【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によれば、第1の特徴では、皮膚の治療装置が提供され、その装置は、少なくとも一つの可変放射線パラメータ、その少なくとも一つの放射線パラメータの大きさ(Magnitude:強度、量、値)を制御するための制御ユニット、およびそれに制御ユニットが着脱可能に取り付けられる基部ユニットを含んだ、放射線を発生させるように設計された皮膚治療放射線源を含んでいる。
【0006】
この制御ユニットは、測定可能な皮膚パラメータを検知するためのセンサ、およびユーザを制御ユニットとインターフェースさせるためのアクチュエータを含んでおり、制御ユニットはそれぞれの検知および制御モードで作動するように設計されており、検知モードでは、制御ユニットは基部ユニットから取り外され、センサは皮膚の測定可能なパラメータを検知することができ、制御モードでは、制御ユニットは基部ユニットに接続され、検知された皮膚パラメータに応じて、皮膚治療放射線源の操作を制御するように設計されている。
【0007】
検知されている測定可能な皮膚パラメータは、典型的には色素沈着の程度(皮膚の色調としても知られる)であり、これは、色調1(北欧人の明るい皮膚(白色))から色調6(アフリカ‐カリブ人の非常に暗い皮膚(黒色))までのよく知られた尺度に分類できる。あるいは、または追加的に、測定可能な皮膚パラメータは、例えば皮膚の1以上の層の厚み、皮膚の油分の測定値、または皮膚層の血液のパラメータでよい。
【0008】
その少なくとも一つの可変放射パラメータは、放射線強度および/またはパルス持続時間などの、適用された放射線の持続期間、放射および/または、放射線源からの出力である、パルス周波数などの適用時間の周波数を含むことができる。
【0009】
好適には、制御ユニットは、制御モードで作動しているとき、放射線パラメータの大きさを選択するようにさらに設計されている。制御ユニットは、検知された皮膚パラメータが所定の範囲を外れると放射線源の作動を停止するように、および/または、検知された皮膚パラメータに応じて放射線パラメータの大きさを制限するように設計できる。
【0010】
したがって有利には、制御ユニットは、皮膚パラメータの検知および放射線強度などの放射線パラメータの大きさの選択の両方のために利用でき、よって、皮膚を治療する前にユーザが実行しなければならないステップの順序を確立するために利用できる。例えば、放射線強度(すなわち出力)の選択は、電力入力の適切な選択によって実行できる。
【0011】
好適には、制御ユニットは、検知された皮膚パラメータを保存するための第1のメモリをさらに含んでいる。好適には、基部ユニットは、第2のメモリを含んでおり、制御ユニットが取り付けられているとき、検知された皮膚パラメータは、制御ユニットから第2のメモリにダウンロード可能である。このように、基部ユニットは治療対象の皮膚の検知パラメータを保存でき、保存されたパラメータは、放射線源から発生される放射線強度などの放射線パラメータの大きさを制限するように設計できる(よって、例えばユーザの皮膚の放射線への過剰曝露を最小限化させる)。あるいは、または追加的に、保存されたパラメータを、例えばパルス持続時間などの適用された放射線の持続時間を制限するように利用できる。
【0012】
本発明の1実施態様では、制御ユニットは好適には、皮膚の色調などの検知された測定可能な皮膚パラメータに応じて、放射線源から発生される放射線強度などの放射線の最大許容可能なパラメータを選択するように設計できる。
【0013】
