(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第1実施形態における自動販売機の正面図である。
【0010】
自動販売機1は、缶飲料等(詳しくは、缶、びん、PETボトル入りの飲料等)の商品を販売するものであり、箱形のキャビネット2と、このキャビネット2の前面開口を開閉自在に覆うメインドア3とを備えている。
【0011】
キャビネット2内には断熱室が設けられ、この断熱室の前面開口は断熱ドアによって開閉自在に覆われている。断熱室内は断熱性仕切板によって複数の単位室に区画され、各単位室にはサーペンタインコラム等からなる商品コラムが複数設置されている。各商品コラムには缶飲料等の商品が収納されていて、各商品コラムには、販売指令に基づいて収納商品を1個宛搬出可能な商品搬出機が設けられている。
【0012】
また、キャビネット2内には、単位室毎の商品冷却又は商品加温を可能とした冷却加温装置が設けられ、各商品コラムに収納されている商品は所定温度に冷却又は加温された状態、あるいは、冷却及び加温を行わない常温状態で販売される。
【0013】
一方、メインドア3は前面に窓穴を有し、この窓穴は樹脂やガラス等からなる透明パネル4によって塞がれている。また、メインドア3は後面に窓穴を有し、この窓穴はサブドア5によって開閉自在に覆われている。
【0014】
サブドア5の前面には、横長のサンプル取付台6が上下方向に間隔をおいて複数個取付けられ、各サンプル取付台6の上面には商品サンプル7が左右方向に並べて配置されている。また、各サンプル取付台6の前面には複数の表示装置11が商品サンプル7のそれぞれに対応して設けられている。各表示装置11は、価格表示部12及び発光部13を含んで構成される。尚、本実施形態では、左右方向に並ぶ6個の表示装置11が一体形成された表示ユニット10を例に挙げて本発明に係る表示装置を説明するが、表示ユニット10を構成する表示装置11の個数はこれに限らない。
【0015】
透明パネル4の前面には、複数の商品選択ボタン14が商品サンプル7のそれぞれに対応して設けられている。
また、メインドア3の前面には、コイン投入口15と、返却レバー16と、紙幣投入口17と、表示パネル18と、コイン返却口19と、商品取出口20とが設けられている。
【0016】
次に、表示装置11について、
図2〜
図5を用いて説明する。
図2は、サンプル取付台6に取り付けられた表示装置11の側面図である。
図3(A)は表示装置11の正面図である。
図3(B)は表示装置11の背面図である。
図3(C)は表示装置11の上面図である。
図4(A)は
図3(A)のI−I断面図である。
図4(B)は
図3(A)のII−II断面図である。
図5(A)は表示装置11の分解斜視図である。
図5(B)は、後述する導光板(第1導光板)23に遮光テープ22を貼付する直前の状態を示す図である。
【0017】
表示ユニット10を構成する各表示装置11は、ケース部材21、遮光テープ22、導光板23、シート部材24、スモークレンズ25、シート部材26、複数のマグネット27、リフレクトケース28、基板アッシー29、ベース部材30によって構成されている。ここで、表示ユニット10では、各表示装置11の構成要素のうち、ケース部材21と、基板アッシー29と、ベース部材30とが、それぞれ一体的に形成されている。
【0018】
ベース部材30は、白色の樹脂製(例えばポリカーボネート製)であり、横長で、前面開口の箱状である。
ベース部材30の上面の前縁部30aには、上方に立ち上がる立ち上がり部30bが形成されている。この立ち上がり部30bには、複数のマグネット27を各別に収容するマグネット収容部(凹部)35が、左右方向に沿って直列に、互いに間隔を空けて形成されている。ベース部材30の背面には、コネクタ36を挿入するための2つの貫通孔37が形成されている。
【0019】
基板アッシー29は、ベース部材30の前面開口を塞ぐように、ベース部材30に固定される。
基板アッシー29は、横長で前面及び背面からなる基板38と、CPU(図示せず)からなる表示制御部72(
図6参照)と、複数の暖色系(例えば赤色)のLED素子39と、複数の寒色系(例えば青色)のLED素子40と、複数の7セグメントディスプレイ用のLED素子41と、を含んで構成される。ここにおいて、各表示装置11は、2個の暖色系(例えば赤色)のLED素子39と、2個の寒色系(例えば青色)のLED素子40と、数字3桁分の7セグメントディスプレイ用のLED素子41とを備えている。また、LED素子39,40が、本発明の「光源」及び「発光素子」に対応する。
