特許第6076368号(P6076368)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6076368
(24)【登録日】2017年1月20日
(45)【発行日】2017年2月8日
(54)【発明の名称】皮膚治療装置
(51)【国際特許分類】
   A61N 5/06 20060101AFI20170130BHJP
【FI】
   A61N5/06 Z
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-542935(P2014-542935)
(86)(22)【出願日】2012年11月23日
(65)【公表番号】特表2014-533569(P2014-533569A)
(43)【公表日】2014年12月15日
(86)【国際出願番号】GB2012052912
(87)【国際公開番号】WO2013076508
(87)【国際公開日】20130530
【審査請求日】2015年9月28日
(31)【優先権主張番号】1120381.7
(32)【優先日】2011年11月25日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】514130448
【氏名又は名称】サイデン リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】特許業務法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジョーンズ,スチュワート テリー
【審査官】 石川 薫
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2000/053261(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61N 5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
皮膚の治療装置であって、
少なくとも一つの可変放射線パラメータを含み、放射線を発生させるように設計された皮膚治療放射線源、該少なくとも一つの可変放射線パラメータの大きさを制御するための制御ユニット、および前記制御ユニットが着脱可能に取り付けられる基部ユニットを含んでおり、
前記制御ユニットは、測定可能な皮膚のパラメータを検知するためのセンサ、およびユーザ前記制御ユニットと相互作用するためのアクチュエータを含んでおり、
前記制御ユニットは、検知および制御モードのそれぞれで作動するように設計されており、
前記検知モードでは、前記制御ユニットは前記基部ユニットから取り外され、前記センサは前記皮膚の測定可能なパラメータを検知することができ、
前記制御モードでは、前記制御ユニットは前記基部ユニットに接続され、前記検知された皮膚パラメータに応じて、前記皮膚治療放射線源の操作を制御するように設計されていることを特徴とする皮膚の治療装置。
【請求項2】
前記基部ユニットへの前記制御ユニットの接続後に、所定の時間内に前記放射線源が起動されない場合には、前記放射線源からの放射線の発生を防止するためのタイミング回路をさらに含んでいることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚の治療(処置)装置、およびその使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
高強度の広帯域光パルスなど、制御された量の光学的放射(光放射)に皮膚を曝露することによる皮膚の治療(処置)(例えば、脱毛、皮膚の欠点の最少化、または皮膚の活性化などの美容目的、並びにざそう(にきび)または慢性皮膚炎(皮脂腺炎症)などの皮膚の皮膚学的治療)は知られている。この処置には、一般的にエネルギー強度とパルス持続時間との組合せによって決定される投与量を用いた、実質的に可視スペクトル範囲全体の放射線が関与する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
IPLを用いた皮膚の治療に使用される装置は、現在、一般人による使用のためにますます種類が増加しており、その結果、誤解や乱用による、そのような装置の誤用を回避させる必要がある。
【0004】
そこで、改良された皮膚治療装置が開発された。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によれば、第1の特徴では、皮膚の治療装置が提供され、その装置は、少なくとも一つの可変放射線パラメータ、その少なくとも一つの放射線パラメータの大きさ(Magnitude:強度、量、値)を制御するための制御ユニット、およびそれに制御ユニットが着脱可能に取り付けられる基部ユニットを含んだ、放射線を発生させるように設計された皮膚治療放射線源を含んでいる。
