特許第6076338号(P6076338)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6076338
(24)【登録日】2017年1月20日
(45)【発行日】2017年2月8日
(54)【発明の名称】食品生地延展装置及び食品生地延展方法
(51)【国際特許分類】
   A21C 3/02 20060101AFI20170130BHJP
   A21C 5/00 20060101ALI20170130BHJP
【FI】
   A21C3/02 A
   A21C5/00
【請求項の数】17
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2014-518673(P2014-518673)
(86)(22)【出願日】2013年5月28日
(86)【国際出願番号】JP2013064746
(87)【国際公開番号】WO2013180115
(87)【国際公開日】20131205
【審査請求日】2015年7月10日
(31)【優先権主張番号】特願2012-125858(P2012-125858)
(32)【優先日】2012年6月1日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000115924
【氏名又は名称】レオン自動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(72)【発明者】
【氏名】森川 道男
(72)【発明者】
【氏名】平林 孝一
(72)【発明者】
【氏名】小湊 享
(72)【発明者】
【氏名】福田 仁
【審査官】 豊島 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】 特公昭36−018083(JP,B1)
【文献】 特開平09−172938(JP,A)
【文献】 特開平03−297342(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A21C 1/00 − 15/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品生地を次第に薄く延展する食品生地延展装置であって、
対向する少なくとも2つの延展ローラ;及び
前記対向する少なくとも2つの延展ローラの間に設けられ、前記延展ローラによって延展される食品生地の幅寸法を規制自在な一対の振動付与部材であって、前記延展ローラの長手方向へ位置調節可能な一対の振動付与部材;とを備え、
前記食品生地の幅寸法を調節した位置で前記延展ローラの長手方向において、前記振動付与部材を相互に接近離反する方向に往復振動することにより、前記食品生地に振動を付与することを特徴とする食品生地延展装置。
【請求項2】
請求項1に記載の食品生地延展装置において、
前記延展ローラは、少なくとも3つ以上の延展ローラを対向するように配置し、上側に位置する延展ローラの間隔よりも、下側に位置する延展ローラの間隔が小さくなるように配置したことを特徴とする食品生地延展装置。
【請求項3】
請求項1に記載の食品生地延展装置において、
前記一対の振動付与部材を接近動作するときには、前記延展ローラによる食品生地の送り速度を停止し又は低速に行い、前記一対の振動付与部材を離反動作するときには、前記延展ローラにより食品生地の送り速度を、前記振動付与部材が接近動作するときの食品生地の送り速度よりもより高速に行うことを特徴とする食品生地延展装置。
【請求項4】
請求項1に記載の食品生地延展装置において、
前記一対の振動付与部材の往復振動は、接近する速度より、離反する速度を大きく設定していることを特徴とする食品生地延展装置。
【請求項5】
請求項3に記載の食品生地延展装置において、
前記延展ローラ回転速度に減速領域を設けたことを特徴とする食品生地延展装置。
【請求項6】
請求項1に記載の食品生地延展装置において、
前記振動付与部材が、互いに最も離反した開位置において一時的に停止するように前記振動付与部材を設けたことを特徴とする食品生地延展装置。
【請求項7】
請求項1に記載の食品生地延展装置において、
前記延展ローラの下方に、前記食品生地を搬送する搬送装置、及び計量切断装置を設けたことを特徴とする食品生地延展装置。
【請求項8】
請求項7に記載の食品生地延展装置において、
前記計量切断装置は、前記搬送装置及びその下流側に備えた計量コンベアとの間に設けられ、予め設定した所望重量に対応した計量値に計量されると、前記搬送装置と計量コンベアとの間に配置したカッター装置によって食品生地を切断することを特徴とする食品生地延展装置。
【請求項9】
請求項7に記載の食品生地延展装置において、
前記計量切断装置は、前記搬送装置及びその下流側に備えた計量コンベアとの間に設けられ;
前記計量コンベアの更に下流側に第2計量コンベアが設けられ、
前記計量切断装置によって切断された後の切断片を第2計量コンベアによって再び計量し、次工程へ移送することを特徴とする食品生地延展装置。
【請求項10】
食品生地を次第に薄く延展する食品生地延展方法であって、
対向する少なくとも2つの延展ローラにより前記食品生地を延展し;及び
前記対向する少なくとも2つの延展ローラの間に設けられ、前記延展ローラによって延展される食品生地の幅寸法を規制自在な一対の振動付与部材を前記延展ローラの長手方向において、相互に接近離反する方向に往復振動することにより前記食品生地に振動を付与することを特徴とする食品生地延展方法。
【請求項11】
請求項10に記載の食品生地延展方法において、
前記延展ローラは、少なくとも3つ以上の延展ローラを対向するように配置し、上側に位置する延展ローラの間隔よりも、下側に位置する延展ローラの間隔が小さくなるように配置したことを特徴とする食品生地延展方法。
【請求項12】
請求項10に記載の食品生地延展方法において、
前記一対の振動付与部材を接近動作するときには、前記延展ローラによる食品生地の送り速度を停止し又は低速に行い、前記一対の振動付与部材を離反動作するときには、前記延展ローラにより食品生地の送り速度を、前記振動付与部材が接近動作するときの食品生地の送り速度よりもより高速に行うことを特徴とする食品生地延展方法。
【請求項13】
請求項10に記載の食品生地延展方法において、
前記一対の振動付与部材の往復振動は、接近する速度より、離反する速度を大きく設定していることを特徴とする食品生地延展方法。
【請求項14】
請求項12に記載の食品生地延展方法において、
前記延展ローラ回転速度に減速領域を設けたことを特徴とする食品生地延展方法。
【請求項15】
