青色の形状として、標的タンパク質は白色の形状として示される。C1およびC2の総濃度は20μMであり、細胞内の総タンパク質濃度は10μMであり、細胞当たり約10,000,000個の標的である。コフェロンC1と標的Tとの間、ならびにコフェロンC2と標的Tとの間の解離定数Kd1およびKd2は、10μMとする。2つのコフェロン間の解離定数、Kd5は、100μMとする。
【0129】
図57】コフェロンC1濃度に対する、コフェロン二量体C1C2によって結合される標的Tの割合(%)を示すグラフである。総標的[ST]は10μMに設定し、Kd1=Kd2は10μMに設定し、Kd5は100μMに設定し、総コフェロンC1濃度[C1]=総コフェロンC2濃度[C2]は、10μM〜最高50μMの濃度で変化する。
【0130】
図58】単量体として細胞に進入することができ、内部のタンパク質標的(T)上の直交部位に結合し、その活性を阻害する、2つのコフェロン(C1、およびC2)の略図である。コフェロン1(C1)は緑色の形状として示され、コフェロン2(C2)は青色の形状として、標的タンパク質は白色の形状として示される。C1およびC2の総濃度は25μMであり、細胞内の総タンパク質濃度は1μMであり、細胞当たり約1,000,000個の標的である。コフェロンC1と標的Tとの間、ならびにコフェロンC2と標的Tとの間の解離定数Kd1およびKd2は、100μMとする。2つのコフェロン間の解離定数、Kd5は、1,000μMとする。
【0131】
図59】コフェロンC1濃度に対する、コフェロン二量体C1C2によって結合される標的Tの割合(%)を示すグラフである。総標的[ST]は1μMに設定し、Kd1=Kd2は100μMに設定し、Kd5は1,000μMに設定し、総コフェロンC1濃度[C1]=総コフェロンC2濃度[C2]は、1μM〜最高50μMの濃度で変化する。
【0132】
図60】単量体として細胞に進入することができ、内部のタンパク質標的(T)上の直交部位に結合し、その活性を阻害する、2つのコフェロン(C1、およびC2)の略図である。コフェロン1(C1)は緑色の形状として示され、コフェロン2(C2)は青色の形状として、標的タンパク質は白色の形状として示される。C1およびC2の総濃度は50μMであり、細胞内の総タンパク質濃度は10μMであり、細胞当たり約10,000,000個の標的である。コフェロンC1と標的Tとの間、ならびにコフェロンC2と標的Tとの間の解離定数Kd1およびKd2は、100μMとする。2つのコフェロン間の解離定数、Kd5は、1,000μMとする。
【0133】
図61】コフェロンC1濃度に対する、コフェロン二量体C1C2によって結合される標的Tの割合(%)を示すグラフである。総標的[ST]は10μMに設定し、Kd1=Kd2は100μMに設定し、Kd5は1,000μMに設定し、総コフェロンC1濃度[C1]=総コフェロンC2濃度[C2]は、10μM〜最高50μMの濃度で変化する。
【0134】
図62】単量体として細胞に進入することができ、内部のタンパク質標的(T)上の直交部位に結合し、その活性を阻害する、2つのコフェロン(C1、およびC2)の略図である。2つのコフェロンは、結合親和性に10倍の差異を有する。コフェロン1(C1)は緑色の形状として示され、コフェロン2(C2)は青色の形状として、標的タンパク質は白色の形状として示される。C1の総濃度は50μMであり、C2は10μMであり、細胞内の総タンパク質濃度は1μMであり、細胞当たり約1,000,000個の標的である。コフェロンC1と標的Tとの間の解離定数Kd1は100μMとし、コフェロンC2と標的Tとの間は10μMとする。2つのコフェロン間の解離定数、Kd5は、1,000μMとする。
【0135】
図63】コフェロンC2濃度に対する、コフェロン二量体C1C2によって結合される標的Tの割合(%)を示すグラフである。総標的[ST]は1μMに設定し、Kd1は100μMに設定し、Kd2は10μMに設定し、Kd5は1,000μMに設定し、総コフェロンC1濃度[C1]=50μMであり、総コフェロンC2濃度[C2]は、1μM〜最高50μMの濃度で変化する。
【0136】
図64】単量体として細胞に進入することができ、内部のタンパク質標的(T)上の直交部位に結合し、その活性を阻害する、2つのコフェロン(C1、およびC2)の略図である。2つのコフェロンは、結合親和性に10倍の差異を有する。コフェロン1(C1)は緑色の形状として示され、コフェロン2(C2)は青色の形状として、標的タンパク質は白色の形状として示される。C1の総濃度は50μMであり、C2は20μMであり、細胞内の総タンパク質濃度は10μMであり、細胞当たり約10,000,000個の標的である。コフェロンC1と標的Tとの間の解離定数Kd1は100μMとし、コフェロンC2と標的Tとの間は10μMとする。2つのコフェロン間の解離定数、Kd5は、1,000μMとする。
【0137】
図65】コフェロンC2濃度に対する、コフェロン二量体C1C2によって結合される標的Tの割合(%)を示すグラフである。総標的[ST]は10μMに設定し、Kd1は100μMに設定し、Kd2は10μMに設定し、Kd5は1,000μMに設定し、総コフェロンC1濃度[C1]=50μMであり、総コフェロンC2濃度[C2]は、1μM〜最高50μMの濃度で変化する。
【0138】
図66】単量体として細胞に進入することができ、内部のタンパク質標的(T)上の直交部位に結合し、その活性を阻害する、2つのコフェロン(C1、およびC2)の略図である。コフェロン1(C1)は緑色の形状として示され、コフェロン2(C2)は青色の形状として、標的タンパク質は白色の形状として示される。C1およびC2の総濃度は25μMであり、細胞内の総タンパク質濃度は1μMであり、細胞当たり約1,000,000個の標的である。コフェロンC1と標的Tとの間、ならびにコフェロンC2と標的Tとの間の解離定数Kd1およびKd2は、100μMとする。2つのコフェロン間の解離定数、Kd5は、100μMとする。
【0139】
図67】コフェロンC1−標的解離定数(Kd1)に対する、コフェロン二量体C1C2によって結合される標的Tの割合(%)を示すグラフである。総標的[ST]は1μMに設定し、Kd5は100μMに設定し、総コフェロンC1濃度[C1]=総コフェロンC2濃度[C2]は25μmに設定し、Kd1=Kd2は、1μM〜最高100μMで変化する。
【0140】
図68】単量体として細胞に進入することができ、内部のタンパク質標的(T)上の直交部位に結合し、その活性を阻害する、2つのコフェロン(C1、およびC2)の略図である。コフェロン1(C1)は緑色の形状として示され、コフェロン2(C2)は青色の形状として、標的タンパク質は白色の形状として示される。C1およびC2の総濃度は25μMであり、細胞内の総タンパク質濃度は10μMであり、細胞当たり約10,000,000個の標的である。コフェロンC1と標的Tとの間、ならびにコフェロンC2と標的Tとの間の解離定数Kd1およびKd2は、100μMとする。2つのコフェロン間の解離定数、Kd5は、100μMとする。
【0141】
図69】コフェロンC1−標的解離定数(Kd1)に対する、コフェロン二量体C1C2によって結合される標的Tの割合(%)を示すグラフである。総標的[ST]は10μMに設定し、Kd5は100μMに設定し、総コフェロンC1濃度[C1]=総コフェロンC2濃度[C2]は25μMに設定し、Kd1=Kd2は、1μM〜最高100μMで変化する。
【0142】
図70】単量体として細胞に進入することができ、内部のタンパク質標的(T)上の直交部位に結合し、その活性を阻害する、2つのコフェロン(C1、およびC2)の略図である。コフェロン1(C1)は緑色の形状として示され、コフェロン2(C2)は青色の形状として、標的タンパク質は白色の形状として示される。C1およびC2の総濃度は25μMであり、細胞内の総タンパク質濃度は1μMであり、細胞当たり約1,000,000個の標的である。コフェロンC1と標的Tとの間、ならびにコフェロンC2と標的Tとの間の解離定数Kd1およびKd2は、25μMとする。2つのコフェロン間の解離定数、Kd5は、1,000μMとする。
【0143】
図71】コフェロンC1−標的解離定数(Kd1)に対する、コフェロン二量体C1C2によって結合される標的Tの割合(%)を示すグラフである。総標的[ST]は1μMに設定し、Kd5は1,000μMに設定し、総コフェロンC1濃度[C1]=総コフェロンC2濃度[C2]は、25μmに設定し、Kd1=Kd2は、1μM〜最高100μMで変化する。
【0144】
図72】単量体として細胞に進入することができ、内部のタンパク質標的(T)上の直交部位に結合し、その活性を阻害する、2つのコフェロン(C1、およびC2)の略図である。コフェロン1(C1)は緑色の形状として示され、コフェロン2(C2)は青色の形状として、標的タンパク質は白色の形状として示される。C1およびC2の総濃度は25μMであり、細胞内の総タンパク質濃度は10μMであり、細胞当たり約10,000,000個の標的である。コフェロンC1と標的Tとの間、ならびにコフェロンC2と標的Tとの間の解離定数Kd1およびKd2は、25μMとする。2つのコフェロン間の解離定数、Kd5は、1,000μMとする。
【0145】
図73】コフェロンC1−標的解離定数(Kd1)に対する、コフェロン二量体C1C2によって結合される標的Tの割合(%)を示すグラフである。総標的[ST]は10μMに設定し、Kd5は1,000μMに設定し、総コフェロンC1濃度[C1]=総コフェロンC2濃度[C2]は、25μMに設定し、Kd1=Kd2は、1μM〜最高100μMで変化する。
【0146】
図74】単量体として細胞に進入することができ、内部のタンパク質標的(T)上の直交部位に結合し、その活性を阻害する、2つのコフェロン(C1、およびC2)の略図である。コフェロン1(C1)は緑色の形状として示され、コフェロン2(C2)は青色の形状として、標的タンパク質は白色の形状として示される。C1およびC2の総濃度は25μMであり、細胞内の総タンパク質濃度は1μMであり、細胞当たり約1,000,000個の標的である。コフェロンC1と標的Tとの間、ならびにコフェロンC2と標的Tとの間の解離定数Kd1およびKd2は、10μMとする。2つのコフェロン間の解離定数、Kd5は、1,000μMとする。
【0147】
図75】コフェロンC1−C2の解離定数(Kd5)に対する、コフェロン二量体C1C2によって結合される標的Tの割合(%)を示すグラフである。総標的[ST]は1μMに設定し、Kd1=Kd2は10μMに設定し、総コフェロンC1濃度[C1]=総コフェロンC2濃度[C2]は、25μmに設定し、Kd5は、10μM〜最高1,000μMで変化する。
【0148】
図76】単量体として細胞に進入することができ、内部のタンパク質標的(T)上の直交部位に結合し、その活性を阻害する、2つのコフェロン(C1、およびC2)の略図である。コフェロン1は緑色の形状として示され、コフェロン2は青色の形状として、標的タンパク質は白色の形状として示される。C1およびC2の総濃度は25μMであり、細胞内の総タンパク質濃度は10μMであり、細胞当たり約10,000,000個の標的である。コフェロンC1と標的Tとの間、ならびにコフェロンC2と標的Tとの間の解離定数Kd1およびKd2は、10μMとする。2つのコフェロン間の解離定数、Kd5は、1,000μMとする。
【0149】
図77】コフェロンC1−C2の解離定数(Kd5)に対する、コフェロン二量体C1C2によって結合される標的Tの割合(%)を示すグラフである。総標的[ST]は10μMに設定し、Kd1=Kd2は10μMに設定し、総コフェロンC1濃度[C1]=総コフェロンC2濃度[C2]は、25μmに設定し、Kd5は10μM〜最高1,000μMで変化する。
【0150】
図78】単量体として細胞に進入することができ、内部のタンパク質標的(T)上の直交部位に結合し、その活性を阻害する、2つのコフェロン(C1、およびC2)の略図である。コフェロン1(C1)は緑色の形状として示され、コフェロン2(C2)は青色の形状として、標的タンパク質は白色の形状として示される。C1およびC2の総濃度は25μMであり、細胞内の総タンパク質濃度は1μMであり、細胞当たり約1,000,000個の標的である。コフェロンC1と標的Tとの間、ならびにコフェロンC2と標的Tとの間の解離定数Kd1およびKd2は、100μMとする。2つのコフェロン間の解離定数、Kd5は、250μMとする。
【0151】
図79】コフェロンC1−C2の解離定数(Kd5)に対する、コフェロン二量体C1C2によって結合される標的Tの割合(%)を示すグラフである。総標的[ST]は1μMに設定し、Kd1=Kd2は10μMに設定し、総コフェロンC1濃度[C1]=総コフェロンC2濃度[C2]は、25μmに設定し、Kd5は10μM〜最高1,000μMで変化する。
【0152】
図80】単量体として細胞に進入することができ、内部のタンパク質標的(T)上の直交部位に結合し、その活性を阻害する、2つのコフェロン(C1、およびC2)の略図である。コフェロン1(C1)は緑色の形状として示され、コフェロン2(C2)は青色の形状として、標的タンパク質は白色の形状として示される。C1およびC2の総濃度は25μMであり、細胞内の総タンパク質濃度は10μMであり、細胞当たり約10,000,000個の標的である。コフェロンC1と標的Tとの間、ならびにコフェロンC2と標的Tとの間の解離定数Kd1およびKd2は、100μMとする。2つのコフェロン間の解離定数、Kd5は、250μMとする。
【0153】
図81】コフェロンC1−C2の解離定数(Kd5)に対する、コフェロン二量体C1C2によって結合される標的Tの割合(%)を示すグラフである。総標的[ST]は10μMに設定し、Kd1=Kd2は10μMに設定し、総コフェロンC1濃度[C1]=総コフェロンC2濃度[C2]は、25μmに設定し、Kd5は10μM〜最高1,000μMで変化する。
【0154】
図82】単量体として細胞に進入することができ、内部のタンパク質標的(T)上の直交部位に結合し、その活性を阻害する、2つのコフェロン(C1、およびC2)の略図である。コフェロン1(C1)は緑色の形状として示され、コフェロン2(C2)は青色の形状として、標的タンパク質は白色の形状として示される。生体内の条件をより正確にシミュレートするために、C1およびC2の定常状態でのまたは「再生可能な」濃度は、長期にわたり安定した薬物の用量を提供する能力を反映する、0.1μMである。細胞内の総タンパク質濃度は0.1μMであり、細胞当たり約100,000個の標的である。コフェロンC1と標的Tとの間、ならびにコフェロンC2と標的Tとの間の解離定数Kd1およびKd2は、1μMとする。2つのコフェロン間の解離定数、Kd5は、10μMとする。
【0155】
図83】「再生可能な」コフェロンC1濃度に対する、コフェロン二量体C1C2によって結合される標的Tの割合(%)を示すグラフである。総標的[ST]は0.1μMに設定し、Kd1=Kd2は1μMに設定し、Kd5は10μMに設定し、定常状態でのまたは再生可能なコフェロンC1濃度[C1]=定常状態でのまたは再生可能なコフェロンC2濃度[C2]は、0.1μM〜最高5μMの濃度で変化する。
【0156】
図84】単量体として細胞に進入することができ、内部のタンパク質標的(T)上の直交部位に結合し、その活性を阻害する、2つのコフェロン(C1、およびC2)の略図である。コフェロン1(C1)は緑色の形状として示され、コフェロン2(C2)は青色の形状として、標的タンパク質は白色の形状として示される。生体内の条件をより正確にシミュレートするために、C1およびC2の定常状態でのまたは「再生可能な」濃度は、長期にわたり安定した薬物の用量を提供する能力を反映する、0.1μMである。細胞内の総タンパク質濃度は0.25μMであり、細胞当たり約250,000個の標的である。コフェロンC1と標的Tとの間、ならびにコフェロンC2と標的Tとの間の解離定数Kd1およびKd2は、1μMとする。2つのコフェロン間の解離定数、Kd5は、10μMとする。
【0157】
図85】「再生可能な」コフェロンC1濃度に対する、コフェロン二量体C1C2によって結合される標的Tの割合(%)を示すグラフである。総標的[ST]は0.25μMに設定し、Kd1=Kd2は1μMに設定し、Kd5は10μMに設定し、定常状態でのまたは再生可能なコフェロンC1濃度[C1]=定常状態でのまたは再生可能なコフェロンC2濃度[C2]は、0.1μM〜最高5μMの濃度で変化する。
【0158】
図86】単量体として細胞に進入することができ、内部のタンパク質標的(T)上の直交部位に結合し、その活性を阻害する、2つのコフェロン(C1、およびC2)の略図である。コフェロン1(C1)は緑色の形状として示され、コフェロン2(C2)は青色の形状として、標的タンパク質は白色の形状として示される。生体内の条件をより正確にシミュレートするために、C1およびC2の定常状態でのまたは「再生可能な」濃度は、長期にわたり安定した薬物の用量を提供する能力を反映する、0.25μMである。細胞内の総タンパク質濃度は1μMであり、細胞当たり約1,000,000個の標的である。コフェロンC1と標的Tとの間、ならびにコフェロンC2と標的Tとの間の解離定数Kd1およびKd2は、1μMとする。2つのコフェロン間の解離定数、Kd5は、10μMとする。
【0159】
図87】「再生可能な」コフェロンC1濃度に対する、コフェロン二量体C1C2によって結合される標的Tの割合(%)を示すグラフである。総標的[ST]は1μMに設定し、Kd1=Kd2は1μMに設定し、Kd5は10μMに設定し、定常状態でのまたは再生可能なコフェロンC1濃度[C1]=定常状態でのまたは再生可能なコフェロンC2濃度[C2]は、0.1μM〜最高5μMの濃度で変化する。
【0160】
図88】単量体として細胞に進入することができ、内部のタンパク質標的(T)上の直交部位に結合し、その活性を阻害する、2つのコフェロン(C1、およびC2)の略図である。コフェロン1(C1)は緑色の形状として示され、コフェロン2(C2)は青色の形状として、標的タンパク質は白色の形状として示される。生体内の条件をより正確にシミュレートするために、C1およびC2の定常状態でのまたは「再生可能な」濃度は、長期にわたり安定した薬物の用量を提供する能力を反映する、0.25μMである。細胞内の総タンパク質濃度は2.5μMであり、細胞当たり約2,500,000個の標的である。コフェロンC1と標的Tとの間、ならびにコフェロンC2と標的Tとの間の解離定数Kd1およびKd2は、1μMとする。2つのコフェロン間の解離定数、Kd5は、10μMとする。
【0161】
図89】「再生可能な」コフェロンC1濃度に対する、コフェロン二量体C1C2によって結合される標的Tの割合(%)を示すグラフである。総標的[ST]は2.5μMに設定し、Kd1=Kd2は1μMに設定し、Kd5は10μMに設定し、定常状態でのまたは再生可能なコフェロンC1濃度[C1]=定常状態でのまたは再生可能なコフェロンC2濃度[C2]は、0.1μM〜最高5μMの濃度で変化する。
【0162】
図90】単量体として細胞に進入することができ、内部のタンパク質標的(T)上の直交部位に結合し、その活性を阻害する、2つのコフェロン(C1、およびC2)の略図である。コフェロン1(C1)は緑色の形状として示され、コフェロン2(C2)は青色の形状として、標的タンパク質は白色の形状として示される。生体内の条件をより正確にシミュレートするために、C1およびC2の定常状態でのまたは「再生可能な」濃度は、長期にわたり安定した薬物の用量を提供する能力を反映する、0.25μMである。細胞内の総タンパク質濃度は10μMであり、細胞当たり約10,000,000個の標的である。コフェロンC1と標的Tとの間、ならびにコフェロンC2と標的Tとの間の解離定数Kd1およびKd2は、1μMとする。2つのコフェロン間の解離定数、Kd5は、10μMとする。
【0163】
図91】「再生可能な」コフェロンC1濃度に対する、コフェロン二量体C1C2によって結合される標的Tの割合(%)を示すグラフである。総標的[ST]は10μMに設定し、Kd1=Kd2は1μMに設定し、Kd5は10μMに設定し、定常状態でのまたは再生可能なコフェロンC1濃度[C1]=定常状態でのまたは再生可能なコフェロンC2濃度[C2]は、0.1μM〜最高5μMの濃度で変化する。
【0164】
図92】単量体として細胞に進入することができ、内部のタンパク質標的(T)上の直交部位に結合し、その活性を阻害する、2つのコフェロン(C1、およびC2)の略図である。コフェロン1(C1)は緑色の形状として示され、コフェロン2(C2)は青色の形状として、標的タンパク質は白色の形状として示される。生体内の条件をより正確にシミュレートするために、C1およびC2の定常状態でのまたは「再生可能な」濃度は、長期にわたり安定した薬物の用量を提供する能力を反映する、0.25μMである。細胞内の総タンパク質濃度は0.1μMであり、細胞当たり約100,000個の標的である。コフェロンC1と標的Tとの間、ならびにコフェロンC2と標的Tとの間の解離定数Kd1およびKd2は、10μMとする。2つのコフェロン間の解離定数、Kd5は、10μMとする。
【0165】
図93】「再生可能な」コフェロンC1濃度に対する、コフェロン二量体C1C2によって結合される標的Tの割合(%)を示すグラフである。総標的[ST]は0.1μMに設定し、Kd1=Kd2は10μMに設定し、Kd5は10μMに設定し、定常状態でのまたは再生可能なコフェロンC1濃度[C1]=定常状態でのまたは再生可能なコフェロンC2濃度[C2]は、0.1μM〜最高5μMの濃度で変化する。
【0166】
図94】単量体として細胞に進入することができ、内部のタンパク質標的(T)上の直交部位に結合し、その活性を阻害する、2つのコフェロン(C1、およびC2)の略図である。コフェロン1(C1)は緑色の形状として示され、コフェロン2(C2)は青色の形状として、標的タンパク質は白色の形状として示される。生体内の条件をより正確にシミュレートするために、C1およびC2の定常状態でのまたは「再生可能な」濃度は、長期にわたり安定した薬物の用量を提供する能力を反映する、0.25μMである。細胞内の総タンパク質濃度は0.25μMであり、細胞当たり約250,000個の標的である。コフェロンC1と標的Tとの間、ならびにコフェロンC2と標的Tとの間の解離定数Kd1およびKd2は、10μMとする。2つのコフェロン間の解離定数、Kd5は、10μMとする。
【0167】
図95】「再生可能な」コフェロンC1濃度に対する、コフェロン二量体C1C2によって結合される標的Tの割合(%)を示すグラフである。総標的[ST]は0.25μMに設定し、Kd1=Kd2は10μMに設定し、Kd5は10μMに設定し、定常状態でのまたは再生可能なコフェロンC1濃度[C1]=定常状態でのまたは再生可能なコフェロンC2濃度[C2]は、0.1μM〜最高5μMの濃度で変化する。
【0168】
図96】単量体として細胞に進入することができ、内部のタンパク質標的(T)上の直交部位に結合し、その活性を阻害する、2つのコフェロン(C1、およびC2)の略図である。コフェロン1(C1)は緑色の形状として示され、コフェロン2(C2)は青色の形状として、標的タンパク質は白色の形状として示される。生体内の条件をより正確にシミュレートするために、C1およびC2の定常状態でのまたは「再生可能な」濃度は、長期にわたり安定した薬物の用量を提供する能力を反映する、0.25μMである。細胞内の総タンパク質濃度は1μMであり、細胞当たり約1,000,000個の標的である。コフェロンC1と標的Tとの間、ならびにコフェロンC2と標的Tとの間の解離定数Kd1およびKd2は、10μMとする。2つのコフェロン間の解離定数、Kd5は、10μMとする。
【0169】
図97】「再生可能な」コフェロンC1濃度に対する、コフェロン二量体C1C2によって結合される標的Tの割合(%)を示すグラフである。総標的[ST]は1μMに設定し、Kd1=Kd2は10μMに設定し、Kd5は10μMに設定し、定常状態でのまたは再生可能なコフェロンC1濃度[C1]=定常状態でのまたは再生可能なコフェロンC2濃度[C2]は、0.1μM〜最高5μMの濃度で変化する。
【0170】
図98】単量体として細胞に進入することができ、内部のタンパク質標的(T)上の直交部位に結合し、その活性を阻害する、2つのコフェロン(C1、およびC2)の略図である。コフェロン1(C1)は緑色の形状として示され、コフェロン2(C2)は青色の形状として、標的タンパク質は白色の形状として示される。生体内の条件をより正確にシミュレートするために、C1およびC2の定常状態でのまたは「再生可能な」濃度は、長期にわたり安定した薬物の用量を提供する能力を反映する、0.25μMである。細胞内の総タンパク質濃度は2.5μMであり、細胞当たり約2,500,000個の標的である。コフェロンC1と標的Tとの間、ならびにコフェロンC2と標的Tとの間の解離定数Kd1およびKd2は、10μMとする。2つのコフェロン間の解離定数、Kd5は、10μMとする。
【0171】
図99】「再生可能な」コフェロンC1濃度に対する、コフェロン二量体C1C2によって結合される標的Tの割合(%)を示すグラフである。総標的[ST]は2.5μMに設定し、Kd1=Kd2は10μMに設定し、Kd5は10μMに設定し、定常状態でのまたは再生可能なコフェロンC1濃度[C1]=定常状態でのまたは再生可能なコフェロンC2濃度[C2]は、0.1μM〜最高5μMの濃度で変化する。
【0172】
図100】単量体として細胞に進入することができ、内部のタンパク質標的(T)上の直交部位に結合し、その活性を阻害する、2つのコフェロン(C1、およびC2)の略図である。コフェロン1(C1)は緑色の形状として示され、コフェロン2(C2)は青色の形状として、標的タンパク質は白色の形状として示される。生体内の条件をより正確にシミュレートするために、C1およびC2の定常状態でのまたは「再生可能な」濃度は、長期にわたり安定した薬物の用量を提供する能力を反映する、0.25μMである。細胞内の総タンパク質濃度は10μMであり、細胞当たり約10,000,000個の標的である。コフェロンC1と標的Tとの間、ならびにコフェロンC2と標的Tとの間の解離定数Kd1およびKd2は、10μMとする。2つのコフェロン間の解離定数、Kd5は、10μMとする。
【0173】
図101】「再生可能な」コフェロンC1濃度に対する、コフェロン二量体C1C2によって結合される標的Tの割合(%)を示すグラフである。総標的[ST]は10μMに設定し、Kd1=Kd2は10μMに設定し、Kd5は10μMに設定し、定常状態でのまたは再生可能なコフェロンC1濃度[C1]=定常状態でのまたは再生可能なコフェロンC2濃度[C2]は、0.1μM〜最高5μMの濃度で変化する。
【0174】
図102】単量体として細胞に進入することができ、内部のタンパク質標的(T)上の直交部位に結合し、その活性を阻害する、2つのコフェロン(C1、およびC2)の略図である。コフェロン1(C1)は緑色の形状として示され、コフェロン2(C2)は青色の形状として、標的タンパク質は白色の形状として示される。生体内の条件をより正確にシミュレートするために、C1およびC2の定常状態でのまたは「再生可能な」濃度は、長期にわたり安定した薬物の用量を提供する能力を反映する、0.1μMである。細胞内の総タンパク質濃度は0.1μMであり、細胞当たり約100,000個の標的である。コフェロンC1と標的Tとの間の解離定数Kd1は、1μMとし、コフェロンC2と標的Tとの間の解離定数Kd2は、10μMとする。2つのコフェロン間の解離定数、Kd5は、10μMとする。
【0175】
図103】「再生可能な」コフェロンC1濃度に対する、コフェロン二量体C1C2によって結合される標的Tの割合(%)を示すグラフである。総標的[ST]は0.1μMに設定し、Kd1は1μMに設定し、Kd2は10μMに設定し、Kd5は10μMに設定し、定常状態でのまたは再生可能なコフェロンC1濃度[C1]=定常状態でのまたは再生可能なコフェロンC2濃度[C2]は、0.1μM〜最高5μMの濃度で変化する。
【0176】
図104】単量体として細胞に進入することができ、内部のタンパク質標的(T)上の直交部位に結合し、その活性を阻害する、2つのコフェロン(C1、およびC2)の略図である。コフェロン1(C1)は緑色の形状として示され、コフェロン2(C2)は青色の形状として、標的タンパク質は白色の形状として示される。生体内の条件をより正確にシミュレートするために、C1およびC2の定常状態でのまたは「再生可能な」濃度は、長期にわたり安定した薬物の用量を提供する能力を反映する、0.1μMである。細胞内の総タンパク質濃度は0.25μMであり、細胞当たり約250,000個の標的である。コフェロンC1と標的Tとの間の解離定数Kd1は、1μMとし、コフェロンC2と標的Tとの間の解離定数Kd2は、10μMとする。2つのコフェロン間の解離定数、Kd5は、10μMとする。
【0177】
図105】「再生可能な」コフェロンC1濃度に対する、コフェロン二量体C1C2によって結合される標的Tの割合(%)を示すグラフである。総標的[ST]は0.25μMに設定し、Kd1は1μMに設定し、Kd2は10μMに設定し、Kd5は10μMに設定し、定常状態でのまたは再生可能なコフェロンC1濃度[C1]=定常状態でのまたは再生可能なコフェロンC2濃度[C2]は、0.1μM〜最高5μMの濃度で変化する。
【0178】
図106】単量体として細胞に進入することができ、内部のタンパク質標的(T)上の直交部位に結合し、その活性を阻害する、2つのコフェロン(C1、およびC2)の略図である。コフェロン1は緑色の形状として示され、コフェロン2は青色の形状として、標的タンパク質は白色の形状として示される。生体内の条件をより正確にシミュレートするために、C1およびC2の定常状態でのまたは「再生可能な」濃度は、長期にわたり安定した薬物の用量を提供する能力を反映する、0.25μMである。細胞内の総タンパク質濃度は1μMであり、細胞当たり約1,000,000個の標的である。コフェロンC1と標的Tとの間の解離定数Kd1は、1μMとし、コフェロンC2と標的Tとの間の解離定数Kd2は、10μMとする。2つのコフェロン間の解離定数、Kd5は、10μMとする。
【0179】
図107】「再生可能な」コフェロンC1濃度に対する、コフェロン二量体C1C2によって結合される標的Tの割合(%)を示すグラフである。総標的[ST]は1μMに設定し、Kd1は1μMに設定し、Kd2は10μMに設定し、Kd5は10μMに設定し、定常状態でのまたは再生可能なコフェロンC1濃度[C1]=定常状態でのまたは再生可能なコフェロンC2濃度[C2]は、0.1μM〜最高5μMの濃度で変化する。
【0180】
図108】単量体として細胞に進入することができ、内部のタンパク質標的(T)上の直交部位に結合し、その活性を阻害する、2つのコフェロン(C1、およびC2)の略図である。コフェロン1(C1)は緑色の形状として示され、コフェロン2(C2)は青色の形状として、標的タンパク質は白色の形状として示される。生体内の条件をより正確にシミュレートするために、C1およびC2の定常状態でのまたは「再生可能な」濃度は、長期にわたり安定した薬物の用量を提供する能力を反映する、0.25μMである。細胞内の総タンパク質濃度は2.5μMであり、細胞当たり約2,500,000個の標的である。コフェロンC1と標的Tとの間の解離定数Kd1は、1μMとし、コフェロンC2と標的Tとの間の解離定数Kd2は、10μMとする。2つのコフェロン間の解離定数、Kd5は、10μMとする。
【0181】
図109】「再生可能な」コフェロンC1濃度に対する、コフェロン二量体C1C2によって結合される標的Tの割合(%)を示すグラフである。総標的[ST]は2.5μMに設定し、Kd1は1μMに設定し、Kd2は10μMに設定し、Kd5は10μMに設定し、定常状態でのまたは再生可能なコフェロンC1濃度[C1]=定常状態でのまたは再生可能なコフェロンC2濃度[C2]は、0.1μM〜最高5μMの濃度で変化する。
【0182】
図110】単量体として細胞に進入することができ、内部のタンパク質標的(T)上の直交部位に結合し、その活性を阻害する、2つのコフェロン(C1、およびC2)の略図である。コフェロン1(C1)は緑色の形状として示され、コフェロン2(C2)は青色の形状として、標的タンパク質は白色の形状として示される。生体内の条件をより正確にシミュレートするために、C1およびC2の定常状態でのまたは「再生可能な」濃度は、長期にわたり安定した薬物の用量を提供する能力を反映する、0.25μMである。細胞内の総タンパク質濃度は10μMであり、細胞当たり約10,000,000個の標的である。コフェロンC1と標的Tとの間の解離定数Kd1は、1μMとし、コフェロンC2と標的Tとの間の解離定数Kd2は、10μMとする。2つのコフェロン間の解離定数、Kd5は、10μMとする。
【0183】
図111】「再生可能な」コフェロンC1濃度に対する、コフェロン二量体C1C2によって結合される標的Tの割合(%)を示すグラフである。総標的[ST]は10μMに設定し、Kd1は1μMに設定し、Kd2は10μMに設定し、Kd5は10μMに設定し、定常状態でのまたは再生可能なコフェロンC1濃度[C1]=定常状態でのまたは再生可能なコフェロンC2濃度[C2]は、0.1μM〜最高5μMの濃度で変化する。
【0184】
図112】単量体として細胞に進入することができ、内部のタンパク質標的(T)上の直交部位に結合し、その活性を阻害する、2つのコフェロン(C1、およびC2)の略図である。コフェロン1(C1)は緑色の形状として示され、コフェロン2(C2)は青色の形状として、標的タンパク質は白色の形状として示される。生体内の条件をより正確にシミュレートするために、C1およびC2の定常状態でのまたは「再生可能な」濃度は、長期にわたり安定した薬物の用量を提供する能力を反映する、0.5μMである。細胞内の総タンパク質濃度は0.1μMであり、細胞当たり約100,000個の標的である。コフェロンC1と標的Tとの間、ならびにコフェロンC2と標的Tとの間の解離定数Kd1およびKd2は、1μMとする。2つのコフェロン間の解離定数、Kd5は、100μMとする。
【0185】
図113】「再生可能な」コフェロンC1濃度に対する、コフェロン二量体C1C2によって結合される標的Tの割合(%)を示すグラフである。総標的[ST]は0.1μMに設定し、Kd1=Kd2は1μMに設定し、Kd5は100μMに設定し、定常状態でのまたは再生可能なコフェロンC1濃度[C1]=定常状態でのまたは再生可能なコフェロンC2濃度[C2]は、0.1μM〜最高5μMの濃度で変化する。
【0186】
図114】単量体として細胞に進入することができ、内部のタンパク質標的(T)上の直交部位に結合し、その活性を阻害する、2つのコフェロン(C1、およびC2)の略図である。コフェロン1(C1)は緑色の形状として示され、コフェロン2(C2)は青色の形状として、標的タンパク質は白色の形状として示される。生体内の条件をより正確にシミュレートするために、C1およびC2の定常状態でのまたは「再生可能な」濃度は、長期にわたり安定した薬物の用量を提供する能力を反映する、0.1μMである。細胞内の総タンパク質濃度は0.25μMであり、細胞当たり約250,000個の標的である。コフェロンC1と標的Tとの間、ならびにコフェロンC2と標的Tとの間の解離定数Kd1およびKd2は、1μMとする。2つのコフェロン間の解離定数、Kd5は、100μMとする。
【0187】
図115】「再生可能な」コフェロンC1濃度に対する、コフェロン二量体C1C2によって結合される標的Tの割合(%)を示すグラフである。総標的[ST]は0.25μMに設定し、Kd1=Kd2は1μMに設定し、Kd5は100μMに設定し、定常状態でのまたは再生可能なコフェロンC1濃度[C1]=定常状態でのまたは再生可能なコフェロンC2濃度[C2]は、0.1μM〜最高5μMの濃度で変化する。
【0188】
図116】単量体として細胞に進入することができ、内部のタンパク質標的(T)上の直交部位に結合し、その活性を阻害する、2つのコフェロン(C1、およびC2)の略図である。コフェロン1(C1)は緑色の形状として示され、コフェロン2(C2)は青色の形状として、標的タンパク質は白色の形状として示される。生体内の条件をより正確にシミュレートするために、C1およびC2の定常状態でのまたは「再生可能な」濃度は、長期にわたり安定した薬物の用量を提供する能力を反映する、0.25μMである。細胞内の総タンパク質濃度は1μMであり、細胞当たり約1,000,000個の標的である。コフェロンC1と標的Tとの間、ならびにコフェロンC2と標的Tとの間の解離定数Kd1およびKd2は、1μMとする。2つのコフェロン間の解離定数、Kd5は、100μMとする。
【0189】
図117】「再生可能な」コフェロンC1濃度に対する、コフェロン二量体C1C2によって結合される標的Tの割合(%)を示すグラフである。総標的[ST]は1μMに設定し、Kd1=Kd2は1μMに設定し、Kd5は100μMに設定し、定常状態でのまたは再生可能なコフェロンC1濃度[C1]=定常状態でのまたは再生可能なコフェロンC2濃度[C2]は、0.1μM〜最高5μMの濃度で変化する。
【0190】
図118】単量体として細胞に進入することができ、内部のタンパク質標的(T)上の直交部位に結合し、その活性を阻害する、2つのコフェロン(C1、およびC2)の略図である。コフェロン1は緑色の形状として示され、コフェロン2は青色の形状として、標的タンパク質は白色の形状として示される。生体内の条件をより正確にシミュレートするために、C1およびC2の定常状態でのまたは「再生可能な」濃度は、長期にわたり安定した薬物の用量を提供する能力を反映する、0.25μMである。細胞内の総タンパク質濃度は2.5μMであり、細胞当たり約2,500,000個の標的である。コフェロンC1と標的Tとの間、ならびにコフェロンC2と標的Tとの間の解離定数Kd1およびKd2は、1μMとする。2つのコフェロン間の解離定数、Kd5は、100μMとする。
【0191】
図119】「再生可能な」コフェロンC1濃度に対する、コフェロン二量体C1C2によって結合される標的Tの割合(%)を示すグラフである。総標的[ST]は2.5μMに設定し、Kd1=Kd2は1μMに設定し、Kd5は100μMに設定し、定常状態でのまたは再生可能なコフェロンC1濃度[C1]=定常状態でのまたは再生可能なコフェロンC2濃度[C2]は、0.1μM〜最高5μMの濃度で変化する。
【0192】
図120】単量体として細胞に進入することができ、内部のタンパク質標的(T)上の直交部位に結合し、その活性を阻害する、2つのコフェロン(C1、およびC2)の略図である。コフェロン1(C1)は緑色の形状として示され、コフェロン2(C2)は青色の形状として、標的タンパク質は白色の形状として示される。生体内の条件をより正確にシミュレートするために、C1およびC2の定常状態でのまたは「再生可能な」濃度は、長期にわたり安定した薬物の用量を提供する能力を反映する、0.25μMである。細胞内の総タンパク質濃度は10μMであり、細胞当たり約10,000,000個の標的である。コフェロンC1と標的Tとの間、ならびにコフェロンC2と標的Tとの間の解離定数Kd1およびKd2は、1μMとする。2つのコフェロン間の解離定数、Kd5は、100μMとする。
【0193】
図121】「再生可能な」コフェロンC1濃度に対する、コフェロン二量体C1C2によって結合される標的Tの割合(%)を示すグラフである。総標的[ST]は10μMに設定し、Kd1=Kd2は1μMに設定し、Kd5は100μMに設定し、定常状態でのまたは再生可能なコフェロンC1濃度[C1]=定常状態でのまたは再生可能なコフェロンC2濃度[C2]は、0.1μM〜最高5μMの濃度で変化する。
【0194】
図122】単量体として細胞に進入することができ、内部のタンパク質標的(T)上の直交部位に結合し、その活性を阻害する、2つのコフェロン(C1、およびC2)の略図である。コフェロン1(C1)は緑色の形状として示され、コフェロン2(C2)は青色の形状として、標的タンパク質は白色の形状として示される。生体内の条件をより正確にシミュレートするために、C1およびC2の定常状態でのまたは「再生可能な」濃度は、長期にわたり安定した薬物の用量を提供する能力を反映する、1μMである。細胞内の総タンパク質濃度は0.1μMであり、細胞当たり約100,000個の標的である。コフェロンC1と標的Tとの間、ならびにコフェロンC2と標的Tとの間の解離定数Kd1およびKd2は、10μMとする。2つのコフェロン間の解離定数、Kd5は、100μMとする。
【0195】
図123】「再生可能な」コフェロンC1濃度に対する、コフェロン二量体C1C2によって結合される標的Tの割合(%)を示すグラフである。総標的[ST]は0.1μMに設定し、Kd1=Kd2は10μMに設定し、Kd5は100μMに設定し、定常状態でのまたは再生可能なコフェロンC1濃度[C1]=定常状態でのまたは再生可能なコフェロンC2濃度[C2]は、0.1μM〜最高5μMの濃度で変化する。
【0196】
図124】単量体として細胞に進入することができ、内部のタンパク質標的(T)上の直交部位に結合し、その活性を阻害する、2つのコフェロン(C1、およびC2)の略図である。コフェロン1(C1)は緑色の形状として示され、コフェロン2(C2)は青色の形状として、標的タンパク質は白色の形状として示される。生体内の条件をより正確にシミュレートするために、C1およびC2の定常状態でのまたは「再生可能な」濃度は、長期にわたり安定した薬物の用量を提供する能力を反映する、1μMである。細胞内の総タンパク質濃度は0.25μMであり、細胞当たり約250,000個の標的である。コフェロンC1と標的Tとの間、ならびにコフェロンC2と標的Tとの間の解離定数Kd1およびKd2は、10μMとする。2つのコフェロン間の解離定数、Kd5は、100μMとする。
【0197】
図125】「再生可能な」コフェロンC1濃度に対する、コフェロン二量体C1C2によって結合される標的Tの割合(%)を示すグラフである。総標的[ST]は0.25μMに設定し、Kd1=Kd2は10μMに設定し、Kd5は100μMに設定し、定常状態でのまたは再生可能なコフェロンC1濃度[C1]=定常状態でのまたは再生可能なコフェロンC2濃度[C2]は、0.1μM〜最高5μMの濃度で変化する。
【0198】
図126】単量体として細胞に進入することができ、内部のタンパク質標的(T)上の直交部位に結合し、その活性を阻害する、2つのコフェロン(C1、およびC2)の略図である。コフェロン1(C1)は緑色の形状として示され、コフェロン2(C2)は青色の形状として、標的タンパク質は白色の形状として示される。生体内の条件をより正確にシミュレートするために、C1およびC2の定常状態でのまたは「再生可能な」濃度は、長期にわたり安定した薬物の用量を提供する能力を反映する、2.5μMである。細胞内の総タンパク質濃度は1μMであり、細胞当たり約1,000,000個の標的である。コフェロンC1と標的Tとの間、ならびにコフェロンC2と標的Tとの間の解離定数Kd1およびKd2は、10μMとする。2つのコフェロン間の解離定数、Kd5は、100μMとする。
【0199】
図127】「再生可能な」コフェロンC1濃度に対する、コフェロン二量体C1C2によって結合される標的Tの割合(%)を示すグラフである。総標的[ST]は1μMに設定し、Kd1=Kd2は10μMに設定し、Kd5は100μMに設定し、定常状態でのまたは再生可能なコフェロンC1濃度[C1]=定常状態でのまたは再生可能なコフェロンC2濃度[C2]は、0.1μM〜最高5μMの濃度で変化する。
【0200】
図128】単量体として細胞に進入することができ、内部のタンパク質標的(T)上の直交部位に結合し、その活性を阻害する、2つのコフェロン(C1、およびC2)の略図である。コフェロン1(C1)は緑色の形状として示され、コフェロン2(C2)は青色の形状として、標的タンパク質は白色の形状として示される。生体内の条件をより正確にシミュレートするために、C1およびC2の定常状態でのまたは「再生可能な」濃度は、長期にわたり安定した薬物の用量を提供する能力を反映する、1μMである。細胞内の総タンパク質濃度は2.5μMであり、細胞当たり約2,500,000個の標的である。コフェロンC1と標的Tとの間、ならびにコフェロンC2と標的Tとの間の解離定数Kd1およびKd2は、10μMとする。2つのコフェロン間の解離定数、Kd5は、100μMとする。
【0201】
図129】「再生可能な」コフェロンC1濃度に対する、コフェロン二量体C1C2によって結合される標的Tの割合(%)を示すグラフである。総標的[ST]は2.5μMに設定し、Kd1=Kd2は10μMに設定し、Kd5は100μMに設定し、定常状態でのまたは再生可能なコフェロンC1濃度[C1]=定常状態でのまたは再生可能なコフェロンC2濃度[C2]は、0.1μM〜最高5μMの濃度で変化する。
【0202】
図130】単量体として細胞に進入することができ、内部のタンパク質標的(T)上の直交部位に結合し、その活性を阻害する、2つのコフェロン(C1、およびC2)の略図である。コフェロン1(C1)は緑色の形状として示され、コフェロン2(C2)は青色の形状として、標的タンパク質は白色の形状として示される。生体内の条件をより正確にシミュレートするために、C1およびC2の定常状態でのまたは「再生可能な」濃度は、長期にわたり安定した薬物の用量を提供する能力を反映する、1μMである。細胞内の総タンパク質濃度は10μMであり、細胞当たり約10,000,000個の標的である。コフェロンC1と標的Tとの間、ならびにコフェロンC2と標的Tとの間の解離定数Kd1およびKd2は、10μMとする。2つのコフェロン間の解離定数、Kd5は、100μMとする。
【0203】
図131】「再生可能な」コフェロンC1濃度に対する、コフェロン二量体C1C2によって結合される標的Tの割合(%)を示すグラフである。総標的[ST]は10μMに設定し、Kd1=Kd2は10μMに設定し、Kd5は100μMに設定し、定常状態でのまたは再生可能なコフェロンC1濃度[C1]=定常状態でのまたは再生可能なコフェロンC2濃度[C2]は、0.1μM〜最高5μMの濃度で変化する。
【0204】
図132】単量体として細胞に進入することができ、内部のタンパク質標的(T)上の直交部位に結合し、その活性を阻害する、2つのコフェロン(C1、およびC2)の略図である。コフェロン1(C1)は緑色の形状として示され、コフェロン2(C2)は青色の形状として、標的タンパク質は白色の形状として示される。生体内の条件をより正確にシミュレートするために、C1およびC2の定常状態でのまたは「再生可能な」濃度は、長期にわたり安定した薬物の用量を提供する能力を反映する、0.5μMである。細胞内の総タンパク質濃度は0.1μMであり、細胞当たり約100,000個の標的である。コフェロンC1と標的Tとの間の解離定数Kd1は、1μMとし、コフェロンC2と標的Tとの間の解離定数Kd2は、10μMとする。2つのコフェロン間の解離定数、Kd5は、100μMとする。
【0205】
図133】「再生可能な」コフェロンC1濃度に対する、コフェロン二量体C1C2によって結合される標的Tの割合(%)を示すグラフである。総標的[ST]は0.1μMに設定し、Kd1は1μMに設定し、Kd2は10μMに設定し、Kd5は100μMに設定し、定常状態でのまたは再生可能なコフェロンC1濃度[C1]=定常状態でのまたは再生可能なコフェロンC2濃度[C2]は、0.5μM〜最高5μMの濃度で変化する。
【0206】
図134】単量体として細胞に進入することができ、内部のタンパク質標的(T)上の直交部位に結合し、その活性を阻害する、2つのコフェロン(C1、およびC2)の略図である。コフェロン1(C1)は緑色の形状として示され、コフェロン2(C2)は青色の形状として、標的タンパク質は白色の形状として示される。生体内の条件をより正確にシミュレートするために、C1およびC2の定常状態でのまたは「再生可能な」濃度は、長期にわたり安定した薬物の用量を提供する能力を反映する、0.1μMである。細胞内の総タンパク質濃度は0.25μMであり、細胞当たり約250,000個の標的である。コフェロンC1と標的Tとの間の解離定数Kd1は、1μMとし、コフェロンC2と標的Tとの間の解離定数Kd2は、10μMとする。2つのコフェロン間の解離定数、Kd5は、100μMとする。
【0207】
図135】「再生可能な」コフェロンC1濃度に対する、コフェロン二量体C1C2によって結合される標的Tの割合(%)を示すグラフである。総標的[ST]は0.25μMに設定し、Kd1は1μMに設定し、Kd2は10μMに設定し、Kd5は100μMに設定し、定常状態でのまたは再生可能なコフェロンC1濃度[C1]=定常状態でのまたは再生可能なコフェロンC2濃度[C2]は、0.1μM〜最高5μMの濃度で変化する。
【0208】
図136】単量体として細胞に進入することができ、内部のタンパク質標的(T)上の直交部位に結合し、その活性を阻害する、2つのコフェロン(C1、およびC2)の略図である。コフェロン1(C1)は緑色の形状として示され、コフェロン2(C2)は青色の形状として、標的タンパク質は白色の形状として示される。生体内の条件をより正確にシミュレートするために、C1およびC2の定常状態でのまたは「再生可能な」濃度は、長期にわたり安定した薬物の用量を提供する能力を反映する、0.25μMである。細胞内の総タンパク質濃度は1μMであり、細胞当たり約1,000,000個の標的である。コフェロンC1と標的Tとの間の解離定数Kd1は、1μMとし、コフェロンC2と標的Tとの間の解離定数Kd2は、10μMとする。2つのコフェロン間の解離定数、Kd5は、100μMとする。
【0209】
図137】「再生可能な」コフェロンC1濃度に対する、コフェロン二量体C1C2によって結合される標的Tの割合(%)を示すグラフである。総標的[ST]は1μMに設定し、Kd1は1μMに設定し、Kd2は10μMに設定し、Kd5は100μMに設定し、定常状態でのまたは再生可能なコフェロンC1濃度[C1]=定常状態でのまたは再生可能なコフェロンC2濃度[C2]は、0.1μM〜最高5μMの濃度で変化する。
【0210】
図138】単量体として細胞に進入することができ、内部のタンパク質標的(T)上の直交部位に結合し、その活性を阻害する、2つのコフェロン(C1、およびC2)の略図である。コフェロン1(C1)は緑色の形状として示され、コフェロン2(C2)は青色の形状として、標的タンパク質は白色の形状として示される。生体内の条件をより正確にシミュレートするために、C1およびC2の定常状態でのまたは「再生可能な」濃度は、長期にわたり安定した薬物の用量を提供する能力を反映する、0.25μMである。細胞内の総タンパク質濃度は2.5μMであり、細胞当たり約2,500,000個の標的である。コフェロンC1と標的Tとの間の解離定数Kd1は、1μMとし、コフェロンC2と標的Tとの間の解離定数Kd2は、10μMとする。2つのコフェロン間の解離定数、Kd5は、100μMとする。
【0211】
図139】「再生可能な」コフェロンC1濃度に対する、コフェロン二量体C1C2によって結合される標的Tの割合(%)を示すグラフである。総標的[ST]は2.5μMに設定し、Kd1は1μMに設定し、Kd2は10μMに設定し、Kd5は100μMに設定し、定常状態でのまたは再生可能なコフェロンC1濃度[C1]=定常状態でのまたは再生可能なコフェロンC2濃度[C2]は、0.1μM〜最高5μMの濃度で変化する。
【0212】
図140】単量体として細胞に進入することができ、内部のタンパク質標的(T)上の直交部位に結合し、その活性を阻害する、2つのコフェロン(C1、およびC2)の略図である。コフェロン1(C1)は緑色の形状として示され、コフェロン2(C2)は青色の形状として、標的タンパク質は白色の形状として示される。生体内の条件をより正確にシミュレートするために、C1およびC2の定常状態でのまたは「再生可能な」濃度は、長期にわたり安定した薬物の用量を提供する能力を反映する、0.25μMである。細胞内の総タンパク質濃度は10μMであり、細胞当たり約10,000,000個の標的である。コフェロンC1と標的Tとの間の解離定数Kd1は、1μMとし、コフェロンC2と標的Tとの間の解離定数Kd2は、10μMとする。2つのコフェロン間の解離定数、Kd5は、100μMとする。
【0213】
図141】「再生可能な」コフェロンC1濃度に対する、コフェロン二量体C1C2によって結合される標的Tの割合(%)を示すグラフである。総標的[ST]は10μMに設定し、Kd1は1μMに設定し、Kd2は10μMに設定し、Kd5は100μMに設定し、定常状態でのまたは再生可能なコフェロンC1濃度[C1]=定常状態でのまたは再生可能なコフェロンC2濃度[C2]は、0.1μM〜最高5μMの濃度で変化する。
【0214】
図142】選択されたリンカー要素前駆体の質量対電荷比(m/z)、ならびにこれらのリンカー要素前駆体が溶液中で二量体を形成するか、または単量体としてとどまる能力に対する、質量分析(MS)およびタンデム質量分析(MS/MS)実験から得られたデータを示す。
【0215】
図143】リンカー要素前駆体(フェニルボロン酸およびシス−1,2−ジオール)からの二量体(臭化フェニル)の可逆的な平衡の形成を示す。一連のシス−1,2−ジオールに対するこの平衡のkD値が示され、10μM〜206mMの範囲である。
【発明を実施するための形態】
【0216】
コフェロン薬の基本原理
コフェロンは、細胞に進入することができる経口的に活性な薬物であり、一旦細胞の中に入ると、それらのパートナーと結合して、標的タンパク質の活性を妨害または調整する。コフェロン単量体は、多様性要素およびリンカー要素から成る。
【0217】
概して、コフェロン薬は、標的に結合して、それらの各々のリンカー要素との相互作用を介して維持される、2つのリガンドを含有する。コフェロン薬が所与の標的に結合することを保証するために、コフェロンの設計には、通常、既知の一連の多様性要素からの選択、および/またはコフェロン薬二量体のうちの1つもしくは両方のための、多岐にわたる多様性要素の合成が組み込まれる。
【0218】
コフェロン二量体が選択されるか、または種々のアッセイによってスクリーニングされた時点で、多様性要素の構造を同定し得ることが重要である。これは、特に数十、数百、数千、さらにはより多くの異なる多様性要素が同一ウェル内で同時に調べられる、動的コンビナトリアルケミストリーの条件下で、または固体表面(すなわち、親和性カラム)上で標的に結合する際に、当てはまる。
【0219】
基本的なコフェロン設計は、自身のパートナーリンカー要素との相互作用を担うリンカー要素と、標的との結合を担う多様性要素とを含有する。リンカー要素および多様性要素は、直接相互に付着するか、または接続部部分によって結合され得る。リンカー要素および/または接続部部分は、標的と適切に結合するための理想的な立体構造または方向に、多様性要素の配置を補助することができる。また、これらの要素はそれ自体、標的と相互作用することもできる。暗号化要素は、使用される場合、リンカー要素または分子の接続部部分に付着させることができる。理想的には、これは、DNA部分を除去するための容易な放出または切断を可能にする様式で、リンカー要素または接続部部分に結合されるべきである。

