特許第6076779号(P6076779)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6076779
(24)【登録日】2017年1月20日
(45)【発行日】2017年2月8日
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 5/04 20060101AFI20170130BHJP
【FI】
   A63F5/04 512D
【請求項の数】5
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2013-44836(P2013-44836)
(22)【出願日】2013年3月7日
(65)【公開番号】特開2014-171558(P2014-171558A)
(43)【公開日】2014年9月22日
【審査請求日】2015年12月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】390031772
【氏名又は名称】株式会社オリンピア
(74)【代理人】
【識別番号】100107113
【弁理士】
【氏名又は名称】大木 健一
(72)【発明者】
【氏名】高野 裕
【審査官】 太田 恒明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−050640(JP,A)
【文献】 特開2009−279356(JP,A)
【文献】 特開2012−250116(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
抽選処理を含む遊技に係る処理を行うメイン基板と、前記抽選処理の結果に応じた前記メイン基板からのコマンドに基づき演出に係る処理を行うサブ基板と、前記演出に係る画面を表示する画像表示装置と、前記画像表示装置に表示する前記画面を記憶する画面記憶部と、前記画面記憶部に前記画面を書き込む描画処理部とを含み、前記コマンドを受けた前記サブ基板による制御に基づき前記画像表示装置を制御する表示制御部と、前記遊技の状態に応じて遊技者による操作が可能になる操作ボタンと、前記操作ボタンの操作回数を計数するための連打カウンタとを備え、
前記画面記憶部は、前記画面が書き込まれるレイヤを複数含み、
前記描画処理部は、予め定められた初期レイヤから順番に前記レイヤごとに、前記演出に係る前記画面に表示されるべき予め定められた対象を描画するものであり、
前記描画処理部による処理は、予め定められた第1時間と、前記第1時間及び前記レイヤの数に基づき定められ、前記第1時間よりも長い第2時間に従って管理され、
前記描画処理部は、
前記操作ボタンが操作されたかどうか判定する第1ステップと、
前記操作ボタンが操作されたときに前記連打カウンタを動作させる第2ステップと、
前記第1時間が経過したかどうか判定し、前記第1時間が経過していないときは前記第1ステップに戻り、前記第1時間が経過したときは次の第4ステップに進む第3ステップと、
前記第2時間が経過したかどうか判定し、前記第2時間が経過していないときは次の前記レイヤを選択して下記の第5Aステップを実行し、前記第2時間が経過したときは前記初期レイヤを選択して下記の第5Aステップを実行する第4ステップと、
前記連打カウンタの内容を読み出して当該内容に応じた数の前記対象を、前記第4ステップで選択された前記レイヤの予め定められた位置に描画する第5Aステップとを実行することを特徴とする遊技機。
【請求項2】
抽選処理を含む遊技に係る処理を行うメイン基板と、前記抽選処理の結果に応じた前記メイン基板からのコマンドに基づき演出に係る処理を行うサブ基板と、前記演出に係る画面を表示する画像表示装置と、前記画像表示装置に表示する前記画面を記憶する画面記憶部と、前記画面記憶部に前記画面を書き込む描画処理部とを含み、前記コマンドを受けた前記サブ基板による制御に基づき前記画像表示装置を制御する表示制御部と、前記遊技の状態に応じて遊技者による操作が可能になる操作ボタンと、前記操作ボタンの操作回数を計数するための連打カウンタとを備え、
前記画面記憶部は、前記画面が書き込まれるレイヤを複数含み、
前記描画処理部は、予め定められた初期レイヤから順番に前記レイヤごとに、前記演出に係る前記画面に表示されるべき予め定められた対象を描画するものであり、
前記描画処理部による処理は、予め定められた第1時間と、前記第1時間及び前記レイヤの数に基づき定められ、前記第1時間よりも長い第2時間に従って管理され、
前記描画処理部は、
前記操作ボタンが操作されたかどうか判定する第1ステップと、
前記操作ボタンが操作されたときに前記連打カウンタを動作させる第2ステップと、
前記第1時間が経過したかどうか判定し、前記第1時間が経過していないときは前記第1ステップに戻り、前記第1時間が経過したときは次の第4ステップに進む第3ステップと、
前記第2時間が経過したかどうか判定し、前記第2時間が経過していないときは次の前記レイヤを選択して下記の第5Bステップ乃至第6Bステップを実行し、前記第2時間が経過したときは前記初期レイヤを選択して下記の第5Bステップ乃至第6Bステップを実行する第4ステップと、
前記連打カウンタの内容を読み出して前回の処理における前記連打カウンタの内容と同じであるかどうか判定し、同じであるとき予め定められた描画位置を変更する第5Bステップと、
前記第5Bステップで読み出した前記連打カウンタの内容に応じた数の前記対象を、前記第4ステップで選択された前記レイヤの前記予め定められた描画位置又は前記第5Bステップで変更された前記描画位置のいずれかに描画する第6Bステップとを実行することを特徴とする遊技機。
【請求項3】
抽選処理を含む遊技に係る処理を行うメイン基板と、前記抽選処理の結果に応じた前記メイン基板からのコマンドに基づき演出に係る処理を行うサブ基板と、前記演出に係る画面を表示する画像表示装置と、前記画像表示装置に表示する前記画面を記憶する画面記憶部と、前記画面記憶部に前記画面を書き込む描画処理部とを含み、前記コマンドを受けた前記サブ基板による制御に基づき前記画像表示装置を制御する表示制御部と、前記遊技の状態に応じて遊技者による操作が可能になる操作ボタンと、前記操作ボタンの操作回数を計数するための連打カウンタとを備え、
前記画面記憶部は、前記画面が書き込まれるレイヤを複数含み、
前記描画処理部は、予め定められた初期レイヤから予め定められた最後のレイヤまで順番に前記レイヤごとに、前記演出に係る前記画面に表示されるべき予め定められた対象を描画するものであり、
前記描画処理部による処理は、予め定められた第1時間に従って管理され、
前記描画処理部は、
前記操作ボタンが操作されたかどうか判定する第1ステップと、
前記操作ボタンが操作されたときに前記連打カウンタを動作させる第2ステップと、
前記第1時間が経過したかどうか判定し、前記第1時間が経過していないときは前記第1ステップに戻り、前記第1時間が経過したときは次の第4ステップに進む第3ステップと、
前回の処理対象の前記レイヤが前記最後のレイヤであったかどうか判定し、前記最後のレイヤでなかったときは次の前記レイヤを選択して下記の第5Aステップを実行し、前記最後のレイヤであったときは前記初期レイヤを選択して下記の第5Aステップを実行する第4ステップと、
前記連打カウンタの内容を読み出して当該内容に応じた数の前記対象を、前記第4ステップで選択された前記レイヤの予め定められた位置に描画する第5Aステップとを実行することを特徴とする遊技機。
【請求項4】
抽選処理を含む遊技に係る処理を行うメイン基板と、前記抽選処理の結果に応じた前記メイン基板からのコマンドに基づき演出に係る処理を行うサブ基板と、前記演出に係る画面を表示する画像表示装置と、前記画像表示装置に表示する前記画面を記憶する画面記憶部と、前記画面記憶部に前記画面を書き込む描画処理部とを含み、前記コマンドを受けた前記サブ基板による制御に基づき前記画像表示装置を制御する表示制御部と、前記遊技の状態に応じて遊技者による操作が可能になる操作ボタンと、前記操作ボタンの操作回数を計数するための連打カウンタとを備え、
前記画面記憶部は、前記画面が書き込まれるレイヤを複数含み、
前記描画処理部は、予め定められた初期レイヤから予め定められた最後のレイヤまで順番に前記レイヤごとに、前記演出に係る前記画面に表示されるべき予め定められた対象を描画するものであり、
前記描画処理部による処理は、予め定められた第1時間に従って管理され、
前記描画処理部は、
前記操作ボタンが操作されたかどうか判定する第1ステップと、
前記操作ボタンが操作されたときに前記連打カウンタを動作させる第2ステップと、
前記第1時間が経過したかどうか判定し、前記第1時間が経過していないときは前記第1ステップに戻り、前記第1時間が経過したときは次の第4ステップに進む第3ステップと、
前回の処理対象の前記レイヤが前記最後のレイヤであったかどうか判定し、前記最後のレイヤでなかったときは次の前記レイヤを選択して下記の第5Bステップ乃至第6Bステップを実行し、前記最後のレイヤであったときは前記初期レイヤを選択して下記の第5Bステップ乃至第6Bステップを実行する第4ステップと、
