(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6076743
(24)【登録日】2017年1月20日
(45)【発行日】2017年2月8日
(54)【発明の名称】無線通信システムにおける不連続受信の制御方法及び装置
(51)【国際特許分類】
H04W 52/02 20090101AFI20170130BHJP
【FI】
H04W52/02 110
【請求項の数】19
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2012-553814(P2012-553814)
(86)(22)【出願日】2011年2月16日
(65)【公表番号】特表2013-520129(P2013-520129A)
(43)【公表日】2013年5月30日
(86)【国際出願番号】KR2011001038
(87)【国際公開番号】WO2011102644
(87)【国際公開日】20110825
【審査請求日】2012年8月15日
【審判番号】不服2015-5678(P2015-5678/J1)
【審判請求日】2015年3月25日
(31)【優先権主張番号】10-2010-0041609
(32)【優先日】2010年5月3日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2010-0013946
(32)【優先日】2010年2月16日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】503447036
【氏名又は名称】サムスン エレクトロニクス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100154922
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 允辰
(74)【代理人】
【識別番号】100140534
【弁理士】
【氏名又は名称】木内 敬二
(72)【発明者】
【氏名】サン−ミン・オウ
(72)【発明者】
【氏名】ソン−フン・キム
(72)【発明者】
【氏名】スン−オ・クウォン
(72)【発明者】
【氏名】スン−ヒュン・ミン
【合議体】
【審判長】
大塚 良平
【審判官】
林 毅
【審判官】
中野 浩昌
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2009/154414(WO,A2)
【文献】
国際公開第2010/126154(WO,A1)
【文献】
LTE;Evolved Universal Terrestrial Radio Access(E−UTRA);Medium Access Control(MAC) protocol specification(3GPP TS 36.321 version9.0.0 Release9),ETSI TS 136 321 V9.0.0(2009−10),2009年10月,p.27−29
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 52/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信システムにおける端末(UE)によって不連続受信(DRX)を制御する方法であって、
進化した基地局(eNB)からDRX構成情報を受信するステップと、
サブフレーム内でDRX周期が短DRX周期から長DRX周期に変更されるか又は長DRX周期から短DRX周期に変更されるか否かを判定するステップと、
前記DRX周期が変更された後、前記変更されたDRX周期と前記DRX構成情報とに基づいて前記サブフレーム内でオン区間タイマを開始するか否かを判定するステップと、を有する
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記オン区間タイマは、各DRX周期で前記UEが制御チャンネルをモニタリングする時間を指示する
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
DRX非活性タイマと短DRXタイマ両方ともが前記サブフレームで満了する場合、前記サブフレーム内で前記DRX周期が変更されない
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記DRX非活性タイマと短DRXタイマとが共に前記サブフレームで満了する場合、前記DRX非活性タイマが前記短DRXタイマが満了する前に満了すると見なされる
ことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記DRX構成情報は、前記オン区間タイマ‘onDurationTimer’の満了時間、DRX非活性タイマ‘drx-InactivityTimer’の満了時間、前記長DRX周期‘longDRX-Cycle’、DRX開始オフセット‘drxStartOffset’、短DRXタイマ‘drxShortCycleTimer’の満了時間、前記短DRX周期‘shortDRX-Cycle’のうち少なくとも一つの情報を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記オン区間タイマを開始するか否かを判定するステップは、
前記短DRX周期‘shortDRX-Cycle’が使用され、[(システムフレーム番号(SFN)*10)+サブフレーム番号]を前記短DRX周期‘shortDRX-Cycle’で割って獲得した余りが、DRX開始オフセット‘drxStartOffset’を前記短DRX周期‘shortDRX-Cycle’で割って獲得した余りと同一である場合、前記オン区間タイマ‘onDurationTimer’を開始するステップをさらに有する
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記オン区間タイマを開始するか否かを判定するステップは、