【0020】
基板38は、例えば、銅箔がプリントされた樹脂材料からなる。基板38の前面にはLED素子39,40,41が実装されている。基板38の背面には上述のCPUが実装されている。また、表示ユニット10の組み付け時には、基板38の背面にコネクタ36がハンダ付けされる。ここで、各表示装置11では、基板38の前面の下部に、左から右に向かって順に、暖色系のLED素子39、寒色系のLED素子40、寒色系のLED素子40、暖色系のLED素子39の順に、LED素子39,40が配置されている。また、基板38の前面におけるLED素子39,40の上方に、数字3桁分の7セグメントディスプレイ用のLED素子41が配置されている。自動販売機1内の電源(図示せず)から電力線及び基板38を介してLED素子39,40,41の少なくとも1つに電力が供給されると、当該LED素子から光が照射される。
【0021】
リフレクトケース28は、基板38の前面に配置されて、基板38及びベース部材30に固定される。リフレクトケース28は、白色の樹脂製(例えばポリカーボネート製)であり、背面開口の箱状である。リフレクトケース28の下部のうち、LED素子39,40に対応する位置には、貫通孔42が形成されている。また、リフレクトケース28の前面のうち、LED素子41に対応する位置には、矩形状の凹部43が形成されている。この凹部43のうち、上記7セグメントディスプレイの各セグメントに対応する位置には、貫通孔44が形成されている。
【0022】
凹部43には、黒色で矩形状のシート部材26が貼付されている。シート部材26のうち、上記7セグメントディスプレイの各セグメントに対応する部分は、透明又は半透明に形成されている。また、シート部材26の前面のうち、3桁分の7セグメントディスプレイの左方には、例えば白色で「¥」の文字がプリントされている。
【0023】
シート部材26の前面には、凹部43の前面開口を塞ぐようにスモークレンズ25が配置されている。スモークレンズ25は半透明である。ここで、スモークレンズ25は、その前面がリフレクトケース28の前面と略面一となるように、凹部43内に配置される。
【0024】
ここで、LED素子41、リフレクトケース28の凹部43、貫通孔44、シート部材26、及びスモークレンズ25によって、価格表示部12の機能が実現される。
【0025】
リフレクトケース28の前面には、白色で矩形状のシート部材24が貼付されている。シート部材24は、リフレクトケース28の前面の略全域を覆う大きさであり、その中央部には矩形状の窓穴45が形成されている。この窓穴45は、スモークレンズ25に対応する位置に形成されており、凹部43の矩形状よりも若干小さな矩形状である。
【0026】
導光板23は、透明な樹脂製(例えばポリカーボネート製)であり、本体部51と延長部52とからなる。
本体部51は、前面及び背面からなる平板状である。本体部51は、シート部材24の前面及びリフレクトケース28の前面の略全域を覆うように配置されている。
延長部52は、本体部51の下端部より後方に張り出している。延長部52の後端部のうち、LED素子39,40に対応する位置には、凹部53が形成されている。ここで、LED素子39,40は、リフレクトケース28の貫通孔42、及び、導光板23の延長部52の凹部53内に配置されている。また、LED素子39,40は、延長部52の後端面52aに光を入射する。
【0027】
本体部51の背面には、反射部54(
図7(B)及び(C))が形成されている。この反射部54は、本体部51の通過光の少なくとも一部を反射して、本体部51の前面から外部に出射させる。反射部54は、例えば、本体部51の背面にシボ加工等の粗面加工を施すことで形成され得る。尚、反射部54は、本体部51のうち、正面視で、価格表示部12の周囲の任意の場所に形成され得る。
【0028】
本体部51の上端面55は、本体部51の上側から下側に向かうほど前方に向かうように傾斜している。
本体部51の通過光の少なくとも一部は、本体部51の上端面55から外部に出射される。これにより、本体部51の上端面55は斜め前方に向かって面発光することができる。
【0029】
本体部51の前面、及び、延長部52の下面のうち、後方にLED素子39,40が位置する部分には、遮光部材である遮光テープ22が貼付されている。これにより、LED素子39,40から照射された光が導光板23の延長部52を通過して直ちに前方に出射されることを抑制することができる。
【0030】
