(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6076907
(24)【登録日】2017年1月20日
(45)【発行日】2017年2月8日
(54)【発明の名称】難燃繊維、ヤーンおよびこれらから作られた布
(51)【国際特許分類】
D01F 6/90 20060101AFI20170130BHJP
D01F 6/80 20060101ALI20170130BHJP
D02G 3/02 20060101ALI20170130BHJP
D04B 1/16 20060101ALI20170130BHJP
D04B 21/00 20060101ALI20170130BHJP
【FI】
D01F6/90 301
D01F6/80 321A
D02G3/02
D04B1/16
D04B21/00 B
【請求項の数】24
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2013-530277(P2013-530277)
(86)(22)【出願日】2011年9月21日
(65)【公表番号】特表2013-542334(P2013-542334A)
(43)【公表日】2013年11月21日
(86)【国際出願番号】US2011052557
(87)【国際公開番号】WO2012040332
(87)【国際公開日】20120329
【審査請求日】2014年8月21日
(31)【優先権主張番号】61/385,614
(32)【優先日】2010年9月23日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】315019492
【氏名又は名称】インヴィスタ テクノロジーズ エスアエルエル
【氏名又は名称原語表記】INVISTA TECHNOLOGIES S.a.r.l.
(74)【代理人】
【識別番号】230104019
【弁護士】
【氏名又は名称】大野 聖二
(74)【代理人】
【識別番号】100109841
【弁理士】
【氏名又は名称】堅田 健史
(74)【代理人】
【識別番号】100114465
【弁理士】
【氏名又は名称】北野 健
(74)【代理人】
【識別番号】100174078
【弁理士】
【氏名又は名称】大谷 寛
(72)【発明者】
【氏名】サルゾツテイ,デボラ・エム
(72)【発明者】
【氏名】シユミツト,トーマス・イー
(72)【発明者】
【氏名】ブリツグス,アンドリユー・ダブリユー
【審査官】
平井 裕彰
(56)【参考文献】
【文献】
特開平02−127466(JP,A)
【文献】
特表平11−513059(JP,A)
【文献】
特開平10−280230(JP,A)
【文献】
特表2007−500803(JP,A)
【文献】
特開2003−105659(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D01F 1/00〜 6/96
D02G 1/00〜 3/48
D02J 1/00〜13/00
D04B 1/00〜 1/28
21/00〜21/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
難燃繊維であって、部分芳香族ポリアミドおよび非ハロゲン系難燃添加剤を含有して成る難燃繊維であって、
前記部分芳香族ポリアミドがMXD6を含み、
ポリ燐酸メラミン(MPP)、ジエチルホスフィン酸亜鉛(DEPZn)、ジエチルホスフィン酸アルミニウム(DEPAl)、シリコタングステン酸(SiTA)およびこれらの組み合わせから成る群より選択される非ハロゲン系難燃添加剤を含む、
難燃繊維。
【請求項2】
前記部分芳香族ポリアミドが芳香族および脂肪族のジアミンおよび二酸の重合体もしくは共重合体を含んで成る請求項1記載の難燃繊維。
【請求項3】
前記部分芳香族ポリアミドが更に芳香族ジアミン単量体および脂肪族二酸単量体も含んで成る請求項2記載の難燃繊維。
【請求項4】
メラミンの縮合生成物(メラム、メレムおよびメロンを包含)、メラミンと燐酸の反応生成物(燐酸メラミン、ピロ燐酸メラミンを包含)、メラミンの縮合生成物と燐酸の反応生成物(ポリ燐酸メラム、ポリ燐酸メレム、ポリ燐酸メロンを包含)、ジエチルホスフィン酸カルシウム、ジエチルホスフィン酸マグネシウム、ビスフェノール−Aビス(ジフェニルホスフィネート)(BPADP)、レゾルシノールビス(2,6−ジキシレニルホスフェート)(RDX)、レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)(RDP)、オキシ窒化燐、ホウ酸亜鉛、酸化亜鉛、錫酸亜鉛、ヒドロキシ錫酸亜鉛、硫化亜鉛、燐酸亜鉛、ケイ酸亜鉛、水酸化亜鉛、炭酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