(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記充電制御部が前記2次電源取付部に組み込まれた電源への充電を停止するように判断してから予め定めた期間経過した後、前記電圧検出部が検出した電圧が予め定めた第1の電圧よりも高い場合、時刻を表示する態様を変更する時計制御部、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の電子時計。
前記充電制御部は、前記電圧検出部が検出した電圧が前記第1の電圧よりも低いとき、前記1次電源から前記2次電源取付部に組み込まれた電源への充電を許可することを示す充電許可データを記憶し、前記充電許可データが記憶されているとき、前記1次電源から前記2次電源取付部に組み込まれた電源への充電を停止するか否かの判断を停止することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の電子時計。
前記充電制御部が前記2次電源取付部に組み込まれた電源への充電を停止するように判断してから予め定めた期間、予め定めた基準電力よりも大きい消費電力で動作することを特徴とする請求項2、又は請求項2に従属する請求項3もしくは4のいずれかに記載の電子時計。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(第1の実施形態)
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
本実施形態に係る電子時計1は、電源の電圧が予め定めた第1の電圧DET1よりも高く、かつ予め定めた第2の電圧DET2よりも低いとき、2次電源への充電を停止する。ここで、第1の電圧DET1は、第2の電圧DET2よりも低い電圧である。
【0015】
図1は、本実施形態に係る電子時計1の構成を表すブロック図である。
電子時計1は、2次電源101、電圧検出部102、充電制御部103、時計制御部104、1次電源105、整流部106、スイッチ107、VSS(source voltage)108、VDD(drain voltage)109、SVSS(solar source voltage)110及び表示部111を含んで構成される。
【0016】
2次電源101は、1次電源105から電力が供給される。2次電源101は、VSS108及びVDD109を介して時計制御部104に電力を供給する。2次電源101は、充電及び放電ともに可能である2次電池には限られない。
2次電源101の正極は、1次電源105の正極及びVDD109に電気的に接続されている。2次電源101の負極は、VSS108に電気的に接続されている。2次電源101は、電子時計1の筐体内部に設けられた固定部(2次電源取付部)、例えば電源ホルダに着脱可能に固定される。
【0017】
電圧検出部102は、VSS108及びVDD109の間の電圧を検出し、検出した電圧を表す電圧情報を充電制御部103に出力する。VSS108及びVDD109の間の電圧は、2次電源101の正負両極間の端子電圧に相当する。
充電制御部103は、電圧検出部102から入力された電圧情報に基づき時計制御部104の動作を制御する時計制御信号を生成し、生成した時計制御信号を時計制御部104に出力する。時計制御信号は、例えば通常の動作形態で動作させることを表す通常動作、又は通常とは異なる動作形態で動作させることを表す変則動作を表す制御信号である。
充電制御部103は、入力された電圧情報に基づき充電停止又は充電許可を表す充電制御信号を生成し、生成した充電制御信号をスイッチ107に出力する。
時計制御部104は、表示部111を駆動させることにより時刻情報を表示させる。また、時計制御部104は、充電制御部103から入力された時計制御信号に基づいて表示部111における時刻情報の表示形態を制御する。
【0018】
1次電源105は、2次電源101に電力を供給する電源、例えば、太陽電池である。1次電源105は、放電が可能であるが充電が不可能である1次電池には限られない。
1次電源105の正極は、2次電源101の正極及びVDD109に接続され、1次電源の負極は、SVSS110に接続される。
整流部106は、VSS108からSVSS110への電流を通過し、その逆方向、つまりSVSS110からVSS108への電流を遮断する。整流部106は、例えば、ダイオードである。整流部106の正極は、電圧検出部102及びVSS108に接続され、整流部106の負極は、スイッチ107及びSVSS110に接続される。
【0019】
スイッチ107は、充電制御部103から入力された充電制御信号に基づきVDD109とSVSS110との間を断続する。