【0006】
この制御ユニットは、測定可能な皮膚パラメータを検知するためのセンサ、およびユーザを制御ユニットとインターフェースさせるためのアクチュエータを含んでおり、制御ユニットはそれぞれの検知および制御モードで作動するように設計されており、検知モードでは、制御ユニットは基部ユニットから取り外され、センサは皮膚の測定可能なパラメータを検知することができ、制御モードでは、制御ユニットは基部ユニットに接続され、検知された皮膚パラメータに応じて、皮膚治療放射線源の操作を制御するように設計されている。
【0007】
検知されている測定可能な皮膚パラメータは、典型的には色素沈着の程度(皮膚の色調としても知られる)であり、これは、色調1(北欧人の明るい皮膚(白色))から色調6(アフリカ‐カリブ人の非常に暗い皮膚(黒色))までのよく知られた尺度に分類できる。あるいは、または追加的に、測定可能な皮膚パラメータは、例えば皮膚の1以上の層の厚み、皮膚の油分の測定値、または皮膚層の血液のパラメータでよい。
【0008】
その少なくとも一つの可変放射パラメータは、放射線強度および/またはパルス持続時間などの、適用された放射線の持続期間、放射および/または、放射線源からの出力である、パルス周波数などの適用時間の周波数を含むことができる。
【0009】
好適には、制御ユニットは、制御モードで作動しているとき、放射線パラメータの大きさを選択するようにさらに設計されている。制御ユニットは、検知された皮膚パラメータが所定の範囲を外れると放射線源の作動を停止するように、および/または、検知された皮膚パラメータに応じて放射線パラメータの大きさを制限するように設計できる。
【0010】
したがって有利には、制御ユニットは、皮膚パラメータの検知および放射線強度などの放射線パラメータの大きさの選択の両方のために利用でき、よって、皮膚を治療する前にユーザが実行しなければならないステップの順序を確立するために利用できる。例えば、放射線強度(すなわち出力)の選択は、電力入力の適切な選択によって実行できる。
【0011】
好適には、制御ユニットは、検知された皮膚パラメータを保存するための第1のメモリをさらに含んでいる。好適には、基部ユニットは、第2のメモリを含んでおり、制御ユニットが取り付けられているとき、検知された皮膚パラメータは、制御ユニットから第2のメモリにダウンロード可能である。このように、基部ユニットは治療対象の皮膚の検知パラメータを保存でき、保存されたパラメータは、放射線源から発生される放射線強度などの放射線パラメータの大きさを制限するように設計できる(よって、例えばユーザの皮膚の放射線への過剰曝露を最小限化させる)。あるいは、または追加的に、保存されたパラメータを、例えばパルス持続時間などの適用された放射線の持続時間を制限するように利用できる。
【0012】
本発明の1実施態様では、制御ユニットは好適には、皮膚の色調などの検知された測定可能な皮膚パラメータに応じて、放射線源から発生される放射線強度などの放射線の最大許容可能なパラメータを選択するように設計できる。
【0013】
好適には、放射線源は、複数の放射線パラメータの大きさを含む放射線を発生させるように設計でき、アクチュエータは、ユーザがアクチュエータを作動させ、制御ユニットが取り付けられているとき(制御モード)、放射線パラメータの大きさを、(測定された皮膚パラメータによって決定された)所定の最大値から選択的に減少できるように設計されている。アクチュエータは、好適には、制御モードで次々に作動されると、累進的に低くなるパラメータの大きさを選択するように設計されている。最低のパラメータの大きさが選択されると、好適には、アクチュエータのさらなる作動がパラメータの大きさを所定の最大値に再設定する。この点において、ユーザは、例えば当該皮膚色調に適したものよりも低い放射線強度を選択することが許容されるが、皮膚の過剰曝露につながる可能性がある高い放射線強度の選択が防止される。
【0014】
この装置は、好適には、皮膚パラメータの検知または基部ユニットへの制御ユニットの接続後に、所定の時間内に放射線源が起動されない場合には、放射線源からの放射線の発生を防止するためのタイマーまたはタイミング回路をさらに含んでいる。このタイマーまたはタイミング回路は好適には、そのような作動に続いて、さらに所定の時間が経過した後の放射線の発生も防止する。
【0015】
制御ユニットは、好適には、放射線源によって発生される放射線強度などの放射線パラメータの選択された大きさを表示するため、一連の個別の発光手段(例えば一連の発光ダイオードなど)などの段階的スクリーンまたは複数の表示部を含んでいる。個別の光手段が使用されたとき、連続した発光手段の特定数が当該大きさを表示できる。段階的スクリーンが使用されると、スクリーン上の色が、当該大きさを表示するために使用できる。