請求項10に記載の食品生地延展方法において、
前記振動付与部材が、互いに最も離反した開位置において一時的に停止するように前記振動付与部材を設けたことを特徴とする食品生地延展方法。
【請求項16】
請求項10に記載の食品生地延展方法において、
前記延展ローラの下方に前記食品生地を搬送する搬送装置及びその下流側に備えた計量コンベアとの間に設けられた計量切断装置により、前記食品生地が予め設定した所望重量に対応した計量値に計量されると、当該食品生地を切断することを特徴とする食品生地延展方法。
【請求項17】
請求項16に記載の食品生地延展方法において、
前記計量コンベアの更に下流側に設けられた第2計量コンベアが、前記計量切断装置によって切断された後の切断片を再び計量し、次工程へ移送することを特徴とする食品生地延展方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばパン生地などのごとき適宜の食品生地を延展する方法及び装置に係り、さらに詳細には、延展した食品生地の幅寸法を所望寸法に調節することができ、かつ幅方向の両側縁部における内部応力を抑制することのできる食品生地延展装置及び食品生地延展方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばパン生地などのごとき適宜の食品生地を延展するとき、食品生地を収容するホッパーの下側に、複数の延展ローラをV字形に配置した延展手段を備え、前記ホッパーから前記複数の延展ローラ間へ食品生地を供給して、食品生地を次第に薄く延展することが行われている。そして、延展ローラによって延展される食品生地の幅寸法を調節するために、前記延展ローラの間に配置した一対の幅規制部材を、接近離反する方向へ調節することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】日本国特公昭36−18083号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記特許文献1に記載の構成によれば、複数の延展ローラによって次第に延展される食品生地の幅方向の両側は、一対の幅規制部材によって規制されている。上記一対の幅規制部材は位置調節自在であるから、延展される食品生地の幅寸法を調節することができる。しかし、前記構成においては、幅規制部材は単に位置調節するにすぎないものであるから、複数の延展ローラによって次第に薄く延展される食品生地の幅方向の両側縁部は前記幅規制部材へ圧接され、粘着される傾向にある。したがって、延展される食品生地の両側縁部に内部応力が付与される傾向にある、という問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、食品生地の圧縮、解放を繰り返し、内部応力の付与、解放を繰り返すことにより食品生地の内部応力の残留を回避することができる食品生地延展装置及び食品生地延展方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の第1アスペクトは、食品生地を次第に薄く延展する食品生地延展装置であって、対向する少なくとも2つの延展ローラ;及び、前記対向する少なくとも2つの延展ローラの間に設けられ、前記延展ローラによって延展される食品生地の幅寸法を規制自在な一対の振動付与部材であって、前記延展ローラの長手方向へ位置調節可能な一対の振動付与部材;とを備え、前記食品生地の幅寸法を調節した位置で前記延展ローラの長手方向において、前記振動付与部材を相互に接近離反する方向に往復振動することにより、前記食品生地に振動を付与することを特徴とする食品生地延展装置である。
【0007】
本発明の第2アスペクトは、前記第1アスペクトに記載の食品生地延展装置において、前記延展ローラは、少なくとも3つ以上の延展ローラを対向するように配置し、上側に位置する延展ローラの間隔よりも、下側に位置する延展ローラの間隔が小さくなるように配置したことを特徴とする食品生地延展装置である。
【0008】
本発明の第3アスペクトは、前記第1アスペクトに記載の食品生地延展装置において、前記一対の振動付与部材を接近動作するときには、前記延展ローラによる食品生地の送り速度を停止し又は低速に行い、前記一対の振動付与部材を離反動作するときには、前記延展ローラにより食品生地の送り速度を、前記振動付与部材が接近動作するときの食品生地の送り速度よりもより高速に行うことを特徴とする食品生地延展装置である。
【0009】
本発明の第4アスペクトは、前記第1アスペクトに記載の食品生地延展装置において、前記一対の振動付与部材の往復振動は、接近する速度より、離反する速度を大きく設定していることを特徴とする食品生地延展装置である。
【0010】
本発明の第5アスペクトは、前記第3アスペクトに記載の食品生地延展装置において、前記延展ローラ回転速度に減速領域を設けたことを特徴とする食品生地延展装置である。
【0011】
本発明の第6アスペクトは、前記第1アスペクトに記載の食品生地延展装置において、 前記振動付与部材が、互いに最も離反した開位置において一時的に停止するように前記振動付与部材を設けたことを特徴とする食品生地延展装置である。
【0012】
本発明の第7アスペクトは、前記第1アスペクトに記載の食品生地延展装置において、 前記延展ローラの下方に、前記食品生地を搬送する搬送装置、及び計量切断装置を設けたことを特徴とする食品生地延展装置である。
【0013】
本発明の第8アスペクトは、前記第7アスペクトに記載の食品生地延展装置において、 前記計量切断装置は、前記搬送装置及びその下流側に備えた計量コンベアとの間に設けられ、予め設定した所望重量に対応した計量値に計量されると、前記搬送装置と計量コンベアとの間に配置したカッター装置によって食品生地を切断することを特徴とする食品生地延展装置である。
【0014】
本発明の第9アスペクトは、前記第7アスペクトに記載の食品生地延展装置において、 前記計量切断装置は、前記搬送装置及びその下流側に備えた計量コンベアとの間に設けられ;前記計量コンベアの更に下流側に第2計量コンベアが設けられ、前記計量切断装置によって切断された後の切断片を第2計量コンベアによって再び計量し、次工程へ移送することを特徴とする食品生地延展装置である。
【0015】
本発明の第10アスペクトは、食品生地を次第に薄く延展する食品生地延展方法であって、対向する少なくとも2つの延展ローラにより前記食品生地を延展し;及び、前記対向する少なくとも2つの延展ローラの間に設けられ、前記延展ローラによって延展される食品生地の幅寸法を規制自在な一対の振動付与部材を前記延展ローラの長手方向において、相互に接近離反する方向に往復振動することにより前記食品生地に振動を付与することを特徴とする食品生地延展方法である。
