特許第6076837号(P6076837)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6076837
(24)【登録日】2017年1月20日
(45)【発行日】2017年2月8日
(54)【発明の名称】建築用電動シャッター装置
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/68 20060101AFI20170130BHJP
【FI】
   E06B9/68 A
【請求項の数】5
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2013-114905(P2013-114905)
(22)【出願日】2013年5月31日
(65)【公開番号】特開2014-234593(P2014-234593A)
(43)【公開日】2014年12月15日
【審査請求日】2016年2月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】307038540
【氏名又は名称】三和シヤッター工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085394
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 哲夫
(74)【代理人】
【識別番号】100165456
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 佑子
(72)【発明者】
【氏名】長田 貴志
(72)【発明者】
【氏名】大川 剛
【審査官】 新井 夕起子
(56)【参考文献】
【文献】 実開平02−060200(JP,U)
【文献】 特開2000−087648(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 9/56 − 9/90
E05F 15/00 − 15/79
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部の上方に設けられるシャッターケースに、シャッターカーテンを開閉させるべく駆動する開閉機と、該開閉機の駆動制御をするための制御装置とを内装してなる建築用電動シャッター装置において、シャッターカーテンの開閉回数を表示するカウンターを、前記制御装置が内装される制御ケースの底面板または正面板に制御ケースの外部から視認できる状態で組込むと共に、シャッターケースの底面板または正面板に、前記カウンターをシャッターケースの外部から視認するための切欠き孔部を設けたことを特徴とする建築用電動シャッター装置。
【請求項2】
カウンターを、制御ケースの底面板または正面板から突出する状態で設けると共に、該カウンターは、シャッターケースの底面板または正面板の切欠き孔部に位置決め状に嵌合することを特徴とする請求項1に記載の建築用電動シャッター装置。
【請求項3】
制御装置への電源供給を断続する電源スイッチを、制御ケースの底面板または正面板に制御ケースの外部から操作できる状態で組込むと共に、シャッターケースの底面板または正面板に、前記電源スイッチをシャッターケースの外部から操作するための切欠き孔部を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の建築用電動シャッター装置。
【請求項4】
電源スイッチを、制御ケースの底面板または正面板から突出する状態で設けると共に、該電源スイッチは、シャッターケースの底面板または正面板の切欠き孔部に位置決め状に嵌合することを特徴とする請求項3に記載の建築用電動シャッター装置。
【請求項5】
カウンターと電源スイッチとを、制御ケースの底面板または正面板に隣接させて設けたことを特徴とする請求項3または4に記載の建築用電動シャッター装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築物の開口部に設けられる建築用電動シャッター装置の技術分野に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、建築用電動シャッター装置のなかには、開口部の上方に設けられるシャッターケースに、シャッターカーテンを開閉させるべく駆動する開閉機と、該開閉機の駆動制御をするための制御装置とを内装し、該制御装置の制御に基づく開閉機の正逆駆動によりシャッターカーテンの開閉作動を行なうように構成したものがある。