特許第6076906号(P6076906)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6076906
(24)【登録日】2017年1月20日
(45)【発行日】2017年2月8日
(54)【発明の名称】紙塗工組成物
(51)【国際特許分類】
   D21H 19/62 20060101AFI20170130BHJP
   C09D 163/00 20060101ALI20170130BHJP
   C09D 171/02 20060101ALI20170130BHJP
   C09D 7/12 20060101ALI20170130BHJP
【FI】
   D21H19/62
   C09D163/00
   C09D171/02
   C09D7/12
【請求項の数】6
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-528588(P2013-528588)
(86)(22)【出願日】2011年8月30日
(65)【公表番号】特表2013-543541(P2013-543541A)
(43)【公表日】2013年12月5日
(86)【国際出願番号】EP2011064912
(87)【国際公開番号】WO2012034849
(87)【国際公開日】20120322
【審査請求日】2014年8月29日
(31)【優先権主張番号】VA2010A000066
(32)【優先日】2010年9月15日
(33)【優先権主張国】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】501185604
【氏名又は名称】ランベルティ ソシエタ ペル アチオニ
(74)【代理人】
【識別番号】100102842
【弁理士】
【氏名又は名称】葛和 清司
(72)【発明者】
【氏名】フェデリチ,フランコ
(72)【発明者】
【氏名】ボッシ,ティエリー
(72)【発明者】
【氏名】フマガッリ,ステファーノ
(72)【発明者】
【氏名】ヴァーゴ,リカルド
(72)【発明者】
【氏名】フロリーディ,ジョバンニ
(72)【発明者】
【氏名】リ バッシ,ジュゼッペ
【審査官】 阿川 寛樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開平08−217873(JP,A)
【文献】 特開平04−029735(JP,A)
【文献】 特開平09−031394(JP,A)
【文献】 特開昭62−195019(JP,A)
【文献】 特開昭62−263222(JP,A)
【文献】 特開昭57−141421(JP,A)
【文献】 特開昭57−141420(JP,A)
【文献】 特開平03−033297(JP,A)
【文献】 特開2000−246097(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D21B 1/00− 1/38
D21C 1/00− 11/14
D21D 1/00− 99/00
D21F 1/00− 13/12
D21G 1/00− 9/00
CAplus/REGISTRY(STN)
D21H 11/00− 27/42
D21J 1/00− 7/00
C08G 59/00− 59/72
C08G 65/00− 67/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
i)30〜80重量%の無機顔料;ii)a)少なくとも1つのポリオキシエチレン鎖−(CHCHO)−、式中nは15〜500に含まれる数である、を含有する1当量のジオール;b)0.4〜1.6当量の式(I)
【化1】
式中Rは、基(i)であり:
【化2】
式中、R、Rは、それぞれ独立してMe、EtもしくはHである、で表されるジグリシジルエーテル;c)少なくとも1つのポリオキシエチレン鎖−(CHCHO)−、式中nは15〜500、を含み、式RO−(CHCHO)−H、式中Rは直鎖または分岐C〜Cアルキル基である、を有する、0〜1当量の単官能性アルコール;
を反応させることにより得られ、60重量%より高いポリ(エチレンオキシド)含有量を有し、イオン化基を有していないノニオン性の水溶性化合物である、100重量部の顔料につき0.05〜3.0重量部のポリエーテル;
iii)少なくとも15重量%の水
を含有する紙塗工組成物。
【請求項2】