【0016】
好適には、治療放射線源は、広帯域放射線源などの光源を含んでいる。広帯域放射線源は、実質的に全可視スペクトルで作動する、“高強度パルス光(IPL)”システムと称されることもある(但し、広帯域白光スペクトルのみを部分的にフィルタリングすることが望ましい場合もある)。
【0017】
治療放射線源は、好適には、制御ユニットとは別に、基部ユニットに取り外し可能に連結された携帯型ユニット内に提供されている。放射線源は、好適には光学放射線源(光放射線源)を含んでおり、好適にはその携帯型ユニット内に取り外し可能に配置されている。
【0018】
本発明は、本発明による皮膚治療装置の操作方法をさらに提供する。この方法は、
基部ユニットから制御ユニットを取り外すステップと、
治療対象の皮膚の測定可能なパラメータを検知するため、制御ユニット内に提供されたセンサを使用するステップと、
制御ユニットを基部ユニットに取り付けるステップと、
検知された皮膚パラメータに応じて、皮膚治療放射線源の運用を制御するステップと、
を含んでいる。
【0019】
この方法は、好適には、放射線源から発生される放射線の可変パラメータの大きさ(強度、量)を選択するために制御ユニットを使用するステップをさらに含んでいる。
【0020】
本発明の1実施態様では、この方法は、検知された皮膚パラメータに応じて、放射線源から発生される放射線の最大レベルを制限するステップをさらに含んでいる。この方法は、好適には、放射線源から発生される放射線強度を最大レベル以下に選択的に減少させるステップをさらに含んでいる。
【0021】
この方法は、好適には、そこから放射線を発生させる放射線源を起動させるステップをさらに含んでいる。好適には、この方法は、測定可能な皮膚のパラメータの検知後または基部ユニットと制御ユニットとの接続後の予め設定された時間内に放射線源が起動されない場合には、放射線源からの放射線の発生を防止するステップをさらに含んでいる。
【0022】
放射線源を当初に起動した後、放射線源が当初の起動から予め設定された時間内に起動しない場合には、さらなる起動を積極的に防止することが望ましい。
【0023】
本発明は、本発明による方法を実行するステップと、典型的には美容目的で、皮膚を治療するための装置の放射線源を使用するステップとを含んだ皮膚治療処置をさらに提供する。
【0024】
特に、この皮膚治療は脱毛目的や、あざの治療またはコラーゲンの活性化などのその他の美容目的、ざそう(にきび)または慢性皮膚炎(皮脂腺炎症)の治療などの医療目的のためでもよい。
【0025】
本発明の1実施態様について、例示の目的でのみ、添付の図面に関連させて解説する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】制御ユニットが基部ユニットに接続されている、本発明の1実施例による皮膚治療装置の概略図である。
図2】制御ユニットが基部ユニットから取り外されている、図1の皮膚治療装置の概略図である。
図3図1の皮膚治療装置の使用に適した例示的回路図の概略図である。
図4】本発明による運用手順における皮膚治療装置の操作方法の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1から図3には、皮膚の異常や状態を治療するため、または脱毛などの美容目的のための、本発明の1実施例による皮膚治療装置10が図示されている。装置10は、光学放射線の高強度パルスを発生させるように設計された、放電ランプ21などの治療放射線源を含んでいる。ランプ21は、ランプ21が治療対象の皮膚の所望の領域付近に適切に配置されるよう、携帯型ユニット20内に提供されている。携帯型ユニット20は、例えば放射線源を起動させるために押圧でき、そこから放射線を発生できる、トリガー22などのアクチュエータをさらに含んでいる。
【0028】
装置10は、基部ユニット30と、基部ユニット30と着脱可能に接続できるように設計された制御ユニット40とをさらに含んでいる。制御ユニット40は、制御ユニット40が基部ユニット30に接続されているか、外れているかに応じて、2つの異なるモードの一方で作動するように設計されている。基部ユニット30から外れているとき、制御ユニット40は検知モードで作動し、例えば皮膚の色調または色、皮膚の厚み、または皮膚の油分レベルなどの対象皮膚の測定可能なパラメータを決定するように設計されている。基部ユニット30に接続されているとき、制御ユニット40は、放射線源から発生される放射線の可変パラメータを制御するため、制御モードで作動するように設計されている。可変放射パラメータは、例えば、ランプ21によって発生される1以上の放射線強度レベル、パルス持続時間のごとき起動されると放射線源が放射線を発生させる持続時間、または起動毎の適用周波数などを含むことができることも想定できる。以降の解説においては、放射線パラメータは放射線強度レベルとされているが、当業者であれば、別のおよび/または追加的な放射線パラメータも利用できることは理解できよう。
