特許第6076820号(P6076820)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6076820
(24)【登録日】2017年1月20日
(45)【発行日】2017年2月8日
(54)【発明の名称】粉粒体の計量混合装置
(51)【国際特許分類】
   B29C 31/10 20060101AFI20170130BHJP
   B01F 3/18 20060101ALI20170130BHJP
   B01F 15/04 20060101ALI20170130BHJP
   B01F 15/02 20060101ALI20170130BHJP
【FI】
   B29C31/10
   B01F3/18
   B01F15/04 F
   B01F15/02 B
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-91341(P2013-91341)
(22)【出願日】2013年4月24日
(65)【公開番号】特開2014-213497(P2014-213497A)
(43)【公開日】2014年11月17日
【審査請求日】2015年12月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000129183
【氏名又は名称】株式会社カワタ
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】特許業務法人梶・須原特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小西 修治
(72)【発明者】
【氏名】高木 勇人
【審査官】 辰己 雅夫
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−176599(JP,A)
【文献】 特開2001−147151(JP,A)
【文献】 特開2013−244735(JP,A)
【文献】 特開2011−020268(JP,A)
【文献】 国際公開第2005/077628(WO,A1)
【文献】 特開2000−135553(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C31/00−31/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉粒体を貯留する複数の供給ホッパーと、
前記複数の供給ホッパーと同等またはそれより低い位置に配置され、前記複数の供給ホッパーから供給された粉粒体を貯留して計量する計量ホッパーと、
前記計量ホッパーよりも低い位置に配置され、前記複数の供給ホッパーのうちの少なくとも1つの供給ホッパーに粉粒体を供給する原料タンクと
前記供給ホッパー、前記計量ホッパーおよび前記原料タンクを支持する架台とを備えることを特徴とする粉粒体の計量混合装置。
【請求項2】
前記架台に支持されて、前記計量ホッパーの下方に配置され、前記計量ホッパーから排出された粉粒体が貯留されて撹拌される混合ホッパーを備えており、
前記原料タンクが、前記混合ホッパーよりも低い位置に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の粉粒体の計量混合装置。
【請求項3】
前記架台に支持されて、前記計量ホッパーを挟んで前記原料タンクと水平方向に対向する位置に配置された制御装置を備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の粉粒体の計量混合装置。
【請求項4】
前記架台に支持されて、前記計量ホッパーの下方に配置され、前記計量ホッパーから排出された粉粒体を貯留して他の装置に供給するブレンド材タンクを備えており、
前記ブレンド材タンクは、前記計量ホッパーの下方の位置から前記原料タンクが配置されていない側に水平方向に移動可能であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の粉粒体の計量混合装置。
【請求項5】
前記供給ホッパーは、前記計量ホッパーに粉粒体を供給するための開口とは別に、その下端部に粉粒体を排出するための開閉可能な排出部を有しており、
前記原料タンクが、前記供給ホッパーの下方に配置されており、その上面が前記計量ホッパーから水平方向に離れるほど下方に向かうように傾斜していることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の粉粒体の計量混合装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数種類の粉粒体を計量して混合する粉粒体の計量混合装置に関する。