例えば、入力された充電制御信号が充電停止を表すとき、スイッチ107は、VDD109とSVSS110との間を開放する。このとき、SVSS110の電位がVDD109と異なることが許容される。これにより、1次電源105が発電して正負両極間の端子電圧が生じても、1次電源105は2次電源101を取付ける固定部に組み込まれた電源へ電力を供給しなくなる。よって、2次電源101を取付ける固定部に組み込まれた電源への充電が停止する。また、入力された充電制御信号が充電許可を表すとき、スイッチ107は、VDD109とSVSS110との間を短絡して電位を等しくする。1次電源105が発電すると、発電した電力を、2次電源101を取付ける固定部に組み込まれた電源に対して充電を試みる。
表示部111は、時計制御部104に駆動されることによって時刻情報を計測し、計測した時刻情報を表示する。例えば、電子時計1がアナログ時計である場合、表示部111は、時針、分針、及び秒針を備えて、これらによって時刻情報を表示する。
【0020】
次に、時計制御部104の構成の一例について説明する。
図2は、本実施形態に係る時計制御部104の構成を表すブロック図である。
本実施形態に係る時計制御部104は、発振回路1041、分周回路1042、モータ駆動制御回路1043、駆動パルス発生回路1044、モータドライバ回路1045及びモータ1046を含んで構成される。
【0021】
発振回路1041は、一定周期ごとに振幅が変化する発振信号を生成し、生成した発振信号を分周回路1042に出力する。発振信号の発振周波数は、例えば、32,768Hzである。
分周回路1042は、発振回路1041から入力された発振信号を分周し、より低い周波数のクロック信号を生成し、生成したクロック信号をモータ駆動制御回路1043に出力する。
【0022】
モータ駆動制御回路1043は、分周回路1042から入力されたクロック信号と充電制御部103から入力された時計制御信号に基づき駆動パルス生成信号を生成する。モータ駆動制御回路1043は、生成した駆動パルス生成信号を駆動パルス発生回路1044に出力する。なお、モータ駆動制御回路1043は、初期値として通常動作を表す時計制御信号が予め設定されている。例えば、入力された時計制御信号が通常動作を表す場合には、モータ駆動制御回路1043は、入力されたクロック信号を分周して発振周波数が1Hzの駆動パルス生成信号を生成する。入力された時計制御信号が変則動作を表す場合には、モータ駆動制御回路1043は、入力されたクロック信号を分周して発振周波数が0.5Hzの駆動パルス生成信号を生成する。
駆動パルス発生回路1044は、モータ駆動制御回路1043から入力された駆動パルス生成信号と同相の駆動パルス信号を生成する。駆動パルス発生回路1044は、生成した駆動パルス信号をモータドライバ回路1045に出力する。
【0023】
モータドライバ回路1045は、駆動パルス発生回路1044から入力された駆動パルス信号を増幅し、当該駆動パルス信号と同相のモータ駆動信号を生成する。例えば、駆動パルス信号の発振周波数が1Hzの場合は、モータドライバ回路1045は、モータ1046に1秒毎に6°回転させることを表すモータ駆動信号を生成する。駆動パルス信号の発振周波数が0.5Hzの場合は、モータドライバ回路1045は、モータ1046に2秒毎に12°回転させることを表すモータ駆動信号を生成する。
モータドライバ回路1045は、生成したモータ駆動信号をモータ1046に供給して回転させる。
【0024】
モータ1046は、上述のようにモータドライバ回路1045から供給されたモータ駆動信号に基づいて、所定の時間間隔毎に所定の角度で回転する。モータ1046は、秒針を1分で1周するように回転させる。モータ1046は、分針を60分で1周するように回転させる。モータ1046は、時針を12時間で1周するように回転させる。これにより、表示部111は、時刻情報を計測し、計測した時刻情報を表示する。
【0025】
次に、本実施形態に係る電池の放電特性の一例について説明する。
図3は、本実施形態に係る電池の放電特性の一例を示す図である。
図3において、横軸は電子時計1の電源として放電を開始した時からの時刻、縦軸は電池の正負両極間の端子電圧を示す。
図3において、DET1は、端子電圧の通常動作状態における最低値(例えば、1.5V)である。DET2は、端子電圧の通常動作状態における最高値(例えば、1.7V)である。なお、通常動作状態における端子電圧の目安として定められている値を公称電圧という。例えば、酸化銀電池の場合、1.57Vである。ここで、2次電源101として組み込まれるべき電源の公称電圧が、DET1よりも高く、DET2よりも低くなるようにDET1及びDET2の値を予め定めておく。