ここで、反射部54を含む導光板23、LED素子39,40、及び、リフレクトケース28の前面(シート部材24)によって、発光部13の機能が実現される。
【0031】
ケース部材21は、白色の樹脂製(例えばポリカーボネート製)であり、横長で、背面開口の箱状である。ケース部材21の前面には、各表示装置11に対応する窓穴(開口部)61が形成されている。この窓穴61を塞ぐように、導光板23の本体部51が配置されている。
ケース部材21の前面のうち、隣り合う窓穴61同士の間の部分は、隣り合う表示装置11同士を仕切る仕切り部62として機能している。仕切り部62の背面からは、図示しない仕切り壁が後方に向かって張り出している。
【0032】
ケース部材21は、その上端部に、傾斜面63と水平面64とを有する。傾斜面63は、下方に向かうほど前方に向かうように傾斜している。傾斜面63の上縁部に水平面64の前縁部が連続している。
ケース部材21の上端部は、ベース部材30のマグネット収容部35、及び、それに収容されたマグネット27を、その上方から覆っている。ここで、導光板23の傾斜した上端面55は、外部に露出している。
ケース部材21の傾斜面63の下縁部は、凸部65を介して、仕切り部62に連続している。
【0033】
ケース部材21の下端部は、ベース部材30、基板アッシー29、リフレクトケース28、及び、導光板23を、その下方から覆っている。
ケース部材21の下端部の前縁部には、そこから上方に立ち上がる立ち上がり部66が形成されている。この立ち上がり部66は、窓穴61の下端部を覆うような形状である。また、立ち上がり部66は、正面視で、商品選択ボタン14に隠れるように、例えば、商品選択ボタン14の形状に対応した形状で形成される。
立ち上がり部66と、窓穴61内に配置された導光板23との間には、後述するシート部材81(
図9参照)を挿入可能な隙間(スリット)67が形成されている。
【0034】
ここで、ケース部材21及びベース部材30が、本発明の「収納ケース」を構成する。すなわち、ケース部材21及びベース部材30からなる「収納ケース」は、前面に開口部(窓穴61)を有して価格表示部12及び発光部13を収納する。
【0035】
この「収納ケース」の上側の後部には、凹部68が形成されている。この凹部68は、ベース部材30の上面と立ち上がり部30bの背面とによって区画形成されている。
図2に示すように、サンプル取付台6が、その本体部6aと、本体部6aに載置されて前端部が本体部6aより前方に突出した上板6bと、からなる場合には、凹部68内に、上板6bの前端部が位置し得る。また、商品サンプル7の底面の前端部は、ケース部材21の水平面64に接触可能である。このようにして、サンプル取付台6の前面に表示ユニット10を配置して、商品サンプル7の前端部の下方に表示ユニット10の後部を位置させることにより、コンパクトな構成で、商品サンプル7、サンプル取付台6及び表示ユニット10の一体性を高めることができる。また、表示ユニット10が商品サンプル7よりも前方に張り出す度合いを抑制することができる。
【0036】
ケース部材21の後側の下端部とベース部材30の後側の下端部との間には、隙間69が形成されている。この隙間69が、本発明の「収納ケースの内部と外部とを連通する連通孔」として機能する。
【0037】
次に、表示装置11の作動について、
図6及び
図7を用いて説明する。
図6は、主制御部71と表示装置11との関係を示すブロック図である。
図7は、表示装置11の作動状態を示す図であり、
図7(A)は、LED素子39,40の消灯状態を示し、
図7(B)は、LED素子39が消灯してLED素子40が点灯している状態を示し、
図7(C)は、LED素子39が点灯してLED素子40が消灯している状態を示す。尚、
図7(A)〜(C)に示すLED素子39,40については、実際には、正面視で、ケース部材21の立ち上がり部66に隠れているが、説明の都合上、実線で示している。
主制御部71は、自動販売機1の各種制御を行うものであり、自動販売機1に予め設けられている。
【0038】
オペレータが、図示しないリモコン等の入力装置に、商品サンプル7のそれぞれに対応する販売価格情報及び冷温状態情報を入力すると、これら情報に対応する信号が、図示しない信号線を介して、主制御部71に伝達される。
主制御部71は、図示しない信号線、及び、コネクタ36を介して、基板38上のCPU(表示制御部72)に、上記信号を伝達する。
表示制御部72は、主制御部71からの、商品サンプル7に関連付けられた販売価格情報に基づいて、価格表示部12(3桁分の7セグメントディスプレイ)にて、販売価格を表示させる(