、八モリブデン酸アンモニウム、モリブデン酸メラミン、八モリブデン酸メラミン、メタホウ酸バリウム、フェロセン、燐酸ホウ素、ホウ酸ホウ素、水酸化マグネシウム、ホウ酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、三水和アルミナ、グリコルリルおよび3−アミノ−1,2,4−トリアゾール−5−チオールのメラミン塩、カリウム、亜鉛および鉄のウラゾール塩、1,2−エタンジイル−4−4’−ビス−トリアゾリジン−3,5,ジオン、シリコーン、Mg、Al、Ti、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Zr、Mo、Sn、Sb、Ba、WおよびBiの酸化物、多面体のオリゴマー状シルセスキオキサン、炭素ナノチューブ、ナノ粘土、ホスホタングステン酸、タングステン酸のメラミン塩、直鎖、分枝もしくは環式ホスフェートもしくはホスホネート、スピロビスホスホネート、スピロビスホスフェートおよびこれらの組み合わせから成る群より選択される非ハロゲン系難燃添加剤を含む、請求項1記載の難燃繊維。
【請求項5】
前記非ハロゲン系難燃添加剤が重量で表して5%から10%の濃度で存在する請求項1−4の1項記載の難燃繊維。
【請求項6】
難燃ステープル紡績ヤーンであって、請求項1−5の1項記載の少なくとも1種の難燃繊維を含有して成る難燃ステープル紡績ヤーン。
【請求項7】
更に追加的繊維も含有して成る請求項6記載の難燃ステープル紡績ヤーン。
【請求項8】
前記追加的繊維がセルロース、アラミド、フェノール樹脂、ポリエステル、酸化アクリル樹脂、モダクリル樹脂、メラミン、絹、亜麻、麻、羊毛、ポリ(p−フェニレンベンゾビスオキサゾール)(PBO)、ポリベンゾイミダゾール(PBI)およびポリスルホンアミド(PSA)繊維から成る群より選択される請求項7記載の難燃ステープル紡績ヤーン。
【請求項9】
前記追加的繊維が難燃剤による処理を受けている請求項7−8の1項記載の難燃ステープル紡績ヤーン。
【請求項10】
前記追加的繊維が綿、レーヨン、ポリエステルまたはリヨセルである請求項7記載の難燃ステープル紡績ヤーン。
【請求項11】
難燃連続フィラメントヤーンであって、請求項1−5の1項記載の少なくとも1種の難燃繊維を含有して成りかつ前記難燃繊維が連続繊維である難燃連続フィラメントヤーン。
【請求項12】
更に追加的連続フィラメント繊維も含有して成る請求項11記載の難燃連続フィラメントヤーン。
【請求項13】
前記追加的連続フィラメント繊維がアラミド、フェノール樹脂、ポリエステル、酸化アクリル樹脂、モダクリル樹脂、メラミン、リヨセル、ポリ(p−フェニレンベンゾビスオキサゾール)(PBO)、ポリベンゾイミダゾール(PBI)およびポリスルホンアミド(PSA)繊維から成る群より選択される請求項12記載の難燃連続フィラメントヤーン。
【請求項14】
前記追加的連続フィラメント繊維が難燃剤による処理を受けている請求項12−13の1項記載の難燃連続フィラメントヤーン。
【請求項15】
請求項6−8の1項記載のヤーンを含有して成る布。
【請求項16】
更に追加的ヤーンも含有して成る請求項15記載の布。
【請求項17】
前記追加的ヤーンがセルロース、アラミド、フェノール樹脂、ポリエステル、酸化アクリル樹脂、モダクリル樹脂、メラミン、綿、絹、亜麻、麻、羊毛、レーヨン、リヨセル、ポリ(p−フェニレンベンゾビスオキサゾール)(PBO)、ポリベンゾイミダゾール(PBI)およびポリスルホンアミド(PSA)繊維から成る群より選択される繊維を含有して成る請求項16記載の布。
【請求項18】
難燃不織布であって、請求項1−5の1項記載の難燃繊維を含有して成る難燃不織布。
【請求項19】
前記不織布がスパンボンド、メルトブローンおよびこれらの組み合わせから成る群より選択される工程で作られたものである請求項18記載の難燃不織布。
【請求項20】
少なくとも1種の繊維を含有して成る難燃布であって、前記繊維が部分芳香族ポリアミドおよび非ハロゲン系難燃添加剤を含有して成り、
前記部分芳香族ポリアミドがMXD6を含み、
MPP、DEPZn、DEPAl、SiTAおよびこれらの組み合わせから成る群より選択される非ハロゲン系難燃添加剤を含み、
かつ更に布が垂直燃焼試験で自己消化性を示す能力を有する難燃布。
【請求項21】
少なくとも1種の繊維を含有して成る難燃布であって、前記繊維が部分芳香族ポリアミドおよび非ハロゲン系難燃添加剤を含有して成り、
前記部分芳香族ポリアミドがMXD6を含み、
MPP、DEPZn、DEPAl、SiTAおよびこれらの組み合わせから成る群より選択される非ハロゲン系難燃添加剤を含み、