【背景技術】
【0002】
樹脂ペレットなどの複数種類の粉粒体材料を所定の割合で混合するために、例えば特許文献1のような計量混合装置が用いられている。特許文献1の計量混合装置は、外部の原料タンクから気力輸送される粉粒体を貯留する複数の供給ホッパーと、供給ホッパーの下方に配置された計量ホッパーとを備えており、計量ホッパーの重量をロードセルによって計量しつつ、各供給ホッパーの下端部の排出口から計量ホッパーに粉粒体を投入することで、複数の供給ホッパーからそれぞれ所定量の粉粒体を計量ホッパーに供給するようになっている。また、計量ホッパーは、ケーシングの内部上方に収容されており、計量ホッパーの下端部の排出口から排出された粉粒体は、ケーシングの下部に貯留され、ケーシングの内部下方に設けられた撹拌羽根によって撹拌される。また、ケーシングの下端部には、粉粒体を成形機などの外部の処理装置に供給するための供給口が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−147151号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の計量混合装置は、供給ホッパーから計量ホッパーへの粉粒体の供給、および、計量ホッパーからケーシングの下部への粉粒体の供給を、粉粒体を落下させることで行っているため、供給ホッパーの設置位置が高くなり、装置の重心が高くなる。成形機などの外部の処理装置に粉粒体を気力輸送する際や、供給ホッパーに粉粒体を気力輸送する際、又は計量混合装置の運転時(例えば撹拌羽根の回転時)には、装置に振動が加わる場合があるため、装置の重心が高いと装置が振動しやすく、その振動によって正確に計量できなくなる恐れがある。また、計量混合装置にキャスターが設けられている場合には、キャスターがロック状態であっても、装置の振動が大きくなりやすく特に問題となる。
【0005】
そこで、本発明では、振動を抑制することのできる粉粒体の計量混合装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0006】
第1の発明に係る粉粒体の計量混合装置は、粉粒体を貯留する複数の供給ホッパーと、前記複数の供給ホッパーと同等またはそれより低い位置に配置され、前記複数の供給ホッパーから供給された粉粒体を貯留して計量する計量ホッパーと、前記計量ホッパーよりも低い位置に配置され、前記複数の供給ホッパーのうちの少なくとも1つの供給ホッパーに粉粒体を供給する原料タンクと、前記供給ホッパー、前記計量ホッパーおよび前記原料タンクを支持する架台とを備えることを特徴とする。
【0007】
この構成によると、計量ホッパーよりも低い位置に原料タンクを備えているため、原料タンクを設けない場合に比べて、計量混合装置の重心を低くできる。そのため、計量混合装置の振動を抑制でき、計量精度を向上できる。
また、計量混合装置が原料タンクを備えていることにより、計量混合装置とは別に設置する原料タンクの数を低減でき、その分、コストと設置スペースを低減できる。また、原料タンクと供給ホッパーとを接続する配管の長さを短くできる。
また、原料タンクを供給ホッパーの下方に配置した場合には、供給ホッパーの下方の空間を有効活用でき、計量混合装置の設置スペースを拡大することなく原料タンクを設置できる。
【0008】
第2の発明に係る粉粒体の計量混合装置は、第1の発明において、前記架台に支持されて、前記計量ホッパーの下方に配置され、前記計量ホッパーから排出された粉粒体が貯留されて撹拌される混合ホッパーを備えており、前記原料タンクが、前記混合ホッパーよりも低い位置に配置されていることを特徴とする。
【0009】
この構成によると、原料タンクが、計量ホッパーの下方に配置された混合ホッパーよりも低い位置に配置されているため、装置の重心をより低くできる。
また、計量ホッパーの下方に混合ホッパーが配置されていることで、混合ホッパーを有しない場合よりも供給ホッパーの位置が高くなるため、原料タンクによって装置の重心を下げることが、装置の振動を抑えるために特に有効となる。
【0010】
第3の発明に係る粉粒体の計量混合装置は、第1または第2の発明において、前記架台に支持されて、前記計量ホッパーを挟んで前記原料タンクと水平方向に対向する位置に配置された制御装置を備えていることを特徴とする。
【0011】
この構成によると、制御装置と原料タンクとが計量ホッパーを挟んで対向配置されているため、装置の重心を水平方向に関して計量ホッパーの中央部に近づけることができる。そのため、計量ホッパーの振動をより抑制でき、計量精度を向上できる。