図7(A)〜(C)参照)。
また、表示制御部72は、主制御部71からの、商品サンプル7に関連付けられた冷温状態情報に応じて、LED素子39,40の点灯/消灯を制御することで、発光部13での発光状態を制御する。
【0039】
図7(A)に示すように、LED素子39,40が共に消灯している状態では、発光部13は発光しない。このような状態は、例えば、商品を常温状態で販売する場合に採用され得る。
【0040】
図7(B)に示すように、LED素子39が消灯してLED素子40が点灯している状態では、LED素子40から照射されて導光板23内を通過する寒色系の光の一部が、反射部54にて反射されて、導光板23の前面から外部に出射される。また、導光板23を通過する寒色系の光の一部は、導光板23の傾斜した上端面55から外部に出射される。これにより、発光部13は、寒色系の色で発光する。このような状態は、例えば、商品を冷却状態で販売する場合に採用され得る。
【0041】
図7(C)に示すように、LED素子39が点灯してLED素子40が消灯している状態では、LED素子39から照射されて導光板23内を通過する暖色系の光の一部が、反射部54にて反射されて、導光板23の前面から外部に出射される。また、導光板23を通過する暖色系の光の一部は、導光板23の傾斜した上端面55から外部に出射される。これにより、発光部13は、暖色系の色で発光する。このような状態は、例えば、商品を加温状態で販売する場合に採用され得る。
【0042】
このようにして、発光部13での発光状態によって、商品の冷温状態の表示を行うことができるので、「つめた〜い」や「あったか〜い」等の冷温状態を示す文字表示を行うことなく、商品購入者に、商品の冷温状態を知らせることができる。
尚、本実施形態において、各表示装置11では、左から右に向かって順に、暖色系のLED素子39、寒色系のLED素子40、寒色系のLED素子40、暖色系のLED素子39の順に、LED素子39,40が配置されているが、LED素子39,40の配置はこれに限らない。例えば、左から右に向かって順に、寒色系のLED素子40、暖色系のLED素子39、暖色系のLED素子39、寒色系のLED素子40の順に、LED素子39,40が配置されてもよい。または、左から右に向かって順に、寒色系のLED素子40、暖色系のLED素子39、寒色系のLED素子40、暖色系のLED素子39の順に、LED素子39,40が配置されてもよい。または、左から右に向かって順に、暖色系のLED素子39、寒色系のLED素子40、暖色系のLED素子39、寒色系のLED素子40の順に、LED素子39,40が配置されてもよい。
【0043】
図7(B)及び
図7(C)に示す発光部13の発光状態では、導光板23(本体部51)の前面から外部に出射される光の明るさが、所定方向(図では上下方向)に沿って漸次的に変化している。詳しくは、
図7(B)及び
図7(C)に示す発光部13の発光状態では、導光板23(本体部51)の前面から外部に出射される光の明るさが、下側から上側に向かうほど弱まるように、漸次的に変化している。すなわち、導光板23(本体部51)の前面における位置によって、外部に出射される光の明るさが異なっている。発光部13における発光位置と発光の強さとは、反射部54の構成に依存する。すなわち、導光板23の本体部51の背面のうち、粗面加工等が施される位置、及び、加工の度合い等を変更することにより、反射部54での光の反射の形態が変化し、その結果、発光部13における発光位置と発光の強さとが変更され得る。
【0044】
ここで、価格表示部12については、正面視で、導光板23(本体部51)の略中央に配置され得る。また、反射部54は、導光板23(本体部51)のうち価格表示部12の周囲の任意の場所に形成され得る。また、価格表示部12の上端/下端と導光板23(本体部51)の上端/下端との間の距離に比べて、価格表示部12の左端/右端と導光板23(本体部51)の左端/右端との間の距離を長くすることにより、表示装置11の高さを抑制することができるので、表示装置11のコンパクト化を実現することができる。
【0045】
尚、本実施形態では、上述の「所定方向」として、上下方向を挙げて説明したが、導光板23(本体部51)の前面から外部に出射される光の明るさを漸次的に変化させるための基準方向はこれに限らず、例えば、上述の「所定方向」を左右方向としてもよい。
【0046】
図8(A)〜(C)は、それぞれ、プレート部材75が取り付けられた表示装置11を示す。