前記連打カウンタの内容を読み出して前回の処理における前記連打カウンタの内容と同じであるかどうか判定し、同じであるとき予め定められた描画位置を変更する第5Bステップと、
前記第5Bステップで読み出した前記連打カウンタの内容に応じた数の前記対象を、前記第4ステップで選択された前記レイヤの前記予め定められた描画位置又は前記第5Bステップで変更された前記描画位置のいずれかに描画する第6Bステップとを実行することを特徴とする遊技機。
【請求項5】
前記予め定められた描画位置は、前記連打カウンタの内容に応じて異なるように定められていることを特徴とする請求項1乃至請求項4いずれかに記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スロットマシン(回胴式遊技機)に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から外周面に図柄が配列された複数のリールを備えた遊技機(回胴式遊技機、スロットマシン)が知られている。この種の遊技機は、遊技媒体(メダル)に対して一定の遊技価値を付与し、このような遊技媒体を獲得するための遊技を行うものである。また、この種の遊技機は、遊技者の回転開始操作を契機として、内部抽選を行うとともに複数のリールの回転を開始させ、遊技者の停止操作契機として、内部抽選の結果に応じた態様で複数のリールを停止させる制御を行っている。そして、遊技の結果は、複数のリールが停止した状態における入賞判定ライン上に表示された図柄組合せによって判定され、遊技の結果に応じてメダル等の払い出しなどが行われる。
【0003】
遊技機では、遊技の興趣向上を図るべく様々な演出がなされる。例えば、装飾部材、モニタ(画面表示装置、液晶表示装置)、スピーカ、LEDランプを取り付け、見た目による演出、映像による演出、音による演出、光による演出等が行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000-210431号公報 複数のレイヤに表示制御される別個の図柄を重ね合わせることにより、完成された図柄を表示可能な表示装置において、図柄のうち背景図柄を複数に分断表示するべく、レイヤのうち背景図柄に関するレイヤを、当該複数に分断された背景図柄に対応する複数のレイヤによって構成し、少なくとも1つの背景図柄が、他の背景図柄とは異なる速度で変動表示制御されるようにした。
【特許文献2】特開2002-272958号公報 複数のレイヤのそれぞれを記憶するレイヤメモリを設け、レイヤ選択手段が、主制御基板からの指令に基づいて、表示するレイヤを複数のレイヤメモリから選択する。そして、レイヤ選択手段によって選択された各レイヤの透過率を透過率制御手段によって制御し、合成手段によって、それぞれのレイヤを合成して1画像として表示する。また、それぞれのレイヤは、遊技機のテーマに関連付けられた図柄やキャラクターを設定し、遊技態様レイヤによる遊技態様の表示と共に背景演出レイヤや背景レイヤによる連続的な表示態様を表示演出する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
MAXBET連打演出という演出がある。遊技者がベットスイッチ(後述)を繰り返し押下することに対応して、液晶表示装置上にキャラクタ(以下「キャラ」)などの対象(オブジェクト)を多数表示させるという演出である。押下回数が多くなればなるほど多数のキャラが画面上に表示されるので見た目に派手であり、ボタンを押下する操作(行動)を通じて演出に参加しているという意識と相まって、興趣をそそる演出である。
【0006】
MAXBET連打演出の際には次のような点で注意しなければならない。
【0007】
(1)画面上に表示される多数のキャラ同士が重ならないようにしなければならない。
キャラが重なってしまうと、見かけ上キャラの数が少なくなり、押下回数に応じて多数のキャラが表示されるという効果が損なわれてしまう。画面表現による派手さが失われてしまう。動きの遅いキャラ(例えば蝶)が登場する場合、連打の際はキャラ同士が重なって表示されてしまい、綺麗な画面表示が得られない。
【0008】
(2)スイッチ(ボタン)押下に応じてキャラを新たに描画することになるが、当該新しいキャラを描画する際に既存のキャラ(描画済みのキャラ)を上書きして消してしまうことのないようにしなければならない。
【0009】
(3)処理装置(CPU)の処理能力を超えない範囲で多数のキャラを表示しなければならい。
キャラの数が増えるとこの描画に必要な処理能力は大きくなる。処理能力には限度がありその範囲でしか処理できない。遊技機のハードウエア上の制約から処理能力を増強することが困難であるから、より多くのキャラを表示するためには処理負荷の小さい処理方法を採用する必要がある。MAXBET連打演出はリアルタイム性を要求されるから、当該処理方法は処理負荷が小さく、かつ、高速である(リアルタイム性が高い)ものである必要がある。
【0010】
上記(1)乃至(3)の条件を満たすために、従来の遊技機では「ひとつの画面に表示するキャラの数を制限」したり、「スイッチ押下を所定時間無視する」つまり「実際の押下回数よりも少ない数に基づきキャラを描画する」など強い制限をかける必要があった。これらの制限はいずれも、遊技者の押下回数に対応する数のキャラを表示させるというMAXBET連打演出の趣旨を逸脱するものであって、好ましいものではない。しかし、従来の遊技機ではその処理能力の制約のために上記のような制限のもと、遊技者の見た目をごまかすような処理を行っていた。
【0011】
本発明は上記課題を解決するためになされたもので、遊技機に係る連続したボタン押下を伴う連打演出の表示処理において、遊技者の押下回数に対応する数の対象(キャラ)を表示させるという連打演出の趣旨に沿った処理を行うことのできる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この発明に係る遊技機は、抽選処理を含む遊技に係る処理を行うメイン基板と、前記抽選処理の結果に応じた前記メイン基板からのコマンドに基づき演出に係る処理を行うサブ基板と、前記演出に係る画面を表示する画像表示装置と、前記画像表示装置に表示する前記画面を記憶する画面記憶部と、前記画面記憶部に前記画面を書き込む描画処理部とを含み、前記コマンドを受けた前記サブ基板による制御に基づき前記画像表示装置を制御する表示制御部と、前記遊技の状態に応じて遊技者による操作(押下)が可能になる操作ボタンと、前記操作ボタンの操作回数を計数するための連打カウンタとを備え、
前記画面記憶部は、前記画面が書き込まれるレイヤを複数含み、
前記描画処理部は、予め定められた初期レイヤから順番に前記レイヤごとに、前記演出に係る前記画面に表示されるべき予め定められた対象(オブジェクト、キャラ)を描画するものであり、
前記描画処理部による処理は、予め定められた第1時間と、前記第1時間及び前記レイヤの数に基づき定められ、前記第1時間よりも長い第2時間に従って管理され、
前記描画処理部は、
前記操作ボタンが操作されたかどうか判定する第1ステップと、
前記操作ボタンが操作されたときに前記連打カウンタを動作させる第2ステップと、
前記第1時間が経過したかどうか判定し、前記第1時間が経過していないときは前記第1ステップに戻り、前記第1時間が経過したときは次の第4ステップに進む第3ステップと、
前記第2時間が経過したかどうか判定し、前記第2時間が経過していないときは次の前記レイヤを選択して下記の第5Aステップを実行し、前記第2時間が経過したときは前記初期レイヤを選択して下記の第5Aステップを実行する第4ステップと、
前記連打カウンタの内容を読み出して当該内容に応じた数の前記対象を、前記第4ステップで選択された前記レイヤの予め定められた位置に描画する第5Aステップと、実行するものである。
なお、さらに、下記第6Aステップ乃至第8ステップを実行するものとすることができる。
前記第2時間が経過したかどうか判定し、前記第2時間が経過していないときは次の前記レイヤを選択して下記の第5Aステップ乃至第7ステップを実行し、前記第2時間が経過したときは前記初期レイヤを選択して下記の第5Aステップ乃至第7ステップを実行する第4ステップと、
前記連打カウンタの内容を読み出して当該内容に応じた数の前記対象を、前記第4ステップで選択された前記レイヤの予め定められた位置に描画する第5Aステップと、
前記第5Aステップで読み出した前記連打カウンタの内容が、前回の処理における前記連打カウンタの内容と同じであるかどうか判定し、同じであるとき前記第5Aステップで描画した前記対象の位置をずらす第6Aステップと、
前記連打カウンタを初期化する第7ステップと、
前記第1ステップに戻る第8ステップとを実行するものである。
【0013】
この発明に係る遊技機は、抽選処理を含む遊技に係る処理を行うメイン基板と、前記抽選処理の結果に応じた前記メイン基板からのコマンドに基づき演出に係る処理を行うサブ基板と、前記演出に係る画面を表示する画像表示装置と、前記画像表示装置に表示する前記画面を記憶する画面記憶部と、前記画面記憶部に前記画面を書き込む描画処理部とを含み、前記コマンドを受けた前記サブ基板による制御に基づき前記画像表示装置を制御する表示制御部と、前記遊技の状態に応じて遊技者による操作(押下)が可能になる操作ボタンと、前記操作ボタンの操作回数を計数するための連打カウンタとを備え、