前記長DRX周期‘longDRX-Cycle’が使用され、[(SFN*10)+サブフレーム番号]を前記長DRX周期‘longDRX-Cycle’で割って獲得した余りが、DRX開始オフセット‘drxStartOffset’と同一である場合、前記オン区間タイマ‘onDurationTimer’を開始するステップをさらに有する
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記サブフレームで前記短DRX周期の満了によって前記短DRX周期タイマを再開始するステップをさらに有する
ことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項9】
前記オン区間タイマを開始するか否かを判定するステップは、
現在サブフレームで前記DRX周期が所定回数だけ変更された後に前記オン区間タイマを開始するか否かを判定するステップを有する
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記オン区間タイマを開始するか否かを判定するステップは、
前記サブフレーム内で、前記DRX周期の全ての変更が完了した後に前記オン区間タイマを開始するか否かを判定するステップを有する
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記短DRX周期が現在サブフレームの次のサブフレームで満了して再開始するように予定された場合、現在DRX周期を維持するステップをさらに有する
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項12】
無線通信システムにおける不連続受信(DRX)を制御する端末(UE)であって、
進化した基地局(eNB)からDRX構成情報を受信する受信器と、
サブフレーム内でDRX周期が短DRX周期から長DRX周期に変更されるか又は長DRX周期から短DRX周期に変更されるかを判定し、前記DRX周期が変更された後、前記変更されたDRX周期と前記DRX構成情報とに基づいて前記サブフレーム内でオン区間タイマを開始するか否かを判定する制御器と、を含む
ことを特徴とする端末。
【請求項13】
前記オン区間タイマは、各DRX周期で前記UEが制御チャンネルをモニタリングする時間を指示する
ことを特徴とする請求項12に記載の端末。
【請求項14】
前記制御器は、DRX非活性タイマと短DRXタイマ両方ともが前記サブフレームで満了する場合、前記サブフレーム内で前記DRX周期を変更しない
ことを特徴とする請求項12に記載の端末。
【請求項15】
前記DRX非活性タイマと短DRXタイマとが共に前記サブフレームで満了する場合、前記制御器は、前記DRX非活性タイマが前記短DRXタイマが満了する前に満了すると見なす
ことを特徴とする請求項14に記載の端末。
【請求項16】
前記DRX構成情報は、前記オン区間タイマ‘onDurationTimer’の満了時間、DRX非活性タイマ‘drx-InactivityTimer’の満了時間、前記長DRX周期‘longDRX-Cycle’、DRX開始オフセット‘drxStartOffset’、短DRXタイマ‘drxShortCycleTimer’の満了時間、前記短DRX周期‘shortDRX-Cycle’のうち少なくとも一つの情報を含む
ことを特徴とする請求項12に記載の端末。
【請求項17】
前記制御器は、前記短DRX周期‘shortDRX-Cycle’が使用され、[(システムフレーム番号(SFN)*10)+サブフレーム番号]を前記短DRX周期‘shortDRX-Cycle’で割って獲得した余りが、DRX開始オフセット‘drxStartOffset’を前記短DRX周期‘shortDRX-Cycle’で割って獲得した余りと同一である場合、前記オン区間タイマ‘onDurationTimer’を開始することに決定する
ことを特徴とする請求項12に記載の端末。
【請求項18】
前記制御器は、前記長DRX周期‘longDRX-Cycle’が使用され、[(SFN*10)+サブフレーム番号]を前記長DRX周期‘longDRX-Cycle’で割って獲得した余りが、DRX開始オフセット‘drxStartOffset’と同一である場合、前記オン区間タイマ‘onDurationTimer’を開始することに決定する
ことを特徴とする請求項12に記載の端末。
【請求項19】
前記制御器は、前記サブフレームで前記短DRX周期の満了によって前記短DRX周期タイマを再開始するようにさらに制御する
ことを特徴とする請求項15に記載の端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は無線通信システムにおける不連続受信(Discontinuous Reception:DRX)制御方法及び装置に関するもので、特に基地局(BS)として知られているeNB(evolved Node B)と移動局(MS)として知られている端末(UE)間の伝送不一致(mismatch)によるシステム性能低下を防止できるDRX制御方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信システムは、ユーザーの移動性を確保しつつ通信サービスを提供するために開発された。通信技術の急速な発展によって、無線通信システムは、音声通信だけでなく、高速のデータ通信サービスを提供することができる。最近、次世代無線通信システムの一つであるLTE(Long Term Evolution)システムに対する標準化が3GPP(3rd Generation Partnership Project)で進行中である。LTEシステムは、2010年に商用化を目標とし、最大300Mbpsの伝送速度を有する高速パケットベースの通信を実現する。
【0003】
3GPP LTEシステムでは、UEの消費電力減少のためにサポートする技術の一つとしてDRX動作を利用する。LTEシステムにおいて、DRX動作は、UEの電力消耗を低減するために、端末が所定周期でウェイクアップ(wake up)して基地局から伝送されるシステム情報又はページングメッセージを受信し、残りの時間には受信動作を中止する動作を意味する。DRX動作は、3GPP RAN2(Radio Access Network 2)規格のTS36.321に記述されており、特定タイマが満了すると、DRX周期は変更されることになっている。