【0012】
第4の発明に係る粉粒体の計量混合装置は、第1〜第3のいずれかの発明において、前記架台に支持されて、前記計量ホッパーの下方に配置され、前記計量ホッパーから排出された粉粒体を貯留して他の装置に供給するブレンド材タンクを備えており、前記ブレンド材タンクは、前記計量ホッパーの下方の位置から前記原料タンクが配置されていない側に水平方向に移動可能であることを特徴とする。
【0013】
この構成によると、ブレンド材タンクは、計量ホッパーの下方の位置から原料タンクが配置されていない側に水平方向に移動可能となっているため、原料タンクが邪魔になることなくブレンド材タンクを移動させることができ、ブレンド材タンクの清掃やメンテナンスが行いやすい。
【0014】
第5の発明に係る粉粒体の計量混合装置は、第1〜第4のいずれかの発明において、前記供給ホッパーは、前記計量ホッパーに粉粒体を供給するための開口とは別に、その下端部に粉粒体を排出するための開閉可能な排出部を有しており、前記原料タンクが、前記供給ホッパーの下方に配置されており、その上面が前記計量ホッパーから水平方向に離れるほど下方に向かうように傾斜していることを特徴とする。
【0015】
この構成によると、供給ホッパーの下方に配置された原料タンクの上面が供給ホッパーから水平方向に離れるほど下方に向かうように傾斜しているため、供給ホッパー内の粉粒体を排出部から排出した際に、原料タンクの上面に粉粒体が落下しても、原料タンクの上面に粉粒体が溜まるのを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施形態に係る計量混合装置の概略構成を示す図である。
図2】計量混合装置の正面図である。
図3】計量混合装置の右側面図である。
図4】計量混合装置の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について説明する。本実施形態の計量混合装置1は、複数種類の粉粒体を所定の割合で配合した後、撹拌して、その混合した粉粒体を成形機などの外部の処理装置101に一定量供給するための装置である。図1図4に示すように、計量混合装置1は、ケーシング2の内部に収容された計量ホッパー3および混合ホッパー4と、ブレンド材タンク5と、4つの供給ホッパー6と、2つの原料タンク7と、制御装置8と、これらを支持する架台9とを備えている。以下、図2図4に示す前後方向および左右方向を用いて計量混合装置1について説明する。
【0018】
架台9には、ロック機能付きのキャスター9aが複数取り付けられている。架台9は、上方から見て前方が開口したU字形状の板部材であって、左右方向中央部の前側略半分が開口している。ケーシング2は、架台9のこの開口部分の上方に配置され、支持部材21を介して架台9に設置されている。ケーシング2は、下方が開放された直方体状の筐体であって、ケーシング2の前板は、その左端部に設けられたヒンジを中心に回動開閉可能となっている。ケーシング2の前板には、2つの矩形状のガラス窓2a、2bが設けられていると共に、操作パネル22が設置されている。
【0019】
2つの原料タンク7は、ケーシング2の下側部分の右側に前後方向に並んで配置されており、支持部材71を介して架台9に設置されている。原料タンク7の上面は、ケーシング2から離れるほど下方に向かうように傾斜している。原料タンク7の上面は、着脱可能な蓋7aで構成されている。この蓋7aを開けて、原料タンク7内に粉粒体が投入される。原料タンク7の容量は、例えば10Lである。
【0020】
蓋7aには、原料タンク7の内部に貯留された粉粒体を吸引するための吸引管72が貫通している。吸引管72の先端は、原料タンク7の底部近傍に達している。なお、図3および図4は、吸引管72を省略して表示している。
【0021】
また、原料タンク7の下端部には、ケーシング2の反対側に向かって斜め下向きに延びる円筒状の排出管7bが形成されており、この排出管7bの先端部には、排出管7bの先端開口を開閉するためのスライドゲート73が設けられている。このスライドゲート73は手動で開閉操作される。なお、図3は、スライドゲート73を省略して表示している。
【0022】
4つの供給ホッパー6は、ケーシング2の上側部分の左右両側に2つずつ前後方向に並んで配置されている。ケーシング2の右側後方、左側後方、右側前方、左側前方にそれぞれ配置された供給ホッパー6を、第1供給ホッパー6A、第2供給ホッパー6B、第3供給ホッパー6C、第4供給ホッパー6Dと称する。第3供給ホッパー6Cおよび第4供給ホッパー6Dの容積は、第1供給ホッパー6Aおよび第2供給ホッパー6Bの容積よりも小さい。各供給ホッパー6には、同一種類あるいは異なる種類の粉粒体(例えば、樹脂ペレット、粉砕材、マスターバッチ、添加剤、顔料など)が貯留される。第3供給ホッパー6Cおよび第4供給ホッパー6Dには、配合比の少ない材料が貯留されることが好ましい。