前記画面記憶部は、前記画面が書き込まれるレイヤを複数含み、
前記描画処理部は、予め定められた初期レイヤから順番に前記レイヤごとに、前記演出に係る前記画面に表示されるべき予め定められた対象(オブジェクト、キャラ)を描画するものであり、
前記描画処理部による処理は、予め定められた第1時間と、前記第1時間及び前記レイヤの数に基づき定められ、前記第1時間よりも長い第2時間に従って管理され、
前記描画処理部は、
前記操作ボタンが操作されたかどうか判定する第1ステップと、
前記操作ボタンが操作されたときに前記連打カウンタを動作させる第2ステップと、
前記第1時間が経過したかどうか判定し、前記第1時間が経過していないときは前記第1ステップに戻り、前記第1時間が経過したときは次の第4ステップに進む第3ステップと、
前記第2時間が経過したかどうか判定し、前記第2時間が経過していないときは次の前記レイヤを選択して下記の第5Bステップ乃至第6Bステップを実行し、前記第2時間が経過したときは前記初期レイヤを選択して下記の第5Bステップ乃至第6Bステップを実行する第4ステップと、
前記連打カウンタの内容を読み出して前回の処理における前記連打カウンタの内容と同じであるかどうか判定し、同じであるとき予め定められた描画位置を変更する第5Bステップと、
前記第5Bステップで読み出した前記連打カウンタの内容に応じた数の前記対象を、前記第4ステップで選択された前記レイヤの前記予め定められた描画位置又は前記第5Bステップで変更された前記描画位置のいずれかに描画する第6Bステップとを実行するものである。
【0014】
前記第1時間は、前記操作ボタンに対する遊技者の操作の時間間隔に基づき定められ、
前記第2時間は、前記第1時間と前記レイヤの数の積に対応して定められている。
【0015】
この発明に係る遊技機は、抽選処理を含む遊技に係る処理を行うメイン基板と、前記抽選処理の結果に応じた前記メイン基板からのコマンドに基づき演出に係る処理を行うサブ基板と、前記演出に係る画面を表示する画像表示装置と、前記画像表示装置に表示する前記画面を記憶する画面記憶部と、前記画面記憶部に前記画面を書き込む描画処理部とを含み、前記コマンドを受けた前記サブ基板による制御に基づき前記画像表示装置を制御する表示制御部と、前記遊技の状態に応じて遊技者による操作(押下)が可能になる操作ボタンと、前記操作ボタンの操作回数を計数するための連打カウンタとを備え、
前記画面記憶部は、前記画面が書き込まれるレイヤを複数含み、
前記描画処理部は、予め定められた初期レイヤから予め定められた最後のレイヤまで順番に前記レイヤごとに、前記演出に係る前記画面に表示されるべき予め定められた対象(オブジェクト、キャラ)を描画するものであり、
前記描画処理部による処理は、予め定められた第1時間に従って管理され、
前記描画処理部は、
前記操作ボタンが操作されたかどうか判定する第1ステップと、
前記操作ボタンが操作されたときに前記連打カウンタを動作させる第2ステップと、
前記第1時間が経過したかどうか判定し、前記第1時間が経過していないときは前記第1ステップに戻り、前記第1時間が経過したときは次の第4ステップに進む第3ステップと、
前回の処理対象の前記レイヤが前記最後のレイヤであったかどうか判定し、前記最後のレイヤでなかったときは次の前記レイヤを選択して下記の第5Aステップを実行し、前記最後のレイヤであったときは前記初期レイヤを選択して下記の第5Aステップを実行する第4ステップと、
前記連打カウンタの内容を読み出して当該内容に応じた数の前記対象を、前記第4ステップで選択された前記レイヤの予め定められた位置に描画する第5Aステップとを実行するものである。
なお、さらに、下記第6Aステップ乃至第8ステップを実行するものとすることができる。
前回の処理対象の前記レイヤが前記最後のレイヤであったかどうか判定し、前記最後のレイヤでなかったときは次の前記レイヤを選択して下記の第5Aステップ乃至第7ステップを実行し、前記最後のレイヤであったときは前記初期レイヤを選択して下記の第5Aステップ乃至第7ステップを実行する第4ステップと、
前記連打カウンタの内容を読み出して当該内容に応じた数の前記対象を、前記第4ステップで選択された前記レイヤの予め定められた位置に描画する第5Aステップと、
前記第5Aステップで読み出した前記連打カウンタの内容が、前回の処理における前記連打カウンタの内容と同じであるかどうか判定し、同じであるとき前記第5Aステップで描画した前記対象の位置をずらす第6Aステップと、
前記連打カウンタを初期化する第7ステップと、
前記第1ステップに戻る第8ステップとを実行するものである。
【0016】
この発明に係る遊技機は、抽選処理を含む遊技に係る処理を行うメイン基板と、前記抽選処理の結果に応じた前記メイン基板からのコマンドに基づき演出に係る処理を行うサブ基板と、前記演出に係る画面を表示する画像表示装置と、前記画像表示装置に表示する前記画面を記憶する画面記憶部と、前記画面記憶部に前記画面を書き込む描画処理部とを含み、前記コマンドを受けた前記サブ基板による制御に基づき前記画像表示装置を制御する表示制御部と、前記遊技の状態に応じて遊技者による操作(押下)が可能になる操作ボタンと、前記操作ボタンの操作回数を計数するための連打カウンタとを備え、
前記画面記憶部は、前記画面が書き込まれるレイヤを複数含み、
前記描画処理部は、予め定められた初期レイヤから予め定められた最後のレイヤまで順番に前記レイヤごとに、前記演出に係る前記画面に表示されるべき予め定められた対象(オブジェクト、キャラ)を描画するものであり、
前記描画処理部による処理は、予め定められた第1時間に従って管理され、
前記描画処理部は、
前記操作ボタンが操作されたかどうか判定する第1ステップと、
前記操作ボタンが操作されたときに前記連打カウンタを動作させる第2ステップと、
前記第1時間が経過したかどうか判定し、前記第1時間が経過していないときは前記第1ステップに戻り、前記第1時間が経過したときは次の第4ステップに進む第3ステップと、
前回の処理対象の前記レイヤが前記最後のレイヤであったかどうか判定し、前記最後のレイヤでなかったときは次の前記レイヤを選択して下記の第5Bステップ乃至第6Bステップを実行し、前記最後のレイヤであったときは前記初期レイヤを選択して下記の第5Bステップ乃至第6Bステップを実行する第4ステップと、
前記連打カウンタの内容を読み出して前回の処理における前記連打カウンタの内容と同じであるかどうか判定し、同じであるとき予め定められた描画位置を変更する第5Bステップと、
前記第5Bステップで読み出した前記連打カウンタの内容に応じた数の前記対象を、前記第4ステップで選択された前記レイヤの前記予め定められた描画位置又は前記第5Bステップで変更された前記描画位置のいずれかに描画する第6Bステップとを実行するものである。
【0017】
前記予め定められた描画位置は、前記連打カウンタの内容に応じて異なるように定められている。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、操作ボタンの操作回数を計数する連打カウンタを備え、この計数値に応じた数の対象を順番に複数のレイヤに書き込むようにしたので、連打数に応じた数の対象を画面上に正しく表現することができ、連打演出の際に遊技者に不快感や不明瞭感を与えないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】前扉を閉めた状態を示すスロットマシンの正面図である。
図2】前扉を180度開いた状態を示すスロットマシンの正面図である。
図3】スロットマシンのブロック図である。
図4】スロットマシンの遊技処理のフローチャートである。
図5】発明の実施の形態に係る遊技機のブロック図である。
図6】発明の実施の形態に係るレイヤ構造とムービーの内容の説明図である。
図7】発明の実施の形態に係る処理フローチャートである。
図8】発明の実施の形態に係る処理の説明図(タイミングチャート)である。
図9】発明の実施の形態に係る処理の他の説明図(タイミングチャート)である。
図10】発明の実施の形態に係る他の処理フローチャートである。
図11】発明の実施の形態に係る他の処理フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は前扉を閉めた状態を示すスロットマシンの正面図、図2は前扉を180度開いた状態を示すスロットマシンの正面図を示す。
【0021】
図1及び図2中、100はスロットマシンを示すもので、このスロットマシン100は、図1に示すように、スロットマシン本体120と、このスロットマシン本体120の前面片側にヒンジ等により開閉可能に取り付けられた前扉130とを備えている。前記前扉130の前面には、図1に示すように、ほぼ中央にゲーム表示部131を設け、ゲーム表示部131の右下隅部に、遊技者がメダルを投入するためのメダル投入口132を設け、メダル投入口132の下側には、メダル投入口132から投入され、詰まってしまったメダルをスロットマシン100外に強制的に排出するためのリジェクトボタン133が設けられている。