かつ更に布が垂直燃焼試験で60秒未満の残炎時間を示す能力を有する難燃布。
【請求項22】
少なくとも1種の部分芳香族ポリアミド、少なくとも1種の脂肪族ポリアミドおよび少なくとも1種の非ハロゲン系難燃添加剤を含有して成り、
前記部分芳香族ポリアミドがMXD6を含み、
MPP、DEPZn、DEPAl、SiTAおよびこれらの組み合わせから成る群より選択される非ハロゲン系難燃添加剤を含む、
難燃繊維。
【請求項23】
更に2番目の部分芳香族ポリアミドも含有して成る請求項22記載の難燃繊維。
【請求項24】
前記少なくとも1種の部分芳香族ポリアミドがMXD6でありそして前記2番目の部分芳香族ポリアミドがナイロン6/6Tである請求項23記載の難燃繊維。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に工業用繊維、ヤーンおよび布に関し、特に、部分芳香族ポリアミドと非ハロゲン化難燃添加剤を含有して成る難燃繊維、ヤーンおよびこれらから作られた布に関する。
【背景技術】
【0002】
難燃(FR)布は軍および軍以外両方の環境下で重要である。消防士、カーレーサーおよび石油化学作業者が難燃布の追加的保護によって利益を受ける軍以外のグループのほんの数例である。しかしながら、難燃布の真の利点は軍にある。我々の軍隊が作業する必要がある厳しい環境に加えて通常ではない最新の戦争行為の出現によって更にもっと厳しい環境が作り出されている。具体的には、兵士の大きな護衛団を動けなくするための簡易爆発物(“IED”)の使用によって個々の軍隊を保護することが非常に重要になってきている。
【0003】
弾道布および防弾チョッキに加えて、難燃布は兵士をIEDから守るのに重要な役割を果たす。IEDは数多くの材料(例えば高爆発性仕込み物、燃焼性液体、爆弾用金属片など)で作られており、ある物は爆発時に発射物として作用しそして他の物は発火装置として作用する。このように軍用布はIEDによる数多くの脅威を取り扱うように多様な構造を有する必要がある。
【0004】
防護布で用いられている難燃布には基本的に下記の2種類がある:(1)難燃有機繊維(例えばアラミド、難燃レーヨン、ポリベンゾイミダゾール、モダクリル樹脂など)で作られた布および(2)難燃性を示すように後で処理された通常の材料(例えば綿)で作られた難燃布。Nomex(登録商標)およびKevlar(登録商標)芳香族ポリアミドが最も一般的な種類の難燃合成繊維に属する。これらはメタ−もしくはパラ−芳香族ポリアミド重合体を溶液紡績して繊維にすることで作られる。芳香族ポリアミドは極度の熱の下でも溶融せず、必然的に難燃性であるが、溶液紡績を必要とする。不幸なことには、Nomex(登録商標)はあまり心地よくなくかつ製造が困難でありかつ高価である。Kevlar(登録商標)もまた製造が困難でありかつ高価である。
【0005】
後処理用難燃剤は布に加えられそして下記の基本的2種類に分類分け可能である:(1)耐久性難燃剤および(2)非耐久性難燃剤。防護服の場合、その処理は洗濯に耐える必要があることから選択されるのは耐久性処理のみである。今日では、耐久性難燃化学品は最も頻繁に燐が基になったFR剤および前記FR剤を布に固定するための化学品もしくは樹脂に頼っている。
【0006】
加工性および強度が理由で幅広く研究されてきた1つの重合体繊維はナイロン6,6繊維である。綿に脂肪族ナイロン繊維を少量、即ち約12%混合しそして化学的処理を行うことで難燃布を生じさせることができる。綿が主要な繊維成分であることから、この布は“FR綿”布と呼ばれている。ナイロン繊維はFR綿布および衣服に優れた耐摩耗性を与える。しかしながら、ナイロンは溶融加工可能(即ち熱可塑性)でありかつ固有の難燃性を与えないことから、FR布に入れるナイロン繊維の量は制限される。脂肪族ナイロン繊維に化学的修飾を受けさせてナイロン繊維の含有量を高くすると同時にそれでも充分な難燃性を達成しようとする試みは成功しなかった。実際、DeopuraおよびAlagirusamyは最近の本(非特許文献1)の中で“...ナイロン繊維の中で用いられている新規および/または改良された反応性難燃コモノマーまたは通常の....難燃添加剤に関して重要な現状打破は全く起こりそうに思えない”と述べている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Polyesters and Polyamides(320頁のThe Textile Institute 2008)
【発明の概要】
【0008】
熱可塑性繊維と溶融しない難燃繊維の混合物(例えば脂肪族ポリアミドとFR処理綿)を用いることに関する問題はいわゆる“付着物効果”である(Horrocks他.、