さらにこのような建築用電動シャッター装置において、メンテナンスを行なう時期や内容を判断するための情報としてシャッターカーテンの開閉回数を用いることができるように、シャッターカーテンの開閉回数をカウントして表示するカウンターを設けたものがある。このものにおいて、前記カウンターは、例えば開閉機の駆動制御を行なう制御装置や、開閉機から巻取りドラムに動力を伝達する動力伝達機構に接続されるが、この場合に、制御装置や動力伝達機構とカウンターとの電気配線を考慮して、従来、制御装置や動力伝達機構が内装されるシャッターケース内にカウンターを配設していた(例えば、特許文献2に記載の従来の技術)。しかしながら、このようにカウンターがシャッターケース内に配設されていると、ユーザーは、開閉回数を確認する場合にいちいちシャッターケースを開かなければならず、この作業は面倒であって怠りがちとなり、メンテナンスの時期や内容を判断するために必要な情報であるシャッターカーテンの開閉回数を有効に活用できないという問題があった。
そこで、シャッターケースを開かなくてもシャッターカーテンの開閉回数に基づく情報を知ることができるように、開閉回数をカウントするカウント手段を制御装置に組込む一方、カウントした情報を表示する表示ランプを、開閉操作用の押釦スイッチが設けられる操作盤に設けたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
また、シャッターカーテンの開閉動作を検知して赤外線を照射する動作通知部をシャッターカーテンに配置する一方、動的に変更可能な状態でガイドレール等にカウンター装置を配置し、該カウンター装置により前記動作通知部からの赤外線を受信すると共に該受信に基づいてシャッターカーテンの開閉回数をカウントして表示するようにした技術も提唱されている(例えば、特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平4−110898号公報
【特許文献2】特開2003−148068号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、前述したような建築用電動シャッター装置において、制御装置には、電源に接続される電線、電源スイッチに接続される電線、開閉機を構成するモータやブレーキに接続される電線、障害物検知センサやモータ回転数検知センサ等の各種センサに接続される電線、シャッターカーテン開閉用の操作スイッチや起動センサに接続される電線等の種々の電線が接続される。これら電線の配線工事は煩雑であって時間を要し、このため、配線ルートを短くしたり、シャッター装置の取付け現場で行なわなければならない電気配線をできるだけ少なくする等して電気配線の簡略化を図ることが要求されている。
しかしながら、前記特許文献1のものは、カウント手段が制御装置に組込まれる一方、表示ランプはガイドレールや開口部側方の躯体側に配置される操作盤に設けられているから、シャッター装置の取付け現場で行なわなければならない制御装置と操作盤との配線として、開閉操作用の押釦スイッチ用の配線に加えて表示ランプとの配線が別途必要で、配線工事に手間がかかり、前述した配線工事の簡略化の要求に反するという問題がある。
一方、特許文献2のものは、シャッターカーテンに赤外線を照射する動作通知部を設ける必要があると共に、カウンター装置には赤外線を受信する受信機能が必要であるため、コストが高くなってしまい、コスト低減の妨げになるという問題があり、これらに本発明が解決すべき課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、請求項1の発明は、開口部の上方に設けられるシャッターケースに、シャッターカーテンを開閉させるべく駆動する開閉機と、該開閉機の駆動制御をするための制御装置とを内装してなる建築用電動シャッター装置において、シャッターカーテンの開閉回数を表示するカウンターを、前記制御装置が内装される制御ケースの底面板または正面板に制御ケースの外部から視認できる状態で組込むと共に、シャッターケースの底面板または正面板に、前記カウンターをシャッターケースの外部から視認するための切欠き孔部を設けたことを特徴とする建築用電動シャッター装置である。
請求項2の発明は、カウンターを、制御ケースの底面板または正面板から突出する状態で設けると共に、該カウンターは、シャッターケースの底面板または正面板の切欠き孔部に位置決め状に嵌合することを特徴とする請求項1に記載の建築用電動シャッター装置である。