【0022】
また、前記ゲーム表示部131の左下方には、ゲームを開始するためのスタートスイッチ134を設けてあり、3つの回胴のそれぞれに対応して3つのストップボタン140を設けてある。前扉の下端部中央には、メダルの払出し口135を設けてある。前記ゲーム表示部131の上側には、液晶表示装置LCDが設けてある。スタートスイッチ134とストップボタン140の間には、遊技状態に応じた規定投入数を限度して、クレジットされたメダルを投入状態に設定するためのベットスイッチBETが設けてある。
【0023】
スロットマシン本体120の内部には、図2に示すように、その内底面に固定され、内部に複数のメダルを貯留して、貯留したメダルを前扉130の前面に設けた払出し口135に1枚ずつ払い出すためのホッパ装置121が設置されている。このホッパ装置121の上部には、上方に向けて開口し、内部に複数のメダルを貯留するホッパタンク122を備えている。スロットマシン本体120の内部には、前扉130を閉めたときにゲーム表示部131が来る位置に三個の回胴からなるリール(回胴)ユニット203が設置されている。リールユニット203は、外周面に複数種類の図柄が配列されている3つの回胴(第1回胴〜第3回胴)を備えている。ゲーム表示部131には開口部が設けられていて、それを通して遊技者が前記リールユニット203の各回転回胴の図柄を見ることができるようになっている。ホッパ装置121の左側には電源部205が設けられている。
【0024】
前記前扉130の裏面には、図2に示すように、メダル(コイン)セレクタ1が、前扉130の前面に設けられたメダル投入口132の裏側に取り付けられている。このメダルセレクタ1は、メダル投入口132から投入されたメダルの通過を検出しながら、当該メダルをホッパ装置121に向かって転動させ、外径が所定寸法と違う異径メダルや、鉄又は鉄合金で作製された不正メダルを選別して排除するとともに、1ゲームあたりに投入可能な所定枚数以上のメダルを選別して排除するための装置である。
【0025】
また、メダルセレクタ1の下側には、図2に示すように、その下部側を覆って前扉130の払出し口135に連通する導出路136が設けられている。メダルセレクタ1により振り分けられたメダルは、この導出路136を介して払出し口135から遊技者に返却される。
【0026】
図3は発明の実施の形態に係るスロットマシン100の機能ブロック図を示す。
この図において電源系統についての表示は省略されている。図示しないが、スロットマシンは商用電源(AC100V)から直流電源(+5Vなど)を発生するための電源部を備える。
【0027】
スロットマシン100は、その主要な処理装置としてメイン基板(処理部)10とこれからコマンドを受けて動作するサブ基板20とを備える。なお、少なくともメイン基板10は、外部から接触不能となるようにケース内部に収容され、これら基板を取り外す際に痕跡が残るように封印処理が施されている。
【0028】
メイン基板10は、遊技者の操作を受けて内部抽選を行ったり、リールの回転・停止やメダルの払い出しなどの処理(遊技処理)を行うためのものである。メイン基板10は、予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うCPUと、前記プログラムを記憶する記憶手段であるROMおよび処理結果などを一時的に記憶するRAMを含む。
【0029】
サブ基板20は、メイン基板10からコマンドを受けて内部抽選の結果を報知したり各種演出を行うためのものである。サブ基板20は、前記コマンドに応じた予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うCPUと、前記プログラムを記憶する記憶手段であるROMおよび処理結果などを一時的に記憶するRAMを含む。コマンドの流れはメイン基板10からサブ基板20への一方のみであり、逆にサブ基板20からメイン基板10へコマンド等が出されることはない。
【0030】
メイン基板10には、ベットスイッチBET、スタートスイッチ134,ストップボタン140,リールユニット(リール駆動装置を含む)203,リール位置検出回路71、ホッパ駆動部80、ホッパ81及びホッパ81から払い出されたメダルの枚数を数えるためのメダル検出部82(これらは前述のホッパ装置121を構成する)が接続されている。サブ基板20には液晶表示装置の制御用の液晶制御基板200、スピーカ基板201、LED基板202などの周辺基板(デバイス制御基板)が接続されている。周辺基板とは、サブ基板20により制御されるものであり、主に映像、光、音響により演出を行うものである。なお、液晶制御基板200はサブ基板20の内部に設けられることもある。
【0031】
メイン基板10には、さらに、メダルセレクタ1のメダルセンサS1及びS2が接続されている。
【0032】
メダルセレクタ1には、メダルを計数するためのメダルセンサS1及びS2が設けられている。メダルセンサS1及びS2は、メダルセレクタ1に設けられた図示しないメダル通路の下流側(出口近傍)に設けられている(メダル通路の上流側はメダル投入口132に連通している)。2つのメダルセンサS1とS2は、メダルの進行方向に沿って所定間隔を空けて並べて設けられている。メダルセンサS1、S2は、例えば、互いに対向した発光部と受光部とを有して断面コ字状に形成され、その検出光軸をメダル通路内に上方から臨ませて位置するフォトインタラプタである。各フォトインタラプタにより、途中で阻止されずに送られてきたメダルの通過が検出される。なお、フォトインタラプタを2つ隣接させたのは、メダル枚数を検出するだけでなく、メダルの通過が正常か否かを監視するためである。すなわち、フォトインタラプタを2つ隣接させて設けることにより、メダルの通過速度や通過方向を検出することができ、これによりメダル枚数だけでなく、逆方向に移動する不正行為を感知することができる。
【0033】
ホッパ駆動部80は、ホッパ81を回転駆動して、メイン基板10によって指示された払出数のメダルを払い出す動作を行う。遊技機は、メダルを1枚払い出す毎に作動するメダル検出部82を備えており、メイン基板10は、メダル検出部82からの入力信号に基づいてホッパ81から実際に払い出されたメダルの数を管理することができる。
【0034】
投入受付手段1050は、メダルセレクタ1のメダルセンサS1とS2の出力を受け、遊技毎にメダルの投入を受け付けて、規定投入数に相当するメダルが投入されたことに基づいて、スタートスイッチ134に対する第1リール〜第3リールの回転開始操作を許可する処理を行う。なお、スタートスイッチ134の押下操作が、第1リール〜第3リールの回転を開始させる契機となっているとともに、内部抽選を実行する契機となっている。また、遊技状態に応じて規定投入数を設定し、通常状態およびボーナス成立状態では規定投入数を3枚に設定し、ボーナス状態では規定投入数を1枚に設定する。
【0035】
メダルが投入されると、遊技状態に応じた規定投入数を限度として、投入されたメダルを投入状態に設定する。あるいは、遊技機にメダルがクレジットされた状態で、ベットスイッチBETが押下されると、遊技状態に応じた規定投入数を限度して、クレジットされたメダルを投入状態に設定する。メダルの投入を受け付けるかどうかは、メイン基板10が制御する。メダルの投入を受け付ける状態になっていないときは(許可されていないときは)、メダルを投入してもメダルセンサS1、S2でカウントされず、そのまま返却される。同様に、メイン基板10はベットスイッチBETの有効/無効を制御する。ベットスイッチBETが有効になっていないときは(許可されていないときは)、ベットスイッチBETを押下しても、それは無視される。
【0036】
メイン基板10は、乱数発生手段1100を内蔵する。乱数発生手段1100は、抽選用の乱数値を発生させる手段である。乱数値は、例えば、インクリメントカウンタ(所定のカウント範囲を循環するように数値をカウントするカウンタ)のカウント値に基づいて発生させることができる。なお本実施形態において「乱数値」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、その発生自体は規則的であっても、その取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能しうる値も含まれる。
【0037】
内部抽選手段1200は、遊技者がスタートスイッチ134からのスタート信号に基づいて、役の当否を決定する内部抽選を行う。すなわち、メイン基板10のメモリ(図示せず)に記憶されている抽選テーブル(図示せず)を選択する抽選テーブル選択処理、乱数発生手段1100から得た乱数の当選を判定する乱数判定処理、当選の判定結果で大当たりなどに当選したときにその旨のフラグを設定する抽選フラグ設定処理などを行う。
【0038】