Fire Retardant Materials、148、§4−5−2(2001)を参照)。一般に、熱可塑性繊維(FR剤による処理もしくは改質を受けたそれらを包含)は、炎源から離れた場所では収縮を起こすか或は溶融状態の重合体が炎源から離れた場所で滴になって消火を起こすことで自己消火する。FRポリエステル繊維はそのような挙動を示す繊維である。FRポリエステル繊維を溶融しない難燃繊維、例えばFR処理綿などと混合すると、その溶融しない繊維が炭素質付着物を形成し(“付着物効果”)そして熱可塑性FRポリエステル繊維が炎の中に拘束されることで燃焼し続けるであろう。本質的に、垂直燃焼試験中では、その熱可塑性繊維重合体が溶融して非熱可塑性スクリムを流れ落ちて炎を送り込むことで布が完全に燃焼する。加うるに、衣服の中では溶融状態の重合体が滴りそして人の皮膚に粘着する結果として着用者が更に傷害を起こし得る。
【0009】
必要とされているものは、“付着物効果”をもたらさず、良好な難燃性を示し、滴りおよび粘着を防止しかつ着用に耐える改良された難燃性ナイロン混合物である。従って、編みまたは織り可能であるか或は不織布に調製可能である繊維を生じさせることを可能にするか或は自己消火性で、滴り落ちず、着用に耐え/耐久性のある難燃性布、詰め物または衣類を生じさせることを可能にする溶融加工可能で混合可能な重合体と難燃添加剤の組み合わせを見つけることができれば、これは好ましいことである。
【0010】
本明細書に開示する発明では、溶融加工可能なポリアミドと非ハロゲン系難燃添加剤から生じさせた難燃性布を提供する。驚くべきことに、部分芳香族ポリアミドを難燃添加剤と混合すると溶融加工可能になり、それによって、同じ難燃剤と混合した時の脂肪族ポリアミド(例えばナイロン6,6)に比べて優れた難燃性を示す繊維が生じることを見いだした。このことは予想外なことである、と言うのは、部分芳香族ポリアミドは熱可塑性であり(即ち加熱すると溶融し)、そのことは“付着物効果”および劣った難燃性に関係しているからである。
【0011】
1つの面として、部分芳香族ポリアミドと非ハロゲン系難燃剤を含有して成る難燃繊維を開示する。そのような部分芳香族ポリアミドは芳香族ジアミン単量体と脂肪族二酸単量体を含有して成っていてもよい。また、そのような部分芳香族ポリアミドは、芳香族および脂肪族のジアミンと二酸の重合体または共重合体を含有して成っていてもよく、それにはMXD6が含まれる。例えば、MXD6はm−キシレンジアミン(MXDA)とアジピン酸から生じたポリアミドを指す。
【0012】
別の面として、この開示する難燃繊維から作られた難燃ヤーンおよび布を開示する。そのようなヤーンにまた追加的繊維を含有させることも可能であり、それらは天然または合成のいずれかであり、それには連続フィラメントおよびステープル繊維が含まれる。そのような追加的繊維は本質的に難燃性であるか或は難燃剤で処理されていてもよい。その布にまた追加的ヤーンを含有させることも可能であり、それは天然、合成または両方の混合物であってもよい。その追加的ヤーンに難燃剤による処理を受けさせてもよいか或は難燃剤で処理された繊維を含有させてもよい。そのような布を染色してもよくかつまたそれに追加的仕上げ剤(難燃性および非難燃性の両方)を塗布してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1a-1h】
図1a−1hに、開示する様々な面の難燃重合体および通常の難燃ナイロン6,6重合体が示した難燃性を示す。
【
図3a-3c】
図3a−3cに、この開示する2つの面の布を難燃レーヨンと混合した時および難燃ナイロン6,6と難燃レーヨンを混合した時の難燃性を示す。
【
図4】
図4では、様々な添加剤を添加した時にMXD6が示した残炎時間をナイロン6,6が示したそれと比較する。
【0014】
本技術分野における用語“耐燃性”と“難燃性”と“FR”の差は僅かである。これらの用語の使用における差は、燃焼に耐えるか或は燃焼速度が遅くそして垂直燃焼試験の如き条件下で自己消火を起こし得る布の記述に関係している。本発明の目的で、用語“耐燃性”と“難燃性”を互換的に用い、それらには所望特性、例えば燃焼に耐えること、燃焼速度が遅いこと、自己消火性であることなどの1つ以上を示す如何なる布も含まれることを意味する。
【0015】
