(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
主外面および主内面を含むアウトソール部品であって、主外面が前足部突出区域および後足部突出区域を含み、前足部突出区域が第一のアウトソール主表面区域によって少なくとも部分的に包囲されておりかつそれを超えて突出しており、前足部突出区域が第一のフレキシブルウェブ部材によって第一のアウトソール主表面区域に接続されており、後足部突出区域が第二のアウトソール主表面区域によって少なくとも部分的に包囲されておりかつそれを超えて突出しており、かつ後足部突出区域が第二のフレキシブルウェブ部材によって第二のアウトソール主表面区域に接続されている、アウトソール部品、
アウトソール部品の主内面と係合しているミッドソール部品であって、ミッドソール部品が前足部開口部および後足部開口部を含み、前足部開口部が前足部突出区域に近接して配置されており、かつ後足部開口部が後足部突出区域に近接して配置されている、ミッドソール部品、
前足部突出区域の上でアウトソール部品の主内面と係合している、前足部流体充填ブラダシステム、
後足部突出区域の上でアウトソール部品の主内面と係合している、後足部流体充填ブラダシステム、ならびに
前足部流体充填ブラダシステムの上に少なくとも部分的に重なる第一のリジッドプレート部分と、後足部流体充填ブラダシステムの上に少なくとも部分的に重なる第二のリジッドプレート部分とを含む、リジッドプレートシステムであって、第一のリジッドプレート部分および第二のリジッドプレート部分の各々が、剛性の非発泡プラスチック材料から作製されている、リジッドプレートシステム
を含む、フットウェア製品のためのソール構造。
リジッドプレートシステムが、第一のリジッドプレート部分を含む第一のリジッドプレート部材と、第一のリジッドプレート部材から切り離されておりかつ第二のリジッドプレート部分を含む第二のリジッドプレート部材とを含む、請求項1記載のソール構造。
主外面および主内面を含むアウトソール部品であって、主内面が前足部凹み区域および後足部凹み区域を含み、主外面が、前足部凹み区域に対応する前足部突出区域および後足部凹み区域に対応する後足部突出区域を含み、前足部突出区域が第一のアウトソール主表面区域によって少なくとも部分的に包囲されておりかつそれを超えて突出しており、前足部突出区域が第一のフレキシブルウェブ部材によって第一のアウトソール主表面区域に接続されており、後足部突出区域が第二のアウトソール主表面区域によって少なくとも部分的に包囲されておりかつそれを超えて突出しており、かつ後足部突出区域が第二のフレキシブルウェブ部材によって第二のアウトソール主表面区域に接続されている、アウトソール部品、
アウトソール部品の主内面と係合しているミッドソール部品であって、ミッドソール部品が前足部開口部および後足部開口部を含み、前足部開口部が前足部凹み区域を少なくとも部分的に包囲しており、かつ後足部開口部が後足部凹み区域を少なくとも部分的に包囲しており、かつミッドソール部品の頂面が、前足部開口部の周囲に少なくとも部分的に伸びている第一の凹み区域と、後足部開口部の周囲に少なくとも部分的に伸びている第二の凹み区域とを含む、ミッドソール部品、
前足部凹み区域に位置する前足部流体充填ブラダシステムであって、前足部流体充填ブラダシステムが非圧縮状態にある場合に、前足部流体充填ブラダシステムの周縁が前足部開口部の側縁と接触しない、前足部流体充填ブラダシステム、
後足部凹み区域に位置する後足部流体充填ブラダシステムであって、後足部流体充填ブラダシステムが非圧縮状態にある場合に、後足部流体充填ブラダシステムの周縁が後足部開口部の側縁と接触しない、後足部流体充填ブラダシステム、
ミッドソール部品の第一の凹み区域および前足部流体充填ブラダシステムの上に少なくとも部分的に重なり、剛性の非発泡プラスチック材料から作製されている、第一のリジッドプレート部品、ならびに
ミッドソール部品の第二の凹み区域および後足部流体充填ブラダシステムの上に少なくとも部分的に重なり、剛性の非発泡プラスチック材料から作製されている、第二のリジッドプレート部品
を含む、フットウェア製品のためのソール構造。
前足部流体充填ブラダシステムが、装用者の足の第1中足骨先端領域および装用者の足の第5中足骨先端領域を支持し、かつ第一のリジッドプレート部品が、第1中足骨支持領域を第5中足骨支持領域から切り離す溝を含む、請求項4記載のソール構造。
ミッドソール部品の前足部開口部が前足部凹み区域を完全に包囲しており、かつミッドソール部品の後足部開口部が後足部凹み区域を完全に包囲している、請求項4記載のソール構造。
主外面および主内面を含むアウトソール部品であって、主外面が前足部突出区域および後足部突出区域を含み、前足部突出区域が第一のアウトソール主表面区域によって少なくとも部分的に包囲されておりかつそれを超えて突出しており、前足部突出区域が第一のフレキシブルウェブ部材によって第一のアウトソール主表面区域に接続されており、後足部突出区域が第二のアウトソール主表面区域によって少なくとも部分的に包囲されておりかつそれを超えて突出しており、かつ後足部突出区域が第二のフレキシブルウェブ部材によって第二のアウトソール主表面区域に接続されている、アウトソール部品、
アウトソール部品の主内面と係合しているミッドソール部品であって、ミッドソール部品が前足部開口部および後足部開口部を含み、前足部開口部が前足部突出区域に近接して配置されており、かつ後足部開口部が後足部突出区域に近接して配置されている、ミッドソール部品、
前足部突出区域の上でアウトソール部品の主内面と係合している、前足部流体充填ブラダシステム、
後足部突出区域の上でアウトソール部品の主内面と係合している、後足部流体充填ブラダシステム、
前足部流体充填ブラダシステムの上に少なくとも部分的に重なり、剛性の非発泡プラスチック材料から作製されている、第一のリジッドプレート部品、ならびに
後足部流体充填ブラダシステムの上に少なくとも部分的に重なり、剛性の非発泡プラスチック材料から作製されている、第二のリジッドプレート部品
を含む、フットウェア製品のためのソール構造。
前足部流体充填ブラダシステムが、装用者の足の第1中足骨先端領域および装用者の足の第5中足骨先端領域を支持する1つの流体充填ブラダを構成し、かつ第一のリジッドプレート部品が、第1中足骨支持領域を第5中足骨支持領域から切り離す溝を含む、請求項8記載のソール構造。
ミッドソール部品の前足部開口部が前足部流体充填ブラダシステムを完全に包囲しており、かつミッドソール部品の後足部開口部が後足部流体充填ブラダシステムを完全に包囲している、請求項8記載のソール構造。
主外面および主内面を含むアウトソール部品であって、主内面が前足部凹み区域および後足部凹み区域を含み、主外面が前足部凹み区域に対応する前足部突出区域および後足部凹み区域に対応する後足部突出区域を含み、前足部突出区域が第一のアウトソール主表面区域によって少なくとも部分的に包囲されておりかつそれを超えて突出しており、前足部突出区域が第一のフレキシブルウェブ部材によって第一のアウトソール主表面区域に接続されており、後足部突出区域が第二のアウトソール主表面区域によって少なくとも部分的に包囲されておりかつそれを超えて突出しており、かつ後足部突出区域が第二のフレキシブルウェブ部材によって第二のアウトソール主表面区域に接続されている、アウトソール部品、
アウトソール部品の主内面と係合しているミッドソール部品であって、ミッドソール部品が前足部開口部および後足部開口部を含み、前足部開口部が前足部凹み区域を少なくとも部分的に包囲しており、かつ後足部開口部が後足部凹み区域を少なくとも部分的に包囲しており、かつミッドソール部品の頂面が、前足部および後足部開口部の周囲に少なくとも部分的に伸びている凹み区域を含む、ミッドソール部品、
前足部凹み区域に位置する前足部流体充填ブラダシステムであって、前足部流体充填ブラダシステムが非圧縮状態にある場合に、前足部流体充填ブラダシステムの周縁が前足部開口部の側縁と接触しない、前足部流体充填ブラダシステム、
後足部凹み区域に位置する後足部流体充填ブラダシステムであって、後足部流体充填ブラダシステムが非圧縮状態にある場合に、後足部流体充填ブラダシステムの周縁が後足部開口部の側縁と接触しない、後足部流体充填ブラダシステム、ならびに
ミッドソール部品の凹み区域、前足部流体充填ブラダシステム、および後足部流体充填ブラダシステムの上に少なくとも部分的に重なり、剛性の非発泡プラスチック材料から作製されている、リジッドプレート部品
を含む、フットウェア製品のためのソール構造。
主外面および主内面を含むアウトソール部品であって、主外面が前足部突出区域および後足部突出区域を含み、前足部突出区域が第一のアウトソール主表面区域によって少なくとも部分的に包囲されておりかつそれを超えて突出しており、前足部突出区域が第一のフレキシブルウェブ部材によって第一のアウトソール主表面区域に接続されており、後足部突出区域が第二のアウトソール主表面区域によって少なくとも部分的に包囲されておりかつそれを超えて突出しており、かつ後足部突出区域が第二のフレキシブルウェブ部材によって第二のアウトソール主表面区域に接続されている、アウトソール部品、
アウトソール部品の主内面と係合しているミッドソール部品であって、ミッドソール部品が前足部開口部および後足部開口部を含み、前足部開口部が前足部突出区域に近接して配置されており、かつ後足部開口部が後足部突出区域に近接して配置されている、ミッドソール部品、
前足部突出区域の上でアウトソール部品の主内面と係合している前足部流体充填ブラダシステム、
後足部突出区域の上でアウトソール部品の主内面と係合している後足部流体充填ブラダシステム、ならびに
前足部流体充填ブラダシステムおよび後足部流体充填ブラダシステムの上に少なくとも部分的に重なり、剛性の非発泡プラスチック材料から作製されている、リジッドプレート部品
を含む、フットウェア製品のためのソール構造。
ミッドソール部品の前足部開口部が前足部流体充填ブラダシステムを完全に包囲しており、かつミッドソール部品の後足部開口部が後足部流体充填ブラダシステムを完全に包囲している、請求項19記載のソール構造。
【発明を実施するための形態】
【0016】
発明の詳細な説明
本発明のフットウェア構造および部品の様々な例の以下の説明においては、本明細書の一部を形成し、本発明の局面を実現し得る様々な例示的構造および環境が実例として示されている添付図面を参照する。本発明の範囲を逸脱することなく、他の構造および環境が利用されてもよく、具体的に記載される構造および方法に対して構造的および機能的変更が加えられてもよいことが理解されよう。
【0017】
I.本発明の局面の概説
本発明の局面は、流体充填ブラダタイプおよび/またはフォームタイプの衝撃減衰要素の上に重なるリジッドプレートを含むソール構造および/またはフットウェア製品(たとえば運動競技用フットウェア)に関する。本発明のより具体的な特徴および局面が以下さらに説明される。
【0018】
A. 本発明の例のソール構造およびフットウェア製品の特徴
本発明のいくつかの局面は、フットウェア製品のためのソール構造、およびそのようなソール構造を有する運動競技用フットウェアを含むフットウェア製品(または他の足受け装置)に関する。本発明の少なくともいくつかの例のフットウェア製品のソール構造は、以下の1つまたは複数を含み得る:(a)主外面および主内面を含むアウトソール部品であって、主外面が少なくとも1つの突出区域(たとえば前足部突出区域および/または後足部突出区域)を含み、突出区域が、アウトソール主表面区域によって少なくとも部分的に包囲されており、かつそれを越えて突出しており、突出区域がフレキシブルウェブ部材によってアウトソール主表面区域に接続され得る(たとえば、突出区域の周囲の少なくとも一部の周囲で)、アウトソール部品、(b)アウトソール部品の主内面と係合しているミッドソール部品であって、突出区域に近接して位置する少なくとも1つの開口部または受け部を含む、ミッドソール部品、(c)突出区域の上でアウトソール部品の主内面または受け部と係合している少なくとも1つの流体充填ブラダシステムおよび/またはフォーム部材、ならびに/あるいは(d)流体充填ブラダシステムの上に少なくとも部分的に重なる1つまたは複数のリジッドプレート部分を含むリジッドプレートシステム。