DET3は、過充電状態を判断するための端子電圧の閾値(例えば、2.5V)である
。この例では、端子電圧がDET3を越えた場合、過充電と判断される。ここで、DET1<DET2<DET3、という関係がある。
【0026】
図3において、DET1、DET2、DET3を表す縦軸から水平方向に延びる破線は、それぞれの電圧値を示す線である。実線V1は、1次電池の端子電圧の時間変化の一例を表す。1次電池の端子電圧は、放電開始からの経過時間が長い場合(例えば、2年)でも放電開始からほぼ一定値(1.57V)をとり、ほとんど低下しない。この値は、電圧DET1からDET2の間にある。しかし、経過時間がある時間(例えば、2年半)を過ぎると、端子電圧は急激に低下して最終的にゼロになる。
【0027】
実線V2は、2次電池の端子電圧の時間変化を表す。この2次電池は、例えば、チタン酸カーボンリチウム電池である。2次電池の端子電圧は、放電開始当初においてDET3を越える高い電圧であるが、時刻の経過によって低下して最終的にゼロになる。2次電池の端子電圧の一定時間当たりの低下率は、放電開始当初において最大であるが徐々に低下する。この低下率は、端子電圧がDET1を下回った時刻において最小となるが、その後再び増加する。このように、2次電池の端子電圧は、放電開始当初においてDET3より高く、通常動作状態であるDET1からDET2の間にある期間が1次電池よりも短い。
【0028】
次に、充電制御部103が行う充電制御処理について説明する。充電制御部103は、上述の1次電池と2次電池の端子電圧の時間変化特性の差異を利用して、充電を停止するか否か(充電停止/充電許可)を判断する。
図4は、本実施形態に係る充電制御部103が行う充電制御処理を表すフローチャートである。
【0029】
(ステップS101)充電制御部103は、電圧検出部102から入力された電圧情報が示す電圧Vが、DET2と等しい、もしくはDET2よりも高いかを判断する。DET2と等しい、もしくはDET2よりも高いと判断された場合(ステップS101 Yes)、ステップS104に進む。DET2よりも低いと判断された場合(ステップS101 No)、ステップS102に進む。
【0030】
(ステップS102)充電制御部103は、電圧検出部102から入力された電圧情報が示す電圧Vが、DET1と等しい、もしくはDET1よりも低いかを判断する。DET1と等しい、もしくはDET1よりも低いと判断された場合(ステップS102 Yes)、ステップS104に進む。DET1よりも高いと判断された場合(ステップS102 No)、ステップS103に進む。
【0031】
(ステップS103)充電制御部103は、充電禁止を表す充電制御信号を生成し、生成した充電制御信号をスイッチ107に出力する。その後、処理を終了する。
(ステップS104)充電制御部103は、充電許可を表す充電制御信号を生成し、生成した充電制御信号をスイッチ107に出力する。その後、処理を終了する。
【0032】
このように、充電制御部103は、2次電源101の電圧がDET1からDET2の範囲内か否かにより、充電禁止又は充電許可を判断する。この判断に基づいて、1次電源105が2次電源101を取付ける固定部に組み込まれた電源に充電するか否かが制御される。これにより、固定部に2次電源101として誤って1次電池が組み込まれても組み込まれた1次電池に充電されなくなる。従って、本実施形態によれば、2次電源101として組み込まれた電池の故障が回避される。
【0033】
(第2の実施形態)
次に本発明の第2の実施形態について説明する。
本実施形態に係る電子時計2は、充電制御部103が2次電源101を取付ける固定部に組み込まれた電源への充電を停止するように判断してから予め定めた期間経過した後、電圧検出部102が検出した電圧Vが予め定めた第1の電圧よりも高い場合、時刻を表示する態様を変更することを特徴とする。
電子時計2の構成は、電子時計1と同様である。但し、充電制御部103及び時計制御部104が行う処理が、電子時計1とは異なる。
【0034】
図5は、本実施形態に係る充電制御部103及び時計制御部104が行う充電制御処理を表すフローチャートである。
本実施形態では、充電制御部103が充電を停止するように判断してから予め定めた期間T経過した後、電圧検出部102が検出した電圧Vが電圧DET1よりも高い場合、時刻を表示する形態を変更するように判断する。
【0035】
図5に示す充電制御処理は、上述のステップS101−S104を備える点で
図4に示す充電制御処理と共通する。但し、ステップS103の後で、ステップS205−S207を実行する点が、
