特許第6076362号(P6076362)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6076362可撓性片を引っ張る装置及び可撓性片を伴ったこのような装置を備えるアセンブリ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6076362
(24)【登録日】2017年1月20日
(45)【発行日】2017年2月8日
(54)【発明の名称】可撓性片を引っ張る装置及び可撓性片を伴ったこのような装置を備えるアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/88 20060101AFI20170130BHJP
【FI】
   A61B17/88
【請求項の数】14
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-537697(P2014-537697)
(86)(22)【出願日】2012年10月25日
(65)【公表番号】特表2014-534857(P2014-534857A)
(43)【公表日】2014年12月25日
(86)【国際出願番号】FR2012052454
(87)【国際公開番号】WO2013060990
(87)【国際公開日】20130502
【審査請求日】2015年7月2日
(31)【優先権主張番号】11/03319
(32)【優先日】2011年10月28日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】311009099
【氏名又は名称】アンプラネ
【氏名又は名称原語表記】IMPLANET
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】特許業務法人 津国
(74)【代理人】
【識別番号】100078662
【弁理士】
【氏名又は名称】津国 肇
(74)【代理人】
【識別番号】100131808
【弁理士】
【氏名又は名称】柳橋 泰雄
(74)【代理人】
【識別番号】100116528
【弁理士】
【氏名又は名称】三宅 俊男
(74)【代理人】
【識別番号】100146031
【弁理士】
【氏名又は名称】柴田 明夫
(74)【代理人】
【識別番号】100122736
【弁理士】
【氏名又は名称】小國 泰弘
(74)【代理人】
【識別番号】100122747
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 洋子
(74)【代理人】
【識別番号】100132540
【弁理士】
【氏名又は名称】生川 芳徳
(72)【発明者】
【氏名】バチェッリ,クリスチャン
(72)【発明者】
【氏名】ル・クエディク,レジス
【審査官】 木村 立人
(56)【参考文献】
【文献】 欧州特許出願公開第0780096(EP,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0105715(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0138048(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0249845(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/56 ― 17/92
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
インプラントに骨要素を保持するために可撓性片(3)を引っ張る装置であり、
インプラントを固定するための長手棒を支持する手段(17)が設けられた第1端部(16)を有するロッド(15)と、
可撓性片(3)を装置の部位(25)に拘持する可動式コンポーネント(29)と、
前記装置の部位(25)に対して並進移動ができるように可動式コンポーネント(29)を拘止する調整可能な拘止手段(42)と、
を含む装置であって、
ロッド(15)が第2端部(24)に握持するための取手(23)を含むことと、
前記装置(14)の部位(25)が、ロッド(15)に片(3)の角度戻し(27、28)と共に中間の高さで堅固に固定され、ロッド(15)と角度を形成することと、