【0019】
本発明を逸脱することなく、リジッドプレートシステムは、複数の(たとえば前足部および後足部)流体充填ブラダおよび/またはフォーム部材を覆う1つのプレートを含んでもよく、または複数の別々のプレートを含んでもよい。プレートは他の構造的特徴をも含み得る。たとえば、必要に応じて、前足部リジッドプレート部分が、第1中足骨および/または親指支持領域を他の中足骨支持領域の1つまたは複数(たとえば、少なくとも第5中足骨支持領域)から切り離す溝を含み得る。足の内側は足の外側に対していくぶん撓むことができるため(それが、ステップまたはジャンプ時の回内運動およびつま先離れの際、より自然な触感および/または動きを可能にする)、この特徴は、より自然なシューズの触感を提供するのに役立つことができる。追加的または代替的に、後足部プレート部分の後部かかと区域が、同じく足の内側が外側に対していくぶん撓むことを許す溝を含み得る。リジッドプレートはまた、たとえば、ばねとして機能する、および/または反発もしくは復元エネルギーを提供する、および/または足の側面を覆う、それに連結させる、もしくは他のやり方でそれを支持するために、かかと−つま先方向および/または内側−外側方向にカーブしていてもよい。
【0020】
本発明を逸脱することなく、流体充填ブラダシステムは、当技術分野において公知であり、かつ使用されている従来の構造を含む多様な構造を呈し得る。必要に応じて、各流体充填ブラダシステムが1つの流体充填ブラダを構成してもよい。または、必要に応じて、流体充填ブラダシステムの1つまたは複数が、それぞれの開口部および/または受け部区域の中に位置する2つ以上の流体充填ブラダ(たとえば、2つ以上の積み重ねられた流体充填ブラダ)を構成してもよい。流体充填ブラダは、周囲圧または高圧下のガスを充填された密封外被または外側バリヤ層を含み得る。ブラダは、ブラダの外形を制御するための内部構造(たとえば引張り要素)および/または内部融着もしくは溶接結合(たとえば上面−下面結合)を含み得る。
【0021】
本発明のいくつかの例示的構造において、アウトソール主表面区域は、それが位置する突出区域を完全に包囲している。追加的または代替的に、本発明のいくつかの構造において、ミッドソール部品の開口部および/または受け部は、アウトソール部品の凹み区域および/またはその中に取り付けられた流体充填ブラダシステム(またはフォーム部材)を完全に包囲している。
【0022】
本発明の他の例のソール構造は、以下の1つまたは複数を含み得る:(a)主外面および主内面を含むアウトソール部品、(b)アウトソール部品の主内面と係合しているミッドソール部品であって、1つまたは複数の受け部および受け部を少なくとも部分的に包囲している1つまたは複数のベース面を含む、ミッドソール部品、(c)受け部の中に受けられた1つまたは複数の流体充填ブラダシステムおよび/またはフォーム部材であって、ソール構造が非圧縮状態にある場合に、流体充填ブラダシステムまたはフォーム部材の上面がミッドソール部品のベース面より上に伸びている、流体充填ブラダシステムおよび/またはフォーム部材、ならびに/あるいは(d)流体充填ブラダシステムまたはフォーム部材の上面の上に重なる主面を有する1つまたは複数のリジッドプレート部品(たとえば上記のタイプ)であって、ソール構造が非圧縮状態にある場合に、リジッドプレート部品の主面がミッドソール部品のベース面と接触しない、リジッドプレート部品。リジッドプレート部品は、ミッドソール部品のそれぞれのベース面の上に伸びている周縁を含んでよく、ミッドソール部品のベース面が、ソール構造の圧縮時にリジッドプレート部品の下向きの動きを減速または停止させるための戻り止めとして働くようになっている。
【0023】
本発明のいくつかの局面のなおさらなるソール構造は、以下の1つまたは複数を含み得る:
(a)主外面および主内面を含むアウトソール部品、
(b)アウトソール部品の主内面と係合している1つまたは複数のミッドソールパーツを含むミッドソール部品であって、前足部開口部および/または後足部開口部を含み、
(i)前足部開口部に隣接するミッドソール部品の下面が、ミッドソール部品の下面の少なくとも一部とアウトソール部品の主内面との間に第一の間隙を画定する第一のアンダーカット区域を含む、および/または
(ii)後足部開口部に隣接するミッドソール部品の下面が、ミッドソール部品の下面の少なくとも一部とアウトソール部品の主内面との間に第二の間隙を画定する第二のアンダーカット区域を含む、
ミッドソール部品、
(c)少なくとも部分的に前足部開口部の中に位置し、任意でアウトソール部品の主内面と係合している、前足部流体充填ブラダシステムまたはフォーム部材、
(d)少なくとも部分的に後足部開口部の中に位置し、任意でアウトソール部品の主内面と係合している、後足部流体充填ブラダシステムまたはフォーム部材、ならびに
(e)前足部流体充填ブラダシステムもしくはフォーム部材の上に少なくとも部分的に重なる第一のリジッドプレート部分および/または後足部流体充填ブラダシステムもしくはフォーム部材の上に少なくとも部分的に重なる第二のリジッドプレート部分を含む、リジッドプレートシステム。
リジッドプレートシステムとアウトソール部品の主外面との間に加えられる圧縮力が第一および/または第二の間隙の高さを減少させる。必要に応じて、本発明のこの局面のいくつかの例のソール構造は、前足部ミッドソールおよびアウトソール構造のみを含んでもよく(リジッドプレートはこれらの構造の上だけに伸びている)、または後足部ミッドソールおよびアウトソール構造のみを含んでもよい(リジッドプレートはこれらの構造の上だけに伸びている)。
【0024】
ミッドソールの底とアウトソール部品の主内面との間のアンダーカット区域および/または間隙は、それらが位置する開口部または受け部の周囲に完全に沿って伸びていてもよいが、必要に応じて、アンダーカット区域および/または間隙は不連続であってもよい(たとえば、それぞれの開口部または受け部の周囲に部分的に沿って伸びている)。これらのアンダーカット区域および/または間隙は、ソール構造が非圧縮状態にある場合に、1〜15mmの範囲内の最大高さを有してもよく、いくつかの例においては、ソール構造が非圧縮状態にある場合に、1.5〜12mmまたは1.75〜10mmの最大高さを有してもよい。
【0025】
本発明のいくつかの例の他の例示的ソール構造は、以下の1つまたは複数を含み得る:(a)主外面および主内面を含む前足部アウトソール部品、(b)前足部アウトソール部品から切り離された、主外面および主内面を含む後足部アウトソール部品、(c)前足部アウトソール部品の主内面と係合している前足部ミッドソール部品であって、その中に画定された前足部受け部を含む、前足部ミッドソール部品、(d)前足部アウトソール部品から切り離され、後足部アウトソール部品の主内面と係合している後足部ミッドソール部品であって、その中に画定された後足部受け部を含む、後足部ミッドソール部品、(e)少なくとも部分的に前足部受け部の中に位置する前足部流体充填ブラダシステムまたはフォーム部材、(f)少なくとも部分的に後足部受け部の中に位置する後足部流体充填ブラダシステムまたはフォーム部材、ならびに/あるいは(g)前足部流体充填ブラダシステムもしくはフォーム部材の上に少なくとも部分的に重なる第一のリジッドプレート部分および/または後足部流体充填ブラダシステムもしくはフォーム部材の上に少なくとも部分的に重なる第二のリジッドプレート部分を含む、リジッドプレート部材。この例示的構造のリジッドプレート部材の下面は、ソール構造の土踏まず区域において、たとえば前足部アウトソール部品と後足部アウトソール部品との間で露出し、ソール構造の下面を形成する。必要に応じて、本発明のこの局面のいくつかの例のソール構造は、前足部ミッドソールおよびアウトソール部品のみを含んでもよく(リジッドプレートはこれらの構造の上だけに伸びている)、または後足部ミッドソールおよびアウトソール部品のみを含んでもよい(リジッドプレートはこれらの構造の上だけに伸びている)。
【0026】
受け部(たとえば前足部および/または後足部受け部)は、ミッドソール部品の全体の厚さを完全にまたは部分的に通過して伸びていてもよい。これらの受け部が、ミッドソール部品を完全に通過して伸びている開口部を構成するならば、受け部の中に提供される流体充填ブラダシステムおよび/またはフォーム部材は、開口部中でアウトソール部品の主内面に直接的に取り付けられ得る。リジッドプレート部品の下面は、たとえばセメントまたは接着剤によって流体充填ブラダシステムおよび/またはフォーム部材の上面に固定され得る。本発明のこの局面の少なくともいくつかの例示的構造において、リジッドプレート部品はミッドソール部品に固定される必要はない。
【0027】
上記タイプのソール構造は、流体充填ブラダおよび/またはフォーム部材と係合し、かつソール構造中の様々な要素の所望の配置を維持するのに役立つさらなる特徴を含み得る。たとえば、必要に応じて、アウトソール部品の主内面は1つまたは複数の凹み区域を含んでよく、受け部は、アウトソール部品の凹み区域を少なくとも部分的に包囲している開口部を含んでもよい。凹み区域は、上記のように、アウトソール部品の主外面中の突出区域に対応し得る(たとえば、その上に位置し得る)。流体充填ブラダおよび/またはフォーム部材はアウトソール部品の凹み区域の中に取り付けられ得る。
【0028】
本発明のなおさらなる局面は、アッパー(たとえば、従来の設計、造り、または構造を含む任意の所望の設計、造り、または構造の)およびアッパーと係合している上記様々なタイプのソール構造を含むフットウェア製品に関する。いくつかのより具体的な例において、アッパーは、その下面を閉じるストローベル部材を含み得、ストローベル部材は、ミッドソール部品およびすべてのリジッドプレート部品の上面の上に重なる。追加的または代替的に、必要に応じて、中敷きまたはインソール部材がミッドソール部品および/またはストローベル部材(ある場合)の上に重なってもよい。
【0029】
B. 方法特徴
本発明のさらなる局面は、フットウェア製品またはその様々な部品を製造する方法に関する。本発明の1つのより具体的な局面は、上記様々なタイプのフットウェア製品のためのソール構造を製造する方法に関する。本発明の局面のソール構造およびフットウェア製品の様々な部品およびパーツは、当技術分野において従来から公知であり、かつ使用されているやり方で製造され得るが、一方、本発明の方法局面の例は、ソール構造および/またはフットウェアパーツを合わせ、それらを、上記様々な構造を製造するやり方で互いに係合させることに関する。
【0030】
上記に提供された発明の特徴、局面、構造、および構成を概説したうえで、以下、本発明の具体的な例示的フットウェア製品および方法のより詳細な説明を提供する。
【0031】
II. 本発明の例示的ソール構造およびフットウェア製品の詳細な説明