図4に示す充電制御処理と異なる。
(ステップS205)充電制御部103は、充電禁止を表す充電制御信号を生成した後の経過時間が、予め定めた所定期間T(例えば、2週間)を超えるか否か判断する。この判断を行うために、充電制御部103は、充電制御信号を生成した時点からのモータ駆動制御回路1043が生成した駆動パルス生成信号のピーク数をカウントする。そして、充電制御部103は、カウントしたピーク数が、所定期間Tに対応するピーク数を超えるか否か判断する。経過時間が所定期間Tを超えると判断された場合(ステップS205 Yes)、ステップS206に進む。経過時間が所定期間Tを超えないと判断された場合(ステップS205 No)、ステップS101に進む。
【0036】
(ステップS206)充電制御部103は、電圧検出部102から入力された電圧情報が示す電圧Vが、DET1と等しい、もしくはDET1よりも低いかを判断する。DET1と等しい、もしくはDET1よりも低いと判断された場合(ステップS206 Yes)、ステップS104に進む。DET1よりも高いと判断された場合(ステップS206 No)、ステップS207に進む。
【0037】
(ステップS207)充電制御部103は、変則動作を表す時計制御信号を生成し、生成した時計制御信号を時計制御部104に出力する。変則動作とは、通常の態様とは異なる時刻の表示態様である。これにより、表示部111は、変則動作を行う。表示部111は、例えば、2秒毎に12°秒針を動作させる。これに対して、通常の動作態様では、表示部111は、1秒毎に6°秒針を動作させる。その後、処理を終了する。
【0038】
これにより、本実施形態に係る電子時計2は、2次電源101として組み込まれた電池を取付ける固定部に対して、一度充電を停止した後であっても、所定期間経過後に電圧VがDET1より低いか否かを判断することによって、充電を行うか否かを判断できる。例えば、2次電源101として組み込まれた電池を取付ける固定部に対して充電を行わないと一旦判断された後であっても、2次電源として充電を行う機会が確保される。また、再度充電を行わないと判断された場合には、本実施形態では、時刻の表示形態を変化する。その場合には、本実施形態によれば、利用者に対して組み込まれた電池を交換することを促すことができる。
【0039】
なお、本実施形態では、上述のステップS205において、充電制御部103が、充電制御信号を生成した後の経過時間を計測している間、計測していない場合よりも電力の消費量を増加させるようにしてもよい。電力の消費量を増加させるために、例えば、モータ駆動制御回路1043は、表示部111による時刻表示形態が変化しないように駆動パルス生成信号のパルス幅を通常動作時よりも広くする。これにより、充電制御部103が、電圧検出部102から入力された電圧情報が示す電圧が、DET1と等しい、もしくはDET1よりも低いか否かを判断するまでの経過時間Tを短縮することができる。そのため、2次電源101を取付ける固定部に組み込まれた電源に対して再度充電を行うか否かを判断するまでの時間を短縮することで、変則動作を行うまでの時間を短縮できる。これにより、例えば、利用者に対して、より迅速に電源を交換することを促すことができる。
【0040】
(第3の実施形態)
次に本発明の第3の実施形態について説明する。
本実施形態に係る電子時計3は、検出した電圧に基づいて2次電源101が過充電状態か否かを判断し、過充電状態であると判断した場合に2次電源101を取付ける固定部に組み込まれた電源への充電を許可することを特徴とする
本実施形態に係る電子時計3の構成は、電子時計1、2と同様である。但し、充電制御部103が行う処理が異なる。
【0041】
図6は、本実施形態に係る充電制御部103が行う充電制御処理を表すフローチャートである。
図6に示す充電制御処理は、上述のステップS101−S104を備える点で
図4に示す充電制御処理と共通する。但し、
図6に示す充電制御処理は、ステップS101を実行する前にステップS308を実行する点が、
図4に示す充電制御処理と異なる。
【0042】
(ステップS308)充電制御部103は、電圧検出部102から入力された電圧情報に基づいて2次電源101として組み込まれた電池が過充電状態か否かを判断する。例えば、充電制御部103は、入力された電圧情報が示す電圧VがDET3よりも高いか否かを判断する。過充電状態であると判断された場合(ステップS308 Yes)、ステップS104に進む。過充電状態ではないと判断された場合(ステップS308 No)、ステップS101に進む。
【0043】