前記可撓性片が2つの自由端(36、37)を含み、前記可動式コンポーネント(29)が、可撓性片(3)を固定する2つの異なる要素(34、35)、すなわち、可撓性片(3)の前記端部の一方のための第1要素(34)、及び、他方の端部のための第2要素(35)を含むその丸い外面(33)の周囲で片(3)を誘導するために、前記部位(25)に垂直な軸(32)に対して自由回転するホイール(31)を含むことと、
を特徴とする装置。
【請求項2】
2つの固定要素(34,35)が、実質的にホイール(31)の直径の反対側にあることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
ホイール(31)が、周囲面(33)に片(3)を誘導する溝(38)を有した切頭錐体又は楕円板形状であることを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項4】
片(3)が、一方の側(36)に、可撓性ブレイド形状末端部を、他方の側(37)に、締結ペグ(52)を有し、第1要素(34)が、ブレイドの保持のために、ホイール(31)の面への傾斜切削(40)によって形成され、第2要素(35)が、ペグ(52)を拘持するために、フック(41、41’)によって形成されることを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか1項に記載の装置。
【請求項5】
調整可能な拘止手段(42)が、可動式コンポーネント(29)を前記装置(14)の部位(25)に対して並進移動させるのに適した螺着手段(43)を含むことを特徴とする請求項1〜4のうちのいずれか1項に記載の装置。
【請求項6】
調整可能な拘止手段(42)が、装置部位(25)に堅固に接続されるラックを有し、螺着手段(43)が、可動式コンポーネント(29)に堅固に接続される作動キーを有した逆止めラチェットシステムを含むことを特徴とする請求項5に記載の装置。
【請求項7】
ラチェットシステムが、ラチェットを解放するレバーアーム(50)を有することを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項8】
螺着手段(43)が、少なくとも1つの蝶ネジ(49)を有することを特徴とする請求項5から7のうちのいずれか1項に記載の装置。
【請求項9】
ロッド(15)と装置部位(25)の間に配置され、そして、面での前記片(3)の角度戻しのための互いに平行な軸を有する2つのスプロケットホイール(27、28)が設けられたブロックによって形成される、接続コンポーネント部片(26)を、装置が有し、前記ブロックが、前記ロッド(15)に堅固に接続されることを特徴とする請求項1〜8のうちのいずれか1項に記載の装置。
【請求項10】
接続コンポーネント(26)が、ロッド(15)に沿って移動可能であることを特徴とする請求項9に記載の装置。
【請求項11】
ロッド(15)に対する前記装置部位(25)の角度が、調整可能であることを特徴とする請求項1〜10のうちのいずれか1項に記載の装置。
【請求項12】
ロッド(15)に対する前記装置部位(25)の角度が、90°と130°の間であることを特徴とする請求項1〜11のうちのいずれか1項に記載の装置。
【請求項13】
ロッド(15)に対する前記装置部位(25)の角度が、90°であることを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項14】
請求項1〜13のうちのいずれか1項に記載の装置(14)、及び、可撓性片(3)を備えることを特徴とするアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インプラントに骨要素を保持するために、可撓性片を引っ張る装置に関する。この装置は、インプラントを固定する長手棒を支持する手段が設けられた第1端部を有するロッド、可撓性片を装置の部位に拘持する可動式コンポーネント、この部位に対して並進移動可能な可動式コンポーネントを拘止する調整可能な拘止手段を有する。
【0002】
本発明は、また、このような装置及び装置と組み合わされる可撓性片を備えたアセンブリに関する。
【0003】
排他的ではないが、本発明は、異常弯曲を示す患者の脊柱の矯正の分野に特に適用可能である。
【0004】