図面および以下の詳細な説明を参照して、本発明の様々なソール構造、フットウェア製品およびそれらの特徴を開示する。図示され、詳細に説明されるソール構造およびフットウェアは運動競技用シューズであるが、このフットウェアの様々な局面に関して開示される概念は、ウォーキングシューズ、テニスシューズ、サッカーシューズ、フットボールシューズ、バスケットボールシューズ、ランニングシューズ、クロストレーニングシューズ、ゴルフシューズなどを含む広い範囲の運動競技用フットウェアスタイルに適用され得る。加えて、本発明の少なくともいくつかの概念および局面は、作業ブーツ、サンダル、ローファー、およびドレスシューズを含むがそれらに限定されるわけではない、広い範囲の非運動競技用フットウェアにも適用され得る。したがって、本発明は、本明細書に開示されるとおりの態様に限定されず、フットウェア全般に適用される。
【0032】
図1A〜1Eは、本発明のいくつかの局面の第一の例示的ソール構造100を示す。
図1Aはソール構造100の分解図(この例示的構造100の構成パーツを示す)を構成し、
図1Bは上面図であり、
図1Cは下面図である。
図1Dは、
図1Bの1D−1D線から見た断面図であり、
図1Eは、
図1Bの1E−1E線から見た断面図である。
図1Aに示すように、この例示的ソール構造100は、アウトソール部品110、後足部流体充填ブラダシステム120、前足部流体充填ブラダシステム130、ミッドソール部品140、およびリジッドプレート部品150を含む。これらの構成パーツおよびそれらの構造の様々な特徴を以下さらに詳細に説明する。
【0033】
アウトソール部品110は、主外面110a(トレッド模様、滑り止め、隆起面または
図1Cに示すヘリンボン型構造のような他のトラクション要素を含み得る)および主内面110bを含む。アウトソール部品110は、これらの図に示すように1つのピースまたはパーツとして作製されてもよいが、必要に応じて、複数のピースまたはパーツ、たとえば前足部部品および別個の後足部またはかかと部品から作製することもできる。アウトソール部品110は、フットウェア技術分野において従来から公知であり、かつ使用されている材料、たとえばゴム、プラスチック、熱可塑性ポリウレタン類などを含む任意の所望の材料から作製されてもよい。加えて、本発明を逸脱することなく、アウトソール部品110は、フットウェア技術分野において公知でありかつ使用されている従来のやり方を含む任意の所望のやり方で(たとえば成形法によって)、作製されてもよい。この図示される例示的アウトソール部品110の主内面110bは前足部凹み区域112および後足部凹み区域114を含む。この例示的構造においては、主面110b中に成形された隆起リム116が凹み区域112、114を画定している(かつ少なくとも部分的に包囲している)。これらの凹み区域112および114は、以下さらに詳細に説明するように、流体充填ブラダシステム120、130を収容し、固定するのに役立つ。
【0034】
また、
図1C〜1Eを参照すると、これらの図は、この例示的アウトソール部品構造110の主外面110aのさらなる詳細を提供する。より具体的には、これらの図に示すように、主外面110aは、前足部凹み区域112に対応する前足部突出区域112aおよび後足部凹み区域114に対応する後足部突出区域114aを含む。前足部突出区域112aは、前足部突出区域112aの周囲かつそれに隣接して位置する第一のアウトソール主表面区域110cによって少なくとも部分的に包囲されており(この図示される例においては完全に包囲されており)、かつそれを越えて突出している。同様に、後足部突出区域114aは、後足部突出区域114aの周囲かつそれに隣接して位置する第二のアウトソール主表面区域110dによって少なくとも部分的に包囲されており(この図示される例においては完全に包囲されており)、それを越えて突出している。これらの「アウトソール主表面区域」110cおよび110dは、
図1Cにおいては破線の囲いとして示され、本明細書において、この語は、突出区域に隣接し、かつその外側にある(たとえば、本明細書に記載される任意の接続「ウェブ」材料または間隙の外側にある)アウトソール表面区域を表すために使用される。突出区域112aおよび114aは、アウトソール主表面区域110cおよび110dより下に約1〜15mmの最大(または最高)距離(D
突出)だけ、いくつかの例においては約1.5〜12mmまたは1.75〜10mmの距離だけ伸びていてもよい。突出高D
突出は前足部区域と後足部区域とで同じであっても異なってもよく、この突出高は突出区域112aおよび114aの周囲に沿って変化してもよい。
【0035】
この図示される例の前足部突出区域112aはフレキシブルウェブ部材116aによって第一のアウトソール主表面区域110cに接続されており、この図示される例の後足部突出区域114aは別のフレキシブルウェブ部材116bによって第二のアウトソール主表面区域110dに接続されている。必要条件ではないが、必要に応じて(かつ、これらの図に示すように)、フレキシブルウェブ部材116aおよび116bは、それぞれの突出区域112aおよび114aの周囲全体に伸びていてもよい。フレキシブルウェブ116aおよび116bは上記隆起リム116の下側部分を形成する。
【0036】
ミッドソール部品140の主下面は、たとえばセメントもしくは接着剤によって、機械的コネクタによって、および/または、当技術分野において公知であり、かつ使用されている従来の方法を含む他の方法で、アウトソール部品110の主内面110bと係合する。ミッドソール部品140は、1つのピースまたは複数のピースであり得、当技術分野において公知であり、かつ使用されている従来の材料、たとえばポリマーフォーム材料(たとえばポリエチレンフォーム、エチルビニルアセテートフォーム、ファイロン(phylon)、フィライト(phylite)など)で作製され得る。
図1Aに示すように、ミッドソール部品140は前足部開口部140aおよび後足部開口部140bを含む。前足部開口部140aは前足部凹み区域112を少なくとも部分的に包囲し、後足部開口部140bは後足部凹み区域114を少なくとも部分的に包囲している。この例示的ミッドソール部品140の主上面140cは、少なくとも部分的に前足部開口部140aおよび後足部開口部140bの周囲に伸びている凹み区域142を含む。凹み区域142は、以下さらに詳細に説明するように、リジッドプレート部品150の下面を受け、かつ保定するようにサイズ決めおよび形成され得る。
【0037】
開口部140aおよび140bは、それぞれ流体充填ブラダシステム130および120を受け、かつ保持するためのチャンバを画定するのに役立つ。
図1Dの例示的構造に示すように、前足部流体充填ブラダシステム130が非圧縮状態にある場合に、前足部流体充填ブラダシステム130の周縁130Eはミッドソール部品140の前足部開口部140aの側縁144まで伸びない、および/またはそれと接触しない。同様に、
図1Eの例示的構造に示すように、後足部流体充填ブラダシステム120が非圧縮状態にある場合に、後足部流体充填ブラダシステム120の周縁120Eはミッドソール部品140の後足部開口部140bの側縁146まで伸びていない、および/またはそれと接触しない。周縁120Eおよび130Eと、開口部140a、140bの側縁144、146との間のこれらの間隙が、流体充填ブラダシステム120、130が、たとえば応力または荷重を受ける状態に配された場合に、たとえばユーザがステップを踏む、ジャンプで着地する場合など、変形することを可能にするための余地を提供する。これらの例示的流体充填ブラダ構造のリム区域120Rおよび130Rは、これらの例の流体充填ブラダを作る際に使用されるプラスチックシート材の2つの部分の間のシーム区域(たとえばホットメルトまたは溶接シーム)を表す。これらのリム区域120R、130Rは、開口部140a、140bの側縁144、146から離間してもよく、または離間しなくてもよい。または、必要に応じて、ブラダをソール構造100に取り付ける前に、これらのリム区域120R、130Rの少なくともいくらかの部分を流体充填ブラダシステム120、130から切り取ってもよい。開口部140aおよび140bは、サイズおよび形状が、その中に受けられるブラダシステムに概して一致し得るが、開口部140a、140bは、上記間隙を提供するために、少し大きめであってもよい。
【0038】
流体充填ブラダシステム120、130は、当技術分野において公知である従来のやり方および/または従来の材料を含む任意の所望のやり方で、および/または任意の所望の材料から作製してもよい。
図1Aおよび1Dに示すように、この図示される例において、前足部流体充填ブラダシステム130は、前足部凹み領域112に位置する1つの流体充填ブラダを構成する。前足部流体充填ブラダシステム130は、その下面がたとえばセメントまたは接着剤によって凹み区域112内でアウトソール部品110の主内面110bに固定され得る。この例示的前足部流体充填ブラダシステム130は、装用者の足の中足骨先端領域(たとえば、装用者の足の第1中足骨先端区域から第5中足骨先端区域まで)を支持するようにサイズ決めおよび位置決めされている。本発明を逸脱することなく任意のサイズのブラダシステムを使用することができるが、いくつかの例示的構造において、前足部流体充填ブラダシステム130は、膨張時(かつソール構造中に取り付けられている場合)、0.5インチ以下の最大厚さを有する。いくつかの他の潜在的範囲として、本発明の少なくともいくつかの例において、この前足部流体充填ブラダシステム130は0.25〜1インチの範囲の厚さを有し得る(膨張時、かつシューズに取り付けられている場合)。
【0039】
他方、この例示的構造100の後足部流体充填ブラダシステム120は、
図1Aおよび1Eに示すように、後足部凹み区域114に位置する2つの積み重ねられた流体充填ブラダ(垂直方向に積み重ねられ、垂直方向に整合している)を含む。2つの積み重ねられたブラダは、互いに同一であってもよく、異なってもよい。後足部流体充填ブラダシステム120は、その下面がたとえばセメントまたは接着剤によって凹み区域114内でアウトソール部品110の主内面110bに固定され得る。追加的または代替的に、必要に応じて、システム120の2つの積み重ねられた流体充填ブラダは、たとえばセメントまたは接着剤を使用して互いに固定されてもよい。後足部流体充填ブラダシステム120は装用者のかかと(たとえば踵骨および周囲区域)を支持する。本発明の局面のいくつかのソール構造において、この後足部流体充填ブラダシステム120は、膨張時、かつシューズに取り付けられている場合に、0.75インチ以下の厚さを有し得る。いくつかの他の潜在的範囲として、本発明の少なくともいくつかの例において、この後足部流体充填ブラダシステム120は、0.5〜1.5インチの範囲(膨張時、かつシューズに取り付けられている場合)またはさらに0.625〜1.25インチの範囲の厚さを有し得る。
【0040】
この例示的構造100の流体充填ブラダシステム120および130の上面120Sおよび130Sは、凹み区域142の中に位置し、凹み区域142の外側の主上面140cと面一に位置する(および/またはそれへと滑らかに移行する)ようにサイズ決めおよび成形されている。必要に応じて、流体充填ブラダシステム120、130の個々のブラダの1つまたは複数が、たとえば当技術分野において公知であり、かつ使用されているやり方でブラダの形状を制御するための内部構造(たとえば引張り要素)および/または内部融着もしくは溶接結合をその上面と下面との間に含んでもよい。いくつかのより具体的な例として、ブラダの形状は、NIKE「ZOOM AIR」タイプ技術(たとえば、流体充填ブラダ中に提供された引張り部材を用いる)および/または内部結合もしくは溶接技術、たとえば米国特許第5,083,361号、第6,385,864号、第6,571,490号および第7,386,946号(いずれも参照により全体として本明細書に組み入れられる)に記載されている技術を使用して制御され得る。
【0041】