請求項3の発明は、制御装置への電源供給を断続する電源スイッチを、制御ケースの底面板または正面板に制御ケースの外部から操作できる状態で組込むと共に、シャッターケースの底面板または正面板に、前記電源スイッチをシャッターケースの外部から操作するための切欠き孔部を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の建築用電動シャッター装置である。
請求項4の発明は、電源スイッチを、制御ケースの底面板または正面板から突出する状態で設けると共に、該電源スイッチは、シャッターケースの底面板または正面板の切欠き孔部に位置決め状に嵌合することを特徴とする請求項3に記載の建築用電動シャッター装置である。
請求項5の発明は、カウンターと電源スイッチとを、制御ケースの底面板または正面板に隣接させて設けたことを特徴とする請求項3または4に記載の建築用電動シャッター装置である。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明とすることにより、シャッターカーテンの開閉回数の確認を容易に行なえると共に、カウンターと制御装置との配線ルートを可及的に短くでき、しかも建築用電動シャッター装置の取付け現場でカウンターと制御装置との電気配線を行なう必要がなくなって、電気配線の簡略化に大きく貢献できる。
請求項2の発明とすることにより、カウンターを欠き孔部に嵌合させることで、制御ケースのシャッターケースに対する取付け位置が決まり、制御ケースを正規の取付け位置に容易に設置できると共に、シャッターケースの外部にカウンターが露出することになって、カウンターの視認がより容易になる。
請求項3の発明とすることにより、電源スイッチと制御装置との配線ルートを可及的に短くでき、しかも建築用電動シャッター装置の取付け現場で電源スイッチと制御装置との電気配線を行なう必要がなくなって、電気配線の更なる簡略化に貢献できる。
請求項4の発明とすることにより、電源スイッチを欠き孔部に嵌合させることで、制御ケースをより正確に正規の取付け位置に設置できると共に、シャッターケースの外部に電源スイッチが露出することになって、電源スイッチの操作が容易になる。
請求項5の発明とすることにより、メンテナンス性の向上に寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】シートシャッター装置の正面図である。
図2】シートシャッター装置の要部拡大正面図である。
図3】シートシャッター装置の要部拡大側面図である。
図4】シートシャッター装置の一部省略拡大縦断面図である。
図5】(A)、(B)はボトム部の一部正面図、縦断面図である。
図6】ガイドレール部の水平断面図である。
図7】(A)、(B)、(C)は制御ケースをシャッターケース底面板に取付けた状態を示す正面図、底面図、拡大側面図である。
図8】(A)、(B)は制御ケースの正面図、底面図である。
図9】(A)、(B)は制御ケースの左側面図、右側面図である。
図10】部品が組込まれていない状態の制御ケースの縦断面図である。
図11】蓋体を取外した状態の制御ケースの正面図である。
図12】蓋体を取外した状態の制御ケースの平面図である。
図13】制御盤のブロック回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
図面において、1は建築物躯体Bに形成される開口部を開閉して建築物の内外を仕切る高速シートシャッター装置(本発明の建築用電動シャッター装置の一例である)のシャッターカーテンであって、該シャッターカーテン1は、可撓性を有したシート材からなり、開口部の上方に配設されたシャッターケース2に回転自在に内装された巻取りドラム3に巻装されている。そして、巻取りドラム3は、後述するように、シャッターケース2に内装される開閉機4に連動連結されており、巻取りドラム3に巻装されるシャッターカーテン1は、開閉機4の開閉駆動に基づいて巻取りドラム3から巻出されて開口部を閉鎖する全閉姿勢と、巻取りドラム3に巻取られて開口部を開放する全開姿勢とのあいだを姿勢変姿して開口部を開閉するが、このときシャッターカーテン1の左右両側縁部は、開口部の左右方向両側となる躯体Bにそれぞれ固定される左右一対のガイドレール5にそれぞれ移動案内されるように設定されており、これらの基本構成は何れも従来通りとなっている。
【0009】