異常弯曲の場合、脊椎骨が、脊椎軸に対して互いに正しく整合されず、相互傾斜を示す。
【0005】
全体を矯正するために、脊柱のそれぞれの側の、脊椎骨の外縁から実質的に同等の距離に、互いに接続する長手棒を介して、脊椎骨自体に挿入されるネジ、又は、脊柱管に沿って導入されるフックが配置されることが知られている。
【0006】
しかしながら、傷をつけるため、このような装置には欠点がある。
【0007】
これらの欠点を緩和するために、接続コンポーネントに脊椎骨を固定するための、可撓性連結線が提案された。接続コンポーネントは、矯正を可能にする長手棒にそれ自体固定される。
【0008】
この場合、棒にある接続コンポーネントを再閉することにより可撓連結線を拘止する手段が必要となる。
【0009】
本発明が本明細書で解決しようとする課題は、接続コンポーネントに脊椎骨を固定するための、この可撓性連結線の引張に関するものである。
【0010】
実際、所定の位置にこの連結線を装着する場合に、可撓性片によって押圧されることになる骨要素に決して損傷を与えずに、ユーザが段階的に連結線を締め直しできることが重要である。
【0011】
補助的な引張装置が、現在利用可能であり、ロッド、ロッドに沿って並進移動可能なコンポーネント、及び、可動式コンポーネントに設置されそしてコンポーネントからロッドの端部を分離するために水平になる要素が設けられる。
【0012】
しかしながら、このような補助的な装置には、欠点がある。
【0013】
補助的な装置では、連結線自体の延長部分を引っ張ることが実際に必要となり、連結線が、引っ張ることができるように、ねじれていなければならない。
【0014】
更に、このような器具を使用すると、張力のいかなる手動フィードバック制御も、不可能であり、したがって、器具には、骨要素の圧壊を防止するために、一定の決定値を超えた引張の停止を可能にする調整可能な動力測定システムが必要となる。
【0015】
本発明の目的は、以前より公知の装置と比べ、実際に生じる要求に適切に反応する可撓性片を引っ張る装置を利用可能にすることであり、特に、このような引張に使用されるツールの設計そのもののために、非常に大きな柔軟性、及び、引張度に対する優れた感度が可能となるという点で、並びに、非常に改良されたシンプルな調整可能性を有するという点で、要求に適切に反応する装置を利用可能にすることである。
【0016】
また、本発明は、解剖学上の取り付け物周辺での可撓性片のスライド不良によって発生する抵抗の補償を可能にする。
【0017】
このため、本発明は、特に、インプラントに骨要素を保持するために可撓性片を引っ張る装置を提案する。装置は、インプラントを固定するための長手棒を支持する手段が設けられた第1端部を有するロッドと、可撓性片を装置の部位に拘持する可動式コンポーネントと、前記装置の部位に対して並進移動可能に可動式コンポーネントを拘止する調整可能な拘止手段と、を有し、ロッドが、第2端部に握持するための取手を含むこと、前記装置の部位が、ロッドに片の角度戻しと共に中間の高さで堅固に固定され、ロッドと角度を形成すること、前記可撓性片が2つの自由端を含み、前記可動式コンポーネントが、可撓性片を固定する2つの異なる要素、すなわち可撓性片の前記端部の一方のための第1要素、及び、他方の端部のための第2要素を含むその丸い外面の周囲で片を誘導するために、前記部位に垂直な軸に対して自由回転するホイールを含むことを、特徴とする。
【0018】
角度を形成する横方向の枝部にそれ自体並置された可動式コンポーネントを作動させる手動螺着手段は、段階的で制御された可撓性片の引張を可能にする。
【0019】
有利には、支持手段は、ロッドに対するインプラントのそれぞれの側に配置される。
【0020】
また、有利な実施形態では、以下の構成の1つ以上が用いられる。
【0021】
− 2つの固定要素が、実質的に直径の反対側にある。
【0022】
− ホイールが、周囲面に片を誘導する溝を有した切頭錐体又は楕円板形状である。
【0023】
− 片が、一方の側に、可撓性ブレイド形状末端部を、他方の側に、締結ペグを有し、第1要素が、ブレイドの保持のために、ホイールの面への傾斜切削によって形成され、第2要素が、ペグを拘持するために、フックによって形成される。
【0024】
− 調整可能な拘止手段が、可動式コンポーネントを作動させるのに適した螺着手段を含む。
【0025】
