(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
強誘電体材料で形成された第1誘電体層を含む第1の可変コンデンサ部を有し且つ外部から印加される制御電圧信号に応じて容量が変化する素子本体部、前記強誘電体材料で形成された第2誘電体層を含む第2の可変コンデンサ部を有し、前記素子本体部に接続され且つ前記制御電圧信号に応じて容量が変化する補正部、前記素子本体部に接続され且つ交流信号が入力される第1信号用外部端子、前記素子本体部又は前記補正部に接続され且つ交流信号が入力される第2信号用外部端子、前記素子本体部に接続され且つ前記制御電圧信号が入力される制御用外部端子、並びに、前記補正部に接続された容量補正用外部端子、を有する可変容量素子を含む共振コンデンサと、
前記共振コンデンサに接続された共振コイルと
を備える共振回路。
強誘電体材料で形成された第1誘電体層を含む第1の可変コンデンサ部を有し且つ外部から印加される制御電圧信号に応じて容量が変化する素子本体部、前記強誘電体材料で形成された第2誘電体層を含む第2の可変コンデンサ部を有し、前記素子本体部に接続され且つ前記制御電圧信号に応じて容量が変化する補正部、前記素子本体部に接続され且つ交流信号が入力される第1信号用外部端子、前記素子本体部又は前記補正部に接続され且つ交流信号が入力される第2信号用外部端子、前記素子本体部に接続され且つ前記制御電圧信号が入力される制御用外部端子、並びに、前記補正部に接続された容量補正用外部端子、を有する可変容量素子を含む共振コンデンサと、前記共振コンデンサに接続された共振コイルとを含み、外部と非接触通信を行う受信アンテナ部と、
前記可変容量素子の前記制御用外部端子に前記制御電圧信号を出力する電圧発生回路と を備える通信装置。
強誘電体材料で形成された第1誘電体層を含む第1の可変コンデンサ部を有し且つ外部から印加される制御電圧信号に応じて容量が変化する素子本体部、前記強誘電体材料で形成された第2誘電体層を含む第2の可変コンデンサ部を有し、前記素子本体部に接続され且つ前記制御電圧信号に応じて容量が変化する補正部、前記素子本体部に接続され且つ交流信号が入力される第1信号用外部端子、前記素子本体部又は前記補正部に接続され且つ交流信号が入力される第2信号用外部端子、前記素子本体部に接続され且つ前記制御電圧信号が入力される制御用外部端子、並びに、前記補正部に接続された容量補正用外部端子、を有する可変容量素子を含む共振コンデンサと、前記共振コンデンサに接続された共振コイルとを含む送信アンテナ部を有する送信装置と、
前記送信装置と非接触通信を行う受信装置と
を備える通信システム。
強誘電体材料で形成された第1誘電体層を含む第1の可変コンデンサ部を有し且つ外部から印加される第1制御電圧信号に応じて容量が変化する第1素子本体部、前記強誘電体材料で形成された第2誘電体層を含む第2の可変コンデンサ部を有し、前記第1素子本体部に接続され且つ前記第1制御電圧信号に応じて容量が変化する第1補正部、前記第1素子本体部に接続され且つ交流信号が入力される第1信号用外部端子、前記第1素子本体部又は前記第1補正部に接続され且つ交流信号が入力される第2信号用外部端子、前記第1素子本体部に接続され且つ前記第1制御電圧信号が入力される第1制御用外部端子、並びに、前記第1補正部に接続された第1容量補正用外部端子、を有する第1可変容量素子を含む第1共振コンデンサと、前記第1共振コンデンサに接続された第1共振コイルとにより構成される給電アンテナ部を有する給電装置と、
強誘電体材料で形成された第3誘電体層を含む第3の可変コンデンサ部を有し且つ外部から印加される第2制御電圧信号に応じて容量が変化する第2素子本体部、前記第3誘電体層と同じ強誘電体材料で形成された第4誘電体層を含む第4の可変コンデンサ部を有し、前記第2素子本体部に接続され且つ前記第2制御電圧信号に応じて容量が変化する第2補正部、前記第2素子本体部に接続され且つ交流信号が入力される第3信号用外部端子、前記第2素子本体部又は前記第2補正部に接続され且つ交流信号が入力される第4信号用外部端子、前記第2素子本体部に接続され且つ前記第2制御電圧信号が入力される第2制御用外部端子、並びに、前記第2補正部に接続された第2容量補正用外部端子、を有する第2可変容量素子を含む第2共振コンデンサと、前記第2共振コンデンサに接続された第2共振コイルとにより構成され、前記給電アンテナ部と非接触通信を行う受電アンテナ部を有する受電装置と を備えるワイヤレス充電システム。
強誘電体材料で形成された第1誘電体層を含む第1の可変コンデンサ部を有し且つ外部から印加される制御電圧信号に応じて容量が変化する素子本体部、前記強誘電体材料で形成された第2誘電体層を含む第2の可変コンデンサ部を有し、前記素子本体部に接続され且つ前記制御電圧信号に応じて容量が変化する補正部、前記素子本体部に接続され且つ交流信号が入力される第1信号用外部端子、前記素子本体部又は前記補正部に接続され且つ交流信号が入力される第2信号用外部端子、前記素子本体部に接続され且つ前記制御電圧信号が入力される制御用外部端子、並びに、前記補正部に接続された容量補正用外部端子、を有する可変容量素子を含む共振コンデンサと、前記共振コンデンサに接続された共振コイルとにより構成され、外部と非接触通信を行う通信部と、
前記可変容量素子の前記制御用外部端子に前記制御電圧信号を出力する電圧発生回路と
を備える電子機器。
強誘電体材料で形成された第1誘電体層を含む第1の可変コンデンサ部を有し且つ外部から印加される第1制御電圧信号に応じて容量が変化する第1素子本体部、前記強誘電体材料で形成された第2誘電体層を含む第2の可変コンデンサ部を有し、前記第1素子本体部に接続され且つ前記第1制御電圧信号に応じて容量が変化する第1補正部、前記第1素子本体部に接続され且つ交流信号が入力される第1信号用外部端子、前記第1素子本体部又は前記第1補正部に接続され且つ交流信号が入力される第2信号用外部端子、前記第1素子本体部に接続され且つ前記第1制御電圧信号が入力される第1制御用外部端子、並びに、前記第1補正部に接続された第1容量補正用外部端子、を有する第1可変容量素子を含む第1共振コンデンサと、前記第1共振コンデンサに接続された第1共振コイルとにより構成される給電アンテナ部を有する給電装置部と、
強誘電体材料で形成された第3誘電体層を含む第3の可変コンデンサ部を有し且つ外部から印加される第2制御電圧信号に応じて容量が変化する第2素子本体部、前記第3誘電体層と同じ強誘電体材料で形成された第4誘電体層を含む第4の可変コンデンサ部を有し、前記第2素子本体部に接続され且つ前記第2制御電圧信号に応じて容量が変化する第2補正部、前記第2素子本体部に接続され且つ交流信号が入力される第3信号用外部端子、前記第2素子本体部又は前記第2補正部に接続され且つ交流信号が入力される第4信号用外部端子、前記第2素子本体部に接続され且つ前記第2制御電圧信号が入力される第2制御用外部端子、並びに、前記第2補正部に接続された第2容量補正用外部端子、を有する第2可変容量素子を含む第2共振コンデンサと、前記第2共振コンデンサに接続された第2共振コイルとにより構成され、前記給電アンテナ部と非接触通信を行う受電アンテナ部を有する受電装置部と
を備える電子機器。
強誘電体材料で形成された第1誘電体層を含む第1の可変コンデンサ部を有し且つ外部から印加される第1制御電圧信号に応じて容量が変化する第1素子本体部、前記強誘電体材料で形成された第2誘電体層を含む第2の可変コンデンサ部を有し、前記第1素子本体部に接続され且つ前記第1制御電圧信号に応じて容量が変化する第1補正部、前記第1素子本体部に接続され且つ交流信号が入力される第1信号用外部端子、前記第1素子本体部又は前記第1補正部に接続され且つ交流信号が入力される第2信号用外部端子、前記第1素子本体部に接続され且つ前記第1制御電圧信号が入力される第1制御用外部端子、並びに、前記第1補正部に接続された第1容量補正用外部端子、を有する第1可変容量素子を含む第1共振コンデンサと、前記第1共振コンデンサに接続された第1共振コイルとを含み、外部と非接触通信を行う受信アンテナ部を有する通信装置部と、
強誘電体材料で形成された第3誘電体層を含む第3の可変コンデンサ部を有し且つ外部から印加される第2制御電圧信号に応じて容量が変化する第2素子本体部、前記第3誘電体層と同じ強誘電体材料で形成された第4誘電体層を含む第4の可変コンデンサ部を有し、前記第2素子本体部に接続され且つ前記第2制御電圧信号に応じて容量が変化する第2補正部、前記第2素子本体部に接続され且つ交流信号が入力される第3信号用外部端子、前記第2素子本体部又は前記第2補正部に接続され且つ交流信号が入力される第4信号用外部端子、前記第2素子本体部に接続され且つ前記第2制御電圧信号が入力される第2制御用外部端子、並びに、前記第2補正部に接続された第2容量補正用外部端子、を有する第2可変容量素子を含む第2共振コンデンサと、前記第2共振コンデンサに接続された第2共振コイルとにより構成される給電アンテナ部を有する給電装置部と、
強誘電体材料で形成された第5誘電体層を含む第5の可変コンデンサ部を有し且つ外部から印加される第3制御電圧信号に応じて容量が変化する第3素子本体部、前記第5誘電体層と同じ強誘電体材料で形成された第6誘電体層を含む第6の可変コンデンサ部を有し、前記第3素子本体部に接続され且つ前記第3制御電圧信号に応じて容量が変化する第3補正部、前記第3素子本体部に接続され且つ交流信号が入力される第5信号用外部端子、前記第3素子本体部又は前記第3補正部に接続され且つ交流信号が入力される第6信号用外部端子、前記第3素子本体部に接続され且つ前記第3制御電圧信号が入力される第3制御用外部端子、並びに、前記第3補正部に接続された第3容量補正用外部端子、を有する第3可変容量素子を含む第3共振コンデンサと、前記第3共振コンデンサに接続された第3共振コイルとにより構成され、前記給電アンテナ部と非接触通信を行う受電アンテナ部を有する受電装置部と
を備える電子機器
強誘電体材料で形成された第1誘電体層を含む第1の可変コンデンサ部を有し且つ外部から印加される第1制御電圧信号に応じて容量が変化する第1素子本体部、前記強誘電体材料で形成された第2誘電体層を含む第2の可変コンデンサ部を有し、前記第1素子本体部に接続され且つ前記第1制御電圧信号に応じて容量が変化する第1補正部、前記第1素子本体部に接続され且つ交流信号が入力される第1信号用外部端子、前記第1素子本体部又は前記第1補正部に接続され且つ交流信号が入力される第2信号用外部端子、前記第1素子本体部に接続され且つ前記第1制御電圧信号が入力される第1制御用外部端子、並びに、前記第1補正部に接続された第1容量補正用外部端子、を有する第1可変容量素子を含む第1共振コンデンサと、前記第1共振コンデンサに接続された第1共振コイルとを含み、外部と非接触通信を行う受信アンテナ部を有する通信装置部と、
電源供給部と、前記電源供給部から供給された交流電力を直流電力に変換する整流回路部と、強誘電体材料で形成された第3誘電体層を含む第3の可変コンデンサ部を有し且つ外部から印加される第2制御電圧信号に応じて容量が変化する第2素子本体部、前記第3誘電体層と同じ強誘電体材料で形成された第4誘電体層を含む第4の可変コンデンサ部を有し、前記第2素子本体部に接続され且つ前記第2制御電圧信号に応じて容量が変化する第2補正部、前記第2素子本体部に接続され且つ交流信号が入力される第3信号用外部端子、前記第2素子本体部又は前記第2補正部に接続され且つ交流信号が入力される第4信号用外部端子、前記第2素子本体部に接続され且つ前記第2制御電圧信号が入力される第2制御用外部端子、並びに、前記第2補正部に接続された第2容量補正用外部端子、を有する第2可変容量素子を含み、前記電源供給部と前記整流回路部との間に設けられた可変インピーダンス部とを有する電源装置部と
を備える電子機器。
強誘電体材料で形成された第1誘電体層を含む第1の可変コンデンサ部を有し且つ外部から印加される第1制御電圧信号に応じて容量が変化する第1素子本体部、前記強誘電体材料で形成された第2誘電体層を含む第2の可変コンデンサ部を有し、前記第1素子本体部に接続され且つ前記第1制御電圧信号に応じて容量が変化する第1補正部、前記第1素子本体部に接続され且つ交流信号が入力される第1信号用外部端子、前記第1素子本体部又は前記第1補正部に接続され且つ交流信号が入力される第2信号用外部端子、前記第1素子本体部に接続され且つ前記第1制御電圧信号が入力される第1制御用外部端子、並びに、前記第1補正部に接続された第1容量補正用外部端子、を有する第1可変容量素子を含む第1共振コンデンサと、前記第1共振コンデンサに接続された第1共振コイルとにより構成される給電アンテナ部を有する給電装置部と、
強誘電体材料で形成された第3誘電体層を含む第3の可変コンデンサ部を有し且つ外部から印加される第2制御電圧信号に応じて容量が変化する第2素子本体部、前記第3誘電体層と同じ強誘電体材料で形成された第4誘電体層を含む第4の可変コンデンサ部を有し、前記第2素子本体部に接続され且つ前記第2制御電圧信号に応じて容量が変化する第2補正部、前記第2素子本体部に接続され且つ交流信号が入力される第3信号用外部端子、前記第2素子本体部又は前記第2補正部に接続され且つ交流信号が入力される第4信号用外部端子、前記第2素子本体部に接続され且つ前記第2制御電圧信号が入力される第2制御用外部端子、並びに、前記第2補正部に接続された第2容量補正用外部端子、を有する第2可変容量素子を含む第2共振コンデンサと、前記第2共振コンデンサに接続された第2共振コイルとにより構成され、前記給電アンテナ部と非接触通信を行う受電アンテナ部を有する受電装置部と、
電源供給部と、前記電源供給部から供給された交流電力を直流電力に変換する整流回路部と、強誘電体材料で形成された第5誘電体層を含む第5の可変コンデンサ部を有し且つ外部から印加される第3制御電圧信号に応じて容量が変化する第3素子本体部、前記第5誘電体層と同じ強誘電体材料で形成された第6誘電体層を含む第6の可変コンデンサ部を有し、前記第3素子本体部に接続され且つ前記第3制御電圧信号に応じて容量が変化する第3補正部、前記第3素子本体部に接続され且つ交流信号が入力される第5信号用外部端子、前記第3素子本体部又は前記第3補正部に接続され且つ交流信号が入力される第6信号用外部端子、前記第3素子本体部に接続され且つ前記第3制御電圧信号が入力される第3制御用外部端子、並びに、前記第3補正部に接続された第3容量補正用外部端子、を有する第3可変容量素子を含み、前記電源供給部と前記整流回路部との間に設けられた可変インピーダンス部とを有する電源装置部と
を備える電子機器。
強誘電体材料で形成された第1誘電体層を含む第1の可変コンデンサ部を有し且つ外部から印加される第1制御電圧信号に応じて容量が変化する第1素子本体部、前記強誘電体材料で形成された第2誘電体層を含む第2の可変コンデンサ部を有し、前記第1素子本体部に接続され且つ前記第1制御電圧信号に応じて容量が変化する第1補正部、前記第1素子本体部に接続され且つ交流信号が入力される第1信号用外部端子、前記第1素子本体部又は前記第1補正部に接続され且つ交流信号が入力される第2信号用外部端子、前記第1素子本体部に接続され且つ前記第1制御電圧信号が入力される第1制御用外部端子、並びに、前記第1補正部に接続された第1容量補正用外部端子、を有する第1可変容量素子を含む第1共振コンデンサと、前記第1共振コンデンサに接続された第1共振コイルとを含み、外部と非接触通信を行う受信アンテナ部を有する通信装置部と、
強誘電体材料で形成された第3誘電体層を含む第3の可変コンデンサ部を有し且つ外部から印加される第2制御電圧信号に応じて容量が変化する第2素子本体部、前記第3誘電体層と同じ強誘電体材料で形成された第4誘電体層を含む第4の可変コンデンサ部を有し、前記第2素子本体部に接続され且つ前記第2制御電圧信号に応じて容量が変化する第2補正部、前記第2素子本体部に接続され且つ交流信号が入力される第3信号用外部端子、前記第2素子本体部又は前記第2補正部に接続され且つ交流信号が入力される第4信号用外部端子、前記第2素子本体部に接続され且つ前記第2制御電圧信号が入力される第2制御用外部端子、並びに、前記第2補正部に接続された第2容量補正用外部端子、を有する第2可変容量素子を含む第2共振コンデンサと、前記第2共振コンデンサに接続された第2共振コイルとにより構成される給電アンテナ部を有する給電装置部と、
強誘電体材料で形成された第5誘電体層を含む第5の可変コンデンサ部を有し且つ外部から印加される第3制御電圧信号に応じて容量が変化する第3素子本体部、前記第5誘電体層と同じ強誘電体材料で形成された第6誘電体層を含む第6の可変コンデンサ部を有し、前記第3素子本体部に接続され且つ前記第3制御電圧信号に応じて容量が変化する第3補正部、前記第3素子本体部に接続され且つ交流信号が入力される第5信号用外部端子、前記第3素子本体部又は前記第3補正部に接続され且つ交流信号が入力される第6信号用外部端子、前記第3素子本体部に接続され且つ前記第3制御電圧信号が入力される第3制御用外部端子、並びに、前記第3補正部に接続された第3容量補正用外部端子、を有する第3可変容量素子を含む第3共振コンデンサと、前記第3共振コンデンサに接続された第3共振コイルとにより構成され、前記給電アンテナ部と非接触通信を行う受電アンテナ部を有する受電装置部と、
電源供給部と、前記電源供給部から供給された交流電力を直流電力に変換する整流回路部と、強誘電体材料で形成された第7誘電体層を含む第7の可変コンデンサ部を有し且つ外部から印加される第4制御電圧信号に応じて容量が変化する第4素子本体部、前記第7誘電体層と同じ強誘電体材料で形成された第8誘電体層を含む第8の可変コンデンサ部を有し、前記第4素子本体部に接続され且つ前記第4制御電圧信号に応じて容量が変化する第4補正部、前記第4素子本体部に接続され且つ交流信号が入力される第7信号用外部端子、前記第4素子本体部又は前記第4補正部に接続され且つ交流信号が入力される第8信号用外部端子、前記第4素子本体部に接続され且つ前記第4制御電圧信号が入力される第4制御用外部端子、並びに、前記第4補正部に接続された第4容量補正用外部端子、を有する第4可変容量素子を含み、前記電源供給部と前記整流回路部との間に設けられた可変インピーダンス部とを有する電源装置部と
を備える電子機器。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に、本開示の各種実施形態に係る可変容量素子の構成例を、図面を参照しながら下記の順で説明する。ただし、本開示は下記の例に限定されない。
1.本開示に係る可変容量素子の概要
2.第1の実施形態:直列型の可変容量素子の第1の構成例
3.第2の実施形態:直列型の可変容量素子の第2の構成例
4.第3の実施形態:直列型の可変容量素子の第3の構成例
5.第4の実施形態:並列型の可変容量素子の構成例
6.各種応用例
【0025】
<1.本開示に係る可変容量素子の概要>
[容量バラツキの影響]
まず、本開示に係る可変容量素子の概要を説明する前に、この技術分野で、可変容量素子の容量バラツキをさらに抑制することが求められている理由を簡単に説明する。
【0026】
上述のように、強誘電体材料を用いた可変容量素子では、その製造誤差等の影響により、可変容量素子毎の容量バラツキが大きくなる。このような容量バラツキの大きい可変容量素子を、例えば通信システム等に適用した場合、可変容量素子における容量の実質的な可変範囲(利用可能範囲)は、容量バラツキが無い場合の容量の可変範囲から容量バラツキを差し引いた範囲となる。この場合には、通信システム等において実質的に可変できる容量の範囲が狭くなる。
【0027】
より具体的に説明すると、今、例えば、可変容量素子毎の容量バラツキが±10%(1C±0.1C)となる可変容量素子を通信システム等に適用した場合を考える。また、可変容量素子に対して3Vの制御電圧Vcを印加した場合、容量が30%低下するような可変容量素子を用いる場合を考える。
【0028】
この場合、例えば容量が所望の容量(容量のバラツキ量が0%:容量=1.0C)である可変容量素子において、制御電圧Vcを0V〜3Vの間で変化させると、可変容量素子の容量の可変範囲は1.0C〜0.7C(ΔC=0.3C)となる。また、例えば容量が所望の容量から10%高い(容量のバラツキ量が+10%:容量=1.1C)可変容量素子において、制御電圧Vcを0V〜3Vの間で変化させると、可変容量素子の容量の可変範囲は1.1C〜0.77Cとなる。さらに、例えば容量が所望の容量から10%低い(容量のバラツキ量が−10%:容量=0.9C)可変容量素子において、制御電圧Vcを0V〜3Vの間で変化させると、可変容量素子の容量の可変範囲は0.9C〜0.63Cとなる。
【0029】
それゆえ、上述のような、可変容量素子毎の容量バラツキが±10%である可変容量素子を通信システム等に適用した場合、実際に利用できる容量の可変範囲は、上記3つの可変範囲の重なり部分となる。すなわち、上記例において、利用できる容量の可変範囲は、0.9C〜0.77C(ΔC=0.13C)となり、容量のバラツキ量が無い場合(ΔC=0.3C)に比べて、半分以下の範囲になる。それゆえ、可変容量素子毎の容量バラツキが大きくなると、実際に利用できる容量の可変範囲が非常に小さくなり、誘電体層の形成材料として、比誘電率の高い強誘電体材料を用いた利点が十分活かされないことになる。
【0030】
そこで、本開示では、上述のような課題を解消するために、可変容量素子毎の容量バラツキが大きくても、可変容量素子を通信システム等に実装した後に、その容量バラツキを小さくすることができるような構成の可変容量素子を提案する。
【0031】
[可変容量素子の構成の概要]
本開示に係る可変容量素子の概要を、
図1(a)及び(b)、並びに、
図2(a)及び(b)を参照しながら説明する。なお、
図1(a)及び(b)は、本開示に係る可変容量素子の概略ブロック構成図であり、
図2(a)及び(b)は、後述の補正部4の概略内部構成図である。また、ここでは、説明を簡略化するため、後述の補正部4が2つの補正コンデンサ部で構成される例を示す。
【0032】