コフェロン単量体
【0220】
図1に示すように、コフェロン単量体は、リンカー要素、リガンドもしくは多様性要素、接続部、およびDNAバーコードを含み得る。リンカー要素は、500ダルトン未満、好ましくは45〜450ダルトンの分子量を有し得る動的コンビナトリアルケミストリー要素であり、そのパートナーリンカー要素、および多様性要素との相互作用を担う。リンカー要素は、補因子とともに、又は補因子なしで、100nM〜100μMの解離定数を有し得る。リガンドまたは多様性要素は、標的分子に結合するために提供され、約400〜800の分子量、および100nM〜100μMの解離定数を有する。リンカー要素および多様性要素は、相互に直接付着するか、または接続部部分によって結合され得る。任意の接続部は、リンカー要素とリガンドもしくは多様性要素を結合し、コフェロン単量体の合成を補助し、標的と適切に結合するための理想的な立体構造または方向に、多様性要素の配置を補助することができる。容易な放出または切断のために、リンカー要素または接続部に暗号化要素、通常DNAバーコードを付着させることができる。合成を誘導し、コフェロン単量体を同定するための暗号化要素が含まれるが、最終的な製剤からは除去される。図2.1Aは、接続部を介してコード化ビーズに付着させた、本発明に従うコフェロン単量体の模式図である。図2.1Bは、接続部を介してDNAバーコードを付着させた、本発明に従うコフェロン単量体の模式図である。図2.1Cは、一方の単量体への接続部を介してコード化ビーズに付着し、DNAバーコードを他方の単量体に付着させた、コフェロン二量体の模式図である。図2.1Dは、接続部を介してDNAバーコードを各単量体に付着させた、コフェロン二量体の模式図である。図2.1Eは、本発明に従うコフェロン二量体の模式図である。図2.1Fは、リンカー要素を介してコード化ビーズに付着する、本発明に従うコフェロン単量体の模式図である。図2.1Gは、DNAバーコードをリンカー要素に付着させた、本発明に従うコフェロン単量体の模式図である。図2.1Hは、一方の単量体へのリンカー要素を介してコード化ビーズに付着し、DNAバーコードを他方の単量体に付着させた、コフェロン二量体の模式図である。図2.1Iは、1つの単量体へのリンカーを介してコード化ビーズに付着する、コフェロン二量体の模式図である。図2.1Jは、リンカー要素を介してDNAバーコードを各単量体に付着させた、コフェロン二量体の模式図である。図2.1Kは、本発明に従うコフェロン二量体の模式図である。
【0221】
本発明の一態様は、治療的化合物の調製に有用な単量体を対象とする。この単量体は、300μM未満の解離定数で標的分子に結合し得る多様性要素と、直接的にまたは接続部を介して間接的に多様性要素に接続されるリンカー要素とを含む。リンカー要素は、500ダルトン未満の分子量を有し、生理的条件下で、補因子とともに、又は補因子なしで、300μM未満の解離定数で、該リンカー要素の結合パートナーと可逆的な共有結合または非共有結合性の相互作用を形成することができる。
【0222】
単量体は、コード要素をさらに含むことができ、多様性要素、リンカー要素、およびコード要素は結合している。コード要素は、オリゴヌクレオチドまたは標識されたビーズであり得る。

リンカー要素
可逆的なイミンおよびイミニウムの結合の形成に基づくリンカー要素
【0223】
リンカー要素の概念は、疎水性、極性、イオン性の水素結合および/または可逆的な共有結合性の相互作用を利用して、2つの小分子が相互に結合するように誘導することである。2つのリンカー要素間の相互作用が十分に強い一方で、同時に、効果的に結合して溶液からリンカー要素を除去するためには、リンカー要素と細胞分子との間はあまり強くないことが課題である。
【0224】
リンカー要素上の置換基は、水溶液中でリンカー要素の可逆的会合の平衡を調節するように多様であり得る。
可逆的な共有結合の形成には、リンカー要素はカルボニル基またはボロナートに由来し得る。
【0225】
これらのリンカー要素は、動的コンビナトリアルケミストリーの選択における使用のために、先行する十分に立証された文献の利点を有する。
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式中、XおよびYは、水溶液中で平衡を調節するように多様であり得、破線と交差する線は、1つ以上の多様性要素を直接的にまたは接続部を介して分子に連結して形成される1つ以上の結合を示す。
可逆的なアミン−カルボニル縮合のためのアミンの例
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可逆的なアミン−カルボニル縮合のためのカルボニル含有分子の例
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【0226】
アミン−カルボニル縮合の例
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【0227】
溶液(リジン)およびタンパク質中には、高濃度の1級アミンが遊離している。よって、1級アミンを含有するコフェロンを使用する場合は、併用するアルデヒドまたはケトンを含有するコフェロンが、標的の表面上でそのパートナーと出会うことが重要である。さらなる注意点として、アミン含有リンカー要素は、アルデヒドまたはケトンの互変異性型で存在する場合に、糖と反応する可能性がある。
しかしながら、1級アミンがチオール基に対してβ位にある場合(細胞外の保護されたジスルフィド型で存在し得る)、最終的なコフェロン二量体において不可逆的なチアゾリジンリンカーを形成する可能性を有する。
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式中、X、YおよびZは、水溶液中で平衡を調節するように多様であり得、破線と交差する線は、1つ以上の多様性要素を直接的にまたは接続部を介して分子に連結して形成される1つ以上の結合を示す。
カルボニル基由来のリンカー要素
【0228】
カルボニル基由来のリンカー要素は、アルコールとの可逆的なヘミアセタールおよびヘミケタール形成に関与し得る。
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式中、Xは、水溶液中で平衡を調節するように多様であり得、破線と交差する線は、1つ以上の多様性要素を直接的にまたは接続部を介して分子に連結して形成される1つ以上の結合を示す。
カルボニル基由来のリンカー要素は、他のアミンとの可逆的なヒドラゾン形成に関与し得る。
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式中、R、R=−F、−Cl、−CF、−NO、−C=O、−COOH、または他の電子求引性基である。
可逆的なヒドラゾン形成のためのアミンの例
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可逆的なヒドラゾン形成のためのカルボニル含有分子の例
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可逆的なボロン酸エステルの形成に基づくリンカー要素
【0229】
これらの化合物は、スクリーニング目的に理想的であり得、また生体内で作用し得る。潜在的な注意点は、多くの糖が、ボロン酸含有リンカー要素と反応し得るジオールを有することである。ボロナートはまた、アミノアルコールと複合することもでき、またアミド酸とも複合することができる。
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式中、X、R、R’およびR"は、水溶液中で平衡を調節するように多様であり得、破線と交差する線は、1つ以上の多様性要素を直接的にまたは接続部を介して分子に連結して形成される1つ以上の結合を示す。

金属補因子との結合に基づくリンカー要素
【0230】
亜鉛またはマグネシウム等の生物学的に利用可能な金属に結合することが可能なリンカー要素は、生体内で作用するはずである。
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式中、XおよびYは、水溶液中で平衡を調節するように多様であり得、破線と交差する線は、1つ以上の多様性要素を直接的にまたは接続部を介して分子に連結して形成される1つ以上の結合を示す。

他の可逆的反応を起こす他の官能基由来のリンカー要素
【0231】
リンカー要素は、ディールズ・アルダー付加体の形成等の可逆的反応を起こす官能基に由来し得る。これらは、動的コンビナトリアルケミストリーのスクリーニングにおいて作用することが分かっている(Boul,P.J et al.,Organic Lett 7:15−18(2005)、参照により、その全体が本明細書に組み込まれる)。
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式中、X=CNまたはCORであり、破線と交差する線は、1つ以上の多様性要素を分子に連結して形成される結合を示す。
【0232】
最も高度な設計は、A−AまたはB−Bホモ二量体の形成よりもA−B対が好まれるように、ヘテロ二量体リンカー要素の形成を奨励する。それにもかかわらず、異なるリガンドを用いて同一のリンカー要素に密接に結合する、良好なリンカー要素の設計もまた使用され得る。リガンドが自己結合に影響を与えない場合は、2つの異なるリガンドを使用することで、約半分の時間でA−Bヘテロ二量体を生成するはずである。
【0233】
リンカー要素の1つクラスは、生理的条件下で生じる可逆的な共有結合性の相互作用に関与する。それらは、ヘミケタールを形成するアルコールからケトンへの、およびヘミチオケタールを形成するチオールからケトンへの、S−Sジスルフィド結合である。
【0234】
リンカー要素の設計における重要な変形例は、2つの共有結合を介してリンカー要素を集合させることである。そのようなアプローチの利点は、たとえ個々の反応が好ましくない場合でも、一旦、単一の結合ができると、他の2つの基の局所濃度が第2の共有結合の形成に有利であり、リンカー要素形成の方向に平衡を傾けるのに役立つことである。
【0235】
いくつかのリンカー要素の設計は、多様性要素からの最小限の補助で、または追加の結合補助なしで、リンカー要素が相互に結合するよう許容することができる。そのような設計は、金属補因子の補助により相互に結合するリンカー要素を含む。これらの設計は、コフェロンの可能性のある使用を拡大する。
【0236】
いくつかのリンカー要素は、細胞内で不可逆的に会合するように設計され得る。例えば、2つのリンカー要素は、Zn2+補因子をキレートするマルトールまたは2−ピコリン酸基を有することができる。また、一方がボロン酸を有し、他方がアルコール基を有することができる。亜鉛の存在によって2つのリンカー要素が接近されられると、ボロン酸エステルが容易に形成する。ボロン酸または亜鉛自身によるキレート結合は可逆的であるが、一旦集合させられると、他方の基の濃度がリンカー要素を保持するために十分に高くなる。
【0237】
第2の関連する概念は、個々のリンカー要素と、タンパク質、アミノ酸、または細胞内の他の分子上の活性基との間の副反応を、防ぐかまたは最小限に抑えることである。そのような副反応は、大きな巨大分子と反応する時には立体障害され得るが、パートナーリンカー要素と整列させられると反応しやすいリンカー要素構造を設計することにより、減少され得る。
【0238】
第3の概念は、疎水性または他の非共有結合的な親和性により2つのリンカー要素を集合させることであり、そうして近接性が高くなることで、単一または2つの共有結合の発生を可能にすることである。
【0239】
さらに、リンカー要素の共有結合性相互作用の構造は、分子内結合の形成よりも分子間結合の形成に有利なはずである。
【0240】
リンカー要素の別の態様は芳香族化合物であり、リンカー要素およびその多様性要素が結合すると、結合パートナーのうちの1つ以上の芳香族環がスタッキングして、リンカー要素と結合パートナーとの間に1つ以上の共有結合の形成を誘導する。
【0241】
最後に、リンカー要素が用いられる場合は、それぞれがそれらの標的に対する親和性を有し、そのこともまた二量体リンカー要素構造を組み立てるのに役立つ。換言すると、意図した標的がそれ自体の阻害剤を組み立てるのに役立つ。
【0242】
二量体を形成するリンカー要素には4つのカテゴリーがある。これらは、標的の存在下で相互に可逆的に結合するリンカー要素、標的によって一旦接近させられると、本質的に相互に不可逆的に結合するリンカー要素、標的に関係なく相互に可逆的に結合するリンカー要素、および標的に関係なく本質的に相互に不可逆的に結合するリンカー要素を含む。

1,3−ジヒドロキシアセトンに基づく誘導体
【0243】
1,3−ジヒドロキシアセトンに基づく誘導体(リンカー要素1)は、ケト基の本来の反応性を低下させるよう、かさ高いブロック基を必要とする可能性が最も高い。それにもかかわらず、これは最小のリンカー要素の設計である。
【0244】
リンカー要素の一実施形態は、カルボニル基に対するα‐、β‐、またはγ‐ヒドロキシ基を有する脂肪族化合物であり、リンカー要素およびその結合パートナーは、結合すると6または8員のジヘミアセタール環またはジヘミケタール環を形成し、リンカー要素(すなわち、リンカー要素1)は、
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であり、
式中、
破線と交差する線は、1つ以上の多様性要素を直接的にまたは接続部を介して式(I)の分子に連結して形成される1つ以上の結合を示す。その位置に多様性要素が存在しない場合は、基は‐H、−OHまたは−CHより選択され得る。
【0245】
この実施形態の一例は、生理的条件下で自然に二量体化する1,3−ジヒドロキシアセトン(分子量:90)である。
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【0246】
別のリンカー要素の設計は、2−ヒドロキシシクロヘキサノンに基づいている(リンカー要素2)。このリンカー要素は、理想的であり得る強固な3環構造を構成する。異なる隣接する置換が、分子間の相互作用に有利となるように、ヒドロキシ基またはケタールを活性化することができる。2−ヒドロキシシクロヘキサノンの分子量は114である。
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式中、
=H、−OH、−CH、−F、−CFまたは他の電子求引性基であり、
破線と交差する線は、多様性要素を直接的にまたは接続部を介して式(II)および式(III)の分子に連結して形成される結合を示す。
【0247】
このリンカー要素の実施形態の例は次の通りである。
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これらのリンカー要素の3次元描写については、図6〜7を参照されたい。
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【0248】
イミダゾール基は、反対のリンカー要素へのプロトン供与を介して、または金属イオン触媒作用によって、可逆的な二量体形成を促進する内部触媒として機能し得る。
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【0249】
ビシクロ環は、立体障害を提供し、環の底側からの直接的な攻撃を誘導する。アミンはイミン形成を引き起こし、縮合反応を触媒する。プロトン化されたアミノ基は、反対のリンカー要素に対する潜在的なプロトン供与体として作用することにより、可逆的な二量体形成を促進する内部触媒として機能することができる。
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歪んだ5員ヘミアセタール環またはヘミケタール環を有するシクロペンタン骨格に基づく誘導体
【0250】
リンカー要素の別の実施形態は、1つ以上の辺が歪んだ5員ヘミアセタール環の一部でもあるシクロペンタン骨格に基づいている(リンカー要素3)。R(第1の環位置)およびR(第2の環位置)は、アルデヒド基またはケト基である。R(第1の環位置)およびR(第2の環位置)は、ヒドロキシ基またはアルコキシ基のいずれかである。多様性要素は、シクロペンタン環の3位、4位、または5位のいずれにも付着し得る。環は、アルデヒドの状態とヘミアセタールの状態の間で平衡である。アルデヒドの状態にあるそのような2つのリンカー要素が接近させられると、2分子間結合または場合によっては4分子間結合を形成する可能性がある。追加のヒドロキシ残基もまた、より好ましい6員環等の分子間ヘミアセタールの形成を可能にするために使用され得る。4分子間結合を有するリンカー要素の二量体は、非常に安定し得る。
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式中、
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=R=−H、−OH、または−CHOHであり、
破線と交差する線は、多様性要素を直接的にまたは接続部を介して式(IV)の分子に連結して形成される結合を示す。
【0251】
このリンカー要素の実施形態の例を、項目3A)〜3C)として以下に示す。

3A)分子内ヘミアセタールから分子間6員ジアセタール環
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3次元描写については、図8を参照されたい。

3B)分子内ヘミアセタールから2つの分子間6員ジアセタール環
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3C)2つの歪んだ5員環へミアセタールは、リンカー要素の遊離アルデヒド型と平衡である。
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5−ヒドロキシ−2−オキソ−1−ヘキサナール構造に基づく誘導体
【0252】
リンカー要素の別の実施形態は、5−ヒドロキシ‐2−オキソ−1−ヘキサナールに基づいている(リンカー要素4)。この化合物およびその誘導体のファミリー(下図参照)もまた、2−ヒドロキシシクロヘキサノン二量体に類似する強固な3環構造を作る。種々の基の反応性を調整する有利な条件が多数存在する。ヒドロキシル基の付加(線形の3位または5位)により反応性が調整され得、メチル(または他のかさ高い)置換基(線形の3位)は、外来の求電子試薬および求核試薬の攻撃から反応中心を保護する立体障害を提供する。リンカー要素の反応性を増強するために、カルボキサミドまたはイミダゾール等の置換基が6位(線形の)に付加され得る。多様性要素は6位(線形の)に付加され得る。
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式中、
=R=−H、−OH、−CH、−F、または−CFであり、
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である。
【0253】
このリンカー要素の実施形態の例を、項目4A)〜4L)として以下に示す。
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【0254】
3位でのメチル基の付加は、ヒドロキシル基による求核試薬の攻撃を一方向からのみに誘導する。

4C)3位のメチル基のうちの1つをヒドロキシル基で置換することにより、カルボニルの反応性が高まる。
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4D)3,5−ジヒドロキシ−2−オキソヘキサナール誘導体は、非常に活性であると予想され、2つの異なる方向に二量体を形成することができる。
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4E)アセトアミド基の付加は、分子間の二量体形成を促進する。両方のリンカー要素が正しい方向にある時、アミドは、反対のリンカー要素に対するプロトン供与体として作用することができ、内部触媒として機能する。
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4F)3位のメチル基のうちの1つをヒドロキシルで置換することにより、カルボニルの反応性が高まる。
[この文献は図面を表示できません]
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4G)内部触媒として機能するイミダゾール置換基の付加は、反対のリンカー要素に対する潜在的なプロトン供与体として作用することにより、可逆的な二量体形成を促進する。2つのリンカー要素が、二量体形成のための正しい位置にある必要がある。(構造4G〜4L)
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4H)3位のジメチル置換は、外来の求核試薬からカルボニルを保護する立体障害を提供する。5位のイミダゾール基は、反対のリンカー要素に対する潜在的なプロトン供与体として作用することにより、可逆的な二量体形成を促進する内部触媒として機能することができる。
[この文献は図面を表示できません]

4I)3位のメチル基のうちの1つをヒドロキシルで置換することにより、カルボニルの反応性が高まる。
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4J)カルボニルは、その反応性を向上するよう、2つのヒドロキシル基によってフランキングされている。
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4K)3位にメチル基を付加することにより、立体障害が与えられる。
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4L)4位のジメチル置換は、立体障害を提供する。
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芳香族複素環または非複素環の使用に基づく誘導体
【0255】
直接的または接続部を介して多様性要素への少なくとも1つの結合を有する、芳香族複素環または非複素環の使用に基づく誘導体(リンカー要素5)であり、5または6員環を単一でまたは縮合して含む上記環は、これに限定されないが、ベンゼン、ナフタレン、プリン、ピリミジン、または2つのリンカー要素を接近させるように水対脂質の二重層において様々な程度の溶解性を有する他の芳香族構造を含み、リンカー要素は、その近接性(一旦、疎水性表面が整列すると)が1つ以上の共有結合に有利である追加のアルコール、チオール、ボロン酸、アルデヒド、またはケトン基を含有する。この構造は、自己二量体を形成した場合に芳香族表面の最適ではない整列を有するであろうリンカー要素の選択を可能にし、結果として、ヘテロ二量体を形成するように促進される。さらに、いくつかの構造については、2つの反応基は、それらが分子内結合を形成しないよう、互いに反対方向を向いて芳香族環に付着していること(しかし、パラ方向にあるとは限らない)が有利である。下の例では、n=1〜3であり、m=0〜2である。6員の芳香族環は、環の1位または3位に脂肪族チオールまたはアルコキシ基を、そして3位に脂肪族アルデヒドまたはケトン置換基を有することができる。多様性要素は、環の5位もしくは6位に付加され得るか、またはR、R、もしくはRに属するC原子に付加され得る。また、6員環は、N、O、またはS原子を含有することができる。2つの芳香族環に基づくリンカー要素(ナフタレン等)は、環の1位、3位、もしくは8位に脂肪族チオールまたはアルコキシ基を、そして環の1位、3位、もしくは8位に脂肪族アルデヒドまたはケトン置換基を有することができる。多様性要素は、環の2位、5位、もしくは7位に付加され得るか、またはR、R、もしくはRに属するC原子に付加され得る。また、芳香族環は、N、O、またはS原子を含有することができる。
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式中、
=−H、−(CHOH、−(CH)SH、B(OH)であり、
n=0〜3であり、
およびR=−(CHOH、
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である。
【0256】
このリンカー要素の実施形態の例を、項目5A)〜5J)として以下に示す。

5A)リンカー要素5Aの一般的な形態は、式HS−(CH−芳香族−(CH−C=O(OH)の第1のリンカー要素および式HS−(CH−芳香族−(CH−CHの第2のリンカー要素を含む。以下の構造は、この実施形態の具体的な例である。
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5B)リンカー要素5Bの一般的な形態は、以下の式の第1のリンカー要素と、
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以下の式の第2のリンカー要素を含む。
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以下の構造は、この実施形態の具体例である。
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5C)リンカー要素5Cの一般的な形態は、式HS−(CH−芳香族−(CH−C=O(CH−OHの第1のリンカー要素と、式HS(CH−芳香族−CHの第2のリンカー要素とを含む。以下の構造は、この実施形態の具体的な例である。
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5D)HS−(CH−芳香族−(CH−C=O−芳香族−(CH−OH、および式HS−(CH−CHの第2のリンカー要素。以下の構造は、この実施形態の具体的な例である。
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5E)リンカー要素5Eの一般的な形態は、式HS−(CH−芳香族−(CH−C=O−芳香族−(CH−OHの第1のリンカー要素と、式HS−(CH−CHの第2のリンカー要素とを含む。以下の構造は、この実施形態の具体的な例である。
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5F)リンカー要素5Fの一般的な形態は、式HO−(CH−芳香族−(CH−C=O−芳香族−(CH−OHの第1のリンカー要素と、式O=C−(CH−CHの第2のリンカー要素とを含む。以下の構造は、この実施形態の具体的な例である。
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5G)リンカー要素5Gの一般的な形態は、式HS−(CH−芳香族−(CH−C=O−芳香族−(CH−SHの第1のリンカー要素と、式O=C−(CH−CHの第2のリンカー要素とを含む。以下の構造は、この実施形態の具体的な例である。
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5H)リンカー要素5Hの一般的な形態は、式HO−(CH−芳香族−B(OH)の第1のリンカー要素と、式(HO)B−芳香族−(CH−OHの第2のリンカー要素とを含む。以下の構造は、この実施形態の具体的な例である。
[この文献は図面を表示できません]

5I)リンカー要素5Iの一般的な形態は、式HO−(CH−脂環式−B(OH)の第1のリンカー要素と、2−ヒドロキシシクロヘキサノンに基づく第2のリンカー要素とを含む。以下の構造は、この実施形態の具体的な例である。
[この文献は図面を表示できません]

5J)リンカー要素5Jの一般的な形態は、式CH−(O=C)−芳香族−B(OH)の第1のリンカー要素と、芳香族−NH−脂肪族に基づく第2のリンカー要素とを含む。以下の構造は、この実施形態の具体的な例である。
[この文献は図面を表示できません]
【0257】
上記誘導体(すなわち、リンカー要素)にはまた、共有結合したリンカー要素および/または芳香族環の間に、疎水性相互作用、または水素結合、または極性もしくは電荷相互作用等の非共有結合性の相互作用を形成するさらなる可能性が提供され得る。これら追加の相互作用(リンカー要素6)は、環を同時に適切な方向に誘導するのに役立つことができるか、またはヘテロ二量体のリンカー要素の形成を誘導するのに役立つことができる。
【0258】
上記誘導体(すなわち、リンカー要素)にはまた、分子内(しかし立体的に歪んでいる)ヘミアセタールを形成するよう、第1および第2のリンカー要素上に追加のヒドロキシル(アルコール)が提供され得る。例えば、1辺を5員ヘミアセタール環の一部として有する芳香族構造は、歪んでいるであろう。これらの分子内構造(リンカー要素7)は、アルデヒドの状態とヘミアセタールの状態との間で平衡である。リンカー要素からのアルデヒドが細胞タンパク質からのリジンアミノ基またはチロシンのヒドロキシル基と反応する場合は、分子内ヘミアセタールの形成によってタンパク質からより容易に放出され得る。第1のリンカー要素が、ヒドロキシルを含有する第2のリンカー要素と密接に接近させられると、分子間ヘミアセタールの形成と分子内ヘミアセタールの形成の間に均衡が生じる。それぞれのリンカー要素が分子間ヘミアセタールを形成することができ、よって、二量体における2つの分子間ヘミアセタールの存在が、それぞれの単量体に別個の分子内ヘミアセタールを形成するよりも好まれる。
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式中、
=−(CHOH、−(CHSH、またはB(OH)
[この文献は図面を表示できません]
であり、
n=0〜3である。
【0259】
このリンカー要素の実施形態の例を、項目7A)〜7D)として以下に示す。
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1,3−ジアミノピリミジン、ジアミノピリジン、またはアミノピリミジンとシトシンまたは5−アミノ−2−ピリドンとの塩基対の使用に基づく誘導体
【0260】
これらの誘導体は、LogP調節因子(log p tuner)を含むことができる。LogP調節因子は、リンカー要素に付加されると分子の全体的なLogPを変化させる置換基を含有する、任意の脂肪族または芳香族基である。1,3−ジアミノピリミジン、ジアミノピリジンまたはアミノピリミジンと、シトシンまたは5−アミノ2−ピリドンとの塩基対の構想は、疎水性表面を用いたヌクレオチド様塩基対形成の促進に基づいている。これらのリンカー要素(リンカー要素8)は、標的の非存在下では集合しない可能性があるが、一旦標的の存在下で形成されると、むしろ安定し得る。核酸塩基は、ペプチドヌクレオチド類似体、ペプチド、または塩基対形成および塩基のスタッキングを可能にする他の主鎖を用いて接続され得る。
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式中、Qは芳香族複素環または非複素環であり、前記環は、これに限定されないが、ベンゼン、ナフタレン、プリン、ピリミジン、トリアジンを含む、単独であるかまたは縮合しているかのいずれかである5または6員環を含み、
Pは、前記分子の極性を調整するために使用される芳香族基または脂肪族基であり、
R1, R5 = -NH2、-OH(CH2)nOH、-B(OH)2、または
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であり、
R2, R4 = -(CH2)n-、-O(CH2)n-、-(CH2)nO-、-NH(CH2)n-、-(CH2)nNH-、H、
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であり、
n = 0〜3であり、
破線と交差する線は、式(XIII)および(XIV)の分子の1つ以上の多様性要素を連結して形成される結合を示す。
【0261】
このリンカー要素の実施形態の例を、項目8A)〜8H)として以下に示す。
(i)それぞれが、塩基の上下に脂肪族LogP調節因子を有する、単一の塩基対
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それぞれが芳香族LogP調節因子を有し、その両方が塩基の上側にあり、一方の芳香族環上のアルデヒド/ケトンと、他方の環上のアルコールとの共有結合を可能にする、単一の塩基対
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1,3−ジアミノピリミジン、ジアミノピリジンまたはアミノピリミジン塩基対とシトシンまたは5−アミノ−2−ピリドンとの核酸塩基の二量体形成に基づく誘導体
【0262】
これらのリンカー要素(リンカー要素9)は、疎水性表面を用いたヌクレオチドの塩基対形成の促進に基づく。下のそれぞれのヌクレオチドは、その相手と3つの水素結合を形成することができる。上のそれぞれのヌクレオチドは、その相手と2つの水素結合を形成することができ、ヘミアセタールリンカーを介して付着する。上のヌクレオチドは、「大きな溝」における水素結合領域を横断して共有結合することができる。これらのリンカー要素は、標的の非存在下では集合しない可能性があるが、一旦標的の存在下で形成されると安定し得る。
【0263】
このリンカー要素の実施形態の例を、項目9A)〜9B)として以下に示す。

9A)4−アミノピリミジン:5−アミノ−2−ピリドン塩基対
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9B):5−アミノ−2−ピリドン:6−フルオロウラシル塩基対
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【0264】
線形ペプチドに基づく主鎖は、塩基対を形成する核酸塩基のリンカー要素を有するコフェロン単量体に使用され得る。これらのコフェロン単量体中の多様性要素は、交互のアミノ酸残基に由来し得、核酸塩基は、別のコフェロン単量体の核酸塩基のリンカー要素の元素と会合するリンカー要素の元素としての役割を果たす。
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コフェロン単量体要素のペプチド主鎖の線形型
【0265】
別の実施形態において、環状化ペプチド核酸(PNA)に基づくコフェロン単量体の主鎖は、塩基対を形成する核酸塩基のリンカー要素とともに使用され得る。これらのコフェロン単量体中の多様性要素は、隣接するアミノ酸残基に由来し得、核酸塩基は、別のコフェロン単量体の核酸塩基のリンカー要素の元素と会合するリンカー要素の元素としての役割を果たす。PNAをペプチドの一部に結合する最終的なスペーサーは、環の歪みを解放するのに利用され得る。
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【0266】
別の実施形態において、シクロペンタン骨格の使用に基づく主鎖の線形バージョンが、コフェロン単量体に使用され得る。核酸塩基および置換の選択が、塩基スタッキングまたはインターカレーションが好ましいかどうかを決定する。
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ヌクレオチドを結合させるホウ酸エステルを使用した複素間二量体形成に基づく誘導体
【0267】
この実施形態では、共有結合が上下両方の塩基対上に形成される。4つの水素結合および2つの共有結合が形成され、非常に安定した二量体が作られる。このリンカー要素の設計には、動的コンビナトリアル条件下でのスクリーニングプロセスの間、塩基対の上または下のいずれかに唯一の共有結合が許容される。最終的なコフェロンが治療的形態において合成されると、共有結合は塩基対の上および下の両方に許容される。
【0268】
このリンカー要素の実施形態の例を、項目10A)〜10C)として以下に示す。
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補因子の補助により相互に結合するリンカー要素に基づく誘導体
【0269】
これらのリンカー要素(リンカー要素11)は、亜鉛または他の生物学的に利用可能な金属イオンへの二座結合を介して混合二量体を形成する。これらのリンカー要素は、一旦形成されると相互に非常に密接に結合し、標的の非存在下で二量体化できる。よって、これらのリンカー要素は、癌細胞に2つの異なる薬物分子を集合させて、それらの生物学的活性を増加させるために使用され得る。これらのリンカー要素については、多様性要素は同じ標的に結合する必要はないが、同じ標的に対する親和性を有する場合、それらは二量体の形成を促進する。これらのリンカー要素は、低レベルの亜鉛を含む身体の領域ではモノマーであるが、より高い亜鉛含有量を有する細胞内では二量体へと変化することができる。癌細胞が亜鉛輸送体の発現を増加させたため、このことは、それらの薬物を癌細胞に標的化するためのさらなる有利な条件を提供する。
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破線と交差する線は、1つ以上の多様性要素を直接的にまたは接続部を介して式(Z1)の分子に連結して形成される結合を示す。
【0270】
このリンカー要素の実施形態の例を、項目11A)〜11C)として以下に示す。最も単純な形態は、ピコリン酸の誘導体に基づいている。このバージョンは、高度に可逆的である可能性が高く、細胞内で見られるZn+2およびコフェロンの濃度では、標的の非存在下ではおそらく二量体化しないであろう。
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【0271】
これらの二量体のより高度なバージョンは、2つの亜鉛カチオンまたは1つの亜鉛カチオンのいずれか、およびホウ酸エステル等の第2の結合基を有する。
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実線で区切られた2つの芳香族環の使用に基づく誘導体
【0272】
芳香族表面が相互作用した場合に水溶液中の全体的な溶解性を有利にすることにより、水対脂質の二重層において様々な程度の溶解性を有し、2つのリンカー要素を接近させる、ベンゼン、ナフタレン、プリン、ピリミジン、または、他の芳香族構造等の、2つの芳香族環の使用に基づく誘導体(リンカー要素12)。そのようなリンカー要素の好ましいバージョンは、水性液体中では溶解性が低く(すなわち、ベンゼン、ナフタレン)、部分的に強固なリンカーを介して水性液体中でより溶解性の高い第2の芳香族環(すなわち、プリン、ピリミジン)に共有結合する、1つの芳香族環を有する。部分的に強固なリンカーは、分子内で2つの芳香族環の最適なスタッキングを妨げる形状を有する。しかしながら、パートナーリンカー要素でインターカレートされ得るように、部分的に強固なリンカーは2つの芳香族環に間隔を開けることを可能し、それによって4つの芳香族系が互いの上にスタッキングされる。例えば、ピリミジン−リンカー−ベンゼンから構成されるリンカー要素Aと、ベンゼン−リンカー−ピリミジンから構成されるリンカー要素Bの場合、スタッキングはピリミジン(A)−ベンゼン(B)−ベンゼン(A)−ピリミジン(B)となる。

これらの結合パートナーでインターカレートされる芳香族環の使用に基づく誘導体
【0273】
リンカー要素(リンカー要素9)のさらなる実施形態は、インターカレーションがリンカー要素と結合パートナーとの間の0個、1個、またはそれ以上の共有結合の形成を誘導するように、その結合パートナー(複数可)のうちの1つ以上でインターカレートされる芳香族化合物である。
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式中、Qは芳香族複素環または非複素環であり、上記環は、単独であるかまたは縮合しているかのいずれかである5または6員環を含み、
破線と交差する線は、1つ以上の多様性要素を直接的にまたは接続部を介して式(XIII)の分子に連結して形成される結合を示す。
【0274】
このリンカー要素(すなわち、リンカー要素13)の実施形態の例は以下の通りである。
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追加の相互作用により、それらの結合パートナーでインターカレートされる芳香族環の使用に基づく誘導体
【0275】
2つの芳香族環の使用に基づく誘導体には、2つのリンカー要素(すなわち、リンカー要素14)が、部分的に強固なリンカー要素および/または芳香族環の間に、疎水性相互作用、または水素結合、または極性もしくは電荷相互作用等の非共有結合性の相互作用を形成するさらなる可能性が提供され得る。この実施形態の例を項目14A)〜14B)として以下に記載する。
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図9〜13も参照されたい。
【0276】
さらなる実施形態(すなわち、リンカー要素15)において、リンカー要素は、一旦体内、細胞内、または細胞コンパートメント内に入ると脱保護に好適である、保護状態にある1つ以上の活性部分を有する。保護状態は、反応性チオール基のジスルフィド保護、反応性アルコール基のエステル保護、反応性アルデヒド基のヘミアセタール保護、反応性ケトン基のヘミケタール保護、または反応性ボロナート基のアルコール保護を含む。
【0277】
2つの芳香族環の使用に基づく誘導体には、2つのリンカー要素が、部分的に強固なリンカー要素および/または芳香族環の間に、ヘミアセタールまたはヘミケタールを形成するアルコールからアルデヒドまたはケトンへのS−Sジスルフィド結合等の1つ以上の可逆的な共有結合を形成するさらなる可能性が提供され得る。この実施形態の例を、項目15A)〜15B)として以下に記載する。
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結合した単純なリンカー要素に基づく誘導体
【0278】
前述のリンカー要素(すなわち、リンカー要素1〜14)のうちのいずれかに、2つを超えるリンカー要素から成る複合体を形成する可能性が提供され得る。これはリンカー要素16である。例えば、芳香族環が互いの上にスタッキングするリンカー要素5は、A−B−Cとスタッキングするように設計され得る。Aは、下のBおよびCに結合し得る。Bは、上のAおよび下のCと結合し、Cは、上のBおよびAと結合する。代替として、リンカー要素5は、AからBへの2つの結合を有し、BからCへさらに2つの結合を有する。リンカー要素7については、中心のリンカー要素の部分的に強固な結合は、その間に2つの芳香族環のスタッキングを許容し、端のリンカー要素は、その間に1つの芳香族環のスタッキングのみを許容する。そのようなリンカー要素を3つ結合させるには、リンカー要素Aはピリミジン−リンカー−ベンゼンから構成され、リンカー要素Bはベンゼン−リンカー(やや長めである)−ベンゼンから構成され、リンカー要素Cは、ベンゼン−リンカー−ピリミジンから構成される設計であり、芳香族環のスタッキングは、ピリミジン(A)−ベンゼン(B)−ベンゼン(A)−ベンゼン(C)−ベンゼン(B)−ピリミジン(C)となるであろう。
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【0279】
多量体を形成するリンカー要素は、4つのサブカテゴリーに分割される。これらは、標的の存在下で相互に可逆的に結合するリンカー要素、標的によって一旦接近させられると、本質的に相互に不可逆的に結合するリンカー要素、標的に関係なく相互に可逆的に結合するリンカー要素、および標的に関係なく本質的に相互に不可逆的に結合するリンカー要素を含む。
【0280】
多量体構造の一部であるリンカー要素は、(i)二量体化し、次いで高次構造を形成する能力を有するリンカー要素、(ii)1つのリンカー要素が2つ以上のリンカー要素と結合する(すなわち、A−B−A三量体を構成する)能力を有するリンカー要素、および(iii)2つ以上の共有結合を構成する能力を有するリンカー要素、の3つの基本的な形態であるが、それらの結合のうちの2つ以上が同じリンカー要素パートナーと形成されるのを阻害する形状において、設計され得る。