【0016】
本発明の第11アスペクトは、前記第10アスペクトに記載の食品生地延展方法において、前記延展ローラは、少なくとも3つ以上の延展ローラを対向するように配置し、上側に位置する延展ローラの間隔よりも、下側に位置する延展ローラの間隔が小さくなるように配置したことを特徴とする食品生地延展方法である。
【0017】
本発明の第12アスペクトは、前記第10アスペクトに記載の食品生地延展方法において、前記一対の振動付与部材を接近動作するときには、前記延展ローラによる食品生地の送り速度を停止し又は低速に行い、前記一対の振動付与部材を離反動作するときには、前記延展ローラにより食品生地の送り速度を、前記振動付与部材が接近動作するときの食品生地の送り速度よりもより高速に行うことを特徴とする食品生地延展方法である。
【0018】
本発明の第13アスペクトは、前記第10アスペクトに記載の食品生地延展方法において、前記一対の振動付与部材の往復振動は、接近する速度より、離反する速度を大きく設定していることを特徴とする食品生地延展方法である。
【0019】
本発明の第14アスペクトは、前記第12アスペクトに記載の食品生地延展方法において、前記延展ローラ回転速度に減速領域を設けたことを特徴とする食品生地延展方法である。
【0020】
本発明の第15アスペクトは、前記第10アスペクトに記載の食品生地延展方法において、前記振動付与部材が、互いに最も離反した開位置において一時的に停止するように前記振動付与部材を設けたことを特徴とする食品生地延展方法である。
【0021】
本発明の第16アスペクトは、前記第10アスペクトに記載の食品生地延展方法において、前記延展ローラの下方に前記食品生地を搬送する搬送装置及びその下流側に備えた計量コンベアとの間に設けられた計量切断装置により、前記食品生地が予め設定した所望重量に対応した計量値に計量されると、当該食品生地を切断することを特徴とする食品生地延展方法である。
【0022】
本発明の第17アスペクトは、前記第16アスペクトに記載の食品生地延展方法において、前記計量コンベアの更に下流側に設けられた第2計量コンベアが、前記計量切断装置によって切断された後の切断片を再び計量し、次工程へ移送することを特徴とする食品生地延展方法である。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、少なくとも2つの対向する延展ローラの間に備えた一対の振動付与部材は位置調節自在であるから、延展される食品生地の幅寸法を調節することができる。そして、前記振動付与部材は延展ローラの長手方向へ往復振動するものであるから、食品生地の幅方向の両側縁部は圧縮、解放が繰り返されることになる。したがって、内部応力の付与、解放が繰り返され、内部応力が残留するようなことはないものである。また、振動付与部材を振動することにより、振動付与部材に対する食品生地の相対的な移動(流動)は円滑に行われるものである。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1図1は、本発明の実施形態に係る食品生地延展装置を概念的、概略的に示した正面説明図である。
図2図2は、食品生地延展装置の側面説明図である。
図3図3(A)は、延展手段の構成を示す平面視説明図であり、図3(B)は、前記延展手段の構成を示す正面視説明図である。
図4図4は、延展手段の構成を示す斜視説明図である。
図5図5(A)は、食品生地における先行食品生地の後端側と後続食品生地の先端側との重なり関係を示す図であり、図5(B)は、前記先行食品生地の後端側と後続食品生地の先端側との重なり関係を水平方向の関係に変換して、切断するときの説明図である。
図6図6は、幅寸法の大きな食品生地を複数列に分割して重なり関係を水平方向の関係に変換する場合の説明図である。
図7図7は、第3の実施形態に係る延展手段の構成を示す斜視説明図である。
図8図8(A)、図8(B)及び図8(C)は、本発明の実施形態に係る食品生地延展装置により成形された食品生地であり、厚さが同じであるが縦片と横片の長さが異なる正方形を有する食品生地を示す斜視説明図である。
図9図9(A)、図9(B)、図9(C)及び図9(D)は、振動付与部材の作動を示す説明図である。
図10図10は、第4の実施形態に係る延展手段の構成を示す説明図である。
図11図11は、第5の実施形態に係る延展手段の構成を示す斜視説明図である。
図12図12は、第6の実施形態に係る延展手段の構成を示す斜視説明図である。
図13図13は、第7の実施形態に係る延展手段の構成を示す説明図である。
図14図14は、対向する2つの延展ローラによる延展手段の構成を示す説明図である。
図15図15は、延展手段の構成を更に変更した実施形態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を用いて本発明の実施形態に係る食品生地延展装置について説明するに、図1図2に概念的、概略的に示すように、本発明の実施形態に係る食品生地延展装置11は、架台13を備えており、この架台13の上部には、例えばパン生地などのごとき適宜の食品生地15を収容する箱状のホッパー17が備えられている。そして、このホッパー17における底部の開口位置に対応した位置には、前記ホッパー17から下方向へ供給される前記食品生地15を所定長さに切断する切断装置19が備えられている。
【0026】
また、前記食品生地延展装置11には、装置全体の動作を制御するために、コンピュータからなる制御装置20が備えられている。
【0027】
前記切断装置19は、前記制御装置20の制御の下にモータ21を間欠的に回転駆動することにより、食品生地15を、当該切断装置19に対応した長さに切断するものである。なお、前記ホッパー17及び前記切断装置19の構成は、既に公知であるから、ホッパー17、切断装置19についてのより詳細な説明は省略する。
【0028】
前記切断装置19の下側には、前記切断装置によって所定長さに切断して落下された長尺の食品生地15を長手方向(図2において左方向)へ搬送(移送)する搬送手段としてのベルトコンベア23が備えられている。このベルトコンベア23は、モータ(図示省略)によって走行駆動されるものであって、前記食品生地15を長手方向へ搬送する搬送速度は、前記制御装置20の制御の下に制御自在である。なお、上記ベルトコンベア23の構成は、既によく知られた構成であるから、ベルトコンベア23についてのより詳細な説明は省略する。
【0029】