【0004】
3GPP LTEシステムにおけるDRX動作は、TS36.321のセクション5.7に具体的に記述されている。3GPPにおいて、UEの状態は、UEとeNBとの間の接続に従ってアイドル状態(idle state)と接続状態に区別される。アイドル状態は接続が解除された状態であり、接続状態は接続が確立された状態である。DRX動作がRRC(Radio Resource Control)接続(RRC_CONNECTED)状態で設定される場合、UEは、伝送電力を減少するために、eNBから伝送される制御チャンネルであるPDCCH(Physical Downlink Control Channel)を不連続的にモニタリングする。制御チャンネルの不連続的モニターは、所定の周期に基づいて実行される。この周期は、DRX周期と呼ばれる。DRX周期は、DRX動作に従って変更され得る。
【0005】
図1は、従来技術よるLTEシスムにおけるDRX動作を示す。
【0006】
図1を参照すると、DRX周期101は、UEがウェイクアップして制御チャンネル又はPDCCHをモニタリングするオン区間(on-duration)103と、UEがモニタリング動作を中止できるDRX機会区間105を含む。UEは、DRX周期101によってモニタリング動作の遂行/中止を周期的に反復する。DRX周期101は、UEがウェイクアップして、例えば制御チャンネルであるPDCCHをモニタリングするオン区間103が反復される周期を意味する。LTEシステムにおいて、UEは、オン区間103でeNBにより伝送される制御チャンネル又はPDCCHを受信することができ、DRX機会区間105でPDCCHをモニタリングしないスリープ(sleep)状態で動作できる。
【0007】
しかしながら、現在3GPP標準に記述されているDRX動作について、特定方法は、DRX周期が変更されるサブフレームで具体的にUEが動作すべきである方法を規定していない。LTEシステムで定義された方法がないため、適用されるDRX周期は、オン区間103の時間を計数するオン区間タイマ‘onDurationTimer’を開始するか否かの判定時点に従って変わることができる。
【0008】
また、現在3GPP TS36.321規格に記述されるDRX動作は、DRX周期が一回以上変更される可能性を考慮せずに、オン区間タイマ‘onDurationTimer’を開始するか否かを判定するように定義している。これは、eNBとUEとの間のDRX動作に不一致はもちろん、DRX周期の変更によるオン区間タイマ‘onDurationTimer’の誤動作をもたらし、それによってeNBとUEとの間の伝送不一致によるシステム性能を低下させるという問題点があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、本発明は、上記した従来技術の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、無線通信システムにおけるDRX周期の変更を考慮するDRX制御方法及び装置を提供することにある。
【0010】
また、本発明の他の目的は、無線通信システムにおけるDRX周期の変更を考慮してDRX動作関連タイマを制御する方法及び装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記のような目的を達成するために、本発明の一態様によれば、無線通信システムにおける端末(UE)によって不連続受信(DRX)を制御する方法が提供される。その方法は、進化した基地局(eNB)からDRX構成パラメータを受信するステップと、DRX周期の変更がサブフレームで完了した後、DRX構成パラメータに基づいてオン区間タイマを開始するか否かを判定するステップとを有する。
【0012】
本発明の他の態様によれば、無線通信システムにおけるDRXを制御するUEが提供される。UEは、eNBからDRX構成パラメータを受信する受信器と、DRX周期の変更がサブフレームで完了した後、DRX構成パラメータに基づいてオン区間タイマを開始するか否かを判定する制御器とを含む。
【0013】
本発明の他の様態によれば、無線通信システムにおけるDRXを制御する方法が提供される。この方法は、DRX構成パラメータを獲得するステップと、DRX構成パラメータに基づいてオン区間タイマを開始するか否かを判定するステップとを有する。
【0014】
本発明の他の様態、長所、及び顕著な特徴は、添付された図面との結合を考慮すれば、後述する詳細な説明を参照してより容易に理解できることは、当該技術分野における通常の知識を持つ者には明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】関連した技術によるLTEシステムにおけるDRX動作を示す図である。
【
図2】本発明の一実施形態によるDRX動作を遂行するUEとeNBのC−Planeプロトコルスタックを示す図である。
【
図3】本発明の例示的実施形態によるDRX動作の制御方法を示す図である。
【
図4】本発明の例示的実施形態によるDRX動作の制御方法を示す図である。
【
図5】本発明の例示的実施形態によるDRX動作の制御方法を示す図である。
【
図6】本発明の例示的実施形態によるDRX動作の制御方法を示す図である。
【
図7】本発明の例示的実施形態によるDRX動作の制御方法を示す図である。
【
図8】本発明の例示的実施形態によるDRX動作の制御方法を示す図である。
【
図9】本発明の例示的実施形態によるDRX動作を制御する装置を示すブロック構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の望ましい実施形態を添付の図面を参照して詳細に説明する。
【0017】
添付の図面を参照した下記の説明は、特許請求の範囲の記載及びこれと均等なものの範囲内で定められるような本発明の実施形態の包括的な理解を助けるために提供するものであり、この理解を助けるための様々な特定の詳細を含むが、単なる一つの実施形態に過ぎない。従って、本発明の範囲及び趣旨を逸脱することなく、ここに説明する実施形態の様々な変更及び修正が可能であるということは、当該技術分野における通常の知識を有する者には明らかである。また、明瞭性と簡潔性の観点から、当業者に良く知られている機能や構成に関する具体的な説明は、省略する。