六量体を形成する芳香族「塩基」の水素結合および/または共有結合に基づく誘導体
【0281】
ウラシル、ジアミノトリアジン、トリアミノトリアジン、2,6−ジアミノプリン、1,3−ジアミノピリミジン、ジアミノピリジン、および1,3−ジアミノピリミジン塩基の六量体に基づく誘導体。
【0282】
i)それぞれが塩基の上に脂肪族LogP調節因子を有し、水素結合を介して環状六角形の平面構造を形成する6つの「塩基」に基づくリンカー要素(リンカー要素17)。
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式中、R=LogPを調整し、LogP調節因子としての役割を果たす脂肪族基である。
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【0283】
(ii)それぞれが塩基の上に芳香族LogP調節因子を有し、芳香族環の一方の側にあるアルデヒド/ケトンと、隣接する環上のアルコールとの間の共有結合を可能にする、水素結合を介して環状六角形の平面構造を形成する6つの「塩基」に基づくリンカー要素(リンカー要素18)。アルデヒド/ケトンおよびアルコール基は、六量体構造の形成に有利であるよう、芳香族環上でメタ位にある(120°の方向)。別の変形例では、「塩基」上に2つのアルデヒド/ケトン基が存在し得る一方で、「塩基」の上の芳香族環は2つのアルコール基を有する。
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【0284】
6つの「塩基」六量体の構想は、疎水性表面を用いたヌクレオチド塩基対形成の促進に基づいている。それぞれの複素環は、その隣接する環と最高6つの水素結合を形成することができる。これらのリンカー要素は、標的の非存在下では集合しない可能性があるが、一旦標的の存在下で形成されると、かなり安定し得る。
【0285】
上記変形例では、芳香族複素環は、6員環の代わりにナフタレンのフレームワーク(2つの縮合6員環)に基づいている。この設計の利点は、より大きな芳香族六量体の表面を作ることである。一旦形成されると、そのような六量体構造もまた、ヘッドトゥヘッドの第2の六量体構造が第1の芳香族表面に縮合するのを補助することができる。得られた高次構造は12個のコフェロンで構成され、抗体の親和性と競合する標的に対して親和性を有する可能性がある。
【0286】
上記変形例では、六量体の代わりに三量体を形成することができる。例えば、2つのUの代わりに、単一のアルデヒドを含有する芳香族環を有するUを含む2つのコフェロンと、2重の小さいジアミノA塩基およびメタ位に2つのアルコールを有する芳香族環を含む1つのコフェロンを使用する。この構造は、「ハーフパイプ」と呼ばれ得る。それはまた、6つのコフェロンが全て同じ方向を向くように、ヘッドトゥヘッド構造を形成することができる。
【0287】
他の変形例では、基本のヌクレオチド間の水素結合を用いずに、「N個」のコフェロン単量体を適切な形状で集合させるという概念に集中しており、芳香族環の構想は、108°の形状が達成され得るように、5員へテロ複素環を使用することにより、コフェロン五量体を形成するまでに拡張することができる。

多量体を形成する塩基対を形成する二量体に基づく誘導体
【0288】
これらのリンカー要素はリンカー要素9に由来する。この実施形態では、6つの塩基の層は、全てが対を形成して6つの水素結合を形成し、それぞれが環状六角形平面構造にあり、それぞれが、全てが対を形成して4つの水素結合を形成する6つの塩基の第2の層を有し、それぞれが塩基の上にあり、芳香族環の一方の側でのアルデヒド/ケトンと、隣接する環上のアルコールとの間の共有結合を可能にする。アルデヒド/ケトンおよびアルコール基は、六量体構造の形成に有利であるよう、芳香族環上でオルト位にある(120°の方向)。これはリンカー要素19である。
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【0289】
第1の設計において、ホウ酸エステルは二量体を形成し、次いで六量体を形成する。この設計では、上のヌクレオチドおよび下のヌクレオチドの両方が、オルト位にあるホウ酸エステルを介して共有結合するが、それらは上から下に交互に共有結合する。よって、上のヌクレオチドは左から右に結合し、下のヌクレオチドは右から左に結合する。
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【0290】
上記設計の上下のロゼットの上面図は、6つ全てのコフェロンが共有結合するように、全てのヌクレオチドがあらゆる位置でどのように共有結合し、その共有結合がどのように相互にオフセットであるかを示している。
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【0291】
六量体を形成する二量体を形成するホウ酸エステルを使用する第2の設計において、上のヌクレオチドのみが、オルト位にあるホウ酸エステルを介して共有結合する。この設計では、両方のヌクレオチドが1−4軸に沿って対称であり、よって、いずれの方向にも回転することができる。
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【0292】
上記設計のロゼットの上面図は、全てのヌクレオチドがあらゆる位置でどのように共有結合し、1対おきに中央の水素結合を飛ばしているかを示している。その利点は、6つ全てのコフェロンが上のロゼット上で共有結合していることである。

1,3−ジアミノピリミジン、ジアミノピリジンまたはアミノピリミジン塩基対とシトシンまたは5−アミノ−2−ピリドンのヌクレオチドとの四量体の形成に基づく誘導体
【0293】
これらのリンカー要素もまた、リンカー要素9に由来する。
【0294】
一実施形態において、2つの主鎖はスタッキングの後にヘミアセタールを介して結合している。
【0295】
別の実施形態において、線形ペプチド主鎖が、核酸塩基リンカー要素に使用され得る。そのような単量体では、単量体の多様性要素は交互のアミノ酸残基の側鎖である。
他の実施形態において、核酸塩基リンカー要素を担持する主鎖は、環状ペプチド核酸の主鎖であり得る。そのようなコフェロン単量体において、多様性基は隣接するアミノ酸残基の側鎖である。さらに別の実施形態において、シクロペンタン骨格に基づくリンカーの主鎖が使用され得る。
【0296】
1,3−ジアミノピリミジン、ジアミノピリジンまたはアミノピリミジン塩基対とシトシンまたは5−アミノ−2−ピリドンとの四量体の構想は、疎水性表面を用いたヌクレオチド塩基対形成の促進に基づいている。下のそれぞれのヌクレオチドは、その相手と3つの水素結合を形成することができる。上のそれぞれのヌクレオチドは、その相手と2つの水素結合を形成することができ、ヘミアセタールリンカーを介して付着する。上のヌクレオチドは、「大きな溝」における水素結合領域を横断して共有結合することができる。1本の非連続的な鎖上で4つの塩基が互いの上にスタッキングし、第2の非連続的な鎖では、追加の4塩基が互いの上にスタッキングするように、今度はこの構造を180°反転させて、その相手とスタッキングさせることができる。この2つのセットは、塩基上の基または主鎖のいずれかを介して結合することができる。4つの多様性要素はその主鎖から出ており、4つの塩基の二重らせんの小さな溝から出ていると考えられ得る。この構造は一旦形成されると非常に安定し、単一抗体の重鎖または軽鎖と同じ一般的なサイズの結合面を作ることができる。
コフェロン二量体の場合は、主鎖の間または塩基の間のヘミアセタールは使用されない。

ヌクレオチドの結合にホウ酸エステルを使用する複素環二量体の形成に基づくリンカー要素
【0297】
この実施形態では、共有結合は、「大きな溝」内のホウ酸エステルを介して上の塩基対上に形成される。上の複素環は、2つの水素結合を有する。下の塩基対は、3つの水素結合か、または2つの水素結合および1つのホウ酸エステルのいずれかを有する。1本の非連続的な鎖上で4つの塩基が互いの上にスタッキングし、第2の非連続的な鎖では、追加の4塩基が互いの上にスタッキングするように、今度はこの構造は、180°反転し、その相手とスタッキングすることができる。この2つのセットは、主鎖上のエチルアルコールまたはアルデヒド基を介して、または塩基上のホウ酸およびアルコール基を介してのいずれかにより結合することができる。この構造は一旦形成されると、向上した安定性を有し、単一抗体の重鎖または軽鎖と同じ一般的なサイズの結合面を作ることができる。
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[2.2.1]ビシクロ−ヘプタノンおよび[2.2.2]ビシクロ−オクタノン構造に基づく誘導体(リンカー要素21)
【0298】
一変形例において、ケトンはエカトリアル位の2位にあり、アルコール基は6位にある(やや上向き)。別の変形例において、アルデヒドまたはケトン基は1位で、そしてアルコールは4位で付着する。そのようなビシクロ誘導体は、二量体を形成する場合、2つの共有結合するヘミアセタールまたはヘミケタールを形成することはできないであろう。
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交互にスタッキングした芳香族環に基づく誘導体
【0299】
2つのリンカー要素間で基が同時に反応して共有結合できないように、アルコールおよびアルデヒド基を含有する交互にスタッキングした芳香族環に基づく誘導体(リンカー要素22)。
【0300】
この主題の一変形例において、1つのリンカー要素は2つのアルデヒドをメタ位(1,3)に含有し、第2のリンカー要素は2つのアルコールを含有するが、かさ高い置換基(tert−ブチル、イソプロピル、エチル、メチル、Br、Cl、I等)がその2つの間に存在する(環の2位)。
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式中、破線と交差する線は、直接的にまたは接続部を介してリンカー要素に付着する1つ以上の多様性要素を表す。
【0301】
よって、2つの芳香族環がスタッキングする場合、それらは120°オフセットである必要がある。この種の設計はまた、多様性要素の位置を120°回転させるが、リンカー要素が可動性のエチレングリコール接続部を介して多様性要素に接続される場合は、これは標的への結合に影響を与えるものではない。
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【0302】
この主題の別の変形例において、2つの結合する基は、一方の対が共有結合する時に、他方の2対は離れ過ぎていて反応できないように設計される。例えば、一方のリンカー要素の芳香族基は、オルト位に2つのアルデヒド基を有することができ、他方のリンカー要素は、パラ位にアルコール基を有する。
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【0303】
代替として、ナフタレンタイプの構造が使用され得る。そのようなリンカー要素がスタッキングすると、芳香族基が前後に回転するため、このセットは「フリップフロップ」設計として知られる。
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【0304】
強固なスペーサーによって分けられた芳香族環を特徴とするリンカー要素は、二量体および三量体を形成すると前述した。そのような2つのリンカー要素上の芳香族環がインターカレートすると、それらは水溶液に曝露される芳香族表面の総数を8個から2個に減少する。それらが互いに対してオフセットとなるような交互のリンカー要素上のアルデヒドおよび/またはケトン基ならびにアルコール基を含み、リンカー要素対は、次いで相互に共有結合する別のリンカー要素対上にスタッキングすることができる。この構造は、以下に示すような線形のコフェロン多量体を構成するのに使用され得る。
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金属結合基を共有結合の形成と組み合わせる誘導体
【0305】
亜鉛キレート剤とヘミアセタール共有結合形成を組み合わせるリンカー要素は、四量体の集合を可能にする。これはリンカー要素24である。ピコリン酸をキレート剤として使用する変形例を、以下の例において24A)として示す。
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【0306】
四量体を形成する亜鉛キレートコフェロンの別の変形例は、2つの亜鉛カチオンの結合およびホウ酸エステルの形成に基づいている。この設計は、ピコリン酸芳香族環のスタッキングを利用する。エチルアルコールは、隣接するピコリン酸リンカー要素の芳香族化合物上のホウ酸への共有結合を形成するよう、完璧に配置される。
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集合して三量体または六量体を形成する単一のリンカー要素に基づく誘導体
【0307】
これらの誘導体は、ボロン酸と1,2および1,3−ジオールとの間にボロン酸エステルを形成することに基づいている(リンカー要素25)脂肪族分子に由来する場合、これらのリンカー要素は二量体を形成する。芳香族環を含有する分子に由来する場合、これらのリンカー要素は三量体または六量体を形成することができる。ボロナートもまた、アミノアルコールと複合体を形成することができ、またアミドアルコールとも複合体を形成することができる。
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式中、Rは、−H、−CH、−CFを含む脂肪族または脂環式基であり、
Qは、芳香族複素環または非複素環であり、
n=0〜3、m=1〜3、およびp=1〜2であり、
破線と交差する線は、1つ以上の多様性要素を直接的にまたは接続部を介して式(B1)、式(B2)、式(B3)、および式(B4)の分子に連結して形成される結合を示す。
これらの実施形態の例を、25A)〜25D)として以下に示す。
【0308】
これらの設計では、芳香族環(環内の種々の位置でN、SまたはO原子を含有し得る)は、芳香族環のメタ位にボロン酸部分および1,3−ジオール部分を担持する。これらのリンカー要素は、三量体および六量体を形成することができる。
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【0309】
別の実施形態において、ボロン酸部分および1,3次オール部分は、ヒドロキシメチルケトンによって置換され得、それによりヘミアセタール共有結合の形成を介して六量体の集合を引き起こす。
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異なる単量体と相互作用して四量体を形成する二量体を形成する誘導体
【0310】
はじめにヘミアセタール形成を介して二量体を形成し、それによって、ボロン酸部分と反応するように最適に配置された2つのセットのヒドロキシル基を芳香族環(環内の任意の位置でN、S、またはO原子を含有し得る)上に配置するリンカー要素に基づく誘導体。これはリンカー要素26である。
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3つの別個のリンカー要素の集合に基づく誘導体
【0311】
第1のリンカー要素と第2のリンカー要素との間の共有結合の形成が、第2のリンカー要素上に新しい反応基を生成し、第3のリンカー要素との追加の共有結合を形成することを可能にする、リンカー要素の三量体の集合に基づく誘導体(リンカー要素27)。第1のリンカー要素は、脂肪族または芳香族アミンまたはイミドアミドであり得、2位でヒドロキシメチル置換基を担持するシクロヘキサノンであり得る第2のリンカー要素と反応する。第3のリンカー要素は、芳香族環(環内の任意の位置でN、S、またはO原子を含有する)およびボロン酸部分であり得る。
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能動的に標的細胞内に輸送されるリンカー要素に基づく誘導体
【0312】
葉酸を含有するリンカー要素は、葉酸輸送体を用いて優先的に癌細胞に進入する(リンカー要素28)。一実施形態において、多様性要素は、エチレングリコールリンカーを介して葉酸に基づくリンカー要素に付着する。
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【0313】
別の実施形態において、2つの葉酸部分は、相互に可逆的に共有結合する有利な条件を有する。
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【0314】
第3の実施形態において、葉酸部分は、ジスルフィド結合を介して第2のリンカー要素に付着する。癌細胞内のグルタチオンによるジスルフィド結合の切断は、ここでチアゾリジン環の形成を介して2つのリンカー要素の不可逆的な結合を促進する。
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【0315】
他の変形例において、リンカー要素は、受容体または輸送体に結合し、次いでリンカー要素前駆体の細胞内への輸送または取り込みを促進する、リンカー要素前駆体を構成する他の部分に付着し得る。

細胞内で活性化された不可逆的な架橋リンカー要素に基づく誘導体
【0316】
これらの設計では、リンカー要素は、細胞内で脱保護を起こす保護された官能基を含有する。得られた官能基は、リンカー要素間の不可逆的な共有結合の形成を可能にする(リンカー要素29)。この設計の一実施形態は、保護されたジスルフィドを含有する。ジスルフィドは、細胞に進入する時に、1級アミンに対してベータ位にある遊離スルフヒドリル基を放出するグルタチオンによって減少させられる。この部分は次いで別のコフェロン単量体上のカルボニルと不可逆的に反応し、チアゾリジン結合を形成する。
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【0317】
そのようなリンカー要素は、遊離スルフヒドリル基が生成されると単量体が自身と反応してホモ二量体を形成するように、保護されたジスルフィドおよびカルボニルの両方を担持するように設計され得る。
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【0318】
上記リンカー要素の二量体化の代替様式を以下に示す。
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多様性要素
【0319】
大抵の薬物は、タンパク質活性をブロックし、酵素ポケットを塞ぎ、よって活性を阻害することにより作用する。薬物が結合するためには、ファンデルワールスおよびイオン性相互作用が必要な結合エネルギーを提供するように、十分な相補性および接触表面積が必要である。コンビナトリアルケミストリーの分野は、異なる形状およびサイズのリガンドまたは多様性要素を作るという原理に基づいており、それらの中には、所望の標的表面に結合することができ、よって、後続する医薬品化学のためのリード分子としての役割を果たすものもある。
【0320】
コフェロンは、2つのリガンドまたは多様性要素を介して標的に結合することが可能であるという利点を有する。これらの多様性要素は結合して、単一の多様性要素によって得られるよりも密接な結合をコフェロンに提供する。また、コフェロンは、コフェロンとタンパク質標的との間の相互作用の表面積を最大化するさらなる有利な条件を提供するリンカー要素(および任意選択的に接続部)を提供する。
【0321】
コンビナトリアルケミストリーのアプローチは多様性要素の最大化を探求しており、そのような分子は、分割‐再結合法またはビーズを利用したアプローチを用いて合成されることが多い。多様性ライブラリーを生成するのに使用される2つの一般的なアプローチが存在する:(i)それぞれが表面のライブラリーを作るように多様性試薬のファミリーと反応させられる、多数の官能基を用いた単一プラットフォーム、および(ii)多様性は二官能性試薬を使用して生成され、ペプチドおよびペプチド類似体等の短い線形または環状の鎖を作る。
【0322】
以下の例の多くにおいて、合成の順序は、リンカー要素が三官能性接続部に付着し、その官能基のうちの1つは、接続部−リンカー要素をビーズまたはDNAバーコードまたはタグ配列に付着させるのに使用される。リガンドの多様性ライブラリーの付着またはコンビナトリアル合成がこれに続く。これらのステップの順序および構成成分の形状は変更され得る。例えば、一方の端で多様性要素および他方の端でビーズに付着して、リンカー要素もまた接続部として2倍になり得る。また、リンカー要素は、多様性要素の合成の後で、最後に添加され得る。以下の例は、決して多様性要素を有するリンカー要素を合成する方法を網羅するものではない。
【0323】
多様性要素は、標的タンパク質に結合することが事前に明らかになっている分子か、事前に合成された市販のまたは市販されていないコンビナトリアル化合物ライブラリーのハイスループット・スクリーニング後、標的タンパク質に結合することが判明している分子か、または、新しく合成されたコンビナトリアルライブラリーのスクリーニングによって標的タンパク質に結合することが判明した分子であり得る。ほとんどの既存のコンビナトリアルライブラリーは、それらが包含する構造空間および多様性において限られていることから、新しく合成されるコンビナトリアルライブラリーは、様々な骨格に基づく分子を含む。

単環式骨格
【0324】
これらの骨格は、最も単純な型のコンビナトリアルライブラリーを生成するのに使用され得る。
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【0325】
およびRで置換されるこれらの窒素および炭素原子の他に、他の位置が、Hを含む追加の置換基を含有し得る。多重結合もまた、環原子の間に組み込まれ得る。

二環式骨格
【0326】
それぞれの二環式骨格は、異なる位置で置換され得、上記単環式骨格について示したように、ヘテロ原子および多重結合を含有し得る。
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三環式骨格
【0327】
三環式骨格は、相互に縮合された3環を含有し、上記単環式骨格について示したように、ヘテロ原子および多重結合を含有し得る。
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四環式骨格
【0328】
四環式骨格は、相互に縮合された4環を含有し、上記単環式骨格について示したように、ヘテロ原子および多重結合を含有し得る。
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スピロ骨格
【0329】
単一の共通原子を介して2つの環が相互に縮合されたスピロ骨格。
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マルチコア骨格
【0330】
上記骨格コア要素のそれぞれが共有結合によって結合したマルチコア骨格。
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接続部
【0331】
一実施形態において、リンカー要素は三官能性接続部に付着し、その官能基のうちの1つは、接続部−リンカー要素をビーズに付着するのに使用される。ビーズは個別のウェルに分配され、一連の多様性要素は、接続部上の第3の官能基と反応する(例えば、アルデヒドを含有する500個の異なる部分がアミノ基と反応させられる)。この実施形態では、合成が行われたウェルが、多様性要素を同定する。
【0332】
第2の実施形態(図2.1A)において、リンカー要素は三官能性接続部に付着し、その官能基のうちの1つは、接続部−リンカー要素をコード化ビーズに付着するのに使用される。例えば、Veracode(商標)ビーズ(Illumina、(San Diego,Calif.))またはシリコンビーズが使用され得、それぞれのビーズは固有のVeracode(商標)またはバーコードパターンを有する。ビーズおよび粒子は一連の反応チャンバ(例えば、10個のチャンバ)に分配され、それぞれのチャンバ内で同定され、次いで二官能性部分(例えば、保護されたアミノ酸)と反応させられる。ビーズは混合され、再び反応チャンバ内に分割され、このプロセスが繰り返される(スプリット‐プール合成)。この実施形態では、プロセスを合計4回繰り返すことにより、ライブラリー内に10,000個の多様性要素が得られる。このアプローチの変形例では、合成の終わりに最後のアミノ酸残基を接続部と反応させ、環状多様性要素を作る。この変形例では、多様性要素は、ビーズまたは粒子上のコードによって同定される。
【0333】
第3の実施形態において、リンカー要素は三官能性接続部に付着し、その官能基のうちの1つは、接続部−リンカー要素を長いDNAバーコード配列に付着させるのに使用される(図2.1B)。溶液中、ビーズ上、またはアレイ表面上のいずれかの相補的配列に固有にハイブリッド形成するように、DNAバーコードは、3’および5’末端に2つの一般プライマー結合部位配列を有し、多数の内部ジップコード配列を含有し、それらの配列は、同様の融点を有するが、それらの塩基の少なくとも25%は異なる。接続部−リンカー要素−DNAバーコード(=ライブラリーメンバー)から構成される分子は、相補的なジップコード配列を有するビーズを含有する一連のカラム(例えば10個のカラム)と平衡を保っている。DNAハイブリッド形成は、それらのDNAバーコード上に相補的なジップコード配列を含有するライブラリーメンバーを捕獲する。このプロセスの終わりには、全てのライブラリーメンバーは、DNAバーコードの第1の位置におけるジップコード配列に依存して、10個のカラムに分配されるはずである。ライブラリーメンバーは、別個の新しいチャンバ内に溶出され、所与のジップコードに対応する二官能性部分(例えば、保護されたアミノ酸)と反応させられる。ライブラリーメンバーは、次いで再度プールされ、次いで、DNAバーコードの第2の位置にあるジップコード配列を用いた配列特異的な捕獲のために、再度次の一連のカラムに送られる。この実施形態では、プロセスを合計4回繰り返すことにより、ライブラリー内に10,000個の多様性要素が得られる。上記のように、合成の終わりに、最後のアミノ酸残基を接続部と反応させて、環状多様性要素を作ることができる。この実施形態では、多様性要素が何であるかは、DNAバーコードにあるジップコード配列によって定義される。
【0334】
第4の実施形態において、リンカー要素は三官能性接続部に付着し、その官能基のうちの1つは、接続部−リンカー要素を、3’および5’末端における2つの一般プライマー結合部位配列ならびに多数のジップコード配列を含有するDNAテンプレート配列に付着させるのに使用される。DNA配列は、二官能性部分を接続部上の残りの官能基に付加するテンプレートとしての役割を果たす。それぞれの二官能性部分は、相補的なジップコードDNA分子に付着し、接続部−リンカー要素を含有するDNAテンプレート上でハイブリッド形成する。このハイブリッド形成は、非常に高い収率となるよう合成を促進できる程度まで、反応物の局所的な濃度を増加させる。この方法は、スプリット‐プール法を必要としない。この実施形態では、第1のセットの二官能性部分は第1のセットのジップコードに対する相補的なジップコードDNA分子に付着し、第2のセットの二官能性部分は第2のセットのジップコードに対する相補的ジップコードDNA分子に付着する、等となる。このアプローチは、全ての新しいセットの相補的ジップコード配列に付着する官能性部分の合成を必要とするという欠点を有する。もう1つの問題は、それぞれの追加ラウンドが、成長する鎖から反応基を遠ざけることであるが、その問題は、「オメガ」記号に似たスプリットした配列上でハイブリッド形成するように設計されたオリゴを使用して改善され得る。それぞれの新しいセットのジップコードに対する二官能性部分を含有する新しい試薬を生成する必要性を回避するために、別の変形例は、3つのオリゴヌクレオチドセットを使用する。第1のセットは、成長する多様性要素に共有結合した接続部−リンカー要素−DNAテンプレートの配列ライブラリーを含有する。第2のセットは、使用されるそれぞれの二官能性部分に対する固有のジップコードを含有する。第3のオリゴヌクレオチドのセットは、第2のセットからの二官能性部分上の特定のジップコード配列および第1のセットからのDNAテンプレート配列における特定のジップコードに相補的であり、これらのDNA要素の両方にハイブリッド形成することにより、二官能性部分を接続部‐リンカー要素‐DNAテンプレート上の成長する鎖に密接に近接させ、局所的な濃度を増加させて反応を進める。この方法は、スプリット‐プール法を必要としないという利点を有する。それぞれ10個の二官能性部分が4セット付加されると、ライブラリー内に10,000個の多様性要素が得られる。上記のように、合成の終わりに、最後のアミノ酸残基を接続部と反応させて、環状多様性要素を作ることができる。このバージョンでは、多様性要素が何であるかは、DNAテンプレートにあるジップコード配列によって定義される。
【0335】
第5の実施形態において、リンカー要素は三官能性接続部に付着し、その官能基のうちの1つは、接続部−リンカー要素を、3’および5’末端における2つの一般プライマー結合部位配列ならびに中央における単一のジップコード配列を含有するDNAバーコード配列に付着させるのに使用される。分子は、複数に区切られたカバーがアレイをチャンバ(例えば、10個のチャンバ)に分割できるように配置された、相補的ジップコード配列を含むアレイ表面と平衡化する。それぞれのチャンバは、所与のジップコードに対応する異なる二官能性部分(例えば、保護されたアミノ酸)と反応させられる。ライブラリーメンバーは、次いで再度プールされ、次いで、相補的ジップコード配列が再配列された次のアレイに送られる。この実施形態では、プロセスを合計4回繰り返すことにより、ライブラリー内に10,000個の多様性要素が得られる。このアプローチの変形例では、アレイの相補的ジップコード配列は、所与の二官能性部分に共有結合的に付着するよう、それらの遊離端で修飾され得る。最初に、チャンバを使用して、部分が正しいジップコードに付加される。続いて、チャンバが除去され、DNAバーコード配列を含有するライブラリーメンバーがアレイに付加される。一旦それらが正しいアドレスにハイブリッド形成されると、それらはジップコード上の二官能性基と反応して、その部分を成長する鎖に付加するよう適切に配置される。このアプローチの完全な変形例では、アレイのアドレスは、同じ鎖上に、相補的ジップコード配列および連続するDNA配列タグの両方を含有するようにプリントされる。これらの条件下では、タグ配列に相補的であり、二官能性部分を含有するDNA分子と、同族のジップコード配列を有するライブラリーメンバーとの両方が、アドレスに結合してDNA標的合成ステップを設定することができる。この完全な変形例は、チャンバが個々の反応を分ける必要性を除去するであろう。上記のように、合成の終わりに、最後のアミノ酸残基を接続部と反応させて、環状多様性要素を作ることができる。このバージョンでは、多様性要素が何であるかは、DNAバーコードにある単一のジップコード配列によって定義される。
【0336】
第6の実施形態において、リンカー要素は三官能性接続部に付着し、その官能基のうちの1つは、接続部−リンカー要素をVeracode(商標)ビーズ、バーコード粒子、またはジップコード配列を含有するDNAバーコード配列のいずれかに付着させるのに使用される。残りの官能基は、追加の官能基を含有する「プラットフォーム」に接続される。例えば、プラットフォームは、全てがsyn方向にある3つの炭素上に誘導体化されたシクロ‐ペンタンであり得る。このバージョンでは、上記実施形態2〜5に記載されるコード化プロセスのうちの1つが、単官能性部分をプラットフォーム上の適切な官能基に付加するのに使用される。例えば、それぞれのステップにおいて20個の部分が付加される場合、結果として生じるライブラリーは8,000個の多様性要素を有する。このアプローチの利点は、結合表面において最大の多様性を得るよう、全ての多様性成分を単一方向に誘導することである。

暗号化部
【0337】
最も多用途な暗号化要素は付着したバーコードであり、典型的にはオリゴヌクレオチドまたはDNA等の核酸配列である。暗号化要素は、多様性要素の合成(DNAを標的とする合成(DNA標的合成「DTS」)等)を直接的に補助するのに使用され得る。それぞれの暗号化要素は、多数のジップコード配列から構成される。暗号化要素は、一方の端部に付着した化学分子を有する。反応基を担持する第1のジップコード相補体を多様性要素にハイブリッド形成させると、反応基が共有結合され、核酸上の化学分子へと移動される。それぞれの固有のジップコード相補体は、ジップコード配列に対応する多様性要素を含有する反応基を保有する。このプロセスは、暗号化要素配列の第2のジップコードに対応する、第2のセットの保有されたジップコード相補体を用いて繰り返される。それぞれのステップで多様性要素を負荷する数ラウンドの合成の終わりに、鎖を環状化させる任意選択的なステップが存在する。代替として、特定の産物を定義されたカラムに捕獲するために暗号化要素が使用され得る。この実施形態では、それぞれの暗号化要素もまた、多数のジップコード配列から構成される。第1のセットのジップコード配列に対するジップコード相補体を含有するカラムに配列を通過させる。このプロセスは、核酸配列が正しいジップコード相補体を含有する適切なカラムに結合するまで繰り返される。続いて、それぞれの核酸カラムが別個の反応チャンバに溶出されると、対応する多様性要素が暗号化要素に付着した化学分子と化学的に反応させられる。このプロセスは、暗号化要素配列の第2のジップコードに対応するジップコード相補体を含有する第2のセットのカラムを用いて繰り返される。それぞれのステップで多様性要素を負荷する数ラウンドの合成の終わりに、鎖を環状化させる任意選択的なステップが存在する。別の実施形態において、暗号化要素は、後続ラウンドの合成のためにビーズ上もしくは固体支持体上のアドレス上で捕獲され得るか、または最終的なリガンドのジップコード同定のために使用され得る。最終的に選択されたリガンドは、PCR増幅法により同定され得、アンプリコンのジップコード部の配列決定がそれに続く。個別に増幅された分子は、ビーズまたは固体支持体上で捕獲され、個々のビーズ上または固体支持体上のクラスターの全ての分子が同一となるように増幅される。次いで、それぞれのビーズまたはクラスターの配列が、合成もしくはピロシーケンスによる配列決定を用いて、またはライゲーションによる配列決定を用いて決定される。それぞれのビーズまたはクラスターのジップコード配列もまた、蛍光標識されたプール化ジップコード相補体をハイブリッド形成させ、どのセットがシグナルを発したかをスコア化し、定義された位置で固有のジップコードを最終的に同定する2進コードを作成することによって決定され得る。代替として、ジップコードは、アレイにハイブリッド形成することによって同定され得る。
【0338】
本明細書においてRADE(無作為アクセスDNA暗号化)と称される代替のアプローチは、固有配列でビーズ粒子または固体支持体を無作為に暗号化し、固有のオリゴヌクレオチド配列の多数のコピーをビーズ上に複製し、次いで、ビーズがあった場所にその固有の配列の相補体のコピー(フットプリント)を残すことである。これにより、完全なリガンドを合成するよう所与の多様性単量体が添加された場合に、どこにビーズがあったかが示される。有力なリガンド(複数可)が一旦選択されると、PCR増幅法およびその後の配列決定により、リガンド(複数可)と関連する固有配列(複数可)を同定する。固有のPCRプライマーが、それぞれの配列の固有領域に対して設計され、次いで、ウェルを調べて合成におけるそれぞれのステップの経路を決定するように使用され得る。
【0339】
1つのビーズ上の同じ配列の多数のコピーを有するが、それぞれのビーズは固有配列を担持する、ビーズまたは粒子を生成するためのアプローチがいくつか存在する。ビーズまたは固体支持体に対するそのようなオリゴヌクレオチドの付着を促進するために、ビーズまたは固体支持体はその有効表面の一部上で官能化される。続いて、コフェロンは、ビーズ上またはオリゴヌクレオチドのバーコードの端部上のいずれかで合成される。好ましい変形例では、コフェロンは、感光性リンカーを介してビーズまたはオリゴヌクレオチドに付着する。そのようなコンストラクトを生成するためのいくつかのアプローチを以下に列記する。

A.目的:ビーズの全表面を横断する配列(以下)の数百〜数千個のコピーを有するビーズを生成する(図3を参照)。

UniA(20)−Rand(20)−UniB(15)−Rand(20)−UniC(20)

配列中:
UniAは、一般または共通配列A、20merである。
Randは、無作為に生成されるか、または固有の20merの配列である。
UniBは、一般または共通配列B、15merである。
Randは、無作為に生成されるか、または固有の20merの配列である。
UniCは、一般または共通配列C、20merである。

ステップ1A.以下の形態のオリゴを合成する。

プライマー配列1=一般20mer A−無作為20mer−一般15mer B
プライマー配列2=一般15mer B相補体−無作為20mer−一般20mer C

ステップ2A.2つのプライマーセットを混合し、3’末端がそれぞれAおよびCで終わる一般プライマー(20mer)を付加すると、これらはPCR増幅の間に集合して、以下の形態の95塩基配列を生成する。

UniA(20)−Rand(20)−UniB(15)−Rand(20)−UniC(20)

ステップ3A.それぞれのビーズが同じ95塩基配列のコピーをいくつか有するように、エマルジョンビーズを調製してPCR増幅する。エマルジョンPCRにおいて、1つのプライマー(A)がビーズに付着され、95塩基配列はビーズ1個につき1個未満で捕獲され、次いで、低濃度のプライマーAおよび高濃度のプライマーC、Taqポリメラーゼ、dNTPs、およびMgが添加され、ビーズの周囲で乳化され、次いで、個々のPCRチャンバと同じそれぞれのビーズ上のフラグメントのコピーを生成する(Frank Diehl et al,Proc.Nat’l Acad Sci USA,102:16368−16373(2005)、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。

ステップ4A.コフェロンは、直接ビーズの表面上で活性された基の上で合成され得るか、または変形例においては、官能基を含有するプライマーは、増幅された産物の末端にライゲートされる。よって、コフェロンは、DNA鎖の末端で合成される。これは、2つの有利な条件を提供する:(a)コフェロンがDNAの末端にあり、タンパク質標的からすぐ近くである、および(b)この設計は、コフェロンをビーズの末端から切断するか、またはDNAをビーズから切断しても、なおコフェロンに付着しているか、のいずれかの有利な条件を提供する。


B.目的:ビーズおよび粒子の1面を横断する配列(上)の数百〜数千個のコピーを有するビーズを生成する(図4を参照)。

ステップ1B〜2B.上記と同様。

ステップ3B.Aプライマーを付着させるために、一方の側または面のみを活性化する。これは、ビーズを何らかの液体表面に浮かべて、曝露された表面のみに活性化物質を噴霧することにより実行され得る。別のアプローチは、シリコンまたはガラスのウエハ上に活性化基をプリントし、水平および垂直のセクションをエッチング除去して、1つの側のみにエッチングされた何百万もの粒子を残すことである。

ステップ4B.エマルジョンPCRを上記のように調製する。PCR産物をビーズの1面に限定することの利点は、後にコフェロン合成または蛍光標識した標的(タンパク質)のビーズへの結合を妨害する可能性がある大量のDNA分子の突出を防ぐことである。


C.目的:ビーズおよび粒子の1面を横断する配列(以下)の数百〜数千個のタンデムリピートコピーを有するビーズを生成する(図5を参照)。

UniA(20)−Rand(20)−UniB(15)−Rand(20)−UniC(20)−UniD(20)

ステップ1C.以下の形態のオリゴを合成する。

プライマー配列3=5’ブロック−T5−一般20merD−一般20mer A−無作為20mer−一般15mer B
プライマー配列 4=5’p−一般15mer B相補体−無作為20mer−一般20mer C−一般20mer D相補体−

ステップ2C.2つのプライマーセットを混合すると、それらは2つの相補的領域でハイブリッド形成し、両方の鎖にギャップのある115塩基の環を形成する。5’−3’活性または鎖置換活性(クレノウ等)を持たないDNAポリメラーゼ、dNTPs、ATP、およびT4 DNAリガーゼを添加する。ポリメラーゼは、両方の遊離3’末端を伸長するが、プライマー配列4の鎖のみをライゲートして環を形成する。5’末端がブロックされているため、他の鎖はライゲートできない。続いて鎖置換ポリメラーゼ(BstポリメラーゼまたはPhi−29ポリメラーゼ等)を添加することにより、何百もの以下の配列のタンデムリピートコピーがローリングサークル増幅を用いて生成され得る。

UniA(20)−Rand(20)−UniB(15)−Rand(20)−UniC(20)−UniD(20)

ステップ3C.一方の側または点が活性化されたUniD相補体配列を含有するビーズまたは粒子を用いて、ビーズまたは粒子ごとに1つのDNA多量体を有する長い単一の一重鎖DNAを捕獲する。元の5’末端(合成されたプライマー配列3)は修飾され得、ビーズまたは粒子の共有結合性の捕獲を可能にする。鎖は、単一鎖の長さに沿った多くの位置で捕獲される。UniA(20)−Rand(20)−UniB(15)−Rand(20)−UniC(20)配列のコピーが生成され、次いでビーズを溶解させる条件下においても、このDNAがハイブリッド形成された状態にあるように、UniD相補体捕獲配列は、PNA、または2’O−メチル含有配列から構成され得、最も簡単なのは、PNA、または2’O−メチル含有配列を認識および巻き戻さないヘリカーゼを使用することである。
【0340】
一旦ビーズまたは粒子が生成されると、それらはコフェロンを合成するのに使用され得る。この例の目的のために、コフェロン合成は20個の異なる基の3ラウンドの多様性を有し、20個の異なる骨格(160,000倍の多様性)が存在する。リンカー要素および接続部の合成後、ビーズは20ウェルに分割され、第1ラウンドの多様性要素が添加される。後に、一般プライマーが添加され、全てのDNAフラグメントにハイブリッド形成され、伸長され、次いで溶解される(熱もしくは高いpH、ホルムアミド等の有機溶媒、またはヘリカーゼによる)。ビーズを除去した後、20ウェルは、それらのウェル内に全てのビーズのフットプリントを含有する。
【0341】
20ウェルからのビーズは、次いで新しい20ウェル内にプールおよび等分割される。このプロセスをもう3回繰り返し、80ウェルがフットプリントを含むようにする。
【0342】
ビーズは、蛍光標識された標的に結合するための選択(溶液に添加された他のコフェロンライブラリーを用いて)において使用される。得られたビーズは分離され、DNAバーコードがPCR増幅される。増幅したフラグメントは、固相法を用いて配列決定される(次世代配列決定)。また、同じアプローチは、なおDNAタグを付着して含有する個々のコフェロンとともに使用され得ることに留意されたい。
【0343】
配列は記録され、順方向および逆方向プライマーが、固有の20merの配列内で合成される。固有プライマーを合成するのに使用される正確な領域内にはいくらかの柔軟性があり、例えば、無作為配列の14〜15塩基、ならびにUniAおよびUniC配列の5塩基が、それぞれ使用され得る。この柔軟性は、ユーザが、パリンドローム配列で終端するプライマー(プライマー二量体を構成する可能性が高い)を使用するのを避けることを可能にする。
【0344】
それぞれの有力な配列のために合成された固有のプライマー対を使用して、最初の80ウェル(96ウェルリアルタイムPCR機上で1回実行される)は、Taqmanプローブを用いた検出のために中央のUniB配列を使用してPCRを介して分析される。20ウェルから成るそれぞれのセットからの1ウェルは良い結果を提供するはずであり、ユーザが、それぞれの合成ラウンド中にそのビーズの経路(すなわち、合成の履歴)をたどることを可能にする。
【0345】
実際には、それぞれのウェルが8,000倍の多様性を含むように、最終的な20ウェルのスプリットを維持し得、次いで有力なリガンドおよびその配列が同定されると、60回のPCR反応のみが必要となる。同様に、最後の2つのステップにおいて反応の分離が維持される場合は(=400ウェル)、それぞれのウェルは400倍の多様性を有し、逆重畳積分は40回のPCR反応のみを必要とする。
【0346】
多様性要素を同定する代替手段は、異なる質量の化学部分(例えば、アミノ酸誘導体)を組み込む合成ステップを使用すること、および、質量分光分析により最終産物の分子量を決定することを含む。また、多様性要素は、空間的隔離によって定義され得、すなわち、異なるウェルまたはチャンバ内で異なる変異体を合成することによる。さらに、多様性要素は、リガンドの合成のための固体支持体として使用されるビーズまたはガラス表面内でコード化され得る。例えば、ビーズは、レーザー光線を用いて照射され得、CCDカメラを用いて読み取られ得るデジタルホログラフィック画像(Illumina Veracode(商標)システム)を用いてコード化され得る。代替のバーコードを用いたスキームは、金/銀ナノ粒子、バーコード化シリコン粒子、または異なる比率の埋め込み式の量子ドットの色を含む。

リンカーのスクリーニング
【0347】
本発明の別の実施形態は、相互に結合する能力を持つリンカー要素のスクリーニングの方法に関する。この方法は、第1および第2のセットの単量体を提供するステップを含む。第1のセットにおけるそれぞれの単量体は、500ダルトン未満の分子量を有し、生理的条件下およびスルフヒドリル基下で、補因子とともに、又は補因子なしで、上記リンカー要素の結合パートナーと可逆的な共有結合または非共有結合性の相互作用を形成することができる、リンカー要素である。第1のセットの単量体におけるそれぞれの単量体のリンカー要素とスルフヒドリル基とは連結している。第2のセットにおける単量体のそれぞれは、生理的条件下で、リンカー要素の結合パートナーと可逆的な共有結合または可逆的な非共有結合を形成することができる、リンカー要素と、コード化ビーズと、スルフヒドリル基とを含む。第2のセットにおける単量体のそれぞれのリンカー要素、コード化ビーズ、およびスルフヒドリル基は連結している。第1および第2のセットの単量体は、生理的条件下で相互に接触しており、第1のセットの単量体からの単量体と第2のセットの単量体からの単量体は、結合して、それらのスルフヒドリル基から形成されるジスルフィド結合、および可能性として、それらのリンカー要素間の共有結合または非共有結合性の相互作用によって結合される多量体を形成する。第1および第2のセットの単量体の単量体からのリンカー要素が共有結合するかまたは非共有結合的に連結する二量体は、そこで候補多量体として同定される。共有結合するかまたは非共有結合的に結合している第1および第2の単量体からのリンカー要素は、次いで候補多量体において同定される。
【0348】
接触させるステップは、上記リンカー要素間に高い解離定数をもたらし、異なる多様性要素に接続されたリンカー要素の再会合を可能にする条件と、上記リンカー要素間に低い解離定数をもたらし、最も高い親和性を示す多様性要素を有する単量体が、標的に優先的に結合することを可能にする条件と、を循環させることにより実行される。
【0349】
条件を循環させるステップは、カチオンおよび水に透過性の膜を用いてpHまたは亜鉛濃度を増減させることにより達成される。
【0350】
二量体を同定するステップは、どの二量体が、より密接に結合する第1および第2の単量体を有するかを決定することにより実行される。これは、第1のセットからの標識された単量体を含有するビーズのバーコードを同定することにより決定される。好ましい実施形態において、標識は蛍光基であり、最も蛍光標識されたビーズは、例えばフローソーターにおいて同定され、バーコードを同定するために分離される。ビーズ上および溶液中の両方で同じセットのリンカー要素を使用して実験が行われる場合は、それぞれの対に対して蛍光標識された異なるバーコードを含む少なくとも2つのビーズが存在する。単量体は個別に合成され、それぞれの組み合わせについて試験される。ビーズと溶液でリンカー要素が異なる場合、2回目の実験が繰り返されるが、2回目の場合、今度はビーズ上および溶液中のリンカー要素を逆転させる。
【0351】
同定するステップを実行する一実施形態において、末端一般プライマー結合部位を含む暗号化要素が提供され得る。暗号化要素を使用する際に、治療的多量体前駆体を一般プライマーと接触させ、増幅混合物を形成する。増幅混合物をポリメラーゼ連鎖反応に供して増幅産物を形成する。増幅産物を同定し、その増幅産物と治療的多量体前駆体を形成する単量体のオリゴヌクレオチドとを相関させる。複数の単量体を提供するステップと、複数の単量体を接触させるステップと、単量体を反応条件に供するステップと、単量体を同定するステップと、を繰り返し、治療的多量体前駆体のうちのどれが標的分子に好適な結合親和性を有するかを決定する。
【0352】
同定されたリンカー要素を有する単量体について、第1のセットの単量体を提供するステップと、第2のセットの単量体を提供するステップと、二量体を同定するステップと、候補二量体においてリンカー要素を同定するステップと、を繰り返す。これにより、第1および第2のセットの単量体からのリンカー要素のうちのどれが、好適な結合親和性を有するかを決定することができる。
【0353】
第1および第2のセットの単量体は、コード要素をさらに含んでもよく、そこでは多様性要素、リンカー要素、およびコード要素は結合している。コード要素は、オリゴヌクレオチドまたは標識されたビーズであり得る。
【0354】
結合におけるリンカー要素の有効性は、図14A〜Bに記載するような、スクリーニング法によって決定することができる。
【0355】
一実施形態(図14A)において、低分子量リンカー要素のライブラリーが、バーコードによって個別に特定されるビーズ上に合成される。蛍光標識を含有するリンカー要素の第2のライブラリーが合成される。リンカー要素の異なる組み合わせは、「動的コンビナトリアルケミストリー」を起こすことができる−すなわち、それらは相互に会合および解離している。ある組み合わせは他の組み合わせよりも密接に結合し、組み合わせの進化を最も密接な対へと誘導する。対称的なライブラリーでは、それぞれの単量体に対して1対のビーズが検出される。単量体は再合成され得、マッチする対を見出すよう個別に試験され得る。
【0356】
図14Bの実施形態において、低分子量リンカー要素のライブラリーが、バーコードで個別に特定され得るビーズ上で合成される。DNAバーコードに共有結合したリンカー要素の第2のライブラリーは、段階的に合成される。リンカー要素の異なる組み合わせは、「動的コンビナトリアルケミストリー」を起こすことができる−すなわち、それらは相互に会合および解離している。いくつかの組み合わせは他の組み合わせよりも密接に結合し、組み合わせの進化を最も密接な対へと誘導する。DNAバーコードは、一般プライマーを使用して増幅して、個々のリンカー要素を同定することができる。
【0357】
図15Aの実施形態において、低分子量リンカー要素(約300未満)のライブラリーが、バーコードによって個別に特定され得るビーズ上で合成される。蛍光標識を含有するリンカー要素の第2のライブラリーが合成される。ビーズのライブラリーリンカーは連結ジスルフィルド基を含有し、溶液ライブラリーのリンカーは、連結されたスルフヒドリル基を含有する。インキュベーション条件下では、溶液のリンカー要素は、ビーズのリンカー要素とのジスルフィルド交換を起こすことができる。いくつかの組み合わせは他の組み合わせよりも密接に結合し、組み合わせの進化を最も密接な対へと誘導する。対称的なライブラリーでは、それぞれの単量体に対して一対のビーズが発光する。単量体は再合成され、マッチする対を見出すよう個別に試験することができる。
【0358】
図15Aの実施形態に示すように、低分子量リンカー要素(約300未満)のライブラリーが、バーコードによって個別に特定され得るビーズ上で合成される。リンカー要素の第2のライブラリーが合成され、それぞれの単量体がDNAバーコードに共有結合する(段階的な合成および結合リガンドの同定を可能にする)。インキュベーション条件下では、溶液のリンカー要素は、ビーズのリンカー要素とのジスルフィルド交換を起こすことができる。いくつかの組み合わせは他の組み合わせよりも密接に結合し、組み合わせの進化を最も密接な対へと誘導する。