前記ベルトコンベア23上の食品生地15が長手方向へ搬送されて、当該食品生地15の後端部が所定位置に搬送されると、所定位置に前記後端部が搬送されたことを検出する後端部検出センサ24が備えられている。そして、この後端部検出センサ24が食品生地15の後端部を検出すると、前記制御装置20の制御の下に前記モータ21が回転駆動されて、次の食品生地15が切断されて前記ベルトコンベア23上に落下される構成である。上述のように、モータ21の回転により切断装置19によって次の食品生地15が切断されると、図2に示すように、先行する食品生地15Aの後端側に、次の後続の食品生地15Bの先端側が重なるものである。なお、後続の食品生地15Bを前記切断装置19によって次々に切断する構成としては、タイマーに予め設定した設定時間の経過毎に前記切断装置19を作動し切断する構成とすることも可能である。
【0030】
したがって、切断装置19におけるモータ21を間欠的に回転駆動して、ホッパー17から供給される食品生地15を次々に所定長さに切断して落下すると、食品生地15は連続的に接続して長手方向へ搬送されることになる。そして、前記ベルトコンベア23から搬送された食品生地15を延展するために、ベルトコンベア23の下流端位置に対応して延展手段25が備えられている。すなわち、前記ベルトコンベア23によって水平方向(図2において左方向)へ搬送されて、当該ベルトコンベア23の下流端から下方向へ移動する食品生地15を受け入れる位置に前記延展手段25が備えられている。
【0031】
前記延展手段25は、図2に示すように、前記ベルトコンベア23よりも低位置において架台13に備えられており、前記先行食品生地15Aの後端側と後続食品生地15Bの先端側との重ね合せ部分を重ね合せ方向から押圧するように、複数の延展ローラ27をV形状に配置した構成である。より詳細には、前記各延展ローラ27は、前記架台13にV形状に固定したローラ架台30に回転自在に備えられている。そして、前記各延展ローラ27はチェン、ギアなどの適宜の動力伝達機構(図示省略)を介して連動した構成であって、下流側ほど速く回転する構成である。
【0032】
ところで、複数の延展ローラ27をV形状に配置して食品生地の延展を行う延展手段は既に知られている構成である。しかし、本実施形態に係る延展手段25においては、複数の前記延展ローラ27によって延展される食品生地15の幅方向(図1において左右方向、延展ローラ27の長手方向)の両側縁に幅方向の振動を付与する振動付与手段29(図3参照)が備えられている。
【0033】
より詳細には、V形状に配置した前記延展ローラ27の間には、図1,3に示すように、前記振動付与手段29が備える一対の振動付与部材31が備えられている。前記一対の振動付与部材31は、対向間隔が下側が次第に狭くなるように設けられ、かつ前記下側が次第に厚くなるように設けられている。尚、前記一対の振動付与部材31は、互に接近離反する方向へ移動自在に備えられているため、前記食品生地15の幅を規制することも可能である。前記ベルトコンベア23の下流端(搬送端)に対向した位置、換言すれば、前記延展手段25を間にして前記ベルトコンベア23の反対側の位置において、前記架台13には、前記延展ローラ27の長手方向に長いベースプレート33が一体的に備えられている。
【0034】
そして、このベースプレート33に備えたガイド部材35には、一対のスライダ37が移動自在に備えられている。この一対のスライダ37には、前記振動付与部材31に一体的に連結した連結部材39が固定してある。なお、前記一対の振動付与部材31の上部には、前記ベルトコンベア23の上側に臨み、かつ上流側が次第に広がったガイド部材41が一体的に備えられている。
【0035】
前記一対の振動付与部材31を前記延展ローラ27の長手方向へ互に接近離反すべく移動するために、前記ベースプレート33の一側にはモータブラケット43が一体的に立設して備えられている。このモータブラケット43にはサーボモータなどのごとき回転駆動装置45が備えられており、この回転駆動装置45の回転軸47には歯付プーリのごとき駆動プーリ49が備えられている。
【0036】
そして、前記駆動プーリ49から離反した位置には従動プーリ51が回転自在に備えられており、この従動プーリ51と前記駆動プーリ49には歯付ベルトなどのごときエンドレス部材53が掛回してある。上記エンドレス部材53の上部側には一方の前記連結部材39が連結してあり、エンドレス部材53の下部側には他方の前記連結部材39が連結してある。
【0037】
図3(B)に示すように、前記一対の振動付与部材31の下側での対向間隔について、最も接近した閉位置での間隔を閉間隔D1とし、最も離反した開位置での間隔を開間隔D2とする。また、各振動付与部材31が閉位置と開位置との間を移動する距離をストローク長STとする。 上記構成により、前記制御装置20に前記一対の振動付与部材(幅規制部材)31の閉間隔D1及びストローク長STを設定し、前記回転駆動装置45を、前記制御装置20の制御の下に、正回転又は逆回転することにより前記一対の振動付与部材31を互に接近離反する方向へ移動することができるものである。したがって、前記一対の振動付与部材31の移動位置を調節することにより、前記延展手段25において延展作用を受ける食品生地15の幅方向の寸法を所望寸法に規制することができるものである。既に理解されるように、前記振動付与部材31は、延展される食品生地15の幅寸法を規制自在であることにより、一種の振動付与部材を構成するものである。尚、前記振動付与部材(幅規制部材)31の閉間隔をD1からD3の間で調節することにより、図8(A)、(B)及び(C)に示すように、食品生地15の切断片15Cの厚さが同一であるが、平面視において縦、横の長さが異なる正方形の面を有する食品生地を形成することができるのである。
【0038】
また、前記構成により、延展される食品生地15の幅寸法を規制すべく一対の振動付与部材31の位置決めを行った後、前記回転駆動装置45の正逆回転を所望回転範囲で繰り返すことにより、前記位置決めを行った位置において振動付与部材31を幅方向(延展ローラ27の長手方向)へ往復振動することができるものである。したがって、前記延展ローラ27によって延展されている食品生地15の幅方向の両側縁に振動を付与することができるものである。よって、前記振動付与部材31に対する食品生地15の粘着を防止して円滑に移動することができるものである。また、一対の振動付与部材31と複数の延展ローラ31とにより囲繞された前記食品生地15は前記振動付与部材31を幅方向へ往復振動することにより食品生地15の搬送方向(図1及び図2においては縦方向)及び幅方向に交互に移動することとなり前記延展ローラ27による前記食品生地15の延展効率を向上させることができる。