抽選テーブル選択処理では、図示しない記憶手段(ROM)に格納されている複数の抽選テーブル(図示せず)のうち、いずれの抽選テーブルを用いて内部抽選を行うかを決定する。抽選テーブルでは、複数の乱数値(例えば、0〜65535の65536個の乱数値)のそれぞれに対して、リプレイ、小役(ベル、チェリー)、レギュラーボーナス(RB:ボーナス)、およびビッグボーナス(BB:ボーナス)などの各種の役が対応づけられている。また、遊技状態として、通常状態、ボーナス成立状態、およびボーナス状態が設定可能とされ、さらにリプレイの抽選状態として、リプレイ無抽選状態、リプレイ低確率状態、リプレイ高確率状態が設定可能とされる。
【0039】
乱数判定処理では、スタートスイッチ134からのスタート信号に基づいて、遊技毎に前記乱数発生手段(図示せず)から乱数値(抽選用乱数)を取得し、取得した乱数値について前記抽選テーブルを参照して役に当選したか否かを判定する。
【0040】
抽選フラグ設定処理では、乱数判定処理の結果に基づいて、当選したと判定された役の抽選フラグを非当選状態(第1のフラグ状態、オフ状態)から当選状態(第2のフラグ状態、オン状態)に設定する。2種類以上の役が重複して当選した場合には、重複して当選した2種類以上の役のそれぞれに対応する抽選フラグが当選状態に設定される。抽選フラグの設定情報は、記憶手段(RAM)に格納される。
【0041】
入賞するまで次回以降の遊技に当選状態を持ち越し可能な抽選フラグ(持越可能フラグ)と、入賞の如何に関わらず次回以降の遊技に当選状態を持ち越さずに非当選状態にリセットされる抽選フラグ(持越不可フラグ)とが用意されていることがある。この場合、前者の持越可能フラグが対応づけられる役としては、レギュラーボーナス(RB)およびビッグボーナス(BB)があり、それ以外の役(例えば、小役、リプレイ)は後者の持越不可フラグに対応づけられている。すなわち抽選フラグ設定処理では、内部抽選でレギュラーボーナスに当選すると、レギュラーボーナスの抽選フラグの当選状態を、レギュラーボーナスが入賞するまで持ち越す処理を行い、内部抽選でビッグボーナスに当選すると、ビッグボーナスの抽選フラグの当選状態を、ビッグボーナスが入賞するまで持ち越す処理を行う。このときメイン基板10は、内部抽選機能により、レギュラーボーナスやビッグボーナスの抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技でも、レギュラーボーナスおよびビッグボーナス以外の役(小役およびリプレイ)についての当否を決定する内部抽選を行っている。すなわち抽選フラグ設定処理では、レギュラーボーナスの抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技において、内部抽選で小役あるいはリプレイが当選した場合には、既に当選しているレギュラーボーナスの抽選フラグと内部抽選で当選した小役あるいはリプレイの抽選フラグとからなる2種類以上の役に対応する抽選フラグを当選状態に設定し、ビッグボーナスの抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技において、内部抽選で小役あるいはリプレイが当選した場合には、既に当選しているビッグボーナスの抽選フラグと内部抽選で当選した小役あるいはリプレイの抽選フラグとからなる2種類以上の役に対応する抽選フラグを当選状態に設定する。
【0042】
リプレイ処理手段1600は、リプレイが入賞した場合に、次回の遊技に関して遊技者の所有するメダルの投入を要さずに前回の遊技と同じ準備状態に設定するリプレイ処理(再遊技処理)を行う。リプレイが入賞した場合には、遊技者の手持ちのメダル(クレジットメダルを含む)を使わずに前回の遊技と同じ規定投入数のメダルが自動的に投入状態に設定される自動投入処理が行われ、遊技機が前回の遊技と同じ入賞判定ラインを有効化した状態で次回の遊技における回転開始操作(遊技者によるスタートスイッチ134の押下操作)を待機する状態に設定される。
【0043】
リプレイ処理手段1600は、所定条件下で内部抽選におけるリプレイの当選確率を変動させる制御を行うことがある。リプレイの抽選状態として、リプレイが内部抽選の対象から除外されるリプレイ無抽選状態、リプレイの当選確率が約1/7.3に設定されるリプレイ低確率状態、およびリプレイの当選確率が約1/6に設定されるリプレイ高確率状態という複数種類の抽選状態を設定可能とされている。リプレイの抽選状態を変化させることにより、内部抽選におけるリプレイの当選確率を変動させる。
【0044】
リール制御手段1300は、遊技者がスタートスイッチ134の押下操作(回転開始操作)によるスタート信号に基づいて、第1リール〜第3リールをステッピングモータにより回転駆動して、第1リール〜第3リールの回転速度が所定速度(約80rpm:1分間あたり約80回転となる回転速度)に達した状態において回転中のリールにそれぞれ対応する3つのストップボタン140の押下操作(停止操作)を許可する制御を行うとともに、ステッピングモータにより回転駆動されている第1リール〜第3リールを抽選フラグの設定状態(内部抽選の結果)に応じて停止させる制御を行う。
【0045】
また、リール制御手段1300は、3つのストップボタン140に対する押下操作(停止操作)が許可(有効化)された状態において、遊技者が3つのストップボタン140を押下することにより、そのリール停止信号に基づいて、リールユニット203のステッピングモータへの駆動パルス(モータ駆動信号)の供給を停止することにより、第1リール〜第3リールの各リールを停止させる制御を行う。
【0046】
すなわち、リール制御手段1300は、3つのストップボタン140の各ボタンが押下される毎に、第1リール〜第3リールのうち押下されたボタンに対応するリールの停止位置を決定して、決定された停止位置でリールを停止させる制御を行っている。具体的には、記憶手段(ROM)に記憶されている停止制御テーブル(図示せず)を参照して3つのストップボタンの押下タイミングや押下順序等(停止操作の態様)に応じた第1リール〜第3リールの停止位置を決定し、決定された停止位置で第1リール〜第3リールを停止させる制御を行う。
【0047】
ここで停止制御テーブルでは、ストップボタン140の作動時点における第1リール〜第3リールの位置(押下検出位置)と、第1リール〜第3リールの実際の停止位置(または押下検出位置からの滑りコマ数)との対応関係が設定されている。抽選フラグの設定状態に応じて、第1リール〜第3リールの停止位置を定めるための停止制御テーブルが用意されることもある。
【0048】
遊技機では、リールユニット203がフォトセンサからなるリールインデックス(図示せず)を備えており、リール制御手段1300は、リールが1回転する毎にリールインデックスで検出される基準位置信号に基づいて、リールの基準位置(リールインデックスによって検出されるコマ)からの回転角度(ステップモータの回転軸の回転ステップ数)を求めることによって、現在のリールの回転状態を監視することができるようになっている。すなわち、メイン基板10は、ストップボタン140の作動時におけるリールの位置を、リールの基準位置からの回転角度を求めることにより得ることができる。
【0049】
リール制御手段1300は、いわゆる引き込み処理と蹴飛ばし処理とをリールを停止させる制御として行っている。引き込み処理とは、抽選フラグが当選状態に設定された役に対応する図柄が有効な入賞判定ライン上に停止するように(当選した役を入賞させることができるように)リールを停止させる制御処理である。一方蹴飛ばし処理とは、抽選フラグが非当選状態に設定された役に対応する図柄が有効な入賞判定ライン上に停止しないように(当選していない役を入賞させることができないように)リールを停止させる制御処理である。すなわち本実施形態の遊技機では、上記引き込み処理及び蹴飛ばし処理を実現させるべく、抽選フラグの設定状態、ストップボタン140の押下タイミング、押下順序、既に停止しているリールの停止位置(表示図柄の種類)などに応じて各リールの停止位置が変化するように停止制御テーブルが設定されている。このように、メイン基板10は、抽選フラグが当選状態に設定された役の図柄を入賞の形態で停止可能にし、一方で抽選フラグが非当選状態に設定された役の図柄が入賞の形態で停止しないように第1リール〜第3リールを停止させる制御を行っている。
【0050】
本実施形態の遊技機では、第1リール〜第3リールが、ストップボタン140が押下された時点から190ms以内に、押下されたストップボタンに対応する回転中のリールを停止させる制御状態に設定されている。すなわち回転している各リールの停止位置を決めるための停止制御テーブルでは、ストップボタン140の押下時点から各リールが停止するまでに要するコマ数が0コマ〜4コマの範囲(所定の引き込み範囲)で設定されている。
【0051】
入賞判定手段1400は、第1リール〜第3リールの停止態様に基づいて、役が入賞したか否かを判定する処理を行う。具体的には、記憶手段(ROM)に記憶されている入賞判定テーブルを参照しながら、第1リール〜第3リールの全てが停止した時点で入賞判定ライン上に表示されている図柄組合せが、予め定められた役の入賞の形態であるか否かを判定する。
【0052】