【0018】
次の説明及び請求項に使用する用語及び単語は、辞典的意味に限定されるものではなく、発明者により本発明の理解を明確且つ一貫性があるようにするために使用する。従って、特許請求の範囲とこれと均等なものに基づいて定義されるものであり、本発明の実施形態の説明が単に実例を提供するためのものであって、本発明の目的を限定するものでないことは、本発明の技術分野における通常の知識を持つ者には明らかである。
【0019】
英文明細書に記載の“a”、“an”、及び“the”、すなわち単数形は、コンテキスト中に特記で明示されない限り、複数形を含むことは、当業者にはわかることである。したがって、例えば、“コンポーネント表面(a component surface)”との記載は一つ又は複数の表面を含む。
【0020】
以下に説明される本発明の例示的実施形態では、不連続受信(DRX)周期の変化を考慮してDRX動作関連タイマの動作を制御する多様な方案を提案する。本発明の実施形態は、一例としてLTE(Long Term Evolution)システムに関して説明されるが、本発明の例示的実施形態は、DRX動作をサポートする各種無線通信システムに適用され得る。また、本発明の例示的実施形態は、例えばUEの動作について説明されるが、本発明は、eNB動作に適用することができる。
【0021】
図2は、本発明の一実施形態によるDRX動作を遂行するUEとeNBのC−Plane(Control Plane)プロトコルスタックを示す。
【0022】
図2を参照すると、UE200とeNB300で、各々RRC階層210,310、MAC階層230,330、及び物理(PHY)階層250,350は、本発明のDRX動作に関与する。DRX動作は、eNB300からUE200へのダウンリンク(DL)伝送で遂行され、後述されるDL伝送におけるDRX動作は、アップリンク(UL)伝送にも適用することができる。
【0023】
eNB300のRRC階層310は、UE200に伝送されるDRX構成パラメータの値を決定し、決定されたパラメータ値をMAC階層330に伝送する。DRX構成パラメータは、オン区間タイマ‘onDurationTimer’とDRX非活性タイマ‘drx-InactivityTimer’の満了時間(expire time)を含むことができる。このオン区間タイマ‘onDurationTimer’とDRX非活性タイマ‘drx-InactivityTimer’は、UE200が制御チャンネルのモニタリングを終了してスリープ状態に入ることができる場合に上記時間を計数する。オン区間タイマ‘onDurationTimer’は、UE200がDRX周期ごとに連続して制御チャンネルをモニタリングする時間を示すタイマである。DRX非活性タイマ‘drx-InactivityTimer’は、eNB300で新たなパケットの送信又は受信がある場合、この送信又は受信以後にUE200が連続してウェイクアップされている所定時間を示すタイマである。
【0024】
また、DRX構成パラメータは、長DRX周期‘longDRX-Cycle’、DRX開始オフセット‘drxStartOffset’、短DRX周期タイマ‘drxShortCycleTimer’の満了時間、及び短DRX周期‘shortDRX-Cycle’を示すパラメータのうち少なくとも一つを含むことができる。UE200は、eNB300から受信した長DRX周期‘longDRX-Cycle’を基本DRX周期として決定し、オン区間タイマ‘onDurationTimer’の適用時点を判断する。しかしながら、短DRX周期‘shortDRX-Cycle’を使用可能として設定される場合、UE200は、DRX非活性タイマ’drx-InactivityTimer’が満了する時点から短DRX周期‘shortDRX-Cycle’を適用してオン区間タイマ‘onDurationTimer’の適用時点を判断できる。この短DRX周期‘shortDRX-Cycle’は、短DRX周期タイマ‘drxShortCycleTimer’が満了するまで適用される。DRX開始オフセット‘drxStartOffset’は、オン区間タイマ’onDurationTimer’の開始時間のオフセットを意味する。
【0025】
DRX周期は、データ送受信の頻度に従って異なるように設定できる。例えば、UE200がウェブブラウジング時にウェブページをダウンロードする場合、UE200は、頻繁なデータ送受信のため短DRX周期を使用してよく、特定規則に従って短DRX周期‘shortDRX-Cycle’を使用できる。一方、ユーザーがウェブページを読み取る場合、UE200は、まれなデータ送受信のため長DRX周期を使用してよく、特定規則に従って長DRX周期‘longDRX-Cycle’を使用できる。
【0026】
eNB300のMAC階層330は、伝送チャンネルを用いてDRX構成パラメータをPHY階層350に送信する。物理階層350は、物理チャンネル201を介してDRX構成パラメータをUE200のPHY階層250に伝送する。UE200のRRC階層210は、PHY階層250から受信したDRX構成パラメータを分析してMAC階層230に伝送し、それによってDRX周期の変更を考慮した本発明の実施形態によるDRX動作がUE200とeNB300で各々遂行される。DRX関連パラメータの設定は、UE200とeNB300のRRC階層210,310で遂行される。設定されたDRX関連パラメータを用いるDRX動作全体の制御は、UE200とeNB300のMAC階層230,330で遂行される。以下、本発明の実施形態によるDRX動作制御方法について具体的に説明する。
【0027】