【0039】
ところで、図4に示すように、前記延展ローラ27によって、次第に薄く延展される食品生地15を前記振動付与部材31によって規制して、幅方向の両側から振動を付与する場合には、延展作用を受けている部分の食品生地15全体に振動を付与することが可能である。したがって、食品生地15が延展作用を受けている部分全体に振動を付与してガス抜きを行うことができるものである。
【0040】
上述の場合、前記制御装置20の制御の下に、前記回転駆動装置45の正逆回転を制御して、前記一対の振動付与部材31の単位時間当りの往復振動数、ストローク長STを調節することにより、食品生地15からのガス抜きが調節可能なものである。したがって、前記往復振動数を増やしてガスをより多く抜いて比重の高い食品生地15とすることや、振動回数を少なくしてガス抜きを少なくして比重の低い食品生地15とすることが可能なものである。
【0041】
更に、前記一対の振動付与部材31の接近作動速度と離反作動速度は、任意に調節可能に設けられている。具体的な例として、閉間隔D1=15mm、ストローク長ST=15mm、開間隔D2=45mm、接近作動速度20m/min、離反作動速度25m/minである。上記構成により、接近作動速度を速く(大きく)すると、ガス抜き効果が向上する。また、接近作動速度より離反作動速度を速く(大きく)することにより食品生地15との粘着が低減でき、食品生地15の流下が促進される。換言すると、急速に一対の振動付与部材31から開放されることによる効果を奏する。
【0042】
上述構成に加え、前記振動付与部材31は、互いに最も離反した状態で一時的に停止可能に設けられている。最も閉じた状態(閉位置)から開く状態へ移行する際には停止時間は設定しないが、最も開いた状態(開位置)から閉じる状態へ移行する際には停止時間を設定する。この停止時間は、任意に設定可能であり、0.5秒から2秒程度が最も効果的である。停止時間が短いと開放による食品生地15の流下の効果が僅かな状態で再び食品生地15を圧縮してしまい食品生地15の流下が効率よく行われない。また、停止時間が長いと食品生地15に対する振動を付与する効果が低下し、ガス抜きや延展の効率を低下させる。
【0043】
前記一対の振動付与部材31を互に接近する方向へ作動するときには、前記制御装置20の制御の下に、前記延展ローラ27による食品生地15の送り速度を低速に、又は停止するように制御する。そして、一対の振動付与部材31を互に離反する方向へ作動するときには、延展ローラ27の動作を前述とは逆に制御することが望ましい。すなわち、一対の振動付与部材31を、互に離反作動するときには、前記延展ローラ27による食品生地15の送り速度は、前記振動付与部材31が互に接近動作するときの食品生地15の送り速度よりもより高速に行うものである。
【0044】
次に、前記延展ローラ27の回転速度と前記振動付与部材31の接近離反動作との関係について、図9を参照して以下に説明する。前記延展ローラ27の回転速度を減速する減速域を振動付与部材31の移動位置に関連付けて設定する。図9(A)は、一対の振動付与部材31が互いに最も離れた位置を実線で示し、最も接近した位置を想像線で示している。図9(B)に示す如く、一対の振動付与部材31が接近作動し、互いに最も接近した位置から距離T1の位置を通過することを起点として延展ローラ27の回転速度が設定速度の10%まで減速される。図9(C)に示す如く、一対の振動付与部材31が互いに最も接近した位置に達し、直後に離反作動する。そして、図9(D)に示す如く、一対の振動付与部材31が離反作動し、互いに最も接近した位置から距離T2の位置を通過することを起点として延展ローラ27の回転速度が設定速度に戻る。上記構成により、ガス抜き効果が向上する。また、食品生地15との粘着が低減でき、食品生地15の流下が促進される。
【0045】
前記振動付与部材31は、V形状に配置した複数の延展ローラ27の間において、延展作用を受ける食品生地15が幅方向へ移動することを規制する作用をなすものであるから、その形状は、図4に示すように、複数の延展ローラ27の間のV形状に整合する形状である。
【0046】
なお、前記振動付与部材31の形状は特にこれに限定されるものではなく、生地の性状や規制される生地の吐出幅等の条件に応じて設定される。また、前記延展ローラ27をV形状に配置する形態としては、上側に位置する延展ローラ27の間隔よりも、下側に位置する延展ローラ27の間隔が小さくなる形態であればよいものであり、例えば、上側の延展ローラ27の径より下側の延展ローラ27の径を大きく設けてもよい。そして、互に水平に対向した構成であっても、ジグザグ状に配置した構成であってもよいものである。
【0047】
前述のごとく、延展手段25において食品生地15の延展作用を行うとき、前記ベルトコンベア23の搬送速度を適正に制御するために、前記延展手段25に対する食品生地15の搬入状態を検出する搬入状態検出センサ55(図2参照)が備えられている。この検出センサ55は、例えばレーザ光線を利用した距離検出センサなどのごときものであって、前記延展手段25の入口付近における食品生地15の盛上り状態を検出するものである。
【0048】
すなわち、前記検出センサ55が、常態における食品生地15の盛上りよりも大きな盛上りを検出したときには、制御装置20によって前記ベルトコンベア23の搬送速度は低速に制御される。そして、前記食品生地15の盛上りが常態の盛上りよりも小さいときには、前記ベルトコンベア23の搬送速度はより速く制御されるものである。すなわち、前記延展手段25の延展速度に対応して、前記ベルトコンベア23の搬送速度が適正速度に制御されるものである。
【0049】
図1図5(A)及び(B)に示すように、前記延展手段25によって所定の厚さ、所定の幅寸法に延展された食品生地15は、前記延展手段25の下方位置に備えた移送手段57によって、計量切断装置を構成する計量コンベア(秤量コンベア)59へ移送される。そして、上記計量コンベア59によって、予め設定した所定重量に計量されると、前記計量切断装置を構成するもう一つのエレメントであるカッター装置61によって切断されるものである。前記移送手段57はベルトコンベアなどのごとき移送コンベアから構成してあり、この移送コンベア57の移送方向は、前記ベルトコンベア23の移送方向に対して直交する方向(交差する方向)に構成してある。
【0050】