部分芳香族ポリアミドと非ハロゲン系難燃添加剤を含有して成る難燃繊維を開示する。そのような部分芳香族ポリアミドには、芳香族ジアミン単量体、脂肪族ジアミン単量体、芳香族二酸単量体、脂肪族二酸単量体およびこれらの組み合わせから成る群より選択される単量体を含有する重合体もしくは共重合体が含まれ得る。そのような部分芳香族ポリアミドにはまたMXD6が含まれるか或はそれは排他的にMXD6であり得、そのMXD6は芳香族ジアミンおよび非芳香族二酸を含有する。他の部分芳香族ポリアミドは、芳香族二酸、例えばテレフタル酸(ポリアミド6T)またはイソフタル酸(ポリアミド6I)またはこれらの混合物(ポリアミド6T/6I)が基になっていてもよい。部分芳香族ポリアミドが示す溶融もしくは加工温度は、約240℃(MXD6の場合)から約355℃(ポリアミドイミドの場合)の範囲であり、それには約260℃、280℃、300℃、320℃および340℃が含まれる。ナイロン6およびナイロン6,6が示す溶融温度はそれぞれ約220℃および260℃である。そのようなポリアミド重合体が示す溶融温度が低ければ低いほど繊維への加工が容易である。以下に一般的な部分芳香族重合体および特定の比較非芳香族およびそれらの関連した溶融温度のリストを示す。
重合体 商標 溶融温度、℃
ナイロン6(非芳香族) 様々 220
ナイロン66(非芳香族) 様々 260
MXD6 MXD6 240
ナイロン6/6T Grivory 295
ポリフタルアミド(PPA) Zytel、LNP 300
ナイロン6T Arlen 310
ナイロン6I/6T Grivory 325
ポリアミドイミド Torlon 355
【0016】
そのような部分芳香族ポリアミドにはまた複数の部分芳香族アミドの共重合体もしくは混合物も含まれ得る。例えば、MXD6をナイロン6/6Tと混合した後に繊維生じさせることも可能である。その上、部分芳香族重合体を脂肪族ポリアミドもしくは複数の脂肪族ポリアミドの共重合体もしくは混合物と混合することも可能である。例えば、MXD6をナイロン6,6と混合した後に繊維を生じさせることも可能である。
【0017】
非ハロゲン系難燃添加剤には、メラミンの縮合生成物(メラム、メレムおよびメロンを
包含)、メラミンと燐酸の反応生成物(燐酸メラミン、ピロ燐酸メラミンおよびポリ燐酸メラミン(MPP)を包含)、メラミンの縮合生成物と燐の反応生成物(ポリ燐酸メラム、ポリ燐酸メレム、ポリ燐酸メロンを包含)、シアヌル酸メラミン(MC)、ジエチルホスフィン酸亜鉛(DEPZn)、ジエチルホスフィン酸アルミニウム(DEPAl)、ジエチルホスフィン酸カルシウム、ジエチルホスフィン酸マグネシウム、ビスフェノール−A ビス(ジフェニルホスフィネート)(BPADP)、レゾルシノールビス(2,6−ジキシレニルホスフェート)(RDX)、レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)(RDP)、オキシ窒化燐、ホウ酸亜鉛、酸化亜鉛、錫酸亜鉛、ヒドロキシ錫酸亜鉛、硫化亜鉛、燐酸亜鉛、ケイ酸亜鉛、水酸化亜鉛、炭酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、八モリブデン酸アンモニウム、モリブデン酸メラミン、八モリブデン酸メラミン、メタホウ酸バリウム、フェロセン、燐酸ホウ素、ホウ酸ホウ素、水酸化マグネシウム、ホウ酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、三水和アルミナ、グリコルリルおよび3−アミノ−1,2,4−トリアゾール−5−チオールのメラミン塩、カリウム、亜鉛および鉄のウラゾール塩、1,2−エタンジイル−4−4’−ビス−トリアゾリジン−3,5,ジオン、シリコーン、Mg、Al、Ti、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Zr、Mo、Sn、Sb、Ba、WおよびBiの酸化物、多面体オリゴマー状シルセスキオキサン、シリコタングステン酸(SiTA)、ホスホタングステン酸、タングステン酸のメラミン塩、直鎖、分枝もしくは環式ホスフェートもしくはホスホネート、スピロビスホスホネート、スピロビスホスフェートおよびナノ粒子、例えば炭素ナノチューブおよびナノ粘土(これらに限定するものでないが、モントモリロナイト、ハロイサイトおよびラポナイトが基になったナノ粘土を包含)が含まれ得る。
【0018】
前記難燃添加剤を約1%から約25%(重量/重量)の量で存在させ、それには約5%から約20%(重量/重量)、約5%から約10%および約10%が含まれる。前記難燃添加剤の平均粒径は約3ミクロン未満であり、それには約2ミクロン未満および約1ミクロン未満が含まれる。
【0019】