プレート部材75は磁性材料からなる。プレート部材75は例えば板金製である。プレート部材75は、ケース部材21の傾斜面63上に配置され得る。プレート部材75は、マグネット27によってケース部材21側に引き寄せられることで、ケース部材21に固定される。すなわち、マグネット27は、傾斜面63に配置されるプレート部材75を保持可能である。
【0047】
また、ケース部材21の凸部65は、プレート部材75の下端部に接触し得る。それゆえ、ケース部材21の凸部65は、プレート部材75の位置決めを行う位置決め部として機能し得る。
【0048】
図8(A)に示すプレート部材75は青色であり、その上面に「つめた〜い」の文字表示が白色等で付されている。
図8(B)に示すプレート部材75は赤色であり、その上面に「あったか〜い」の文字表示が白色等で付されている。
図8(C)に示すプレート部材75は白色であり、その前縁部には、山型にカットした磨りガラス状の板状部材76が取り付けられている。この板状部材76は、例えばアクリル樹脂製であり、導光板23の本体部51の傾斜した上端面55に略連続している。これにより、上端面55からの光が板状部材76の下端面に入射して、板状部材76自体も発光し得る。
【0049】
図9は、シート部材81が取り付けられた表示装置11を示す図である。
シート部材81には、販売価格の割引情報等の商品に関連する情報が記載され得る。換言すれば、シート部材81は、いわゆるPOP広告用の広告媒体であり得る。
シート部材81は、その下端部が、ケース部材21の立ち上がり部66と導光板23との間の隙間67に挿入され得る。
尚、シート部材81のうち、価格表示部12に対応する部分は、透明である。また、シート部材81のうち、発光部13に対応する部分は、その少なくとも一部が透明であり得る。
また、表示装置11の故障時には、商品の販売価格や冷温状態等の商品に関連する情報が記載されたシート部材81の下端部が、隙間67に挿入され得る。
【0050】
本実施形態によれば、自動販売機1の表示装置11は、商品の販売価格を表示する価格表示部12と発光部13とを備える。発光部13は、価格表示部12の前面に配置される導光板23(第1導光板)と、導光板23の延長部52の後端面52a(導光板23の下側の端面である一端面)に光を入射するLED素子39,40(光源)と、導光板23の通過光の少なくとも一部を反射して導光板23の前面から外部に出射させる反射部54と、を有する。これにより、例えばLED素子39,40からの光の明るさや色を変更することで、商品に関連する情報を導光板23の前面で表示することができるので、表示装置11の高さを抑制することができる。また、特許文献1に記載のような液晶表示器を用いることなく、商品に関連する情報を導光板23の前面で表示することができるので、表示装置11の製造コストを抑制することができる。
【0051】
また本実施形態によれば、光源は複数色の発光素子(暖色系のLED素子39及び寒色系のLED素子40)を含む。これにより、導光板23の前面から外部に出射される光の色を、商品の冷温状態に対応させることができるので、コンパクトな構成で、商品の価格表示と冷温状態表示とを行うことができる。尚、光源は複数色の発光素子(暖色系のLED素子39及び寒色系のLED素子40)を含む代わりに、単数色の発光素子を含んでもよい。
【0052】
また本実施形態によれば、導光板23(第1導光板)の上端面55(導光板23の上側の端面である他端面)は、導光板23の上側(他端側)から下側(一端側)に向かうほど前方に向かうように傾斜している。これにより、導光板23の通過光の少なくとも一部が導光板23の上端面55から外部に出射されるので、この上端面55にて面発光させることができ、ひいては、発光部13の視認性を向上させることができる。
【0053】
また本実施形態によれば、導光板23(第1導光板)は、価格表示部12の前面に配置される平板状の本体部51と、本体部51の下端部(一端部)より後方に張り出す延長部52とを含み、延長部52の後端面52aが導光板23の一端面を構成して、LED素子39,40(光源)が延長部52の後端面52aに光を入射する。これにより、発光部13を構成するLED素子39,40と、価格表示部12を構成するLED素子41とを、同一の基板38の前面に実装することができるので、表示装置11の厚さ(前後方向の長さ)を抑制することができる。
【0054】