前記シャッターカーテン1は、該シャッターカーテン1を形成するシート材1aの左右方向外端縁部に、複数の係止片1bが上下方向に所定間隙を存する状態で設けられている。これら係止片1bは、後述するように、ガイドレール5に抜止め状に嵌合して、上下方向の移動案内を受けるように構成されている。また、シャッターカーテン1の下端縁部の左右端部を除く部位には、シート材1aを折返すことで袋状のボトム部1cが形成されており、該ボトム部1cには、左右方向に長く上下方向(高さ方向)の撓みが殆どなく、障害物を挟み込んだとき挟み込み位置に拘わらず荷重を均一に受けられる剛性を有したボトムウエイト1dが内装されている。これによって、シャッターカーテン1の閉鎖作動の過程において、ボトムウエイト1dが錘として作用して後述する閉鎖作動を円滑にするようになっている。ここで、本実施の形態のボトムウエイト1dは、左右方向に長く開口部の左右幅略一杯に亘るように設定されたものであって、上下方向に幅を有する板状のボトムシート材1gの複数枚(例えば4枚)を垂直姿勢として前後方向に重ね合わせた積層材をボトム部1cに内装し、ボルト1eを介して一体化したものを採用しているため、上下方向の撓みが殆どない。そして該ボトム部1cは、袋状をしたカバー部1fにより覆蓋されている。ボトムシート材1gは、アスファルト、ゴム、樹脂材等の非金属製素材のなかから1種類又は任意の組み合わせたものであり、これらのなかに、比重を高くするため金属材料(金属粉、金属ワイヤ、金属球、金属片、金属シート等)を混入し又は固定することができる。さらに具体的には、本実施の形態では、アスファルトに酸化鉄(Fe)粉、炭酸カルシウム(CaCO)を混入したものを板状体にし、その表面にポリエステル製の不織布を貼着したものを採用している。
因みにシャッターカーテン1は、下端部にボトムウエイト1dが設けられるだけであって、上下方向中間部には骨材がない構成になっているため、自重降下するための錘としてはボトムウエイト1dだけが寄与する(シャッターカーテン1を構成するシート材は自重降下の錘としては殆ど寄与しない)ように設定されている。
【0010】
また、開口部両側部に設けられる左右一対の長尺状のガイドレール5は、それぞれ開口部の左右両側に位置していて躯体Bに固定されるL字状のレールブラケット6aと、該レールブラケット6aに対向して角筒形の空間を形成する逆L字状のレールカバー6bとで形成される上下長尺状の第一レール6と、該第一レール6の左右方向内方に設けられる円弧状に湾曲した上下長尺状の塞ぎシート7と、該塞ぎシート7の左右内方に位置してシャッターカーテン1の両側部に設けられた係止片1bを上下方向移動自在で、かつ、左右方向への抜止めがなされた状態で内嵌する第二レール8とを備えて構成されている。
【0011】
前記第二レール8は、弾性変形可能な樹脂材で構成され、床面からシャッターケース2の下端部に至る長さを有した長尺体に形成されており、左右方向内方にシャッターカーテン1の係止片1bを嵌合ガイドするガイド片8aが上下方向全長にわたって形成される一方、左右方向外方にボルト9の頭部9aを左右方向抜止め状に嵌合支持するボルト支持片8bが上下方向全長にわたって形成されている。このように構成された第二レール8は、ボルト支持片8bに複数のボルト9の頭部9aを嵌合し、これらボルト9の左右方向外方に向けて突出する各螺子部9bを、第一レール6のレールブラケット内方側面6cにそれぞれ左右方向移動自在に遊嵌状に貫通させ、該第一レール6の角筒内に突出する螺子部9bの貫通端部にナット9cを螺合することにより第一レール6から抜け止めされる状態で組込まれている。さらに、第一レール6の角筒内に位置するボルト9の螺子部9bであって、レールブラケット内方側面6cとナット9cとのあいだに位置する螺子部9bの外周にはコイル弾機9dが介装されており、該コイル弾機9dの付勢力によりボルト頭部9aが左右方向外方に向けて付勢されるように構成されている。
【0012】
これによって、第二レール8は、ボルト支持片8bがレールブラケット内方側面6cに弾圧する状態で支持されており、シャッターカーテン1に風圧などによる負荷が作用した場合に、前記負荷が所定の大きさの範囲内であれば、第二レール8がボルト9とともに前後方向に揺動すること、さらには、コイル弾機9dの付勢力に抗して第二レール8がボルト9とともに左右方向内方に変位することに基づいて、係止片1bが第二レール8のガイド片8aから抜出すことなくシャッターカーテン1の変形が許容され、また、シャッターカーテン1に作用する負荷が所定の大きさよりも大きい場合では、ガイド片8aの弾性変形に基づいて係止片1bが第二レール8から抜出して、シャッターカーテン1、第二レール8の保護が図れるように構成されている。