本開示に係る可変容量素子1,2は、コンデンサ本体部3(素子本体部)と、コンデンサ本体部3の容量バラツキを補正するための補正部4とを備える。また、可変容量素子1,2は、コンデンサ本体部3に接続された信号用外部端子5(第1信号用外部端子)と、2つの補正用外部端子6(容量補正用外部端子)とを備える。
【0033】
図1(a)に示す直列型の可変容量素子1では、コンデンサ本体部3と、補正部4とが内部端子7を介して直列接続される。また、直列型の可変容量素子1を外部システムの回路基板等に実装した際には、信号用外部端子5が、交流信号の一方の入力端(AC1)に接続され、2つの補正用外部端子6のうち少なくとも一つの端子が交流信号の他方の入力端(AC2)に接続される。すなわち、直列型の可変容量素子1では、2つの補正用外部端子6のうち少なくとも一つの端子が信号用外部端子(第2信号用外部端子)としても用いられる。
【0034】
一方、
図1(b)に示す並列型の可変容量素子2では、コンデンサ本体部3(素子本体部)と、補正部4とは内部端子7を介して並列接続される。また、並列型の可変容量素子2では、2つの補正用外部端子6のうち、一方の補正用外部端子6(第2信号用外部端子)がコンデンサ本体部3に接続され、他方の補正用外部端子6(容量補正用外部端子)が補正部4に接続される。なお、並列型の可変容量素子2を外部システムの回路基板等に実装した際には、信号用外部端子5が、交流信号の一方の入力端(AC1)に接続され、コンデンサ本体部3に接続された一方の補正用外部端子6が交流信号の他方の入力端(AC2)に接続される。すなわち、並列型の可変容量素子2では、少なくとも、コンデンサ本体部3に接続された一方の補正用外部端子6が信号用外部端子としても用いられる。
【0035】
また、コンデンサ本体部3及び補正部4は、それぞれ、複数の誘電体層が、電極層を間に挟んで積層された積層型コンデンサで構成される。
図2(a)及び(b)に示す例では、補正部4は、2つのコンデンサを積層して構成される。なお、各誘電体層は、その製法に応じて、一つの誘電体膜で構成してもよいし、複数の誘電体膜を積層して構成してもよい。
【0036】
補正部4は、
図2(a)及び(b)に示すように、第1補正コンデンサ部8及び第2補正コンデンサ部9で構成され、この2つの補正コンデンサ部が直列又は並列に接続されて構成される。なお、第1補正コンデンサ部8及び第2補正コンデンサ部9間の接続は、内部配線により行われる。
【0037】
[容量バラツキの補正手法の概要]
本開示では、上記構成の可変容量素子1,2を外部のシステムの回路基板等に実装した後、可変容量素子1,2の容量が所望の範囲の容量となるように、可変容量素子1,2の容量を次のようにして調整する。まず、可変容量素子1,2を外部のシステムの回路基板に実装し、その状態(制御電圧0Vの状態)で各補正用外部端子6の容量を測定する。
【0038】
次いで、各補正用外部端子6の容量の測定結果に基づいて、可変容量素子1,2の容量が所望の範囲の容量になるように、実装基板上で複数の補正用外部端子6間の接続状態を変更する。具体的には、実装時に複数の補正用外部端子6が、実装基板の外部配線で接続された状態である場合には、外部配線の配線パターンをカットして、可変容量素子1,2の容量を調整する。また、実装時に複数の補正用外部端子6が、互いに接続されていない状態である場合には、所定の2つの補正用外部端子6間を外部配線で接続して、可変容量素子1,2の容量を調整する。
【0039】
このような実装基板上における外部配線のカット技術や接続技術は、従来既知の手法を用いて容易に実施することができる。なお、複数の補正用外部端子6間の接続状態の変更手法については、以下の各種実施形態において、より詳細に説明する。
【0040】
上記構成の可変容量素子1,2を用いることにより、実装後に基板上で複数の補正用外部端子6間の電気的な接続状態を変更するだけで、容易に、可変容量素子1,2の容量を所定範囲の容量に調整することできる。すなわち、本開示では、可変容量素子1,2の実装前の容量バラツキが大きくても、実装後に、可変容量素子1,2の容量バラツキを低減することができる。それゆえ、本開示に係る可変容量素子1,2では、上述した容量バラツキにより発生する課題を解消することができ、比誘電率の高い強誘電体材料を用いた利点を十分活かすことができる。
【0041】
<2.第1の実施形態:直列型の可変容量素子の第1の構成例>
第1の実施形態では、コンデンサ本体部と補正部とが直列接続され、かつ、補正部内の複数の補正コンデンサ部が並列接続された可変容量素子、及び、それを備えた実装回路の構成例について説明する。
【0042】
[可変容量素子の構成]
まず、第1の実施形態に係る可変容量素子の構成を、
図3を参照しながら説明する。なお、
図3は、第1の実施形態に係る可変容量素子の概略構成図である。
【0043】
第1の実施形態の可変容量素子10は、コンデンサ本体部11(素子本体部)と、該コンデンサ本体部11と直列に接続された補正部12とを備える。また、可変容量素子10は、信号用外部端子13(第1信号用外部端子)と、4つの第1制御用外部端子14(制御用外部端子)と、4つの第2制御用外部端子15(制御用外部端子)とを備える。さらに、可変容量素子10は、3つの補正用外部端子(以下、第1補正用外部端子16〜第3補正用外部端子18と記す:容量補正用外部端子及び第2信号用外部端子)を備える。
【0044】
コンデンサ本体部11は、8つの可変容量コンデンサ部(以下、それぞれ、第1可変コンデンサ部C1〜第8可変コンデンサ部C8と記す:第1の可変コンデンサ部)を備える。また、本実施形態では、第1可変コンデンサ部C1〜第8可変コンデンサ部C8は直列接続される。さらに、8つの可変コンデンサ部からなる直列回路の第1可変コンデンサ部C1側の端部が信号用外部端子13に接続され、該直列回路の第8可変コンデンサ部C8側の端部が補正部12に接続される。
【0045】
また、第2可変コンデンサ部C2及び第3可変コンデンサ部C3間の接続点、並びに、第4可変コンデンサ部C4及び第5可変コンデンサ部C5間の接続点はそれぞれ、対応する第1制御用外部端子14に接続される。さらに、第6可変コンデンサ部C6及び第7可変コンデンサ部C7間の接続点、並びに、第8可変コンデンサ部C8及び補正部12間の接続点もそれぞれ、対応する第1制御用外部端子14に接続される。
【0046】
また、第1可変コンデンサ部C1及び第2可変コンデンサ部C2間の接続点、並びに、第3可変コンデンサ部C3及び第4可変コンデンサ部C4間の接続点はそれぞれ、対応する第2制御用外部端子15に接続される。さらに、第5可変コンデンサ部C5及び第6可変コンデンサ部C6間の接続点、並びに、第7可変コンデンサ部C7及び第8可変コンデンサ部C8間の接続点もそれぞれ、対応する第2制御用外部端子15に接続される。
【0047】
なお、上述した複数の可変コンデンサ部間、並びに、可変コンデンサ部及び対応する外部端子間の接続は、内部配線により行われる。そして、各第1制御用外部端子14は、後述の
図4に示すように、外部のシステムの回路基板等に実装された際に、バイアス抵抗を介して制御電圧用電源の一方の出力端子(DC1)に接続される。また、各第2制御用外部端子15は、バイアス抵抗を介して制御電圧用電源の他方の出力端子(DC2)に接続される。
【0048】
また、
図3には示さないが、第1可変コンデンサ部C1〜第8可変コンデンサ部C8は、8つの誘電体層(第1誘電体層)が、電極層を間に挟んで積層された積層型コンデンサで構成される。なお、各可変コンデンサ部を構成する誘電体層は、比誘電率の大きな強誘電体材料で形成され、その容量は、対応する第1制御用外部端子14及び第2制御用外部端子15間に印加される制御電圧Vc(制御電圧信号)に応じて変化する。具体的には、制御電圧Vcが印加されると、各可変コンデンサ部の容量は低下する。また、各可変コンデンサ部を構成する誘電体層は、その製法に応じて、一つの誘電体膜で構成してもよいし、複数の誘電体膜を積層して構成してもよい。
【0049】
補正部12は、3つの補正用の可変容量コンデンサ(以下、それぞれ、第1補正コンデンサ部C9〜第3補正コンデンサ部C11と記す:第2の可変コンデンサ部)を備える。なお、本実施形態では、第1補正コンデンサ部C9〜第3補正コンデンサ部C11は並列接続される。
【0050】
また、第1補正コンデンサ部C9〜第3補正コンデンサ部C11の接続点(並列接続点)は、コンデンサ本体部11の第8可変コンデンサ部C8(8つの可変コンデンサ部からなる直列回路の第8可変コンデンサ部C8側の端部)に接続される。さらに、第1補正コンデンサ部C9の並列接続点側とは反対側の端部は、第1補正用外部端子16に接続される。また、第2補正コンデンサ部C10の並列接続点側とは反対側の端部は、第2補正用外部端子17に接続される。そして、第3補正コンデンサ部C11の並列接続点側とは反対側の端部は、第3補正用外部端子18に接続される。
【0051】
なお、後述するように、本実施形態では、可変容量素子10を外部の回路基板等に実装した際、信号用外部端子13が交流信号の一方の入力端(AC1)に接続され、少なくとも、第1補正用外部端子16は、交流信号の他方の入力端(AC2)に接続される。それゆえ、第1補正用外部端子16は、信号用外部端子(第2信号用外部端子)としても作用する。
【0052】
また、
図3には示さないが、第1補正コンデンサ部C9〜第3補正コンデンサ部C11は、3つの誘電体層(第2誘電体層)が、電極層を間に挟んで積層された積層型コンデンサで構成される。また、各補正コンデンサ部を構成する誘電体層は、上記可変コンデンサ部と同様に、比誘電率の大きな強誘電体材料で形成され、その容量は、印加される制御電圧Vc(制御電圧信号)に応じて変化する。具体的には、制御電圧Vcが印加されると、各補正コンデンサ部の容量は低下する。また、各補正コンデンサ部を構成する誘電体層は、その製法に応じて、一つの誘電体膜で構成してもよいし、複数の誘電体膜を積層して構成してもよい。
【0053】
なお、本実施形態では、コンデンサ本体部11内部の各可変コンデンサ部を構成する誘電体層と、補正部12内部の各補正コンデンサ部を構成する誘電体層とを同じ強誘電体材料で形成する。さらに、本実施形態では、積層方向に隣り合う2つの誘電体層間に設けられる電極層も全て同じ材料で形成される。
【0054】
また、本実施形態では、第1可変コンデンサ部C1〜第8可変コンデンサ部C8と第1補正コンデンサ部C9〜第3補正コンデンサ部C11とを積層して可変容量素子10を構成する。さらに、本実施形態では、第1可変コンデンサ部C1〜第8可変コンデンサ部C8の各容量は互いに同じにし、第1補正コンデンサ部C9〜第3補正コンデンサ部C11の各容量も互いに同じにする。なお、第1補正コンデンサ部C9〜第3補正コンデンサ部C11の各容量は、第1可変コンデンサ部C1〜第8可変コンデンサ部C8の各容量より小さくし、例えば、1/2程度の容量とする。
【0055】
[実装回路の構成例]
次に、本実施形態の実装回路の構成を、
図4を参照しながら説明する。なお、
図4は、
図3に示した第1の実施形態に係る可変容量素子10を外部のシステムの回路基板等に実装した際の実装回路の概略構成図である。なお、
図4には、説明を簡略化するため、可変容量素子10の各外部端子と接続される実装回路の回路部分のみを示す。
【0056】
実装回路20は、可変容量素子10と、可変容量素子10の第1補正用外部端子16〜第3補正用外部端子18を互いに電気的に接続する外部配線21とを備える。また、実装回路20は、5つの第1バイアス抵抗R1と、5つの第2バイアス抵抗R2とを備える。
【0057】
本実施形態の実装回路の構成例では、可変容量素子10を実装回路20に実装した際に、信号用外部端子13が、一方の交流信号端子(AC1)及び対応する第1バイアス抵抗R1に接続される。また、本実施形態では、可変容量素子10の全ての補正用外部端子が、外部配線21を介して他方の交流信号端子(AC2)及び対応する第2バイアス抵抗R2に接続される。
【0058】
さらに、本実施形態では、各第1バイアス抵抗R1は、可変容量素子10の対応する外部端子(信号用外部端子13又は第1制御用外部端子14)と、制御電圧用電源の一方の出力端子(DC1)との間に設けられる。また、各第2バイアス抵抗R2は、可変容量素子10の対応する外部端子(第2制御用外部端子15、第1補正用外部端子16〜第3補正用外部端子18のいずれか)と、制御電圧用電源の他方の出力端子(DC2)との間に設けられる。
【0059】
各バイアス抵抗は、可変容量素子10の交流端子間(
図4中のAC1−AC2間)に入力される交流信号と、可変容量素子10の直流端子間(
図4中のDC1−DC2間)に印加される制御電圧信号との干渉を抑制するために設けられた抵抗である。それゆえ、各バイアス抵抗は、例えば100kΩ等の高抵抗値の抵抗素子で構成される。
【0060】
[補正部の接続状態と容量の変化量との関係]
次に、第1補正用外部端子16〜第3補正用外部端子18間の接続状態(補正部12の接続状態)と、可変容量素子10全体の容量との関係を具体的に説明する。そこで、今、本実施形態の可変容量素子10において、第1可変コンデンサ部C1〜第8可変コンデンサ部C8の各容量を「9C」とし、第1補正コンデンサ部C9〜第3補正コンデンサ部C11の各容量を「4.5C」とする。また、可変容量素子10の容量は−10%〜+10%の範囲でばらつく場合を考える。
【0061】
なお、ここでは、
図4に示すように、第1補正用外部端子16〜第3補正用外部端子18が全て、外部配線21を介して、他方の交流信号端子(AC2)及び対応する第2バイアス抵抗R2に接続された状態を「高容量接続状態」という。また、第1補正用外部端子16及び第2補正用外部端子17が、外部配線21を介して、他方の交流信号端子(AC2)及び対応する第2バイアス抵抗R2に接続された状態(後述の
図6(a)参照)を「中容量接続状態」という。さらに、第1補正用外部端子16のみが、外部配線21を介して、他方の交流信号端子(AC2)及び対応する第2バイアス抵抗R2に接続された状態(後述の
図6(b)参照)を「低容量接続状態」という。
【0062】
高容量接続状態(第1補正コンデンサ部C9〜第3補正コンデンサ部C11が全て補正処理に寄与している状態)では、可変容量素子10の容量は、上記バラツキ量を考慮すると、0.93C〜1.14Cの範囲の値となる。なお、高容量接続状態において、バラツキ量が0%の時には、可変容量素子10の容量は、1.04Cとなる。
【0063】
また、中容量接続状態(第1補正コンデンサ部C9及び第2補正コンデンサ部C10が補正処理に寄与している状態)では、可変容量素子10の容量は、上記バラツキ量を考慮すると、0.90C〜1.10Cの範囲の値となる。なお、中容量接続状態において、バラツキ量が0%の時には、可変容量素子10の容量は、1.00Cとなる。
【0064】
さらに、低容量接続状態(第1補正コンデンサ部C9のみが補正処理に寄与している状態)では、可変容量素子10の容量は、上記バラツキ量を考慮すると、0.81C〜0.99Cの範囲の値となる。なお、低容量接続状態において、バラツキ量が0%の時には、可変容量素子10の容量は、0.90Cとなる。
【0065】
ここで、本実施形態の可変容量素子10における、上述した補正部12の接続状態と容量の変化との間の関係を、下記表1にまとめて示す。
【0067】
また、上記表1に示した補正部12の接続状態とバラツキ量に対する容量の変化との関係をグラフにしたものを
図5に示す。なお、
図5に示す特性の横軸は可変容量素子10の容量のバラツキ量であり、縦軸は可変容量素子10の容量値(相対値)である。また、
図5中の一点鎖線の特性(白抜き四角印の特性)は、補正部12の接続状態が低容量接続状態であるときの容量変化特性である。
図5中の破線の特性(白抜き三角印)は、補正部12の接続状態が中容量接続状態であるときの容量変化特性である。そして、
図5中の点線の特性(バツ印)は、補正部12の接続状態が高容量接続状態であるときの容量変化特性である。なお、
図5中の太実線及び破線矢印は、後述する容量バラツキの第1の補正処理の様子を示すものである。
【0068】
[容量バラツキの第1の補正処理]
次に、実装回路20における可変容量素子10の容量バラツキの第1の補正処理を、
図4、5、並びに、6(a)及び(b)を参照しながら説明する。なお、
図6(a)及び(b)は、容量バラツキの第1の補正処理における、補正部12の接続状態の変更工程の様子を示す図である。
【0069】
なお、この第1の補正処理では、予め、例えば、用途等を考慮して、必要とする可変容量素子10の容量バラツキの範囲を決める。ここでは、一例として、補正後の可変容量素子10の容量が、0.93C以上1.04C未満の範囲で収まるように補正する例を説明する。
【0070】
本実施形態では、可変容量素子10を実装回路20に実装した際に、
図4に示すように、第1補正用外部端子16〜第3補正用外部端子18が全て、外部配線21を介して、他方の交流信号端子(AC2)及び対応する第2バイアス抵抗R2に接続された状態となる。すなわち、可変容量素子10を実装回路20に実装した際には、補正部12の接続状態は、高容量接続状態となる。それゆえ、
図4に示す実装回路20では、高容量接続状態から可変容量素子10の容量バラツキの補正処理を開始する。
【0071】
まず、
図4に示す高容量接続状態において、可変容量素子10の容量を測定する。具体的には、第1補正用外部端子16〜第3補正用外部端子18のいずれかの外部端子の容量を測定する。次いで、測定した容量が、0.93C以上1.04C未満の範囲内の値である場合、すなわち、測定した容量が、
図5中の点線の特性上において太実線で示す領域の容量である場合、補正処理を終了する。
【0072】
一方、高容量接続状態で測定した容量が、0.93C以上1.04C未満の範囲内の値でない場合、補正部12の接続状態を中容量接続状態に変更する。具体的には、
図6(a)に示すように、第3補正用外部端子18と、それに対応する第2バイアス抵抗R2及び他方の交流信号端子(AC2)とを繋ぐ部分の外部配線21のパターンをカットする。
【0073】
次いで、
図6(a)に示すように、補正部12の接続状態が中容量接続状態であるときの可変容量素子10の容量を測定する。具体的には、第1補正用外部端子16又は第2補正用外部端子17の容量を測定する。次いで、測定した容量が、0.93C以上1.04C未満の範囲内の値である場合、すなわち、測定した容量が、
図5中の破線の特性上において太実線で示す領域の容量である場合、補正処理を終了する。
【0074】
一方、中容量接続状態で測定した容量が、0.93C以上1.04C未満の範囲内の値でない場合、補正部12の接続状態を低容量接続状態に変更する。具体的には、
図6(b)に示すように、第2補正用外部端子17と、それに対応する第2バイアス抵抗R2及び他方の交流信号端子(AC2)とを繋ぐ部分の外部配線21のパターンをさらにカットする。
【0075】
次いで、
図6(b)に示すように、補正部12の接続状態が低容量接続状態であるときの可変容量素子10の容量を測定する。具体的には、第1補正用外部端子16の容量を測定する。次いで、測定した容量が、0.93C以上1.04C未満の範囲内の値である場合、すなわち、測定した容量が、
図5中の一点鎖線の特性上において太実線で示す領域の容量である場合、補正処理を終了する。一方、低容量接続状態で測定した容量が、0.93C以上1.04C未満の範囲内の値でない場合には、補正処理を行った可変容量素子10を、不良品として廃棄する。
【0076】
本実施形態の実装回路20では、このようにして、可変容量素子10の容量バラツキを補正する。上述した実装回路20では、実装後に、可変容量素子10の容量バラツキを±10%から、+4%〜−7%に低減することができる。
【0077】
[各種効果]
上述のように、本実施形態の実装回路20では、可変容量素子10を実装した後に、可変容量素子10の容量バラツキを低減することができる。それゆえ、本実施形態では、可変容量素子10を外部のシステム等に実装した後に発生する上記課題(容量バラツキにより、実際に利用できる容量の可変範囲が小さくなるという課題)を解消することができる。
【0078】
また、本実施形態では、実装後に、可変容量素子10の容量を所望の範囲内の容量に調整することができるので、可変容量素子10の適用範囲をより拡大することができる。さらに、本実施形態の可変容量素子10では、実装後に、複数の補正用外部端子間の接続状態(補正部12の接続状態)を変えることにより、容量の異なる複数種の可変容量素子を得ることができる。それゆえ、本実施形態では、可変容量素子10のラインナップを少なくすることができ、可変容量素子の製造コストを低減することができる。
【0079】
また、本実施形態では、可変容量素子10が実装されたシステム等の出荷前だけでなく、出荷後のメンテナンス等のタイミングにおいても可変容量素子10の容量を簡単に調整することができる。それゆえ、本実施形態では、経時変化等により可変容量素子10の容量が変化しても、容量を所望の範囲内の容量に容易に調整し直すことができる。
【0080】
また、本実施形態では、可変容量素子10の複数の補正用外部端子間の接続状態を外部(実装回路上)で変更するだけで、容量バラツキを補正することができるので、可変容量素子10及び実装回路20の設計自由度を大きくすることができる。
【0081】
さらに、本実施形態の可変容量素子10では、上述のように、補正部12をコンデンサ本体部11と同様にして構成することができるので、従来の積層型の可変容量コンデンサと同様の製造プロセスで、可変容量素子10を作製することができる。すなわち、本実施形態では、従来の製造プロセスを大きく変更することなく可変容量素子10を作製することができるので、低コストで可変容量素子10を作製することができる。
【0082】
[変形例1]
上記第1の実施形態では、可変容量素子10を実装回路20に実装した際に、第1補正用外部端子16〜第3補正用外部端子18が、外部配線21で互いに接続された状態(高容量接続状態)となる例を説明したが、本開示はこれに限定されない。実装回路の構成を、可変容量素子10を実装回路に実装した際に、第1補正用外部端子16〜第3補正用外部端子18が、外部配線21で互いに接続されていない状態となるような構成にしてもよい。変形例1では、その一構成例を説明する。
【0083】
(1)実装回路の構成