また本実施形態によれば、導光板23(第1導光板)には、その本体部51の前面のうち後方にLED素子39,40(光源)が位置する部分に遮光テープ22(遮光部材)が設けられている。これにより、LED素子39,40から照射された光が導光板23の延長部52を通過して直ちに前方に出射されることを抑制することができる。
【0055】
また本実施形態によれば、複数色の発光素子は暖色系のLED素子39と寒色系の発光素子40とを含む。これにより、導光板23の前面から外部に出射される光の色を、商品の冷温状態に対応させることができる。
【0056】
また本実施形態によれば、表示装置11は、前面に窓穴61(開口部)を有して価格表示部12及び発光部13を収納する収納ケース(ケース部材21及びベース部材30)を備える。導光板23(第1導光板)は、収納ケースの窓穴61(前面開口部)を塞ぐように収納ケースに設けられる。収納ケースは、その上端部に、下方に向かうほど前方に向かうように傾斜する傾斜面63を有する。収納ケースには、傾斜面63に配置される磁性材料からなるプレート部材75を保持可能なマグネット27が設けられている。これにより、比較的簡易な構成で、表示装置11にプレート部材75を着脱可能に取り付けることができる。また、商品の冷温状態を示す文字表示等が付されたプレート部材75を表示装置11に取り付けることにより、商品購入者は、商品の冷温状態を確実に把握することができる。
【0057】
また本実施形態によれば、収納ケース(ケース部材21及びベース部材30)は、プレート部材75の位置決めを行う凸部65(位置決め部)を有する。これにより、メインドア3の開閉時の衝撃等によって、プレート部材75が表示装置11から離脱することを抑制することができる。
【0058】
また本実施形態によれば、収納ケース(ケース部材21及びベース部材30)には、商品に関連する情報が記載されたシート部材81を挿入可能な隙間67(スリット)が形成されている。これにより、商品に関する付加的な情報を、商品購入者に提供することができる。
【0059】
また本実施形態によれば、シート部材81が挿入され得るスリットは、ケース部材21の立ち上がり部66(収納ケース)と導光板23(第1導光板)との間の隙間67によって形成されている。これにより、比較的簡易な構成で、シート部材81を表示装置11に取り付けることができる。
【0060】
また本実施形態によれば、収納ケース(ケース部材21及びベース部材30)の後部には、収納ケースの内部と外部とを連通する隙間69(連通孔)が形成されている。これにより、例えば、メインドア3の開閉時に雨水が表示装置11の隙間(スリット)67から内部に浸入した場合や、表示装置11の内部にて結露が発生した場合であっても、表示装置11内の水が、隙間69を介して外部に排出され得るので、表示装置11内の湿気による表示装置11の故障を抑制することができる。
【0061】
また本実施形態によれば、導光板23(第1導光板)の前面における位置によって、外部に出射される光の明るさが異なる(
図7(B),(C)及び
図8(C)参照)。これにより、発光部13にてデザイン性の高い発光を実現することができる。
【0062】
また本実施形態によれば、導光板23(第1導光板)の前面から外部に出射される光の明るさが上下方向(所定方向)に沿って漸次的に変化している(
図7(B),(C)参照)。これにより、発光部13にてデザイン性の高い発光を実現することができる。
【0063】
図10は、本発明の第2実施形態における表示装置11の概略構成を示す図である。
上述の第1実施形態と異なる点について説明する。
基板38がリフレクトケース28より上方にまで延長されており、この延長部に暖色系のLED素子39が実装されている。ここで、LED素子39と導光板23との間には、リフレクトケース28の上端部28aが位置している。それゆえ、LED素子39から導光板23へ向かう光が、リフレクトケース28の上端部28aにて遮られる。
【0064】
発光部13を構成する導光板(第2導光板)90は、透明な樹脂製(例えばポリカーボネート製)であり、本体部91と延長部92とからなる。
本体部91は、前面及び背面からなる平板状である。本体部91は、導光板23の本体部51の前面の略全域を覆うように配置されている。
延長部92は、本体部91の上端部より後方に張り出している。延長部92の後端面92aには、LED素子39が対向している。LED素子39は、延長部92の後端面92aに光を入射する。
【0065】
本体部91の前面、及び、延長部92の上面のうち、後方にLED素子39が位置する部分には、遮光部材である遮光テープ22’が貼付されている。これにより、LED素子39から照射された光が導光板90の延長部92を通過して直ちに前方に出射されることを抑制することができる。