図1A、1B、1D、および1Eはさらに、ミッドソール部品140の凹み区域142ならびにこの例の流体充填ブラダシステム120、130の上面120Sおよび130Sが、リジッドプレート部品150によって少なくとも部分的に(この図示される例においては完全に)覆われていることを示す。リジッドプレート部品150は、適当な硬質かつ剛性の材料、たとえば、繊維強化プラスチック(たとえば炭素繊維複合材、ガラス繊維など)、硬質ポリマー(たとえばPEBAX)などを含む非発泡プラスチック材料から作製され得る。リジッドプレート部品150は、凹み区域142の周囲で、リジッドプレート部品150の上面150Sとミッドソール部品140の上面140cとの間の接合部が面一および/または滑らかに移行するように凹み区域142の中に位置するようにサイズ決めおよび成形され得る。より具体的な例として、リジッドプレート部品150は、厚さ約1/8〜3/8インチ、いくつかの例においては厚さ約1/8〜1/4インチであり得る。また、必要に応じて、リジッドプレート部品150の下面が、たとえばセメントまたは接着剤によって、機械的コネクタなどによって凹み区域142および/または流体充填ブラダシステム120、130の上面120Sおよび130Sに固定されてもよい。リジッドプレート部品150の上面150Sおよびミッドソール部品の上面140cは、装用者の足を快適に支持するために、カーブしている、アーチ状である、および/または他のやり方で起伏がつけられ得る(たとえば、従来の公知のミッドソールの上面がカーブしているやり方でカーブしている)。いくつかのさらに具体的な例として、リジッドプレート部品150(および以下に記す他のリジッドプレート部品)は、PEBAX(登録商標)Rnew 70R53 SP01材料または50〜80ショアーD、いくつかの例においては60〜72ショアーDの硬さを有する他の硬質材料から作製され得る(「PEBAX」は、Arkema社から市販されているポリエーテルブロックアミド材料の登録商標である)。
【0042】
この図示される例示的構造100において、リジッドプレート部品150は、ミッドソール140の後部かかと区域から装用者の足の第1中足骨先端領域を越えた位置および装用者の足の第5中足骨先端領域を越えた位置まで伸びている1つの途切れのないプレート部材を構成する。この例のリジッドプレート部品150はまた、2つの流体充填ブラダシステム120、130の上面120S、130Sを完全に覆う。リジッドプレート部品150は、流体充填ブラダシステムに加えられる荷重を緩和し、かつ分散させるのに役立ち、流体充填ブラダシステムへの点荷重を回避するのに役立つ。ミッドソール部品140の側壁144、146と流体充填ブラダシステム120、130の縁120E、130Eとの間の間隙ならびにこれらの側面における接着剤の非存在が、このリジッドプレート緩和流体充填ブラダ衝撃減衰システムおよび/またはソール構造の応答性、効率、および復元エネルギーを改善する。
【0043】
図1A〜1Eの構造において、流体充填ブラダシステム120、130は、アウトソール部品110の主内面110bおよびリジッドプレート150の下面に対して、それらの間で固定されているが、ミッドソール部品140には固定されていない。この特徴は、ソール構造100全体を安定に維持しながらも、流体充填ブラダが開口部140aおよび140b中に提供された間隙の中で膨張することを可能にする。上記のように、この特徴はまた、システムの応答性、効率、および復元エネルギーを改善するのに役立つ。
【0044】
また、アウトソール部品110に突出区域112aおよび114aが含まれることで、より応答性のソール構造100を提供するのに役立つ。
図1Dおよび1Eに示すように、流体充填ブラダシステム120、130の下で、アウトソール部品110は、隣接する周囲のアウトソールベース区域110cおよび110dを越えて下に突出している(上記寸法D
突出)。肉薄のフレキシブルウェブ構造116a、116bが、アウトソール部品100が突出区域112a、114aにおいてより容易に上下に曲がることを可能にする。ユーザが突出区域112a、114aを踏みつけ、足を挙げ始める場合に、これらの特徴が、リジッドプレート部品150全体とともに、エネルギーをユーザの足に戻し、それが、反発エネルギー、応答性、および推進力の触感を提供する。
【0045】
リジッドプレート部品150は、本発明の少なくともいくつかの例のソール構造に、反発エネルギー、応答性、および推進力触感を提供するのに役立つ他の特徴を含み得る。リジッドプレート部品150は相対的に平坦であり得るが、本発明のいくつかの例示的構造において、カーブした土踏まず区域を含む。
【0046】
この特徴が
図1Fおよび1Gに模式的に示されている。
図1Fは、たとえば
図1Aおよび1Bに示すもののようなリジッドプレート部材150上の足160の平面図を示し、
図1Gは側面図を示す。位置A、B、およびC(
図1Bも参照)は、リジッドプレート部品150が、第1中足骨先端を支持する位置(位置A)、第5中足骨先端を支持する位置(位置B)、および後部かかと(たとえば踵骨)を支持する位置(位置C)を示す。装用者の足160がシューズに重量をかける際(たとえば、ステップ時、ジャンプの着地時、ジャンプするために地を蹴る際、など)、これらの位置A、B、およびCの1つまたは複数が下向き力を受け得る。
図1Gに示すように、リジッドプレート部品150は、かかと−つま先方向および/または内側−外側方向にアーチ状であり得る。
【0047】
リジッドプレート部品150がいくぶん上向きにアーチ状であるならば(たとえば、
図1Gにいくぶん誇張して示すように)、特にプレート150の前足部および後足部の両方の上に十分な力が存在する場合に、リジッドプレート部品150に対する十分な下向き力がプレート150をいくぶん平坦化させる。そのような力は
図1Gにおいて下向き力矢印162によって示されている。下向き力162は、リジッドプレート部品150をかかと−つま先方向および/または内側−外側方向のいずれかまたは両方に平坦化させ得る。リジッドプレート部品150は、その硬い特性およびカーブした構造のせいで、ばねとして作用し得、下向き力162が十分に低減または解除された際に、その無応力(非平坦化)形状および状態に戻ろうとし、それにより、
図1Gでは上向き力矢印164によって示す反発または復元力を生じさせるようなる。この復元または反発力164が、カーブしたリジッドプレート部品150を含む本発明の例のソール構造に、さらなる反発エネルギー、応答性、および推進触感を提供する。
【0048】
図1A〜1Eに関連して上述した構造において、アウトソール部品110の突出区域112aおよび114aは、突出区域112aおよび114aの全周に沿ってそれぞれ伸びているフレキシブルウェブ116aおよび116bにより、アウトソール部品110のベース部分110cおよび110dとそれぞれ係合する。これは必要条件ではない。それどころか、
図1H(上記
図1Cに類似した図である)に示すように、フレキシブルウェブ区域116aおよび/または116bは、突出区域112aおよび114aの周囲に沿って不連続であってもよい。突出区域112aおよび114aの周囲に沿って、隣接するウェブ区域116aおよび116bの間に開放空間170が提供され得る。
図1Iおよび1Jは、フレキシブルウェブ区域116aおよび116bの中に開放空間170が提供されている区域の断面を示すことを除き、それぞれ
図1Dおよび
図1Eに類似した断面図を示す。
【0049】
本発明を逸脱することなく、任意の数の切り離されたフレキシブルウェブ区域116aおよび/または116bならびに開放空間170が、突出区域112aおよび/または114aの周囲に沿って提供され得る。いくつかの例示的構造において、それぞれの突出区域112a、114aの周囲長の少なくとも25%がフレキシブルウェブ区域を含み、いくつかの例においては、この周囲長の少なくとも40%または少なくとも50%がフレキシブルウェブ区域を構成し得る。
【0050】
さらに別の例として、必要に応じて、突出区域112aおよび/または114aの周囲のフレキシブルウェブ区域116aおよび116bの1つまたは複数を完全に省略し、すなわち、アウトソールの突出区域112aおよび/または114aを、ベース区域110cおよび/または110dを構成するアウトソール部品からそれぞれ切り離された部品にすることができる。突出区域112aおよび/または114aはなおも、ベース区域から所望の距離(たとえば上記D
突出)だけ外に突出し得る。そのような構造において、突出区域112aおよび/または114aは、任意の所望のやり方で、たとえば突出区域112aおよび/または114aを上に重なる流体充填ブラダシステム120および130と固定することにより、流体充填ブラダシステム120および130をプレート部品150と固定することにより、ならびにプレート部品150をミッドソール部品140と固定することにより、ソール構造の残り部分に固定され得る。代替として、プレート部品150は、たとえばアッパーに(たとえば、以下さらに詳細に説明するストローベル部材に)固定されてもよい。様々なパーツは、セメントもしくは接着剤の使用および/または機械的コネクタの使用を含む任意の所望のやり方で互いに固定され得る。
【0051】
必要ならばまたは必要に応じて、フレキシブルウェブ116aおよび/または116bが不連続であるかまたは省略されている構造において、水、湿気、くず、または他の異物がソール構造に浸透する、および/またはフットウェア内部チャンバに入ることを防ぐために、膜または他の構造が、たとえば開口部140aおよび/または140bの中に提供されてもよい。
【0052】
図2Aおよび2Bは、本発明のこの例示的局面の代替例示的ソール構造200を示す。この例示的ソール構造200と
図1A〜1Eに示すものとの主な違いは、後足部流体充填ブラダシステム220に関する。この例示的構造200において、後足部流体充填ブラダシステム220は、
図1Aおよび1Eに示す積み重ねられた流体充填ブラダ(たとえば、NIKE「ZOOM AIR」タイプ流体充填ブラダ)ではなく、ミッドソール部品140内の開口部140bの中に受けられた1つの流体充填ブラダを含む。この流体充填ブラダシステム220の上面220Sは、たとえばセメントまたは接着剤を使用して、リジッドプレート部品150の下面に固定され得る。同様に、流体充填ブラダ220の下面は、たとえばセメントまたは接着剤を使用して、凹み区域114中でアウトソール部品110の主内面110bに固定され得る。この流体充填ブラダシステム220の側縁220Eは、たとえば上記のようにブラダ220の膨張のための余地を残すために、後足部開口部140bの側縁146から離間していてよい。流体充填ブラダシステム220は、流体充填ブラダシステム120に関して上述したやり方と概ね同じやり方で機能する。また、流体充填ブラダ220は、その形状を制御し、維持するのに役立つための引張り要素、内部溶接、および/または他の構造を含み得る。
【0053】
図1D、1E、1I、1J、および2Bは、開口部140aおよび140b中、流体充填ブラダの周縁120E、130E、および220Eと、ミッドソール部品140の内縁144および146との間に明確な間隙が存在する構造を示す。本発明を逸脱することなく、間隙は、ソール構造に圧縮力が加えられた場合にミッドソール部品および/または流体充填ブラダの形状の変化を受け入れるのに十分な容積が提供される限り、任意の所望のサイズおよび/または容積であり得る。
図2Cは、開口部区域内140b内で流体充填ブラダ縁220Eの一部がミッドソール部品140の縁146の一部まで伸びており、さらにそれと接触する、本発明の少なくともいくつかの例の例示的構造を示す(必要に応じて、類似の側縁構造およびブラダ縁と開口部縁144との間の接触を前足部開口部140a中に使用することもできる)。