図7に、
図3に示した第1の実施形態に係る可変容量素子10を外部のシステムの回路基板等に実装した際の変形例1の実装回路の概略構成を示す。なお、
図7には、説明を簡略化するため、可変容量素子10の各外部端子と接続される実装回路の回路部分のみを示す。また、
図7に示す実装回路25において、
図4に示す上記第1の実施形態の実装回路20と同様の構成には同じ符号を付して示す。
【0084】
図7と
図4との比較から明らかなように、この例の実装回路25の構成は、上記第1の実施形態の実装回路20において、可変容量素子10の実装時の外部配線21の接続形態を変えた構成となる。具体的には、この例では、実装時に、可変容量素子10の第1補正用外部端子16のみが、外部配線21を介して他方の交流信号端子(AC2)及び対応する第2バイアス抵抗R2に接続される。すなわち、この例では、可変容量素子10を実装回路25に実装した際には、補正部12の接続状態は、低容量接続状態となる。なお、この例において、外部配線21の接続形態以外の構成は、上記第1の実施形態の対応する構成と同様である。
【0085】
なお、実装回路25内の可変容量素子10における、補正部12の接続状態と容量の変化との間の関係は、上記表1に示した関係と同様の関係を有する。すなわち、変形例1の補正部12の接続状態とバラツキ量に対する容量の変化との間の関係は、上記第1の実施形態のそれと同様の関係になり、その様子を
図8に示す。なお、
図8に示す特性の横軸は可変容量素子10の容量のバラツキ量であり、縦軸は可変容量素子10の容量値(相対値)である。また、
図8中の一点鎖線の特性(白抜き四角印の特性)は、補正部12の接続状態が低容量接続状態であるときの容量変化特性である。
図8中の破線の特性(白抜き三角印)は、補正部12の接続状態が中容量接続状態であるときの容量変化特性である。そして、
図8中の点線の特性(バツ印)は、補正部12の接続状態が高容量接続状態であるときの容量変化特性である。なお、
図8中の太実線及び破線矢印は、後述する容量バラツキの第2の補正処理の様子を示すものである。
【0086】
(2)容量バラツキの第2の補正処理
次に、実装回路25における可変容量素子10の容量バラツキの補正処理(第2の補正処理)を、
図7、8、並びに、9(a)及び(b)を参照しながら説明する。なお、
図9(a)及び(b)は、容量バラツキの第2の補正処理における、補正部12の接続状態の変更工程の様子を示す図である。
【0087】
なお、この第2の補正処理では、上記第1の実施形態(第1の補正処理)と同様に、予め、例えば、用途等を考慮して、必要とする可変容量素子10の容量バラツキの範囲を決める。ここでは、一例として、上記第1の補正処理と同様に、補正後の可変容量素子10の容量が、0.93C以上1.04C未満の範囲で収まるように補正する例を説明する。
【0088】
図7に示す実装回路25では、上述のように、可変容量素子10を実装回路25に実装した際には、補正部12の接続状態は低容量接続状態となる。それゆえ、
図7に示す実装回路25では、低容量接続状態から可変容量素子10の容量バラツキの補正処理を開始する。
【0089】
まず、
図7に示すように、補正部12の接続状態が低容量接続状態であるときの可変容量素子10の容量を測定する。具体的には、第1補正用外部端子16の容量を測定する。次いで、測定した容量が、0.93C以上1.04C未満の範囲内の値である場合、すなわち、測定した容量が、
図8中の一点鎖線の特性上において太実線で示す領域の容量である場合、補正処理を終了する。
【0090】
一方、低容量接続状態で測定した容量が、0.93C以上1.04C未満の範囲内の値でない場合、外部配線21のパターンを変更して、補正部12の接続状態を中容量接続状態に変更する。具体的には、
図9(a)に示すように、第2補正用外部端子17と、対応する第2バイアス抵抗R2及び他方の交流信号端子(AC2)とを例えば半田やショート抵抗などにより電気的に接続(パターン接続)する。
【0091】
次いで、
図9(a)に示すように、補正部12の接続状態が中容量接続状態であるときの可変容量素子10の容量を測定する。具体的には、第1補正用外部端子16又は第2補正用外部端子17の容量を測定する。次いで、測定した容量が、0.93C以上1.04C未満の範囲内の値である場合、すなわち、測定した容量が、
図8中の破線の特性上において太実線で示す領域の容量である場合、補正処理を終了する。
【0092】
一方、中容量接続状態で測定した容量が、0.93C以上1.04C未満の範囲内の値でない場合、再度、外部配線21のパターンを変更して、補正部12の接続状態を高容量接続状態に変更する。具体的には、
図9(b)に示すように、さらに、第3補正用外部端子18と、対応する第2バイアス抵抗R2及び他方の交流信号端子(AC2)とを電気的に接続する。
【0093】
次いで、
図9(b)に示すように、補正部12の接続状態が高容量接続状態であるときの可変容量素子10の容量を測定する。具体的には、第1補正用外部端子16〜第3補正用外部端子18のいずれかの外部端子の容量を測定する。次いで、測定した容量が、0.93C以上1.04C未満の範囲内の値である場合、すなわち、測定した容量が、
図5中の点線の特性上において太実線で示す領域の容量である場合、補正処理を終了する。一方、高容量接続状態で測定した容量が、0.93C以上1.04C未満の範囲内の値でない場合には、補正処理を行った可変容量素子10を、不良品として廃棄する。
【0094】
この例では、このようにして、可変容量素子10の容量バラツキを補正する。実装回路25では、上記第1の実施形態と同様に、実装後に、可変容量素子10の容量バラツキを±10%から、+4%〜−7%に低減することができる。
【0095】
上述のように、変形例1においても、上記第1の実施形態と同様にして、可変容量素子10の容量バラツキ(又は容量そのもの)を、実装回路上で補正(調整)することができる。それゆえ、この例においても、上記第1の実施形態と同様の効果が得られる。
【0096】
なお、上述した第2の補正処理では、外部配線21をパターン接続する手法であるが、コストの点を考慮すると、上記第1の補正処理(上記第1の実施形態の補正手法)のように、外部配線21のパターンをカットする手法の方が有利である。
【0097】
[変形例2]
上述した可変容量素子10の容量バラツキの第1の補正処理(
図5)及び第2の補正処理(
図8)では、補正部12の接続状態を高容量、中容量及び低容量接続状態の3つの状態に変更する例を説明した。すなわち、上記第1の補正処理及び第2の補正処理では、可変容量素子10の容量を3段階で変更した。しかしながら、本開示はこれに限定されない。必要とする可変容量素子10の容量バラツキの範囲に応じて、補正部12の接続状態を、高容量、中容量及び低容量接続状態のうち、2つの接続状態間で変更して(可変容量素子10の容量を2段階で変更して)、容量バラツキを補正してもよい。
【0098】
ここでは、その一例(変形例2)として、補正部12の接続状態を、中容量及び低容量接続状態の2つの接続状態間で変更して、容量バラツキを補正する手法(第3の補正処理)を説明する。また、第3の補正処理では、
図7に示す変形例1の実装回路25において可変容量素子10の容量バラツキを補正する例を説明する。そして、第3の補正処理では、補正後の可変容量素子10の容量が、0.90C以上1.00C未満の範囲で収まるように補正する例を説明する。
【0099】
また、ここでは、
図7、9(a)及び(b)、並びに、
図10を参照しながら、第3の補正処理を具体的に説明する。なお、
図10は、変形例2における補正部12の接続状態とバラツキ量に対する容量の変化との間の関係を示す特性図であり、
図10中の各特性は、
図8中の対応する特性と同じ特性である。また、
図10中の太実線及び破線矢印は、容量バラツキの第3の補正処理の様子を示すものである。
【0100】
まず、第3の補正処理では、
図7に示すように、補正部12の接続状態が低容量接続状態であるときの可変容量素子10の容量を測定する。具体的には、第1補正用外部端子16の容量を測定する。次いで、測定した容量が、0.90C以上1.00C未満の範囲内の値である場合、すなわち、測定した容量が、
図10中の一点鎖線の特性上において太実線で示す領域の容量である場合、補正処理を終了する。
【0101】
一方、低容量接続状態で測定した容量が、0.90C以上1.00C未満の範囲内の値でない場合、外部配線21のパターンを変更して、補正部12の接続状態を中容量接続状態に変更する。具体的には、
図9(a)に示すように、第2補正用外部端子17と、対応する第2バイアス抵抗R2及び他方の交流信号端子(AC2)とを電気的に接続(パターン接続)する。
【0102】
次いで、
図9(a)に示すように、補正部12の接続状態が中容量接続状態であるときの可変容量素子10の容量を測定する。具体的には、第1補正用外部端子16又は第2補正用外部端子17の容量を測定する。次いで、測定した容量が、0.90C以上1.00C未満の範囲内の値である場合、すなわち、測定した容量が、
図8中の破線の特性上において太実線で示す領域の容量である場合、補正処理を終了する。
【0103】
一方、中容量接続状態で測定した容量が、0.90C以上1.00C未満の範囲内の値でない場合には、補正処理を行った可変容量素子10を、不良品として廃棄する。
【0104】
第3の補正処理では、このようにして、可変容量素子10の容量バラツキを補正する。第3の補正処理では、実装後に、可変容量素子10の容量バラツキを±10%から、0%〜−10%に低減することができる。
【0105】
上述のように、変形例2においても、上記第1の実施形態と同様にして、可変容量素子10の容量バラツキ(又は容量そのもの)を、実装回路上で補正(調整)することができる。それゆえ、この例においても、上記第1の実施形態と同様の効果が得られる。
【0106】
[補正処理の手法と容量のバラツキ分布との関係]
ここで、上述した第1〜第3の補正処理により得られる可変容量素子10の容量のバラツキ分布について説明する。通常、可変容量素子10の容量バラツキの分布は、選別を行わない場合、ほぼ正規分布になると考えられる。それゆえ、本実施形態の可変容量素子10では、上述した補正処理を行わない場合、補正部12の各接続状態における容量バラツキの分布も、ほぼ正規分布になると考えられる。
【0107】
図11に、その容量バラツキの分布を示す。
図11に示す分布特性の横軸は容量であり、縦軸は分布数である。また、
図11中の特性Sは、補正部12の接続状態が低容量接続状態であるときの容量バラツキの分布であり、特性Mは、補正部12の接続状態が中容量接続状態であるときの容量バラツキの分布である。さらに、
図11中の特性Lは、補正部12の接続状態が高容量接続状態であるときの容量バラツキの分布である。また、
図11中の特性図の下部に記載の数値は、各接続状態における容量バラツキの値である。
【0108】
実装後の可変容量素子10の容量バラツキの分布は、容量バラツキの補正処理の手法により変化する。
図12(a)〜(c)に、補正処理の手法と容量バラツキの分布との関係の一例を示す。なお、
図12(a)〜(c)に示す各分布特性の横軸は容量であり、縦軸は分布数である。
【0109】
図12(a)は、上記第1の補正処理の手法を用いた場合の容量バラツキの分布図であり、補正部12の接続状態を高容量接続状態、中容量接続状態、及び、低容量接続状態の順に変更して容量バラツキを補正した場合の分布図である。なお、
図12(a)中の特性Lの容量範囲は、
図5中の点線の特性上の太実線で示す容量のバラツキ範囲に対応する。
図12(a)中の特性Mの容量範囲は、
図5中の破線の特性上の太実線で示す容量のバラツキ範囲に対応する。また、
図12(a)中の特性Sの容量範囲は、
図5中の一点鎖線の特性上の太実線で示す容量のバラツキ範囲に対応する。
【0110】
上記第1の補正処理の手法を用いた場合には、
図12(a)中の特性L、特性M及び特性Sを重ね合わせた特性が、可変容量素子10の容量バラツキの分布特性となる。それゆえ、上記第1の補正処理の手法を用いた場合には、
図12(a)から明らかなように、中容量接続状態におけるバラツキ0%の容量より、高い容量を有する可変容量素子10が多く作製されることになる。
【0111】
また、
図12(b)は、上記第2の補正処理の手法を用いた場合の容量バラツキの分布図であり、補正部12の接続状態を低容量接続状態、中容量接続状態、及び、高容量接続状態の順に変更して容量バラツキを補正した場合の分布図である。なお、
図12(b)中の特性Sの容量範囲は、
図8中の一点鎖線の特性上の太実線で示す容量のバラツキ範囲に対応する。
図12(b)中の特性Mの容量範囲は、
図8中の破線の特性上の太実線で示す容量のバラツキ範囲に対応する。また、
図12(b)中の特性Lの容量範囲は、
図8中の点線の特性上の太実線で示す容量のバラツキ範囲に対応する。
【0112】
上記第2の補正処理の手法を用いた場合にも、
図12(b)中の特性L、特性M及び特性Sを重ね合わせた特性が、可変容量素子10の容量バラツキの分布特性となる。それゆえ、上記第2の補正処理の手法を用いた場合には、
図12(b)から明らかなように、中容量接続状態におけるバラツキ0%の容量とほぼ同じ容量を有する可変容量素子10が多く作製されることになる。
【0113】
さらに、
図12(c)は、上記第3の補正処理の手法を用いた場合の容量バラツキの分布図であり、補正部12の接続状態を低容量接続状態、及び、中容量接続状態の順に変更して容量バラツキを補正した場合の分布図である。なお、
図12(c)中の特性Sの容量範囲は、
図10中の一点鎖線の特性上の太実線で示す容量のバラツキ範囲に対応する。また、
図12(c)中の特性Mの容量範囲は、
図10中の破線の特性上の太実線で示す容量のバラツキ範囲に対応する。
【0114】
上記第3の補正処理の手法を用いた場合には、
図12(c)中の特性M及び特性Sを重ね合わせた特性が、可変容量素子10の容量バラツキの分布特性となる。それゆえ、この場合には、中容量接続状態におけるバラツキ0%の容量とほぼ同じ容量を有する可変容量素子10、又は、低容量接続状態におけるバラツキ0%の容量とほぼ同じ容量を有する可変容量素子10が多く作製されることになる。
【0115】
上述のように、本実施形態の可変容量素子10及びそれが実装された実装回路では、容量バラツキの補正処理の手法に応じて、可変容量素子10の容量の発生度合いが変化する。それゆえ、実際の製品上では、必要とする可変容量素子10の容量値に応じて、容量バラツキの補正処理の手法(実装回路の構成)が適宜選択される。例えば、実装後の可変容量素子10の容量を、中容量接続状態におけるバラツキ0%の容量より高い容量にする必要がある場合には、実装回路を
図4に示すような実装回路20(第1の実施形態)で構成し、上記第1の補正処理を用いればよい。また、例えば、実装後の可変容量素子10の容量を、中容量接続状態におけるバラツキ0%の容量程度にする必要がある場合には、実装回路を
図7に示すような実装回路25(変形例1)で構成し、上記第2の補正処理を用いればよい。
【0116】
<3.第2の実施形態:直列型の可変容量素子の第2の構成例>
上記第1の実施形態では、補正部12を、3つの補正コンデンサ部を並列接続して構成し、可変容量素子10の容量を3段階で補正可能な構成例を説明した。しかしながら、本開示はこれに限定されず、補正部12に設ける補正コンデンサ部の数(容量の可変段数)及び各補正コンデンサ部の容量は、例えば、必要とする、容量の補正幅及び可変容量素子10全体の容量等を考慮して適宜設定することができる。第2の実施形態では、2つの補正コンデンサ部を用いて補正部を構成した可変容量素子及びそれが実装された実装回路の構成例を示す。
【0117】
[可変容量素子の構成]
図13に、第2の実施形態に係る可変容量素子30の概略構成、及び、それが実装された実装回路40の概略構成を示す。なお、
図13には、説明を簡略化するため、可変容量素子30の各外部端子と接続される回路部分のみを示す。なお、
図13に示す実装回路40において、
図4に示す上記第1の実施形態の実装回路20と同様の構成には同じ符号を付して示し、それらの構成の説明は省略する。
【0118】
第2の実施形態の可変容量素子30は、コンデンサ本体部31(素子本体部)と、該コンデンサ本体部31と直列に接続された補正部32とを備える。また、可変容量素子30は、信号用外部端子13(第1信号用外部端子)と、4つの第1制御用外部端子14(制御用外部端子)と、5つの第2制御用外部端子15(制御用外部端子)とを備える。さらに、可変容量素子30は、2つの補正用外部端子(第1補正用外部端子16及び第2補正用外部端子17:容量補正用外部端子及び第2信号用外部端子)を備える。
【0119】
コンデンサ本体部31は、9つの可変容量コンデンサ部(第1可変コンデンサ部C31〜第9可変コンデンサ部C39:第1の可変コンデンサ部)を備える。また、本実施形態では、第1可変コンデンサ部C31〜第9可変コンデンサ部C39は直列接続される。さらに、9つの可変コンデンサ部からなる直列回路の第1可変コンデンサ部C31側の端部が信号用外部端子13に接続され、該直列回路の第9可変コンデンサ部C39側の端部が補正部32に接続される。
【0120】
また、第2可変コンデンサ部C32及び第3可変コンデンサ部C33間の接続点、並びに、第4可変コンデンサ部C34及び第5可変コンデンサ部C35間の接続点はそれぞれ、対応する第1制御用外部端子14に接続される。さらに、第6可変コンデンサ部C36及び第7可変コンデンサ部C37間の接続点、並びに、第8可変コンデンサ部C38及び第9可変コンデンサ部C39間の接続点もそれぞれ、対応する第1制御用外部端子14に接続される。
【0121】
また、第1可変コンデンサ部C31及び第2可変コンデンサ部C32間の接続点、並びに、第3可変コンデンサ部C33及び第4可変コンデンサ部C34間の接続点はそれぞれ、対応する第2制御用外部端子15に接続される。また、第5可変コンデンサ部C35及び第6可変コンデンサ部C36間の接続点、並びに、第7可変コンデンサ部C37及び第8可変コンデンサ部C38間の接続点もそれぞれ、対応する第2制御用外部端子15に接続される。さらに、第9可変コンデンサ部C39及び補正部32間の接続点は、対応する第2制御用外部端子15に接続される。
【0122】
なお、上述した複数の可変コンデンサ部間、並びに、可変コンデンサ部及び対応する外部端子間の接続は、内部配線により行われる。そして、各第1制御用外部端子14は、後述の
図13に示すように、外部のシステムの回路基板等に実装された際に、バイアス抵抗を介して制御電圧用電源の一方の出力端子(DC1)に接続される。また、各第2制御用外部端子15は、バイアス抵抗を介して制御電圧用電源の他方の出力端子(DC2)に接続される。
【0123】
また、
図13には示さないが、第1可変コンデンサ部C31〜第9可変コンデンサ部C39は、9つの誘電体層(第1誘電体層)が、電極層を間に挟んで積層された積層型コンデンサで構成される。なお、各可変コンデンサ部を構成する誘電体層は、比誘電率の大きな強誘電体材料で形成され、その容量は、対応する第1制御用外部端子14及び第2制御用外部端子15間に印加される制御電圧Vc(制御電圧信号)に応じて変化する。具体的には、制御電圧Vcが印加されると、各可変コンデンサ部の容量は低下する。また、各可変コンデンサ部を構成する誘電体層は、その製法に応じて、一つの誘電体膜で構成してもよいし、複数の誘電体膜を積層して構成してもよい。
【0124】
補正部32は、2つの補正用の可変容量コンデンサ(第1補正コンデンサ部C40及び第2補正コンデンサ部C41:第2の可変コンデンサ部)を備える。なお、本実施形態では、第1補正コンデンサ部C40及び第2補正コンデンサ部C41は並列接続される。
【0125】
また、第1補正コンデンサ部C40及び第2補正コンデンサ部C41の接続点(並列接続点)は、コンデンサ本体部31の第9可変コンデンサ部C39(9つの可変コンデンサ部からなる直列回路の第9可変コンデンサ部C39側の端部)に接続される。さらに、第1補正コンデンサ部C40の並列接続点側とは反対側の端部は、第1補正用外部端子16に接続される。また、第2補正コンデンサ部C41の並列接続点側とは反対側の端部は、第2補正用外部端子17に接続される。
【0126】
なお、後述の補正処理で説明するように、本実施形態では可変容量素子30を外部の基板等に実装した際、少なくとも、第1補正用外部端子16は、交流信号の他方の入力端(AC2)に接続される。それゆえ、本実施形態においても、少なくとも第1補正用外部端子16は、信号用外部端子(第2信号用外部端子)としても作用する。
【0127】
また、
図13には示さないが、第1補正コンデンサ部C40及び第2補正コンデンサ部C41は、2つの誘電体層(第2誘電体層)が、電極層を間に挟んで積層された積層型コンデンサで構成される。また、各補正コンデンサ部を構成する誘電体層は、上記可変コンデンサ部と同様に、比誘電率の大きな強誘電体材料で形成され、その容量は、印加される制御電圧Vc(制御電圧信号)に応じて変化する。具体的には、制御電圧Vcが印加されると、各補正コンデンサ部の容量は低下する。また、各補正コンデンサ部を構成する誘電体層は、その製法に応じて、一つの誘電体膜で構成してもよいし、複数の誘電体膜を積層して構成してもよい。
【0128】
なお、本実施形態では、コンデンサ本体部31内部の各可変コンデンサ部を構成する誘電体層と、補正部32内部の各補正コンデンサ部を構成する誘電体層とを同じ強誘電体材料で形成する。さらに、本実施形態では、積層方向に隣り合う2つの誘電体層間に設けられる電極層も全て同じ材料で形成される。
【0129】
また、本実施形態では、第1可変コンデンサ部C31〜第9可変コンデンサ部C39と第1補正コンデンサ部C40及び第2補正コンデンサ部C41とを積層して可変容量素子30を構成する。さらに、本実施形態では、第1可変コンデンサ部C31〜第9可変コンデンサ部C39の各容量は互いに同じにし、第1補正コンデンサ部C40及び第2補正コンデンサ部C41の各容量も互いに同じにする。なお、第1補正コンデンサ部C40及び第2補正コンデンサ部C41の各容量は、第1可変コンデンサ部C31〜第9可変コンデンサ部C39の各容量より小さくし、例えば、1/2程度の容量とする。