入賞判定手段1400は、その判定結果に基づいて、入賞時処理を実行する。入賞時処理としては、例えば、小役が入賞した場合にはホッパ81を駆動してメダルの払出制御処理が行われるか、あるいはクレジットの増加され(規定の最大枚数例えば50枚まで増加され、それを超えた分だけ実際にメダル払い出される)、リプレイが入賞した場合にはリプレイ処理が行われ、ビッグボーナスやレギュラーボーナスが入賞した場合には遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理が行われる。
【0053】
払出制御手段1500は、遊技結果に応じたメダルの払い出しに関する払出制御処理を行う。具体的には、小役が入賞した場合に、役毎に予め定められている配当に基づいて遊技におけるメダルの払出数を決定し、決定された払出数に相当するメダルを、ホッパ駆動部80でホッパ81を駆動して払い出させる。この際に、ホッパ81に内蔵される図示しないモータに電流が流れることになる。
【0054】
メダルのクレジット(内部貯留)が許可されている場合には、ホッパ81によって実際にメダルの払い出しを行う代わりに、記憶手段(RAM)のクレジット記憶領域(図示省略)に記憶されているクレジット数(クレジットされたメダルの数)に対して払出数を加算するクレジット加算処理を行って仮想的にメダルを払い出す処理を行う。
【0055】
また、メイン基板10は、通常状態、ボーナス成立状態、およびボーナス状態の間で遊技状態を移行させる制御を行うことがある(遊技状態移行制御機能)。遊技状態の移行条件は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の条件のうち1の条件が成立したこと、あるいは複数の条件の全てが成立したことに基づいて、遊技状態を他の遊技状態へ移行させることができる。
【0056】
通常状態は、複数種類の遊技状態の中で初期状態に相当する遊技状態で、通常状態からはボーナス成立状態への移行が可能となっている。ボーナス成立状態は、内部抽選でビッグボーナスあるいはレギュラーボーナスに当選したことを契機として移行する遊技状態である。ボーナス成立状態では、通常状態における内部抽選でビッグボーナスが当選した場合、ビッグボーナスが入賞するまでビッグボーナスに対応する抽選フラグが当選状態に維持され、通常状態における内部抽選でレギュラーボーナスが当選した場合、レギュラーボーナスが入賞するまでレギュラーボーナスに対応する抽選フラグが当選状態に維持される。ボーナス状態では、ボーナス遊技によって払い出されたメダルの合計数により終了条件が成立したか否かを判断し、入賞したボーナスの種類に応じて予め定められた払出上限数を超えるメダルが払い出されると、ボーナス状態を終了させて、遊技状態を通常状態へ復帰させる。
【0057】
リールユニット203は、図示しない3つのリールを備えるが、3つのリールそれぞれにひとつづつステッピングモータが取り付けられている。ステッピングモータは、回転子(ロータ)として歯車状の鉄心あるいは永久磁石を備え、固定子(ステータ)として複数の巻線(コイル)を備え、電流を流す巻線を切り替えることによって回転動作させるものである。すなわち、固定子の巻線に電流を流して磁力を発生させ、回転子を引きつけることで回転するものである。回転軸を指定された角度で停止させることが可能なことから、スロットマシンのリールの回転駆動に使用されている。複数の巻線がひとつの相を構成する。相の数として、例えば、2つ(二相)、4つ(4相)、5つ(5相)のものもある。
【0058】
次に、遊技機における遊技処理について図4を参照して説明を加える。
一般的に、遊技機において、メダルの投入(クレジットの投入)に始まり、払い出しが終了するまで(又はクレジット数の増加が終了するまで)が一遊技である。一遊技が終了するまでは次回の遊技に進めないという決まりがある。
【0059】
先ず、規定枚数のメダルが投入されることでスタートスイッチ134が有効になり、図4の処理が開始される。
【0060】
ステップS1において、スタートスイッチ134が操作されることにより、スタートスイッチ134がONとなる(レバー押下)。そして、次のステップS2に進む。
【0061】
ステップS2において、メイン基板10により抽選処理が行われる。そして、次のステップS3に進む。
【0062】
スタートスイッチ134がONになったことに起因して、ステップS3において、第1リール〜第3リールの回転が開始し、各リールの回転速度が所定回転速度(定常回転、その回転速度は約80rpm)に到達するまで加速される。所定回転速度に達したら加速が停止し、そのときの回転速度を維持しつつ定常回転を行う。定常回転になると各リールに対する停止操作が可能となる。3つのリールそれぞれに対応して3つのストップボタン140が設けられているが、あるリールが定常回転に達したとき当該リールに対応するストップボタン140が点灯して操作可能であることを遊技者に知らせるとともに、リール制御手段1300は当該ストップボタン140からの信号を受け付けるようになる。この処理が3つのリールそれぞれについて行われる。そして、次のステップS4に進む。
【0063】
ステップS4において、ストップボタン140が操作されることにより、ストップボタン140がONとなる。そして、次のステップS5に進む。
【0064】
ステップS5において、第1リール〜第3リールのうち押下されたストップボタン140に対応するリールについて回転停止処理が行われる。そして、次のステップS6に進む。
【0065】
ステップS6において、三個のリールに対応するストップボタン140の操作が行われたか否かが判定される。そして、三個のリールに対応する3つのストップボタン140すべての操作が行われたと判定された場合、次のステップS7に進む。
【0066】
ステップS7において、抽選フラグ成立中に当該抽選フラグに対応する入賞図柄が有効入賞ライン上に揃ったか否か、すなわち、入賞が確定したか否かが判定される。そして、入賞が確定したと判定された場合、次のステップS8に進む。なお、入賞が確定しなかったときは、抽選フラグが成立していてもメダルの払い出しは行われない。
【0067】
ステップS8において、入賞図柄に相当するメダルが払い出される。
【0068】
メダルの投入からステップS8の実行完了までが、一遊技である。ステップS8の待機処理が終了すると、処理はフローチャートの最初に戻る。言い換えれば、次の遊技が可能な状態になる(次遊技へ移行する)。
【0069】
図5に、発明の実施の形態に係る遊技機のブロック図を示す。同図は、発明の実施の形態の動作に関連する部分のみを示し、他の要素の表示は省略している。図3のブロック図では、液晶制御基板200がサブ基板20の外部に設けられていたが、図5は液晶制御基板200がサブ基板20の内部に設けられている例を示す。発明の実施の形態は、図3図5のいずれについても適用できる。
【0070】
210は、液晶表示装置(画像表示装置)LCDに表示する画面を記憶する画面記憶部である。画面記憶部210は半導体メモリで構成され、それぞれ独立して描画を行うことのできる複数のレイヤを含んでいる。複数のレイヤが合成された画面が液晶表示装置LCDに表示される。例えば、図6(a)に示すように、レイヤ1乃至レイヤ20の合計20のレイヤを備える。
【0071】
211は、画面記憶部210に描画を行う描画処理部である。描画処理の内容については後に詳しく説明する。
【0072】
液晶制御基板200は、画面記憶部210から画面データを読み出して液晶表示装置LCDに表示するための画面読出部や、予め定められたムービーデータ(動画データ)に基づき各レイヤでムービーを表示するためのムービー処理部なども含むが、説明の便宜上、図5においてはそれらの表示を省略している。
【0073】
300は、予め定められた時間(後述の第1時間)において、ベットスイッチ(操作ボタン)BETの操作回数を計数するための連打カウンタである。なお、ベットスイッチBETとは別個に、発明の実施の形態に係る演出を実行するための専用の操作スイッチ(例えばジョグダイヤルのようなもの)を設けるようにし、この操作ボタンの操作回数を連打カウンタ300で計数するようにしてもよい。
【0074】
描画処理部211は、前述のレイヤにキャラ(対象)を描画して画面を生成するためのムービーデータを予め記憶している。例えば、図6(b)に示すようにムービー1乃至ムービー10の合計10のムービーデータを記憶している。
【0075】
例えば、1レイヤに最大10個のキャラを描画できるようにしているのならば、10個/レイヤ×20レイヤ=200個であるから、図6のように構成することで最大200個のキャラを液晶表示装置LCD上に表現することができる。
【0076】
各ムービーデータは、描画できるキャラの数が1乃至10個であり、ムービーデータごとにキャラクタの出現位置が互いに異なっている。図6(b)の例ではムービー1はキャラ数=1、出現位置=X1、ムービー2はキャラ数=2、出現位置=X2、ムービー3はキャラ数=3、出現位置=X3、・・・ムービー10はキャラ数=10、出現位置=X10である。X1、X2、X3、・・・、X10はそれぞれ互いに異なる位置を示す。それらの間隔は、互いのキャラが充分に判別できる程度である。
【0077】