ポリエーテルが5〜30重量%のポリオキシプロピレン含有量を有する、請求項1に記載の紙塗工組成物。
【請求項3】
ポリエーテルが、ポリオキシエチレン鎖−(CHCHO)−、式中nは15〜500に含まれる数である、を含有する1当量の単官能性アルコールを、式(I)で表されるジグリシジルエーテルのエポキシ基1当量と反応させることにより調製されるジオールa)(付加物A)から得られる、請求項1または2に記載の紙塗工組成物。
【請求項4】
式(I)で表されるジグリシジルエーテルにおいて、Rが基(i)であり、ここでR、Rがメチル基である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の紙塗工組成物。
【請求項5】
i)カオリン、炭酸カルシウム、タルク、二酸化チタン、硫酸バリウム、石膏、およびこれらの混合物の中から選択される60〜80重量%の無機顔料を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の紙塗工組成物。
【請求項6】
ポリエーテルが、1当量のジオールa)を0.4〜0.9当量の式(I)で表されるジグリシジルエーテルおよび0当量の単官能性アルコールc)と反応させることにより得られる、請求項1〜5のいずれか一項に記載の紙塗工組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、解膠剤、保水剤および光沢増強剤としての特定のポリエーテルを含有する紙塗工組成物に関し;ポリエーテルは、ジグリシジルエーテルを、少なくとも1つのポリオキシエチレン鎖を含有する水溶性ポリオールと反応させることにより得られる。
【背景技術】
【0002】
印刷紙シートの表面が、印刷性を向上させ、およびそれを滑らかかつ光沢のあるものにするために、通常、紙塗工処方物で塗工されることが周知である。
紙塗工組成物は、一般に、水中に分散した填料または顔料、ポリマーバインダー、レオロジー調整剤、保水剤および分散剤を含む(例として “Handbook for Pulp & Paper Technology”, G.A. Smook, Angus Publicationsを参照)。
【0003】
分散剤は、紙塗工組成物に典型的な高固形分の存在下における粘度を低減させるために、また一定の所望の加工粘度を維持するために不可欠である。従来の分散剤の例は、リン酸塩錯体(complex phosphates)、ポリリン酸の塩およびポリカルボン酸の塩である。
保水剤は、紙シートの表面に接触することによる塗工組成物の脱水を防止する。紙塗工組成物のための典型的な保水剤は、カルボキシメチルセルロースである。
レオロジー調整剤は、紙塗工粘度を調節するために添加される。
バインダーは、最終塗工の凝集性および紙シートへのその接着に関与する。
【0004】
いくつかの従来の紙塗工添加剤は1より多い機能を果たすことが知られており;例えば、カルボキシメチルセルロースが、レオロジー調整剤および保水剤の両方として作用し、一方でポリビニルアルコールが、保水剤および光学増白剤の両方として作用する。
【0005】
WO 01/96007、WO 2004/044022、WO 2004/041883およびWO 2007/069037は、製紙業において紙を作るまたは塗工するためのポリアクリル酸アニオン性コポリマーの使用を記載する;ポリアクリル酸アニオン性コポリマーは、モノカルボン酸官能性を有する少なくとも1種のアニオン性エチレン性不飽和モノマーおよびポリ(C2−4−アルキレンオキシド)官能性を有する少なくとも1種のノニオン性エチレン性不飽和モノマーを含有する。これらは、分散および/または粉砕剤として、光学白色作用を向上させるための剤として、保水剤として、粘度および光沢増強剤として有用であるといわれている。残念なことに、既知のイオン性物質が従来技術に従って水分散体に使用される場合、これらの有効性は、分散体のpH値に左右される。
【0006】
今回、ポリオキシエチレン鎖を含有する特定のポリエーテル(このうちいくつかは文献に以前に記載されていなかった)が、紙塗工組成物のための解膠剤、保水剤および光沢促進剤として適していることが見出され;得られる紙塗工組成物は、これらのpH値に関係なく広い粘度範囲に渡って安定であり、および塗工紙に良好な印刷性および白色度を与える。
【0007】
ポリオキシエチレン鎖を含有するポリエーテルは水溶性であり、水溶液の形態で紙塗工組成物の調製に用いられることができる。
【発明の概要】
【0008】