そのような難燃添加剤の粒径は粉砕方法で調製可能であり、その方法は、各成分にエアジェット粉砕を受けさせるか或は成分の混合物に共粉砕を受けさせて粒径を小さくすることを含んで成る。また、当該技術分野で公知の他の湿式もしくは乾式粉砕技術(例えば媒体よる粉砕)を用いて添加剤の粒径を繊維紡績に適するように小さくすることも可能である。適宜、液状の粉砕助剤を可能ならば粉砕工程の適切ないずれかの地点で粉砕装置の中に加圧下で注入することを粉砕に伴わせることも可能である。難燃剤系を安定化させそして/または凝集を防止する目的でそのような液状の助剤を添加する。また、粒子の湿りを助けそして/または再凝集を防止する追加的成分も難燃添加剤を粉砕している間、難燃添加剤と重合体を混合している間および/または繊維を紡績している工程の間のいずれかの適切な地点で添加することも可能である。
【0020】
押出し加工機を用いて前記難燃剤を高分子材料と混合してもよい。代替方法は、当該難燃剤組成物を重合体の中に最終的ポリアミド繊維製品に望まれる濃度より高い濃度で分散させてマスターバッチを生じさせることを伴う。そのマスターバッチを粉砕するか或はペレット状にしてもよく、その結果としてもたらされた粒子を追加的ポリアミド樹脂と乾式混合しそしてその混合物を繊維紡績工程で用いてもよい。更に別の代替方法は、当該難燃添加剤成分の一部または全部を重合体に重合工程の適切な時点で添加することを伴う。
【0021】
本難燃繊維はステープル繊維または連続フィラメントであってもよい。また、本難燃繊維を不織布、例えばスパンボンド、メルトブローンまたはこれらの組み合わせの布の中に含めることも可能である。そのフィラメントの断面の形状は如何なる形状であってもよく、それには、円形、三角形、星形、正方形、楕円形、双葉、三つ葉またはフラットが含まれる。その上、公知のテキスチャリング方法を用いてフィラメントにテキスチャー加工を
受けさせることも可能である。この上で考察したように、繊維に紡績する当該部分芳香族ポリアミドにまた追加的部分芳香族もしくは脂肪族重合体を含有させることも可能である。そのような繊維を紡績する時、2種以上のポリアミド重合体の混合物の混合を行った後に紡績を実施してヤーンを生じさせるか或は少なくとも1種の部分芳香族ポリアミド重合体と追加的部分芳香族ポリアミド重合体もしくは脂肪族重合体を2成分形態、例えば横並びまたはコア−シェル形態などで含有する多フィルムヤーンを生じさせることも可能である。
【0022】
本難燃ステープル繊維を紡績して難燃ヤーンを生じさせることができる。そのヤーンは100%難燃繊維を含有して成っていてもよいか或は追加的ステープル繊維(難燃性および非難燃性両方)との混合物であってもよく、それを用いてステープル紡績ヤーンを生じさせることができる。追加的繊維には綿、羊毛、亜麻、麻、絹、ナイロン、リヨセル、ポリエステルおよびレーヨンが含まれ得る。この上に示したステープル紡績ヤーンにまた他の熱可塑性もしくは非熱可塑性繊維、例えばセルロース、アラミド、ノボロイド、フェノール樹脂、ポリエステル、酸化アクリル樹脂、モダクリル樹脂、メラミン、ポリ(p−フェニレンベンゾビスオキサゾール)(PBO)、ポリベンゾイミダゾール(PBI)またはポリスルホンアミド(PSA)、酸化ポリアクリロニトリル(PAN)、例えば部分酸化PANなどおよびこれらの混合物などを含有させることも可能である。本明細書で用いる如きセルロースには綿、レーヨンおよびリヨセルが含まれる。前記熱可塑性/非熱可塑性繊維は難燃性であってもよい。特定の繊維、例えばアラミド、PBIまたはPBOなどは炎にさらされた後でも強度を維持しそして混合ヤーンおよび布で用いると燃焼試験後の布炭化長を短くするのに有効である。
【0023】
この開示する難燃繊維を用いて作られた難燃ヤーンを含有して成る布は、繊維製品垂直燃焼試験(ASTM D6413)で自己消火性を示すであろう。そのような自己消火性挙動は、この上に開示したように、この開示する難燃繊維を100%用いるか或は本難燃繊維とステープル紡績繊維の混合物として作成した布の状態で達成される。この開示する難燃ヤーンを用いて生じさせる布にまた追加的ヤーン、例えばセルロース、アラミド、フェノール樹脂、ポリエステル、酸化アクリル樹脂、モダクリル樹脂、メラミン、綿、絹、亜麻、麻、羊毛、レーヨン、リヨセル、ポリ(p−フェニレンベンゾビスオキサゾール)(PBO)、ポリベンゾイミダゾール(PBI)およびポリスルホンアミド(PSA)繊維、部分酸化アクリル樹脂(部分酸化ポリアクリロニトリルを包含)、ノボロイド、羊毛、亜麻、麻、絹、ナイロン(FRであるか否かに拘わらず)、ポリエステル(FRであるか否かに拘わらず)、帯電性繊維およびこれらの組み合わせなどを含有させることも可能である。必要ならば、そのような布に追加的難燃添加剤および仕上げ剤を用いた処理を受けさせることも可能である。典型的な綿処理方法はCotton Incorporated(Cary、North Carolina)が出版した技術小雑誌‘Fabric