【0130】
[実装回路の構成例]
実装回路40は、
図13に示すように、可変容量素子30と、可変容量素子30の第1補正用外部端子16及び第2補正用外部端子17間を電気的に接続する外部配線21とを備える。また、実装回路40は、6つの第1バイアス抵抗R1と、5つの第2バイアス抵抗R2とを備える。
【0131】
また、本実施形態の実装回路の構成例では、可変容量素子30を実装回路40に実装した際に、信号用外部端子13が、一方の交流信号端子(AC1)及び対応する第1バイアス抵抗R1に接続される。さらに、本実施形態では、可変容量素子30の全ての補正用外部端子が、外部配線21を介して他方の交流信号端子(AC2)及び対応する第2バイアス抵抗R2に接続される。
【0132】
本実施形態では、各第1バイアス抵抗R1は、可変容量素子30の対応する外部端子(信号用外部端子13、第1制御用外部端子14、第1補正用外部端子16又は第2補正用外部端子17)と、制御電圧用電源の一方の出力端子(DC1)との間に設けられる。また、各第2バイアス抵抗R2は、可変容量素子30の対応する第2制御用外部端子15と、制御電圧用電源の他方の出力端子(DC2)との間に設けられる。
【0133】
[補正部の接続状態と容量の変化量との関係]
次に、第1補正用外部端子16及び第2補正用外部端子17間の接続状態(補正部32の接続状態)と、可変容量素子30全体の容量との関係を具体的に説明する。今、本実施形態の可変容量素子30において、第1可変コンデンサ部C31〜第9可変コンデンサ部C39の各容量を「10C」とする。また、第1補正コンデンサ部C40及び第2補正コンデンサ部C41の各容量を「5C」とする。さらに、可変容量素子30の容量は−10%〜+10%の範囲でばらつく場合を考える。
【0134】
この場合、高容量接続状態(第1補正コンデンサ部C40及び第2補正コンデンサ部C41が全て補正処理に寄与している状態)では、可変容量素子30の容量は、上記バラツキ量を考慮すると、0.90C〜1.10Cの範囲の値となる。なお、高容量接続状態において、バラツキ量が0%の時には、可変容量素子30の容量は、1.00Cとなる。
【0135】
また、低容量接続状態(第1補正コンデンサ部C40のみが補正処理に寄与している状態)では、可変容量素子30の容量は、上記バラツキ量を考慮すると、0.82C〜1.00Cの範囲の値となる。なお、低容量接続状態において、バラツキ量が0%の時には、可変容量素子10の容量は、0.91Cとなる。
【0136】
ここで、本実施形態の可変容量素子30における、上述した補正部32の接続状態と容量の変化との間の関係を、下記表2にまとめて示す。
【0138】
また、上記表2に示した補正部32の接続状態とバラツキ量に対する容量の変化との関係をグラフにしたものを
図14に示す。なお、
図14に示す特性の横軸は可変容量素子30の容量のバラツキ量であり、縦軸は可変容量素子30の容量値(相対値)である。また、
図14中の一点鎖線の特性(白抜き四角印の特性)は、補正部32の接続状態が低容量接続状態であるときの容量変化特性である。
図14中の破線の特性(白抜き三角印)は、補正部32の接続状態が高容量接続状態であるときの容量変化特性である。
図14中の太実線及び破線矢印は、後述する容量バラツキの補正処理の様子を示すものである。
【0139】
[容量バラツキの補正処理]
次に、実装回路40における可変容量素子30の容量バラツキの補正手法を、
図13、14、及び15を参照しながら説明する。なお、
図15は、容量バラツキの補正処理における、補正部32の接続状態の変更工程の様子を示す図である。
【0140】
なお、本実施形態の補正処理においても、上記第1の実施形態と同様に、予め、例えば、用途等を考慮して、必要とする可変容量素子30の容量バラツキの範囲を決める。ここでは、一例として、補正後の可変容量素子30の容量が、0.90C以上1.00C未満の範囲で収まるように補正する例を説明する。
【0141】
本実施形態では、可変容量素子30を実装回路40に実装した際に、
図13に示すように、第1補正用外部端子16及び第2補正用外部端子17が、外部配線21を介して、他方の交流信号端子(AC2)及び対応する第1バイアス抵抗R1に接続された状態となる。すなわち、可変容量素子30を実装回路40に実装した際には、補正部32の接続状態は、高容量接続状態となる。それゆえ、
図13に示す実装回路40では、高容量接続状態から可変容量素子30の容量バラツキの補正処理を開始する。
【0142】
まず、
図13に示す高容量接続状態において、可変容量素子30の容量を測定する。具体的には、第1補正用外部端子16及び第2補正用外部端子17のいずれかの外部端子の容量を測定する。次いで、測定した容量が、0.90C以上1.00C未満の範囲内の値である場合、すなわち、測定した容量が、
図14中の破線の特性上において太実線で示す領域の容量である場合、補正処理を終了する。
【0143】
一方、高容量接続状態で測定した容量が、0.90C以上1.00C未満の範囲内の値でない場合、補正部32の接続状態を低容量接続状態に変更する。具体的には、
図15に示すように、第2補正用外部端子17と、それに対応する第1バイアス抵抗R1及び他方の交流信号端子(AC2)とを繋ぐ部分の外部配線21のパターンをカットする。
【0144】
次いで、
図15に示すように、補正部32の接続状態が低容量接続状態であるときの可変容量素子30の容量を測定する。具体的には、第1補正用外部端子16の容量を測定する。次いで、測定した容量が、0.90C以上1.00C未満の範囲内の値である場合、すなわち、測定した容量が、
図14中の一点鎖線の特性上において太実線で示す領域の容量である場合、補正処理を終了する。
【0145】
一方、低容量接続状態で測定した容量が、0.90C以上1.00C未満の範囲内の値でない場合には、補正処理を行った可変容量素子30を、不良品として廃棄する。
【0146】
本実施形態の実装回路40では、このようにして、可変容量素子30の容量バラツキを補正する。上述した実装回路40では、実装後に、可変容量素子30の容量バラツキを±10%から、0%〜−5%に低減することができる。
【0147】
上述のように、本実施形態においても、上記第1の実施形態と同様にして、可変容量素子30の容量バラツキ(又は容量そのもの)を、実装回路上で補正(調整)することができる。それゆえ、本実施形態においても、上記第1の実施形態と同様の効果が得られる。
【0148】
[変形例3]
上記第2の実施形態では、上記第1の実施形態で説明した第1の補正処理と同様に、補正用外部端子間を接続する外部配線21のパターンをカットして容量バラツキを補正する例を説明したが、本開示はこれに限定されない。本実施形態においても、上記変形例1及び2で説明した第2及び第3の補正処理と同様に、外部配線21をパターン接続することにより、容量バラツキを補正してもよい。
【0149】
この場合には、実装回路の構成を、可変容量素子30を実装回路に実装した際に、第1補正用外部端子16及び第2補正用外部端子17間の外部配線21の配線パターンが、
図15に示すそれと同様となるような構成にする。すなわち、可変容量素子30を実装回路に実装した際に、補正部32の接続状態が、低容量接続状態となるように、実装回路を構成にする。そして、このような構成の実装回路では、補正部32の接続状態を低容量接続状態から高容量接続状態に変更して(第1補正用外部端子16及び第2補正用外部端子17間を外部配線21により接続して)、可変容量素子30の容量バラツキを補正する。
【0150】
<4.第3の実施形態:直列型の可変容量素子の第3の構成例>
上述した第1及び第2の実施形態では、複数の補正コンデンサ部を並列接続することにより補正部を構成する例を説明したが、本開示はこれに限定されない。本開示では、複数の補正コンデンサ部を直列接続して補正部を構成してもよい(
図2(a)参照)。第3の実施形態では、その一例を説明する。
【0151】
[可変容量素子の構成]
図16に、本開示の第3の実施形態に係る可変容量素子の概略構成を示す。なお、
図16に示す可変容量素子50において、
図3に示す可変容量素子10と同様の構成には同じ符号を付して示し、それらの構成の説明は省略する。
【0152】
本実施形態の可変容量素子50は、コンデンサ本体部11(素子本体部)と、該コンデンサ本体部11と直列に接続された補正部52とを備える。また、可変容量素子50は、信号用外部端子13(第1信号用外部端子)と、4つの第1制御用外部端子14(制御用外部端子)と、4つの第2制御用外部端子15(制御用外部端子)とを備える。さらに、可変容量素子50は、3つの補正用外部端子(第1補正用外部端子16〜第3補正用外部端子18:容量補正用外部端子及び第2信号用外部端子)を備える。
図16と、
図3との比較から明らかなように、本実施形態の可変容量素子50は、上記第1の実施形態の可変容量素子10において補正部の構成を変えた構成である。それゆえ、ここでは、補正部52の構成についてのみ説明する。
【0153】
補正部52は、3つの補正用の可変容量コンデンサ(第1補正コンデンサ部C51〜第3補正コンデンサ部C53:第2の可変コンデンサ部)を備える。なお、本実施形態では、第1補正コンデンサ部C51〜第3補正コンデンサ部C53は直列接続される。
【0154】
また、第1補正コンデンサ部C51〜第3補正コンデンサ部C53からなる直列回路の第1補正コンデンサ部C51側の端部は、コンデンサ本体部11の第8可変コンデンサ部C8に接続される。さらに、第1補正コンデンサ部C51〜第3補正コンデンサ部C53からなる直列回路の第3補正コンデンサ部C53側の端部は、第1補正用外部端子16に接続される。また、第2補正コンデンサ部C52及び第3補正コンデンサ部C53間の接続点は、第2補正用外部端子17に接続される。そして、第1補正コンデンサ部C51及び第2補正コンデンサ部C52間の接続点は、第3補正用外部端子18に接続される。
【0155】
なお、本実施形態では、上記各種実施形態と同様に、コンデンサ本体部11内部の各可変コンデンサ部を構成する誘電体層(第1誘電体層)と、補正部52内部の各補正コンデンサ部を構成する誘電体層(第2誘電体層)とを同じ強誘電体材料で形成する。なお、各誘電体層は、その製法に応じて、一つの誘電体膜で構成してもよいし、複数の誘電体膜を積層して構成してもよい。そして、本実施形態では、第1可変コンデンサ部C1〜第8可変コンデンサ部C8(第1の可変コンデンサ部)と、第1補正コンデンサ部C51〜第3補正コンデンサ部C53とを積層して可変容量素子50を構成する。さらに、本実施形態では、第1可変コンデンサ部C1〜第8可変コンデンサ部C8及び第1補正コンデンサ部C51〜第3補正コンデンサ部C53の各容量は互いに同じとする。
【0156】
[実装回路の構成例]
図17に、
図16に示した第3の実施形態に係る可変容量素子50を外部のシステムの回路基板等に実装した際の実装回路の概略構成を示す。なお、
図17には、説明を簡略化するため、可変容量素子50の各外部端子と接続される回路部分のみを示す。また、
図17に示す実装回路60において、
図4に示す実装回路20と同様の構成には同じ符号を付して示し、それらの構成の説明は省略する。
【0157】
実装回路60は、可変容量素子50と、選択部61と、6つの第1バイアス抵抗R1と、6つの第2バイアス抵抗R2とを備える。また、実装回路60は、可変容量素子50の第1補正用外部端子16及び対応する第2バイアス抵抗R2間の接続点と選択部61の第1選択端子61aとを接続する第1外部配線62を備える。実装回路60は、第2補正用外部端子17及び第1バイアス抵抗R1間の接続点と選択部61の第2選択端子61bとを接続する第2外部配線63を備える。さらに、実装回路60は、第3補正用外部端子18及び第2バイアス抵抗R2間の接続点と選択部61の第3選択端子61cとを接続する第3外部配線64を備える。
【0158】
また、本実施形態の実装回路60では、可変容量素子50を実装回路60に実装した際に、信号用外部端子13が、一方の交流信号端子(AC1)及び対応する第1バイアス抵抗R1に接続される。さらに、本実施形態では、第1補正用外部端子16〜第3補正用外部端子18のいずれかが、外部配線を介して他方の交流信号端子(AC2)及び対応するバイアス抵抗に接続される。
【0159】
本実施形態では、各第1バイアス抵抗R1は、可変容量素子50の対応する外部端子(信号用外部端子13、第1制御用外部端子14及び第2補正用外部端子17のいずれか)と、制御電圧用電源の一方の出力端子(DC1)との間に設けられる。また、各第2バイアス抵抗R2は、可変容量素子50の対応する外部端子(第2制御用外部端子15、第1補正用外部端子16及び第3補正用外部端子18のいずれか)と、制御電圧用電源の他方の出力端子(DC2)との間に設けられる。なお、各バイアス抵抗は、上記第1の実施形態のそれと同様に構成することができる。
【0160】
なお、選択部61は、補正部52内の補正コンデンサ部の接続状態を変更する回路部であり、例えば実装回路60の基板に設けられたランドパターンや切替スイッチなどにより構成することができる。また、選択部61は、後述するように、可変容量素子50の容量バラツキの補正処理時に、第1選択端子61a〜第3選択端子61c間の接続状態を変えて、補正部52内の補正コンデンサ部の接続状態を変更する。
【0161】
[補正部の接続状態と容量の変化量との関係]
次に、第1補正用外部端子16〜第3補正用外部端子18間の接続状態(補正部52の接続状態)と、可変容量素子50全体の容量との関係を具体的に説明する。今、本実施形態の可変容量素子50において、第1可変コンデンサ部C1〜第8可変コンデンサ部C8及び第1補正コンデンサ部C51〜第3補正コンデンサ部C53の各容量を「10C」とする。また、可変容量素子50の容量は−10%〜+10%の範囲でばらつく場合を考える。
【0162】
この場合、低容量接続状態(第1補正コンデンサ部C51〜第3補正コンデンサ部C53の全てが補正処理に寄与している状態)では、可変容量素子50の容量は、上記バラツキ量を考慮すると、0.82C〜1.00Cの範囲の値となる。なお、低容量接続状態において、バラツキ量が0%の時には、可変容量素子50の容量は、0.91Cとなる。
【0163】
また、中容量接続状態(第1補正コンデンサ部C51及び第2補正コンデンサ部C52が補正処理に寄与している状態)では、可変容量素子50の容量は、上記バラツキ量を考慮すると、0.90C〜1.10Cの範囲の値となる。なお、中容量接続状態において、バラツキ量が0%の時には、可変容量素子50の容量は、1.00Cとなる。
【0164】
さらに、高容量接続状態(第1補正コンデンサ部C51のみが補正処理に寄与している状態)では、可変容量素子50の容量は、上記バラツキ量を考慮すると、1.00C〜1.22C範囲の値となる。なお、高容量接続状態において、バラツキ量が0%の時には、可変容量素子50の容量は、1.11Cとなる。
【0165】
ここで、本実施形態の可変容量素子50における、上述した補正部52の接続状態と容量の変化との間の関係を、下記表3にまとめて示す。
【0167】
また、上記表3に示した補正部52の接続状態とバラツキ量に対する容量の変化との関係をグラフにしたものを
図18及び19に示す。なお、
図18及び19に示す特性の横軸は可変容量素子50の容量のバラツキ量であり、縦軸は可変容量素子50の容量値(相対値)である。また、
図18及び19中の一点鎖線の特性(白抜き四角印の特性)は、補正部52の接続状態が低容量接続状態であるときの容量変化特性である。
図18及び19中の破線の特性(白抜き三角印)は、補正部52の接続状態が中容量接続状態であるときの容量変化特性である。そして、
図18及び19中の点線の特性(バツ印)は、補正部52の接続状態が高容量接続状態であるときの容量変化特性である。なお、
図18中の太実線及び破線矢印は、後述の容量バラツキの第1の補正処理の様子を示すものであり、
図19中の太実線及び破線矢印は、後述の容量バラツキの第2の補正処理の様子を示すものである。
【0168】
[容量バラツキの第1の補正処理]
次に、実装回路60における可変容量素子50の容量バラツキの第1の補正手法を、
図17及び18を参照しながら説明する。なお、この第1の補正処理においても、上記各種実施形態と同様に、予め、例えば、用途等を考慮して、必要とする可変容量素子50の容量バラツキの範囲を決める。ここでは、一例として、補正後の可変容量素子50の容量が、0.94C以上1.05C未満の範囲で収まるように補正する例を説明する。
【0169】
なお、本実施形態では、可変容量素子50が実装回路60に実装された際に、選択部61の第1選択端子61a〜第3選択端子61cが互いに接続されていない状態とする。この場合、補正部52内の第1補正コンデンサ部C51〜第3補正コンデンサ部C53の全てが可変容量素子50全体の容量値に寄与する状態となり、補正部51の接続状態は、低容量接続状態となる。
【0170】
第1の補正処理では、まず、可変容量素子50の第3補正用外部端子18の容量を測定する。次いで、測定した容量が、0.94C以上1.05C未満の範囲内の値である場合、すなわち、測定した容量が、
図18中の点線の特性上において太実線で示す領域の容量である場合、選択部61の第3選択端子61cと第1選択端子61aとを接続する。すなわち、可変容量素子50の第1補正用外部端子16及び第3補正用外部端子18間を電気的に短絡する。そして、この場合には、選択部61の第3選択端子61cと第1選択端子61aとを接続した状態で補正処理を終了する。
【0171】
一方、測定した第3補正用外部端子18の容量が0.94C以上1.05C未満の範囲内の値でない場合、可変容量素子50の第2補正用外部端子17の容量を測定する。次いで、測定した容量が、0.94C以上1.05C未満の範囲内の値である場合、すなわち、測定した容量が、
図18中の破線の特性上において太実線で示す領域の容量である場合、選択部61の第2選択端子61bと第1選択端子61aとを接続する。すなわち、可変容量素子50の第1補正用外部端子16及び第2補正用外部端子17間を電気的に短絡する。そして、この場合には、選択部61の第2選択端子61bと第1選択端子61aとを接続した状態で補正処理を終了する。
【0172】
一方、測定した第2補正用外部端子17の容量が0.94C以上1.05C未満の範囲内の値でない場合、可変容量素子50の第1補正用外部端子16の容量を測定する。次いで、測定した容量が、0.94C以上1.05C未満の範囲内の値である場合、すなわち、測定した容量が、
図18中の一点鎖線の特性上において太実線で示す領域の容量である場合、選択部61の各選択端子を互いに接続せずに、補正処理を終了する。
【0173】
なお、測定した可変容量素子50の第1補正用外部端子16の容量が、0.94C以上1.05C未満の範囲内の値でない場合には、補正処理を行った可変容量素子50を、不良品として廃棄する。本実施形態の第1の補正処理では、このようにして、可変容量素子50の容量バラツキを補正する。
【0174】
[容量バラツキの第2の補正処理]
上記第1の補正処理では、第3補正用外部端子18、第2補正用外部端子17及び第1補正用外部端子16の順で可変容量素子50の容量を測定する例を説明したが、本開示はこれに限定されない。第2の補正処理では、第1補正用外部端子16、第2補正用外部端子17及び第3補正用外部端子18の順で可変容量素子50の容量を測定する例を説明する。
【0175】
実装回路60における可変容量素子50の容量バラツキの第2の補正処理を、
図17及び19を参照しながら説明する。なお、この第2の補正処理においても、上記各種実施形態と同様に、予め、例えば、用途等を考慮して、必要とする可変容量素子50の容量バラツキの範囲を決める。ここでは、一例として、上記第1の補正処理と同様に、補正後の可変容量素子50の容量が、0.94C以上1.05C未満の範囲で収まるように補正する例を説明する。
【0176】
第2の補正処理では、まず、可変容量素子50の第1補正用外部端子16の容量を測定する。次いで、測定した容量が、0.94C以上1.05C未満の範囲内の値である場合、すなわち、測定した容量が、
図19中の一点鎖線の特性上において太実線で示す領域の容量である場合、選択部61の各選択端子を互いに接続せずに、補正処理を終了する。
【0177】
一方、測定した第1補正用外部端子16の容量が0.94C以上1.05C未満の範囲内の値でない場合、可変容量素子50の第2補正用外部端子17の容量を測定する。次いで、測定した容量が、0.94C以上1.05C未満の範囲内の値である場合、すなわち、測定した容量が、
図19中の破線の特性上において太実線で示す領域の容量である場合、選択部61の第2選択端子61bと第1選択端子61aとを接続する。すなわち、可変容量素子50の第1補正用外部端子16及び第2補正用外部端子17間を電気的に短絡する。そして、この場合には、選択部61の第2選択端子61bと第1選択端子61aとを接続した状態で補正処理を終了する。
【0178】
一方、測定した第2補正用外部端子17の容量が0.94C以上1.05C未満の範囲内の値でない場合、可変容量素子50の第3補正用外部端子18の容量を測定する。次いで、測定した容量が、0.94C以上1.05C未満の範囲内の値である場合、すなわち、測定した容量が、
図19中の点線の特性上において太実線で示す領域の容量である場合、選択部61の第3選択端子61cと第1選択端子61aとを接続する。すなわち、可変容量素子50の第1補正用外部端子16及び第3補正用外部端子18間を電気的に短絡する。そして、この場合には、選択部61の第3選択端子61cと第1選択端子61aとを接続した状態で補正処理を終了する。
【0179】
なお、測定した可変容量素子50の第3補正用外部端子18の容量が、0.94C以上1.05C未満の範囲内の値でない場合には、補正処理を行った可変容量素子50を、不良品として廃棄する。本実施形態の第2の補正処理では、このようにして、可変容量素子50の容量バラツキを補正する。
【0180】