単量体ライブラリーの合成
【0359】
図16A〜Cに示すように、単量体コフェロンの合成は、暗号化要素を使用することにより促進される。最も多用途の暗号化要素は、DNA等の付着された核酸配列である。DNA暗号化要素は、多様性要素の合成において直接補助するのに使用され得る。図16Aを参照されたい。それぞれのDNA暗号化要素は、色付きの線で示される多数のDNAバーコード配列から構成される。DNA暗号化要素には、一方の端に化学分子が付着している。反応基を担持する第1のバーコード相補体を多様性要素にハイブリッド形成させると、反応基がDNA暗号化要素上の化学分子へと共有結合され、そこに移動される。それぞれの固有のバーコード相補体は、バーコード配列に対応する多様性要素を含有する反応基を保有する。このプロセスは、DNA暗号化要素配列の第2のバーコードに対応する、第2のセットの保有されたバーコード相補体を用いて繰り返される。図16Aの略図では、左のコフェロン単量体は、青色、紫色、赤色、および黄色でバーコードを示し、対応する多様性要素は、青色の楕円、紫色の六角形、赤色の四角、および黄色の星で示されている。右のコフェロン単量体は、緑色、赤色、黄色、およびピンク色でバーコードを示し、対応する多様性要素は、緑色の円、赤色の星、黄色の六角形、およびピンク色の楕円で示されている。それぞれのステップで多様性要素を負荷する数ラウンドの合成の終わりに、鎖を環状化させる任意選択的なステップが存在する。代替として、特定の産物を定義されたカラムに捕獲するのにDNA暗号化要素が使用され得る(図16Bを参照)。この実施形態では、それぞれのDNA暗号化要素もまた、多数のバーコード配列から構成される。第1のセットのバーコード配列に対するバーコード相補体を含有するカラムに配列を通過させる。このプロセスは、DNA配列が正しいバーコード相補体を含有する適切なカラムに結合するまで繰り返される。続いて、それぞれのDNAカラムが別個の反応チャンバに溶出されると、対応する多様性要素がDNA暗号化要素に付着された化学分子と化学的に反応させられる。このプロセスは、DNA暗号化要素配列の第2のジップコードに対応するジップコード相補体を含有する第2のセットのカラムを用いて繰り返される。図16Bの略図では、図16Aの略図では、左のコフェロン単量体は、青色、紫色、赤色、および黄色でバーコードを示し、対応する多様性要素は、青色の楕円、紫色の六角形、赤色の四角、および黄色の星で示される。右のコフェロン単量体は、緑色、赤色、黄色、およびピンク色でバーコードを示し、対応する多様性要素は緑色の円、赤色の星、黄色の六角形、およびピンク色の楕円で示される。それぞれのステップで多様性要素を負荷する数ラウンドの合成の終わりに、鎖を環状化させる任意選択的なステップが存在する。別の実施形態において、DNA暗号化要素は、後続ラウンドの合成のためにビーズ上もしくは固体支持体上のアドレス上で捕獲され得るか、または最終的なリガンドのジップコード同定のために使用され得る(図16C)。図16Cの略図では、左のコフェロン単量体は単一のバーコードを緑色で示し、多様性要素は、青色の楕円、紫色の六角形、赤色の四角、および黄色の星で示される。右のコフェロン単量体は、単一のバーコードを紫色で示し、多様性要素は、緑色の円、赤色の星、黄色の六角形、およびピンク色の楕円で示される。
【0360】
図17A〜Cは、コード化ビーズを使用する単量体コフェロンの合成を示す。図17Aでは、標的タンパク質に対する一連の異なる既知の阻害剤または類似体リガンドが、化学的にビーズに付着される。例えば、100個の阻害剤がある場合、ビーズは100の反応槽に等分割される。所与の個々のビーズに付加された阻害剤または類似体リガンドは、反応の前または後のいずれかに、100セットのそれぞれにおける各ビーズのバーコードを読み取ることにより決定される。図17Aでは、2つの阻害剤が橙色および黄色の六角形で示されている。特定の1つのビーズは、単一セットの阻害剤または類似体リガンドのみを含有する。図17Bでは、一連の多様性要素が共通プラットフォームに付加される。図17Bの略図では、共通のプラットフォームが赤い三角形で示されている。このプロセスにおいて、ビーズは(n個)の反応槽に等分割される。多様性要素は、ビーズに付着された共通のプラットフォームと化学的に反応させられる。特定の個々のビーズに付加された多様性要素は、反応の前または後のいずれかに、(n)セットのそれぞれにおける各ビーズのバーコードを読み取ることにより決定される。産物はプールされ、次いで、再び(n個)の反応槽に等分割され、プロセスが繰り返される。異なる反応基および保護基は、プラットフォームまたは先に添加された多様性要素上のいずれかに、後続する多様性要素の付加を誘導することができる。図17Bの略図では、左側のビーズ上のコフェロン単量体は、緑色の楕円、青色の円、ピンク色の星、および黄色の四角の多様性要素を有する。右側のビーズ上のコフェロン単量体は、橙色の四角、青色の六角形、ピンク色の楕円、および黄色の星の多様性要素を有する。図17Cには、共通のプラットフォームを使用する第2の例が示されており、この場合、シクロペンタン骨格が赤い五角形として概略的に示されている。このプロセスでは、ビーズが(n個)の反応槽に等分割される。第1の二官能性多様性要素は、ビーズ上のリンカー要素と化学的に反応させられる。特定の個々のビーズに付加された多様性要素は、反応の前または後のいずれかに、(n)セットのそれぞれにおける各ビーズのバーコードを読み取ることにより決定される。次に、シクロペンタン骨格が、第1の多様性要素に付加される。第2の多様性要素は、ビーズに付加されたシクロペンタン骨格と化学的に反応させられる。特定の個々のビーズに付加された多様性要素は、反応の前または後のいずれかに、(n)セットのそれぞれにおける各ビーズのバーコードを読み取ることにより決定される。産物はプールされ、次いで、再び(n個)の反応槽に等分割され、プロセスが繰り返される。それぞれのステップで多様性要素を負荷する2回ラウンド以上の合成の終わりに、二官能性要素を環状化させる任意選択的なステップが存在する。図17Cの略図では、左側のビーズ上のコフェロン単量体は、リンカー要素およびシクロペンタン骨格(赤い五角形)に付着したピンク色の星の多様性要素を有し、それは、続いて、緑色の楕円および黄色の四角の多様性要素を付着させる。右側のビーズ上のコフェロン単量体は、リンカー要素およびシクロペンタン骨格(赤い五角形)に付着した黄色の星の多様性要素を有し、それは、続いて青色の六角形およびピンク色の楕円の多様性要素を付着させる。

標的のスクリーニング
【0361】
本発明のさらなる実施形態は、状態に関連する標的分子に結合する治療的化合物前駆体をスクリーニングする方法を対象とする。この方法は、複数の単量体を提供するステップを含む。それぞれの単量体は、300μM未満の解離定数で標的分子に結合し得る多様性要素と、生理的条件下で、補因子とともに、又は補因子なしで、リンカー要素の結合パートナーと可逆的な共有結合または非共有結合性の相互作用を形成することができる、リンカー要素と、を含む。リンカー要素は、500ダルトン未満の分子量を有する。それぞれの単量体の多様性要素と上記リンカー要素とは、直接的にまたは接続部を介して間接的に結合される。複数の単量体は、標的分子に結合することができる多様性要素が、かかる結合を生じるのに有効な条件下で、標的分子に接触している。単量体は、次いで、異なる単量体のリンカー要素が、前、後、または最中に、共有結合または非共有結合性の相互作用を生じて、治療的多量体前駆体を形成するのに有効な反応条件に供される。それぞれの治療的多量体前駆体を形成する単量体が、次いで同定される。
【0362】
単量体を同定するステップは、どの治療的多量体前駆体が標的分子に、より密接に結合しているかを決定することにより実行され得る。これは、DNAのバーコードまたはビーズのバーコードのいずれかを同定することにより決定される。DNAのバーコードについては、最終的に選択されたリガンドは、PCR増幅法、およびその後にアンプリコンのバーコード部を配列決定することにより同定され得る。個別に増幅された分子は、ビーズまたは固体支持体上に捕獲され、個々のビーズ上または固体支持体上のクラスターの全ての分子が同一となるように増幅される。次いで、それぞれのビーズまたはクラスターの配列が、合成もしくはピロシーケンスによる配列決定を用いて、またはライゲーションによる配列決定を用いて決定される。それぞれのビーズまたはクラスターのバーコード配列もまた、蛍光標識されたプール化ジップコード相補体をハイブリッド形成させ、どのセットがシグナルを発したかをスコア化し、定義された位置で固有のバーコードを最終的に同定する2進コードを作成することによって決定され得る。代替として、バーコードは、アレイにハイブリッド形成することによって同定され得る。
【0363】
それぞれの単量体が、それぞれの単量体の多様性要素およびリンカー要素に連結されたコード要素を含む場合は、同定するステップは、治療的二量体前駆体におけるコード要素を検出することにより実行される。
【0364】
コード要素がオリゴヌクレオチドである場合は、そのオリゴヌクレオチドは、末端一般プライマー結合部位を含むことができる。同定するステップは、次いで、治療的二量体前駆体を一般プライマーに接触させて増幅混合物を形成することを含むことができる。次いで、増幅混合物をポリメラーゼ連鎖反応に供して増幅産物を形成する。増幅産物は同定され、治療的二量体前駆体を形成する単量体のオリゴヌクレオチドと相関させられる。複数の単量体を提供する前記ステップと、複数の単量体を接触させるステップと、その多様性要素が結合した単量体を標的分子に供するステップと、単量体を同定するステップと、を繰り返して、治療的二量体前駆体のうちのどれが標的分子に好適な結合親和性を有するかを決定することができる。
【0365】
コード要素が標識されたビーズである場合、複数の単量体を提供するステップと、単量体を接触させるステップと、供するステップと、同定するステップと、を繰り返して、治療的二量体前駆体のうちのどれが標的分子に好適な結合親和性を有するかを決定することができる。
【0366】
上記方法から得られる治療的二量体は、同定するステップから得られる単量体を連結させることにより、調製され得る。状態を有する対象が特定され、その状態を治療するのに有効な条件下で、選択された対象に治療的二量体が投与される。
【0367】
上記方法から得られる治療的単量体は、同定するステップから得られる単量体を提供することにより、調製され得る。状態を有する対象が選択され、その状態を治療するのに有効な条件下で、選択された対象に治療的単量体が投与される。
【0368】
本発明の別の態様は、治療的多量体前駆体に関する。治療的多量体前駆体は、複数の共有結合的または非共有結合的に結合した単量体である。それぞれの単量体は、300μM未満の解離定数で標的分子に結合し得る多様性要素と、リンカー要素と、コード要素とを含む。リンカー要素は、500ダルトン未満の分子量を有し、生理的条件下で、補因子とともに、又は補因子なしで、300μM未満の解離定数で、上記リンカー要素の結合パートナーと可逆的な共有結合または非共有結合的な密接な相互作用を形成することができる。それぞれの単量体の多様性要素およびリンカーは、直接的にまたは接続部を介して間接的に共に連結され、複数の単量体は、それらのリンカー要素を介して共有結合するかまたは非共有結合的に結合する。複数の単量体の多様性要素は、標的分子の近接した位置に結合する。
【0369】
前述したライブラリーは2つの形態で存在する:(i)粒子の位置またはVeracode(商標)による暗号化によって定義される多様性要素を有するビーズまたは固体支持体上、および(ii)コード化されたDNA要素によって定義される多様性要素を有するビーズ以外の場所。ビーズに付着されたコフェロンライブラリーを用いて作業することの利点は、それぞれのビーズが、同一のリガンドのコピーを多数含有することである。この特性は、蛍光標識した捕獲された物質(すなわち、タンパク質または他のリガンド)の強度により、最も強力な親和性を有するリガンドの組み合わせを同定するのに役立つ。DNAによりコード化されたコフェロンライブラリーを用いて作業することの利点は、選択されたコフェロンが、それらのDNAを用いて、第2ラウンドの多様性要素合成の鋳型とすることにより増幅され得ることである。これは、最良のコフェロンを選択する再に使用される進化の原理を可能にする。さらに、Roche 454およびSolexa/Illumina配列等の大規模平行配列決定技術における最近の発達によって、1回の実行において何千何百から無数のDNA産物を配列決定することが可能である。図18A〜Bを参照されたい。同様に、個別にコード化ビーズの使用も、最良のコフェロンの選択において使用される誘導された進化の原理を可能にする。ビーズのバーコードによって有力な組み合わせが同定された後、新しいラウンドの合成においてわずかな変化を持つように再合成され得、その後に第2ラウンドの選択が続く。ここでは、二量体を形成する両方のコフェロン単量体の化学構造を同定する必要がある。図18Aでは、1つまたは両方の要素がDNA暗号化を含有する選択プロセスを示す略図が提示されている。図18Bでは、それぞれ半分のコフェロンからの多様性要素が同定されるように、実験が繰り返される略図が提示されている。
【0370】
図18Aは、コフェロンの誘導された進化の選択およびそれらの体内での使用の概要を示す略図である。それぞれのコフェロン単量体は、DNAバーコードに共有結合した結合リガンド(多様性要素)および低分子量リンカー要素(動的コンビナトリアルケミストリー要素)を含み、それらは相互に可逆的に会合する異なるリガンドの組み合わせを可能にする。ステップ1に示すように、コフェロン単量体が固体支持体上のタンパク質標的と接触させられると、いくつかの組み合わせは他の組み合わせよりも密接に結合し、結果として濃縮される。非結合コフェロン単量体は、洗い流すことができる。最も密接に結合した対(複数可)は、DNAバーコードによる同定および増幅の両方が可能である。この合成−選択−増幅のプロセスを繰り返すことは、ダーウィンの進化論を模倣する。上記アプローチの変形例において、ステップ2に示すように、一方のコフェロン単量体は、DNAバーコードに共有結合した結合リガンド(多様性要素)および低分子量リンカー要素(動的コンビナトリアルケミストリー要素)を含み、他方のコフェロン単量体は、コード化ビーズに結合する。リンカー要素は、相互に可逆的に会合する異なるリガンドの組み合わせを可能にする。固相および溶液のコフェロン単量体の組み合わせが標識されたタンパク質標的と接触させられると、いくつかの組み合わせは他の組み合わせよりも密接に結合し、結果として濃縮される。その有力な対はそのビーズを高度に標識し、これはフローサイトメトリーまたは他の方法によって単離され得、コードが同定される。パートナー溶液相のコフェロン単量体はDNAバーコードによる同定および増幅の両方が可能である。この合成−選択−増幅のプロセスを繰り返すことは、ダーウィンの進化論を模倣する。ステップ3に示すように、最良のコフェロン単量体は、経口的に活性な薬物としての使用のために、DNAバーコードなしで再合成される。コフェロンは、一旦摂取されると、単量体の形態(細胞膜を横切ることができる)と二量体の形態(タンパク質標的に結合して阻害する)の間で動的平衡状態にある。
【0371】
図18Bは、ビーズ暗号化のみを使用する、コフェロンの誘導された進化の選択の概要を示す略図である。ステップ1に示すように、第1のコフェロンのセット単量体は、固有のバーコードを含有するビーズに共有結合した結合リガンド(多様性要素)および低分子量リンカー要素(動的コンビナトリアルケミストリー要素)を含み、第2のセットは溶液中に遊離する。リンカー要素は、相互に可逆的に会合する異なるリガンドの組み合わせを可能にする。固相および溶液のコフェロン単量体の組み合わせが標識されたタンパク質標的と接触させられると、いくつかの組み合わせは他の組み合わせよりも密接に結合し、結果として濃縮される。有力な対はそのビーズを高度に標識し、これはフローサイトメトリーまたは他の方法によって単離され得、バーコードが同定される。ステップ2に示すように、対の片方の選択において、第2のコフェロンのセット単量体は固有のコード化ビーズに結合し、第1のセットは溶液中に遊離する。リンカー要素は、相互に可逆的に会合する異なるリガンドの組み合わせを可能にする。固相および溶液のコフェロン単量体の組み合わせが標識されたタンパク質標的と接触させられると、いくつかの組み合わせは他の組み合わせよりも密接に結合し、結果として濃縮される。有力な対はそのビーズを高度に標識し、これはフローサイトメトリーまたは他の方法によって単離され得、バーコードが同定される。コフェロンの両側の多様性要素が解読され得、次いで、さらなる変形例を用いて再合成される。この合成−選択−増幅のプロセスを繰り返すことは、ダーウィンの進化論を模倣する。ステップ3に示すように、最良のコフェロン単量体は、経口的に活性な薬物としての使用のために、コード化ビーズなしで再合成される。コフェロンは、一旦摂取されると、単量体の形態(細胞膜を横切ることができる)と二量体の形態(タンパク質標的に結合して阻害する)の間で動的平衡状態にある。
【0372】
図18Cは、誘導された進化の原理を用いた、最も密接な結合のコフェロンのスクリーニングの一般的な要約である。個々のコフェロン、または個々のビーズもしくは粒子上の同一のコフェロンの多数のコピー、またはコード化された液滴中の同一のコフェロンの多数のコピーは、結合する多様性要素を同定する多くの異なるアッセイを用いてスクリーニングされ得る。これらの多様性要素の性質は、多様性要素に対応するコードを同定することにより決定され、次いで、微量の変形を含んで再合成される。このプロセスは、最も密接な結合要素が同定されるまで繰り返される。
【0373】
最良のコフェロン単量体は、経口的に活性な薬物としての使用のために、DNAバーコードまたはコード化ビーズなしで再合成される。コフェロンは、(i)体内、細胞内、または細胞コンパートメント内で解離/再会合する治療的な二量体または多量体として、(ii)同じかまたは異なる丸剤中の治療的単量体として、または(iii)1つ以上の活性部分が、一旦体内、細胞内、または細胞コンパートメント内に入ると脱保護に好適であり、保護状態にある、治療的単量体前駆体として、提供され得る。コフェロンは、一旦摂取されると、単量体の形態(細胞膜を横切ることができる)と二量体または多量体の形態(タンパク質標的に結合して阻害する)の間で動的平衡状態にある。
【0374】
動的コンビナトリアルケミストリーによって提示される有利な条件を要約するために、図19は、理想的なケースを示す。異なるリンカー要素の組み合わせは、相互に会合することができる。しかしながら、リンカー要素間の相互作用は弱く可逆的であるため、分子は、単量体形態と二量体形態の間で、常に流動的である。標的が存在する場合、それは有力なコフェロンの対に他の対よりも密接に結合する。そうすることで、溶液から有力な対を除去する。有力の対の多様性要素のうちの1つを含有する二量体コフェロンは、次に解離し、結果として生じた単量体が相互に再会合して、有力な対の濃度を平衡状態に戻す。しかしながら、今度は新しい有力な対もまた、標的によって結合される。このプロセスは自然に繰り返し、標的上で直接有力な対の濃度を増加させる。コフェロンの大部分が単量体である場合、動的コンビナトリアルケミストリーもまた作用し、多様性要素は単量体として個別に標的に結合し、標的は文字通り触媒としての機能を果たし、自身の阻害剤(図40〜47)の形成を促進する。
【0375】
図2.1C〜2.1Dは、接続部を有するコフェロン単量体のスクリーニングの結果得られた二量体を示し、図2.1H〜2.1Iは、接続部を備えないコフェロン単量体を用いたスクリーニングに由来する二量体を示している。
【0376】
それぞれのコフェロン単量体は、DNAバーコードに共有結合した結合リガンド(多様性要素)および低分子リンカー要素(動的コンビナトリアルケミストリー要素)から構成され、相互に可逆的に会合する異なるリガンドの組み合わせを可能にする。コフェロンが固体支持体上でタンパク質標的と接近させられると、いくつかの組み合わせは他の組み合わせよりも密接に結合し、結果として濃縮される。非結合コフェロン単量体は、洗い流すことができる。最も密接に結合した対(複数可)は、DNAバーコードによる同定および増幅の両方が可能である。この合成−選択−増幅のプロセスを繰り返すことは、ダーウィンの進化論を模倣する。
【0377】
生理的条件下では、異なるリガンドの組み合わせが形成し、相互に会合している。「生理的条件」という用語は、本明細書において、約35〜40°Cの範囲の温度、約6〜8の範囲のpH、約1〜20mMの範囲のグルコース濃度、および約110mM〜約260mMの範囲のイオン強度を含む、身体または細胞内の水性条件として定義される。
【0378】
多様性要素が表面上のタンパク質標的と接触させられると、いくつかの組み合わせは他の組み合わせよりも密接に結合する。これにより、組み合わせの進化を好ましい対へと誘導する。非結合リガンドを除去した後、DNAコード化領域(色付きの線、「ジップコード」)は、リード分子としての役割を果たす個々のリガンドを同定するように、一般プライマー(黒色の線)を使用して増幅され得る。
【0379】
以下の例において、選択された結合要素は上位のコフェロンのセットと称される。これは、リンカー要素から接続部、多様性要素リガンドまでの分子全体を指す。多くの場合において、これはコード化DNAテンプレートまたはバーコード配列も含む。単量体のリンカー要素部または単一鎖DNA部が結合または選択プロセスを歪めていないかを確認する適切な制御が必要である。そのような作用を無くすための1つのアプローチは、多様性要素が付着していないパートナーリンカー要素を添加することである。第2のアプローチは、相補的な一般PCRプライマーをハイブリッド形成し、DNAコード要素の反対の鎖を合成して二重鎖にすることである。
【0380】
図20に示すように、第1のバージョンのスクリーニングはビーズ上の多様性要素を使用する。蛍光標識された標的タンパク質がビーズに付加され、穏やかな動きの条件下(パニングとして知られる)での好適なインキュベーション期間の後で、蛍光標識されたビーズを含有するウェルが同定される。ビーズが単一チャンバ内にある場合は、蛍光標識されたビーズとしてVeracode(商標)が同定される。このアプローチは、標的に最も密接に結合する(マイクロモルからナノモルの範囲の親和性で)多様性要素を同定する。上位のコフェロンのセット(例えば、上位の100個)は、次いで個々のビーズ上で再合成される。このテーマの変形例において、これらの上位のリガンドのそれぞれは、サイズ、可動性において、または環状多様性要素については大環状分子のサイズにおいて異なる、一連の接続部を介して付着され得る。この新しいコフェロンのセットは、次に溶液中でコフェロンのライブラリーと合わせられる。それは上記と同じ一連の多様性要素であり得るが、今度はビーズ上にある代わりに溶液中に放出されたものである。代替として、それらはDNAタグまたは同定配列を用いて合成されたものであり得る。次に、コフェロンを含有するビーズおよび適切な濃度の溶液中のコフェロンに蛍光標識された標的タンパク質を添加することは、最も密接な結合の組み合わせの選択を可能にする。結合したコフェロンは、溶液中の結合したコフェロンおよび分離したコフェロンの両方と平衡である。一方で、タンパク質標的は、溶液中および固体支持体上のコフェロンと結合および解離している。ビーズコフェロン‐溶液コフェロン‐標的タンパク質の最も安定した複合体が、この平衡から除去される。これらの構成成分の溶液中濃度が低下したため、あまり安定していない複合体から解離する。これにより、今度は最も安定した複合体をさらに多く形成する方向に平衡が傾き、最も密接な結合の組み合わせが濃縮される。ビーズコフェロンがVeracode(商標)を含有し、溶液コフェロンがDNAタグを含有する場合、両方のリガンドは容易に同定され得る。蛍光標識されたVeracode(商標)ビーズは、FACSソーターまたは454配列決定装置を用いて、個々のウェル内に隔離され得る。個々のビーズによって結合されたDNAタグは、次いで個別に増幅および同定され得る。溶液コフェロンが同定タグを含有しない場合でも、ビーズ上および溶液中の同じ一連の多様性要素を用いて、リガンドはなおも同定され得る。有力な対のみが最も強いシグナルを提供し、それが数個のビーズのみである場合、組み合わせは個別に試験される。このプロトコルによって選択されたコフェロン対は、ナノモル範囲において標的に対する親和性を有するはずである。
【0381】
図21に示すように、第2のバージョンのスクリーニングは、第1のバージョンと非常に類似しており、ビーズ上および溶液中の多様性要素を両方使用する。蛍光標識された標的タンパク質は、ビーズ上および溶液中のコフェロンに添加され、好適なパニング期間の後で、蛍光標識されたビーズを含有するウェルが同定される。ビーズが単一チャンバ内にある場合は、蛍光標識されたビーズとしてVeracode(商標)が同定される。いずれの場合においても、溶液中のコフェロンは、DNAタグのPCR増幅および配列決定により同定される。PCR増幅されたタグもまた、多様性要素を再合成するのに使用され得、得られたコフェロンの対を選択するのに進化の原理が用いられる。代替として、上位のリガンドのそれぞれが再合成され得、次に、サイズ、可動性において、または環状多様性要素については大環状分子のサイズにおいて異なる、一連の接続部を介して付着され得る。このテーマについての追加の変形例は、元の多様性要素だけでなく、わずかに異なる変形例(例えば、同族の配列から1度に1つのアミノ酸残基のみが異なる)も再生成するためのものであり、様々なセットの接続部要素と組み合わせられる。この洗練されたコフェロンのセットは、適切な濃度の蛍光標識された標的タンパク質の存在下で再度スクリーニングされ、最も密接な結合の組み合わせの選択を可能にする。上記動的コンビナトリアルケミストリーと同じ原理が適用される。得られたコフェロンの対はVeracode(商標)およびDNA配列タグにより同定される。このプロトコルによって選択されたコフェロン対は、ナノモル範囲において標的に対する親和性を有するはずである。
【0382】
図22に示すように、第3のバージョンのスクリーニングは、第1のバージョンと類似しており、水溶液中の2セットのコフェロンの上の多様性要素を使用する。ここでは、第1のセットのDNAコード化コフェロンは、標的タンパク質を含有するカラムを通過させるかまたはその中を循環させる。ライブラリーの結合、および緩衝液で洗浄して非特異的な結合剤を除去する任意選択的なステップの後で、多様性要素はDNAタグのPCR増幅および配列決定により同定される。このアプローチは、最も密接に標的に結合する(マイクロモルからナノモルの範囲の親和性で)多様性要素を同定する。上位の多様性要素を再合成するのにPCRアンプリコンが用いられる。(変形例では、最も密接に結合する多様性要素となるようさらに濃縮するために、上記カラム選択手順が繰り返され得る。)この第1のセットの選択された多様性要素は、次に、そのコフェロンが第1のコフェロンのセットと結合する第2の完全なセットの多様性要素と溶液中で合わせられる。これらのコフェロン対は、次いで、タンパク質標的を含有するビーズ上でパニングされる。動的コンビナトリアルケミストリーの原理が、ビーズ上の標的に最も密接に結合するこれらのコフェロン対を選択して増幅する。好適な期間の後で、ビーズを洗浄して非特異的な結合コフェロンをさらに除去する任意選択的なステップを用いて、非結合コフェロンが除去される。パニングは、底面フィルターを有するウェル内で行われ得るか、または代替として、洗浄ステップを促進するように、標的タンパク質を含有するビーズは磁気捕獲のために磁性であり得る。それぞれのコフェロンのセットの多様性要素は、DNAタグのPCR増幅および配列決定により同定される。代替として、第1のスクリーニングで同定された上位のリガンドのそれぞれは再合成され得、次に、サイズ、可動性において、または環状多様性要素については大環状分子のサイズにおいて異なる、一連の接続部を介して付着され得る。このテーマについての追加の変形例は、最初の多様性要素だけでなく、わずかに異なる変形例(例えば、同族の配列から1度に1つのアミノ酸残基のみが異なる)も再生成するためのものであり、様々なセットの接続部要素と組み合わせられる。この洗練されたコフェロンのセットは、ビーズ上の標的タンパク質に対する結合剤を見出すよう、水溶液中の完全な第2のコフェロンライブラリーの存在下で再度スクリーニングされる。上記動的コンビナトリアルケミストリーと同じ原理が適用される。有力なコフェロン対のセットは、DNA配列タグにより同定される。第2のコフェロン多様性セットと比較して、第1のコフェロン多様性セットからDNAタグを増殖して識別するのに、異なるセットの一般プライマーが使用され得る。異なるクレードから多数のコフェロンのセットが選択される場合は、個々のコフェロンを再合成し、それぞれのセットを独立した結合アッセイにおいて試すことにより、個々の組み合わせが決定され得る。上記の通り、第2のコフェロンのセットもまた、接続部および多様性要素に変形例を導入することによって最適化され得る。よって、進化の淘汰圧は、両方のコフェロン多様性要素のセットに適用され得る。このプロトコルによって選択されたコフェロンの対は、ナノモルからピコモルの範囲の標的に対する親和性を有するはずである。
【0383】
図23に示すように、第4のバージョンのスクリーニングは、第1および第3バージョンの変形である。この場合、標的は、例えばチロシンキナーゼ等の既知の結合ポケットを有するタンパク質である。ここでは、結合ポケット内に適合すると知られているかまたは推測される分子(および、その構造が同様の3次元空間を占有するであろう化学的変形)が、サイズおよび可動性において異なる一連の接続部に付着されている。このライブラリーのメンバーのほとんどは、マイクロモルまたはさらにはナノモルの親和性を示す標的に結合するであろうことが推測される(しかし、実験的にも実証されるべきである)。これは、上記第1および第3のバージョンにおける第1ラウンドのスクリーニングと同等の手順である。(図20および22)。続いて、この結合ポケットリガンドの第1のライブラリーは、種々の多様性要素を有するコフェロンの第2のライブラリーと組み合わされる。結合要素の対は、上記のようにスクリーニングされる。結合ポケットもまた活性部位を有する場合、このプロトコルによって選択されたコフェロン対は、酵素機能を阻害するはずであり、ナノモルからピコモルの範囲において標的に対する親和性を有するはずである。
【0384】
図24に示すように、第5のバージョンのスクリーニングは、上記バージョンの要素を組み合わせたものである。第1のバージョン(図20)において、ビーズ上の単量体多様性要素が蛍光標識された標的への結合についてスクリーニングされ、第3のバージョン(図22)では、単量体のDNAタグ付き多様性要素がビーズまたは固体支持体上に固定化された標識への結合についてスクリーニングされる。いずれの場合においても、最初の選択は標的に対する単量体結合リガンドについてである。これらの条件下において、接続部およびリンカー要素は、結合親和性においてそれほど重要ではないことが予想されるであろう。これらの最初の上位のリガンドは、次いで一連の異なる接続部とともに再配置され、さらによりよい結合を達成するよう、今度は多様性要素の第2のライブラリーの存在下で再び選択される。これらのスクリーニングは、最初のより強い結合単量体多様性要素が最も強いコフェロン二量体の対に選択される可能性が最も高く、最も密接な結合要素の段階的な選択が成功するであろう、という原理に基づくものである。第5バージョンのスクリーニング(図24)では、コード化DNAバーコードを有する2つのコフェロンライブラリーのセットが溶液中で組み合わされ、二量体対を形成する。DNAバーコードは、リガンドの合成において使用されたさらなるレベルの多様性の能力を有する。コフェロンライブラリーは、ビーズ上に固定化された標的への結合について直接的にスクリーニングされ、最も密接な結合リガンド対が、動的コンビナトリアルケミストリーにより濃縮される。有力なリガンド対は、コード化されたバーコードのPCR増幅を介して同定され、次いで、これらのアンプリコンはリガンド合成の追加ラウンドに使用される。しかしながら、次のラウンドでは、一連の異なる接続部を用いて追加の多様性が添加され、最初のリガンド多様性を生成するためには使用されなかったDNAバーコードの領域を用いてコード化される。この合成ラウンドの産物は、最初のパニングステップにおいて選択された最も密接なリガンド対のために濃縮されているが、第2のパニングステップのための追加の多様性を付加している。この種の化学的スクリーニング‐選択は、性的手段によって再生され、よって、常に染色体対を再選別している真核生物に生じる、進化の淘汰の種類を模倣する。この2段階スクリーニング‐濃縮は、互いに対して様々な距離および方向にある、より高程度の多様性要素が、全体的な選択プロセスにおいて調べられること可能にする。このプロトコルによって選択されたコフェロン対は、ナノモルからピコモルの範囲において標的に対する親和性を有するはずである。
【0385】
Whitesides(Krishnamurthy,et al.,J.Am.Chem.Soc.129:1312 −1320(2007)、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)およびNeri laboratories(Melkko,et al.,Nat.Biotechnol.22(5):568−574(2004)、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)の最近の研究は、多様性要素は、可動性エチレングリコールリンカーによって付着された場合には、厳密に正しい形状の強固なリンカーによって付着された場合とほぼ同じ高い結合親和性で標的に結合することを提案している。この発見により、最終的なコフェロン薬において使用される正確なリンカー要素(および/または接続部)設計は、所与の標的の最良の多様性要素をクリーニングするプロセスから解放される。よって、多様性要素は、単量体状態と二量体状態との間で好ましい(すなわち、動的コンビナトリアルケミストリーの選択プロセスに有利である)平衡を有する一連のリンカー要素を用い、所与の標的のために最適化され得る。続いて、これらの同じかまたは異なるリンカー要素は、多様性要素(リガンド)とリンカー要素との間の可動性であるかまたはより強固であるかのいずれかである接続部を用いて、最も有利に標的に結合するよう最適化され得る。
【0386】
例えば、標的タンパク質に結合する多様性要素の生体外スクリーニングを行う場合は、アルデヒドまたはケトンを含有する第1のリンカー要素および1級または2級アミンを含有する第2のリンカー要素を使用することが有利であろう。これらの2つのリンカー要素は、スクリーニングに使用される多様性要素の濃度で、標的の非存在下で、高度に可逆的なシッフ塩基を容易に形成する。溶液(リジン)およびタンパク質中には、高濃度の1級アミンが遊離して存在する。よって、1級アミンを含有するコフェロン単量体を使用する場合は、併用するアルデヒドまたはケトンを含有するコフェロン単量体が、標的分子の表面上でそのパートナーと出会うことが重要である。さらなる注意点として、アミン含有リンカー要素は、アルデヒドまたはケトンの互変異性型である場合に、糖と反応する可能性がある。しかしながら、タンパク質中に高濃度の1級アミンが遊離して存在しており、そのため、コフェロンを含有する第1のアルデヒドまたはケトンが、溶液中に1級アミンを含有するそのパートナーを見出すことは困難であるため、これらのリンカー要素は、最終的なコフェロン設計において好まれないであろう。さらに、第2のリンカー要素中の1級アミンもまた、線形の異性体形態である糖中に存在するアルデヒドおよびケトンと反応し得る。しかしながら、1級アミンがチオール基から2炭素離れている場合(細胞外の保護されたジスルフィド型で存在し得る)、最終的なコフェロン二量体において不可逆的なチアゾリジンリンカーを形成する可能性を有する。チアゾリジンリンカーは、癌細胞に進入すると活性化され得、次いでそのパートナーコフェロンと本質的に不可逆的な結合を形成するリンカー要素の好例である。
【0387】
コンピュータでのスクリーニングは、生体外スクリーニングを行う場合に調べられる異なる多様性要素の数を制限する目的で行うことができる。コンピュータでのスクリーニングは、既知の多様性ライブラリーまたはコンピュータでのライブラリーのいずれかを用いて行われ、可能な構造は全て既知であるかまたは算出され得る。そのような分子は、3Dモデルを標的タンパク質構造とマッチさせることにより、実質的にスクリーニングすることができる。コンピュータでのスクリーニングは、可能な多様性構造の大部分を取り除き、妥当な数の有望なリードに集中することを目的として、異なる骨格上の異なる多様性要素の巨大な仮想ライブラリーを試験することを可能にする。生体外でそのようなコンビナトリアルライブラリーを構築するプロセスは単純明快であり、コンピュータでの予備スクリーニングは、リード候補コフェロンを同定するプロセスを促進する可能性を有する。これは、多量体のコフェロンにおいて多様性要素をスクリーニングする際に特に有用である。
【0388】
第1の多様性要素の同定は、第1の多様性要素に隣接する標的に結合する第2の多様性要素を同定する補助となり得る。同様に、既知のリガンドを第1の多様性要素として使用することは、第1の多様性要素に隣接する標的に結合する第2の多様性要素を同定する補助となる。コフェロン対が標的に結合するために使用することができるより大きな表面積を利用することにより、このアプローチは既存の薬物を向上させ得、ひいては、コフェロンにより高い親和性もしくはより良い特異性、またはその両方を持たせる。
【0389】
コフェロンの概念は、(i)コフェロン1‐コフェロン2、(ii)コフェロン1‐タンパク質、および(iii)コフェロン2‐タンパク質という、同時に起こる3つの弱い相互作用を有することを利用し、タンパク質と2つのコフェロンパートナーとの間に非常に強い相互作用をもたらす。コフェロン相互作用は、コフェロン間の共有結合によって強化され得る。コフェロン上の反応基は、細胞分子またはオフターゲットのタンパク質にはほぼ非反応性であるように選択される。それらが細胞の構成成分と反応する場合は、そのような反応は可逆的かつ非毒性でなければならない。
【0390】
コフェロン間の相互作用が共有結合によって強化され得るように、コフェロンとタンパク質パートナーとの間の相互作用もまた、タンパク質標的に結合する多様性要素内に反応基を組み込むことにより強化され得る。例えば、正しい方向にあるケトンまたはアルデヒドは、タンパク質標的上のリジンとシッフ塩基を形成する。別の例は、コフェロンのボロン酸基と、タンパク質標的上のスレオニンもしくはセリン残基、または糖タンパク質標的上の炭水化物ヒドロキシル基との反応であろう。ボロン酸エステルを含有するコフェロンは、相互に連結することが可能であり、また糖タンパク質の炭水化物部上の多数の部位とも連結することができる。これらの事象の1つまたは両方のいずれかは、コフェロン二量体がその標的に結合するように平衡を大幅に移動させる。そのような設計は、標的タンパク質上に注意深く配置されたアミノ酸残基に依存する。コフェロン薬上の反応基と誤った標的との間に非特異的反応のリスクはあるものの、多様性要素の残りは追加の結合エネルギーを提供しないため、そのようなオフターゲット効果はすぐに逆転され得る。
【0391】
コフェロン多量体、特に、多量体のタンパク質標的に結合するコフェロン多量体に適用される場合に、上記原理がさらに適用される。多数の弱い相互作用が、正しい標的に対する全体的なコフェロン複合体の結合親和性に加わる。
【0392】
最良のコフェロンをスクリーニングする場合、コフェロンまたはタンパク質標的のうちのいずれか1つが固体支持体(ビーズ)に存在し、コフェロンは相互に結合するか、かつ/またはタンパク質標的に結合している。結合したコフェロンは、溶液中の結合したコフェロンおよび分離したコフェロンの両方と、それらのリンカー要素部分を介して平衡である。一方で、タンパク質標的は、溶液中および固体支持体上のコフェロンと結合および解離している。ビーズコフェロン‐溶液コフェロン‐標的タンパク質の最も安定した複合体が、この平衡から除去される。ここで、これらの構成成分の溶液中濃度が低下するため、あまり安定していない複合体から解離する。これにより、今度は最も安定した複合体をさらに多く形成する方向に平衡が傾き、最も密接な結合の組み合わせが濃縮される。
【0393】
このスクリーニングプロセスが最も効果的に作用するためには、コフェロン単量体は、単量体状態と二量体(または多量体)状態との間を、効率的に循環する必要がある。これにより、最大多数の組み合わせを試験すること、および最良の結合の組み合わせを固体支持体上で濃縮することが可能となる。
【0394】
しかしながら、上述したように、いくつかのリンカー要素は標的に接近されるまでゆっくりと会合する可能性があるが、一旦それらが会合して1つ以上の共有結合性(すなわち、ヘミアセタール)またはイオン性の結合(すなわち、同じ亜鉛イオンをキレートする2つのコフェロンを介して)を形成すると、容易には解離しない。よって、これらの種類の反応は本質的に不可逆的である。コフェロンのそのような特性は、最終的な薬物の分子におけるリンカー要素にとって所望であり得る一方で、それらはスクリーニングプロセスを阻害する。
【0395】
そのようなリンカー要素を動的コンビナトリアルケミストリーのスクリーニングプロセス中に使用するには、解離プロセスが会合プロセスと同じくらい迅速に生じることが好ましい。1つのアプローチはアッセイ条件を変更することであり、例えば、低pHはヘミアセタールの解離に有利である。別のアプローチは、同じ形状を有するリンカー要素を使用することであるが、そうすると、可能な共有結合を全て形成することができなくなる。
【0396】
新しいアプローチは、二量体および多量の形成に有利な条件と、単量体への解離に有利な条件との間を循環させることである。本明細書において、このアプローチは周期性コンビナトリアルケミストリーまたはC3スクリーニングと称される。
【0397】
pH9で迅速に会合し、pH5で迅速に解離するコフェロン対を考慮されたい。コフェロンの会合は、ビーズライブラリーとタンパク質標的を有するコフェロンの溶液ライブラリーを、例えばpH9のリン酸緩衝液中で合わせることにより開始される。ライブラリーメンバーが集合するにつれ、いくつかの対はタンパク質標的の結合を好む。他の非生産的な対もまた集合する。pHは、酸の添加により、滴定してpH5に低下され得る。これらの条件下では、標的に結合していないコフェロンは解離するが、標的に結合したコフェロンは定位置に保たれ、解離しない。続いて、pHがpH9に戻される。次に、新たなコフェロン対の組み合わせが形成し、再び、タンパク質の結合を好む対が、ビーズまたは粒子上により多くのタンパク質を蓄積する。このプロセスは、十分に(蛍光)標識されたタンパク質が最良のコフェロン対を含有するビーズ上に蓄積するまで繰り返され得る。このアプローチの注意点は、溶液中のイオン濃度が増加し続けることである(例えば、HClおよびNaOHが、それぞれpHを増減するために使用する場合、NaClが各サイクルで蓄積する)。良い面としては、より高い塩濃度がより特異的な結合を選択する。さらに、このプロセスは容易であり、自動化し易い。
【0398】
別の例として、Zn2+補因子によって対を形成するコフェロンを考慮されたい。1mMのZnClを添加することは、コフェロンが二量体化することを可能にし、より好ましい対が標的に結合する。好適な亜鉛キレート剤(1mMのEDTA等)の添加により、コフェロンを亜鉛からとりのけることが可能であり、コフェロンは解離して単量体になる。2つのコフェロンが標的に結合することにより定位置にある場合、キレート剤は亜鉛を解離するほど強くてはならない。1mMのZnClおよび1mMのEDTAを交互に添加することにより、約1mMと0mMの間で溶液中の遊離Zn2+補因子を循環させ、二量体(または多量体)状態と単量体状態との間でコフェロンを循環させる。pHサイクルについて前述したように、これにより最終的にはZn−EDTAが蓄積する(最初のEDTAが二ナトリウム塩中に存在する場合、プロセスにおいてNaClを形成する)。このプロセスもまた自動化し易い。
【0399】
塩の蓄積を回避するため、pHまたは二価金属濃度を調節する代替的なアプローチが使用され得る。例えば、固体支持体を通過するスクリーニング溶液を循環させることにより、キレート部分を固体支持体に付着させ、コフェロンスクリーニング溶液と接触させ得る。ビーズまたは粒子上のコフェロンは、異なるサイズのビーズもしくは粒子を使用することにより、または常磁性ビーズもしくは粒子を使用することにより、キレート剤ビーズまたは粒子から分離され得る。pHを調節するために、緩衝液として作用する有機分子が固体支持体に付着され得る。これらの中には、非常に正確な範囲でpH値を安定させる「グッド緩衝液」がある。コフェロンスクリーニング溶液は2つのチャンバ間で循環され得、それぞれのチャンバが、スクリーニング溶液を正しいpHに緩衝する有機分子を有する固体支持体を含む。これらの例の両方において、固体支持体は最終的に飽和し得(二価カチオンで、またはその緩衝能力を超える)、よって、特定数のサイクル後は交換する必要があり得る。前回と同様に、このプロセスもまた自動化し易い。
【0400】
上記例において、コフェロンの相互の結合は、正電荷を持つイオンまたはカチオン、すなわちHまたはZn2+の濃度によって制御される。特定の膜は、小分子およびイオンに透過性である。Nafion117膜はH、ならびにLi、Mg2+、Zn2+、NaおよびK等のカチオンに透過性であるが、コフェロン、アニオン、緩衝液、大きなカチオン、核酸、ペプチド、およびタンパク質には不透過性である。この膜は、循環式コンビナトリアルケミストリーを可能にするデバイスにおいて使用され得る。
【0401】
一実施形態(図25および26を参照)において、膜は上のコンパートメントAを下のコンパートメントBと分離する。コンパートメントAは、ビーズ、コフェロン、緩衝液(PIPS、TEENまたはPIPPS等)、および標的タンパク質を含有する。緩衝液は、pKa値に基づいて所望のpH値の範囲を提供するように選択される(PIPPS緩衝液はpKa1=3.85、pKa2=7.99を有し、PIPES緩衝液はpKa1=2.7、pKa2=6.81を有し、TEEN緩衝液はpKa1=6.69、pKa2=10.10を有する)。コフェロンが多量体として留まりタンパク質標的に結合しない限り、コフェロンは、高いpHでは多量体形態でより安定し、低いpHでは解離して単量体を形成する。
【0402】
コンパートメントBは、容器C〜Eにおいて異なる緩衝液に出し入れして洗浄するのに使用される。容器Cは、水性の洗浄液を含有する。容器Dは、Hまたは低pH緩衝液を含有する。容器Eは、NaOH(もしくは同等の塩基)または高pH緩衝液を含有する。循環中、コンパートメントAにおいて、イオン強度および緩衝液の量は変化しない。コンパートメントAとBの間のNafion117膜を横断するカチオンおよび水の交換にはピストンポンプが介在し、両方のコンパートメントで液体を撹拌し、圧力を印加するか、またはそれらの組み合わせである。カチオンは、H+とNa+(または同等のカチオン)との間で循環する。
【0403】
コフェロンがZn2+補因子を介して結合する場合、容器DはZn2+を含有し、容器EはEDTA等のキレート剤を含有する。循環中、コンパートメントAにおいて、イオン強度および緩衝液の量は変化しない。コンパートメントAとBの間のNafion117膜を横断するZn2+ならびにNaカチオン(および水)の交換にはピストンポンプが介在し、両方のコンパートメントで液体を混合し、圧力を印加するか、またはそれらの組み合わせである。カチオンはZn2+とNaの間で循環する。
【0404】
上記設計は、多数のウェル形態および自動化がし易い。24ウェルのマイクロタイタープレートは2つの部分から構成され得る。上の部分は24ウェルの形態の円筒状の開口部を有する。下の部分は浅いウェルを有し、溝が正面の単一進入ポートから24本の線に分かれてそれぞれのウェルに伸び、それぞれのウェルから24本の線(溝)が出て裏面の単一流出ポートで集まっている。そのような設計は、スタンプ処理において非常に迅速に製造することができる。上および下の部分は、その間にNafion117膜をおいて溶接される。進入ポートおよび流出ポートは両方とも弁を有し、ピストンポンプに取付られる。
【0405】
上の24個のウェルが開口しているため、マルチチャネルピペットまたはロボットプラットフォームを使用して、それらをコフェロン、ビーズ、蛍光標的タンパク等で充填することができる。
【0406】
進入弁および流出弁を開放し、2つのピストンポンプを同じ方向に動かすことにより、ウェルの底に適切な試薬を充填することができる。交換を促進させる最も単純な方法は、デバイス全体を回転式プラットフォーム(マイクロタイタープレート振盪機)上に載置することである。代替として、磁気撹拌(混合)が使用され得る。プロセスのスピード化を図ることが必要な場合は、流出ポンプは閉じた状態であり得、進入ポンプがポンピングを続けると上の24個のウェル全部の量が増加する。上の24個のウェルの量を増加させるためには、進入弁を閉じて流出弁は開放、ポンプが液体を抜き出す。この設計はまた、非結合コフェロン等をバルク洗浄するために、第2のマイクロタイタープレートに多くの反応物を移動することを容易にする。
【0407】
亜鉛濃度またはpHを監視するのに蛍光キレート剤または色素が使用され得る。蛍光亜鉛キレート剤および同様の蛍光pH色素の例は、TFLZn、4−(6−メトキシ−8−キナルジニル−アミノスルホニル)安息香酸カリウム塩)、HPTS(8−ヒドロキシピレン−1,3,6−トリスルホン酸トリナトリウム塩)、ウンベリフェロン−3−カルボン酸(7−ヒドロキシクマリン−3−カルボン酸)、および5(6)−カルボキシナフトフルオレセインである。
【0408】
選択の終了後、色素または蛍光基は、標識された標的タンパク質に結合したビーズのスコアリングを妨害しないように、洗い流すことができる。
【0409】
色素はまた、コフェロンビーズの読み取りおよび分離を容易にするよう(分離ステップは必要ではない可能性があるが)、固体支持体に結合され得る。
【0410】
モデル系を用いて交換の速度および効率を立証することが有用であり得る。そのようなモデル系の1つは、イミノビオチンをリガンドとして、また蛍光標識されたストレプトアビジンを標的タンパク質として使用する。可動性リンカー(すなわち、エチレングリコロール鎖)を介してイミノビオチンに接続されたリンカー要素を含有する官能性コフェロンが合成される。固体支持体上でこの官能性コフェロンを合成する場合、同じストレプトアビジン標的に結合するように、十分に近接した2つのコフェロンを最小化するべく、空間が十分に取られる。エチレングリコール鎖を介して別の無関係の小分子または単にアミン基に接続されたリンカー要素を含有する非官能性コフェロンが合成される。官能性コフェロンを含有するビーズは、非官能性コフェロンを含有する1,000倍多いビーズと混合される。同様に、溶液中の官能性コフェロンは、1000倍多い溶液中の非官能性コフェロンと混合される。本明細書の例では、溶液コフェロンは、ビーズと結合したコフェロンとのみ二量体または多量体を構成することができる。
【0411】
蛍光標識されたストレプトアビジンの存在下で、2つの官能性コフェロン(一方はビーズ上、他方は水溶液中)が標的に結合し、単一ビーズに少量の蛍光標識を提供する。循環を繰り返すことにより(100〜1,000サイクル)、官能性コフェロン上の蛍光シグナルの量は着実に増加する。異なる循環条件を比較することは、最適な循環時間およびpHまたはカチオン濃度を決定するのに役に立つ。