【0023】
各供給ホッパー6には、吸引流路12が接続されている。また、第1供給ホッパー6Aと第2供給ホッパー6Bには、原料輸送流路11が接続されており、この原料輸送流路11は、装置1から離れて設置された原料タンク100に接続されている。原料タンク100の容量は例えば50Lである。また、第3供給ホッパー6Cと第4供給ホッパー6Dには、原料輸送流路10が接続されており、この原料輸送流路10は、原料タンク7の吸引管72に接続されている。なお、図2図4では吸引流路12および原料輸送流路10、11の供給ホッパー6側の端部のみを表示している。
【0024】
4つの吸引流路12は、エアーシリンダ14でそれぞれ駆動される4つの切換弁13aを備えた切換弁ユニット13を介して吸引流路15に接続されている。吸引流路15は、輸送ブロア17に接続されており、吸引流路15の途中には、集塵フィルタユニット16が介設されている。なお、図2図4では吸引流路15は省略している。また、供給ホッパー6の内部上方には、吸引流路12に粉粒体が吸い込まれるのを防止するためのフィルタ62が設けられている。集塵フィルタユニット16は、フィルタ62を通過した微細な粉塵や原料の欠片を捕捉するために設けられている。
【0025】
また、供給ホッパー6には、内部に貯留された粉粒体の量が満杯レベルに達しているか否かを検知するレベルセンサ61が設けられている。レベルセンサ61の検知結果は制御装置8に送信される。
【0026】
原料タンク7、100から各供給ホッパー6に粉粒体を供給するには、粉粒体を供給したい供給ホッパー6に対応する切換弁13aを開状態として、輸送ブロア17を作動させる。これにより、供給ホッパー6の内部の空気が吸引されて、原料タンク7、100から原料輸送流路10、11を介して供給ホッパー6に粉粒体が気力輸送される。レベルセンサ61によって供給ホッパー6内の粉粒体の量が満杯レベルに達したことが検知されると、制御装置8によって輸送ブロア17が停止される。
【0027】
供給ホッパー6のケーシング2と対向する面の下端近傍には、斜め上向きに延びる円筒状の排出管6aが形成されている。この排出管6aはケーシング2の側壁を貫通し、先端部がケーシング2の内部に配置されている。排出管6aの先端部には、排出管6aの先端開口を開閉するための排出弁63が設けられている。排出弁63は、排出管6aの内側から押圧されることで開状態となる。また、排出管6aの内部には、モータ65により駆動されて粉粒体を押し出すスクリュー64が配置されている。排出管6aの先端(排出弁63)は、計量ホッパー3の上方に位置しており、排出管6aから押し出された粉粒体は、計量ホッパー3に投入されるようになっている。
【0028】
また、供給ホッパー6の底板6bは、ケーシング2から離れるほど下方に向かうように傾斜している。底板6bは、ケーシング2側の端部に設けられた軸を中心に回動開閉可能となっている。供給ホッパー6に貯留する粉粒体の種類を変更する場合や供給ホッパー6内の清掃時に、底板6bを開けて、供給ホッパー6内の粉粒体を全て排出させる。このように、供給ホッパー6は、その下端部に、ケーシング2の外側に粉粒体を排出するための開閉可能な排出部を有している。
【0029】
計量ホッパー3は、ケーシング2の内部において供給ホッパー6の排出管6aの先端(排出弁63)の下方に配置されている。つまり、計量ホッパー3は、供給ホッパー6よりも低い位置に配置されている。計量ホッパー3の上端には、供給ホッパー6の排出管7bから排出された粉粒体を受け入れるための開口が形成されており、計量ホッパー3の下端には、粉粒体を排出するための開口が形成されている。計量ホッパー3の下端部には、エアーシリンダ32によって駆動され、計量ホッパー3の下端開口を開閉するための排出弁31が設けられている。また、計量ホッパー3は、計量ホッパー3内の粉粒体の質量を計測するためロードセル33を介してケーシング2に支持されている。
【0030】
混合ホッパー4は、ケーシング2の内部において計量ホッパー3の下方に配置されている。混合ホッパー4は、原料タンク7よりも高い位置に配置されている。混合ホッパー4の上端には、計量ホッパー3の下端開口から排出された粉粒体を受け入れるための開口が形成されており、混合ホッパー4の下端には、粉粒体を排出するための開口が形成されている。混合ホッパー4の下端部には、エアーシリンダ42によって駆動され、混合ホッパー4の下端開口を開閉するための排出弁41が設けられている。また、混合ホッパー4の内部には、モータ44により駆動されて粉粒体を撹拌する撹拌羽根43が配置されている。