より詳細には、前記ベルトコンベア23による食品生地15の搬送方向は、図2において左右方向であり、延展手段25による移送方向は垂直方向である。そして、前記移送コンベア57による食品生地15の移送方向は、図2において紙面に直交する方向である。すなわち、前記ベルトコンベア23、延展手段25及び移送コンベア57による食品生地15の移送方向はそれぞれ直交する方向である。
【0051】
したがって、前記先行食品生地15Aと後続食品生地15Bとの重なり方向は、ベルトコンベア23上においては上下方向の重なりであり、延展手段25の位置及び移送コンベア57上においては、図2において左右方向(横方向、水平方向)の重なりに変更されることになる。よって、前記ベルトコンベア23、延展手段25、移送コンベア57等は、先行食品生地15Aの後端側と後続食品生地15Bの先端側との重なり関係を、上下の関係から横の関係(水平方向の重なり関係)に向きを変える一種の重なり関係変換部を構成することになるものである。
【0052】
前記移送コンベア57の下流端付近の上側には、当該移送コンベア57によって移送される食品生地15の厚さを一定厚さに均すための均しローラ63(図1参照)が回転自在に備えられている。また、前記移送コンベア57の上流側には、前記延展手段25から前記移送コンベア57へ移送される食品生地15の屈曲部の、移送コンベア57の移送方向への変化を検出する屈曲部検出センサ65が備えられている。
【0053】
この屈曲部検出センサ65は、前記検出センサ55と同様の距離検出センサであって、食品生地15の前記屈曲部までの検出距離が予め設定した設定値より大きい場合には、前記制御装置20の制御の下に、前記移送コンベア57の移送速度はより低速に、又は前記延展手段25の移送速度はより高速に制御されるものである。そして、前記検出距離が前記設定値より小さい場合には、前記移送コンベア57の移送速度はより高速に、又は前記延展手段25の移送速度はより低速に制御されるものである。すなわち、前記延展手段25による移送速度と前記移送コンベア57の移送速度との関係を適正速度に制御する構成である。
【0054】
前記移送コンベア57から下流側に備えた前記計量コンベア59上へ食品生地15が移載され、予め設定した所望重量に対応した計量値に計量されると、前記移送コンベア57と計量コンベア59との間に配置した前記カッター装置61によって食品生地15の切断が行われるものである。前記カッター装置61は、前記架台13に装着した例えば流体圧シリンダなどのごとき上下動用アクチュエータ67U,67Lを上下に対向して備えている。そして、上側の上下動用アクチュエータ67Uには切断刃69が上下動自在に備えられている。また、下側の上下動用アクチュエータ67Lには、前記切断刃69に対向して食品生地15を下側から支持する支持部材71が上下動自在に備えられている。
【0055】
したがって、カッター装置61における切断刃69によって食品生地15を切断するとき、食品生地15の被切断部は支持部材71によって下側から支持されることになる。そして、前記切断刃69が前記支持部材71の上面に接触することによって食品生地15の切断が行われるものである。よって、食品生地15における切断面の下部に下方向への垂れを生じるようなことはないものである。
【0056】
上記構成により、前記カッター装置61による切断位置69A(図5参照)を、前記計量コンベア59の上流端側に可能な限り近接することができる。したがって、前記カッター装置61の切断位置69Aから食品生地15が最初に計量コンベア59に接触する位置15D(計量コンベア59における計量開始位置C)までの領域、すなわち、食品生地15が宙に浮いた状態にあって重量を予測する領域(予測カット領域)をより短くすることができるものである。よって、前記計量コンベア59による計量精度がより向上するものである。
【0057】
前記計量コンベア59によって計量され、図1に示す前記カッター装置61によって切断された後の切断片15Cは、計量コンベア59の下流側に配置して備えられた第2計量コンベア73によって再び計量されて、次工程へ移送されるものである。前記第2計量コンベア73は、計量コンベア59の計量結果によって切断された切断片15Cの重量が正確であるか否かを確認するものである。そして、切断された切断片15Cの重量と予め設定した所定重量の設定値が異なる場合に、前記カッター装置61による切断が正確に行われるように、前記制御装置20によって前記計量コンベア59の計量値の補正を行うものである。したがって、切断片15Cは、予め設定した設定値の重量に対して常に誤差の少ない範囲で正確に切断されるものである。
【0058】
ところで、前述のごとく、重なり関係変換部によって、先行食品生地15Aの後端側15AE(図5参照)と後続食品生地15Bの先端側15BEとの重なり関係を、上下の関係から横の関係(水平方向の関係)に変換すると、前記先行食品生地15Aの後端側15AEと後続食品生地15Bの先端側15BEとの重なり関係が水平方向の関係になって、それらの接続面15Sは上下方向に延在した状態にて前記計量コンベア59上へ移送されることになる。ここで、前記後端側15AEと先端側15BEは、前記延展手段25によって延展作用を受けて互いに粘着接続してあり、その接続面15Sは先行食品生地15Aから後続食品生地15Bに向かって傾斜(上下方向の傾斜でなく、移送方向に対して水平方向の傾斜)した状態に形成されている。また、前記先端側15BEの先端部と先行食品生地15Aの側面との間に小さな凹部75を生じることがある。しかしながら、その重ね合せ部分において移送コンベア57や秤量コンベア59に載置される食品生地15の下面、つまり、前記振動付与部材31にて押圧された面は平滑面に形成されており、食品生地5の下面に、前記凹部75のような凹部は形成されない。
【0059】
ここで、前記カッター装置61における切断刃69による切断位置69Aが前記凹部75の位置又は前記凹部75に近接した位置になった場合について説明する。このようなときは、前記凹部75は食品生地15の側面になるので、計量コンベア59の搬送面に面した位置にないものの、前記食品生地15の重ね合せ部分が前記計量コンベア59の上面に載置され、又は近接した状態となっている。
【0060】
そして、前記切断位置69Aと食品生地15が計量コンベア59に最初に接触した接触位置15Dまでの間(間隔L)の部分及び前記切断位置69Aから食品生地15が移送コンベア57から離れる離反位置Sまでの部分は宙に浮いた状態にある。したがって、前記間隔Lに相当する部分の食品生地15の重量は実際に計量されることなく前記計量コンベア59の計測値に基づき算出することとなり、予測カット領域となる。前記後端側15AEと先端側15BEは前記傾斜面15Sを境に粘着接続してあるものの、前記後端側15AEと先端側15BEとの重なり関係は水平方向の関係であるから、前記後端側15AE及び先端側15BEが直接に前記計量コンベア59に載置され、食品生地15の重量は前記計量コンベア59に下方向に作用することとなる。