【0013】
さて、本実施の形態のシャッターケース2は、左右のケースブラケット(側板)10、正面板11、底面板12、天井板13、該天井板13の後端から下方に向けて折曲形成される背面板13a、左右カバー板14を用いて構成されているが、ケースブラケット10は、左右方向外方が開口した箱形状に形成され、上片10aに天井板13がビス15で固定され、下片10bに底面板12がビス15で固定されている。さらにシャッターケース2は、左右支持ブラケット16を介してケースブラケット10にボルト16aで固定される。
また正面板11には、天井板13の上面、底面板12の下面にそれぞれ積層する上下片11a、11bが後方に向けて形成されており、これにより正面板11は天井板13、底面板12に前後方向抜き差し自在に嵌合することで仮保持されるようになっている。左右カバー板14は、左右方向内方が開口し、背面板のない箱形状に形成されており、そして、前記天井板13、底面板12が左右のケースブラケット10にビス15により固定され、かつ正面板11が仮保持され、この状態で左右カバー板14を前方側から正面板11の左右両端部に外嵌させて後方に移動させることで、左右カバー板14は正面板11、底面板12、天井板13の左右両端部に外嵌する状態で組み込まれ、ビス15によりガイドレール5と、ケースブラケット10の前片10cおよび正面板11の積層部とにそれぞれ固定されるようになっている。この結果、シャッターケース2内をメンテナンスする場合、左右カバー板14を取り外した後、正面板11を取り外すことでシャッターケース2を開口できるようになっている。
【0014】
左右ケースブラケット10には、巻取りドラム3と一体化された巻取りシャフト3aが回転自在に貫通取付け支持されている。そしてシャッターケース2内には、巻取りドラム3の前方に位置する状態で開閉機4、制御ケース17が配設されているが、開閉機4は左右方向一端側に偏倚する状態で配される共に、該開閉機4の出力軸に取付けられたスプロケット4aと巻取りシャフト3aに取付けられたスプロケット3bとはチエン伝動機構18を介して連動連結されており、そして開閉機4が正逆駆動することに伴う巻取りドラム3の回転でシャッターカーテン1の開閉作動が行なわれるようになっている。
【0015】
一方、制御ケース17は、シャッターケース2の底面板12上に載置された状態でビス42を介して固定されているが、該制御ケース17は、上側および前側上半部が開口したケース本体17aと、該開口を覆蓋する蓋体17bと、ケース本体17a内を前後に仕切り、メンテナンス時に制御装置20の手を振れさせたくない部位を遮蔽する遮蔽板17cとにより構成されている。
ケース本体17aは、正面板17d、左右側面板17e、17f、背面板17g、底面板17hにより構成されるが、正面板17dは、左右側面板17e、17f、背面板17gよりも高さが低い設定になっており、これら面板17d〜17hによってケース本体17aは、上側および前側上半部が開口した箱形状に形成されている。さらに、ケース本体17aの正面板17dには、蓋体17bを固定するためのビス43が左右に螺着されている。一方、蓋体17bは、前記ケース本体17aの上側および前側の開口側を覆蓋するべく、上面板17iと正面板17jとで側面視逆L字形に形成されていると共に、上面板17iの後端部からは、ケース本体17aの背面板17gの上部に上側から外嵌する背面板17nが形成されている。さらに、蓋体17bの正面板17jの下部には、ケース本体17aに螺着されたビス43の螺子部43aの径より僅かに大きいが頭部43bの径よりは小さい寸法に設定された逆L字形の溝孔(本実施の形態では溝孔上部が左方に折曲している。)17kが形成され、該溝孔17kの下端にはビス43の頭部43bの径より僅かに大きい取出し孔17lが形成されている。そして、ケース本体17aの正面板17dに螺着されたビス43を緩めた状態で、ケース本体17aの上側から蓋体17bを被せて、該蓋体17bの正面板17jに形成の取出し孔17lにビス43の頭部43bを貫通させ、この状態で蓋体17bを下動させることで、ビス43の螺子部43aが溝孔17kの上部に至り、さらに蓋体17bを右方に移動させて溝孔17kの左端を螺子部43aに至らしめると、蓋体17bが螺子部43aに仮保持される状態となり、この仮保持状態でビス43を螺入緊締することにより蓋体17bがケース本体17aに固定されるようになっており、これとは逆の操作をすることにより蓋体17bをケース本体17aから取外すことができるようになっている。