標的に結合するコフェロンのスクリーニングの検討
【0412】
図2.1〜2.16では、コフェロンは、合成、スクリーニング、および治療用途に好適な設計の構成成分および変形例である単量体から六量体として記載されている。
【0413】
スクリーニングプロセスを考慮する上で、以下の暗号化形態(「A」および「B」コフェロンの間で二量体を形成する最も単純なケースを用いて以下に示す)が考慮され得る。

多数のAコフェロンと多数のBコフェロン
【0414】
1.多数のAコフェロンおよび多数のBコフェロンは、両方ともDNA暗号化を含有する。DNAを標的とする合成またはDNAを対象とする合成を用いたコフェロンのDNA暗号化が文献に記載されている。コフェロンは、固定化した標的と混合され、適切なインキュベーション期間の後に洗い流される。適切なプライマーの添加はDNAバーコードのPCR増幅を可能にし、配列分析はAおよびBコフェロン中のリガンドの同定を可能にする。
【0415】
1.多数のAコフェロンおよび多数のBコフェロン:Aコフェロンはビーズ上、Bコフェロンは溶液中にある。この変形例では、Aコフェロンがコード化ビーズ上にあり、BコフェロンはDNA暗号化を有するかまたは有さない。蛍光標識された標的が添加され、Bコフェロンの存在下で蛍光標識されたビーズが単離される。ビーズ上のリガンドは、(i)ビーズの光学的バーコーディング、(ii)ビーズの質量タグバーコーディング、(iii)ビーズのDNAバーコーディングによって同定され得る。Bコフェロンは、DNAバーコードを用いて(上記の通り)または質量分光分析を用いて同定され得る。代替として、マッチする対を見出すよう、選択は、コード化ビーズ上のBコフェロン、および溶液中のAコフェロンを用いて繰り返される。

単一のAコフェロンと多数のBコフェロン
【0416】
1.単一のAコフェロンと多数のBコフェロン:Bコフェロンはビーズ上にある。これらは、Aコフェロンが、既知のリガンドであるか、または、膨大な数のBコフェロンと比較して、試験する限定された数のAコフェロンが存在するように、標的に対して事前にスクリーニングされているか、のいずれかである状態である。蛍光標識された標的が添加され、Bコフェロンの存在下で蛍光標識されたビーズが単離される。ビーズ上のリガンドは、(i)ビーズの光学的バーコーディング、(ii)ビーズの質量タグバーコーディング、(iii)ビーズのDNAバーコーディングによって同定され得る。
【0417】
2.単一のAコフェロンと多数のBコフェロン:両方のコフェロンが水溶液中にある。これらは、Aコフェロンが、既知のリガンドであるか、または、膨大な数のBコフェロンと比較して、試験する限定された数のAコフェロンが存在するように、標的に対して事前にスクリーニングされているか、のいずれかである状態である。この例の目的のために、標的の阻害が致死的であり、よってHTSを受け入れ易い全細胞アッセイにおいて、コフェロンが使用される。96個のAコフェロンが9,600個のBコフェロンと組み合わされて試験される場合を考慮されたい(96ウェルプレート1枚対96ウェルプレート×100枚)。通常、これは921,600回のアッセイを必要とする(=2,400×384ウェルプレート)。しかしながら、コフェロンを行および列ごとにプールすることにより、Aコフェロンプレート対Bコフェロンプレート1枚のスクリーンの総数は、Aが8行×Bが12列+Aが12列×Bが8行=192ウェルとなる。1つのコフェロンの組み合わせが作用した場合、最初の96ウェルアッセイのうちの1つが良い結果を生み、第2の96ウェルアッセイのうちの1つもまた良い結果を生み、AおよびBプレート中において正しい列およびカラムの同定が可能になり、作用する正確なコフェロン対が同定される。このプロセスを今度はBプレート100枚のそれぞれについて繰り返した場合、19,200回のアッセイが必要になる(=50×384ウェルプレート)。動的コンビナトリアルケミストリーは最も密接な結合阻害剤を選択するため、プーリングストラテジーにより、必要なHTSアッセイの数をほぼ50分の1に減少することが可能になる。

単一のAコフェロンと単一のBコフェロン
【0418】
1.単一のAコフェロンと単一のBコフェロン:コフェロンの生物学的活性が全細胞アッセイを用いて決定される。生物学的な読み取り値の例を以下に提供する。これらのスキームでは、両方のコフェロンが溶液中に存在する。コフェロンが何であるかは、再プールすることなく、例えばスプリット合成のプロトコルにより、リガンドが合成されたウェルの位置によって与えられる。そのようなアッセイは、上記プーリングストラテジーと適合性があり得る。代替として、アッセイがプーリングと適合しない場合、ナノ液滴(Raindance)技術を用いた超ハイスループットアッセイが展開され得る。そのような技術は、1秒間に3,000個の液滴を生成することができる。全細胞アッセイが蛍光シグナルを生成する、96個のAコフェロンが9,600個のBコフェロンと組み合わされて試験される上記例を考慮されたい。Aコフェロンは1×96ウェルプレートにあり、各ウェルは固有のバーコードを有する100,000個のビーズを含有し、Aコフェロンがそのビーズに付着している。Bコフェロンは25×384ウェルプレートにあり、各ウェルは固有のバーコードを有する1,000個のビーズを含有し、Bコフェロンがそのビーズに付着している。実際には、バーコードがビーズに付着しているという条件で、AまたはBコフェロンのプレートのいずれかは、再プールを伴うスプリット合成プロトコルを用いて、コフェロンをプールすることができる。全てのAコフェロンがともにプールされ、各ビーズがそれ自体のナノ滴中に存在するよう、油中に乳化される。同様に、全てのBコフェロンがともにプールされ、各ビーズがそれ自体のナノ滴中に存在するよう、油中に乳化される。Aコフェロン液滴およびBコフェロン液滴は融合され、それぞれの融合された液滴は、合計で9,600,000個の液滴についてそれぞれが1つのビーズを含有する。このプロセス(設定は含まない)は3,200秒または1時間弱掛かる。これらの液滴は、次いで光(または熱、または生物学的に適応している必要がある場合、続いて中和され得る試薬)に曝露され、ビーズからコフェロンを放出する。続いて、液滴は、その阻害/活性化が蛍光シグナルの変化をもたらす、生物学的な標的を含む細胞を含有する新しい液滴と融合される。この第2の液滴融合もまた1時間弱掛かり、この後にコフェロンが細胞内に進入して意図した標的と結合することを可能にするインキュベーション期間が続き得、生物学的な読み取り値が得られる。蛍光変化した液的が分離するように、液滴をスローソーターに配置する。所与のウェルが、最初のビーズ対を含有する1つ未満の液的を有するように、384枚または1536枚のウェルプレートに希釈し、その後に水溶液を添加して、遠心法により水層を疎水性油から分離し、PCR増幅および配列分析により有力なコフェロンリガンドの同定が可能になる。バーコードがビーズに付着した質量タグである場合は、それらは質量分光分析により同定され得る。
【0419】
2.単一のAコフェロンと単一のBコフェロン:コフェロンの結合は生体外の読み取り値を用いて決定される。生体外での読み取り値の例を以下に提供する。これらのスキームでは、両方のコフェロンが水溶液中に存在する。コフェロンが何であるかは、再プールすることなく、例えばスプリット合成のプロトコルにより、リガンドが合成されたウェルの位置によって与えられる。

生体外の読み取り値を用いて決定されるコフェロンの結合
【0420】
「AlphaScreen」および「AlphaLISA」と称される2つのスクリーンニング(Perkin−Elmerより販売)が、タンパク質:タンパク質、タンパク質:ペプチド、タンパク質:小分子、またはペプチド:ペプチドの相互作用を含む、細胞のシグナル伝達を測定するために開発されている。アッセイは、アクセプタービーズ上の第2の分子またはタンパク質に結合する第1の分子またはタンパク質を含有するドナービーズの近接性を検出することに基づいている。ドナービーズの高エネルギー照射により生成される一重項酸素分子は、制約された距離(約200nm)をアクセプタービーズまで移動する。これは段階的な一連の化学反応を励起し、最終的に化学発光シグナルを生成する(Eglen,et.al.,Curr.Chem Genomics 1:1−19(2008)、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。)。
【0421】
ドナービーズはフタロシアニンを含有する。波長680nMのレーザー光線でドナービーズを励起することで、周辺酸素が一重項酸素に変換する。約60,000個の一重項酸素分子が生成され得、崩壊する前に少なくとも200nm水溶液中を移動するため、これは高度に増幅された反応である。したがって、タンパク質:タンパク質、タンパク質:ペプチド、タンパク質:小分子、またはペプチド:ペプチドの相互作用の結果として、ドナーおよびアクセプタービーズがその近くにもってこられると、エネルギー移動が起こる。一重項酸素分子は、アクセプタービーズ中の化学物質と反応して蛍光応答を生じる。AlphaLISAアッセイのようにアクセプタービーズがユーロピウムを含有する場合、波長615nmで強い発光が放射される。(Eglen,et.al.,Curr.Chem Genomics 1:1−19(2008)、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。
【0422】
説明の目的で、以下、この系は、ドナーおよびアクセプタービーズ上の種々のタンパク質、フラグメントまたは分子を結合させると称される。そのような結合は、化学的な性質のものであるか、または、ドナービーズがストレプトアビジンが覆われ、ドナー分子もしくはタンパク質がそれに付着したビオチンを有する場合等、連結リガンドの密接な結合によるものであり得る。His−Tag、Myc−Tag、GST融合、マルトース結合タンパク質(MBP)融合を含む、組み換えタンパク質をビーズに結合させるための多くの系が存在する。

A.標的タンパク質に(弱く)結合する最初のコフェロンAリガンドのセットを同定する
【0423】
標的タンパク質は、ドナービーズに連結または結合する。コフェロンAのリンカー要素に結合するリンカー要素を含有する一般的なコフェロンBが、アクセプタービーズに付着する。一般的なリガンドは、骨格を含むことができ、また、例えば、多様性部がアミノ酸部分で充填されている場合、全ての多様性部に最も単純な多様性要素(例えばアラニン)を含有することができる。HTSアッセイは、アクセプタービーズおよびドナービーズをそれぞれのウェルに含有するように設定され、1〜100個またはさらには1,000個以上のコフェロンAの変異体がそれぞれのウェルに添加される。変異体の数は、実験的に決定されるバックグラウンドレベルおよびヒットレベルに依存する。同様に、同じウェル内で試験することができる「一般的な」変異体の数は、1個〜100個またはそれ以上に及ぶ。動的コンビナトリアルケミストリーが起こるため、1つより多くのタンパク質が1つより多くのコフェロン対と相互作用し、アクセプタービーズへの1つ以上のブリッジを形成して、アクセプタービーズがドナービーズに最も密接に結合するそれらの変異体に結合する。異なるプールのセットを使用することにより(すなわち、行対列)、多数の潜在的な結合剤が迅速に試験され得る。

B.最初のコフェロンAリガンドのセットと対を形成して標的タンパク質に密接に結合する最適化されたコフェロンBリガンドを同定する
【0424】
標的タンパク質は、ドナービーズに連結または結合する。最初のコフェロンAリガンドのセット(試験コフェロンBリガンドのリンカー要素に結合するリンカー要素を含有する)は、アクセプタービーズに付着する。HTSアッセイは、アクセプターおよびドナービーズをそれぞれのウェルに含有するように設定され、1〜100個またはさらには1,000個以上のコフェロンBの変異体がそれぞれのウェルに添加される。変異体の数は、実験的に決定されるバックグラウンドレベルおよびヒットレベルに依存する。最も強い結合コフェロンBリガンドが、最も明るいシグナルを発する。上記のように、ウェル当たり1つより多くのコフェロンBリガンドを試験する場合は、異なるプールのセットの使用により(すなわち、行対列)、大量のタンパク質結合剤を迅速に試験することが可能である。

C.相互に弱い結合親和性を示すかまたは結合親和性を示さない2つのタンパク質の結合を促進するコフェロン二量体を同定する
【0425】
標的タンパク質1は、ドナービーズに連結または結合する。標的タンパク質2は、アクセプタービーズに連結または結合する。所与の標的タンパク質に対する新しい弱い結合パートナーを同定するために、酵母ツーハイブリッドまたは他のベイトタンパク質の相補性アッセイを設定し、弱いおよび強いヒットを同定する。HTSアッセイは、アクセプターおよびドナービーズをそれぞれのウェルに含有するように設定され、1〜10個またはさらには100個以上のコフェロンAおよびBの二量体の変異体がそれぞれのウェルに添加される。変異体の数は、実験的に決定されるバックグラウンドレベルおよびヒットレベルに依存する。2つのタンパク質の結合を最も促進するコフェロン二量体が、最も明るいシグナルを発する。必要に応じて、いずれかまたは両方のタンパク質標的に結合する候補コフェロンAおよびBの単量体は、手順Aにおいて同定され得る。

D.相互に中程度から強い結合親和性を示す2つのタンパク質の結合をさらに促進するコフェロン二量体を同定する
【0426】
標的タンパク質1または弱い結合を有する突然変異体は、ドナービーズに連結または結合する。標的タンパク質2または弱い結合を有する突然変異体は、アクセプタービーズに連結または結合する。元のタンパク質が使用される場合、それらは低濃度でビーズに連結する。しばしば、アラニンスキャニング、または弱く結合する潜在性を有する変異体を生成するような標的化変異原性を誘導する、いくつかの構造または配列の情報が入手可能である。所与の標的タンパク質に対する強い結合パートナーを弱い結合パートナーに変換する突然変異を同定するために、突然変異体を試験するように酵母ツーハイブリッドまたは他のベイトタンパク質の相補性アッセイを設定し、弱いおよび強いヒットを同定する。HTSアッセイは、アクセプターおよびドナービーズをそれぞれのウェルに含有するように設定され、1〜10個またはさらには100個以上のコフェロンAおよびBの二量体の変異体がそれぞれのウェルに添加される。変異体の数は、実験的に決定されるバックグラウンドレベルおよびヒットレベルに依存する。2つのタンパク質の結合を最も促進するコフェロン二量体が、最も明るいシグナルを発する。次いで、有力なコフェロン二量体セットを再度試験して、どのセットが野生型タンパク質の相互の結合を促進するかを決定する。

E.2つのタンパク質の相互の結合を阻害するコフェロン二量体を同定する
【0427】
標的タンパク質1は、ドナービーズに連結または結合する。標的タンパク質2は、アクセプタービーズに連結または結合する。HTSアッセイは、アクセプターおよびドナービーズをそれぞれのウェルに含有するように設定され、1〜10個またはそれ以上のコフェロンAおよびBの二量体の変異体がそれぞれのウェルに添加される。変異体の数は、実験的に決定されるバックグラウンドレベルおよびヒットレベルに依存する。2つのタンパク質の結合を最も阻害するコフェロン二量体が、最も弱いシグナルを発する。必要に応じて、他方のタンパク質の非存在下でいずれかのタンパク質標的に結合する候補コフェロンAおよびBの単量体は、手順Aにおいて同定され得る。

F.2つのタンパク質の相互の結合を阻害するコフェロン二量体を同定する
【0428】
標的タンパク質1は、ドナービーズに連結または結合する。標的タンパク質2は、水溶液中で添加されるか、または中性ビーズに連結もしくは結合する。標的タンパク質1の弱いまたは中程度のパートナー、または標的タンパク質1に結合する抗体が、アクセプタービーズに連結または結合する。HTSアッセイは、アクセプタービーズおよびドナービーズ、ならびに十分な標的タンパク質2をそれぞれのウェルに含有するように設定され、標的タンパク質2がアクセプターおよびドナービーズ上のタンパク質の結合を妨害し、低いまたはバックグラウンドレベルのシグナルを生じる。標的タンパク質2に結合する1〜10個またはそれ以上のコフェロンAおよびBの二量体の変異体を、標的タンパク質1への結合を中断するように添加することにより、アクセプタービーズ上のタンパク質がドナービーズに結合することが可能となり、ひいては陽性シグナルを生成する。変異体の数は、実験的に決定されるバックグラウンドレベルおよびヒットレベルに依存する。2つのタンパク質の結合を最も阻害するコフェロン二量体が、最も強いシグナルを発する。必要に応じて、他方のタンパク質の非存在下で標的タンパク質2に結合する候補コフェロンAおよびBの単量体は、手順Aにおいて同定され得る。

G.2つのタンパク質の相互の結合を阻害するコフェロン二量体を同定する
【0429】
上記手順の逆は、ドナービーズに連結もしくは結合した標的タンパク質2、および水溶液中で付加されるまたは中性ビーズに連結もしくは結合した標的タンパク質1を用いて実行され得る。この手順では、標的タンパク質2の弱い結合パートナーもしくは中程度の結合パートナー、または標的タンパク質2に結合する抗体が、アクセプタービーズに連結または結合する。ここでも同様に、必要に応じて、他方のタンパク質の非存在下で標的タンパク質1に結合する候補コフェロンAおよびBの単量体は、手順Aにおいて同定され得る

H.ヘルパータンパク質を用いて、2つのタンパク質の相互の結合を阻害するコフェロン二量体を同定する
【0430】
標的タンパク質1は、ドナービーズに連結または結合する。標的タンパク質2は、アクセプタービーズに連結または結合する。ヘルパータンパク質は、標的タンパク質1に対して弱い親和性を有するかまたは親和性を有さない。HTSアッセイは、ヘルパータンパク質、アクセプタービーズおよびドナービーズをそれぞれのウェルに含有するように設定され、1〜10個またはそれ以上のコフェロンAおよびBの二量体の変異体がそれぞれのウェルに添加される。変異体の数は、実験的に決定されるバックグラウンドレベルおよびヒットレベルに依存する。標的タンパク質1に対するヘルパータンパク質の結合を促進し、ひいては2つの標的タンパク質の相互の結合を最も阻害するコフェロン二量体が、最も弱いシグナルを発する。必要に応じて、他方のタンパク質の非存在下で標的タンパク質1に対するヘルパータンパク質の結合を促進する候補コフェロンAおよびBの単量体は、手順Cにおいて同定され得る。

I.ヘルパータンパク質を用いて、2つのタンパク質の相互の結合を阻害するコフェロン二量体を同定する
【0431】
標的タンパク質1は、ドナービーズに連結または結合する。標的タンパク質2は、水溶液中で添加されるか、または中性ビーズに連結もしくは結合する。標的タンパク質1の弱い結合パートナーもしくは中程度の結合パートナー、または標的タンパク質1に結合する抗体が、アクセプタービーズに連結または結合する。ヘルパータンパク質は、標的タンパク質2に対して弱い親和性を有するかまたは親和性を有さない。HTSアッセイは、アクセプタービーズおよびドナービーズ、ならびに十分な標的タンパク質2をそれぞれのウェルに含有するように設定され、標的タンパク質2がアクセプターおよびドナービーズ上のタンパク質の結合を妨害し、低いまたはバックグラウンドレベルのシグナルを生じる。標的タンパク質2に対するヘルパータンパク質の結合を促進する1〜10個またはそれ以上のコフェロンAおよびBの二量体の変異体を、標的タンパク質1への結合を中断するように添加することにより、アクセプタービーズ上のタンパク質がドナービーズに結合することが可能となり、ひいては陽性シグナルを生成する。変異体の数は、実験的に決定されるバックグラウンドレベルおよびヒットレベルに依存する。標的タンパク質2に対するヘルパータンパク質の結合を促進し、ひいては2つの標的タンパク質の相互の結合を最も阻害するコフェロン二量体が、最も強いシグナルを発する。必要に応じて、他方のタンパク質の非存在下で標的タンパク質2に対するヘルパータンパク質の結合を促進する候補コフェロンAおよびBの単量体は、手順Cにおいて同定され得る。

J.ヘルパータンパク質を用いて、2つのタンパク質の相互の結合を阻害するコフェロン二量体を同定する
【0432】
上記手順の逆は、ドナービーズに連結もしくは結合した標的タンパク質2、および水溶液中で添加されるまたは中性ビーズに連結もしくは結合した標的タンパク質1を用いて実行され得る。この手順では、標的タンパク質2の弱い結合パートナーもしくは中程度の結合パートナー、または標的タンパク質2に結合する抗体が、アクセプタービーズに連結または結合する。ヘルパータンパク質は、標的タンパク質1に対して弱い親和性を有するかまたは親和性を有さない。ここでも同様に、必要に応じて、他方のタンパク質の非存在下で標的タンパク質1に対するヘルパータンパク質の結合を促進する候補コフェロンAおよびBの単量体は、手順Cにおいて同定され得る。

全細胞アッセイを用いて決定するコフェロンの生物学的活性
【0433】
この数年で、全細胞におけるタンパク質シグナル伝達およびタンパク質−タンパク質相互作用を研究するために設計された生物学的アッセイが急増している。これらの多くは、2本のペプチド鎖の活性を再構成して機能性レポータータンパク質を形成し、蛍光または化学発光シグナルのいずれかを生成する、タンパク質相補性アッセイ(PCA)に基づいている。タンパク質は、安定した3次元構造に折り畳むために必要な全ての情報をコード化するべく進化してきた。いくつかの場合において、相補的なN末端およびC末端ペプチド鎖は独立して折り畳むことができ、それぞれが互いに機能性(レポーター)タンパク質を形成する。しかしながら、このプロセスは動力学的に非特異的な凝集と競合することから、多くの場合、細胞中の相補的なN末端およびC末端ペプチド鎖の発現は、活性の再構成には至らない。PCAは、相互作用するタンパク質をフラグメントに融合することにより作用し、2つのフラグメントの有効濃度を増加させ、ひいてはいずれの非生産的プロセスよりも正しい折り畳みが支持される。2つのタンパク質が互いに相互作用するのを妨害するコフェロン薬の添加は、2つのフラグメントの有効濃度を相互に低下させ、ひいては相補性レポータータンパク質のフラグメントからのシグナルの中断または損失を引き起こす。
【0434】
タンパク質の相補性の最も古い形態の1つは、βガラクトシダーゼ酵素のαペプチド相補性に基づいている。DiscoveRxは、この酵素フラグメント相補性(EFC)技術から細胞ベースの発光プラットフォームを開発した。βガラクトシダーゼは四量体として活性であるが、N末端側60個のアミノ酸のペプチドを欠質すると、不活性な二量体のみを形成する。αペプチドをタンパク質に再導入することにより、それは四量体を形成して活性を取り戻す。C末端の酵素アクセプタータンパク質(enzyme acceptor protein)に高い親和性を示すProLabel(商標)(DiscoverRx Corp.、(Fremont,Calif.))、および低い親和性を示し、そのためタンパク質−タンパク質相互作用を検出するように最適化されたProLink(DiscoverRx Corp.、(Fremont,Calif.))の、2つの形態のαペプチドが市販されている。Gタンパク質の操作による。
【0435】
末端のうちの一方にProLinkペプチドを含有する共役受容体(GPCR)、およびC末端の酵素アクセプタータンパク質を含有するように操作されたβアレスチンを用いて、DiscoveRxは、化学発光シグナルの形態でEFC読み取り値を有するGPCRの薬物活性化のためのアッセイを開発した。同様に、様々な創薬標的クラスについて、タンパク質の発現、分解、分泌、および転位を測定するのにProLabelタグが使用されている。
【0436】
代替的なアプローチがInvitrogen(Carlsbad,Calif.)から販売されており、「GeneBLAzerテクノロジー」と称される。GeneBLAzerテクノロジーは、FRETを可能にする基質を哺乳動物に最適化したβラクタマーゼ遺伝子と組み合わせて使用する。クマリンおよびフルオレセインの2つの蛍光プローブを含有する操作された蛍光基質を用いて細胞を充填する。βラクタマーゼ遺伝子の発現がない場合、基質分子はそのままの状態を維持する。この状態では、クマリンの励起がフルオレセイン部分への蛍光共鳴エネルギー転移をもたらし、緑色の光を発する。しかしながら、βラクタマーゼ遺伝子の発現がある場合は、基質が切断され、フルオロフォアを分離し、エネルギー転移を中断する。酵素βラクタマーゼ活性の存在下におけるクマリンの励起は、青色蛍光シグナルを生じる。その結果得られた青色:緑色の比が、基準化されたレポーター応答を提供する。
【0437】
Invitrogen(Carlsbad,Calif.)は、GeneBLAzerを利用して、GPCRに対する薬物の結合を報告する「Tango」アッセイを構築した。Tangoアッセイのプラットフォームは、細胞内アレスチンタンパク質の活性化受容体への動員に媒介されるプロセスである脱感作を引き起こす、GPCRへのリガンド結合に基づいている。その結果、リガンドによって誘発されるGPCRの活性化が、アレスチンと試験GPCRとの相互作用を監視することによりアッセイされ得る。このアプローチの大きな利点は、標的受容体のGタンパク質シグナル伝達の特異性についての知識に依存しないことである。
【0438】
標的GPCRは、その細胞内C末端で外因性の転写因子に融合される。受容体と転写因子との間には非天然プロテアーゼのための特異的切断配列が挿入される。このキメラ受容体タンパク質は、転写因子に応答するβラクタマーゼレポーター遺伝子を含有する細胞株において発現される。細胞株もまた、受容体と転写因子の間の部位を認識および切断するアレスチン−プロテアーゼ融合タンパク質を発現する。このアッセイは、成長する細胞に所与の期間リガンドを添加し、レポーター遺伝子の活性を測定することにより実行される。レポーター遺伝子の活性化は、標的受容体とプロテアーゼタグ化アレスチンパートナーとの間の相互作用の程度の、定量化可能な測定値を提供する。また、InvitrogenのTangoアッセイは、細胞内の他のシグナル伝達経路によって影響を受けないため、高度に選択的な標的受容体の活性化の読み取り値を提供する。
【0439】
タンパク質相補性アッセイは、(a)ジヒドロ葉酸レダクターゼ,(b)緑色蛍光タンパク質および変異体、(c)βラクタマーゼ、(d)ルシフェラーゼ、(e)アミノグリコシドフォスフォトランスフェラーゼ、および(f)CREリコンビナーゼを用いて、タンパク質−タンパク質相互作用、タンパク質細胞内部位、タンパク質複合体の局在性、およびタンパク質複合体の会合/解離を調節する薬物をスクリーニングするよう開発されてきた(Michnick,et.al.,Drug Discov.6:569−82(2007)、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。
【0440】
以下に記載する全細胞アッセイについては、いくつかの場合において、次の項目で説明するような精製されたタンパク質を用いた生体外での予備スクリーニング、または高薬物濃度での予備全細胞アッセイが、最初のコフェロンリガンドを同定するのに使用され得る。以下の説明のうちのいくつかにおいて、DiscoveRx Corp.(Fremont,Calif.)により開発されたβガラクトシダーゼ系が使用され、C末端の酵素アクセプタータンパク質(EA)に非依存的な親和性を示すαペプチドがProLabelと称され、EAに対する親和性が弱いか親和性を示さないαペプチドがProLinkと称される。再構成されたβガラクトシダーゼによって生成された化学発光または蛍光シグナルは、記載したように判定される(Eglenレビュー)。全細胞アッセイは、コフェロン対をスクリーニングするためにプール法を用いることを同じようには受け入れ難い可能性があるため、Raindance Technologies(Lexington,Mass)によって開発されたナノ液滴法がより適切であり得る(Leaman et.al,Nat.Methods 3(7):541−43(2006)、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。全細胞アッセイを使用することの利点は、細胞内の構成成分を標的化する時に細胞に進入するコフェロンを迅速にスクリーニングすることである。全細胞スクリーンの潜在的な欠点は、意図した標的を介さずに所望の表現型を誘発するコフェロンを同定することを含む。注意深く設計した制御により、そのような擬陽性を減少することができ、時にはこれらの「オフターゲット」である結果が、代替経路を介してプロセスに影響を与える薬物をもたらすことがある。

K.標的タンパク質に(弱く)結合する最初のコフェロンAリガンドのセットを同定する
【0441】
標的タンパク質の遺伝子は、ProLink α相補性ペプチドのコード化配列に結合する。標的タンパク質が活性化すると、第2のタンパク質を動員する(すなわち、GPCRがアレスチンを動員する)。第2のタンパク質の遺伝子は、EAアクセプタータンパク質の遺伝子に結合する。2つのタンパク質の相互の結合は、可動性リンカーペプチドを用いて、又は用いずに、一方のタンパク質のC末端を第2のタンパク質のN末端に融合することによって、または代替として、両方のタンパク質が生物学的機能を保持するように、2つのタンパク質を同時にスプライスするためのインテインを用いて、達成され得る。上記コンストラクトは、両方とも標的細胞に導入される。それぞれのウェルまたはナノ液滴中に標的細胞を含有するHTSアッセイを設定し、1〜10個またはそれ以上のコフェロンAの変異体リガンドおよび1個以上のコフェロンBの一般的なリガンドを、それぞれのウェルまたはナノ液滴中に添加する。一般的なリガンドは、全ての多様性位置において骨格を、次いで最も単純な多様性要素(例えば、多様性位置がアミノ酸部分で充填されている場合にはアラニン)を含有することができる。変異体の数は、実験的に決定されるバックグラウンドレベルおよびヒットレベルに依存する。同様に、同じウェルおよびナノ液滴中で試験することができる「一般的な」変異体の数は、1個〜10個またはそれ以上に及ぶ。標的タンパク質を最も活性化して、第2のタンパク質を動員させるコフェロン二量体が、βガラクトシダーゼのProLinkおよびEAドメインを最も良く再構成し、最も強いシグナルを発する。異なるプールのセットを使用することにより(すなわち、行対列)、多数の可能性のある結合剤が迅速に試験され得る。

L.最初のコフェロンAリガンドのセットと対形成して標的タンパク質に密接に結合する最適化されたコフェロンBリガンドを同定する
【0442】
標的タンパク質の遺伝子は、ProLink α相補性ペプチドのコード化配列に結合する。標的タンパク質が活性化すると、第2のタンパク質を動員する(すなわち、GPCRがアレスチンを動員する)。第2のタンパク質の遺伝子は、EAアクセプタータンパク質の遺伝子に結合する。2つのタンパク質の相互の結合は、可動性リンカーペプチドを用いて、また用いずに、一方のタンパク質のC末端を第2のタンパク質のN末端に融合することによって、または代替として、両方のタンパク質が生物学的機能を保持するように、2つのタンパク質を同時にスプライスするためのインテインを用いて、達成され得る。上記コンストラクトは、両方とも標的細胞に導入される。それぞれのウェルまたはナノ液滴中に標的細胞を含有するHTSアッセイを設定し、1個以上のコフェロンAの最初に選択されたリガンドおよび1〜10個またはそれ以上のコフェロンBの一般的なリガンドを、それぞれのウェルまたはナノ液滴中に添加する。変異体の数は、実験的に決定されるバックグラウンドレベルおよびヒットレベルに依存する。標的タンパク質を最も活性化して、第2のタンパク質を動員させるコフェロン二量体が、βラクトシダーゼのProLinkおよびEAドメインを最もよく再構成し、最も強いシグナルを発する。上記のように、ウェル当たり1つより多くのコフェロンBリガンドを試験する場合は、異なるプールのセットを使用することより(すなわち、行対列)、大量のタンパク質結合剤を迅速に試験することが可能である。
【0443】
上記手順KおよびLにおいて、ProLink α相補性ペプチドは、膜結合型受容体タンパク質に結合し、活性化すると、EAアクセプタータンパク質に結合したアレスチンタンパク質を動員する。これらの条件下では、アゴニストコフェロンは、βガラクトシダーゼシグナルの増加により同定され得る。代替として、既知のアゴニストの添加により系が活性化されてもよく、アンタゴニストコフェロンは、βガラクトシダーゼシグナルの低下により同定され得る。上記概念は、標的タンパク質をProLabel α相補性ペプチドに結合することを含むよう拡張され得る。標的タンパク質は、活性化すると細胞膜から核へと移動し、膜に局在化するEAアクセプタータンパク質を補完することができる。このアッセイの一般的なバージョンでは、コフェロンの標的タンパク質への結合は、レポーターシグナル、細胞の成長または生存率の増加または減少をもたらす。

M.相互に弱い結合親和性を示すかまたは結合親和性を示さない2つのタンパク質の結合を促進するコフェロン二量体を同定する
【0444】
標的タンパク質1の遺伝子は、ProLink α相補性ペプチドのコード化配列に結合する。標的タンパク質2の遺伝子はEAアクセプタータンパク質の遺伝子に結合する。2つのタンパク質の相互の結合は、可動性リンカーペプチドを用いて、又は用いずに、一方のタンパク質のC末端を第2のタンパク質のN末端に融合することによって、または代替として、両方のタンパク質が生物学的機能を保持するように、2つのタンパク質を同時にスプライスするためのインテインを用いて、達成され得る。所与の標的タンパク質に対する新しい弱い結合パートナーを同定するために、酵母ツーハイブリッドまたは他のベイトタンパク質の相補性アッセイを設定し、弱いおよび強いヒットを同定する。上記コンストラクトは、両方とも標的細胞に導入される。それぞれのウェルまたはナノ液滴中に標的細胞を含有するHTSアッセイを設定し、1〜10個またはそれ以上のコフェロンAおよびBの二量体変異体を、それぞれのウェルまたはナノ液滴中に添加する。変異体の数は、実験的に決定されるバックグラウンドレベルおよびヒットレベルに依存する。2つのタンパク質の結合を最も促進するコフェロン二量体が、βガラクトシダーゼのProLinkおよびEAドメインを最も良く再構成し、最も強いシグナルを発する。必要に応じて、いずれかまたは両方のタンパク質標的に結合する候補コフェロンAおよびBの単量体は、生体外での予備スクリーン(手順Aのように)または全細胞スクリーン(手順Kのように)によって同定され得る。

N.相互に中程度から強い結合親和性を示す2つのタンパク質の結合をさらに促進するコフェロン二量体を同定する
【0445】
標的タンパク質1の遺伝子またはより弱い結合を有する突然変異体は、ProLink α相補性ペプチドのコード化配列に結合する。標的タンパク質2の遺伝子またはより弱い結合を有する突然変異体は、EAアクセプタータンパク質の遺伝子に結合する。2つのタンパク質の相互の結合は、可動性リンカーペプチドを用いて、又は用いずに、一方のタンパク質のC末端を第2のタンパク質のN末端に融合することによって、または代替として、両方のタンパク質が生物学的機能を保持するように、2つのタンパク質を同時にスプライスするためのインテインを用いて、達成され得る。元のタンパク質のうちの1つまたは両方が使用される場合、それらは低レベルで発現され得る。しばしば、アラニンスキャニング、または弱く結合し得る変異体を生成するような標的化変異原性を誘導する、いくつかの構造または配列の情報が入手可能である。所与の標的タンパク質に対する強い結合パートナーを弱い結合パートナーに変換する突然変異を同定するために、突然変異体を試験する酵母ツーハイブリッドまたは他のベイトタンパク質の相補性アッセイを設定し、弱いおよび強いヒットを同定する。上記コンストラクトは、両方とも標的細胞に導入される。それぞれのウェルまたはナノ液滴中に標的細胞を含有するHTSアッセイを設定し、1〜10個またはそれ以上のコフェロンAおよびBの二量体変異体を、それぞれのウェルまたはナノ液滴中に添加する。変異体の数は、実験的に決定されるバックグラウンドレベルおよびヒットレベルに依存する。2つのタンパク質の結合を最も促進するコフェロン二量体が、βガラクトシダーゼのProLinkおよびEAドメインを最も良く再構成し、最も強いシグナルを発する。次いで、有力なコフェロン二量体セットを再度試験して、どのセットが野生型タンパク質の相互の結合を促進するかを決定する。

O.2つのタンパク質の相互の結合を阻害するコフェロン二量体を同定する
【0446】
標的タンパク質1の遺伝子は、ProLink α相補性ペプチドのコード化配列に結合する。標的タンパク質2の遺伝子はEAアクセプタータンパク質の遺伝子に結合する。2つのタンパク質の相互の結合は、可動性リンカーペプチドを用いて、又は用いずに、一方のタンパク質のC末端を第2のタンパク質のN末端に融合することによって、または代替として、両方のタンパク質が生物学的機能を保持するように、2つのタンパク質を同時にスプライスするためのインテインを用いて、達成され得る。上記コンストラクトは、両方とも標的細胞に導入される。それぞれのウェルまたはナノ液滴中に標的細胞を含有するHTSアッセイを設定し、1〜10個またはそれ以上のコフェロンAおよびBの二量体変異体を、それぞれのウェルまたはナノ液滴中に添加する。変異体の数は、実験的に決定されるバックグラウンドレベルおよびヒットレベルに依存する。2つのタンパク質の結合を最も阻害するコフェロン二量体が、βガラクトシダーゼのProLinkおよびEAドメインの再構成を妨害し、最も弱いシグナルを発する。必要に応じて、他方のタンパク質の非存在下でいずれかのタンパク質標的に結合する候補コフェロンAおよびBの単量体は、生体外での予備スクリーン(手順Aのように)または全細胞スクリーン(手順Kのように)によって同定され得る。

P.2つのタンパク質の相互の結合を阻害するコフェロン二量体を同定する
【0447】
標的タンパク質1の遺伝子は、ProLabel α相補性ペプチドのコード化配列に結合する。ProLabelペプチド配列は、核移行シグナルを含むように修飾され得る。標的タンパク質2の遺伝子は、細胞質中または細胞膜の局在化をそのままで好むか、または好むように修飾される。EAアクセプタータンパク質の遺伝子は、核移行シグナルを含むように修飾される。これらのコンストラクトは標的細胞に導入され、必要に応じて、正常条件下での標的タンパク質2に対する標的タンパク質1(ProLabelペプチドを含有する)の結合が、細胞質中または細胞膜の2つのタンパク質を局在化し、ProLabelタンパク質が核に進入してEAアクセプタータンパク質を補完することを妨げ、バックグラウンドレベルシグナルを低くするかまたはなくすよう、発現が調節される。標的タンパク質2に結合する1〜10個またはそれ以上のコフェロンAおよびBの二量体の変異体を、標的タンパク質1への結合を中断するように(ウェルまたはナノ液滴中に)添加することで、ペプチド(標的タンパク質1に結合している)の輸送を可能にし、核に進入してEAアクセプタータンパク質と結合し、ひいては陽性シグナルを生成する。変異体の数は、実験的に決定されるバックグラウンドレベルおよびヒットレベルに依存する。2つのタンパク質の結合を最も阻害するコフェロン二量体が、最も強いシグナルを発する。必要に応じて、他方のタンパク質の非存在下で標的タンパク質2に結合する候補コフェロンAおよびBの単量体は、生体外での予備スクリーン(手順Aのように)または全細胞スクリーン(手順Kのように)によって同定され得る。
【0448】
この例では、ProLabel α相補性ペプチドは、相互に結合する2つの標的タンパク質によって細胞質または細胞膜に局在化されたのに対し、EAアクセプタータンパク質は核に局在化された。上記概念は、これらのタンパク質の逆または他の区画への局在化を含むよう拡張され得る。また、いくつかの場合において、2つの標的タンパク質の相互の結合は、たとえそれらが同じ区画内に存在していても、ProLabel α相補性ペプチドのEAアクセプタータンパク質への結合を阻害するであろう、かさ高い複合体を作る。このアッセイの一般的なバージョンでは、2つの標的タンパク質の相互の結合が、ProLabel α相補性ペプチドのEAアクセプタータンパク質への結合を抑制するか、阻害するか、または妨げる。