発明の簡単な説明
本発明は、i)30〜80重量%の無機顔料;ii)a)少なくとも1つのポリオキシエチレン鎖−(CHCHO)−、式中nは15〜500に含まれる数である、を含有する1当量のポリオール;b)0.4〜1.3当量の式(I)
【化1】
式中Rは、基(i)であり:
【化2】
式中、R、Rは、それぞれ独立してMe、EtもしくはHであり;
またはRは、任意に1もしくは2以上のアルキル基で置換されたフェニレンであり、
またはRは、任意に1もしくは2以上のアルキル基で置換されたビフェニレンであり、
またはRは、基(ii)であり:
【化3】
または、Rは、2〜6の炭素原子を含有する直鎖もしくは分岐の脂肪族アルキレン基である、で表されるジグリシジルエーテル;c)0〜1当量の単官能性アルコール;
を反応させることにより得られ、60重量%より高いポリ(エチレンオキシド)含有量を有する、100重量部の顔料につき0.05〜3.0重量部のポリエーテル;
iii)少なくとも15重量%の水
を含有する紙塗工組成物に関する。
【0009】
本発明は、さらに、a)ポリオキシエチレン鎖−(CHCHO)−、式中nは15〜500に含まれる数である、を含有する1当量の単官能性アルコールおよび1当量の式(I)
【化4】
式中Rは、基(i)であり:
【化5】
式中、R、Rは、それぞれ独立してMe、EtもしくはHであり;
またはRは、任意に1もしくは2以上のアルキル基で置換されたフェニレンであり、
またはRは、任意に1もしくは2以上のアルキル基で置換されたビフェニレンであり、
またはRは、基(ii)であり:
【化6】
またはRは、2〜6の炭素原子を含有する直鎖もしくは分岐の脂肪族アルキレン基である、で表されるジグリシジルエーテルの反応生成物である、1当量のポリオール(付加物A);b)0.4〜1.3当量の式(I)で表されるジグリシジルエーテル;c)0〜1当量の単官能性アルコールを反応させることにより得られる、60重量%より高いポリ(エチレンオキシド)含有量を有する、ポリエーテルに関する。
【0010】
本発明はまた、a)ポリオキシエチレン鎖−(CHCHO)−、式中nは15〜500に含まれる数である、を含有する1当量の単官能性アルコールおよび式(I)
【化7】
式中Rは、基(i)であり:
【化8】
式中、R、Rは、それぞれ独立してMe、EtもしくはHであり;
またはRは、任意に1もしくは2以上のアルキル基で置換されたフェニレンであり、
またはRは、任意に1もしくは2以上のアルキル基で置換されたビフェニレンであり、
またはRは、基(ii)であり:
【化9】
またはRは、2〜6の炭素原子を含有する直鎖もしくは分岐の脂肪族アルキレン基である、で表されるジグリシジルエーテルの反応生成物である、1当量のポリオール(付加物A);b)0.4〜1.3当量の式(I)で表されるジグリシジルエーテル;c)0〜1当量の単官能性アルコールを反応させることにより得られる、60重量%よりも高いポリ(エチレンオキシド)含有量を有する、20〜60重量%のポリエーテル含む水溶液に関する。
【0011】
詳細な説明
本文章において語句「ポリ(エチレンオキシド)含有量」について、我々は、ポリエーテル中に含有される−(CHCHO)−単位(n>2である)の含有量を意図する。
【0012】
紙塗工組成物に有用なポリエーテルは、これらがポリオキシエチレン鎖−(CHCHO)−、式中nは15〜500、好ましくは40〜500に含まれる数である、を含有し、および60重量%よりも高い、好ましくは70重量%より高いポリ(エチレンオキシド)含有量を有するという事実に特徴づけられる。
【0013】
少なくとも1つのポリオキシエチレン鎖−(CHCHO)−、式中nは15〜500の間、好ましくは40〜500に含まれる数である、を含有し、式(I)で表されるジグリシジルエーテルのエポキシ基と反応できる少なくとも2個の水酸基−OHを含有する、任意のポリオールが、成分a)としてポリエーテルの調製に用いられ得る。
【0014】
特に有用なポリオールa)は、ジオールならびに特にポリエチレングリコールならびにポリオキシエチレン鎖−(CHCHO)−、式中nは15〜500、好ましくは40〜500に含まれる数である、を含有する1当量の単官能性アルコールおよび式(I)で表される1当量のジグリシジルエーテルを反応させることにより得られる生成物(付加物A)である。
【0015】
ポリオールa)としてポリオールの混合物、ならびに特にポリエチレングリコールの、および付加物Aの混合物を用いることも可能である。