− 調整可能な拘止手段が、装置部位に堅固に接続されるラックを有し、螺着手段が、可動式コンポーネントに堅固に接続される作動キーを有した逆止めラチェットシステムを含む。
【0026】
− ラチェットシステムが、ラチェットを解放するレバーアームを有する。
【0027】
− 螺着手段が、少なくとも1つの蝶ネジを有する。
【0028】
− ロッドと装置部位の間に配置され、そして、面での前記片の角度戻しのための互いに平行な軸を有する2つのスプロケットホイールが設けられたブロックによって形成される、接続コンポーネントを、装置が有し、前記ブロックが、前記ロッドに堅固に接続される。
【0029】
− 接続コンポーネントが、ロッドに沿って移動可能である。
【0030】
− ロッドに対する前記装置部位の角度が、調整可能である。
【0031】
− ロッドに対する前記装置部位の角度が、90°と130°の間である。
【0032】
− ロッドに対する前記装置部位の角度が、90°である。
【0033】
本発明は、また、上で説明をした種類の装置及び可撓性片を備えるアセンブリを利用可能にする。
【0034】
本発明は、また、上で説明をした種類のアセンブリを使用して、骨及び/又は脊椎骨上の片を引っ張る方法に関する。
【0035】
非限定的な例として以下に示される実施形態の説明を読むことにより、本発明がより適切に理解されるであろう。
【0036】
説明は、以下の添付図面を参照にする。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】(骨要素を保持するために)本発明の装置で引っ張ることが可能な可撓性片を使用した、棒に固定するための本体の斜視図である。
図2】棒に固定した本体、及び、本発明の装置によって引っ張られた後に切断された可撓性片を示す、脊椎骨の底面図である。
図3】本発明の一実施形態による装置の不等角投影斜視図である。
図4図3の装置及び可撓性片を備えるアセンブリの側面図である。
図5図3の装置の可動式コンポーネントの部分斜視図である。
図6】本発明の一実施形態による可撓性接続片の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下の説明では、同一の要素を指示するために、同一の参照番号が使用される。
【0039】
図1は、円筒棒2に固定するための本体1、及び、ループ4を形成するために幅6mm、長さ30cmとなる、例えばポリエステルなどの、編組高分子で作られた可撓性片3を示す。
【0040】
固定する本体1に可撓性片3を拘止する調節可能手段5が提供される。固定する本体1は、例えば、U字形断面を有したクランプを形成する一体型コンポーネントにより形成され、前記U字は、実質的に半楕円形状の断面を有した2つの肉厚枝部6、7を含み、肉厚枝部は、縦断面に対して対称であり、そして、一方の側にU字の半円筒形状底面を形成し、他方の側に枝部6及び7の丸い外壁を形成するトロイド形半リング形状の接続部8によって、互いに接続される。
【0041】
U字の底面壁は、棒2の形状を補完するか又は実質的に補完する形状である。
【0042】
各枝部6、7は、操作の際の紐の導入を容易にするために、例えば、紐の厚みの5倍から10倍の幅の、例えば幅広のスリット形状をした、隙間9を有する。
【0043】
各枝部6及び7は、拘止手段5を通すための円筒形状孔、すなわち、直径Dの穿孔、及び、直径d<Dの螺着用の円筒形状ネジ孔を有する。
【0044】
拘止手段5は、接続コンポーネント10又はネジにより形成され、一方の側に、U字の穿孔に係入するヘッド11が設けられ、他方の側に、前記対向する円筒形状ネジ孔に螺着する端部12が設けられる。
【0045】
本明細書でより詳細に説明される実施形態では、ネジのヘッド11は、コンポーネントが螺着されるにつれて棒2が押圧されるように設計された、円筒形状上部及び下方向にテーパーがついた下部13を含む。
【0046】
図2は、図3図4及び図5に示されるような装置14による骨Vのループ4の引張を可能にするために、ループ4を介して本体1で棒2に固定される、脊椎骨Vを示す。
【0047】
ループ4を介して可撓性片3を引っ張る装置14は、例えば長さ40cmで、円筒形状の、細長いロッド15を有し、そして、棒2を補完し、棒2と協働するように設計された形状の、例えば円筒形フック形状の部分18を有する端部16に堅固に接続された部分からなる支持手段17が、第1端部16に設けられる。