【0016】
またケース本体17aの背面板17gには、該背面板17gと遮蔽板17cとのあいだに位置する状態でスペーサ19を介して制御装置(制御盤)20が取付けられている。該制御装置20には、開閉機4の開閉駆動をするのに必要な電気、電子部品が取付けられているが、図13に示すブロック回路図のように配線されている。
つまり制御装置20にはCPUを備えて構成される制御部21が設けられるが、該制御部21は、各種設定をするための設定スイッチ22、メンテナンス等の際にシャッターカーテン1を上昇させるための上昇スイッチ23、同じく下降させるための下降スイッチ24、異色発光する(例えば異常があった場合に赤発光し、前記設定状態である場合に橙発光をし、運転状態である場合に緑発光をする)三つのLEDランプ25、26、27、全開停止時間の設定をするためのロータリ式のスイッチ28が設けられている。尚、必要において閉鎖速度、開放速度等の各種の設定ができるようにするため別途設定用のロータリ式のスイッチを設けることができる。
さらに制御装置20には、制御部21に接続されるモータドライブ回路29、該モータドライブ回路29と開閉機4とのあいだの回路に接続され、該回路に流れる電流値を検出し、該検出した電流値を制御部21に出力する電流検出部30、モータドライブ回路29に接続される回生抵抗器31、制御部21に接続される電源回路32、制御部21に接続されていてシャッターカーテン1の開閉回数をカウントして表示するためのカウンター33、制御装置20への電源供給を断続するための電源スイッチ34が接続されている。
因みに、ケース本体17aの正面板17dおよび遮蔽板17cの左右両端部は、左右両側面板17e、17fに至らないように設定されていて、遮蔽板17cの左右両端部と左右両側面板17e、17fとのあいだには隙間が設けられており、これにより蓋体17bを取外した状態で、制御基板20に設けられた前記LEDランプ25、26、27、ロータリ式スイッチ28、設定スイッチ22、上昇スイッチ23、下降スイッチ24等の電気、電子器具をメンテナンス時等において視認したり調整したりすることができるようになっている一方、メンテナンス時等において手を振れさせたくない高圧、高温部品等の部品を遮蔽板17cによって遮蔽するようになっている。
【0017】
さらに、35は制御ケース17の左側面板17eから引き出され、電源スイッチ34が接続される電源コードであって、先端のコンセント35aを家庭用電源(100V)に接続することでモータドライブ回路29および電源回路32に電源供給をするように設定されている。尚、Eはアースラインである。
また、モータドライブ回路29はモータ出力コネクタ線36を介して開閉機4に接続されていて開閉機4の開閉駆動時に電源供給をし、制御部21は、ブレーキ出力コネクタ線37、ホールセンサコネクタ線38、エンコーダーコネクタ線39を介してそれぞれ開閉機4に接続されていて、開閉機4に対する制動制御、シャッターカーテン1の速度制御や上下限位置の位置決め制御、シャッターカーテン1の上下限位置検出をするように構成されているが、これらコネクタ線36、37、38、39は、制御装置20にコネクタ接続されたものが、遮蔽板17cの底面部17mとケース本体底面板17hとのあいだにスペーサ19aを介して形成される隙間Sを通って右方に引出され、そして右側面板17fを貫通して制御ケース17外に配線され、開閉機4に至るようになっている。
【0018】
さらに制御部21は、ガイドレール5に設けた起動センサ40からの起動信号が入力するようになっており、そして制御部21は、該起動信号の入力に基づいて開閉機4に対して開放駆動信号を出力し、これにより開閉機4は開放作動をしてシャッターカーテン1を巻き取ることになり、そしてシャッターカーテン1が全開になると制動信号を出力して開閉機4の駆動停止を、ロータリ式スイッチ28で設定された時間だけ行い、その後、開閉機4に対し閉鎖駆動指令を出力し、これに基づいてシャッターカーテン1を繰り出して全閉姿勢にするように制御される。尚、前記起動センサ40は、本実施の形態では赤外線センサを用いて構成されているが、一点押釦スイッチ、プルスイッチ等のスイッチ類を用いても実施することができる。
【0019】