Q.2つのタンパク質の相互の結合を阻害するコフェロン二量体を同定する
【0449】
上記手順の逆は、ProLabel α相補性ペプチドのコード化配列に結合した標的タンパク質2および細胞質または細胞膜に局在化する標的タンパク質1を用いて実行され得る。EAアクセプタータンパク質の遺伝子は、核移行シグナルを含むように修飾される。標的タンパク質1に結合する1〜10個またはそれ以上のコフェロンAおよびBの二量体の変異体を、標的タンパク質2への結合を中断するように添加することで、ペプチド(標的タンパク質2に結合している)の輸送を可能にし、核に進入してEAアクセプタータンパク質と結合し、ひいては陽性シグナルを生成する。ここでも同様に、必要に応じて、他方のタンパク質の非存在下で標的タンパク質1に結合する候補コフェロンAおよびBの単量体は、生体外での予備スクリーン(手順Aのように)または全細胞スクリーン(手順Kのように)によって同定され得る。

R.ヘルパータンパク質を用いて、2つのタンパク質の相互の結合を阻害するコフェロン二量体を同定する
【0450】
標的タンパク質1の遺伝子は、ProLink α相補性ペプチドのコード化配列に結合する。標的タンパク質2の遺伝子は、EAアクセプタータンパク質の遺伝子に結合する。2つのタンパク質の相互の結合は、可動性リンカーペプチドを用いて、又は用いずに、一方のタンパク質のC末端を第2のタンパク質のN末端に融合することによって、または代替として、両方のタンパク質が生物学的機能を保持するように、2つのタンパク質を同時にスプライスするためのインテインを用いて、達成され得る。上記コンストラクトは、両方とも標的細胞に導入され、さらに標的タンパク質1に対して弱い親和性を有するかまたは親和性を有さない可能性があるヘルパータンパク質を産生する。それぞれのウェルまたはナノ液滴中に標的細胞を含有するHTSアッセイを設定し、1〜10個またはそれ以上のコフェロンAおよびBの二量体変異体を、それぞれのウェルまたはナノ液滴中に添加する。変異体の数は、実験的に決定されるバックグラウンドレベルおよびヒットレベルに依存する。標的タンパク質1に対するヘルパータンパク質の結合を促進し、ひいては2つの標的タンパク質の相互の結合を最も阻害するコフェロン二量体が、最も弱いシグナルを発する。必要に応じて、他方のタンパク質の非存在下で標的タンパク質1に対するヘルパータンパク質の結合を促進する候補コフェロンAおよびBの単量体は、生体外での予備スクリーン(手順Cのように)または全細胞スクリーン(手順Mのように)によって同定され得る。

S.ヘルパータンパク質を用いて、2つのタンパク質の相互の結合を阻害するコフェロン二量体を同定する
【0451】
標的タンパク質1の遺伝子は、ProLabel α相補性ペプチドのコード化配列に結合する。ProLabelペプチド配列は、核移行シグナルを含むように修飾され得る。標的タンパク質2の遺伝子は、細胞質中または細胞膜の局在化をそのままで好むか、または好むように修飾される。EAアクセプタータンパク質の遺伝子は、核移行シグナルを含むように修飾される。これらのコンストラクトは標的細胞に導入され、さらに標的タンパク質2に対して弱い親和性を有するかまたは親和性を有さない可能性があるヘルパータンパク質を産生する。必要に応じて、正常条件下での標的タンパク質2に対する標的タンパク質1(ProLabelペプチドを含有する)の結合が、細胞質中または細胞膜の2つのタンパク質を局在化し、ProLabelタンパク質が核に進入してEAアクセプタータンパク質を補完することを妨げ、バックグラウンドレベルシグナルを低くするかまたはなくすよう、発現が調節される。ヘルパータンパク質の標的タンパク質2への結合を促進する1〜10個またはそれ以上のコフェロンAおよびBの二量体の変異体を、標的タンパク質1への結合を中断するように(ウェルまたはナノ液滴中に)添加することで、ペプチド(標的タンパク質1に結合している)の輸送を可能にし、核に進入してEAアクセプタータンパク質と結合し、ひいては陽性シグナルを生成する。変異体の数は、実験的に決定されるバックグラウンドレベルおよびヒットレベルに依存する。標的タンパク質2に対するヘルパータンパク質の結合を促進し、ひいては2つの標的タンパク質の相互の結合を最も阻害するコフェロン二量体が、最も強いシグナルを発する。必要に応じて、他方のタンパク質の非存在下で標的タンパク質2に対するヘルパータンパク質の結合を促進する候補コフェロンAおよびBの単量体は、生体外での予備スクリーン(手順Cのように)または全細胞スクリーン(手順Mのように)によって同定され得る。

T.ヘルパータンパク質を用いて、2つのタンパク質の相互の結合を阻害するコフェロン二量体を同定する
【0452】
上記手順の逆は、ProLabel α相補性ペプチドのコード化配列に結合した標的タンパク質2および細胞質または細胞膜に局在化する標的タンパク質1を用いて実行され得る。EAアクセプタータンパク質の遺伝子は、核移行シグナルを含むように修飾される。上記コンストラクトは、両方とも標的細胞に導入され、さらに標的タンパク質1に対して弱い親和性を有するかまたは親和性を有さない可能性があるヘルパータンパク質を産生する。ヘルパータンパク質の標的タンパク質1への結合を促進する1〜10個またはそれ以上のコフェロンAおよびBの二量体の変異体を、標的タンパク質2への結合を中断するように(ウェルまたはナノ液滴中に)添加することで、ペプチド(標的タンパク質2に結合している)の輸送を可能にし、核に進入してEAアクセプタータンパク質と結合し、ひいては陽性シグナルを生成する。ここでも、必要に応じて、他方のタンパク質の非存在下で標的タンパク質1に対するヘルパータンパク質の結合を促進する候補コフェロンAおよびBの単量体は、生体外での予備スクリーン(手順Cのように)または全細胞スクリーン(手順Mのように)によって同定され得る。

多量体コフェロンのスクリーニング
【0453】
多量体構造に集合した場合のみに機能する多くのタンパク質が存在する。コフェロンの設計は、多価性の概念を拡張することを可能にする。一例は、炭疽毒性の原因となる七量体の保護抗体の阻害のためである。図27を参照されたい。
【0454】
コフェロン多量体を考慮する際、このことは、薬物設計における、他にない有利な条件および最良の多量体のスクリーニングにおける、他にない課題の両方をもたらすことを認識されたい。多量体のコフェロンは、単量体のタンパク質標的、多数のタンパク質単量体もしくは二量体サブユニットから構成される標的、または多数の異なるサブユニットから構成される標的に結合するために使用され得る。例えば、3つの同一な膜サブユニットから構成される輸送体を考慮されたい。コフェロン薬は、リンカー要素が3つの分子の自己集合を可能にし、それぞれが同じ多様性要素「A」を有するように設計することができる。
【0455】
集合したタンパク質標的の非存在下では、コフェロンは相互に可逆的かつ弱く結合する。また、それぞれの個々のコフェロンは、輸送体への弱い結合を有する可能性があるが、そのような4つの相互作用をともに組み合わせると、四量体のコフェロン構造は本質的に非可逆的に結合する。図28を参照されたい。
【0456】
代替として、コフェロン薬は、集合してA‐Bヘテロ二量体を形成し、次いで、集合を続けて交互のA−Bコフェロンの6員環状構造を形成する、2つのサブユニット(「A」および「B」)から構成され得る。それぞれの個々のコフェロンは、それぞれの個々のコフェロンは、輸送体への弱い結合を有する可能性があるが、そのような6つの相互作用をともに組み合わせると、六量体のコフェロン構造はフルサイズの抗体と同じ結合活性で結合する。
【0457】
リンカー要素の多量体構造への集合は、以下(上記)により詳細に記載するが、いくつかの一般的な概念が存在する。多様性要素から3つを超えるリガンドが生じる場合、最良の結合コフェロンを同定することは非常に難しい可能性がある。よって、1つのテーマは、同じ多様性要素が動的コンビナトリアルケミストリー要素に2回以上接続した条件下で、最良のコフェロンをスクリーンすることである。ここでは、リンカー要素は2つ以上の同じ薬物分子に接続し、コフェロン薬分子の最終的な単量体形態に存在するであろう2つ以上のリンカー要素に及ぶ同じ形状であり得る。
【0458】
リンカー要素と多様性要素との間の接続もまた、異なり得る。例えば、同じリガンドが、同じタンパク質標的サブユニットの二量体または四量体といった多量体における同じ活性部位と結合する場合、接続部は可動性(エチレングリコール等)の鎖である可能性が高く、活性部位が多量体タンパク質の異なる面上にあっても、それぞれのリガンドが活性部位と結合することを可能にする。代替として、コフェロンが大きな溝の中で結合している場合、多量体骨格の全体の形を生成すること、および多様性要素を適当な方向に配置することの両方において、リンカー要素の形状が非常に重要であり得る。
【0459】
コフェロンは、1つ以上の巨大分子の拡張された表面領域に結合する能力によって、既存の薬物の強化バージョンおよび全く新しいクラスの阻害剤を開発するための有利な条件を提供する(表1を参照)。

表1:タンパク質ファミリーおよびそれらの薬理学的標的の例
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【0460】
それらの最も基本的なレベルでは、コフェロンは、基質が中程度から巨大分子までのサイズの範囲である、タンパク質活性を妨害するかまたは促進し得る。例えば、コフェロンは、アポトーシス経路の役割を果たすカスパーゼ等の配列特異的プロテアーゼを阻害するように設計され得る(図2.17AおよびBを参照)。
【0461】
コフェロンは、シグナル伝達経路の活性化または不活性化を含む、タンパク質−タンパク質相互作用を阻害または促進するために使用され得る(図2.17C、2.19HおよびIを参照)。コフェロンは、1つより多くの機構を介してシグナル伝達を活性化することができる。例えば、コフェロンは、2つのタンパク質をより密接に結合させること以上に役立つことができる。コフェロンはまた、2つのタンパク質がコフェロンの非存在下で結合する場合と比較してより活性化されるよう、標的タンパク質の立体構造にさらに影響を与える(図2.19H)。代替として、コフェロンは、結合状態にある複合対の数が増加するよう、より密接な結合へと平衡を移動させることができる。いくつかの場合において、コフェロンは、その標的からのシグナル伝達を活性化させるかまたは不活性化させて、タンパク質−タンパク質相互作用の模倣剤としての機能を果たすことができる。(図2.18D〜Gを参照)。
【0462】
これらの概念を例示するために、結腸癌において不調となることが多いWntシグナル伝達経路を考慮されたい。Wntタンパク質はFrizzled受容体に結合して活性化し、Frizzled受容体は次に、Dishevelledを介してGSK−3βの活性を抑制するように作用する。通常の条件下では、GSK−3βは、アキシンおよびAPCを含むβカテニンに結合する複合体の一部である。しかしながら、DishevelledがGSK−3βの活性を抑制すると、GSK−3βがβカテニンをリン酸化するのを阻止し、ひいては分解を回避して細胞質および核内に蓄積する。一旦、核に入ると、βカテニンはTcf/Lef転写因子に会合して、細胞増殖を可能にするMyc等の多様な遺伝子の発現を増加させる。
【0463】
このWntシグナル伝達経路において、コフェロンは、(i)WntのFrizzledへの結合を阻害する、(ii)FrizzledによるDisheveledの活性化を阻害する、(iii)DishevelledによるGSK−3βの不活性化を阻害する、(iv)βカテニンのアキシンへの結合を促進する、および(v)βカテニンのTcf/Lefへの結合を阻害するように、設計することができる。
【0464】
結腸腫瘍では、APC遺伝子が切断されているかまたは複製数もしくは発現において減少されることが多いため、もはやβカテニンに結合せず、βカテニンを解放し、核内に移動させる。しかしながら、βカテニンのアキシンへの結合を促進するように設計されたコフェロンは、活性したGSK−3βがβカテニンをリン酸化して分解経路に送ることを可能にし、ひいては増殖を防いで腫瘍の成長を阻害する。
【0465】
腫瘍抑制遺伝子p53等のいくつかのタンパク質は、癌細胞において突然変異しており、それらがより容易に折り畳まれない状態となり、適切に機能しないようにする。そのようなタンパク質の表面にわたるコフェロンの結合は、分子のステープルとして機能することができ、ドメインまたは領域を適切な立体構造に維持する(図2.20)。同様に、いくつかのタンパク質は立体構造の変化を経験し、それによって、酵素活性または追加のシグナル伝達を活性化または不活性化する可能性がある。コフェロンは、一方または他方の立体構造とより密接に結合するように設計され得、よって、タンパク質機能の活性剤または阻害剤としての機能を果たす(図2.18)。
【0466】
小分子(FK506、ラパマイシン)がヘルパータンパク質(FKBP)を用いて標的タンパク質(カルシニューリン、FRAP)により密接に結合する複合表面を作る例が天然に存在する。このヘルパータンパク質は、追加のタンパク質(複数可)を動員するか、または他のタンパク質が標的タンパク質に結合するのを阻害するかのいずれかに使用され得る。コフェロンは、新しいタンパク質が複合体に結合するのを促進するか(図2.22O、図2.24R−T)、または新しいタンパク質が複合体に結合するのを阻害するか(図2.23Q)のいずれかであるFK506の役割を模倣するように設計され得る。これらの例では(図2.22O、図2.24R−S)、リンカー要素は、FKBP(「橙色」のタンパク質)に密接に結合するFK506の一部を模倣するように設計されたが、他の多くの構成もまた使用され得る。
【0467】
多くのタンパク質が、それらの所望の機能を達成するために、それらの構造内の調節因子ユニットとしてタンパク質相互作用ドメインを使用する(表2を参照)。

表2:タンパク質ドメインの例
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例えば、SH2ドメインは、リン酸化チロシンを含有するタンパク質領域のための小さな受容体である。SH2ドメインは、アダプター、骨格、キナーゼ、ホスファターゼ、rasシグナル伝達、転写、ユビキチン化、細胞骨格調節、シグナル調節、およびリン脂質二次メッセンジャーのシグナル伝達の機能を果たすか、またはそれらに関与するタンパク質中に見出される。別の例として、SH3ドメインは、ペプチドループをモチーフRXXKまたはPXXPと結合させる。多くのタンパク質はSH2およびSH3ドメインの両方を有し、それらは1つ以上のタンパク質パートナーを結合させる「受容体」としての機能を果たす。コフェロンは、リン酸チロシンがその同族のSH2ドメインに結合するのを阻害するように設計され得る。代替として、コフェロンは、同じであるかまたは異なるたんぱく質上のいずれかで、1つのリガンドが1つのモチーフに結合し(すなわち、SH2)、第2のリガンドが第2のモチーフに結合する(すなわち、SH3)ように設計され得る。
【0468】
多くの高分子タンパク質または巨大分子複合体(リボソーム等、以下のチューブリンフィラメントを参照)は、既知の阻害薬との複数の結合部位を有する。コフェロンを使用して、従来の2つの薬物を同一標的上に集合させて、(i)標的により高い親和性で結合するか、(ii)いずれかの薬物単独よりも強い阻害を呈するか、(iii)いずれかの薬物単独よりも強い活性化を呈するか、または(iv)標的のより大きな表面積を対象とする結合構成要素を作製し、生物/細胞/ウイルスが点突然変異による該薬物への耐性を発生しにくくすることができる。
【0469】
コフェロンを使用して、同一標的、例えば、タンパク質受容体型チロシンキナーゼに結合する二官能性薬を作製することができる。1つのリガンドはATP結合部位に結合し、他方は、自己阻害ペプチドを模倣する。これらの2つのリガンドは、別個のコフェロンに付着し、リンカー要素結合によって適切に接近させられると、両方の結合ポケットの中で固定し、優れた特異性で受容体キナーゼに結合する。本アプローチは、1つのポケットにしか結合せず、その結果、適切な特異性、または生体内で有効であるために十分な結合親和性のいずれかを欠く、先の阻害剤設計の限界を克服するであろう。
【0470】
コフェロンを使用し、既知の複数の薬物を組み合わせることによって、タンパク質キナーゼ、カルシウムチャネルタンパク質、ムスカリン受容体(アンタゴニスト)、β2アドレナリン受容体(アゴニスト)、ナトリウムチャネル薬、およびH1ヒスタミン受容体(アンタゴニスト)に対する、新規のクラスのアゴニストまたはアンタゴニストを生成することができる。表1を参照されたい。受容体タンパク質は、コフェロン設計にシグナルを阻害、活性化、減衰、または増幅させる複数の機会を提供する(図2.28および図2.29)。
【0471】
多くのタンパク質が二量体として作用する。ホモ二量体コフェロンは、アゴニストとして作用して、自己リン酸化および活性化のために2つの受容体が十分に接近し続けることを補助することができる(図2.25B2)。また、ホモ二量体は、2つの受容体が自己リン酸化を生じるのを防ぐことによって、アンタゴニストとして作用し得る(図2.26C2)。また、コフェロンヘテロ二量体は、リガンドにより推進されるシグナル伝達を減衰(図2.26D2)または増幅(図2.27E2)するように作用することができる。
【0472】
また、コフェロンホモ二量体の使用は、両方のリガンド結合部位を同時にブロックすることによって、二量体酵素の阻害を補助することができる(図2.30A3)。かかるホモ二量体、ホモ四量体、ヘテロ四量体、六量体、および他の多量体コフェロンは、数ナノメートル離れた2つの部位の結合を可能にするPEGリンカーまたはリンカー要素への他のスペーサーを有し得る(図2.30B3およびC3、図2.31D3〜F3)。それらは、リガンド結合事象からの最低限の補助を得て、またはさらなる補助を得ずに、相互に結合するリンカー要素を使用することができる。
【0473】
多くのタンパク質は、酵素活性を活性化するか、または阻害するかのいずれかのためのアロステリック部位を有する。かかる部位は、概して活性部位から離れすぎているため、従来の小分子薬が両方の部位に同時に結合することはできない。しかしながら、アロステリック部位、および隣接もしくは活性部位のいずれかの領域の両方に結合するリガンドから構成されるヘテロ二量体コフェロンは、強力な活性化因子または阻害剤となるであろう。
【0474】
ミクロチューブリンは、有糸分裂および分化の間に重要な役割を果たし、そのため腫瘍を治療する標的とされる。ミクロチューブリンは、細胞周期中に集合または脱集合のいずれかを行う動的不安定の状態にある、2つのサブユニットであるαおよびβチューブリンから構成される。有糸分裂の間、染色体が紡錘体を形成する微小管を捕獲するように、集合および脱集合の両方の割合が増加する。分化の間、微小管関連タンパク質がフィラメントの安定化を補助し、それによって、細胞質の組織化が可能になる。ビンクリスチンおよびビンブラスチン等のビンカアルカロイド抗癌剤は、微小管を破壊することによって細胞傷害性であり、一方パクリタキセルおよびドセタキセル等のタキサンは、微小管を安定化し、腫瘍細胞を分化へと向かわせることができる。1つまたは2つのチューブリンリガンドから構成されるコフェロン対は、強化された抗腫瘍活性を有し得る(図2.32を参照)。
【0475】
多くの神経変性疾患は、凝集してプラークを形成する、タンパク質の誤った折りたたみによって生じる。例えば、アルツハイマー病は、アミロイドβ−ペプチドから構成されるプラークによって生じる。コフェロンは標的部位で集合するため、血液脳関門を横切るために十分小さくありながら、なおアミロイドβ−ペプチド単量体の表面上に結合して、オリゴマー、そして最終的にはアミロイド原線維の形成を阻害するために十分大きいコフェロンを設計する機会がある(図2.33)。
【0476】
いくつかのリンカー要素設計は、リンカー要素が多様性要素からの最小限の結合補助を得て、またはさらなる結合補助を得ずに、相互に結合することを可能にし得る。かかる設計には、金属補因子の補助を得て相互に結合するリンカー要素が含まれる(以下参照)。これらの設計は、コフェロンの可能な用途を拡大する。
【0477】
細胞内での不可逆的な会合の別の例として、1つのコフェロンは1級アミンに対するβ位にジスルフィド基を有し得、一方もう1つはケトン基を有し得る。血流中または非癌細胞中では、2つのコフェロンは、アミン基とケトン基との間のシッフ塩基の形成によって会合することができる。しかし、癌細胞に進入すると、ジスルフィドはチオールに還元され、次いでこれが1級アミンと協働して、チアゾリジンリンカーを生じさせるように作用することができる。かかる二量体コフェロンを使用して、2つの標的タンパク質を密接に接近させることができる。
【0478】
標的結合事象からの最小限の補助を得て、またはさらなる補助を得ずに相互に結合するリンカー要素を用いるコフェロンを使用して、異なる標的に対する二官能性薬を生成することができる。かかる薬物は、2つの抗癌リガンドを同一癌細胞に集中させる。また、本アプローチはHIV薬とともに使用されている。
【0479】
また、かかるコフェロンを使用して、トラップドア(trap−door)薬を作製することができる。1つのコフェロンは、標的癌細胞中では大量に認められるが、正常細胞中ではそう頻繁には認められない標的に結合するように設計される。このコフェロンを、まず患者に投与する。その後、既知の薬物部分を有する第2のコフェロンを投与する。第2のコフェロンはほとんどの細胞に進入するが、その後、標的癌細胞に優先的に捕捉される。本アプローチは、リンカー要素間にほとんど不可逆的な結合を有するコフェロンを使用することを必要とし得る。
【0480】
トラップドアの概念を逆に使用して、多くが化学療法への耐性に関与する薬物排出ポンプを塞ぐことができる。コフェロンを、単量体として細胞に進入するように設計する。多様性要素のうちの1つは排出のための基質である。しかし、第1のコフェロンが第2のコフェロンと共有結合的に付着すると、これによって、排出ポンプを塞ぐ栓が生じる。かかるコフェロンの「栓」は、従来の抗癌剤と組み合わされる。この概念は、クラブラン酸がβラクタマーゼを阻害するオーグメンチン(アモキシシリン−クラブラン酸)と類似する。
【0481】
上記の例は、タンパク質間相互作用を阻害、調整、または活性化するコフェロンの能力を強調する。また、コフェロンは、他の主要な大量の巨大分子間相互作用を阻害、調整、または活性化することができる。例えば、コフェロンは、転写因子がdsDNA、またはRNAに結合するタンパク質(例えば、リボソーム)に結合する際のタンパク質−タンパク質−核酸相互作用を調整するために使用することができる。これらは全く同様に重要であり得、1つはコフェロンによってタンパク質と核酸との相互作用を標的とする。多くのタンパク質は修飾(すなわち、リン酸化、アセチル化、メチル化、SUMO化、プレニル化、およびユビキチン化)を受け、これらの修飾によって、さらなるタンパク質相互作用によるシグナル伝達、輸送、または分解が可能になる。これらのプロセスの全ては、賢明に設計されたコフェロンによって阻害または活性化することができる。糖タンパク質の合成等の大きな修飾は、コフェロンに、タンパク質が糖鎖に結合する時の相互作用をブロックする可能性を提供する。
【0482】
多くのタンパク質は、それらを種々のコンパートメントまたは巨大分子構造へ移動させるシグナルを有する。
【0483】
コフェロンを使用して、2つのタンパク質の(i)膜、(ii)細胞質、(iii)ミトコンドリア、(iv)リソソーム、(v)プロテアソーム、(vi)ゴルジ、(vii)小胞体、(viii)細胞外空間、(ix)核、(x)細胞フィラメントもしくは骨格、または(xi)他の細胞内もしくは細胞外のコンパートメント、細胞構造、もしくは空間への移動の妨害または加速のいずれかを行うために、2つのタンパク質を集合させることができる。
【0484】
コフェロンは、癌細胞への標的化された進入のための独自の条件を提供する。最も直接的な形態では、リンカー要素、および癌細胞内へ薬物部分を輸送するための手段の両方として葉酸を使用する。葉酸輸送体は、多くの癌、特に転移性癌細胞内で過剰発現が認められる。よって、葉酸輸送体は、薬物分子の癌細胞内への集中を補助する。葉酸および誘導体は非常に「粘着性」であり、相互に会合する傾向にある。この会合は、適切な反応基(好ましくは可逆的な共有結合を形成するもの)の2つの葉酸リンカー要素への付加によって促進することができる。
【0485】
葉酸の代替的な使用は、コフェロン前駆体の細胞内への輸送体としてである。ここでは、葉酸基がジスルフィド結合を介してコフェロンと結合する。グルタチオンレベルは、腫瘍細胞中では血中よりも1,000倍高い。チオールを含有するコフェロンの不活性型を内部に取り入れ、次いでグルタチオンによって開放し、そのコフェロン対(やはりグルタチオンによって活性化される)に接近させる。そして、放出されたチオール基は、2つのコフェロンが集合する時の架橋反応に関与することができ、最終的に細胞死に至る。本アプローチは、コフェロン薬分子が血流、ならびに正常細胞内では不活性の前駆体型であるが、癌細胞に進入すると活性化されるという利点を有する。
【0486】
コフェロンまたはコフェロン補因子の可能な輸送体には、グルコース輸送体、タウリン輸送体、カチオン性アミノ酸輸送体、有機アニオン輸送体、プロリン輸送体、モノアミン輸送体、アニオン交換輸送体、葉酸輸送体、モノカルボン酸輸送体、Zn輸送体、アミノ酸輸送体、Na依存性ビタミン輸送体、脂肪酸輸送体、ヌクレオシド輸送体、およびプロトン共役型二価金属イオン輸送体が含まれる。
【0487】
上記輸送体のサブユニットは、原発性および転移性の両方の結腸腫瘍で過剰発現される。輸送体または受容体の使用は、既存の薬物に第2の命を提供することができる。既存の薬物は、標的とは無関係に自身の対に結合するリンカー要素に付着して、第1のコフェロンを形成する。第2のコフェロンは、標的器官もしくは標的腫瘍、細胞表面上の受容体タンパク質、またはさらには細胞質タンパク質に特異的な輸送体に対する親和性を有し、そのいずれもが、第1のコフェロン上の薬物を所望の細胞内に引き込むのを補助することができる。一部の取り込み系はその溶質をエンドソーム内に持ち込み、その溶質はそこで輸送体から放出される(例えば、pHの変化によって)。これらの場合のいくつかでは、薬物分子が依然として膜を横断する必要があり得る。コフェロンの一利点は、コフェロン全体が標的細胞内により容易に輸送されるように、リンカー要素部分を例えばより親油性に修飾することができることである。
【0488】
葉酸輸送体については、葉酸は、リンカー要素として使用することができる。亜鉛または他の二価金属イオン輸送体については、亜鉛は、2つのリンカー要素が相互に結合するのを補助する補因子であり得る。亜鉛は、大量に(成人には最高1週間、1日当たり最高40mg)摂取され得る、概して毒性のない金属イオンであるため、補因子として独特に好適である。よって、癌患者は、癌細胞に亜鉛を前投与することができ、これがその後、補因子として亜鉛イオンをキレートするリンカー要素を介して相互に結合するコフェロン薬の捕捉を補助する。さらに、亜鉛に結合する二座有機分子は、リガンド構造の非常に精密な幾何学的および電子的構成に依存し、よって、かかるコフェロン薬が他の二価カチオンを非特異的に結合する可能性は低い。
【0489】
癌細胞は、コフェロンの固有の特性を利用する複数の条件を提供する。例えば、コフェロン対は、1級または2級アミンから2つの炭素分空間的に分離されたケトンおよびジスルフィド基を含有するように、合成することができる。好適な多様性要素を生体外でスクリーニングする際、ジスルフィド基は酸化されたままである。コフェロン対は、可逆的なイミン(1級アミン)またはイミニウムイオン(2級アミン)の形成を介して形成され得る。動的コンビナトリアルケミストリーを使用して、最良の多様性要素を選択する。有力なコフェロン対が患者内に導入される時、コフェロンは、細胞に進入するまで単量体のままである(時折会合して二量体を形成する)。ジスルフィド結合は、内部のグルタチオンによって還元され、その後、コフェロン上の遊離したチオール基がイミンまたはイミニウムイオンと反応して、2つのコフェロン対の間に不可逆的なチアゾリジン結合を形成することができる。リンカー要素設計の賢明な選択によって、所望の標的を含有する癌細胞内のみで反応を推進させることができる。
【0490】
標的細胞への進入時にコフェロンの反応基を曝露するさらなるアプローチには、エステルを切断し、反応性アルコール基を遊離させるためのエステラーゼ、および反応性アミノ基を遊離させるペプチダーゼの使用が含まれるが、これらに限定されない。

細菌に対する多価薬物としてのコフェロン
【0491】
適切なリボソームの機能を阻害または妨害する、多数の抗生物質が存在する。アミノグリコシド系(ゲンタマイシン、トブラマイシン、アミカシン、カナマイシン、ネオマイシン、パロモマイシン)は、異常な非機能性複合体の形成を誘発し、mRNAの誤読を生じさせる。また、一部のアミノグリコシドは、第2の機構において、ペプチジルtRNAのA部位からP部位への移動を阻止し、それによりポリペプチド鎖の伸長を阻止する。アミノグリコシドは、特定のリボソームタンパク質に不可逆的に結合する。ストレプトマイシンは、30Sサブユニット内のS12に結合し、一方他のものもは、50SサブユニットのL6タンパク質に結合する。
【0492】
テトラサイクリン系(テトラサイクリン、ミノサイクリン、ドキシサイクリン、デメクロサイクリン)は、30Sリボソームに可逆的に結合する。
【0493】
アミノアシルtRNAの細菌リボソームのA部位内への結合を阻害する。クロラムフェニコールは、50Sリボソーム上のペプチジルトランスフェラーゼ酵素に結合することによって、ペプチド結合の形成を阻害する。
【0494】
マクロライド系(エリスロマイシン、アジスロマイシン、クラリスロマイシン、ジリスロマイシン)は、大きなラクトン環化合物であり、50Sリボソームに可逆的に結合し、ペプチジルトランスフェラーゼ反応(すなわち、アミノ酸間のペプチド結合の形成を阻止する)、または転位(すなわち、ペプチジルtRNAのA部位からP部位への移動を阻止する)、または両方を損なう。
【0495】
オキサゾリジノン系(リネゾリド)は50Sサブユニットに結合し、mRNA、f−met−tRNA、および50Sサブユニット複合体の形成を妨害する。また、リンコサミド系(クリンダマイシン)は、50Sリボソームに結合することによってタンパク質合成を阻害する。
【0496】
リガンドとして2つの異なる結合領域からの上記の薬物のうちの1つずつを含有するコフェロン二量体は、単量体よりも大きな生物学的活性を示し得る。これは、薬物が相乗的に結合し、リンカー要素の連結部によって隣接する適切な方向に維持される場合、特に当てはまり得る。また、かかる薬物は、細胞内により長くとどまることができ、薬物のより断続的な投与を可能にする。最後に、細菌にとって、両方の単量体薬の結合部位で同時に突然変異することは困難であり得る。

急速に進化するウイルスに対する薬物としてのコフェロン
【0497】
RNAウイルスは、それらの急速に進化するゲノムが、中和抗体またはワクチンを生成する再三の試みを出し抜くため、公衆衛生に対して常に存在する脅威である。ここ20年で、プロテアーゼおよび逆転写酵素等の種々のウイルスタンパク質に対する阻害剤の合成は、非常に大きな進歩を遂げた。それにもかかわらず、やがてウイルスは、耐性に対する突然変異的選択によって、これらの薬物から逃れる。コフェロンは、RNAウイルスを阻害する2つの独自の条件を提供する。多くの既存の薬物に対する耐性変異体は知られておらず、よって、コフェロンは、感受性変異体および耐性変異体の両方に対してスクリーニングすることができ、コフェロン単量体の有力なファミリーまたはクレードの選択を可能にする。限られた数の各ファミリーメンバー(例えば、コフェロン「A」およびコフェロン「B」に10個ずつ)の使用によって、タンパク質標的が最も密接に結合する対を選択し(分子全体の10%に相当)、それによってそれ自身の最も強力な阻害剤を選択する、「治療的カクテル」の付加が可能になる。第2の条件は、ヒト宿主タンパク質とのウイルスタンパク質の相互作用から生じ、この相互作用は、宿主タンパク質に結合するか、または第2のタンパク質に結合して、それを宿主タンパク質へ動員するコフェロンを同定することによって中断させることができ、それによって直接的または間接的のいずれかで、宿主タンパク質へのウイルスタンパク質の結合を阻害する。以下は、HIVに基づく一部の例である。

HIVプロテアーゼ
【0498】
構造的研究およびアラニンスキャニング突然変異誘発研究から、HIVプロテアーゼおよびその基質の接触点を決定する。次いで、「A」および「B」コフェロンのファミリーを、A+Bの組み合わせが、標的HIVプロテアーゼ内の突然変異変種への結合を可能にするのに十分な構造空間を提供し、それにより前記プロテアーゼの所望の阻害を達成するように、設計する。コフェロンA+Bは可逆的に結合するため、動的コンビナトリアルケミストリーは、それぞれのプロテアーゼ変異体が最も密接な阻害剤の組み合わせに結合することを保証する。

HIVの侵入
【0499】
HIVの細胞内への侵入は、CCR5受容体への結合に依存する。HIVエンベロープタンパク質に対するワクチンを作製する試みは成功していないが、二量体、四量体として、または別のタンパク質をCCR5に動員するかのいずれかで、CCR5受容体に結合し、それによってHIVが同一受容体に結合することをブロックするように、コフェロンを設計することができる。

HIV逆転写酵素
【0500】
従来の逆転写酵素阻害剤は、ヌクレオチド類似体に基づく。しかしながら、耐性変異体の逆転写が容易に生じる。コフェロンは、HIV逆転写酵素の「野生型」、および薬物に耐性を有する異なる変種の両方に結合する、ヌクレオチド類似体のファミリー「A」と、HIV RTに他の箇所で結合する第2の薬物のファミリー「B」とを設計することによって、この酵素の阻害においてより効果的になり得る。コフェロンA+Bの組み合わせは、依然としてその活性を阻害しながら、標的HIV逆転写酵素内の突然変異変種への結合を可能にするのに十分な構造空間を提供する。

HIV Vifタンパク質
【0501】
ヒト細胞タンパク質であるA3Gは、HIV遺伝子を著しく突然変異することによって、HIVを妨害する。HIV Vifタンパク質は、このプロセスを妨害する。1つのアプローチは、コフェロンを使用して、HIV Vifタンパク質がA3Gタンパク質ではなくコフェロンに結合するように、A3Gを模倣した囮を生成することである。第2のアプローチは、コフェロンを使用して、A3Gに結合させるか、または別の細胞タンパク質に結合させてそれをA3Gに動員し、それによってVifのA3Gへの結合をブロックすることである。A3Gはヒトタンパク質であり、HIV Vifタンパク質と同一の突然変異的ドリフトは受けないため、A3Gを模倣するか、またはそれに結合するかのいずれかであるコフェロンを設計することはより容易である。

HIVインテグラーゼ
【0502】
HIVインテグラーゼは、ヒト細胞タンパク質であるLEDGFの補助を得て、ウイルスの二本鎖DNAコピーをヒトゲノム内に取り込む。コフェロンは、HIVインテグラーゼ活性、ならびにLEDGFへのインテグラーゼの結合を妨害するように選択することができる。上記のように、LEDGFはヒトタンパク質であり、HIVインテグラーゼタンパク質と同一の突然変異的ドリフトは受けないため、LEDGFを模倣するか、またはそれに結合するかのいずれかであるコフェロンを設計することはより容易である。

核酸およびオリゴヌクレオチド類似体リガンドを含有するコフェロン
【0503】
アンチセンスおよびsiRNA研究によって、個々の細胞内で特定の転写物をノックダウンするための優れた手段が提供されている。今日まで、この期待は、わずかな例外を除いて、哺乳類生物全体には裏付けられていない。
【0504】
コフェロンは、RNAまたはRNA類似体の細胞内への輸送に関連する問題を克服するための条件を提供する。コフェロンは、そのリンカー要素によって、2つのオリゴヌクレオチドリガンドを結合することができる。よって、RNAまたはオリゴヌクレオチド類似体を細胞内へ輸送するために使用されている現在のアプローチは、輸送オリゴヌクレオチドがその半分のサイズである、すなわち、19〜22塩基のサイズから、約9〜12塩基の範囲であり、リンカー要素を含有する2つのオリゴヌクレオチドへと減少する場合、より効率的になり得、適切な生物学的活性を有する全長RNAへの標的上でのそれらの集合が可能になる(図2.34を参照)。siRNAについては、21〜27塩基のサイズの二本鎖RNAが使用されており、やはり輸送後により小さなオリゴヌクレオチドの集合を可能にする。核酸および類似体の巨大分子を細胞内に輸送するための取り組みには、親油性担体の使用、および標的細胞(しばしば葉酸輸送体を過剰に産生する、癌細胞等)に能動的に輸送される他の分子(葉酸等)へのそれらの付着が含まれる。
【0505】
また、コフェロンは、本明細書で「リポコフェロン」および「アミノグリコフェロン」と称される新規製剤を使用して、RNA、またはオリゴヌクレオチド類似体の細胞内への輸送を補助することができる(図2.35を参照)。
【0506】
「リポコフェロン」は、負電荷を持つ核酸主鎖に結合するように離間する、2つまたは3つのアミノ基から構成される。リポコフェロンは、核酸フラグメントの標的細胞内への輸送を補助するための疎水面を有する。一変形では、リポコフェロンは、リポコフェロンが核酸フラグメントに結合する時に多量体を形成することを可能にする、遊離チオール基を有するが、一旦細胞内に入ると、内部のグルタチオンがこれらのチオール結合を還元し、リポコフェロンをRNAまたはオリゴヌクレオチド類似体から放出する。
【0507】
「アミノグリコフェロン」は、RNAに結合する既知のアミノグリコシドに基づく。一変形では、それらは、チオール結合を用いた結合を可能にするように設計される。それらはRNAに結合して、核酸フラグメントの標的細胞内への輸送を補助することができる。一旦細胞内に入ると、内部のグルタチオンがこれらのチオール結合を還元し、RNAまたはオリゴヌクレオチド類似体からアミノグリコフェロンを放出する。
【0508】
核酸フラグメントまたはヌクレオチド類似体フラグメントが一旦細胞内に入ると、それらはRNA配列に結合する。このコフェロン設計は、好ましくは9〜12塩基の範囲であり、その配列は、標的RNA配列の上流半分および下流半分と相補的である、より短いRNAまたはオリゴヌクレオチド類似体を使用することにより、アンチセンス型薬物の有効性を著しく改善する条件を提供する。好ましい実施形態において、それぞれのコフェロンがリンカー要素を含有し、その結果、2つの部分がそれらの標的とその接合部で完全に相補的に結合する場合、リンカー要素は、共有結合または非共有結合性の結合のいずれかを介して連結するように配置される。そのような連結は、正しい標的との結合エネルギーおよび結合力を増加し、適切な生物学的活性を可能にする。
【0509】
9〜12塩基長のオリゴヌクレオチドは、平均27℃(9−mer)〜37℃(12−mer)の範囲の融点で相補的配列に結合するが、このサイズの特定のオリゴヌクレオチドのTm’sは、低くて約18℃、高くて約48℃の間で変化し得る。生理的条件およびヒトの体温の37℃では、個々のオリゴヌクレオチドは、所望のRNA標的に結合、他のRNAに結合、および標的に結合しないものの間で平衡状態にある。所与の長さの核酸またはヌクレオチドリガンドを有するコフェロンは、主鎖(すなわち、2’−O−メチル、PNA、LNA)、塩基(すなわち、5−プロピニルC)を、および/またはさらなる基(すなわち、疎水基、副溝結合部分)を用いて修飾して、所与の温度でのRNA標的への全体的な結合を増大させることができる。かかる増大は、所望の標的部位、ならびにオフターゲット部位の両方で、平衡をより強い結合へと移行させる。しかし、一旦2つのコフェロン−核酸/類似体が、正しい標的上で相互に隣接して結合すると、それらは結合し、それによって安定化し、正しい標的のみに対するコフェロン二量体の親和性を大きく増加させる。18〜24塩基長の範囲のコフェロン二量体のTm’sは、平均54℃〜72℃になるが、このサイズの特定のオリゴヌクレオチドのTm’sは、低くて約36℃、高くて約92℃の間で変化し得る。よって、コフェロン二量体は、いずれかの単量体のみよりも100〜1,000倍高い結合力で正しい配列に結合し、さらに、一旦正しい標的上に集合すると、認識できる速度では解離しない。
【0510】
よって、コフェロン−核酸/類似体薬は、コフェロン単量体部分が実質的により小さく、したがって、特定の場合において相当のオフターゲット効果を有することが示されている全長アンチセンスオリゴヌクレオチドとは対照的に、オフターゲット部位との結合から容易に解離するという事実において、従来のアンチセンスオリゴヌクレオチドを超える多大な利点を有する。
【0511】
また、コフェロン−核酸/類似体薬は、RNA分解機構と相互作用するように設計することもできる(図2.36を参照)。例えば、RNAコフェロンは、それぞれ12および15塩基長のアンチセンスコフェロン、ならびに15および10ヌクレオチド長のセンスオリゴヌクレオチドを有するように設計されてもよい。一旦細胞内に輸送されると、これらのオリゴヌクレオチドのハイブリッド形成により、リンカー要素によって保持される27ヌクレオチドのアンチセンスオリゴヌクレオチドと25ヌクレオチドの「スプリット」センス鎖との集合が可能になる。この構造がダイサーの基質になり、RISC複合体による取り込みに好適であり、2つのコフェロン−核酸/類似体薬から構成されるアンチセンスRNAに相補的であるmRNAを、触媒的に分解する酵素複合体をもたらす。コフェロンの他の構成は、翻訳の妨害(siRNA)、転写物の分解もしくは阻害(miRNA)、または転写の促進(aRNA)を含む他の生物学的活性を妨害し得る。
【0512】
コフェロン−核酸/類似体薬のアプローチを拡大して、(i)2つを超えるコフェロン−核酸/類似体の結合、(ii)1つは細菌または真菌リボソームに結合することが知られるアミノグリコリシドから構成され、もう1つは標的内のリボソームRNAの隣接する領域に結合するように設計されるコフェロン−核酸/類似体の、2つのコフェロンの使用、および(iii)1つはリボザイムまたはRNA標的に結合するコフェロン−核酸/類似体から構成され、もう1つはリボザイムまたはRNA標的内の隣接する位置で結合する小分子リガンドから構成されるコフェロンの、2つのコフェロンの使用を含むことができる。