【0048】
より詳細には、コンポーネント17は、例えば、端部16に堅固に接続された、それぞれの側に2つの平行な対称枝部20が延びる踵部19によって形成され、枝部の端部に、棒2と協働するように設計された2つの肩部21が設けられる。
【0049】
2つの枝部20は、それ自体公知の方法で棒に固定する本体1が挿入される開口22によって、隔てられる。
【0050】
装置は、ロッド15の第2端部24の延長部分に、手動で把持するための取手23を有する。
【0051】
また、本明細書でより詳細に説明される本発明の実施形態による装置は、ロッド15と角度βを形成する部位25を有し、そして、部位25は、ロッドと前記部位の間に配置されブロックによって形成される接続コンポーネント26により、中間の高さでロッド15に堅固に固定される。ブロックは、例えば、実質的に平行六面体であり、そして、ロッド部位25への、面での片3の角度戻しのために、ロッド15の軸に垂直で互いに平行な軸を有した、2つのスプロケットホイール27及び28が設けられる。
【0052】
部位25に対して並進移動可能な(矢印30)コンポーネント29が、提供される。
【0053】
可動式コンポーネント29は、追加的に、接続する軸32のまわりに自由回転できるように設置された補償ホイール31を含み、軸32は、可動式コンポーネント29の動きと垂直で、互いに対向する補償ホイール31の縁部33及び2つのスプロケットホイール27、28の位置を定める。
【0054】
補償ホイール31は、切頭錐体又は卵形の円板の一般形状を有し、可撓性片3の端部36、37(図6参照)を固定する手段34、35を含む。
【0055】
ホイールの丸い周囲面には、可撓性片3を誘導する、前記可撓性片3よりわずかに広い幅を有した溝38が含まれる。
【0056】
可撓性片3の端部36、37を補償ホイール31に堅固に接続することができる固定手段34、35は、実質的に直径の反対側にある。
【0057】
休止状態、すなわち、張力が補償ホイール31に適用されない場合には、固定手段34、35が鉛直に整列しロッド15の軸とほぼ平行となるように、ホイールのバランスは保たれる。
【0058】
誘導溝38の端部に、上部の第1固定手段34は、補償ホイール31に切削40によって形成された折返し39を含む。
【0059】
切削40の厚みは、可撓性片3を受け保持するように適合され、切削40は、前記補償ホイール31の表面を横断する。
【0060】
したがって、折返しは、片3の牽引力のバランスをとり、その結果、前記片3の適切な保持を確実にする。
【0061】
第2固定手段35は、円筒と協働し、所定の位置に円筒を保つように適合された2つの弯曲した歯41、41’を含む。
【0062】
2つの歯41、41’は、少なくとも片3の幅だけ、間隔を置かれる。
【0063】
可動式コンポーネント29は、追加的に、前記の並進移動ができるように可動式コンポーネント29を拘止する調節可能手段42を含み、そして、螺合手段43が設けられる。
【0064】
図5をより詳細に参照にすると、調整可能な拘止手段42は、部位25へ堅固に接続されるラックを含み、拘止手段部分のための螺合手段43は、可動式コンポーネント29に堅固に接続される作動キーを有した逆止めラチェットシステムを含む。
【0065】
調整可能な拘止手段42は、接続コンポーネント26によってロッド15に固定された部位25の端部46が通過する穿孔が開けられた本体45を有する。
【0066】
上部にラックの歯47を有する端部46は、コンポーネント45の穿孔と緩やかな摩擦により協働することになり、そして、コンポーネント45は、横方向の穿孔が開けられたスタッブ48を上部に有し、その穿孔を、蝶ネジが回転したときに可動式コンポーネント29が部位25に沿って横に移動するようにラックの歯47と協働するよう設計された歯車を手動で作動させる翼49の軸が通過する。
【0067】
それ自体公知のラチェット手段は、逆止めレバー50がそれ自体公知の方法で持ち上げられたときにラチェット手段が作動しラチェット手段のロックを外すことができるように設計される。
【0068】
これにより、ラチェットを解放して、可撓性片の張力を解放することが実際に可能とな
る。
【0069】