Flame Retardant Treatment’(2003)(引用することによって全体が本明細書に組み入れられる)に見られる。このような布は織布、編布および不織布であってもよい。不織布には、梳ウエブ、ウエット−レイまたはスパンボンド/メルトブローン工程で作られたそれらが含まれる。
【0024】
本繊維、ヤーンおよび布にまた追加的成分、例えば紫外線安定剤、抗菌剤、漂白剤、光学的光沢剤、抗酸化剤、顔料、染料、防汚剤、防染み剤、ナノ粒子およびはっ水剤などを含有させることも可能である。紫外線安定剤、抗菌剤、光学的光沢剤、抗酸化剤、ナノ粒子および顔料を溶融紡績前の本難燃繊維に添加してもよいか或は繊維成形後に後処理剤として添加してもよい。染料、防汚剤、防染み剤、ナノ粒子およびはっ水剤を繊維および/または布成形後に後処理剤として添加してもよい。ヤーンおよび布の場合、このような追加的成分を後処理剤として添加してもよい。また、この開示する難燃繊維を用いて生じさせる布にコーティングまたはフィルム(耐摩耗性または液体/蒸気透過の制御の目的で付
着)との積層を受けさせることも可能である。
【0025】
図1a−1hに示すように、この開示する難燃重合体を用いて生じさせた成形積層品が示す難燃性(ASTM D−6413を用いて測定した時)は、通常のナイロン6,6難燃繊維を用いて作られた成形積層品が示すそれに比べて優れている。
【0026】
図2は、難燃熱可塑性プラスチックおよび非熱可塑性繊維に関連した付着物効果を示す図式図である。
図3a−3cでは、この開示する難燃繊維と難燃レーヨンを用いて作成した布をナイロン6,6難燃繊維と難燃レーヨンを用いて作成した布と比較する。ここでは、この開示する難燃繊維を用いて作成した布(
図3b−3c)は付着物問題を示さないが、ナイロン6,6の布(
図3a)は付着物問題を示す。
図4に、様々な難燃添加剤を様々な濃度で用いたナイロン6,6およびMXD6重合体が示した垂直燃焼性データを示す。この図は、MXD6の方がナイロン6,6よりも予想外な利点を有することを示している。
【0027】
定義:
残炎は、“発火源を取り除いた後に材料が持続して燃えること”[情報源:ATSM D6413 Standard test Method for Flame Resistance of Textiles(Vertical Method)]を意味する。
【0028】
炭化長は、“指定引き裂き力をかけた後の炎に直接さらされている布端から目に見える布損傷がある最も遠い端までの距離”[情報源:ATSM D6413 Standard test Method for Flame Resistance of Textiles(Vertical Method)]を意味する。
【0029】
滴りは、“連続した流れを生じる程の量も圧力も持たない液体の流れ”[情報源:National Fire Protection Association(NFPA)Standard 2112、Standard on Flame−Resistant Garments for Protection of Industrial Personnel Against Flash Fire]を意味する。
【0030】
溶融は、‘ある材料が熱の結果として流れまたは滴りの証拠を示す反応’[情報源:National Fire Protection Association(NFPA)Standard 2112、Standard on Flame−Resistant Garments for Protection of Industrial
Personnel Against Flash Fire]を意味する。
【0031】
自己消火は、発火源を取り除いた後に材料が持続的に燃え続けないか或は試験片が完全に消費される前に炎が止むこと[ATSM D6413 Standard test Method for Flame Resistance of Textiles(Vertical Method)で試験した時に]を意味する。
【0032】
試験方法:
難燃性の測定をASTM D−6413 Standard Test Method
for Flame Resistance of Textiles(Vertical Test)に従って実施した。
【0033】
圧縮成形積層品の製造:重合体をFR添加剤の有り無しで圧縮成形することで寸法が約10cm x 10cmで重量が約10グラムのフィルムを生じさせる。成形を行う前に
ガラス繊維不織スクリムを前記重合体混合物の上下に置く。前記ガラス繊維スクリムは垂直燃焼試験中に炎から離れた所で重合体が収縮することも溶融することもないようにするものであり、それによって“付着物効果”が存在する可能性を予測することができる。そのスクリムの重量は最終的積層品の約7%である。成形温度を当該重合体の溶融温度より約25℃高い温度にする。