上述のように、本実施形態においても、上記第1及び第2の実施形態と同様に、実装後に、可変容量素子50の容量バラツキの範囲を所望の範囲に低減することができる。すなわち、本実施形態においても、可変容量素子50の容量バラツキ(又は容量そのもの)を、実装回路上で補正(調整)することができる。それゆえ、本実施形態においても、上記第1の実施形態と同様の効果が得られる。
【0181】
なお、本実施形態では、補正部52の接続状態により、可変容量素子50全体の容量に寄与する直列接続されたコンデンサ部の数が変わる。すなわち、本実施形態では、補正部52の接続状態により、可変容量素子50の耐圧が変化する。それゆえ、本実施形態では、補正部52内の補正コンデンサ部の接続状態と、耐圧との関係を考慮して、補正コンデンサ部の数(容量の可変段数)や各補正コンデンサ部の容量、及び、コンデンサ本体部11の構成等が適宜設定される。
【0182】
また、上述した容量バラツキの第1及び第2の補正処理では、可変容量素子50の各補正用外部端子を順次測定する例を説明したが、本開示はこれに限定されない。可変容量素子50の全ての補正用外部端子の容量を同時に測定し、その測定結果に基づいて、第1選択端子61a〜第3選択端子61c間の適切な接続状態を選択し、可変容量素子50の容量バラツキを補正してもよい。
【0183】
[変形例4]
上記第3の実施形態では、3つの補正コンデンサ部を直列接続して補正部52を構成し、可変容量素子50の容量を3段階で補正可能な構成例を説明した。しかしながら、本開示はこれに限定されず、補正部に設ける補正コンデンサ部の数(容量の可変段数)及び各コンデンサ部の容量は、例えば、必要とする容量の補正幅、可変容量素子全体の容量等を考慮して適宜設定することができる。変形例4では、2つの補正コンデンサ部を直列接続して補正部を構成した可変容量素子及びそれが実装された実装回路の構成例を示す。
【0184】
(1)可変容量素子の構成
図20に、変形例4に係る可変容量素子70の概略構成、及び、それが実装された実装回路80の概略構成を示す。なお、
図20には、説明を簡略化するため、可変容量素子70の各外部端子と接続される回路部分のみを示す。また、
図20に示すこの例の実装回路80において、
図17に示す上記第3の実施形態の実装回路60と同様の構成には同じ符号を付して示し、それらの構成の説明は省略する。
【0185】
可変容量素子70は、コンデンサ本体部31(素子本体部)と、該コンデンサ本体部31と直列に接続された補正部72とを備える。また、可変容量素子70は、信号用外部端子13(第1信号用外部端子)と、4つの第1制御用外部端子14(制御用外部端子)と、5つの第2制御用外部端子15(制御用外部端子)とを備える。さらに、可変容量素子70は、2つの補正用外部端子(第1補正用外部端子16及び第2補正用外部端子17:容量補正用外部端子及び第2信号用外部端子)を備える。
【0186】
コンデンサ本体部31は、9つの可変容量コンデンサ(第1可変コンデンサ部C31〜第9可変コンデンサ部C39)を備え、上記第2の実施形態(
図13)の可変容量素子30のそれと同様の構成を有する。
【0187】
補正部72は、2つの補正用の可変容量コンデンサ(第1補正コンデンサ部C71及び第2補正コンデンサ部C72)を備える。なお、本実施形態では、第1補正コンデンサ部C71及び第2補正コンデンサ部C72は直列接続される。
【0188】
また、第1補正コンデンサ部C71及び第2補正コンデンサ部C72からなる直列回路の第1補正コンデンサ部C71側の端部は、コンデンサ本体部31の第9可変コンデンサ部C39に接続される。さらに、第1補正コンデンサ部C71及び第2補正コンデンサ部C72からなる直列回路の第2補正コンデンサ部C72側の端部は、第1補正用外部端子16に接続される。そして、第1補正コンデンサ部C71及び第2補正コンデンサ部C72の接続点は、第2補正用外部端子17に接続される。
【0189】
なお、
図20には示さないが、第1補正コンデンサ部C71及び第2補正コンデンサ部C72は、2つの誘電体層(第2誘電体層)が、電極層を間に挟んで積層された積層型コンデンサで構成される。また、各補正コンデンサ部を構成する誘電体層は、その製法に応じて、一つの誘電体膜で構成してもよいし、複数の誘電体膜を積層して構成してもよい。
【0190】
また、この例では、コンデンサ本体部31内部の各可変コンデンサ部を構成する誘電体層(第1誘電体層)と、補正部72内部の各補正コンデンサ部を構成する誘電体層(第2誘電体層)とを同じ強誘電体材料で形成する。そして、この例では、第1可変コンデンサ部C31〜第9可変コンデンサ部C39と、第1補正コンデンサ部C71及び第2補正コンデンサ部C72とを積層して可変容量素子70を構成する。さらに、この例では、第1可変コンデンサ部C31〜第9可変コンデンサ部C39、第1補正コンデンサ部C71及び第2補正コンデンサ部C72の各容量は互いに同じとする。
【0191】
(2)実装回路の構成例
実装回路80は、可変容量素子70と、選択部81とを備える。また、実装回路80は、可変容量素子70の第1補正用外部端子16及び選択部81間を電気的に接続する第1外部配線82と、可変容量素子70の第2補正用外部端子17及び選択部81間を電気的に接続する第2外部配線83とを備える。さらに、実装回路80は、6つの第1バイアス抵抗R1と、6つの第2バイアス抵抗R2とを備える。
【0192】
なお、各第1バイアス抵抗R1は、可変容量素子70の対応する外部端子(信号用外部端子13、第1制御用外部端子14及び第2補正用外部端子17のいずれか)と、制御電圧用電源の一方の出力端子(DC1)との間に設けられる。また、各第2バイアス抵抗R2は、可変容量素子70の対応する外部端子(第2制御用外部端子15及び第1補正用外部端子16のいずれか)と、制御電圧用電源の他方の出力端子(DC2)との間に設けられる。なお、各バイアス抵抗は、上記第1の実施形態のそれと同様に構成することができる。
【0193】
また、実装回路80では、第1外部配線82は、
図20に示すように、第1補正用外部端子16及び対応する第2バイアス抵抗R2間の接続点と選択部81の第1選択端子81aとを接続する。一方、第2外部配線83は、第2補正用外部端子17及び対応する第1バイアス抵抗R1間の接続点と選択部81の第2選択端子81bとを接続する。なお、選択部81は、補正部72内の補正コンデンサ部の接続状態を変更する回路部である。具体的には、選択部81は、可変容量素子70の容量バラツキの補正処理時に、第1選択端子81a及び第2選択端子81b間の接続状態を変えて、補正部72内の補正コンデンサ部の接続状態を変更する。
【0194】
上記構成の実装回路80においても、上記第3の実施形態と同様にして、実装後には、選択部81により、可変容量素子70の容量バラツキの範囲を所望の範囲に低減することができる。すなわち、この例においても、可変容量素子70の容量バラツキ(又は容量そのもの)を、実装回路上で補正(調整)することができ、上記第1の実施形態と同様の効果が得られる。
【0195】
[変形例5]
上記第3の実施形態では、実装回路に設けられた選択部により、補正部の接続状態を変更し、可変容量素子の容量バラツキを補正する例を説明したが、本開示はこれに限定されない。例えば、上記第1及び第2の実施形態と同様に、複数の補正用外部端子間の外部配線のパターンをカットしたり、接続したりして、可変容量素子の容量バラツキを補正してもよい。変形例5では、その一例を説明する。
【0196】
(1)変形例5−1
図21に、この例における可変容量素子50、及び、それが実装された実装回路の第1の構成例(変形例5−1)を示す。また、
図21に示すこの例の実装回路90において、
図17に示す上記第3の実施形態の実装回路60と同様の構成には同じ符号を付して示す。なお、
図21と
図17との比較から明らかなように、この例の可変容量素子50の構成は、上記第3の実施形態のそれと同様の構成であるので、ここでは、可変容量素子50の構成の説明は省略する。
【0197】
この例の実装回路90は、可変容量素子50と、5つの第1バイアス抵抗R1と、5つの第2バイアス抵抗R2とを備える。
【0198】
なお、各第1バイアス抵抗R1は、可変容量素子50の対応する外部端子(信号用外部端子13及び第1制御用外部端子14のいずれか)と、制御電圧用電源の一方の出力端子(DC1)との間に設けられる。また、各第2バイアス抵抗R2は、可変容量素子50の対応する外部端子(第2制御用外部端子15、第1補正用外部端子16及び第3補正用外部端子18のいずれか)と、制御電圧用電源の他方の出力端子(DC2)との間に設けられる。なお、各バイアス抵抗は、上記第1の実施形態のそれと同様に構成することができる。
【0199】
さらに、実装回路90は、
図21に示すように、可変容量素子50の第1補正用外部端子16〜第3補正用外部端子18間を短絡するとともに、各補正用外部端子と、対応する第2バイアス抵抗R2との間を電気的に接続する外部配線91を備える。すなわち、この例の実装回路90では、上記第1の実施形態と同様に、可変容量素子50を実装回路90に実装した際には、第1補正用外部端子16〜第3補正用外部端子18が、外部配線91で互いに接続された状態(高容量接続状態)となる。
【0200】
そして、この例の実装回路90では、上記第1の実施形態(上記第1の補正処理)と同様にして、各補正用外部端子の容量を測定しながら、外部配線91の配線パターンを適宜カットすることにより、可変容量素子50の容量バラツキを補正する。
【0201】
より具体的に説明すると、まず、
図21に示す接続状態では、第2補正コンデンサ部C52の両端子及び第3コンデンサ部C53の両端子は交流的にも直流的にも同電位であるので、この2つの補正コンデンサ部は容量素子として動作しない。それゆえ、
図21に示す接続状態では、補正部52内では、第1補正コンデンサ部C51のみが容量素子として作用するので、可変容量素子50の容量は最大(高容量接続状態)となる。しかしながら、第3補正用外部端子18と、対応する第2バイアス抵抗R2と繋ぐ外部配線91の配線パターンをカットすると、補正部52内では、第1補正コンデンサ部C51及び第2補正コンデンサ部C52が容量素子として作用する(中容量接続状態)。そして、中容量接続状態では、第3コンデンサ部C53のみが容量素子として動作しない。
【0202】
このような場合、第1補正コンデンサ部C51及び第2補正コンデンサ部C52を直列接続したコンデンサの合成容量が補正部52での可変容量として作用する。なお、この際、各補正コンデンサ部に実際に印加される制御電圧は、コンデンサ本体部11内の各可変コンデンサ部に印加される制御電圧の1/2となる。すなわち、この例の構成では、補正部52での補正容量値及びバイアス依存性(容量変化)は、
図17に示す上記第3の実施形態のそれらとは異なる。
【0203】
さらに、第2補正用外部端子17と、対応する第2バイアス抵抗R2と繋ぐ外部配線91の配線パターンをカットすると、補正部52内では、第1補正コンデンサ部C51〜第3補正コンデンサ部C53が容量素子として作用する(低容量接続状態)。この場合、第1補正コンデンサ部C51〜第3補正コンデンサ部C53を直列接続したコンデンサの合成容量が補正部52での可変容量として作用する。なお、この際、各補正コンデンサ部に実際に印加される制御電圧は、コンデンサ本体部11内の各可変コンデンサ部に印加される制御電圧の1/3となる。
【0204】
上述のように、この例の構成では、外部配線91の配線パターンをカットすることにより、可変容量素子50の容量を補正する場合、補正部52内において容量素子として作用させる補正コンデンサ部の段数により補正容量値が変化する。また、この例の構成では、補正部52内において容量素子として作用させる補正コンデンサ部の段数を増やすことにより補正部52での補正容量の可変幅が小さくなる。しかしながら、変形例5−1においても、可変容量素子50の初期容量を補正部52の接続状態を変更することにより補正することができるので、上記第1の実施形態と同様の効果が得られる。
【0205】
(2)変形例5−2
図22に、この例における可変容量素子50、及び、それが実装された実装回路の第2の構成例(変形例5−2)を示す。なお、
図22に示す変形例5−2の実装回路95において、
図21に示す上記変形例5−1の実装回路90と同様の構成には同じ符号を付して示す。
【0206】
図21と
図22との比較から明らかなように、この例では、可変容量素子50を実装回路95に実装した際の外部配線91の配線パターンが、上記変形例5−1のそれと異なる。それゆえ、ここでは、外部配線91の配線パターンについてのみ説明する。
【0207】
この例では、可変容量素子50を実装回路95に実装した際、可変容量素子50の第1補正用外部端子16のみが、外部配線91を介して対応する第2バイアス抵抗R2及び他方の交流信号端子(AC2)に接続された構成となる。すなわち、この例の実装回路95では、可変容量素子50が実装回路95に実装された際には、補正部52内の補正コンデンサ部の接続状態は低容量接続状態となる。
【0208】
この例の実装回路95では、上記変形例1(上記第2の補正処理)と同様にして、各補正用外部端子の容量を測定しながら、外部配線91で適宜、複数の補正用外部端子間を接続して(パターン接続して)、可変容量素子50の容量バラツキを補正する。
【0209】
なお、この場合、外部配線91の配線パターンを変更することにより、補正部52内で容量素子として作用する補正コンデンサ部の段数が変化する。それゆえ、この例においても、上記変形例5−1と同様に、補正部52での補正容量値及びバイアス依存性(容量変化)は、
図17に示す上記第3の実施形態のそれらとは異なる。しかしながら、変形例5−2においても、可変容量素子50の初期容量を補正部52の接続状態を変更することにより補正することができるので、上記第1の実施形態と同様の効果が得られる。
【0210】
なお、上記第3の実施形態では、可変容量素子50の補正部52内の各補正コンデンサ部の両端子にバイアス抵抗が接続された構成であるので、補正部52内の補正コンデンサ部の接続状態に関係なく、各補正コンデンサ部に印加される制御電圧は一定である。すなわち、上記第3の実施形態では、補正部52内の補正コンデンサ部の接続状態に関係なく、各補正コンデンサ部の容量の可変量は一定になる。
【0211】
それに対して、上記変形例5では、補正部52内の複数の補正コンデンサ部からなる直列回路の両端にのみバイアス抵抗を接続する構成であるので、補正部52内の補正コンデンサ部の接続状態に応じて、各補正コンデンサ部に印加される制御電圧が変化する。すなわち、上記変形例5では、補正部52内の補正コンデンサ部の接続状態に応じて、各補正コンデンサ部の容量の可変量が異なる。それゆえ、上記変形例5では、補正部52内の補正コンデンサ部の接続状態と、各補正コンデンサ部の容量の可変量との関係を考慮して、補正コンデンサ部の数や各補正コンデンサ部の容量、及び、コンデンサ本体部11の構成等が適宜設定される。
【0212】
<5.第4の実施形態:並列型の可変容量素子の構成例>
第4の実施形態では、可変容量素子のコンデンサ本体部と補正部とを並列接続する構成例について説明する(
図1(b)参照)。
【0213】
[可変容量素子の構成]
図23に、第4の実施形態に係る可変容量素子100の概略構成、及び、それが実装された実装回路110の概略構成を示す。なお、
図23には、説明を簡略化するため、可変容量素子100の各外部端子と接続される回路部分のみを示す。また、
図23に示す本実施形態の可変容量素子100及び実装回路110において、
図4に示す上記第1の実施形態の可変容量素子10及び実装回路20と同様の構成には同じ符号を付して示し、それらの構成の説明は省略する。
【0214】
可変容量素子100は、コンデンサ本体部101(素子本体部)と、補正部102とを備える。また、可変容量素子100は、信号用外部端子13(第1信号用外部端子)と、2つの第2制御用外部端子15と、第1補正用外部端子16(第2信号用外部端子)と、第2補正用外部端子17(容量補正用外部端子)とを備える。
【0215】
コンデンサ本体部101は、2つの可変容量コンデンサ(第1可変コンデンサ部C91及び第2可変コンデンサ部C92:第1の可変コンデンサ部)を備える。なお、第1可変コンデンサ部C91及び第2可変コンデンサ部C92は、直列に接続される。また、第1可変コンデンサ部C91と第2可変コンデンサ部C92との接続点は、対応する第2制御用外部端子15に接続される。
【0216】
さらに、2つの可変コンデンサ部からなる直列回路の第1可変コンデンサ部C91側の端部が信号用外部端子13に接続され、該直列回路の第2可変コンデンサ部C92側の端部が第1補正用外部端子16に接続される。なお、複数の可変コンデンサ部間、並びに、可変コンデンサ部及び対応する外部端子間の接続は、内部配線により行われる。
【0217】
補正部102は、2つの補正用の可変容量コンデンサ(第1補正コンデンサ部C93及び第2補正コンデンサ部C94:第2の可変コンデンサ部)を備える。なお、本実施形態では、第1補正コンデンサ部C93及び第2補正コンデンサ部C94は直列に接続される。
【0218】
また、第1補正コンデンサ部C93及び第2補正コンデンサ部C94の接続点は、対応する第2制御用外部端子15に接続される。さらに、2つの補正コンデンサ部からなる直列回路の第1補正コンデンサ部C93側の端部が信号用外部端子13に接続され、該直列回路の第2補正コンデンサ部C94側の端部が第2補正用外部端子17に接続される。なお、複数の可変コンデンサ部間、並びに、可変コンデンサ部及び対応する外部端子間の接続は、内部配線により行われる。
【0219】
なお、
図23には示さないが、第1可変コンデンサ部C91及び第2可変コンデンサ部C92は、2つの誘電体層(第1誘電体層)が、電極層を間に挟んで積層された積層型コンデンサで構成される。また、各可変コンデンサ部を構成する誘電体層は、その製法に応じて、一つの誘電体膜で構成してもよいし、複数の誘電体膜を積層して構成してもよい。
【0220】
また、第1補正コンデンサ部C93及び第2補正コンデンサ部C94は、2つの誘電体層(第2誘電体層)が、電極層を間に挟んで積層された積層型コンデンサで構成される。なお、各補正コンデンサ部を構成する誘電体層は、その製法に応じて、一つの誘電体膜で構成してもよいし、複数の誘電体膜を積層して構成してもよい。さらに、本実施形態では、コンデンサ本体部101内部の各可変コンデンサ部を構成する誘電体層と、補正部102内部の各補正コンデンサ部を構成する誘電体層とを同じ強誘電体材料で形成する。
【0221】
そして、本実施形態では、第1可変コンデンサ部C91及び第2可変コンデンサ部C92と、第1補正コンデンサ部C93及び第2補正コンデンサ部C94とを積層して可変容量素子100を構成する。さらに、本実施形態では、第1可変コンデンサ部C91及び第2可変コンデンサ部C92の各容量は互いに同じとする。また、第1補正コンデンサ部C93及び第2補正コンデンサ部C94の各容量は、第1可変コンデンサ部C91及び第2可変コンデンサ部C92の各容量より小さくし、例えば、1/10程度の容量とすることができる。
【0222】
なお、補正部102に設ける補正コンデンサ部の数及び各補正コンデンサ部の容量は、例えば、必要とする容量の補正幅、可変容量素子全体の容量等を考慮して適宜設定することができる。
【0223】
[実装回路の構成例]
本実施形態の実装回路110は、
図23に示すように、可変容量素子100と、可変容量素子100の第1補正用外部端子16及び第2補正用外部端子17間を電気的に接続する外部配線111とを備える。また、実装回路110は、2つの第1バイアス抵抗R1と、2つの第2バイアス抵抗R2とを備える。
【0224】
本実施形態の実装回路110では、可変容量素子100を実装回路110に実装した際に、信号用外部端子13が、一方の交流信号端子(AC1)及び対応する第1バイアス抵抗R1に接続される。さらに、この際、第1補正用外部端子16及び第2補正用外部端子17の両方が、外部配線111を介して他方の交流信号端子(AC2)及び対応する第1バイアス抵抗R1に接続される。
【0225】
各第1バイアス抵抗R1は、可変容量素子100の対応する外部端子(信号用外部端子13、第1補正用外部端子16及び第2補正用外部端子17のいずれか)と、制御電圧用電源の一方の出力端子(DC1)との間に設けられる。一方、各第2バイアス抵抗R2は、可変容量素子100の対応する第2制御用外部端子15と、制御電圧用電源の他方の出力端子(DC2)との間に設けられる。
【0226】
本実施形態では、
図23に示すように、可変容量素子100を実装回路110に実装した際には、第1補正用外部端子16及び第2補正用外部端子17が、外部配線111を介して第1バイアス抵抗R1及び他方の交流信号端子(AC2)に接続された状態となる。それゆえ、本実施形態では、可変容量素子100が実装回路110に実装された際には、実装回路110は、高容量接続状態となる。
【0227】
[容量バラツキの補正処理]
本実施形態の実装回路110における容量バラツキの補正処理は、次のようにして行われる。まず、
図23に示す高容量接続状態において、第1補正用外部端子16及び第2補正用外部端子17の一方の端子の容量を測定する。そして、測定した容量が所定の容量バラツキの範囲内の値である場合には、
図23に示す高容量接続状態を維持して補正処理を終了する。
【0228】
一方、測定した容量が所定の容量バラツキの範囲内の値でない場合には、第1補正用外部端子16及び第2補正用外部端子17間を電気的に接続する外部配線111の配線パターン部をカットし、可変容量素子100の接続状態を低容量接続状態に変更する。次いで、第1補正用外部端子16の容量を測定する。
【0229】
そして、測定した容量が所定の容量バラツキの範囲内の値である場合には、低容量接続状態を維持して補正処理を終了する。なお、低容量接続状態において測定した可変容量素子100の第1補正用外部端子16の容量が、所定の容量バラツキの範囲内の値でない場合には、補正処理を行った可変容量素子100を、不良品として廃棄する。本実施形態では、このようにして、可変容量素子100の容量バラツキを補正する。
【0230】