さらに制御部21には、ガイドレール5に設けた光電センサを用いて構成される障害物検知センサ41から障害物検知信号が入力するようになっており、障害物検知信号が入力した場合に、制御部21は、シャッターカーテン1が全開姿勢であれば閉鎖駆動指令の出力を停止し、また、シャッターカーテン1が閉鎖作動中であれば開閉機4の駆動を停止する等の緊急作動をするよう制御される。
【0020】
さらに制御部21は、前記起動センサ40から起動信号が入力され、開閉機4が駆動してシャッターカーテン1が巻上げられた場合に、カウンター33に対してカウントアップ信号を出力するようになっている。そしてカウンター33は、制御部21からのカウントアップ信号が入力されるとカウント数をインクリメント(+1)し、該インクリメントされたカウント数が表示部33aに表示されるようになっており、これにより、カウンター33にシャッターカーテン1の開閉回数が表示されるようになっている。
【0021】
また、前記カウンター33および電源スイッチ34は、遮蔽板17cとケース本体正面板17dとのあいだのケース本体底面板17hに、左右に隣接する状態で取付けられているが、カウンター33は、制御ケース17の外部(底部側)から表示部33aが視認できる状態で底面板17hに開設されたカウンター用孔17oに組込まれ、また、電源スイッチ34は、制御ケース17の外部(底部側)からオンオフの切換え操作ができる状態で底面板17hに開設されたスイッチ用孔17pに組込まれている。この場合に、カウンター33および電源スイッチ34は、下部が底面板17hよりも下方に突出する状態で取付けられているが、その突出量は、シャッターケース底面板12の板厚を超えるように設定されている。
【0022】
一方、シャッターケース2の底面板12には、前記カウンター33および電源スイッチ34がちょうど嵌入する大きさのカウンター用切欠き孔部12a、スイッチ用切欠き孔部12bが形成されている。そして、制御ケース17をシャッターケース底面板12の制御ケース取付け位置に載置した場合に、カウンター33、電源スイッチ34は制御ケース底面板17hから突出する部分がそれぞれカウンター用切欠き孔部12a、スイッチ用切欠き孔部12bに位置決め状に嵌合するようになっており、これにより、制御ケース17を正規の取付け位置に容易に設置することができるようになっていると共に、カウンター33、電源スイッチ34がシャッターケース2の外部に露出することにより、カウンター33は視認し易く、電源スイッチ34は操作し易いようになっている。
【0023】
叙述の如く構成された本形態において、開閉機4の駆動制御をするための制御装置20は、制御ケース17に内装された状態でシャッターケース2内に配設されているが、上記制御ケース17の底面板17hには、シャッターカーテン1の開閉回数を表示するカウンター33が、制御ケース17の外部から視認できる状態で組込まれていると共に、シャッターケース2の底面板12には、上記カウンター33をシャッターケース2の外部から視認するためのカウンター用切欠き孔部12aが形成されている。
【0024】
この結果、メンテナンスの時期や内容を判断するための情報としてシャッターカーテン1の開閉回数を確認したい場合には、シャッターケース2の下から見上げるだけでカウンター33を視認できることになって、カウンター33を見るためにいちいちシャッターケース2を開けなければならないような手間を必要とせず、シャッターカーテン1の開閉回数の確認を容易に行なえることになる。しかも、カウンター33は制御装置20が内装される制御ケース17の底面板17hに組み込まれているから、カウンター33と制御装置20との電気配線ルートを可及的に短くできると共に、該カウンター33と制御装置20との電気配線は、制御装置20やカウンター33を制御ケース17に組込む製造工程で行うことができるため、シャッター装置の取付け現場でカウンター33と制御装置20との電気配線を行なう必要がなく、よって、電気配線の簡略化に大きく貢献できる。
【0025】
さらに前記カウンター33は、制御ケース17の底面板17hから突出する状態で設けられていると共に、該カウンター33は、シャッターケース2の底面板12のカウンター用切欠き孔部12aに位置決め状に嵌合するように構成されている。而して、カウンター33をカウンター用切欠き孔部12aに嵌め込むことで、制御ケース17のシャッターケース2に対する取付け位置が決まり、制御ケース17を正規の取付け位置に容易に設置できると共に、シャッターケース2の外部にカウンター33が露出することになって、カウンター33の視認がより容易になる。