紙塗工組成物の調製のために好ましいポリエーテルは、ポリオールa)として付加物Aを用いることにより得られる。
【0016】
一態様において、成分a)、b)、およびc)はポリエーテルの成分の少なくとも95重量%まで合計し、可能な追加の成分が、1,000より低い分子量を有し、2または3個以上のヒドロキシ基を含有する0〜5%の他のノニオン性ポリオールからなり;かかる利用可能なノニオン性ポリオールの例は、グリセロール、ペンタエリスリトール、ネオペンチルグリコール、ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリメチロールプロパンならびにこの誘導体、例えば、プロポキシル化トリメチロールプロパン、多官能性ポリブタジエンおよびポリエステルポリオールなどである。
この態様の好ましい形態において、成分a)、b)、およびc)は、ポリエーテルの成分の少なくとも100重量%まで合計する。
【0017】
有利には、式(I)で表されるジグリシジルエーテルにおいて、Rは、式中R、Rがメチル基である基(i)である;エピクロロヒドリンおよび低分子量を有するビスフェノールAのグリシジルエンドキャップされた反応生成物は、式(I)で表されるジグリシジルエーテルの源として使用され得る。
【0018】
成分c)は、好ましくは少なくとも1つのポリオキシエチレン鎖−(CHCHO)−、式中nは15〜500、より好ましくは40〜500に含まれる数である、を含む、単官能性アルコールである。
好ましくは、単官能性アルコールc)は、式RO−(CHCHO)−H、式中Rは直鎖または分岐C〜Cアルキル基である、を有する。
使用できるモノアルコールの例は、メトキシポリエチレングリコールおよびブトキシポリエチレングリコールである。
【0019】
本発明の特定の態様によれば、ポリオールa)および単官能性アルコールc)の両方が、ポリオキシエチレン鎖に加えて、ポリオキシプロピレン鎖をまた含有し得;かかる追加の鎖の重量割合は、5〜30重量%のポリ(プロピレンオキシド)含有量を有するポリエーテルを供するように選択されるはずであり;ポリオキシエチレン鎖も含有するポリエーテルを含む紙塗工組成物で得られる保水性能は、顕著に高いことが観測された。
【0020】
より好ましくは、ポリエーテルは、5〜20重量%の全体のポリ(プロピレンオキシド)含有量および、90重量%より高いポリ(エチレンオキシド)およびポリ(プロピレンオキシド)の合計含有量を有するであろう。
【0021】
発明のポリエーテルは、5,000より高い、好ましくは10,000〜200,000の分子量を有し;ポリマーについて考えた場合、本文章において使用される用語、分子量は、数平均分子量を意味する。
当業者によく知られているように、ポリエーテルの分子量は、試薬a)、b)およびc)の当量を適切に配合することにより調節され得る。
【0022】
ポリエーテルの調製において、エポキシ基のない(標準試験法ASTM1652−04により測定されるとして)、ヒドロキシ末端ポリエーテルを供する試薬の比率を用いること、および特に、1当量のポリオールa)、0.4〜0.9当量の式(I)で表されるジグリシジルエーテルおよび0当量の単官能性アルコールc)を用いることが好ましい。
【0023】
本発明のポリエーテルは、塩基性触媒の存在下において好ましくは80〜150℃に含まれる温度にて成分a)、b)および任意にc)を、エポキシ基の消失が達成されるまで反応させることにより調製され得る。
適切な溶媒が、ポリエーテルの調製において使用され得るが、しかし水のまたはあらゆる有機溶媒の使用なしに、ニート試薬で全ての調製ステップを行うこともまた可能である。
【0024】
本発明のポリエーテルは、水溶性化合物であり;これらは、好ましくは、ノニオン性であり、イオン化基、例えばカルボキシルおよびスルホン酸基を有していない。
【0025】
このようにして得られたポリエーテルは、有利に、水に溶解して、20〜60重量%で含まれる乾燥含量の水溶液を供する、なぜならこれらは水に完全に溶解可能であり、紙塗工組成物に容易に配合できる50〜5000mPasのブルックフィールド(登録商標)粘度を有する透明な溶液を供するからである。
【0026】
本発明の紙塗工組成物は、a)30〜80重量%、好ましくは60〜80重量%の無機顔料;b)100重量部の顔料につき0.05〜3.0重量部の上述したポリエーテル;c)少なくとも15重量%の水を含み、25℃および100rpmにおける3000mPa*sより小さい、好ましくは500〜2000mPa*sのブルックフィールド(登録商標)粘度を有する。