【0029】
制御ユニット40は、ユーザにインターフェースさせ、制御ユニット40を作動させるためのボタン41などのアクチュエータと、治療対象の皮膚の色調または色などの皮膚の測定可能なパラメータを検知するためのセンサ42を含んでいる。当業者であれば、別な、または追加的な皮膚パラメータも検知できることを理解できよう。センサ42は、検知用の放射線を制御ユニット40のウィンドウ(図示せず)を通して治療対象の皮膚に送るように設計されたトランスミッタ42aを含んでいる。センサ42は、皮膚表面から反射された放射線を受領するように設計されたフォトダイオードなどのレシーバ42bをさらに含んでいる。受領した放射線の程度(強度)は、例えば、明るい色調の皮膚は暗い色調の皮膚よりも多く反射するなど、皮膚の色調を表すものと解釈される。制御ユニット40は、そこに提供されたプロセッサ43を用いて受領した放射線の大きさ(強度、量)を処理し、検知された皮膚の色調を決定するため、放射線の大きさを測定値の検量化されたセットと比較するように設計されており、その結果はその後、制御ユニット40のメモリ44に保存される。
【0030】
制御ユニット40は、複数の発光ダイオードなどの複数の表示部45aから45fをさらに含んでおり、これらの表示部は、検知された皮膚の色調に応じて発光するように設計されており、よってユーザに検知された皮膚の色調に注意を促し、基部ユニット30から取り外されているときには、制御ユニット40に電力を供給するコイン型電池またはディスク型電池などの電池46ついて注意を促す。
【0031】
基部ユニット30は、制御ユニット40からダウンロードされた情報を処理するためのプロセッサ31を含んでおり、基部ユニット30は、電気幹線32から電力供給される。基部ユニット30は、電気幹線32から充電され、電力ケーブル23を介して放電ランプ21に電力を供給するように設計された、蓄電器(コンデンサ)33などの電力供給器をさらに含んでいる。このようなアレンジで、携帯型ユニット20と基部ユニット30は、電力ケーブル23を介して連結されている。
【0032】
基部ユニット30は、制御ユニット40を受領するための凹部34aを有する収容体34をさらに含んでいる。凹部34aは、制御ユニット40が接続されているとき、制御ユニット40に提供された一対の接触パッド47と接触するように設計された、一対の接触ピン35を含んでいる。接触ピン35とパッド47は、制御ユニット40と基部ユニット30との連携を提供し、さらに基部ユニット30と接続されているとき、制御ユニット40に電力を供給する。
【0033】
基部ユニット30の蓄電器33と関連する高電圧は、接触ピン35を基部ユニット30の電気回路とインターフェースさせるインターフェースユニット34によって、制御ユニット40から分離されている。インターフェースユニット34は、残留電流検出器などの回路遮断器を含むことができ、例えば、基部ユニット30が故障した場合などには、蓄電器から発生した高電圧と高電流を制御ユニット40から分離することができる。
【0034】
図示の基部ユニット30は、携帯型ユニット20を受領するための別な凹部34bを含んでいる。磁石(図示せず)を、制御ユニット40と携帯型ユニット20をそれぞれの凹部34a、34b内に保持するように提供できる。
【0035】
図4では、本発明の1実施例による前述の治療装置10のような、皮膚学的治療装置の操作方法100が図示されている。例えば、皮膚疾患の治療、または皮膚の活性化では、装置10を、先ずステップ101でスイッチ(図示せず)を介して起動させ、ステップ102で、装置10を電力保存モードまたはスタンバイモードから外すため、制御ユニット40を基部ユニット30から取り外す。基部ユニット30から取り外すと、制御ユニット40は検知モードで作動し、バッテリ装置45によって電力供給される。制御ユニット40のウィンドウ(図示せず)はその後、ステップ103で治療対象の皮膚の領域上に配置され、ステップ104で、治療される皮膚のパラメータを決定するよう、トランスミッタ42aから送られる検知放射線を発生させるようボタン41が押される。測定が実施されると、それぞれの発光ダイオード45aから45eが、例えば検知された皮膚の色調などの検知された皮膚のパラメータの表示を提供するよう、ステップ105で発光する。明らかに無効な皮膚の色調が検知されると、ユーザにさらなる測定が必要であることを知らせるため、対応する発光ダイオード45fが発光する。例えば、検知された放射線が明るすぎるか、または暗すぎることを示す場合、制御ユニット40が該当する発光ダイオード45fを発光させる。ユーザが引き続き制御ユニット40を基部ユニット30に接続する場合、すなわち先ず有効な皮膚の色調を取得せずに接続すると、制御ユニット40はランプ21に放射線を発生させない。