MAC階層230は、eNB300から受信したDRX構成パラメータを用いてDRX動作を制御する。これらパラメータは、オン区間タイマ’onDurationTimer’とDRX非活性タイマ‘drx-InactivityTimer’の満了時間、長DRX周期‘longDRX-Cycle’、DRX開始オフセット‘drxStartOffset’、短DRX周期タイマ‘drxShortCycleTimer’の満了時間、及び短DRX周期‘shortDRX-Cycle’のうち少なくとも一つを含む。オン区間タイマ‘onDurationTimer’とDRX非活性タイマ‘drx-InactivityTimer’が動作する間に、UE200は、PDCCHをモニタリングし、DRX動作を使用するように設定する場合、UE200は、各サブフレームで次のような動作のうち一つを遂行する。
【0028】
-短DRX周期‘shortDRX-Cycle’が使用され、[(SFN*10)+サブフレーム番号]を短DRX周期‘shortDRX-Cycle’で割って獲得された余りが、DRX開始オフセット‘drxStartOffset’を短DRX周期‘shortDRX-Cycle’で割って獲得した余りと同一である場合、UE200は、オン区間タイマ‘onDurationTimer’を開始する。
【0029】
-長DRX周期‘longDRX-Cycle’が使用され、[(SFN*10)+サブフレーム番号]を長DRX周期‘longDRX-Cycle’で割って獲得した余りが、DRX開始オフセット‘drxStartOffset’と同一である場合、UE200は、オン区間タイマ‘onDurationTimer’を開始する。
【0030】
-このサブフレームでDRX非活性タイマ‘drx-InactivityTimer’が満了し、あるいはDRX周期の変更を示すDRXコマンドMAC制御要素がeNB300から受信され、短DRX周期‘shortDRX-Cycle’が設定される場合、UE200は、短DRX周期タイマ’drxShortCycleTimer’を開始して短DRX周期‘shortDRX-Cycle’を設定及び使用する。
【0031】
-このサブフレームでDRX非活性タイマ‘drx-InactivityTimer’が満了し、あるいはDRX周期の変更を示すDRXコマンドMAC制御要素がeNB300から受信され、短DRX周期‘shortDRX-Cycle’が設定されない場合、UE200は、長DRX周期‘longDRX-Cycle’を設定及び使用する。
【0032】
-このサブフレームで短DRX周期タイマ‘drxShortCycleTimer’が満了する場合、UE200は、長DRX周期‘longDRX-Cycle’を設定及び使用する。
【0033】
上記したDRX動作において、SFNは、システムフレーム番号を意味する。
【0034】
上記したDRX動作制御方法によると、このサブフレームでDRX非活性タイマ‘drx-InactivityTimer’が満了し、あるいはDRXコマンドMAC制御要素が受信され、もしくは短DRX周期タイマ‘drxShortCycleTimer’が満了する場合、DRX周期が変更される。
【0035】
本発明の例示的実施形態では、DRX周期が一回以上変更され、あるいは変更予定である場合に対する次のDRX動作方法を提案する。次の実施形態は、DRX周期の変更が発生する少なくとも一つの条件をチェックした後、DRX動作関連タイマを開始するか否かを判定したり、あるいはDRX動作関連タイマを開始するか否かを判定した後にDRX周期の変更が発生する少なくとも一つの条件をチェックする多様なタイプのDRX動作制御方法を提供する。
【0036】
第1の実施形態では、該当サブフレームでDRX周期が変更される前にオン区間タイマ‘onDurationTimer’を開始するか否かが判定される。
【0037】
第2の実施形態では、該当サブフレームでDRX周期がn回変更された後にオン区間タイマ‘onDurationTimer’を開始するか否かが判定される。
【0038】
第3の実施形態では、該当サブフレームでDRX周期変更がすべて完了した後にオン区間タイマ‘onDurationTimer’を開始するか否かが判定される。
【0039】
第4の実施形態では、該当サブフレームで特定条件のチェック前後にオン区間タイマを開始するか否かが判定される。
【0040】
第5の実施形態では、該当サブフレームでDRX非活性タイマ‘drx-InactivityTimer’と短DRXタイマ‘drxShortCycleTimer’両方ともが満了する場合、DRX非活性タイマ‘drx-InactivityTimer’が初めに満了すると考慮される。
【0041】
第6の実施形態では、差し迫ったサブフレームで短期DRXタイマが満了した後に再開始される場合、現在DRX周期は、短期間内にDRX周期の変更が発生することを防止するように維持される。
【0042】
以下、
図3乃至
図8を参照して第1乃至第6の実施形態についてより具体的に説明する。
【0043】
<第1の実施形態>
図3は、本発明の例示的実施形態によるDRX動作制御方法を示す。
【0044】
図3を参照すると、各サブフレームでUEは上記したDRX周期の変更が発生する条件をチェックする前にオン区間タイマ‘onDurationTimer’を開始するか否かを判定する。第1の実施形態では、DRX周期の変更は、このサブフレームで、i)DRX非活性タイマ‘drx-InactivityTimer’が満了する場合、ii)eNBからDRXコマンドMAC制御要素が受信される場合、iii)短DRX周期タイマ‘drxShortCycleTimer’が満了する場合に発生するので、UEは、これら3つの条件をチェックする前にオン区間タイマ‘onDurationTimer’を開始するか否かを判定する(301)。
図3は、短DRX周期タイマ‘drxShortCycleTimer’が満了する場合(303)のDRX動作を示す。
【0045】
<第2の実施形態>
図4は、本発明の例示的実施形態によるDRX動作制御方法を示す。
【0046】
図4を参照すると、UEは、サブフレームでDRX周期がn回変更された後にオン区間タイマ‘onDurationTimer’を開始するか否かを判定する。DRX周期の変更は、このサブフレームで、i)DRX非活性タイマ‘drx-InactivityTimer’が満了する場合、ii)eNBからDRXコマンドMAC制御要素が受信される場合、iii)短DRX周期タイマ‘drxShortCycleTimer’が満了する場合に発生するので、上記した条件のチェック途中又は以後にDRX周期がn回変更されると、オン区間タイマ‘onDurationTimer’を開始するか否かを判定する。