図2Cの図示された例示的構造においては、流体充填ブラダシステム220および/またはミッドソール部品140の撓みおよび/またはサイズ変化を受け入れるために、流体充填ブラダシステム220の上、中央、および/または下区域の近くに、いくらかの空間230が提供されている。
【0054】
図3A〜3Dは、
図1A〜2Cに関連して上述したようなソール構造100を含む例示的なフットウェア製品300を示す。
図3Aはシューズ300の外側面図を示し、
図3Bは内側面図を示し、
図3Cおよび3Dは、
図1D、1E、および2Bに示すような位置における断面図であるが、フットウェアアッパー302の少なくともいくらかおよび他の構成パーツもまた示されている。
図3A〜3Dに示すソール構造は、
図1A〜1Eに示すものにより近く対応するが、当業者は、本開示の利点を受ければ、本発明を逸脱することなく、
図2A〜2Cのソール構造を、たとえば
図3A〜3Dに示すタイプのフットウェアにおいて使用することもできることを認識するであろう。
【0055】
アッパー302は、任意の所望の構造を有してよく、フットウェア技術分野において公知であり、かつ使用されている従来の構造、パーツ、および/または材料を含む任意の所望の数のパーツおよび/または材料(任意の所望のやり方で接続された)から作製され得る。アッパー302は、所望の特性を有する領域、たとえば増大した耐久性および/または耐摩耗性を有する領域、通気性が増大した領域、フレキシビリティが増大した領域、所望のレベルの支持を有する領域、所望のレベルの軟らかさまたは快適性を有する領域などを提供するように設計され得る。
図3Aおよび3Bに示すように、アッパー302は、足首開口部304と、フットウェア300を装用者の足に固定するための1つまたは複数の固定システム306(たとえば靴紐、ストラップ、バックルなど)とを含む。装用者の足に対する固定システム306の触感を和らげるのに役立つように、舌革部材308をシューズ300の甲区域に提供することができる。
【0056】
図3Cおよび3Dにわかりやすく示すように、この例示的構造300において、アッパー302の下縁302aは、アッパー302全体の底を封止するストローベル部材310によって互いに接続されている。接続は、たとえば、アッパーの縁302aをストローベル部材310に縫い付けることによって、またはたとえば当技術分野において公知であり、かつ使用されている任意の他の所望のやり方で達成され得る。この例示的構造のストローベル部材310およびアッパー302は、足首開口部304を介してアクセス可能な足受けチャンバを形成する。アッパー302およびストローベル部材310は、たとえば、アッパー302およびストローベル310をミッドソール部品140(たとえばミッドソール部品140の側面および/または上面)および/またはリジッドプレート部品150(たとえばその上面)に接着または他のやり方で固定することによってソール構造100と係合し得る。
図3Cおよび3Dにさらに示すように、アッパー302の足受けチャンバはさらに、中敷き312(「インソール」とも呼ばれる)を含み得る。中敷き312は、足受けチャンバ内に固定されてもよいが、中敷き312は、単にストローベル部材310の上に敷かれてもよい。中敷き312は、装用者の足と係合するための軟らかで快適な面を提供するために、軟らかで快適な材料(たとえばフォーム材料)から作製され得る。
【0057】
代替として、必要に応じて、ストローベル部材310、中敷き312、および/または舌革部材308の1つまたは複数が、内部ブーティ部材または装用者の足を受けるための他の構造によって置き換えられてもよい。別の選択肢として、たとえば、
図3Aおよび3Bに示すように、足首開口部304の周囲の区域が、固定システムが締め付けられる場合に装用者の足への快適なフィットを達成するための、軟らかで快適な布要素316を備えてもよい。
【0058】
図3Aに示すソール構造100において、アウトソール110の外側は、外側中足部/前足部区域に沿って(たとえば第5中足骨先端領域の側面に沿って)ミッドソール部品140の側面の周囲に伸びており、かつそれを支持する隆起した外側縁110Lを含む。この外側縁110Lは、たとえば方向転換またはターン動作中、足の外側のためのさらなる支持を提供する。アウトソール110の前部はまた、上向きに伸びてトウキャップタイプ構造110Tを形成する(たとえば、つま先に耐久性および耐摩耗性を提供するため)。アウトソール110は、ミッドソール部品140への確実かつ耐久性の接続のための増大した区域を提供する、および/または増大した支持を提供するために、任意の所望の位置でミッドソール部品140の少なくともいくらかの側面区域に回り込んでいてもよい。
【0059】
図4Aおよび4Bは、本発明の少なくともいくつかの例のソール構造に含められ得る別の例示的ミッドソール部品400の、それぞれ上面図および下面図を示す。
図4Aに示すように、この例示的ミッドソール部品400は主上面402を含み、流体充填ブラダシステム(または潜在的に他の衝撃減衰システム、たとえばフォーム材料)を受けるための前足部開口部404および後足部開口部406がその中に画定されている。主上面402中には、以下さらに詳細に説明するように、リジッドプレート部品を受けるための開口部404、406の周囲に少なくとも部分的に伸びている凹み区域408が提供されている。開口部404および/または406は、スルーホールとして表されているが、必要に応じて、ミッドソール部品400の材料中に部分的にしか伸びていないブラインドホールであってもよい。ミッドソール部品400の上面402はさらに、たとえば、このミッドソール部品400を含むフットウェア製品の使用に関連する運動競技能力を計測するための電子モジュールを受けるためのブラインドホール410を含み得る。フットウェアに含めるためのこのタイプの電子モジュールは、NIKE+(商標)タイプシステムに使用されている電子モジュールのように、公知であり、市販されている。
【0060】
図4Aは、本発明の少なくともいくつかの例のミッドソール部品400に含められ得るさらなる特徴を示す。この例示的構造400の後足部開口部406の周囲の凹み区域408は、ミッドソール部品400の底の近くまで伸びている(しかし、ミッドソール部品400を完全には通過しない。しかし、必要に応じて、完全に通過して伸びていてもよい)切欠き区域412を含む。これらの切欠き区域412は、ミッドソール部品400の側壁に提供されたスルーホール(
図4Aに破線で示す)と整合し、それが他方で、ソール構造の外部からミッドソール部品400の内部への視覚的アクセスを提供する。この特徴は、
図5Bおよび5Cに関連して以下さらに詳細に説明される。
【0061】
この例のミッドソール部品400の主下面420は、たとえば
図1Aに示すようなアウトソール部品110の隆起リム116を受けるための受け部を提供するための、開口部404、406の周囲の凹んだリム422を含む。ミッドソール部品400の主下面420は、たとえば
図1Aに示す部品110のようなアウトソール部品に接合され得る。
【0062】
この例示的構造400のこの主下面420はさらに、土踏まずまたは中足部領域中に凹み区域424を含む。この凹み区域424は、対応するサイズおよび形状の土踏まず支持部材、たとえば炭素繊維またはポリエーテルブロックアミド土踏まず支持プレートを受けるようにサイズ決めおよび成形され得る。凹み区域424は、支持プレートがその中に滑らかで面一に嵌まり、それらのパーツの間で全体的に滑らかかつ面一の接合を達成するような適切な深さ(たとえば1/8インチ〜1/4インチ)であり得る。
【0063】
図5A〜5Dは、
図4Aおよび4Bに関連して上述したタイプのミッドソール部品400を含むソール構造500の、それぞれ上面図、外側面図、内側面図、および下面図を示す。この例示的ソール構造500は、
図1A〜1Eに関連して上述したタイプの前足部流体充填ブラダシステム130および後足部流体充填ブラダシステム120を含むが、本発明を逸脱することなく、ブラダの数の変更を含む全体構造の変更が可能である(たとえば、必要に応じて、本発明のソール構造は、前足部ブラダのみまたは後足部ブラダのみを有してもよい)。
【0064】
この図示される例のソール構造500と
図1A〜2Cのソール構造との1つの主要な違いはリジッドプレート部品に関する。
図1A〜2Bは1つのリジッドプレート部材150を示すが、この図示されるソール構造500において、リジッドプレート部品は前足部リジッドプレート部材502および別個の後足部リジッドプレート部材504を含む。
図5Aに示すように、土踏まず/中足部区域中、前足部リジッドプレート部材502と後足部リジッドプレート部材504との間に間隙が提供されている。リジッドプレート部材502、504は、上記のように、ミッドソール部品400の主上面402に提供された凹み区域408の中に嵌まる。リジッドプレート部材502、504(たとえば、上記のように硬質プラスチック、繊維強化プラスチック、ポリエーテルブロックアミドなどから作製されている)は、たとえばセメントもしくは接着剤または他の所望の接続システムによって凹み区域408および/または流体充填ブラダシステム120、130の上面に固定され得る。
【0065】
この例示的ソール構造500においては、土踏まず区域におけるさらなる支持が、土踏まず区域を横切ってミッドソール部品400の外側からミッドソール部品400の内側まで伸びている外部土踏まず支持プレート506によって提供される。とりわけ、この例示的構造500において、土踏まず支持プレート506は、ミッドソール部品400の主下面420上、リジッドプレート部材502、504が取り付けられる位置とは反対側の面に提供されている。土踏まず支持プレート506は、ミッドソール部品400の主下面420に提供された凹み区域424の中に取り付けられ(
図4Bを参照)、アウトソール部品110によって部分的に覆われている(覆われた部分は、
図5B〜5Dでは破線で示されている)。この土踏まず支持プレート506は、任意の所望の材料、たとえば硬質ポリマー材料(たとえばPEBAX(登録商標)ブランドポリエーテルブロックアミド材料)、繊維強化ポリマー材料(たとえば炭素繊維、ガラス繊維など)、金属材料などから作製され得る。必要に応じて、土踏まず支持プレート506は、
図1Fおよび1Gに関連して上述した跳ね返りまたは推進効果の少なくともいくらかを提供するように配置、サイズ決め、および/または成形され得る。
【0066】
前足部リジッドプレート部品502を後足部リジッドプレート部品504から切り離して提供すると、ソール構造500全体のフレキシビリティを高め、少なくともいくぶん、後足部区域の屈曲および動きを前足部区域から分断することができる。この分断は、装用者がステップを踏む(そして、体重がかかとから前足部に移動する)際のシューズの全体的快適性および触感を改善し、かつより自然な動きおよび触感を提供することができる。任意選択の土踏まず支持プレート506がさらなる安定性を提供することができ、ミッドソール部品400の外側のその配置が、特に中足部区域においてソール構造500の全体的触感および快適性を改善することができる。
【0067】
図5Aは、本発明の少なくともいくつかの例のソール構造に提供され得るさらなる特徴を示す。この図示されるソール構造500において、前足部リジッドプレート502は、第1中足骨支持領域502bを第5中足骨支持領域502cから(かつ場合によっては他の中足骨支持区域から)切り離す溝502aを含む。加えて、図示するように、第1中足骨支持領域502bは前方に伸びて装用者の足の親指区域のすべてまたは実質的にすべてを支持する。溝502aは、前足部流体充填ブラダシステム130の上面の小さな部分を、ミッドソール部品400の主上面402に露出した状態に残す。同様に、後足部リジッドプレート504は、内側かかと支持領域504bを外側かかと支持領域504cから切り離す溝504aを後部かかと区域に含む。溝504aは、後足部流体充填ブラダシステム120の上面の小さな部分を、ミッドソール部品400の主上面402に露出した状態に残す。