多量体コフェロンのスクリーニング
【0513】
多量体コフェロンをスクリーニングするために、以下の形態で、多様性ライブラリー、および既知のリガンドまたはリガンド群から開始する:(i)粒子の位置またはバーコード暗号化によって定義される単量体多様性要素とともに、ビーズまたは固体支持体上、(ii)ここでは2つ以上の同一の多様性要素が同一コフェロン上にあり、粒子の位置またはバーコード暗号化によって定義されることを除いて、先と同様、(iii)コード化されたDNA要素によって定義される単量体多様性要素とともに、溶液中(ビーズから離れて)、(iv)ここでは2つ以上の同一の多様性要素が同一コフェロン上にあり、コード化されたDNA要素によって定義されることを除いて、先と同様、(v)粒子の位置またはバーコード暗号化によって定義されるリガンドとともに、ビーズまたは固体支持体上の1つ以上の既知のリガンド、ならびに(iv)位置またはコード化されたDNA要素によって定義されるリガンドとともに、溶液中の1つ以上の既知のリガンド。
【0514】
ビーズに付着させたコフェロンライブラリーを用いた作業の利点は、各ビーズが同一のリガンドの複数のコピーを含有することである。この特性が、蛍光標識された、捕獲された実体(すなわち、タンパク質または他のリガンド)の強度による、最も強い親和性のリガンドの組み合わせの同定を補助する。コフェロンを固体支持体上に合成する場合、個々のコフェロンの間隔は、同一コフェロンの複数のコピーによる標的との結合を回避するのに十分であるべきである。この可能性のあるアーチファクトは、ファージまたは他の提示技術による標的に結合するペプチドの「同定」を導き、個々の溶液中のペプチドを使用した場合に、ただ元の効果が消失しているのを見出すことになる。このアーチファクトは、以下のアプローチによって回避または大部分限定することができる。
【0515】
(i)ビーズまたは固体表面上への反応基の限定された取り込みを用いる(100個毎の付加体から平均で1つだけが隣に十分に近接し、その結果両方が同一標的に結合できるように)。
【0516】
(ii)ストレプトアビジンをコーティングした(磁性)ビーズを使用し、その後ビオチンに反応基を取り込む。このわずかにより複雑なバージョンでは、1つの基のみがストレプトアビジンに結合できるように、ビーズが非常に短いスペーサー上でビオチンでコーティングされる。3つのビオチンの「鉤」を含有する反応基が付加される。1つがストレプトアビジンを捕らえると、もう2つは残りの部位に結合する。よって、1つのストレプトアビジン四量体当たり、平均して1つの反応基が結合する。
【0517】
DNAによってコード化されるコフェロンライブラリーを用いた作業の利点は、選択されたコフェロンをそれらのDNAを用いて増幅し、第2のラウンドの多様性要素の合成のテンプレートにできることである。これによって、進化原理を最良のコフェロンの選択に使用することが可能になる。最後に、多様性要素をビーズ上に合成し、その後いずれのコード化されたDNA要素も伴わずに放出し得ることも考慮される。十分なコフェロンがタンパク質標的およびビーズの両方に結合する条件下で使用される場合、多様性要素の構造は、質量分光分析を使用して同定または絞り込むことができる。本アプローチは、結合事象に影響を及ぼし得る、コード化されたDNA要素をコフェロンに付着させる必要性を除去する利点を有する。試験されるコフェロンの数を、標的の既知の3次元構造に結合する、可能性のある多様性要素のコンピュータでの予備スクリーニングによって制限することができる場合、生体外スクリーニングから有力なコフェロンを同定するための質量分光分析は、非常に効率的なプロセスとなる。
【0518】
標的に結合する多量体コフェロンのスクリーニングは、最良の多様性要素のためのスクリーニングプロセスを、最終的なコフェロン薬に使用される最良のリンカー要素設計を同定するプロセスから解放することに基づく。スクリーニングプロセスの間、2つ以上の同一の多様性要素を連結することができる。連結は、単に2つのリンカー要素を連結することによって、リンカー要素および多様性要素の正確な形状を繰り返してもよく、あるいは、連結は、多様性要素の形状を近似して、リンカー要素と完全に切り替えてもよい。最適な多様性要素が同定されると、最終的なコフェロンを、正しいリンカー要素および選択された多様性要素を含有する単量体サブユニットとして再合成する。
【0519】
母子リンカー要素に基づく誘導体(M−Cコフェロン)。M−コフェロンは、C−コフェロンからの複数の「子」リンカー要素に結合することができる単一の「母」リンカー要素を有するコフェロンである。M、Cコフェロン系は、タンパク質多量体、特にチャネルまたは空洞を含有するものを標的とするように設計される。例には、輸送体(p−糖タンパク質、ポリアミン輸送体)、プロテアソーム、ウイルスタンパク質コーティング、生体分子機構が挙げられる。これを図29に示す。
【0520】
M−コフェロンとして二糖(以下の例ではラクトース)、およびC−コフェロンとしてボロナートを利用する、M、Cコフェロン系の例。二糖は、それらに特異的な輸送体が存在するため特に興味深く、例えば、ガラクトース受容体は、癌細胞の表面に認められる。
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【0521】
以下の例に示されるように、非糖ポリオールも、M−コフェロンとして機能し得る。
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A−B−C標的結合コフェロンのスクリーニング
【0522】
これらの三量体コフェロンには、2種類の形状が想到される。1つ目は、Bリンカー要素と結合する、AおよびCの両方のリンカー要素を有する。かかるリンカー要素の最も単純なバージョンは、互いの上にスタッキングする芳香環を含有する。2つ目の形状は、Bに結合するA、Cに結合するB、およびAに結合するCを有する。これは、シクロプロパン骨格を組み込んで、3つの結合基の間に60度の角度を達成するリンカー要素を使用して達成することができる。それぞれのシクロプロパンは、可逆的結合を作製するために好適な基で二置換される。例えば、AおよびBの両方が、トランス立体化学にあるアルデヒドおよびスルフヒドリルを含有し、ジスルフィド結合を形成することができる。アルデヒド基は、ともにシクロプロパンの同じ側にあり、そのためシスジオールを含有するリンカー要素と結合することができる。さほど制約されないシクロペンタン構造も、三量体コフェロンを生成するためのこの選択結合基と適合する。
【0523】
この主題の変形例は、A−B−AまたはA−A−B標的結合コフェロンである。ここでは、多様性要素のうちの1つが2回繰り返されるが、追加の結合エネルギーを付加する。
【0524】
スクリーニングの第1のバージョン(図9のものと類似)は、ビーズ上および溶液中の両方の多様性要素を使用する。蛍光標識された標的タンパク質を、ビーズ(「A」コフェロンを含有する)および溶液中の「B」コフェロンに付加し、好適な期間のパニング後、蛍光標識されたビーズを含有するウェルを同定する。ビーズが単一チャンバ内にある場合、蛍光標識されたビーズについてバーコードを同定する。両方の場合において、溶液中の「B」コフェロンは、PCR増幅およびDNAタグの配列決定によって、あるいは、バーコードがない場合は質量分光分析によって同定する。本プロセスは、標的に結合する多くの「A」−「B」コフェロン対を同定する。次いで、これらの有力な対を使用して、「C」コフェロンを引き出す。これは、二量体、または溶液中の「A」および「B」コフェロンの個々の単量体のいずれかの合成、ビーズ上の「C」コフェロン、および蛍光標識された標的タンパク質への付加、よりストリンジェントな条件下でのパニング、ならびに蛍光標識されたビーズを含有するウェルの同定によって、達成することができる。各蛍光ビーズに結合された「A」および「B」コフェロンは、PCR増幅およびDNAタグの配列決定によって、あるいは、バーコードがない場合は質量分光分析によってのいずれかで同定する。
【0525】
この主題の変形例では、2つの同一の多様性要素を有するビーズ上の「A」コフェロンを合成する。これによって、それらの両方が増加した結合親和性を提供することが可能になる。これを達成する簡単な方法は、多数が容易に二量体を形成できるように、「A」コフェロンの固体支持体上の取り込みを増加させることである。十分近接して二量体を形成し、(蛍光)標識された標的タンパク質との結合に選択的利点を提供する「A」コフェロンを含有するこれらのビーズは、最も強い標識(すなわち、蛍光)を示す。このアプローチを使用すると、三量体コフェロンの全体的形状が維持され、第2の「A」コフェロンはプレースホルダーとして作用する。第2のAコフェロンを、さらなるスクリーニングで「C」コフェロンと置き換えてもよいが、初期結合エネルギーが十分強い場合、最終的な薬物は、2つの同一「A」サブユニット、および1つの「B」サブユニットから構成され得る。また、本構想は、2つの同一の「A」サブユニットと、2つの同一の「B」サブユニットから構成される、四量体の標的に結合するコフェロンの同定に拡大することができる。
【0526】
また、PCR増幅タグを使用して、進化の原理を用いて一連の成功を収めるコフェロンを選択するように、多様性要素を再合成することができる。代替として、上位リガンドのそれぞれを再合成することができ、サイズ、可動性、または環状多様性要素については、大環状分子のサイズが異なる一連の接続部を介して付着させることができる。このテーマについての追加の変形例は、元の多様性要素だけでなく、わずかに異なる変形(例えば、同族の配列から1度に1つのアミノ酸残基のみが異なる)も再生成するためのものであり、様々なセットの接続部要素と組み合わせられる。この洗練されたコフェロンのセットは、適切な濃度の蛍光標識された標的タンパク質の存在下で再度スクリーニングされ、最も密接な結合の組み合わせの選択を可能にする。上記動的コンビナトリアルケミストリーと同じ原理が適用される。コフェロンの有力なトリプレットは、それらのバーコード、DNA配列タグ、または質量分光分析によって同定される。このプロトコルによって選択されたコフェロン三量体は、ナノモルからピコモルの範囲の標的に対する親和性を有するはずである。
【0527】
スクリーニングの第2のバージョンは(図11のものと類似)、可能性のあるリガンドのいくらかの予備知識、または一連の可能性のある結合要素を同定するための分子モデリングに依存する。例えば、標的は、チロシンキナーゼ等の既知の結合ポケットを有するタンパク質であり得る。ここでは、結合ポケット内に適合すると知られているかまたは推測される分子(および、その構造が同様の3次元空間を占有するであろう化学的変形例)が、サイズおよび可動性において異なる一連の接続部に付着されている。このライブラリーのメンバーのほとんどは、マイクロモルまたはさらにはナノモルの親和性を有する標的に結合するであろうことが推測される(しかし、実験的も実証されるべきである)。続いて、この結合ポケットリガンドの第1のライブラリーを、ビーズ上の種々の多様性要素を有するコフェロンの第2のライブラリー、および溶液中の多様性要素の第3のライブラリーと組み合わせる。結合要素の三量体を、上記のようにスクリーニングする。結合ポケットが活性部位も有する場合、このプロトコルによって選択されたコフェロン三量体は、酵素機能を阻害するはずであり、ナノモルからピコモルの範囲において標的に対する親和性を有するはずである。

A−B−A−B標的結合コフェロンのスクリーニング
【0528】
これらの四量体コフェロンには、3種類の形状が想到される。1つ目は、AおよびBリンカー要素を交互にする。かかるリンカー要素の最も単純なバージョンは、互いの上にスタッキングする芳香環を含有する。2つ目の形状は、B−B二量体に結合するA−A二量体を有する。これは、ヘッドトゥヘッドのホモ二量体を形成するが、4つのリンカー要素の基の間の結合を達成するように、2つの二量体のそれらの側での結合を可能にする基も有する、リンカー要素を使用して達成することができる。二量体は、互いの上に直接スタッキングしない可能性があり、オフセットであってもよい。第3の形状は、B−A二量体に結合するA−B二量体を有する。これは、ヘッドトゥヘッドのヘテロ二量体を形成するが、4つのリンカー要素の基の間に90度の角度を達成するように、2つの二量体のそれらの側での結合を可能にする基も有する、リンカー要素を使用して達成することができる。例えば、ヌクレオチド類似体塩基の水素結合または塩基のインターカレーションに基づくリンカー要素は、A−Bヘテロ二量体を形成することができ、2つのA−Bヘテロ二量体は、芳香族スタッキング相互作用を利用することによって相互の上にスタッキングすることができ、さらなる共有結合によって適所に保持される。
【0529】
A−B−A−B四量体コフェロンをスクリーニングするための多くの変形例が存在し、これらは、単量体多様性要素を合成する代わりに、複製多様性要素を合成し、リンカー要素を相互に連結することを除いて、コフェロン二量体をスクリーニングするための最初の変形例(図8〜12)に従う。また、2つのかかるコフェロンがA−B−A−B四量体の形成に関与するのを可能にする密度で、ビーズまたは粒子上の「A」セットのコフェロンを合成し、その後溶液中の「B」コフェロンを付加することができる。

環状の標的結合コフェロンセットのスクリーニング
【0530】
三量体、四量体、五量体、六量体、七量体から八量体のコフェロンの範囲の環状のコフェロンのセットに対して、2種類のスクリーニングおよび2種類の形状が想到される。第1の設計では、全てのコフェロンが同一、すなわち、環状A−A−A−A−A五量体コフェロンである。第2の設計では、コフェロンは交互になり、すなわち、環状A−B−A−B−A−B六量体コフェロンになる。
【0531】
複数のコフェロンのスクリーニングの設計において、コフェロンが適切な順序および適切な数で集合することが重要である。これを達成するための1つのアプローチは、コフェロンまたは多様性要素のみが上に付着する環状骨格を作製することである。最良のセットが同定されると、コフェロンは骨格なしで再合成される。
【0532】
例えば、−Lys−Asp−Gly−Asp−Gly−Asp−Gly−Asp−Gly−Asp−Gly−Asp−(配列番号1)の形態の環状ペプチドは、リジンγアミノ基を介したバーコード付きビーズの付着を可能にする。次いで、好適な長さのエチレングリコールスペーサーを、6つの全てのアスパラギン酸に付着させることができる。これに続いて、6つの全ての位置に同一の多様性要素を合成する。かかる「冠」設計は、多様性要素に標的に結合するために必要とされる柔軟性を与える。他の冠型骨格には、カリックスアレーンおよびシクロデキストリンが含まれる。
【0533】
上記の代替変形例は、6面構造に集合するように最適化されたリンカー要素を付着する。次いで、リンカー要素から直接多様性要素を構築するか、またはさらに多くの柔軟性を付加するために、リンカー要素と多様性要素との間にさらなるエチレングリコールスペーサーを使用することができる。この設計は、6つの同一の多様性要素から構成される、六量体コフェロンの同定に理想的に適している。
【0534】
混合多様性要素コフェロン、すなわち、環状A−B−A−B−A−B六量体コフェロンを生成するために、1つのアプローチは、−Lys−Asp−Gly−Cys−Gly−Asp−Gly−Cys−Gly−Asp−Gly−Cys−(配列番号2)の形態の環状ペプチドから開始する。先と同様、該ペプチドを、リジンγアミノ基を介してバーコード付きビーズに付着させる。CysまたはAsp基のいずれかは、さらなる化学反応を回避するために保護されてもよく、エチレングリコールスペーサーを残りの3つの基に付着させ、次いでリンカー要素、次いで同一の多様性要素をこれらの3つの鎖の上に構築する。最初の3つの多様性要素を構築後、他の3つのアミノ酸上の保護基を除去し、エチレングリコールスペーサーおよびリンカー要素を残りの3つの基に付加することによって、このプロセスを繰り返す。該ビーズはすでに「A」多様性要素をコード化しているため、ここで例えば、全ての位置にアラニンを使用して、同一の「コア」として全てのビーズ上に「B」要素を合成する。代替として、同一の「A」多様性要素を含有する過剰な数のビーズが存在する場合、ビーズを3Nのウェルに分割し、第1の多様性の位置にN個の異なるR基、または第2の多様性の位置にN個の異なるR基、または第3の多様性の位置にN個の異なるR基を有する「B」コフェロンを合成することによって、「B」コフェロンの位置について限定された多様性を試験することができる。あるウェルは、「A」コフェロンの位置に大きな構造の多様性を含む、多数(すなわち、1,000,000個)のビーズを有するが、あるビーズは、環状ペプチドを離れて合成された3つの全てのコフェロン内に同一の「A」多様性を有する。この単一のウェル中の全てのビーズは、3つの全ての位置に同一の「B」コフェロンを有する。蛍光標識された標的タンパク質をビーズ(多様な「A」コフェロンおよび同一の「B」コフェロンを含有する)に付加し、好適な期間のパニング後、蛍光標識されたビーズを含有するウェルを同定する。ビーズが単一チャンバ内にある場合、蛍光標識されたビーズについてバーコードを同定する。
【0535】
最良の候補「A」コフェロンを同定後(「B」コフェロンの限定された多様性を付加して、または付加せずに)、このプロセスを繰り返すが、今度はビーズは、「B」位置では多様化されるが、一方「A」位置は、最良の「A」コフェロン(複数可)に限定される分子を含有する。(先と同様、同一の「B」多様性要素を含有する過剰な数のビーズが存在する場合、「A」コフェロンについては限定された多様性を含むことができる)。蛍光標識された標的タンパク質をビーズ(多様な「B」コフェロンおよび同一の「A」コフェロンを含有する)に付加し、好適な期間のパニング後、蛍光標識されたビーズを含有するウェルを同定する。ビーズが単一チャンバ内にある場合、蛍光標識されたビーズについてバーコードを同定する。本プロセスは、まず「A」コフェロン、次いで「B」コフェロンを最適化し、必要な場合は繰り返して、最良の候補多様性要素を見出すことができる。本プロトコルによって選択されたコフェロン六量体(3つのA−B二量体から構成される)は、ナノモルからピコモルの範囲の標的に対する親和性を有するはずである。
【0536】
別のアプローチは、別個の巨大分子上の「A」および「B」セットのコフェロンの合成に依存し、両方のコフェロン内の多様性を同時にスクリーニングすることを可能にする。例えば、「A」コフェロンを、ポルフィリン環の4つのメソ位に、エチレングリコールスペーサーを介して付着させることができる。同様に、「B」コフェロンを、第2のポルフィリン環の4つのメソ位に、エチレングリコールスペーサーを介して付着させることができる。2つの構造体は、2つのポルフィリン環の芳香族スタッキングを介して相互作用することができる。その環が同軸性である場合、多様性要素は交互の形状にあり得、8つの全てのコフェロン多様性要素が一方の側に来て、高い親和性で標的に結合することが可能になる。1つのコフェロンセットはビーズ上、もう1つのセットは溶液中にあり得、両方のセットの同時のスクリーニングが可能になる。
【0537】
上記の全ての場合において、有力な多様性要素の「多重」が同定された後、それらのコフェロンを、多量体コフェロンが好適な標的に結合するのを可能にするのに好適なリンカーを有する、単量体多様性要素を用いて再合成する。

スクリーニングに基づく選択
【0538】
コフェロンは、細胞外で脱集合し、細胞内で再集合して、巨大分子相互作用に影響を及ぼし得る小型抗体として考えることができる。コフェロンがどうやって正しい標的と他の密接に関連する標的とを識別するのか(すなわち、特異性)、そしてそれは問題になっている生物学的活性をどうやって調整するのかの、2つの問題が持ち上がる。
【0539】
上記の進化的に推進される選択は、全て標的への結合に基づくが、それらは標的の特定の表面または面への結合には言及しておらず、特異性の問題にも言及していない。例えば、アプタマーは、既知のタンパク質に非常に高い結合親和性で結合することで選択することができるが、これらはしばしば、タンパク質標的上の正電荷を持つ残基と相互作用する負電荷を持つDNA主鎖によって駆動されることが判明し、よって、かかるアプタマーはしばしば誤った標的との大量の非特異的結合を有する。
【0540】
現在の組み換え技術を用いて、事実上全てのタンパク質の精製された野生型および特異的な突然変異体を生成し、タンパク質標的をビーズ等の固体表面、ならびに蛍光的に標識されたかかるタンパク質に共有結合的に付着させることは、単純明快である。また、蛍光基および消光基を小分子、結合リガンド等の上に付着させるためのいくつかの試薬がある。かかる基の組み合わせを用いて、FRETシグナルを観察することにより2つの巨大分子の密接な結合を検出するか、あるいは逆に、蛍光基を近くの消光基から分離することによって、すでに結合していない2つの巨大分子を検出することができる。最後に、信号伝達または適切に機能するために、ATP等のエネルギー源を必要とする多くのタンパク質標的には、「活性」または「不活性」のいずれかの立体構造にタンパク質を「凍結させる」ことができる多くの類似体がある。
【0541】
タンパク質の特定の面または基質結合ポケットに結合するコフェロンの選択。これらの条件下で、問題の面に結合する1つ以上の突然変異もしくは化学修飾または阻害剤を含有する非結合標的タンパク質を合成または操作し、その結果、その非結合標的タンパク質は、そのパートナータンパク質、または基質に結合する能力をもはや有しない。
【0542】
1つのコフェロンをビーズに付着させ、蛍光標識されたタンパク質を用いてタンパク質の結合を検出する場合。モル過剰の標識されていない操作した非結合標的タンパク質を、例えば、100:1過剰で標識された標的タンパク質に付加する。標的タンパク質には固有に結合するが、操作した非結合標的タンパク質には結合しないコフェロン対を含有するビーズは、蛍光標識されたタンパク質に結合し、その後識別することができる。
【0543】
タンパク質をビーズに付着させ、コフェロンを、ビーズ上のタンパク質により密接に結合することによって選択する場合。標的タンパク質を、他のビーズと分離することができる磁性ビーズ、またはコード化ビーズに付着させることができる。操作した非結合標的タンパク質を、より高いレベル、例えば、100:1過剰で存在する他のビーズに付着させることができる。操作した非結合標的タンパク質を含有する過剰なビーズは、誤った表面に結合するコフェロンを無力化する。しかし、標的タンパク質の正しい表面に結合するコフェロンは、これらのビーズのそれぞれ(i)磁気分離、または(ii)FACS選別によって選択することができる。
【0544】
特定の立体構造のタンパク質に結合するコフェロンの選択、例えば、ATPに結合する場合。これらの条件下で、そのタンパク質に結合して、それを活性立体構造に「凍結させる」ために、不可逆的なATP類似体を使用する。これらの条件下で、1つ以上の突然変異または化学修飾を含有する非類似体結合標的タンパク質を合成または操作し、その結果、非類似体結合標的タンパク質は、それを活性立体構造に「凍結させる」能力をもはや有しない。
【0545】
1つのコフェロンをビーズに付着させ、不可逆的な類似体基質に結合された、蛍光標識されたタンパク質を使用して、活性立体構造にあるタンパク質の結合を検出する場合、標識されていない操作した非類似体結合標的タンパク質を、標識された標的タンパク質にモル過剰、例えば、100:1過剰で付加する。標的タンパク質には固有に結合するが、操作した非類似体結合標的タンパク質には結合しないコフェロン対を含有するビーズは、蛍光標識されたタンパク質に結合し、その後識別することができる。
【0546】
活性立体構造にあるタンパク質をビーズに付着させ、コフェロンをビーズ上のタンパク質へのより密着な結合によって選択する場合、活性立体構造にある標的タンパク質を、(不可逆的な類似体基質の使用により)他のビーズから分離することができる磁性ビーズ、またはコード化ビーズに付着させる。操作した非類似体結合標的タンパク質を、より高いレベル、例えば、100:1過剰で存在する他のビーズに付着させる。操作した非類似体結合標的タンパク質を含有する過剰なビーズは、誤った立体構造に結合するコフェロンを阻害する。しかし、標的タンパク質の正しい立体構造に結合するコフェロンは、これらのビーズのそれぞれ(i)磁気分離、または(ii)FACS選別によって選択することができる。
【0547】
コフェロンは、タンパク質の特定の面に結合して、そのタンパク質が第2のタンパク質に結合するのを妨害するように選択することができる。
【0548】
1つのコフェロンをビーズに付着させ、蛍光標識されたタンパク質を使用して標的タンパク質の結合を検出する場合、蛍光シグナルを有する標的タンパク質、および標的タンパク質に結合する消光基(複数可)を有する過剰な第2のタンパク質を使用して、蛍光シグナルを消光する。第2のタンパク質の結合を妨害するように、標的タンパク質に固有に結合するコフェロン対を含有するビーズは、蛍光標識されたタンパク質に結合し、その後識別することができる。
【0549】
コフェロンは、結合して、タンパク質間結合相互作用を促進するように選択することができる。
【0550】
1つのコフェロンをビーズに付着させ、蛍光標識されたタンパク質を使用して標的タンパク質の結合を検出する場合、蛍光シグナルを有する標的タンパク質、および標的タンパク質に結合するとFRETシグナルを生成する別の蛍光基を有する、第2のタンパク質を使用する。標的タンパク質および第2の標的タンパク質に固有に結合して、それらの相互作用を促進するコフェロン対を含有するビーズは、FRETシグナルを生成し、その後識別することができる。
【0551】
コフェロンは、酵素作用またはタンパク質機能を阻害または促進するように選択することができる。
【0552】
1つのコフェロンをビーズに付着させ、蛍光標識されたタンパク質を使用して標的タンパク質の結合を検出する場合、タンパク質のマイクロタイターウェルへの結合を示す蛍光標識されたビーズを選択し、個々のタンパク質活性についてアッセイする。

治療薬
【0553】
本発明のさらなる実施形態は、共有結合的または非共有結合的に結合した複数の単量体を含む治療的多量体に関する。各単量体は、300μM未満の解離定数で標的分子に結合する多様性要素と、500ダルトン未満の分子量を有し、生理的条件下で、補因子とともに、又は補因子なしで、30μM未満の解離定数で、リンカー要素の結合パートナーと可逆的な共有結合または非共有結合性の密接な相互作用を形成することができる、リンカー要素とを含む。各単量体について、多様性要素およびリンカー要素は連結している。複数の単量体は、それらのリンカー要素を介して共有結合するかまたは非共有結合的に結合し、複数の単量体の多様性要素が、標的分子の近接した位置に結合する。
【0554】
標的分子に関連する対象の状態を治療する方法は、治療的二量体を提供すること、その状態を有する対象を選択することと、その状態を治療するのに有効な条件下で、選択された対象に治療二量体を投与すること、により実行することができる。
【0555】
本発明の別の実施形態は、結合して治療的多量体を形成することができる、複数の治療的単量体に関する。各単量体は、標的分子に結合する多様性要素と、500ダルトン未満の分子量を有し、生理的条件下で、補因子とともに、又は補因子なしで、300μM未満の解離定数で、リンカー要素の結合パートナーと共有結合または非共有結合性の密接な相互作用を形成することができる、リンカー要素とを含む。300μM未満の解離定数を有する多様性要素と、リンカー要素とは、各単量体について、直接的にまたは接続部を介して間接的に接続される。複数の単量体は、それらのリンカー要素を介して共有結合するかまたは非共有結合的に結合することができ、複数の単量体の多様性要素が、標的分子の近接した位置に結合する。
【0556】
標的分子に関連する対象の状態を治療する方法は、複数の治療的単量体を提供すること、その状態を有する対象を選択することと、その状態を治療するのに有効な条件下で、選択された対象に複数の治療単量体を投与することと、により実行される。
【0557】
治療的二量体は、DNAおよびビーズが除去された二量体である。これらは、図2.1E(接続部あり)、および図2J(接続部なし)に示される。
【0558】
本発明の治療上有効な用量の化合物は、従来の毒性のない医薬的に許容される担体、アジュバント、および媒体を含有する投薬単位製剤の形態で、経口的、局所的、非経口的、吸入噴霧により、または経直腸的に投与することができる。本明細書で使用される、非経口という用語には、皮下注射、静脈内、筋肉内、胸骨内注射、または注入法が含まれる。
【0559】
活性成分を含有する医薬組成物は、例えば、錠剤、トローチ、ロゼンジ、水性もしくは油性の懸濁液、分散性粉末もしくは顆粒、エマルジョン、硬質もしくは軟質カプセル、またはシロップもしくはエリキシル剤としての経口使用に好適な形態であり得る。本発明の医薬組成物は、1つ以上の医薬賦形剤とともに製剤化される活性成分を含有する。本明細書で使用される、「医薬賦形剤」という用語は、毒性のない、不活性固体、半固体、もしくは液体の充填剤、希釈剤、封入材料、または任意の種類の配合助剤を意味する。医薬賦形剤のいくつかの例は、ラクトース、グルコース、およびショ糖等の糖;コーンスターチもしくはジャガイモデンプン等のデンプン;カルボキシルメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、および酢酸セルロース等のセルロースおよびその誘導体;トラガント末;麦芽;ゼラチン;タルク;カカオバターおよび坐剤蝋等の賦形剤;ピーナッツ油、綿実油、ベニバナ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油、および大豆油等の油;プロピレングリコール等のグリコール;オレイン酸エチルおよびラウリン酸エチル等のエステル;寒天;水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウム等の緩衝剤;アルギン酸;パイロジェン除去水;等張食塩水;リンゲル液;エチルアルコール;リン酸緩衝液;ラウリル硫酸ナトリウムおよびステアリン酸マグネシウム等の無毒性の適合する潤滑剤;ならびに着色料、放出剤、甘味料、および着香料、および芳香剤である。また、エチルまたはn−プロピルp−ヒドロキシ安息香酸等の保存料および抗酸化剤も、本医薬組成物に含むことができる。
【0560】
本発明で開示される化合物の局所または経皮投与用の剤形には、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、硬膏剤、パップ剤、粉末、溶液、噴霧剤、吸入剤、またはパッチが含まれる。活性構成成分は、医薬的に許容される担体、および必要に応じて、必要とされる保存料もしくは緩衝液と、無菌条件下で混合される。軟膏、ペースト、クリーム、およびゲルは、本発明の活性化合物に加えて、動物性および植物性の脂肪、油、ワックス、パラフィン、デンプン、トラガカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、ケイ素、ベントナイト、ケイ酸、タルク、および酸化亜鉛、またはそれらの混合物等の賦形剤を含有することができる。
【0561】
経鼻投与については、本発明で開示される化合物は、鼻腔用アプリケーターから液状または粉末状で好適に投与することができる。眼科用途に好適な形態には、当該技術分野において既知であるローション、チンキ、ゲル、軟膏、および眼科用インサートが含まれる。直腸投与(結腸の局所療法)には、本発明の化合物は、溶液中、特に例えば、植物油または停留浣腸として使用するための油系中の、坐剤もしくは浣腸形態で投与することができる。
【0562】
本発明で開示される化合物は、ネブライザー形態または乾燥粉末としてのいずれかで、吸入経路によって肺に送達することができる。喘息および他の気道閉塞疾患、ならびに/または慢性副鼻腔炎の治療における、全身経路を越える吸入経路の利点は、患者は非常にわずかな量の薬物に曝露され、本化合物が作用部位に直接送達されることである。
【0563】
用いられる本発明の化合物の投薬量は、治療の部位、治療される特定の状態、状態の重症度、治療される対象(体重、年齢、全体的な健康、性別、および他の因子が異なり得る)、ならびに所望の効果に依存して異なる。
【0564】
医薬用担体材料と組み合わせて単一剤形を産生することができる活性成分の量は、治療される宿主および特定の投与様式に依存して異なる。
【0565】
標的分子は、(1)Gタンパク質共役型受容体、(2)核内受容体、(3)電位開口型イオンチャネル、(4)リガンド開口型イオンチャネル、(5)受容体型チロシンキナーゼ、(6)増殖因子、(7)プロテアーゼ、(8)配列特異的プロテアーゼ、(9)ホスファターゼ、(10)タンパク質キナーゼ、(11)生理活性脂質、(12)サイトカイン、(13)ケモカイン、(14)ユビキチンリガーゼ、(15)ウイルス制御因子(16)細胞分裂タンパク質、(17)骨格タンパク質、(18)DNA修復タンパク質、(19)細菌リボソーム、(20)ヒストン脱アセチル化酵素、(21)アポトーシス制御因子、(22)シャペロンタンパク質、(23)セリン/スレオニンタンパク質キナーゼ、(24)サイクリン依存性キナーゼ、(25)増殖因子受容体、(26)プロテアソーム、(27)シグナル伝達タンパク質複合体、(28)タンパク質/核酸輸送体、および(29)ウイルスカプシドから構成される群より選択することができる。
【0566】
治療的多量体、または複数の治療的単量体は、1つ以上の既知のリガンドを多様性要素として含有し、標的分子の野生型および突然変異体の両方に対して、単一リガンドを用いて達成されるよりも高い有効性を達成する。
【0567】
治療的多量体または複数の治療的単量体は、SH2、FHA、14−3−3、WW、WD40、MH2、BROMO、UBA、PTB、SH3、EVH1、GYF、VHS、PDZ、PUF、TUBBY、SAM、DD、CARD、PyD、PB1、BRCT、PH、FYVE、C1、FERM、C2、PX、およびENTHから構成される群より選択されるドメインのうちの1つ以上に結合するか、またはそれらを模倣する。
【0568】
治療的多量体または複数の単量体は、(1)標的からの基質の解離定数以下の解離定数を有する標的に結合することにより、基質の標的切断、(2)結合タンパク質の解離定数以下の解離定数を有する標的に結合することにより、結合タンパク質の標的への結合、(3)標的に結合して結合パートナーを模倣することにより、結合パートナーによる標的の不活性化、(4)不活性化結合パートナー−標的複合体または不活性化結合パートナー−突然変異標的複合体に結合することにより、結合パートナーによる標的または突然変異標的の不活性化、(5)標的に結合して、標的および多量体に結合する第2の結合パートナーを動員し、多量体−標的−第2の結合タンパク質複合体(解離定数は、第1の結合タンパク質の解離定数以下の解離定数である)を形成することにより、第1の結合パートナーの標的への結合、(6)受容体標的に結合して、受容体の二量体形成を妨害することにより、受容体標的への結合、(7)受容体標的にリガンド結合部位で結合してアンタゴニストとして作用すること、または受容体標的に結合パートナー結合部位で結合してアンタゴニストとして作用することにより、受容体標的に対するその動員を低減することによる、結合パートナーへの結合、(8)単量体または二量体の標的に結合することにより、標的のフィラメントへの重合、および(13)単量体または二量体の標的に結合することにより、標的の凝集について、妨害するか、結合を阻害するか、または活性化を阻害するかのいずれかである。
【0569】
治療的多量体または複数の治療的単量体は、(1)標的に結合して結合パートナーを模倣することにより、結合パートナーによる標的の活性化、(2)活性化結合パートナー−標的複合体または活性化結合パートナー−突然変異標的複合体に結合することにより、結合パートナーによる標的または突然変異標的の活性化、(3)標的に結合して、標的、多量体、および第1の結合パートナーに結合するように第2の結合パートナーを動員し、多量体−標的−第2の結合タンパク質複合体を形成するか、または多量体−標的−第1の結合タンパク質−第2の結合タンパク質複合体を形成することにより、標的への第1の弱い結合パートナー、(4)リガンド結合部位で受容体標的に結合し、受容体の二量体形成を促進することにより、受容体標的、(5)受容体標的上のアロステリック部位に結合して、活性化リガンドの存在下において受容体の二量体形成を促進することにより、受容体標的、および(6)受容体標的にリガンド結合部位で結合し、結合パートナーを動員および活性化させるアゴニストとして作用することにより、あるいは受容体標的およびリガンドまたは受容体標的および結合パートナーに結合し、結合パートナーの動員および活性化を促進することにより、受容体標的に結合するリガンドによって受容体標的に動員される結合パートナーについて、活性化を促進するか、結合を促進するか、または活性化するかのいずれかである。
【0570】
治療的多量体または複数の治療的単量体は、(1)標的または突然変異標的の折り畳みを安定させる、(2)共有結合的なシグナル伝達事象を促進するかまたは妨害する、(3)共有結合的なシグナル伝達事象を模倣する、(4)マルチサブユニットの集合を阻害する、(5)マルチサブユニットの脱集合を阻害する、または(6)標的または標的結合パートナーに結合することにより分解を阻害することにより、タンパク質の代謝を促進するか、変化させるかのいずれかである。
【0571】
治療的多量体または複数の治療的単量体は、標的または標的修飾酵素複合体に結合して、追加のタンパク質相互作用を介してタンパク質のシグナル伝達、輸送、または分解を阻害、活性化、促進、または調整することによる、リン酸化、脱リン酸化、アセチル化、メチル化、SUMO化、ユビキチン化、ファルネシル化、ならびに糖および糖鎖の付加によって、標的の共有結合的修飾を妨害、活性化、促進、または模倣する。
【0572】
治療的多量体または複数の治療的単量体は、(1)第1の部位で結合することができる複数の単量体、および隣接する第2の部位で結合することができる複数の単量体であって、治療的多量体のカクテルを生じ、ウイルス標的および突然変異ウイルス標的の広範な阻害を提供する複数の単量体を提供することにより、逆転写酵素、プロテアーゼ、またはウイルス組込みタンパク質を含む一連の標的からの本質的なウイルス標的、(2)ウイルス侵入の補助に関与する細胞受容体に結合することおよびそれを阻害することにより、ウイルスの細胞内侵入、(3)ウイルスの機能を補助する細胞タンパク質、または(4)宿主防御タンパク質をそれ以上阻害しないように、ウイルスタンパク質、のいずれかを妨害または阻害する。
【0573】
治療的多量体は、治療的多量体の標的分子への結合が、標的タンパク質への結合からの解離定数以上の解離定数を有する別のタンパク質、タンパク質ドメイン、巨大分子、または基質をとりのけるのに十分であるように、または、標的細胞内の標的分子の約70%から100%が治療的多量体に結合され、所望の治療効果を達成するよう、標的分子またはその結合パートナーの生物学的活性を活性化、促進、または阻害するのに十分に密接な結合であるように、治療的多量体は、約47pM以下の10倍の範囲内から48nMの10倍の範囲内である前記標的分子からの解離定数を有する。本方法は、標的分子からの多様性要素の解離定数が、100nMの3倍の範囲内から10μMの3倍の範囲内である、第1の単量体を提供することを含む。標的分子からの多様性要素の解離定数が、1μMの3倍の範囲内から10μMの3倍の範囲内である、第2の単量体も提供される。第1の単量体のリンカー要素と第2の単量体のその結合パートナーとの間の解離定数は、10μMの3倍の範囲内から100μMの3倍の範囲内である。リンカー要素をそれぞれの単量体の多様性要素に連結する接続部は、約2個以下の回転可能な結合から約5個の回転可能な結合の範囲内である。治療的多量体は、定常状態での血中単量体濃度が約0.1μM〜約5.0μM以上の範囲となるように存在する。

予測的実施例
【0574】
以下の予測的実施例は、コフェロンを調製するための手順を説明する。ステップには、1)リンカー要素単量体のビーズ結合ライブラリーおよび溶液ライブラリーの合成、2)最も密接に結合するリンカー要素二量体をもたらすリンカー要素単量体対のスクリーニングおよび選択、3)コフェロン単量体のライブラリーを生成するための、選択したリンカー要素単量体のそれぞれに付着する多様性要素のライブラリーの合成、および4)標的タンパク質に対して最も高い親和性を有するコフェロン二量体のスクリーニングおよび選択が含まれる。

予測的実施例1−リンカー要素単量体のライブラリーの合成
【0575】
予測的実施例のこの部分では、図30に記載されるように、一般式XIIIによって示される、結合パートナーのうちの1つ以上と相互作用する芳香族化合物である、リンカー要素9の種類のリンカー要素の合成を説明する。以下のプロセスにはビーズが使用され、各ビーズが固有の識別子を有する。この識別子は、Veracode(商標)バーコード、DNAの配列、スペクトルで識別され得る分子のセット、または質量によって識別され得る分子のセットであり得る。概して、ビーズの数は、異なる最終産物の構造の数を超え、その結果、1つを超えるバーコードが、独立したビーズ上の同一最終産物をコード化することができるが、同一バーコードおよび異なる産物分子を有する2つのビーズは存在しない(立体異性体以外)。10個の異なるセットのVeracode(商標)ビーズ(各ビーズが異なるバーコードを担持する)を、10個の異なるアルキンと個別に反応させて、共有結合を形成する。これによって、Ar〜Ar10が10個の異なる芳香族基を表す、ビーズに共有結合的に付着した式(1)のアルキンのセットが産生される。所与の個々のビーズに付加されたアルキンは、アルキン反応の前または後のいずれかに、10個のセットそれぞれの各ビーズのバーコードを読み取って判定する。アルキンは、−NH、−COOH、または他の反応基で官能化されたVeracode(商標)ビーズに付着されてもよく、その結果、芳香族アルキンとビーズとの間に形成された共有結合を、適切な試薬を使用して切断することができる。次いで、ビーズをプールし、10個の新しい異なるセットに等分割し、各セットを、Ar11〜Ar20が10個の異なる芳香族基を表す式(2)の10個の異なるアジドのうちの1つと反応させる。所与の個々のビーズに付加されたアジドは、アジド反応の前または後のいずれかに、10個のセットそれぞれの各ビーズのバーコードを読み取って判定する。この反応によって、Veracode(商標)ビーズに共有結合的に付着した、式(3)の100個のはっきりと異なる二置換1,2,3−トリアゾールのライブラリーの合成がもたらされる。所与のビーズ上でトリアゾールに付着される特定の芳香環の性質は、各ビーズをコード化するバーコードから推測することができる。次いで、二置換1,2,3−トリアゾールを担持するビーズをシステインと反応させて、システイン残基を担持する、式(4)の、ビーズに結合した二置換1,2,3−トリアゾールリンカー要素のライブラリーを形成する。システイン残基は、システインチオールがアミノ化と競合するのを防ぐために、そのジスルフィド型で付加されてもよい。この場合、チオエタノールでのその後の処理によって、遊離システインチオールが生成される。
【0576】
次いで、該プロセスを図31に示すように繰り返し、10個の新しいセットの異なるVeracode(商標)ビーズ(各ビーズが異なるバーコードを担持する)を、10個の異なるアジドと個別に反応させる。これによって、Ar〜Ar10が10個の異なる芳香族基を表す、ビーズに共有結合的に付着した式(5)のアジドのセットが産生される。所与の個々のビーズに付加されたアジドは、アジド反応の前または後のいずれかに、10個のセットそれぞれの各ビーズのバーコードを読み取って判定する。次いで、ビーズをプールし、10個の新しい異なるセットに等分割し、各セットを、Ar11〜Ar20が10個の異なる芳香族基を表す式(6)の10個の異なるアルキンのうちの1つと反応させる。所与の個々のビーズに付加されたアルキンは、アルキン反応の前または後のいずれかに、10個のセットそれぞれの各ビーズのバーコードを読み取って判定する。この反応によって、Veracode(商標)ビーズに共有結合的に付着した、式(7)の100個のはっきりと異なる二置換1,2,3−トリアゾールのライブラリーの合成がもたらされる。次いで、二置換1,2,3−トリアゾールを担持するビーズをシステインと反応させて、システイン残基を担持する、式(8)の、ビーズに結合した二置換1,2,3−トリアゾールリンカー要素のライブラリーを形成する。システイン残基は、システインチオールがアミノ化と競合するのを防ぐために、そのジスルフィド型で付加されてもよい。この場合、チオエタノールでのその後の処理によって、遊離システインチオールが生成される。これが、リンカー要素ライブラリー2である。
【0577】
2つのリンカー要素ライブラリー(ライブラリー1および2)を含むビーズをまず組み合わせて、次いで二等分する。ビーズの半分は、リンカー要素単量体のビーズセットとして保持する。このセットをβ−メルカプトエタノール、または類似の薬剤と反応させて、混合ジスルフィド結合を生じさせる。ビーズのもう半分は、適切な試薬で処理して、リンカー要素をビーズから切断し、それらを溶液中に放出させる。次いで、放出されたリンカー要素分子を蛍光色素と反応させて、それらが蛍光色素と共有結合するようにする。これらの蛍光標識されたリンカー要素単量体が、リンカー要素単量体の溶液セットである。図32を参照されたい。

予測的実施例2−最も高い親和性で互いに結合するリンカー要素対を見出すための、リンカー要素単量体のスクリーニング
【0578】
リンカー要素単量体のビーズセットを、生理的条件を模倣する水性緩衝液(pH7.4、37℃)中のリンカー要素単量体の溶液セットと相互作用させる。溶液中のリンカー要素を、可逆的様式でビーズ上のリンカー要素にインターカレートする。最も密接に結合するリンカー要素単量体対については、この平衡は、リンカー要素二量体の形成に移行する(図33)。予測的実施例のこの部分では、芳香族基ArおよびArを含有する単量体と、芳香族基ArおよびArを含有する単量体との間で、最も高い親和性が見られる。芳香族基ArおよびArを隣接するリンカー要素単量体1,2,3−トリアゾールは、Veracode(商標)ビーズに結合され、Veracode(商標)ビーズ上のバーコードに基づいて同定することができる。芳香族基ArおよびArを隣接するリンカー要素単量体1,2,3−トリアゾールは、溶液中にあり、かつ蛍光ラベルを担持する。この溶液をスクリーニングする際、蛍光シグナルを提供するビーズを選択する。Veracode(商標)バーコードは、ビーズに付着したリンカー要素単量体(ArおよびArを有する)を同定する。また、溶液は、全く同じリンカー要素単量体を含有し、芳香族基ArおよびArを含有する単量体は溶液中にあり、蛍光ラベルを担持し、芳香族基ArおよびArを含有する単量体は、異なるバーコードを有するVeracode(商標)ビーズに付着される。これらのリンカー要素単量体間で形成された二量体も選択し、Veracode(商標)バーコードによって、ビーズに付着したリンカー要素単量体(ArおよびArを有する)を同定する。
【0579】
次のステップで、これらのリンカー要素単量体のそれぞれに、多様性要素ライブラリーを合成する。

予測的実施例3−コフェロン単量体のライブラリーを生成するための、選択したリンカー要素単量体のそれぞれに付着する多様性要素のライブラリーの合成
【0580】
三置換シクロペンタン骨格に基づく多様性要素ライブラリーを合成し、第1のリンカー要素に付着させる。リンカー要素を、各ビーズが固有のバーコード(式(9))を含有する、Veracode(商標)ビーズのセット上に再合成し、10個の異なるアミノ酸(式(10))と反応させて、式(11)のリンカー要素−アミノ酸のライブラリーを形成する。Veracode(商標)バーコードは、リンカー要素に付着した特定のアミノ酸を特定する。アミノ酸の側鎖は、最終的なコフェロン単量体中の多様性の領域に相当する。次いで、ビーズ結合ライブラリーを塩化チオニルと反応させて、アミノ酸のカルボン酸基を酸塩化物に変換することによって、リンカー要素−アミノ酸塩化物のビーズ結合ライブラリー(式12))を形成する。図34を参照されたい。
【0581】
図35に示されるように、(1R,3R,4S)−3,4−ジアミノシクロペンタノール(13)を樹脂と反応させて、アミノ基のうちの1つをその樹脂に共有結合させる。次いで、樹脂結合構造(14)をN,N'−ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)で処理し、10個の異なる反応槽内で、R1〜10が10個の異なる脂肪族、脂環式、または芳香族基を表す、10個の異なるカルボン酸R1〜10COOHの1つずつと反応させて、シクロペンタノールの遊離アミンと酸との間にアミド結合を形成する(15)。これらのカルボン酸アミドは、最終的なコフェロン単量体の多様性の別の領域に相当する。カルボン酸とシクロペンタノールのヒドロキシル基との間に一時的に形成されたエステルを、アンモニアおよびメタノールの混合物で加水分解する。アミド(15)のそれぞれ個々のセットをトリフルオロ酢酸(TFA)およびトリイソプロピルシラン(TIS)で処理し、各セットを樹脂から切断し、遊離アミノ基(16)を有する、10個の異なるセットのシクロペンタノールアミドを生成し、次いで、塩化モノメトキシトリチル(MMTrCl)と反応させて、アミノ基(17)を保護する。各R基が何であるかは、セットが別個に維持されているために区別される。
【0582】
次いで、図36に示されるように、10個のセットのシクロペンタノールアミド(17)を、4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)中のリンカー要素−アミノ酸塩化物のビーズ結合ライブラリー(12)と反応させて、アミノ酸が、シクロペンタノールアミドのヒドロキシル基とエステル結合を形成する、リンカー要素のライブラリー(18)を形成する。所与の個々のビーズに付加されたカルボン酸は、アミド反応の前または後のいずれかに、10個のセットそれぞれの各ビーズのバーコードを読み取って判定する。次いで、該分子をジクロロメタン(DCM)中のトリフルオロ酢酸(TFA)で処理し、モノメトキシトリチル保護基を除去して、遊離アミン(19)を生成する。
【0583】
ビーズをプールしてライブラリーを生成し、これで、1位に10個の異なるエステル、3位に10個の異なるアミド、および4位に遊離アミノ基を有するシクロペンタン骨格を担持する、リンカー要素単量体に付着したビーズを含有する(19)。次いで、ライブラリーを10個のセットに等分割し、各セットを、R11〜20が10個の異なる脂肪族、脂環式、もしくは芳香族基を表す、10個の異なるカルボン酸R11〜20COOHのうちの1つ、およびジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)で処理し、シクロペンタン骨格の4位に、カルボン酸とアミノ基との間のアミドを形成し、図37に示されるコフェロン単量体のライブラリー(20)を形成する。所与の個々のビーズに付加されたカルボン酸は、アミド反応の前または後のいずれかに、10個のセットそれぞれの各ビーズのバーコードを読み取って判定する。これらのカルボン酸アミドは、最終的なコフェロン単量体の多様性の第3の領域に相当する。図38は、緑色、黄色、および赤紫色の楕円を上に重ねた、コフェロン単量体における構造的多様性の、3つのはっきりと異なる領域を示す。
【0584】
このプロセス全体を、第2のリンカー要素単量体で繰り返す(ArおよびArを有するリンカー要素に付着する多様性要素ライブラリーを生じさせるために)。このライブラリーをビーズから放出させ、上記ビーズ結合ライブラリー(リンカー要素単量体はArおよびArを含有する)と併せて使用して、標的タンパク質に対して最も高い親和性を有するコフェロン二量体をスクリーニングする。