【0061】
したがって、前記先端側15BEが前記後端側15AEの上側に重なっている場合に比較して、前記計量コンベア59による食品生地15の計量の誤差を減少することができるとともに、前記予測カット領域における予測重量の誤差をより小さく抑えることができる。
【0062】
また、前記凹部75の位置又は凹部75に近接した位置において食品生地15の切断を行う場合であっても、前記計量コンベア59に載置される前記食品生地15の面を平滑面とすることにより、食品生地15の接触位置15Dが計量コンベア59の計量開始位置Cと一致できるため、前記間隔Lの長さが安定し切断片15Cをより正確な重量でもって切断することができるものである。
【0063】
図6は第2の実施形態を示すものである。この第2の実施形態においては、食品生地15の厚さに比較して幅寸法を大きく設定した場合を示すものである。また、移送コンベア57による食品生地15の移送方向は、図6において左方向であり、前記ベルトコンベア23による前記食品生地の移送方向と反対の方向である。なお、最下端の延展ローラ27に図6に示すような円板状のカッター77のような切断装置を1つあるいは複数個当接させることにより延展手段25により延展された食品生地15を2列あるいはそれ以上の複数列に分割することが可能である。この第2の実施形態においては、移送コンベア57上の前記食品生地15は、搬送方向に直交する方向(幅方向)に所要の間隔を開けて配置された複数(例えば2枚にて図示)の円板状のカッター77によって複数列(例えば3列にて図示)の食品生地15X,15Y,15Zに分割された後、重なり関係変換部79において、先行食品生地15Aにおける後端側15AEと後続食品生地15Bにおける先端側15BEとの重なり関係を、上下の重なり関係から水平方向(横方向)の重なり関係に変換して移送しているものである。そして、各列に分割された食品生地15は、各計量コンベア59によって予め設定した所定重量に計量されると、列毎に各切断刃69により切断片15Cが切断されるものである。
【0064】
ところで、上記実施の形態においては、切断装置19にて先行食品生地15Aの後端側15AEの上面に後続食品生地15Bの先端側15BEを積層することにより上下に重ね合せ部を形成していた。前述のごとく、重なり関係変換部によって、先行食品生地15Aの後端側15AE(図5参照)と後続食品生地15Bの先端側15BEとの重なり関係を、上下の関係から横の関係(水平方向の関係)に変換すると、前記先行食品生地15Aの後端側15AEと後続食品生地15Bの先端側15BEとの重なり関係が水平方向の関係になって、それらの接続面15Sは上下方向に延在した状態にて前記計量コンベア59上へ移送されることになる。前記切断位置69Aと食品生地15が計量コンベア59に最初に接触した接触位置15Dまでの間(間隔L)の部分及び前記切断位置69Aから食品生地15が移送コンベア57から離れる離反位置Sまでの部分は宙に浮いた状態にあるが、前記後端側15AE及び先端側15BEが直接に前記計量コンベア59に載置され、食品生地15の重量は前記計量コンベア59に鉛直方向に作用することとなるので、前記先端側15BEが前記後端側15AEの上側に重なっている場合に比較して、前記計量コンベア59による食品生地15の計量の誤差を減少することができる。
【0065】
図7は第3の実施形態を示すものである。図7に示すように、後端側15AEと先端側15BEとをベルトコンベア23上に予め水平方向に重なり合うように載置し、それらを粘着接続するようにして重ね合わせることも可能である。この第3の実施形態においては、移送コンベア57による食品生地15の移送方向は、図7において右方向であり、ベルトコンベア23による前記食品生地の移送方向と同方向である。したがって、前記切断装置19にて先行食品生地15Aの後端側15AEの上面に後続食品生地15Bの先端側15BEを積層することにより形成された重ね合せ部をそのまま維持した状態にて搬送するものである。
【0066】
図10は第4の実施形態を示すものである。ここで、振動付与部材(幅規制部材)31は、その対向面の傾斜が、図10に示すようなハの字状であってもよい。図10は振動付与部材(幅規制部材)31のその他の形態を概略的に示す説明図である。第1の実施例では振動付与部材(幅規制部材)31が、図1、3に示すように、対向間隔が下側が次第に狭くなるように対向し、かつ振動付与部材31の下側が次第に厚くなるよう説明したが、それとは反対に対向間隔が下側が次第に広くなるように対向し、かつ各振動付与部材31の下側が次第に薄くなるよう設けてもよい。このような一対の振動付与部材31を互いに接近作動させて食品生地15を圧縮すると食品生地15を下方への押圧する分力が作用して食品生地15の流下を促進する作用がある。このような振動付与部材31は、比較的硬いピザ生地などを延展する際に効果がある。尚、図1に示す第1の実施形態では、移送コンベア57による食品生地15の移送方向は、図1において左方向であったが、この第4の実施形態においては、移送コンベア57による食品生地15の移送方向は、図10において紙面に対して垂直方向であり紙面から手前に突出する方向に該食品生地15が移送される。
【0067】
以下に、延展された、又は、延展され複数列に分割された食品生地15を前記重なり関係変換部79を用いることなく、生地の重なりが上下のまま搬送するように、一部の態様を変化させた実施形態について説明する。
【0068】
図11は第5の実施形態を示すものである。この第5の実施形態においては、上述した図6に示す第2の実施の形態における重なり変換部79を用いることなく先行食品生地15Aにおける後端側15AEと後続食品生地15Bにおける先端側15BEとの重なり関係を、上下の重なり関係に維持した状態にて移送する場合を示している。移送コンベア57の下流側には拡開搬送装置81が3台並列に配置されている。前記拡開搬送装置81は、カッタ77にて分割された食品生地15X、15Y、15Zを幅方向において互いに拡開し、列毎に移送する搬送コンベヤである。さらに、前記各拡開搬送装置81の下流側には第1の実施例と同様な計量コンベヤ59を3台、並びに第2計量コンベヤ(図示省略)が列毎に連設されている。また、前記各拡開搬送装置81と各計量コンベアの間には、3台の切断刃69を備えたカッタ装置61が設けられている。また、前記移送コンベア57の上流側(図11において右側)には、前記延展手段25から該移送コンベア57へ移送される食品生地15の屈曲部の、移送コンベア57の移送方向への変化を検出する屈曲部検出センサ65が備えられている。そして、3台並列に配置された前記拡開搬送装置81と3台並列に配置された前記計量コンベヤ59との間には、各々支持部材71が配設されている。前記各々の支持部材71は、前記3台の切断刃69によって前記食品生地15X、15Y、15Zを切断するとき、当該食品生地15X、15Y、15Zを支持している。