【0066】
本体部91の背面には、図示しない反射部が形成されている。この反射部は、本体部91の通過光の少なくとも一部を反射して、本体部91の前面から外部に出射させる。この反射部は、例えば、本体部91の背面にシボ加工等の粗面加工を施すことで形成され得る。尚、この反射部は、本体部91のうち、正面視で、価格表示部12の周囲の任意の場所に形成され得る。
【0067】
尚、本実施形態においては、上述の第1実施形態と同様に、ケース部材21が立ち上がり部66、仕切り部62、及び凸部65を備え得る。また、立ち上がり部66と導光板90との間には、シート部材81を挿入可能な隙間(スリット)67が形成され得る。更に、ケース部材21の後側の下端部とベース部材30の後側の下端部との間には、隙間69が形成され得る。
【0068】
LED素子39が消灯してLED素子40が点灯している状態では、LED素子40から照射されて導光板23内を通過する寒色系の光の一部が、反射部54にて反射されて、導光板23の前面から、導光板90を介して、外部に出射される。これにより、発光部13は、寒色系の色で発光する。このような状態は、例えば、商品を冷却状態で販売する場合に採用され得る。
【0069】
一方、LED素子39が点灯してLED素子40が消灯している状態では、LED素子39から照射されて導光板90内を通過する暖色系の光の一部が、上述の図示しない反射部にて反射されて、導光板90の前面から外部に出射される。これにより、発光部13は、暖色系の色で発光する。このような状態は、例えば、商品を加温状態で販売する場合に採用され得る。
【0070】
特に本実施形態によれば、発光部13は、導光板23(第1導光板)の前面に配置される導光板90(第2導光板)と、導光板90の延長部92の後端面92a(導光板90の下側の端面である一端面と反対の側の端面である他端面)に光を入射するLED素子39(光源)と、導光板90の通過光の少なくとも一部を反射して導光板90の前面から外部に出射させる反射部(図示せず)と、を更に有する。これにより、導光板23の端面に光を入射する光源と異なる光源からの光を導光板90の前面から外部に出射させることができる。さらには、導光板23の発光部位(反射部)と導光板90の発光部位(反射部)が、互いに異なる発光パターンを有してもよく、その場合は発光するLED素子に応じて異なる発光図柄を表示することができる。また、LED素子39、LED素子40の発光色は同じでもよく、その場合はLED素子39あるいはLED素子40の発光を切り替えることにより、同じ発光色で発光する図柄を切り替えることができる。
【0071】
また本実施形態によれば、導光板23の延長部52の後端面52aに光を入射するLED素子40(光源)と、導光板90の延長部92の後端面92aに光を入射するLED素子39(光源)とは、互いに異なる色の光を照射する。これにより、導光板23,90の前面(すなわち発光部13の前面)から外部に出射される光を、商品の冷温状態に対応させることができるので、コンパクトな構成で、商品の価格表示と冷温状態表示とを行うことができる。
【0072】
尚、本実施形態では、基板38の下部の前面に寒色系のLED素子40が配置され、基板38の延長部の前面に暖色系のLED素子39が配置されているが、LED素子39,40の配置はこれに限らない。例えば、基板38の下部の前面に暖色系のLED素子39が配置され、基板38の延長部の前面に寒色系のLED素子40が配置されてもよい。
【0073】
また、基板38の下部の前面と基板38の延長部の前面との双方に、上述の第1実施形態と同様にLED素子39,40を配置してもよい。この場合に、発光部13では、例えば、導光板23の反射部54を介して冷温表示のグラデーション発光が行われ(
図7(B)及び(C)参照)、また、導光板90の反射部(図示せず)を介して、POP表示が行われ得る。
【0074】
また、上述の第1及び第2実施形態では、発光部13にて商品の冷温状態の表示を行っているが、発光部13にて表示される商品に関連する情報はこれに限らない。例えば、タイムセール等の商品の割引販売時に、どの商品がセールの対象商品であるのかを商品購入者に知らせるために、当該商品に対応する表示装置11のLED素子39,40を交互に点灯することで、発光部13から外部に向かって暖色系の光と寒色系の光とを交互に出射させることができる。また、LED素子39,40を同時に点灯してもよいことは言うまでもない。