予測的実施例4−最も高い親和性で標的タンパク質に結合するコフェロン対を見出すためのコフェロン単量体のスクリーニング
【0585】
標的タンパク質をフルオロフォアで標識し、1つはVeracode(商標)ビーズに結合されたコフェロンライブラリー、もう1つは溶液中のコフェロンライブラリーの、2つのコフェロンライブラリーを用いてインキュベートする。コフェロン単量体は、標的に可逆的に結合する。より高い親和性で標的に結合するコフェロン単量体を、これらのより高い親和性を示す単量体について、平衡が溶液中の遊離単量体からタンパク質に結合した単量体に移行するに従い、溶液から徐々に除去する。最も高い親和性を有するコフェロン単量体は、タンパク質に結合すると互いに相互作用し、コフェロン二量体を形成する。一部のコフェロン二量体は、両方の単量体がVeracode(商標)ビーズに付着した単量体を含む。他のコフェロン二量体は、両方の単量体が、溶液中のコフェロンライブラリーからのものである単量体を含む。第3のコフェロン二量体のセットは、1つの単量体はVeracode(商標)ビーズに付着し、もう1つの単量体は溶液中にある単量体を含む(図39を参照)。コフェロンリンカー要素を慎重に選択すれば、コフェロン二量体の大半が、Veracode(商標)ビーズ上の1つの単量体と、溶液からのもう1つの単量体を含有し、両方が標的タンパク質をビーズに結合するように、ヘテロ二量体コフェロンの形成を促進することができる。好適な期間のインキュベーション後、ビーズを選別して、最も強い蛍光シグナルを出すビーズを選択する。ビーズ上のVeracode(商標)バーコードは、標的タンパク質に結合するコフェロン単量体のうちの1つを同定する。溶液ライブラリーからの第2のコフェロン単量体が何であるかを判定するために、ビーズ上のライブラリーと溶液中のライブラリーが逆になるように、実験を繰り返す。
【0586】
そして、有力なコフェロン二量体を作製するコフェロン単量体を、治療的単量体として使用するために個別に合成することができる。
【0587】
これらの予測的実施例は、各ステップで多様性に10倍の増加が導入される、3つの合成ステップを使用する。種々の構造中の立体異性体およびキラリティーのために、実際多様性はより高い。最低でも、それぞれのコフェロン単量体セットに対して1,000個の多様性要素が生成される。したがって、二量体として使用されると、その多様性は10である。
【0588】
上記の予測的実施例は、合成ステップにつき10個のみの付加に限定する必要はない。例えば、約2,000の市販の低分子量のアミノ酸、および同等の数の市販の低分子量のカルボン酸が存在する。
【0589】
分子生物学において、ロボット機器の分野に精通するものは、96ウェルまたは384ウェルの形態での反応の実行が容易であることを認識している。以下の説明の目的で、これらの数は、このプロセスによって生成される多様性の算出を簡略化するために、100の反応および400の反応に切り上げることができる。比較のために、個々の抗体のペプチド認識アームは、約10〜1012の多様性を有する。
【0590】
3つのステップのそれぞれに100個の多様性要素を有する3つのステップから構成される、コフェロン単量体ライブラリーの作製を考慮する場合、最終ライブラリーの多様性は、10である。次いで、このライブラリーを、等しい多様性を有する溶液中の別のライブラリーと組み合わせる場合、その二量体の多様性は、これで1012であり、最良の抗体の多様性ループと同一レベルである。しかしながら、動的コンビナトリアルケミストリーによる平衡に到達する時間が長すぎるか、または各反応物の濃度が低すぎることが判明する場合がある。結果として、バックグラウンドまたは非特異的な影響が、有力なコフェロン対の同定を妨げる場合がある。
【0591】
高レベルのコフェロン多量体に起こり得るこの制限を克服するために、コフェロン二量体をスクリーニングするための代替のアプローチを使用することができる。
【0592】
96ウェルの形態(やはり、ここで単に100ウェルと称される)での合成は容易であるため、最後のステップは、ビーズ上に保持される反応、ならびに固体支持体から切断されるものの両方のために、これらの100ウェルを個々の反応チャンバとして別個に維持することができる。そのような場合、クエリされる全体の多様性は10×10=1012であるが、各ウェル中でクエリされる個々の多様性が10×10=10のみであるように、100ウェルの100プレート(実際には96ウェルの96プレート)をスクリーニングすることができる。
【0593】
同様に、384ウェルの形態(やはり、ここで単に400ウェルと称される)での合成について、最後のステップは、ビーズ上に保持される反応、ならびに固体支持体から切断されるものの両方のために、これらの400ウェルを個々の反応チャンバとして別個に維持することができる。そのような場合、クエリされる全体の多様性は6.4×10×6.4×10=4.1×1015であるが、各ウェル中でクエリされる個々の多様性が1.6×10×1.6×10=2.6×1010のみであるように、400ウェルの400プレート(実際には384ウェルの384プレート)をスクリーニングすることができる。最良のリード分子の容易なスクリーニングおよび同定を可能にする、このレベルの多様性は、標準的なコンビナトリアルケミストリー手段によって達成することは困難である。

予測的実施例5−標的タンパク質へのコフェロン二量体の結合平衡のシミュレーション:各コフェロン単量体および標的タンパク質の種々の濃度、ならびに標的タンパク質に対する各コフェロン単量体およびコフェロン単量体間の種々の解離定数値に対する、標的タンパク質に結合するコフェロン二量体の濃度の決定
【0594】
ほとんどの薬物は、天然基質と競合して生物学的標的に結合することによって機能する。感染症の場合、この競合的結合が必須機能を停止させ、感染病原体を死滅させるか、または非活性化させることができる。癌等の疾病では、この競合的結合が正常に機能しない細胞を選択的に死滅させるか、または内因性の生化学プロセスを再調整して、細胞を再び正常に機能させるかのいずれかを行うことができる。
【0595】
標的タンパク質に結合する2種類のコフェロン二量体のシミュレーションが行われた。第1の種類のシミュレーションでは、標的を超過するコフェロン(図48〜81)を使用した。これらのシミュレーションのうちの一部では、使用されたコフェロンの量は、血流中の妥当な濃度より多い。しかし、標的が、身体全体を通じて高濃度で存在することは滅多にない。しばしば、薬物によって標的とされる細胞は、薬物によって標的とされない細胞より高濃度の標的タンパク質を有する。これは、標的細胞が腫瘍細胞である場合特に事実である。
【0596】
半ポンド(8oz)(約227g)の大きな腫瘍は、平均的な男性体重の300分の1〜400分の1にしか相当せず、したがって、圧倒的多数の細胞は、はるかに少ない標的を有する。したがって、特定の細胞中のタンパク質標的の濃度が、体内より10〜40倍高かったとしても、コフェロンのさらに低い体内濃度で開始すれば、タンパク質標的に結合する、またはそれを阻害するには十分であろう。
【0597】
コフェロン単量体が標的細胞に進入すると、それらは標的タンパク質に結合する。それらがタンパク質標的上で二量体を形成すると、細胞中の単量体の濃度は減少する。生体内条件をより正確にシミュレートするために、コフェロンの定常状態でのまたは「再生可能な」濃度を、長期にわたって薬物の安定した用量を提供する能力を反映する、所与のレベルに設定した(図47〜106)。これは、以下の実施例によって示すことができる。コフェロン単量体の濃度が体外で1μMであるが、標的は細胞中で10μMである状況を考慮されたい。各単量体が標的からの低K値(例えば、1μM)の解離を有し、2つの単量体が互いからの低K値(例えば、10μM)の解離を有する場合、この時点で90%の標的が依然として遊離状態であるが、細胞中の約95%の単量体は、標的上に二量体を形成する。しかし、標的が細胞中の単量体およびコフェロン二量体に結合すると、細胞内の遊離単量体の有効濃度は、約0.05μMに減少する。したがって、患者が、10粒の丸剤を摂取した後、血流中の単量体の濃度を1μMに維持するように丸剤を摂取し続ける場合(簡略的に良好な生物学的利用能および排泄がないと仮定して)、標的が10μMの濃度で存在する場合であったとしても、患者は、約95%の標的の結合を達成するはずである。やはり、上述のように、ほとんどの場合、身体のほんのわずかな区画のみが高濃度の標的タンパク質を有し、実際にはより少ない丸剤しか必要しないであろう。
【0598】
タンパク質間相互作用の大きな接触面(約1,500〜3,000Å)は、タンパク質と小分子との間の相互作用(約300〜1,000Å)より数倍大きい。典型的には、タンパク質間相互作用の解離定数は、ナノモルからマイクロモルの範囲であり、しばしばこれらのタンパク質にも結合する分子と類似する。例えば、種々のタンパク質間相互作用のK値は、p53−Mdm2、600nM;RAS−RAF、80nM;β−カテニン−pAPC、10nM;Grb7−SH2、11μM;NF2−MPP1、3.7nM;CDC25B−Cdk2−pTyP/CycA、10nMである(表3)。

表3:既知のタンパク質相互作用の解離定数の例
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以下の引用の全ては、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
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【0599】
対照的に、ペプチドまたはタンパク質と相互作用する独立したタンパク質ドメインは、最大ミリモル範囲のK値を示し得、薬物動態特性を決定する他の環境因子に加えて、結合親和性に関する完全なタンパク質構造の重要性を示している。例えば、以下のドメイン間相互作用のK値は、Grb2中のSH2−リン酸チロシン残基、0.2〜11μM;KIF13B中のFHA−リン酸−スレオニンおよびリン酸−チロシン残基、1〜100μM;SMAD2中のMH2−リン酸−セリン残基、240nM;IRS−1中のPTB−リン酸−チロシン残基、Asn−Pro−X−Tyrモチーフ、160nM〜10μM;Grb2中の、Xがアミノ酸であるコンセンサスPro−X−X−Pro(配列番号3)を有するSH3−プロリンリッチペプチド、1〜500μM;SARA中のFYVE−ホスファチジルイノシトール3−ホスフェート、亜鉛、50nM〜140μMである(表2)。
【0600】
コフェロン二量体または多量体が所与のタンパク質間相互作用の有効な阻害剤であるためには、タンパク質標的からのコフェロン二量体の最大解離定数は(通常Kd3もしくはKd4であるが、不可逆的リンカー要素を使用する場合、Kd6でもある)、タンパク質標的からの未変性のタンパク質結合パートナーの解離定数よりも低いか、またはほぼ等しくある必要がある。
【0601】
該シミュレーションは理想化されている。シミュレーションの全ては、非競合的結合を仮定している。つまり、コフェロン二量体が結合する部位は、いずれの天然リガンドによっても結合されないか、あるいは天然リガンドは、はるかに弱く結合する、および/またははるかに低い濃度であるかのいずれかである。コフェロン二量体の系中の他の生体分子への結合を補正する必要がない。コフェロン単量体C1およびC2に仮定された濃度は、血清アルブミン等への結合による減少後である。このシミュレーションでは、3つの異なる解離経路についての解離定数が提供されている(以下参照)。最大値は、解離の経路であろう。この値がタンパク質標的と別のタンパク質結合パートナーとの間の値よりも低い場合、コフェロン二量体は、タンパク質結合パートナーをとりのける。コフェロン二量体の解離値が天然のタンパク質結合パートナーのものよりも高い場合でも、コフェロンは、より高い濃度で使用される場合、依然として阻害剤効果を有し得る。
【0602】
効果的な薬物とは、高い親和性で標的に結合するが、体内の他のタンパク質および生体分子に対して有意な親和性を有しないものである。かかる薬物は、その標的に対して選択的であるといわれる。結合は、記号ΔGによって指定される自由エネルギーにおける変化によって特徴付けられる。結合時の自由エネルギーの変化が大きいほど、親和性は高くなる。ΔGの負の値は、自然発生的なプロセスを示す。ΔGが正である時には、結合は好ましくはない。
【0603】
標準的な平衡式を使用して、単量体または二量体−標的複合体の解離定数、Kを推定することができる。

Kd = [L] [R] であり、平衡式は[LR] ←→ [L]+[R] [等式1]であり、
[LR]

式中、[L]は薬物またはリガンドの濃度であり、[R]は受容体(典型的にはタンパク質)の濃度であり、[LR]は複合体の濃度である。Kは、典型的にはモル/リットル(M)の単位であり、タンパク質およびタンパク質−薬物複合体の濃度が等しい時の薬物の濃度に等しい([R]=[LR]である時、K=[L])。

は、以下の等式により、自由エネルギーに関連する。

ΔG = - RT ln Kd [等式2]
または Kd = e- ΔG/RT [等式3]

37℃で、ΔGがJ/molで得られる時、ln Kd-=-ΔG/(8.3145 J/K) (310 K)
【0604】
図40は、タンパク質標的(T)上の直交部位および相互に結合する、コフェロン単量体(C1およびC2)の系の略図である。コフェロン1は緑色の形状として、コフェロン2は青の形状、そして標的タンパク質は白の形状として示される。標的に結合するコフェロン1(C1)の平衡は、解離定数Kd1によって得られる。標的に結合するコフェロン2(C2)の平衡は、解離定数Kd2によって得られる。今度は、コフェロンC2は、C1Tの複合体に結合することができ(Kd3の解離定数で)、一方コフェロンC1は、C2Tの複合体に結合することができる(Kd4の解離定数で)。C1−C2コフェロン二量体自体が、Kd6の解離定数で、標的と平衡状態にある。最後に、その二量体が解離して、Kd5の解離定数で2つの単量体を形成する。
【0605】
コフェロン二量体によって達成された結合の強化は、それぞれの単量体がもう一方の単量体の結合を損なわず、三次複合体のエントロピー損失が、それぞれの二構成成分結合ステップのエントロピー損失の合計を超えない、理想的な場合を考慮することによって、理解することができる。コフェロン単量体1等のリガンドが、ΔG1に等しい自由エネルギーの増加で、タンパク質標的に結合する場合、コフェロン単量体2の追加による最終集合ステップは、自由エネルギー変化ΔG4で生じるだろう。理想的な場合、ΔG4=ΔG1+ΔG5であり、K=e−(ΔG1+ΔG5)/RTである。集合した複合体(PE図40)は、以下によって得られる解離自由エネルギーで、3つの経路(A〜C)のうちのいずれかによって解離することができる。

経路A ΔG3 = ΔG2 + ΔG5 ln Kd3 = - (ΔG2+ΔG5) /(8.3145 J/K) (310 K)

経路B ΔG4 = ΔG1 + ΔG5 ln Kd4 = - (ΔG1 + ΔG5) /(8.3145 J/K) (310 K)

経路C ΔG6 = ΔG1 + ΔG2 ln Kd5 = - (ΔG1 + ΔG2) /(8.3145 J/K) (310 K)
【0606】
好ましい解離の経路は、最も低い値のΔG解離を有するものである。
【0607】
2つのコフェロン単量体間の結合の自由エネルギーであるΔG5は、電子求引性基および/または電子供与基の導入、立体相互作用に影響を及ぼす基の追加もしくは差し引き、ならびに結合の回転自由度に影響を及ぼす基の追加もしくは差し引きを含む、複数の方法で、各ファミリー内のリンカー要素の構造を変化させることによって、調節することができる。リンカー要素のKを調整する能力によって、必要な治療的用量に相応したコフェロン単量体の濃度を変化させることが可能になる。
【0608】
分子設計の多くでは、リンカー要素は、図41に赤い点で描写される共有結合性会合を介して相互に結合する。リンカー要素間の共有結合性会合は、可逆的、または本質的に不可逆的のいずれかであり得る。本質的に不可逆的なリンカー要素の一例は、β−アミノチオール(例えば、システイン)とアルデヒドまたはケトンとの反応による、チアゾリンの形成である。単量体間の共有結合の形成は、それが標的表面に2つの個々の単量体の高局所濃度を生じさせるため、標的タンパク質によって促進される。さらに、チオール成分はジスルフィドとして保護され、ジスルフィドプロドラッグが細胞に進入し、グルタチオンによって切断されるまで、遊離チオールへの変換を受けない。両方の単量体が標的に結合すると、2つのリンカー要素が相互に対して密接に接近させられ、効果的にそれらの相対濃度が1M以上に増加することに留意されたい。1つまたは複数の共有結合の形成が不可逆的である場合は、Kd5解離値はゼロになるだろう。これらの条件下では、コフェロン二量体の標的タンパク質からの解離は、Kd6によってのみとなり、100倍、またはさらには1,000倍低くあり得る。
【0609】
場合によっては、2つの単量体間の共有結合は、各単量体の結合の寄与を減少させ得る。これらの場合、ΔG3はΔG1+ΔG5の合計未満であり得、および/またはΔG4は、ΔG2+ΔG5の合計未満であり得る。結合エネルギーの差異さほど大きくない場合もなお(数kJ/モル以下)、単量体の会合は有利である。この状況は、既知の一価のリガンドまたは薬物が、単量体対として再展開する場合に起こり得、可能性が高い。代替として、単量体対が動的コンビナトリアル戦略によって展開される場合、選択プロセスによって、ΔG3>ΔG1+ΔG5、およびΔG4>ΔG2+ΔG5である候補が明らかになる可能性が高い。つまり、共有結合した単量体対の各構成成分は、実際、個々の結合していない単量体よりも強力に、標的タンパク質に結合するだろう。
【0610】
解離定数Kd3、Kd4、およびKd6を算出するために、定義されたKd1、Kd2、およびKd5の入力セットから開始する。単量体C1およびC2の総濃度(または定常状態での濃度)、ならびに細胞内のタンパク質標的の総濃度も提供される。MatLabプログラム(The Mathworks(Natick,Mass.))を使用して、2つのパートの以下の等式を解く。

パート1

入力セット1:Kd1、Kd2、Kd5
等式セット1:kJ/モルの単位のΔG1、ΔG2、ΔG5の算出

ΔG1 = - RT ln Kd1=- (8.3145J/K)(10-3kJ/K) (310 K) ln Kd1

ΔG2 = - RT ln Kd2=- (8.3145J/K)(10-3kJ/K) (310 K) ln Kd2

ΔG5 = - RT ln Kd5=- (8.3145J/K)(10-3kJ/K) (310 K) ln Kds

入力セット2:ΔG1、ΔG2、ΔG5
等式セット2:kJ/モルの単位のΔG3、ΔG4、ΔG6の算出

ΔG3 = ΔG2 + ΔG5
ΔG4 = ΔG1 + ΔG5
ΔG6 = ΔG1 + ΔG2
【0611】
自由回転の制限によるエントロピーの損失を考慮するために、上記等式が、単量体リガンドとリンカー要素との間の0〜5個の回転可能な結合を考慮するように補正する。

ΔG3 = ΔG2 + ΔG5 + nΔGr
ΔG4 = ΔG1 + ΔG5 + nΔGr
ΔG6 = ΔG1 + ΔG2 + nΔGr
【0612】
nが、複合体C1C2Tの解離時に得られた単結合回転の総数である場合、ΔGrは、単結合回転当たりの自由エネルギーの変化である。C−C単結合の周りの回転についてのΔGrの値の妥当な推定値は、−2kJ/molである。

入力セット3:ΔG3、ΔG4、ΔG6
等式セット3:Kd1、Kd2、Kd3の算出

ln Kd3 = (- ΔG3)/(8.3145 J/K)(310 K)

ln Kd4 = (- ΔG4)/(8.3145 J/K)(310K)

ln Kd6 = (- ΔG6)/(8.3145 J/K)(310K)

あるいは、

Kd3 = e-(ΔG3) / (8.3145J/K)(310K)

Kd4 = e-(ΔG4) / (8.3145J/K)(310K)

Kd6 = e-(ΔG6) / (8.3145 J/K)(310 K)

パート2

入力セット4:Kd1、Kd2、Kd3、Kd4、Kd5、Kd6、ならびに各単量体の開始濃度[SC]および[SC]、および標的タンパク質の初期濃度[ST]。
【0613】
各単量体および標的の開始濃度は、平衡が得られた後の最終濃度と同一ではないが、以下の等式によって関連付けられることに留意されたい。

等式1 [T] + [C1T] + [C2T] + [C1C2T] = [ST]

等式2 [C1] + [C1T] + [C1C2T] + [C1C2] = [SC1]

等式3 [C2] + [C2T] + [C1C2T] + [C1C2] = [SC2]

等式4 Kd1 = [C1] [T]
[C1T]

等式5 Kd2 = [C2] [T]
[C2T]

等式6 Kd3 = [C1T] [C2]
[C1C2T]

等式7 Kd4 = [C2T] [C1]
[C1C2T]

等式8 Kd5 = [C1] [C2]
[C1C2]

等式9 Kd6 = [C1C2] [T]
[C1C2T]
【0614】
これらの等式は線形等式であり、Matlabの以下のコードを使用して解くことができる。

function [] = solvenonlineqn5(outfile)

%閾値の定義
thresh = eps;%これを所望の閾値に変える(例えば1e-10);
%これは、+ve 実部 および
%虚部/実部<閾値で解を探す
%現在の閾値は、 2.220446049250313e-016 (2^{-52})に設定される

load data; % このファイルはXLS からのデータを含む
gp = fopen(outfile,'w');
fprintf(gp,'T,C1,C2,C1T,C2T,C1C2,C1C2T\n');
for ctr = 1:size(data(:,1));
flag = 0;
syms C1T C1T C2 C2T C1C2 C1C2T;

%% 等式
f(1) = C1*T/C1T - Kd1(ctr);
f(2) = C2*T/C2T - Kd2(ctr);
f(3) = C1T*C2/C1C2T - Kd3(ctr);
f(4) = C2T*C1/C1C2T - Kd4(ctr);
f(5) = C1*C2/C1C2 - Kd5(ctr);
f(6) = C1C2*T/C1C2T - Kd6(ctr);
f(7) = C1+C1T+C1C2T+C1C2 - SC1(ctr);
f(8) = C2+C2T+C1C2T+C1C2 - SC2(ctr);
f(9) = T+C1T+C2T+C1C2T - ST(ctr);
list = [1 2 4 5 7 8 9];

%% 解の部分
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%% 出力を生成
fprintf(gp,'%s\n',num2str(parsedoutdata));

end
fclose(gp);

注:エクセルファイルの入力セットは、Kd1、Kd2、Kd3、Kd4、Kd5、Kd6、ならびに各単量体の開始濃度[SC]および[SC]、および標的タンパク質の初期濃度[ST]を提供する。
【0615】
これらのシミュレーションでは、両方の単量体が標的にも結合する際の、両方の単量体の相互の結合のエントロピーコストが考慮されている。コフェロン単量体が標的に結合する時、リガンドとリンカー要素との間の回転可能な結合は制限されないままである。2つのコフェロン単量体が相互に結合する時、回転可能な結合も、制限されないままである。コフェロン二量体が標的上で形成される時のみ、自由回転の損失があり、これがエントロピーコストを有する。図42は、タンパク質標的(T)上の直交部位、および相互に結合する、2つの単量体(C1、およびC2)の系の略図である。単量体1は、青い六角形のリガンドに連結される緑色の五角形のリンカー要素として示され、単量体2は、青い六角形のリガンドに連結される橙色の五角形のリンカー要素として示され、標的タンパク質は白の形状として示される。連結は、標的タンパク質に結合する、リンカー要素とリガンドとの間の1つ以上の回転可能な結合を表す。
【0616】
これらのシミュレーションには、各コフェロン単量体のリンカー要素とリガンドとの間の0〜5個の回転可能な結合(合計で最大10個の回転可能な結合)が考慮されている。0個の回転可能な結合は強固な構造を表し、したがって最も強力な結合の達成が予測されるであろうが、それはまた、標的およびコフェロン二量体のもう1つのリンカー要素の両方に対して最大限結合する、正確に所望の形状を達成するために、正確な組み合わせを見出すことに、大きな制約を課す。対照的に、リンカー要素とリガンドとの間の可動性の接続部によって、より大きな自由度を反映するエントロピーコストにおいてではあるが、各結合部位の組織的な系統化が可能になる。Whitesideグループからの最近の論文では、オリゴ−エチレンオキシドスペーサーの使用により、可動性接続部を使用するコストが軽減されることを示唆している(V.M.Krishnamurthy,et.al,J.Am.Chem.Soc.129:1312−1320(2007)、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。示される図では、(r2)および(r5)の隣に配置されるK値は、各コフェロン単量体のリンカー要素とリガンドとの間の2個および5個の回転可能な結合を表す(合計、それぞれ4個および10個の回転可能な結合)。オリゴ−エチレンオキシドまたは類似のスペーサーを使用することにより、提供される値とほぼ同じ範囲内のK値が提供されることが予測される。
【0617】
この算出は、いくつかの理想的な仮定に基づいており、さらなる実験的証拠に基づいて、改善する必要がある場合がある。リガンドまたはリンカー要素の互いに対する結合エネルギーの調節は困難であり得る。したがって、Kd1、Kd2、およびKd5値がこれらのシミュレーションに設定される際、これらの定数が3倍に異なり得ることも考慮する。例えば、解離定数Kd1を有する単量体C1は、1μMの3倍の範囲内の標的を指す。標的からのコフェロン二量体の解離は、これらの定数のうちの少なくとも2つの寄与を反映するため、その範囲は、約9〜10倍拡張される。例えば、標的からのコフェロン二量体の解離定数は、約47pM以下の10倍の範囲内から約480pMの10倍の範囲内までを指す。別の例として、リンカー要素が不可逆的共有結合を介して相互に結合する場合、標的からのコフェロン二量体の解離定数は、約4.7pM以下の10倍の範囲内から約48pMの10倍の範囲内までとなる。
【0618】
定常状態の算出については、単量体の濃度が標的の濃度と等しい条件下でのさらなる単量体の流入は、補正されなかった。結果として、これらの数は人工的に抑えられ、グラフに「窪み」をもたらす。さらに、標的が単量体を超過する場合の定常状態のシミュレーションは、さらなる単量体が細胞に進入し、標的に結合して、二量体を形成する際の自由な標的の減少について補正しなかった。したがって、かかる数字は、実験系で反映されるであろうよりもわずかに高い可能性がある。それでもなお、これらの数字は、約3倍異なり得る範囲内の、条件の大まかな指針を提供する。
【0619】
データの分析から、いくつかの一般規則が生じる。ほとんど全ての場合において、C1−C2−標的複合体からの1つの単量体の解離は(Kd3、Kd4)、二量体の解離(Kd6)よりも容易であり、そのため、好ましい経路になる。1つの単量体が不十分に結合する場合、その単量体の濃度が10倍高かったとしても、常にその単量体が最初に解離し、そのため二量体の結合は、自然のタンパク質間相互作用と取って代わるのに十分なほど強くはない場合がある。これは、Kd1もしくはKd2が100μM以上、またはKd5が1,000μMである、いくつかの例において認められ得る(示される濃度では、80%を超える標的に結合するが、解離定数が高すぎる)。図58および59、Kd3=0.47μM〜4.8μM、図60および61、Kd3=0.47μM〜4.8μM、図62および63、Kd4==0.47μM〜4.8μM、図64および65、Kd4=0.47μM〜4.8μM、図66および67、Kd4=47nM〜480nM、図68および69、Kd4=47nM〜480nM、図70および71、Kd4=0.12μM〜1.2μM、図72および73、Kd4=0.12μM〜1.2μM、図74および75、Kd4=47nM〜480nM、図76および77、Kd4=47nM〜480nM、図78および79、Kd4=0.12μM〜1.2μM、そして、図80および81、Kd4=0.12μM〜1.2μM。タンパク質標的に対する2つの隣接するリガンドの結合に所望の強化を達成するには、リンカー要素の互いに対する結合の強度が極めて重要である。しかし、リンカー要素が本質的に不可逆的な共有結合を使用して会合する場合、二量体の解離(Kd6)が唯一の経路であり、その結果、リンカー要素間に可逆的結合が使用される時のKd4値より10倍〜1,000倍強い。
【0620】
C1およびC2の総濃度が0.25μMであり、細胞内の総タンパク質濃度が0.1μMであり、細胞当たり約100,000個の標的であるシミュレーションを考慮されたい(図48および49)。単量体C1と標的Tとの間、ならびに単量体C2と標的Tとの間の解離定数Kd1およびKd2は、1μMとする。リンカー要素の解離定数であるKd5は、10μMであるとする。(r2)および(r5)の隣の値は、各単量体のリンカー要素とリガンドとの間の2個および5個の回転可能な結合を表す(合計、それぞれ4個および10個の回転可能な結合)。この例では、2つの単量体のリンカー要素の解離定数は、それぞれ0.1μMの単量体濃度で、遊離単量体の約1%が二量体の状態になるように調節されている。細胞膜を横切るのは単量体のみであるが、一旦中に進入すると、それらは標的タンパク質に結合し、これが二量体の形成を加速する。標的に結合した二量体からのいずれかの単量体の解離(Kd3、Kd4)は、2個および5個の回転可能な結合について、それぞれ47pMおよび480pMである。これらの開始条件下では、標的からのコフェロン二量体の解離(Kd6)は、2個および5個の回転可能な結合について、それぞれ4.7pMおよび48pMである。2つの単量体が一緒になった時に、リンカー要素が不可逆的共有結合を形成する場合、解離はKd6による、すなわち、結合は、リンカー要素が可逆的結合を形成する場合よりもさらに10倍密接になる。二量体は、タンパク質標的に密接に結合するため、可逆的リンカー要素を有したとしても、容易には解離せず、タンパク質標的の大半(r2およびr5について、それぞれ99.7%および97.3%)に結合して、所望の治療効果を達成する。細胞中の総タンパク質濃度を1μMであり、細胞当たり約1,000,000個の標的(図50および51)、および10μMであり、細胞当たり約10,000,000個の標的(図50〜51)に増加すると、標的は二量体で飽和する。
【0621】
d1、Kd2、Kd5、総単量体1濃度[SC1]、総単量体2濃度[SC2]、総標的タンパク質濃度[ST]、各単量体のリンカー要素と多様性要素との間の回転可能な結合の数(回転結合)、および最大K値の種々の値(μM)に関するこれらのシミュレーション結果を、表4に列挙する。それぞの事例において、最大K値(Kd3またはKd4のいずれか)を、最大Kの欄に報告する。

表4:コフェロン単量体の標的タンパク質との相互作用のシミュレーションから導かれた平衡解離定数。
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(Kd1、Kd2、Kd5はμMの単位。[SC1]、[SC2]、および[ST]は、それぞれ単量体1、単量体2、および標的の総濃度を表し、μMの単位である。回転結合とは、各単量体のリンカー要素と多様性要素との間の回転可能な結合の数を示す。NS=図示せず)

予測的実施例6−標的タンパク質に対するコフェロン二量体の結合平衡のシミュレーション:両方の単量体および単量体の可逆的会合に対する種々の解離定数値の、標的タンパク質に結合するコフェロン二量体の濃度の決定
【0622】
予測的実施例6で説明するシミュレーションは、実施例5で上述したように行う。C1およびC2の定常状態でのまたは再生可能な濃度が0.25μMであり、細胞中の総タンパク質濃度が異なるこれらのシミュレーションを拡大して、細胞当たり0.25μM=250,000個の標的、1μM=1,000,000個の標的、2.5μM=2,500,000個の標的、および10μM=10,000,000個の標的(それぞれ図82、84、86、88、および90)を含めることができる。これらの全ての場合において、標的に結合した二量体からのいずれかの単量体の解離(Kd3、Kd4)が、2個および5個の回転可能な結合に対して、それぞれ47pMおよび480pMであることが理解される。これらの開始条件下、コフェロン二量体の標的からの解離(Kd6)は、2個および5個の回転可能な結合に対して、それぞれ4.7pMおよび48pMである。コフェロン二量体は、たとえ可逆的リンカー要素を有していても、タンパク質標的に密接に結合するため、容易に解離せず、タンパク質標的の大半(0.25μM〜5μMの範囲のC1およびC2濃度にわたって70%〜100%の範囲)が結合し、所望の治療効果を達成する。
【0623】
各単量体の標的(Kd1、Kd2=1μM)または相互(Kd5=10μM)に対するこれらの解離値では、ほとんどの標準によって弱いと見なされ、溶液中の遊離二量体は、しばしば1%未満であることに留意されたい。単量体濃度を溶液中25μMにしたとしても、二量体の割合は、高くても全体の35%であり、細胞に進入する十分な単量体を残す。しかし、一旦第1の単量体が標的に結合すると、第2の単量体も標的に結合することができ、これで、(i)標的、および(ii)隣接する単量体との2つの潜在的な相互作用のさらなる利点を有する。このため、複合体の標的からの解離定数は、0.5〜0.05nMに目覚しく急降下する。換言すれば、単量体を超える二量体の結合親和性の向上は、2,000〜20,000倍である。単量体が不可逆的に結合するようになると、単量体を超える二量体の結合の向上は、20,000〜200,000倍である。
【0624】
両方の単量体の解離定数Kd1およびKd2を、Kd1=Kd2=10μMに増やし、リンカー要素の解離定数Kd5=10μMであり、C1およびC2の定常状態でのまたは再生可能な濃度が0.25μMであり、細胞中の総タンパク質濃度が、上記のように細胞当たり0.1μM=100,000個の標的〜10μM=10,000,000個の標的で変化することを考慮されたい(それぞれ図92、94、96、98、および100)。これらの全ての場合、標的に結合した二量体からのいずれかの単量体の解離(Kd3、Kd4)は、2個および5個の回転可能な結合について、それぞれ0.47nMおよび4.8nMである。これらの開始条件下、標的からのコフェロン二量体の解離(Kd6)も、2個および5個の回転可能な結合に対して、それぞれ0.47nMおよび4.8nMである。該二量体は、たとえ可逆的リンカー要素を有していても、タンパク質標的に密接に結合するため、容易に解離せず、タンパク質標的の大半(0.5μM〜5μMの範囲のC1およびC2濃度にわたって70%〜100%の範囲)が結合し、所望の治療効果を達成する。
【0625】
さらに、0.1μMおよび0.25μMの最も低いC1およびC2濃度では、結合した標的の割合は、標的濃度が増加するにつれて、例えば、C1濃度=0.1μM、0.1μMでの標的濃度=100,000個の標的での、12.9%(5個の回転可能な結合の条件下)から、10μMでの標的濃度=10,000,000個の標的での、64.6%に増加する。別の例では、標的の結合は、C1濃度=0.25μM、0.1μMでの標的濃度=100,000個の標的での、44.4%(5個の回転可能な結合の条件下)から、10μMでの標的濃度=10,000,000個の標的での、75.7%に増加する。したがって、一部の条件下では、これらのコフェロンを使用して、非標的細胞中に低濃度で存在するより低い割合のタンパク質標的に結合する場合よりも、標的細胞中に高濃度で存在する有意に高い割合のタンパク質標的に結合させる(そのためこれらの細胞により大きな影響を有する)ことができ、それにより、より低い副作用を有することとなる。
【0626】
単量体の解離定数が異なり、C1およびC2の定常状態でのもしくは再生可能な濃度が0.25μMである場合、単量体C1の解離定数Kd1=1μM、単量体C2の解離定数Kd2=10μM、およびリンカー要素の解離定数Kd5=10μMであり、細胞中の総タンパク質濃度は、細胞当たり0.25μM=250,000個の標的〜10μM=10,000,000個の標的で変化するように、シミュレーションを変えることを考慮されたい(それぞれ図102、104、106、108、および110)。これらの全ての場合、標的に結合した二量体からの単量体C2の解離(Kd3)は、2個および5個の回転可能な結合について、それぞれ0.47nMおよび4.8nMである。これらの開始条件下、コフェロン二量体の標的からの解離(Kd6)は、2個および5個の回転可能な結合に対して、それぞれ47pMおよび480pMである。該二量体は、たとえ可逆的リンカー要素を有していても、タンパク質標的に密接に結合するため、容易に解離せず、タンパク質標的の大半(0.25μM〜5μMの範囲のC1およびC2濃度にわたって70%〜100%の範囲)が結合し、所望の治療効果を達成する。
【0627】
さらに、0.1μMおよび0.25μMの最も低いC1およびC2濃度では、結合した標的の割合は、標的濃度が増加するにつれて増加する。標的濃度が高い場合の結合割合の増加は、細胞外から単量体の一貫した流入があり、常に細胞中で低濃度(すなわち、0.1μMまたは0.25μM)が維持されている、開放系の状況において一貫している。例えば、結合した標的の割合は、C1濃度=0.1μM、0.1μMでの標的濃度=100,000個の標的での、39.7%(5個の回転可能な結合の条件下)から、10μMでの標的濃度=10,000,000個の標的での、72.3%に増加する。したがって、一部の条件下では、コフェロンを使用して、非標的細胞中に低濃度で存在するより低い割合のタンパク質標的に結合する場合よりも、標的細胞中に高濃度で存在する有意に高い割合のタンパク質標的に結合させる(そのためこれらの細胞により大きな影響を有する)ことができ、それにより、より低い副作用を有する。
【0628】
上記シミュレーションを、リンカー要素の解離定数Kd5=100μMに対して繰り返した(C1=1μM、C2=1uM、それぞれ図112、114、116、118、および120;C1=10μM、C2=10μM、それぞれ図122、124、126、128、および130;C1=1μM、C2=10μM、それぞれ図132、134、136、138、および140)。
【0629】
d1、Kd2、Kd5、総単量体1濃度[SC1]、総単量体2濃度[SC2]、総標的タンパク質濃度[ST]、単量体当たりの回転可能な結合の数(回転結合)、および最大K値の種々の値(μM)に関するこれらのシミュレーションの結果を、表5に列挙する。それぞの事例において、最大K値(Kd3またはKd4のいずれか)を、最大Kの欄に報告する。最大K値は、最も弱く結合する単量体によって推進されるため、第2の単量体は、100nMから最大で第1の単量体のK値の範囲のK値を有し得る。

表5:リンカー要素間の相互作用が可逆的であり、Kd1およびKd2は1〜10μMで異なり、Kd5は10〜100μMで異なる、単量体および二量体の標的タンパク質との定常状態での相互作用のシミュレーションから導かれた平衡解離定数
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(Kd1、Kd2、Kd5はμMの単位。[SC1]、[SC2]、および[ST]は、それぞれ単量体1、単量体2、および標的の総濃度を表し、μMの単位である。回転結合とは、各単量体のリンカー要素と多様性要素との間の回転可能な結合の数を示す。)
【0630】
したがって、第1のコフェロン単量体C1は、100nMの3倍の範囲内から1μMの3倍の範囲内の、標的分子からの多様性要素の解離定数Kd1を有し、1μMの3倍の範囲内から10μMの3倍の範囲内の、標的分子からの多様性要素の解離定数Kd2、10μMの3倍の範囲内から100μMの3倍の範囲内の、第1の単量体のリンカー要素と第2の単量体リンカー要素との間の解離定数Kd5を有する、第2のコフェロン単量体C2を提供し、各単量体は、リンカー要素部分と標的結合部分との間に0〜5個の回転可能な結合または同等の程度の開連自由度を含み、コフェロン単量体C1およびC2の定常状態での血中濃度は約0.1μM〜約5.0μM以上の範囲であり、標的細胞中の標的タンパク質の濃度は、約0.1μM〜10μM以上の範囲である。結果として、かかる二量体は、細胞中の標的タンパク質の約70%〜100%が二量体と結合し、約47pM以下の10倍の範囲内から48nMの10倍の範囲内である、標的分子からの解離定数を有し、これらのコフェロン二量体の標的タンパク質への結合が、標的タンパク質への結合からの解離定数以上の解離定数を有する別のタンパク質、タンパク質ドメイン、巨大分子、または基質をとりのけるのに十分であるか、あるいは、標的タンパク質またはその結合パートナーの生物学的活性を活性化、促進、または阻害するのに十分に密接な結合であるような、標的への結合を達成する。単量体C1およびC2は、所望の治療効果を達成する。

予測的実施例7−標的タンパク質に対するコフェロン二量体の結合平衡のシミュレーション:両方の単量体および単量体の非常に密接なもしくは不可逆的会合に対する種々の解離定数値の、標的タンパク質に結合するコフェロン二量体の濃度の決定
【0631】
リンカー要素の解離定数Kd5=0.1μMについて、実施例5および6で上述したように、上記シミュレーションを繰り返した。
【0632】
d1、Kd2、Kd5、総単量体1濃度[SC1]、総単量体2濃度[SC2]、総標的タンパク質濃度[ST]、単量体当たりの回転可能な結合の数(回転結合)、および最大K値の種々の値(μM)に関するこれらのシミュレーションの結果を、表6に列挙する。それぞの事例において、最大K値(Kd6)を、最大Kの欄に報告する。最大K値は、2つの単量体の標的への結合によって推進されるため、互いからの単量体の解離、すなわちKd5値は、1nM(または完全に不可逆的な共有結合については0nM)から、最大で最も密接に結合する単量体のK値の範囲であり得る。

表6:リンカー要素間の相互作用が非常に密接または不可逆的であり、Kd1およびKd2は1〜100μMで異なる、コフェロン単量体および二量体の標的タンパク質との定常状態での相互作用のシミュレーションから導かれた平衡解離定数
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(Kd1、Kd2、Kd5はμMの単位。[SC1]、[SC2]、および[ST]は、それぞれ単量体1、単量体2、および標的の総濃度を表し、μMの単位である。回転結合とは、各単量体のリンカー要素と多様性要素との間の回転可能な結合の数を示す。)
【0633】
したがって、標的分子からの多様性要素の解離定数Kd1が、1μMの3倍の範囲内から10μMの3倍の範囲内である、第1のコフェロン単量体C1を提供し、標的分子からの多様性要素の解離定数Kd2が、1μMの3倍の範囲内から100μMの3倍の範囲内であり、第1の単量体のリンカー要素と第2の単量体のリンカー要素との間の解離定数Kd5が、1nMの3倍の範囲内(または完全に不可逆的な共有結合については0nM)から10μMの3倍の範囲内である、第2のコフェロン単量体C2を提供し、各単量体は、リンカー要素部分と標的結合部分との間に0〜5個の回転可能な結合または同等の程度の開連自由度を含み、単量体C1およびC2の定常状態での血中濃度は、約0.1μM〜約5.0μM以上の範囲であり、標的細胞中の標的タンパク質の濃度は、約0.1μM〜10μM以上の範囲である時、かかる二量体は、標的への結合を達成する。結果として、細胞中の標的タンパク質の約70%〜100%が二量体と結合し、約4.7pM以下の10倍の範囲内から48nMの10倍の範囲内である、標的分子からの解離定数を有し、これらのコフェロン二量体の標的タンパク質への結合が、標的タンパク質への結合からの解離定数以上の解離定数を有する別のタンパク質、タンパク質ドメイン、巨大分子、または基質をとりのけるのに十分であるか、あるいは、標的タンパク質またはその結合パートナーの生物学的活性を活性化、促進、または阻害するのに十分に密接な結合である。コフェロン単量体C1およびC2は、所望の治療効果を達成する。

予測的実施例8−質量分析法による選択したリンカー要素前駆体の二量体形成の特徴付け
【0634】
リンカー要素の前駆体の水溶液中で二量体を形成する能力を、質量分析法(MS)およびタンデム質量分析法(MS/MS)によって判定した。質量分析中のイオン化の結果としてのみ二量体(または多量体)を形成するリンカー要素は、タンデム質量分析中のフラグメント化の判定によって、水溶液中で実際に二量体を形成するものと区別することができる。
【0635】
したがって、ピペリジン−2−イルメタノールおよびシクロヘキシルボロン酸は、水溶液中で二量体(1−シクロヘキシルヘキサヒドロ−1H−[1,3,2]オキサザボロロ(oxazaborolo)[3,4−a]ピリジン)を形成する。1,3−ジヒドロキシアセトンは、イオン化中に二量体(2,5−ビス(ヒドロキシメチル)−1,4−ジオキサン−2,5−ジオール)を形成するが、水溶液中ではほとんど単量体として存在する。一方、2−ヒドロキシシクロヘキサノンは、MS/MSで判定されるように、水溶液中で二量体(ドデカヒドロジベンゾ[b,e][1,4]ダイオキシン−4a,9a−ジオール)を形成する。3−ヒドロキシ−2−メチル−4H−ピラン−4−オンおよび酢酸亜鉛は、MS/MSによって判定されるように、水溶液中で1個のZnカチオンを配位する3−ヒドロキシ−2−メチル−4H−ピラン−4−オンの2個の分子を含有する、二量体を形成する。

予測的実施例9−フェニルボロン酸と選択した1,2−ジオールとの間の可逆的ボロナートの形成に対する代表的解離定数
【0636】
図141は、フェニルボロン酸と反応した時の一連の1,2−ジオールの平衡K値を示す。K値は、2−ヒドロキシプロパノール等の最も単純な1,2−ジオールの206mMから、フラノース糖の10μMの範囲である。
【0637】
本明細書において、好ましい実施形態を描写して詳細に説明したが、当業者には、本発明の精神から逸脱することなく種々の修正、追加、置換等を行うことができ、したがって、これらは以下の特許請求の範囲で定義される本発明の範囲内であると見なされることは明白である。
図1
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図2.1】
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図2.2】
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図2.3】
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図2.4】
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図2.5】
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図2.6】
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図2.7】
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図2.8】
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図2.9】
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図2.10】
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図2.11】
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図2.12】
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図2.13】
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図2.35】
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図3
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図18A
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図18B
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図18C
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図19
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図143
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【配列表】
[この文献には参照ファイルがあります.J-PlatPatにて入手可能です(IP Forceでは現在のところ参照ファイルは掲載していません)]