【0027】
紙塗工組成物の無機顔料は、好ましくは40〜90%の2ミクロンより細かい粒子を有し、これらは紙の塗工において通常用いられるもの、特にカオリン、炭酸カルシウム、タルク、二酸化チタン、硫酸バリウム、石膏、またはこれらの混合物である。
【0028】
本発明のポリエーテルは、それ自身が顔料分散剤として作用しないため、本発明にかかる紙塗工組成物はまた、有利には、0.01〜3重量%の分散剤および特定のレオロジー調製剤をもまた含む。
【0029】
有用な分散剤の例は、5,000〜40,000の分子量を有するポリアクリル酸ナトリウムなどのアニオン性非架橋ポリアクリレート誘導体である。
典型的な有用なレオロジー調製剤は、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルグアー(hydroxypropyl guar)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、キサンタンガム、ASAポリマー(すなわち、「アルカリ膨潤性アクリル酸」ポリマー)である。
【0030】
紙塗工組成物の一般的な成分である分散剤は、特に紙塗工組成物が紙シートに塗布される際に、すなわち高いせん断応力状況下において、一般には最も微細な粒子の凝集を防止することができず、粒子の凝集は得られる塗工紙の平滑性および光沢に害を及ぼす。
【0031】
本発明のポリエーテルは、解膠剤としてもまた特に効果的であり、沈殿する傾向があり得る微細粒子の塊の形成を防止する。
本発明の紙塗工組成物は、通常また1〜10重量%のバインダー、好ましくはアクリルポリマーバインダーを含む。
【0032】
本発明の実現のために好ましいアクリルポリマーバインダーの中でも、我々は、アクリルまたはメタクリル酸エステルのポリマー、アクリル酸エステルモノマーおよび酢酸ビニル、スチレン、ブタジエンまたはこれらの混合物のコポリマーを挙げる。
【0033】
他の従来の添加物、例えば消泡剤、殺生物剤、光学増白剤などが紙塗工組成物中に存在し得る。
【0034】
本発明に係る水溶性ポリエーテルは、紙塗工組成物のための保水剤、解膠剤および粘度安定剤として有用であり、優れた印刷性、白色度および光沢を有する塗工紙を供する。
【0035】
本発明のポリウレタンの他の有利な特徴は、
これらが、同一の処方を有する工業的紙塗工組成物の異なるバッチに渡って、レオロジーおよび保水バッファとして作用するという事実である;これは、工業的塗工プロセスにおいて、理論的な量の紙塗工成分からの通常の逸脱が、そのレオロジーおよび保水特徴に影響を与えないことを意味する。
【0036】

例において、以下の製品を用いた:
PEG4000:ポリエチレングリコール、平均分子量4,000g/mol
BuPEG5000:ブトキシ−(ポリエチレングリコール)、平均分子量5,000g/mol
DGEBA:ポリ(ビスフェノール A−co−エピクロロヒドリン)、グリシジルエンドキャップされた、Dow Chemical Companyより、平均分子量380g/mol
【0037】
例1
400.0(0.1mol)のPEG4000を、内部温度計、撹拌機および冷却機を備えた1リットル反応槽中に入れ、115℃まで加熱し;1.25gの40%KOHおよび22.8g(0.06mol)のDGEBAを入れる。
反応温度を5時間、エポキシ基の消失まで(標準試験法ASTM1652−04によりこの例においておよび以下の例において測定されるとして)維持した。
634.0gの水を添加する。
得られた生成物は、39.76重量%の乾燥含量、粘度228mPa*s(20rpmにてブルックフィールド(登録商標)粘度計により測定した)およびpH13.2を有していた。
【0038】
例2
例1のものと同様の反応槽中において、400.0(0.1mol)のPEG4000を入れ、115℃まで加熱し;1.0gの40%KOHおよび26.6g(0.07mol)のDGEBAを入れる。
反応温度を5時間、エポキシ基の消失まで維持した。632.0gの水を添加する。
得られた生成物は、40.88重量%の乾燥含量、粘度1000mPa*s(20rpmにてブルックフィールド(登録商標)粘度計により測定した)およびpH10.0を有していた。
【0039】
例3