図4は、短DRX周期タイマ‘drxShortCycleTimer’が満了してDRX周期が1回変更された以後(401)、オン区間タイマ‘onDurationTimer’を開始するか否かを判断する一例を示す(403)。
【0047】
<第3の実施形態>
図5は、本発明の例示的実施形態によるDRX動作制御方法を示す。
【0048】
図5を参照すると、UEは、サブフレームでDRX周期の変更がすべて完了した後にオン区間タイマ‘onDurationTimer’を開始するか否かを判定する。DRX周期の変更は、このサブフレームで、i)DRX非活性タイマ‘drx-InactivityTimer’が満了する場合、ii)eNBからDRXコマンドMAC制御要素が受信される場合、iii)短DRX周期タイマ‘drxShortCycleTimer’が満了する場合に発生するので、上記した条件がすべてチェックされた後、オン区間タイマ‘onDurationTimer’を開始するか否かを判定する。
図5の実施形態は、上記した2つの条件ともをチェックした後(501,503)、UEがオン区間タイマ‘onDurationTimer’を開始するか否かを判定する一例を示す(505)。
【0049】
図6は、本発明の例示的実施形態によるDRX動作制御方法を示す。
【0050】
図6を参照すると、UEは、ステップ605で、DRX構成パラメータを認識する。パラメータの認識に対して、eNBは、呼設定プロセスで、UEにDRX構成パラメータを通知することができる。DRX構成パラメータは、例えばオン区間タイマ‘onDurationTimer’とDRX非活性タイマ‘drx-InactivityTimer’の満了時間、長DRX周期‘longDRX-Cycle’、DRX開始オフセット‘drxStartOffset’、短DRX周期タイマ‘drxShortCycleTimer’の満了時間、及び短DRX周期‘shortDRX-Cycle’を含むことができる。
【0051】
UEは、DRX構成パラメータを認識する時点からDRX動作を遂行する。DRX動作の遂行は、各サブフレームで、TS36.321のセクション5.7に具体的に開示されている特定タイマを開始するか否かを判定し、そのタイマの開始に従って特定の動作、例えばPDCCHモニタリングを遂行することを意味する。
【0052】
UEは、DRX動作を遂行しつつ、ステップ610で、各サブフレームでDRX周期を変更するか否かを判定する。DRX周期の変更可否が判定される特定のサブフレームが開始する直前に、UEは、該当サブフレームで、短DRX周期タイマ‘drxShortCycleTimer’又はDRX非活性タイマ‘drx-InactivityTimer’が満了する予定であるか否かを判定する。UEは、短DRX周期タイマ‘drxShortCycleTimer’が満了する予定である場合、該当サブフレームで、DRX周期が短DRX周期‘shortDRX-Cycle’から長DRX周期‘longDRX-Cycle’に変更されると判定する。該当サブフレームでDRX非活性タイマ‘drx-InactivityTimer’が満了する予定であり、あるいはDRXコマンドMAC制御要素が受信され、この時点のDRX周期が長DRX周期‘longDRX-Cycle’である場合、UEは、該当サブフレームで、DRX周期が長DRX周期‘longDRX-Cycle’から短DRX周期‘shortDRX-Cycle’に変更されると判定する。
【0053】
ステップ610でDRX周期が変更されない場合、UEは、ステップ615で、現在DRX周期を用いるサブフレームでオン区間タイマ‘onDurationTimer’を開始するか否かを判定する。
【0054】
ステップ610でDRX周期が変更される場合、UEは、ステップ620に進行する。DRXコマンドMAC制御要素が受信される場合を除き、任意のサブフレームでDRX周期の変更は、該当サブフレームでDRX非活性タイマ‘drx-InactivityTimer’の満了、あるいは短DRX周期タイマ‘drxShortCycleTimer’の満了、もしくは2個のタイマ両方ともの満了を意味する。2個のタイマのうち一つのみが満了する場合、DRX周期が一回だけ変更されることを意味し、UEは、DRX周期が変更された後、変更されたDRX周期を用いて該当サブフレームでオン区間タイマ‘onDurationTimer’を開始するか否かを判定する。
【0055】
UEは、変更されたDRX周期が短DRX周期‘shortDRX-Cycle’である場合、[(SFN*10)+サブフレーム番号]を短DRX周期‘shortDRX-Cycle’で割って獲得した余りを、DRX開始オフセット‘drxStartOffset’を短DRX周期‘shortDRX-Cycle’で割って獲得した余りと比較する。UEは、これら余りが相互に同一であるか否かによって、オン区間タイマ‘onDurationTimer’を開始するか否かを判定する。
【0056】
変更されたDRX周期が長DRX周期‘longDRX-Cycle’である場合、UEは、[(SFN*10)+サブフレーム番号]を長DRX周期‘longDRX-Cycle’で割って獲得した余りを、DRX開始オフセット‘drxStartOffset’と比較する。UEは、上記比較に基づいてオン区間タイマ‘onDurationTimer’を開始するか否かを判定する。
【0057】
DRX非活性タイマ‘drx-InactivityTimer’と短DRX周期タイマ‘drxShortCycleTimer’が同一のサブフレームで満了する場合、DRX周期は、該当サブフレームで2回変更される。この場合、UEは、DRX周期がすべて変更された後に最終DRX周期を用いて該当サブフレームでオン区間タイマ‘onDurationTimer’を開始するか否かを判定する。ステップ620で、UEは、任意のサブフレームでDRX周期がすべて変更された後にオン区間タイマ‘onDurationTimer’を開始するか否かを判定する。一方、任意のサブフレームでオン区間タイマ‘onDurationTimer’を開始するか否かの判定において、UEは、サブフレームの最終DRX周期を用いてオン区間タイマ‘onDurationTimer’を開始するか否かを判定する。