これにより、本実施形態に係る電子時計3は、検出された電圧Vに基づいて2次電源101が過充電状態か否かを判断する。過充電状態であると判断した場合、電子時計3は、2次電源101を取付ける固定部に組み込まれた電源へ充電を許可する。従って、本実施形態では、過充電状態を検出することによって2次電源101として組み込まれた電池を取付ける固定部に対して充電を許可し、例えば、2次電池として充電を行う機会を確保することができる。
【0044】
(第4の実施形態)
次に本発明の第4の実施形態について説明する。
本実施形態では、充電制御部103において、2次電源101として組み込まれた電池を取付ける固定部への充電を許可すると判断された場合、充電を許可することを示す充電許否データを自部が備える記憶部に記憶することを特徴とする。充電制御部103は、上述のように電圧検出部102から入力された電圧情報が示す電圧が、DET1よりも低いときに充電許可の判断を行う。充電制御部103が備える記憶部は、記憶したデータを電気的に消去及び変更が可能な記憶媒体、例えば、EEPROM(Electrically Erasable Programmabale Read−Only Memory)である。また、当該記憶部は、一時的に情報を保持することができる電子回路、例えばラッチ回路であってもよい。
充電許否データは、充電許可又は充電停止を示すデータ、例えば充電許可フラグである。充電許可フラグは、その値によって充電許可又は充電停止を示す。例えば、値が1である充電許可フラグ(充電許可データ)は、充電を許可することを示し、値が0である充電許可フラグ(充電停止データ)は、充電を停止することを示す。充電許可フラグの初期値は、例えば0である。記憶部には、初期値をとる充電許可フラグを予め記憶させておいてもよい。
【0045】
充電を許可すると判断した後は、2次電源101として組み込まれた電池が交換されたことを検知されるまで、充電制御部103は、2次電源101を取付ける固定部に組み込まれた電源に充電を許可するか否か、即ち充電を停止するか否かの判断を停止してもよい。ここで、充電制御部103は、電圧検出部102から入力された電圧情報が示す電圧Vに基づいて電池が交換された否かを判断してもよい。例えば、充電制御部103は、この電圧Vが予め定めた電源検出値DET4よりも低くなった後、再度DET4よりも高くなった場合に電池が交換されたと判断する。DET4は、例えば、DET1よりも低く、0Vよりも高い予め定めた電圧値、例えば、0.5Vである。電池が交換されたことを検知した場合には、充電制御部103は、充電許可フラグの値を初期値に変更(再設定)する。その後、充電制御部103は、上述のように交換された電池を取付ける固定部に組み込まれた電源に充電を許可するか否かの判断を行う。
【0046】
次に、本実施形態に係る充電制御処理について説明する。
図7は、本実施形態に係る充電制御部103が行う充電制御処理を表すフローチャートである。
図7に示す充電制御処理は、上述のステップS101−S104を有する点で
図4に示す充電制御処理と共通するが、ステップS101を行う前にステップS401を行い、ステップS104を行った後で、S402を行う。また、
図7に示す充電制御処理を行う前に、充電制御部103の記憶部には、充電許可フラグの初期値を記憶(設定)させておく。
【0047】
(ステップS401)充電制御部103は、充電許可フラグの値が1であるか否かを判断する。充電許可フラグの値が1であると判断された場合には(ステップS401 Yes)、処理を終了する。充電許可フラグの値が0であると判断された場合には(ステップS401 No)、ステップS101に進む。
(ステップS402)充電制御部103は、充電許可フラグの値を1に変更する。その後、処理を終了する。
【0048】
上述では、主に電子時計1との差異点について説明したが、本実施形態では、電子時計2、3において上述の構成を実現してもよい。例えば、
図5の充電制御処理においてステップS101の前に
図7のステップS401を行い、
図5のステップS104の後で
図7のステップS402を行ってもよい。また、
図6の充電制御処理においてステップS308の前に
図6のステップS401を行い、
図6のステップS104の後で
図7のステップS402を行ってもよい。
【0049】
また、本実施形態では、充電許可フラグの初期値を1とし、ステップS401において、充電制御部103は、充電許可フラグの値が0であるか否かを判断してもよい。充電許可フラグの値が0であると判断された場合、処理を終了する。充電許可フラグの値が1であると判断された場合には、ステップS101に進む。また、ステップS104の後でステップS402を行う代わりに、充電制御部103は、ステップS103の後で充電許可フラグの値を0に変更する。