上述のように、本実施形態においても、各補正用外部端子の容量を測定しながら、外部配線111の配線パターンを適宜カットすることにより、可変容量素子100の容量バラツキを補正することができる。それゆえ、本実施形態においても、上記第1の実施形態と同様の効果が得られる。
【0231】
[変形例6]
(1)実装回路の構成
図24に、変形例6に係る可変容量素子100、及び、それが実装された実装回路の構成例を示す。なお、
図24に示すこの例の実装回路115において、
図23に示す上記第4の実施形態の実装回路110と同様の構成には同じ符号を付して示す。
【0232】
図24と
図23との比較から明らかなように、この例では、可変容量素子100を実装回路115に実装した際の外部配線111の配線パターンが、上記第4の実施形態のそれと異なる。それゆえ、ここでは、外部配線111の配線パターンについてのみ説明する。
【0233】
この例では、可変容量素子100が実装回路115に実装された際に、可変容量素子100の第1補正用外部端子16のみが、外部配線111を介して対応する第1バイアス抵抗R1及び他方の交流信号端子(AC2)に接続された構成になる。すなわち、この例の実装回路115では、可変容量素子100が実装回路115に実装した際には、実装回路115は、低容量接続状態となる。
【0234】
(2)容量バラツキの補正処理
この例の実装回路115における容量バラツキの補正処理は、次のようにして行われる。まず、
図24に示す低容量接続状態において、第1補正用外部端子16の容量を測定する。そして、測定した容量が所定の容量バラツキの範囲内の値である場合には、
図24に示す低容量接続状態を維持して補正処理を終了する。
【0235】
一方、測定した容量が所定の容量バラツキの範囲内の値でない場合には、
図23に示すように、外部配線111で第1補正用外部端子16及び第2補正用外部端子17間を電気的に接続(パターン接続)し、可変容量素子100の接続状態を高容量接続状態に変更する。
【0236】
次いで、第1補正用外部端子16又は第2補正用外部端子17の容量を測定する。そして、測定した容量が所定の容量バラツキの範囲内の値である場合には、高容量接続状態を維持して補正処理を終了する。なお、高容量接続状態において測定した可変容量素子100の容量が、所定の容量バラツキの範囲内の値でない場合には、補正処理を行った可変容量素子100を、不良品として廃棄する。この例では、このようにして、可変容量素子100の容量バラツキを補正する。
【0237】
上述のように、変形例6では、各補正用外部端子の容量を測定しながら、複数の補正用外部端子間を外部配線111で適宜接続することにより、可変容量素子100の容量バラツキを補正することができる。それゆえ、本実施形態においても、上記第1の実施形態と同様の効果が得られる。
【0238】
[変形例7]
上記各種実施形態及び各種変形例では、複数の補正コンデンサ部で補正部を構成する例を説明したが、本開示はこれに限定されず、1つの補正コンデンサ部で補正部を構成してもよい。
【0239】
なお、この場合、例えば、上記第1〜第3の実施形態(
図4、13、17)で示した直列型の可変容量素子(実装回路)では、コンデンサ本体部の補正部側の端部に接続された制御用外部端子を補正用外部端子として利用する。より具体的には、上記第1及び第3の実施形態(
図4及び
図17)では、コンデンサ本体部11の第8可変コンデンサ部C8に接続された第1制御用外部端子14を補正用外部端子として利用する。また、上記第2の実施形態(
図13)では、コンデンサ本体部31の第9可変コンデンサ部C39に接続された第2制御用外部端子15を補正用外部端子として利用する。
【0240】
また、上記第4の実施形態(
図23)で示した並列型の可変容量素子100(実装回路110)において、補正部102を1つの補正コンデンサ部で構成した場合には、補正部102に接続された第2制御用外部端子15を省略すればよい。
【0241】
<6.各種応用例>
上記本開示に係る可変容量素子、及び、容量バラツキの補正処理の技術は、可変容量素子に直流の制御電圧を印加して、その容量を調整する必要のあるシステム及び装置(電子機器)であれば、任意のシステム及び装置に適用可能である。以下では、本開示の可変容量素子の各種応用例(適用例)について説明する。
【0242】
[応用例1:通信装置]
まず、応用例1では、例えば非接触通信機能を備える情報処理端末等の通信装置に、上記各種実施形態及び各種変形例に係る可変容量素子を適用した例を説明する。
【0243】
図25に、応用例1に係る通信装置の概略回路構成を示す。なお、
図25では、説明を簡略化するため、通信装置200の受信系(復調系)の回路部の構成のみを示す。信号の送信系(変調系)の回路部を含む他の構成は、従来の通信装置と同様に構成することができる。
【0244】
通信装置200は、受信部201と、信号処理部202と、制御部203とを備える。
【0245】
受信部201は、共振アンテナ210(共振回路,受信アンテナ部,通信部)と、共振アンテナ210に直流の制御電圧Vcを印加する電圧発生回路211と、コイル212とを有する。なお、この例の受信部201は、例えば外部のR/W装置(不図示)から非接触通信により送信される信号を共振アンテナ210で受信し、その受信信号を、信号処理部202に出力する。
【0246】
共振アンテナ210は、共振コイル213と、共振コンデンサ214とを有する。共振コイル213は、例えばスパイラルコイル等の素子により構成される。また、共振コイル213の等価回路は、共振コイル213のインダクタンス成分213a(Ls)及び抵抗成分213b(rs:数オーム程度)の直列回路で表される。
【0247】
共振コンデンサ214は、容量Coの定容量コンデンサ215と、可変コンデンサ216と、可変コンデンサ216の両端子にそれぞれ接続された2個のバイアス除去用コンデンサ217とで構成される。そして、定容量コンデンサ215と、可変コンデンサ216及び2個のバイアス除去用コンデンサ217からなる直列回路とは、共振コイル213に並列接続される。
【0248】
すなわち、この例の共振アンテナ210は、共振コンデンサ214の一部を可変コンデンサ216で構成したチューナブル共振アンテナである。また、この例の共振アンテナ210の共振周波数は、共振コイル213全体のインダクタンスL及び共振コンデンサ214全体の容量Cから、(LC)
1/2で計算される。なお、共振コイル213全体のインダクタンスLは、例えば、スパイラルコイル(アンテナ)及びスパイラルコイル上に設けられた磁気シート(不図示)の特性により決定される。また、共振コンデンサ214全体の容量Cは、主に、定容量コンデンサ215の容量Coと、可変コンデンサ216の容量Cvとで決定される。ただし、共振コイル213をスパイラルコイルで構成した場合には、その線間容量も考慮する。
【0249】
また、可変コンデンサ216の両方の端子は、電圧発生回路211の2つの出力端子(DC1及びDC2)にそれぞれ接続される。なお、この例では、可変コンデンサ216の一方の端子は、コイル212を介して、電圧発生回路211の一方の出力端子(DC1)に接続される。
【0250】
可変コンデンサ216は、上記各種実施形態及び上記各種変形例のいずれかで説明した本開示に係る可変容量素子で構成される。なお、本開示に係る可変容量素子では、比誘電率の大きな強誘電体材料で形成され、その容量Cvは、電圧発生回路211から印加される制御電圧Vc(電圧信号)に応じて変化する。具体的には、電圧発生回路211から制御電圧Vcが印加されると、可変コンデンサ216の容量Cvは低下する。それゆえ、制御電圧Vcが印加されると、共振アンテナ210の共振周波数は高くなる。
【0251】
コイル212は、可変コンデンサ216の一方の端子と電圧発生回路211の一方の出力端子(DC1)との間に設けられる。そして、この例では、コイル212及び可変コンデンサ216からなる回路がノイズフィルタとして作用するように、コイル212のインダクタンスLnが適宜設定される。
【0252】
信号処理部202は、受信部201で受信した交流信号に対して所定の処理を施し、交流信号を復調する。
【0253】
制御部203は、通信装置200の動作全般を制御するための例えばCPU(Central Processing Unit)等の回路により構成される。また、この例では、CPU(制御部203)から電圧発生回路211に入力される制御信号に基づいて、可変コンデンサ216に印加する制御電圧Vcを調整して、受信部201(共振アンテナ210)の共振周波数を調整する。
【0254】
[応用例2:通信システム]
次に、非接触通信で情報の送受信を行う通信システムに、上記各種実施形態及び各種変形例に係る可変容量素子を適用した例(応用例2)を説明する。
【0255】
図26に、応用例2に係る通信システムの概略ブロック構成を示す。なお、
図26には、説明を簡略化するため、非接触通信に関与する要部の構成のみを示す。また、
図26では、各回路ブロック間において情報の入出力に関する配線を実線矢印で示し、電力の供給に関する配線は、点線矢印で示す。
【0256】
通信システム220は、送信装置221と、受信装置222とを備える。通信システム220では、送信装置221及び受信装置222間で非接触通信により情報の送受信を行う。なお、
図26に示す構成の通信システム220の例としては、例えば、Felica(登録商標)に代表されるような非接触ICカード規格と、近距離無線通信(NFC:Near Field Communication)規格とを組み合わせた通信システムが挙げられる。以下、各装置の構成をより詳細に説明する。
【0257】
(1)送信装置
送信装置221は、受信装置222に対して非接触でデータを読み書きするリーダライタ機能を有する装置である。送信装置221は、一次側アンテナ部(送信アンテナ部)223、可変インピーダンスマッチング部224、送信信号生成部225、変調回路226、復調回路227、送受信制御部228及び送信側システム制御部229を備える。さらに、送信装置221は、送信装置221の動作全般を制御するための制御部230を備える。
【0258】
送信装置221内の各部間の電気的な接続関係は、次の通りである。一次側アンテナ部223は、可変インピーダンスマッチング部224に接続され、信号の入出力を行う。また、一次側アンテナ部223の一方の制御端子は、送受信制御部228に接続され、他方の制御端子は、制御部230に接続される。可変インピーダンスマッチング部224の入力端子は、送信信号生成部225の出力端子に接続され、可変インピーダンスマッチング部224の出力端子は、復調回路227の入力端子に接続される。また、可変インピーダンスマッチング部224の一方の制御端子は、送受信制御部228に接続され、他方の制御端子は、制御部230に接続される。
【0259】
送信信号生成部225の入力端子は、変調回路226の出力端子に接続される。また、変調回路226の入力端子は、送信側システム制御部229の一方の出力端子に接続される。復調回路227の出力端子は、送信側システム制御部229の入力端子に接続される。また、送受信制御部228の一方の入力端子は、送信信号生成部225の出力端子に接続され、他方の入力端子は、送信側システム制御部229の他方の出力端子に接続される。
【0260】
次に、送信装置221の各部の構成及び機能について説明する。一次側アンテナ部223は、上記応用例1(
図25)の受信部201(共振回路部)と同様の構成を有し、共振コイル及び共振コンデンサからなる共振回路(共振アンテナ210)と、共振コンデンサの容量を調整する電圧発生回路とを有する。一次側アンテナ部223は、共振回路により所望の周波数の送信信号を送信すると共に、後述する受信装置222からの応答信号を受信する。この際、共振回路の共振周波数が所望の周波数となるように、電圧発生回路が、共振コンデンサの容量を調整する。そして、この例では、一次側アンテナ部223に含まれる可変コンデンサ(不図示)に、上記各種実施形態及び各種変形例のいずれかで説明した可変容量素子を適用する。
【0261】
可変インピーダンスマッチング部224は、送信信号生成部225と一次側アンテナ部223との間のインピーダンスの整合を取る回路である。なお、
図26には示さないが、可変インピーダンスマッチング部224は、可変コンデンサと、該可変コンデンサの容量を調整するための電圧発生回路を有する。この例では、電圧発生回路で可変コンデンサの容量を調整することにより、送信信号生成部225及び一次側アンテナ部223間のインピーダンスマッチングを実現する。なお、この例では、可変インピーダンスマッチング部224に含まれる可変コンデンサにも、上記各種実施形態及び各種変形例のいずれかで説明した可変容量素子を適用する。
【0262】
送信信号生成部225は、変調回路226から入力された送信データにより所望の周波数(例えば13.56MHz)のキャリア信号を変調し、該変調したキャリア信号を、可変インピーダンスマッチング部224を介して一次側アンテナ部223に出力する。
【0263】
変調回路226は、送信側システム制御部229から入力された送信データを変調し、該変調した送信データを送信信号生成部225に出力する。
【0264】
復調回路227は、一次側アンテナ部223で受信した応答信号を、可変インピーダンスマッチング部224を介して取得し、該応答信号を復調する。そして、復調回路227は、復調した応答データを送信側システム制御部229に出力する。
【0265】
送受信制御部228は、送信信号生成部225から可変インピーダンスマッチング部224に送出されるキャリア信号の送信電圧、送信電流などの通信状態をモニタリングする。そして、送受信制御部228は、通信状態のモニタ結果に応じて、可変インピーダンスマッチング部224及び一次側アンテナ部223に制御信号を出力する。
【0266】
送信側システム制御部229は、外部からの指令や内蔵するプログラムにしたがって、各種制御用のコントロール信号を生成し、該コントロール信号を変調回路226及び送受信制御部228に出力して、両回路部の動作を制御する。また、送信側システム制御部229は、コントロール信号(指令信号)に対応した送信データを生成し、該送信データを変調回路226に供給する。さらに、送信側システム制御部229は、復調回路227で復調された応答データに基づいて所定の処理を行う。
【0267】
制御部230は、例えばCPU等の回路により構成される。CPU(制御部230)の複数の出力端は、可変インピーダンスマッチング部224及び一次側アンテナ部223内の電圧発生回路の対応する入力端にそれぞれ接続される。そして、制御部230は、送受信制御部228から可変インピーダンスマッチング部224及び一次側アンテナ部223に入力される制御信号に出力する。この制御信号に基づいて、可変インピーダンスマッチング部224及び一次側アンテナ部223内に含まれる可変コンデンサに印加する制御電圧が調整される。また、この際、送信信号生成部225と一次側アンテナ部223との間のインピーダンスマッチング、及び、一次側アンテナ部223の共振周波数が最適になるように制御電圧が調整される。
【0268】
なお、
図26に示す例では、送信装置221において、送受信制御部228、送信側システム制御部229及び制御部230(CPU)をそれぞれ別個に設ける例を説明したが、本開示はこれに限定されない。制御部230が送受信制御部228及び送信側システム制御部229を含むような構成であってもよい。
【0269】
(2)受信装置
次に、受信装置222について説明する。なお、
図26に示す例では、受信装置222を非接触ICカード(データキャリア)で構成した例を示す。また、この例では、受信装置222が、自身の共振周波数を調整する機能を備える例を説明する。
【0270】
受信装置222は、二次側アンテナ部(受信アンテナ部)231、整流部232、定電圧部233、受信制御部234、復調回路235、受信側システム制御部236、変調回路237、バッテリー238を備える。
【0271】
受信装置222内の各部間の電気的な接続関係は、次の通りである。二次側アンテナ部231の出力端子は、整流部232の入力端子、受信制御部234の一方の入力端子及び復調回路235の入力端子に接続される。また、二次側アンテナ部231の入力端子は、変調回路237の出力端子に接続され、二次側アンテナ部231の制御端子は、受信制御部234の出力端子に接続される。整流部232の出力端子は、定電圧部233の入力端子に接続される。また、定電圧部233の出力端子は、受信制御部234、変調回路237及び復調回路235の各電源入力端子に接続される。
【0272】
受信制御部234の他方の入力端子は、受信側システム制御部236の一方の出力端子に接続される。復調回路235の出力端子は、受信側システム制御部236の入力端子に接続される。また、変調回路237の入力端子は、受信側システム制御部236の他方の出力端子に接続される。そして、受信側システム制御部236の電源入力端子は、バッテリー238の出力端子に接続される。
【0273】
次に、受信装置222の各部の構成及び機能について説明する。二次側アンテナ部231は、図示しないが、共振コイル及び共振コンデンサからなる共振回路を有し、共振コンデンサは、制御電圧を印加することにより容量が変化する可変コンデンサを含む。二次側アンテナ部231は、送信装置221(一次側アンテナ部223)と電磁結合により通信を行う部分であり、一次側アンテナ部223が発生する磁界を受け、送信装置221からの送信信号を受信する。この際、二次側アンテナ部231の共振周波数が所望の周波数となるように、可変コンデンサの容量が調整される。なお、この例では、二次側アンテナ部231に含まれる可変コンデンサに、上記各種実施形態及び各種変形例のいずれかで説明した可変容量素子を適用する。
【0274】
整流部232は、例えば整流用ダイオードと整流用コンデンサとからなる半波整流回路で構成され、二次側アンテナ部231で受信した交流電力を直流電力に整流し、該整流した直流電力を定電圧部233に出力する。
【0275】
定電圧部233は、整流部232から入力された電気信号(直流電力)に対して電圧変動(データ成分)の抑制処理及び安定化処理を施し、該処理された直流電力を受信制御部234に供給する。なお、整流部232及び定電圧部233を介して出力された直流電力は、受信装置222内のIC(Integrated circuit)を動作させるための電源として使用される。
【0276】
受信制御部234は、例えばIC等で構成され、二次側アンテナ部231で受信される受信信号の大きさや電圧/電流の位相などをモニタする。そして、受信制御部234は、受信信号のモニタ結果に基づいて二次側アンテナ部231の共振特性を制御して、受信時における共振周波数の最適化を図る。具体的には、二次側アンテナ部231内に含まれる可変コンデンサに制御電圧を印加してその容量を調整し、これにより、二次側アンテナ部231の共振周波数を調整する。
【0277】
復調回路235は、二次側アンテナ部231で受信した受信信号を復調し、該復調した信号を受信側システム制御部236に出力する。
【0278】
受信側システム制御部236は、復調回路235で復調された信号に基づいて、その内容を判断して必要な処理を行い、変調回路237及び受信制御部234を制御する。
【0279】
変調回路237は、受信側システム制御部236で判断された結果(復調信号の内容)に従って受信キャリアを変調して応答信号を生成する。そして、変調回路237は、生成した応答信号を二次側アンテナ部231に出力する。なお、変調回路237から出力された応答信号は、非接触通信により、二次側アンテナ部231から一次側アンテナ部223に送信される。
【0280】
バッテリー238は、受信側システム制御部236に電力を供給する。このバッテリー238への充電は、その充電端子を外部電源239に接続することにより行われる。この例のように、受信装置222がバッテリー238を内蔵する構成である場合には、より安定した電力を受信側システム制御部236に供給することができ、安定した動作が可能となる。なお、この例では、バッテリー238を使用せずに、整流部232及び定電圧部233を介して生成される直流電力を用いて、受信側システム制御部236を駆動する構成にしてもよい。
【0281】
上記構成の通信システム220では、送信装置221の一次側アンテナ部223及び受信装置222の二次側アンテナ部231間において、電磁結合を介して非接触でデータ通信を行う。それゆえ、送信装置221及び受信装置222において効率良く通信を行うために、一次側アンテナ部223及び二次側アンテナ部231の各共振回路が同じキャリア周波数(例えば13.56MHz)で共振するように構成される。
【0282】
この例では、上述のように、一次側アンテナ部223、可変インピーダンスマッチング部224及び二次側アンテナ部231に含まれる可変コンデンサに、上記各種実施形態及び各種変形例のいずれかで説明した、実装後に容量を補正可能な可変容量素子を適用する。それゆえ、この例の通信システム220では、共振周波数及びインピーダンスマッチング特性の両方を最適に保つことができ、通信特性を向上させることができる。
【0283】
なお、この例では、受信装置222を非接触ICカード(データキャリア)で構成する例を示したが、本開示はこれに限定されない。受信装置222として、上記応用例1で説明した、例えば非接触通信機能を備える情報処理端末等の通信装置を用いてもよい。また、非接触ICカード(データキャリア)が、例えば非接触通信機能を備える情報処理端末等の通信装置に搭載されるシステムCPUと同等の性能を有するCPUを備える場合には、本開示の可変容量素子をそのような非接触ICカードにも適用することができる。
【0284】
この場合、一次側アンテナ部223及び二次側アンテナ部231の各共振周波数を別個に電圧発生回路で調整することができる。それゆえ、このような構成の通信システム220では、様々な要因により受信共振周波数及び/又は送信共振周波数がずれても、各共振周波数のずれを各装置内で容易に調整することができ、安定した通信特性を得ることができる。
【0285】
[応用例3:ワイヤレス充電システム]
次に、非接触通信で電力の送受信(伝送)を行うワイヤレス充電システムに、上記各種実施形態及び各種変形例に係る可変容量素子を適用した例(応用例3)を説明する。