各ムービーの長さは例えば2000msである。画面上にキャラが登場してからこれが消えるまでに要する時間が2000msである。
【0078】
例えば、ひとつのレイヤの処理時間、言い換えればあるレイヤの処理開始から次のレイヤの処理開始までの間隔を100ms(第1時間)とすれば、図6の例によればレイヤ1からレイヤ20までの処理に100ms×20=2000msとなり、ムービーの長さと一致する。この場合、あるひとつのレイヤについて描画し、次に再び当該レイヤに描画する際には当該レイヤに書き込まれたムービーが終了していることになる。このように設定することで、各レイヤについての描画処理はムービー終了後となり、当該ムービーに対する影響を考慮することなく自由に行うことができる。
【0079】
また、上記100ms(第1時間)は、ベットスイッチ(操作ボタン)BETに対する遊技者の操作の時間間隔に対応しても定められている。100msであれば遊技者による操作回数は最大でも10回を超えることなく、操作回数(押下回数)と同じ数のキャラを描画するという後述の処理においてムービーが足りなくなるということがない。仮に、第1時間を1000msとしたならばムービーの数を100程度にしなければならず、ムービーの制作及び当該データの記憶容量の確保の点で問題が生じる。
【0080】
以上まとめると次のようになる。
【0081】
(a)レイヤの処理間隔(第1時間)は、遊技者の操作の時間間隔に対応して定められる。第1時間は、遊技者による操作が最大でも数回程度となる間隔である。遊技者にレスポンスの遅れを感じさせない程度の時間に設定することが好ましい(仮に1000msとすると、ボタン押下からキャラ表示まで最大1000msを要することになり、遊技者が違和感をもつ)。
【0082】
(b)ムービーの数は、第1時間における最大の操作回数と同程度とする。図6は、第1時間における操作回数が10回を超えないとした例である。第1時間=100msであれば操作回数が10回を超えないと考えられる。
【0083】
(c)最初に処理するレイヤ(初期レイヤ、レイヤ1)に戻るまでの時間(第2時間)は、第1時間とレイヤの数の積に対応して定められている。第2時間=レイヤ数×第1時間=20×100ms=2000msであるので、ムービーの長さは2000msとなる。ムービーを長くするときはレイヤ数を増やすようにする。
【0084】
発明の実施の形態に係る遊技機の処理について、図7のフローチャートを参照して説明を加える。
【0085】
図7は、MAXBET連打演出に係る描画処理のフローチャートである。MAXBET連打演出は、遊技者がベットスイッチBETを繰り返し押下することに対応して、液晶表示装置上にキャラを多数表示させるという演出である。押下回数が多くなればなるほど多数のキャラが画面上に表示される。
【0086】
S10:MAXBET(ベットスイッチBET)が押下(操作)されたかどうか判定する。
これはベットスイッチBET(操作ボタン)が操作されたかどうか判定するステップである。押下されていないときは(NO)、S12に進む。
【0087】
S11:S10で押下されたと判定されたとき(YES)、連打カウンタ300を+1(インクリメント)する。
これはベットスイッチBET(操作ボタン)が操作されたときに連打カウンタ300を動作させるステップである。これにより、連打カウンタ300は100ms(第1時間)における押下回数を示すようになる。
【0088】
S12:前回の処理から(前回のループにおいてS12でYESとなったときから)100ms(第1時間)を経過したかどうか判定する。
【0089】
100ms(第1時間)を単位として、その間における押下回数に基づき以下の処理を行う。
【0090】
100ms(第1時間)経過したときはS13に進み、経過していないときはS10に戻る。
【0091】
S13:2000ms(第2時間)経過したかどうか判定する。この判定処理は全てのレイヤについて処理を完了したとき、最初のレイヤ(初期レイヤ、レイヤ1)に戻るためのものである。したがって、2000ms(第2時間)の計時開始タイミングは、S15:レイヤ1についての処理を開始したタイミングである。図6の例では、20レイヤ×100ms=2000msを周期とするリング式のレイヤとして管理を行っている。
【0092】
S13でNOのときは処理をすべき次のレイヤが存在するからS14に進み、YESのときは処理を最初のレイヤに戻すためにS15に進む。
【0093】
S14:レイヤをインクリメントする。
次のレイヤに進む。例えば、前回のレイヤ=レイヤ1であるとき、今回のレイヤ=レイヤ2とする。
【0094】
S15:レイヤを1にセットする。初期レイヤに戻る。
【0095】
S14又はS15でセットしたレイヤについて、S16乃至S18の処理を行う。
【0096】
S16:連打カウンタ300の値に応じてキャラを描画する。
【0097】
連打カウンタ300の内容に応じた数のキャラ(対象)を、S14又はS15で選択されたレイヤの予め定められた位置に描画するステップである。
【0098】
連打カウンタの値が1,2,3,・・・であれば描画すべきキャラの数は1,2,3、・・・であるから、それぞれムービー1,2,3,・・・を選択して描画を行う。
【0099】
なお、連打カウンタ300の値が0のときは描画処理を行うことなくS10に戻る。この場合はS14、S15を行う必要はない。
【0100】
S17:前回と同じ連打カウンタ300の場合、描画位置を少しずらす。
【0101】
S16で読み出した連打カウンタ300の内容が、前回の処理における内容と同じであるかどうか判定し、同じであるときS16で描画したキャラの位置をずらすステップである。
【0102】
例えば、前回(前回のループにおけるS16の処理の際)の連打カウンタ300の値が1で、今回も1である場合、S17の処理を行う。図6(b)によれば、連打カウンタ=1に対応するムービー1のキャラの出現位置はX1であるから、前回と今回において連打カウンタ300の値が1であるときは出現位置がいずれもX1となってキャラの出現位置(描画位置)はまったく同じになる。レイヤが異なるから前回のキャラが今回のキャラで上書きされることはないものの、表示画面上では重なり見分けがつかない(特にムービーの動きが小さい場合)。そこで、上記の場合は描画位置をずらして重ならないようにする。
【0103】
例えば、予めずれ量ΔXを決めておき、前回と今回で連打カウンタ300の値が一致した場合は、出現位置をX1からX1+ΔXに変更する。連打カウンタ300の値が一致することが連続した場合にずれ量を異なるようにするために、複数のずれ量ΔX、ΔY、ΔZ、・・・を予め定めておいてもよい。ずれ量を乱数に基づき抽選で選択するようにしてもよい。ずれ量は、例えば前回描画されたキャラと今回描画されるキャラが充分に判別できる程度である。
【0104】
なお、連打カウンタ300の内容が、前回の処理における内容と同じであるときに限らず、多少違っているときでもキャラの位置をずらすようにしてもよい。また、連打カウンタ300の内容によらずキャラの位置をずらすようにしてもよい。
【0105】
S18:連打カウンタ300を初期化する(リセット、値=0とする)。
【0106】
S10に戻り、以上の処理を繰り返す。
【0107】
なお、S17の処理を省略するようにしてもよい。この場合、表示画面上ではキャラが重なり見分けがつきにくくなるが、ムービーの動きやキャラの数・大きさによって、S17の処理を行わなくても問題ないこともある(ムービーの動きが大きい、キャラが少なく、小さいような場合)。
【0108】
図7の処理について、図8の画面例を参照して具体的に説明を加える。
【0109】
図8はタイミングチャートであり、図7の処理を完了した直後のレイヤ1乃至3の様子と、表示画面を示す。100ms(第1時間)ごとに管理されている。t0、t1、t2、t3、t4、・・・は図7の処理の開始(S10の開始)タイミングであり、それらの間隔T0、T1、T2、T3は100ms(第1時間)である。レイヤ1乃至3,表示画面の行に示されている複数の四角は、それぞれt1、t2、t3における画面(メモリマップ)を示している。例えば、t0からt1にかけての期間(第1時間)における連打数に基づき、t1においてT1に示すようにキャラが描画される。
【0110】
t0からt1にかけて図7のS10乃至S12が繰り返される。この期間において押下は1回だけである(符号ア)から、t1において連打カウンタの値=1である。
【0111】
図8の例は、図7の処理が最初に適用されるケースを示しており、処理対象のレイヤは初期レイヤ=レイヤ1である(図7のS15が実行される)。
【0112】
連打カウンタの値=1であるのでムービー1が選択され、処理対象のレイヤ=レイヤ1であるので、レイヤ1の出現位置X1にひとつのキャラが描画される(S16)。最初の描画であるので、S17の描画位置の変更は行われない。
【0113】
レイヤ2以降には何ら描画がなされていないので、表示画面にはレイヤ1のキャラのみが表示される。
【0114】
ひき続いてt1からt2にかけて処理が行われる。
【0115】
t1からt2にかけてもS10乃至S12が繰り返される。この期間においても押下は1回だけである(符号イ)から、t2において連打カウンタの値=1である。