【0031】
ブレンド材タンク5は、混合ホッパー4の下方に配置されている。ブレンド材タンク5の上端部は、ケーシング2の下端部の左右両端と支持部材21の上端部とによって形成されたガイドレール23に、前後方向に移動可能に係合している。ケーシング2の前板の下端は、ブレンド材タンク5の上端よりも下方に位置している。そのため、ケーシング2の前板が閉状態のとき、ブレンド材タンク5は前方に移動しないようになっている。ブレンド材タンク5の清掃やメンテナンスの際には、ケーシング2の前板を開けて、ブレンド材タンク5をガイドレール23に沿って前方に移動させる。
【0032】
ブレンド材タンク5は、下方に向かって先細り状の容器であって、ブレンド材タンク5の上端には、混合ホッパー4の下端開口から排出された粉粒体を受け入れるための開口が形成されており、ブレンド材タンク5の下端には、粉粒体を排出するための開口が形成されている。ブレンド材タンク5の下端部は、手動で開閉操作されるスライドゲート51を介してブレンド材輸送流路102に接続されている。このブレンド材輸送流路102は処理装置101に接続されている。
【0033】
また、ブレンド材タンク5には、内部に貯留された粉粒体の量が満杯レベルに達しているか否かを検知するためのレベルセンサ52が設けられている。レベルセンサ52の検知結果は、制御装置8を介して処理装置101に送信される。
【0034】
スライドゲート51を開状態にして、処理装置101が備える吸引手段(図示省略)でブレンド材輸送流路102を吸引することで、ブレンド材タンク5に貯留された粉粒体が処理装置101に気力輸送される。
【0035】
制御装置8は、ケーシング2の下側部分の左側に配置されて、架台9に設置されている。制御装置8は、CPU、RAMおよびROMなどが実装された制御基板と、この制御基板を覆うカバーとを備えている。制御装置8は、操作パネル22、レベルセンサ52、61、ロードセル33、輸送ブロア17、エアーシリンダ14、32、42、モータ44、65に接続されており、原料タンク7、100から供給ホッパー6に粉粒体を気力輸送する動作と、供給ホッパー6に貯留された粉粒体を所定の割合で混合してブレンド材タンク5に供給する動作を制御するようになっている。操作パネル22は、各供給ホッパー6から計量ホッパー3に供給される粉粒体の質量を設定できるようになっており、制御装置8はこの設定値に基づいて、スクリュー64を駆動するモータ65の回転数を制御する。
【0036】
以下、供給ホッパー6に貯留された粉粒体を所定の割合で混合してブレンド材タンク5に供給する動作について説明する。まず、1つの供給ホッパー6のスクリュー64を駆動して、この供給ホッパー6から計量ホッパー3に粉粒体を供給し、ロードセル33によって計測される計量ホッパー3内の粉粒体の質量が、予め設定された所定の質量に達した時点で供給を停止する。次に、ロードセル33の計量値をゼロにリセットしてから、別の供給ホッパー6から計量ホッパー3に粉粒体を供給し、ロードセル33によって計測される質量が所定の質量に達した時点で供給を停止する。残りの2つの供給ホッパー6についても同様に所定の質量の粉粒体を計量ホッパー3に供給した後、排出弁31を開状態に切り換えて、計量ホッパー3内の粉粒体を混合ホッパー4に投入する。
【0037】
以上の動作を1回または複数回繰り返した後、撹拌羽根43を駆動して、混合ホッパー4に貯留された粉粒体を撹拌する。その後、排出弁41を開状態に切り換えて、混合ホッパー4からブレンド材タンク5に粉粒体を投入する。以上の動作を1回または複数回繰り返して、レベルセンサ52によってブレンド材タンク5内の粉粒体の量が満杯レベルに達したことが検知されると、排出弁41を閉状態に切り換えると共に、上述の各部の動作を停止する。また、制御装置8から満杯信号を受信した処理装置101は、ブレンド材タンク5内の粉粒体を処理装置101に気力輸送する。
【0038】
以上説明した本実施形態の計量混合装置1によると、以下のような効果が得られる。
本実施形態の計量混合装置1は、計量ホッパー3よりも低い位置に原料タンク7を備えているため、原料タンク7を設けない場合に比べて、計量混合装置1の重心を低くできる。そのため、計量混合装置1の振動を抑制でき、計量精度を向上できる。
また、計量混合装置1が原料タンク7を備えていることにより、計量混合装置1とは別に設置する原料タンク100の数を低減でき、その分、コストと設置スペースを低減できる。また、原料タンク7と供給ホッパー6とを接続する配管(原料輸送流路10)の長さを短くできる。