【0058】
DRX非活性タイマ‘drx-InactivityTimer’と短DRX周期タイマ‘drxShortCycleTimer’ともが同一のサブフレームで満了する場合、DRX周期は、初めに満了するタイマに従って該当サブフレームでDRX周期が変更されるか、変更されないことがある。例えば、DRX非活性化タイマ‘drx-InactivityTimer’前に短DRX周期タイマ‘drxShortCycleTimer’が初めに満了する場合、DRX周期は、短DRX周期‘shortDRX-Cycle’から長DRX周期‘longDRX-Cycle’に変更された後、短DRX周期‘shortDRX-Cycle’に再び変更される。
【0059】
一方、DRX非活性タイマ‘drx-InactivityTimer’が初めに満了する場合、DRX非活性タイマ‘drx-InactivityTimer’の満了が短DRX周期タイマ‘drxShortCycleTimer’の再開始をトリガするため、DRX周期は、変更なしに短DRX周期‘shortDRX-Cycle’として維持される。
【0060】
2つの場合ともに、最終DRX周期は、短DRX周期‘shortDRX-Cycle’と同一である。同一のサブフレームでDRX周期を数回変更するよりは、UEの処理負荷を低減させるために、DRX周期は変更されるべきではない。本発明の第5の実施形態において、UEは、2個のタイマが任意のサブフレームで同時に満了する予定である場合、DRX非活性タイマ‘drx-InactivityTimer’が初めに満了すると見なすように設定され、それによって不必要なDRX周期変更を防止する。
【0061】
<第4の実施形態>
第4の実施形態において、UEは、サブフレームごとに特定の周期変更条件をチェックする前後にオン区間タイマ‘onDurationTimer’を開始するか否かを判定する。DRX周期変更は、このサブフレームで、i)DRX非活性タイマ‘drx-InactivityTimer’が満了する場合、ii)eNBからDRXコマンドMAC制御要素が受信される場合、iii)短DRX周期タイマ‘drxShortCycleTimer’が満了する場合に発生するので、上記した条件がすべてチェックされた前後、オン区間タイマ‘onDurationTimer’を開始するか否かを判定する。
【0062】
<第5の実施形態>
図7は、本発明の例示的実施形態によるDRX動作制御方法を示す。
【0063】
図7を参照すると、ステップ705で、UEは、DRX構成パラメータを認識する。パラメータの認識に対して、eNBは、呼設定プロセスで、UEにDRX構成パラメータを通知することができる。DRX構成パラメータは、例えばオン区間タイマ‘onDurationTimer’とDRX非活性タイマ‘drx-InactivityTimer’の満了時間、長DRX周期‘longDRX-Cycle’、DRX開始オフセット‘drxStartOffset’、短DRX周期タイマ‘drxShortCycleTimer’の満了時間、及び短DRX周期‘shortDRX-Cycle’を含むことができる。
【0064】
ステップ710で、UEは、差し迫ったサブフレームで、DRX非活性タイマ‘drx-InactivityTimer’と短DRX周期タイマ‘drxShortCycleTimer’両方ともが満了する予定であるか否かを判定する。差し迫ったサブフレームは、例えば次のサブフレームであり得る。
【0065】
2個のタイマがともに満了するように予定されない場合、UEは、ステップ720で従来技術により動作する。一方、2個のタイマが同一のサブフレームですべて満了するように予定される場合、UEは、ステップ715で、差し迫ったサブフレームでDRX非活性タイマ‘drx-InactivityTimer’が初めに満了すると見なして関連動作を遂行する。UEは、短DRX周期タイマ‘drxShortCycleTimer’の満了による特定動作を遂行する前にDRX非活性タイマ‘drx-InactivityTimer’の満了による特定動作をまず遂行する。
【0066】
短DRX周期タイマ‘drxShortCycleTimer’の満了による特定動作は、例えば短DRX周期から長DRX周期へ変更することができる。DRX非活性タイマ‘drx-InactivityTimer’の満了による特定動作は、短DRX周期タイマ‘drxShortCycleTimer’を再開始できる。その結果、短DRX周期タイマ‘drxShortCycleTimer’が再開始されるので、サブフレームで短DRX周期タイマ‘drxShortCycleTimer’は満了されず、DRX周期の不必要な変更を防止する。
【0067】
第5の実施形態をより一般化して、任意のサブフレームでDRX非活性タイマ‘drx-InactivityTimer’を含む複数のタイマが満了する予定である場合、UEは、DRX非活性タイマ‘drx-InactivityTimer’が初めに満了すると見なし、DRX非活性タイマ‘drx-InactivityTimer’の満了による特定の動作をまず遂行する。上記した例示的実施形態によるDRX動作制御方法を適用すると、DRX周期の変化による活性時間(active time)の不一致がUEとeNB両方に対して防止でき、UEは、DRX動作による消費電力減少効果を維持しつつ、eNBとの伝送不一致によるシステム性能の低下を防止することができる。
【0068】
<第6の実施形態>