【0286】
図27に、応用例3に係るワイヤレス充電システムの概略ブロック構成を示す。なお、
図27には、説明を簡略化するため、非接触通信に関与する要部の構成のみを示す。また、
図27では、各回路ブロック間において情報の入出力に関する配線を実線矢印で示し、電力の供給に関する配線は、点線矢印で示す。
【0287】
ワイヤレス充電システム240は、給電装置241(給電装置部)と、受電装置242(受電装置部)とを備える。ワイヤレス充電システム240では、給電装置241及び受電装置242間で非接触通信により電力の送受信(伝送)を行う。なお、この例のワイヤレス充電システム240では、非接触で給電(充電)を行うための充電方式として、電磁誘導や磁界共鳴などの方式を適用することができる。以下、各装置の構成をより詳細に説明する。
【0288】
(1)給電装置
給電装置241は、所望の電子機器(受電装置242)に非接触で電力を供給する装置である。給電装置241は、一次側アンテナ部243(給電アンテナ部)、可変インピーダンスマッチング部244、送信信号生成部245、変調回路246、復調回路247、送受信制御部248、送信側システム制御部249及び制御部250を備える。
【0289】
給電装置241の一次側アンテナ部243及び可変インピーダンスマッチング部244は、それぞれ、上記応用例2の送信装置221の一次側アンテナ部223及び可変インピーダンスマッチング部224と同様に構成される。すなわち、この例においても給電装置241の一次側アンテナ部243及び可変インピーダンスマッチング部244には、上記各種実施形態及び各種変形例で説明した可変容量素子(可変コンデンサ)のいずれかが設けられる。
【0290】
また、給電装置241の、送信信号生成部245、変調回路246及び復調回路247は、それぞれ、上記応用例2の送信装置221の、送信信号生成部225、変調回路226及び復調回路227と同様に構成される。さらに、給電装置241の、送受信制御部248、送信側システム制御部249及び制御部250は、それぞれ、上記応用例2の送信装置221の、送受信制御部228、送信側システム制御部229及び制御部230と同様に構成される。なお、給電装置241内の各部の電気的接続関係も、上記応用例2の送信装置221内のそれと同様である。
【0291】
なお、
図27に示す例では、給電装置241において、送受信制御部248、送信側システム制御部249及び制御部250(CPU)をそれぞれ別個に設ける例を説明したが、本開示はこれに限定されない。制御部250が送受信制御部248及び送信側システム制御部249を含むような構成であってもよい。
【0292】
(2)受電装置
受電装置242は、例えば非接触通信機能を有する携帯機器等の装置で構成される。受電装置242は、二次側アンテナ部(受電アンテナ部)251、整流部252、充電制御部253、受信制御部254、復調回路255、受信側システム制御部256、変調回路257、バッテリー258及び制御部259を備える。
【0293】
受電装置242内の各部間の電気的な接続関係は、次の通りである。二次側アンテナ部251の出力端子は、整流部252の入力端子、受信制御部254の一方の入力端子及び復調回路255の入力端子に接続される。また、二次側アンテナ部251の入力端子は、変調回路257の出力端子に接続される。さらに、二次側アンテナ部251の一方の制御端子は、受信制御部254の出力端子に接続され、他方の制御端子は、制御部259の出力端子に接続される。
【0294】
整流部252の出力端子は、充電制御部253の入力端子に接続される。充電制御部253の出力端子は、受信側システム制御部256の一方の入力端子に接続される。また、充電制御部253の一方の電源出力端子は、受信制御部254、変調回路257及び復調回路255の各電源入力端子に接続され、他方の電源出力端子は、バッテリー258の充電端子に接続される。受信制御部254の他方の入力端子は、受信側システム制御部256の一方の出力端子に接続される。復調回路255の出力端子は、受信側システム制御部256の他方の入力端子に接続される。また、変調回路257の入力端子は、受信側システム制御部256の他方の出力端子に接続される。そして、受信側システム制御部256の電源入力端子は、バッテリー258の出力端子に接続される。
【0295】
次に、受電装置242の各部の構成及び機能について説明する。なお、この例において、二次側アンテナ部251、充電制御部253及び制御部259以外の構成は、上記応用例2の通信システム220の受信装置222の対応する各部と同様の構成である。それゆえ、ここでは、二次側アンテナ部251、充電制御部253及び制御部259の構成についてのみ説明する。
【0296】
二次側アンテナ部251は、上記応用例1(
図25)の受信部201(共振回路部)と同様の構成を有し、共振コイル及び共振コンデンサからなる共振回路(共振アンテナ210)と、共振コンデンサの容量を調整する電圧発生回路とを有する。なお、この例では、二次側アンテナ部251に含まれる可変コンデンサ(不図示)に、上記各種実施形態及び各種変形例のいずれかで説明した可変容量素子を適用する。
【0297】
また、二次側アンテナ部251は、給電装置241(一次側アンテナ部243)と電磁結合により電力伝送を行うアンテナ部であり、一次側アンテナ部243が発生する磁界を受け、給電装置241からの送信電力を受信する。この際、二次側アンテナ部251の共振周波数が所望の周波数となるように、電圧発生回路により制御された制御電圧を可変コンデンサに印加して、可変コンデンサの容量が調整される。なお、電圧発生回路の動作制御(制御電圧の制御)は、制御部259から入力される制御信号に基づいて行われる。
【0298】
充電制御部253は、整流部252から入力された電気信号(直流電力)を、バッテリー258に供給してバッテリー258を充電すると共に、受信制御部254の駆動電力として受信制御部254に供給する。また、充電制御部253は、充電状況をモニタし、該モニタ結果を受信側システム制御部256に出力する。さらに、充電制御部253は、外部電源260に接続可能である。充電制御部253を外部電源260に接続した場合には、外部電源260から出力された電力は、充電制御部253を介してバッテリー258に供給され、これにより、バッテリー258が充電される。なお、バッテリー258を外部電源260で充電する場合、外部電源260をバッテリー258に直接接続する構成にしてもよい。
【0299】
制御部259は、例えばCPU等の回路により構成される。CPU(制御部259)の出力端は、二次側アンテナ部251内の電圧発生回路の対応する入力端にそれぞれ接続される。そして、制御部259は、受信制御部254から二次側アンテナ部251に入力される制御信号を出力する。この制御信号に基づいて、二次側アンテナ部251内に含まれる可変コンデンサに印加する制御電圧が調整される。また、この際、二次側アンテナ部251の共振周波数が最適になるように制御電圧が調整される。
【0300】
なお、
図27に示す例では、受電装置242において、受信制御部254、受信側システム制御部256及び制御部259(CPU)をそれぞれ別個に設ける例を説明したが、本開示はこれに限定されない。制御部259が受信制御部254及び受信側システム制御部256を含むような構成であってもよい。
【0301】
上記構成のワイヤレス充電システム240では、給電装置241の送信側システム制御部249から出力された信号に基づいて、一次側アンテナ部243から電力伝送のための電磁波が送信され、その電磁波を受電装置242の二次側アンテナ部251で受ける。そして、二次側アンテナ部251で受信した信号が整流部252で直流電力に変換され、該直流電力が充電制御部253を介してバッテリー258に充電される。
【0302】
また、この例のワイヤレス充電システム240では、受電装置242の二次側アンテナ部251で受信した信号は復調回路255により復調される。次いで、復調されたデータの内容が受信側システム制御部256で判断され、その結果に従って変調回路257は受信キャリア信号を変調する。そして、変調回路257は、変調された受信キャリア信号を応答信号として、二次側アンテナ部251を介して、給電装置241に送信する。
【0303】
このような一連の認識処理により、方式外の機器や金属などへの電力伝送を回避することができる。また、この認識処理において、正しい伝送と判断された場合には、送信信号は電力伝送のために無変調の出力となる。また、この際、長時間の充電を行うために、上記認識処理を間欠的に行って安全性を確保する。
【0304】
さらに、この例のワイヤレス充電システム240では、上述のように、充電状況が受電装置242の充電制御部253でモニタされる。そして、充電状況の情報は、最適な充電状況を得るために、受信側システム制御部256、変調回路257及び二次側アンテナ部251を介して給電装置241に送信される。一方、受電装置242から返信された充電状況の情報は、給電装置241の復調回路247により復調され、該復調データの内容が送信側システム制御部249を判断される。そして、送信側システム制御部249は、その判断結果に基づいて適宜必要な処理を実行する。
【0305】
上述したワイヤレス充電システム240の動作において、可変インピーダンスマッチング部244、一次側アンテナ部243及び二次側アンテナ部251の共振周波数が各部内の電圧発生回路により適宜調整される。それゆえ、このような構成のワイヤレス充電システム240では、様々な要因により受信共振周波数及び/又は送信共振周波数がずれても、各共振周波数のずれを各装置内で容易に調整することができ、安定した電力の伝送動作を実現することができる。
【0306】
[応用例4:電源装置]
次に、電源装置に、上記各種実施形態及び各種変形例に係る可変容量素子(可変コンデンサ)を適用した例(応用例4)を説明する。
【0307】
図28に、応用例4に係る電源装置の概略ブロック構成を示す。なお、ここでは、商用電源280の電圧(AC100V)を、電源トランス271を介して降圧する電源装置270を例に挙げ説明する。
【0308】
電源装置270は、電源トランス271(電源供給部)と、可変インピーダンス部272と、整流回路273(整流回路部)と、定電圧回路274と、第1基準電圧電源275と、エラーアンプ276と、第2基準電圧電源277と、制御部278とを備える。
【0309】
電源装置270内の各部間の電気的な接続関係は、次の通りである。電源トランス271内の後述する一次側トランス271aは、
図28に示すように、商用電源280に接続される。一方、電源トランス271内の後述する二次側トランス271bの出力端子は、可変インピーダンス部272の入力端子に接続され、二次側トランス271bの入力端子は、整流回路273の一方の出力端子に接続される。
【0310】
可変インピーダンス部272の出力端子は、整流回路273の入力端子に接続される。また、可変インピーダンス部272の一方の制御端子は、エラーアンプ276の出力端子に接続され、可変インピーダンス部272の他方の制御端子は、制御部278に接続される。整流回路273の他方の出力端子は、定電圧回路274の一方の入力端子及びエラーアンプ276の一方の入力端子に接続される。
【0311】
また、定電圧回路274の他方の入力端子は、
図28に示すように、第1基準電圧電源275に接続され、定電圧回路274の出力端子は、負荷281に接続される。さらに、エラーアンプ276の他方の入力端子は、第2基準電圧電源277に接続される。
【0312】
次に、電源装置270の各部の構成及び機能について説明する。電源トランス271は、
図28に示すように、一次側トランス271aと、二次側トランス271bとを有する。電源トランス271は、一次側トランス271aと二次側トランス271bとの巻き数比に対応する割合で商用電源280の電圧を降圧し、該降圧した電圧を可変インピーダンス部272に出力する。
【0313】
可変インピーダンス部272は、
図28に示さないが、可変コンデンサと、該可変コンデンサの容量を調整するための電圧発生回路を有する。なお、この例では、可変インピーダンス部272に含まれる可変コンデンサに、上記各種実施形態及び各種変形例のいずれかで説明した可変容量素子を適用する。
【0314】
可変インピーダンス部272は、可変コンデンサの容量を増減してインピーダンスを変化させる。これにより、可変インピーダンス部272は、二次側トランス271bから入力される交流電圧を増減させ、該増減された交流電圧を整流回路273に供給する。
【0315】
整流回路273は、例えば整流ダイオードと整流コンデンサとからなる半波整流回路で構成される。整流回路273は、可変インピーダンス部272から入力された交流電圧を直流電圧に変換し、該直流電圧を定電圧回路274及びエラーアンプ276に供給する。
【0316】
定電圧回路274は、第1基準電圧電源275から供給される基準電圧V
ref1と整流回路273から入力される直流電圧とを比較して電圧値一定の直流電圧を生成し、該電圧値一定の直流電圧を負荷281に供給する。具体的には、定電圧回路284は、負荷281に印加される電圧が基準電圧V
ref1と同じになるように、自身の回路内において入力電圧の電圧降下量を増減する。
【0317】
エラーアンプ276は、整流回路273から入力された直流電圧と、第2基準電圧電源277から供給される基準電圧V
ref2とを比較し、この比較結果に基づいて、可変インピーダンス部272のインピーダンスを制御する。なお、通常、第2基準電圧電源277から出力される基準電圧V
ref2は、第1基準電圧電源275から出力される基準電圧V
ref1より2[V]程度高めに設定される。
【0318】
制御部278は、例えばCPU等の回路により構成される。CPU(制御部278)の出力端は、可変インピーダンス部272内の電圧発生回路の対応する入力端に接続される。そして、制御部278は、可変インピーダンス部272内の可変コンデンサに印加する制御電圧を調整して出力する。この例では、これにより、可変インピーダンス部272のインピーダンスを調整する。
【0319】
なお、この際、定電圧回路274に入力される直流電圧が、第1基準電圧電源275から出力される基準電圧V
ref1とほぼ同じ値になるように、可変インピーダンス部272のインピーダンスを調整する。より具体的には、負荷電流が大きくなり、二次側トランス271bの交流電圧が下がった場合には、制御部278は、可変インピーダンス部272のインピーダンスを低下させる。また、商用電源280の電圧が大きくなり、二次側トランス271bの交流電圧が上がった場合には、制御部278は、可変インピーダンス部272のインピーダンスを増加させる。これにより、整流回路273に入力される交流電圧が安定し、その結果、定電圧回路274の入力電圧も安定して制御することができる。
【0320】
上記構成の電源装置270では、電源トランス271の一次側トランス271aと二次側トランス271bとの巻き数比に対応する割合で降圧された交流電圧を整流回路273で直流電圧に変換する。そして、電圧降下型の定電圧回路274は、整流回路273から出力された直流電圧に基づいて電圧値一定の直流電圧を生成し、該電圧値一定の直流電圧を負荷281に供給する。
【0321】
従来、上述のような電源装置270では、負荷電流の増減や一次側トランス271aの電圧変化により、整流回路273から出力される直流電圧、すなわち、定電圧回路274の入力電圧が変化する。通常、このような定電圧回路274の入力電圧の変化に対して、電圧降下型の定電圧回路274は、上述のように、負荷281に印加される電圧が基準電圧V
ref1と同じになるように、入力電圧の電圧降下量を増減して、負荷281に供給する電圧の安定化を図る。この場合、定電圧回路274における入力電圧の電圧降下量が定電圧回路274の電力損失となる。すなわち、入力電圧の電圧降下量が大きいほど、定電圧回路274での電力損失が大きくなる。それゆえ、理想的には、定電圧回路274の入力電圧を、定電圧回路274の最小動作電圧(基準電圧V
ref1)となるように制御することができれば、定電圧回路274での電力損失を最小にすることができる。
【0322】
それに対して、この例の電源装置270では、負荷電流の増減や一次側トランス271aの電圧変化により定電圧回路274の入力電圧が変化した場合、上述のように、制御部278により、可変インピーダンス部272のインピーダンスが調整される。具体的には、制御部278は、定電圧回路274の入力電圧が第1基準電圧電源275から出力される基準電圧V
ref1とほぼ同じ値になるように、可変インピーダンス部272のインピーダンスを調整する。それゆえ、この例の電源装置270では、定電圧回路274の入力電圧値が定電圧回路274の最小動作電圧(基準電圧V
ref1)の値になるように制御することができ、定電圧回路274での損失を最小にすることができる。
【0323】
また、従来の一般的な電圧降下型の電源装置では、可変抵抗により定電圧回路の入力電圧を安定化させるので、可変抵抗において、電力損失が発生する。それに対して、この例では、可変インピーダンス部272に含まれる可変コンデンサの容量を変化させて電圧を降下させるので、抵抗成分での電力損失は発生しない。それゆえ、この例の電源装置270では、従来の電源装置に比べて、電力損失を低減することができる。
【0324】
なお、この例では、可変インピーダンス部272の電力入力側の回路を、商用電源280及び電源トランス271で構成する例に説明したが、本開示はこれに限定されない。例えば、可変インピーダンス部272の電力入力側の回路を、スイッチ電源で構成してもよい。例えば、100kHzのスイッチング周波数で出力がON/OFFされるスイッチ電源を用いることにより、
図28に示す電源装置270と同様の動作を行う電源装置を実現することができる。
【0325】
また、この例の電源装置270では、出力を一系統としたが、本開示はこれに限定されない。例えば、電源トランスの出力端子を複数設けることにより、複数の出力系統(電源系)を有する電源装置を構成することができる。
【0326】
[応用例5:その他の各種電子機器]
本開示の可変容量素子は、上記応用例2〜4で説明したそれぞれ通信システム、ワイヤレス充電システム及び電源装置を、適宜組み合わせて構成された各種電子機器にも適用可能である。なお、この場合、電子機器に組み込まれる通信システムの送信装置(通信装置部)及び受信装置の構成は、上記応用例2(
図26)で説明した送信装置221及び受信装置222とそれぞれ同じ構成になるが、非接触通信は外部と行う。
【0327】
通信システム及びワイヤレス充電システムを含む電子機器の例としては、例えば、携帯電話、スマートフォン、タブレット型PC(Personal Computer)、ノート型PC、リモートコントローラー、ワイヤレススピーカー等の機器が挙げられる。また、通信システム及びワイヤレス充電システムを含む電子機器の例としては、例えば、カムコーダー、デジタルカメラ、ポータブルオーディオプレーヤー、3Dメガネ、携帯型ゲーム機器等の機器が挙げられる。
【0328】
通信システム及び電源装置(電源装置部)を含む電子機器の例としては、例えば、タブレット型PC、ノート型PC、デスクトップ型PC、プリンター、プロジェクター、液晶テレビ、家庭用ゲーム機器、冷蔵庫等の機器が挙げられる。また、通信システム及び電源装置(電源装置部)を含む電子機器の例としては、DVD(Digital Versatile Disc)/BD(Blu-ray Disc:登録商標)プレーヤー、DVD/BDレコーダー等の機器が挙げられる。さらに、通信システム及び電源装置(電源装置部)を含む電子機器は、電気自動車にも適用することもできる。
【0329】
ワイヤレス充電システム及び電源装置(電源装置部)を含む電子機器の例としては、例えば、ノート型PC、ポータブルテレビ、ラジオ、ラジオカセットレコーダー、電動歯ブラシ、電動ひげそり器、アイロン等の機器が挙げられる。また、ワイヤレス充電システム及び電源装置(電源装置部)を含む電子機器は、電気自動車にも適用することもできる。
【0330】
通信システム、ワイヤレス充電システム及び電源装置(電源装置部)を含む電子機器の例としては、例えば、ノート型PC、ポータブルテレビ、ラジオ、ラジオカセットレコーダー等の機器が挙げられる。また、通信システム、ワイヤレス充電システム及び電源装置(電源装置部)を含む電子機器は、電気自動車にも適用することもできる。
【0331】
上述のような各種電子機器にも本開示の技術を適用することができ、同様の効果が得られる。また、この場合、各装置(システム)を制御するための各種制御部は、装置毎に設けてもよいし、装置間で共通に用いることができる複数の制御部がある場合には、それらを一体的に構成してもよい。
【0332】
また、本開示の可変容量素子は、例えば、非接触通信装置の出荷前に周波数調整を行うために用いられる調整装置にも適用することができる。ただし、この場合には、電圧発生回路の動作制御は、調整装置内の例えばLSI(Large Scale Integration)等の処理回路部で制御することができる。
【0333】
なお、本開示は、以下のような構成を取ることもできる。
(1)
強誘電体材料で形成された第1誘電体層を含む第1の可変コンデンサ部を有し、外部から印加される制御電圧信号に応じて容量が変化する素子本体部と、
前記強誘電体材料で形成された第2誘電体層を含む第2の可変コンデンサ部を有し、前記素子本体部に接続され、前記制御電圧信号に応じて容量が変化する補正部と、
前記素子本体部に接続され、交流信号が入力される第1信号用外部端子と、
前記素子本体部又は前記補正部に接続され、交流信号が入力される第2信号用外部端子と、
前記素子本体部に接続され、前記制御電圧信号が入力される制御用外部端子と、
前記補正部に接続された容量補正用外部端子と
を備える可変容量素子。
(2)
前記素子本体部と、前記補正部とが直列に接続され、
前記第2信号用外部端子が前記補正部に接続されている
(1)に記載の可変容量素子。
(3)
前記補正部が、複数の第2の可変コンデンサ部を有し、該複数の第2の可変コンデンサ部が並列接続され、
各第2の可変コンデンサ部の一方の端部が前記素子本体部に接続され、