【0050】
以上、説明したように、本実施形態では、電圧検出部102が検出した電圧がDET1よりも低いとき、2次電源101を取付ける固定部に組み込まれた電源への充電を停止するか否かの判断を停止する。
図4−6に示す充電制御処理のように判断を停止しない場合、特に当該処理を頻繁(例えば、約1秒に1回)に行う場合、と比較して電力消費を節減することができる。
【0051】
(第5の実施形態)
次に本発明の第5の実施形態について説明する。
本実施形態に係る電子時計5の構成は、電子時計2と同様である。但し、充電制御部103は、さらに次の構成を備える。
【0052】
本実施形態では、充電制御部103において2次電源101を取付ける固定部に組み込まれた電源への充電を停止するように判断してから予め定めた経過時間Tが経過するまでの間、電子時計5を予め定められた基準電力よりも大きい消費電力で動作させる点に特徴がある。上述のように、充電制御部103は、電圧検出部102から入力された電圧情報が示す電圧VがDET1からDET2の範囲内である場合、2次電源101を取付ける固定部に組み込まれた電源への充電を停止すると判断する。
充電制御部103は、充電を停止すると判断し充電制御信号を生成した後の経過時間Tが経過するまでの間、予め定めた基準電力よりも電子時計5の電力の消費量を増加させる。充電制御部103は、基準電力よりも大きい消費電力で動作させる際、例えば、消費電力増加信号を生成し、生成した消費電力増加信号をモータ駆動制御回路1043に出力する。消費電力増加信号は、消費電力を増加させることを示す信号である。
充電制御部103は、充電禁止を表す充電制御信号を生成した後の経過時間が、予め定めた経過時間Tを超えたと判断したとき、時計制御部104の消費電力を基準電力に戻す(復元)。充電制御部103は、消費電力を復元する際、例えば、消費電力復元信号を生成し、生成した消費電力復元信号をモータ駆動制御回路1043に出力する。消費電力復元信号は、消費電力を復元することを示す信号である。
【0053】
電力の消費量を増加させるために、例えば、モータ駆動制御回路1043は、充電制御部103から消費電力増加信号が入力された場合、駆動パルス生成信号のパルス幅を通常動作時における予め定めた基準値よりも広くする。パルス幅は、駆動パルス生成信号を構成する1つの周期において電圧の値が高電圧値(H)をとる時間である。高電圧値は、駆動パルス生成信号がとりうる2通りの電圧の値のうち高いほうの電圧値である。
駆動パルス発生回路1044は、モータ駆動制御回路1043から入力された駆動パルス生成信号と同相の駆動パルスを生成するため、生成した駆動パルスの1個当りのエネルギー(電力)はパルス幅に比例して増加する。この駆動パルスの電力は、電子時計5の主な構成である時計制御部104の消費電力の大部分を占める。従って、駆動パルス生成信号のパルス幅を広くすることによって時計制御部104の消費電力を増加させることができる。
モータ駆動制御回路1043は、充電制御部103から消費電力復元信号が入力された場合、駆動パルス生成信号のパルス幅を通常動作時における基準値に狭める。このため、駆動パルス発生回路1044が生成する駆動パルスの電力は、通常動作時における電力に減少する。従って、駆動パルスを発生させる時間間隔を変更せずに、駆動パルス生成信号のパルス幅を伸縮することで、時刻の表示形態、例えば、計測される時刻が変化しないように消費電力の量を増加又は減少させることができる。
【0054】
これにより、充電制御部103が、上述の経過時間Tが経過するまでの間、時計制御部104の消費電力が基準電力よりも増加するため、2次電源101の電圧Vがより早く減少する。つまり、2次電源101の電圧がDET1まで低下するまでの時間が短くなるため、消費電力を基準電力よりも多くする期間である経過時間Tを短縮することができる。例えば、経過時間Tは、基準電力に対して増加した消費電力に反比例するように定めておいてもよい。具体的には、消費電力を基準電力のまま維持する場合での経過時間Tが2週間であるとき、消費電力を基準電力の2倍に増加させる場合の経過時間Tを1週間と定めてもよい。
【0055】
次に、本実施形態に係る充電制御処理について説明する。
図8は、本実施形態に係る充電制御部103が行う充電制御処理を表すフローチャートである。
図8に示す充電制御処理は、上述のステップS101−S104、S205−S207を有する点で
図4に示す充電制御処理と共通するが、ステップS103を行った後にステップS501を行い、ステップS205において、経過時間Tが経過したと判定された後で、ステップS502を行う。
【0056】