3GPP規格でTS36.321のv9.2.0を参照すると、UEは、短DRX周期タイマ‘drxShortCycleTimer’が満了するサブフレームで長DRX周期を適用し始める。しかしながら、短DRX周期タイマ‘drxShortCycleTimer’が満了する同一のサブフレームでDRX非活性タイマ‘drx−InactivityTimer’が共に満了する場合に、UEは、実現方法に基づき、以前サブフレームで短DRX周期‘shortDRX-Cycle’を使用し、現在サブフレームで長DRX周期‘longDRX-Cycle’を適用し、次のサブフレームでは短DRX周期‘shortDRX-Cycle’を適用するような方式で動作できる。例えば、UEは、上記タイマの満了状況時に、順に、短DRX周期タイマ‘drxShortCycleTimer’の満了をチェックし、オン区間タイマ‘onDurationTimer’を開始するか否かを判定し、DRX非活性タイマ‘drx-InactivityTimer’の満了をチェックする。この場合、UEは、以前サブフレームで短DRX周期タイマ‘drxShortCycleTimer’の駆動による短DRX周期‘shortDRX-Cycle’を使用し、現在サブフレームでは短DRX周期タイマ‘drxShortCycleTimer’の満了による長DRX周期を適用し、次のサブフレームではDRX非活性タイマ‘drx-InactivityTimer’の満了によって再び短DRX周期‘shortDRX-Cycle’を適用できる。しなしながら、短期間内に短DRX周期から長DRX周期に遷移し、長DRXから短DRXに遷移することは、UEの複雑度を増加させ、本当の利益はない。
【0069】
本発明の第6の実施形態では、上記の状況でUEが長DRX周期の変更を防止するための方法を提供する。
【0070】
図8は、本発明の例示的実施形態によるDRX動作制御方法を示す。
【0071】
図8を参照すると、ステップ805で、UEはDRX構成パラメータを認識し、eNBは、呼設定などのプロセスでUEにDRX構成パラメータを通知できる。このDRX構成パラメータは、例えば、オン区間タイマ‘onDurationTimer’とDRX非活性タイマ‘drx-InactivityTimer’の満了時間、長DRX周期‘longDRX-Cycle’、DRX開始オフセット‘drxStartOffset’、短DRX周期タイマ‘drxShortCycleTimer’の満了時間、及び短DRX周期‘shortDRX-Cycle’を含むことができる。
【0072】
ステップ810で、UEは、差し迫ったサブフレームで、短DRX周期タイマ‘drxShortCycleTimer’が満了する予定であるか否かを判定する。差し迫ったサブフレームは、例えば次のサブフレームであり得る。
【0073】
ステップ810で、短DRX周期タイマ‘drxShortCycleTimer’が満了する予定でない場合、UEは、ステップ820で、現在適用中であるDRX周期を維持する。短DRX周期タイマ‘drxShortCycleTimer’が満了する予定である場合、UEは、ステップ815で、差し迫ったサブフレームで短DRX周期タイマ‘drxShortCycleTimer’が満了した後に再開始するか否かを判定する。差し迫ったサブフレームで短DRX周期タイマが満了した後に再開始しないことは、差し迫った状態で短DRX周期タイマ‘drxShortCycleTimer’が駆動状態でないことを意味するので、ステップ815は、UEが差し迫ったサブフレームで短DRX周期タイマ‘drxShortCycleTimer’が駆動中であるか否かを判定するように変更することができる。ステップ815で、差し迫ったサブフレームで、短DRX周期タイマ‘drxShortCycleTimer’が満了した後に再開始される場合(又は短DRX周期タイマ‘drxShortCycleTimer’が駆動状態である場合)、UEは、DRX周期が長DRX周期‘longDRX-Cycle’に遷移されないようにステップ820で現在使用している短DRX周期‘shortDRX-Cycle’を維持する。ステップ815で差し迫ったサブフレームで短DRXタイマ‘drxShortCycleTimer’が満了した後に再開始しない場合(又は短DRX周期タイマ‘drxShortCycleTimer’が駆動状態でない場合)、UEは、ステップ825で長DRX周期‘longDRX-Cycle’を適用する。
【0074】
したがって、上記した第6の実施形態の適用は、短期間内に不必要なDRX遷移の発生を防止できる。
【0075】
図9は、本発明の例示的実施形態によるDRX動作を制御する装置の構成を概念的に示す。
図9のDRX動作制御装置は、eNBと通信するUEに含まれる。
【0076】
図9を参照すると、受信器903は、制御器905の制御下にeNB(図示せず)から伝送されるDRX構成パラメータを受信する。アンテナ901と受信器903を通じて受信したDRX構成パラメータは、制御器905に伝送される。制御器905は、DRX周期の変更が発生する少なくとも一つの条件をチェックする前に各サブフレームでDRX構成パラメータを用いてDRX動作関連タイマを開始するか否かを判定する。制御器905は、上述した例示的実施形態のうちいずれか一つによって上記判定を遂行することができる。制御器905は、例えば、RRC接続状態でDRX動作が設定される場合、その判定結果に従ってDRX動作を制御し、eNBから伝送される制御チャンネルなどを不連続的にモニタリングする。制御器905は、上記した第6の実施形態を使用する場合、差し迫ったサブフレームで短DRX周期タイマが満了した後に、DRX構成パラメータを用いて差し迫ったサブフレームで短DRX周期タイマが再開始するか否かを判断し、短DRXタイマが再開始される場合、現在DRX周期を維持することによって、短期間内に不必要なDRX遷移が発生することを防止することができる。制御器905は、RRC階層で本発明の例示的実施形態によるDRX動作を制御する。
【0077】
以上、本発明の詳細な説明においては具体的な実施形態に関して説明したが、特許請求の範囲の記載及びこれと均等なものに基づいて定められる本発明の範囲及び趣旨を逸脱することなく、形式や細部の様々な変更が可能であることは、当該技術分野における通常の知識を持つ者には明らかである。
【符号の説明】
【0078】
200 UE
300 eNB
210,310 RRC階層
230,330 MAC階層
250,350 物理(PHY)階層
901 アンテナ
903 受信器
905 制御器