【0026】
そのうえ、前記制御ケース17の底面板17hには、制御装置20への電源供給を断続する電源スイッチ34が、制御ケース17の外部から操作できる状態で組込まれていると共に、シャッターケース2の底面板12には、前記電源スイッチ34をシャッターケース2の外部から操作するためのスイッチ用切欠き孔部12bが形成されている。これにより、電源スイッチ34を切って戸締まりしたい場合やメンテナンス時等において電源スイッチ34を断続したい場合に、シャッターケース2の外部から電源スイッチ34を容易に操作できることになるが、該電源スイッチ34は、制御装置20が内装される制御ケース17の底面板17hに組み込まれているから、電源スイッチ34と制御装置20との電気配線ルートを可及的に短くできると共に、該電源スイッチ34と制御装置20との電気配線は、制御装置20や電源スイッチ34を制御ケース17に組込む製造工程で行うことができるため、シャッター装置の取付け現場で電源スイッチ34と制御装置20との電気配線を行なう必要がなく、よって、前述したカウンター33に加えて電源スイッチ34の配線も大幅に簡略化できることになって、電気配線の更なる簡略化に大きく貢献できる。
【0027】
しかも前記電源スイッチ34は、制御ケース17の底面板17hから突出する状態で設けられていると共に、該電源スイッチは、シャッターケース2の底面板12のスイッチ用切欠き孔部12bに位置決め状に嵌合するように構成されている。而して、前記カウンター33をカウンター用切欠き孔12aに嵌め込むことと併せて、電源スイッチ34をスイッチ用切欠き孔部12bに嵌め込むことで、より正確に制御ケース17のシャッターケース2に対する取付け位置が決まり、制御ケース17を正規の取付け位置に容易に設置できることになると共に、シャッターケース2の外部に電源スイッチ34が露出することになって、電源スイッチ34の操作がより容易になる。
【0028】
また、このものにおいて、前記カウンター33と電源スイッチ34とは、制御ケース17の底面板12に隣接して設けられているから、メンテナンス時にカウンター33の視認によるシャッターカーテン1の開閉回数の確認と電源スイッチ34の操作とを続けて行なうような場合に効率良く行えることになって、メンテナンス性の向上に寄与できる。
【0029】
尚、本発明は上記実施の形態に限定されないことは勿論であって、上記実施の形態において、カウンター、電源スイッチは制御ケースの底面板に組込まれていると共に、シャッターケースの底面板にカウンター用、電源スイッチ用の切欠き孔部が設けられているが、カウンター、電源スイッチを制御ケースの正面板に組込むと共に、シャッターケースの正面板に切欠き孔部を設けるように構成することもでき、この場合にも、上記実施の形態と同様の作用効果を奏する。また、上記実施の形態では、カウンター用の切欠き孔部と電源スイッチ用の切欠き孔部とは別々にシャッターケースに形成されているが、カウンター用の切欠き孔部と電源スイッチ用の切欠き孔部とを兼ねた一つの切欠き孔部をシャッターケースに形成する構成にしても良い。
さらに、上記実施の形態のカウンターは、シャッターカーテンの開閉回数をカウントするカウント手段と、該カウントされた開閉回数を表示する表示手段との両方を備えたものであるが、これに限定されることなく、制御装置に、シャッターカーテンの開閉回数をカウントするカウント手段を設ける一方、カウンターは開閉回数を表示する表示手段のみを有したものとして、制御装置からカウンターに対して開閉回数を表示する表示指令を出力するように構成したものであっても、本発明を実施できる。
またさらに、本発明は、シート材を用いたシャッター装置に限定されることなく、例えば複数のスラットを上下に連綴してシャッターカーテンを構成したシャッター装置や、パネルを用いたシャッター装置等にも実施できることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明は、建物の開口部に設けられる建築用電動シャッター装置に利用することができる。
【符号の説明】
【0031】
1 シャッターカーテン
2 シャッターケース
3 巻取りドラム
4 開閉機
12 シャッターケース底面板
12a カウンター用切欠き孔部
12b スイッチ用切欠き孔部
17 制御ケース
17h 制御ケース底面板
20 制御装置
33 カウンター
34 電源スイッチ
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