(ステップS501)充電制御部103は、消費電力増加信号を生成し、生成した消費電力増加信号を、例えばモータ駆動制御回路1043に出力する。モータ駆動制御回路1043には、充電制御部103から消費電力増加信号が入力され、生成する駆動パルス生成信号のパルス幅を基準値よりも長くする。その後、ステップS205に進む。
(ステップS502)充電制御部103は、消費電力を復元する際、例えば消費電力復元信号を生成し、生成した消費電力復元信号をモータ駆動制御回路1043に出力する。モータ駆動制御回路1043には、充電制御部103から消費電力復元信号が入力され、生成する駆動パルス生成信号のパルス幅を基準値に短くする。その後、ステップS206に進む。
【0057】
上述では、主に電子時計2との差異点について説明したが、本実施形態では、電子時計4において上述の構成を実現してもよい。例えば、
図8の充電制御処理においてステップS101の前に
図7のステップS401を行い、
図8のステップS104の後で
図7のステップS402を行ってもよい。さらに、充電制御部103は、電圧検出部102から入力された電圧情報が示す電圧Vに基づいて、固定部において電池が交換された否かを判断してもよい。電池が交換されたと判断した場合、充電制御部103は、充電許可フラグの値を初期値に変更する。
これによって、2次電源101として固定部に電池が組み込まれてから取り外されるまでの間、上述の消費電力を増加させる回数が1回のみに限定されるため、消費電力の浪費が回避される。
【0058】
また、上述では消費電力を変更する構成として、駆動パルスのパルス幅を伸縮させる場合を例にとって説明したが、本実施形態ではこれには限られない。例えば、時計制御部104は、2次電源101に対して上述した構成と並列に抵抗素子と開閉部を備え、抵抗素子と開閉部(図示せず)を直列に配置してもよい。開閉部は、充電制御部103から消費電力増加信号が供給されたとき閉状態に制御され、抵抗素子には2次電源101からの電力が供給される。他方、充電制御部103から消費電力復元信号が供給されたとき開状態に制御され、抵抗素子への2次電源101からの電力の供給が停止する。従って、抵抗素子への電力の供給の有無によって、消費電力の増加又は復元を制御することができる。
【0059】
以上、説明したように、本実施形態に係る電子時計5は、2次電源101を取付ける固定部に組み込まれた電源への充電を停止するように判断してから予め定めた経過時間Tが経過するまでの間、予め定めた基準電力よりも大きい消費電力で動作する。そのため、本実施形態では、より短い経過時間Tが許容されるため2次電源101を取付ける固定部に組み込まれた電源に充電を許可するか否か、もしくは停止するか否かの判断に至るまでの時間を短縮することができる。
【0060】
なお、上述では、電子時計1〜5のいずれもアナログ時計である場合を例にとって説明したが、本実施形態に係る電子時計1〜5のいずれかは、計測した時刻情報を数字で表示するディジタル時計であってもよい。電子時計1〜5のいずれかがディジタル時計である場合には、時計制御部104が時刻情報を計測し、計測した時刻情報を表す数字を表示部111が表示する。
【0061】
なお、上述した実施形態における電子時計1〜5のいずれかの一部、例えば、充電制御部103をコンピュータで実現するようにしても良い。その場合、この制御機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、電子時計1〜5のいずれかに内蔵されたコンピュータシステムであって、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでも良い。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
また、上述した実施形態における電子時計1〜5のいずれかの一部、または全部を、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路として実現しても良い。電子時計1〜5のいずれかの一部の各機能ブロックは個別にプロセッサ化してもよいし、一部、または全部を集積してプロセッサ化しても良い。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、または汎用プロセッサで実現しても良い。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いても良い。
【0062】
以上、図面を参照してこの発明の一実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。