【0036】
皮膚の色調などの、皮膚のパラメータの有効な測定値が取得されると、制御ユニット40はその後ステップ106で基部ユニット30に接続され、検知された皮膚の色調が、ステップ107で(接触ピン35およびパッド47を介して)基部ユニット30にダウンロードされる。このダウンロードプロセスは、制御ユニット40を接続すると同時に自動的に実行されるように設計されているが、このダウンロードは、望まれる場合には、例えばボタン41を押すことでユーザによって開始されることもできる。制御ユニット40はその後、制御ユニット40が、ランプ21によって発生される放射線強度などのパラメータを制御する制御モードに進む。制御ユニット40から測定された皮膚パラメータを受領すると、基部ユニット30のプロセッサ31が、ステップ108で、特定の皮膚の色調の該当する治療に必要な量に対応する、ランプ21からの所定量の放射線を発生させるために必要なレベルにまで、蓄電器33の充電を開始させる。
【0037】
望む場合には、ステップ109で、ユーザは蓄電器33への充電を減少させて、ランプ21から発生される放射線強度を、制御ユニット40のボタン41を押すことによって、異なる(低いまたは軽い)皮膚の色調に対応するレベルにまで減少させることができる。この装置は、ボタン41を押すごとに、最低のパラメータ値が選択されるまで、放射線レベル、すなわち、表示部45aから45eを介してユーザに示される放射線パラメータを減少させるようになっている。ボタン41をさらに押すと、制御ユニット40は、検知された皮膚パラメータに対応する放射線パラメータに放射線パラメータを戻すように設計されている。
【0038】
所望の強度レベルが選択されると、ユーザは携帯型ユニット20を基部ユニット30から外し、ステップ110で、ランプ21を、治療される皮膚領域付近に配置する。携帯型ユニット20は、携帯型ユニット20と治療対象の皮膚との接触を検知するように設計されたセンサ24をさらに含んでおり、ユニット20と関連するプロセッサ25が、携帯型ユニット20が皮膚に接触しているときだけ、ランプ21に放射線を発生させる。したがって、ユニット20を治療対象の皮膚付近に適切に配置すると、ユーザは引き続きステップ111でそこに配置されたトリガー22を押圧し、皮膚を治療するために放射線を発生させる。携帯型ユニット20を配置し直し、トリガー22をさらに押すことで、さらなる治療放射線を、必要に応じて皮膚の近辺領域に適用することができる。しかしながら、所定の時間内(例えば3分間)にランプ21がさらに起動されないと、制御ユニット40でのさらなる皮膚の色調の読み取りが必要となり、制御ユニット40は、その後、さらなる放射線の適用が実行される前に、基部ユニット30に再び取り付けられる必要があるであろう。
【0039】
同様に、有効な皮膚の色調の測定に続く制御ユニット40と基部ユニット30の接続後、放射線源が所定の期間内(例えば10分間)に起動されないと、放射線の適用が実行される前に、さらなる皮膚の色調の測定が必要となるであろう。
【0040】
別実施例では、制御ユニット40を検知モードで皮膚のパラメータを検知するように設計することもでき、皮膚のパラメータの有効な測定値を取得し、引き続きユニット40を基部ユニット30に取り付けると、制御ユニット40が、測定された皮膚のパラメータに対応する放射線パラメータを含むランプ21から放射線を単純に発生させるように設計されている。この実施例では、制御ユニット40は、(無効な皮膚の色調が取得された場合)ユーザに放射線強度レベルの特定の減少を可能にさせるよりもむしろ、単純にランプ21からの放射線の発生を可能にする、または不可能にするように設計されている。
【0041】
放射線を発生させるランプ21を、携帯型ユニット20内に着脱可能に連結できるカートリッジ(図示せず)内に配置することも想定できる。したがって、放電ランプ21の使用期限が切れると、カートリッジ(図示せず)およびランプ21を容易に取り換えできる。この点で、制御ユニット30は、ユーザにカートリッジ(図示せず)の取り換えが必要になる前に、可能な利用回数を知らせる表示部45gをさらに含んでいる。
図1
図2
図3
図4