【0068】
前足部および後足部プレート部品502、504のそれぞれの溝区域502aおよび/または504aは、ソール構造500全体のフレキシビリティを高め、少なくともいくぶん、足の外側の屈曲を足の内側から分断することができる。ウォーキング、ランニング、または他の歩行活動中、人は通常、シューズのかかと外側でステップを踏み出し、ステップが続くにつれ、体重力は足の外側から足の内側かつ前方に移動し、親指区域で(足の内側で)地面からつま先が蹴りだされる。この過程は「回内運動」と呼ばれる。溝502aおよび/または504aは、ソール構造500の全体的剛性を低下させ、ステップサイクル中、体重が足の外側から内側に移動する際の快適性および触感を改善するのに役立つ。これが、結果的に、ステップサイクル中、より自然な動きおよび触感を生じさせる。
【0069】
図5Bおよび5Cはさらに、ミッドソール部品400の側壁を通過して伸びており、それにより、後足部流体充填ブラダシステム120が取り付けられるミッドソール部品400の内部に通じるスルーホールまたは窓を開ける、ミッドソール部品400の切欠き区域412を示す。このようにして、後足部流体充填ブラダシステム120は、ソール構造500の外部から部分的に見えるようになる。必要に応じて、ブラダシステム120が目立ち、かつソール500の外部から切欠き区域412を介してより明確に見えるよう、流体充填ブラダシステム120をソール構造の他の特徴とは異なる色に着色することもできる。本発明を逸脱することなく、これらのスルーホールの外部区域は、任意の所望のサイズ、形状、および特徴を呈することができる。スルーホールは、ソール構造500に通じる窓を提供し、おもしろい美的外観をソール構造500に提供することに加えて、ミッドソール部品400をいくぶん軽量化するのに役立ち、ミッドソール部品400のフレキシビリティおよび支持特徴を制御および/または微調整するのに役立つことができる。
【0070】
必要に応じて、本発明の少なくともいくつかの例にしたがって、アウトソール部品110は、透明または半透明な材料(または部分的に透明または半透明な材料、たとえば色付きであるが、明澄または実質的に明澄なポリマー部品)から作製され得る。このように作製されると、下にあるミッドソール部品400、土踏まず支持部材506、および/または流体充填ブラダシステムの色を、アウトソール部品110の下面を通して見ることができる。必要に応じて、アウトソール部品110の底を通して流体充填ブラダ120、130およびミッドソール部品400が互いから区別可能になるよう、1つまたは複数の流体充填ブラダシステム120、130の下面が、ミッドソール部品400の下面の色とは異なる色を有する材料から作製されてもよい(たとえば、ミッドソール部品400を完全に通過して伸びている開口部140a、140bを介して流体充填ブラダ120、130がアウトソール部品110に取り付けられると仮定して)。たとえば、
図5Dに示す図においては、アウトソール部品110を通して流体充填ブラダ120、130の底を見ることができるおかげで、突出区域112aおよび114aの色が、ミッドソール部品400を直接的に覆うアウトソール部品110の位置における色と異なってもよい。同様に、必要に応じて、アウトソール部品110の底を通して支持部材506およびミッドソール部品400が互いから区別可能になるよう、土踏まず支持部材506が、ミッドソール部品400の下面の色とは(少なくともその下面で)異なる色を有する材料から作製されてもよい。より具体的な例として、
図5Dに示す図において、アウトソール部品110を通して支持部材506の底を見ることができることに起因して、土踏まず支持部材506を覆うアウトソール区域の色が、ミッドソール部品400を直接的に覆うアウトソール部品110の位置における色と異なってもよい。土踏まず支持部材506の下面と、突出区域112aおよび114a中の流体充填ブラダの下面とは、同じ色を有してもよく、または異なる色を有してもよい。
【0071】
図5Eは、上記プレート部品502および/または504に代えて使用され得る例示的なプレート部材512および514の他の特徴を示す。より具体的には、これら図示されるプレート部品512および514は、
図5Aのプレート構造502および504に見られる相対的に大きな溝区域502aおよび504aを除いたものである。代替として、必要に応じて、
図5Eの前足部プレート512を
図5Aの後足部プレート504とともに使用することもできるし、または
図5Aの前足部プレート502を
図5Eの後足部プレート514とともに使用することもできる。とりわけ、
図5Eの例示的な前足部プレート構造512は、拡大した親指支持区域502bを含むが、本発明を逸脱することなく、この突出を省略することもできる(または、プレートの上縁全体をより滑らかにカーブさせることもできる)。
【0072】
図6Aおよび6Bは、
図5A〜5Eのソール構造のようなソール構造500を中に組み込まれたフットウェア製品600の、それぞれ外側面図および内側面図を示す。フットウェア600は、1つまたは複数の構成パーツから製造され得る、ソール構造500と係合しているアッパー部品602を含む。アッパー602およびソール構造500は、
図3A〜3Dに関連して上述したアッパー部材302の特徴および/または特徴の組み合わせを含む、上記所望の特徴および/または特徴の組み合わせのいずれかを有し得る。
【0073】
図6Aおよび6Bに示す例示的なソール構造500のミッドソール部品400はさらに、1つまたは複数の後部かかとスルーホール430を含み、これを通してアッパー602の一部が露出する。後部スルーホール430は、おもしろい美的外観をソール構造500に提供することに加えて、ミッドソール部品400をいくぶん軽量化するのに役立ち、ミッドソール部品400のフレキシビリティおよび支持特徴を制御および/または微調整するのに役立つことができる。
【0074】
図7は、本発明の少なくともいくつかの局面の別の例示的ソール構造700を示す。
図7に示すように、この例示的ソール構造700は、主外面710aおよび主内面710bを含むアウトソール部品710を含む。アウトソール部品710は、アウトソール部品110に関して上述した材料(たとえば透明または半透明な材料)および/または当技術分野において公知であり、かつ使用されている従来のアウトソール材料を含む任意の所望の材料で作製され得る。
図7の例示的構造700には示されないが、必要に応じて、アウトソール部品710の主内面710bが、たとえば
図7に示す二段重ねの流体充填ブラダシステム720のような1つまたは複数の流体充填ブラダシステムを受けるための空間を画定する1つまたは複数の隆起区域(隆起リブ116のような)を含んでもよい。
【0075】
アウトソール部品710の主内面710bは、たとえば接着剤またはセメントによってミッドソール部品740と係合する。この例のミッドソール部品740は、上記ミッドソール部品140および400の特性または性質のいずれかを含む任意の所望の特性または性質を有し得る。この例示的ミッドソール部品740は、任意の所望のサイズまたは形状であり得る少なくとも1つの受け部区域740aを含む(たとえば、装用者の中足骨先端および/またはつま先の少なくともいくらかを支持する場合には前足部区域に位置し、装用者のかかと、ソール構造のかかと区域から中足部または前足部区域まで伸びている1つの流体充填ブラダを支持する場合には後足部区域に位置する、など)。ベース面742が受け部区域740aを少なくとも部分的に包囲していてもよく、このベース面742の少なくともいくらかの部分は、ミッドソール部品740の主上面の中へといくぶん凹んでいてもよい。必要に応じて、ミッドソール部品740は別々の前足部および後足部受け部区域740aを含んでもよい。また、受け部区域740aは、
図7に示すような完全なスルーホールを構成してもよく、またはブライドホールを構成してもよい(たとえば、その場合、アウトソール部品710の主内面710bを覆う受け部区域740aの底にミッドソール部品740またはミッドソール材料の層が提供される)。
【0076】
上記のように、流体充填ブラダシステム720が受け部区域740aに受けられる。
図1A〜6Bに関連して上述した構造とは対照的に、この例示的なソール構造700においては、ソール構造700が非圧縮状態にある場合に、流体充填ブラダシステム720の上面720Sがミッドソール部品740のベース面742より上に伸びている。非圧縮状態における距離または最大高さ(D
隆起区域)は約1〜15mmの範囲、いくつかの例においては約1.5〜12mmまたはさらに1.75〜10mmの範囲であり得る。隆起区域の高さD
隆起区域は、前足部区域と後足部区域とで同じであっても異なってもよく、この高さは受け部の周囲に沿って変化してもよい。
【0077】
最後に、
図7に示すように、この例示的ソール構造700は、流体充填ブラダシステム720の上面720Sの上に重なり、かつそれと係合する主下面750Sを有するリジッドプレート部品750を含む。リジッドプレート部品750は、上記様々な溝構造502a、504aを含む、上記リジッドプレート部品150、502、および/または504のいずれかの構造および/または他の特徴を有し得る。必要条件ではないが、必要に応じて、リジッドプレート部品750は、たとえばセメントまたは接着剤によって、機械的コネクタなどによって、流体充填ブラダシステム720の上面720Sに固定され得る。
図7に示すように、リジッドプレート部品750の周縁750Eは、流体充填ブラダシステム720の縁720Eを越え、ミッドソール部品740のベース面742の上に伸びている。しかし、とりわけ、この例示的構造700において、ソール構造700が非圧縮状態にある場合に、リジッドプレート部品750の主下面750Sはミッドソール部品740のベース面742と接触しない。それどころか、ソール構造700が非圧縮状態にある場合に、リジッドプレート部品750の周縁750Eはベース面742の上方で「浮遊」し、それによって周縁750Eとベース面742との間に空間760を画定する、しかし、必要に応じて、ソール構造700が非圧縮状態にある場合に、ベース面742の一部(たとえば最外縁)が、構造700中に空間760のいくらかの部分を残しながらも、リジッドプレート部品750の主下面750Sまで伸び、それと接触してもよい。
【0078】
空間760は、異なる/さらなる衝撃力減衰性をこの例示的構造のソール構造700に提供する。下向き力762がリジッドプレート部品750に加えられると(たとえば、ユーザのステップ、ジャンプの着地などから)、リジッドプレート部品750は、流体充填ブラダシステム720を圧縮しながら下向きに移動する。間隙760が、任意のミッドソールフォーム材料をさらに圧縮する必要なく、この動きが起こることを可能にし、それにより、いくぶんより軟らかでより快適な触感を生じさせる。必要ならば、ベース面742が、流体充填ブラダシステム720の圧縮を停止または減速させ、システムの過剰圧縮を防ぐための「ストップ」システムとして働いてもよい。この例示的ソール構造700の流体充填ブラダシステム720は加圧下のガスを密封ブラダ外被中に含むため、流体充填ブラダシステム720は速やかに反発し、その元の形状に戻ろうとする。この動作が、
図7に矢印764によって示される上向き力をリジッドプレート部品750に加える。ソール構造710全体は、装用者にとって快適で軟らかな触感、優れた衝撃力減衰、応答性、および所望の推進力復元または反発力764を装用者の足に提供する。
【0079】