【0116】
t2において図7のS12がYESとなるとともにS13でNOとなるので、S14で次のレイヤ=レイヤ2が処理対象となる。
【0117】
連打カウンタの値=1であるのでムービー1が選択され、処理対象のレイヤ=レイヤ2であるので、レイヤ2の出現位置X1にひとつのキャラが描画される(S16)。
【0118】
前回の連打カウンタの値=今回の連打カウンタの値=1であるので、S17で描画位置の変更が行われる。例えば描画位置がX1からX1+ΔXに変更される。これに伴い、図8のレイヤ2におけるキャラの位置が符号β1に示すように変更される。
【0119】
なお、レイヤ1においてムービー1が再生されているので、t1からt2の間にキャラは例えば符号α1のように移動している。ムービーに関する処理は公知であるので、その説明は省略する。
【0120】
レイヤ3には何ら描画がなされていないので、表示画面にはレイヤ1とレイヤ2の2つのキャラが表示される。
【0121】
ひき続いてt2からt3にかけて処理が行われる。
【0122】
t2からt3にかけてもS10乃至S12が繰り返される。この期間においても押下は1回だけである(符号ウ)から、t3において連打カウンタの値=1である。
【0123】
t3において図7のS12がYESとなるとともにS13でNOとなるので、S14で次のレイヤ=レイヤ3が処理対象となる。
【0124】
連打カウンタの値=1であるのでムービー1が選択され、処理対象のレイヤ=レイヤ3であるので、レイヤ3の出現位置X1にひとつのキャラが描画される(S16)。
【0125】
前回の連打カウンタの値=今回の連打カウンタの値=1であるので、S17で描画位置の変更が行われる。例えば描画位置がX1からX1+ΔYに変更される。これに伴い、図8のレイヤ2におけるキャラの位置が符号β2に示すように変更される。
【0126】
なお、レイヤ1とレイヤ2においてムービー1が再生されているので、t2からt3の間にキャラは例えば符号α2,α3のように移動している。
【0127】
表示画面にはレイヤ1乃至レイヤ3の3つのキャラが表示される。
【0128】
図8の例からわかるように、図7の処理により押下の回数に応じて画面にキャラが表示される。
【0129】
図9の他の画面例を参照してさらに説明を加える。
【0130】
t0からt1にかけて図7のS10乃至S12が繰り返される。この期間において押下は2回である(符号ア1とア2)から、t1において連打カウンタの値=2である。
【0131】
図9の例は、図8と同様に図7の処理が最初に適用されるケースを示しており、処理対象のレイヤは初期レイヤ=レイヤ1である(図7のS15が実行される)。
【0132】
連打カウンタの値=2であるのでムービー2が選択され、処理対象のレイヤ=レイヤ1であるので、レイヤ1の出現位置X2に2つのキャラが描画される(S16)。最初の描画であるので、S17の描画位置の変更は行われない。
【0133】
レイヤ2以降には何ら描画がなされていないので、表示画面にはレイヤ1の2つのキャラのみが表示される。
【0134】
ひき続いてt1からt2にかけて処理が行われる。
【0135】
t1からt2にかけてもS10乃至S12が繰り返される。この期間において押下は1回だけである(符号イ)から、t2において連打カウンタの値=1である。
【0136】
t2において図7のS12がYESとなるとともにS13でNOとなるので、S14で次のレイヤ=レイヤ2が処理対象となる。
【0137】
連打カウンタの値=1であるのでムービー1が選択され、処理対象のレイヤ=レイヤ2であるので、レイヤ2の出現位置X1にひとつのキャラが描画される(S16)。
【0138】
前回の連打カウンタの値=2であり今回の連打カウンタの値=1と異なるので、S17の描画位置の変更は行われない。
【0139】
なお、レイヤ1においてムービー1が再生されているので、t1からt2の間にキャラは例えば符号α4のように移動している。
【0140】
レイヤ3には何ら描画がなされていないので、表示画面にはレイヤ1とレイヤ2の3つのキャラが表示される。
【0141】
ひき続いてt2からt3にかけて処理が行われる。
【0142】
t2からt3にかけてもS10乃至S12が繰り返される。この期間においても押下は1回だけである(符号ウ)から、t3において連打カウンタの値=1である。
【0143】
t3において図7のS12がYESとなるとともにS13でNOとなるので、S14で次のレイヤ=レイヤ3が処理対象となる。
【0144】
連打カウンタの値=1であるのでムービー1が選択され、処理対象のレイヤ=レイヤ3であるので、レイヤ3の出現位置X1にひとつのキャラが描画される(S16)。
【0145】
前回の連打カウンタの値=今回の連打カウンタの値=1であるので、S17で描画位置の変更が行われる。例えば描画位置がX1からX1+ΔZに変更される。これに伴い、図8のレイヤ2におけるキャラの位置が符号β3に示すように変更される。
【0146】
なお、レイヤ1とレイヤ2においてムービー1が再生されているので、t2からt3の間にキャラは例えば符号α5,α6のように移動している。
【0147】
表示画面にはレイヤ1乃至レイヤ3の4つのキャラが表示される。
【0148】
図9の例においても、図7の処理により押下の回数に応じて画面にキャラが表示される。
【0149】
発明の実施の形態によれば、複数のムービーを用意することでひとつのレイヤで複数のキャラを表示できるようにするとともに、複数のレイヤを用いて複数のキャラを表示できるようにしている。連打数にあわせて時間管理により表示するキャラの数を制御している。連打演出における表示キャラ数に応じてレイヤ数とムービー数を選択することで、多様な演出に対応することができる。
【0150】
以上のように、発明の実施の形態によれば、遊技者がベットスイッチなどを繰り返し押下することに対応して画面にキャラを多数表示させるという連打演出を適切に行うことができる。
【0151】
発明の実施の形態によれば、連打カウンタの値に応じて描画位置を変更することで、画面上に表示されるキャラ同士が重ならないようにできる。
【0152】
発明の実施の形態によれば、複数のレイヤを用い、これらをリング状に管理(レイヤ1、レイヤ2、・・・・、レイヤ20の順番で描画を行い、最後のレイヤ20の次に最初のレイヤ1に戻るような制御)することにより、スイッチ(ボタン)押下に応じて追加キャラを新たに描画する際に描画済みのキャラを上書きして消してしまうということがない。
【0153】
発明の実施の形態によれば、複数のレイヤ及び複数のムービーを用いているので処理負荷を抑制することでき、実装が容易である。複数のレイヤを用いないとすると短時間に多数のキャラを描画しなければならない(図9を例に取ると、T3において4つのキャラを描画しなければならない)が、複数のレイヤを用いることで描画するキャラの数を減らすことができる(図9の例では最大2つ)。表示キャラ数が多くなればなるほどこの効果は大きい。複数のムービーを用いることでレイヤ数を抑制することができる。ムービーがひとつであると、最大の表示キャラ数と同じ数のレイヤが必要になる。処理負荷が小さいのでリアルタイムの処理が可能になる。
【0154】
従来の遊技機ではその処理能力の制約のために遊技者の見た目をごまかすような処理を行っていたが、発明の実施の形態によれば、連打演出の趣旨に沿った表現が可能である。連打演出の際に遊技者に不快感や不明瞭感を与えないようにすることができる。
【0155】
なお、ボタン押下から処理開始までの間(例えば、図8の符号アからt1までの間)は描画処理が行われない。この点、厳密な意味でのリアルタイム性を有していないが、この間隔は100ms(第1時間)と遊技者にとって短いので、遊技者の興趣は損なわないと考えられる。言い換えれば、遊技者の興趣を損なわない程度の間隔になるように第1時間を選択するようにする。
【0156】
図7のフローチャートでは、S16でキャラを描画してから、S17でキャラを移動していたが、図10のように、S19でキャラの出現位置をずらした後(X1をX1+ΔXやX1+ΔYとする)、キャラを描画するようにしてもよい。図10のS10乃至S18の処理は図7と変わらないので、その説明は省略する。
【0157】
図7及び図10のS13において2000ms(第2時間)を計時することでレイヤを初期値に戻すことでレイヤをリング状に管理していたが、図11のS13bのように前回のレイヤが最後のレイヤ(レイヤ20)であるかどうか判定することでレイヤをリング状に管理するようにもできる。図11の他のS10乃至S18の処理は図7と変わらないので、その説明は省略する。図11の処理は、図10にも適用できる。
【0158】
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0159】
10 メイン基板
20 サブ基板
200 液晶制御基板(表示制御部)
210 画面記憶部
211 描画処理部
300 連打カウンタ
BET ベットスイッチ(操作ボタン)
LCD 液晶表示装置(画像表示装置)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11