好適には、放射線源は、複数の放射線パラメータの大きさを含む放射線を発生させるように設計でき、アクチュエータは、ユーザがアクチュエータを作動させ、制御ユニットが取り付けられているとき(制御モード)、放射線パラメータの大きさを、(測定された皮膚パラメータによって決定された)所定の最大値から選択的に減少できるように設計されている。アクチュエータは、好適には、制御モードで次々に作動されると、累進的に低くなるパラメータの大きさを選択するように設計されている。最低のパラメータの大きさが選択されると、好適には、アクチュエータのさらなる作動がパラメータの大きさを所定の最大値に再設定する。この点において、ユーザは、例えば当該皮膚色調に適したものよりも低い放射線強度を選択することが許容されるが、皮膚の過剰曝露につながる可能性がある高い放射線強度の選択が防止される。
【0014】
この装置は、好適には、皮膚パラメータの検知または基部ユニットへの制御ユニットの接続後に、所定の時間内に放射線源が起動されない場合には、放射線源からの放射線の発生を防止するためのタイマーまたはタイミング回路をさらに含んでいる。このタイマーまたはタイミング回路は好適には、そのような作動に続いて、さらに所定の時間が経過した後の放射線の発生も防止する。
【0015】
制御ユニットは、好適には、放射線源によって発生される放射線強度などの放射線パラメータの選択された大きさを表示するため、一連の個別の発光手段(例えば一連の発光ダイオードなど)などの段階的スクリーンまたは複数の表示部を含んでいる。個別の光手段が使用されたとき、連続した発光手段の特定数が当該大きさを表示できる。段階的スクリーンが使用されると、スクリーン上の色が、当該大きさを表示するために使用できる。
【0016】
好適には、治療放射線源は、広帯域放射線源などの光源を含んでいる。広帯域放射線源は、実質的に全可視スペクトルで作動する、“高強度パルス光(IPL)”システムと称されることもある(但し、広帯域白光スペクトルのみを部分的にフィルタリングすることが望ましい場合もある)。
【0017】
治療放射線源は、好適には、制御ユニットとは別に、基部ユニットに取り外し可能に連結された携帯型ユニット内に提供されている。放射線源は、好適には光学放射線源(光放射線源)を含んでおり、好適にはその携帯型ユニット内に取り外し可能に配置されている。
【0018】
本発明は、本発明による皮膚治療装置の操作方法をさらに提供する。この方法は、
基部ユニットから制御ユニットを取り外すステップと、
治療対象の皮膚の測定可能なパラメータを検知するため、制御ユニット内に提供されたセンサを使用するステップと、
制御ユニットを基部ユニットに取り付けるステップと、
検知された皮膚パラメータに応じて、皮膚治療放射線源の運用を制御するステップと、
を含んでいる。
【0019】
この方法は、好適には、放射線源から発生される放射線の可変パラメータの大きさ(強度、量)を選択するために制御ユニットを使用するステップをさらに含んでいる。
【0020】
本発明の1実施態様では、この方法は、検知された皮膚パラメータに応じて、放射線源から発生される放射線の最大レベルを制限するステップをさらに含んでいる。この方法は、好適には、放射線源から発生される放射線強度を最大レベル以下に選択的に減少させるステップをさらに含んでいる。
【0021】
この方法は、好適には、そこから放射線を発生させる放射線源を起動させるステップをさらに含んでいる。好適には、この方法は、測定可能な皮膚のパラメータの検知後または基部ユニットと制御ユニットとの接続後の予め設定された時間内に放射線源が起動されない場合には、放射線源からの放射線の発生を防止するステップをさらに含んでいる。
【0022】
放射線源を当初に起動した後、放射線源が当初の起動から予め設定された時間内に起動しない場合には、さらなる起動を積極的に防止することが望ましい。
【0023】
本発明は、本発明による方法を実行するステップと、典型的には美容目的で、皮膚を治療するための装置の放射線源を使用するステップとを含んだ皮膚治療処置をさらに提供する。
【0024】
特に、この皮膚治療は脱毛目的や、あざの治療またはコラーゲンの活性化などのその他の美容目的、ざそう(にきび)または慢性皮膚炎(皮脂腺炎症)の治療などの医療目的のためでもよい。
【0025】
本発明の1実施態様について、例示の目的でのみ、添付の図面に関連させて解説する。