【0069】
図12は第6の実施形態を示すものである。この第6の実施形態においては、移送コンベア57による食品生地15の移送方向は、図12において右方向であり、ベルトコンベア23による前記食品生地の移送方向と同方向である。したがって、前記切断装置19にて先行食品生地15Aの後端側15AEの上面に後続食品生地15Bの先端側15BEを積層することにより形成された重ね合せ部をそのまま維持した状態にて搬送するものである。
【0070】
図13は第7の実施形態を示すものである。食品生地15の流れ方向は鉛直方向だけではなく、水平方向に対し傾斜した方向であってもよい。さらには、その傾斜角度を例えば45〜90°の範囲内で調節可能に設けてもよい。図13に示すように、対向する複数の延展ローラ27を食品生地15の流れが傾斜するように配置することにより延展手段25の占有する領域の高さを低くすることができる。従って、食品生地延展装置11全体の高さを低く設けることができ、食品生地15の供給が容易になるという効果を奏する。
【0071】
尚、前述の通り前記延展ローラ27は、対向する一対(2つ)や1対3などのローラであってもよい。また、本発明は、対向する延展ローラ27にて供給された食品生地15を薄く延展するにあたり、該延展ローラ27の間に備えた一対の振動付与部材(幅規制部材)31を幅方向(延展ローラ27の長手方向)へ互いに接近離反動作するよう往復振動させることにより、延展される食品生地15の幅寸法を調節することができる。また、食品生地の幅方向の両側縁部は圧縮、解放が繰り返され、内部応力の付与、解放が繰り返され、内部応力が残留するようなことはない。更に、振動付与部材(幅規制部材)31を振動することにより、振動付与部材(幅規制部材)31に対する食品生地の相対的な移動(流動)は円滑に行われる。従って、延展ローラ27の数量は、図14に示すように、少なくとも対向する2つの延展ローラ27を備えることにより上述の本発明の効果を奏することができる。
【0072】
また、図15で示すように、食品生地15の上面側に3つの延展ローラ27を設け、食品生地15の下面側に1つの大きな延展ローラ27を配置する構成であっても、食品生地15を徐々に薄く延展することができる。詳細には、食品生地15の上面側に3つの延展ローラ27の内の最上の延展ローラ27と食品生地15の下面側に1つの大きな延展ローラ27との距離(図中、矢印で表示した距離)が、食品生地15の上面側に3つの延展ローラ27の内の最下の延展ローラ27と食品生地15の下面側に1つの大きな延展ローラ27との距離の如く、徐々に狭くなる構成である。従って、前記距離が徐々に狭くなる構成により、上述のV形状の配置と同様の効果を奏することができる。
【0073】
以上のごとき説明より理解されるように、前記構成においては、振動付与部材31の位置を調節し、この調節した位置において延展ローラ27の長手方向(食品生地15の幅方向)へ振動することにより、食品生地15の幅方向の両側縁に振動を付与することができる。したがって、前記振動付与部材31に対する食品生地15の粘着を防止して円滑な移送を行うことができるものである。また、前述のごとく、食品生地15の幅方向の両側縁部に幅方向の振動を付与する際には、両側縁部の圧縮、解放を繰り返し行うこととなる。すなわち、内部応力の付与、解放が行われることとなり、内部応力が残留するようなことはないものである。
【0074】
また、一対の振動付与部材31において一方の振動付与部材31に対し他方の振動付与部材31のみを接近離反するよう振動させた場合であっても、食品生地15内部への圧縮と解放を繰り返して振動を付与すことによりガス抜きを行うことができ、また、これにより食品生地15の自重流下を促して複数の延展ローラ27間でのブリッジ現象を防止でき食品生地15を下方に排出することができるものである。
【0075】
さらに、前記一対の振動付与部材31の対向間隔を、上側より下側を狭く設け、前記延展ローラ27の対向間隔を、上側より下側を広く設けてもよい。この構成により、図8(A)に示すような立方体状の切断片を形成する場合において、より厚い生地(各片の長さが大きい生地)を形成することができる。従って、これにより食品生地15の自重流下を促して複数の延展ローラ27間でのブリッジ現象を防止でき食品生地15を下方に排出することができるものである。この実施の形態は、例えば欧州公開特許公報第0319112号に開示されている傘型丸め装置において生地を丸める場合、略立方体状の生地を供給することにより丸め成形を効果的に行うことができるので、当該傘型丸め装置への適用が有効である。
【0076】
上述実施の形態を更に変更して、前記一対の振動付与部材31の対向間隔は前述と同様に上側(上流側)より下側(下流側)を狭く設け、前記延展ローラ27の対向間隔については、上側(上流側)から下側(下流側)にわたり同じ対向間隔に設けてもよい。
【0077】
そして、前記延展ローラ27の速度については、上側(上流側)の延展ローラ27から下側(下流側)の延展ローラ27にわたり同じ周速になるように設定してもよい。
【0078】
尚、本願発明に基づく計量切断装置を構成する計量コンベア(秤量コンベア)59及びカッタ装置61は、上述の実施の形態に限定されることはなく、例えば欧州公告特許公報第1174032号に開示されている計量切断装置に置き換えても同様の効果を奏する。
【0079】
ところで、前述のように、延展手段25によって延展される食品生地15の幅方向の両側部を振動付与部材31によって規制し、かつ前記振動付与部材31によって食品生地15の両側部に振動を付与すると、食品生地15は両側部に凹凸部を備えることなく、食品生地15の幅方向の両側面は平滑面に形成されるものである。したがって、食品生地15を前述したように複数列に分割する場合、両側部のトリミングを行う必要がないものである。よって、トリミングによって除去する部分がなく、トリミングによる無駄をなくすることができるものである。
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