図7に示すタイプのソール構造700は1つの流体充填ブラダシステムを含み得る(たとえば、前足部中、後足部中、前足部、および後足部の両方の少なくともいくらかの区域を覆うもの、足全体を支持するブラダなど)。または、必要に応じて、
図7に示すタイプのソール構造は、たとえば
図5A〜5Eに示すタイプの、複数の流体充填ブラダシステム(たとえば、垂直方向に積み重ねられた、水平方向に並べられた、など)および/または複数のリジッドプレート部品を含んでもよい。さらに別の代替として、必要に応じて、
図7に示すタイプのソール構造は、たとえば
図1A〜2Cに示すタイプの、複数の流体充填ブラダシステムおよび1つのリジッドプレート部品を含み得る。さらに別の代替として、必要に応じて、上記ソール構造のいずれかにおいては、1つの流体充填ブラダシステムが、それを覆う複数のリジッドプレート部品を有してもよい。本発明を逸脱することなく、2つ以上の流体充填ブラダシステムおよびプレート部品を含む、任意の所望の数および組み合わせの流体充填ブラダシステムおよびリジッドプレート部品を使用してもよい。
【0080】
図8Aおよび8Bは、
図7に関連して上述したソール構造700の衝撃減衰空間760特徴を含むフットウェア製品800の例示的断面図を示す。
図8Aおよび8Bに示す例示的アッパー802は、
図3A〜3Dに関連して上述したものと同一または類似であり得る。
図8Aに示す構造は、たとえば、フットウェア構造の前足部区域に提供してもよく(たとえば、
図1A〜1D、3C、および4A〜6Bに関連して上述したように)、
図8Bに示す構造は、たとえば、フットウェア構造の後足部区域に提供してもよい(たとえば、
図1A〜1C、1E、および3D〜6Bに関連して上述したように)。また、必要に応じて、
図8Bに示す積み重ねられた流体充填ブラダシステム720を、たとえば
図2Bに示す1つの流体充填ブラダシステムによって置き換えてもよい。また、
図8Aおよび8Bに示すアウトソール構造880は、
図1A〜6Bに関連して上述したアウトソール構造110により類似した突出区域および隆起リムを含むが、本発明を逸脱することなく、
図7に示すもののようなアウトソール構造(たとえば、アウトソール突出区域を有しないもの)が流体充填ブラダ区域の少なくとも一部の下で使用されてもよい。
【0081】
アッパー802は、任意の所望の構造を有してよく、フットウェア技術分野において公知であり、かつ使用されている従来の構造、パーツ、および/または材料を含む任意の所望の数のパーツおよび/または材料(任意の所望のやり方で接続された)から作製され得る。アッパー802は、所望の特性を有する領域、たとえば増大した耐久性および/または耐摩耗性を有する領域、通気性が増大した領域、フレキシビリティが増大した領域、所望のレベルの支持を有する領域、所望のレベルの軟らかさまたは快適性を有する領域などを提供するように設計され得る。
図3Aおよび3Bに示す例のように、アッパー802は、足首開口部と、フットウェア800を装用者の足に固定するための1つまたは複数の固定システム(たとえば靴紐、ストラップ、バックルなど)とを含む。装用者の足に対する固定システムの触感を和らげるのに役立つために、舌革部材808をシューズ800の甲区域に提供することができる。
【0082】
図8Aおよび8Bにさらに示すように、この例示的構造800において、アッパー802の下縁802aは、アッパー802全体の底を封止するストローベル部材810によって互いに接続されている。この接続は、たとえば、アッパーの縁802aをストローベル部材810に縫い付けることによって、またはたとえば当技術分野において公知であり、かつ使用されている任意の所望のやり方で達成され得る。この例示的構造のストローベル部材810およびアッパー802は、足首開口部を介してアクセス可能な足受けチャンバを形成する。アッパー802およびストローベル810は、たとえば、アッパー802およびストローベル810をミッドソール部品740(たとえばミッドソール部品740の側面および/または上面)および/またはリジッドプレート部品750(たとえばその上面)に接着または他のやり方で固定することによってソール構造810と係合し得る。
図8Aおよび8Bにさらに示すように、アッパー802の足受けチャンバはさらに、中敷き812を含み得る。中敷き812は、足受けチャンバ内に固定されてもよいが、単にストローベル部材810の上に敷かれてもよい(したがって、足受けチャンバから容易に取り出し得る)。中敷き812は、装用者の足と係合するための軟らかで快適な面を提供するために、軟らかで快適な材料(たとえばフォーム材料)から作製され得る。
【0083】
代替として、必要に応じて、ストローベル部材810、中敷き812、および/または舌革部材808の1つまたは複数が、装用者の足を受けるための内部ブーティ部材または他の構造によって置き換えられてもよい。別の選択肢として、たとえば、
図3Aおよび3Bに示す構造のように、この例示的アッパー802の足首開口部の周囲の区域が、装用者の足への快適なフィットを達成するための、軟らかで快適な布要素316を備えてもよい。
【0084】
図9Aおよび9Bは、本発明の少なくともいくつかの例の別の例示的ソール構造の、それぞれ後足部断面図および前足部断面図を示す。これらの後足部および前足部構造は、必要に応じて、1つのフットウェア構造として使用されてもよい。代替として、これらの構造のいずれかが、個々におよび/または
図1A〜8Bに関連して上述した他のソール構造部品または構造のいずれかとともに使用されてもよい。これらの構造のより詳細な説明を以下に提供する。
【0085】
図9Aは、本発明のこの例示的局面のソール構造900のかかとまたは後足部のイラストを提供する。図示するように、このソール構造900は、主外面910aおよび主内面910bを有するアウトソール部品910を含む。この図示される例示的構造900において、アウトソール部品910は、たとえば
図1A〜6B、8Aおよび8Bを参照して上述した突出区域を含まないが、必要に応じて、突出区域を提供することもできる。
【0086】
ミッドソール部品940がアウトソール部品910の主内面910bと係合している。
図9Aに示すように、この例示的ミッドソール部品940は、その中に画定された開口部940b(ブライドホールまたはスルーホールであり得る)を含む。後足部流体充填ブラダシステム920が少なくとも部分的に開口部940b内に位置し、この例においては、開口部940b内でアウトソール部品910の主内面910bと係合している。リジッドプレート部材950が流体充填ブラダシステム920の上面920Sの上に少なくとも部分的に重なり、ソール構造900のこの部分が非圧縮状態にある場合に、流体充填ブラダシステム920の上面920Sおよびプレート部材950の下面950Sが互いに接触する(そして、場合によっては、たとえば接着剤によって互いに固定される)ようになっている。
【0087】
図9Aはさらに、この例示的構造900においては、リジッドプレート部材950の周縁950Eが、ミッドソール部品940の主上面に提供されたベース面942の上に伸びている(そして、場合によってそれと接触する)ことを示す。必要に応じて、リジッドプレート部材950は、たとえば接着剤により、この周囲区域においてミッドソール部品940に固定されてもよい。
【0088】
図9Aにさらに示すように、開口部940bの内壁946に隣接するミッドソール部品940の下面は、ミッドソール部品940の下面の少なくとも一部とアウトソール部品910の主内面910bとの間に間隙を画定するアンダーカット区域948を含む。本発明を逸脱することなく、アンダーカット区域948は任意の所望のサイズ、形状、および/または容積を画定し得るが、この図示される例示的構造において、アンダーカット区域948は、概して円板形であり、かつソール構造900のこの部分が非圧縮状態にある場合に、1〜15mmの範囲内の最高または最大高さ(H
アンダーカット)を有し、かついくつかの例においては、ソール構造900のこの部分が非圧縮状態にある場合に、1.5〜12mmまたはさらに1.75〜10 mmの最大高さを有する。また、アンダーカット区域948は、開口部940bの内周区域の周囲全体に伸びていてもよく、または開口部940bの内周区域の周囲に部分的に伸びていてもよい。別の例として、必要に応じて、アンダーカット区域948は、開口部940bの内周に沿って不連続であってもよい(たとえば、複数の切り離された線分として存在する)。
【0089】
使用中、圧縮力962がリジッドプレート部材950とアウトソール部品910の主外面910aとの間に加えられると、アンダーカット948または間隙の高さ(H
アンダーカット)はその高さを減少させる(たとえば少なくとも部分的に圧潰する)。必要ならば、アンダーカット区域948はまた、ブラダ920および/またはミッドソール部品940の撓みおよび形状変化のための余地を提供することができる。流体充填ブラダ920は、反発エネルギー、応答性、および推進力の触感を提供する。
【0090】
図9Bは、ソール構造全体および/またはシューズのどちらかといえば前足部区域に使用するためにサイズ決めおよび成形されている類似のソール構造部分960を示す。対応する説明が省略されるよう、同一または類似のパーツを表すために、
図9Aと同じ参照番号が
図9Bに使用されている。この図示される例示的構造960において、アウトソール部品910は、たとえば
図1A〜6B、8Aおよび8Bに関して上述した突出区域を含まないが、必要に応じて、突出区域を提供することもできる。また、この図示される例において、本発明を逸脱することなく、アンダーカット区域948は任意の所望のサイズ、形状、および/または容積を画定し得るが、この図示される例示的構造において、アンダーカット区域948は、概して円板形であり、かつソール構造960のこの部分が非圧縮状態にある場合に、1〜15mmの範囲内の最高または最大高さ(H
アンダーカット)を有し、かついくつかの例においては、ソール構造960のこの部分が非圧縮状態にある場合に、1.5〜12mmまたはさらに1.75〜10mmの最大高さを有する。また、アンダーカット区域948は、開口部940bの内周区域の周囲全体に伸びていてもよく、開口部940bの内周区域の周囲に部分的に伸びていてもよい。別の例として、必要に応じて、アンダーカット区域948は、開口部940bの内周に沿って不連続であってもよい(たとえば、複数の切り離された線分として存在する)。
図9Bのソール構造960は、
図9Aのソール構造900に関して上述されたやり方と同様なやり方で機能することができる。
【0091】
図9Aおよび9Bは、開口部940bの周囲に沿ってミッドソール部品940の下面に位置するアンダーカット領域948(すなわち、ミッドソール部品940の開口部940bの内壁946に提供されたアンダーカット領域948に通じる開口部を有する)を示す。これは必要条件ではない。それどころか、必要に応じて、アンダーカット領域948は、ミッドソール材料がアンダーカット領域948の上面および下面の両方を画定するような、ミッドソール部品940の内壁946沿いの他の位置に提供してもよい。いくつかのより具体的な例として、必要に応じて、アンダーカット領域948は、内壁946の中央または内壁946の下半分に提供してもよい。
【0092】
図9Aおよび/または9Bに関連して上述したアンダーカット区域948および間隙は、上記ソール構造のいずれかと組み合わせて、または上記ソール構造の少なくともいくつかの代わりとして、上記ソール構造のいずれかにおいて使用され得る。加えて、
図9Aおよび/または9Bに関連して上述したアンダーカット区域948および間隙ならびにそのようなアンダーカット区域948および間隙を含むソール構造は、上記アッパー構造を含む任意の所望のアッパー構造とともに使用され得る。なおさらなる代替として、必要に応じて、