可動式コンポーネント29がロッド15から離れて移動するときに片3及びループ4が引っ張られるように、可動式コンポーネント29の端部51に固定された補償ホイール31に、可撓性片3、より正確にはこの可撓性片3の端部36、37が、堅固に接続される。
【0070】
部位25とロッド15間の角度βを、例えば、それ自体公知の方法で拘止するために、調整可能である。
【0071】
可撓性片3が、図6を参照にして、ここで説明される。
【0072】
可撓性片3は、一般に、平行六面体形状を有し、可撓性片3の端部36の1つを、尖頭又は丸い、傾斜形状とすることができる。
【0073】
この同じ端部36を、可撓性片3の端部と同じ形状の金属ブレイドで補強することができ、金属ブレイドを、脊椎骨の下への導入及び通過を可能にする柔軟フックの形状とすることが可能である。
【0074】
片の他の端部37には、固定手段が配置される。
【0075】
本明細書でより詳細に説明される実施形態では、固定手段は、締結ペグ52からなる。
【0076】
締結ペグ52は、可撓性片3と直交する円筒53によって形成され、そして、中央部分に、可撓性片3よりわずかに広い幅で、前記円筒53を取り込むように周囲に前記可撓性片3の一部を巻く溝を含む。
【0077】
本発明による装置の操作が、ここで、説明される。
【0078】
ユーザは、最初に、骨要素の周囲にループ4を形成する。
【0079】
これを行うために、ユーザは、最初に、固定する本体6に可撓性片3の第1端部36を通過させ、続いて、骨部の周囲に、そして、戻って固定する本体6に、第1端部36を通過させることにより、ループ4を形成する。
【0080】
可撓性片3の端部の外形により、また、小さな寸法で一定の剛性の金属補強材により、この操作は、より容易なものとなる。
【0081】
続いて、補償ホイール31の切削40で、ユーザは、補償ホイール31の第1固定手段34に第1端部36を固定し、補償ホイール31の誘導溝38に可撓性片3を載置する。
【0082】
全く同一の端部が、固定本体32を通過する。
【0083】
骨の周囲のループ4は、その結果シンプルなものとなり、結び目を伴わず、これにより、医師の時間が節約され、組織環境での繊細で複雑な装置の操作に対する高い安全性が確保される。
【0084】
続いて、ユーザは、固定手段35の歯41、41’に端部の固定ペグ52を挿入することにより可撓性片3の第2端部37を第2固定手段35に固定し、2つの歯41、41’の間の空間に片3を通過させて、スタッブ27上に片3を載置する。
【0085】
したがって、ユーザは、何らかのベルトを形成するために可撓性片3の端部を固定する必要はない。
【0086】
可撓性片3の固定ペグ52は、歯41、41’の内側に弯曲した形状、及び、歯41、41’にクリップされた円筒53によって、保持される。
【0087】
したがって、補償ホイール31のバランスを保つことにより、可撓性片3の、したがって骨部の、張力に対する、寄生的な力の発生を防止することが可能となる。
【0088】
可撓性片3の寸法は、片3がほぼ引っ張られた位置にあるように、前もって算出決定されることになる。また、寸法が長い場合には、例えば一実施形態では、前記ロッド15に部位25を固定するコンポーネント26を、所望の初張力が獲得されるように移動させることが可能である。
【0089】
続いて、翼49を回転させることにより、張力がかけられ、これにより、ラックと噛合した歯車47が駆動する。
【0090】
可撓性片3が抵抗なしに骨上をスライドする場合には、補償ホイール31は、可撓性片3の端部の堅固な固定機能を果たし、バランスを保つ自然な位置に留まる。
【0091】
可撓性片3のスライドが、スライド時に止められる場合には、対応するストランドは、他のストランドと比較して過剰な張力を受け、過剰な張力が、補償ホイール31のバランスを崩し、補償ホイール31が、この抵抗を段階的に補償するために、角度αだけ傾斜する。
【0092】
明らかなように、更には上記の結果より、本発明は、より詳細に説明された実施形態に限定されない。反対に、本発明は、実施形態のあらゆる変形態様、特に、単一の翼キーのみが存在する変形態様、螺着手段が異なる変形態様及び/又は可撓性片3の固定手段34、35が異なって形成される変形態様を包含する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6