また、原料タンク7が供給ホッパー6の下方に配置されているため、供給ホッパー6の下方の空間を有効活用でき、計量混合装置1の設置スペースを拡大することなく原料タンク7を設置できる。
【0039】
また、本実施形態では、原料タンク7が、計量ホッパー3の下方に配置された混合ホッパー4よりも低い位置に配置されているため、装置1の重心をより低くできる。
また、計量ホッパー3の下方に混合ホッパー4が配置されていることにより、混合ホッパー4を有しない場合よりも供給ホッパー6の位置が高くなるため、原料タンク7によって装置1の重心を下げることが、装置1の振動を抑えるために特に有効となる。
【0040】
また、本実施形態では、制御装置8と原料タンク7とがケーシング2を挟んで対向配置されているため、装置1の重心を水平方向に関してケーシング2の中央部に近づけることができる。そのため、ケーシング2内に収容された計量ホッパー3の振動をより抑制でき、計量精度を向上できる。
【0041】
また、本実施形態では、ブレンド材タンク5は、計量ホッパー3の下方の位置から原料タンク7が配置されていない側に水平方向に移動可能となっているため、原料タンク7が邪魔になることなくブレンド材タンク5を移動させることができ、ブレンド材タンク5の清掃やメンテナンスが行いやすい。
【0042】
また、本実施形態では、供給ホッパー6の下方に配置された原料タンク7の上面がケーシング2から水平方向に離れるほど下方に向かうように傾斜しているため、底板6bを空けて供給ホッパー6内の粉粒体を排出した際に、原料タンク7の上面に粉粒体が落下しても、原料タンク7の上面に粉粒体が溜まるのを防止できる。
【0043】
また、本実施形態では、原料タンク7の上面は着脱可能な蓋7aで構成されており、蓋7aを取り外した状態において、原料タンク7の上端がケーシング2から水平方向に離れるほど下方に向かうように傾斜しているため、原料タンク7の上端開口から粉粒体を投入しやすく、また、清掃やメンテナンスが行いやすい。
【0044】
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能なものである。
【0045】
上記実施形態では、2つの原料タンク7の容量は同じであるが異なっていてもよい。また、上記実施形態では、4つの供給ホッパー6の容量は異なっているが、全て同じであってもよい。
【0046】
また、上記実施形態では、計量混合装置1が備える原料タンク7の数は2つであるが、1つであっても、3つ以上であってもよい。また、上記実施形態では、供給ホッパー6の数は4つであるが、3つ以下であっても、5つ以上であってもよい。
【0047】
上記実施形態では、供給ホッパー6から計量ホッパー3に粉粒体を供給するための機構として、スクリューフィーダを用いているが、ロータリーフィーダや、スライドゲートなどを用いてもよい。
【0048】
上記実施形態では、混合ホッパー4において粉粒体を撹拌する手段として、撹拌羽根43を用いているが、撹拌手段はこれに限定されるものではなく、例えば混合ホッパー自体が回転することで撹拌するように構成されていてもよい。
【0049】
上記実施形態では、混合ホッパー4からブレンド材タンク5に粉粒体が供給されて、ブレンド材タンク5からブレンド材輸送流路102を介して処理装置101に粉粒体が供給されるようになっているが、ブレンド材タンク5を備えずに、混合ホッパー4から直接、ブレンド材輸送流路102に粉粒体が流れ込むように構成されていてもよい。
【0050】
上記実施形態では、ケーシング2の内側に計量ホッパー3と混合ホッパー4が上下に並んで配置されているが、混合ホッパー4を備えずに、ケーシング2に直接、粉粒体が貯留されて撹拌されるように構成されていてもよい。この変更例の場合、ブレンド材タンク5を備えていてもよいが、ブレンド材タンク5を備えずに、ケーシング2の下部から直接、ブレンド材輸送流路102に粉粒体が流れ込むように構成されていてもよい。
【0051】
また、上記実施形態の計量混合装置1は、複数種類の粉粒体を所定の割合で配合した後、撹拌するように構成されているが、粉粒体を撹拌せずに処理装置101に供給するように構成されていてもよい。この変更例では、混合ホッパー4とブレンド材タンク5のいずれかを備えていなくてもよい。
【符号の説明】
【0052】
1 計量混合装置
2 ケーシング
3 計量ホッパー
4 混合ホッパー
5 ブレンド材タンク
6 供給ホッパー
6b 底板(排出部)
7 原料タンク
7a 蓋
8 制御装置
100 原料タンク
101 処理装置
図1
図2
図3
図4