図9Aまたは9Bのソール構造部分は、所与のソール構造またはシューズにおいて、たとえば、ソール構造またはシューズの他の区域または領域に提供された他の従来の衝撃力減衰部品とともに個々に使用されることができる。
【0093】
図10A〜10Cは、本発明の少なくともいくつかの例のさらなるソール構造の特徴を示す。
図10Aは下面図を提供し、
図10Bは外側面図を提供し、
図10Cはプレート部材1050の断面図を提供する。これらの図に示す例示的ソール構造1000において、前足部ミッドソールおよびアウトソール部品は、以下さらに詳細に説明するように、後足部ミッドソールおよびアウトソール部品から切り離されている。
【0094】
より具体的には、
図10Aおよび10Bに示すように、この例示的ソール構造1000は、主外面1010aと、主外面とは反対側に(かつソール構造1000全体に対して内部に)位置する主内面とを含む前足部アウトソール部品1010を含む。前足部ミッドソール部品1040が前足部アウトソール部品1010の主内面と係合している。この前足部ミッドソール部品1040は、その中に画定された前足部受け部(たとえばスルーホールまたはブラインドホール)を含み、この受け部は上記形態、構造、および/または特性のいずれかを呈し得る。前足部流体充填ブラダシステムが、たとえば上記やり方のいずれかで、少なくとも部分的に前足部受け部の中に提供され得る。この前足部アウトソール部品1010および上記その様々な構成パーツは、
図10Bに破線で示す突出区域1012を含む、
図1A〜9Bに関連して上述したアウトソール部品の概略的な形態、構造、および/または特性のいずれかを呈し得る。
【0095】
図10Aおよび10Bに示すように、この前足部アウトソール部品1010はリジッドプレート部材1050を含み、このリジッドプレート部材1050は、たとえば上記様々なやり方のいずれかでミッドソール部品1040の内部で前足部流体充填ブラダシステムの上に少なくとも部分的に重なる部分を含む。しかし、上記他のソール構造とは対照的に、このソール構造1000において、リジッドプレート部材1050は、前足部アウトソール部品1010の下に位置する(たとえば、前足部ミッドソール部品1040およびその中の受け部に収容された流体充填ブラダの上に少なくとも部分的に重なる)部分および前足部アウトソール部品1010の外側に位置する部分を含む。とりわけ、
図10Aおよび10Bの例示的構造に示すように、リジッドプレート部材1050の下面1050aが、ソール構造の土踏まず区域において(すなわち、前足部アウトソール部品1010よりも後方の位置で)露出し、かつソール構造1000全体の下面を形成している。
【0096】
この図示される例のソール構造1000はさらに、地面反力を減衰させるための後足部衝撃減衰システム1060をソール構造1000のかかと区域に含む。本発明の局面のいくつかの例示的ソール構造1000において、この後足部衝撃減衰システム1060は、従来の形態(たとえば、
図1A〜9Aに関連して上述した様々な後足部システムとは異なる)、たとえば、1つまたは複数の流体充填ブラダを含む衝撃減衰システム(リジッドプレート被覆部材を有しない)、1つまたは複数のフォーム部品を含む衝撃減衰システム、2つ以上の柱状フォーム要素を含む衝撃減衰システム、1つまたは複数の機械的緩衝要素を含む衝撃減衰システムなどを呈し得る。
【0097】
代替として、
図10Aおよび10Bに示すように、しかしながら、この例示的ソール構造1000において、後足部衝撃減衰システム1060は、前足部アウトソール部品1010aから切り離された後足部アウトソール部品1062、および前足部ミッドソール部品1040から切り離された後足部ミッドソール部品1064を含む。前足部および後足部アウトソール部品ならびに前足部および後足部ミッドソール部品は、この例示的ソール構造1000において、リジッドプレート部材1050の露出部分によって互いから切り離されている。
図10Aに示すように、この例示的ソール構造1000において、リジッドプレート部材1050の後部は、後足部衝撃減衰システム1060の少なくとも一部の上面の上に伸び、それと係合する(たとえば、後足部ミッドソール部品1064または後足部アウトソール部品1062の少なくとも1つの上面の上に重なる、および/またはそれと係合する)。
【0098】
さらに別の選択肢または代替として、必要に応じて、後足部衝撃減衰システム1060は、
図1A〜9Aを参照して上述した概略的な形態および構造を呈し得る。より具体的には、後足部ミッドソール部品1064(前足部ミッドソール部品1040から切り離されている)は後足部アウトソール部品1062の主内面と係合しており、この後足部ミッドソール部品1064は、後足部流体充填ブラダシステムを受けるための、その中に画定された後足部受け部(スルーホールまたはブラインドホール)を含み得る。この例示的ソール構造1000において、リジッドプレート部材1050は、前足部流体充填ブラダシステムの上に少なくとも部分的に重なる第一のリジッドプレート部分を含むことに加えて、後足部ミッドソール部品1064中に提供された後足部流体充填ブラダシステムの上に少なくとも部分的に重なる(かつ場合によってはそれを完全に覆う)第二のリジッドプレート部分をさらに含む。換言するならば、ソール構造1000の構造および/またはパーツは、
図1Aのソール構造100(および/または
図1A〜9Bにおいて上述した様々な他の態様および変形)の構造および/またはパーツに類似し得るが、前後のミッドソールおよびアウトソール構造は、土踏まず区域において切り離され、かつ2つの別々のパーツに分割されている。この構造は、リジッドプレート部材1050の下面1050aを、前足部アウトソール部品1010と後足部アウトソール部品1062との間の土踏まず区域において露出し、かつソール構造1000の下面を形成する状態に残す。
【0099】
図10Bおよび10Cにさらに示すように、この例示的ソール構造1000は、ソール構造1000の外側前足部に沿って伸びている外側支持部品1070を含む。この例示的な外側支持部品1070は、前足部アウトソール部品1010と前足部ミッドソール部品1040との間に位置する少なくとも一部を含む。外側支持部品1070は、アッパー1002の一部に回り込んでもよく、運動競技の使用に、たとえばシューズの前足部外側または第5中足骨区域に沿ってさらなる支持、たとえばランニング中などの素速いターンまたは迅速な動作の間のさらなる支持を提供する。
【0100】
図10A〜10Cは、本発明のソール構造1000および/または他の構造(たとえば
図1A〜9Bの構造)において使用され得るリジッドプレート部材1050のさらなる詳細を示す。たとえば、これらの図に示すように、リジッドプレート部材1050は、ソール構造1000の少なくとも土踏まず区域においてリジッドプレート部材1050の下面1050aから上に伸びている外側縁1052および内側縁1054を含み得る。これらの側縁1052および1054は、装用者の足の安定な支持を提供するのに役立つ。
【0101】
この例示的構造のリジッドプレート部材1050はさらに、その中に形成された複数のリブ要素1056を含み、この図示される例において、リブ要素1056は、平行または実質的に平行であり、かつソール構造1000の概して前後方向に伸びている。リブ要素1056は、土踏まず区域においてプレート部材1050に剛性を与え、かつプレート部材1050の総重量を減らすのに役立つ。本発明を逸脱することなく、任意の所望のサイズおよび/または断面形状のリブ要素1056を含む、任意の所望の数のリブ要素1056が提供され得る。また、リブ要素1056のいくつかまたはすべては、
図10Aおよび10Cでは内面上に示されているが、必要に応じて、本発明を逸脱することなく、プレート部材1050の外面上に提供することもできる。リジッドプレート部材1050は、必要に応じて、たとえば前後方向および/または外側−内側方向に、たとえば上記のようにいくぶんカーブしていてもよい。
【0102】
図10Aおよび10Bはさらに、ソール構造1000をアッパー1002と係合させてフットウェア製品を形成し得ることを示す。本発明を逸脱することなく、アッパー1002は、上記構造および/または材料および/または当技術分野において公知であり、かつ使用されている他の構造および材料を含む、任意の所望の構造および/または材料を有してもよい。また、
図10Bの例示的構造においては、装用者のかかとを支持するためのヒールカウンタ1072が示されている。
【0103】
図1A〜10Cに関連して上述した様々な例示的構造は、ミッドソール部品中に画定された受け部内の密封流体充填ブラダを利用する。本発明の例において使用される流体充填ブラダは、周囲圧下または高圧下(標準または大気圧を超える)の流体、たとえば気体を含む。そのような流体充填ブラダは、優れた衝撃力減衰、応答性、および推進力復元または反発力を装用者の足に提供することができるため、有利である。リジッドプレートは、この力をより装用者に戻しやすくする(たとえば、より軟らかなオーバレイ材料に比べて)。しかしながら、必要に応じて、本発明の少なくともいくつかの例示的構造において、上記構造中の流体充填ブラダの1つまたは複数が、フォーム材料、たとえばポリウレタンフォーム、エチルビニルアセテートフォームなどによって置き換えられてもよい。これらのタイプのフォームは、たとえば上記様々なやり方で、リジッドプレート部材と少なくとも部分的に重ねられ得る。
【0104】
最後に、上記構造のいくつかは、前足部区域および後足部区域の両方に位置するリジッドプレート緩和流体充填ブラダを含むものであった。本発明の局面はそのような構造に限定されない。たとえば、必要に応じて、リジッドプレート緩和流体充填ブラダシステム(またはフォームシステム)はソール構造の後足部区域だけに提供され、任意で、これらの他の区域に提供される従来の衝撃減衰力システム(たとえば、ポリマーフォーム材料、流体充填ブラダシステム、機械的緩衝システムなど)を含む他の衝撃力減衰システムが、ソール構造の他の区域、たとえば前足部または土踏まず区域に提供されてもよい。別の例として、必要に応じて、リジッドプレート緩和流体充填ブラダシステム(またはフォームシステム)は、ソール構造の前足部区域だけに提供され、任意で、これらの他の区域に提供される従来の衝撃力減衰システム(たとえば、ポリマーフォーム材料、流体充填ブラダシステム、機械的緩衝システムなど)を含む他の衝撃力減衰システムが、ソール構造の他の区域、たとえば後足部または土踏まず区域に提供されてもよい。なおさらなる代替として、必要に応じて、さらなるリジッドプレート緩和流体充填ブラダシステム(またはフォームシステム)がソール構造全体に提供され、たとえば、前足部区域が2つ以上の別々のリジッドプレート緩和流体充填ブラダシステムを含むようにしてもよく、および/または後足部区域が2つ以上の別々のリジッドプレート緩和流体充填ブラダシステムを含むようにしてもよい。リジッドプレート緩和流体充填ブラダシステムはまた、必要に応じて、中足部または土踏まず区域に提供することもでき、および/または、前足部または後足部リジッドプレート緩和流体充填ブラダシステムの少なくとも1つが、中足部または土踏まず区域の中に少なくとも部分的に伸びていてもよい。
【0105】
III. 結び
本発明は、上記および添付図面において、多様な態様を参照して開示されている。しかし、本開示によって果たされる目的は、本発明の範囲を限定することではなく、本発明に関連する様々な特徴および概念の例を提供することである。当業者は、特許請求の範囲によって画定される本発明の範囲を逸脱することなく、上記態様に対して数多くの変更および修飾を加え得ることを理解するであろう。