例1のものと同様の反応槽中において、400.0(0.1mol)のPEG4000および150.0g(0.03mol)のBuPEG5000を入れ、115℃まで加熱し;1.0gの40%KOHおよび38.0g(0.1mol)のDGEBAを入れる。
反応温度を5時間、エポキシ基の消失まで維持した。632.0gの水を添加する。
得られた生成物は、40.65重量%の乾燥含量、粘度660mPa*s(20rpmにてブルックフィールド(登録商標)粘度計により測定した)およびpH10.0を有していた。
【0040】
例4
内部温度計、撹拌機および冷却機を備えた反応槽中おいて、400.0(0.08mol)のBuPEG5000を入れ、115℃まで加熱し;1.75gの40%KOHおよび15.2g(0.04mol)のDGEBAを入れる。
反応温度を2時間、エポキシ基の消失まで維持し、付加物Aを得る。
【0041】
12.2g(0.032mol)のDGEBAを添加し、反応温度を3時間、エポキシ基の消失まで維持する。
200.0gの反応生成物を撹拌しながら600.0gの水中に入れる。
得られた生成物は、26.34重量%の乾燥含量、粘度74mPa*s(20rpmにてブルックフィールド(登録商標)粘度計により測定した)およびpH12.4を有していた。
【0042】
例5
内部温度計、撹拌機および冷却機を備えた反応槽中おいて、400.0(0.08mol)のBuPEG5000を入れ、115℃まで加熱し;1.75gの40%KOHおよび15.2g(0.04mol)のDGEBAを入れる。
反応温度を2時間、エポキシ基の消失まで維持し、付加物Aを得る。
【0043】
18.3g(0.048mol)のDGEBAを添加し、反応温度を3時間、エポキシ基の消失まで維持する。
200.0gの反応生成物を撹拌しながら600.0gの水中に入れる。
得られた生成物は、26.15重量%の乾燥含量、粘度96mPa*s(20rpmにてブルックフィールド(登録商標)粘度計により測定した)およびpH12.0を有していた。
【0044】
例6
内部温度計、撹拌機および冷却機を備えた反応槽中おいて、400.0(0.08mol)のBuPEG5000を入れ、115℃まで加熱し;1.25gの40%KOHおよび15.2g(0.04mol)のDGEBAを入れる。
反応温度を2時間、エポキシ基の消失まで維持し、付加物Aを得る。
【0045】
21.28g(0.056mol)のDGEBAを添加し、反応温度を3時間、エポキシ基の消失まで維持する。
200.0gの反応生成物を撹拌しながら600.0gの水中に入れる。
得られた生成物は、26.85重量%の乾燥含量、粘度42mPa*s(20rpmにてブルックフィールド(登録商標)粘度計により測定した)およびpH8.9を有していた。
【0046】
例7
内部温度計、撹拌機および冷却機を備えた反応槽中おいて、400.0(0.08mol)のBuPEG5000を入れ、115℃まで加熱し;1.25gの40%KOHおよび15.2g(0.04mol)のDGEBAを入れる。
反応温度を2時間、エポキシ基の消失まで維持し、付加物Aを得る。
【0047】
24.32g(0.064mol)のDGEBAを添加し、反応温度を3時間、エポキシ基の消失まで維持する。
200.0gの反応生成物を撹拌しながら600.0gの水中に入れる。
得られた生成物は、26.26重量%の乾燥含量、粘度50mPa*s(20rpmにてブルックフィールド(登録商標)粘度計により測定した)およびpH11.7を有していた。
【0048】
応用例
100%炭酸塩(Hydrocarb 90、Omya,CHより)に基づく紙塗工組成物を、例1〜7からのポリエーテルを用いておよび従来技術の保水剤(Viscolam GP37、Lamberti SpA,ITより)を伴って調製した。
紙塗工組成物の組成および特性を表1において報告し;成分の量は、重量部である。
【0049】
紙塗工組成物を以下の測定を行うことにより、特徴づけた。
・pH
・ブルックフィールド@粘度、100rpm
・乾燥物質%
・保水率−Tappi法 T710
得られたデータもまた、表1に報告する。
【0050】
紙塗工組成物をオフセットシート(80g/m)上に塗布した(13g/m);シートを24時間、21℃および50%r.h.にて調整し、カレンダー掛けした(シリンダー温度55℃、圧力67.5Kg/cm;4ニップ)。
白色度および光沢値を測定し、表2に報告する。
【0051】
【表1】
【0052】
【表2】