前記複数の第2の可変コンデンサ部のうち、一つの前記第2の可変コンデンサ部の他方の端部が前記第2信号用外部端子に接続され、
残りの前記第2の可変コンデンサ部の他方の端部毎に前記容量補正用外部端子が設けられ、該残りの前記第2の可変コンデンサ部の各他方の端部が対応する前記容量補正用外部端子に接続されている
(1)又は(2)に記載の可変容量素子。
(4)
前記補正部が、複数の第2の可変コンデンサ部を有し、該複数の第2の可変コンデンサ部が直列接続され、
前記複数の第2の可変コンデンサ部で構成される直列回路の一方の端部が前記素子本体部に接続され、
前記直列回路の他方の端部が前記第2信号用外部端子に接続され、
互いに隣り合う2つの前記第2の可変コンデンサ部の接続点毎に前記容量補正用外部端子が設けられ、各接続点が対応する前記容量補正用外部端子に接続されている
(1)又は(2)に記載の可変容量素子。
(5)
前記素子本体部と、前記補正部とが並列に接続され、
前記第2信号用外部端子が前記素子本体部に接続され、
前記補正部の一方の端部が前記第1信号用外部端子に接続され、他方の端部が前記容量補正用外部端子に接続されている
(1)に記載の可変容量素子。
(6)
前記補正部が、複数の第2の可変コンデンサ部を有し、該複数の第2の可変コンデンサ部が直列接続され、
前記複数の第2の可変コンデンサ部で構成される直列回路の一方の端部が前記第1信号用外部端子に接続され、他方の端部が前記容量補正用外部端子に接続されている
(1)又は(5)に記載の可変容量素子。
(7)
強誘電体材料で形成された第1誘電体層を含む第1の可変コンデンサ部を有し、外部から印加される制御電圧信号に応じて容量が変化する素子本体部と、
前記強誘電体材料で形成された第2誘電体層を含む第2の可変コンデンサ部を有し、前記素子本体部に接続され、前記制御電圧信号に応じて容量が変化する補正部と、
前記素子本体部に接続され、交流信号が入力される第1信号用外部端子と、
前記素子本体部又は前記補正部に接続され、交流信号が入力される第2信号用外部端子と、
前記素子本体部に接続され、前記制御電圧信号が入力される制御用外部端子と、
前記補正部に接続された容量補正用外部端子と、
前記制御用外部端子に接続されたバイアス抵抗と
を備える実装回路。
(8)
さらに、前記第2信号用外部端子と前記容量補正用外部端子とを電気的に接続する外部配線を備える
(7)に記載の実装回路。
(9)
強誘電体材料で形成された第1誘電体層を含む第1の可変コンデンサ部を有し且つ外部から印加される制御電圧信号に応じて容量が変化する素子本体部、前記強誘電体材料で形成された第2誘電体層を含む第2の可変コンデンサ部を有し、前記素子本体部に接続され且つ前記制御電圧信号に応じて容量が変化する補正部、前記素子本体部に接続され且つ交流信号が入力される第1信号用外部端子、前記素子本体部又は前記補正部に接続され且つ交流信号が入力される第2信号用外部端子、前記素子本体部に接続され且つ前記制御電圧信号が入力される制御用外部端子、並びに、前記補正部に接続された容量補正用外部端子、を有する可変容量素子を含む共振コンデンサと、
前記共振コンデンサに接続された共振コイルと
を備える共振回路。
(10)
強誘電体材料で形成された第1誘電体層を含む第1の可変コンデンサ部を有し且つ外部から印加される制御電圧信号に応じて容量が変化する素子本体部、前記強誘電体材料で形成された第2誘電体層を含む第2の可変コンデンサ部を有し、前記素子本体部に接続され且つ前記制御電圧信号に応じて容量が変化する補正部、前記素子本体部に接続され且つ交流信号が入力される第1信号用外部端子、前記素子本体部又は前記補正部に接続され且つ交流信号が入力される第2信号用外部端子、前記素子本体部に接続され且つ前記制御電圧信号が入力される制御用外部端子、並びに、前記補正部に接続された容量補正用外部端子、を有する可変容量素子を含む共振コンデンサと、前記共振コンデンサに接続された共振コイルとを含み、外部と非接触通信を行う受信アンテナ部と、
前記可変容量素子の前記制御用外部端子に前記制御電圧信号を出力する電圧発生回路と
を備える通信装置。
(11)
強誘電体材料で形成された第1誘電体層を含む第1の可変コンデンサ部を有し且つ外部から印加される制御電圧信号に応じて容量が変化する素子本体部、前記強誘電体材料で形成された第2誘電体層を含む第2の可変コンデンサ部を有し、前記素子本体部に接続され且つ前記制御電圧信号に応じて容量が変化する補正部、前記素子本体部に接続され且つ交流信号が入力される第1信号用外部端子、前記素子本体部又は前記補正部に接続され且つ交流信号が入力される第2信号用外部端子、前記素子本体部に接続され且つ前記制御電圧信号が入力される制御用外部端子、並びに、前記補正部に接続された容量補正用外部端子、を有する可変容量素子を含む共振コンデンサと、前記共振コンデンサに接続された共振コイルとを含む送信アンテナ部を有する送信装置と、
前記送信装置と非接触通信を行う受信装置と
を備える通信システム。
(12)
強誘電体材料で形成された第1誘電体層を含む第1の可変コンデンサ部を有し且つ外部から印加される第1制御電圧信号に応じて容量が変化する第1素子本体部、前記強誘電体材料で形成された第2誘電体層を含む第2の可変コンデンサ部を有し、前記第1素子本体部に接続され且つ前記第1制御電圧信号に応じて容量が変化する第1補正部、前記第1素子本体部に接続され且つ交流信号が入力される第1信号用外部端子、前記第1素子本体部又は前記第1補正部に接続され且つ交流信号が入力される第2信号用外部端子、前記第1素子本体部に接続され且つ前記第1制御電圧信号が入力される第1制御用外部端子、並びに、前記第1補正部に接続された第1容量補正用外部端子、を有する第1可変容量素子を含む第1共振コンデンサと、前記第1共振コンデンサに接続された第1共振コイルとにより構成される給電アンテナ部を有する給電装置と、
強誘電体材料で形成された第3誘電体層を含む第3の可変コンデンサ部を有し且つ外部から印加される第2制御電圧信号に応じて容量が変化する第2素子本体部、前記強誘電体材料で形成された第4誘電体層を含む第4の可変コンデンサ部を有し、前記第2素子本体部に接続され且つ前記第2制御電圧信号に応じて容量が変化する第2補正部、前記第2素子本体部に接続され且つ交流信号が入力される第3信号用外部端子、前記第2素子本体部又は前記第2補正部に接続され且つ交流信号が入力される第4信号用外部端子、前記第2素子本体部に接続され且つ前記第2制御電圧信号が入力される第2制御用外部端子、並びに、前記第2補正部に接続された第2容量補正用外部端子、を有する第2可変容量素子を含む第2共振コンデンサと、前記第2共振コンデンサに接続された第2共振コイルとにより構成され、前記給電アンテナ部と非接触通信を行う受電アンテナ部を有する受電装置と
を備えるワイヤレス充電システム。
(13)
電源供給部と、
前記電源供給部から供給された交流電力を直流電力に変換する整流回路部と、
強誘電体材料で形成された第1誘電体層を含む第1の可変コンデンサ部を有し且つ外部から印加される制御電圧信号に応じて容量が変化する素子本体部、前記強誘電体材料で形成された第2誘電体層を含む第2の可変コンデンサ部を有し、前記素子本体部に接続され且つ前記制御電圧信号に応じて容量が変化する補正部、前記素子本体部に接続され且つ交流信号が入力される第1信号用外部端子、前記素子本体部又は前記補正部に接続され且つ交流信号が入力される第2信号用外部端子、前記素子本体部に接続され且つ前記制御電圧信号が入力される制御用外部端子、並びに、前記補正部に接続された容量補正用外部端子、を有する可変容量素子を含み、前記電源供給部と前記整流回路部との間に設けられた可変インピーダンス部と
を備える電源装置。
(14)
強誘電体材料で形成された第1誘電体層を含む第1の可変コンデンサ部を有し且つ外部から印加される制御電圧信号に応じて容量が変化する素子本体部、前記強誘電体材料で形成された第2誘電体層を含む第2の可変コンデンサ部を有し、前記素子本体部に接続され且つ前記制御電圧信号に応じて容量が変化する補正部、前記素子本体部に接続され且つ交流信号が入力される第1信号用外部端子、前記素子本体部又は前記補正部に接続され且つ交流信号が入力される第2信号用外部端子、前記素子本体部に接続され且つ前記制御電圧信号が入力される制御用外部端子、並びに、前記補正部に接続された容量補正用外部端子、を有する可変容量素子を含む共振コンデンサと、前記共振コンデンサに接続された共振コイルとにより構成され、外部と非接触通信を行う通信部と、
前記可変容量素子の前記制御用外部端子に前記制御電圧信号を出力する電圧発生回路と
を備える電子機器。
(15)
強誘電体材料で形成された第1誘電体層を含む第1の可変コンデンサ部を有し且つ外部から印加される第1制御電圧信号に応じて容量が変化する第1素子本体部、前記強誘電体材料で形成された第2誘電体層を含む第2の可変コンデンサ部を有し、前記第1素子本体部に接続され且つ前記第1制御電圧信号に応じて容量が変化する第1補正部、前記第1素子本体部に接続され且つ交流信号が入力される第1信号用外部端子、前記第1素子本体部又は前記第1補正部に接続され且つ交流信号が入力される第2信号用外部端子、前記第1素子本体部に接続され且つ前記第1制御電圧信号が入力される第1制御用外部端子、並びに、前記第1補正部に接続された第1容量補正用外部端子、を有する第1可変容量素子を含む第1共振コンデンサと、前記第1共振コンデンサに接続された第1共振コイルとにより構成される給電アンテナ部を有する給電装置部と、
強誘電体材料で形成された第3誘電体層を含む第3の可変コンデンサ部を有し且つ外部から印加される第2制御電圧信号に応じて容量が変化する第2素子本体部、前記強誘電体材料で形成された第4誘電体層を含む第4の可変コンデンサ部を有し、前記第2素子本体部に接続され且つ前記第2制御電圧信号に応じて容量が変化する第2補正部、前記第2素子本体部に接続され且つ交流信号が入力される第3信号用外部端子、前記第2素子本体部又は前記第2補正部に接続され且つ交流信号が入力される第4信号用外部端子、前記第2素子本体部に接続され且つ前記第2制御電圧信号が入力される第2制御用外部端子、並びに、前記第2補正部に接続された第2容量補正用外部端子、を有する第2可変容量素子を含む第2共振コンデンサと、前記第2共振コンデンサに接続された第2共振コイルとにより構成され、前記給電アンテナ部と非接触通信を行う受電アンテナ部を有する受電装置部と
を備える電子機器。
(16)
電源供給部と、
前記電源供給部から供給された交流電力を直流電力に変換する整流回路部と、
強誘電体材料で形成された第1誘電体層を含む第1の可変コンデンサ部を有し且つ外部から印加される制御電圧信号に応じて容量が変化する素子本体部、前記強誘電体材料で形成された第2誘電体層を含む第2の可変コンデンサ部を有し、前記素子本体部に接続され且つ前記制御電圧信号に応じて容量が変化する補正部、前記素子本体部に接続され且つ交流信号が入力される第1信号用外部端子、前記素子本体部又は前記補正部に接続され且つ交流信号が入力される第2信号用外部端子、前記素子本体部に接続され且つ前記制御電圧信号が入力される制御用外部端子、並びに、前記補正部に接続された容量補正用外部端子、を有する可変容量素子を含み、前記電源供給部と前記整流回路部との間に設けられた可変インピーダンス部と
を備える電子機器。
(17)
強誘電体材料で形成された第1誘電体層を含む第1の可変コンデンサ部を有し且つ外部から印加される第1制御電圧信号に応じて容量が変化する第1素子本体部、前記強誘電体材料で形成された第2誘電体層を含む第2の可変コンデンサ部を有し、前記第1素子本体部に接続され且つ前記第1制御電圧信号に応じて容量が変化する第1補正部、前記第1素子本体部に接続され且つ交流信号が入力される第1信号用外部端子、前記第1素子本体部又は前記第1補正部に接続され且つ交流信号が入力される第2信号用外部端子、前記第1素子本体部に接続され且つ前記第1制御電圧信号が入力される第1制御用外部端子、並びに、前記第1補正部に接続された第1容量補正用外部端子、を有する第1可変容量素子を含む第1共振コンデンサと、前記第1共振コンデンサに接続された第1共振コイルとを含み、外部と非接触通信を行う受信アンテナ部を有する通信装置部と、
強誘電体材料で形成された第3誘電体層を含む第3の可変コンデンサ部を有し且つ外部から印加される第2制御電圧信号に応じて容量が変化する第2素子本体部、前記強誘電体材料で形成された第4誘電体層を含む第4の可変コンデンサ部を有し、前記第2素子本体部に接続され且つ前記第2制御電圧信号に応じて容量が変化する第2補正部、前記第2素子本体部に接続され且つ交流信号が入力される第3信号用外部端子、前記第2素子本体部又は前記第2補正部に接続され且つ交流信号が入力される第4信号用外部端子、前記第2素子本体部に接続され且つ前記第2制御電圧信号が入力される第2制御用外部端子、並びに、前記第2補正部に接続された第2容量補正用外部端子、を有する第2可変容量素子を含む第2共振コンデンサと、前記第2共振コンデンサに接続された第2共振コイルとにより構成される給電アンテナ部を有する給電装置部と、
強誘電体材料で形成された第5誘電体層を含む第5の可変コンデンサ部を有し且つ外部から印加される第3制御電圧信号に応じて容量が変化する第3素子本体部、前記強誘電体材料で形成された第6誘電体層を含む第6の可変コンデンサ部を有し、前記第3素子本体部に接続され且つ前記第3制御電圧信号に応じて容量が変化する第3補正部、前記第3素子本体部に接続され且つ交流信号が入力される第5信号用外部端子、前記第3素子本体部又は前記第3補正部に接続され且つ交流信号が入力される第6信号用外部端子、前記第3素子本体部に接続され且つ前記第3制御電圧信号が入力される第3制御用外部端子、並びに、前記第3補正部に接続された第3容量補正用外部端子、を有する第3可変容量素子を含む第3共振コンデンサと、前記第3共振コンデンサに接続された第3共振コイルとにより構成され、前記給電アンテナ部と非接触通信を行う受電アンテナ部を有する受電装置部と
を備える電子機器。
(18)
強誘電体材料で形成された第1誘電体層を含む第1の可変コンデンサ部を有し且つ外部から印加される第1制御電圧信号に応じて容量が変化する第1素子本体部、前記強誘電体材料で形成された第2誘電体層を含む第2の可変コンデンサ部を有し、前記第1素子本体部に接続され且つ前記第1制御電圧信号に応じて容量が変化する第1補正部、前記第1素子本体部に接続され且つ交流信号が入力される第1信号用外部端子、前記第1素子本体部又は前記第1補正部に接続され且つ交流信号が入力される第2信号用外部端子、前記第1素子本体部に接続され且つ前記第1制御電圧信号が入力される第1制御用外部端子、並びに、前記第1補正部に接続された第1容量補正用外部端子、を有する第1可変容量素子を含む第1共振コンデンサと、前記第1共振コンデンサに接続された第1共振コイルとを含み、外部と非接触通信を行う受信アンテナ部を有する通信装置部と、
電源供給部と、前記電源供給部から供給された交流電力を直流電力に変換する整流回路部と、強誘電体材料で形成された第3誘電体層を含む第3の可変コンデンサ部を有し且つ外部から印加される第2制御電圧信号に応じて容量が変化する第2素子本体部、前記強誘電体材料で形成された第4誘電体層を含む第4の可変コンデンサ部を有し、前記第2素子本体部に接続され且つ前記第2制御電圧信号に応じて容量が変化する第2補正部、前記第2素子本体部に接続され且つ交流信号が入力される第3信号用外部端子、前記第2素子本体部又は前記第2補正部に接続され且つ交流信号が入力される第4信号用外部端子、前記第2素子本体部に接続され且つ前記第2制御電圧信号が入力される第2制御用外部端子、並びに、前記第2補正部に接続された第2容量補正用外部端子、を有する第2可変容量素子を含み、前記電源供給部と前記整流回路部との間に設けられた可変インピーダンス部とを有する電源装置部と
を備える電子機器。
(19)
強誘電体材料で形成された第1誘電体層を含む第1の可変コンデンサ部を有し且つ外部から印加される第1制御電圧信号に応じて容量が変化する第1素子本体部、前記強誘電体材料で形成された第2誘電体層を含む第2の可変コンデンサ部を有し、前記第1素子本体部に接続され且つ前記第1制御電圧信号に応じて容量が変化する第1補正部、前記第1素子本体部に接続され且つ交流信号が入力される第1信号用外部端子、前記第1素子本体部又は前記第1補正部に接続され且つ交流信号が入力される第2信号用外部端子、前記第1素子本体部に接続され且つ前記第1制御電圧信号が入力される第1制御用外部端子、並びに、前記第1補正部に接続された第1容量補正用外部端子、を有する第1可変容量素子を含む第1共振コンデンサと、前記第1共振コンデンサに接続された第1共振コイルとにより構成される給電アンテナ部を有する給電装置部と、
強誘電体材料で形成された第3誘電体層を含む第3の可変コンデンサ部を有し且つ外部から印加される第2制御電圧信号に応じて容量が変化する第2素子本体部、前記強誘電体材料で形成された第4誘電体層を含む第4の可変コンデンサ部を有し、前記第2素子本体部に接続され且つ前記第2制御電圧信号に応じて容量が変化する第2補正部、前記第2素子本体部に接続され且つ交流信号が入力される第3信号用外部端子、前記第2素子本体部又は前記第2補正部に接続され且つ交流信号が入力される第4信号用外部端子、前記第2素子本体部に接続され且つ前記第2制御電圧信号が入力される第2制御用外部端子、並びに、前記第2補正部に接続された第2容量補正用外部端子、を有する第2可変容量素子を含む第2共振コンデンサと、前記第2共振コンデンサに接続された第2共振コイルとにより構成され、前記給電アンテナ部と非接触通信を行う受電アンテナ部を有する受電装置部と、
電源供給部と、前記電源供給部から供給された交流電力を直流電力に変換する整流回路部と、強誘電体材料で形成された第5誘電体層を含む第5の可変コンデンサ部を有し且つ外部から印加される第3制御電圧信号に応じて容量が変化する第3素子本体部、前記強誘電体材料で形成された第6誘電体層を含む第6の可変コンデンサ部を有し、前記第3素子本体部に接続され且つ前記第3制御電圧信号に応じて容量が変化する第3補正部、前記第3素子本体部に接続され且つ交流信号が入力される第5信号用外部端子、前記第3素子本体部又は前記第3補正部に接続され且つ交流信号が入力される第6信号用外部端子、前記第3素子本体部に接続され且つ前記第3制御電圧信号が入力される第3制御用外部端子、並びに、前記第3補正部に接続された第3容量補正用外部端子、を有する第3可変容量素子を含み、前記電源供給部と前記整流回路部との間に設けられた可変インピーダンス部とを有する電源装置部と
を備える電子機器。
(20)
強誘電体材料で形成された第1誘電体層を含む第1の可変コンデンサ部を有し且つ外部から印加される第1制御電圧信号に応じて容量が変化する第1素子本体部、前記強誘電体材料で形成された第2誘電体層を含む第2の可変コンデンサ部を有し、前記第1素子本体部に接続され且つ前記第1制御電圧信号に応じて容量が変化する第1補正部、前記第1素子本体部に接続され且つ交流信号が入力される第1信号用外部端子、前記第1素子本体部又は前記第1補正部に接続され且つ交流信号が入力される第2信号用外部端子、前記第1素子本体部に接続され且つ前記第1制御電圧信号が入力される第1制御用外部端子、並びに、前記第1補正部に接続された第1容量補正用外部端子、を有する第1可変容量素子を含む第1共振コンデンサと、前記第1共振コンデンサに接続された第1共振コイルとを含み、外部と非接触通信を行う受信アンテナ部を有する通信装置部と、
強誘電体材料で形成された第3誘電体層を含む第3の可変コンデンサ部を有し且つ外部から印加される第2制御電圧信号に応じて容量が変化する第2素子本体部、前記強誘電体材料で形成された第4誘電体層を含む第4の可変コンデンサ部を有し、前記第2素子本体部に接続され且つ前記第2制御電圧信号に応じて容量が変化する第2補正部、前記第2素子本体部に接続され且つ交流信号が入力される第3信号用外部端子、前記第2素子本体部又は前記第2補正部に接続され且つ交流信号が入力される第4信号用外部端子、前記第2素子本体部に接続され且つ前記第2制御電圧信号が入力される第2制御用外部端子、並びに、前記第2補正部に接続された第2容量補正用外部端子、を有する第2可変容量素子を含む第2共振コンデンサと、前記第2共振コンデンサに接続された第2共振コイルとにより構成される給電アンテナ部を有する給電装置部と、
強誘電体材料で形成された第5誘電体層を含む第5の可変コンデンサ部を有し且つ外部から印加される第3制御電圧信号に応じて容量が変化する第3素子本体部、前記強誘電体材料で形成された第6誘電体層を含む第6の可変コンデンサ部を有し、前記第3素子本体部に接続され且つ前記第3制御電圧信号に応じて容量が変化する第3補正部、前記第3素子本体部に接続され且つ交流信号が入力される第5信号用外部端子、前記第3素子本体部又は前記第3補正部に接続され且つ交流信号が入力される第6信号用外部端子、前記第3素子本体部に接続され且つ前記第3制御電圧信号が入力される第3制御用外部端子、並びに、前記第3補正部に接続された第3容量補正用外部端子、を有する第3可変容量素子を含む第3共振コンデンサと、前記第3共振コンデンサに接続された第3共振コイルとにより構成され、前記給電アンテナ部と非接触通信を行う受電アンテナ部を有する受電装置部と、
電源供給部と、前記電源供給部から供給された交流電力を直流電力に変換する整流回路部と、強誘電体材料で形成された第7誘電体層を含む第7の可変コンデンサ部を有し且つ外部から印加される第4制御電圧信号に応じて容量が変化する第4素子本体部、前記強誘電体材料で形成された第8誘電体層を含む第8の可変コンデンサ部を有し、前記第4素子本体部に接続され且つ前記第4制御電圧信号に応じて容量が変化する第4補正部、前記第4素子本体部に接続され且つ交流信号が入力される第7信号用外部端子、前記第4素子本体部又は前記第4補正部に接続され且つ交流信号が入力される第8信号用外部端子、前記第4素子本体部に接続され且つ前記第4制御電圧信号が入力される第4制御用外部端子、並びに、前記第4補正部に接続された第4容量補正用外部端子、を有する第4可変容量素子を含み、前記電源供給部と前記整流回路部との間に設けられた可変インピーダンス部とを有する電源装置部と
を備える電子機器。