【実施例】
【0034】
実施例1−7:様々な面の本開示難燃繊維を用いて製造した成形積層品が示す難燃性
試験積層品の調製をこの上に示した技術を用いて実施した。実施例1の調製ではMXD6を用いるが難燃添加剤を用いない。実施例2の調製ではMXD6と10%(重量/重量)の量のMPP(ポリ燐酸メラミン)添加剤を用いる。実施例3の調製ではMXD6と10%(重量/重量)の量のMC(シアヌル酸メラミン)添加剤を用いる。実施例4の調製ではMXD6と10%(重量/重量)の量のDEPZn(ジエチルホスフィン酸亜鉛)添加剤を用いる。実施例5の調製ではMXD6と10%(重量/重量)の量のDEPAl(ジエチルホスフィン酸アルミニウム)を用いる。実施例6の調製ではMXD6と20%(重量/重量)の量のSiTA(シリコタングステン酸)を用いる。実施例7の調製ではMXD6と20%(重量/重量)の量のMC添加剤を用いる。結果を以下の表1に報告する。
【0035】
比較実施例1−4:ナイロン6,6と難燃添加剤を用いて製造した成形積層品が示す難燃性
試験積層品の調製をこの上に示した技術を用いて実施した。比較実施例1の調製ではナイロン6,6を用いるが難燃添加剤を用いない。比較実施例2の調製ではナイロン6,6と10%(重量/重量)の量のMPP添加剤を用いる。比較実施例3の調製ではナイロン6,6と10%(重量/重量)の量のMC添加剤を用いる。比較実施例4の調製ではナイロン6,6と10%(重量/重量)の量のDEPZn添加剤を用いる。比較実施例5の調製ではナイロン6,6を用いるが難燃添加剤を用いない。結果を以下の表1に報告する。
【0036】
【表1】
【0037】
この上の表1に示すように、この開示する難燃積層品は自己消火を示しかつナイロン6,6対照物に比べて短い残炎時間を示した。その上、この開示する難燃積層品はまた結果として火炎滴りも起こさなかったが、これは如何なる難燃布にとっても好ましい特性である。MXD6およびナイロン6,6が基になった重合体は両方とも溶融加工可能であることから、この上に示したMXD6重合体を用いた時の結果は驚くべきでありかつ予想外である。
【0038】
実施例8−18:開示する難燃繊維と難燃レーヨンから作成した布が示す難燃性
以下の実施例では、難燃熱可塑性ヤーンをステープル紡績FRレーヨンヤーン(Lenzing FR)と組み合わせて編むことで管状布を生じさせた。その混合布の各ヤーンの含有量をそれぞれ約50パーセントにした。その布に燃焼試験を受けさせる前に繊維仕上げ剤および編み用油を除去しておいた。
【0039】
実施例8は、MPP添加剤含有量が2%(重量/重量)の難燃MXD6繊維と難燃レーヨン繊維の布混合物である。実施例9は、MPP添加剤含有量が5%(重量/重量)の難燃MXD6繊維と難燃レーヨン繊維の布混合物である。実施例10は、MPP添加剤含有量が10%(重量/重量)の難燃MXD6繊維と難燃レーヨン繊維の布混合物である。実施例11は、DEPAl添加剤含有量が2%(重量/重量)の難燃MXD6繊維と難燃レーヨン繊維の布混合物である。実施例12は、DEPAl添加剤含有量が5%(重量/重量)の難燃MXD6繊維と難燃レーヨン繊維の布混合物である。実施例13は、DEPAl添加剤含有量が10%(重量/重量)の難燃MXD6繊維と難燃レーヨン繊維の布混合物である。実施例14は、DEPZn添加剤含有量が5%(重量/重量)の難燃MXD6繊維と難燃レーヨン繊維の布混合物である。実施例15は、DEPZn添加剤含有量が1
0%(重量/重量)の難燃MXD6繊維と難燃レーヨン繊維の布混合物である。結果を以下の表2に報告する。
【0040】
比較実施例6−8:ナイロン6,6難燃繊維と難燃レーヨンから作成した布が示す難燃性
比較実施例6は、MPP添加剤含有量が5%(重量/重量)の難燃ナイロン6,6繊維と難燃レーヨン繊維の布混合物である。比較実施例7は、MPP添加剤含有量が10%(重量/重量)の難燃ナイロン6,6繊維と難燃レーヨン繊維の布混合物である。比較実施例8は、DEPAl添加剤含有量が10%(重量/重量)の難燃ナイロン6,6と難燃レーヨン繊維の布混合物である。結果を以下の表2に報告する。
【0041】
【表2】
【0042】
ここに、MXD6と難燃レーヨン繊維の混合物が示した結果の方がナイロン6,6と難燃レーヨン繊維の比較混合物が示したそれよりも優れていた。この上で考察したように、そのような結果は驚くべきでありかつ予想外である。
【0043】
本発明を本発明の特定の面に関連させて記述してきたが、この上で行った説明を考慮すると多くの代替、修飾形および変形が当業者に思い浮かぶことは明らかである。従って、本発明に本請求項の精神および範囲内に入るそのような代替、修飾形および変形の全部を包含させることを意図する。